JP2009012188A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境変動やインク循環量によって最適駆動波形を選択して記録ヘッドを駆動することで、常に高画質の印字を得ることができるインクジェット記録装置を実現することである。
【解決手段】このインクジェット記録装置10では、駆動波形源41から所定の駆動波形が印加されるヘッド12によって、記録媒体45にインクが吐出されて画像形成される。そして、インク供給部14により、前記ヘッド12を含むインク経路にインクが循環されて、前記ヘッド12にインクが供給される。また、前記駆動波形源41から出力される駆動波形は、前記インク経路でのインク循環量に対応した少なくとも2種類の駆動波形を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関し、より詳細には、インク循環式のインク供給経路によってインクジェット記録ヘッドへインクを供給するインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録装置に於いては、いわゆるサーマルヘッドでは記録ヘッドの加熱ヒータに電気信号(駆動波形)を印加することによって、或いは、ピエゾ素子を用いた記録ヘッドではピエゾに印加する電気信号(駆動波形)によって、記録ヘッドのノズルから吐出するインク液滴の吐出状態を制御し、記録媒体上に画像形成している。
液滴の速度、量、出射角度、階調性、更に、それらの繰返し安定性は、駆動波形に関係している。このため、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の速度、量等が最適になるように、駆動波形は記録ヘッドやインクの性状によって最適化され、インクの種類や物性の変化に応じて適宜変更して使用される。
例えば、下記特許文献1には、インクの温度による物性の変化に応じて駆動波形を変更することにより、吐出液滴量の変動を抑制している例が示されている。
また、インクジェット記録ヘッドの中には、ヘッドの支持部にインク入口と出口を設け、アクチュエータ部、例えばピエゾ等、のインク溝(チャネル)部にインクが流れるようにしたインク循環タイプがあり、ヘッドの発熱や気泡を除去する効果がある。
また、例えば、下記特許文献2には、ヘッドの支持部にインク流路があり、アクチュエータ部にインクを供給することで駆動による発熱を吸熱することが記載されている。
特開2002−19114号公報 特開平10−291300号公報
インクジェット記録ヘッドを最適な条件で駆動するためには、駆動波形、例えば駆動波形のパルス幅を少しずつ変えながら、吐出液適量の変化が少なく、更に安定した吐出状態が得られる波形を設定する。
これを駆動波形の電圧や記録ヘッドの周辺温度を変えながら、必要とする液適量が、外的な変動に対して、吐出液滴量の変動が少ない領域を得て、その中心値の駆動条件を設定することで最適駆動条件として、設定される。
この最適駆動条件は、ある範囲内であれば、多少の環境条件等、例えば温度の変動があっても、安定した、正常な吐出が可能である。
しかしながら、この吐出が安定する適正範囲を外れると吐出液滴量が不安定になり、吐出状態そのものが不安定になってしまう。
また、インク循環タイプの記録ヘッドは、ヘッドの駆動部分にインクを流すことで、ヘッド駆動で発生する熱を吸収し、インク循環経路内にある別途の加熱・冷却手段によって、インク温度を設定値に保つことで、環境変動に関わりなく最適駆動条件範囲を維持することができる。また、インク循環は、ノズル等から巻込んだ気泡をインク経路内から除去し、インクタンクに回収・排出する効果もあることから、このタイプの記録ヘッドは、例えば高速で大量印刷するような用途に向いていて、常に安定した品質で印刷できる特徴がある。
しかしながら、従来は循環系のインク経路に於いて、インク循環量と記録ヘッドの最適駆動波形については全く考慮されていなかった。
したがって、本発明は前記実情に鑑みてなされたものであり、インク循環式のインク供給経路を有するインクジェット記録装置に於いて、インク循環量を変えた場合にも常に高画質の印字を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、記録媒体にインクを吐出し画像形成するもので所定の駆動波形が印加されるインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドを含むインク経路にインクを循環させて前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク循環供給部と、を少なくとも有し、前記駆動波形は、前記インク経路でのインク循環量に対応した少なくとも2種類の駆動波形を有することを特徴とする。
また、本発明は、記録媒体にインクを吐出し画像形成するインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドを含むインク経路にインクを循環させて前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク循環供給部と、前記インク経路でのインク循環量に対応した少なくとも2種類の駆動波形を前記インクジェット記録ヘッドに印加する駆動波形出力手段と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、環境変動やインク循環量によって最適駆動波形を選択して記録ヘッドを駆動することで、常に高画質の印字を得ることができるインクジェット記録装置を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に於いて、このインクジェット記録装置10は、ヘッド12と、インク供給部14と、メンテナンス機構16と、制御装置40及び駆動波形源41と、用紙搬送機構43とを有して構成されている。
前記ヘッド12には、インク入口21及びインク出口22の2箇所のインク出入り口が設けられており、これらの各々がインク供給部14と接続されている。また、ヘッド12には、該ヘッド12の温度を検出するためのセンサ23が設けられている。
前記インク入口21は、ヘッド12に対して重力方向上側に配置された上流タンク25と接続されており、重力によってインクは上流タンク25からヘッド12に向かって流れるようになっている。ヘッド12に流れ込んだインクは、インク出口22と接続された下流タンク26を、ヘッド12に対して重量方向下側に配置することで、ヘッド12内部にインクが流れる状態にすることができる。
前記上流タンク25及び下流タンク26は、それぞれインクレベルセンサ28a及び28bと、大気開放バルブ29a及び29bを備えている。また、上流タンク25には、インクの温度を検出するためのセンサ30が設けられている。前記上量タンク25は、後述する加熱・冷却部33及び循環ポンプ32を介して下流タンク26に接続されると共に、インク補給弁36を介してインクボトル35に接続されている。
ヘッド12からインクチューブ27を介して下流タンク26に流れ込んだインクは、循環ポンプ32によって、上流タンク25に汲み上げられて再利用される。このとき、加熱・冷却部33を通過することで、インク温度を適正値に制御することが可能である。循環ポンプ32は、例えば、ダイアフラムポンプ、ロータリポンプ、ピストンポンプ、シリンダポンプ、ギアポンプ等、流量制御が可能で、インクに耐性のある材料で構成される送液ポンプならば何れも使用可能である。
循環ポンプ32の運転制御は、下流タンク26内に設けられているインクレベルセンサ28bからのインク量情報を制御装置40が得て、下流タンク26内のインク液量を一定に保つように循環ポンプ32を制御している。またインク消費により、上流タンク25内のインクレベルセンサ28aが、インク液面の低下情報を制御装置40に送った場合には、制御装置40がインクボトル35に接続されるインク補給弁36を開けて、上流タンク25にインクを補給することによってインク液面を一定に保っている。インクボトル35とインク補給弁36が下流タンク26に接続されている場合には、上流タンク25の液面情報を元に、循環ポンプ32を制御し、下流タンク26の液面情報を元に、インク補給を行う。
加熱・冷却部33は、吐出に最適な温度にインク温度を制御するためのもので、使用する装置としては、ペルチェ素子、温浴装置、ヒータと冷凍機の組合せ等が好適である。また、インクの使用適正温度によっては、加熱、或いは冷却装置だけでも良い。
このインク循環方式のインク供給部14は、ヘッド12を駆動することによって発生する熱を循環するインクに吸熱させ、加熱・冷却部33で温度制御することで、インクを吐出するのに最適な温度に一定に保つことができる。また、インクジェット記録装置10の設置環境温度が、低い、或いは高い場合に、起動時のインク温度が適正値を外れていても、インク循環と加熱・冷却部33によって、インクを適正温度領域に設定することも可能である。
また更に、循環によりヘッド12やインク経路内部の気泡をインクタンク内に収集し、気泡を浮き上がらせて除去することができるという効果もある。
インク循環を停止したときは、上流タンク25の大気開放バルブ29aを閉じることによって、ヘッド12からのインク漏洩を防止することができる。更に、下流タンク26の位置をヘッド12のヘッド内圧を吐出可能な領域内になるような位置に配置することで、上流タンク25の大気開放バルブ29aを閉じて、下流タンク26の大気開放バルブ29bを開けることによって、非循環のインク供給系を構成することが可能である。
インク循環量の制御については、大気開放バルブ29aにより大気開放した上流タンク25の高さ位置を高くし、ヘッド12との高低差を大きくすることによりインク循環量を増加することができる。ヘッド12のノズル内圧は、大気開放バルブ29bにより大気開放した下流タンク26の高さ位置を調整し、適正ヘッド内圧となるように調整する。更に、上流タンク25の大気開放バルブ29aを閉じた状態で循環ポンプ32を駆動し、上流タンク25の内圧を上げることで循環流量を制御することも可能である。加えて、上流タンク25の大気開放バルブ29aを大気開放し、下流タンク26の大気開放バルブ29bを閉じた状態で、循環ポンプ32を駆動することで、下流タンク26の内圧を低くし、同様に上下タンクの圧力差を大きくすることも可能である。
また、非循環状態からインクが安定に循環した状態になるためには、インクの粘性や流路抵抗等から、設定したインク循環量に到達するための立上時間が必要とされる。更に、インク温度が設定値に到達するための時間も必要である。そのため、循環方式のインク経路では、インク温度制御や気泡の除去等の効果によって、大量の印刷物を長時間行う等の用途には、高品質の印刷を安定して行うことができるが、小部数を直ちに必要な場合でも、待ち時間が必要となる。
一方、前記メンテナンス機構16は、ヘッド12内の気泡や塵挨等の異物や、ヘッド12内部の増粘したインクを除去するための装置である。吸引キャップ47をヘッド12のノズルプレート56(後述する図2参照)に押し当て、その後、吸引ポンプ48でキャップ内を負圧にすることで、ヘッド12内のインク気泡、塵挨等を吸引除去する機能を有している。
尚、本実施形態では吸引の例を図示しているが、ヘッド12内を加圧しても同様の効果を得ることができる。その場合は、上流タンク25の大気開放バルブ29aを開放し、下流タンク26の大気開放バルブ29bを閉じる方法や、上流タンク25の大気開放バルブ29aを閉じて、循環ポンプ32でインクを送り、上流タンク25内を加圧することも可能である。
また、前記用紙搬送機構43は、記録媒体45である用紙をヘッド12の位置まで搬送し、記録媒体45にインクが吐出された後は、該記録媒体45をインクジェット記録装置10の外部に搬送するための機構である。こうした用紙搬送機構43による記録媒体45の位置決めは、制御装置40からの指示によって制御される。駆動波形源41は、制御装置40から指示された波形でデータに基づいて、予め設定された電圧やパルス幅、波形の構成等の駆動波形をヘッド12に印加するものである。ノズル55から1個のインク液滴60を吐出する駆動波形の例を図5に示す。図5にはパルス幅が小、標準、大の三種類の駆動波形の例を示している。
図2は、図1に示された本実施形態で使用するヘッド12の内部の構成を示した模式図である。
上流タンク25と接続された、ヘッド12のインク入口21からヘッド12内に入ったインク50は、上流側共通インク室51から多数形成されたチャネル57内ヘインク供給される。チャネル57の内壁には、本実施形態では、圧電素子によって構成されたアクチュエータ58が形成されている。前記駆動波形源41から出力される駆動波形をアクチュエータ58に印加することによって、チャネル57内のインクを加圧・減圧するように動作する。
加圧されたインク50の一部は、ノズルプレート56に形成されたノズル55からインク液滴60となって記録媒体45(図1参照)に向かって飛翔する。また、減圧によって上流側共通インク室51からインク50がチャネル57内に補充される。インク液滴60として吐出されないインク50は、チャネル57から下流側共通インク室52を経て、インク出口22からヘッド12外へ排出され、インク経路へ戻り、再利用される。
このようにして、ヘッド12にインクが安定して循環供給されると、記録媒体45に対して印字動作が可能となる。制御装置40は、インク温度、インク循環量、ヘッドの固有の情報、例えば、製造上の寸法精度誤差や、温度による寸法のずれを補正したもの等に基づいて、予め設定された波形データから最適な駆動波形を選択する。そして、駆動波形源41は、この制御装置40で選択されて指示された波形でデータに基づいて、予め設定された電圧やパルス幅、波形の構成等の駆動波形を、ヘッド12に印加する。
ヘッド12は、供給された最適駆動波形に従って動作し、適切なインク液滴の吐出動作が行われることで、設定された液滴量で常に安定して印字することが可能である。
次に、図3を参照して、制御装置40が選択する最適な駆動波形を予め設定する方法、及び最適な駆動波形の選択方法について説明する。
インク吐出が安定して動作している状態とは、いろいろな周囲の変動に対して、不吐出や、インク液滴の吐出方向のばらつき、インク液滴量の変動等、印刷画質を低下させる要因がない、若しくは少ない状態が望ましい。そのため、インクの吐出条件を種々変更してインク吐出を行い、吐出されたインク液滴の体積や形状、飛翔状態を測定したり、印字した画質を評価したりすることで、駆動波形の電圧やパルス幅等の諸条件を設定し、安定した吐出が得られる駆動波形を作成していく。これら、インクに対する様々な条件に対しての複数の駆動波形を制御装置40に蓄積して、条件に合わせて駆動波形源から出力される最適駆動波形が選択される。
駆動条件に影響を与える代表的なインクの要因として温度がある。インクジェット記録装置は様々な環境温度で使用される上、電源を入れた直後と、起動から一定時間経過後では、インク温度が異なることから駆動条件を変更する必要があった。更に、本実施形態では、循環系のインク経路を使用しているために、インク循環が吐出状態に与える影響を測定している。
図3は、パルス幅とインク循環量の組合せに於ける画質への影響の例を示している。図3(a)に示されるように、評価結果の○印が印字に使用できる領域であって、△印は画質の劣化が見られ、×印は画質が悪く使用不可であるとしている。そして、図3(b)に示されるように、インク循環量を0ml/分、5ml/分、200ml/分の場合について、パルス幅を変更して測定している。
この例では、パルス幅のレベルは1.7μs〜2.7μsの間で変更している。そして、この結果によると、良好に印字できる適正なパルス幅の範囲はインク循環が停止している状態(0ml/分)では、パルス幅は2.3μs〜2.5μs、循環量が5ml/分の場合は2.1μs〜2.2μs、循環量が200ml/分の場合は1.9μs〜2.0μsであった。したがって、この例の場合は、インク循環量によって、良好に印字できるパルス幅領域が異なっていることがわかる。
図4は、前述したインク循環量と画質との関係を詳細に示したグラフである。
図4に於いて、短いパルス幅(例えば1.6μs)から長いパルス幅(例えば3.6μs)までを、例えば、0.02μsステップで変更し、そのときの印字画質を、印刷に使用可否での閾値で設定し、使用可能な領域を○印、使用不可の領域である×印にランク分けして示している。インク循環量は、前述した図3の表と対応して、循環停止状態(0ml/分)、循環量小(例えば5ml/分)、循環量大(例えば、200ml/分)と変化させたときの適正パルス幅領域を設定した結果である。ここでは、インク温度による液滴量変動など他の条件については、他の駆動条件、例えば電圧等で補正しているが、それらは記載を省略している。
この結果によると、インク循環量によって最適なパルス幅領域は異なっており、更にインク循環を停止するか、循環量を少なくした条件の方が広いパルス幅領域で画質が良好であって、適正駆動条件範囲は広くなっていた。
駆動条件範囲は、広い方がヘッド12の寸法ばらつき、インクジェット記録装置10の環境変動に対しても、寛容のある使用方法を取ることができる。
単位時間当たりの印字量(デューティ)が高い場合は、実質的にヘッド12を長時間駆動しなければならないが、ヘッド12を長時間駆動させることによって発熱し、インク50の温度が上昇してしまう。そこで、冷却する必要があるので、通常はインク50の循環量を多くすることによってヘッド12の温度を吸収して上昇していた温度を下げる、つまり一定の温度に保つようにする。しかしながら、インク循環量を変更すると、前述したように、同じパルス幅では画質レベルが最適なものとはならなくなる。したがって、インク循環量の変更に対応してパルス幅を変更することによって、画質レベルを良好なものに保つようにしている。
また、インク循環は、印字動作によって発生するヘッド12の熱を冷却したり、何らかの原因によりインク経路内に入りこんだ気泡の除去を行ったりして、安定した印字状態を維持するものである。そのため、画像率が高い画像データや、大量の印刷等、高デューティの画像を大量に出力するためには、インク循環量を多くしてヘッド12の駆動条件を安定に保つ必要があるが、非印字には、無駄な電力消費となるので停止しておいた方が良い。本実施形態では、インク循環量の増加に従い、適正駆動パルス幅範囲がシフトすると共に、狭くなるようなヘッド12の駆動条件となっているので、この特徴を生かした駆動制御を行う必要がある。
先ず、インクジェット記録装置10の起動時には、インク循環も当然停止しており、またインク温度も最適値から外れている可能性もある。通常の起動方法としては、インク循環を開始して、設定した循環量になり、更に必要ならばインク温度を最適値になるように加熱・冷却部33の制御を行う。インク循環量とインク温度が安定した状態になったならば、その時のインク循環量に応じた最適駆動波形を選択して、ヘッド12を駆動することで、大量の印刷を安定して行うことを実現できる。
しかし、インク循環量や温度等、印刷に必要な条件が全て設定値になるまでは、全く印字できないことは非常に不便であり、特に事務用印刷機として使用する場合は、印刷待ち時間が長くなり非効率である。
そのため、本実施形態に於いては、インク循環停止時、或いはインク循環量が少ない時には適正駆動条件範囲が広いことを利用し、低デューティでの印刷、例えば、画像率が小さい画像データや小枚数の印刷をするときには、非循環で印刷するようにする。この場合、インク温度が設定値に到達していない場合もあるが、適正駆動条件範囲が広いインク循環を停止させ、循環停止時の適正パルス幅である駆動波形を選択することで問題なく印刷することができる。
また、高デューティな印刷、例えば、画像率が大きな画像データや大枚数の印刷をするときは、インク循環を開始し、インク温度、インク循環量等が設定値に到達して、駆動条件が十分安定化した状態になったらならば、インク循環量大時の適正パルス幅を選択することで、高デューティな印刷を安定して行うことができる。
更に、駆動条件が安定化した後、印刷待ちで循環を停止している状態で、低デューティでの印刷要求がきた場合には、循環を停止したままで、循環停止時の適正パルス幅を選択することで、問題なく高品質な画像を印刷することができる。
このような、インク循環量で最適駆動波形が変化する理由は、下記のような要因が考えられる。
先ず、インク循環することで、インクの特性が変わってしまっていることが推測される。
循環するインク50は、ヘッド12内部のチャネル57内でインク流となって動いている。チャネル57は、内壁を構成するアクチュエータ58と、それに接着されたノズルプレート56とで構成され、従って、ノズルプレート56に開口しているノズル55周辺のインクもインク流となっているため、吐出されるインクはそのインク流の一部である。
インクは単一成分でなく、例えば顔料インクの場合は、溶媒中に顔料粒子を分散したコロイド液であるから、非ニュートン液体であり、インクが受ける応力によってチクソトロピーやレオペクシー、ダイラタンシーと呼ばれる現象のため、粘性が変わってしまう。そのため、インク50がチャネル57内を流れることで、非循環状態と循環状態では違った物性になっていることが考えられる。また、その変化量は循環量によって、受ける応力の違いが、適正駆動条件の差になって現れていることが推測される。
前記のようなインク循環量を変えることで変化する要因により、ヘッド12の適正駆動条件が変わるため、本実施形態のように、インク循環量によって駆駆動波形を切り替えることで、常に最適な印刷品質と印刷効率を確保できるインクジェット記録装置を提供することができる。
尚、前述した実施形態では、インク循環量に応じて変更される駆動波形は、パルス幅を変化させたものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば図6に示すように駆動波形のパルスの電圧値で示される振幅を変化させたものであっても良い。また、駆動波形の変化は図5,6に示す様に1個のインク液滴を吐出する2つのパルスの幅や振幅を同様に変化させているが、異ならせても良いし、一方のみ変化させても良い。また、パルスの幅と振幅を組み合わせて変化させても良い。また駆動波形は図5,6に示す矩形波状に限らず三角波、サイン波等やこれらの組み合わせであっても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示したブロック図である。 図1に示された本実施形態で使用するヘッド12の内部の構成を示した模式図である。 制御装置40が選択する最適な駆動波形を予め設定する方法、及び最適な駆動波形の選択方法について説明するためのもので、(a)は画質レベルの状態の例を示した図、(b)はパルス幅とインク循環量の組合せに於ける画質への影響の例を示した図である。 インク循環量と画質との関係を詳細に示したグラフである。 駆動波形のパルス幅を変化させた例を示した図である。 駆動波形のパルスの振幅を変化させた例を示した図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…ヘッド、14…3インク供給部、16…メンテナンス機構、21…インク入口、22…インク出口、23、30…センサ、25…上流タンク、26…下流タンク、27…インクチューブ、28a、28b…インクレベルセンサ、29a、29b…大気開放バルブ、32…循環ポンプ、33…加熱・冷却部、35…インクボトル、36…インク補給弁、40…制御装置、41…駆動波形源、43…用紙搬送機構、45…記録媒体、47…吸引キャップ、48…吸引ポンプ、50…インク、51…上流側共通インク室、52…下流側共通インク室、55…ノズル、56…ノズルプレート、57…チャネル、58…アクチュエータ、60…インク液滴。

Claims (9)

  1. 記録媒体にインクを吐出し画像形成するもので所定の駆動波形が印加されるインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドを含むインク経路にインクを循環させて前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク循環供給部と、
    を少なくとも有し、
    前記駆動波形は、前記インク経路でのインク循環量に対応した少なくとも2種類の駆動波形を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録媒体への単位時間当たりの印字量に応じて前記インク循環量を変更することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記少なくとも2種類の駆動波形は、前記駆動波形のパルス幅が異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インク循環量が多いときの適正な前記パルス幅の範囲と、前記インク循環量が少ないときの適正な前記パルス幅の範囲が異なることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録媒体にインクを吐出し画像形成するインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドを含むインク経路にインクを循環させて前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給するインク循環供給部と、
    前記インク経路でのインク循環量に対応した少なくとも2種類の駆動波形を前記インクジェット記録ヘッドに印加する駆動波形出力手段と、
    を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記インク循環供給部は、前記記録媒体への単位時間当たりの印字量に応じて前記インク循環量を変更することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記少なくとも2種類の駆動波形は、互いの駆動波形のパルス幅が異なることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記駆動波形のパルス幅は、前記インク循環量に応じて前記パルス幅の設定範囲が異なることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記駆動波形のパルス幅は、前記インク循環量が多いときが、該インク循環量が少ないときよりも短いことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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