JP6445289B2 - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インク循環式のインクジェット印刷装置に関する。
インクを循環させつつインクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインク循環式のインクジェット印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
インク循環式のインクジェット印刷装置の中には、インクジェットヘッドに対して上流側に設けられた加圧タンク、下流側に設けられた負圧タンクに、エアポンプによりそれぞれ正圧、負圧を付与してインク循環を行うものがある。
このようなインクジェット印刷装置では、印刷を行う際、加圧タンクおよび負圧タンクを密閉する。そして、エアポンプにより負圧タンクから空気を吸引することで負圧タンクに負圧を付与するとともに、加圧タンクに空気を送ることで加圧タンクに正圧を付与する。これにより、加圧タンクからインクジェットヘッドへ向けてインクが流れる。インクジェットヘッドで消費されなかったインクは、負圧タンクに回収される。加圧タンクへは、負圧タンクからインクポンプによりインクが送られる。このようにして、インク循環が行われる。
加圧タンクおよび負圧タンクには、インクを循環させるとともにインクジェットヘッドのノズル圧を適正値にするための設定圧が付与される。インク循環中は、ノズル圧変動を抑制するために、加圧タンクおよび負圧タンクの圧力変動を抑制する必要がある。このため、加圧タンクおよび負圧タンクの圧力を調整するための圧力調整弁が設けられている。そして、圧力センサにより検出される加圧タンクおよび負圧タンクの圧力に応じて圧力調整弁の開閉が制御される。これにより、加圧タンクおよび負圧タンクの圧力変動が抑制される。
特開2008−162262号公報
上述したインクジェット印刷装置では、加圧タンクおよび負圧タンクの圧力を調整するための圧力調整弁を設けることで、装置構成の複雑化を招いている。これに対し、装置構成の簡略化の要望があった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、装置構成を簡略化できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、循環経路に沿ってインクを循環させつつ、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する印刷部と、前記循環経路に沿ってインクを循環させるための正圧が付与される加圧空間部と、前記循環経路に沿ってインクを循環させるための負圧が付与される負圧空間部と、一端が前記加圧空間部に接続され、他端が大気に通じる加圧側空気流路と、一端が前記負圧空間部に接続され、他端が大気に通じる負圧側空気流路と、前記負圧空間部から空気を吸引するとともに前記加圧空間部へ空気を送るエアポンプと、インク循環時に所定の駆動率で前記エアポンプを連続駆動させる制御部とを備え、前記加圧側空気流路および前記負圧側空気流路はそれぞれ、インク循環時の前記エアポンプの連続駆動時に前記加圧空間部および前記負圧空間部がそれぞれの設定圧となるように設定された流路抵抗を有することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記制御部は、インク循環時において、前記加圧空間部の圧力が設定圧を超え、かつ前記負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、前記エアポンプを停止させることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、前記制御部は、インク循環時における前記エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記エアポンプの駆動率を変更することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴は、循環経路に沿ってインクを循環させつつ、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する印刷部と、前記循環経路に沿ってインクを循環させるための正圧が付与される加圧空間部と、前記循環経路に沿ってインクを循環させるための負圧が付与される負圧空間部と、一端が前記加圧空間部に接続され、他端が大気に通じる加圧側空気流路と、一端が前記負圧空間部に接続され、他端が大気に通じる負圧側空気流路と、前記加圧空間部へ空気を送る加圧側エアポンプと、前記負圧空間部から空気を吸引する負圧側エアポンプと、インク循環時に前記加圧側エアポンプおよび前記負圧側エアポンプをそれぞれ所定の駆動率で連続駆動させる制御部とを備え、前記加圧側空気流路は、インク循環時の前記加圧側エアポンプの連続駆動時に前記加圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有し、前記負圧側空気流路は、インク循環時の前記負圧側エアポンプの連続駆動時に前記負圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第5の特徴は、前記制御部は、インク循環時において、前記加圧空間部の圧力が設定圧を超えた場合、前記加圧側エアポンプを停止させ、前記負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、前記負圧側エアポンプを停止させることにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第6の特徴は、前記制御部は、インク循環時における前記加圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記加圧側エアポンプの駆動率を変更し、インク循環時における前記負圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記負圧側エアポンプの駆動率を変更することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、制御部は、インク循環時に所定の駆動率でエアポンプを連続駆動させる。そして、加圧側空気流路および負圧側空気流路がそれぞれ、インク循環時のエアポンプの連続駆動時に加圧空間部および負圧空間部がそれぞれの設定圧となるように設定された流路抵抗を有する。これにより、加圧空間部および負圧空間部の圧力を調整するための圧力調整弁を設ける必要がないため、装置構成を簡略化できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、インク循環時において、加圧空間部の圧力が設定圧を超え、かつ負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、エアポンプを停止させる。これにより、加圧空間部および負圧空間部の圧力変動を抑制できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴によれば、制御部は、インク循環時におけるエアポンプの停止動作の履歴に基づき、エアポンプの駆動率を変更する。これにより、エアポンプの流量の変化に対応できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴によれば、制御部は、インク循環時に加圧側エアポンプおよび負圧側エアポンプをそれぞれ所定の駆動率で連続駆動させる。そして、加圧側空気流路は、インク循環時の加圧側エアポンプの連続駆動時に加圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有する。また、負圧側空気流路は、インク循環時の負圧側エアポンプの連続駆動時に負圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有する。これにより、加圧空間部および負圧空間部の圧力を調整するための圧力調整弁を設ける必要がないため、装置構成を簡略化できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第5の特徴によれば、制御部は、インク循環時において、加圧空間部の圧力が設定圧を超えた場合、加圧側エアポンプを停止させ、負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、負圧側エアポンプを停止させる。これにより、加圧空間部および負圧空間部の圧力変動を抑制できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第6の特徴によれば、制御部は、インク循環時における加圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、加圧側エアポンプの駆動率を変更し、インク循環時における負圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、負圧側エアポンプの駆動率を変更する。これにより、加圧側エアポンプおよび負圧側エアポンプの流量の変化に対応できる。
第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部および圧力付与部の概略構成図である。 図1に示すインクジェット印刷装置における圧力調整系を電気回路に置き換えたモデル図である。 第1実施形態におけるインクジェット印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。 液面維持制御の説明図である。 第1実施形態における圧力制御の説明図である。 第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 図2に示すインクジェット印刷装置の印刷部および圧力付与部の概略構成図である。 第2実施形態におけるインクジェット印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部および圧力付与部の概略構成図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図2における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係るインクジェット印刷装置1は、4つの印刷部2と、圧力付与部3と、搬送部4と、制御部5とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、搬送部4により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。4つの印刷部2は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。4つの印刷部2は、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
図2に示すように、印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環部12と、インク補給部13とを備える。
インクジェットヘッド11は、インク循環部12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16からなる。
ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバ(図示せず)と、インクを吐出する複数のノズル(図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部12は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する。インク循環部12は、加圧タンク21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク24と、インクポンプ25と、インク温度調整部26と、インク温度センサ27と、インク循環管28〜30とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21のインクは、インク循環管28および分配器22を介してインクジェットヘッド11に供給される。加圧タンク21内には、インクの液面上に空気層31が形成されている。加圧タンク21は、後述の加圧側連通管52を介して、後述の加圧共通気室51に連通されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置(下方)に配置されている。
加圧タンク21には、フロート部材32と、加圧タンク液面センサ33と、インクフィルタ34とが設けられている。
フロート部材32は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達するまで、液面高さに応じて回動するように、加圧タンク21内に支持軸(図示せず)により一端側が軸支されている。フロート部材32の他端には、磁石(図示せず)が設けられている。
加圧タンク液面センサ33は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。基準高さは、加圧タンク21の上端より下方にある。加圧タンク液面センサ33は、磁気センサからなり、液面高さが基準高さに達しているときのフロート部材32の磁石を検出する。加圧タンク液面センサ33は、フロート部材32の磁石を検出している場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。加圧タンク液面センサ33は、フロート部材32の磁石を検出していない場合、すなわち、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。
インクフィルタ34は、インク内のゴミ等を除去する。
分配器22は、インク循環管28を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、インク循環管29を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器23から受け取って貯留する。また、負圧タンク24は、後述するインク補給部13のインクカートリッジ46から補給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に空気層36が形成されている。負圧タンク24は、後述の負圧側連通管58を介して、後述の負圧共通気室57に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24には、フロート部材37と、負圧タンク液面センサ38とが設けられている。
フロート部材37、負圧タンク液面センサ38は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材32、加圧タンク液面センサ33と同様のものである。負圧タンク液面センサ38は、フロート部材37の磁石を検出している場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合、「オン」を示す信号を出力する。負圧タンク液面センサ38は、フロート部材37の磁石を検出していない場合、すなわち、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ未満である場合、「オフ」を示す信号を出力する。基準高さは、負圧タンク24の上端より下方にある。
インクポンプ25は、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液する。インクポンプ25は、インク循環管30の途中に設けられている。
インク温度調整部26は、インク循環部12におけるインクの温度を調整する。インク温度調整部26は、インク循環管28の途中に設けられている。インク温度調整部26は、ヒータ41と、ヒータ温度センサ42と、ヒートシンク43と、冷却ファン44とを備える。
ヒータ41は、インク循環管28内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ42は、ヒータ41の温度を検出する。ヒートシンク43は、放熱によりインク循環管28内のインクを冷却する。冷却ファン44は、ヒートシンク43に冷却風を送る。
インク温度センサ27は、インク循環部12におけるインクの温度を検出する。インク温度センサ27は、インク循環管28の途中に設けられている。
インク循環管28は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。インク循環管28の一部は、ヒータ41を経由する部分とヒートシンク43を経由する部分とに分岐している。インク循環管28には、加圧タンク21から分配器22に向かってインクが流れる。インク循環管29は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。インク循環管29には、集合器23から負圧タンク24に向かってインクが流れる。インク循環管30は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。インク循環管30には、負圧タンク24から加圧タンク21に向かってインクが流れる。インク循環管28〜30と分配器22と集合器23とにより、加圧タンク21とインクジェットヘッド11と負圧タンク24との間でインクを循環させる循環経路が構成される。
インク補給部13は、インク循環部12にインクを補給する。インク補給部13は、インクカートリッジ46と、インク補給弁47と、インク補給管48とを備える。
インクカートリッジ46は、インクジェットヘッド11による印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ46内のインクは、インク補給管48を介してインク循環部12の負圧タンク24に供給される。
インク補給弁47は、インク補給管48内のインクの流路を開閉する。負圧タンク24へインクを補給する際、インク補給弁47が開放される。
インク補給管48は、インクカートリッジ46と負圧タンク24とを接続する。インク補給管48には、インクカートリッジ46から負圧タンク24に向かってインクが流れる。
圧力付与部3は、各印刷部2の加圧タンク21および負圧タンク24にインク循環のための圧力を付与する。圧力付与部3は、加圧共通気室51と、4本の加圧側連通管52と、加圧側大気開放弁53と、加圧側大気開放管54と、加圧側圧力調整管55と、加圧側圧力センサ56と、負圧共通気室57と、4本の負圧側連通管58と、負圧側大気開放弁59と、負圧側大気開放管60と、負圧側圧力調整管61と、負圧側圧力センサ62と、エアポンプ63と、エアポンプ用配管64と、合流管65と、エアフィルタ66と、オーバーフローパン67とを備える。
加圧共通気室51は、各印刷部2の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室51は、4本の加圧側連通管52を介して4つの印刷部2の加圧タンク21の空気層31と連通されている。これにより、各印刷部2の加圧タンク21どうしが、加圧共通気室51および加圧側連通管52を介して連通されている。
加圧側連通管52は、加圧共通気室51と加圧タンク21の空気層31とを連通させる。4本の加圧側連通管52は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。加圧側連通管52は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が加圧タンク21の空気層31に接続されている。
加圧側大気開放弁53は、加圧側大気開放管54内の空気の流路を開閉する。加圧側大気開放弁53は、インク循環時に閉鎖され、待機中(インク非循環時)は開放される。加圧側大気開放弁53は、加圧側大気開放管54の途中に設けられている。
加圧側大気開放管54は、加圧共通気室51を介して加圧タンク21を大気開放するための空気の流路を形成する。加圧側大気開放管54は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が合流管65に接続されている。加圧側大気開放管54は、加圧共通気室51および加圧タンク21に正圧が付与された状態から加圧側大気開放弁53が開放されると瞬時に加圧共通気室51および加圧タンク21を大気圧に戻すことができるような、流路抵抗が小さいパイプからなる。
加圧側圧力調整管55は、加圧共通気室51および加圧タンク21の圧力調整のための空気の流路を形成する。加圧側圧力調整管55は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が合流管65に接続されている。加圧側圧力調整管55は、加圧側大気開放管54より流路抵抗が大きいパイプからなる。加圧側圧力調整管55は、後述の加圧側圧力調整経路81の一部を構成する。
加圧側圧力センサ56は、加圧共通気室51内の圧力を検出する。加圧共通気室51内の圧力は、各印刷部2の加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧共通気室51と各印刷部2の加圧タンク21の空気層31とが連通されているためである。
負圧共通気室57は、各印刷部2の負圧タンク24の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室57は、4本の負圧側連通管58を介して4つの印刷部2の負圧タンク24の空気層36と連通されている。これにより、各印刷部2の負圧タンク24どうしが、負圧共通気室57および負圧側連通管58を介して連通されている。
負圧側連通管58は、負圧共通気室57と負圧タンク24の空気層36とを連通させる。4本の負圧側連通管58は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。負圧側連通管58は、一端が負圧共通気室57に接続され、他端が負圧タンク24の空気層36に接続されている。
負圧側大気開放弁59は、負圧側大気開放管60内の空気の流路を開閉する。負圧側大気開放弁59は、インク循環時に閉鎖され、待機中(インク非循環時)は開放される。負圧側大気開放弁59は、負圧側大気開放管60の途中に設けられている。
負圧側大気開放管60は、負圧共通気室57を介して負圧タンク24を大気開放するための空気の流路を形成する。負圧側大気開放管60は、一端が負圧共通気室57に接続され、他端が合流管65に接続されている。負圧側大気開放管60は、加圧側大気開放管54と同様の流路抵抗が小さいパイプからなる。
負圧側圧力調整管61は、負圧共通気室57および負圧タンク24の圧力調整のための空気の流路を形成する。負圧側圧力調整管61は、一端が負圧共通気室57に接続され、他端が合流管65に接続されている。負圧側圧力調整管61は、負圧側大気開放管60より流路抵抗が大きいパイプからなる。負圧側圧力調整管61は、後述の負圧側圧力調整経路82の一部を構成する。
負圧側圧力センサ62は、負圧共通気室57内の圧力を検出する。負圧共通気室57内の圧力は、各印刷部2の負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧共通気室57と各印刷部2の負圧タンク24の空気層36とが連通されているためである。
エアポンプ63は、負圧共通気室57から空気を吸引するとともに加圧共通気室51へ空気を送る。エアポンプ63は、エアポンプ用配管64の途中に設けられている。エアポンプ63の駆動により、加圧共通気室51に正圧が付与されるとともに、加圧側連通管52を介して加圧タンク21に正圧が付与される。各印刷部2の加圧タンク21の空気層31、加圧共通気室51、および各加圧側連通管52により請求項の加圧空間部が構成される。また、エアポンプ63の駆動により、負圧共通気室57に負圧が付与されるとともに、負圧側連通管58を介して負圧タンク24に負圧が付与される。各印刷部2の負圧タンク24の空気層36、負圧共通気室57、および各負圧側連通管58により請求項の負圧空間部が構成される。
エアポンプ用配管64は、エアポンプ63により負圧共通気室57から加圧共通気室51へ送られる空気の流路を形成する。エアポンプ用配管64は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が負圧共通気室57に接続されている。
合流管65は、一端がオーバーフローパン67に接続され、他端(上端)がエアフィルタ66を介して大気に通じている。合流管65のオーバーフローパン67側の端は、通常時は、後述のオーバーフローボール71により閉鎖されている。合流管65には、加圧側大気開放管54、加圧側圧力調整管55、負圧側大気開放管60、および負圧側圧力調整管61が接続されている。これにより、加圧側大気開放管54、加圧側圧力調整管55、負圧側大気開放管60、および負圧側圧力調整管61が大気に連通される。合流管65は、加圧側大気開放弁53、負圧側大気開放弁59が開放されると瞬時に加圧共通気室51、負圧共通気室57を大気圧に戻すことができるような、流路抵抗が小さいパイプからなる。合流管65の一部は、後述の加圧側圧力調整経路81の一部を構成する。また、合流管65の一部は、後述の負圧側圧力調整経路82の一部を構成する。
エアフィルタ66は、合流管65への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ66は、合流管65の上端に設置されている。
オーバーフローパン67は、例えばインク補給弁47の異常により、加圧タンク21、負圧タンク24からインクが溢れ、さらに加圧共通気室51、負圧共通気室57からもインクが溢れ出た場合に、合流管65を流れてくるインクを受け取る。
オーバーフローパン67には、オーバーフローボール71が設けられている。オーバーフローボール71は、オーバーフローパン67にインクがない場合に、オーバーフローパン67の底面に開口する合流管65の端を閉鎖し、合流管65への外部の空気の流入を防ぐものである。合流管65からオーバーフローパン67へインクが流れてくると、オーバーフローボール71は浮き上がり、オーバーフローパン67にインクが流入できる。
また、オーバーフローパン67には、フロート部材72と、オーバーフロー液面センサ73とが設けられている。フロート部材72、オーバーフロー液面センサ73は、それぞれ加圧タンク21のフロート部材32、加圧タンク液面センサ33と同様のものである。
オーバーフローパン67は、廃液タンク(図示せず)に接続されており、オーバーフロー液面センサ73がオンになると、廃液タンクへインクが排出されるようになっている。
搬送部4は、給紙台(図示せず)から用紙を取り出し、その用紙を搬送経路に沿って搬送する。搬送部4は、用紙を搬送するためのローラ、ローラを駆動させるモータ(いずれも図示せず)等を有する。
制御部5は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部5は、インク循環時において、所定の駆動率(デューティ比)でエアポンプ63を連続駆動させる。ここで、後述するように、加圧側圧力調整経路81および負圧側圧力調整経路82は、インク循環時のエアポンプ63の連続駆動時に加圧タンク21および負圧タンク24の圧力がそれぞれの設定圧Pk,Pfとなるように設定された流路抵抗を有する。このため、エアポンプ63の連続駆動により、加圧タンク21および負圧タンク24に設定圧Pk,Pfが生成される。設定圧Pk,Pfは、インク循環部12において必要な流量でインクを循環させつつ、インクジェットヘッド11のノズル圧を適正値(負圧)にするための圧力として予め設定されたものである。制御部5は、インク循環中において、インクジェットヘッド11からインクを吐出させて印刷を行う。
次に、インクジェット印刷装置1の圧力調整系のエア経路について説明する。図3は、インクジェット印刷装置1における圧力調整系を電気回路に置き換えたモデル図である。
図3に示すように、インクジェット印刷装置1は、圧力調整系のエア経路として、加圧側圧力調整経路(請求項の加圧側空気流路に相当)81と、負圧側圧力調整経路(請求項の負圧側空気流路に相当)82とを有する。
加圧側圧力調整経路81は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が大気に通じる経路である。具体的には、加圧側圧力調整経路81は、図2に示す加圧側圧力調整管55と、合流管65の加圧側圧力調整管55との合流地点より上側の部分と、エアフィルタ66とからなる。
負圧側圧力調整経路82は、一端が負圧共通気室57に接続され、他端が大気に通じる経路である。具体的には、負圧側圧力調整経路82は、図2に示す負圧側圧力調整管61と、合流管65の負圧側圧力調整管61との合流地点より上側の部分と、エアフィルタ66とからなる。すなわち、負圧側圧力調整経路82は、合流管65の一部およびエアフィルタ66を加圧側圧力調整経路81と共有している。
加圧側圧力調整経路81は、その流路抵抗Rkが、下記の式(1)により算出される値となるように設計されている。また、負圧側圧力調整経路82は、その流路抵抗Rfが、下記の式(2)により算出される値となるように設計されている。なお、式(1)、式(2)は、電気回路におけるオームの法則に対応するものである。
Rk=Pk/Q …(1)
Rf=Pf/Q …(2)
ここで、Qは、エアポンプ63の駆動率(デューティ比)、加圧タンク2および負圧タンク24の設定圧Pk,Pfに応じたエアポンプ63の流量(吐出速度)である。
エアポンプ63は、電気回路における定電流電源に相当し、その前後の圧力差に応じて流量が変わる特性を有する。また、エアポンプ63は、駆動率によって流量が変わる。
そこで、加圧側圧力調整経路81および負圧側圧力調整経路82の流路抵抗Rk,Rfを決定する際、まず、インク循環時におけるエアポンプ63の駆動率を決定する。次いで、エアポンプ63の特性から、決定した駆動率において、エアポンプ63の前後の圧力差が、設定圧Pk,Pfの圧力差であるときの流量Qを求める。そして、この流量Qおよび設定圧Pk,Pfに基づき、式(1)、式(2)から流路抵抗Rk,Rfを算出する。
これにより、流路抵抗Rk,Rfは、インク循環時のエアポンプ63の連続駆動時に加圧タンク21および負圧タンク24の圧力がそれぞれの設定圧Pk,Pfとなるように設定されたものとなる。
ここで、前述のように、合流管65は、加圧側大気開放弁53、負圧側大気開放弁59が開放されると瞬時に加圧共通気室51、負圧共通気室57を大気圧に戻すことができるような、流路抵抗が小さいパイプとする必要がある。そこで、加圧側圧力調整管55および負圧側圧力調整管61として、合流管65より流路抵抗が大きいパイプを用いて、加圧側圧力調整経路81および負圧側圧力調整経路82の流路抵抗Rk,Rfが、式(1)、式(2)から算出される値となるように設計される。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
図4は、インクジェット印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図4のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1に印刷ジョブが入力されることにより開始となる。
図4のステップS1において、制御部5は、液面維持制御を開始する。液面維持制御は、加圧タンク21および負圧タンク24の液面を基準高さで維持するための、加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さに応じたインクポンプ25およびインク補給弁47の制御である。
具体的には、図5に示すように、加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオンの状態では、制御部5は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を閉鎖する。加圧タンク液面センサ33がオンで負圧タンク液面センサ38がオフの状態でも同様に、制御部5は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を閉鎖する。
加圧タンク液面センサ33がオフで負圧タンク液面センサ38がオンの状態では、制御部5は、インクポンプ25をオンとし、インク補給弁47を閉鎖する。
加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38がともにオフの状態では、制御部5は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁47を開放する。
図4に戻り、ステップS1に続いて、ステップS2において、制御部5は、加圧側大気開放弁53および負圧側大気開放弁59を閉鎖する。なお、インクジェット印刷装置1が動作しない待機中は、加圧側大気開放弁53および負圧側大気開放弁59は開放されている。
次いで、ステップS3において、制御部5は、エアポンプ63を起動させる。制御部5は、所定の駆動率(デューティ比)でエアポンプ63を駆動させる。エアポンプ63の駆動後、負圧タンク24および負圧共通気室57が減圧され始め、加圧タンク21および加圧共通気室51が加圧され始める。なお、エアポンプ63の起動後に液面維持制御開始としてもよい。
次いで、ステップS4において、制御部5は、圧力制御を開始する。圧力制御は、加圧タンク21の圧力(加圧側圧力)および負圧タンク24の圧力(負圧側圧力)の変動を抑えるための、加圧側圧力センサ56および負圧側圧力センサ62の検出値に応じたエアポンプ63のオン、オフの制御である。
具体的には、図6に示すように、制御部5は、加圧側圧力が設定圧Pkを超え、かつ負圧側圧力が設定圧Pfを絶対値で超えた場合、エアポンプ63を停止させる。これにより、加圧側圧力、負圧側圧力を設定圧Pk,Pfへ戻すことができる。これ以外の場合では、制御部5は、エアポンプ63を駆動させる。
ここで、加圧側圧力調整経路81および負圧側圧力調整経路82の流路抵抗Rk,Rfが前述のように設定されているため、エアポンプ63の駆動により加圧側圧力および負圧側圧力が設定圧Pk,Pfに達すると、それが維持される。しかし、加圧側圧力調整経路81、負圧側圧力調整経路82を構成する部材の公差やエアポンプ63の性能等により、加圧側圧力および負圧側圧力が変動する可能性がある。そこで、制御部5は、図6のような圧力制御を行う。
なお、インク循環中は、図5の液面維持制御により加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さが維持されるが、加圧タンク液面センサ33および負圧タンク液面センサ38におけるオン、オフのヒステリシス分の液面変動は生じる。この液面変動は、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力変動の要因となる。これに対し、インクジェット印刷装置1では、加圧タンク21の空気層31、負圧タンク24の空気層36等が、加圧タンク21および負圧タンク24の液面変動による圧力変動を吸収するだけの十分な容量を有するものとする。このため、インクジェット印刷装置1では、インク循環中の加圧タンク21および負圧タンク24における液面変動による圧力変動はないものとみなせる。
図4に戻り、ステップS4に続いて、ステップS5において、制御部5は、加圧側圧力センサ56および負圧側圧力センサ62の検出値に基づき、加圧側圧力および負圧側圧力が設定圧Pk,Pfに達したか否かを判断する。加圧側圧力および負圧側圧力が設定圧Pk,Pfに達していないと判断した場合(ステップS5:NO)、制御部5は、ステップS5を繰り返す。
加圧側圧力および負圧側圧力が設定圧Pk,Pfに達したと判断した場合(ステップS5:YES)、ステップS6において、制御部5は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、制御部5は、印刷ジョブに基づき、搬送部4により搬送される用紙にインクジェットヘッド11からインクを吐出させて画像を印刷させる。
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。加圧タンク液面センサ33がオフで負圧タンク液面センサ38がオンの状態になると、液面維持制御により、インクポンプ25が負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
また、制御部5は、インク循環時には、インク温度センサ27の検出温度が適正温度範囲内を維持するように、インク温度調整部26を制御してインク温度の調整を行う。
印刷ジョブの実行開始後、ステップS7において、制御部5は、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。印刷ジョブが終了していないと判断した場合(ステップS7:NO)、制御部5は、ステップS7を繰り返す。
印刷ジョブが終了したと判断した場合(ステップS7:YES)、ステップS8において、制御部5は、圧力制御を終了する。
次いで、ステップS9において、制御部5は、エアポンプ63を停止させる。
次いで、ステップS10において、制御部5は、加圧側大気開放弁53および負圧側大気開放弁59を開放する。これにより、各印刷部2の加圧タンク21が加圧共通気室51を介して大気開放状態となり、負圧タンク24が負圧共通気室57を介して大気開放状態となる。
次いで、ステップS11において、制御部5は、液面維持制御を終了する。これによりインク循環が終了し、インクジェット印刷装置1が待機状態となる。なお、圧力制御終了後、エアポンプ63の停止前に液面維持制御終了としてもよい。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部5は、インク循環時に所定の駆動率でエアポンプ63を連続駆動させる。そして、加圧側圧力調整経路81および負圧側圧力調整経路82が、インク循環時のエアポンプ63の連続駆動時に加圧タンク21および負圧タンク24が設定圧Pk,Pfとなるように設定された流路抵抗を有する。これにより、インクジェット印刷装置1では、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を調整するための圧力調整弁を設ける必要がないため、装置構成を簡略化できる。
また、制御部5は、インク循環時において、加圧側圧力が設定圧Pkを超え、かつ負圧側圧力が設定圧Pfを絶対値で超えた場合、エアポンプ63を停止させる。これにより、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力変動を抑制できる。
なお、制御部5は、インク循環時におけるエアポンプ63の停止動作の履歴に基づき、エアポンプ63の駆動率を変更するようにしてもよい。
具体的には、制御部5は、インク循環時における図6の圧力制御によるエアポンプ63の停止動作の履歴を記憶する。そして、エアポンプ63の停止動作の周期が規定時間以下の場合、制御部5は、次回以降のインク循環時のエアポンプ63の駆動率を低下させる。エアポンプ63の駆動率の変更量は、エアポンプ63の停止動作の周期に応じて決定される。
エアポンプ63の停止動作の周期が短くなるのは、エアポンプ63の流量(吐出速度)が大きくなっているからである。このようなエアポンプ63の流量変化は、例えば、エアポンプ63の経年変化により生じることがある。エアポンプ63の停止動作の履歴に基づきエアポンプ63の駆動率を変更することで、エアポンプ63の流量の変化に対応できる。
上述したインクジェット印刷装置1では、図6の圧力制御を行ったが、エアポンプ63の性能によっては、このような圧力制御を行わなくても、設定圧Pk,Pfを維持できる場合がある。このような場合、図6の圧力制御を省略してもよい。また、この場合、加圧側圧力センサ56および負圧側圧力センサ62も省略可能である。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図8は、図7に示すインクジェット印刷装置の印刷部および圧力付与部の概略構成図である。
図7に示すように、第2実施形態に係るインクジェット印刷装置1Aは、図1に示した第1実施形態のインクジェット印刷装置1に対し、圧力付与部3を圧力付与部3Aに置き換えた構成である。
図8に示すように、圧力付与部3Aは、図2に示した圧力付与部3に対し、エアポンプ63およびエアポンプ用配管64を省略し、加圧側エアポンプ91、加圧側エアポンプ用配管92、負圧側エアポンプ93、および負圧側エアポンプ用配管94を設けた構成である。
加圧側エアポンプ91は、加圧共通気室51へ空気を送る。加圧側エアポンプ91の駆動により、加圧共通気室51に正圧が付与されるとともに、加圧側連通管52を介して加圧タンク21に正圧が付与される。加圧側エアポンプ91は、加圧側エアポンプ用配管92の途中に設けられている。
加圧側エアポンプ用配管92は、加圧側エアポンプ91により加圧共通気室51へ送られる空気の流路を形成する。加圧側エアポンプ用配管92は、一端が加圧共通気室51に接続され、他端が合流管65に接続されている。
負圧側エアポンプ93は、負圧共通気室57から空気を吸引する。負圧側エアポンプ93の駆動により、負圧共通気室57に負圧が付与されるとともに、負圧側連通管58を介して負圧タンク24に負圧が付与される。負圧側エアポンプ93は、負圧側エアポンプ用配管94の途中に設けられている。
負圧側エアポンプ用配管94は、負圧側エアポンプ93により負圧共通気室57から吸引される空気の流路を形成する。負圧側エアポンプ用配管94は、一端が負圧共通気室57に接続され、他端が合流管65に接続されている。
制御部5は、インク循環時に加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93をそれぞれ所定の駆動率(デューティ比)で連続駆動させる。加圧側エアポンプ91の駆動率と負圧側エアポンプ93の駆動率とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
インクジェット印刷装置1Aでは、加圧側圧力調整経路81は、インク循環時の加圧側エアポンプ91の連続駆動時に加圧タンク21が設定圧Pkとなるように設定された流路抵抗を有する。具体的には、加圧側圧力調整経路81の流路抵抗Rkは、次のように決定される。
まず、インク循環時における加圧側エアポンプ91の駆動率を決定する。次いで、加圧側エアポンプ91の特性から、決定した駆動率において、加圧側エアポンプ91の前後の圧力差が、設定圧Pkと大気圧との圧力差、すなわち設定圧Pkであるときの流量Qkを求める。そして、この流量Qkおよび設定圧Pkに基づき、下記の式(3)から流路抵抗Rkを算出する。
Rk=Pk/Qk …(3)
負圧側圧力調整経路82は、インク循環時の負圧側エアポンプ93の連続駆動時に負圧タンク24が設定圧Pfとなるように設定された流路抵抗を有する。具体的には、負圧側圧力調整経路82の流路抵抗Rfは、次のように決定される。
まず、インク循環時における負圧側エアポンプ93の駆動率を決定する。次いで、負圧側エアポンプ93の特性から、決定した駆動率において、負圧側エアポンプ93の前後の圧力差が、設定圧Pfと大気圧との圧力差、すなわち設定圧Pfであるときの流量Qfを求める。そして、この流量Qfおよび設定圧Pfに基づき、下記の式(4)から流路抵抗Rfを算出する。
Rf=Pf/Qf …(4)
次に、インクジェット印刷装置1Aの動作について説明する。
図9は、インクジェット印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図9のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1Aに印刷ジョブが入力されることにより開始となる。
図9のステップS21,S22の処理は、前述した図4のステップS1,S2の処理と同様である。
ステップS22に続いて、ステップS23において、制御部5は、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93を起動させる。なお、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の起動後に液面維持制御開始としてもよい。
次いで、ステップS24において、制御部5は、圧力制御を開始する。インクジェット印刷装置1Aにおける圧力制御は、加圧タンク21の圧力が設定圧Pkを超えた場合に加圧側エアポンプ91を停止させ、負圧タンク24の圧力が設定圧Pfを絶対値で超えた場合に負圧側エアポンプ93を停止させるものである。制御部5は、加圧タンク21の圧力が設定圧Pk以下の場合は加圧側エアポンプ91を駆動させ、負圧タンク24の圧力の絶対値が設定圧Pfの絶対値以下の場合は負圧側エアポンプ93を駆動させる。インクジェット印刷装置1Aでこの圧力制御を行う理由は、前述した第1実施形態のインクジェット印刷装置1における圧力制御を行う理由と同様のものである。
ステップS24の後、制御部5は、ステップS25へ進む。ステップS25〜S28の処理は、前述した図4のステップS5〜S8の処理と同様である。
ステップS28に続いて、ステップS29において、制御部5は、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93を停止させる。
ステップS29の後、制御部5は、ステップS30へ進む。ステップS30,S31の処理は、前述した図4のステップS10,S11の処理と同様である。なお、圧力制御終了後、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の停止前に液面維持制御終了としてもよい。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部5は、インク循環時に加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93をそれぞれ所定の駆動率で連続駆動させる。そして、加圧側圧力調整経路81が、インク循環時の加圧側エアポンプ91の連続駆動時に加圧タンク21が設定圧Pkとなるように設定された流路抵抗を有する。また、負圧側圧力調整経路82が、インク循環時の負圧側エアポンプ93の連続駆動時に負圧タンク24が設定圧Pfとなるように設定された流路抵抗を有する。これにより、インクジェット印刷装置1Aでは、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力を調整するための圧力調整弁を設ける必要がないため、装置構成を簡略化できる。
また、制御部5は、インク循環時において、加圧タンク21の圧力が設定圧Pkを超えた場合、加圧側エアポンプ91を停止させ、負圧タンク24の圧力が設定圧Pfを絶対値で超えた場合、負圧側エアポンプ93を停止させる。これにより、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力変動を抑制できる。
なお、制御部5は、インク循環時における加圧側エアポンプ91の停止動作の履歴に基づき加圧側エアポンプ91の駆動率を変更し、インク循環時における負圧側エアポンプ93の停止動作の履歴に基づき負圧側エアポンプ93の駆動率を変更するようにしてもよい。
具体的には、制御部5は、インク循環時に前述の図4のステップS24で開始される圧力制御による加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の停止動作の履歴を記憶する。そして、加圧側エアポンプ91の停止動作の周期が規定時間以下の場合、制御部5は、次回以降のインク循環時の加圧側エアポンプ91の駆動率を低下させる。また、負圧側エアポンプ93の停止動作の周期が規定時間以下の場合、制御部5は、次回以降のインク循環時の負圧側エアポンプ93の駆動率を低下させる。加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の駆動率の変更量は、それぞれの停止動作の周期に応じて決定される。これにより、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の経年変化等による流量の変化に対応できる。
上述したインクジェット印刷装置1Aでは、前述の図4のステップS24で開始される圧力制御を行ったが、加圧側エアポンプ91および負圧側エアポンプ93の性能によっては、このような圧力制御を行わなくても、設定圧Pk,Pfを維持できる場合がある。このような場合、上述の圧力制御を省略してもよい。また、この場合、加圧側圧力センサ56および負圧側圧力センサ62も省略可能である。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明は第1および第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述したインクジェット印刷装置1,1Aでは、加圧側圧力調整経路81と負圧側圧力調整経路82とが、合流管65の一部およびエアフィルタ66を共有しているが、加圧側圧力調整経路と負圧側圧力調整経路とが独立した構成でもよい。
上述したインクジェット印刷装置1,1Aにおける加圧側大気開放弁53、加圧側大気開放管54、負圧側大気開放弁59、および負圧側大気開放管60を省略してもよい。この場合、インク循環の終了時において、加圧側圧力調整管55を介して加圧共通気室51および加圧タンク21が大気開放され、負圧側圧力調整管61を介して負圧共通気室57および負圧タンク24が大気開放される。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1,1A インクジェット印刷装置
2 印刷部
3,3A 圧力付与部
4 搬送部
5 制御部
11 インクジェットヘッド
12 インク循環部
16 ヘッドモジュール
21 加圧タンク
22 分配器
23 集合器
24 負圧タンク
25 インクポンプ
28〜30 インク循環管
51 加圧共通気室
52 加圧側連通管
53 加圧側大気開放弁
54 加圧側大気開放管
55 加圧側圧力調整管
56 加圧側圧力センサ
57 負圧共通気室
58 負圧側連通管
59 負圧側大気開放弁
60 負圧側大気開放管
61 負圧側圧力調整管
62 負圧側圧力センサ
63 エアポンプ
64 エアポンプ用配管
65 合流管
66 エアフィルタ
81 加圧側圧力調整経路
82 負圧側圧力調整経路
91 加圧側エアポンプ
92 加圧側エアポンプ用配管
93 負圧側エアポンプ
94 負圧側エアポンプ用配管

Claims (2)

  1. 循環経路に沿ってインクを循環させつつ、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する印刷部と、
    前記循環経路に沿ってインクを循環させるための正圧が付与される加圧空間部と、
    前記循環経路に沿ってインクを循環させるための負圧が付与される負圧空間部と、
    一端が前記加圧空間部に接続され、他端が大気に通じる加圧側空気流路と、
    一端が前記負圧空間部に接続され、他端が大気に通じる負圧側空気流路と、
    前記負圧空間部から空気を吸引するとともに前記加圧空間部へ空気を送るエアポンプと、
    インク循環時に所定の駆動率で前記エアポンプを連続駆動させる制御部とを備え、
    前記加圧側空気流路および前記負圧側空気流路はそれぞれ、インク循環時の前記エアポンプの連続駆動時に前記加圧空間部および前記負圧空間部がそれぞれの設定圧となるように設定された流路抵抗を有し、
    前記制御部は、
    インク循環時において、前記加圧空間部の圧力が設定圧を超え、かつ前記負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、前記エアポンプを停止させる制御を行い、
    インク循環時における前記エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記エアポンプの駆動率を変更することを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 循環経路に沿ってインクを循環させつつ、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する印刷部と、
    前記循環経路に沿ってインクを循環させるための正圧が付与される加圧空間部と、
    前記循環経路に沿ってインクを循環させるための負圧が付与される負圧空間部と、
    一端が前記加圧空間部に接続され、他端が大気に通じる加圧側空気流路と、
    一端が前記負圧空間部に接続され、他端が大気に通じる負圧側空気流路と、
    前記加圧空間部へ空気を送る加圧側エアポンプと、
    前記負圧空間部から空気を吸引する負圧側エアポンプと、
    インク循環時に前記加圧側エアポンプおよび前記負圧側エアポンプをそれぞれ所定の駆動率で連続駆動させる制御部とを備え、
    前記加圧側空気流路は、インク循環時の前記加圧側エアポンプの連続駆動時に前記加圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有し、
    前記負圧側空気流路は、インク循環時の前記負圧側エアポンプの連続駆動時に前記負圧空間部が設定圧となるように設定された流路抵抗を有し、
    前記制御部は、
    インク循環時において、前記加圧空間部の圧力が設定圧を超えた場合、前記加圧側エアポンプを停止させ、前記負圧空間部の圧力が設定圧を絶対値で超えた場合、前記負圧側エアポンプを停止させる制御を行い、
    インク循環時における前記加圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記加圧側エアポンプの駆動率を変更し、インク循環時における前記負圧側エアポンプの停止動作の履歴に基づき、前記負圧側エアポンプの駆動率を変更することを特徴とするインクジェット印刷装置。
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