JP2016068327A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

インクジェット印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016068327A
JP2016068327A JP2014198529A JP2014198529A JP2016068327A JP 2016068327 A JP2016068327 A JP 2016068327A JP 2014198529 A JP2014198529 A JP 2014198529A JP 2014198529 A JP2014198529 A JP 2014198529A JP 2016068327 A JP2016068327 A JP 2016068327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
pressure
ink
negative pressure
pressurized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014198529A
Other languages
English (en)
Inventor
敏秀 前坂
Toshihide Maesaka
敏秀 前坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2014198529A priority Critical patent/JP2016068327A/ja
Publication of JP2016068327A publication Critical patent/JP2016068327A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】簡易な構成により、速やかに双方のタンクの圧力を目的の値とするとともに、目的の圧力から外れた場合であっても、高い追従性により精度よく目的の圧力値に調整する。【解決手段】インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッド11と、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する加圧タンク21と、インクジェットヘッド11から戻されたインクを貯留する負圧タンク24と、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経て負圧タンク24へとインクが循環するための循環経路と、負圧タンク24から加圧タンク21にインクを送液するインクポンプ25と、加圧タンク21の気層部分の圧力を調節する加圧ポンプ52と、負圧タンク24の気層部分の圧力を調節する負圧ポンプ56と、加圧タンク21の気層部分と負圧タンク24の気層部分とを接続するエア経路62と、エア経路62を開閉する開閉弁59とを有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、インク循環式のインクジェット印刷装置に関する。
インクを循環させつつインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている。
インク循環式のインクジェット印刷装置として、加圧タンク及び負圧タンクをインクジェットヘッドの下方に配置し、負圧タンクから加圧タンクへ空気を送るためのエアポンプを備えたものがある。
このようなインクジェット印刷装置では、印刷を行う際、エアポンプにより負圧タンクから加圧タンクに空気を送ることで、負圧タンク、加圧タンクにそれぞれ負圧、正圧を付与する。これにより、加圧タンクからインクジェットヘッドへ向けてインクが流れる。インクジェットヘッドで消費されなかったインクは、負圧タンクに回収される。加圧タンクへは、負圧タンクからインクポンプによりインクが送られる。このようにタンク内に圧力差を生成することでインクを循環させながら吐出を行う。
このようなインクジェット印刷装置では、各タンク内の圧力を調整するための圧力調整機構が設けられている。圧力調整機構としては、例えば、タンク毎にエアポンプと圧力調整弁とを設け、圧力調整弁で大気開放することで、各タンク内部の圧力を調整している。また、例えば、タンク毎に圧力調整弁を設けるとともに、両タンクをエアポンプで接続させ、各タンク内部の圧力を調整する圧力調整機構もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−153004号公報
しかしながら、タンク毎にエアポンプと電磁弁とを設ける圧力調整機構では、大気開放時の急激な圧力変動を抑えるための絞りが必要となる。その結果、急な圧力変化に対しての追従性が低下するという問題がある。
また、特許文献1に開示された技術のように、両タンクをエアポンプで接続させる構成においても、急な圧力変化に対しての追従性が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、簡易な構成により、速やかに双方のタンクの圧力を目的の値とするとともに、目的の圧力から外れた場合であっても、高い追従性により精度よく目的の圧力値に調整することができるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する第1タンクと、前記インクジェットヘッドから戻されたインクを貯留する第2タンクと、前記第1タンクから前記インクジェットヘッドを経て前記第2タンクへとインクが循環するための循環経路と、前記第2タンクから前記第1タンクにインクを送液する送液手段と、前記第1タンクの気層部分の圧力を調節する第1気圧調整手段と、前記第2タンクの気層部分の圧力を調節する第2気圧調整手段と、前記第1タンクの気層部分と前記第2タンクの気層部分とを接続するエア経路と、前記エア経路を開閉する開閉弁とを有することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記第1タンク内又は前記第2タンク内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサによる検出結果に応じて前記第1気圧調整手段、前記第2気圧調整手段及び前記開閉弁の駆動を制御する駆動制御手段とをさらに備えることにある。
以上述べたように、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、第1タンクの気層部分と第2タンクの気層部分とを接続するエア経路を設け、このエア経路を開閉弁により開閉するため、第1タンクと第2タンクとの間に圧力差を形成し、一方を加圧タンクとし、他方を負圧タンクとして用いる場合に、エア経路を通じて一方のタンクの圧力を他方のタンクへ移動させるという簡易な構成により、速やかに双方のタンクの圧力を目的の値とすることができる。このとき、開閉弁の開度を調整することにより圧力の移動量及び移動速度を調節できることから、高い追従性により精度よく目的の圧力値に調整することができる。
また、第1タンク及び第2タンクの間を連通させる開閉弁を設けることで、閉じた空間内でのみ空気のやり取りを行って圧力調整ができることから、タンク内の空気が外気との間で入れ替わる頻度を減らすことができ、エアフィルタの寿命を向上させることができる。さらには、水性インクを用いた場合にはインク中の水分蒸発を抑制できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、第1タンク内又は第2タンク内の圧力を検出する圧力センサに応じて、上記気圧調整や開閉弁の駆動を制御するため、急激な圧力変動を抑制することができ、急な圧力変化が生じた場合にも高い追従性によって圧力を調整することができる。
実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部及び圧力調整部の概略構成図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。 各インクタンク内の圧力変動の様子を示すグラフである。 (a)は、加圧タンク及び負圧タンクの圧力状態を示す説明図であり、同図(b)は、各インクタンク内における加圧ポンプ、負圧ポンプ及び開閉弁の動作を示す説明図である。 インクジェット印刷装置1の印刷時における圧力調整機構の動作を説明するためのフローチャートである。 (a)は、図1に示すインクジェット印刷装置の圧力調整部の概略構成図であり、同図(b)及び(c)は、従来例に係る圧力調整機構を示す概略構成図である。 従来技術及び実施形態に係る不適正なタンク圧から適正なタンク圧までに回復するまでの経過時間を比較する説明図であり、(a)はインクタンク内の圧力変動の様子を示すグラフであり、同図(b)は、不適切なタンク圧が発生した部分の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部及び圧力調整部の概略構成図であり、図3は、図1に示すインクジェット印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図2における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、4つの印刷部2と、圧力調整部3と、搬送部4と、制御部5とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、搬送部4により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。4つの印刷部2は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のインクを吐出する。4つの印刷部2は、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
図2に示すように、印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環部(請求項の循環経路に相当)12と、インク供給部13とを備える。
インクジェットヘッド11は、インク循環部12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16からなる。
ヘッドモジュール16は、ピエゾ式である。ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバと、インクを吐出する複数のノズル(いずれも図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部12は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する。インク循環部12は、加圧タンク(請求項の第1タンクに相当)21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク(請求項の第2タンクに相当)24と、インクポンプ(請求項のインク送液手段に相当)25と、インク温度調整部26と、インク温度センサ27と、配管28〜30とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21のインクは、配管28及び分配器22を介してインクジェットヘッド11に供給される。加圧タンク21内には、インクの液面上に空気が充填される気室部分が形成されている。加圧タンク21は、後述の配管60を介して、後述の加圧共通気室51に連通されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置(下方)に配置されている。
加圧タンク21は、振動によりインクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されて分配器22及び配管28の内部のインクが加圧タンク21に流れ落ちても、それを受け入れるだけの容量を有する。ただし、加圧タンク21が大きすぎると装置の大型化を招く。このため、加圧タンク21は、分配器22及び配管28の内部のインクがすべて加圧タンク21に流れ落ちたときに満杯になる程度の容量を有する。
加圧タンク21には、フロート部材31と、加圧タンク液面センサ32と、インクフィルタ33とが設けられている。
フロート部材31は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達するまで、液面高さに応じて回動するように、加圧タンク21内に支持軸(図示せず)により一端側が軸支されている。フロート部材31の他端には、磁石(図示せず)が設けられている。
加圧タンク液面センサ32は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。基準高さは、加圧タンク21の上端から所定距離だけ下の位置にある。加圧タンク液面センサ32は、磁気センサからなり、液面高さが基準高さに達しているときのフロート部材31の磁石を検出する。加圧タンク液面センサ32は、フロート部材31の磁石を検出している場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。加圧タンク液面センサ32は、フロート部材31の磁石を検出していない場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。
インクフィルタ33は、インク内のゴミ等を除去する。
分配器22は、配管28を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、配管29を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器23から受け取って貯留する。また、負圧タンク24は、後述するインク供給部13のインクカートリッジ46から供給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に空気が充填された気室部分が形成されている。負圧タンク24は、後述の配管61を介して、後述の負圧共通気室55に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24は、振動によりインクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されてインクジェットヘッド11、集合器23、及び配管29の内部のインクが負圧タンク24に流れ落ちても、それを受け入れるだけの容量を有する。ただし、負圧タンク24が大きすぎると装置の大型化を招く。このため、負圧タンク24は、インクジェットヘッド11、集合器23及び配管29の内部のインクがすべて負圧タンク24に流れ落ちたときに満杯になる程度の容量を有する。
負圧タンク24には、フロート部材36と、負圧タンク液面センサ37とが設けられている。
フロート部材36、負圧タンク液面センサ37は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材31、加圧タンク液面センサ32と同様のものである。負圧タンク液面センサ37は、フロート部材36の磁石を検出している場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。負圧タンク液面センサ37は、フロート部材36の磁石を検出していない場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。基準高さは、負圧タンク24の上端から所定距離だけ下の位置にある。
インクポンプ25は、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液する。インクポンプ25は、配管30の途中に設けられている。
インク温度調整部26は、インク循環部12におけるインクの温度を調整する。インク温度調整部26は、配管28の途中に設けられている。インク温度調整部26は、ヒータ41と、ヒータ温度センサ42と、ヒートシンク43と、冷却ファン44とを備える。
ヒータ41は、配管28内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ42は、ヒータ41の温度を検出する。ヒートシンク43は、配管28内のインクを冷却する。冷却ファン44は、ヒートシンク43に冷却風を送る。
インク温度センサ27は、インク循環部12におけるインクの温度を検出する。インク温度センサ27は、配管28の途中に設けられている。
配管28は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。配管28の一部は、ヒータ41を経由する部分とヒートシンク43を経由する部分とに分岐している。配管28には、加圧タンク21から分配器22に向かってインクが流れる。配管29は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。配管29には、集合器23から負圧タンク24に向かってインクが流れる。配管30は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。配管30には、負圧タンク24から加圧タンク21に向かってインクが流れる。配管28〜30と分配器22と集合器23とにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経て負圧タンク24へとインクが循環するための循環経路が構成される。
インク供給部13は、インク循環部12にインクを供給する。インク供給部13は、インクカートリッジ46と、配管47と、インク供給弁48とを備える。
インクカートリッジ46は、印刷部2で印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ46内のインクは、配管47を介して負圧タンク24に供給される。
配管47は、インクカートリッジ46と負圧タンク24とを接続する。配管47には、インクカートリッジ46から負圧タンク24に向かってインクが流れる。
インク供給弁48は、配管47内のインクの流路を開閉する。インクカートリッジ46から負圧タンク24へインクを供給する際、インク供給弁48が開かれる。
圧力調整部3は、各印刷部2の加圧タンク21及び負圧タンク24の圧力を調整する。圧力調整部3は、加圧共通気室51と、加圧ポンプ(請求項の第1気圧調整手段に相当)52と、加圧側大気開放弁53と、加圧側圧力センサ(請求項の圧力センサに相当)54と、負圧共通気室55と、負圧ポンプ(請求項の第2気圧調整手段に相当)56と、負圧側大気開放弁57と、負圧側圧力センサ(請求項の圧力センサに相当)58と、開閉弁59と、4本の配管60と、4本の配管61と、エア経路62と、配管63〜67と、エアフィルタ68と、オーバーフローパン69とを備える。
加圧共通気室51は、各印刷部2の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室51は、4本の配管60を介して4つの印刷部2の加圧タンク21の気室部分と連通されている。これにより、各印刷部2の加圧タンク21どうしが、加圧共通気室51及び配管60を介して連通されている。
加圧ポンプ52は、加圧共通気室51へ向けて空気を送る。これにより、加圧ポンプ52は、各印刷部2の加圧タンク21の気層部分の圧力を調整する。加圧ポンプ52は、配管63の途中に設けられている。
加圧側大気開放弁53は、加圧共通気室51を介して各印刷部2の加圧タンク21を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、配管64内の空気の流路を開閉する。加圧側大気開放弁53は、配管64の途中に設けられている。
加圧側圧力センサ54は、加圧共通気室51内の圧力(加圧側圧力)を検出する。ここで、加圧共通気室51内の圧力は、各印刷部2の加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧共通気室51と各印刷部2の加圧タンク21の気室部分とが連通されているためである。
負圧共通気室55は、各印刷部2の負圧タンク24の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室55は、4本の配管61を介して4つの印刷部2の負圧タンク24の気室部分と連通されている。これにより、各印刷部2の負圧タンク24どうしが、負圧共通気室55及び配管61を介して連通されている。
負圧ポンプ56は、負圧共通気室55内の空気を吸引する。これにより、負圧ポンプ56は、各印刷部2の負圧タンク24の気層部分の圧力を調整する。負圧ポンプ56は、配管65の途中に設けられている。
負圧側大気開放弁57は、負圧共通気室55を介して各印刷部2の負圧タンク24を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、配管66内の空気の流路を開閉する。負圧側大気開放弁57は、配管66の途中に設けられている。
負圧側圧力センサ58は、負圧共通気室55内の圧力(負圧側圧力)を検出する。ここで、負圧共通気室55内の圧力は、各印刷部2の負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧共通気室55と各印刷部2の負圧タンク24の気室部分とが連通されているためである。
エア経路62は、負圧共通気室55及び加圧共通気室51を介して、加圧タンク21の気層部分と負圧タンク24の気層部分とを接続し、空気の流路を形成する配管である。エア経路62は、一端が負圧共通気室55に接続され、他端が加圧共通気室51に接続されている。
開閉弁59は、エア経路62を開閉する。開閉弁59は、エア経路62の途中に設けられている。開閉弁59が開かれているとき、負圧共通気室55と加圧共通気室51とが連通される。これにより、配管60,61を介して、負圧タンク24と加圧タンク21との気室部分が連通される。一方、開閉弁59が閉じられているとき、当負圧共通気室55と加圧共通気室51との接続が切断され、負圧タンク24又は加圧タンク21に対して個別に減圧又は加圧することができる。
4本の配管60は、加圧共通気室51と4つの印刷部2の加圧タンク21とを接続する。配管60は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が加圧タンク21の気室部分に接続されている。
4本の配管61は、負圧共通気室55と4つの印刷部2の負圧タンク24とを接続する。配管61は、一端が負圧共通気室55に接続され、他端が負圧タンク24の気室部分に接続されている。
配管63,64は、それぞれ一端が加圧共通気室51に接続され、他端が配管67に接続されている。配管65,66は、それぞれ一端が負圧共通気室55に接続され、他端が配管67に接続されている。配管67は、一端(上端)がエアフィルタ68を介して大気に通じ、他端がオーバーフローパン69に接続されている。エアフィルタ68は、配管67の上端に設けられ、外部の空気中のゴミ等の進入を防止するものである。
オーバーフローパン69は、例えばインク供給弁48の異常により加圧タンク21、負圧タンク24からインクが溢れ、さらに加圧共通気室51、負圧共通気室55からもインクが溢れ出た場合に、そのインクを受け取る。オーバーフローパン69には、フロート部材71と、オーバーフロー液面センサ72とが設けられている。フロート部材71、オーバーフロー液面センサ72は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材31、加圧タンク液面センサ32と同様のものである。また、オーバーフローパン69は、廃液タンク(図示せず)に接続されており、オーバーフロー液面センサ72がオンになると、廃液タンクへインクを排出するようになっている。
搬送部4は、給紙台(図示せず)から用紙を取り出し、その用紙を搬送経路に沿って搬送する。搬送部4は、用紙を搬送するためのローラ、ローラを駆動させるモータ(いずれも図示せず)等を有する。
なお、図示していないが、インクジェット印刷装置1には、各種の入力画面等を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける操作パネルが設けられている。また、インクジェット印刷装置1には、商用電源が接続され、インクジェット印刷装置1の主電源のオン、オフを切り替えるためのスイッチである主電源スイッチや、主電源スイッチを介して供給される電力をインクジェット印刷装置1の各部に供給する電源ユニットが設けられている。
制御部5は、インクジェット印刷装置1全体の動作を制御する。図3に示すように、制御部5は、主コントローラ81と、メカコントローラ82とを備える。主コントローラ81は、インクジェット印刷装置1全体の制御を司る。主コントローラ81は、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリ92と、HDD(Hard Disk Drive)93と、外部I/F(インタフェース)94と、メカコントローラI/F95と、ユーザI/F96と、ヘッドI/F97とを備える。CPU91は、演算処理を実行する。メモリ92は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU91のワークエリアとして使用されるものである。HDD93は、各種のプログラム等を記憶する。
外部I/F94は、ネットワークを介して外部の装置との間でデータの送受信を行う。メカコントローラI/F95は、主コントローラ81にメカコントローラ82を接続する。ユーザI/F96は、主コントローラ81に操作パネルを接続する。ヘッドI/F97は、主コントローラ81にインクジェットヘッド11を接続する。
メカコントローラ82は、印刷部2におけるインク循環及びインク補給の制御、圧力調整部3による圧力制御、及び搬送部4による用紙搬送の制御を行う。メカコントローラ82は、CPU101と、メモリ102と、センサI/F103と、主コントローラI/F104と、アクチュエータI/F105と、ドライバユニット106とを備える。
CPU101は、演算処理を実行する。メモリ102は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU101のワークエリアとして使用されるものである。
センサI/F103は、メカコントローラ82に加圧タンク液面センサ32等の各種センサを接続する。主コントローラI/F104は、メカコントローラ82を主コントローラ81に接続する。アクチュエータI/F105は、ドライバユニット106に制御信号を送信する。
ドライバユニット106は、インクポンプ25、加圧ポンプ52、負圧ポンプ56、開閉弁59、搬送部4のモータ等のそれぞれを駆動させる各種ドライバを有する。
このような制御部5は、印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する。具体的に、制御部5は、印刷を開始する際、圧力調整部3を制御して、各印刷部2の加圧タンク21に加圧力を付与し、負圧タンク24に負圧力を付与する。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経由して負圧タンク24へ向かうインクの流れが生じ、インク循環が始まる。
また、制御部5は、インク循環の開始後、印刷ジョブに基づきインクジェットヘッド11を駆動させて印刷を行う。印刷動作時(インク循環時)において、制御部5は、加圧タンク液面センサ32及び負圧タンク液面センサ37がオフの場合、インク供給弁48を制御してインクカートリッジ46から負圧タンク24へインクを供給する。また、制御部5は、負圧タンク液面センサ37がオンで加圧タンク液面センサ32がオフの場合、インクポンプ25により負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液するよう制御する。
また、制御部5は、印刷動作時(インク循環時)において、負圧側圧力センサ58又は加圧側圧力センサ54による検出結果に応じて加圧ポンプ52、負圧ポンプ56及び開閉弁59の駆動を制御する。
この負圧側圧力センサ58又は加圧側圧力センサ54による検出結果に応じた加圧ポンプ52、負圧ポンプ56及び開閉弁59の駆動制御について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、各インクタンク内の圧力変動の様子を示すグラフである。また、図5(a)は、加圧タンク21及び負圧タンク24の圧力状態を示す説明図であり、同図(b)は、加圧ポンプ52、負圧ポンプ56及び開閉弁59の動作を示す説明図である。なお、図4及び図5において、縦軸はタンク内圧力(P)を示し、横軸は経過時間(t)を示している。
図4において、状態Sは、加圧タンク21又は負圧タンク24内に適正な圧力が生成され維持された状態を示している。一方、状態S〜状態Sは、加圧タンク21、又は負圧タンク24、若しくは双方が適正なタンク圧から逸脱した状態を示している。このように、インクヘッド印刷装置1では、インク循環時に加圧タンク21又は負圧タンク24内の圧力が不適正(異常)となる場合があるが、安定吐出のため、インク循環時は状態Sの圧力状態が継続することが望ましい。
そのため、制御部5は、状態S〜状態Sに示すように、タンク内のタンク圧が不適正となった場合に、加圧ポンプ52及び負圧ポンプ56の動作、及び開閉弁59の開閉を制御して、各タンク内の空気量を調整し、適正圧(状態Sの圧力)となるよう追従制御を行う。以下、各状態S〜状態Sとなった場合における駆動制御について説明する。
なお、制御部5のハードディスク等には、負圧側圧力センサ58及び加圧側圧力センサ54による検出結果が適正であるか否かを示す閾値(基準値)を有している。この閾値は、インクジェットヘッド11のノズル圧を適正範囲内にするための値として予め設定された値である。
先ず、状態Sでは、図5(a)に示すように、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出により適正であると判断される。一方、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出で閾値よりも高い圧力であると判断される。よって、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を開放させるとともに、負圧ポンプ56のみを動作させてタンク(加圧タンク21及び負圧タンク24を含む。)内の空気を吸引させる。
この場合、開閉弁59が開放されるので、加圧タンク21と負圧タンク24とは接続され、その圧力差によって加圧タンク21は即時に減圧されることとなる。そして、負圧ポンプ56を動作させて加圧タンク21と負圧タンク24とを含めた全タンク内の空気を吸引することで、適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出結果によって適正であると判断される。一方、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。この場合、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を閉止させたまま、加圧ポンプ52のみを動作させて、加圧タンク21内に空気を送る。
この場合、開閉弁59を閉止したまま、インク圧が不適切な加圧タンク21に空気を送るので、不適切なタンク圧となっている部分のみを即座に適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出結果によって適正であると判断される。一方、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出で閾値よりも高い圧力であると判断される。この場合、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を閉止させたまま、負圧ポンプ56のみを動作させて、負圧タンク24内の空気を吸引する。
この場合、開閉弁59を閉止したまま、インク圧が不適切な負圧タンク24を吸引しているので、不適切なタンク圧となっている部分のみを即座に適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出結果によって適正であると判断される。一方、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。この場合、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を開放するとともに、加圧ポンプ52のみを動作させてタンク内に空気を送る。
この場合、開閉弁59が開放されるので、加圧タンク21と負圧タンク24とは接続され、その圧力差によって負圧タンク24は即時に加圧されることとなる。そして、加圧ポンプ52を動作させて加圧タンク21と負圧タンク24とを含めた全タンク内に空気を送ることで、適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、加圧タンク21内のタンク圧、及び負圧タンク24内のタンク圧とともには、各センサによる検出で閾値よりも高い圧力であると判断される。この場合、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を開放するとともに、負圧ポンプ56のみを動作させてタンク内の空気を吸引する。
この場合、開閉弁59が開放されるので、加圧タンク21と負圧タンク24とは接続され、その圧力差によって、加圧タンク21及び負圧タンク24は即座に均一のインク圧となる。そして、負圧ポンプ56を動作させて加圧タンク21と負圧タンク24とを含めた全タンク内の空気を吸引することで、適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。一方、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出で閾値よりも高い圧力であると判断される。そこで、制御部5は、図5(b)に示すように、各ポンプを動作させることなく、開閉弁59を開放する。
この場合、開閉弁59が開放されるので、加圧タンク21と負圧タンク24とは接続され、その圧力差によって加圧タンク21は即時に減圧されるとともに、負圧タンク24は即座に加圧されるので、適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出で閾値よりも高い圧力であると判断される。一方、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。そこで、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を閉止させたまま、負圧ポンプ56を動作させて負圧タンク24内の空気を吸引するとともに、加圧ポンプ52を動作させて加圧タンク21内に空気を送る。
この場合、開閉弁59を閉止したまま、それぞれのタンクに対して空気を吸引又は送出するので、各ポンプにより適正なタンク圧に調整することができる。
状態Sでは、図5(a)に示すように、負圧タンク24内のタンク圧は、負圧側圧力センサ58による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。一方、加圧タンク21内のタンク圧は、加圧側圧力センサ54による検出で閾値よりも低い圧力であると判断される。そこで、制御部5は、図5(b)に示すように、開閉弁59を開放するとともに、加圧ポンプ52のみを動作させてタンク内に空気を送る。
この場合には、開閉弁59が開放されるので、加圧タンク21と負圧タンク24とは接続され、その圧力差によって、加圧タンク21及び負圧タンク24は即座に均一のインク圧となる。そして、加圧ポンプ52を動作させて加圧タンク21と負圧タンク24とを含めた全タンク内に空気を送ることで、適正なタンク圧に調整することができる。
次に、インクジェット印刷装置1の印刷時における圧力調整機構の動作について説明する。図6は、インクジェット印刷装置1の印刷時の動作を説明するためのフローチャートである。
インクジェット印刷装置1に印刷ジョブが入力されると、先ず、制御部5は、ステップS1においてインク循環制御を行う。このインク循環制御として、先ず、メカコントローラ82のCPU101において、各印刷部2の液面維持制御を開始する。液面維持制御は、加圧タンク21及び負圧タンク24の液面を基準高さ付近に維持するための、加圧タンク21及び負圧タンク24の液面高さに応じたインクポンプ25及びインク供給弁48の制御である。
具体的には、加圧タンク液面センサ32及び負圧タンク液面センサ37がともにオンの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を閉とする。加圧タンク液面センサ32がオンで負圧タンク液面センサ37がオフの状態でも同様に、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を閉とする。
加圧タンク液面センサ32がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオン、インク供給弁48を閉とする。
加圧タンク液面センサ32及び負圧タンク液面センサ37がともにオフの状態では、CPU101は、インクポンプ25をオフ、インク供給弁48を開とする。
その後CPU101は、ステップS2において、加圧側大気開放弁53及び負圧側大気開放弁57を閉じる。これにより、各印刷部2の加圧タンク21が加圧共通気室51を介して密閉状態となり、負圧タンク24が負圧共通気室55を介して密閉状態となる。
次いで、ステップS3において、CPU101は、圧力制御を開始する。圧力制御は、加圧タンク21、負圧タンク24にそれぞれ規定値の正圧、負圧を付与し、それらを維持するための、負圧ポンプ56、加圧ポンプ52、及び開閉弁59の制御である。
具体的には、CPU101は、圧力制御を開始すると、開閉弁59を閉じた後、負圧ポンプ56、加圧ポンプ52を起動する。これにより、負圧共通気室55及び負圧タンク24が減圧され、加圧共通気室51及び加圧タンク21が加圧される。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクが流れる。
CPU101は、加圧側圧力センサ54の検出値(加圧側圧力)、負圧側圧力センサ58の検出値(負圧側圧力)が、それぞれ加圧側圧力の規定値、負圧側圧力の規定値になると、負圧ポンプ56及び加圧ポンプ52を停止する。加圧側圧力及び負圧側圧力の規定値は、インクを循環させつつ、インクジェットヘッド11のノズル圧を適正範囲内にするための値として予め設定された値である。ここで、CPU101は、加圧側圧力及び負圧側圧力を規定値にするために、加圧側圧力センサ54及び負圧側圧力センサ58の検出値に応じて負圧ポンプ56、加圧ポンプ52の駆動を制御し、加圧側圧力及び負圧側圧力を調整する。
また、圧力制御の開始後は、一度加圧側圧力及び負圧側圧力が規定値になった後も、それを維持するように、CPU101は、加圧側圧力センサ54及び負圧側圧力センサ58の検出値に応じて、負圧ポンプ56及び加圧ポンプ52の駆動、開閉弁59の開閉を適宜行う。
圧力制御の開始後、CPU101では、ステップS4において、負圧側圧力センサ58及び加圧側圧力センサ54からの検出結果を取得する。そして、CPU101は、ステップS5において、CPU101は、加圧側圧力及び負圧側圧力がそれぞれの規定値になったか否かを判断する。ここで、加圧タンク21、又は負圧タンク24、若しくは双方が適正なタンク圧から逸脱しており、上記状態S〜状態Sのいずれかである場合には(ステップS5:NO)、ステップS6において、上記状態S〜状態Sに応じて、上記のように負圧ポンプ56、加圧ポンプ52の駆動、及び開閉弁59の開閉をそれぞれ制御する。そして、CPU101では、再度、負圧側圧力センサ58及び加圧側圧力センサ54からの検出結果を取得し、加圧タンク21及び負圧タンク24のいずれもが適正なタンク圧となるまで処理を繰り返す。
一方、加圧タンク21及び負圧タンク24が適正なタンク圧であるとCPU101が判断した場合(ステップS5:YES)、ステップS7において、印刷処理の実行を開始する。
具体的には、主コントローラ81のCPU91は、印刷ジョブを画像データとジョブデータとに分割し、ジョブデータをメカコントローラ82へ送信する。ジョブデータは、印刷枚数、用紙種類等を示す情報を含むものである。そして、メカコントローラ82のCPU101は、ジョブデータに基づき、搬送部4により用紙を搬送させる。また、主コントローラ81のCPU91は、画像データに基づき、搬送される用紙にインクジェットヘッド11からインクを吐出させる。これにより、用紙に画像が印刷される。
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。液面維持制御により、加圧タンク液面センサ32がオフで負圧タンク液面センサ37がオンの状態になると、インクポンプ25が負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
また、CPU101は、インク循環時には、インク温度センサ27の検出温度が適正温度範囲内を維持するように、インク温度調整部26を制御してインク温度の調整を行う。
印刷ジョブの実行開始後、CPU101は、ステップS8において、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。印刷ジョブが終了していないと判断した場合(ステップS8:NO)、CPU101は、ステップS4からステップS7の処理を繰り返す。
印刷ジョブが終了したと判断した場合(ステップS8:YES)、CPU101は、循環動作を終了する。具体的に、CPU101は、大気開放弁53,57を開き、インクポンプ25を停止させる。これにより、インクジェット印刷装置1の動作が終了し、待機状態となる。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1によれば、加圧タンク21の気層部分と負圧タンク24の気層部分とを接続するエア経路62を設け、このエア経路を開閉弁59により開閉するため、加圧タンク21と負圧タンク24との間に圧力差を形成し、エア経路62を通じて一方のタンクの圧力を他方のタンクへ移動させるという簡易な構成により、速やかに双方のタンクの圧力を目的の値とすることができる。
特に、本実施形態では加圧タンク21内又は負圧タンク24内の圧力を検出する負圧側圧力センサ58及び加圧側圧力センサ54に応じて、負圧ポンプ56、加圧ポンプ52、及び開閉弁59の駆動を制御するため、急激な圧力変動を抑制することができ、急な圧力変化が生じた場合にも、不適正なタンク圧から適正タンク圧へ回復するまでの時間を短縮することができるので、高い追従性によって圧力を調整することができる。
以下に、本実施形態に係る構成と従来例とにおける追従性の比較について説明する。図7(a)は、本実施形態に係る圧力調整機構を示す概略図であり、同図(b)及び(c)は、従来例に係る圧力調整機構を示す概略図である。図8は、従来技術及び実施形態に係る追従性を比較する説明図であり、(a)はインクタンク内の圧力変動の様子を示すグラフであり、同図(b)は、不適切なタンク圧が発生した部分の拡大図である。なお、ここでは、図4の状態Sから状態Sへ回復する場合を例に説明する。
本実施形態に係る圧力調整部3は、図7(a)に示すように、加圧タンク21と負圧タンク24を連結するエア経路62内に開閉弁59を備えるとともに、タンク毎にポンプ52,56を設ける機構である。一方、従来の圧力調整機構としては、例えば、図7(b)に示すように、加圧タンク21及び負圧タンク24毎に、圧力を生成するためのエアポンプと、圧力調整弁とを設ける機構である。具体的に、加圧タンク21には、加圧ポンプ212と加圧調整弁202とを備え、負圧タンク24には、負圧ポンプ211と負圧調整弁201を備える。
また、例えば、他の従来の圧力調整機構としては、図7(c)に示すように、加圧タンク21及び負圧タンク24毎に調整弁(加圧タンク21に接続される加圧調整弁202、及び負圧タンク24に接続される負圧調整弁201)を設けるとともに、両タンク21,24を接続させるエアポンプ213を設ける構成がある。
ここで、開放弁開放時の空気の流量(Q)は、流出係数をCとし、流路面積をAとし、圧力差をPとし、流体密度をρとすると、一般的に以下の式1で表せる。なお、ここでは、流体の圧縮などを考慮しないものとする。
Figure 2016068327
上記式1より圧力差(P)が大きいほど空気の流量は増加する。
ここで、加圧タンク21の圧力調整弁(開閉弁59、又は加圧調整弁202)を開放したとき、本実施形態では、図8(a)に示すように、負圧タンク24と加圧タンク21を連通されることから圧力差はP1となる。一方、図7(b)及び(c)に示すような従来の構成では、加圧タンク21と大気圧までの圧力差P2となる。
このように、圧力差はP1>P2であるため、流量はQ1>Q2となる。このため、状態Sから状態Sに回復する時間は、図8(b)に示すように、Δt1<Δt2となり、本実施形態に係る圧量調整機構では、従来の構成よりも不適正なタンク圧が継続している時間が短縮されることとなり、追従性を向上させることができる。
また、制御部5において、開閉弁59の開度を調整する機能を設けることもできる。この場合には、開閉弁59の開度を調整することにより圧力の移動量及び移動速度を調節できることから、高い追従性により精度よく目的の圧力値に調整することができる。
また、加圧タンク21及び負圧タンク24の間を連通させる開閉弁59を設けることで、閉じた空間内でのみ空気のやり取りを行って圧力調整ができることから、タンク内の空気が外気との間で入れ替わる頻度を減らすことができ、エアフィルタの寿命を向上させることができる。さらには、水性インクを用いた場合にはインク中の水分蒸発を抑制できる。
なお、上記実施の形態では、4つの印刷部2を有するインクジェット印刷装置1について説明したが、印刷部2の数はこれに限らない。また、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1…インクジェット印刷装置
2…印刷部
3…圧力調整部
4…搬送部
5…制御部
11…インクジェットヘッド
12…インク循環部
13…インク供給部
16…ヘッドモジュール
21…加圧タンク
22…分配器
23…集合器
24…負圧タンク
25…インクポンプ
26…インク温度調整部
27…インク温度センサ
28〜30…配管
31…フロート部材
32…加圧タンク液面センサ
33…インクフィルタ
36…フロート部材
37…負圧タンク液面センサ
51…加圧共通気室
52…加圧ポンプ
53…加圧側大気開放弁
54…加圧側圧力センサ
55…当負圧共通気室
55…負圧共通気室
56…負圧ポンプ
57…負圧側大気開放弁
58…負圧側圧力センサ
59…開閉弁
60…配管
62…エア経路
201…負圧調整弁
202…加圧調整弁
211…負圧ポンプ
212…加圧ポンプ
213…エアポンプ

Claims (2)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに供給するインクを貯留する第1タンクと、
    前記インクジェットヘッドから戻されたインクを貯留する第2タンクと、
    前記第1タンクから前記インクジェットヘッドを経て前記第2タンクへとインクが循環するための循環経路と、
    前記第2タンクから前記第1タンクにインクを送液する送液手段と、
    前記第1タンクの気層部分の圧力を調節する第1気圧調整手段と、
    前記第2タンクの気層部分の圧力を調節する第2気圧調整手段と、
    前記第1タンクの気層部分と前記第2タンクの気層部分とを接続するエア経路と、
    前記エア経路を開閉する開閉弁と
    を有することを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記第1タンク内又は前記第2タンク内の圧力を検出する圧力センサと、
    前記圧力センサによる検出結果に応じて前記第1気圧調整手段、前記第2気圧調整手段及び前記開閉弁の駆動を制御する駆動制御手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷装置。
JP2014198529A 2014-09-29 2014-09-29 インクジェット印刷装置 Pending JP2016068327A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014198529A JP2016068327A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 インクジェット印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014198529A JP2016068327A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 インクジェット印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016068327A true JP2016068327A (ja) 2016-05-09

Family

ID=55865688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014198529A Pending JP2016068327A (ja) 2014-09-29 2014-09-29 インクジェット印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016068327A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6435149B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6322499B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6363446B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6322101B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6571949B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6393553B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6397294B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2016215626A (ja) インクジェット印刷装置
JP6622041B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6446231B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2016060072A (ja) インクジェット印刷装置
JP2016068431A (ja) インクジェット印刷装置
JP6322094B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6318067B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2016068327A (ja) インクジェット印刷装置
JP2009012188A (ja) インクジェット記録装置
JP6367065B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6360398B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2016068329A (ja) インクジェット印刷装置
JP2021172007A (ja) インクジェット印刷装置
JP6360379B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6325406B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6445289B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6952519B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2018202612A (ja) インクジェット印刷装置