JP2018099791A - インク供給システムおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

インク供給システムおよびインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2018099791A
JP2018099791A JP2016245699A JP2016245699A JP2018099791A JP 2018099791 A JP2018099791 A JP 2018099791A JP 2016245699 A JP2016245699 A JP 2016245699A JP 2016245699 A JP2016245699 A JP 2016245699A JP 2018099791 A JP2018099791 A JP 2018099791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
pressure
supply
flow path
pressure chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2016245699A
Other languages
English (en)
Inventor
哲教 丹山
Tetsunori Niyama
哲教 丹山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland DG Corp
Original Assignee
Roland DG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland DG Corp filed Critical Roland DG Corp
Priority to JP2016245699A priority Critical patent/JP2018099791A/ja
Publication of JP2018099791A publication Critical patent/JP2018099791A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】ノズル内のインクを効果的に攪拌できるインク供給システムを提案する。
【解決手段】
本発明に係るインク供給システム30は、インクタンク34と、インクヘッド32と、供給流路42と、帰還流路44と、インクヘッド32にインクを供給する供給ポンプ52と、インクヘッド32からインクを回収する帰還ポンプ54と、制御装置とを備える。インクヘッド32は、ノズル32aとノズル32aに接続された圧力室32bとを備える。制御装置は、インクをインクタンク34、供給流路42、インクヘッド32、および帰還流路44において循環させる。また、インクを循環させる際に、圧力室32b内のインクの圧力を、インクが吐出される際の圧力である第1の圧力よりも低い第2の圧力に保持するように設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、インク供給システムおよびインクジェットプリンタに関する。
従来から、インクを吐出するインクヘッドを備えた印刷装置が知られている。インクヘッドには、インクが貯留されたインクタンクが接続されており、インクタンク内のインクがインクヘッドに供給される。
ところで、インクが顔料を含む顔料インクなどの場合、インクを動かすことなく放置しておくと、顔料がインク内に沈降したり、インクが増粘したりする。顔料がインク内に沈降したりインクが増粘したりすると、色ムラや吐出不良等の印刷品質の低下に繋がりやすい。そこで、インクタンクとインクヘッドとを接続している流路に循環流路を接続し、上記循環流路内でインクを循環させることによってインクを攪拌する技術が知られている。特許文献1には、循環流路と、インクに負圧を与える負圧発生手段とを備えたインクジェット塗布液制御装置が開示されている。
特許第5826896号公報
しかしながら、上記循環による攪拌によっても流路内の全インクを攪拌するのは困難である。例えば、インクヘッドのノズル内などは、インクの流れの影響を受けにくく、循環による攪拌効果が薄い。さらに、ノズル内は、インクの放置によってインク成分が沈降しやすい部位である。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル内のインクを効果的に攪拌できるインク供給システムを提案することである。また、そのようなインク供給システムを備えたインクジェットプリンタを提案することである。
本発明に係るインク供給システムは、インクが貯留されるインクタンクと、インクヘッドと、一端が前記インクタンクに接続され他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、一端が前記インクヘッドに接続され他端が前記インクタンクに接続された帰還流路と、前記供給流路に設けられ前記インクヘッドに前記インクを供給する供給ポンプと、前記帰還流路に設けられ前記インクヘッドから前記インクを回収する帰還ポンプと、制御装置と、を備える。前記インクヘッドは、前記インクが吐出されるノズルと、前記ノズルに接続され前記インクが貯留される圧力室とを備えている。前記制御装置は、前記供給ポンプおよび前記帰還ポンプを制御して、前記インクを前記インクタンク、前記供給流路、前記インクヘッド、および前記帰還流路において循環させる。また、前記制御装置は、前記インクを循環させる際に、前記圧力室内の前記インクの圧力を、前記インクが吐出される際の圧力である第1の圧力よりも低い第2の圧力に保持するように設定されている。
前記インク供給システムによれば、供給ポンプおよび帰還ポンプの駆動によりインクが循環するとともに、供給ポンプが送給するインクの圧力と帰還ポンプが吸引するインクの圧力とのバランスにより、インクヘッド内、より詳しくはインクヘッド内に設けられた圧力室内のインクの圧力を調整できる。そして、圧力室内のインクの圧力を、吐出時の圧力である第1の圧力から、第1の圧力よりも低圧の(負圧が強い)第2の圧力に切り替えることによって、ノズル内のインクを圧力室側に向かって引き込むことができる。圧力室内のインク圧を上記第2の圧力に保持した状態でインクを循環させることにより、ノズル内に貯まっていたインクが循環するインクの流れに引き込まれ、ノズル内のインクに対しても、効果的な攪拌が可能となる。
第1実施形態に係るプリンタの正面図である。 インク供給システムおよびキャッピングシステムを示す模式図である。 インクヘッドにおけるノズル付近の模式図である。 第1実施形態に係るプリンタのブロック図である。 「第2の状態」におけるノズル付近の模式図である。 圧力室内のインク圧力の設定方法を示すブロック図である。 インクに微振動を与えている状態におけるノズル付近の模式図である。 第4実施形態に係るインク供給システムおよび循環制御部を示す模式図である。 一変形例に係るインク供給システムを示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインク供給システム、および、インク供給システムを備えたインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)10の正面図である。プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。以下の説明において、図面中の符号L、R、U、Dは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味する。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5に対して印刷を行うものである。本実施形態では、記録媒体5はロール状の記録紙であり、いわゆる、ロール紙である。しかしながら、記録媒体5は、ロール状の記録紙に限定されない。例えば、記録媒体5は、樹脂製のシートであってもよい。また、記録媒体5は、可撓性を有するシートに限らず、ガラスの基板などの材質が硬い媒体であってもよい。本実施形態では、記録媒体5を形成する材料は特に限定されない。
本実施形態に係るプリンタ10は、プリンタ本体12と、プリンタ本体12に固定されたガイドレール22とを備えている。ガイドレール22は左右方向に延びており、ガイドレール22にはキャリッジ24が係合している。キャリッジ24は、ガイドレール22に沿って左右に摺動可能である。キャリッジ24には、無端状のベルト26が固定されている。図示は省略するが、ガイドレール22の左端側および右端側には、それぞれローラが設けられ、これらローラのうちいずれか一方には、キャリッジモータ24a(図4参照)が接続されている。キャリッジモータ24aに接続された一方のローラは、キャリッジモータ24aによって回転する。ガイドレール22の両端側にそれぞれ設けられたローラには、ベルト26が巻き掛けられている。キャリッジモータ24aが駆動して、上記ローラが回転することでベルト26が走行すると、キャリッジ24が左右方向に移動する。このように、キャリッジ24はガイドレール22に沿って左右方向に移動可能に構成されている。
プリンタ本体12には、記録媒体5が載置されるプラテン14が設けられている。プラテン14は、記録媒体5に対して印刷を行う際、記録媒体5を支持する部材である。プラテン14には、上下一対のグリッドローラ(図示せず)およびピンチローラ(図示せず)が設けられている。このグリッドローラには、フィードモータ14a(図4参照)が連結されている。上記グリッドローラは、フィードモータ14aによって回転駆動される。記録媒体5が上記グリッドローラと上記ピンチローラとの間に挟まれた状態で、上記グリッドローラが回転することで、記録媒体5は前後方向に搬送される。
本実施形態に係るプリンタ10は、複数のインク供給システムを有している。図2は、インク供給システム30およびキャッピングシステム80を示す模式図である。インク供給システム30は、インクタンク34からインクヘッド32に向かってインクを供給するシステムである。また、インク供給システム30は、インクヘッド32に供給されたインクを循環させるシステムである。インク供給システム30は、1つのインクヘッド32(図1参照)ごとに設けられている。1つのインク供給システム30は、1つのインクタンク34を有している。本実施形態においては、インクヘッド32の数は「8」であるため、インク供給システム30の数は「8」である。ただし、インクヘッド32の数、および、インク供給システム30の数は特に限定されない。なお、複数のインク供給システム30は、それぞれ同じ構成をしている。そのため、以下では、1つのインク供給システム30の構成について詳述する。
図2に示すように、インク供給システム30は、インクヘッド32と、インクタンク34と、供給流路42と、帰還流路44と、排出流路46と、供給ポンプ52と、帰還ポンプ54と、排出ポンプ56と、供給側ダンパ62と、帰還側ダンパ64と、エアトラップ72と、供給側バルブ66と、帰還側バルブ68と、排出側バルブ70と、廃液タンク88と、を備えている。以下の説明においては、適宜、インクヘッド32にインクが流入する側を供給側と称し、インクヘッド32からインクが流出する側を帰還側と称することとする。
図1に示すように、インクヘッド32は、キャリッジ24に搭載されている。インクヘッド32は、キャリッジ24を介してガイドレール22に沿って左右方向に移動可能である。インクヘッド32は、プラテン14に載置された記録媒体5にインクを吐出する。図2に示すように、インクヘッド32の底面には、インクを吐出するノズル32aが形成されている。図3は、インクヘッド32におけるノズル32a付近の模式図である。図3は、ノズル32a付近の縦断面図である。図3に示されるように、インクヘッド32は、インクが吐出されるノズル32aと、ノズル32aに接続されインクが貯留される圧力室32bと、圧力室32bを収縮または拡張させる吐出機構を備えている。本実施形態に係るインクヘッド32にあっては、上記吐出機構は、圧電素子32cである。ノズル32aは、圧力室32bの底面32dに設けられた微小な穴である。圧力室32bの天面部の外壁32eには、圧電素子32cが取り付けられている。圧電素子32cは、電圧を印加されると変形する素子であって、圧電素子32cの変位によって天面部の外壁32eが変位させられ、天面部の外壁32eが変位することによって圧力室32bは拡張/収縮される。圧力室32bが圧縮されたとき、ノズル32aからインクが吐出される。圧力室32bが拡張されたとき、圧力室32bにインクが充填される。
インクタンク34は、インクを貯留する部材である。インクタンク34は、プリンタ本体12に着脱自在に設けられている。詳しくは、図1に示すように、プリンタ本体12には、インクタンク収容部36が設けられており、複数のインクタンク34は、インクタンク収容部36に収容されている。ただし、インクタンク34の配置位置は特に限定されず、例えば、キャリッジ24に着脱自在に設けられていてもよい。1つのインクタンク34に貯留されているインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、および、ブラックインクなどのプロセスカラーインクと、ホワイトインク、メタリックインク、および、クリアインクなどの特色インクのうち何れかのインクである。上記インクのうち、例えば、ホワイトインクなどは、インク内に顔料を含み、放置しておくと顔料の沈降が起きやすいインクである。
供給流路42は、インクタンク34内に貯留されたインクをインクヘッド32に供給するための流路である。そこで、供給流路42は、一端がインクタンク34に接続され、他端がインクヘッド32に接続されている。供給流路42の途中には、供給側バルブ66、エアトラップ72、供給ポンプ52、および供給側ダンパ62が設けられている。上記4者のうち、供給側バルブ66が最もインクタンク34に近い位置に設けられている。供給側バルブ66は、供給流路42を開閉するバルブである。供給側バルブ66のインクヘッド32側には、エアトラップ72が配置されている。図示は省略するが、エアトラップ72は、供給流路42において最も鉛直方向に高い位置に設置されている。エアトラップ72のインクヘッド32側には、供給ポンプ52が配置されている。供給ポンプ52は、インクタンク34からインクヘッド32に向かう方向に送液するように設定されている。供給ポンプ52のさらにインクヘッド32側には、供給側ダンパ62が配置されている。従って、供給流路42には、インクタンク34側から順に、供給側バルブ66、エアトラップ72、供給ポンプ52、および供給側ダンパ62が設置されている。
帰還流路44は、インクヘッド32内のインクを帰還させるための流路である。そこで、帰還流路44は、一端がインクヘッド32に接続され、他端がインクタンク34に接続されている。帰還流路44の途中には、インクタンク34側から順に、帰還側バルブ68、帰還ポンプ54および帰還側ダンパ64が設けられている。帰還側バルブ68は、帰還流路44を開閉するバルブである。帰還ポンプ54は、インクヘッド32からインクタンク34に向かう方向に送液するように設定されている。
排出流路46は、供給流路42、帰還流路44内のインクを外部へ排出する流路である。本実施形態に係るインク供給システム30においては、排出流路46の一端は、供給流路42の途中に接続されている。より詳しくは、上記接続位置は、エアトラップ72と供給ポンプ52との間である。排出流路46の他端には、廃液タンク88が接続されている。廃液タンク88は、インク供給システム30から排出されたインクが廃棄されるタンクである。排出流路46の途中には、供給流路42側から順に、排出側バルブ70および排出ポンプ56が設けられている。排出側バルブ70は、供給流路42と排出流路46との間を開放/閉鎖するバルブである。排出ポンプ56は、供給流路42、帰還流路44内のインクを廃液タンク88に送出するポンプである。排出ポンプ56は、駆動時には、排出側バルブ70から廃液タンク88に向かう方向に送液するように設定されている。
供給流路42および帰還流路44は、インクヘッド32およびインクタンク34を介して循環流路48を形成している。上記供給流路42、帰還流路44、および排出流路46の種類および材質は限定されないが、例えば、可撓性を有するチューブである。
供給ポンプ52および帰還ポンプ54は、インクを送給するための部材である。供給ポンプ52は、インクヘッド32に向かってインクを供給するためのポンプであり、インクヘッド32に流すインクの流量を調整する。帰還ポンプ54は、インクヘッド32からインクタンク34へインクを帰還させるためのポンプであり、インクヘッド32から流出するインクの流量を調整する。供給ポンプ52によってインクの供給流量が調整されることで、供給流路42のインク圧力が調整される。帰還ポンプ54によってインクの帰還流量が調節されることで、帰還流路44のインク圧力が調整される。インクヘッド32の供給側および帰還側の圧力が調整されることで、インクヘッド32内のインクの圧力が調整される。供給ポンプ52、帰還ポンプ54の種類は特に限定されず、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプ等である。
供給側ダンパ62および帰還側ダンパ64は、インクの圧力変動を緩和してインクヘッド32のインク吐出動作を安定させるとともに、インクヘッド32内のインクの圧力、より詳しくはインクヘッド32に設けられた圧力室32b内のインクの圧力を所望の圧力に調整するための部材である。供給側ダンパ62は、供給側ダンパ62に流入するインクの圧力を検出する。供給ポンプ52の駆動は、供給側ダンパ62による圧力の検出結果に基づいて制御される。帰還側ダンパ64は、帰還側ダンパ64に流入するインクの圧力を検出する。帰還ポンプ54の駆動は、帰還側ダンパ64による流量の検出結果に基づいて制御される。
供給側ダンパ62の内部には、インクが貯留される貯留室と、貯留室内のインクの圧力を測定する供給側圧力センサ62aが備えられている。供給ポンプ52が駆動し、インクを供給側ダンパ62に供給し続けることで、貯留室内のインク圧が所定の圧力以上に上昇すると、供給側圧力センサ62aは、制御装置100(図4参照)内の循環制御部104(図4参照)に信号を送信する。循環制御部104は、供給側圧力センサ62aからの信号を受けて、送液量を減少させるように供給ポンプ52の駆動を制御する。逆に、供給側ダンパ62において、貯留室内のインクの圧力が所定の圧力を下回ると、制御装置100は、供給ポンプ52のインクの流量を増加させるように、供給ポンプ52の駆動を制御する。上記のようにして、供給流路42におけるインクの圧力は、所望の圧力に保持される。帰還側ダンパ64においても同様に、帰還側圧力センサ64aが帰還側ダンパ64内のインクの圧力を測定し、循環制御部104が帰還ポンプ54の駆動を制御することによって、帰還流路44におけるインクの圧力が制御される。インクヘッド32内のインクの圧力、より詳しくは圧力室32b内のインクの圧力は、供給側圧力センサ62aによって測定された圧力および帰還側圧力センサ64aによって測定された圧力から推定される。
なお、本実施形態に係る供給側ダンパ62および帰還側ダンパ64は圧力センサを備え、圧力センサでインクの圧力を測定しているが、インクの圧力の代わりに、貯留室内のインク貯留量で代替してもよい。上記インク貯留量で代替するシステムの場合、供給側ダンパ62および帰還側ダンパ64は、典型的には、貯留室の一面に伸縮する膜を備える。そして、センサは、貯留室内に貯留されているインクの量に応じて変化する膜の伸縮量を測定する。その場合のセンサは、例えば、位置検出用のフォトセンサ等である。
エアトラップ72は、供給流路42の最も高い位置に配置されている。エアトラップ72は、インク内に含まれる空気を捕獲する装置である。エアトラップ72は、インク内の空気を捕獲する捕獲室を備えている。捕獲室はインクの入口および出口を備え、インクは捕獲室内をインクヘッド32方向に向かって通過する。捕獲室の、インクの液面が届かない上部には空気溜まりが設けられ、インクに含まれている空気は、捕獲室内を通過する際に、上記空気溜まりに回収される。エアトラップ72は、このように供給流路42内に巻き込まれている空気を捕獲する。
本実施形態に係るプリンタ10は、図2に示されるように、キャッピングシステム80を備えている。キャッピングシステム80は、キャップ82と、キャップ移動機構84と、吸引ポンプ86とを備える。キャップ82および吸引ポンプ86は、ガイドレール22(図1参照)の右端部に位置するホームポジション(図示省略)に配置されている。ホームポジションとは、印刷待機時、すなわち、印刷が行われていない時に、インクヘッド32が待機する位置のことである。キャップ82は、インクヘッド32のノズル32aに付着したインクが硬化して、ノズル32aが詰まることを抑制するものである。キャップ82は、印刷待機時において、インクヘッド32のノズル32aを覆うようにインクヘッド32に装着される。キャップ移動機構84は、キャップ82に接続されている。キャップ移動機構84は、ホームポジションにおいて、インクヘッド32のノズル面に向かってキャップ82を上下移動させる機構である。このキャップ移動機構84の構成は特に限定されないが、例えば、駆動モータを備えている。キャップ移動機構84は、上記駆動モータを駆動することによって、キャップ82を上下移動させる。
吸引ポンプ86は、インクヘッド32にキャップ82が装着されている状態において、インクヘッド32内のインクを吸引する部材である。上記吸引も、インクヘッド32のノズル32aの詰まりを予防するための作業である。吸引ポンプ86の吸引口は、キャップ82に接続されている。吸引ポンプ86の排出口は、廃液タンク88と接続されている。吸引ポンプ86によって吸引されたインクは、廃液タンク88に廃棄される。
図4は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、制御装置100を備えている。制御装置100の構成は特に限定されない。例えば、制御装置100は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。
本実施形態に係る制御装置100は、印刷制御部102と、循環制御部104と、排出制御部106と、キャッピング制御部108と、モード選択部110と、警告部112とを備えている。制御装置100の上記各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。また、制御装置100の各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
印刷制御部102は、印刷に関わる制御を行う部材である。印刷制御部102は、キャリッジモータ24a、フィードモータ14a、およびインクヘッド32内の圧電素子32cに接続され、それらの動作を制御する。
循環制御部104は、インクタンク34、供給流路42、インクヘッド32、帰還流路44から構成される循環流路48(図2参照)内におけるインクの循環に関わる制御を行う部材である。循環制御部104は、供給ポンプ52および帰還ポンプ54と接続され、供給ポンプ52および帰還ポンプ54の駆動を制御する。上記駆動制御は、循環制御部104に入力される供給側圧力センサ62aおよび帰還側圧力センサ64aの信号に基づいて行われる。循環制御部104は、供給側圧力センサ62aおよび帰還側圧力センサ64aと接続されている。供給側ダンパ62および帰還側ダンパ64の説明において説明されたように、循環制御部104は、供給側ダンパ62内のインク圧、および帰還側ダンパ64内のインク圧をそれぞれ所定の圧力に保つように、供給ポンプ52、帰還ポンプ54の駆動をそれぞれ制御する。
排出制御部106は、供給流路42および帰還流路44内のインクを排出する動作を制御する部材である。排出制御部106は、排出ポンプ56、供給側バルブ66、帰還側バルブ68、排出側バルブ70と接続され、インク排出時には、それらの動作を制御する。
キャッピング制御部108は、キャッピングシステム80の動作を制御する部材である。キャッピング制御部108は、キャップ移動機構84および吸引ポンプ86と接続され、キャッピング時およびインク吸引時には、それらの動作を制御する。
モード選択部110は、通常モード、攪拌モード、排出モード、および吸引モードを選択する部材である。各モードについては後述する。
警告部112は、予め定められた条件に当てはまるとき警告を発するように、プリンタ10に指令する部材である。上記警告については後述する。
本実施形態に係るプリンタ10は、通常モードにおいては、印刷待機状態または印刷状態に置かれる。印刷待機状態では、キャッピング制御部108は、キャップ移動機構84を制御して、インクヘッド32に対してキャップ82を装着させている。また、循環制御部104は、供給ポンプ52および帰還ポンプ54を制御して、定期的または不定期に、循環流路48内でインクを循環させている。上記循環は、例えば、顔料を含んだインクにおいて、顔料がインク内で沈降するのを防止するために行われる。同時に、循環制御部104は、供給側のインク圧および帰還側のインク圧を所定の圧力に制御することによって、インクヘッド32に設けられた圧力室32b内のインクの圧力を所定の圧力範囲に制御している。待機状態における圧力室32b内のインク圧は、インクが吐出可能であって、かつ、ノズル32aからインクが垂れない圧力に制御されている。上記圧力は、例えば、ゲージ圧で−1kPa程度である。なお、インクが吐出可能な圧力とは、圧電素子32cの変形によりノズル32aからインクが吐出可能な圧力を意味する。
印刷を行う際には、キャップ82はインクヘッド32から離反され、インクヘッド32は、キャリッジモータ24aの駆動によって、ホームポジションからプラテン14上に移動される。インクヘッド32は、プラテン14上に載置されている記録媒体5にインクを吐出しながら、キャリッジ24とともに、左右方向に走査される。このとき、各ノズル32aの吐出タイミング、およびキャリッジ24の走査が連動して制御され、左右方向における印刷を行う。その後、フィードモータ14aに連結されたグリッドローラによって記録媒体5が前方にフィードされ、次の位置での印刷が行われる。印刷制御部102は、印刷時、上記のような制御を行う。
排出モードでは、インク供給システム30は、供給流路42内および帰還流路44内のインクを排出する動作を行う。排出モードにおいて、排出制御部106は、供給側バルブ66および帰還側バルブ68を閉鎖させる。また、排出側バルブ70を開放させる。さらに、排出ポンプ56を駆動させて、供給流路42内および帰還流路44内のインクを、廃液タンク88に向かって吸引する。吸引されたインクは、廃液タンク88に廃棄される。上記排出モードによるインクの排出は、インクの交換やプリンタ10の移動などの場合に実施される。
吸引モードでは、キャッピングシステム80は、キャップ82を介してインクヘッド32からインクを吸引する動作を行う。キャッピング制御部108は、吸引時、キャッピングシステム80の各部を制御して、吸引作業を行わせる。
ところで、上記のように、本実施形態に係るプリンタ10は、各モードにおいてそれぞれの動作を行うように設定されているが、通常モードにおけるインクの循環だけではインク成分の沈降の問題に対処しきれない場合が存在する。例えば、長期間プリンタ10の電源を落として循環を行わなかった後などには、ノズル32a内には、顔料等のインク成分が沈降している。しかし、通常モードの循環では、インクヘッド32内においてインクが流れるのは、ノズル32aよりも上方の領域である。従って、ノズル32a内には循環するインクの流れの影響が及びにくく、ノズル32a内に沈降したインクを攪拌することが困難であった。特に沈降しやすいインクを使用する場合や、インクの粘度が上昇したりしている場合には、長期間の停止がされなくとも、同様の事態が発生し得た。
そこで、本実施形態に係るプリンタ10は、攪拌モードを備え、攪拌モードにおいては、通常モードよりもノズル内のインクをより効果的に攪拌できるように構成されている。循環制御部104は、インクを循環させる際に、圧力室32b内のインクの圧力を、インクが吐出される際の圧力である「第1の圧力」よりも低い「第2の圧力」に保持するように設定されている。上記「第1の圧力」は、通常モードにおける圧力室32b内のインクの圧力である。通常モードにおいては、圧力室32b内のインクの圧力が「第1の圧力」に保持されながら、定期的または不定期にインクが循環される。上記「第2の圧力」は、攪拌モードにおける圧力室32b内のインクの圧力である。攪拌モードにおいては、圧力室32b内のインクの圧力が「第2の圧力」に保持されながら、インクが循環される。
本実施形態に係るプリンタ10は、圧力室32b内のインク圧を「第2の圧力」(攪拌モード)に移行させることを選択可能なモード選択部110を備える。モード選択部110によって、攪拌モードが選択されると、循環制御部104は、圧力室32b内のインクの圧力を、「第2の圧力」に移行させる。本実施形態では、モードの選択は作業者が行う作業である。
以下、攪拌モードにおけるインクの攪拌について詳述する。なお、以下の説明においては、圧力室32b内のインク圧が「第1の圧力」に保持された状態を適宜「第1の状態」と称し、圧力室32b内のインク圧が「第2の圧力」に保持された状態を適宜「第2の状態」と称することとする。攪拌モードにおいては、圧力室32b内の状態は、「第2の状態」に保持される。上記「第2の状態」は、「第1の状態」に比べて、インクの圧力がより負圧になった状態である。上記「第1の状態」は、通常モードにおけるインクヘッド32内の状態であって、「第1の状態」において、インクはノズル32a内に吐出可能かつ垂れない程度に維持されている。既に説明したように、このときの圧力室32b内のインク圧は、ゲージ圧で−1kPa程度の負圧である。以下、圧力はすべてゲージ圧であるものとし、「ゲージ圧で」等の文言は省略する。上記「第2の状態」においては、圧力室32b内のインクの圧力は、例えば、−4〜−5kPaに設定される。
本願発明者の知見によれば、圧力室32b内を「第2の状態」に保持することで、ノズル32a内のインクが圧力室32bに向かって引き込まれる。図5は、「第2の状態」におけるノズル32a付近の模式図である。図5も、図3と同様に縦断面図である。「第2の状態」におけるインクの液面は、図5においては、符号S2で示されている。インクの液面S2は、圧力室32b方向に引き込まれ、圧力室32bの底面32dの内壁とほぼ同じ位置まで引き上げられている。一方、符号S1で示した液面は、「第1の状態」におけるインクの液面である。図5に示されるように、液面S1は、インクの吐出が可能なように、圧力室32bの底面32dの外壁とほぼ同じ位置まで下がっている。従って、圧力室32b内の状態を「第1の状態」から「第2の状態」に移行させることによって、ノズル32a内に残るインクのかなりの部分を圧力室32b内に引き込むことができる。第1の状態から第2の状態に移行するときのインクの引き込み量は、圧力室32bの底面32dの厚さLの75%〜105%に相当する量が好ましく、さらに好ましくは、圧力室32bの底面32dの厚さLの80%〜100%に相当する量である。なお、圧力室32bの底面32dの厚さLは、およそ40μm〜80μmである。
圧力室32b内には、符号FLで示されるようなインクの流れが存在している。上記インクの流れは、供給ポンプ52および帰還ポンプ54が作り出し、循環流路48を循環する循環流FLである。図5に示されるように、「第1の状態」においては、インクの液面S1はノズル32aの先端付近にあって、ノズル32a内に貯留されているインクには、循環流FLによる攪拌効果が及びにくい。一方、「第2の状態」においては、インクの液面S2はノズル32aの奥側の端部付近にあって、インク全体に循環流FLによる攪拌効果が及びやすい。
上記のように、本実施形態に係るインク供給システム30によれば、圧力室32b内のインク圧を「第1の圧力」よりも負圧の強い「第2の圧力」に保持することによって、ノズル32a内のインクを圧力室32b側に引き込み、より効果的な攪拌を実現することができる。特に、長期間の放置によってノズル32a内にインク成分が沈降してしまった後の回復において有効である。
本実施形態に係る制御装置100は、警告部112を備えている。警告部は、例えば、予め登録された時間以上インクの循環がされていなかったときに警告を発するように設定される。本実施形態においては、攪拌モードに入るのは作業者の操作によるため、上記警告によって作業者の注意を促すことができる。あるいは、制御装置100は、上記警告が発せられた場合には、攪拌モードを経てからでなければ、通常モードに入れないように構成されていてもよい。
上記警告を発すべき停止時間は、循環制御部104に予め登録されている。上記停止時間は、プリンタ10として一律に設定されてもよいし、インク供給システム30毎に設定されてもよい。あるいは上記停止時間は、インクの種類ごとに設定されていてもよい。その場合、各インク供給システム30における停止時間は、各インク供給システム30を流れるインクの種類によって決定される。インクの種類ごとに停止時間を設定する場合には、沈降しにくいインクには比較的長い時間を設定し、沈降しやすいインクには比較的短い時間を設定する。例えば、第1のインクと、第1のインクよりも沈降しやすい第2のインクとがあった場合に、第1のインクの停止時間を第2のインクの停止時間よりも長く設定する。そのように設定することで、沈降しにくいインクしか使用していないときに、不必要に攪拌モードに入ることを避けることができる。
圧力室32b内のインク圧を「第1の圧力」および「第2の圧力」に制御するための設定は、下記のように行われる。本実施形態においては、圧力室32b内のインク圧は直接に設定・計測されず、供給側ダンパ62内のインク圧および帰還側ダンパ64内のインク圧を介して設定・演算される。供給側ダンパ62内には供給側圧力センサ62aが設けられ、供給側のインク圧を測定している。帰還側ダンパ64内には帰還側圧力センサ64aが設けられ、帰還側のインク圧を測定している。圧力室32b内のインクの圧力は、供給側のインク圧と帰還側のインク圧とを予め定められた演算式に入力することで得られる。例えば、圧力室32b内のインク圧が、供給側圧力センサ62aによって測定された圧力と帰還側圧力センサ64aによって測定された圧力とのほぼ中間になるようにインク供給システム30が構成されている場合、圧力室32b内の推定インク圧は、供給側圧力センサ62aによって測定された圧力と帰還側圧力センサ64aによって測定された圧力との平均値である。即ち、上記例の場合における圧力室32b内のインク圧を推定する演算式は「平均値」である。そこで、圧力室32b内のインク圧をある一定の値に制御したい場合には、供給側のインク圧の目標値と帰還側のインク圧の目標値を上記演算式に入力して得られる値(この場合は平均値)が圧力室32b内のインク圧の目標値に等しくなるように、供給側のインク圧の目標値および帰還側のインク圧の目標値が設定される。そして、循環制御部104は、供給側圧力センサ62aによって測定される供給側ダンパ62内のインク圧が予め定められた目標値に近づくように、供給ポンプ52を制御する。また、循環制御部104は、帰還側圧力センサ64aによって測定される帰還側ダンパ64内のインク圧が予め定められた目標値に近づくように、帰還ポンプ54を制御する。供給側ダンパ62内のインク圧および帰還側ダンパ64内のインク圧の両方がそれぞれの目標値に制御されたとき、圧力室32b内のインク圧も目標値と等しくなったと推定される。
例えば、上記インク供給システム30において、「第1の圧力」の目標値が−1.5kPaであるとする。その場合、供給側のインク圧の目標値は、例えば3kPaに設定され、帰還側のインク圧の目標値は、例えば−6kPaに設定される。供給側のインク圧の目標値と帰還側のインク圧の目標値との平均値は、−1.5kPaである。この値は、「第1の圧力」の目標値に等しい。一方、「第2の圧力」の目標値が−4kPaであるとする。その場合、供給側のインク圧の目標値は、例えば2kPaに設定され、帰還側のインク圧の目標値は、例えば−10kPaに設定される。供給側のインク圧の目標値と帰還側のインク圧の目標値との平均値は、−4kPaである。この値は、「第2の圧力」の目標値に等しい。なお、供給ポンプ52はインクヘッド32にインクを送出するポンプなので、供給側のインク圧の目標値は正圧に設定される。逆に、帰還ポンプ54はインクヘッド32からインクを回収するポンプなので、帰還側のインク圧の目標値は負圧に設定される。
図6は、圧力室32b内のインク圧の設定方法を示すブロック図である。図6に示されるように、循環制御部104においては、供給側のインク圧の目標値SPSとして、「第1の圧力」に対応する第1の供給側の目標圧力SPS1、および「第2の圧力」に対応する第2の供給側の目標圧力SPS2が設定される。また、帰還側のインク圧の目標値SPRとして、「第1の圧力」に対応する第1の帰還側の目標圧力SPR1、および「第2の圧力」に対応する第2の帰還側の目標圧力SPR2が設定される。上述した例の場合には、第1の供給側の目標圧力SPS1は、3kPaである。第2の供給側の目標圧力SPS2は、2kPaである。第1の帰還側の目標圧力SPR1は、−6kPaである。第2の帰還側の目標圧力SPR2は、−10kPaである。第1の供給側の目標圧力SPS1および第1の帰還側の目標圧力SPR1は、平均値が「第1の圧力」の目標値SPH1と等しくなるように設定される。上記例の場合、「第1の圧力」の目標値SPH1は、−1.5kPaであって、第1の供給側の目標圧力SPS1(=3kPa)および第1の帰還側の目標圧力SPR1(=−6kPa)の平均値に等しい。さらに、第2の供給側の目標圧力SPS2および第2の帰還側の目標圧力SPR2は、平均値が「第2の圧力」の目標値SPH2と等しくなるように設定される。上記例の場合、「第2の圧力」の目標値SPH2は、−4kPaであって、第2の供給側の目標圧力SPS2(=2kPa)および第2の帰還側の目標圧力SPR2(=−10kPa)の平均値に等しい。循環制御部104は、圧力室32b内のインクの圧力を「第1の圧力」に保持する際には、供給側のインク圧の目標値SPSに第1の供給側の目標圧力SPS1を設定し、帰還側のインク圧の目標値SPRに第1の帰還側の目標圧力SPR1を設定する。循環制御部104は、圧力室32b内のインクの圧力を「第2の圧力」に保持する際には、供給側のインク圧の目標値SPSに第2の供給側の目標圧力SPS2を設定し、帰還側のインク圧の目標値SPRに第2の帰還側の目標圧力SPR2を設定する。なお、上記例においては、圧力室32b内のインクの圧力SPHを演算する演算式は「平均値」であるが、当然ながら上記演算式はインク供給システム30の構成によって異なる。また、第1の供給側の目標圧力SPS1、第2の供給側の目標圧力SPS2、第1の帰還側の目標圧力SPR1、および第2の帰還側の目標圧力SPR2は、インク供給システム30の設計における定数として予め定められてもよいし、圧力室32b内のインク圧の目標値SPH1およびSPH2から自動的に設定されるようになっていてもよい。
上記インク供給システム30によれば、「第1の圧力」および「第2の圧力」を、それぞれ数値で設定できる。数値で設定できることにより、最適な「第1の状態」および「第2の状態」を見出すための条件出しが容易である。また、供給ポンプ52、帰還ポンプ54のそれぞれについて個別に駆動を制御するため、供給ポンプ52および帰還ポンプ54の駆動制御が容易である。
本願発明者の知見によれば、「第1の圧力」は、−2kPa以上−1kPa未満が好ましい。より好ましくは、−1.5kPa以上−1.2kPa未満である。また、「第2の圧力」は、「第1の圧力」よりも低く、−2kPa未満が好ましい。より好ましくは、−4.5kPa以上−3kPa未満である。
攪拌モード(第2の圧力)から通常モード(第1の圧力)への移行は、例えば、攪拌モードが所定の実施時間だけ連続実施された後に実施される。上記実施時間は、循環制御部104に予め登録されている。上記実施時間は、プリンタ10として一律に設定されてもよく、インク供給システム30毎に設定されてもよい。あるいは上記実施時間は、インクの種類ごとに設定されていてもよく、各インク供給システム30における実施時間は、各インク供給システム30を流れるインクの種類によって決定されてもよい。
本実施形態に係るインク供給システム30は、供給流路42にエアトラップ72を備えている。エアトラップ72の設置される場所は、好ましくは供給流路42の途中であるが、帰還流路44の途中またはインクヘッド32内でもよい。本実施形態に係るインク供給システム30によれば、よりノズル32a内のインクを攪拌させるために、「第2の圧力」をより負圧に設定したとき、ノズル32aから外部の空気を引き込んでしまう虞がある。ノズル32aから外部の空気を引き込んでしまうと、インク内に空気が混入し、吐出不良の原因になり得る。しかし、本実施形態に係るインク供給システム30は、供給流路42にエアトラップ72を備えるため、エアトラップ72によって、インク内に含まれる空気を捕獲でき、空気の混入による吐出不良を抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るプリンタは、第1実施形態に係るプリンタ10を含み、ノズル内のインクをさらに効果的に攪拌できる構成を備えたプリンタである。そこで、第2実施形態に係るプリンタの説明においても、第1実施形態に係るプリンタ10の説明に用いたのと同じ符号を用いるものとし、第1実施形態に係るプリンタ10の説明において説明された事柄は説明を省略または簡略化するものとする。なお、後述する第3実施形態に係るプリンタ、および、第4実施形態に係るプリンタについても同様である。
本実施形態に係る循環制御部104は、圧力室32b内のインク圧が「第2の圧力」に保持されているときに、圧電素子32cを制御して、圧力室32bの収縮と拡張とを反復させるように設定されている。上記圧力室32bの収縮/拡張は、ノズル32aからインクが吐出されない限度においてである。
上記のように圧力室32bの収縮/拡張を反復させることによって、ノズル32a内のインクが振動させられる。この振動によって、よりノズル32a内のインクの攪拌が促進される。また、上記振動は、ノズル32aからインクが吐出されない限度内に収められているので、インクを無駄に消費することがない。
以下、上記振動を微振動と呼ぶこととし、図7を使って微振動について説明する。図7は、インクに微振動を与えている状態におけるノズル32a付近の模式図である。図7も、図5と同様にノズル32a付近の縦断面図である。図7(a)は、圧力室32bを収縮させた状態を示す図である。図7(a)において、インクの液面S3は、ノズル32aの先端付近まで下がっている。これは圧電素子32cによって圧力室32bが収縮させられているためである。一方、図7(b)は、圧力室32bを拡張させた状態を示す図である。図7(b)において、インクの液面S4は、ノズル32aの奥側の端部付近まで上がっている。これは圧電素子32cによって圧力室32bが収縮させられておらず、インクが「第2の状態」における強い負圧状態に置かれているためである。本実施形態に係るインク供給システム30においては、図7(a)の状態と図7(b)の状態とが交互に反復されている。上記反復によって、ノズル32a内のインクは微振動を与えられ、より効果的に攪拌される。
本実施形態に係るインク供給システム30は、上記微振動の周期を、第1の周期と、第1の周期よりも長い第2の周期との間で切り替え可能に構成されていてもよい。第1の周期で微振動を発生させるときの圧電素子32cの振動周波数は、例えば、10kHz程度である。即ち、その場合の第1の周期は、0.1msである。また、第2の周期で微振動を発生させるときの圧電素子32cの振動周波数は、例えば、1kHz程度である。即ち、その場合の第2の周期は、1msである。第1の周期での微振動によれば、ノズル32a付近のインクが速く動き、攪拌が促進される。一方、第2の周期での微振動によれば、第1の周期で微振動させた場合よりもインクの動きは遅いが、圧力室32b全体のインクが動き、圧力室32b全体のインクの攪拌が促進される。上記第1の周期での微振動と第2の周期での微振動は、規則的に繰り返すように構成されていてもよいし、作業者が択一的に選択できるように構成されていてもよい。
さらに、上記微振動は、圧力室32b内のインクの圧力が「第2の圧力」に移行するのに先立って開始されてもよい。以下、上記「第2の状態」に移行するのに先立って開始される微振動を「予備微振動」と呼ぶこととすると、予備微振動は、インクヘッド32内が「第2の状態」に移行されることによってノズル32a内のインクが圧力室32b側に引き込まれるよりも先に、ノズル32a内のインクを振動させ、インク成分の沈降を解消しやすくするための動作である。予備微振動が行われることによって、インクの攪拌がより効果的に行われる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るプリンタ10は、第1実施形態に係るプリンタ10を含み、さらに、「第2の状態」において圧力室32b内のインク圧を変動させることが可能に構成されたプリンタである。
本実施形態に係る循環制御部104は、圧力室32b内のインク圧が「第2の圧力」に保持されている際に、当該インク圧を変動させるように設定されている。即ち、攪拌モードの内部において、圧力室32b内のインク圧を増減させるように設定されている。上記場合において、圧力室32b内のインク圧が最も低い状態は、インクが最も圧力室32b側に引き込まれている状態である。また、圧力室32b内のインク圧が最も高い状態は、最も「第1の状態」に接近し、インクが最もノズル32aの先端付近まで下がっている状態である。
上記実施形態によれば、第2実施形態における振動と同様に、ノズル32a内においてインクを動かすことができる。このインクの動きによってインクの攪拌がより促進される。
上記インク圧の変動は、供給ポンプ52および帰還ポンプ54の両方または一方の送液量を変動させることによって行われる。圧力室32b内のインク圧を上昇させる際には、供給ポンプ52の送液量を上昇させるか、または帰還ポンプの送液量を減少させる。あるいは、両者が同時に行われてもよい。圧力室32b内のインク圧を下降させる際には、供給ポンプ52の送液量を減少させるか、または帰還ポンプの送液量を増加させる。あるいは、両者が同時に行われてもよい。また、上記インク圧の変動は、インク圧を最大値から最小値へ、あるいは最小値から最大値へ直接移行させるものであってもよいし、段階的に移行させるものであってもよい。インク圧を最大値から最小値へ、あるいは最小値から最大値へ直接移行させる場合には、インクをより速く動かすことができ、攪拌効果がより高まる。一方、段階的に移行させる場合には、インク圧のハンチング等が起こりにくく、制御が容易である。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るプリンタ10は、第1実施形態に係るプリンタ10を含み、さらに、インクの温度に基づいて「第2の圧力」を補正するように構成されたプリンタである。
本実施形態に係るインク供給システム30は、供給流路42、帰還流路44、およびインクヘッド32の少なくともいずれかに、インクの温度を測定する温度センサを備える。本実施形態においては、温度センサは、供給流路42に設置されている。そして、循環制御部104は、上記温度センサで測定されたインクの温度に基づいて、少なくとも「第2の圧力」を補正するように設定されている。
図8は、本実施形態に係るインク供給システム30および循環制御部104を示す模式図である。図8に示されるように、本実施形態に係るインク供給システム30は、エアトラップ72と供給側ダンパ62との間の供給流路42に、温度センサ74を備えている。温度センサ74は、例えば熱電対と、熱電対で測定した温度を電気信号に変換して出力するアンプである。温度センサ74は、インクの温度を測定し、測定したインクの温度に基づいた信号を送信する。上記信号は、例えば、4−20mAのスパンに調整された電流信号である。温度センサ74は、循環制御部104と接続され、循環制御部104に上記信号を送信する。循環制御部104は、温度センサ74からの信号に基づいて、「第2の圧力」の目標値を補正する。
インクの粘度は温度によって変化する。通常、温度が上昇するとインクの粘度は上昇する。インクの粘度が上昇した場合、ノズル32aにおいてインクを吸い上げるのに、粘度が低い場合よりもより強い負圧が必要になる。「第2の圧力」の目標値をインクの温度によって補正する必要性は、上記のようなインクの特性によって生じる。勿論、「第2の状態」の際だけでなく、「第1の状態」においても上記補正を行ってもよい。
循環制御部104には、例えば、圧力室32b内のインク圧についての温度テーブルが記憶されている。循環制御部104は、温度センサ74から受信した信号および上記温度テーブルに基づいて、圧力室32b内のインク圧の設定値を補正する。上記温度テーブルは、インクの種類ごとに登録されていることが望ましい。なお、循環制御部104には、上記温度テーブルの代わりに、温度による補正式が記憶されていてもよい。補正式もまた、インクの種類ごとに登録されていることが望ましい。例えば、温度が上昇すると粘度が上昇するインクにおいて温度が上昇した場合、循環制御部104は、上記温度テーブルまたは補正式に従って、「第2の圧力」を低くする(負圧を強くする)方向に補正する。温度が下降した場合は逆に、循環制御部104は、「第2の圧力」を高くする(負圧を弱くする)方向に補正する。
上記実施形態に係るインク供給システム30によれば、インクの温度の変化に応じて、圧力室32b内のインク圧を適切に設定することができる。それにより、より適切な条件でインクを攪拌できる。
以上、いくつかの実施形態について説明した。しかしながら、本発明に係るインク供給システム、および、本発明に係るインク供給システムを備えたインクジェットプリンタは、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、本発明に係るインク供給システムは、これまでに説明した流路構成を備えるものに限られない。例えば、本発明に係るインク供給システム30は、図9に示されるように、帰還流路44の一端が供給流路42に接続された流路構成を備えていてもよい。上記流路構成によれば、循環流路48aは、供給流路42の帰還流路44との接続部よりも下流部分と、インクヘッド32と、帰還流路44とで構成される。循環制御部104は、上記循環流路48aをインクが循環するように、供給ポンプ52、帰還ポンプ54を制御する。
あるいは、本発明に係るインク供給システムは、第1〜第4実施形態で説明された方法で圧力室内のインク圧を測定・制御する方式でなくてもよく、圧力室内のインクの圧力を測定する何らかの圧力測定機構を備えていてもよい。例えば、インクヘッド内に圧力センサが設けられていてもよい。インクヘッド内に圧力センサを設けることにより、圧力室内のインク圧を直接に計測・制御できる。なお、第1〜第4実施形態で説明された方法に示されているように、圧力室内のインク圧の「測定」とは、流路内の他の場所におけるインク圧の測定結果から、演算等によって間接的に圧力室内のインク圧を推定することも含む概念である。
また、本発明に係るインク供給システムは、圧力室内のインクの圧力を測定する圧力測定機構を備えなくてもよい。圧力室内のインクの圧力を測定しなくても、「第1の状態」時と比較して、供給ポンプの送液量を減少させるか、帰還ポンプの送液量を増加させるか、またはその両方を行うかすれば、圧力室内のインク圧を下げることができ、「第2の状態」に移行させることが可能である。緻密な圧力制御を要しない場合は、本発明に係るインク供給システムは、上記のような構成であってもよい。
通常モードから攪拌モードに移行する方法も、作業者の操作による方法に限られない。本発明に係るインク供給システムは、循環が連続的に停止していた時間が予め定められた時間を超えた場合に、圧力室内のインク圧を自動的に「第2の圧力」(攪拌モード)に移行させるように設定されていてもよい。上記実施形態によれば、攪拌モードへの移行は自動的に行われるので、作業者が攪拌モードに移行させる操作を行う必要がなく、攪拌が終了するまでの待ち時間が発生することも少ない。
なお、本発明に係るインク供給システムにあっては、攪拌を通常モードによる攪拌と攪拌モードよる攪拌とに分割しなくてもよく、インクの循環を行う際には常に「第2の状態」に移行されてもよい。
圧力室内のインク圧を変更する手段は、供給ポンプおよび帰還ポンプの駆動制御によるものだけに限られない。例えば、圧力室内のインクの圧力は、供給側ダンパおよび帰還側ダンパの少なくとも一方の鉛直位置を変更することによっても変更できる。即ち、供給側ダンパ/帰還側ダンパ内に一時的に貯留されているインクの水頭位置を上下させることによっても圧力室内のインクの圧力を調整可能である。そこで、本発明に係るインク供給システムは、供給側ダンパおよび帰還側ダンパの少なくとも一方を上下に移動させるダンパ移動機構を備えていてもよい。そして、循環制御部104は、圧力室内のインク圧を「第2の圧力」に保持する際には、上記ダンパ移動機構を制御して、供給側ダンパおよび帰還側ダンパの少なくとも一方を、「第1の圧力」を保持する際よりも低い位置に移動させる。供給側ダンパ/帰還側ダンパ内のインクの水頭位置が下がることによって、圧力室内のインク圧は降下する。つまり、上記手段によっても、圧力室内のインク圧を「第2の圧力」に移行させることが可能である。
上述したいくつかの実施形態においては、インクを吐出させる方式は、圧電素子の変位によって圧力室の体積を変化させる方式、いわゆるピエゾ駆動式であった。しかしながら、本発明に係るインク供給システムは、例えば、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式などの各種のオンデマンド方式によって実施されてもよい。本発明に係るインク供給システムの方式は、限定されない。
当然ながら、これまでに説明された実施形態の各構成要素は、適宜組み合わせて実施することも可能である。
なお、これまでの説明において本発明に係るインク供給システムは、インクジェットプリンタに搭載されていたが、本発明に係るインク供給システムは、インクジェットプリンタに搭載されるものに限られない。本発明に係るインク供給システムは、インクを吐出する装置全般に適用できる。例えばそれは、着色用のカラーインクを吐出する、粉末硬化タイプの三次元造形装置などである。
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
30 インク供給システム
32 インクヘッド
32a ノズル
32b 圧力室
32c 圧電素子(吐出機構)
34 インクタンク
42 供給流路
44 帰還流路
52 供給ポンプ
54 帰還ポンプ
62 供給側ダンパ(供給側タンク)
62a 供給側圧力センサ(第1の圧力センサ)
64 帰還側ダンパ(帰還側タンク)
64a 帰還側圧力センサ(第2の圧力センサ)
72 エアトラップ
74 温度センサ
100 制御装置
104 循環制御部
110 モード選択部
FL 循環流

Claims (17)

  1. インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクが吐出されるノズルと、前記ノズルと接続され前記インクが貯留される圧力室とを備えたインクヘッドと、
    一端が前記インクタンクに接続され、他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、
    一端が前記インクヘッドに接続され、他端が前記インクタンクに接続された帰還流路と、
    前記供給流路に設けられ、前記インクヘッドに前記インクを供給する供給ポンプと、
    前記帰還流路に設けられ、前記インクヘッドから前記インクを回収する帰還ポンプと、
    前記インクヘッドを制御して前記インクを吐出させ、前記供給ポンプおよび前記帰還ポンプを制御して前記インクを前記インクタンク、前記供給流路、前記インクヘッド、および前記帰還流路において循環させる制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記インクを循環させる際に、前記圧力室内の前記インクの圧力を、前記インクが吐出される際の圧力である第1の圧力よりも低い第2の圧力に保持するように設定されている、
    インク供給システム。
  2. インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクが吐出されるノズルと、前記ノズルと接続され前記インクが貯留される圧力室とを備えたインクヘッドと、
    一端が前記インクタンクに接続され、他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、
    一端が前記インクヘッドに接続され、他端が前記供給流路に接続された帰還流路と、
    前記供給流路において前記帰還流路との接続部よりも前記インクヘッド側に設けられ、前記インクヘッドに前記インクを供給する供給ポンプと、
    前記帰還流路に設けられ、前記インクヘッドから前記インクを回収する帰還ポンプと、
    前記インクヘッドを制御して前記インクを吐出させ、前記供給ポンプおよび前記帰還ポンプを制御して前記インクを少なくとも前記供給流路、前記インクヘッド、および前記帰還流路において循環させる制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記インクを循環させる際に、前記圧力室内の前記インクの圧力を、前記インクが吐出される際の圧力である第1の圧力よりも低い第2の圧力に保持するように設定されている、
    インク供給システム。
  3. 前記圧力室内の前記インクの圧力を測定する圧力測定機構を備えた、
    請求項1または2に記載のインク供給システム。
  4. 前記圧力測定機構は、
    前記供給流路に設けられ、前記供給流路における前記インクの圧力を測定する第1の圧力センサと、
    前記帰還流路に設けられ、前記帰還流路における前記インクの圧力を測定する第2の圧力センサと、
    を備え、
    前記供給流路における前記インクの圧力と前記帰還流路における前記インクの圧力とを予め定められた演算式に入力することによって前記圧力室内の前記インクの圧力を得るように構成されている、
    請求項3に記載のインク供給システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1の圧力センサによって測定される前記供給流路における前記インクの圧力が、前記供給流路における前記インクの圧力の予め定められた目標値に近づくように前記供給ポンプを制御し、
    前記第2の圧力センサによって測定される前記帰還流路における前記インクの圧力が、前記帰還流路における前記インクの圧力の予め定められた目標値に近づくように前記帰還ポンプを制御するように設定されている、
    請求項4に記載のインク供給システム。
  6. 前記制御装置は、
    前記供給流路における前記インクの圧力の目標値として、第1の供給側の目標圧力および第2の供給側の目標圧力を設定可能に構成され、
    前記帰還流路における前記インクの圧力の目標値として、第1の帰還側の目標圧力および第2の帰還側の目標圧力を設定可能に構成され、
    前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第1の圧力に保持する際には、前記供給流路における前記インクの圧力の目標値に前記第1の供給側の目標圧力を、前記帰還流路における前記インクの圧力の目標値に前記第1の帰還側の目標圧力を設定し、
    前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に保持する際には、前記供給流路における前記インクの圧力の目標値に前記第2の供給側の目標圧力を、前記帰還流路における前記インクの圧力の目標値に前記第2の帰還側の目標圧力を設定する、
    請求項5に記載のインク供給システム。
  7. 前記第1の圧力は、ゲージ圧で−2kPa以上−1kPa未満であり、
    前記第2の圧力は、ゲージ圧で−2kPa未満である、
    請求項3〜6のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  8. 前記供給流路、前記帰還流路、および前記インクヘッドの少なくともいずれかに、前記インクの温度を測定する温度センサを備え、
    前記制御装置は、前記温度センサで測定された前記インクの温度に基づいて、少なくとも前記第2の圧力を補正するように設定されている、
    請求項3〜7のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  9. 前記供給流路に設けられ、前記インクを一時的に貯留する供給側タンクと、
    前記帰還流路に設けられ、前記インクを一時的に貯留する帰還側タンクと、
    前記供給側タンクおよび前記帰還側タンクの少なくとも一方を上下に移動させるタンク移動機構と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に保持する際には、前記タンク移動機構を制御して、前記供給側タンクおよび前記帰還側タンクの少なくとも一方を、前記第1の圧力を保持する際よりも低い位置に移動させるように設定されている、
    請求項1または2に記載のインク供給システム。
  10. 前記インクヘッドは、前記圧力室を収縮および拡張させる吐出機構を備え、
    前記制御装置は、前記圧力室内の前記インクの圧力が前記第2の圧力に保持されているときに、前記吐出機構を制御して、前記圧力室の収縮と拡張とを反復させるように設定されている、
    請求項1〜9のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  11. 前記制御装置は、前記圧力室を収縮および拡張させる周期を、第1の周期と前記第1の周期よりも長い第2の周期とに切り替え可能に構成されている、
    請求項9または10に記載のインク供給システム。
  12. 前記制御装置は、前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に移行させるのに先立って、前記圧力室の収縮および拡張を開始させるように設定されている、
    請求項9〜11のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  13. 前記制御装置は、前記圧力室内の前記インクの圧力が前記第2の圧力に保持されている際に、前記圧力室内の前記インクの圧力を変動させるように設定されている、
    請求項1〜12のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  14. 前記供給流路および前記帰還流路の少なくともいずれかに、前記インク内に含まれている空気を捕獲するエアトラップを備えた、
    請求項1〜13のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  15. 前記制御装置は、前記循環が連続的に停止していた時間が予め定められた時間を超えた場合に、前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に移行させるように設定されている、
    請求項1〜14のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  16. 前記制御装置は、前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に移行させることを選択可能なモード選択部を備え、前記モード選択部において前記第2の圧力が選択されると、前記圧力室内の前記インクの圧力を前記第2の圧力に移行させるように設定されている、
    請求項1〜14のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  17. 請求項1〜16のいずれか一つに記載のインク供給システムを備えた、
    インクジェットプリンタ。
JP2016245699A 2016-12-19 2016-12-19 インク供給システムおよびインクジェットプリンタ Withdrawn JP2018099791A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016245699A JP2018099791A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 インク供給システムおよびインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016245699A JP2018099791A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 インク供給システムおよびインクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018099791A true JP2018099791A (ja) 2018-06-28

Family

ID=62713894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016245699A Withdrawn JP2018099791A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 インク供給システムおよびインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018099791A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019166823A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および方法
CN113386468A (zh) * 2020-03-13 2021-09-14 高山技术株式会社 喷墨头的墨水循环供给系统及方法
KR102385320B1 (ko) * 2021-10-18 2022-04-11 김승하 마킹노즐
KR102385319B1 (ko) * 2021-10-18 2022-04-11 정재하 마킹노즐
WO2022168226A1 (ja) * 2021-02-04 2022-08-11 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
CN116587608A (zh) * 2023-04-17 2023-08-15 南京航空航天大学 砂型增材制造多粘接剂体系供墨系统及控制方法
JP7432104B2 (ja) 2019-12-16 2024-02-16 ブラザー工業株式会社 印刷装置
WO2024048027A1 (ja) * 2022-09-01 2024-03-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 インク供給システム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019166823A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および方法
JP7172426B2 (ja) 2018-03-22 2022-11-16 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および方法
JP7432104B2 (ja) 2019-12-16 2024-02-16 ブラザー工業株式会社 印刷装置
CN113386468A (zh) * 2020-03-13 2021-09-14 高山技术株式会社 喷墨头的墨水循环供给系统及方法
CN113386468B (zh) * 2020-03-13 2022-07-22 高山技术株式会社 喷墨头的墨水循环供给系统及方法
WO2022168226A1 (ja) * 2021-02-04 2022-08-11 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法
KR102385320B1 (ko) * 2021-10-18 2022-04-11 김승하 마킹노즐
KR102385319B1 (ko) * 2021-10-18 2022-04-11 정재하 마킹노즐
WO2024048027A1 (ja) * 2022-09-01 2024-03-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 インク供給システム
CN116587608A (zh) * 2023-04-17 2023-08-15 南京航空航天大学 砂型增材制造多粘接剂体系供墨系统及控制方法
CN116587608B (zh) * 2023-04-17 2024-03-29 南京航空航天大学 砂型增材制造粘接剂体系供墨系统及控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018099791A (ja) インク供給システムおよびインクジェットプリンタ
US10828907B2 (en) Liquid circulation device and liquid discharging apparatus
US10717293B2 (en) Liquid circulation apparatus, liquid ejection apparatus and liquid ejection method
JP5257139B2 (ja) 画像形成装置
JP6435149B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP6393553B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2008200903A (ja) 圧力調整装置および画像形成装置並びに圧力調整方法および液体残量検出方法
JP2008030219A (ja) 液体噴射装置、液体収容体、及び液体収容体の液体残量判定方法
EP3222424A2 (en) Ink circulation device and ink ejection device
CN108025556B (zh) 喷墨印刷装置
JP6592990B2 (ja) 液体吐出装置、および、液体吐出装置の制御方法
JP2017159668A (ja) 液体循環装置、および液体吐出記録装置
JP2014079973A (ja) インクジェット記録装置
JP5278251B2 (ja) 画像形成装置
JP5761484B2 (ja) 液滴吐出装置のノズル吸引方法
JP2019084772A (ja) インク循環システム、インクジェットプリンタ、およびインク循環システムのパラメータ設定方法
JP2016030426A (ja) インクジェット印刷装置
JP2018103413A (ja) インク供給システムおよびインクジェットプリンタ
JP5413168B2 (ja) 画像形成装置
JP7363339B2 (ja) 液体噴射装置、液体噴射装置のメンテナンス方法
JP2008221620A (ja) 流体噴射装置、及び流体噴射装置のクリーニング方法
JP2017007131A (ja) インクジェット記録装置
JP2022188505A (ja) 印刷装置
JP2019196015A (ja) 液体循環装置、および液体吐出記録装置
JP2018202612A (ja) インクジェット印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191128

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20200708