JP2018103413A - インク供給システムおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

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【課題】気泡トラップ内へのインクの沈降を抑制できるインク供給システムを提案する。【解決手段】本発明に係るインク供給システム30は、インクタンク34と、インクが循環される循環流路42と、導入流路40と、インクを吐出するインクヘッド32と、循環流路42においてインクを循環させる送液ポンプ46、48と、循環流路42内に含まれる空気を捕獲する気泡トラップ70と、気泡トラップ70に接触して設けられ気泡トラップ70に振動を与える振動発生機構80とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、インク供給システムおよびインクジェットプリンタに関する。
従来から、インクを吐出するインクヘッドを備えた印刷装置が知られている。インクヘッドには、インクが貯留されたインクタンクが接続されており、インクタンク内のインクがインクヘッドに供給される。
ところで、インクが顔料を含む顔料インクなどの場合、インクを動かすことなく放置しておくと、顔料がインク内に沈降したり、インクが増粘したりする。顔料がインク内に沈降したりインクが増粘したりすると、色ムラや吐出不良等の印刷品質の低下に繋がりやすい。そこで、インク供給システム内に循環流路を形成し、上記循環流路でインクを循環させることによってインクを攪拌する技術が知られている。
ところで、上記のようなインクの循環を行うと、インクヘッドから空気が吸い込まれ、インク流路内に混入してしまうことがある。インク流路内に空気が混入するとインクヘッドでのインクの吐出不良などの不具合に繋がる虞がある。そこで、上記のような循環流路でインクを循環させるインク供給システムにおいては、空気を捕獲する気泡トラップを循環流路に設けることが一般的である。気泡トラップは、インクの循環中に上記循環流路に混入している空気を捕獲し、吐出不良に繋がる循環流路内の空気を排除する。特許文献1には、気泡除去手段を備えたインク供給系を有するインクジェット記録装置が開示されている。
特開2004−216797号公報
しかしながら、循環流路に気泡トラップを備えることで、問題も発生し得る。その一つに、気泡トラップ内にインクの顔料等が沈降しやすいことが挙げられる。気泡トラップ内のインクを、インクの循環だけで攪拌し、インク成分の沈降を抑制するのは困難である。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、気泡トラップ内をより効果的に攪拌できるインク供給システムを提案することである。また、そのようなインク供給システムを備えたインクジェットプリンタを提案することである。
本発明に係るインク供給システムは、インクが貯留されるインクタンクと、前記インクを吐出するインクヘッドと、一端が前記インクタンクに接続された導入流路と、一端が前記導入流路の前記インクタンク側と逆側の端部に接続され他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、一端が前記インクヘッドに接続され他端が前記導入流路と前記供給流路との接続部に接続された帰還流路と、前記供給流路および前記帰還流路によって構成される循環流路に設けられ前記循環流路において前記インクを循環させる送液ポンプと、前記循環流路に設けられ前記循環流路内に含まれる空気を捕獲する気泡トラップと、前記気泡トラップに接触して設けられ前記気泡トラップに振動を与える振動発生機構と、を備える。
前記インク供給システムによれば、気泡トラップに接触して設けられた振動発生機構が気泡トラップに振動を与える。気泡トラップに付加される上記振動により、気泡トラップ内のインクの攪拌が促進され、気泡トラップ内のインクをより効果的に攪拌することができる。それにより、気泡トラップ内でのインク成分の沈降を抑制できる。
第1実施形態に係るプリンタの正面図である。 インク供給システムを示す模式図である。 気泡トラップの斜視図である。 第1実施形態に係るプリンタのブロック図である。 第1実施形態に係る気泡トラップ付近の縦断面図である。 振動子を備えた振動発生機構が設けられた実施形態において、気泡トラップ付近を示す縦断面図である。 第2実施形態に係る気泡トラップ付近の縦断面図である。 第3実施形態に係る気泡トラップ付近の縦断面図である。 第3実施形態に係る気泡トラップ付近の縦断面図であって、押圧機構が気泡トラップを押圧している状態を表す図である。 エアシリンダを備えた押圧機構が設けられた実施形態において、気泡トラップ付近を示す縦断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインク供給システム、および、インク供給システムを備えたインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)10の正面図である。プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。以下の説明において、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、プリンタ10を正面から見たときの前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味する。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体5に対して印刷を行うものである。本実施形態では、記録媒体5はロール状の記録紙であり、いわゆる、ロール紙である。しかしながら、記録媒体5は、ロール状の記録紙に限定されない。例えば、記録媒体5は、樹脂製のシートであってもよい。また、記録媒体5は、可撓性を有するシートに限らず、ガラスの基板などの材質が硬い媒体であってもよい。本実施形態では、記録媒体5を形成する材料は特に限定されない。
本実施形態に係るプリンタ10は、プリンタ本体12と、プリンタ本体12に固定されたガイドレール22とを備えている。ガイドレール22は左右方向に延びており、ガイドレール22にはキャリッジ24が係合している。キャリッジ24は、ガイドレール22に沿って左右に摺動可能である。キャリッジ24には、無端状のベルト26が固定されている。図示は省略するが、ガイドレール22の左端側および右端側には、それぞれローラが設けられ、これらローラのうちいずれか一方には、キャリッジモータ24a(図4参照)が接続されている。キャリッジモータ24aに接続された一方のローラは、キャリッジモータ24aによって回転する。ガイドレール22の両端側にそれぞれ設けられたローラには、ベルト26が巻き掛けられている。キャリッジモータ24aが駆動して、上記ローラが回転することでベルト26が走行すると、キャリッジ24が左右方向に移動する。このように、キャリッジ24はガイドレール22に沿って左右方向に移動可能に構成されている。
プリンタ本体12には、記録媒体5が載置されるプラテン14が設けられている。プラテン14は、記録媒体5に対して印刷を行う際、記録媒体5を支持する部材である。プラテン14には、上下一対のグリッドローラ(図示せず)およびピンチローラ(図示せず)が設けられている。このグリッドローラには、フィードモータ14a(図4参照)が連結されている。上記グリッドローラは、フィードモータ14aによって回転駆動される。記録媒体5が上記グリッドローラと上記ピンチローラとの間に挟まれた状態で、上記グリッドローラが回転することで、記録媒体5は前後方向に搬送される。
本実施形態に係るプリンタ10は、複数のインク供給システムを有している。図2は、インク供給システム30とキャッピングシステム60とを示す模式図である。インク供給システム30は、インクタンク34からインクヘッド32に向かってインクを供給するシステムである。また、インク供給システム30は、インクヘッド32に供給されたインクを循環させるシステムである。インク供給システム30は、1つのインクヘッド32(図1参照)ごとに設けられている。1つのインク供給システム30は、1つのインクタンク34を有している。本実施形態においては、インクヘッド32の数は「8」であるため、インク供給システム30の数は「8」である。ただし、インクヘッド32の数、および、インク供給システム30の数は特に限定されない。なお、複数のインク供給システム30は、それぞれ同じ構成をしている。そのため、以下では、1つのインク供給システム30の構成について詳述する。
図2に示すように、本実施形態に係るインク供給システム30は、インクヘッド32と、インクタンク34と、導入流路40と、供給流路42sと、帰還流路42rと、供給ポンプ46と、帰還ポンプ48と、供給側ダンパ50と、帰還側ダンパ52と、導入バルブ54と、循環バルブ56と、気泡トラップ70と、振動発生機構80とを備えている。以下の説明においては、適宜、インクヘッド32にインクが流入する側を供給側と称し、インクヘッド32からインクが流出する側を帰還側と称することとする。また、供給流路42sと帰還流路42rとで構成される環状の流路を適宜、循環流路42と称する。
図1に示すように、インクヘッド32は、キャリッジ24に搭載されている。インクヘッド32は、キャリッジ24を介してガイドレール22に沿って左右方向に移動可能である。インクヘッド32は、プラテン14に載置された記録媒体5にインクを吐出する。インクヘッド32の底面には、インクを吐出するノズルが形成されている。インクヘッド32は、上記ノズルと、ノズルに接続されインクが貯留される圧力室と、圧力室を収縮/拡張させる吐出機構を備えている。上記吐出機構は、例えば、圧電素子などである。ノズルは、圧力室の底面に設けられた微小な穴である。圧電素子は、電圧が印加されると変形する素子であって、圧力室の外側に接触して取り付けられている。圧電素子の変位によって圧力室は収縮/拡張され、圧力室が収縮/拡張されることによってノズルからインクが吐出され、また、圧力室にインクが充填される。
インクタンク34は、インクを貯留する部材である。インクタンク34は、プリンタ本体12に着脱自在に設けられている。詳しくは、図1に示すように、プリンタ本体12には、インクタンク収容部36が設けられており、複数のインクタンク34は、インクタンク収容部36に収容されている。ただし、インクタンク34の配置位置は特に限定されず、例えば、キャリッジ24に着脱自在に設けられていてもよい。1つのインクタンク34に貯留されているインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、および、ブラックインクなどのプロセスカラーインクと、ホワイトインク、メタリックインク、および、クリアインクなどの特色インクのうち何れかのインクである。上記インクのうち、例えば、ホワイトインク、メタリックインクなどは、インク内に顔料を含み、放置しておくと顔料の沈降が起きやすいインクである。
導入流路40は、インクタンク34内に貯留されたインクを供給流路42sに供給するための流路である。そこで、導入流路40は、一端がインクタンク34に接続され、他端が供給流路42sに接続されている。導入流路40の途中には導入バルブ54が設けられている。導入バルブ54は、導入流路40を開放/閉鎖するバルブである。
循環流路42は、インクがその中を循環する環状の流路であって、供給流路42sと帰還流路42rとで構成されている。供給流路42sは、一端が接続部CPにおいて導入流路40と接続され、他端がインクヘッド32と接続されている。供給流路42sは、インクヘッド32にインクを供給する流路である。図2に示す矢印の方向が、インクの流れ方向である。供給流路42sを流れるインクの流れは、図2の矢印方向に一方通行であるので、供給流路42sにおける部材の配置をインクの流れに沿って上流側または下流側と称することとすると、供給流路42sにおいて接続部CPのすぐ下流には供給ポンプ46が配置されている。次いで、供給側ダンパ50、さらにインクヘッド32が設けられている。つまり、供給流路42sには、上流側から順に供給ポンプ46および供給側ダンパ50が設けられている。一方、インクヘッド32の帰還側には、帰還流路42rが接続されている。帰還流路42rは、上流側がインクヘッド32に接続され、下流側が導入流路40と供給流路42sとの接続部CPに接続されている。つまり、接続部CPでは、導入流路40、供給流路42s、および帰還流路42rが分岐している。帰還流路42rには、上流側から順に帰還側ダンパ52、帰還ポンプ48、気泡トラップ70、および循環バルブ56が設けられている。供給流路42sおよび帰還流路42rとからなる循環流路42を一方通行で流れるインクの流れは、供給ポンプ46および帰還ポンプ48によって作り出されている。循環バルブ56は、循環流路42を開放または閉鎖するバルブである。循環バルブ56が開放されているとき、循環流路42はインクを循環させる流路として機能する。一方、循環バルブ56が閉鎖されているとき、循環流路42は導入流路40との接続部CPからインクヘッド32を通過し気泡トラップ70に向かう、片道の流路を形成する。
導入流路40、供給流路42sおよび帰還流路42rの種類や材質は限定されないが、導入流路40、供給流路42sおよび帰還流路42rは、例えば、可撓性を有するチューブである。
供給ポンプ46および帰還ポンプ48は、インクを送給するための部材である。供給ポンプ46は、インクヘッド32に向かってインクを供給するためのポンプであり、インクヘッド32に流すインクの流量を調整する。帰還ポンプ48は、インクヘッド32からインクを回収するためのポンプであり、インクヘッド32から流出するインクの流量を調整する。供給ポンプ46によってインクの供給流量が調整されることで、供給側のインク圧力が調整される。帰還ポンプ48によってインクの帰還流量が調節されることで、帰還側のインク圧力が調整される。供給側および帰還側のインク圧力が調整されることで、インクヘッド32内のインクの圧力が調整される。供給ポンプ46、帰還ポンプ48の種類は特に限定されず、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプ等である。
供給側ダンパ50および帰還側ダンパ52は、キャリッジ24に搭載されている。供給側ダンパ50および帰還側ダンパ52は、インクの圧力変動を緩和してインクヘッド32のインク吐出動作を安定させるとともに、インクヘッド32内のインクの圧力を所望の圧力に調整するための部材である。供給側ダンパ50は、供給側ダンパ50に流入するインクの圧力を検出する。供給ポンプ46の駆動は、供給側ダンパ50による圧力の検出結果に基づいて制御される。帰還側ダンパ52は、帰還側ダンパ52に流入するインクの圧力を検出する。帰還ポンプ48の駆動は、帰還側ダンパ52による流量の検出結果に基づいて制御される。
供給側ダンパ50の内部には、インクが貯留されるインク貯留室と、インク貯留室内のインクの圧力を測定する供給側圧力センサ50aが備えられている。供給ポンプ46が駆動し、インクを供給側ダンパ50に供給し続けることで、インク貯留室内のインク圧が所定の圧力以上に上昇すると、供給側圧力センサ50aは、制御装置100(図4参照)内の循環制御部104(図4参照)に信号を送信する。循環制御部104は、供給側圧力センサ50aからの信号を受けて、送液量を減少させるように供給ポンプ46の駆動を制御する。逆に、供給側ダンパ50において、貯留室内のインクの圧力が所定の圧力を下回ると、制御装置100は、供給ポンプ46のインクの流量を増加させるように、供給ポンプ46の駆動を制御する。上記のようにして、供給側のインクの圧力は、所望の圧力に保持される。帰還側ダンパ52においても同様に、帰還側圧力センサ52aが帰還側ダンパ52内のインクの圧力を測定し、循環制御部104が帰還ポンプ48の駆動を制御することによって、帰還側のインクの圧力が制御される。インクヘッド32内のインクの圧力は、上記のようにして調整された供給側のインク圧および帰還側のインク圧によって間接的に調整される。
なお、本実施形態に係る供給側ダンパ50および帰還側ダンパ52は圧力センサを備え、圧力センサでインクの圧力を測定しているが、インクの圧力の代わりに、インク貯留室内のインク貯留量で代替してもよい。上記インク貯留量で代替するシステムの場合、供給側ダンパ50および帰還側ダンパ52は、典型的には、インク貯留室の一面に伸縮する膜を備える。そして、センサは、インク貯留室内に貯留されているインクの量に応じて変化する膜の伸縮量を測定する。その場合のセンサは、例えば、位置検出用のフォトセンサ等である。
気泡トラップ70は、循環流路42において帰還ポンプ48の下流に設けられている。気泡トラップ70は、インク内に含まれる空気を捕獲する装置である。本実施形態において、気泡トラップ70は、気液分離器である。図3に、気泡トラップ70の斜視図を示す。図3に示されるように、気泡トラップ70は、流入口70aと、空気貯留室70bと、流出口70cと、排出口70dとを備えている。流入口70aは、循環するインクが気泡トラップ70内に入るための入口である。流出口70cはインクの出口であり、流入口70aと流出口70cとの間に空気貯留室70bが設けられている。循環中、インクは空気貯留室70bの下部を流れている。空気貯留室70bにおいて、インクの液面Hよりも上方は、空気を貯留する空間となっている。空気は循環流路42内において上方に集まるため、循環流路42内に含まれていた空気は、インクが空気貯留室70bの下部を流れる間に、空気貯留室70bの上部へと抜ける。こうして気泡トラップ70は、循環流路42内に含まれる空気を捕獲する。空気貯留室70bの上部には排出口70dが設けられている。排出口70dは、流入口70aおよび流出口70cよりも上方に配置されている。排出口70dは、貯留しておいた空気を外部に放出するための出口である。排出口70dの先には、排出流路44(図2参照)が接続され、排出流路44の途中には排出バルブ58が設けられている。排出バルブ58は、上記排出流路44を開放/閉鎖するバルブである。排出流路44は、排出バルブ58のさらに先で、廃液タンク68に接続されている。排出流路44を構成する部材の材料や種類もまた限定されないが、排出流路44もまた、例えば、チューブである。
振動発生機構80は、気泡トラップ70に接触して設けられ、気泡トラップ70に振動を与える部材である。振動発生機構80の詳細については後述する。
本実施形態に係るプリンタ10は、図2に示されるように、キャッピングシステム60を備えている。キャッピングシステム60は、キャップ62と、キャップ移動機構64と、吸引ポンプ66とを備える。キャップ62および吸引ポンプ66は、ガイドレール22(図1参照)の右端部に位置するホームポジション(図示省略)に配置されている。ホームポジションとは、印刷待機時、すなわち、印刷が行われていない時に、インクヘッド32が待機する位置のことである。キャップ62は、インクヘッド32のノズル32aに付着したインクが硬化して、ノズル32aが詰まることを抑制するものである。キャップ62は、印刷待機時において、インクヘッド32のノズル32aを覆うようにインクヘッド32に装着される。キャップ移動機構64は、キャップ62に接続されている。キャップ移動機構64は、ホームポジションにおいて、インクヘッド32のノズル面に向かってキャップ62を上下移動させる機構である。このキャップ移動機構64の構成は特に限定されないが、例えば、駆動モータを備えている。キャップ移動機構64は、上記駆動モータを駆動することによって、キャップ62を上下移動させる。
吸引ポンプ66は、インクヘッド32にキャップ62が装着されている状態において、インクヘッド32内のインクを吸引する部材である。上記吸引も、インクヘッド32のノズル32aの詰まりを予防するための作業である。吸引ポンプ66の吸引口は、キャップ62に接続されている。吸引ポンプ66の排出口は、廃液タンク68と接続されている。吸引ポンプ66によって吸引されたインクは、廃液タンク68に廃棄される。
図4は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係るプリンタ10は、制御装置100を備えている。制御装置100の構成は特に限定されない。例えば、制御装置100は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。
本実施形態に係る制御装置100は、印刷制御部102と、循環制御部104と、排出制御部106と、キャッピング制御部108と、モード選択部110とを備えている。制御装置100の上記各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。また、制御装置100の各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
印刷制御部102は、印刷に関わる制御を行う部材である。印刷制御部102は、キャリッジモータ24a、フィードモータ14a、およびインクヘッド32内の圧電素子に接続され、それらの動作を制御する。
循環制御部104は、循環流路42内におけるインクの循環に関わる制御を行う部材である。循環制御部104は、供給ポンプ46および帰還ポンプ48と接続され、供給ポンプ46および帰還ポンプ48の駆動を制御する。上記駆動制御は、循環制御部104に入力される供給側圧力センサ50aおよび帰還側圧力センサ52aの信号に基づいて行われる。循環制御部104は、供給側圧力センサ50aおよび帰還側圧力センサ52aと接続されている。供給側ダンパ50および帰還側ダンパ52の説明において説明されたように、循環制御部104は、供給側ダンパ50内のインク圧、および帰還側ダンパ52内のインク圧をそれぞれ所定の圧力に保つように、供給ポンプ46、帰還ポンプ48の駆動をそれぞれ制御する。循環制御部104はまた、振動発生機構80に接続され、振動発生機構80の動作を制御する。
排出制御部106は、循環流路42内のインクを排出する動作を制御する部材である。排出制御部106は、供給ポンプ46、帰還ポンプ48、導入バルブ54、循環バルブ56、および排出バルブ58と接続され、インク排出時には、それらの動作を制御する。
キャッピング制御部108は、キャッピングシステム60の動作を制御する部材である。キャッピング制御部108は、キャップ移動機構64および吸引ポンプ66と接続され、キャッピング時およびインク吸引時には、それらの動作を制御する。
モード選択部110は、通常モード、排出モード、および吸引モードを選択する部材である。各モードについては後述する。
本実施形態に係るプリンタ10は、通常モードにおいては、印刷待機状態または印刷状態に置かれている。印刷待機状態では、キャッピング制御部108は、キャップ移動機構64を制御して、インクヘッド32に対してキャップ62を装着させている。また、循環制御部104は、供給ポンプ46および帰還ポンプ48を制御して、循環流路42内で常時インクを循環させている。上記循環は、顔料を含んだインクにおいて、顔料がインク内で沈降するのを防止するためである。同時に、循環制御部104は、供給側のインク圧および帰還側のインク圧を所定の圧力に制御することによって、インクヘッド32内のインクの圧力を所定の圧力範囲に制御している。待機状態におけるインクヘッド32内のインク圧は、インクが吐出可能であって、かつ、ノズル32aからインクが垂れない圧力に制御されている。上記圧力は、例えば、ゲージ圧で−1kPa程度である。
印刷を行う際には、キャップ62はインクヘッド32から離反され、インクヘッド32は、キャリッジモータ24aの駆動によって、ホームポジションからプラテン14上に移動される。インクヘッド32は、プラテン14上に載置されている記録媒体5にインクを吐出しながら、キャリッジ24とともに、左右方向に走査される。このとき、各ノズル32aの吐出タイミング、およびキャリッジ24の走査が連動して制御され、左右方向における印刷を行う。その後、フィードモータ14aに連結されたグリッドローラによって記録媒体5が前方にフィードされ、次の位置での印刷が行われる。印刷制御部102は、印刷時、上記のような制御を行う。
排出モードでは、インク供給システム30は、循環流路42内のインクを排出する動作を行う。排出モードにおいて、排出制御部106は、循環バルブ56を閉鎖させる。また、導入バルブ54および排出バルブ58を開放させる。これらバルブの開放および閉鎖により、インクタンク34から導入流路40および供給流路42sを通って供給ポンプ46、供給側ダンパ50、インクヘッド32に向かい、さらに帰還流路42rを通って帰還側ダンパ52、帰還ポンプ48、および気泡トラップ70を経由して、排出流路44、廃液タンク68に至る流路が形成される。さらに、排出制御部106は、供給ポンプ46および帰還ポンプ48を駆動させて、循環流路42内のインクを排出バルブ58に向かって送液する。そこで、排出モードにおいて送出されたインクは、廃液タンク68に廃棄される。上記排出モードによるインクの排出は、インクの交換やプリンタ10を移動させる場合などに実施される。
吸引モードでは、キャッピングシステム60は、キャップ62を介してインクヘッド32からインクを吸引する動作を行う。キャッピング制御部108は、吸引時、キャッピングシステム60の各部を制御して、吸引作業を行わせる。
ところで、本実施形態に係るインク供給システムのように循環流路においてインクを循環させるシステムにおいては、インクヘッドから空気が吸引され、循環流路内に混入してしまう虞がある。そこで、インクを循環させるシステムにおいては、循環流路に循環流路中の空気を捕獲する気泡トラップを設けるのが一般的である。本実施形態に係るインク供給システム30においても、循環流路42中に気泡トラップ70が設けられている。しかしながら、インク供給システム30が気泡トラップ70を備えることで、問題も発生し得る。その一つに、気泡トラップ70内にはインクの顔料等が沈降しやすいことが挙げられる。気泡トラップ70は、流入口70a、流出口70cよりも上下に長く、またインクの流れ方向に垂直な断面積が大きいので、インクの成分が沈降しやすい。気泡トラップ70内のインクを、インクの循環だけで攪拌し、インク成分の沈降を抑制するのは困難である。
そこで、本実施形態に係るインク供給システム30は、気泡トラップ70に接触して設けられ気泡トラップ70に振動を与える振動発生機構80を備える。振動発生機構80を備えたインク供給システム30によれば、気泡トラップ70に接触して設けられた振動発生機構80が気泡トラップ70に振動を与える。気泡トラップ70に付加される上記振動により、気泡トラップ70内のインクの攪拌が促進され、気泡トラップ70内のインクをより効果的に攪拌することができる。それにより、気泡トラップ70内でのインク成分の沈降を抑制できる。
図5は、本実施形態に係る気泡トラップ70付近の縦断面図である。図5の左は、プリンタ10の後方Rrを、図5の右はプリンタ10の前方Fと一致している。本実施形態において、振動発生機構80は、気泡トラップ70の底部70eに接触して設けられている。本実施形態に係る振動発生機構80は、振動モータ82である。振動モータ82は、モータによって回転するシャフト82aと、シャフト82aに偏芯して取り付けられた分銅82bとを備えている。振動モータ82においては、分銅82bがシャフト82aの回転軸に対して偏芯しているために、シャフト82aの回転によって振動が発生する。
振動モータ82は、例えば、インクが循環流路42において循環されているとき常に駆動されるように制御される。ただし、振動モータ82の駆動制御は上記の制御に限られない。振動モータ82は循環制御部104に接続され、循環制御部104によって制御されている。
気泡トラップ70内において、顔料等のインク成分は、重力の作用によって空気貯留室70bの底部70eに沈降しようとする。そこで、本実施形態においては、振動モータ82は、底部70eに接触して設けられている。振動モータ82が底部70eに接触して設けられることで、最もインク成分が沈降しやすい底部70eに直接振動を加えることができる。勿論、振動モータ82が気泡トラップ70に接触する場所は、空気貯留室70bの底部70eに限られるわけではなく、例えば、空気貯留室70bの下部全体を覆うように接触してもよい。その場合には、空気貯留室70b内のインク全体に対して振動を与えることができる。
あるいは、振動モータ82は、気泡トラップ70の背面70fに接触して設けられてもよい。振動モータ82が気泡トラップ70の背面70fに接触して設けられることで、気泡トラップ70は、上下に揺すられるように振動する。それにより、沈降しようとしているインク成分をインク内で浮き上がらせて攪拌することができる。
上記のように、本実施形態に係るインク供給システム30によれば、気泡トラップ70内にインクの成分が沈降するのを抑制することができる。振動モータ82の適切な配置や振動周期などは、供給ポンプ46および帰還ポンプ48の送液量や、気泡トラップ70の大きさ、形状等によって適宜設定すべきである。
(第1実施形態の変形例)
振動発生機構80は、振動モータ82以外の部材であってもよい。例えば、振動発生機構80は、圧電素子の変位によって振動する振動子を備えた部材であってもよい。図6は、振動子84を備える振動発生機構80が設けられた実施形態において、気泡トラップ70付近を示す断面図である。振動子84は、圧電素子84aを内蔵し、圧電素子84aに所望の周波数の交流電圧を印加することで自身を振動させる部材である。振動子84は、典型的には、超音波振動子であるが、超音波振動子でなくてもよい。振動子84によっても、気泡トラップ70に振動を与えることができる。
なお、振動発生機構80は、振動を発生させる部材だけでなく、振動を伝播する部材も含む。例えば、振動発生機構80は、振動モータと、振動モータおよび気泡トラップ70に連結された連結部材で構成されていてもよい。上記機構でも、連結部材を介して振動モータの振動を気泡トラップ70に与えることができる。また、当然ながら、振動発生機構80は、振動モータや振動子以外の部材を備えた機構でも構わない。
(第2実施形態)
第2実施形態は、気泡トラップに振動を与える方法が第1実施形態とは異なる実施形態である。第2実施形態に係るプリンタ10は、それ以外の機構において第1実施形態に係るプリンタ10と共通する。そこで、第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ部材には同じ符号を用いるものとし、また、第1実施形態の説明と重複する説明は、省略または簡略化することとする。なお、後述する第3実施形態においても同様である。
本実施形態に係るインク供給システム30においては、循環流路42に設けられ循環流路42においてインクを循環させる送液ポンプが振動発生機構を兼ねている。上記送液ポンプは、モータ駆動のポンプであり、気泡トラップ70は、送液ポンプに接触するように設けられている。上記「送液ポンプ」は、供給ポンプ46および帰還ポンプ48である。つまり、供給ポンプ46および帰還ポンプ48のうち、少なくとも気泡トラップ70に接触している方の送液ポンプは、モータ駆動のポンプである。
図7は、本実施形態に係る気泡トラップ70付近の縦断面図である。図7においても、左がプリンタ10の後方Rr、右がプリンタ10の前方Fである。図7に示されるように、気泡トラップ70は、帰還ポンプ48の筐体の側面48aに接触して配置されている。気泡トラップ70は、背面70fで帰還ポンプ48の筐体の側面48aに接している。本実施形態に係るインク供給システム30においては、帰還ポンプ48はモータで駆動されるポンプ、より詳しくは、例えば、ダイヤフラムポンプである。ダイヤフラムポンプは、液をモータで送出中には薄板状の弁が液圧に押されて開くことで流路を開放し、液の送出を停止すると、下流側の液圧で弁が閉じる構造のポンプである。ダイヤフラムポンプは、モータを搭載している。
帰還ポンプ48は、インクを送出する際、モータを駆動させる。その際、帰還ポンプ48は、モータの回転によって振動する。気泡トラップ70は、帰還ポンプ48の筐体の側面48aに接触して取り付けられているので、帰還ポンプ48の振動が伝播し振動する。その振動によって気泡トラップ70のインクが攪拌され、気泡トラップ70内部へのインク成分の沈降が抑制される。
帰還ポンプ48がダイヤフラムポンプ等のモータ駆動のポンプであり、気泡トラップ70を帰還ポンプ48に接触させて配置することにより、振動発生機構を別に備えなくとも、気泡トラップ70に振動を与えることができる。別の振動発生機構を備えないことで、制御もより単純である。モータ駆動のポンプが選択される理由は、モータ駆動のポンプが駆動中に振動するからである。つまり、帰還ポンプ48は振動するポンプであれば足りる。
なお、本実施形態では、気泡トラップ70に振動を与えるポンプは帰還ポンプ48であったが、勿論、供給ポンプ46であってもよい。また、供給ポンプ46および帰還ポンプ48の配置によっては、供給ポンプ46および帰還ポンプ48の両者であってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るインク供給システム30は、内容積が可変な気泡トラップ70を備えたインク供給システムである。より詳しくは、気泡トラップ70は、空気貯留室70bの内容積を変化させることができる構成を備える。
図8は、本実施形態に係る気泡トラップ70付近の縦断面図である。図8においても、左がプリンタ10の後方Rr、右がプリンタ10の前方Fである。本実施形態に係る気泡トラップ70にあっては、空気貯留室70bは、内容積を変化可能に構成されている。空気貯留室70bの内容積を変化させる部材は、袋状部70gである。空気貯留室70bは、気泡トラップの背面70fと、インクの流入口70aおよび流出口70cが備えられた底部70e付近と、排出口70d付近を除き、袋状部70gから成っている。袋状部70gを膨らませたり潰したりすることで、空気貯留室70bの内容積を変化させることができる。
袋状部70gは、例えば、薄いゴム、樹脂、金属等の可撓性の部材である。袋状部70gを備えた空気貯留室70bは、全体として、パウチ状の形状を備えている。袋状部70gは、外力や内圧によって張られ、または弛み、空気貯留室70bの内容積を変化させる。
また、本実施形態に係るインク供給システム30は、空気貯留室70bの内容積を減少させる方向に空気貯留室70bを押圧する押圧機構72を備えている。押圧機構72は、例えば、空気貯留室70bを弾性材の復元力によって押圧する機構を備えた押圧機構である。本実施形態では、上記弾性材はスプリング72bである。
図8に示されるように、押圧機構72は、気泡トラップ70の前方F側に、気泡トラップ70の袋状部70gと対面するように配置されている。押圧機構72は、押板72aと、スプリング72bと、ガイドロッド72cと、ソレノイド72dと、ストッパ72eとを備えている。図8は、ソレノイド72dがOFFのときの状態を表す図である。図8に示す状態において、押板72aは、袋状部70gと離間している。押板72aは、ソレノイド72dがONのときに袋状部70gに当接し、押圧する部材である。押板72aは、例えば、平板状の形状をしている。押板72aの材質は、例えば、鉄などの金属である。押板72aは、平面を鉛直にして(立てて)配置されている。押板72aには、4本のガイドロッド72c(図示は2本)が水平に挿入されている。即ち、押板72aは4本のガイドロッド72cに水平方向に摺動可能に係合している。ガイドロッド72cは、丸棒状の部材である。図示は省略するが、ガイドロッド72cの両端は、プリンタ10の筐体内に固定されている。押板72aの四隅近くには、ガイドロッド72cと滑らかに摺動させるために、例えば、ブッシュが設けられ、押板72aは、当該ブッシュで4本のガイドロッド72cに係合している。4本のガイドロッド72cには、さらにストッパ72eが水平方向に摺動自在に係合している。ストッパ72eもまた平板状の部材である。即ち、ストッパ72eは、押板72aと平行に、ガイドロッド72cに係合している。ストッパ72eも、例えば、ブッシュを備え、当該ブッシュでストッパ72eに係合している。また、本実施形態にあっては、ストッパ72eは、ガイドロッド72cの外側に張り出している。ストッパ72eのガイドロッド72cよりも張り出した部分の後方Rr側には、ソレノイド72dが、当該張り出し部分と対面して配置されている。ソレノイド72dは、通電すると磁性を帯びる電磁石を備えており、通電時にはストッパ72eを自身の方、即ち、後方Rr方向に引きつける。そこで、ストッパ72eは、電磁石に引き寄せられる磁性体(例えば鉄)からなる部分を備えている。そして、ガイドロッド72cの押板72aとストッパ72eとの間には、それぞれ1個ずつ計4個(図示は2個)のスプリング72bが挿入されている。スプリング72bは、両端が押板72aおよびストッパ72eに固定されている。従って、押板72aとストッパ72eとは、スプリング72bを介して一体をなしている。
気泡トラップ70が循環流路42中の空気を捕獲している間、ソレノイド72dはOFFしている。つまり、押板72aは、気泡トラップ70の袋状部70gから離間している。
空気貯留室70bに空気が貯留されている状態において、袋状部70gは、貯留されている空気の量に対応する大きさで膨張している。このとき、排出口70dの先に接続されている排出バルブ58は閉じている。空気貯留室70bに空気が貯まり続け、空気貯留室70bの体積が一定の体積を超えると、排出バルブ58が開放され、空気貯留室70bに貯留されていた空気が外部に放出される。空気貯留室70bの体積が一定の体積を超えたかどうかは、図示されない位置検出センサ等によって袋状部70gの位置を検出することで判断される。しかしながら、排出バルブ58の開放/閉鎖の制御は上記のような制御に限定されるものではなく、例えば、インクの循環が一定時間続けば排出バルブ58が開放されるように制御されてもよい。
ところで、前述したように、本実施形態に係るプリンタ10においてインク交換等を行う場合には、プリンタ10は排出モードに入る。排出モードは、循環流路42中のインクを気泡トラップ70経由で排出するモードである。排出モードにおいては、排出バルブ58が開放され、循環バルブ56が閉鎖される。その状態において供給ポンプ46および帰還ポンプ48が送液を行うことによって、気泡トラップ70の排出口70dからインクが排出される。しかし、このとき、従来の気泡トラップでは、気泡トラップ内のインクが全て排出されず、一部気泡トラップ内に残ってしまうという問題が発生していた。
そこで、本実施形態に係る気泡トラップ70は、空気貯留室70bの内容積を変化可能に構成されている。排出モードにおいて、可撓性を有する袋状部70gを、例えば、背面70fにほぼ密着する程度まで収縮させれば、空気貯留室70bの容積は減少する。空気貯留室70bの内容積を減少させることにより、排出モードにおいて気泡トラップ70内に残留するインクの量を減少させることができる。
本実施形態に係るインク供給システム30は、空気貯留室70bの内容積を減少させる方向に空気貯留室70bを押圧する押圧機構72を備えている。排出モード時、押圧機構72は、空気貯留室70bを押圧することで空気貯留室70bの容積を減少させる。それにより、排出モードにおいて気泡トラップ70内に残留するインクの量を減少させることができる。
図9は、図8と同様に気泡トラップ70付近の縦断面図であって、押圧機構72が気泡トラップ70を押圧している状態を表す図である。図9が示す状態は、排出モード時における状態である。排出モード時、ソレノイド72dはONになっている。ソレノイド72dがONすると、ストッパ72eは、ソレノイド72dに引き寄せられ、ガイドロッド72cに沿って後方Rrに水平移動する。ストッパ72eの移動距離は、ソレノイド72dに衝突するまでである。ストッパ72eがソレノイド72dに接触しているとき、押板72aは気泡トラップ70の袋状部70gに接触している。袋状部70gに接触することで、押板72aは袋状部70gによって前方F方向に押され、それによってスプリング72bが収縮している。逆に、袋状部70gは、スプリング72bを押し縮めた距離に相当する復元力で、スプリング72bによって後方Rr方向に押圧されている。上記押圧によって袋状部70gが潰れると、その分だけ押板72aは後方Rrに移動する。押板72aの移動に伴ってスプリング72bは長くなり、その分だけ復元力が減少する。このように、押圧機構72は、空気貯留室70bの内容積が小さくなるのに従って押圧力を弱めながら、気泡トラップ70の空気貯留室70bを押圧する。
上記のように押圧機構72が気泡トラップ70の袋状部70gを押圧することで、空気貯留室70bの容積はより小さくなり、気泡トラップ70内に残留するインクの量もより減少する。さらに、弾性材の復元力によって気泡トラップ70を押圧する押圧機構72によれば、押板72aが袋状部70gと接触する際、スプリング72bが当接の衝撃を吸収する。それにより、押板72aが袋状部70gに衝撃的に接触することを避けられる。
本実施形態に係る押圧機構72は、スプリング72bの長さが自然長に回復したことを検知するスイッチを備えていてもよい。上記スイッチによれば、気泡トラップ70への押圧が終了したことを把握できる。気泡トラップ70への押圧の終了は、排出モード終了のフラグにすることができる。上記スイッチは、例えば、リミットスイッチ等であり、スプリング72bの長さが自然長のときに、押板72aと接触するように配置される。
以上、いくつかの実施形態について説明した。しかしながら、本発明に係るインク供給システム、および、本発明に係るインク供給システムを備えたインクジェットプリンタは、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、本発明に係る押圧機構は、弾性材の復元力によって押圧する機構の代わりに、駆動力を発生させるアクチュエータを備えた押圧機構であってもよい。駆動力を発生させるアクチュエータは、例えば、モータ駆動のアクチュエータである。上記駆動力は、モータによるものには限られず、例えば、エアシリンダや電磁石等によるものであってもよい。図10は、エアシリンダを備えた押圧機構74を示す縦断面図である。図10においても、左がプリンタ10の後方Rrであり、上がプリンタ10の上方Uである。図10に示された実施形態では、押板74aはエアシリンダ74bのロッド74cの先端(後方Rr側の端部)に固定され、エアシリンダ74bは、後端(前方F側の端部)が固定部材74dに固定されている。その状態でエアシリンダ74bのロッド74cは、左右方向に伸縮する。ロッド74cが後方Rrに向かって伸びるとき、押板74aは、気泡トラップ70の袋状部70gを押圧する。上記のように、駆動力を発生させるアクチュエータによっても、押圧機構は、空気貯留室を押圧することができる。
押圧機構は、第3実施形態におけるガイドロッド72cおよびソレノイド72dのような移動に関する部材を備えなくてもよい。即ち、気泡トラップには常時押圧力が付加されていてもよい。上記実施形態の方が、第3実施形態よりも機構、制御ともにシンプルである。また、空気貯留室に接触する部材である押板も平板状であるとは限らず、例えば、略半球状やローラ状であってもよい。
本発明に係るインク供給システムは、押圧機構を備えなくてもよい。押圧機構の代わりに、例えば、排出流路に排出ポンプを設ければ、排出ポンプの吸引によって袋状部の内部が負圧になって袋状部が潰れ、空気貯留室内の残留インクの量を減少させることができる。
また、本発明に係る気泡トラップにおいて、空気貯留室の内容積を可変にする機構は袋状部のような可撓性の容器に限られず、例えば、蛇腹等であってもよい。気泡トラップにおいて内容積を可変にする機構は、限定されない。
循環流路における部材の配置も、これまでに説明された実施形態に係るものに限定されない。例えば、気泡トラップは、インクヘッドよりも上流側に設けられていてもよい。循環流路におけるその他の部材の配置も本発明の趣旨を逸脱しない限りで適宜変更することができ、新たなバルブなど部材の追加も適宜可能である。
また、上述したいくつかの実施形態においては、インクを吐出させる方式は、圧電素子の変位によって圧力室の体積を変化させる方式、いわゆるピエゾ駆動式であった。しかしながら、本発明に係るインク供給システムは、例えば、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式などの各種のオンデマンド方式によって実施されてもよい。本発明に係るインク供給システムのインク吐出方式は、限定されない。
第3実施形態に係るインク供給システムは、内容積を可変な気泡トラップを備えるインク供給システムとして、振動発生機構の存在と切り離して実施されてもよい。つまり、本発明に係るインク供給システムは、内容積を可変な気泡トラップを備え、振動発生機構を備えなくてもよい。同様に、気泡トラップがモータ駆動のポンプに接触していなくてもよい。内容積を可変な気泡トラップは、振動発生機構と独立に存在可能である。
なお、これまでの説明において本発明に係るインク供給システムは、インクジェットプリンタに搭載されていたが、本発明に係るインク供給システムは、インクジェットプリンタに搭載されるものに限られない。本発明に係るインク供給システムは、インクを吐出する装置全般に適用できる。例えばそれは、着色用のカラーインクを吐出する、粉末硬化タイプの三次元造形装置などである。
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
30 インク供給システム
32 インクヘッド
34 インクタンク
40 導入流路
42 循環流路
42s 供給流路
42r 帰還流路
44 排出流路
46 供給ポンプ(送液ポンプ)
48 帰還ポンプ(送液ポンプ)
50 供給側ダンパ
52 帰還側ダンパ
70 気泡トラップ
70b 空気貯留室
70g 袋状部
72 押圧機構
72a 押板
72b スプリング
74 エアシリンダ
80 振動発生機構
82 振動モータ
84 振動子
100 制御装置

Claims (10)

  1. インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクを吐出するインクヘッドと、
    一端が前記インクタンクに接続された導入流路と、
    一端が前記導入流路の前記インクタンク側と逆側の端部に接続され、他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、
    一端が前記インクヘッドに接続され、他端が前記導入流路と前記供給流路との接続部に接続された帰還流路と、
    前記供給流路および前記帰還流路によって構成される循環流路に設けられ、前記循環流路において前記インクを循環させる送液ポンプと、
    前記循環流路に設けられ、前記循環流路内に含まれる空気を捕獲する気泡トラップと、
    前記気泡トラップに接触して設けられ、前記気泡トラップに振動を与える振動発生機構と、
    を備えたインク供給システム。
  2. 前記振動発生機構は、振動モータを備えている、
    請求項1に記載のインク供給システム。
  3. 前記振動発生機構は、圧電素子を有する振動子を備えている、
    請求項1に記載のインク供給システム。
  4. インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクを吐出するインクヘッドと、
    一端が前記インクタンクに接続された導入流路と、
    一端が前記導入流路の前記インクタンク側と逆側の端部に接続され、他端が前記インクヘッドに接続された供給流路と、
    一端が前記インクヘッドに接続され、他端が前記導入流路と前記供給流路との接続部に接続された帰還流路と、
    前記供給流路および前記帰還流路によって構成される循環流路に設けられ、前記循環流路において前記インクを循環させる送液ポンプと、
    前記循環流路に設けられ、前記循環流路内に含まれる空気を捕獲する気泡トラップと、
    を備え、
    前記送液ポンプは、モータ駆動のポンプであり、
    前記気泡トラップは、前記送液ポンプに接触するように設けられている、
    インク供給システム。
  5. 前記気泡トラップは、捕獲した前記空気を貯留する空気貯留室と、前記空気貯留室と接続され前記空気を外部に逃がす排出口とを備え、
    前記空気貯留室は、内容積を変化可能に構成されている、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載のインク供給システム。
  6. 前記空気貯留室は、可撓性を有する容器を備えている、
    請求項5に記載のインク供給システム。
  7. 前記空気貯留室の内容積を減少させる方向に前記空気貯留室を押圧する押圧機構を備えた、
    請求項5または6に記載のインク供給システム。
  8. 前記押圧機構は、駆動力を発生させるアクチュエータを備えている、
    請求項7に記載のインク供給システム。
  9. 前記押圧機構は、前記空気貯留室を弾性材の復元力によって押圧する機構を備えている、
    請求項7に記載のインク供給システム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載のインク供給システムを備えた、
    インクジェットプリンタ。
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WO2024048027A1 (ja) * 2022-09-01 2024-03-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 インク供給システム

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