以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の制御部の構成を示すブロック図である。図3は、図1に示すインクジェット印刷装置の印刷部および圧力生成部の概略構成図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図3における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、4つの印刷部2と、圧力生成部3と、搬送部4と、操作パネル5と、制御部6とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、搬送部4により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。4つの印刷部2は、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。4つの印刷部2は、吐出するインクの色が異なる以外は、同様の構成を有する。
図3に示すように、印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環部12と、インク補給部13とを備える。
インクジェットヘッド11は、インク循環部12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16からなる。
ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバ(図示せず)と、インクを吐出する複数のノズル(図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部12は、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する。インク循環部12は、加圧タンク21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク24と、インクポンプ25と、加圧側インク温度調整部26と、負圧側インク温度調整部27と、インク温度センサ28と、インク循環管29〜31とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21のインクは、インク循環管29および分配器22を介してインクジェットヘッド11に供給される。加圧タンク21内には、インクの液面上に空気層41が形成されている。加圧タンク21は、後述の加圧側連通管72を介して、後述の加圧共通気室71に接続されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置(下方)に配置されている。
ところで、インクジェット印刷装置1では、印刷部2においてインク落下が発生することがある。インク落下とは、インクジェットヘッド11、分配器22、集合器23、およびインク循環管29,30の内部のインクが、加圧タンク21および負圧タンク24に流れ落ちることである。本実施の形態のインクジェット印刷装置1では、分配器22およびインク循環管29のインクが加圧タンク21に落下し、インクジェットヘッド11、集合器23、およびインク循環管30のインクが負圧タンク24に落下する。
上述のインク落下は、例えば、インクジェット印刷装置1の移動時に生じる振動によりインクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されることにより発生する。インクジェットヘッド11のノズルのメニスカスが破壊されると、インクジェットヘッド11がノズルから空気を吸い込む。これにより、分配器22およびインク循環管29のインクが加圧タンク21に流れ落ち、インクジェットヘッド11、集合器23、およびインク循環管30のインクが負圧タンク24に流れ落ちる。
加圧タンク21は、分配器22およびインク循環管29の内部のインクが加圧タンク21に落下しても、オーバーフローしないだけの容量を有する。具体的には、加圧タンク21内のインクの液面高さが後述の基準高さであるときの空気層41の体積が、分配器22の容量と、インク循環管29における加圧タンク21の基準高さより上側の部分の容量との合計以上になっている。
加圧タンク21には、加圧タンク基準液面センサ42と、加圧タンク上部センサ43と、インクフィルタ44とが設けられている。
加圧タンク基準液面センサ42は、加圧タンク21内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。基準高さは、加圧タンク21内に基準量のインクが貯留されているときの液面高さである。加圧タンク基準液面センサ42は、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
加圧タンク上部センサ43は、加圧タンク21内のインクの液面高さがインク落下時液面高さに達しているか否かを検出するためのものである。加圧タンク上部センサ43は、加圧タンク21内の液面高さがインク落下時液面高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、インク落下時液面高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
加圧タンク21におけるインク落下時液面高さは、前述のインク落下の発生により、分配器22およびインク循環管29の内部のインクが加圧タンク21に落下した場合における液面高さである。具体的には、加圧タンク21におけるインク落下時液面高さは、加圧タンク21内に、基準量と、分配器22の容量と、インク循環管29における加圧タンク21の基準高さより上側の部分の容量とを合計した量のインクが貯留されているときの液面高さである。
インクフィルタ44は、インク内のゴミ等を除去する。
分配器22は、インク循環管29を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、インク循環管30を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器23から受け取って貯留する。また、負圧タンク24は、後述するインク補給部13のインクカートリッジ61から補給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に空気層46が形成されている。負圧タンク24は、後述の負圧側連通管79を介して、後述の負圧共通気室78に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24は、前述のインク落下の発生により、インクジェットヘッド11、集合器23、およびインク循環管30の内部のインクが負圧タンク24に落下しても、オーバーフローしないだけの容量を有する。具体的には、負圧タンク24内のインクの液面高さが後述の基準高さであるときの空気層46の体積が、インクジェットヘッド11の容量と、集合器23の容量と、インク循環管30における負圧タンク24の基準高さより上側の部分の容量との合計以上である。負圧タンク24は、加圧タンク21と共通の形状で同容量のタンクで構成されている。
負圧タンク24には、負圧タンク基準液面センサ47と、負圧タンク上部センサ48とが設けられている。
負圧タンク基準液面センサ47は、負圧タンク24内のインクの液面高さが基準高さに達しているか否かを検出するためのものである。負圧タンク24における基準高さは、加圧タンク21における基準高さと同じ高さであり、負圧タンク24内に基準量のインクが貯留されているときの液面高さである。負圧タンク基準液面センサ47は、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
負圧タンク上部センサ48は、負圧タンク24内のインクの液面高さがインク落下時液面高さに達しているか否かを検出するためのものである。負圧タンク上部センサ48は、負圧タンク24内の液面高さがインク落下時液面高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、インク落下時液面高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
負圧タンク24におけるインク落下時液面高さは、前述のインク落下の発生により、インクジェットヘッド11、集合器23、およびインク循環管30の内部のインクが負圧タンク24に落下した場合における液面高さである。具体的には、負圧タンク24におけるインク落下時液面高さは、負圧タンク24内に、基準量と、インクジェットヘッド11の容量と、集合器23の容量と、インク循環管30における負圧タンク24の基準高さより上側の部分の容量とを合計した量のインクが貯留されているときの液面高さである。
ここで、印刷部2は、インク落下が発生した場合に加圧タンク21に落下するインク量と負圧タンク24に落下するインク量とが同量になるように構成されている。具体的には、分配器22の容量とインク循環管29における加圧タンク21の基準高さより上側の部分の容量との合計と、インクジェットヘッド11の容量と集合器23の容量とインク循環管30における負圧タンク24の基準高さより上側の部分の容量との合計とが等しくなるように、インク循環管29,30の長さが設計されている。
このため、負圧タンク24のインク落下時液面高さは、加圧タンク21のインク落下時液面高さと同じ高さになっている。すなわち、負圧タンク上部センサ48は、加圧タンク上部センサ43と同じ高さに設置されている。
インクポンプ25は、インク循環管31に沿って負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。インクポンプ25は、インク循環管31の途中に設けられている。
加圧側インク温度調整部26は、インクジェットヘッド11に対する加圧タンク21側において、インク循環部12のインクの温度を調整する。加圧側インク温度調整部26は、インク循環管29の途中に設けられている。加圧側インク温度調整部26は、ヒータ51と、ヒータ温度センサ52と、ヒートシンク53と、冷却ファン54とを備える。
ヒータ51は、インク循環管29内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ52は、ヒータ51の温度を検出する。ヒートシンク53は、放熱によりインク循環管29内のインクを冷却する。冷却ファン54は、ヒートシンク53に冷却風を送る。
負圧側インク温度調整部27は、インクジェットヘッド11に対する負圧タンク24側において、インク循環部12のインクの温度を調整する。負圧側インク温度調整部27は、インク循環管30の途中に設けられている。負圧側インク温度調整部27は、ヒータ56と、ヒータ温度センサ57と、ヒートシンク58と、冷却ファン59とを備える。
ヒータ56は、インク循環管30内のインクを加熱する。ヒータ温度センサ57は、ヒータ56の温度を検出する。ヒートシンク58は、放熱によりインク循環管30内のインクを冷却する。冷却ファン59は、ヒートシンク58に冷却風を送る。
インク温度センサ28は、インク循環部12におけるインクの温度を検出する。インク温度センサ28は、インク循環管29の途中に設けられている。
インク循環管29は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。インク循環管29の一部は、加圧側インク温度調整部26のヒータ51を経由する部分とヒートシンク53を経由する部分とに分岐している。インク循環管29には、加圧タンク21から分配器22に向かってインクが流れる。インク循環管29は、分配器22とともに、加圧タンク21とインクジェットヘッド11とを接続する経路を構成する。このインク循環管29と分配器22とからなる経路が、請求項の第1経路に相当する。
インク循環管30は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。インク循環管30の一部は、負圧側インク温度調整部27のヒータ56を経由する部分とヒートシンク58を経由する部分とに分岐している。インク循環管30には、集合器23から負圧タンク24に向かってインクが流れる。インク循環管30は、集合器23とともに、インクジェットヘッド11と負圧タンク24とを接続する経路を構成する。このインク循環管30と集合器23とからなる経路が、請求項の第2経路に相当する。
インク循環管29,30は、前述のように、分配器22の容量とインク循環管29における加圧タンク21の基準高さより上側の部分の容量との合計と、インクジェットヘッド11の容量と集合器23の容量とインク循環管30における負圧タンク24の基準高さより上側の部分の容量との合計とが等しくなるように、長さが設計されている。
インク循環管31は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。インク循環管31には、負圧タンク24から加圧タンク21に向かってインクが流れる。インク循環管31は、請求項の第3経路に相当する。
インク循環管29〜31は、分配器22および集合器23とともに、加圧タンク21とインクジェットヘッド11と負圧タンク24との間でインクを循環させる循環経路を構成する。
インク補給部13は、インク循環部12にインクを補給する。インク補給部13は、インクカートリッジ61と、インク補給弁62と、インク補給管63とを備える。
インクカートリッジ61は、インクジェットヘッド11による印刷に用いるインクを収容している。インクカートリッジ61内のインクは、インク補給管63を介してインク循環部12の負圧タンク24に供給される。
インク補給弁62は、インク補給管63内のインクの流路を開閉する。負圧タンク24へインクを補給する際、インク補給弁62が開かれる。
インク補給管63は、インクカートリッジ61と負圧タンク24とを接続する。インク補給管63には、インクカートリッジ61から負圧タンク24に向かってインクが流れる。
圧力生成部3は、各印刷部2の加圧タンク21および負圧タンク24にインク循環のための圧力を生成する。圧力生成部3は、加圧共通気室71と、4本の加圧側連通管72と、加圧側大気開放弁73と、加圧側大気開放管74と、加圧側圧力調整弁75と、加圧側圧力調整管76と、加圧側圧力センサ77と、負圧共通気室78と、4本の負圧側連通管79と、負圧側大気開放弁80と、負圧側大気開放管81と、負圧側圧力調整弁82と、負圧側圧力調整管83と、負圧側圧力センサ84と、エアポンプ85と、エアポンプ用配管86と、合流管87と、エアフィルタ88と、オーバーフローパン89とを備える。
加圧共通気室71は、各印刷部2の加圧タンク21の圧力を等しくするための気室である。加圧共通気室71は、4本の加圧側連通管72を介して4つの印刷部2の加圧タンク21の空気層41と連通されている。これにより、各印刷部2の加圧タンク21どうしが、加圧共通気室71および加圧側連通管72を介して連通されている。
加圧側連通管72は、加圧共通気室71と加圧タンク21の空気層41とを連通させる。4本の加圧側連通管72は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。加圧側連通管72は、一端が加圧共通気室71に接続され、他端が加圧タンク21の空気層41に接続されている。
加圧側大気開放弁73は、加圧共通気室71を介して加圧タンク21を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、加圧側大気開放管74内の空気の流路を開閉する。加圧側大気開放弁73は、加圧側大気開放管74の途中に設けられている。
加圧側大気開放管74は、加圧共通気室71を介して加圧タンク21を大気開放するための空気の流路を形成する。加圧側大気開放管74は、一端が加圧共通気室71に接続され、他端が合流管87に接続されている。
加圧側圧力調整弁75は、加圧共通気室71および加圧タンク21の圧力を調整するために、加圧側圧力調整管76内の空気の流路を開閉する。加圧側圧力調整弁75は、加圧側圧力調整管76の途中に設けられている。
加圧側圧力調整管76は、加圧共通気室71および加圧タンク21の圧力調整のための空気の流路を形成する。加圧側圧力調整管76は、一端が加圧共通気室71に接続され、他端が合流管87に接続されている。
加圧側圧力センサ77は、加圧共通気室71内の圧力を検出する。加圧共通気室71内の圧力は、各印刷部2の加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧共通気室71と各印刷部2の加圧タンク21の空気層41とが連通されているためである。
負圧共通気室78は、各印刷部2の負圧タンク24の圧力を等しくするための気室である。負圧共通気室78は、4本の負圧側連通管79を介して4つの印刷部2の負圧タンク24の空気層46と連通されている。これにより、各印刷部2の負圧タンク24どうしが、負圧共通気室78および負圧側連通管79を介して連通されている。
負圧側連通管79は、負圧共通気室78と負圧タンク24の空気層46とを連通させる。4本の負圧側連通管79は、各印刷部2に1本ずつ対応して設けられている。負圧側連通管79は、一端が負圧共通気室78に接続され、他端が負圧タンク24の空気層46に接続されている。
負圧側大気開放弁80は、負圧共通気室78を介して負圧タンク24を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、負圧側大気開放管81内の空気の流路を開閉する。負圧側大気開放弁80は、負圧側大気開放管81の途中に設けられている。
負圧側大気開放管81は、負圧共通気室78を介して負圧タンク24を大気開放するための空気の流路を形成する。負圧側大気開放管81は、一端が負圧共通気室78に接続され、他端が合流管87に接続されている。
負圧側圧力調整弁82は、負圧共通気室78および負圧タンク24の圧力を調整するために、負圧側圧力調整管83内の空気の流路を開閉する。負圧側圧力調整弁82は、負圧側圧力調整管83の途中に設けられている。
負圧側圧力調整管83は、負圧共通気室78および負圧タンク24の圧力調整のための空気の流路を形成する。負圧側圧力調整管83は、一端が負圧共通気室78に接続され、他端が合流管87に接続されている。
負圧側圧力センサ84は、負圧共通気室78内の圧力を検出する。負圧共通気室78内の圧力は、各印刷部2の負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧共通気室78と各印刷部2の負圧タンク24の空気層46とが連通されているためである。
エアポンプ85は、負圧共通気室78を介して各印刷部2の負圧タンク24から空気を吸引するとともに、加圧共通気室71を介して各印刷部2の加圧タンク21へ空気を送る。エアポンプ85は、エアポンプ用配管86の途中に設けられている。
エアポンプ用配管86は、エアポンプ85により負圧共通気室78から加圧共通気室71へ送られる空気の流路を形成する。エアポンプ用配管86は、一端が加圧共通気室71に接続され、他端が負圧共通気室78に接続されている。
合流管87は、一端がオーバーフローパン89に接続され、他端(上端)がエアフィルタ88を介して大気に通じている。合流管87のオーバーフローパン89側の端は、通常時は、後述のオーバーフローボール91により閉鎖されている。合流管87には、加圧側大気開放管74、加圧側圧力調整管76、負圧側大気開放管81、および負圧側圧力調整管83が接続されている。
エアフィルタ88は、合流管87への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ88は、合流管87の上端に設置されている。
オーバーフローパン89は、例えばインク補給弁62の異常により、加圧タンク21、負圧タンク24からインクが溢れ、さらに加圧共通気室71、負圧共通気室78からもインクが溢れ出た場合に、合流管87を流れてくるインクを受け取る。
オーバーフローパン89には、オーバーフローボール91が設けられている。オーバーフローボール91は、オーバーフローパン89にインクがない場合に、オーバーフローパン89の底面に開口する合流管87の端を閉鎖し、合流管87への外部の空気の流入を防ぐものである。合流管87からオーバーフローパン89へインクが流れてくると、オーバーフローボール91は浮き上がり、オーバーフローパン89にインクが流入できる。
また、オーバーフローパン89には、オーバーフロー液面センサ92が設けられている。オーバーフロー液面センサ92は、オーバーフローパン89内のインクの液面高さが所定高さに達しているか否かを検出するためのものである。
オーバーフローパン89は、廃液タンク(図示せず)に接続されており、オーバーフロー液面センサ92で液面が検出されると、廃液タンクへインクが排出されるようになっている。
搬送部4は、給紙台(図示せず)から用紙を取り出し、その用紙を搬送経路に沿って搬送する。搬送部4は、用紙を搬送するためのローラ、ローラを駆動させるモータ(いずれも図示せず)等を有する。
操作パネル5は、各種の入力画面等を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付ける。操作パネル5は、各種の操作キー、タッチパネル等を有する入力部と、液晶表示パネル等を有する表示部(いずれも図示せず)とを備える。
制御部6は、インクジェット印刷装置1全体の動作を制御する。図2に示すように、制御部6は、主コントローラ101と、メカコントローラ102とを備える。
主コントローラ101は、インクジェット印刷装置1全体の制御を司る。主コントローラ101は、CPU(Central Processing Unit)111と、メモリ112と、HDD(Hard Disk Drive)113と、外部I/F(インタフェース)114と、メカコントローラI/F115と、ユーザI/F116と、ヘッドI/F117とを備える。
CPU111は、演算処理を実行する。メモリ112は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU111のワークエリアとして使用されるものである。HDD113は、各種のプログラム等を記憶する。
外部I/F114は、ネットワークを介して外部の装置との間でデータの送受信を行う。メカコントローラI/F115は、主コントローラ101にメカコントローラ102を接続する。ユーザI/F116は、主コントローラ101に操作パネル5を接続する。ヘッドI/F117は、主コントローラ101にインクジェットヘッド11を接続する。
メカコントローラ102は、印刷部2におけるインク循環およびインク補給の制御、圧力生成部3による圧力制御、および搬送部4による用紙搬送の制御を行う。メカコントローラ102は、CPU121と、メモリ122と、センサI/F123と、主コントローラI/F124と、アクチュエータI/F125と、ドライバユニット126とを備える。
CPU121は、演算処理を実行する。メモリ122は、一時的なデータの保存や演算時におけるCPU121のワークエリアとして使用されるものである。
センサI/F123は、メカコントローラ102に加圧タンク基準液面センサ42等の各種センサを接続する。主コントローラI/F124は、メカコントローラ102を主コントローラ101に接続する。アクチュエータI/F125は、ドライバユニット126に制御信号を送信する。
ドライバユニット126は、インクポンプ25、エアポンプ85、搬送部4のモータ等のそれぞれを駆動させる各種ドライバを有する。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
図4は、インクジェット印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図4のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1に印刷ジョブが入力されることにより開始となる。
図5のステップS1において、メカコントローラ102のCPU121は、インク落下が発生している印刷部2があるか否かを判断する。ここで、CPU121は、加圧タンク上部センサ43および負圧タンク上部センサ48がオンになっている印刷部2は、インク落下が発生していると判断する。
インク落下が発生している印刷部2があると判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、メカコントローラ102のCPU121は、インク落下対応処理を実行する。インク落下対応処理の詳細は後述する。
次いで、ステップS3において、主コントローラ101のCPU111およびメカコントローラ102のCPU121は、印刷処理を実行する。印刷処理の詳細は後述する。
ステップS1において、インク落下が発生している印刷部2はないとCPU121が判断した場合(ステップS1:NO)、ステップS2のインク落下対応処理が省略され、ステップS3の印刷処理が実行される。
次に、上述した図4のステップS2のインク落下対応処理について説明する。図5は、インク落下対応処理のフローチャートである。
図5のステップS11において、メカコントローラ102のCPU121は、各印刷部2のインクポンプ25を起動する。CPU121は、予め設定された駆動デューティ比でインクポンプ25を駆動させる。インクポンプ25の駆動により、インク循環管31に沿って負圧タンク24から加圧タンク21へインクが送られる。
次いで、ステップS12において、CPU121は、加圧側大気開放弁73および負圧側大気開放弁80を閉鎖する。加圧側大気開放弁73の閉鎖により、各印刷部2の加圧共通気室71および加圧タンク21が密閉状態となる。また、負圧側大気開放弁80の閉鎖により、各印刷部2の負圧共通気室78および負圧タンク24が密閉状態となる。
なお、インクジェット印刷装置1が動作しない待機中は、加圧側大気開放弁73および負圧側大気開放弁80は開放されている。加圧側圧力調整弁75および負圧側圧力調整弁82は、待機中から閉鎖されている。
次いで、ステップS13において、CPU121は、エアポンプ85を起動する。CPU121は、予め設定された駆動デューティ比でエアポンプ85を駆動させる。エアポンプ85の駆動により、加圧タンク21が加圧され、負圧タンク24が減圧される。また、インクポンプ25により負圧タンク24から加圧タンク21へインクが送られることによっても、加圧タンク21が加圧され、負圧タンク24が減圧される。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクが送られる。
ここで、例えば、CPU121は、図6(a),(b)に示すように、エアポンプ85を100%の駆動デューティ比で駆動させ、インクポンプ25を50%の駆動デューティ比で駆動させる。インクポンプ25およびエアポンプ85の駆動デューティ比は、加圧タンク21のインクの減少速度と負圧タンク24のインクの減少速度とが等しくなるように設定されている。このようなインクポンプ25およびエアポンプ85の駆動デューティ比は、実験データや理論値に基づき決定される。
インクポンプ25およびエアポンプ85の駆動により、インク落下が発生していた印刷部2では、加圧タンク21から流出するインクが、インク循環管29、分配器22、インクジェットヘッド11、集合器23、インク循環管30を満たしつつ、加圧タンク21および負圧タンク24のインク量が減少していく。インクポンプ25およびエアポンプ85が上述のような駆動デューティ比で駆動されるので、加圧タンク21の液面と負圧タンク24の液面とが同じ速度で下降する。
なお、インク落下が発生していない印刷部2では、インク落下対応処理の開始前から、インク循環管29、分配器22、インクジェットヘッド11、集合器23、インク循環管30がインクで満たされている状態である。このため、インクポンプ25およびエアポンプ85が駆動されると、加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さが維持されつつ、循環経路に沿ってインクが循環される。
図5に戻り、ステップS13に続いて、ステップS14において、CPU121は、インク落下が発生していた印刷部2において、加圧タンク21および負圧タンク24の液面が基準高さまで下がったか否かを判断する。ここで、CPU121は、加圧タンク基準液面センサ42および負圧タンク基準液面センサ47がオフになった場合、加圧タンク21および負圧タンク24の液面が基準高さまで下がったと判断する。
ここで、インク落下が発生した印刷部2では、インク落下対応処理の開始前の加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さは、インク落下時液面高さになっている。これに対し、上述のように、インクポンプ25およびエアポンプ85の駆動により、加圧タンク21の液面と負圧タンク24の液面とが同じ速度で下降するので、加圧タンク21および負圧タンク24の液面は同時に基準高さに到達する。
加圧タンク21および負圧タンク24の液面は基準高さまで下がっていないと判断した場合(ステップS14:NO)、CPU121は、ステップS14を繰り返す。
加圧タンク21および負圧タンク24の液面が基準高さまで下がったと判断した場合(ステップS14:YES)、ステップS15において、CPU121は、インクポンプ25およびエアポンプ85を停止する。これにより、インク落下対応処理が終了となる。
上述したインク落下対応処理により、インク落下が発生していた印刷部2が、インク落下発生前の通常状態に戻る。すなわち、インク循環管29、分配器22、インクジェットヘッド11、集合器23、インク循環管30がインクで満たされるとともに、加圧タンク21および負圧タンク24のインク量が基準量となる。
次に、上述した図4のステップS3の印刷処理について説明する。図7は、印刷処理のフローチャートである。
図7のステップS21において、メカコントローラ102のCPU121は、前述のインク落下対応処理が行われたか否かを判断する。
インク落下対応処理は行われていないと判断した場合(ステップS21:NO)、ステップS22において、CPU121は、加圧側大気開放弁73および負圧側大気開放弁80を閉鎖する。この後、CPU121は、ステップS23へ進む。
インク落下対応処理は行われたと判断した場合(ステップS21:YES)、CPU121は、ステップS22を省略してステップS23へ進む。インク落下対応処理で加圧側大気開放弁73および負圧側大気開放弁80が閉鎖されているためである。
ステップS23では、CPU121は、各印刷部2の液面維持制御を開始する。液面維持制御は、加圧タンク21および負圧タンク24の液面を基準高さに維持するための、加圧タンク21および負圧タンク24の液面高さに応じたインクポンプ25およびインク補給弁62の制御である。この液面維持制御により、加圧タンク21および負圧タンク24に基準量のインクが貯留された状態が維持されつつ、インク循環および印刷が行われる。
具体的には、図8に示すように、加圧タンク基準液面センサ42および負圧タンク基準液面センサ47がともにオンの状態では、CPU121は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁62を閉鎖する。加圧タンク基準液面センサ42がオンで負圧タンク基準液面センサ47がオフの状態でも同様に、CPU121は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁62を閉鎖する。
加圧タンク基準液面センサ42がオフで負圧タンク基準液面センサ47がオンの状態では、CPU121は、インクポンプ25をオンとし、インク補給弁62を閉鎖する。
加圧タンク基準液面センサ42および負圧タンク基準液面センサ47がともにオフの状態では、CPU121は、インクポンプ25をオフとし、インク補給弁62を開放する。
図7に戻り、ステップS23に続いて、ステップS24において、CPU121は、圧力制御を開始する。圧力制御は、加圧タンク21、負圧タンク24にそれぞれ規定値の正圧、負圧を生成し、それらを維持するための、エアポンプ85、加圧側圧力調整弁75、および負圧側圧力調整弁82の制御である。
具体的には、CPU121は、圧力制御を開始すると、エアポンプ85を起動する。これにより、負圧共通気室78から加圧共通気室71へ空気が送られることで、負圧共通気室78および負圧タンク24が減圧され、加圧共通気室71および加圧タンク21が加圧される。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクが流れる。
CPU121は、加圧側圧力センサ77により検出される加圧タンク21の圧力(加圧側圧力)、負圧側圧力センサ84により検出される負圧タンク24の圧力(負圧側圧力)が、それぞれの規定値になると、エアポンプ85を停止する。加圧側圧力および負圧側圧力の規定値は、インクを循環させつつ、インクジェットヘッド11のノズル圧を適正値にするための値として予め設定された値である。ここで、CPU121は、加圧側圧力および負圧側圧力を規定値にするために、加圧側圧力センサ77および負圧側圧力センサ84の検出値に応じて加圧側圧力調整弁75および負圧側圧力調整弁82の開閉を制御し、加圧側圧力および負圧側圧力を調整する。
また、圧力制御の開始後は、一度加圧側圧力および負圧側圧力が規定値になった後も、それを維持するように、CPU121は、加圧側圧力センサ77および負圧側圧力センサ84の検出値に応じて、エアポンプ85の駆動、加圧側圧力調整弁75および負圧側圧力調整弁82の開閉を適宜行う。
圧力制御の開始後、ステップS25において、CPU121は、加圧側圧力および負圧側圧力が規定値になったか否かを判断する。加圧側圧力および負圧側圧力が規定値になっていないと判断した場合(ステップS25:NO)、CPU121は、ステップS25を繰り返す。
加圧側圧力および負圧側圧力が規定値になったとCPU121が判断した場合(ステップS25:YES)、ステップS26において、CPU111,121は、印刷ジョブの実行を開始する。
具体的には、主コントローラ101のCPU111は、印刷ジョブを画像データとジョブデータとに分割し、ジョブデータをメカコントローラ102へ送信する。ジョブデータは、印刷枚数、用紙種類等を示す情報を含むものである。そして、メカコントローラ102のCPU121は、ジョブデータに基づき、搬送部4により用紙を搬送させる。また、主コントローラ101のCPU111は、画像データに基づき、搬送される用紙にインクジェットヘッド11からインクを吐出させる。これにより、用紙に画像が印刷される。
印刷ジョブの実行中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。加圧タンク基準液面センサ42がオフで負圧タンク基準液面センサ47がオンの状態になると、液面維持制御により、インクポンプ25が負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送る。このようにしてインクが循環されつつ、印刷が行われる。
また、CPU121は、インク循環時には、インク温度センサ28の検出温度が適正温度範囲内を維持するように、加圧側インク温度調整部26および負圧側インク温度調整部27を制御してインク温度の調整を行う。
印刷ジョブの実行開始後、ステップS27において、CPU121は、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。印刷ジョブが終了していないと判断した場合(ステップS27:NO)、CPU121は、ステップS27を繰り返す。
印刷ジョブが終了したと判断した場合(ステップS27:YES)、ステップS28において、CPU121は、圧力制御を終了する。
次いで、ステップS29において、CPU111は、加圧側大気開放弁73および負圧側大気開放弁80を開放する。加圧側大気開放弁73の開放により、各印刷部2の加圧共通気室71および加圧タンク21が大気開放状態となる。また、負圧側大気開放弁80の開放により、各印刷部2の負圧共通気室78および負圧タンク24が大気開放状態となる。
次いで、ステップS30において、CPU121は、液面維持制御を終了する。これにより印刷処理が終了し、インクジェット印刷装置1が待機状態となる。
待機中のインクジェット印刷装置1では、インク落下が発生していない通常時には、加圧タンク21および負圧タンク24の液面は基準高さにある。すなわち、加圧タンク21および負圧タンク24には、同じ基準量のインクが貯留されている。また、インク循環管29、分配器22、インクジェットヘッド11、集合器23、インク循環管30がインクで満たされている。
振動等により少なくともいずれかの印刷部2でインク落下が発生すると、インク落下が発生した印刷部2では、インク循環管29、分配器22、インクジェットヘッド11、集合器23、インク循環管30にインクがない状態となる。また、加圧タンク21および負圧タンク24にインク落下時液面高さまでインクが貯留された状態となる。これに対し、前述のように、印刷処理の前にインク落下対応処理が行われる。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、印刷部2が、インク落下が発生した場合に加圧タンク21に落下するインク量と負圧タンク24に落下するインク量とが同量になるように構成されている。これにより、同じ基準量のインクが貯留された加圧タンク21および負圧タンク24に対するインク落下後の加圧タンク21のインク量と負圧タンク24のインク量とが同量になる。このため、加圧タンク21と負圧タンク24とを共通の形状で同容量のタンクで構成する場合でも、両タンクを無駄のない適正な大きさで構成できる。この結果、インクジェット印刷装置の大型化を抑制できる。
ここで、本実施の形態とは異なり、インク落下の発生時に加圧タンク21に落下するインク量と負圧タンク24に落下するインク量とが異なる場合、両タンクを共通の形状で構成しようとすると、落下するインク量の多い方に合わせて設計する必要がある。
例えば、本実施の形態とは異なり、ヒータおよびヒートシンクを有するインク温度調整部をインク循環管29,30のうちの一方のみに設ける場合、ヒータおよびヒートシンクには大型のものを用いる必要がある。このため、インク温度調整部が設けられる方のインク循環管を長くする必要があり、他方のインク循環管と長さに差が生じる。これにより、インク落下の発生時に加圧タンク21に落下するインク量と負圧タンク24に落下するインク量とに差が生じることがある。この場合において、両タンクを共通の形状で構成しようとすると、落下するインク量の多い方に合わせて両タンクを設計する必要がある。したがって、落下するインク量が少ない方のタンクは必要以上の大きさになり、装置の大型化につながる。
これに対し、本実施の形態では、ヒータおよびヒートシンクを、加圧側インク温度調整部26と負圧側インク温度調整部27とに分割してインク循環管29,30に配置している。この場合、それぞれのヒータおよびヒートシンクの大きさを抑えることができる。これによりインク循環管29,30の長さ、およびその差を抑えられるようにした上で、インク落下の発生時に加圧タンク21に落下するインク量と負圧タンク24に落下するインク量とが同量になるように、インク循環管29,30の長さを設計している。このため、加圧タンク21と負圧タンク24とを共通の形状で同容量のタンクで構成する場合でも、両タンクを無駄のない適正な大きさで構成できる。
また、インクジェット印刷装置1では、制御部6は、インク落下対応処理において、インクポンプ25およびエアポンプ85を駆動させて、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送るとともに、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へ向けてインクを送ることで、加圧タンク21および負圧タンク24のインク量を基準量まで減少させる制御を行う。そして、この際、制御部6は、加圧タンク21のインクの減少速度と負圧タンク24のインクの減少速度とが等しくなるように、インクポンプ25およびエアポンプ85を制御する。
ここで、本実施の形態とは異なり、例えば、負圧タンク24のインクの減少速度が加圧タンク21のインクの減少速度より速い場合、負圧タンク24の液面が加圧タンク21の液面より先に基準高さに到達し、インクポンプ25を停止することになる。この場合、インクポンプ25の停止後はエアポンプ85のみの駆動により加圧タンク21から負圧タンク24へインクを送ることになる。このため、加圧タンク21のインク量を基準量に戻すのに長時間を要する。
これに対し、本実施の形態では、加圧タンク21のインクの減少速度と負圧タンク24のインクの減少速度とが等しく、加圧タンク21と負圧タンク24とで同時にインク量が基準量になるようにインクポンプ25およびエアポンプ85を駆動させる。このため、加圧タンク21および負圧タンク24のインク量を効率よく基準量に戻すことができ、印刷開始の遅延時間を短縮できる。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。