JP2012106462A - インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 - Google Patents
インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012106462A JP2012106462A JP2010258974A JP2010258974A JP2012106462A JP 2012106462 A JP2012106462 A JP 2012106462A JP 2010258974 A JP2010258974 A JP 2010258974A JP 2010258974 A JP2010258974 A JP 2010258974A JP 2012106462 A JP2012106462 A JP 2012106462A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- choke valve
- recording head
- supply path
- pressurizing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】インク残量に関わらず記録ヘッドから吸引されるインク量を一定に維持し、インク残量を正確に管理することが可能なインクジェット記録装置およびそのクリーニング方法を提供する。
【解決手段】メインタンクに対する加圧ポンプを停止した状態で記録ヘッドに対する吸引ポンプの駆動を開始し、所定の時間が経過後、吸引ポンプを停止することによって、インク供給路の途中に設けられたチョーク弁からキャップ内部までの空間を減圧する。そして、吸引ポンプを停止した後に、チョーク弁が開放されてチョーク弁よりも上流側のインクが下流側に流出させるように、加圧ポンプの駆動を開始する。これにより、インク残量に関わらず記録ヘッドからインクを吸引する時間および吸引されるインク量を一定にすることが出来る。
【選択図】図8
【解決手段】メインタンクに対する加圧ポンプを停止した状態で記録ヘッドに対する吸引ポンプの駆動を開始し、所定の時間が経過後、吸引ポンプを停止することによって、インク供給路の途中に設けられたチョーク弁からキャップ内部までの空間を減圧する。そして、吸引ポンプを停止した後に、チョーク弁が開放されてチョーク弁よりも上流側のインクが下流側に流出させるように、加圧ポンプの駆動を開始する。これにより、インク残量に関わらず記録ヘッドからインクを吸引する時間および吸引されるインク量を一定にすることが出来る。
【選択図】図8
Description
本発明は、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置に関する。特に、記録ヘッドにインクを輸送するインク供給路におけるクリーニング方法に関する。
インクジェット記録装置では、記録ヘッドに備えられた複数の記録素子から画像データに従ってインクを吐出し、記録媒体に画像を形成する。記録ヘッドには、インクが収容されたインクタンクからインクが供給されるが、比較的大型の記録装置の場合、インクタンクは装置内の所定の位置に固定され、記録ヘッドにはチューブなどを介してインクが供給される。このような構成のインクジェット記録装置では、インク供給経路中の異物や泡を除去するために、例えばチョーククリーニングと呼ばれるクリーニング方法が有用されている。
チョーククリーニングでは、まず、インク供給路中の記録ヘッドよりも上流(インクタンク側)にある開閉弁(以下、チョーク弁)を閉じた状態で、吸引ポンプを用いて記録ヘッドの吐出口面からインクを吸引する。これにより、チョーク弁から吐出口面の領域は負圧状態となり、領域内の気泡は膨張する。その後、チョーク弁を開放することにより、インクタンク内のインクが勢いよく記録ヘッドまで流入され、吐出口近傍の粘度の高いインクや膨張した気泡が排出される。
このとき、チョーク弁は、インクタンクからチョーク弁までの流路内圧が所定値以上に達した場合に開放され、それ以外は閉じられる仕組みになっている。したがって、従来のチョーククリーニングではインクタンク内のインクに圧力を加えるような加圧ポンプが用意され、チョーククリーニングを行うたびに加圧ポンプが作動される。
ところで、一般のインクタンクでは、図1(b)に示すように、剛性を有するタンクケース2の中に、インクが収容された袋状のインクパック3が設置された構成となっている。そして、加圧ポンプはタンクケース内のインクパック以外の空間9に空気を送り込むことによってインクパック3を外側から圧し、内圧を高める。
但し、このような構成においては、インクパック内のインク容積に応じてインクパック以外の空間9の体積も変わり、加圧ポンプによるインクパック内への加圧効果は変化する。つまり、図1(b)のように、インクパックが満タンの場合は、空間9の体積は比較的小さいので、加圧ポンプによるインクパックへの加圧効果は大きく、加圧ポンプが作動してから比較的短時間でチョーク弁は開放する。しかし一方、図1(c)のように、インクパックのインク残存量が少ない場合は、空間9の体積は比較的大きいので、加圧ポンプによるインクパックへの加圧効果は小さく、加圧ポンプが作動してから比較的長時間が経過しないとチョーク弁は開放しない。すなわち、図2(a)に示すように、加圧ポンプが作動してからチョーク弁が開放するまでの時間は、インクタンク内のインクが減少するにつれて長くなる。
その結果、吸引ポンプや加圧ポンプが同じように動作しても、インク残量が多い場合と少ない場合とでは、図3(a)および(b)に示すように、チョーク弁が開くタイミングの違いから、記録ヘッドから実際にインクを吸引するのに係る時間が変化する。つまり、実際に記録ヘッドから吸引されるインクの量もインク残量に応じて異なってしまう。
このような課題に対応するため、例えば特許文献1では、インク残量に応じて加圧手段の駆動速度を調整することによって、加圧ポンプが作動してからチョーク弁が開放するまでの時間を略一定に保つ方法が開示されている。
しかしながら、インクパック内のインク残量が更に減少してくると、チョーク弁の開放タイミングは、様々な要因の影響を受けてばらつくようになり、インク残量のみの情報では一定の吸引量を維持することは困難になって来る。すなわち、チョーククリーニング時の吸引量に繰り返しばらつきが生じ、インク残量を正確に管理することが出来なくなる。その結果、無駄にインクを消費したり、インクが十分に残っているのにインク残量がゼロであるとユーザに告知してしまったりする懸念が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、インク残量に関わらず記録ヘッドから吸引されるインク量を一定に維持し、インク残量を正確に管理することが可能なインクジェット記録装置およびそのクリーニング方法を提供することである。
そのために本発明は、インクを吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給するインクを貯留したメインタンクと、該メインタンクに貯留されたインクを空気加圧する加圧手段と、前記メインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給路と、該インク供給路の途中に設けられたチョーク弁であって、前記加圧手段によって前記インク供給路の前記チョーク弁よりも上流側の内圧が所定値以上に達した場合に、前記インク供給路のインク流を開放するチョーク弁と、前記記録ヘッドのインク吐出口にキャップを密着させた状態で、前記キャップの内部を減圧することによって、前記記録ヘッドの吐出口からインクを吸引することが可能な減圧手段と、前記加圧手段および前記減圧手段を制御する制御部と、を備えたインクジェット記録装置であって、前記制御部は、前記加圧手段の駆動を停止した状態で前記減圧手段の駆動を開始し、所定の時間が経過した後、前記減圧手段の駆動を停止することによって、前記チョーク弁から前記キャップの内部までの前記インク供給路の下流側を減圧するとともに、前記減圧手段の駆動を停止した後に、前記チョーク弁が開放されて前記上流側のインクを前記下流側に流出させるように、前記加圧手段を駆動することを特徴とする。
また、インクを吐出する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給するインクを貯留したメインタンクと、該メインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給路と、該インク供給路の途中に設けられたチョーク弁であって、前記加圧手段によって前記インク供給路の前記チョーク弁よりも上流側の内圧が所定値以上に達した場合に、前記インク供給路のインク流を開放するチョーク弁と、を備えたインクジェット記録装置のクリーニング方法であって、前記メインタンクに貯留されたインクを空気加圧する加圧工程と、前記記録ヘッドのインク吐出口にキャップを密着させた状態で、前記キャップの内部を減圧することによって、前記記録ヘッドの吐出口からインクを吸引することが可能な減圧工程と、を有し、前記加圧工程を停止した状態で前記減圧工程を開始し、所定の時間が経過した後、前記減圧工程を停止することによって、前記チョーク弁から前記キャップの内部までの前記インク供給路の下流側を減圧するとともに、前記減圧工程を停止した後に、前記チョーク弁が開放されて前記上流側のインクを前記下流側に流出させるように、前記加圧工程を開始することを特徴とする。
本発明によれば、チョーククリーニング時に吸引されるインク量を、インクパック内の残量インクによらず、ほぼ一定に維持することが出来る。
図4は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置10の内部構成を説明するための図である。記録ヘッド22は装置内を移動可能なキャリッジ21に搭載され、キャリッジ21の移動中に画像信号に応じてインクを吐出する。記録ヘッド22がインクを吐出するための駆動信号は、装置本体の電気基板から不図示のフレキシブルケーブルを介し、記録ヘッド22のコネクタによって受信される。本実施形態で使用する記録ヘッド22は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)のインクをそれぞれ吐出する4つの記録素子列を有する記録ヘッドである。
キャリッジ21は、ガイドシャフト26によって案内支持されながら、図のx方向に往復移動する。キャリッジ21の移動は、主走査モータ29を駆動源とし、モータプーリ30、従動プーリ37及びタイミングベルト40等の駆動機構を介することにより、その位置及び移動量が制御される。また、キャリッジ21には、後述するメインタンク1から供給されたインクを一時貯留し、キャリッジ21と共に移動しながら記録ヘッド22にインクを供給するサブタンク23が、インク色分搭載されている。
記録が行われる前、記録媒体43はオートシートフィーダ42上に積載されている。記録が開始されると、給紙モータ27が駆動され、この駆動力がギアを介してピックアップローラ41に伝達される。これによりピックアップローラ41が回転し、記録媒体43はオートシートフィーダ42から一枚ずつ分離されて装置内に給紙される。
給紙された記録媒体43は、搬送ローラ38とこれに従動するピンチローラ39のニップ部に支持されながら、搬送ローラ38の回転に伴い図のy方向に段階的に搬送される。搬送ローラ38は搬送モータ28により発生する回転力がギアで伝達されることで回転している。ベルト部材32により搬送ローラ38と連結されている従動ローラ35も、搬送ローラ38の回転に伴って回転し、これに従動する拍車ローラ34と共に記録が完了した領域の記録媒体を支持し、搬送している。搬送ローラ38には、所定の間隔でスリットが刻まれたコードホイール31が取り付けられており、不図示の回転角センサが搬送ローラ38の回転に伴うスリットの通過を検出する。これにより、搬送ローラ38の回転量と回転速度が実測され、当該実測情報が搬送モータ28の制御用ドライバにフィードバックされることによって、搬送ローラ38の回転か制御される。
搬送ローラ38と従動ローラ34の間であって、記録ヘッド22によって記録が行われる位置には、記録媒体43が記録ヘッド22の吐出口面に対し平行になるように、記録媒体43を下部から支持するプラテン36が配備されている。以上説明したような、記録ヘッド22によるx方向への記録主走査と、記録媒体43のy方向への搬送動作を交互に繰り返すことにより、記録媒体43に段階的に画像が形成されていく。
キャリッジ21のx方向の移動領域であって記録媒体43が通過しない位置には、記録ヘッド22に対するメンテナンス処理を行うための、吸引キャップ24や吸引ポンプ25などが備えられている。吸引キャップ24は、非記録時において、記録ヘッド21の吐出口面に密着し、吐出口面を保護して乾燥を防ぐ。吸引キャップを吐出口面に当接した状態で吸引ポンプ25を駆動することにより、記録ヘッド21の吐出口から強制的にインクを排出し、記録ヘッド21やインク供給経路中の異物や泡を排出することが出来る。
記録ヘッド22が吐出するインクは、記録装置内の所定の位置に固定されたメインタンク1から、インク供給路としての流路プレート18及びチューブ19を通ってキャリッジ21上のサブタンク23に供給される。インク供給路の途中には、インクタンクからの流路内圧が高い場合に開き低い場合に閉じる差圧開閉弁17(以後チョーク弁と呼ぶ)が配備されている。
空気加圧ユニット11は、メインタンク1内を加圧制御するためのユニットであり、加圧ポンプ12、圧力センサ13、加圧制限弁14および大気開放弁15を備えている。空気加圧ユニット11とメインタンク1は加圧空気供給路16で連結されており、加圧ポンプ12を駆動すると加圧空気供給路16を介してメインタンク1の中に空気が送られ、メインタンク1の内圧が高まる仕組みになっている。圧力センサ13は、経路中の内圧を検知して、検出結果を装置内の制御部に通知する。圧力センサ13によってある一定以上の圧力が検出された場合、制御部は加圧制限弁14を大気に開放し、メインタンク1に過大な圧力がかかるのを防ぐ。大気開放弁15は加圧空気供給路16を大気に開放したり閉鎖したりするための電磁弁であり、これによりメインタンク1に対する空気加圧の解除または維持を制御する。本実施形態では、1つの空気加圧ユニット11で、4色分のメインタンク1の空気加圧制御を行う構成となっている。
図1(a)〜(c)は、メインタンク1の内部構成を説明するための図である。メインタンク1は、剛性を有する例えばプラスチック製のタンクケース2と、インクを収容しタンクケース2内に収められたインクパック3、ジョイント部4、ICチップ6などから構成されている。インクパック3内のインクは、ジョイント部4に形成されたインク供給口7からインク供給路に流出し、記録ヘッド22に供給される。一方、上述した加圧ポンプ12によって送られた空気は、ジョイント部4に設けられた空気口8から、タンクケース2の内側でインクパック3の外側の空間9に注入される。インクパック3内のインク残量が十分なとき、図1(b)に示すように、空間9の容積は比較的小さい。しかし、インクパック3内のインク残量が少ないとき、図1(c)に示すように、空間9の容積は同図(b)に比べて大きくなる。
ICチップ6は、メインタンク1をインクジェット記録装置10に装着した際に、装置内の制御部に接続され、メインタンク1内のインク残量を管理する。
図5(a)〜(c)は、記録ヘッド22とこれに接続してインクを供給するサブタンク23の構成を説明するための断面図である。図5(a)を参照するに、インクチューブ19から供給されたインクは、まず泡バッファ44に流入される。泡バッファ44はサブタンク23の重力方向上位に配置されており、インクチューブ19から流入された泡はここで流路から外れ、記録ヘッド22に流入されない様になっている。一旦泡バッファ44に貯留されたインクは、その後負圧室50を経て、ヘッドフィルタ48で異物が除去された後、記録ヘッド22に供給される。記録ヘッド22では、共通液室51に貯留されたインクが複数のノズル49の毛細管力によってその先端まで移動する。但し、負圧室50では一定の負圧力が保たれており、ノズル49内のインクを引き戻そうとする力が発生する。このような毛細管力と負圧力のバランスにより、ノズルの先端(インク吐出口)には凹状のメニスカスが形成され、記録ヘッドの吐出状態が安定するようになっている。
図5(b)および(c)は、負圧室50の仕組みを説明するための拡大図である。圧力板47と供給制限弁46は、夫々のばね47および53によって図の左方向に付勢されている。負圧室50の内圧が所定値以上の場合、図5(b)のように、圧力板47と供給制限弁46は互いに離間しており、供給制限弁46は負圧室50内へのインクの流入を防いでいる。一方、負圧室50の内圧が所定値を下回ると、図5(c)のように、圧力板47はばね52の付勢に逆らって右方向に移動し供給制限弁46に接合する。そして、更にばね53の付勢に逆らって供給制限弁46を右方向に移動させ、負圧室50内へのインクの流入を許可する。このように、負圧が所定値以下になった場合にのみ、負圧が所定値に戻る程度のインク流入が行われるので、負圧室50の内圧はほぼ一定に保たれるのである。
図6(a)および(b)は、チョーク弁17の構成を説明するための断面図である。チョーク弁17は、流路プレート18上に形成されたインク供給路20の途中に設置され、ゴム部材56の上下移動によって、インク流路20におけるインクの流れを開放したり抑止したりする。ゴム部材56は、ばね55によって図の下方に付勢されており、インク供給路29の内圧が所定値以下であれば、図5(a)のように、ゴム部材56は流路プレート18に当接し、インク流路20は遮断されている。一方、インクパック3が加圧されてチョーク弁17よりも上流側のインク流路の内圧が所定値以上になると、図5(b)のように、内圧によってゴム部材56は上方に押し上げられ、インク流路20は開放される。このように、本実施形態のチョーク弁17は、上流側のインク供給路の内圧が所定値以上になった場合のみ、インク供給路20におけるインクの流れを開放する仕組みになっている。
図7は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置10の、制御の構成を説明するためのブロック図である。CPU58は、ROM59に格納された制御プログラムに従って、装置全体の制御を司る。このときRAM60は、ワークエリアとして使用される。また、ASIC 63は、特に算出手段、決定手段および駆動制御部として働き、これらデバイスはバス62によって互いに接続されている。
本実施形態において、本発明の特徴的なチョーククリーニング制御は、ROM 59に格納されたプログラムやパラメータに基づいて、ASIC 63が実行する。このチョーククリーニングは、所定時間が経過する度、または入力操作部64からユーザによる指示や外部に接続された入力端末70からのコマンドに応じて、実行されればよい。
以下、ASIC 63が実行するチョーククリーニングのシーケンスを2つの実施例で説明する。
図8(a)および(b)は、実施例1におけるチョーククリーニングの工程を説明するためのフローチャートと、吸引キャップ内部の圧力プロファイルを吸引ポンプ25及び加圧ポンプ12の駆動状態と共に示した図である。
本処理が開始すると、ASIC 63は、まず、ステップS1において、駆動回路67を駆動し大気開放弁15を開放する。これにより、メインタンク1内のインクパック3の空気加圧は解除され、チョーク弁17は閉じた状態となる。
ステップS2では、記録ヘッド21の吐出口面を吸引キャップ24に押し付けた状態で、駆動回路65を介して吸引ポンプ25を駆動する。チョーク弁17が閉じているので、チョーク弁17から記録ヘッド21までの領域が減圧される。
ステップS3では、ステップS2によって吸引ポンプ25を駆動してから所定の時間T1が経過したか否かを判断し、経過したと判断した時点でステップS4に進む。すなわち、チョーク弁17が閉じられた状態で吸引ポンプ25が駆動している状態がT1だけ維持され、その間、吸引キャップ24内の内圧は低下し続ける(図8(b)参照)。
ステップS4では、吸引ポンプ25の駆動を停止する。吸引ポンプ25が停止しても、チョーク弁17から記録ヘッドまでの流路空間は閉塞されているので、吸引キャップ24内の内圧はそのまま低い状態で維持される。
ステップS5において、ASIC 63は、ステップS1で開放した大気開放弁15を閉じ、続くステップS6において、駆動回路66を介して加圧ポンプ12を駆動する。大気開放弁15が閉じているので、加圧ポンプ65が送る空気は空間9に流入され、インクパック3にかかる外圧は徐々に強くなる。そして、ある程度の圧力に達するとチョーク弁17は開かれ、チョーク弁17より上流の加圧空間からチョーク弁17より下流の減圧空間にインクが一気に流れ込む。これにより、不要な泡や異物が吸引キャップ24内に排出されたり吸引キャップ24の方向に移動したりして、吸引キャップ24を含む流路全体の内圧は大気圧に近づき定常状態となる。
ステップS7では、ステップS6で加圧ポンプ12を駆動してから所定の時間T2が経過し、且つ圧力センサ13の内圧がP1以上であるか否かを判断する。ここで、T2およびP1は、チョーク弁17が開放し上記インクの流入が完了するに十分な時間と内圧に予め設定されている。ステップS7で、所定の時間T2が経過し且つ内圧がP1以上であると判断した場合は、ステップS8に進む。
ステップS8では、再び吸引ポンプ25の駆動を開始する。このとき、ステップS6で開始した加圧ポンプ12の駆動はまだ継続しているので、吸引キャップ24内にインクは流出する。
ステップS9では、ステップS8によって吸引ポンプ25を駆動してから所定の時間T3が経過したか否かを判断し、経過したと判断したタイミングでステップS10に進み、吸引ポンプ25の駆動を停止する。すなわち、吸引キャップ24内へのインクの流出(一般的なクリーニング動作)がT3だけ継続される(図8(b)参照)。続くステップS11で加圧ポンプ12を停止させ、本処理は終了する。
以上説明したように実施例1によれば、吸引ポンプ24によってチョーク弁17よりも下流側の空間を十分に減圧した後、吸引ポンプ24を停止した状態で、チョーク弁17を開放するに十分な時間が経過するまで加圧ポンプ12を駆動する。これにより、インクパック3内のインク残量が少なくて加圧ポンプ12による加圧効率が低い場合であっても、チョーク弁17が開放したタイミングで吸引キャップ24に流入するインク量を、残量インクが多い場合とほぼ同量に維持することが出来る。
図9(a)および(b)は、実施例2におけるチョーククリーニングの工程を説明するためのフローチャートと、吸引キャップ内部の圧力プロファイルを吸引ポンプ25及び加圧ポンプ12の駆動状態と共に示した図である。
本処理が開始すると、ASIC 63は、まず、ステップS11において駆動回路67を駆動し大気開放弁15を開放する。これにより、メインタンク1内のインクパック3の空気加圧は解除され、チョーク弁17は閉じた状態となる。
ステップS12では、記録ヘッド21の吐出口面を吸引キャップに押し付けた状態で、駆動回路65を介して吸引ポンプ25を駆動する。チョーク弁17が閉じているので、チョーク弁17から記録ヘッド21までの領域が減圧される。
ステップS13では、ステップS12によって吸引ポンプ25を駆動してから所定の時間T4が経過したか否かを判断し、経過したタイミングでステップS14に進む。
ステップS14において、ASIC 63は、ステップS11で開放した大気開放弁15を閉じ、続くステップS15において、駆動回路66を介して加圧ポンプ12を駆動する。大気開放弁15が閉じているので、加圧ポンプ65が送る空気は空間9に流入され、インクパック3にかかる外圧は徐々に強くなる。
ステップS16では、ステップS12によって吸引ポンプ25を駆動してから所定の時間T5が経過したか否かを判断し、経過したと判断した時点でステップS17に進み、吸引ポンプ25の駆動を停止する。吸引ポンプが停止した後も加圧ポンプ12は駆動しており、インクパック3にかかる外圧は徐々に強まって行く。そして、ある程度の圧力に達するとチョーク弁17は開かれ、チョーク弁17より上流の加圧空間からチョーク弁17より下流の減圧空間にインクが一気に流れ込む。これにより、不要な泡や異物が吸引キャップ24内に排出されたり吸引キャップ24の方向に移動したりして、吸引キャップ24の内圧は大気圧に近づき定常状態となる。
続くステップS18では、圧力センサ13の内圧がP1以上であるか否かを判断する。ここで、P1は実施例1と同様、チョーク弁17が開放し上記インクの流入が完了するに十分な内圧に予め設定されている。ステップS18で、内圧がP1以上であると判断した場合はステップS19に進み、加圧ポンプ12の駆動を停止する。以上で本処理が完了する。
ここで、本実施例では、ステップS13において吸引ポンプ25の駆動を開始してからの経過時間と比較するためのT4を、インク残量に応じて変更する。具体的には、インクパック3内のインク残量が少ないほど、チョーク弁17が開くまでの時間が長くなることが判っているので、残量が少なくなるほどT4の値を小さくして、加圧ポンプ12の駆動を早めに開始する。こうすることによって、吸引ポンプ25が停止してからチョーク弁17が開くまでの時間を、インク残量によらず一定且つなるべく短時間に抑えることが可能となる。
図2(b)は、インク残量に対して設定されるT4の値を示した図である。図において、破線は、加圧ポンプ12の駆動を開始してからチョーク弁17が開くまでの時間が、インク残量に応じて変化する様子を示している。インク残量が多いほど加圧効果は上がりチョーク弁が開くまでの時間は短くなっている。これに対し、実線は、本実施例で設定するT4、すなわち吸引ポンプ駆動開始時から加圧ポンプ駆動開始までの時間を示している。インク残量が少なく、チョーク弁が開くまでの加圧時間が長いほど、加圧ポンプ12の駆動開始タイミングを早めるため、T4は短くなっている。一方、インク残量が多く、チョーク弁が開くまでの加圧時間が短いほど、加圧ポンプ12の駆動開始タイミングは遅くても良いため、T4は長くなっている。本実施例では、このように吸引ポンプの駆動が開始されてから加圧ポンプの駆動を開始するまでの時間を、インクパック内のインク残量に応じて調整することにより、チョーククリーニングにかかる時間を、インク残量によらず短時間に効率的に行うことが可能となる。
本実施例においても、吸引ポンプによってチョーク弁よりも下流側の空間を十分に減圧した後にチョーク弁が開放されるので、実施例1と同様に、吸引キャップに吸引されるインク量を、インクパック内の残量インクによらず、ほぼ一定に維持することが出来る。その上で、本実施例においては、加圧ポンプの駆動を開始するタイミングが、インクパック内のインク残量に応じて調整されるので、チョーククリーニングにかかる時間を、インク残量によらず短時間に効率的に行うことが可能となる。
なお以上では、1つの空気加圧ユニット11で4色分のメインタンク1の空気加圧制御を行い、1つの吸引キャップ24で4色分の記録ヘッドに対するクリーニング動作を行う内容で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。個々のメインタンクのために1つずつ空気加圧ユニットが用意され、加圧制御をインク色毎に行う構成であっても構わないし、各色の記録ヘッドに対し1つずつの吸引キャップが用意されている構成であっても構わない。
1 メインタンク
3 インクパック
7 インク供給口
8 空気口
9 空間
10 インクジェット記録装置
11 空気加圧ユニット
12 加圧ポンプ
15 大気開放弁
16 加圧空気供給路
17 チョーク弁
20 インク供給路
22 記録ヘッド
24 吸引キャップ
25 吸引ポンプ
3 インクパック
7 インク供給口
8 空気口
9 空間
10 インクジェット記録装置
11 空気加圧ユニット
12 加圧ポンプ
15 大気開放弁
16 加圧空気供給路
17 チョーク弁
20 インク供給路
22 記録ヘッド
24 吸引キャップ
25 吸引ポンプ
Claims (5)
- インクを吐出する記録ヘッドと、
該記録ヘッドに供給するインクを貯留したメインタンクと、
該メインタンクに貯留されたインクを空気加圧する加圧手段と、
前記メインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給路と、
該インク供給路の途中に設けられたチョーク弁であって、前記加圧手段によって前記インク供給路の前記チョーク弁よりも上流側の内圧が所定値以上に達した場合に、前記インク供給路のインク流を開放するチョーク弁と、
前記記録ヘッドのインク吐出口にキャップを密着させた状態で、前記キャップの内部を減圧することによって、前記記録ヘッドの吐出口からインクを吸引することが可能な減圧手段と、
前記加圧手段および前記減圧手段を制御する制御部と、
を備えたインクジェット記録装置であって、
前記制御部は、前記加圧手段の駆動を停止した状態で前記減圧手段の駆動を開始し、所定の時間が経過した後、前記減圧手段の駆動を停止することによって、前記チョーク弁から前記キャップの内部までの前記インク供給路の下流側を減圧するとともに、
前記減圧手段の駆動を停止した後に、前記チョーク弁が開放されて前記上流側のインクを前記下流側に流出させるように、前記加圧手段を駆動することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記制御部は、前記減圧手段の駆動を停止してから前記加圧手段の駆動を開始することによって、前記チョーク弁を開放することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御部は、前記減圧手段の駆動を停止する前であって、前記減圧手段の駆動を停止した後に前記チョーク弁が開放されるようなタイミングで、前記加圧手段の駆動を開始することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記メインタンクに収容されたインクの残量を管理する手段を更に備え、
前記制御部は、前記減圧手段の駆動を停止した時点から前記チョーク弁が開放されるまでの時間がほぼ一定となるように、前記残量に応じて前記タイミングを調整することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。 - インクを吐出する記録ヘッドと、
該記録ヘッドに供給するインクを貯留したメインタンクと、
該メインタンクから前記記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給路と、
該インク供給路の途中に設けられたチョーク弁であって、前記加圧手段によって前記インク供給路の前記チョーク弁よりも上流側の内圧が所定値以上に達した場合に、前記インク供給路のインク流を開放するチョーク弁と、
を備えたインクジェット記録装置のクリーニング方法であって、
前記メインタンクに貯留されたインクを空気加圧する加圧工程と、
前記記録ヘッドのインク吐出口にキャップを密着させた状態で、前記キャップの内部を減圧することによって、前記記録ヘッドの吐出口からインクを吸引することが可能な減圧工程と、を有し、
前記加圧工程を停止した状態で前記減圧工程を開始し、所定の時間が経過した後、前記減圧工程を停止することによって、前記チョーク弁から前記キャップの内部までの前記インク供給路の下流側を減圧するとともに、
前記減圧工程を停止した後に、前記チョーク弁が開放されて前記上流側のインクを前記下流側に流出させるように、前記加圧工程を開始することを特徴とするクリーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010258974A JP2012106462A (ja) | 2010-11-19 | 2010-11-19 | インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010258974A JP2012106462A (ja) | 2010-11-19 | 2010-11-19 | インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012106462A true JP2012106462A (ja) | 2012-06-07 |
Family
ID=46492634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010258974A Pending JP2012106462A (ja) | 2010-11-19 | 2010-11-19 | インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012106462A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015093460A (ja) * | 2013-11-13 | 2015-05-18 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置及びメンテナンス方法 |
JP2019142205A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
-
2010
- 2010-11-19 JP JP2010258974A patent/JP2012106462A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015093460A (ja) * | 2013-11-13 | 2015-05-18 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置及びメンテナンス方法 |
JP2019142205A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
JP7143157B2 (ja) | 2018-02-23 | 2022-09-28 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5954925B2 (ja) | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 | |
JP5327446B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5614095B2 (ja) | 液体噴射装置 | |
JP5899613B2 (ja) | 液体吐出ヘッドへの液体供給方法、液体供給機構、ならびに液体吐出装置 | |
JP5572997B2 (ja) | 液体吐出装置 | |
US20120050421A1 (en) | Inkjet printing device and method for replacing a print head | |
JP6400413B2 (ja) | インク供給システム、インクジェットプリンタ、インクの充填方法、およびインク供給システムの使用方法 | |
JP7250467B2 (ja) | インクジェット記録装置および制御方法 | |
JP7191626B2 (ja) | 記録装置、およびその制御方法 | |
JP2008173816A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP6214329B2 (ja) | インクジェット記録装置およびその制御方法 | |
JP5494212B2 (ja) | インク供給装置 | |
JP2019014252A (ja) | インクジェット記録装置及びその制御方法 | |
JP6214356B2 (ja) | 撹拌装置、液体吐出装置、撹拌方法、インクジェット記録装置、およびインクジェット記録装置の制御方法 | |
US8506064B2 (en) | Image forming apparatus, method of controlling operations of removing air bubbles and computer readable information recording medium | |
JP2012011643A (ja) | インク供給装置 | |
JP2012106462A (ja) | インクジェット記録装置及びそのクリーニング方法 | |
US7370922B2 (en) | Ink jet recording apparatus and control method thereof | |
JP4670401B2 (ja) | 液滴噴射装置 | |
JP2019084772A (ja) | インク循環システム、インクジェットプリンタ、およびインク循環システムのパラメータ設定方法 | |
JP2011131491A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2009148927A (ja) | 液体噴射装置 | |
JP5107826B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2005059554A (ja) | インクジェット記録装置の吸引回復方法 | |
US11472179B2 (en) | Inkjet printing apparatus and controlling method |