JP2016060072A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷画質の低下を抑制する。【解決手段】制御部5は、インクポンプ15の駆動時において、インクポンプ15の脈動における負圧タンク14からのインクの吸引開始のタイミングで負圧側エアポンプ23による圧力調整を開始させて、負圧タンク14からのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に負圧タンク14内の負圧を調整する。また、制御部5は、加圧タンク11へのインクの排出開始のタイミングで加圧側エアポンプ19による圧力調整を開始させて、加圧タンク11へのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に加圧タンク11内の正圧を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、インク循環式のインクジェット印刷装置に関する。
インクを循環させつつインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている。
インク循環式のインクジェット印刷装置として、インクジェットヘッドに対して上流側に設けられた加圧タンク、下流側に設けられた負圧タンクにそれぞれ正圧、負圧を付与してインク循環を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット印刷装置では、印刷を行う際、加圧タンクおよび負圧タンクを密閉状態として、エアポンプにより加圧タンク、負圧タンクにそれぞれ正圧、負圧を付与する。これにより、加圧タンクからインクジェットヘッドへ向けてインクが流れる。インクジェットヘッドで消費されなかったインクは、負圧タンクに回収される。加圧タンクへは、負圧タンクからインクポンプによりインクが送られる。このようにして、インク循環が行われる。
上記のようなインクジェット印刷装置では、所定の循環流量でインクを循環させつつ、インクジェットヘッドのノズル圧を適正値に保つために、各インクタンク(加圧タンク、負圧タンク)内の圧力調整が行われる。
特開2012−153004号公報
負圧タンクから加圧タンクへインクを送るインクポンプとして、ダイアフラムポンプ等の容積型のポンプを用いる場合、インクポンプの脈動により、加圧タンクおよび負圧タンクにおける液面変動に時間差が生じる。具体的には、インクポンプが、負圧タンク側からインクを吸引した後、加圧タンク側へインクを排出するため、負圧タンクの液面が下降した後、加圧タンクの液面が上昇する。
負圧タンクの液面が下降すると負圧タンク内の圧力が低下し、加圧タンクの液面が上昇すると加圧タンク内の圧力が上昇する。インクタンクに圧力調整弁を有するインクジェット印刷装置では、この圧力変動が圧力センサの値から検出されると、圧力調整弁を開くことで各インクタンク内の圧力変動を抑える。
しかしながら、圧力センサの値を確認してから圧力調整弁の制御を行うため、圧力変動の開始時点に対して圧力調整弁を開くのが遅れる。このため、負圧タンクおよび加圧タンクの圧力変動を十分には抑えられない。
加圧タンクおよび負圧タンクにおける液面変動に時間差がなければ、両インクタンク内の圧力変動が互いに打ち消し合い、ノズル圧の変動は生じない。しかし、インクポンプの脈動により加圧タンクおよび負圧タンクにおける液面変動に時間差がある場合、上述のように負圧タンクおよび加圧タンクの圧力変動を十分に抑えられないことによりノズル圧の変動が生じる。この結果、インクの吐出が不安定になり、印刷画質が低下するおそれがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、印刷画質の低下を抑制できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の特徴は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する加圧タンクと、前記インクジェットヘッドで消費されなかったインクを受け取る負圧タンクと、前記加圧タンクに正圧を付与する正圧付与手段と、前記負圧タンクに負圧を付与する負圧付与手段と、前記負圧タンクから前記加圧タンクへインクを送るインクポンプと、前記加圧タンク内の正圧を調整する正圧調整手段と、前記負圧タンク内の負圧を調整する負圧調整手段と、前記インクポンプの駆動時において、前記インクポンプの脈動における前記負圧タンクからのインクの吸引開始のタイミングで前記負圧調整手段による圧力調整を開始させて、前記負圧タンクからのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に前記負圧タンク内の負圧を調整し、前記加圧タンクへのインクの排出開始のタイミングで前記正圧調整手段による圧力調整を開始させて、前記加圧タンクへのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に前記加圧タンク内の正圧を調整する制御手段とを備えることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の特徴によれば、制御部は、インクポンプの脈動における負圧タンクからのインクの吸引開始のタイミングで負圧調整手段による圧力調整を開始させ、加圧タンクへのインクの排出開始のタイミングで正圧調整手段による圧力調整を開始させる。これにより、インクポンプの脈動に応じた加圧タンク内、負圧タンク内の圧力変動によるノズル圧変動を抑えることができる。この結果、印刷画質の低下を抑制できる。
第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。 液面維持制御の説明図である。 インクポンプにおける脈動の発生原理の説明図である。 インクポンプの脈動による加圧タンクおよび負圧タンクの液面変動を示す図である。 第1実施形態における脈動対応圧力調整処理のフローチャートである。 第1実施形態における脈動対応圧力調整処理が行われるインクポンプの駆動時における加圧タンク、負圧タンクのインク量および圧力を示す図である。 第1実施形態における加圧タンク内の圧力、負圧タンク内の圧力、およびノズル圧の推移を示す図である。 第1実施形態の比較例の圧力調整が行われるインクポンプの駆動時における加圧タンク、負圧タンクのインク量および圧力の推移を示す図である。 ノズル圧変動を示す図である。 第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。 第2実施形態における脈動対応圧力調整処理のフローチャートである。 第2実施形態における脈動対応圧力調整処理が行われるインクポンプの駆動時における加圧タンク、負圧タンクのインク量および圧力を示す図である。 第2実施形態の比較例の圧力調整が行われるインクポンプの駆動時における加圧タンク、負圧タンクのインク量および圧力の推移を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図1における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、インクジェットヘッド2と、インク循環部3と、インク補給部4と、制御部5とを備える。
インクジェットヘッド2は、インク循環部3により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド2は、複数のヘッドモジュール7からなる。
ヘッドモジュール7は、インクを貯留するインクチャンバと、インクを吐出する複数のノズル(いずれも図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部3は、インクを循環させつつインクジェットヘッド2にインクを供給する。インク循環部3は、加圧タンク11と、分配器12と、集合器13と、負圧タンク14と、インクポンプ15と、インク導管16〜18と、加圧側エアポンプ19と、加圧タンク大気開放弁20と、加圧タンク圧力調整弁21と、加圧側圧力センサ22と、負圧側エアポンプ23と、負圧タンク大気開放弁24と、負圧タンク圧力調整弁25と、負圧側圧力センサ26と、空気導管27〜32とを備える。
加圧タンク11は、インクジェットヘッド2に供給するインクを貯留する。加圧タンク11のインクは、インク導管16および分配器12を介してインクジェットヘッド2に供給される。加圧タンク11内には、インクの液面上に空気層が形成されている。加圧タンク11は、インクジェットヘッド2より低い位置(下方)に配置されている。
加圧タンク11には、加圧タンク液面センサ36が設けられている。加圧タンク液面センサ36は、加圧タンク11内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。加圧タンク液面センサ36は、加圧タンク11内のインクの液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
分配器12は、インク導管16を介して加圧タンク11から供給されるインクを、インクジェットヘッド2の各ヘッドモジュール7に分配する。
集合器13は、インクジェットヘッド2で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール7から集める。集合器13により集められたインクは、インク導管17により負圧タンク14へと流れる。
負圧タンク14は、インクジェットヘッド2で消費されなかったインクを集合器13から受け取り貯留する。また、負圧タンク14は、後述するインク補給部4のインクカートリッジ41から供給されるインクを貯留する。負圧タンク14内には、インクの液面上に空気層が形成されている。負圧タンク14は、加圧タンク11と同じ高さに配置されている。
負圧タンク14には、負圧タンク液面センサ37が設けられている。負圧タンク液面センサ37は、負圧タンク14内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。負圧タンク液面センサ37は、負圧タンク14内のインクの液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
インクポンプ15は、負圧タンク14から加圧タンク11へインクを送る。インクポンプ15は、容積型のポンプであるダイアフラムポンプや電磁ピストン式ポンプからなる。インクポンプ15は、インク導管18の途中に設けられている。
インク導管16は、加圧タンク11と分配器12とを接続する。インク導管16には、加圧タンク11から分配器12に向かってインクが流れる。インク導管17は、集合器13と負圧タンク14とを接続する。インク導管17には、集合器13から負圧タンク14に向かってインクが流れる。インク導管18は、負圧タンク14と加圧タンク11とを接続する。インク導管18には、負圧タンク14から加圧タンク11に向かってインクが流れる。インク導管16〜18と分配器12と集合器13とにより、加圧タンク11とインクジェットヘッド2と負圧タンク14との間でインクを循環させる循環経路が構成される。
加圧側エアポンプ19は、空気導管27を介して加圧タンク11へ空気を送ることで、加圧タンク11に正圧を付与する。また、加圧側エアポンプ19は、逆転駆動により加圧タンク11から空気を吸引可能になっている。加圧側エアポンプ19は、インクポンプ15の駆動時において、正圧が付与されている加圧タンク11から逆転駆動により空気を吸引することで、加圧タンク11内の圧力(正圧)を調整する。すなわち、加圧側エアポンプ19は、正転駆動により正圧付与手段として機能する。また、加圧側エアポンプ19は、逆転駆動により正圧調整手段として機能する。加圧側エアポンプ19は、空気導管27の途中に配置されている。
加圧タンク大気開放弁20は、加圧タンク11を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、空気導管28内の空気の流路を開閉する。加圧タンク大気開放弁20は、空気導管28の途中に配置されている。
加圧タンク圧力調整弁21は、加圧タンク11内の圧力を調整するために、空気導管29内の空気の流路を開閉する。加圧タンク圧力調整弁21は、空気導管29の途中に設けられている。
加圧側圧力センサ22は、加圧タンク11内の圧力を検出する。
負圧側エアポンプ23は、空気導管30を介して負圧タンク14から空気を吸引することで、負圧タンク14に負圧を付与する。また、負圧側エアポンプ23は、逆転駆動により負圧タンク14に空気を送ることが可能になっている。負圧側エアポンプ23は、インクポンプ15の駆動時において、負圧が付与されている負圧タンク14に逆転駆動により空気を送ることで、負圧タンク14内の圧力(負圧)を調整する。すなわち、負圧側エアポンプ23は、正転駆動により負圧付与手段として機能する。また、負圧側エアポンプ23は、逆転駆動により負圧調整手段として機能する。負圧側エアポンプ23は、空気導管30の途中に設けられている。
負圧タンク大気開放弁24は、負圧タンク14を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、空気導管31内の空気の流路を開閉する。負圧タンク大気開放弁24は、空気導管31の途中に設けられている。
負圧タンク圧力調整弁25は、負圧タンク14内の圧力を調整するために、空気導管32内の空気の流路を開閉する。負圧タンク圧力調整弁25は、空気導管32の途中に設けられている。
負圧側圧力センサ26は、負圧タンク14内の圧力を検出する。
空気導管27は、加圧側エアポンプ19により加圧タンク11に送られる空気の流路を形成する。空気導管27は、一端が加圧タンク11の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
空気導管28は、加圧タンク11を大気開放するための空気の流路を形成する。空気導管28は、一端が加圧タンク11の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
空気導管29は、加圧タンク11内の圧力調整のための空気の流路を形成する。空気導管29は、空気導管28より流路抵抗が大きいパイプからなる。具体的には、空気導管29は、空気導管28より細いパイプからなる。空気導管29は、一端が加圧タンク11の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
空気導管30は、負圧側エアポンプ23により負圧タンク14から吸引される空気の流路を形成する。空気導管30は、一端が負圧タンク14の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
空気導管31は、負圧タンク14を大気開放するための空気の流路を形成する。空気導管31は、一端が負圧タンク14の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
空気導管32は、負圧タンク14内の圧力調整のための空気の流路を形成する。空気導管32は、空気導管31より流路抵抗が大きいパイプからなる。具体的には、空気導管32は、空気導管31より細い、空気導管29と同程度の太さのパイプからなる。空気導管32は、一端が負圧タンク14の空気層に接続され、他端が大気に通じている。
インク補給部4は、インク循環部3にインクを補給する。インク補給部4は、インクカートリッジ41と、インク補給弁42と、インク導管43とを備える。
インクカートリッジ41は、インクジェットヘッド2による印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ41内のインクは、インク導管43を介してインク循環部3の負圧タンク14に供給される。
インク補給弁42は、インク導管43内のインクの流路を開閉する。負圧タンク14へインクを補給する際、インク補給弁42が開かれる。
インク導管43は、インクカートリッジ41と負圧タンク14とを接続する。インク補給時において、インク導管43には、インクカートリッジ41から負圧タンク14に向かってインクが流れる。
制御部5は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部5は、印刷を行う際、インク循環部3においてインク循環動作を行いつつ、インクジェットヘッド2からインクを吐出させる。インク循環動作は、加圧側エアポンプ19により加圧タンク11に正圧を付与し、負圧側エアポンプ23により負圧タンク14に負圧を付与した状態として加圧タンク11からインクジェットヘッド2へ向けてインクを送るとともに、加圧タンク11および負圧タンク14の液面高さに応じてインクポンプ15の駆動を制御することで、循環経路に沿ってインクを循環させる動作である。
インク循環しつつ印刷を行う際、制御部5は、加圧タンク11および負圧タンク14の圧力調整を行う。インクポンプ15の駆動時以外の期間では、制御部5は、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に基づく圧力調整を行う。この場合、制御部5は、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に応じて、加圧側エアポンプ19および負圧側エアポンプ23の駆動、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25の開閉を制御して、加圧タンク11および負圧タンク14の圧力を調整する。
一方、インクポンプ15の駆動時には、制御部5は、後述の脈動対応圧力調整処理を行う。脈動対応圧力調整処理は、インクポンプ15の脈動に応じた加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動を抑え、それによりインクジェットヘッド2のノズル圧の変動を抑えるための処理である。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部5は、インク循環動作を開始させる。具体的には、制御部5は、まず、加圧タンク大気開放弁20および負圧タンク大気開放弁24を閉じる。これにより、加圧タンク11および負圧タンク14が密閉状態となる。なお、インクジェット印刷装置1が印刷を行わない待機中は、加圧タンク大気開放弁20および負圧タンク大気開放弁24は開かれ、加圧タンク11および負圧タンク14は大気開放されている。加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25は、待機中から閉じられている。
次いで、制御部5は、加圧側エアポンプ19および負圧側エアポンプ23の正転駆動を開始する。加圧側エアポンプ19の正転駆動により加圧タンク11内が加圧され、負圧側エアポンプ23の正転駆動により負圧タンク14内が減圧される。これにより、加圧タンク11からインクジェットヘッド2を経由して負圧タンク14へ向かうインクの流れが生じ、インク循環が始まる。
制御部5は、加圧側圧力センサ22で検出される加圧タンク11内の圧力(正圧)が規定値になると、加圧側エアポンプ19を停止する。また、制御部5は、負圧側圧力センサ26で検出される負圧タンク14内の圧力(負圧)が規定値になると、負圧側エアポンプ23を停止する。加圧タンク11における正圧の規定値および負圧タンク14における負圧の規定値は、所定の循環流量でインクを循環させつつ、インクジェットヘッド2のノズル圧を適正値の負圧にするための値として予め設定されたものである。
この後、制御部5は、印刷ジョブに基づきインクジェットヘッド2を制御して印刷を行う。
このようにインク循環しつつ印刷を行う際、制御部5は、液面維持制御を行う。液面維持制御は、加圧タンク11および負圧タンク14の液面を基準高さ付近に維持するための、加圧タンク11および負圧タンク14の液面高さに応じたインクポンプ15およびインク補給弁42の制御である。
具体的には、図2に示すように、加圧タンク液面センサ36および負圧タンク液面センサ37がともにオンの状態では、制御部5は、インクポンプ15をオフ、インク補給弁42を閉とする。加圧タンク液面センサ36がオンで負圧タンク液面センサ37がオフの状態でも同様に、制御部5は、インクポンプ15をオフ、インク補給弁42を閉とする。
加圧タンク液面センサ36がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態では、制御部5は、インクポンプ15をオン、インク補給弁42を閉とする。
加圧タンク液面センサ36および負圧タンク液面センサ37がともにオフの状態では、制御部5は、インクポンプ15をオフ、インク補給弁42を開とする。
例えば、加圧タンク液面センサ36および負圧タンク液面センサ37がともにオンの状態からインク循環が開始されると、加圧タンク11からインクジェットヘッド2へインクが流出し、やがて加圧タンク液面センサ36がオフとなる。これにより、制御部5は、インクポンプ15を駆動させて負圧タンク14から加圧タンク11へインクを送る。負圧タンク14からのインクの流入により加圧タンク11の液面が上昇し、加圧タンク液面センサ36がオンになると、制御部5は、インクポンプ15を停止する。
印刷が進行し、インクジェットヘッド2およびインク循環部3において循環しているインクが減少してくると、やがて加圧タンク液面センサ36および負圧タンク液面センサ37がともにオフになる。この状態において、制御部5は、インク補給弁42を開いて負圧タンク14へのインク補給を行う。
インク補給により負圧タンク液面センサ37がオンになると、制御部5は、インク補給弁42を閉じて負圧タンク14へのインク補給を終了する。このとき、加圧タンク液面センサ36がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態になっているため、制御部5は、インクポンプ15を駆動させて負圧タンク14から加圧タンク11へインクを送る。加圧タンク液面センサ36がオンになると、制御部5は、インクポンプ15を停止する。
このような加圧タンク液面センサ36および負圧タンク液面センサ37の状態に応じたインクポンプ15およびインク補給弁42の制御により、加圧タンク11および負圧タンク14の液面が基準高さ付近に維持されつつ印刷が行われる。
しかし、液面維持制御を行っても、加圧タンク11、負圧タンク14では細かな液面変動が生じる。例えば、加圧タンク11からインクジェットヘッド2へのインクの流出、およびインクジェットヘッド2で消費されなかったインクの負圧タンク14への帰還により、加圧タンク11および負圧タンク14の液面が変動する。また、インクカートリッジ41からのインク補給により、負圧タンク14の液面が変動する。また、インクポンプ15による送液により、加圧タンク11および負圧タンク14の液面が変動する。
加圧タンク11、負圧タンク14の液面変動により、加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動が生じる。これに対し、制御部5は、循環流量を維持しつつインクジェットヘッド2のノズル圧を適正値に保つために、加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力がそれぞれの規定値を維持するように調整している。
インクポンプ15の駆動時以外の期間では、制御部5は、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に基づく圧力調整を行う。この場合、制御部5は、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に応じて、加圧側エアポンプ19および負圧側エアポンプ23の駆動、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25の開閉を制御して、加圧タンク11および負圧タンク14の圧力を調整する。
インクポンプ15の駆動時には、制御部5は、脈動対応圧力調整処理を行う。脈動対応圧力調整処理については後述する。
印刷ジョブが終了すると、制御部5は、加圧タンク大気開放弁20および負圧タンク大気開放弁24を開く。ここで、インクポンプ15、加圧側エアポンプ19、負圧側エアポンプ23が駆動中の場合は、制御部5は、それを停止する。加圧タンク圧力調整弁21、負圧タンク圧力調整弁25、インク補給弁42が開いている場合は、制御部5は、それを閉じる。これにより、インク循環動作が終了し、インクジェット印刷装置1が待機状態となる。
次に、インクポンプ15の駆動時における脈動対応圧力調整処理について説明する。
前述のように、脈動対応圧力調整処理は、インクポンプ15の脈動に応じた加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動を抑え、それによりノズル圧の変動を抑えるための処理である。
そこで、まず、インクポンプ15における脈動の発生原理について、図3を参照して説明する。ここで、インクポンプ15はダイアフラムポンプであるとして説明する。
インクポンプ15の駆動前は、図3の上段に示すように、インクポンプ15のチャンバ51に設けられたダイアフラム52が中立位置にある。
インクポンプ15の駆動が開始されると、インクの吸引が行われる。具体的には、図3の中段に示すように、ダイアフラム52が上昇し、チャンバ51の容積が増大する。これにより、チャンバ51内の圧力が低下し、インクが吸引側(負圧タンク14側)の逆止弁53を通ってチャンバ51に流入する。
続いて、インクの排出が行われる。具体的には、図3の下段に示すように、ダイアフラム52が下降し、チャンバ51の容積が縮小することで、インクが排出側(加圧タンク11側)の逆止弁54を通ってチャンバ51から排出される。これにより、排出側へインクが送られる。
インクポンプ15が停止されるまで、インクの吸引、排出が周期的に繰り返されることで、吸引側から排出側へインクが送られる。
上述のように、インクポンプ15では、インクの吸引後に排出が行われるため、吸引と排出との間に時間差が生じる。これにより、周期的にインクが送液される脈動が生じる。
インクポンプ15で脈動が生じるため、加圧タンク11内および負圧タンク14内の圧力が、その影響を受ける。
具体的には、図4に示すように、インクポンプ15によるインクの吸引時には、負圧タンク14からインクが流出し、負圧タンク14のインク量が減少して液面が下降する。負圧タンク14の液面下降は、負圧タンク14内の圧力(負圧)の低下を招く。
その後、インクポンプ15からのインクの排出により、加圧タンク11にインクが流入し、加圧タンク11のインク量が増加して液面が上昇する。加圧タンク11の液面上昇は、加圧タンク11内の圧力(正圧)の上昇を招く。
このようなインクポンプ15の脈動に応じた加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動を抑えるために、制御部5は、脈動対応圧力調整処理を行う。
図5は、第1実施形態における脈動対応圧力調整処理のフローチャートである。図5のフローチャートの処理は、インクポンプ15の駆動が開始されることにより、開始となる。なお、第1実施形態における脈動対応圧力調整処理中(インクポンプ15の駆動中)は加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25は閉じられている。
図5のステップS1において、制御部5は、インクポンプ15が駆動開始とともにインクの吸引を開始するタイミングで、負圧側エアポンプ23の逆転駆動を開始する。これにより、負圧タンク14に空気が送られ始める。
次いで、ステップS2において、制御部5は、負圧側エアポンプ23の逆転駆動を開始してから規定時間Tfが経過したか否かを判断する。規定時間Tfは、インクポンプ15の吸引工程における負圧タンク14からのインクの減少分に応じた量の空気を負圧タンク14に送るために必要な負圧側エアポンプ23の駆動時間である。
負圧側エアポンプ23の逆転駆動を開始してから規定時間Tfは経過していないと判断した場合(ステップS2:NO)、制御部5は、ステップS2を繰り返す。
負圧側エアポンプ23の逆転駆動を開始してから規定時間Tfが経過したと判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部5は、負圧側エアポンプ23を停止する。
次いで、ステップS4において、制御部5は、インクポンプ15の脈動における排出開始タイミングになったか否かを判断する。インクポンプ15の排出開始タイミングは、吸引開始タイミングから、脈動周期(駆動周期)の半分(半周期)の時間後のタイミングである。インクポンプ15の脈動周期は、インクポンプ15に固有のものである。制御部15は、インクポンプ15の脈動周期を予め記憶している。
排出開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS4:NO)、制御部5は、ステップS4を繰り返す。
排出開始タイミングになったと判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部5は、加圧側エアポンプ19の逆転駆動を開始する。これにより、加圧タンク11から空気が吸引され始める。
次いで、ステップS6において、制御部5は、加圧側エアポンプ19の逆転駆動を開始してから規定時間Tkが経過したか否かを判断する。規定時間Tkは、インクポンプ15の排出工程における加圧タンク11のインクの増加分に応じた量の空気を加圧タンク11から吸引するために必要な加圧側エアポンプ19の駆動時間である。
加圧側エアポンプ19の逆転駆動を開始してから規定時間Tkは経過していないと判断した場合(ステップS6:NO)、制御部5は、ステップS6を繰り返す。
加圧側エアポンプ19の逆転駆動を開始してから規定時間Tkが経過したと判断した場合(ステップS6:YES)、ステップS7において、制御部5は、加圧側エアポンプ19を停止する。
次いで、ステップS8において、制御部5は、インクポンプ15の吸引開始タイミングになったか否かを判断する。インクポンプ15の吸引開始タイミングは、排出開始タイミングから半周期後のタイミングである。吸引開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS8:NO)、制御部5は、ステップS8を繰り返す。
吸引開始タイミングになったと判断した場合(ステップS8:YES)、ステップS9において、制御部5は、インクポンプ15の駆動を終了するか否かを判断する。ここで、吸引開始タイミングは、排出工程が終了するタイミングでもある。排出工程により加圧タンク液面センサ36がオンになると、液面維持制御により、インクポンプ15の駆動が終了となる。
インクポンプ15の駆動を終了しないと判断した場合(ステップS9:NO)、制御部5は、ステップS1に戻り、インクの吸引開始タイミングで負圧側エアポンプ23の逆転駆動を開始する。
インクポンプ15の駆動を終了すると判断した場合(ステップS9:YES)、制御部5は、脈動対応圧力調整処理を終了する。
次に、上述した図5の脈動対応圧力調整処理が行われるインクポンプ15の駆動時における加圧タンク11、負圧タンク14のインク量および圧力について、図6を参照して説明する。なお、図6では、インクポンプ15が1周期分だけ駆動される場合の例を示している。
図6に示すように、インクポンプ15の駆動が開始される時刻t1において、負圧側エアポンプ23の逆転駆動が開始される。インクポンプ15の駆動が開始されると、インクポンプ15によるインクの吸引工程が始まることで、負圧タンク14のインクが流出してインク量が減少する。負圧タンク14のインク量の減少は、負圧タンク14内の圧力の低下を招く。これに対し、負圧側エアポンプ23の逆転駆動により空気が流入することで、負圧タンク14からのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に負圧タンク14内の負圧が調整され、図6に示すように、負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。
インクポンプ15によるインクの吸引工程が終了し、排出工程が開始される時刻t2において、加圧側エアポンプ19の逆転駆動が開始される。インクポンプ15によるインクの排出工程により、加圧タンク11のインク量が増加する。加圧タンク11のインク量の増加は、加圧タンク11内の圧力の上昇を招く。これに対し、加圧側エアポンプ19の逆転駆動により空気が流出することで、加圧タンク11へのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に加圧タンク11内の正圧が調整されて、図6に示すように、加圧タンク11内の圧力変動が抑えられる。
このように、脈動対応圧力調整処理により、インクポンプ15の駆動時における加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。
前述したインクポンプ15の駆動時以外の期間における圧力調整と、インクポンプ15の駆動時における図5の脈動対応圧力調整処理とにより、インク循環動作中における加圧タンク11内および負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。これにより、図7に示すように、ノズル圧変動が抑えられる。
なお、図7は、インク循環動作を行うために加圧側エアポンプ19および負圧側エアポンプ23の正転駆動を開始した時点からの加圧タンク11内の圧力、負圧タンク14内の圧力、およびノズル圧の推移を示している。加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力がそれぞれの規定値に達した後は、ノズル圧が適正値を維持している。
ここで、上述した図5の脈動対応圧力調整処理とは異なり、インクポンプ15の駆動時において、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に基づき、加圧側エアポンプ19および負圧側エアポンプ23を用いて圧力調整を行う場合の、加圧タンク11、負圧タンク14のインク量および圧力について、図8を参照して説明する。
この場合、図8に示すように、時刻t1におけるインクポンプ15の駆動開始後、吸引工程により負圧タンク14内の圧力が低下したことが負圧側圧力センサ26の検出値により確認されると、負圧側エアポンプ23の逆転駆動が開始される。また、時刻t2におけるインクポンプ15の排出工程の開始後、加圧タンク11内の圧力が上昇したことが加圧側圧力センサ22の検出値により確認されると、加圧側エアポンプ19の逆転駆動が開始される。
このため、負圧側エアポンプ23の逆転駆動による圧力調整が開始される時刻t11は、インクポンプ15の吸引工程が開始される時刻t1より後となる。また、加圧側エアポンプ19の逆転駆動による圧力調整が開始される時刻t12は、インクポンプ15の排出工程が開始される時刻t2より後となる。
このように、加圧側エアポンプ19、負圧側エアポンプ23による圧力調整の開始が、加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動の開始に対して遅れることで、図8に示すように、加圧タンク11内の圧力および負圧タンク14内の圧力が変動する。この結果、図9に示すように、ノズル圧変動が発生する。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部5は、インクポンプ15の駆動時において、図5の脈動対応圧力調整処理を行う。具体的には、制御部5は、インクポンプ15の駆動時において、インクポンプ15の脈動における負圧タンク14からのインクの吸引開始のタイミングで負圧側エアポンプ23による圧力調整を開始させて、負圧タンク14からのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に負圧タンク14内の負圧を調整する。また、制御部5は、加圧タンク11へのインクの排出開始のタイミングで加圧側エアポンプ19による圧力調整を開始させて、加圧タンク11へのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に加圧タンク11内の正圧を調整する。
これにより、インクジェット印刷装置1では、インクポンプ15の脈動に応じた加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動によるノズル圧変動を抑えることができる。この結果、印刷画質の低下を抑制できる。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。
図10に示すように、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置1Aは、図1に示した第1実施形態のインクジェット印刷装置1に対し、インク循環部3をインク循環部3Aに置き換えた構成である。
インク循環部3Aは、図1におけるインク循環部3の加圧側エアポンプ19、負圧側エアポンプ23、および空気導管27,30を省略し、エアポンプ61および空気導管62を設けた構成である。
エアポンプ61は、負圧タンク14から加圧タンク11へ空気を送る。エアポンプ61の駆動により、加圧タンク11に正圧が付与され、負圧タンク14に負圧が付与される。すなわち、エアポンプ61は、正圧付与手段としての機能と、負圧付与手段としての機能とを有する。エアポンプ61は、空気導管62の途中に配置されている。
空気導管62は、エアポンプ61により負圧タンク14から加圧タンク11へ送られる空気の流路を形成する。空気導管62は、一端が負圧タンク14の空気層に接続され、他端が加圧タンク11の空気層に接続されている。
インクジェット印刷装置1Aでは、インク循環しつつ印刷を行う際、制御部5は、エアポンプ61を制御して、加圧タンク11に正圧を付与するとともに負圧タンク14に負圧を付与する。
インク循環しつつ印刷を行う際において、インクポンプ15の駆動時以外の期間では、制御部5は、第1実施形態と同様に、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に基づく圧力調整を行う。この場合、制御部5は、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に応じて、エアポンプ61の駆動、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25の開閉を制御して、加圧タンク11および負圧タンク14の圧力を調整する。
一方、インクポンプ15の駆動時には、制御部5は、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25を用いた脈動対応圧力調整処理を行う。第2実施形態における脈動対応圧力調整処理では、加圧タンク圧力調整弁21が正圧調整手段として機能し、負圧タンク圧力調整弁25が負圧調整手段として機能する。
第2実施形態における脈動対応圧力調整処理について説明する。
図11は、第2実施形態における脈動対応圧力調整処理のフローチャートである。図11のフローチャートの処理は、インクポンプ15の駆動が開始されることにより、開始となる。なお、インクジェット印刷装置1Aにおいても、第1実施形態で説明した図2の液面維持制御によりインクポンプ15の駆動が行われる。
図11のステップS11において、制御部5は、インクポンプ15が駆動開始とともにインクの吸引を開始するタイミングで、負圧タンク圧力調整弁25を開く。
なお、インクポンプ15の駆動を開始する際に負圧タンク圧力調整弁25が開いている場合は、制御部5は、引き続き負圧タンク圧力調整弁25が開いた状態を維持する。また、インクポンプ15の駆動を開始する際に加圧タンク圧力調整弁21が開いている場合は、制御部5は、加圧タンク圧力調整弁21を閉じる。
次いで、ステップS12において、制御部5は、インクポンプ15の脈動における排出開始タイミングになったか否かを判断する。排出開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS12:NO)、制御部5は、ステップS12を繰り返す。
排出開始タイミングになったと判断した場合(ステップS12:YES)、ステップS13において、制御部5は、負圧タンク圧力調整弁25を閉じるとともに、加圧タンク圧力調整弁21を開く。
次いで、ステップS14において、制御部5は、インクポンプ15の吸引開始タイミングになったか否かを判断する。吸引開始タイミングになっていないと判断した場合(ステップS14:NO)、制御部5は、ステップS14を繰り返す。
吸引開始タイミングになったと判断した場合(ステップS14:YES)、ステップS15において、制御部5は、インクポンプ15の駆動を終了するか否かを判断する。
インクポンプ15の駆動を終了しないと判断した場合(ステップS15:NO)、ステップS16において、制御部5は、加圧タンク圧力調整弁21を閉じるとともに、負圧タンク圧力調整弁25を開く。この後、制御部5は、ステップS12に戻る。
インクポンプ15の駆動を終了すると判断した場合(ステップS15:YES)、ステップS17において、制御部5は、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25を閉じる。これにより、脈動対応圧力調整処理が終了となる。
次に、上述した図11の脈動対応圧力調整処理が行われるインクポンプ15の駆動時における加圧タンク11、負圧タンク14のインク量および圧力について、図12を参照して説明する。なお、図12では、インクポンプ15が1周期分だけ駆動される場合の例を示している。
図12に示すように、インクポンプ15の駆動が開始され、吸引工程が開始される時刻t1において、負圧タンク圧力調整弁25が開かれる。これにより、空気導管32を介して負圧タンク14に空気が流入することで、負圧タンク14からのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に負圧タンク14内の負圧が調整され、図12に示すように、負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。
インクポンプ15によるインクの吸引工程が終了し、排出工程が開始される時刻t2において、負圧タンク圧力調整弁25が閉じられるとともに、加圧タンク圧力調整弁21が開かれる。これにより、空気導管29を介して加圧タンク11から空気が流出することで、加圧タンク11へのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に加圧タンク11内の正圧が調整されて、図12に示すように、加圧タンク11内の圧力変動が抑えられる。加圧タンク圧力調整弁21は、インクポンプ15の排出工程が終了する時刻t3において閉じられる。
このように、脈動対応圧力調整処理により、インクポンプ15の駆動時における加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。
前述したインクポンプ15の駆動時以外の期間における圧力調整と、インクポンプ15の駆動時における図11の脈動対応圧力調整処理とにより、インク循環動作中における加圧タンク11内および負圧タンク14内の圧力変動が抑えられる。これにより、第2実施形態においても、図7のようにノズル圧変動が抑えられる。
ここで、上述した図11の脈動対応圧力調整処理とは異なり、インクポンプ15の駆動時において、加圧側圧力センサ22および負圧側圧力センサ26の検出値に基づき、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25を用いて圧力調整を行う場合の、加圧タンク11、負圧タンク14のインク量および圧力について、図13を参照して説明する。
この場合、図13に示すように、時刻t1におけるインクポンプ15の駆動開始後、吸引工程により負圧タンク14内の圧力が低下したことが負圧側圧力センサ26の検出値により確認されると、負圧タンク圧力調整弁25が開かれる。また、時刻t2におけるインクポンプ15の排出工程の開始後、加圧タンク11内の圧力が上昇したことが加圧側圧力センサ22の検出値により確認されると、加圧タンク圧力調整弁21が開かれる。
このため、負圧タンク圧力調整弁25の開放による圧力調整が開始される時刻t11は、インクポンプ15の吸引工程が開始される時刻t1より後となる。また、加圧タンク圧力調整弁21の開放による圧力調整が開始される時刻t12は、インクポンプ15の排出工程が開始される時刻t2より後となる。
このように、加圧タンク圧力調整弁21、負圧タンク圧力調整弁25による圧力調整の開始が、加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動の開始に対して遅れることで、図13に示すように、加圧タンク11内の圧力および負圧タンク14内の圧力が変動する。この結果、図9に示したようにノズル圧変動が発生する。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1Aでは、制御部5は、インクポンプ15の駆動時において、図11の脈動対応圧力調整処理を行う。具体的には、制御部5は、インクポンプ15の駆動時において、インクポンプ15の脈動における負圧タンク14からのインクの吸引開始のタイミングで負圧タンク圧力調整弁25による圧力調整を開始させて、負圧タンク14からのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に負圧タンク14内の負圧を調整する。また、制御部5は、加圧タンク11へのインクの排出開始のタイミングで加圧タンク圧力調整弁21による圧力調整を開始させて、加圧タンク11へのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に加圧タンク11内の正圧を調整する。
これにより、インクジェット印刷装置1Aでも、インクポンプ15の脈動に応じた加圧タンク11内、負圧タンク14内の圧力変動によるノズル圧変動を抑えることができる。この結果、印刷画質の低下を抑制できる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明は第1および第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述の第1実施形態のインクジェット印刷装置1において、第2実施形態と同様の、加圧タンク圧力調整弁21および負圧タンク圧力調整弁25を用いた脈動対応圧力調整処理を行ってもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1,1A インクジェット印刷装置
2 インクジェットヘッド
3,3A インク循環部
4 インク補給部
5 制御部
11 加圧タンク
12 分配器
13 集合器
14 負圧タンク
15 インクポンプ
16〜18 インク導管
19 加圧側エアポンプ
20 加圧タンク大気開放弁
21 加圧タンク圧力調整弁
22 加圧側圧力センサ
23 負圧側エアポンプ
24 負圧タンク大気開放弁
25 負圧タンク圧力調整弁
26 負圧側圧力センサ
27〜32,62 空気導管
61 エアポンプ

Claims (1)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する加圧タンクと、
    前記インクジェットヘッドで消費されなかったインクを受け取る負圧タンクと、
    前記加圧タンクに正圧を付与する正圧付与手段と、
    前記負圧タンクに負圧を付与する負圧付与手段と、
    前記負圧タンクから前記加圧タンクへインクを送るインクポンプと、
    前記加圧タンク内の正圧を調整する正圧調整手段と、
    前記負圧タンク内の負圧を調整する負圧調整手段と、
    前記インクポンプの駆動時において、前記インクポンプの脈動における前記負圧タンクからのインクの吸引開始のタイミングで前記負圧調整手段による圧力調整を開始させて、前記負圧タンクからのインクの流出による負圧の変動を打ち消す方向に前記負圧タンク内の負圧を調整し、前記加圧タンクへのインクの排出開始のタイミングで前記正圧調整手段による圧力調整を開始させて、前記加圧タンクへのインクの流入による正圧の変動を打ち消す方向に前記加圧タンク内の正圧を調整する制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
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