JP2016068329A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、ノズルからの安定吐出が実現し、動作制御の容易化、画質の向上を図る。
【解決手段】インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッド11と、インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する加圧タンク21と、インクジェットヘッド11から戻されたインクを貯留する負圧タンク24と、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経て負圧タンク24へとインクが循環するための循環経路と、負圧タンク24から加圧タンク21にインクを送液するインクポンプ25と、加圧タンク21内及び負圧タンク24内の圧力と連動して、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させる圧力調整板35とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、インク循環式のインクジェット印刷装置に関する。
インクを循環させつつインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている。
インク循環式のインクジェット印刷装置として、加圧タンク及び負圧タンクをインクジェットヘッドの下方に配置し、負圧タンクから加圧タンクへ空気を送るためのエアポンプを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このようなインクジェット印刷装置では、印刷を行う際、エアポンプにより負圧タンクから加圧タンクに空気を送ることで、負圧タンク、加圧タンクにそれぞれ負圧、正圧を付与する。これにより、加圧タンクからインクジェットヘッドへ向けてインクが流れる。インクジェットヘッドで消費されなかったインクは、負圧タンクに回収される。加圧タンクへは、負圧タンクからインクポンプによりインクが送られる。このようにタンク内に圧力差を生成することでインクを循環させながら吐出を行う。
ところで、上述したインク循環方式のインクジェット印刷装置では、負圧タンクから加圧タンクへインクを輸送するとき、インクの移動に伴って、タンク内のインクの液面高さが増減し、タンク内の気層部分の体積が変化することとなる。このため、体積の変化に伴って循環圧に変動が発生するとともに、循環圧の影響を受けてノズル圧も変動し、インクの吐出が不安定となることがあった。
このような問題に対し、タンクごとに圧力生成機構(ポンプによる加圧又は減圧)と圧力調整機構(電磁弁による大気開放)を設け、タンク圧を調整する方法も考えられる。
特開2012−153004号公報
しかしながら、上述したような常時ポンプ駆動や電磁弁動作を行いタンク圧を調整する方法では、使用する電力が増加してしまうとともに、これらの各装置の制御が複雑化するという問題があった。
また、上記のような問題に対し、例えば、タンク内の空気量を増加させることや、タンクに連結するエア経路に別空気室を設け、ノズル圧変動を抑制することも考えられるが、部品点数が増加して、装置全体が大型化してしまう惧れがある。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、インクジェットノズルにインクを循環させるインク循環方式において、簡易な構成で、ノズルからの安定吐出が実現し、動作制御の容易化、画質の向上を図ることができるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する第1タンクと、前記インクジェットヘッドから戻されたインクを貯留する第2タンクと、前記第1タンクから前記インクジェットヘッドを経て前記第2タンクへとインクが循環するための循環経路と、前記第2タンクから前記第1タンクにインクを送液する送液手段と、前記第1タンク内及び前記第2タンク内の圧力と連動して、前記第1タンク及び前記第2タンクの容積を変化させる圧力調整手段とを備えることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記第1タンクと前記第2タンクとは隣接配置されており、前記圧力調整手段は、前記第1タンクと前記第2タンクとの間に配置され、前記第1タンクと第2タンクの圧力差に応じて、移動又は変形が可能な部材で構成されていることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、前記第1タンクと前記第2タンクとは水平方向に隣接配置されており、前記圧力調整手段は、前記第1のタンク及び前記第2のタンクの間において、水平方向に移動又は変形することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴は、前記調整手段による容積の変化量と、変化のタイミングを制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記インクポンプの駆動周期に応じ、前記変化量と変化タイミングを調整することにある。
以上述べたように、この発明の第1の特徴によれば、第1タンク内及び第2タンク内の圧力と連動して、第1タンク及び第2タンクの容積を変化させる圧力調整手段を設けたので、タンク内のインクの液面高さが増減し、タンク内に過剰な加圧若しくは負圧がかかり、循環圧に変動が発生するようなときに、タンク内の圧力に応じてタンクの容積を増加又は減少するように変化させ、過剰な圧力を吸収して、ノズル圧変動を抑制することができる。その結果、ノズルからの安定吐出が実現され、動作制御の容易化、画質の向上を図ることができる。
なお、本発明において「圧力と連動し」とあるのは、第1タンク内の圧力や、第2タンク内の圧力を測定し、その測定結果に応じてタンクの容積を変化させる構成でもよいし、例えば、第1タンク及び第2タンクをそれぞれ加圧タンクと負圧タンクというように、タンク間に圧力差がある場合に、その圧力差を利用して移動・変形する部材又は部品を設置し、それらを圧力差の変動に応じて移動・変形させる構成としてもよい。
第2の特徴によれば、第1タンクと前記第2タンクとは隣接配置されているような場合に、第1タンクと第2タンクとの間に、これらの圧力差に応じて移動又は変形する部材を配置することで、より簡単な構成で、第1タンク及び第2タンクの容積を変化させることができ、より簡便にノズル圧変動を抑制することができる。
なお、本発明において「圧力差に応じて移動又は変形が可能な部材」としては、例えば、弾性や可撓性のある素材で形成された間仕切をタンク間に設ける構成としたり、タンク間に配置された間仕切をピストン構造により圧力差に応じてスライド移動させるような構成としてもよい。
第3の特徴によれば、特に、第1タンクと前記第2タンクとを水平に隣接配置し、これらの間に、これらの圧力差に応じて水平方向に移動又は変形する圧力調整手段を配置するため、圧液面の変動の影響を受けない位置に圧力調整手段を設けることができ、より簡単な構成で、第1タンク及び第2タンクの容積を変化させることができる。
なお、圧力調整手段を、加圧タンクと負圧タンクの間を弾性部材で間仕切る構成とした場合には、一方のタンクの加圧量と、他方のタンクの減圧量とが等しくなるように、圧力調整手段が変形するので、各タンクの圧力調整が弾性部材の変形で行え、消費電力を増加させることなく容易な構成でかつマシンを大型化させることなくノズル圧変動を抑制できる。
特に、インク循環で負圧タンクから加圧タンクへのインクを送液するような構成では、一方のタンク内のインク減少量と、他方のタンクのインク増加量が等しいことから、圧力調整部材の移動・変形により、容易に圧力調整ができる。また、例えば、タンクごとエアポンプと電磁弁で圧力調整する場合では、エアポンプや電磁弁の動作バラツキなどにより適性循環圧に調整するまで時間を要するが、圧力調整部材の移動・変形により調整するため、調整時間を短縮することができる。
第4の特徴によれば、調整手段による容積の変化量と、変化のタイミングを制御する制御部を備え、インクポンプの駆動周期に応じ、圧力調整手段の変化量と変化タイミングを調整するため、よりきめ細かく循環圧の変動に対応することができ、より確実にノズル圧変動を抑制することができる。
実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部及び圧力付与部の概略構成図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、圧力調整部板を用いたタンク内の圧力調整の動作を示す説明図である。 (a)〜(c)は、従来例に係るタンク内の圧力調整の動作を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部及び圧力調整部の概略構成図であり、図3は、図1に示すインクジェット印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図2における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、4つの印刷部2と、圧力調整部3と、搬送部4と、制御部5とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、搬送部4により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。4つの印刷部2は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のインクを吐出する。4つの印刷部2は、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
図2に示すように、印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環部(請求項の循環経路に相当)12と、インク供給部13とを備える。
インクジェットヘッド11は、インク循環部12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16からなる。
ヘッドモジュール16は、ピエゾ式である。ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバと、インクを吐出する複数のノズル(いずれも図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部12は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する。インク循環部12は、加圧タンク(請求項の第1タンクに相当)21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク(請求項の第2タンクに相当)24と、インクポンプ(請求項のインク送液手段に相当)25と、インク温度調整部26と、インク温度センサ27と、配管28〜30とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21のインクは、配管28及び分配器22を介してインクジェットヘッド11に供給される。加圧タンク21内には、インクの液面上に気層部分が形成されている。加圧タンク21は、後述の配管60を介して、後述の加圧共通気室51に連通されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置(下方)に配置されている。
加圧タンク21は、振動によりインクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されて分配器22及び配管28の内部のインクが加圧タンク21に流れ落ちても、それを受け入れるだけの容量を有する。ただし、加圧タンク21が大きすぎると装置の大型化を招く。このため、加圧タンク21は、分配器22及び配管28の内部のインクがすべて加圧タンク21に流れ落ちたときに満杯になる程度の容量を有する。
加圧タンク21には、フロート部材31と、加圧タンク液面センサ32と、インクフィルタ33とが設けられている。
フロート部材31は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達するまで、液面高さに応じて回動するように、加圧タンク21内に支持軸(図示せず)により一端側が軸支されている。フロート部材31の他端には、磁石(図示せず)が設けられている。
加圧タンク液面センサ32は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。基準高さは、加圧タンク21の上端から所定距離だけ下の位置にある。加圧タンク液面センサ32は、磁気センサからなり、液面高さが基準高さに達しているときのフロート部材31の磁石を検出する。加圧タンク液面センサ32は、フロート部材31の磁石を検出している場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。加圧タンク液面センサ32は、フロート部材31の磁石を検出していない場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。
インクフィルタ33は、インク内のゴミ等を除去する。
分配器22は、配管28を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、配管29を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器23から受け取って貯留する。また、負圧タンク24は、後述するインク供給部13のインクカートリッジ46から供給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に気層部分が形成されている。負圧タンク24は、後述の配管61を介して、後述の負圧共通気室55に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24は、振動によりインクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されてインクジェットヘッド11、集合器23、及び配管29の内部のインクが負圧タンク24に流れ落ちても、それを受け入れるだけの容量を有する。ただし、負圧タンク24が大きすぎると装置の大型化を招く。このため、負圧タンク24は、インクジェットヘッド11、集合器23及び配管29の内部のインクがすべて負圧タンク24に流れ落ちたときに満杯になる程度の容量を有する。
負圧タンク24には、フロート部材36と、負圧タンク液面センサ37とが設けられている。
フロート部材36、負圧タンク液面センサ37は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材31、加圧タンク液面センサ32と同様のものである。負圧タンク液面センサ37は、フロート部材36の磁石を検出している場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。負圧タンク液面センサ37は、フロート部材36の磁石を検出していない場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。基準高さは、負圧タンク24の上端から所定距離だけ下の位置にある。
本実施形態において、加圧タンク21と負圧タンク24とは隣接配置されており、加圧タンク21及び負圧タンク24の間には、両タンクの気層部分を間仕切、それぞれのタンク内の空気を遮断する圧力調整板35が配置されている。
圧力調整板35は、加圧タンク21内及び負圧タンク24内の圧力と連動して、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させる。具体的に、圧力調整板35は、弾性部材で形成されており、加圧タンク21と負圧タンク24の圧力差に応じて、水平方向に変形可能となっている。
詳述すると、加圧タンクが加圧されるとともに負圧タンク24が減圧された場合、圧力調整板35は、弾性部材で形成されていることから、負圧タンク24側に向けて凸に湾曲される。そして、負圧タンク24側の液面が上昇し、気層部分が圧縮され内部気圧が上昇されるとともに、加圧タンク21側の液面が下降し、気層部分が膨張され内部気圧が低下すると、圧力調整板35は、加圧タンク側に押し戻され平坦状に変形される。
このように、圧力調整板35は、タンク間に圧力差がある場合に、その圧力差を利用して変形するようになっている。なお、本実施形態では、圧力調整板35が負圧タンク24側に向けて凸に湾曲した形状となっている場合を第1の姿勢と称し、圧力調整板35が略平坦状となっている場合を第2の姿勢と称するものとする。
インクポンプ25は、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液する。インクポンプ25は、配管30の途中に設けられている。
インク温度調整部26は、インク循環部12におけるインクの温度を調整する。インク温度調整部26は、配管28の途中に設けられている。インク温度調整部26は、ヒータ41と、ヒータ温度センサ42と、ヒートシンク43と、冷却ファン44とを備える。
ヒータ41は、配管28内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ42は、ヒータ41の温度を検出する。ヒートシンク43は、配管28内のインクを冷却する。冷却ファン44は、ヒートシンク43に冷却風を送る。
インク温度センサ27は、インク循環部12におけるインクの温度を検出する。インク温度センサ27は、配管28の途中に設けられている。
配管28は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。配管28の一部は、ヒータ41を経由する部分とヒートシンク43を経由する部分とに分岐している。配管28には、加圧タンク21から分配器22に向かってインクが流れる。配管29は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。配管29には、集合器23から負圧タンク24に向かってインクが流れる。配管30は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。配管30には、負圧タンク24から加圧タンク21に向かってインクが流れる。配管28〜30と分配器22と集合器23とにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経て負圧タンク24へとインクが循環するための循環経路が構成される。
インク供給部13は、インク循環部12にインクを供給する。インク供給部13は、インクカートリッジ46と、配管47と、インク供給弁48とを備える。
インクカートリッジ46は、印刷部2で印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ46内のインクは、配管47を介して負圧タンク24に供給される。
配管47は、インクカートリッジ46と負圧タンク24とを接続する。配管47には、インクカートリッジ46から負圧タンク24に向かってインクが流れる。
インク供給弁48は、配管47内のインクの流路を開閉する。インクカートリッジ46から負圧タンク24へインクを供給する際、インク供給弁48が開かれる。
圧力調整部3は、各印刷部2の加圧タンク21及び負圧タンク24の圧力を調整する。圧力調整部3は、加圧共通気室51と、加圧側圧力調整弁52と、加圧側大気開放弁53と、加圧側圧力センサ54と、負圧共通気室55と、負圧側圧力調整弁56と、負圧側大気開放弁57と、負圧側圧力センサ58と、エアポンプ59と、4本の配管60と、4本の配管61と、配管62〜67と、エアフィルタ68と、オーバーフローパン69とを備える。
加圧共通気室51は、各印刷部2の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室51は、4本の配管60を介して4つの印刷部2における加圧タンク21の気層部分と連通されている。これにより、各印刷部2の加圧タンク21どうしが、加圧共通気室51及び配管60を介して連通されている。
加圧側圧力調整弁52は、加圧共通気室51を介して各印刷部2の加圧タンク21の圧力を調整するために、配管63内の空気の流路を開閉する。加圧側圧力調整弁52は、配管63の途中に設けられている。
加圧側大気開放弁53は、加圧共通気室51を介して各印刷部2の加圧タンク21を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、配管64内の空気の流路を開閉する。加圧側大気開放弁53は、配管64の途中に設けられている。
加圧側圧力センサ54は、加圧共通気室51内の圧力(加圧側圧力)を検出する。ここで、加圧共通気室51内の圧力は、各印刷部2の加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧共通気室51と各印刷部2の加圧タンク21の気層部分とが連通されているためである。
負圧共通気室55は、各印刷部2の負圧タンク24の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室55は、4本の配管61を介して4つの印刷部2の負圧タンク24の気層部分と連通されている。これにより、各印刷部2の負圧タンク24どうしが、負圧共通気室55及び配管61を介して連通されている。
負圧側圧力調整弁56は、負圧共通気室55を介して各印刷部2の負圧タンク24の圧力を調整するために、配管65内の空気の流路を開閉する。負圧側圧力調整弁56は、配管65の途中に設けられている。
負圧側大気開放弁57は、負圧共通気室55を介して各印刷部2の負圧タンク24を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、配管66内の空気の流路を開閉する。負圧側大気開放弁57は、配管66の途中に設けられている。
負圧側圧力センサ58は、負圧共通気室55内の圧力(負圧側圧力)を検出する。ここで、負圧共通気室55内の圧力は、各印刷部2の負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧共通気室55と各印刷部2の負圧タンク24の気層部分とが連通されているためである。
エアポンプ59は、加圧共通気室51及び負圧共通気室55を介して各印刷部2の負圧タンク24から加圧タンク21へ空気を送る。エアポンプ59は、配管62の途中に設けられている。
4本の配管60は、加圧共通気室51と4つの印刷部2の加圧タンク21とを接続する。配管60は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が加圧タンク21の気層部分に接続されている。
4本の配管61は、負圧共通気室55と4つの印刷部2の負圧タンク24とを接続する。配管61は、一端が負圧共通気室55に接続され、他端が負圧タンク24の気層部分に接続されている。
配管62は、エアポンプ59により負圧共通気室55から加圧共通気室51へ送られる空気の流路を形成する。配管62は、一端が負圧共通気室55に接続され、他端が加圧共通気室51に接続されている。
配管63,64は、それぞれ一端が加圧共通気室51に接続され、他端が配管67に接続されている。配管65,66は、それぞれ一端が負圧共通気室55に接続され、他端が配管67に接続されている。配管67は、一端(上端)がエアフィルタ68を介して大気に通じ、他端がオーバーフローパン69に接続されている。
エアフィルタ68は、配管67の上端に設けられ、外部の空気中に含まれるゴミ等の進入を防止するものである。
オーバーフローパン69は、例えばインク供給弁48の異常により加圧タンク21、負圧タンク24からインクが溢れ、さらに加圧共通気室51、負圧共通気室55からもインクが溢れ出た場合に、そのインクを受け取る。
オーバーフローパン69には、フロート部材71と、オーバーフロー液面センサ72とが設けられている。フロート部材71、オーバーフロー液面センサ72は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材31、加圧タンク液面センサ32と同様のものである。
オーバーフローパン69は、廃液タンク(図示せず)に接続されており、オーバーフロー液面センサ72がオンになると、廃液タンクへインクを排出するようになっている。
搬送部4は、給紙台(図示せず)から用紙を取り出し、その用紙を搬送経路に沿って搬送する。搬送部4は、用紙を搬送するためのローラ、ローラを駆動させるモータ(いずれも図示せず)等を有する。
なお、図示していないが、インクジェット印刷装置1には、各種の入力画面等を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける操作パネルが設けられている。また、インクジェット印刷装置1には、商用電源が接続され、インクジェット印刷装置1の主電源のオン、オフを切り替えるためのスイッチである主電源スイッチや、主電源スイッチを介して供給される電力をインクジェット印刷装置1の各部に供給する電源ユニットが設けられている。
制御部5は、インクジェット印刷装置1全体の動作を制御する。図3に示すように、制御部5は、主コントローラ81と、メカコントローラ82とを備える。
主コントローラ81は、インクジェット印刷装置1全体の制御を司る。主コントローラ81は、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリ92と、HDD(Hard Disk Drive)93と、外部I/F(インタフェース)94と、メカコントローラI/F95と、ユーザI/F96と、ヘッドI/F97とを備える。
CPU91は、演算処理を実行する。メモリ92は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU91のワークエリアとして使用されるものである。HDD93は、各種のプログラム等を記憶する。
外部I/F94は、ネットワークを介して外部の装置との間でデータの送受信を行う。メカコントローラI/F95は、主コントローラ81にメカコントローラ82を接続する。ユーザI/F96は、主コントローラ81に操作パネルを接続する。ヘッドI/F97は、主コントローラ81にインクジェットヘッド11を接続する。
メカコントローラ82は、印刷部2におけるインク循環及びインク供給の制御、圧力調整部3による圧力調整の制御、及び搬送部4による用紙搬送の制御を行う。メカコントローラ82は、CPU101と、メモリ102と、センサI/F103と、主コントローラI/F104と、アクチュエータI/F105と、ドライバユニット106と、ラッチ回路107とを備える。
CPU101は、演算処理を実行する。メモリ102は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU101のワークエリアとして使用されるものである。
センサI/F103は、メカコントローラ82に加圧タンク液面センサ32、負圧タンク液面センサ37等の各種センサを接続する。主コントローラI/F104は、メカコントローラ82を主コントローラ81に接続する。アクチュエータI/F105は、ドライバユニット106に制御信号を送信する。
ドライバユニット106は、インクポンプ25、エアポンプ59、搬送部4のモータ等のそれぞれを駆動させる各種ドライバを有する。
ラッチ回路107は、主電源がオフからオンになった後、最初に電源(副電源)がオンになった際にセットされるラッチを、主電源がオフになるまで保持する。
このような制御部5は、印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する。具体的に、制御部5は、印刷を開始する際、圧力調整部3を制御して、各印刷部2の加圧タンク21に加圧力を付与し、負圧タンク24に負圧力を付与する。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経由して負圧タンク24へ向かうインクの流れが生じ、インク循環が始まる。
次に、インクジェット印刷装置1の印刷時の動作について説明する。
インクジェット印刷装置1に印刷ジョブが入力されると、先ず、制御部5は、インク循環制御を行う。このインク循環制御として、先ず、メカコントローラ82のCPU101において、各印刷部2の液面維持制御を開始する。液面維持制御は、加圧タンク21及び負圧タンク24の液面を基準高さ付近に維持するための、加圧タンク21及び負圧タンク24の液面高さに応じたインクポンプ25及びインク供給弁48の制御である。
具体的には、加圧タンク液面センサ32及び負圧タンク液面センサ37がともにオンの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を閉とする。加圧タンク液面センサ32がオンで負圧タンク液面センサ37がオフの状態でも同様に、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を閉とする。
加圧タンク液面センサ32がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオン、インク供給弁48を閉とする。
加圧タンク液面センサ32及び負圧タンク液面センサ37がともにオフの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を開とする。
その後CPU101は、加圧側大気開放弁53及び負圧側大気開放弁57を閉じる。これにより、各印刷部2の加圧タンク21が加圧共通気室51を介して密閉状態となり、負圧タンク24が負圧共通気室55を介して密閉状態となる。
次いで、CPU101は、圧力制御を開始する。圧力制御は、加圧タンク21、負圧タンク24にそれぞれ規定値の正圧、負圧を付与し、それらを維持するための、エアポンプ59、加圧側圧力調整弁52、及び負圧側圧力調整弁56の制御である。
具体的には、CPU101は、圧力制御を開始すると、エアポンプ59を起動する。これにより、負圧共通気室55から加圧共通気室51へ空気が送られることで、負圧共通気室55及び負圧タンク24が減圧され、加圧共通気室51及び加圧タンク21が加圧される。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクが流れる。
CPU101は、加圧側圧力センサ54の検出値(加圧側圧力)、負圧側圧力センサ58の検出値(負圧側圧力)が、それぞれ加圧側圧力の規定値、負圧側圧力の規定値になると、エアポンプ59を停止する。加圧側圧力及び負圧側圧力の規定値は、インクを循環させつつ、インクジェットヘッド11のノズル圧を適正範囲内にするための値として予め設定された値である。ここで、CPU101は、加圧側圧力及び負圧側圧力を規定値にするために、加圧側圧力センサ54及び負圧側圧力センサ58の検出値に応じて加圧側圧力調整弁52及び負圧側圧力調整弁56の開閉を制御し、加圧側圧力及び負圧側圧力を調整する。
加圧側圧力及び負圧側圧力がそれぞれの規定値になったとCPU101が判断した場合、CPU91,101は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、主コントローラ81のCPU91は、印刷ジョブを画像データとジョブデータとに分割し、ジョブデータをメカコントローラ82へ送信する。ジョブデータは、印刷枚数、用紙種類等を示す情報を含むものである。そして、メカコントローラ82のCPU101は、ジョブデータに基づき、搬送部4により用紙を搬送させる。また、主コントローラ81のCPU91は、画像データに基づき、搬送される用紙にインクジェットヘッド11からインクを吐出させる。これにより、用紙に画像が印刷される。
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。液面維持制御により、加圧タンク液面センサ32がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態になると、インクポンプ25が負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
印刷実行の開始後は、一度加圧タンク21側圧力及び負圧タンク24側圧力が規定値になった後も、これらの圧力差を維持するように、加圧タンク21及び負圧タンク24の間に配置された圧力調整板35によって、両タンク内の気圧を調整する。
この圧力調整板35による加圧タンク21及び負圧タンク24内の圧力調整について説明する。図4(a)〜(c)は、圧力調整部板を用いたタンク内の圧力調整の動作を示す説明図である。ここで、図4(a)は、エアポンプ59が作動中であってインク循環前におけるタンク内のインク液面高さを示している。図4(b)は、インク循環開始後であって加圧タンク21からインクジェットヘッド11にインクが供給された場合におけるタンク内のインク液面高さを示している。図4(c)は、インク循環開始後であって負圧タンク24から加圧タンク21にインクが供給された場合におけるタンク内のインク液面高さを示している。
先ず、図4(a)に示す段階では、エアポンプ59が加圧側圧力及び負圧側圧力が規定値にある状態に基づいて作動しており、加圧タンク21内は適正に加圧されるとともに、負圧タンク24内は適正に減圧されている。そのため、両タンクの間に挟まれている圧力調整板35には、負圧タンク24側から吸引圧が作用するとともに、加圧タンク21側から押圧が作用する。そして、圧力調整板35は、弾性体で形成されているので、図4(a)に示すように、凸状の頂部が負圧タンク24側に突出する第1の姿勢となる。
その後、エアポンプ59が停止されてインク循環動作が開始されると、加圧タンク21からインクジェットヘッド11にインクが供給され、吐出で消費されなかったインクは負圧タンク24へと戻される。このとき、加圧タンク21内のインクは、インクジェットヘッド11に送り出されるため、図4(b)に示すように、タンク内のインク液面が下降する。これにより、加圧タンク21内の気層部分が拡張されて、加圧タンク21内はさらに減圧される。また、負圧タンク24内は、インクジェットヘッド11からインクが戻るために、図4(b)に示すように、減圧タンク24内のインク液面が上昇する。これにより、負圧タンク24内の気層部分は圧縮されて、タンク内はさらに加圧される。
このように、加圧タンク21内の圧力が低下するとともに負圧タンク24内の圧力が上昇すると、圧力調整板35は、弾性体で形成されていることから、図4(b)に示すように、凸状の頂部が加圧タンク21側に向けて押し戻され、略平坦状をなす第2の姿勢に変形する。このように圧力調整板35が第2の姿勢に変形すると、圧力調整板35は、加圧タンク21内の気層部分を圧迫するとともに、負圧タンク24の気層部分を牽引することとなる。その結果、減圧された加圧タンク21内の容量は減少するため、圧力調整板35によって加圧されることとなり、また、加圧された負圧タンク24内の容量は増加するため、圧力調整板35によって減圧されることとなるので、過剰な加圧又は負圧を吸収して圧力変動を抑制できる。
その後、インクポンプ25により負圧タンク24から加圧タンク21へインクが輸送されると、図4(c)に示すように、加圧タンク21内のインク液面は上昇し、負圧タンク24のインク液面は下降する。これにより、加圧タンク21内の気層部分は圧縮されるので、タンク内は加圧される。また、負圧タンク24内の気層部分は拡張されるのでタンク内は減圧される。これにより、圧力調整板35は、図4(c)に示すように、凸状の頂部が負圧タンク24側に突出するような第1の姿勢に変形する。
圧力調整板35が第1の姿勢に変形すると、加圧タンク21内の気層部分を牽引し、負圧タンク24の気層部分を圧迫する。その結果、加圧された加圧タンク21内の容量は増加するため、圧力調整板35によって減圧されることとなり、また、減圧された負圧タンク24内の容量は増加するため、圧力調整板35によって加圧されることとなるので、インク輸送時に生じる過剰な加圧又は負圧を吸収して圧力変動を抑制できる。
なお、CPU101は、圧力調整板35によって圧力調整が行われた後に、加圧側圧力センサ54及び負圧側圧力センサ58の検出値に応じて、加圧側圧力調整弁52及び負圧側圧力調整弁56の開閉、エアポンプ59の調整を適宜行ってもよい。
また、CPU101は、インク循環時には、インク温度センサ27の検出温度が適正温度範囲内を維持するように、インク温度調整部26を制御してインク温度の調整を行う。
印刷ジョブの実行開始後、CPU101は、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。印刷ジョブが終了していないと判断した場合、CPU101は印刷処理を繰り返す。
印刷ジョブが終了したと判断した場合、CPU101は、圧力制御を終了する。ここで、加圧側圧力調整弁52、負圧側圧力調整弁56が開いている場合、CPU101は、それらを閉じる。
次いで、CPU101は、加圧側大気開放弁53及び負圧側大気開放弁57を開く。これにより、各印刷部2の加圧タンク21が加圧共通気室51を介して大気開放状態となり、負圧タンク24が負圧共通気室55を介して大気開放状態となる。そして、CPU101は、印刷処理が終了する。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、加圧タンク21内及び負圧タンク24内の圧力と連動して、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させる圧力調整板35を設けたので、タンク内のインクの液面高さが増減し、タンク内に過剰な加圧若しくは負圧がかかり、循環圧に変動が発生するようなときに、タンク内の圧力に応じてタンクの容積を増加又は減少するように変化させ、過剰な圧力を吸収して、ノズル圧変動を抑制することができる。その結果、ノズルからの安定吐出が実現され、動作制御の容易化、画質の向上を図ることができる。
すなわち、図5(a)〜(c)に示すように、従来の構成では、加圧タンク21と負圧タンク24とは、完全に間仕切られ、それぞれのタンク内の体積(容量)を変化させることができなかった。そのため、加圧タンク21内が加圧されるとともに負圧タンク24内が減圧されている 図5(a)の状態から、インク循環動作が開始されると、加圧タンク21からインクジェットヘッド11にインクが供給され、吐出で消費されなかったインクは負圧タンク24へと戻される。このとき、加圧タンク21内のインクは、インクジェットヘッド11に送り出されるため、図5(b)に示すように、タンク内のインク液面が下がる。これにより、加圧タンク21内の気層部分は拡張されて、タンク内は過剰に減圧される。また、負圧タンク24内は、インクジェットヘッド11からインクが戻るために、図5(b)に示すように、タンク内のインク液面が上昇する。これにより、負圧タンク24内の気層部分は圧縮されて、タンク内は過剰に加圧される。
従来では、それぞれのタンク内の体積(容量)を変化させることができなかったため、それぞれのタンク内の液面高さが増減することで、タンク内に過剰な加圧又は負圧がかかるため、循環圧に変動が発生していた。その結果、ノズル圧も変動してインクの吐出が不安定となっていた。
また、インクポンプ25により負圧タンク24から加圧タンク21へインクが輸送されると、図5(c)に示すように、加圧タンク21内のインク液面は上昇し、負圧タンク24のインク液面は下降する。これにより、加圧タンク21内の気層部分は圧縮されるので、タンク内は加圧される。また、負圧タンク24内の気層部分は拡張されるのでタンク内は減圧される。そのため、インクポンプ25によるインク輸送時にも過剰な圧力変動が生じるため、ここでも、ノズル圧も変動してインクの吐出が不安定となっていた。
これに対し、本実施形態では、図4(b)及び(c)に示すように、負圧タンク24と加圧タンク21との間に圧力に連動して変形可能な圧力調整板35を設けているので、タンク内のインクの液面高さが増減し、タンク内に過剰な加圧若しくは負圧がかかるときにでも、タンク内の圧力に応じてタンクの容積を増加又は減少するように変化するため、過剰な圧力を吸収して、ノズル圧変動を抑制することができる。その結果、ノズルからの安定吐出が実現され、動作制御の容易化、画質の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、加圧タンク21と負圧タンク24との間に、これらの圧力差に応じて変形する圧力調整板35を形成させるという簡単な構成で、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させることができ、より簡便にノズル圧変動を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、加圧タンク21と負圧タンク24とを水平に隣接配置し、これらの間に、これらの圧力差に応じて水平方向に変形する圧力調整板35を配置しているため、圧液面の変動の影響を受けない位置に圧力調整手段を設けることができ、より簡単な構成で、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させることができる。
また、本実施形態では、圧力調整板35を加圧タンク21と負圧タンク24の間を弾性部材で間仕切る構成とし、一方のタンクの加圧量と、他方のタンクの減圧量とが等しくなるように圧力調整板35を変形させているので、各タンクの圧力調整が弾性部材の変形で行え、消費電力を増加させることなく容易な構成でかつマシンを大型化させることなくノズル圧変動を抑制できる。
特に、インク循環で負圧タンク24から加圧タンク21へのインクを送液するような構成では、一方のタンク内のインク減少量と、他方のタンクのインク増加量が等しいことから、圧力調整板35の変形により、容易に圧力調整ができる。また、例えば、タンクごとエアポンプと電磁弁で圧力調整する場合では、エアポンプや電磁弁の動作バラツキなどにより適性循環圧に調整するまで時間を要するが、圧力調整部材の変形により調整するため、調整時間を短縮することができる。
なお、上記実施の形態では、圧力調整板35を弾性部材で形成して、加圧タンク21及び負圧タンク24間の圧力差を利用して圧力調整板35を変形させる構成としたが、例えば、圧力調整板35にタンク間の圧力差に応じて移動可能な部材又は部品を用いてもよい。
この場合、圧力調整板35は、上記実施の形態のように弾性部材ではなく所定の剛性を有する部材で形成することができる。そして、このような圧力調整板35は、タンク間に間仕切として設けられ、タンク間を移動するピストン構造によって水平方向にスライド移動可能となっている。このようにピストン構造を有する圧力調整板35によりタンク間の圧力差に応じて圧力調整板がスライド移動することで、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させることができる。
さらに、上記実施の形態では、タンク間の圧力差を利用して圧力調整板35を変形又は移動させる構成としたが、例えば、制御部5のCPU101に、圧力調整板35による容積の変化量と、変化のタイミングを制御する機能を持たせ、インクポンプ25の駆動周期に応じ、圧力調整板35の変化量と変化タイミングを調整することもできる。この場合には、加圧タンク21内の圧力や、負圧タンク24内の圧力をセンサで測定し、その測定結果に応じてタンクの容積を変化させる。
このような制御部5による電気制御を行う場合、圧力調整板35は制御信号に応じて変形又は移動可能な部材で形成することができる。例えば、圧力調整板35として、上記のピストン構造を有する圧力調整板を用いることができる。この場合には、ピストン構造を有する圧力調整板35に対して、所定のタイミングで電圧をかけることで、圧力調整板35を水平方向にスライド移動させ、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させることができる。
また、他の部材として、電圧を加えると変形するピエゾ素子を用いて圧力調整板35を形成することもできる。この場合には、圧力調整板35に対して所定のタイミングで電圧をかけることで、圧力調整板35を変形させ、加圧タンク21及び負圧タンク24の容積を変化させることができる。
このように、制御部5において電気制御を行う場合には、インクポンプ25の駆動周期に応じ、圧力調整板35の変化量と変化タイミングを調整することもできるので、よりきめ細かく循環圧の変動に対応することができ、より確実にノズル圧変動を抑制することができる。
また、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1…インクジェット印刷装置
2…印刷部
3…圧力調整部
4…搬送部
5…制御部
11…インクジェットヘッド
12…インク循環部
13…インク供給部
16…ヘッドモジュール
21…加圧タンク
22…分配器
23…集合器
24…負圧タンク
25…インクポンプ
26…インク温度調整部
27…インク温度センサ
28…配管
28〜30…配管
31…フロート部材
32…加圧タンク液面センサ
33…インクフィルタ
35…圧力調整板
36…フロート部材
51…加圧共通気室
52…加圧側圧力調整弁
53…加圧側大気開放弁
54…加圧側圧力センサ
55…負圧共通気室
56…負圧側圧力調整弁
57…負圧側大気開放弁
58…負圧側圧力センサ
59…エアポンプ

Claims (4)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する第1タンクと、
    前記インクジェットヘッドから戻されたインクを貯留する第2タンクと、
    前記第1タンクから前記インクジェットヘッドを経て前記第2タンクへとインクが循環するための循環経路と、
    前記第2タンクから前記第1タンクにインクを送液する送液手段と、
    前記第1タンク内及び前記第2タンク内の圧力と連動して、前記第1タンク及び前記第2タンクの容積を変化させる圧力調整手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記第1タンクと前記第2タンクとは隣接配置されており、
    前記圧力調整手段は、前記第1タンクと前記第2タンクとの間に配置され、前記第1タンクと第2タンクの圧力差に応じて、移動又は変形が可能な部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記第1タンクと前記第2タンクとは水平方向に隣接配置されており、
    前記圧力調整手段は、前記第1のタンク及び前記第2のタンクの間において、水平方向に移動又は変形することを特徴とする請求項2記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記圧力調整手段による容積の変化量と、変化のタイミングを制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記インクポンプの駆動周期に応じ、前記変化量と変化タイミングを調整する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110356119A (zh) * 2019-07-04 2019-10-22 上海博昊数码科技有限公司 一种喷绘机用墨路系统

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