JP2019014252A - インクジェット記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドとインクタンクの間でインクを循環する構成において、記録動作開始までのスループットを向上することができるインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】 インクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、を備え、インクが記録ヘッドの圧力室の内部を通過するように制御され、記録ヘッドによる記録動作のときは供給ポンプと回収ポンプの駆動によって記録ヘッドとインクタンクの間でインクが循環される循環状態とし、記録動作が終わると供給ポンプと回収ポンプの駆動を止めてインクの循環を停止する休止状態とするインクジェット記録装置であって、循環状態から休止状態に移行する際に、所定時間が経過するまでは休止状態より回収流路内の負圧が強い待機状態を維持する。【選択図】 図9

Description

本発明は、記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、インクを吐出するインクジェットヘッドとインクジェットヘッドへ供給されるインクを収容するインクタンクとを備えるインクジェット記録装置が開示されている。インクタンクとインクジェットヘッドは供給流路と回収流路によって接続されており、インクタンクとインクジェットヘッドの間をインクが循環するように構成されている。また、記録ヘッドのノズル近傍においても第1流路と第2流路の圧力差によってインクが流れることで、ノズル近傍におけるインクの増粘が抑制されて安定した吐出性能を維持することができる。
特開2014−144611号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、インクを循環させるために、第1流路に設けられた供給側バルブと第2流路に設けられた回収バルブの開閉操作や駆動調整が行われるため、次の記録動作開始までに時間がかかることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドとインクタンクの間でインクを循環する構成において、記録動作開始までのスループットを向上することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に配される供給ポンプと、前記供給流路の途中に配され流路を開閉可能な第1の弁と、前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、前記回収流路の途中に配される回収ポンプと、前記記録ヘッドの内部または前記回収流路に配され圧力に応じて容積変化するバッファ室と、前記回収流路の途中であって前記バッファ室より下流に配され流路を開閉可能な第2の弁と、を備え、前記記録動作を行うときは、前記第1の弁及び前記第2の弁を開き前記供給ポンプ及び前記回収ポンプを駆動することによって前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間でインクが循環される循環状態とし、前記記録動作を行わないときは、前記第1の弁及び前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止してインクが循環しない休止状態とするインクジェット記録装置であって、前記循環状態から前記休止状態に移行する際に前記記録動作が終了してから所定時間が経過するまでは、前記第1の弁と前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止して前記バッファ室が前記休止状態より収縮することで前記回収流路内の負圧が前記休止状態よりも強い待機状態とすることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドとインクタンクの間でインクを循環する構成において、記録動作開始までのスループットを向上することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置が待機状態にあるときの図である。 インクジェット記録装置の制御構成図である。 インクジェット記録装置が記録状態にあるときの図である。 (a)〜(c)は、第1カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)〜(c)は、第2カセットから給送された記録媒体の搬送経路図である。 (a)〜(d)は、記録媒体の裏面に記録動作を行う場合の搬送経路図である。 インクジェット記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。 (a)および(b)は、メンテナンスユニットの構成を示す斜視図である。 インク供給ユニットを示す概略図である。 記録ヘッド(ヘッドユニット)のインク吐出部の構成を示す図である。 記録ヘッド(ヘッドユニット)の第1の負圧制御ユニットの構成を示す図である。 インクジェット記録装置が記録状態から待機状態に移行するための制御を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置が待機状態から記録状態に移行するための制御を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置が待機状態から休止状態に移行するための制御を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置が休止状態から記録状態に移行するための制御を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置が記録状態へ移行するときの回収ポンプの制御を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(以下、記録装置)1の内部構成図である。以降、図においてx方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列する方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFで自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側と下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、記録ヘッド8の上流側に配され、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送経路における最下流に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配され、記録媒体Sを所定方向に案内する。拍車7bのうち、搬送ローラ7または排出ローラ12と対向する位置に設けられたものは、搬送ローラ7または排出ローラ12と記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッド(ラインヘッド)であり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。記録ヘッド8が図1に示す待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aはキャップユニット10によってキャップされている。このキャップユニット10の位置をキャッピング位置とも称する。記録ヘッド8が記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。メンテナンス動作については後に詳しく説明する。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、印刷モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させることで、記録ヘッド8が記録動作に利用できるようにする。
記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す第1給送ユニット6A、第2給送ユニット6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、印刷処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えば、コントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザがADFに搭載した原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを下降させながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
次に、プリント部2における記録媒体Sの搬送経路について説明する。記録コマンドが入力されると、プリントコントローラ202は、まず、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、記録ヘッド8を図3に示す記録位置に移動する。その後、プリントコントローラ202は搬送制御部207を用い、記録コマンドに従って第1給送ユニット6Aおよび第2給送ユニット6Bのいずれかを駆動し、記録媒体Sを給送する。
図4(a)〜(c)は、第1カセット5Aに収容されているA4サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。図4以降で、搬送される記録媒体Sは点線によって示す。第1カセット5A内で1番上に積載された記録媒体Sは、第1給送ユニット6Aによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。図4(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、第1給送ユニット6Aに給送されて記録領域Pに到達する間に、水平方向(x方向)から、水平方向に対して約45度傾いた方向に変更される。
記録領域Pでは、記録ヘッド8に設けられた複数の吐出口から記録媒体Sに向けてインクが吐出される。インクが付与される領域の記録媒体Sは、プラテン9によってその背面が支持されており、吐出口面8aと記録媒体Sの距離が一定に保たれている。インクが付与された後の記録媒体Sは、排出ローラ12と拍車7bに案内されながら、先端が図4において右側に傾いているフラッパ11の左側を通り、ガイド18に沿って記録装置1の鉛直方向上方へ搬送される。図4(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。記録媒体Sの進行方向は、水平方向に対し約45度傾いた記録領域Pを過ぎると、搬送ローラ7と拍車7bによって鉛直方向上方に変更されている。
記録媒体Sは鉛直方向上方に搬送された後、排出ローラ12と拍車7bによって排出トレイ13に排出される。図4(c)は、記録媒体Sの先端が排出トレイ13に排出される状態を示す。記録媒体Sは、記録ヘッド8によって画像が記録された面を下にした状態で排出され、排出トレイ13上に保持される。
図5(a)〜(c)は、第2カセット5Bに収容されているA3サイズの記録媒体Sが給送されるときの搬送経路を示す図である。第2カセット5B内で1番上に積載された記録媒体Sは、第2給送ユニット6Bによって2枚目以降の記録媒体から分離され、搬送ローラ7とピンチローラ7aにニップされながら、プラテン9と記録ヘッド8の間の記録領域Pに向けて搬送される。
図5(a)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。第2給送ユニット6Bに給送されて記録領域Pに到達するまでの搬送経路には、複数の搬送ローラ7とピンチローラ7aおよびインナーガイド19が配されることで、記録媒体SはS字状に湾曲されてプラテン9まで搬送される。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示したA4サイズの記録媒体Sの場合と同様である。図5(b)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。図5(c)は、記録媒体Sの先端が排出トレイ13に排出される状態を示す。
図6(a)〜(d)は、A4サイズの記録媒体Sの裏面(第2面)に対して記録動作(両面記録)を行う場合の搬送経路を示す。記録装置1が両面記録を行う場合、第1面(表面)を記録した後に第2面(裏面)に記録動作を行う。第1面を記録する際の搬送工程は図4(a)〜(c)と同様であるので、ここでは説明を省略する。以後、図4(c)以後の搬送工程について説明する。
記録ヘッド8による第1面への記録動作が完了し、記録媒体Sの後端がフラッパ11を通過すると、プリントコントローラ202は、搬送ローラ7を逆回転させて記録媒体Sを記録装置1の内部へ搬送する。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータによってその先端が図6において左側に傾くように制御されるため、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)はフラッパ11の右側を通過して鉛直方向下方へ搬送される。図6(a)は、記録媒体Sの先端(第1面の記録動作における後端)が、フラッパ11の右側を通過する状態を示す。
その後記録媒体Sは、インナーガイド19の湾曲した外周面に沿って搬送され、再び記録ヘッド8とプラテン9の間の記録領域Pに搬送される。この際、記録ヘッド8の吐出口面8aに、記録媒体Sの第2面が対向する。図6(b)は、第2面の記録動作のために、記録媒体Sの先端が記録領域Pに到達する直前の搬送状態を示す。
その後の搬送経路は、図4(b)および(c)で示した第1面記録の場合と同様である。図6(c)は、記録媒体Sの先端が記録領域Pを通過して鉛直方向上方に搬送される状態を示す。この際、フラッパ11は、不図示のアクチュエータにより先端が右側に傾いた位置に移動するように制御される。図6(d)は、記録媒体Sの先端が排出ローラ12を通過して排出トレイ13に排出される状態を示す。なお、A3サイズの記録媒体Sの両面記録においても、同様の搬送が行われる。
次に、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作について説明する。図1でも説明したように、メンテナンスユニット16はキャップユニット10とワイピングユニット17とを備え、所定のタイミングにこれらを作動させてメンテナンス動作を行う。
図7は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、まず記録ヘッド8を鉛直方向において斜め上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図7における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図7に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、まず記録ヘッド8を約45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202はワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
図8(a)はメンテナンスユニット16が待機ポジションにある状態を示す斜視図であり、図8(b)はメンテナンスユニット16がメンテナンスポジションにある状態を示す斜視図である。図8(a)は図1に示すメンテナンスユニット16の位置に対応し、図8(b)は図7に示すメンテナンスユニット16の位置に対応している。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、メンテナンスユニット16は図8(a)に示す待機ポジションにあり、キャップユニット10はキャッピング位置にあり、ワイピングユニット17はメンテナンスユニット16の内部に収納されている。キャップユニット10はy方向に延在する箱形のキャップ部材10aを有し、これを記録ヘッド8の吐出口面8aに密着させることにより、吐出口からのインクの蒸発を抑制することができる。また、キャップユニット10は、キャップ部材10aに予備吐出等で吐出されたインクを回収し、回収したインクを不図示の吸引ポンプに吸引させる機能も備えている。
一方、図8(b)に示すメンテナンスポジションにおいて、キャップユニット10は鉛直方向下方の退避位置に移動しており、ワイピングユニット17がメンテナンスユニット16から引き出されている。ワイピングユニット17は、ブレードワイパユニット171とバキュームワイパユニット172の2つのワイパユニットを備えている。
ブレードワイパユニット171には、吐出口面8aをx方向に沿ってワイピングするためのブレードワイパ171aが吐出口の配列領域に相当する長さだけy方向に配されている。ブレードワイパユニット171を用いてワイピング動作を行う際、ワイピングユニット17は、記録ヘッド8がブレードワイパ171aに当接可能な高さに位置決めされた状態で、ブレードワイパユニット171をx方向に移動する。この移動により、吐出口面8aに付着するインクなどはブレードワイパ171aに拭き取られる。
ブレードワイパ171aが収納される際のメンテナンスユニット16の入り口には、ブレードワイパ171aに付着したインクを除去するとともにブレードワイパ171aにウェット液を付与するためのウェットワイパクリーナ16aが配されている。これにより、ブレードワイパ171aはメンテナンスユニット16に収納される度にウェットワイパクリーナ16aによって付着物が除去されウェット液が塗布される。そして、次に吐出口面8aをワイピングしたときにウェット液を吐出口面8aに転写し、吐出口面8aとブレードワイパ171a間の滑り性を向上させている。
一方、バキュームワイパユニット172は、y方向に延在する開口部を有する平板172aと、開口部内をy方向に移動可能なキャリッジ172bと、キャリッジ172bに搭載されたバキュームワイパ172cとを有する。バキュームワイパ172cは、キャリッジ172bの移動に伴って吐出口面8aをy方向にワイピング可能に配されている。バキュームワイパ172cの先端には、不図示の吸引ポンプに接続された吸引口が形成されている。このため、吸引ポンプを作動させながらキャリッジ172bをy方向に移動すると、記録ヘッド8の吐出口面8aに付着したインク等は、バキュームワイパ172cによって拭き寄せられながら吸引口に吸い込まれる。この際、平板172aと開口部の両端に設けられた位置決めピン172dは、バキュームワイパ172cに対する吐出口面8aの位置合わせに利用される。
図9は、記録装置1で採用するインク供給ユニット15を示す図である。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14から記録ヘッド8へインクを供給する構成である。ここでは、1色のインクについての構成を示すが、記録装置1には同様の構成がインクの色ごとに用意されている。インク供給ユニット15は、基本的に図2で示したインク供給制御部209によって制御される。以下、ユニットの各構成について説明する。
インクは主にサブタンク(インクタンク)151と記録ヘッド8(図9以降ではヘッドユニット8)の間を循環する。ヘッドユニット8では画像データに基づいてインクの吐出動作が行われ、吐出されなかったインクが再びサブタンク151に回収される。
所定量のインクを収容するサブタンク151は、ヘッドユニット8へインクを供給するための供給流路C2とヘッドユニット8からインクを回収するための回収流路C4と接続されている。すなわち、サブタンク151、供給流路C2、ヘッドユニット8、および回収流路C4によってインクが循環する循環経路が構成される。
サブタンク151には複数のピンで構成される液面検知手段151aが設けられ、インク供給制御部209は、これら複数のピン間における導通電流の有無を検知することで、インク液面の高さ、即ちサブタンク151内のインク残量を把握することができる。インクが供給されたサブタンク151は、下方にインクが貯留されるインク室を有し、上方にインクが貯留されない空気室を有する。減圧ポンプP0は、サブタンク151の内部を減圧するための負圧発生源である。大気連通弁V0は、サブタンク151の内部と大気の連通を切り替えるための弁である。
メインタンク141は、サブタンク151へ供給されるインクを収容するタンクである。メインタンク141は可撓性部材で構成され、可撓性部材の容積変化によってサブタンク151へインクが充填される。メインタンク141は、記録装置本体に対して着脱可能な構成である。サブタンク151とメインタンク141を接続するタンク接続流路C1の途中には、サブタンク151とメインタンク141の接続を開閉するためのタンク供給弁V1が配されている。
以上の構成のもと、インク供給制御部209は、液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量より少ないことを検知すると、大気連通弁V0、供給弁V2、回収弁V4およびヘッド交換弁V5を閉じる。この状態において、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1を開き、減圧ポンプP0を作動させる。すると、サブタンク151の内部が負圧となりメインタンク141からサブタンク151へインクが供給される。液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量を超えたことを検知すると、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1を閉じて減圧ポンプP0を停止する。
供給流路C2は、サブタンク151からヘッドユニット8へインクを供給するための流路であり、その途中にはサブタンク151に近い方から順に、第1逆止弁V6と供給ポンプP1と供給弁V2が配されている。第1逆止弁V6は、サブタンク151からヘッドユニット8への一方向のみにインクを流し、その逆方向への流れを規制する一方向弁であり、上流側と下流側の圧力差に応じて開閉する。すなわち第1逆止弁V6は、弁の上流側と下流側に所定の圧力差が生じると開いて、サブタンク151からヘッドユニット8へのインクの供給を許容する。
第1逆止弁V6は、減圧ポンプP0を駆動してサブタンク151内を減圧する際に、供給流路C2内のインクがサブタンク151へ引き込まれるのを抑制するための弁である。また、第1逆止弁V6は、開閉するための圧力差を利用してインク流路(循環経路)内の圧力を制御する役割も果たす。なお、サブタンク151内の減圧は、上述したようなメインタンク141からサブタンク151へのインクの充填の他、流路内のインクを脱気して泡の発生を抑制する脱気動作の際も行われる。
供給弁V2は駆動式の駆動弁で、ヘッドユニット8による記録動作中(インクの循環動作中)は開いている。供給弁V2は、ヘッドユニット8をキャップユニット10でキャッピングした状態で吐出口から吸引して、供給弁V2より下流の供給流路C2とヘッドユニット8内へインクを充填する際に閉じられる。キャッピングした状態で吸引するときに供給弁V2と後述するバッファ室遮断弁V8を閉じることで、供給弁V2とヘッドユニット8の間に閉空間を形成し、吸引による負圧を当該閉空間にチャージする。所定時間負圧をチャージした後、供給弁V2を開放すると、チャージされた強い負圧によってヘッドユニット8内にインクを充填することができる(チョーク吸引)。また、供給弁V2とバッファ室遮断弁V8の間の流路におけるインクの泡抜きの際にも、同様のチョーク吸引動作を行う。
記録動作中は、供給弁V2を開いた状態で供給ポンプP1を駆動することにより、ヘッドユニット8へインクを供給しつつ循環経路においてインクを循環することができる。ヘッドユニット8によって単位時間あたりに消費されるインクの量は画像データに応じて変動する。このため、供給ポンプP1の流量は、ヘッドユニット8における単位時間あたりのインク消費量が最大となる吐出動作を行った場合にも対応できるように設定されていて、当該流量に対応可能な駆動量で供給ポンプP1が駆動される。
リリーフ流路(迂回経路)C3は、一端が第1逆止弁V6と供給ポンプP1の間に接続され、他端が供給ポンプP1と供給弁V2の間に接続される流路であり、リリーフ流路C3の途中には差圧弁であるリリーフ弁V3が配される。供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が、ヘッドユニット8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2における単位時間あたりの流量の合計値よりも多い場合は、リリーフ弁V3は自身に作用する圧力に応じて開放される。その結果、供給流路C2の一部とリリーフ流路C3とで構成される巡回流路が形成される。上記リリーフ流路C3の構成を設けることにより、ヘッドユニット8に対するインク供給量はヘッドユニット8でのインク消費量に応じて調整され、循環経路内の流圧を画像データによらず安定させることができる。
回収流路C4は、ヘッドユニット8からサブタンク151へインクを回収するための流路であり、その途中にはサブタンク151に近い方から順に、第2逆止弁V7と回収弁V4と回収ポンプP2とバッファ室85とバッファ室遮断弁V8とが配されている。回収ポンプP2は、循環経路内にインクを循環させる際、負圧発生源となってヘッドユニット8からインクを吸引する。回収ポンプP2の駆動により、ヘッドユニット8内のIN流路80bとOUT流路80cの間に圧力差が生じ、IN流路80bからOUT流路80cへインクが移動する。ヘッドユニット8内の流路構成については後に詳しく説明する。
第2逆止弁V7は、ヘッドユニット8からサブタンク151への一方向のみにインクを流し、その逆方向への流れを規制する一方向弁である。第2逆止弁V7は、第1逆止弁V6と同様、弁の上流側と下流側の圧力差に応じて開閉する。すなわち第2逆止弁V7は、弁の上流側と下流側に所定の圧力差が生じると開いて、ヘッドユニット8からサブタンク151へのインクの回収を許容する。
第2逆止弁V7は、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときに、回収流路C4を介してサブタンク151からヘッドユニット8へインクが流れることを防止するための弁である。本実施形態の循環経路では、サブタンク151はヘッドユニット8よりも鉛直方向において上方に配置されている(図1参照)。このため、供給ポンプP1や回収ポンプP2を駆動していないとき、サブタンク151とヘッドユニット8の水頭差によって、サブタンク151からヘッドユニット8へインクが逆流してしまうおそれがある。このような逆流を防止するため、本実施形態では回収流路C4に第2逆止弁V7を設けている。
回収弁V4は、駆動式の駆動弁で、減圧ポンプP0を駆動してサブタンク151内を減圧する際に、回収流路C4内のインクがサブタンク151へ引き込まれるのを抑制するための弁である。
バッファ室85は、付勢部材であるバネと可撓性部材によって構成され、インク流路内の圧力の変化に応じて容積変化可能な部材であり、可撓性部材はバネによってバッファ室85の容積が広がる方向に付勢されている。すなわちバッファ室85は、圧力に応じて内包するインク量が変化する。例えば、ヘッドユニット8内や回収流路C4中のインクに泡が混在した際に、泡の収縮や膨張による体積変化を吸収して、流路中の負圧を一定に保つ(圧力を適正範囲に保つ)役割を有する。これにより、ヘッドユニット8におけるメニスカスを維持することができ、ヘッドユニット8からのインク漏れや吐出口からの空気の引き込みなどを抑制することができる。
バッファ室遮断弁V8は、ヘッドユニット8とバッファ室85の間に設けられる。バッファ室遮断弁V8は、上述したチョーク吸引の際に閉じることで、キャップユニット10から吸引排出されるべきインクが回収流路C4の下流に流れてしまうのを防ぐ役割を果たす。
次に、ヘッド交換流路(第1の流路)C5は、供給流路C2とサブタンク151の空気室(インクが収容されていない空間)を接続する流路であり、その途中にはヘッド交換弁V5が配されている。ヘッド交換流路C5の一端は供給流路C2におけるヘッドユニット8の上流に接続され、他端はサブタンク151の上方に接続されて内部の空気室と連通する。ヘッド交換流路C5は、ヘッドユニット8を交換する際や記録装置1を輸送する際など、使用中のヘッドユニット8からインクを回収するときに利用される。
ヘッド交換弁V5は、記録装置1にインクを初期充填するときとヘッドユニット8からインクを回収するとき以外は閉じるように、インク供給制御部209によって制御される。ヘッド交換流路C5は、供給弁V2よりも下流側で供給流路C2と接続される。すなわち、上述した供給弁V2は供給流路C2において、ヘッド交換流路C5との接続部と、リリーフ流路C3との接続部の間に設けられている。
なお、本実施形態では供給流路C2に第1逆止弁V6を設ける構成を示したが、必ずしも設ける必要はない。減圧ポンプP0を駆動してサブタンク151内を減圧する際に、供給弁V2を閉じることで供給流路C2内のインクがサブタンク151へ引き込まれるのを抑制することができる。同様に、第2逆止弁V7を設けない構成も採用することができる。回収弁V4を閉じることで、サブタンク151からヘッドユニット8へのインクの逆流を抑制することができる。
次に、ヘッドユニット8内の流路構成について説明する。供給流路C2よりヘッドユニット8に供給されたインクは、フィルタ83を通過した後、弱い負圧を発生する第1の負圧制御ユニット(第1の圧力制御手段)81と、強い負圧を発生する第2の負圧制御ユニット(第2の圧力制御手段)82とに供給される。以下の説明で、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82をまとめて負圧制御ユニットとも称する。第1の負圧制御ユニット81によって発生する圧力の絶対値に対して、第2の負圧制御ユニット82によって発生する圧力の絶対値は小さい。これら第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82における圧力は、回収ポンプP2の駆動によって生成される。
インク吐出部80には、複数の吐出口が配列された記録素子基板80aが複数配置され、長尺の吐出口列が形成されている。記録素子基板80aには、インクを熱エネルギーにより発泡させるための発熱素子である記録素子2323(図10(b)参照)が形成されている。第1の負圧制御ユニット81より供給されるインクを導くための共通供給流路80b(IN流路)と、第2の負圧制御ユニット82より供給されるインクを導くための共通回収流路80c(OUT流路)も、記録素子基板80aの配列方向に延在している。共通供給流路80bは、供給流路C2と接続されている。共通回収流路80cは、供給流路C2及び回収流路C4の両方と接続されている。
図10(a)は記録素子基板80aの一部を拡大した平面模式図であり、図10(b)は、図10(a)の断面線X−Xにおける断面模式図である。記録素子基板80aには、インクが充填される圧力室2402とインクを吐出する吐出口2311が設けられている。圧力室2402において、吐出口2311と対向する位置には記録素子2323が設けられている。また、記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別供給流路2321と、共通回収流路80cと接続する個別回収流路2322とが複数形成されている。
上述した構成により、記録素子基板80aでは、相対的に負圧の弱い(圧力の高い)共通供給流路80bより流入し、相対的に負圧の強い(圧力の低い)共通回収流路80cへ流出するインクの流れが生成される。より詳しくは、共通供給流路80b→個別供給流路2321→圧力室2402→個別回収流路2322→共通回収流路80cの順にインクが流れる。記録素子2323によってインクが吐出されると、共通供給流路80bから共通回収流路80cへ移動するインクの一部は吐出口2311から吐出されることによって排出されるが、吐出されなかったインクは共通回収流路80cを経て回収流路C4へ移動する。なお、共通回収流路80cと個別供給流路2321と個別回収流路2322を有さず、共通供給流路80bが回収流路C4と直接接続されることで共通供給流路80bからインクが回収される形態であってもよい。
図11はヘッドユニット8に設けられた第1の負圧制御ユニット81を示す。図11(a)(b)は外観斜視図であり、特に図11(b)は、第1の負圧制御ユニット81の内部を示すために可撓性フィルム232を不図示にした様子を示す。図11(c)は、図11(a)におけるXIVC−XIVCの断面を示す。第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82は差圧弁であり、制御圧(バネの初期荷重)の差異以外は同一の構成のため、第2の負圧制御ユニット82の説明は省略する。
第1の負圧制御ユニット81は、図11(b)に示される受圧板231とその周囲の空間を密閉する可撓性フィルム232によって、第1圧力室233が内部に形成されている。可撓性フィルム232は、図11(b)で示す円形状の縁及び受圧板231に対して溶着されている。第1圧力室233内のインクの増減に応じて、可撓性フィルム232と可撓性フィルム232に溶着された受圧板231とが上下に変位する。
第1圧力室233のインク供給方向における上流側には、供給ポンプP1と接続される第2圧力室238と、受圧板231と連結されたシャフト234と、シャフト234と連結された弁235と、弁235と当接するオリフィス236と、が設けられている。本実施形態のオリフィス236は、第1圧力室233と第2圧力室238との境界に設けられている。弁235とシャフト234と受圧板231はさらに、付勢部材(バネ)237によって鉛直上方へ向けて付勢されている。
第1圧力室233内の圧力の絶対値が第1閾値以上であるとき(第1閾値より負圧が弱い場合)は、付勢部材237の付勢力によって弁235がオリフィス236と当接し、第1圧力室233と第2圧力室238との接続を遮断している。一方、第1圧力室233内の圧力の絶対値が第1閾値未満となったとき、つまり第1圧力室233に第1閾値より強い負圧がかかったとき、可撓性フィルム232が収縮して下方へ変位する。これにより、受圧板231と弁235が付勢部材237の付勢に抗して下方へ変位して、弁235とオリフィス236が離間して、第1圧力室233と第2圧力室238とが接続される。この接続によって、供給ポンプP1によって供給されたインクが第1圧力室233へ向けて流入する。すなわち、第1の負圧制御ユニット81は、インクが流通可能な開状態となる。
第1の負圧制御ユニット81は上述した差圧弁の構成になっており、これにより流入圧力と流出圧力を一定に制御する。第2の負圧制御ユニット82は、第1の負圧制御ユニット81より強い負圧を発生させるために、第1の負圧制御ユニット81より付勢部材237の付勢力が大きいものを採用している。すなわち、第2の負圧制御ユニット82は、第1閾値よりも圧力の絶対値が小さい、第2閾値未満となったときに弁が開放される。従って、回収ポンプP2が駆動すると、まず第1の負圧制御ユニット81が閉状態から開状態となり、次いで第2の負圧制御ユニット82が閉状態から開状態となる。
上述のようなインク供給ユニット15とヘッドユニット8の構成のもと、記録動作を行うとき、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1とヘッド交換弁V5を閉じ、大気連通弁V0、供給弁V2、および回収弁V4を開く。この状態で、インク供給制御部209は供給ポンプP1および回収ポンプP2を駆動する。第1逆止弁V6と第2逆止弁V7は、供給ポンプP1と回収ポンプP2の駆動によって流路内に所定の圧力差が生じることで、弁が開きインクの流れを許容する。これにより、サブタンク151→供給流路C2→ヘッドユニット8→回収流路C4→サブタンク151の循環経路が確立する。
供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量がヘッドユニット8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2における単位時間あたりの流量の合計値よりも多い場合は、リリーフ弁V3に所定圧がかかることで開放される。その結果、供給流路C2からリリーフ流路C3にインクが流れ込む。このように供給過多となったインクがリリーフ流路C3へ流れることで、供給流路C2からヘッドユニット8に流入するインクの流量が調整される。
図12は、記録動作の終了に伴いインクの循環を停止して、記録装置1が仮の休止状態である待機状態に移行するためのシーケンスを示す。すなわち、待機状態は記録命令を受けてすぐに記録動作を開始できる状態であり、休止状態は長期間放置されるときに対応する状態である。
記録動作が完了すると、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210およびヘッドキャリッジ制御部208を用いて、ヘッドユニット8を待機位置に移動する。待機位置において、ヘッドユニット8はキャップユニット10によってキャッピングされる。
インクの循環を停止するためにインク供給ユニット15では、図12に示すように、インク供給制御部209によって供給ポンプP1と回収ポンプP2を停止する。また、インク供給制御部209は大気連通弁V0を閉塞することで、サブタンク151内のインクの蒸発を抑制する。なお、第1逆止弁V6と第2逆止弁V7を設けない構成の場合は、水頭差によるサブタンク151からヘッドユニット8へのインクの流れを抑制するために、インク供給制御部209が供給弁V2と回収弁V4を閉塞する。
このとき、回収ポンプP2と第2逆止弁V7の間においては、回収ポンプP2が停止したことによって圧力差が小さくなり、第2逆止弁V7が閉状態となる。回収ポンプP2よりも上流側においては、バッファ室85がバネによって容積が膨張する方向に付勢されることで、バッファ室85内にインクを引き込む(吸引する)力が発生する。ここで、バッファ室85の下流側では第2逆止弁V7は閉塞されているため、バッファ室85によってインクが引き込まれない。そのため、バッファ室85の上流側に配されるヘッドユニット8からサブタンク151までのインク流路中から、バッファ室85内へインクが引き込まれる。 バッファ室85によるインクの引き込みによってインク流路内の圧力が均衡すると、圧力差が小さくなって第1逆止弁V6が閉塞する。これにより、バッファ室85のインクの吸引による容積変化は停止する。このように、バッファ室85はバネ(付勢部材)によって容積を変化することで、第1逆止弁V6からバッファ室85までのインク流路内の負圧を維持する負圧維持機構として機能する。
本実施形態では、第1閾値よりも第1逆止弁V6が閉塞する圧力が小さいため、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82のうち、少なくとも第1の負圧制御ユニット81は開状態で維持される。また、第1逆止弁V6と第2逆止弁V7を設けない構成の場合は、供給弁V2と回収弁V4を閉塞するため、供給弁V2から回収弁V4までの流路内のインクがバッファ室85内に引き込まれる。この場合においても、バッファ室85の容積変化後の圧力が第1閾値よりも小さいため、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82のうち、少なくとも第1の負圧制御ユニット81は開状態で維持される。
このように、待機状態においてバッファ室85の付勢部材によって維持されるインク流路内の負圧は、後述する休止状態のときよりも大きい。また、バッファ室85によって維持される負圧は、第1閾値よりも小さい(負圧が強い)ため、少なくとも第1の負圧制御ユニット81は開放された状態で維持される。 このように記録装置1は、流路の一部を所定の圧力以下に維持し、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82のうち、少なくとも第1の負圧制御ユニット81を開放したまま待機状態に移行する。これにより、次に記録装置1が画像データを受信した際に、待機状態から記録状態(循環状態)に移行して、最初の記録媒体に対する記録動作が終了するまでの時間(FPOT:First Print−Out Time)を短縮することができる。
以下、この点について説明する。記録動作を行うためには、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82に所定の負圧を与えて、図11(c)に示す弁235を閉じた状態から開いた状態にする必要がある。第2の負圧制御ユニット82の弁235を開けるためには、第1圧力室233内の圧力を第2閾値未満にする必要があり、回収ポンプP2の駆動を開始してから圧力が第2閾値未満に達するまでには所定の時間を要する。
本実施形態では、バッファ室85の付勢部材によってインク流路を所定の負圧で維持することができるため、回収ポンプP2を駆動してから弁235を変位させるために要する時間を短縮することができる。その結果、記録動作のために回収ポンプP2を駆動させる駆動時間を短縮することができ、記録開始までのスループットを向上することができる。
図13は、待機状態から記録状態に移行する際のシーケンスを示す。画像データを受信すると、インクの循環を開始するためにインク供給制御部209によって供給ポンプP1と回収ポンプP2が駆動され、大気連通弁V0が開放される。供給ポンプP1と回収ポンプP2の駆動によって、第1逆止弁V6と第2逆止弁V7も開放されて再び循環経路が確立される。すなわち、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82の下流側の流路が所定の圧力以下に維持されているため、供給ポンプP1と回収ポンプP2を駆動させると短時間で記録動作を実行可能な循環経路が確立される。このように記録装置1が待機状態から記録状態に移行した場合は、循環開始から約2〜2.5秒でヘッドユニット8による記録動作を開始することができる。
図14は、記録装置1が待機状態から休止状態に移行するためのフローチャートである。ヘッドユニット8や流路内にわずかな気泡が滞留している場合、記録装置1が待機状態のまま長時間放置されると、環境温度の変化によって気泡が膨張したり収縮したりする。例えば環境温度が低下するとバッファ室85の収縮が進行して、回収流路C4内の負圧が強くなることがある。その結果、吐出口2311から空気を引き込んで流路内に空気が混入しやすくなる。バッファ室85は、このような気泡の膨張や収縮を吸収することでインク流路内の負圧を適切に維持する役割を有するが、長時間放置する場合には、その負圧維持機能が保てないことがある。
そのため、本実施形態では待機状態になってから所定時間経過すると、休止状態に移行する制御を行う。また記録装置1が待機状態のときに、ユーザによって電源オフされた場合や、記録装置1がエラーを検知した場合にも休止状態に移行する。さらには、記録装置1が記録状態(循環状態)のときに、電源オフされた場合やエラーを検知した場合は、待機状態を介さずに休止状態に移行する制御を行ってもよい。なお、記録装置1が休止状態のときも、ヘッドユニット8やメンテナンスユニット16の位置は図1に示す待機位置と同様である。
まず、ステップS1401にてインク供給制御部209によって大気連通弁V0が開放され、ステップS1402で供給ポンプP1が予め定められた時間(所定時間)駆動する。供給ポンプP1の駆動によって第1逆止弁V6が開放され、ヘッドユニット8に対してインクが加圧供給される。少なくとも第1の負圧制御ユニット81は開放されているため、供給ポンプP1の駆動によって第1の負圧制御ユニット81の下流側までインクが供給されていく。このようなインクの加圧供給により、バッファ室85は膨らむ方向へ容積変化していき、第1の負圧制御ユニット81の下流側における圧力も上昇して負圧が小さくなる。これにより、第1の負圧制御ユニット81及び第2の負圧制御ユニット82の両方が、インクの流通不能な閉状態となる。ステップS1402において供給ポンプP1を駆動する所定時間は、バッファ室85が環境温度の変化による流路内の泡の収縮を吸収できる容積まで膨らむのに十分な時間を設定する。すなわちステップS1402の制御によって、バッファ室85は環境変化に応じて収縮することも膨張することも可能な容積に設定される。所定時間が経過すると、ステップS1403にてインク供給制御部209は供給ポンプP1を停止する。
ステップS1404では、インク供給制御部209はヘッド交換弁V5を開く。これにより、供給ポンプP1の加圧供給によって高まった圧力を、ヘッド交換流路C5を介して大気連通しているサブタンク151へ逃がす。ヘッド交換流路C5はインクで満たされているため、高まった圧力によってヘッド交換流路C5内のインクはサブタンク151内へ押し出される。このような圧力の調整により、供給流路C2とヘッド交換流路C5内の圧力は大気圧とほぼ等しくなる。
その後インク供給制御部209は、ステップS1405にてヘッド交換弁V5を閉塞し、ステップS1406にて大気連通弁V0を閉塞する。また、ステップS1407にて、インク供給制御部209は供給弁V2と回収弁V4を閉塞する。供給弁V2と回収弁V4は、ともにダイアフラム弁で構成されており、バネ等の付勢部材によって閉塞する方向へ付勢されている。休止状態に移行する際は、長時間放置されることを想定して供給弁V2と回収弁V4を閉塞することで、付勢部材とダイアフラムへの負荷が軽減される。以上の制御によって、記録装置1の待機状態から休止状態への移行が完了する。
ここで、バッファ室85の容積は、インクの循環動作中では回収ポンプP2によって収縮した第1収縮状態であり、休止状態では第1収縮状態よりも膨らみ、収縮も膨張も可能な中間状態となる。そして待機状態におけるバッファ室85の容積は、第1収縮状態と中間状態の間の第2収縮状態となっている。
なお、本実施形態において待機状態から休止状態に移行するまでの所定時間は任意に設定される固定値の例を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。記録装置1が環境変化(例えば温度変化)を測定可能なセンサを備えており、測定結果に応じて気泡の収縮や膨張が生じ得ると想定される場合に所定時間を変更してもよい。
図15は、記録装置1が休止状態から記録状態へ移行する際のシーケンスを示す。インクの循環を開始するためにインク供給制御部209によって供給ポンプP1と回収ポンプP2が駆動され、大気連通弁V0が開放される。それに加えて、インク供給制御部209によって供給弁V2と回収弁V4が開放される。記録装置1が休止状態から記録状態に移行した場合は、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82の間に所定の圧力差が発生するまでに時間を要するため、循環開始から約20秒後にヘッドユニット8による記録動作が開始される。
上述したように、記録装置1は記録動作が終了すると、まず記録状態から仮の休止状態である待機状態に移行する。これにより、次の記録動作開始までにかかる時間が短縮されて記録動作のスループットが向上する。一方、記録装置1が待機状態で長時間放置される場合は、流路内の圧力を調整してバッファ室85を容積変化させてから休止状態に移行する。これにより、吐出口2311からの空気の引き込みによる吐出不良や吐出口2311からのインク漏れを抑制することができる。
このように、図1に示すヘッドユニット8がキャップユニット10によってキャッピングされた待機状態と休止状態を有し、例えば経過時間等の状況に応じて切り替えることで、流路内の圧力を調整しつつ、FPOTが短縮された記録装置1が提供される。
なお、第1逆止弁V6は、バッファ室85において維持可能な最大の負圧値より強い負圧によって開放される構成であることが望ましい。これにより、例えば循環動作が行われていないときに、バッファ室85の負圧維持機構によって循環経路に生じた負圧で第1逆止弁V6が開放されることが抑制される。すなわち、待機状態や休止状態のとき、バッファ室85の容積変化によって生じた負圧で第1逆止弁V6が開放されて、サブタンク151からヘッドユニット8へインクが供給されてしまうことを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態で示した制御に加えて、待機状態または休止状態から記録状態へ移行する際に、回収ポンプP2の駆動量を制御する方法を説明する。具体的には、記録状態へ移行するためにインクの循環を開始したときは、回収ポンプP2の駆動量を記録状態のときよりも大きくする。なお、記録装置1の構成などは第1実施形態と同様なので省略する。
図16は、記録状態へ移行するときの回収ポンプP2の制御を示すフローチャートである。なお、記録状態へ移行するときの回収ポンプP2以外の制御については、図13及び図15と同様である。
ステップS161においてインク供給制御部209は、通常のインク循環の流量(第1の流量)よりも多い流量である第2の流量を実現する駆動量で回収ポンプP2の駆動を開始する。ステップS162において、記録装置1は、所定の時間が経過するまで待機し、所定の時間が経過した場合、ステップS163に進む。
ステップS163においてインク供給制御部209は、回収ポンプP2の駆動量を、第1の流量となるように変更する。ステップS164においてプリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を制御して記録動作を実行させる。
以上説明したように、本実施形態では、インク循環の開始時に、所定の時間、回収ポンプP2の流量を、通常のインク循環時よりも増加させる制御を行う。すなわち、記録動作時は回収ポンプP2を第1の流量のインクが流れるように第1の駆動速度で駆動するのに対し、循環開始から所定時間経過するまでは第2の流量のインクが流れるように第1の駆動速度より速い第2の駆動速度で駆動する。これにより、負圧制御ユニットに対して通常よりも強い負圧を付与することができるので、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82の間に圧力差を生じさせる時間が短縮され、FPOTをより短縮することができる。この制御は特に、記録装置1が休止状態から記録状態へ移行する際に有効である。
〔第3実施形態〕
第3実施形態では、第1実施形態における制御に加えて、記録動作が終了してインクの循環動作を停止する際にヘッド交換弁V5を開く制御を行う。ヘッド交換弁V5を開くタイミングは、供給ポンプP1及び回収ポンプP2の停止と同時かそれ以降であればよい。ヘッド交換弁V5を開いてヘッド交換流路C5と供給流路C2を連通させることで、供給ポンプP1によって加圧された供給流路C2内の圧力をヘッド交換流路C5に逃がすことができる。
ヘッド交換弁V5を開けることで供給流路C2内の圧力が下がるため、循環経路全体の圧力も平均的に下げることができる。これにより、待機状態から循環状態に移行する際に、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82の間に圧力差を生じさせる時間が短縮され、FPOTをより短縮することができる。なお、ヘッド交換弁V5を閉めるタイミングは、開いてから所定時間経過後でも、循環状態に移行する前であってもよい。
〔第4実施形態〕
第4実施形態では、第1実施形態における制御において、記録動作が終了してインクの循環動作を停止する際に、まず供給ポンプP1を停止して、所定時間が経過してから回収ポンプP2を停止する制御を行う。回収ポンプP2を供給ポンプP1より長く駆動してから停止させることで、循環経路内の負圧を高めた状態で待機状態に移行することができる。これにより、待機状態から循環状態に移行する際に、第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82の間に圧力差を生じさせる時間が短縮され、FPOTをより短縮することができる。
1 インクジェット記録装置
8 記録ヘッド(ヘッドユニット)
81 第1の負圧制御ユニット(第1の圧力制御手段)
82 第2の負圧制御ユニット(第2の圧力制御手段)
151 サブタンク(インクタンク)
2311 吐出口
2402 圧力室
C2 供給流路
C4 回収流路
P1 供給ポンプ
P2 回収ポンプ

Claims (14)

  1. インクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に配される供給ポンプと、前記供給流路の途中に配され流路を開閉可能な第1の弁と、前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、前記回収流路の途中に配される回収ポンプと、前記記録ヘッドの内部または前記回収流路に配され圧力に応じて容積変化するバッファ室と、前記回収流路の途中であって前記バッファ室より下流に配され流路を開閉可能な第2の弁と、を備え、 前記記録動作を行うときは、前記第1の弁及び前記第2の弁を開き前記供給ポンプ及び前記回収ポンプを駆動することによって前記記録ヘッドと前記インクタンクとの間でインクが循環される循環状態とし、前記記録動作を行わないときは、前記第1の弁及び前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止してインクが循環しない休止状態とするインクジェット記録装置であって、
    前記循環状態から前記休止状態に移行する際に前記記録動作が終了してから所定時間が経過するまでは、前記第1の弁と前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止して前記バッファ室が前記休止状態より収縮することで前記回収流路内の負圧が前記休止状態よりも強い待機状態とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドは、インクを吐出する吐出口と、前記吐出口と連通しインクが充填される圧力室と、インクが前記圧力室の内部を流通可能な開状態と流通不能な閉状態とに圧力に応じて切り替わる圧力制御手段と、を有し、
    前記休止状態において前記圧力制御手段は前記閉状態であり、前記待機状態において前記圧力制御手段は前記開状態であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドは、前記供給流路と接続され前記圧力室にインクを供給するための共通供給流路と、前記供給流路及び前記回収流路と接続され前記圧力室からインクを回収するための共通回収流路と、前記供給流路と前記共通供給流路との間に設けられ圧力に応じて前記開状態と前記閉状態とに切り替わる第1の圧力制御手段と、前記供給流路と前記共通回収流路との間に設けられ圧力に応じて前記開状態と前記閉状態とに切り替わる第2の圧力制御手段と、を有し、
    前記待機状態のとき前記第1の圧力制御手段と前記第2の圧力制御手段は前記開状態であり、前記休止状態のとき前記第1の圧力制御手段と前記第2の圧力制御手段は前記閉状態であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第2の圧力制御手段は前記第1の圧力制御手段よりも強い負圧に応じて前記閉状態から前記開状態となり、前記共通供給流路から前記圧力室を介して前記共通回収流路へインクが流れることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録ヘッドはそれぞれの前記吐出口に、前記共通供給流路と接続する個別供給流路と、前記共通回収流路と接続する個別回収流路と、を有し、前記によって前記共通供給流路と前記個別供給流路を介して前記圧力室へインクが供給され、前記個別回収流路から前記共通回収流路へインクが回収されることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録装置が前記待機状態から前記休止状態へ移行するときは、前記供給ポンプを駆動することで前記第1の圧力制御手段と前記第2の圧力制御手段を閉塞させることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクタンクは、インクが貯留されるインク室とインクが貯留されない空気室とを有し、
    一端が前記記録ヘッドと前記供給ポンプの間に接続され他端が前記インクタンクの前記空気室と接続されている第1の流路と、前記第1の流路の途中に設けられた第3の弁と、を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録装置が前記休止状態から前記循環状態に移行するとき、前記供給ポンプを駆動して前記第1の圧力制御手段と前記第2の圧力制御手段が前記閉状態になった後、前記第3の弁を開放して前記供給流路内の圧力を大気圧にしてから、前記第3の弁を閉塞することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクタンクと大気の連通を切り替える大気連通弁をさらに備え、記録装置が前記循環状態から前記待機状態に移行するときは前記大気連通弁を閉塞し、前記待機状態から前記循環状態に移行するときは前記大気連通弁を開放することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記第1の弁は前記供給流路において前記供給ポンプより上流に配され前記インクタンクから前記記録ヘッドへのインクの流通を許容する一方向弁であり、前記第2の弁は前記回収流路において前記回収ポンプより下流に配され前記記録ヘッドから前記インクタンクへのインクの流通を許容する一方向弁であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記第1の弁は前記供給流路において前記供給ポンプより下流に配される駆動弁であり、前記第2の弁は前記回収流路において前記回収ポンプより下流に配される駆動弁であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記回収ポンプは前記循環状態において第1速度で駆動され、
    前記待機状態または前記休止状態から前記循環状態に移行するときは、所定時間が経過するまで前記回収ポンプは前記第1速度より速い第2速度で駆動されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記記録ヘッドは、記録媒体の幅に相当する複数の吐出口を有するラインヘッドであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. インクを吐出して記録動作を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドへ供給されるインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクから前記記録ヘッドへインクを供給するための供給流路と、前記供給流路の途中に配される供給ポンプと、前記供給流路の途中に配され流路を開閉可能な第1の弁と、前記記録ヘッドから前記インクタンクへインクを回収するための回収流路と、前記回収流路の途中に配される回収ポンプと、前記記録ヘッドの内部または前記回収流路に配され圧力に応じて容積変化するバッファ室と、前記回収流路の途中であって前記バッファ室より下流に配され流路を開閉可能な第2の弁と、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記第1の弁及び前記第2の弁を開き前記供給ポンプと前記回収ポンプの駆動を駆動することで前記記録ヘッドと前記インクタンクの間でインクが循環される循環状態にする循環工程と、
    前記第1の弁及び前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止してインクが循環しない休止状態にする休止工程と、前記循環工程から前記休止工程に移行する際に、前記第1の弁と前記第2の弁を閉じ前記供給ポンプ及び前記回収ポンプの駆動を停止してから所定時間が経過するまでは、前記バッファ室が前記休止状態より収縮することで前記回収流路内の負圧が前記休止状態よりも強い待機状態にする待機工程と、を有することを特徴とする制御方法。
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