JP2014144611A - インクジェット記録装置及びインク充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクを加熱する手段の能力に大きく左右されずに、目標温度にインクを確実に温度制御し、未充填のヘッドモジュールの流路内に気泡を残さずにインクを充填する。
【解決手段】インクジェットヘッド(72)は、複数個のヘッドモジュール(72-i)で構成される。各ヘッドモジュール(72-i)は、供給側開閉弁(222)、回収側開閉弁(226)を介して供給側マニホールド(214)と回収側マニホールド(218)との間に並列に接続される。供給側マニホールド(214)と回収側マニホールド(218)とを繋ぐバイパス流路(232)と、インクの温度を調節するインク温度調節部(258)とが設けられる。ヘッドモジュールにインクを初期充填する前に、バイパス流路(232)を利用してインクを循環させるとともにインク温度調節部によるインクの加熱を行い、目標温度にインクを循環加熱した後に、充填対象のヘッドモジュール内にインクを充填する。
【選択図】図6

Description

本発明はインクジェット記録装置及びインク充填方法に係り、特にインクが未充填のヘッドモジュール内にインクを初期充填する際のインク供給技術に関する。
インクジェット記録装置において、プリントヘッドのノズルからの吐出を正常に行うためには、プリントヘッド内部に十分にインク充填がされていることが必要とされる。ここで述べる「十分に充填」とは、ヘッドモジュール内部の多数ノズルに未充填ノズルなく充填することを意味する。
ヘッドの故障などによって新たなヘッドに交換した場合のように、インクが未充填のヘッド内の流路にインクを充填(初期充填)する際には、インクと流路内壁の物性で決まる濡れ性が特に重要になる。濡れ性がよい場合、未充填の流路内に気泡無くインクが充填されるが、濡れ性が悪い場合、流路内の気泡残りが顕著になり、流路内をインクで十分満たすことができない。
濡れ性は、流路内壁の物性値や流路形状及びインクの物性値によって決まる。インクの物性値に関してさらに言及すると、インクの表面エネルギー(表面張力)が低ければ低いほど、異なる物質間で結合しやすくなるため、インクの濡れ性が向上することになる。
プリントヘッドに対するインクの充填方法に関して、特許文献1〜3に記載の技術が知られている。特許文献1、2では、ヘッドにインクを供給する経路のヘッド手前に、流路内の液体を加熱する手段が設けられており、加熱された液体をヘッドに充填する構成が採用されている。一方、特許文献3では、印字ヘッド部に加熱機構を有しており、インクの温度制御を行わずに、ヘッド部の流路側の温度を高くすることによりインクの初期充填性を向上させる方法が提案されている。
特開平11−207993号公報 特開2009−12347号公報 特開平1−156074号公報
特許文献1、2では、ヘッドの手前に加熱手段(加熱部)が設けられているが、温度制御に適したインク流路の構成に関しては特に言及がない。特許文献1によれば、印字ヘッドを構成している複数のインク圧力室がインク供給管とインク戻し管との間に直列に接続されており(特許文献1の図1参照)、印字ヘッド手前の加熱手段によるインク温度の制御性が悪い。特許文献1は、加熱手段の下流側に温度検出センサが配置されており、このセンサの検出結果によって加熱手段のヒータのON/OFFをコントロールする構成が採用されているが、インクが目標の温度に十分に加熱されないまま、印字ヘッドにインクが充填されてしまう可能性がある。引用文献1の構成によって、インク充填時の気泡混入を防止するには、印字ヘッド手前に配置した加熱手段によってインクを目標温度まで十分に加熱してから印字ヘッドにインクを流入させる必要があるため、加熱手段に十分な加熱能力が要求される。
特許文献2の構成においても、インクカートリッジからヘッドに通じるインク流路の経路が一つしかなく、加熱部によってインクが十分に加熱されないまま、ヘッドにインクが流入してしまう懸念がある。また、特許文献2は、インク温度の測定場所に関する言及も無く、どこの温度を測って、温度制御の参照にするかについて明らかでない。特許文献2の構成も、特許文献1と同様、インクの温度は加熱部の加熱性能に大きく依存することになる。
特許文献3では、インクの加熱制御ではなく、ヘッドの流路側を加熱する構成を提案している。しかし、特許文献3に記載の構成は、加熱効率が悪く、ヘッド内を目標の温度に加熱するには、大がかりなヒータが必要となる。また、均一な加熱が困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決し、インクを加熱する手段の能力に大きく左右されずに、目標温度にインクを確実に温度制御することができ、インクが未充填のヘッドモジュールの流路内に気泡を残さずにインクを充填することができるインクジェット記録装置及びインク充填方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、次の発明態様を提供する。
(第1態様):第1態様に係るインクジェット記録装置は、複数個のヘッドモジュールで構成されるインクジェットヘッドと、複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールにインクを供給する供給側マニホールドと、複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールからインクを回収する回収側マニホールドと、各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと供給側マニホールドとを繋ぐ第1流路を開閉可能な供給側開閉弁と、各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと回収側マニホールドとを繋ぐ第2流路を開閉可能な回収側開閉弁と、供給側マニホールドと回収側マニホールドとの間に複数個のヘッドモジュールと並列に接続され、供給側マニホールドと回収側マニホールドとを繋ぐバイパス流路と、バイパス流路を開閉可能なバイパス開閉弁と、供給側マニホールドを含む供給側流路部の圧力を可変する供給側ポンプと、回収側マニホールドを含む回収側流路部の圧力を可変する回収側ポンプと、ヘッドモジュールに供給するインクの温度を調節するインク温度調節部と、供給側開閉弁、回収側開閉弁、バイパス開閉弁、供給側ポンプ、回収側ポンプ、及びインク温度調節部の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、ヘッドモジュールにインクを初期充填する前に、バイパス流路を利用してインクを循環させるとともにインク温度調節部によるインクの加熱を行い、目標温度にインクを循環加熱した後に、この加熱されたインクを充填対象のヘッドモジュール内に充填する制御を行うインクジェット記録装置である。
第1態様によれば、初期充填の前にバイパス開閉弁を開けてバイパス流路にインクを流し、バイパス流路を使ってインクを循環させながらインク温度調節部によるインクの加熱が行われる。このようなバイパス流路を使った循環加熱により、インク温度調節部の能力に大きく左右されずに、インクを目標温度まで十分に加熱することができる。そして、目標温度に十分加熱された状態で、未充填のヘッドモジュールにインク充填を行うことができる。インクの表面張力は温度と強く関係があり、インク温度が高いほど表面張力は小さくなる傾向となる。したがって、インク温度の高い状態(濡れ性のよい状態)でヘッドモジュールにインク充填を行うことができ、気泡残りを防止することできる。
(第2態様):第1態様に記載のインクジェット記録装置において、供給側マニホールド、回収側マニホールドの少なくとも一方のマニホールドに温度センサを備え、制御部は、温度センサから得られる情報に基づいてインク温度調節部を制御する構成とすることができる。
第2態様によれば、ヘッドモジュールに近い位置でインクの温度を検出できるため、高い精度でインク温調が可能である。また、複数個のヘッドモジュールに共通の流路である供給側マニホールド及び/又は回収側マニホールドに温度センサを設置する構成は、個々のヘッドモジュール内に温度センサを設置する態様に比べて、温度センサの数を削減できるため、低コスト化も可能である。
(第3態様):第2態様に記載のインクジェット記録装置において、制御部は、温度制御の目標値となる温度を設定し、温度センサから得られる情報を用いてインク温度調節部をフィードバック制御する構成とすることができる。
第3態様によれば、バイパス流路を使って循環させているインクの温度を温度センサによって監視しながら、目標値のインク温度になるようにインク温度調節部の動作が制御される。これにより、より高い精度でインク温調が可能である。
(第4態様):第1態様から第3態様のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、インク温度調節部は、インクの加熱と冷却の両方の温度調節機能を有する構成とすることができる。
温度制御の目標値(温度の設定値)を変更し、短時間で目標値のインク温度に温調するために、加熱機能と冷却機能の両方の機能を備えるインク温度調節部を採用する構成が好ましい。
(第5態様):第1態様から第4態様のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、初期充填を行う際のインク充填用温度は、インクジェットヘッドを用いて画像記録を行う際の印字用温度よりも高い温度に設定される構成とすることができる。
インクジェッドヘッドのノズル(インク吐出口)からインク滴の吐出を行って画像記録(印字)を行う際のインクの温度は、ノズルからインク滴を吐出した後のメニスカスの回復時間(リフィル時間)に影響を及ぼす。インク温度が高すぎてインクの表面張力が過度に小さい場合、メニスカスの回復時間が長くなり、意図する吐出周波数での印字が困難となる。したがって、印字のためにインクジェットヘッドにインクを供給する通常のインク供給の際のインク温度(印字用温度)は、所定の吐出周波数での印字を可能とする表面張力になるように、印字に適した温度範囲に設定される。
その一方、初期充填の際のインク温度(インク充填用温度)は、濡れ性を向上させる観点から、表面張力を下げるように印字用温度よりも高い温度に設定される。
印字用とインク充填用とでそれぞれ目的に応じたインク温度に設定することにより、それぞれに応じた最適な動作が保証される。
(第6態様):第5態様に記載のインクジェット記録装置において、インク充填用温度は、70℃以下である構成とすることができる。
インク充填用温度の上限は、インクを変質させない範囲で定めることが好ましい。インクの組成によって、上限温度は変わり得るが、インクジェット印刷に使用されるインクの多くは、70℃以下とすることが適当である。
(第7態様):第5態様又は第6態様に記載のインクジェット記録装置において、インクの充填が完了した後のインクジェットヘッドの全体、又は複数個のヘッドモジュールのうち一部のヘッドモジュールを交換する際に、制御部は、インクの温度の設定を印字用温度からインク充填用温度に変更する構成とすることができる。
インクの充填が完了した後、印字を行う際にはインク温度は印字用温度に調整される。その後、ヘッド故障などにより、インクジェットヘッドの全体、又は、一部のヘッドモジュールを交換する場合、インク温度を印字用温度よりも高いインク充填用温度に変更する制御を行うことにより、交換によって新たに装着されたヘッドモジュールへのインクの初期充填性を高めることができる。
(第8態様):第7態様に記載のインクジェット記録装置において、交換によって新たに装着されたヘッドモジュールに対してインクの初期充填が完了した後に、制御部は、インクの温度を印字用温度に変更する制御を行う構成とすることができる。
インク充填完了後は、インクの温度を印字用温度に戻してから印字を開始することが好ましい。
(第9態様):第1態様から第8態様のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、インクジェットヘッドは、ヘッドモジュールの単位で、ヘッドモジュールの交換が可能なラインヘッドバーである構成とすることができる。
複数個のヘッドモジュールのうち一部のヘッドモジュールが劣化(故障)した場合など、ヘッドモジュールごとに、新しいヘッドモジュールに交換できる構成であることが好ましい。この場合、交換された新規のヘッドモジュール(インクが未充填のヘッドモジュール)にインクの初期充填を行う前に、バイパス流路を用いた循環加熱が行われ、目標温度に十分に加熱した後に充填が行われる。
(第10態様):第1態様から第9態様のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、制御部は、少なくとも初期充填の対象となるヘッドモジュールに繋がる供給側開閉弁と回収側開閉弁とを閉じた状態で循環加熱を行い、目標温度までインクの加熱が行われた後に、初期充填の対象のヘッドモジュールに繋がる供給側開閉弁と回収側開閉弁とを開ける制御を行う構成とすることができる。
制御部による具体的な制御態様として、インクが未充填のヘッドモジュールに対してインクを充填する前に、この未充填のヘッドモジュールに繋がる供給側開閉弁と回収側開閉弁とを閉じた状態で、バイパス流路を用いてインクの循環加熱を行い、目標温度まで加熱された後に、供給側開閉弁と回収側開閉弁を開けて、流路を開通させてヘッドモジュール内にインクを導入する充填制御を採用することができる。
(第11態様):第11態様に記載のインク充填方法は、複数個のヘッドモジュールで構成されるインクジェットヘッドと、複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールにインクを供給する供給側マニホールドと、複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールからインクを回収する回収側マニホールドと、各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと供給側マニホールドとを繋ぐ第1流路を開閉可能な供給側開閉弁と、各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと回収側マニホールドとを繋ぐ第2流路を開閉可能な回収側開閉弁と、供給側マニホールドと回収側マニホールドとの間に複数個のヘッドモジュールと並列に接続され、供給側マニホールドと回収側マニホールドとを繋ぐバイパス流路と、バイパス流路を開閉可能なバイパス開閉弁と、供給側マニホールドを含む供給側流路部の圧力を可変する供給側ポンプと、回収側マニホールドを含む回収側流路部の圧力を可変する回収側ポンプと、ヘッドモジュールに供給するインクの温度を調節するインク温度調節部と、を備えるインクジェット記録装置におけるヘッドモジュールへの初期のインク充填方法であって、ヘッドモジュールにインクを初期充填する前に、バイパス流路を利用してインクを循環させるとともにインク温度調節部によるインクの加熱を行い、目標温度にインクを循環加熱する循環加熱工程と、循環加熱工程により加熱されたインクを充填対象のヘッドモジュール内に流入させてインクの充填を行う充填工程と、を含むインク充填方法である。
第11態様に記載のインク充填方法において、第2態様から第10態様に記載の構成を適宜組み合わせることができる。
本発明によれば、インク温度調節部の能力に大きく左右されず、目標の温度にインクを精度よく温調することができ、インクが未充填のヘッドモジュールに対して、濡れ性のよい状態でインクを充填することができる。これにより、ヘッドモジュールの流路内に気泡を残すことなく、インクを充填することができる。
インクジェット記録装置の全体構成を示した構成図 インクジェットヘッドの構成例を示す斜視図 インクジェットヘッドをノズル面側から見た部分拡大図 ヘッドモジュールの平面透視図 図4Aの一部を拡大した拡大図 ヘッドモジュールの内部構造を示す縦断面図 インク供給部の概略構成図 本例に示すインク供給装置の制御系の概略構成を示すブロック図 ヘッドモジュールの交換に伴うインク充填処理の動作手順の第1例を示すフローチャート ヘッドモジュールの交換に伴うインク充填処理の動作手順の第2例を示すフローチャート インク充填後の温度調整処理の動作手順を例示したフローチャート インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。図示のように、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、主として、給紙部12、処理液付与部14、描画部16、乾燥部18、定着部20、及び排出部22を備えて構成される。
〈給紙部〉
給紙部12は、記録媒体としての用紙24を処理液付与部14に供給する機構である。給紙部12には、枚葉紙である用紙24が積層されている。給紙部12には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から用紙24が一枚ずつ処理液付与部14に給紙される。
記録媒体としての用紙24は、汎用の印刷用紙(セルロースを主体とする用紙)が用いられる。なお、記録媒体の種類は、これに限定されるものではない。また、本例では、枚葉紙(カット紙)を用いるが、ロール紙から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙24の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部16で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図1に示すように、処理液付与部14は、給紙ドラム52、処理液ドラム54、及び、処理液塗布装置56を備えている。処理液ドラム54は、用紙24を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)55を備え、この保持手段55の爪と処理液ドラム54の周面の間に用紙24を挟み込むことによって用紙24の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム54は、その外周面に吸着穴を設けるとともに、吸着穴から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより用紙24を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム54の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置56が設けられる。処理液塗布装置56は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム54上の用紙24に圧接されて計量後の処理液を用紙24に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置56によれば、処理液を計量しながら用紙24に塗布することができる。
処理液付与部14で処理液が付与された用紙24は、処理液ドラム54から中間搬送部26を介して描画部16の描画ドラム70へ受け渡される。
〈描画部〉
描画部16は、描画ドラム70、用紙抑えローラ74、及び、インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yを備えている。描画ドラム70は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)71を備える。描画ドラム70に固定された用紙24は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェ
ットヘッド72M,72K,72C,72Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドとして機能する。インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、それぞれ用紙24の幅に対応する長さを有するラインヘッドで構成される。インク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、用紙24の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム70上に密着保持された用紙24の記録面に向かって各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部14であらかじめ記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、用紙24上での色材流れなどが防止され、用紙24の記録面に画像が形成される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色インクジェットヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部16で画像が形成された用紙24は、描画ドラム70から中間搬送部28を介して乾燥部18の乾燥ドラム76へ受け渡される。
〈乾燥部〉
乾燥部18は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム76、及び溶媒乾燥装置78を備えている。
乾燥ドラム76は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)77を備え、この保持手段77によって用紙24の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置78は、乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置され、複数のIRヒータ(Infrared Radiation ヒータ:赤外線ヒータ)82と、各IRヒータ82の間に
それぞれ配置された温風噴出しノズル80とで構成される。
各温風噴出しノズル80から用紙24に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータ82の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。用紙24の裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。
乾燥ドラム76の外周面に、用紙24の記録面が外側を向くように(すなわち、用紙24の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することにより、用紙24のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部18で乾燥処理が行われた用紙24は、乾燥ドラム76から中間搬送部30を介して定着部20の定着ドラム84へ受け渡される。
〈定着部〉
定着部20は、定着ドラム84、ハロゲンヒータ86、定着ローラ88、及びインラインセンサ90で構成される。定着ドラム84は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)85を備え、この保持手段85によって用紙24の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム84の回転により、用紙24は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ86による予備加熱と、定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性熱可塑性樹脂微粒子を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、用紙24を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ88は、定着ドラム84に対して圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、用紙24は、定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。定着処理によって画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図1の実施形態では、定着ローラ88を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みや熱可塑性樹脂微粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
また、紫外線(UV)硬化型のインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ88に代えて、又はこれと組み合わせて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、紫外線(活性光線)を照射する手段が設けられる。乾燥部18で水分を充分に揮発させた後に、紫外線照射手段を備えた定着部で、画像に紫外線を照射することにより、インク中のUV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
一方、インラインセンサ90は、用紙24に記録された画像(テストチャートを含む)について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
〈排出部〉
図1に示すように、定着部20に続いて排出部22が設けられている。排出部22は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部20の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。用紙24は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
〈その他の構成〉
図1には示されていないが、本例のインクジェット記録装置10には、上記構成の他、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yにインクを供給するインク供給部、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yのクリーニングを行うメンテナンス処理部などが備えられている。
〈インクジェットヘッドの構成〉
次に、インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yの構成について説明する。本実施の形態のインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、用紙幅に対応する長さを有するラインヘッドで構成される。各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yの構成は同じなので、ここではインクジェットヘッド72として、その構成について説明する。また、特に区別する場合を除いて、インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yはインクジェットヘッド72として説明する。
図2は本実施形態に用いられるインクジェットヘッド72の斜視図である。図2では、ヘッドの下方(斜め下方向)からノズル面(液滴吐出面)を見上げた様子が図示されている。また、図3は、インクジェットヘッド72をノズル面側から見た部分拡大図である。図示のように、インクジェットヘッド72は、複数個のヘッドモジュール72−i(i=1,2…,n)を長手方向(用紙24の搬送方向と直交する用紙幅方向)に沿って繋ぎ合わせて長尺化したフルライン型のラインヘッドバー(シングルパス印字方式のページワイドヘッド)として構成されている。「i」はヘッドモジュールの配置順に対応したモジュール番号を表している。「n」は2以上の整数であり、ヘッドモジュールの数を表している。ここでは17個(n=17)のヘッドモジュール72−iを繋ぎ合わせた例を示しているが、ラインヘッドバーを構成するヘッドモジュールの個数及び配列形態、並びに各ヘッドモジュールの構造については、図示の例に限定されない。図2中の符号73は、複数のヘッドモジュール72−iを固定するための枠体となるベースフレーム(バー状のラインヘッドを構成するためのハウジング)、符号75は、各ヘッドモジュール72−iに接続されたフレキシブル基板である。
各ヘッドモジュール72−iは、ベースフレーム73に取り付けられて一体化され、1つのインクジェットヘッド72を構成する。各ヘッドモジュール72−iは、インクジェットヘッド72の短手方向の両側からヘッドモジュール支持部材72Bによって支持されて、ベースフレーム73に着脱自在に取り付けられる。各ヘッドモジュール72−iは、個別に交換することができる。各ヘッドモジュール72−i(i=1,2…,n)がそれぞれ液滴吐出ヘッドとして機能しうる。
図3に示すように、各ヘッドモジュール72−i(n番目のヘッドモジュール72−n)のノズル面72Aには、複数のノズルがマトリクス状に配列されている。図3において符号151Aを付して図示した斜めの実線は、複数のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
図4Aはヘッドモジュールの平面透視図である。また、図4Bはその一部を拡大した拡大図である。用紙24上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、インクジェットヘッド72におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッドモジュール72−iは、図4A、図4Bに示すように、インク吐出口であるノズル151(「液滴吐出口」に相当)をマトリクス状に(二次元的に)配置させた構造を有し、これにより、インクジェットヘッド長手方向(用紙24の搬送方向と直交する方向;主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズルの間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
図4A、図4Bの例では、主走査方向に対して角度θの方向に沿ってノズル151を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影された(正射影された)ノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
なお、ノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に一列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
このようなヘッドモジュール72−iを用紙幅方向(主走査方向)に複数個繋ぎ合わせることにより(図1参照)、用紙幅について全描画範囲をカバーするノズル列が形成され、1回の描画走査で所定の記録解像度(例えば、1200dpi)による画像記録が可能なフルライン型のヘッドが構成される。
図5は、ヘッドモジュールの内部構造を示す縦断面図である。同図に示すように、圧力室152は、直方体形状の空間として形成されており、その底面の一角にノズル流路154が連通されている。ノズル流路154は、圧力室152から鉛直下向きに延びてノズル151に連通されている。
圧力室152の天井壁面は、振動板155で構成されており、上下方向に撓み変形可能に形成されている。この振動板155の上には圧電素子(ピエゾ素子)156が取り付けられており、振動板155は、この圧電素子156によって上下方向に変形する。そして、この振動板155が上下方向に変形することにより、圧力室152の容積が膨縮(拡縮)し、ノズル151からインクが吐出される。
なお、圧電素子156は、その上部に設けられた図示しない個別電極と、共通電極として作用する振動板155との間に所定の駆動電圧を印加することにより駆動され、これにより、振動板155が上下方向に変形する。
圧力室152の天井壁面の一角には、圧力室152にインクを供給するための個別供給流路157Aが連通されている。この個別供給流路157Aは、共通供給流路158Aに連通されている。
共通供給流路158Aは、用紙24の搬送方向に対して所定の傾きをもって並ぶノズル151の列単位で設けられている。各列に属するノズル151の圧力室152には、この共通供給流路158Aから個別供給流路157Aを介してインクが供給される。
各列の共通供給流路158Aは、図示しないインク供給流路に連通されており、インク供給流路は、図示しないインク供給口に連通されている。インクタンクからのインクは、このインク供給口に供給される。そして、このインク供給口に供給されたインクが、インク供給流路を介して各列の共通供給流路158Aに供給され、さらに個別供給流路157Aを介して各圧力室152に供給される。
ノズル流路154には、個別回収流路157Bの一端が連通されている。個別回収流路157Bは、ノズル151の近傍位置でノズル流路154に連通されている。個別回収流路157Bの他端は、共通回収流路158Bに連通されている。
共通回収流路158Bは、共通供給流路158Aと同様に用紙24の搬送方向に対して所定の傾きをもって並ぶノズル151の列単位で設けられている。各列の共通回収流路158Bは、図示しないインク回収流路に連通されている。インク回収流路は、図示しないインク回収口に連通されている。
各ノズル流路154を流れるインクは、一部が個別回収流路157Bに流れ、共通回収流路158Bに回収される。そして、各共通回収流路158Bからインク回収流路、インク回収口を介してインクタンクに回収される。すなわち、本実施の形態のインクジェットヘッドでは、各ヘッドモジュール72−iにインクが循環して供給される。
〈インク供給部〉
次に、インク供給部の構成について説明する。インク供給部は、インクジェットヘッド72にインクを供給するインク供給機能と、インクジェットヘッド72からインクを回収するインク回収機能とを備えたインク供給装置(液体供給装置)によって構成されており、インクジェット記録装置10における液体循環供給手段として機能する。
図6は、本実施形態に係るインクジェット記録装置に適用される循環供給型のインク供給装置の構成図である。なお、同図は1つの(1色分の)インクジェットヘッドに対するインクの供給系を示している。すなわち、インク供給装置200は色別のインクジェットヘッドごとに設けられ、インクジェットヘッドごとに個別にインクの供給が行われる。
上記のように、本実施の形態のインクジェットヘッド72は、複数のヘッドモジュール72−iを繋ぎ合わせて構成される。各ヘッドモジュール72−iは独立している。このため、それぞれのヘッドモジュール72−iへ均等(一定の圧力、一定の流量)にインクを供給するためのインク循環用配管路が形成されている。
図6に示すように、ヘッドモジュール72−iには、インクが流入するインク供給口212Aと、インクを排出するインク回収口212Bとが設けられている。
インク供給口212Aには、供給側マニホールド214から分岐した供給側分岐管216の先端が取り付けられ、インク回収口212Bには、回収側マニホールド218から分岐した回収側分岐管220の先端が取り付けられている。すなわち、供給側マニホールド214及び回収側マニホールド218には、ヘッドモジュール72−iの設置数分の分岐管(供給側分岐管216及び回収側分岐管220)が設けられ、複数のヘッドモジュール72−iがそれぞれ対応する分岐管(216,220)を介して供給側マニホールド214、回収側マニホールド218の間に並列に接続されている。
インクジェットヘッド72からインクを吐出して描画を行う際には、供給側マニホールド214に供給されるインクをあらかじめ定められた圧力Pin、かつ、あらかじめ定められた流量でそれぞれのヘッドモジュール72−iへ供給し、さらには、ヘッドモジュール72−iへ供給されたインクをあらかじめ定められた圧力Pout、かつ、あらかじめ定められた流量でそれぞれヘッドモジュール72−iから回収側マニホールド218へ回収する構造となっている。
供給側マニホールド214の圧力Pinと回収側マニホールド218の圧力Poutにより、ヘッドモジュール72−i部で差圧ΔPを発生させ、この結果、ヘッドモジュール72−i内ではインク供給口212Aとインク回収口212Bとの間にインクの流れが生じ、この流れにより常にフレッシュなインクがヘッドモジュール72−iに供給されることになる。インクの吐出口(噴射口)であるノズルには、当該供給側マニホールド214の圧力Pinと回収側マニホールド218の圧力Poutに依存する背圧Pnzlが付与されている。
各供給側分岐管216には、それぞれ供給側バルブ222と供給側サブダンパ224とが介在されている。また、回収側分岐管220には、それぞれ回収側バルブ226と回収側サブダンパ227とが介在されている。供給側バルブ222及び回収側バルブ226は、ヘッドモジュール72−iを個別に動作させる必要があるときに開閉操作されるものであるとともに、ヘッドモジュール72−iへのインクの循環を開始する際あるいは終了する際に開閉操作されるものである。
供給側分岐管216が「第1流路」に相当し、供給側バルブ222が「供給側開閉弁」に相当する。回収側分岐管220が「第2流路」に相当し、回収側バルブ226が「回収側開閉弁」に相当する。
供給側サブダンパ224は、供給側マニホールド214から供給されるインクの流動時の圧力変動等を緩和する役目を有しており、回収側サブダンパ227は、回収側マニホールド218へ回収されるインクの流動時の圧力変動等を緩和する役目を有している。
供給側マニホールド214には、その長手方向一端部(図6の右端部)にインク循環配管系の供給管228の一端部が取り付けられる。一方、回収側マニホールド218には、その長手方向一端部(図6の右端部)にインク循環配管系の回収管230の一端部が取り付けられる。
また、供給側マニホールド214と回収側マニホールド218のそれぞれの他端部(図6の左端部)の間には、第1バイパス流路232と第2バイパス流路234とが設けられている。第1バイパス流路232には、第1バイパスバルブ236が介在されている。また、第2バイパス流路234には、第2バイパスバルブ238が介在されている。この第1バイパス流路232及び第2バイパス流路234は、供給側マニホールド214と回収側マニホールド218との間の圧力、流量調整等に用いられる。なお、第1バイパス流路232は第2バイパス流路234よりも流路抵抗が小さい流路となっている。本例では2本のバイパス流路(232,234)を備えているが、バイパス流路は少なくとも1本備えていればよい。
さらに、供給側マニホールド214の他端部には、供給側圧力センサ240と供給側温度センサ241が取り付けられており、回収側マニホールド218の他端部には、回収側圧力センサ242と回収側温度センサ243が取り付けられている。供給側圧力センサ240と供給側温度センサ241によって供給側マニホールド214内のインクの圧力と温度を監視し、回収側圧力センサ242と回収側温度センサ243によって回収側マニホールド218内のインクの圧力と温度を監視している。なお、温度センサ(241、243)には、例えばサーミスタを用いることができる。供給側圧力センサ240が供給側圧力検出部として機能し、回収側圧力センサ242が回収側圧力検出部として機能する。
供給側マニホールド214に連結された供給管228の他端部は、供給側メインダンパとして機能する供給側圧力調整タンク244に連結されている。供給側圧力調整タンク244は、密閉容器内を弾性膜244Aによってインク室244Bと気体室244Cとに区切った構造を有する。すなわち、供給側圧力調整タンク244は、弾性力を有する薄膜部材からなる弾性膜で仕切られて二室で構成されており、その1つがインク室244B、他の1つが気体室244C(第1気体室に相当)となっている。
インク室244Bには、インクをバッファタンク246から引き込む(及びバッファタンク246へ回収する)ための供給側主管248の一端部が連結されている。供給側主管248の他端の開口はバッファタンク246に貯留されたインクに浸漬されている。
供給側主管248には、バッファタンク246から供給側圧力調整タンク244にかけて順番に、脱気モジュール250、一方向弁252、供給側フィルタ254、供給側ポンプ256、インク温調器258がそれぞれ介在されている。インク温調器258は熱交換器とチラーとを含んで構成されており、チラーに接続された熱交換器に流す水の温度を調節することにより、インク流路内を流れるインクの加熱と冷却の両方の温度調整が可能である。インク温調器258は「インク温度調節部」に相当する。
バッファタンク246に貯留されているインクを供給側ポンプ256の駆動力で供給側圧力調整タンク244へ供給し、その途中でインク内から気泡を取り除き、かつ、ゴミを取り除き、インクの温度を管理している。
供給側ポンプ256の入側は、供給側主管248とは別に分岐管253の一端部が接続され、この分岐管253の他方の開口は一方向弁255を介してバッファタンク246に貯留されたインクに浸漬されている。
供給側ポンプ256には、供給側マニホールド214に向けてインクを送り出す加圧方向と供給側マニホールド214からインクを引き出す減圧方向の双方向に駆動制御可能なポンプが用いられている。ポンプの構成は特に限定されないが、本実施の形態で適用される供給側ポンプ256は、ステッピングモータを用いたチューブポンプ(弾性力をもつチューブをステッピングモータによる回転駆動でしごきながらチューブ内のインクを供給する)で構成される。供給側ポンプ256としては、小内径(例えば、内径3mm以下)で肉厚(例えば、チューブ厚1mm以上)なチューブを、位相を変えて積層配置した構造を有する多連タイプのチューブポンプ(多連チューブポンプ)を用いることが好ましい。供給側ポンプ256で液体を送出又は吸引することにより、供給側マニホールド214を含む供給側流路の加圧又は減圧が行われる。
供給側圧力センサ240によって供給側マニホールド214内の圧力を監視しながら供給側ポンプ256の駆動方向、速度(回転数)が制御される。このように正方向及び逆方向のいずれの方向についても精度よく駆動制御することが要求されるため、上述した多連タイプのチューブポンプが好適である。
供給側圧力調整タンク244の気体室244Cには、開放管260が取り付けられている。開放管260には、エアコネクトバルブ262と、エアタンク264と、大気開放バルブ266とが介在されている。エアコネクトバルブ262は気体室分割開閉機構として機能し、エアタンク264は第2気体室として機能する。
また、インク室244Bは、ドレイン管268の一端が連結されている。ドレイン管268の他端の開口は、バッファタンク246に貯留されたインクに浸漬されている。ドレイン管268には、供給側ドレインバルブ270が介在されている。
供給側圧力調整タンク244は、気体室244Cと弾性膜244Aの作用により、インク室244B内の圧力を所望の値に調整・維持する役目を有している。
一方、回収側マニホールド218に連結された回収管230の他端部は、回収側メインダンパとして機能する回収側圧力調整タンク272に連結されている。回収側圧力調整タンク272の構造は、供給側圧力調整タンク244の構造と同様であり、密閉容器内が弾性膜272Aによって仕切られ、弾性膜272Aによってインク室272Bと気体室272Cとに区切った構造を有する。
インク室272Bには、インクをバッファタンク246から引き込む(及びバッファタンク246から引き込む)ための回収側主管274の一端部が連結されている。
回収側主管274の他端部は、分岐管275に連結されており、この分岐管275を介してバッファタンク246に接続されている。回収側主管274には、一方向弁276が介在されており、回収側ポンプ280の駆動力で回収側圧力調整タンク272内のインクをバッファタンク246へ回収している。
回収側ポンプ280には、供給側ポンプ256と同様に、回収側マニホールド218に向けてインクを送り出す加圧方向と回収側マニホールド218からインクを引き出す減圧方向の双方向に駆動制御可能なポンプが用いられている。本例の回収側ポンプ280は、供給側ポンプ256と同様の多連チューブポンプで構成されている。回収側ポンプ280で液体を送出又は吸引することにより、回収側マニホールド218を含む供給側流路の加圧又は減圧が行われる。
回収側圧力調整タンク272の気体室272C(第1気体室)には、開放管282が取り付けられている。開放管282には、エアコネクトバルブ284と、エアタンク286と、大気開放バルブ288とが介在されている。エアコネクトバルブ284は気体室分割開閉機構として機能し、エアタンク286は第2気体室として機能する。
また、インク室272Bは、回収側ドレイン管290の一端が連結されている。回収側ドレイン管290の他端は、回収側ドレインバルブ292を介して供給側圧力調整タンク244のドレイン管268に接続されている。
回収側圧力調整タンク272は、気体室272Cと弾性膜272Aの作用により、インク室272B内の圧力を所望の値に調整・維持する役目を有している。
インクジェットヘッド72を使用して画像の記録(印刷)を行う場合など、通常のインク供給(循環供給)の際における供給側ポンプ256及び回収側ポンプ280による圧力は、供給側マニホールド214の圧力Pin>回収側マニホールド218の圧力Poutであるが、それぞれ負圧とされている。すなわち、供給側ポンプ256の供給圧力は負圧であるが、回収側ポンプ280の回収圧力がさらに低圧の負圧であるため、インクは、供給側マニホールド214から回収側マニホールド218へ流れ、かつ、ヘッドモジュール72−iのノズル151の背圧Pnzlが負圧に維持されるようになっている。したがって、ヘッドモジュール72−iのノズル151ではインクがメニスカス保持されつつ、ノズル151に対してインクが循環するようになっている。
なお、ノズル151においてインクをメニスカス保持できる背圧Pnzlの圧力範囲は、ヘッドモジュール72−iの仕様やインク種によって異なる。本実施の形態のものでは、約−3000Pa(G)である(「(G)」はゲージ圧(大気圧基準圧、相対圧力)を意味する)。
本実施の形態のインク供給部202では、回収側ポンプ280の入側と供給側主管248における脱気モジュール250の出側との間に両者の間を連結する加圧パージ用配管294が設けられている。
加圧パージ用配管294には、脱気モジュール250から回収側ポンプ280にかけて順番に一方向弁296、回収側フィルタ298が介在されている。ヘッドモジュール72−i内を加圧して、一気にインクを排出することで気泡等を排除するとき、供給側ポンプ256の駆動に加え、回収側ポンプ280の駆動方向を通常時に対して逆転させ、バッファタンク246から回収側マニホールド218へインクを供給するようにしている。なお、排出時はドレイン管268を用いる。
バッファタンク246は、補充管302を介してメインタンク300と連結されている。バッファタンク246には、インクを循環させるために必要なインク量が貯留されており、インク消費に応じて、メインタンク300からインクが補充される構成となっている。バッファタンク246、又は、バッファタンク246とメインタンク300の組み合わせが、ヘッドモジュールに供給するインクを貯留しておく「タンク」として機能する。
補充管302は、一端部がメインタンク300に貯留されたインクに浸漬されており、他端部が回収側主管274に接続されている。メインタンク300中のインクに浸漬された補充管302の一端開口にはフィルタ304が取り付けられている。補充管302には、補充ポンプ306が介在されている。補充ポンプ306を駆動することにより、バッファタンク246へインクが補充される。
なお、バッファタンク246とメインタンク300との間には、オーバーフロー管308が設けられ、過剰補充時にインクがメインタンク300へ戻されるようになっている。
また、オーバーフロー管308には、回収側リリーフ管312の一端部が連結されている。回収側リリーフ管312の他端部は、回収側ポンプ280と回収側圧力調整タンク272との間の回収側主管274に連結されている。
回収側リリーフ管312には、回収側リリーフバルブ316が介在されている。回収側リリーフバルブ316は、管路内を流れるインクが、あらかじめ設定された圧以上になると開き、インクジェットヘッドや管路に高圧がかかるのを防止する。
バッファタンク246には液面センサ318が設けられており、この液面センサ318によってバッファタンク246内のインク量の情報が得られる。同様に、メインタンク300にも液面センサ320が設けられており、この液面センサ320によってメインタンク300内のインク量の情報が得られる。
<インク供給部の制御系について>
図7は、本例に示すインク供給装置200の制御系の概略構成を示すブロック図である。インク供給装置200は、制御系を統括制御するインク供給制御部350と、インク供給制御部350によって加熱/冷却の温度制御がなされるインク温調器258と、インク供給制御部350から送られる制御信号に基づいて供給側ポンプ256の制御を行う供給側ポンプ制御部352と、供給側のバルブ類(供給側バルブ222、ドレインバルブ270、エアコネクトバルブ262、大気開放バルブ266など)の開閉を制御する供給側バルブ制御部354と、インク供給制御部350から送られる制御信号に基づいて回収側ポンプ280の制御を行う回収側ポンプ制御部362と、回収側のバルブ類(回収側バルブ226、ドレインバルブ292、エアコネクトバルブ284、大気開放バルブ288など)の開閉を制御する回収側バルブ制御部364と、第1バイパスバルブ236及び第2バイパスバルブ238を制御するバイパスバルブ制御部366と、装置各部に異常が発生した場合にその旨を報知するなどの各種の情報を提示する手段としての表示装置375と、を備えている。
また、インク供給装置200は、パラメータ記憶部380と、プログラム格納部382と、供給側圧力センサ240と、供給側温度センサ241と、回収側圧力センサ242と、回収側温度センサ243と、を具備している。
パラメータ記憶部380は、インク供給装置200の制御に用いられる各種パラメータや、制御の際に参照されるデータテーブルが格納されている。
プログラム格納部382は、インク供給装置200の制御に使用されるプログラムが格納されている。インク供給制御部350は、プログラム格納部382に格納されている各種制御プログラムを読み出して実行し、パラメータ記憶部380に格納されている各種パラメータやデータテーブルを参照して、インク供給装置200を統括して制御する。後述する初期充填処理の温度制御は、プログラムに従って実行される。
インク供給制御部350は、供給側圧力センサ240、回収側圧力センサ242の検出結果に基づいて、供給側流路及び回収側流路の内部がそれぞれ所定の圧力(設定圧力)に調整されるように供給側ポンプ256及び回収側ポンプ280の駆動を制御する。また、インク供給制御部350は、供給側温度センサ241、回収側温度センサ243の検出結果を基に、目標とする温度設定値となるように、インク温調器258の動作を制御する。
印字中にインクジェットヘッド72にインクを供給する際には、供給側マニホールド214の内部圧力が回収側マニホールド218の内部圧力よりも相対的に高くなるように、所定の圧力差が設定され、且つ、各ヘッドモジュール72‐1,12‐2,…,12‐nのノズル内部のインクに所定の背圧(負圧)が付与されるように、インク供給制御部350によって供給側ポンプ256及び回収側ポンプ280の駆動が制御される。
なお、図7では、供給側と回収側とでそれぞれ個別に、バルブ制御部及ポンプ制御部を設ける構成を示したが、供給側と回収側とで制御部が共通化されていてもよい。
〔モジュール交換作業に伴うインク充填処理について〕
次に、上記構成のインクジェット記録装置におけるヘッドモジュールの交換作業に伴うインクの初期充填方法を説明する。
本実施形態では、インクの供給と回収が可能な循環型のインクジェットヘッドに対して、目標とする設定温度に十分に加熱されたインクを充填させる。そのために、主として以下に示す方策が採用される。
(1)供給側マニホールド214と回収側マニホールド218の間にヘッドモジュールに並列してバイパス流路を設け、初期充填前にバイパス流路を使ってインクを循環させてインク温調器による加熱を行うことにより、流路内のインクを十分に加熱する。
(2)ライン型のインクジェットヘッドを構成している複数のヘッドモジュールが並列に接続されている共通の流路(供給側マニホールド214、回収側マニホールド218)にて、温度センサ(241,243)からインク温度の情報を取得する。
(3)ヘッドモジュールを交換する際には、印字用のインク温度から交換用の(インク充填用の)インク温度に変更してから、インク充填を行う。
ここでいうヘッドモジュールの交換とは以下のようなことである。すなわち、ラインヘッドバーを構成している全体のヘッドモジュールにインク充填を完了した後、ある一定期間の使用もしくは突発の不良によって一部のヘッドモジュールが劣化した場合、新規に交換することを言う。
(4)インク充填時のインク温度は印字時のインク温度よりも高い温度とする。例えば、印字時のインク温度は30℃±1.5℃に調整され、インク充填時はこれよりも高い(31.5℃を超える)温度且つ上限温度以下に調整される。インク充填時のインク温度の上限温度は、インクが変質しない温度の上限であり、例えば、70℃程度が想定される。上限温度は、インクの組成に依存するため、あらかじめ実験などに基づいて規定される。
上述の(1)〜(4)に関してさらに詳細に説明する。
<(1)について>
特許文献1〜3に示されている従来構成では、バイパス流路を有していないため、インクの熱容量が大きい場合、又は加熱手段(加熱部)の加熱能力が足りない場合、目標とする所定の温度まで加熱できずに、インクを充填することになる。
これに対し、本実施形態によれば、例えば、初期充填の際に、最初は未充填のヘッドモジュールにインクを充填せず(少なくとも初期充填の対象となるヘッドモジュールに繋がる供給側バルブと回収側バルブを閉じた状態で)、バイパス流路(本例では第1バイパス流路232を使用)に先に充填を行い、バイパス流路を使ってインク循環を行う。インク温調器258で設定温度に加熱して第1バイパス流路232を用いた循環を行うことにより、インクを十分に加熱することができる。また、インク温調器258の能力に大きく左右されず、インク温度を目標値まで加熱することができる。
こうして、バイパス流路を通じた循環によってインクが十分に加熱された状態となってから、供給側バルブと回収側バルブを開けてヘッドモジュールにインクを充填する。こうすることで、インク温度の高い状態(濡れ性のよい状態)でヘッドモジュールにインク充填を行うことができる。
インクジェットヘッドを構成している一部のヘッドモジュールを交換する場合において、インク温度を変更する際は、バイパス流路だけではなく、交換対象外のヘッドモジュール全体を使って、インクの循環加熱を行っても良い。
<(2)について>
本実施形態において、インク温度の情報は、複数のヘッドモジュールが接続されている共通の流路(供給側マニホールド214及び回収側マニホールド218)の少なくとも一方のマニホールド)内に温度センサ(241、243)を設置して取得している。
そして、温度センサ(241、243)で検出されるインク温度の情報に基づいてインク温調器258の動作(ON/OFFや加熱量など)の制御が行われる。例えば、温度センサ(241,243)の値が設定値に到達してインクが十分に加熱されたことが確認されたらインク温調器258の駆動を停止させる。あるいはまた、インク温調器258の制御は、温度センサ(241,243)の値を用いてフィードバック制御を行う構成としてもよい。
なお、図6の例では、供給側マニホールド214と回収側マニホールド218のそれぞれに温度センサ(241,243)を設置しているが、いずれか一方のマニホールド内のみに温度センサを設置する構成も可能である。供給側マニホールド214と回収側マニホールド218のうち少なくとも一方のマニホールド内に温度センサを設置すればよい。
このような構成を採用することにより、ヘッドモジュールの近い位置でのインク温度を把握することができ、より高い精度でインク温調が可能となる。
<(3)について>
ヘッドモジュールの交換を行う場合、インク温度の設定値を印字用の温度から、インク充填用の温度に変更する。ここで、印字用温度に比べてインク充填用温度はより高い温度に設定される(印字用温度<インク充填用温度)。
そして、例えば、インク充填用の目標値の温度に達してから、該当モジュールの供給側(IN側)及び回収側(OUT側)のバルブ(222と224)を両方とも閉じて、モジュール交換を行った後、再度バルブ(222、224)を開けてインク充填を行う(図8参照)。ここで示した動作順序は、あくまで1例であり、具体的な動作手順の態様についてはいくつかの自由度がある。
<(4)について>
既述のとおり、本実施形態では、インク充填時の温度設定と印字時の温度設定は異なる値の設定とする。これはインク充填の際には、インクの濡れ性の向上を考慮して温度を高い状態にすることを目的とするが、印字の場合は、それ以外にもノズルの吐出時のメニスカス状態を考慮する必要があるためである。例えば、ノズルに着目した場合、液滴を一発吐出した後のメニスカスの回復時間(リフィル時間)は、メニスカスの表面張力に依存しており、インク温度が高すぎてあまりに小さい表面張力の場合、リフィル時間が長くなってしまい、所定の周波数での印字ができなくなる可能性が出てきてしまう。
したがって、印字の時には、所要の吐出周波数を達成できるメニスカス回復時間(リフィル時間)となる表面張力が得られるよう、インク充填時よりも低いインク温度(例えば、30℃±1.5℃)に調整される。
<モジュール交換に伴うインク充填処理の動作手順の例1>
図8はヘッドモジュールの交換に伴うインク充填処理の動作手順の第1例を示すフローチャートである。ヘッドモジュールを交換して交換後の新規モジュールにインクを初期充填する場合の動作手順を示している。図8の例では、ヘッドモジュールの交換作業を行う前に、まず、インク温度の設定値を印字用からインク充填用の温度に変更する(ステップS12)。印字用温度が30℃±1.5℃に設定されているとき、インク充填用温度として、これよりも高い温度かつ上限温度以下の温度(例えば60℃程度)に設定する。この設定値にしたがい、インク温調器258の加熱駆動が行われる。
次に、第1バイパス流路232の第1バイパスバルブ236を開け、供給側マニホールド214と回収側マニホールド218との間のバイパス経路を開放した状態でインクを循環させる(ステップS14)。この時各ヘッドモジュールの供給側バルブ222と回収側バルブ226はともに開いた状態とし、ヘッドモジュール内の流路も使ってインク循環を行う。こうして、インク温調器258によってインクの加熱を行うとともに、インクを循環させることにより、設定した温度(目標値)まで確実に温度を上昇させることができる。温度センサ(241,243)によってインク温度を監視しながらインク温調器258による加熱とインクの循環が継続される。
そして、上記の循環加熱により目標値のインク温度に達してから交換対象のヘッドモジュールの供給側バルブ222と回収側バルブ226を閉じて、対象ヘッドモジュールを取り外し、新しいヘッドモジュールに交換する作業を行う(ステップS16)。
例えば、上記の循環加熱によって目標値のインク温度に到達したら、表示装置375(図7参照)などのユーザインターフェースを通じて、その旨がオペレータに報知され、ヘッドモジュールの脱着作業が促される。オペレータは、古いヘッドモジュールを取り外し、新しいヘッドモジュールに取り替える(「ヘッド接続工程」)。ヘッドモジュールの脱着(交換)作業期間中、インク循環を継続してもよいし、停止してもよい。ヘッドモジュールの交換作業期間中、インク温度は概ね一定に保たれている。
ヘッドモジュールの交換作業の終了後、バルブ(222、226)を開けて、新しいヘッドモジュールにインクの初期充填を行う(ステップS18)。例えば、ヘッドモジュールの交換作業の終了後、作業者(オペレータ)がユーザインターフェースを介して作業終了を指示すると、初期充填の制御プログラムに基づいて、供給側バルブ222、回収側バルブ226が開かれ、インク充填用温度に温度調整されたインクが新しいヘッドモジュールに充填される。
なお、所定の温度に温調されたインクを新しいヘッドジュールに流入させるときには、全体のインク循環は止めて、該当するヘッドモジュールだけバルブ(222、226)を開けてインクの充填を行うことができる。
本実施形態によれば、インク充填用温度に加熱されたインクはヘッド内流路に対する濡れ性が向上しており、気泡残りを防止して効率的な充填を行うことができる。
<モジュール交換に伴うインク充填処理の動作手順の例2>
図9はヘッドモジュールの交換に伴うインク充填処理の動作手順の第2例を示すフローチャートである。図9の例では、ヘッドモジュールの交換作業を行った後に、インク温度の変更と充填処理を行う。
すなわち、まず、交換しようとするヘッドモジュールの供給側バルブと回収側バルブを閉じて、対象ヘッドモジュールを取り外し、新しいヘッドモジュールに交換する作業を行う(ステップS22)。
ヘッドモジュールの交換作業の終了後、作業者(オペレータ)がユーザインターフェースを介して作業終了を指示すると、初期充填の制御プログラムに基づいて、ステップS24〜S28の動作が行われる。
ステップS24では、インク温度の設定値を印字用からインク充填用の温度に変更する処理が行われる。既に説明したとおり、インク充填用温度は印字用温度よりも高い温度に設定される。この設定された値を温度調節の目標値としてインク温調器258が駆動制御される。
次に、第1バイパス流路232の第1バイパスバルブ236を開け、供給側マニホールド214と回収側マニホールド218との間のバイパス経路を開放した状態でインクを循環させる(ステップS26)。このとき、交換対象外のヘッドモジュールに繋がる供給側バルブ222と回収側バルブ226は、閉じておいても良いし、開いておいても良い。ここでは、交換対象外のヘッドモジュールの供給側バルブ222と回収側バルブ226は開いた状態でインク循環を行う。インク温調器258によってインクの加熱を行うとともに、インクを循環させることにより、設定した温度(目標値)まで確実に温度を上昇させることができる。温度センサ(241,243)によってインク温度を監視しながらインク温調器258による加熱とインクの循環が継続される。
こうして、循環加熱を行いつつ、流路内のインク温度を監視し、目標値のインク温度に達してから、該当ヘッドモジュールの供給側バルブと回収側バルブを開けてインク充填を行う(ステップS28)。
図9に示した動作手順によれば、インク充填用温度に加熱されたインクはヘッド内流路に対する濡れ性が向上しており、気泡残りを防止して効率的な充填を行うことができる。
図8や図9で例示した動作手順以外にも、具体的な動作手順の採用に関して様々な変更が可能である。未充填のヘッドモジュールにインクを初期充填するにあたり、バイパス流路を使って循環加熱を行うことによって目標の充填用温度にインクを十分に加熱してから、モジュール内にインクを流入させることができればよい。
充填用温度に加熱されたインクをヘッドモジュール内に導き入れる際の供給側バルブ222、回収側バルブ226のそれぞれを開けるタイミングや、供給側ポンプ256、回収側ポンプ280のそれぞれの駆動方向、ポンプ速度(回転数)についても、初期充填用の制御プログラムに従って適宜制御される。
<インク充填後のインク温調について>
図8や図9で例示した初期充填を行った後に、インク温度を印字用温度に戻す処理を行ってから印字が開始される。図10はインク充填後の温度調整処理の動作手順を例示したフローチャートである。
ヘッドモジュールへのインク充填が完了した後、図10の処理が実行される。すなわち、インク温度の設定値をインク充填用から印字用の温度に変更する処理が行われる(ステップS32)。印字用温度は、インク充填用温度よりも低い温度に設定される。例えば、インク充填用温度が60℃に設定されており、印字用温度として30℃±1.5℃に設定する。印字用温度は、許容できる温度の幅(許容温度範囲)を含む所定の温度範囲として設定することができる。この設定された値(所定の温度範囲)を目標値として、インクの温度を下げるようにインク温調器258の駆動(ここでは冷却駆動)が行われる。
インク温調器258を作動させながら、インク循環を行うことによって、流路内のインクを印字用温度になるまで冷却する(ステップS34)。温度センサ(241,243)によってインク温度を監視しながらインク温調器258による加熱とインクの循環が継続される。これにより、設定した温度(目標値)まで確実にインク温度を下げることができる。なお、このインク循環時(循環冷却の際)には、交換したヘッドモジュールのみならず、同じマニホールドに接続されているすべてのヘッドモジュールの供給側バルブと回収側バルブを開けて、ヘッドモジュール全体の流路を利用してインク循環を行うことが望ましい。また、印字時のインク循環の際に使用される第2バイパス流路234の第2バイパスバルブ238も開けて、第2バイパス流路234とヘッドモジュール全体の流路で温調用のインク循環を行うことが望ましい。
こうして、目標の印字用温度にインクの温度が調整された後に、印字が開始される。
<インクジェット記録装置の制御系について>
次に、上述したインク供給装置を含んだインクジェット記録装置の全体的な制御系の構成について説明する。図11はインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース440、システム制御部442、搬送制御部444、画像処理部446、インクジェットヘッド駆動部448を備えるとともに、画像メモリ450、ROM(Read Only Memory)452を備えている。
通信インターフェース440は、ホストコンピュータ454から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース440は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース440は、通信を高速化するためバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部442は、中央演算処理装置(CPU(Central Processing Unit))及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御手段として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。また、画像メモリ450及びROM452のメモリコントローラとして機能する。すなわち、システム制御部442は、通信インターフェース440、搬送制御部444等の各部を制御し、ホストコンピュータ454との間の通信制御、画像メモリ450及びROM452の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ454から送り出された画像データは通信インターフェース440を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、画像処理部446によって所定の画像処理が施される。
画像処理部446は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをインクジェットヘッド駆動部448に供給する。画像処理部446において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、インクジェットヘッド駆動部448を介してインクジェットヘッド72の吐出液滴量(打滴量)や、吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
なお、インクジェットヘッド駆動部448には、インクジェットヘッド72の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
インクジェットヘッド駆動部448は、駆動波形を生成する駆動波形生成部と、該駆動波形を増幅して駆動電圧を生成する増幅部と、所定の駆動波形を有する駆動電圧をインクジェットヘッドへ供給する駆動電圧供給部と、を含んで構成されている。システム制御部から送られる画像データ(デジタルデータ)に基づいて駆動波形が生成され(又は、あらかじめ記憶されている駆動波形の中から対応する駆動波形が選択され)、当該駆動波形を有する駆動電圧が生成される。
搬送制御部444は、画像処理部446により生成された印字制御用の信号に基づいて用紙24の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。搬送駆動部456は、各部の搬送ドラムを回転させるモータや中間搬送体を回転させるモータなどが含まれ、搬送制御部444は上記のモータのドライバーとして機能している。
画像メモリ450は、通信インターフェース440を介して入力された画像データを一旦格納する一次記憶手段としての機能や、ROM452に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部446の作業領域)としての機能を有している。画像メモリ450には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
ROM452は、システム制御部442のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部442を通じてデータの読み書きが行われる。ROM452は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
さらに、このインクジェット記録装置10は、処理液付与制御部460、乾燥処理制御部462、定着処理制御部464、メンテナンス制御部486、インク供給制御部350等を備えており、システム制御部442からの指示に従って、それぞれ処理液付与部14、乾燥部18、定着部20、メンテナンス処理部170、インク供給部202の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部460は、画像処理部446から得られた印字データに基づいて、処理液付与部14による処理液付与のタイミングの制御を制御するとともに、処理液の付与量を制御する。
乾燥処理制御部462は、乾燥部18に含まれる溶媒乾燥装置78を制御し、処理温度、送風量等を制御する。
定着処理制御部464は、定着部20に含まれるハロゲンヒータ86の温度を制御するとともに、定着ローラ88の押圧を制御する。
本例に示すインクジェット記録装置10は、ユーザインターフェース470を具備する。ユーザインターフェース470は、オペレータ(ユーザ)が各種入力を行うための入力装置472と、表示部(ディスプレイ)474を含んで構成される。入力装置472には、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなど各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置472を操作することにより、印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力・編集、情報の検索などを行うことができ、入力内容や検索結果など等の各種情報は表示部474の表示を通じて確認することができる。この表示部474はエラーメッセージなどの警告を表示する手段としても機能する。
パラメータ記憶部480は、インクジェット記録装置10の動作に必要な各種制御パラメータが記憶されている。システム制御部442は、制御に必要なパラメータを適宜読み出すとともに、必要に応じて各種パラメータの更新(書換)を実行する。
プログラム格納部482は、インクジェット記録装置10を動作させるための制御プログラムが格納されている記憶手段である。システム制御部442(又は装置各部)は、装置各部の制御を実行する際にプログラム格納部482から必要な制御プログラムを読み出すとともに、該制御プログラムを適宜実行する。
なお、パラメータ記憶部480、プログラム格納部482は、図7で説明したパラメータ記憶部380、プログラム格納部382と兼用することができる。
図11のメンテナンス制御部486は、システム制御部442から送られてくる指令信号に基づき、メンテナンス処理部170の動作を制御する制御ブロックである。インクジェット記録装置10の制御がメンテナンスモードに移行すると、インクジェットヘッド72を描画ドラム70の真上の印刷位置からメンテナンス位置に移動させるとともに、インクジェットヘッド72の移動に対応して、メンテナンス処理部170の各部を動作させる。
インク供給制御部350は、システム制御部442から送られてくる指令信号に基づき、インク供給部202の動作を制御する。上記のように、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、インクジェットヘッド72に対してインクを循環して供給する。インク供給制御部350は、未充填のヘッドモジュールにインクを初期充填する際にインク供給部202の各部を動作させる。また、インク供給制御部350は、インク充填後の画像記録(印字)の際に、インクジェットヘッド72にインクが循環して供給されるように、インク供給部202の各部を動作させる。
インク供給制御部350とインク供給部202の組み合わせが図7で説明したインク供給装置200に相当している。インク供給制御部350の機能はシステム制御部442に統合することも可能である。インク供給制御部350、又はシステム制御部442、もしくはこれらの組み合わせが「制御部」に相当する。
<本実施形態による利点>
[1]バイパス流路を利用してインクを循環加熱するため、インク温調器258の能力に大きく左右されず、目標の温度まで確実に上昇させることが可能となる。
[2]マニホールド内に温度センサを設け、ヘッド前後での温度を検知することで、より正確な温度制御が可能となる。なお、個々のヘッドモジュール内に温度センサを設ける態様も可能であるが、共通の流路であるマニホールド内に温度センサを配置する構成の方がセンサの個数を削減することができ、装置のコスト削減の観点で好ましい。
[3]印字時のインク温度と、初期充填時(モジュール交換時)のインク温度を異ならせているため(印字用温度<インク充填用温度)、それぞれに応じた適切な動作を保証することができる。
<実施形態の変形例1>
ラインヘッドバーを構成するヘッドモジュールは、一度に複数個を交換することが可能であり、複数個のヘッドモジュールを交換した場合には、交換後のインク充填処理は1つずつ行うことも可能であるし、複数個同時に行うことも可能である。なお、交換した複数個のヘッドモジュールに対して、1つずつインク充填を行う場合も、インクの循環加熱の工程については、まとめて行うことができる。すなわち、循環加熱を行った後に、順番に1つずつヘッドモジュールへのインク充填を実施することができる。
<変形例2>
上述の例では、供給側マニホールド214、回収側マニホールド218のそれぞれの内部の温度を検知する温度センサ(241、243)を用いたが、これに代えて、又はこれと組み合わせて、各ヘッドモジュールに温度センサを設置する構成も可能である。
<変形例3>
複数個のヘッドモジュールから構成される長尺のインクジェットヘッドの形態は図2〜図3で例示した形態に限らない。例えば、複数個のヘッドモジュールが千鳥状に配置された構造を持つインクジェットヘッドについても本発明を適用することができる。
<変形例4>
上記実施形態では、用紙に直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型のインクジェット記録装置についても本発明を適用することができる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…インクジェット記録装置、24…用紙、72(72M,72K,72C,72Y)…インクジェットヘッド、72−i…ヘッドモジュール、151…ノズル、200…インク供給装置、202…インク供給部、212A…インク供給口、212B…インク回収口、214…供給側マニホールド、216…供給側分岐管、218…回収側マニホールド、220…回収側分岐管、222…供給側バルブ、226…回収側バルブ、228…供給管、230…回収管、232…第1バイパス流路、234…第2バイパス流路、236…第1バイパスバルブ、238…第2バイパスバルブ、240…供給側圧力センサ、241…供給側温度センサ、242…回収側圧力センサ、243…回収側温度センサ、258…インク温調器、300…メインタンク、350…インク供給制御部、352…供給側ポンプ制御部、354…供給側バルブ制御部、362…回収側ポンプ制御部、366…バイパスバルブ制御部、440…通信インターフェース、442…システム制御部

Claims (11)

  1. 複数個のヘッドモジュールで構成されるインクジェットヘッドと、
    前記複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールにインクを供給する供給側マニホールドと、
    前記複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールからインクを回収する回収側マニホールドと、
    前記各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと前記供給側マニホールドとを繋ぐ第1流路を開閉可能な供給側開閉弁と、
    前記各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと前記回収側マニホールドとを繋ぐ第2流路を開閉可能な回収側開閉弁と、
    前記供給側マニホールドと回収側マニホールドとの間に前記複数個のヘッドモジュールと並列に接続され、前記供給側マニホールドと回収側マニホールドとを繋ぐバイパス流路と、
    前記バイパス流路を開閉可能なバイパス開閉弁と、
    前記供給側マニホールドを含む供給側流路部の圧力を可変する供給側ポンプと、
    前記回収側マニホールドを含む回収側流路部の圧力を可変する回収側ポンプと、
    前記ヘッドモジュールに供給するインクの温度を調節するインク温度調節部と、
    前記供給側開閉弁、前記回収側開閉弁、前記バイパス開閉弁、前記供給側ポンプ、前記回収側ポンプ、及び前記インク温度調節部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ヘッドモジュールにインクを初期充填する前に、前記バイパス流路を利用してインクを循環させるとともに前記インク温度調節部によるインクの加熱を行い、目標温度にインクを循環加熱した後に、この加熱されたインクを充填対象のヘッドモジュール内に充填する制御を行うインクジェット記録装置。
  2. 前記供給側マニホールド、回収側マニホールドの少なくとも一方のマニホールドに温度センサを備え、
    前記制御部は、前記温度センサから得られる情報に基づいて前記インク温度調節部を制御する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御部は、温度制御の目標値となる温度を設定し、前記温度センサから得られる情報を用いて前記インク温度調節部をフィードバック制御する請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記インク温度調節部は、インクの加熱と冷却の両方の温度調節機能を有する請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記初期充填を行う際のインク充填用温度は、前記インクジェットヘッドを用いて画像記録を行う際の印字用温度よりも高い温度に設定される請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インク充填用温度は、70℃以下である請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. インクの充填が完了した後の前記インクジェットヘッドの全体、又は前記複数個のヘッドモジュールのうち一部のヘッドモジュールを交換する際に、前記制御部は、インクの温度の設定を前記印字用温度から前記インク充填用温度に変更する請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記交換によって新たに装着されたヘッドモジュールに対してインクの初期充填が完了した後に、前記制御部は、インクの温度を前記印字用温度に変更する制御を行う請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクジェットヘッドは、前記ヘッドモジュールの単位で、ヘッドモジュールの交換が可能なラインヘッドバーである請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記制御部は、少なくとも前記初期充填の対象となるヘッドモジュールに繋がる供給側開閉弁と回収側開閉弁とを閉じた状態で前記循環加熱を行い、
    前記目標温度までインクの加熱が行われた後に、前記初期充填の対象のヘッドモジュールに繋がる供給側開閉弁と回収側開閉弁とを開ける制御を行う請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 複数個のヘッドモジュールで構成されるインクジェットヘッドと、
    前記複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールにインクを供給する供給側マニホールドと、
    前記複数個のヘッドモジュールが並列に接続され、各ヘッドモジュールからインクを回収する回収側マニホールドと、
    前記各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと前記供給側マニホールドとを繋ぐ第1流路を開閉可能な供給側開閉弁と、
    前記各ヘッドモジュールのそれぞれに対応して設けられ、各ヘッドモジュールと前記回収側マニホールドとを繋ぐ第2流路を開閉可能な回収側開閉弁と、
    前記供給側マニホールドと回収側マニホールドとの間に前記複数個のヘッドモジュールと並列に接続され、前記供給側マニホールドと回収側マニホールドとを繋ぐバイパス流路と、
    前記バイパス流路を開閉可能なバイパス開閉弁と、
    前記供給側マニホールドを含む供給側流路部の圧力を可変する供給側ポンプと、
    前記回収側マニホールドを含む回収側流路部の圧力を可変する回収側ポンプと、
    前記ヘッドモジュールに供給するインクの温度を調節するインク温度調節部と、を備えるインクジェット記録装置における前記ヘッドモジュールへの初期のインク充填方法であって、前記ヘッドモジュールにインクを初期充填する前に、前記バイパス流路を利用してインクを循環させるとともに前記インク温度調節部によるインクの加熱を行い、目標温度にインクを循環加熱する循環加熱工程と、
    前記循環加熱工程により加熱されたインクを充填対象のヘッドモジュール内に流入させてインクの充填を行う充填工程と、
    を含むインク充填方法。
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