JP2016078581A - シート - Google Patents

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Abstract

【課題】着座者の仙骨が安定するシートを提供する。【解決手段】シート10は、シートバック12の骨格を構成するシートバックフレーム14と、シートバックフレーム14のシート幅方向両側に設けられた一対のサイドフレーム部14Aに架け渡され、一部が着座者の仙骨部を支持する仙骨支持部材50と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、シートに関する。
特許文献1には、シートクッションとシートバックとの間の隙間に圧縮空気を封入した袋体を配置し、この袋体で着座者の仙骨部を支持する車両用のシートが開示されている。
また、特許文献2には、シートバックのシートバックフレームに着座者の腰椎を支持するランバーサポートを設けた車両用のシートが開示されている。
実開平07−034761号公報 特開2011−188971号公報
ところで、特許文献1に開示の車両用のシートでは、シートクッションとシートバックとの間の隙間に袋体を配置するため仙骨下部を支持できるが、着座者の体型によっては仙骨上部を支持できず、仙骨部が安定しない虞がある。
また、特許文献2開示の車両用のシートでは、着座者の腰椎をランバーサポートで支持できるが、着座者の仙骨部を支持できないため、仙骨部が安定しない傾向がある。
本発明は、上記事実を考慮して、着座者の仙骨部が安定するシートを提供することを目的とする。
請求項1に記載のシートは、シートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、前記シートバックフレームのシート幅方向両側に設けられた一対のサイドフレーム部に架け渡され、一部が着座者の仙骨部を支持する仙骨支持部材と、を備える。
請求項1に記載のシートでは、一対のサイドフレーム部に架け渡された仙骨支持部材の一部で着座者の仙骨部を支持することから、例えば、シートクッションとシートバックとの隙間に配置した部材で着座者の仙骨部を支持するものと比べて、仙骨の上側(仙骨上部)を支持できるため、着座者の仙骨部が安定する。このように着座者の仙骨部が安定することで、着座者の脊椎が安定し、着座姿勢が崩れにくくなる。
請求項2に記載のシートは、請求項1に記載のシートにおいて、前記仙骨支持部材は、シート幅方向に延びて前記仙骨部を支持する仙骨支持部を備える。
請求項2に記載のシートでは、仙骨支持部材のシート幅方向に延びる仙骨支持部で着座者の仙骨部を支持することから、仙骨部をシート幅方向の広い範囲で支持することができるため、着座者の仙骨部がより安定する。
請求項3に記載のシートは、請求項2に記載のシートにおいて、前記仙骨支持部は、ヒップポイントからトルソラインに沿って40〜70mmの範囲内に配置されている。
請求項3に記載のシートでは、着座させたダミー(人体模型)のヒップポイントからトルソラインに沿って40〜70mmの範囲内に仙骨支持部材の仙骨支持部を配置するため、着座者の体型(例えば、身長の高低)によらず、着座者の仙骨部が安定する。
請求項4に記載のシートは、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートにおいて、一対の前記サイドフレーム部には、前記仙骨支持部材が複数架け渡されている。
請求項4に記載のシートでは、一対のサイドフレーム部に架け渡された複数の仙骨支持部材のそれぞれの仙骨支持部が着座者の仙骨部を支持することから、仙骨部をシート上下方向の広い範囲で支持することができるため、着座者の仙骨部がさらに安定する。
請求項5に記載のシートは、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートにおいて、前記仙骨支持部材よりもシート上方に配置され、一対の前記サイドフレーム部に架け渡され、一部が着座者の胸郭部を支持する胸郭支持部材、を備える。
請求項5に記載のシートでは、一対のサイドフレーム部に架け渡された胸郭支持部材の一部で着座者の胸郭部を支持することから、着座者の脊椎がより安定するため、着座姿勢がさらに崩れにくくなる。
請求項6に記載のシートは、請求項5に記載のシートにおいて、前記胸郭支持部材は、シート幅方向に延びて前記胸郭部を支持する胸郭支持部を備える。
請求項6に記載のシートでは、胸郭支持部材のシート幅方向に延びる胸郭支持部で着座者の胸郭部を支持することから、胸郭部をシート幅方向の広い範囲で支持することができるため、着座者の脊椎がさらに安定する。
請求項7に記載のシートは、請求項6に記載のシートにおいて、前記胸郭支持部は、ヒップポイントからトルソラインに沿って350〜450mmの範囲内に配置されている。
請求項7に記載のシートでは、着座させたダミー(人体模型)のヒップポイントからトルソラインに沿って350〜450mmの範囲内に胸郭支持部材の胸郭支持部を配置するため、着座者の体型(例えば、身長の高低)によらず、着座者の脊椎が安定する。
請求項8に記載のシートは、請求項5〜7のいずれか1項に記載のシートにおいて、一対の前記サイドフレーム部には、前記胸郭支持部材が複数架け渡されている。
請求項8に記載のシートでは、一対のサイドフレーム部に架け渡された複数の胸郭支持部材のそれぞれの胸郭支持部が着座者の胸郭部を支持することから、胸郭部をシート上下方向の広い範囲で支持することができるため、着座者の脊椎がさらに安定する。
本発明は、着座者の仙骨が安定するシートを提供することができる。
第1実施形態のシートの骨格をシート右斜め前方から見た斜視図である。 図1の矢印2で指し示す部分を拡大した拡大図である。 図1の矢印3で指し示す部分を拡大した拡大図である。 第1実施形態のシートにダミーを着座させた状態を示すシート幅方向から見た側断面図である。 第1実施形態のシートに着座した着座者の仙骨部が仙骨支持部材で支持され、胸郭部が胸郭支持部材で支持された状態を示すシート幅方向から見た側断面図である。 第2実施形態のシートのシートバックフレーム上部を拡大した拡大図(図2に対応する拡大図)である。 第2実施形態のシートのシートバックフレーム下部を拡大した拡大図(図3に対応する拡大図)である。 第1実施形態のシートの第1変形例を示すシートバックフレーム上部を拡大した拡大図(図2に対応する拡大図)である。 第1実施形態のシートの第2変形例を示すシートバックフレーム下部を拡大した拡大図(図3に対応する拡大図)である。
<第1実施形態>
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態に係る車両用のシート10について説明する。各図中に適宜示される矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示し、矢印OUTは車両幅方向外方を示している。また、本実施形態では、シート10の前方向、上方向および幅方向は、車両の前方向、上方向および幅方向と一致している。
図1に示されるように、本実施形態に係るシート10は、シートバック12の骨格を構成するシートバックフレーム14と、シートクッション20の骨格を構成し、後端部24Bにシートバックフレーム14が傾倒可能に連結されるシートクッションフレーム22と、を備えている。これらのシートバックフレーム14及びシートクッションフレーム22には、それぞれシートパッド15及びシートパッド23(図4参照)が取り付けられると共に各シートパッドの表面が図示しないシート表皮によって覆われている。
シートバックフレーム14は、シート幅方向両側に設けられた一対のサイドフレーム部14Aを構成するバックサイドフレーム16と、シート上下方向の上側(以下、適宜「シート上側」と記載する。)に設けられたアッパフレーム部14Bを構成するアッパパイプ18と、両バックサイドフレーム16のシート下側でかつ背面(後面)に架け渡された背面プレート19と、を備えている。
バックサイドフレーム16は、シート上下方向に延びている。また、バックサイドフレーム16は、鋼板で製作され、シート幅方向を板厚方向とし、前側端部及び後側端部をそれぞれシート幅方向中央(後述のシートセンタと同義)に向かって折り曲げた形状(断面略コ字形状)とされている。なお、本実施形態では、バックサイドフレーム16を、バックサイドフレーム16の上端部16A側を形成する上側サイドフレーム部材と、上側サイドフレーム部材に接合され、バックサイドフレーム16の下端部16B側を形成する下側サイドフレーム部材とで構成しているが、本発明はこの構成に限定されず、バックサイドフレーム16を複数の部材で構成してもよく、バックサイドフレーム16を単一の部材で構成してもよい。
アッパパイプ18は、シート幅方向に延びると共に長手方向の両端部がシート下方へ折り曲げられて両バックサイドフレーム16の上端部16Aにそれぞれ固定されている。このアッパパイプ18は、金属製とされ、長手方向の中間部18Aに図示しないヘッドレストの取付部17が設けられている。なお、アッパパイプ18の長手方向の中間部がアッパフレーム部14Bを構成している。また、アッパパイプ18のシート下方へ折り曲げられた屈曲部18Bはサイドフレーム部14Aの一部を構成している。
背面プレート19は、鋼板で製作され、両バックサイドフレーム16のシート下側に架け渡されている。具体的には、背面プレート19は、シート幅方向に延びて両端部が両バックサイドフレーム16のシート下側でかつ後側端部の背面(後面)にそれぞれ固定されている。
シートクッションフレーム22は、シート幅方向の両サイド部をそれぞれ構成する一対のクッションサイドフレーム24と、シートクッションフレーム22の前部を構成するフロントフレーム26と、を備えている。
クッションサイドフレーム24は、シート前後方向に延びている。また、クッションサイドフレーム24は、鋼板で製作され、シート幅方向を板厚方向とし、上側端部及び下側端部をそれぞれシート幅方向中央に向かって折り曲げた形状(断面略コ字形状)とされている。
フロントフレーム26は、シート幅方向に延びて両端部が両クッションサイドフレーム24の前端部24Aにそれぞれ固定されている。また、フロントフレーム26は、鋼板で製作され、シート上下方向を板厚方向とし、前側端部及び後側端部をそれぞれシート下方に向かって折り曲げた形状(断面略コの字形状)とされている。
クッションサイドフレーム24の後端部24Bには、ベースブラケット28が設けられている。ベースブラケット28は、鋼板で製作され、下部が図示しないボルト及びナット等の締結部材によってクッションサイドフレーム24の後端部24Bに締結されている。また、ベースブラケット28の上部には、リクライニング機構30の図示しないリクライナが組み付けられるようになっている。
リクライニング機構30は、図示しないリクライナと、連結シャフト34と、リターンスプリング36とを備えている。
リクライナは、略円盤状とされ、ベースブラケット28とバックサイドフレーム16の下端部16Bとの間に配置されて両者を連結している。また、リクライナは、シートバックフレーム14を傾倒可能に支持すると共にシートクッションフレーム22に対するシートバックフレーム14の傾斜角度(リクライニング角度)を調整可能に構成されている。
連結シャフト34は、シート幅方向に延びて両端部が両側のリクライナの中央部にそれぞれ図示しないカラーを介して連結されている。
リターンスプリング36は、バックサイドフレーム16の下端部16Bとベースブラケット28に掛け渡されており、シートバックフレーム14を前傾方向へ付勢している。
また、リクライニング機構30は、従来周知のロック機構(図示省略)を備えており、ロック機構が後述するシートバックフレーム14を傾倒不能にロック(拘束)することで、シートバックフレーム14のリクライニング角度を調整した状態を保持することができる。
また、シートクッションフレーム22の下部には、シート前後方向に延びる一対の移動レール38が連結されている。具体的には、一対の移動レール38は、高さ調整機構としてのリフタ機構40を介してシートクッションフレーム22の下部に連結されている。
移動レール38は、図示しない車体フロアに固定されたシート前後方向に延びる支持レール42によってスライド移動可能に支持されている。支持レール42上には、支持レール42に対する移動レール38のスライドをロック(制限)するロック機構(図示省略)が配置されている。このロック機構は、解除レバー44を操作することでロックを解除できる。
図1及び図3に示されるように、シート幅方向両側のサイドフレーム部14Aのシート下側には、シート幅方向に延び、一部(後述する仙骨支持部50A)が着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部材50が架け渡されている。また、シート幅方向両側のサイドフレーム部14Aの仙骨支持部材50よりもシート下側には、シート幅方向に延び、一部(後述する仙骨支持部52A)が着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部材52が架け渡されている。なお、本実施形態の仙骨支持部材50及び仙骨支持部材52は、本発明の仙骨支持部材の一例である。
図3に示されるように、仙骨支持部材50は、棒状の鋼材を折り曲げて形成されている。仙骨支持部材50の長手方向(ここでは、中心軸方向と同義)の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部50Aとされている。仙骨支持部材50の長手方向の両端部50Bは、バックサイドフレーム16のシート下側でかつ後側端部の前面にそれぞれ固定されている。また、仙骨支持部材50の端部50Bと仙骨支持部50Aとの間には、シート後方側からシート前方側へ延びる連結部50Cが形成されている。この連結部50Cにより、仙骨支持部50Aは、端部50Bよりもシート前方側に位置している。
また、仙骨支持部材52は、仙骨支持部材50と同様に、棒状の鋼材を折り曲げて形成されている。仙骨支持部材52の長手方向(ここでは、中心軸方向と同義)の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部52Aとされている。仙骨支持部材52の長手方向の両端部52Bは、バックサイドフレーム16のシート下側でかつ後側端部の前面にそれぞれ固定されている。また、仙骨支持部材52の端部52Bと仙骨支持部52Aとの間には、シート後方側からシート前方側へ延びる連結部52Cが形成されている。この連結部52Cにより、仙骨支持部52Aは、端部52Bよりもシート前方側に位置している。
図4に示されるように、仙骨支持部50A及び仙骨支持部52Aは、シート10に着座させたダミー(例えばAM50(米国人成人男性の50パーセンタイル)やAM95(米国人成人男性の95パーセンタイル))DのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40〜70mmの範囲内にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、仙骨支持部50Aのシート上側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って60mm付近に配置され、仙骨支持部52Aのシート下側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40mm付近に配置されている。
図1及び図2に示されるように、シート幅方向両側のサイドフレーム部14Aのシート上側には、シート幅方向に延び、一部が着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部材60が架け渡されている。また、シート幅方向両側のサイドフレーム部14Aの胸郭支持部材60よりもシート上側には、シート幅方向に延び、一部が着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部材62が架け渡されている。なお、本実施形態の胸郭支持部材60及び胸郭支持部材62は、本発明の胸郭支持部材の一例である。
図2に示されるように、胸郭支持部材60は、棒状の鋼材を折り曲げて形成されている。胸郭支持部材60の長手方向(ここでは、中心軸方向と同義)の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部60Aとされている。胸郭支持部材60の長手方向の両端部60Bは、バックサイドフレーム16のシート上側でかつ前側端部の前面にそれぞれ固定されている。
胸郭支持部材62は、胸郭支持部材60と同様に、棒状の鋼材を折り曲げて形成されている。胸郭支持部材62の長手方向(ここでは、中心軸方向と同義)の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部62Aとされている。胸郭支持部材62の長手方向の両端部62Bは、アッパパイプ18の両側の屈曲部18Bのシート前方側にそれぞれ固定されている。
また、胸郭支持部材60と胸郭支持部材62は、シート上下方向に延びる連結部材64によって連結されている。具体的には、胸郭支持部材60の胸郭支持部60Aと胸郭支持部材62の胸郭支持部62Aとがシート幅方向に間隔をあけて複数(本実施形態では2つ)設けられた連結部材64によって連結されている。なお、本実施形態の連結部材64は、棒状の鋼材によって構成されている。
図4に示されるように、胸郭支持部60A及び胸郭支持部62Aは、シート10に着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350〜450mmの範囲内にそれぞれ配置されている。なお、本実施形態では、胸郭支持部60Aのシート下側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350mm付近に配置され、胸郭支持部62Aのシート上側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って450mm付近に配置されている。
また、仙骨支持部50Aはシート10に着座させたダミーDの背面DBとの間の距離L1が30mm以下となる位置に配置され、仙骨支持部52Aはシート10に着座させたダミーDの背面DBとの間の距離L2が30mm以下となる位置に配置されている。またさらに、胸郭支持部60Aはシート10に着座させたダミーDの背面DBとの間の距離L3が30mm以下となる位置に配置され、胸郭支持部62Aはシート10に着座させたダミーDの背面DBとの間の距離L4が30mm以下となる位置に配置されている。
なお、本実施形態のシートバックフレーム14では、仙骨支持部50Aと胸郭支持部60Aとの間に、シート10に着座させたダミーDの背面DBとの間の距離が30mm以下となる部分を有する部材を配置しない構成としている。
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。
図5に示されるように、シート10では、一対のサイドフレーム部14Aに架け渡された仙骨支持部材50及び仙骨支持部材52の各々の仙骨支持部50A及び仙骨支持部52Aが着座者Hの仙骨部Sをそれぞれ支持することから、仙骨部Sがシート上下方向の広い範囲で支持されるため、着座者Hの仙骨部Sが安定する。すなわち、着座者Hの仙骨部Sが理想の着座姿勢における仙骨部の姿勢に対して過剰に傾くのが仙骨支持部材50及び仙骨支持部材52による支持によって抑えられるため、着座者Hの仙骨部Sが安定する。このように着座者Hの仙骨部Sが安定することで、着座者Hの脊椎が安定し、着座姿勢が崩れにくくなる。
また、シート10では、一対のサイドフレーム部14Aに架け渡された胸郭支持部材60及び胸郭支持部材62の各々の胸郭支持部60A及び胸郭支持部62Aが着座者Hの胸郭部Tをそれぞれ支持することから、胸郭部Tがシート上下方向の広い範囲で支持されるため、着座者Hの脊椎がより安定するため、着座姿勢がさらに崩れにくくなる。
このように、着座者Hの仙骨部Sと胸郭部Tをそれぞれ支持することで、着座者Hの脊椎のS字カーブが理想の着座姿勢における脊椎のS字カーブに近づくため、座り心地が向上する。また、疲れ難くなる。
また、シート10では、シート幅方向に延びる仙骨支持部50A及び仙骨支持部52Aで着座者Hの仙骨部Sをそれぞれ支持することから、仙骨部Sをシート幅方向の広い範囲で支持することができるため、着座者Hの仙骨部Sがより安定する。
またさらに、シート10では、シート幅方向に延びる胸郭支持部60A及び胸郭支持部62Aで着座者Hの胸郭部Tをそれぞれ支持することから、胸郭部Tをシート幅方向の広い範囲で支持することができるため、着座者Hの脊椎がさらに安定する。
また、シート10では、着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40〜70mmの範囲内に仙骨支持部50A及び52Aを配置するため、着座者Hの体型(例えば、身長の高低)によらず、仙骨部Sが安定する。さらに、着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350〜450mmの範囲内に胸郭支持部60A及び胸郭支持部62Aを配置するため、着座者の体型(例えば、身長の高低)によらず、脊椎が安定する。
第1実施形態では、着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部材として、2つの仙骨支持部材50及び仙骨支持部材52を設ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部材は一つでも3つ以上であっても構わない。また、着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部材として、2つの胸郭支持部材60及び胸郭支持部材62を設ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部材は一つでも3つ以上であっても構わない。
また、第1実施形態のシート10では、胸郭支持部材60と胸郭支持部材62を連結部材64で連結しているが、本発明はこの構成に限定されず、胸郭支持部材60と胸郭支持部材62の強度が確保できれば、連結部材64を図8に示す第1変形例のように省略してもよい。
またさらに、第1実施形態のシート10では、仙骨支持部材50をシート幅方向両側のサイドフレーム部14Aに架け渡す構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、図9に示される第2変形例のように、背面プレート19を介してシート幅方向両側のサイドフレーム部14Aに架け渡す構成としてもよい。
<第2実施形態>
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態に係るシート70について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
シート70では、第1実施形態の仙骨支持部材50及び仙骨支持部材52の代わりに仙骨支持部材72(図7参照)を用い、第1実施形態の胸郭支持部材60及び胸郭支持部材62の代わりに胸郭支持部材74(図6参照)を用いており、それ以外の構造については第1実施形態のシート10と同様である。
図7に示されるように、仙骨支持部材72は、鋼板を折り曲げて形成されている。仙骨支持部材72の長手方向の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの仙骨部Sを支持する仙骨支持部72Aとされている。仙骨支持部材72の長手方向の両端部72Bは、バックサイドフレーム16のシート下側でかつ後側端部の前面にそれぞれ固定されている。また、仙骨支持部材72の端部72Bと仙骨支持部72Aとの間には、シート後方側からシート前方側へ延びる連結部72Cが形成されている。この連結部72Cにより、仙骨支持部72Aは、端部72Bよりもシート前方側に位置している。
また、仙骨支持部72Aは、シート10に着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40〜70mmの範囲内に配置されている。なお、本実施形態では、仙骨支持部72Aのシート上側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って60mm付近に配置され、仙骨支持部72Aのシート下側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40mm付近に配置されている。
図6に示されるように、胸郭支持部材74は、鋼板を折り曲げて形成されている。胸郭支持部材74の長手方向の中間部分は、シート幅方向に沿って延びており、着座者Hの胸郭部Tを支持する胸郭支持部74Aとされている。胸郭支持部材74の長手方向の両端部74Bは、バックサイドフレーム16のシート上側でかつ前側端部の前面にそれぞれ固定されている。
また、胸郭支持部74Aは、シート10に着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350〜450mmの範囲内に配置されている。なお、本実施形態では、胸郭支持部74Aのシート下側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350mm付近に配置され、胸郭支持部74Aのシート上側の端部がヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って450mm付近に配置されている。
次に、本実施形態のシート70の作用効果について説明する。なお、第一実施形態のシート10と同様の構成で得られる作用効果については説明を省略する。
シート70では、仙骨支持部材72を板状とし、さらに、仙骨支持部72Aをシート70に着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って40〜70mmの範囲内に配置することから、着座者Hの仙骨部Sをシート上下方向の広い範囲で支持できるため、着座者Hの仙骨部Sがより安定する。また、第1実施形態と比べて、仙骨部Sを支持するための部材を減らすことができる。
また、胸郭支持部材74を板状とし、さらに、胸郭支持部74Aをシート70に着座させたダミーDのヒップポイントHPからトルソラインTLに沿って350〜450mmの範囲内に配置することから、着座者Hの胸郭部Tをシート上下方向の広い範囲で支持できるため、着座者Hの脊椎がより安定する。また、第1実施形態と比べて、胸郭部Tを支持するための部材を減らすことができる。
第1実施形態では、シート10の用途を車両用としているが、本発明のシートはこの用途に限定されない。例えば、シート10を屋内や屋外に配置される椅子として用いてもよい。なお、上記用途に関しては、第2実施形態のシート70に適用してもよい。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 シート
12 シートバック
14 シートバックフレーム
14A サイドフレーム部
50、52 仙骨支持部材
50A、52A 仙骨支持部
50B、52B 端部
60、62 胸郭支持部材
60A、60A 胸郭支持部
60B、60B 端部
70 シート
72 仙骨支持部材
72A 仙骨支持部
72B 端部
74 胸郭支持部材
74A 胸郭支持部
74B 端部
D ダミー
HP ヒップポイント
TL トルソライン
H 着座者
S 仙骨部
T 胸郭部

Claims (8)

  1. シートバックの骨格を構成するシートバックフレームと、
    前記シートバックフレームのシート幅方向両側に設けられた一対のサイドフレーム部に架け渡され、一部が着座者の仙骨部を支持する仙骨支持部材と、
    を備えるシート。
  2. 前記仙骨支持部材は、シート幅方向に延びて前記仙骨部を支持する仙骨支持部を備える、請求項1に記載のシート。
  3. 前記仙骨支持部は、ヒップポイントからトルソラインに沿って40〜70mmの範囲内に配置されている、請求項2に記載のシート。
  4. 一対の前記サイドフレーム部には、前記仙骨支持部材が複数架け渡されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート。
  5. 前記仙骨支持部材よりもシート上方に配置され、一対の前記サイドフレーム部に架け渡され、一部が着座者の胸郭部を支持する胸郭支持部材、を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート。
  6. 前記胸郭支持部材は、シート幅方向に延びて前記胸郭部を支持する胸郭支持部を備える、請求項5に記載のシート。
  7. 前記胸郭支持部は、ヒップポイントからトルソラインに沿って350〜450mmの範囲内に配置されている、請求項6に記載のシート。
  8. 一対の前記サイドフレーム部には、前記胸郭支持部材が複数架け渡されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載のシート。
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