JP2014233952A - インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量を一定に保つ。インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路に設けられ、循環流路を流れるインクを脱気する第1の脱気手段と、循環流路に補充するためのインクを貯留するメインタンクと、メインタンクと循環流路とを連通させる補充流路と、補充流路に設けられ、補充流路にインクを流す補充ポンプと、補充流路に設けられ、補充流路を流れるインクを脱気する第2の脱気手段と、補充ポンプによりメインタンクに貯留されたインクを循環流路へ補充する補充手段と、補充ポンプにより補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクをメインタンクに向けて回収する回収手段であって、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収手段とを備えたインク供給装置によって上記課題を解決する。
【選択図】図4
【解決手段】インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路に設けられ、循環流路を流れるインクを脱気する第1の脱気手段と、循環流路に補充するためのインクを貯留するメインタンクと、メインタンクと循環流路とを連通させる補充流路と、補充流路に設けられ、補充流路にインクを流す補充ポンプと、補充流路に設けられ、補充流路を流れるインクを脱気する第2の脱気手段と、補充ポンプによりメインタンクに貯留されたインクを循環流路へ補充する補充手段と、補充ポンプにより補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクをメインタンクに向けて回収する回収手段であって、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収手段とを備えたインク供給装置によって上記課題を解決する。
【選択図】図4
Description
本発明は、インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置に関し、特にインクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量を一定に保つ技術に関する。
インクジェット記録装置では、インク中に気泡や溶存気体が存在すると、吐出時にインクが十分に圧縮されないために吐出性が低下し、安定したインク流が発生できず、ドット抜けや印字不良を発生させるという課題があった。
この課題に対し、特許文献1には、インクタンクとインクジェットヘッドとの間でインクを循環させるインクジェット記録装置において、インクの循環流路に脱気装置を設けることで、脱気されたインクをインクジェットヘッドに供給するとともに、メインタンクからインク供給路へインクを補充する流路にも脱気装置を設け、脱気されたインクをインク供給路へ補充する技術が記載されている。
特許文献1の技術によれば、インク中の気泡や溶存気体をインクジェットヘッドに送り込むことを防止することができる。
しかしながら、引用文献1に記載された技術においても、循環流路内のインクの溶存酸素量が増加し、インクジェットヘッドの吐出性が低下することがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量を一定に保つインク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためにインク供給装置の一の態様は、インクを貯留するインクタンクと、インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路にインクを循環させる循環手段と、循環流路に設けられ、循環流路を流れるインクを脱気する第1の脱気手段と、循環流路に補充するためのインクを貯留するメインタンクと、メインタンクと循環流路とを連通させる補充流路と、補充流路に設けられ、補充流路にインクを流す補充ポンプと、補充流路に設けられ、補充流路を流れるインクを脱気する第2の脱気手段と、補充ポンプによりメインタンクに貯留されたインクを循環流路へ補充する補充手段と、補充ポンプにより補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクをメインタンクに向けて回収する回収手段であって、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収手段とを備えた。
本態様によれば、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過すると、補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクを補充ポンプによってメインタンクに向けて回収させるようにしたので、第2の脱気手段から循環流路までの間のインクを適切に脱気することができ、インクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量の増加を防止することができる。
第1の時間は、補充流路の第2の脱気手段から循環流路までのインクの溶存酸素量が第2の脱気手段による脱気直後の溶存酸素量から5%上昇する時間であることが好ましい。この時間は、補充流路の長さ、材質等から予め算出することができる。これにより、第2の脱気手段から循環流路までのインクの溶存酸素量が5%増加したことが予測でき、適切にインクの脱気を行うことができる。
回収手段によるインクの送液速度は、補充手段によるインクの送液速度以下であることが好ましい。これにより、メインタンクに向けて回収するインクを適切に脱気することができる。
回収手段が回収するインクの量は、インクタンクに貯留されているインクの量よりも少ないことが好ましい。これにより、インク内への気泡の混入を防止することができる。
補充手段は、回収手段がインクを回収した後に回収したインクと同量のインクを補充することが好ましい。これにより、循環流路内のインク量が増減することを防止することができる。
第2の脱気手段は、補充流路において補充ポンプよりも循環流路側に設けられることが好ましい。これにより、回収手段によるインクの回収時間を短縮することができる。
循環流路は、インクタンクに貯留されたインクをインクジェットヘッドへ供給する供給ポンプと、インクジェットヘッドへ供給されたインクをインクタンクへ回収する回収ポンプとを備えることが好ましい。これにより、適切に循環流路内にインクを循環させることができる。
上記目的を達成するためにインクジェット記録装置の一の態様は、インクが供給される供給口と、インクを吐出するノズルと、吐出されなかったインクが排出される排出口とを備えたインクジェットヘッドと、インクを貯留するインクタンクと、インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路にインクを循環させる循環手段と、循環流路に設けられ、循環流路を流れるインクを脱気する第1の脱気手段と、循環流路に補充するためのインクを貯留するメインタンクと、メインタンクと循環流路とを連通させる補充流路と、補充流路に設けられ、補充流路にインクを流す補充ポンプと、補充流路に設けられ、補充流路を流れるインクを脱気する第2の脱気手段と、補充ポンプによりメインタンクに貯留されたインクを循環流路へ補充する補充手段と、補充ポンプにより補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクをメインタンクに向けて回収する回収手段であって、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収手段とを備えたインク供給装置とを備えた。
本態様によれば、補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過すると、補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクを補充ポンプによってメインタンクに向けて回収させるようにしたので、第2の脱気手段から循環流路までの間のインクを適切に脱気することができ、インクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量の増加を防止することができる。
回収手段は、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出していないときにインクを回収することが好ましい。これにより、一時的に循環流路を循環するインクが減少することによる気泡の混入等を防止することができる。
上記目的を達成するためにインク供給方法の一の態様は、インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路にインクを循環させる循環工程と、インクジェットヘッドへ供給されるインクを脱気する第1の脱気工程と、インクを貯留するメインタンクと循環流路とを連通する補充流路を介してメインタンクのインクを循環流路に補充する補充工程と、補充流路に設けられた第2の脱気手段により循環流路を流れるインクを脱気する第2の脱気工程と、補充流路の少なくとも第2の脱気手段から循環流路までのインクをメインタンクに向けて回収する回収工程であって、補充工程においてインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収工程とを備えた。
本発明によれば、インクジェットヘッドへ供給するインクの溶存酸素量を一定に保つことができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
〔インク供給装置の概要〕
(全体構成)
図1は、本実施形態に係るインク供給装置の構成図である。図1に示すインク供給装置100は、インクを貯留するインクタンク52からインクの供給対象であるインクジェットヘッド50(以下、単に「ヘッド50」と呼ぶ)へインクを供給するとともに、ヘッド50からインクタンク52へインクを回収することで、インクタンク52とヘッド50との間でインクを循環させる装置である。また、インク供給装置100は、脱気モジュール160により循環するインクから気泡や溶存気体を除去している。このようにインクを循環させることで、ヘッド50内部のインクの詰まりや気泡の混入などを防止する。
(全体構成)
図1は、本実施形態に係るインク供給装置の構成図である。図1に示すインク供給装置100は、インクを貯留するインクタンク52からインクの供給対象であるインクジェットヘッド50(以下、単に「ヘッド50」と呼ぶ)へインクを供給するとともに、ヘッド50からインクタンク52へインクを回収することで、インクタンク52とヘッド50との間でインクを循環させる装置である。また、インク供給装置100は、脱気モジュール160により循環するインクから気泡や溶存気体を除去している。このようにインクを循環させることで、ヘッド50内部のインクの詰まりや気泡の混入などを防止する。
図1に示すように、インク供給装置100は、供給流路12、供給サブタンク18、供給ポンプ20、インクタンク52、供給側マニホールド54、メインタンク56、回収流路112、回収サブタンク118、回収ポンプ120、回収側マニホールド154、脱気モジュール160,218、補充ポンプ182、真空ポンプ312、補充流路316等を含んで構成される。
供給流路12には、供給流路12の内部圧力を電気信号に変換して出力する供給流路圧力センサ16が設けられ、回収流路112には回収流路112の内部圧力を電気信号に変換して出力する回収流路圧力センサ116が設けられている。供給流路圧力センサ16及び回収流路圧力センサ116には、半導体ピエゾ抵抗方式や静電容量方式、シリコンレゾナント方式などのセンサを適用することができる。
また、供給流路12には供給サブタンク18が設けられるとともに、回収流路112には回収サブタンク118が設けられている。供給サブタンク18は、供給ポンプ20を介してインクタンク52と連通され、回収サブタンク118は回収ポンプ120を介してインクタンク52と連通される。
ヘッド50は、n個のヘッドモジュール51‐1,51‐2,…,51‐nがつなぎ合わせられた構造を有し、各ヘッドモジュール51‐1,51‐2,…,51‐nは、それぞれインクが供給される供給口15‐1,15‐2,…,15‐n、及びインクが排出される排出口115‐1,115‐2,…,115‐nを備えている。
ヘッドモジュール51‐1,51‐2,…,51‐nは、各供給口15‐1,15‐2,…,15‐nが、供給バルブ14‐1,14‐2,…,14‐nを介して供給流路12と連通されるとともに、各排出口115‐1,115‐2,…,115‐nが、回収バルブ114‐1,114‐2,…,114‐nを介して回収流路112と連通されている。供給バルブ14及び回収バルブ114には、制御信号により開閉が制御されるノーマルオープン型(または、ラッチ型)の電磁バルブが適用される。
供給側マニホールド54及び回収側マニホールド154は、供給流路12及び回収流路112とヘッド50との間に設けられるインクの一時貯留部である。供給側マニホールド54と回収側マニホールド154とは、バイパス流路190,192により連通され、バイパス流路190,192はそれぞれ、バイパス流路バルブ194,196が設けられている。
供給ポンプ20及び回収ポンプ120(循環手段の一例)は、チューブポンプが適用される。供給ポンプ20は、インクタンク52からヘッド50へインクを供給する供給流路12の圧力(送液量)を制御し、回収ポンプ120はヘッド50からインクタンク52へインクを回収する回収流路112の圧力(送液量)を制御する。供給ポンプ20と回収ポンプ120は同一の性能(容量)を有するポンプを適用することができる。
供給ポンプ20及び回収ポンプ120は、ヘッド50が動作を停止している期間(すなわち、インクが安定して流れている期間)は、一方向にのみ回転する。また、ヘッド50が吐出動作をしている期間に内部圧力が減少すると、供給ポンプ20が回転速度を増加させるとともに、回収ポンプ120が逆転してヘッド50の内部圧力を上昇させる。
すなわち、供給流路12の内部圧力が回収流路112の内部圧力よりも相対的に高くなるように、かつ、ヘッド50のノズル内部のインクに所定の背圧(負圧)が付与されるように、供給ポンプ20及び回収ポンプ120の駆動が制御される。
また、インク供給装置100は、供給サブタンク18と、供給サブタンク18の気室26と連通可能に構成されるエアタンク36と、を含んで構成される圧力緩衝部を有する。
供給サブタンク18は、可撓性の弾性膜(可撓膜)22によって液室24と気室26に区画される構造を有し、液室24のインク流出口24Aは、供給側マニホールド54及び供給バルブ14を介してヘッド50と連通し、インク流入口24Bは、供給ポンプ20及び脱気モジュール160を介してインクタンク52と連通している。さらに、液室24の気泡排出口27は、ドレイン流路28及びドレインバルブ30を介してインクタンク52と連通している。
インク流入口24Bから液室24へインクが流入すると、流入したインクの体積に応じて弾性膜22が気室26側へ変形する。一方、インク流出口24Aから流出するインクの体積は変動しないので、供給流路12に圧力変動が生じたとしても、供給サブタンク18の作用によって当該圧力変動が抑制される。すなわち、供給サブタンク18は、ヘッド50の内圧変動や、供給ポンプ20の動作による脈流に対する供給流路12の内部圧力の変動を抑制する圧力緩衝機能を有している。
ドレイン流路28は、液室24内の液を強制的に排出させる際の流路であり、気泡排出口27を介して液室24と連通し、ドレインバルブ30が開かれると、液室24内のインクがインクタンク52へ送られる。
気室26は、エア流路32、エアコネクトバルブ34を介してエアタンク36と連通し、エアタンク36は大気連通路38に設けられたエアバルブ40を介して大気と連通可能に構成されている。すなわち、気室26はエアコネクトバルブ34を開くことでエアタンク36と連通させることができ、インク送液の圧力制御に応じて気室26の容積を増加させることができる。さらに、エアバルブ40を開くことで、エアタンク36及び気室26を大気連通させることができる。
エアコネクトバルブ34はノーマルオープン型の電磁バルブ、エアバルブ40はノーマルクローズ型の電磁バルブが適用され、非常停止機能が作動した場合等に電源が遮断されても、ヘッド50からインクが漏れ出さないよう構成されている。
回収側の圧力緩衝部も供給側の圧力緩衝部と同一の構造を有している。すなわち、インク供給装置100は、回収サブタンク118、ドレインバルブ130、エア流路132、エアコネクトバルブ134、エアタンク136、大気連通路138、及びエアバルブ140を備え、これらはそれぞれ供給サブタンク18、ドレインバルブ30、エア流路32、エアコネクトバルブ34、エアタンク36、大気連通路38、及びエアバルブ40と同一の構造を有している。
回収サブタンク118は、弾性膜122によって液室124と気室126に区画され、液室124のインク流入口124Bは、回収ポンプ120を介してインクタンク52と連通し、インク流出口124Aは、回収側マニホールド154及び回収バルブ114を介してヘッド50と連通している。さらに、液室124の気泡排出口127は、ドレイン流路128及びドレインバルブ130を介してインクタンク52と連通している。
また、気室126は、エア流路132、エアコネクトバルブ134を介してエアタンク136と連通し、エアタンク136は大気連通路138に設けられたエアバルブ140を介して大気と連通可能に構成されている。
さらに、インク供給装置100は、インクタンク52と供給ポンプ20との間に脱気モジュール160及びインクの逆流を防止するための一方向弁162が設けられている。
脱気モジュール160には、ストレーナ310を介して真空ポンプ312が接続されており、ストレーナ310と真空ポンプ312との間にはセンサ314が設けられている。
脱気モジュール160(第1の脱気手段の一例)は、気体は透過するが液体は透過しない特性を有する中空糸膜の一方側にインクを通し、その他方側を真空ポンプ312で吸引することで、中空糸膜をインクが通過する過程においてインク中の溶存気体を除去する。なお、脱気モジュール160から真空ポンプ312から吸引された異物は、ストレーナ310に捕獲される。
センサ314は、真空ポンプ312における真空度を計測するセンサであり、センサ314の出力値に応じて真空ポンプ312を制御してもよい。
また、供給ポンプ20と供給サブタンク18の間には、フィルタ164及び熱交換器(冷却加熱装置)166が設けられている。熱交換器166にはインク温調機320が設けられており、インク温調機320によって所定の温度に設定された熱交換器166をインクが流れることで、インクの温度が所望の温度に調整される。
このように構成されることで、インクタンク52から送り出されたインクは脱気モジュール160によって脱気処理が施され、フィルタ164によって気泡や異物が除去され、熱交換器166による温度調整処理が施された後に供給サブタンク18へ送られる。
また、脱気モジュール160と回収ポンプ120との間には、インクの逆流防止のための一方向弁170が設けられるとともに、フィルタ172が設けられ、インクタンク52から回収サブタンク118へインクが送られる場合にも、所定の脱気処理及びフィルタ処理が施される。
インク供給装置100は、安全弁(リリーフバルブ)174,176が設けられており、供給ポンプ20や回収ポンプ120に異常が発生して供給流路12や回収流路112の内部圧力が所定値よりも上昇した場合には、安全弁174,176が動作して供給流路12、回収流路112の内部圧力を降下させる。また、供給ポンプ20や回収ポンプ120を逆転動作させたときにインクの逆流を防止するための一方向弁178,180が設けられている。
メインタンク56は、インクタンク52、供給流路12、供給側マニホールド54、ヘッド50、回収側マニホールド154、及び回収流路112からなる循環流路300へ補充するためのインクが貯留されている。メインタンク56は、補充流路316を介して回収流路112との合流点302において循環流路300と連通されている。
補充流路316は、例えばポリエチレンにより形成され、メインタンク56側から合流点302に向かって順にフィルタ184、脱気モジュール318、補充ポンプ182が設けられている。脱気モジュール318(第2の脱気手段の一例)は、脱気モジュール160と同様に構成されており、ストレーナ310を介して真空ポンプ312が接続されている。
補充ポンプ182は、チューブポンプが適用される。インクタンク52内のインク量が減少すると、補充ポンプ182が動作する。補充ポンプ182は、メインタンク56内のインクをフィルタ184及び脱気モジュール318を介して循環流路300へ送る。メインタンク56から送り出されたインクは、フィルタ184により異物が除去され、脱気モジュール318によって脱気処理が施される。
循環流路300へ送られたインクは、合流点302において回収ポンプ120によって回収流路112を送液されるインクに合流し、回収流路112(共通流路117)を介してインクタンク52へ送られる。
(循環の説明)
上記のように構成されたインク供給装置100は、供給ポンプ20と回収ポンプ120とを動作させて、供給側マニホールド54と回収側マニホールド154との間に差圧を設けて、循環流路300内にインクを循環させる。例えば、供給バルブ14及び回収バルブ114を開いた状態で、供給ポンプ20を正転動作させて供給側マニホールド54に負圧を発生させ、一方、回収ポンプ120を逆転動作させて回収側マニホールド154に供給側より低い負圧を発生させると、インクタンク52から供給サブタンク18を介して供給側マニホールド54へ供給されたインクが、ヘッド50を介して回収側マニホールド154へ流れ、さらに回収流路112、回収サブタンク118等を介してインクタンク52へ戻り、インクを循環させることができる。
上記のように構成されたインク供給装置100は、供給ポンプ20と回収ポンプ120とを動作させて、供給側マニホールド54と回収側マニホールド154との間に差圧を設けて、循環流路300内にインクを循環させる。例えば、供給バルブ14及び回収バルブ114を開いた状態で、供給ポンプ20を正転動作させて供給側マニホールド54に負圧を発生させ、一方、回収ポンプ120を逆転動作させて回収側マニホールド154に供給側より低い負圧を発生させると、インクタンク52から供給サブタンク18を介して供給側マニホールド54へ供給されたインクが、ヘッド50を介して回収側マニホールド154へ流れ、さらに回収流路112、回収サブタンク118等を介してインクタンク52へ戻り、インクを循環させることができる。
インクを循環させるときは、第2のバイパス流路192に設けられた第2のバイパス流路バルブ196を開き、供給側マニホールド54と回収側マニホールド154とを第2のバイパス流路192を介して連通させるとよい。なお、第1のバイパス流路190,192が加圧時における圧力損失が発生しない直径を有するものであれば、いずれか一方を備えていればよい。
〔インク供給装置の課題〕
以上のように構成されたインク供給装置100について、1000枚の用紙に印字を行った場合の循環流路300内部のインクの溶存酸素量の変化を調査した。インクの溶存酸素量は、供給側マニホールド54の直前において測定した。その結果を図2に示す。
以上のように構成されたインク供給装置100について、1000枚の用紙に印字を行った場合の循環流路300内部のインクの溶存酸素量の変化を調査した。インクの溶存酸素量は、供給側マニホールド54の直前において測定した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、印字中に溶存酸素量が急激に増加する現象(図中の円で囲まれた領域)がみられた。また、この減少は、補充ポンプ182によってメインタンク56から循環流路300にインクを補充したタイミングで発生していることが判明した。本願発明者は、鋭意検討の結果、この溶存酸素量の増加が、補充流路316の内部の合流点302から脱気モジュール318までの間のインクに起因することを見出した。
即ち、補充流路316の内部の合流点302から脱気モジュール318までの間のインクは、脱気モジュール318において脱気されたインクである。しかしながら、脱気してから長時間経過すると、補充流路316を構成するチューブ等から酸素が入り込み、溶存酸素量が増加する。このインクをそのまま循環流路300に向けて送液すると、図2に示すように、循環流路300内のインクの溶存酸素量が上昇する。
なお、ここでは合流点302から脱気モジュール318までの間のインクの量は数10ml、循環流路300内のインクの量は約200mlである。
(電気的構成)
図3は、本実施形態におけるインク供給装置100の電気的構成を示すブロック図である。図2では、ポンプの制御についてのみ記載しており、ヘッド50や各バルブの制御については省略してある。
図3は、本実施形態におけるインク供給装置100の電気的構成を示すブロック図である。図2では、ポンプの制御についてのみ記載しており、ヘッド50や各バルブの制御については省略してある。
図3に示すように、インク供給装置100は、制御部322、タイマ324、及びメモリ326を備えている。
制御部322(補充手段、回収手段の一例)は、インク供給装置100全体の動作を統括制御する制御手段として機能し、所定の制御プログラムに従って供給ポンプ20、回収ポンプ120、及び補充ポンプ182の動作/非動作や送液方向、送液量を制御する。タイマ324は、制御部322の指令により計時を行う計時手段であり、メモリ326は、制御部322の制御プログラムや各種パラメータを記憶する記憶手段である。
〔インク供給装置の動作〕
図4は、インク供給装置100のインク供給方法を示すフローチャートである。
図4は、インク供給装置100のインク供給方法を示すフローチャートである。
(ステップS101)
インク供給装置100は、電源が投入されると、インクの循環を開始する(循環工程の一例)。即ち、制御部322は、供給ポンプ20を制御し、インクタンク52から供給流路12、供給側マニホールド54を介してヘッド50にインクを供給するとともに、回収ポンプ120を制御し、ヘッド50から回収側マニホールド154、回収流路112を介してインクタンク52へインクを回収し、循環流路300内にインクを循環させる。
インク供給装置100は、電源が投入されると、インクの循環を開始する(循環工程の一例)。即ち、制御部322は、供給ポンプ20を制御し、インクタンク52から供給流路12、供給側マニホールド54を介してヘッド50にインクを供給するとともに、回収ポンプ120を制御し、ヘッド50から回収側マニホールド154、回収流路112を介してインクタンク52へインクを回収し、循環流路300内にインクを循環させる。
このとき、脱気モジュール160により、循環流路300を循環するインクから気体が除去される(第1の脱気工程の一例)。インクの循環を開始してから印字可能になるまで、インクの脱気や温調等のため、数分間必要である。
(ステップS102)
制御部322は、補充ポンプ182が動作してから所定時間以上が経過しているか否かを判定する。
制御部322は、補充ポンプ182が動作してから所定時間以上が経過しているか否かを判定する。
制御部322は、補充ポンプ182が動作を停止してからタイマ324に計時を開始させる。この計時は、インク供給装置100の電源が遮断されても継続されている。
制御部322は、タイマ324の計時結果とメモリ326に記憶された補充流路脱気時間(第1の時間の一例)とを比較し、タイマ324の計時結果の方が長い場合には、ステップS103に移行する。
また、タイマ324の計時結果の方が短い場合には、ステップS104に移行する。
(ステップS103)
補充ポンプ182を逆転動作させ、補充流路316の内部に滞留したインクのうち少なくとも合流点302から脱気モジュール318までのインクをメインタンク56方向へ送液し、脱気モジュール318において脱気する(回収工程の一例)。
補充ポンプ182を逆転動作させ、補充流路316の内部に滞留したインクのうち少なくとも合流点302から脱気モジュール318までのインクをメインタンク56方向へ送液し、脱気モジュール318において脱気する(回収工程の一例)。
前述のように、補充流路316の内部の合流点302から脱気モジュール318までのインクは、脱気してから長時間経過すると、溶存酸素量が増加している。したがって、最後に補充ポンプ182を動作させてから(即ち、脱気モジュール318により脱気させてから)補充流路脱気時間以上が経過した場合に、補充流路316内のインクを逆流させ、脱気モジュール318によって脱気する。
ここで、メインタンク56方向へ送液するインク量は、合流点302から脱気モジュール318までのインク量と同量であればよく、インクタンク52内のインク量よりも少ないことが好ましい。
また、このときの補充ポンプ182の回転速度(第2の送液速度)は、メインタンク56から循環流路300へインクを補充する場合の回転速度(第1の送液速度)と同等、もしくはそれ以下が好ましい。回転速度(送液速度)が遅いほど、脱気モジュール318を通過する時間が長くなるため、溶存酸素量の減少効果を高めることができる。
補充ポンプ182の送液速度が決まれば、メインタンク56方向へ送液するインク量は、補充ポンプ182の動作時間で制御することができる。
ここでは、補充流路脱気時間として、補充流路316の脱気モジュール318から循環流路300までの間のインクの溶存酸素量が、脱気モジュール318における脱気直後の溶存酸素量と比較して5%上昇する時間としている。この時間は、補充流路316のチューブの長さ、材質(酸素透過率)等から予め算出することができ、メモリ326に記憶させている。なお、補充流路脱気時間は、実験により算出してもよい。
図1に示す例では、補充流路316において脱気モジュール318を補充ポンプ182に対してメインタンク56側に配置しているが、循環流路300側に配置してもよい。即ち、メインタンク56側から合流点302に向かって順に、フィルタ184、補充ポンプ182、脱気モジュール318を設けてもよい。脱気モジュール318と合流点302との距離が小さくなるように脱気モジュール318を配置することで、メインタンク56側へ送液するインク量が減り、補充ポンプ182を逆転動作させる時間を短くすることができる。
(ステップS104)
次に、補充ポンプ182を正転動作させ、メインタンク56のインクを循環流路300方向へ送液し、脱気モジュール318において脱気する。このときの送液量は、ステップS102における送液量と同量とすればよい。
次に、補充ポンプ182を正転動作させ、メインタンク56のインクを循環流路300方向へ送液し、脱気モジュール318において脱気する。このときの送液量は、ステップS102における送液量と同量とすればよい。
この動作により、補充流路316の脱気モジュール318から合流点302までのインクが脱気された状態となり、かつ循環流路300を循環するインクの量を補充ポンプ182の逆転動作前の量に戻すことができる。
なお、ステップS103,104の動作は、ヘッド50による印字中には行わない。ステップS102の判断からステップS103,104の動作は、ヘッド50による印字開始前に行う。
(ステップS105)
メインタンク56から循環流路300へインクを補充する必要があるか否かを判定する。ヘッド50が印字を行い、循環流路300のインクが減少した場合は、インクを補充する必要があるため、ステップS106へ移行する。補充の必要がない場合は、ステップS107に移行する。
メインタンク56から循環流路300へインクを補充する必要があるか否かを判定する。ヘッド50が印字を行い、循環流路300のインクが減少した場合は、インクを補充する必要があるため、ステップS106へ移行する。補充の必要がない場合は、ステップS107に移行する。
(ステップS106)
補充ポンプ182を正転動作させ、メインタンク56から循環流路300へインクを補充する(補充工程の一例)。このとき、脱気モジュール318により、補充流路316を流れるインクから気体が除去される(第2の脱気工程の一例)。
補充ポンプ182を正転動作させ、メインタンク56から循環流路300へインクを補充する(補充工程の一例)。このとき、脱気モジュール318により、補充流路316を流れるインクから気体が除去される(第2の脱気工程の一例)。
(ステップS107)
インク供給装置100の動作を終了するか否かを判定する。例えば、インク供給装置100の電源が遮断された場合には、動作を終了する。動作を終了しない場合には、ステップS102に戻り、同様の処理を繰り返す。
インク供給装置100の動作を終了するか否かを判定する。例えば、インク供給装置100の電源が遮断された場合には、動作を終了する。動作を終了しない場合には、ステップS102に戻り、同様の処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態によれば、脱気モジュール318から循環流路300までの間に長時間インクが滞留した場合であっても、適切に脱気したインクを循環流路300に補充することができるので、ヘッド50へ供給するインクの溶存酸素量を一定に保つことができる。
補充ポンプ182が逆転動作した場合に、回収流路112のインクのうち合流点302よりも上流側(ヘッド50側)のインクをメインタンク56方向へ送液しないように、回収流路112の合流点302よりも上流側に電磁バルブを設け、補充ポンプ182が逆転動作する場合にこの電磁バルブを閉じてもよい。
〔インクジェット記録装置への応用例〕
次に、上述したインク供給装置の応用例として、インクジェットヘッドのインク供給部に上述したインク供給装置100を適用したインクジェット記録装置について説明する。
次に、上述したインク供給装置の応用例として、インクジェットヘッドのインク供給部に上述したインク供給装置100を適用したインクジェット記録装置について説明する。
(インクジェット記録装置の全体構成)
図5は、本発明の実施形態に係る液体供給装置を具備するインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体214の記録面に画像を形成する二液凝集方式の記録装置である。
図5は、本発明の実施形態に係る液体供給装置を具備するインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体214の記録面に画像を形成する二液凝集方式の記録装置である。
インクジェット記録装置200は、主として、給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、及び排出部270を備えて構成される。また、図5では図示を省略されているが、描画部240へインク供給を行うインク供給装置が設けられている。
処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260の前段に搬送される記録媒体214の受け渡しを行う手段として渡し胴232,242,252,262が設けられるとともに、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260のそれぞれに記録媒体214を保持しながら搬送する手段として、ドラム形状を有する圧胴234,244,254,264が設けられている。
渡し胴232〜262及び圧胴234〜264は、外周面の所定位置に記録媒体214の先端部を挟んで保持するグリッパー280A,280Bが設けられている。グリッパー280Aとグリッパー280Bにおける記録媒体214の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う構造を同一であり、かつ、グリッパー280Aとグリッパー280Bは、圧胴234の外周面の圧胴234の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー280A,280Bにより記録媒体214の先端部を狭持した状態で渡し胴232〜262及び圧胴234〜264を所定の方向に回転させると、渡し胴232〜262及び圧胴234〜264の外周面に沿って記録媒体214が回転搬送される。
なお、図5中、圧胴234に備えられるグリッパー280A,280Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部220に収容されている記録媒体(枚葉紙)214が処理液塗布部230に給紙
されると、圧胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体214の記録面」とは、圧胴234〜264の保持された状態における外側面であり、圧胴234〜264に保持される面と反対面である。
されると、圧胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体214の記録面」とは、圧胴234〜264の保持された状態における外側面であり、圧胴234〜264に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体214は描画部240に送出され、描画部240において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体214は乾燥処理部250に送られ、乾燥処理部250において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部260に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体214上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体214の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体214の記録面に定着した後に、排出部270から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置200の各部(給紙部220、処理液塗布部230、描画部240、乾燥処理部250、定着処理部260、排出部270)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部220は、給紙トレイ222と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体214は給紙トレイ222から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ222から送り出された記録媒体214は、渡し胴(給紙胴)232のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。そして、グリッパー(不図示)が記録媒体214の先端部を挟んで保持し、処理液胴234に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う。
給紙部220は、給紙トレイ222と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体214は給紙トレイ222から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ222から送り出された記録媒体214は、渡し胴(給紙胴)232のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。そして、グリッパー(不図示)が記録媒体214の先端部を挟んで保持し、処理液胴234に備えられるグリッパーとの間で記録媒体214の受け渡しを行う。
(処理液塗布部)
処理液塗布部230は、給紙胴232から受け渡された記録媒体214を外周面に保持して記録媒体214を所定の搬送方向へ搬送する処理液胴(処理液ドラム)234と、処理液胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に処理液を付与する処理液塗布部230と、含んで構成されている。処理液胴234を図5における反時計回りに回転させると、記録媒体214は処理液胴234の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
処理液塗布部230は、給紙胴232から受け渡された記録媒体214を外周面に保持して記録媒体214を所定の搬送方向へ搬送する処理液胴(処理液ドラム)234と、処理液胴234の外周面に保持された記録媒体214の記録面に処理液を付与する処理液塗布部230と、含んで構成されている。処理液胴234を図5における反時計回りに回転させると、記録媒体214は処理液胴234の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図5に示す処理液塗布部230は、処理液胴234の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布部230の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラと、汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体214上に移動させる塗布ローラ(ゴムローラ)と、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、該塗布ローラを上下方向(処理液胴234の外周面の法線方向)に移動させる塗布ローラ移動機構を備え、記録媒体214以外の部分に処理液の塗布を行わないように構成する態様が好ましい。また、記録媒体214の先端部を挟持するグリッパー280A,280Bは、周面から突出しないように配置されている。
処理液塗布部230により記録媒体214に付与される処理液は、描画部240で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体214上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布部230は、記録媒体214に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体214上の処理液の膜厚は、描画部240から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部240は、記録媒体214を保持して搬送する描画胴(描画ドラム)244と、記録媒体214を描画胴244に密着させるための用紙押さえローラ246と、記録媒体214にインクを付与するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yを備えている。描画胴244の基本構造は先に説明した処理液胴234と共通している。
描画部240は、記録媒体214を保持して搬送する描画胴(描画ドラム)244と、記録媒体214を描画胴244に密着させるための用紙押さえローラ246と、記録媒体214にインクを付与するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yを備えている。描画胴244の基本構造は先に説明した処理液胴234と共通している。
用紙押さえローラ246は、描画胴244の外周面に記録媒体214を密着させるためのガイド部材であり、描画胴244の外周面に対向し、渡し胴242と描画胴244との記録媒体214の受渡位置よりも記録媒体214の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yよりも記録媒体214の搬送方向上流側に配置される。
また、用紙押さえローラ246と記録媒体214の搬送方向における最上流側のインクジェットヘッド248Yとの間には、用紙浮き検出センサ(不図示)が配置されている。該用紙浮き検出センサは、記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下に進入する直前の浮き量を検出している。本例に示すインクジェット記録装置200は、用紙浮き検出センサにより検出された記録媒体214の浮き量が所定のしきい値を超える場合には、その旨を報知するとともに記録媒体214の搬送を中断させるように構成されている。
渡し胴242から描画胴244に受け渡された記録媒体214は、グリッパー(符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙押さえローラ246によって押圧され、描画胴244の外周面に密着する。このようにして、記録媒体214を描画胴244の外周面に密着させた後に、描画胴244の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に送られる。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yはそれぞれ、マゼンダ(M)、黒(K)、シアン(C)、イエロー(Y)の4色のインクに対応しており、描画胴244の回転方向(図5における反時計回り方向)に上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのインク吐出面(ノズル面)が描画胴244に保持された記録媒体214の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体214の記録面と対向するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの面であり、後述するインクが吐出されるノズル(図7に符号408を付して図示する)が形成される面である。
また、図5に示すインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面とインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yは、記録媒体214における画像形成領域の最大幅(記録媒体214の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体214の搬送方向と直交する方
向に延在するように固定設置される。
向に延在するように固定設置される。
また、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのそれぞれは、インク供給装置100M,100K,100C,100Yからインクが供給される。各インク供給装置100M,100K,100C,100Yは、それぞれ図1に示すインク供給装置100と同様の構成となっている。なお、ストレーナ310、真空ポンプ312、センサ314、及びインク温調機320については、インク供給装置100M,100K,100C,100Yにおいて共通に用いることができる。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yのノズル面(液体吐出面)には、記録媒体214の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体214がインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから記録媒体214の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
なお、インク供給装置100M,100K,100C,100Yは、それぞれインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yがインクを吐出しているときは、脱気モジュール318から循環流路300までの間のインクの回収は行わない。
インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yから、対応する色インクの液滴が、描画胴244の外周面に保持された記録媒体214の記録面に向かって吐出されると、記録媒体214上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体214上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ずれ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部240の描画胴244は、処理液塗布部230の処理液胴234に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、MKCYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥処理部)
乾燥処理部250は、画像形成後の記録媒体214を保持して搬送する乾燥胴(乾燥ドラム)254と、該記録媒体214上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理装置256を備えている。なお、乾燥胴254の基本構造は、先に説明した処理液胴234及び描画胴244と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理部250は、画像形成後の記録媒体214を保持して搬送する乾燥胴(乾燥ドラム)254と、該記録媒体214上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理装置256を備えている。なお、乾燥胴254の基本構造は、先に説明した処理液胴234及び描画胴244と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理装置256は、乾燥胴254の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体214に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部240により記録媒体214にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体214上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する必要がある。
乾燥処理装置256は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体214上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体214上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体214に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体214上に残留する水分量、記録媒体214の種類、及び記録媒体214の搬送速度(乾燥処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
乾燥処理装置256による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部250の乾燥胴254は、描画部240の描画胴244に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体214のコックリングの矯正効果を発揮させるために、乾燥胴254の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥胴254の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥胴254の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体214の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。かかる態様において、乾燥胴254の外周面に記録媒体214を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体214を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥胴254の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥胴254の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥胴254の外周面に、記録媒体214の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体214の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体214のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
(定着処理部)
定着処理部260は、記録媒体214を保持して搬送する定着胴(定着ドラム)264と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体214に加熱処理を施すヒータ266と、該記録媒体214を記録面側から押圧する定着ローラ268と、を備えて構成される。なお、定着胴264基本構造は処理液胴234、描画胴244、及び乾燥胴254と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ266及び定着ローラ268は、定着胴264の外周面に対向する位置に配置され、定着胴264の回転方向(図5において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部260は、記録媒体214を保持して搬送する定着胴(定着ドラム)264と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体214に加熱処理を施すヒータ266と、該記録媒体214を記録面側から押圧する定着ローラ268と、を備えて構成される。なお、定着胴264基本構造は処理液胴234、描画胴244、及び乾燥胴254と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ266及び定着ローラ268は、定着胴264の外周面に対向する位置に配置され、定着胴264の回転方向(図5において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部260では、記録媒体214の記録面に対してヒータ266による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ268による定着処理が施される。ヒータ266の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ268は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体214を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ268は、定着胴264に対して圧接するように配置されており、定着胴264との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体214は、定着ローラ268と定着胴264との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ268の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。かかる加熱ローラで記録媒体214を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転
移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体214の記録面に加圧を施すと、記録媒体214の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ268を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ268の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ268の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体214の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体214の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
図5に示すインクジェット記録装置200は、定着処理部260の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)には、インラインセンサ282が設けられている。インラインセンサ282は、記録媒体214に形成された画像(又は記録媒体214の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサであり、CCDラインセンサが好適に用いられる。
本例に示すインクジェット記録装置200は、インラインセンサ282の読取結果に基づいてインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの吐出異常の有無が判断される。また、インラインセンサ282は、水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段を含む態様も可能である。かかる態様において、水分量、表面温度、光沢度の読取結果に基づいて、乾燥処理部250の処理温度や定着処理部260の加熱温度及び加圧圧力などのパラメータを適宜調整し、装置内部の温度変化や各部の温度変化に対応して、上記制御パラメータが適宜調整される。
(排出部)
図5に示すように、定着処理部260に続いて排出部270が設けられている。排出部270は、張架ローラ272A,272Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン274と、画像形成後の記録媒体214が収容される排出トレイ276と、を備えて構成されている。
図5に示すように、定着処理部260に続いて排出部270が設けられている。排出部270は、張架ローラ272A,272Bに巻きかけられた無端状の搬送チェーン274と、画像形成後の記録媒体214が収容される排出トレイ276と、を備えて構成されている。
定着処理部260から送り出された定着処理後の記録媒体214は、搬送チェーン274によって搬送され、排出トレイ276に排出される。
〔インクジェットヘッドの構造〕
次に、描画部240に具備されるインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造の一例について説明する。なお、各色に対応するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号400によってインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を示すものとする。
次に、描画部240に具備されるインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造の一例について説明する。なお、各色に対応するインクジェットヘッド248M,248K,248C,248Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号400によってインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を示すものとする。
図6は、インクジェットヘッド400の概略構成図であり、同図はインクジェットヘッド400から記録媒体の記録面を見た図(ヘッドの平面透視図)となっている。同図に示すヘッド400は、n個のヘッドモジュール402‐i(iは1からnの整数)をヘッド400の長手方向に沿って一列につなぎ合わせてマルチヘッドを構成している。また、各ヘッドモジュール402‐iは、ヘッド400の短手方向の両側からヘッドカバー404,406によって支持されている。なお、ヘッドモジュール402を千鳥状に配置してマルチヘッドを構成することも可能である。
複数のサブヘッドにより構成されるマルチヘッドの適用例として、記録媒体の全幅に対応したフルライン型ヘッドが挙げられる。フルライン型ヘッドは、記録媒体の移動方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)について、記録媒体の主走査方向における長さ(幅)に対応して、複数のノズル(図7に符号408を付して図示する)が並べられた構造を有している。かかる構造を有するヘッド400と記録媒体とを相対的に一回だけ走査させて画像記録を行う、いわゆるシングルパス画像記録方式により、記録媒体の全面にわたって画像を形成し得る。
ヘッド400を構成するヘッドモジュール402‐iは、略平行四辺形の平面形状を有し、隣接するサブヘッド間にオーバーラップ部が設けられている。オーバーラップ部とは、サブヘッドのつなぎ部分であり、ヘッドモジュール402‐iの並び方向について、隣接するドットが異なるサブヘッドに属するノズルによって形成される。なお、図6に示すヘッド400は図1に示したヘッド50と等価であり、ヘッドモジュール402はヘッドモジュール51と等価である。
図7は、ヘッドモジュール402‐iのノズル配列を示す平面図である。同図に示すように、各ヘッドモジュール402‐iは、ノズル408が二次元状に並べられた構造を有し、かかるヘッドモジュール402‐iを備えたヘッドは、いわゆるマトリクスヘッドと呼ばれるものである。図7に図示したヘッドモジュール402‐iは、副走査方向Yに対して角度αをなす列方向W、及び主走査方向Xに対して角度βをなす行方向Vに沿って多数のノズル408が並べられた構造を有し、主走査方向Xの実質的なノズル配置密度が高密度化されている。図7では、行方向Vに沿って並べられたノズル群(ノズル行)は符号410を付し、列方向Wに沿って並べられたノズル群(ノズル列)は符号412を付して図示されている。
なお、ノズル408のマトリクス配置の他の例として、主走査方向Xに沿う行方向、及び主走査方向Xに対して斜め方向の列方向に沿って複数のノズル408を配置する構成が挙げられる。
図8は、記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル408に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図である。同図に示すように、本例のヘッド400(ヘッドモジュール402)は、ノズル408が形成されたノズルプレート414と、圧力室416や共通流路418等の流路が形成された流路板420等を積層接合した構造から成る。ノズルプレート414は、ヘッド400のノズル面414Aを構成し、各圧力室416にそれぞれ連通する複数のノズル408が2次元的に形成されている。
流路板420は、圧力室416の側壁部を構成するとともに、共通流路418から圧力室416にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口422を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図8では簡略的に図示しているが、流路板420は一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート414及び流路板420は、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路418はインク供給源たるインクタンク(図1に示すインクタンク52に相当)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路418を介して各圧力室416に供給される。
圧力室416の一部の面(図8における天面)を構成する振動板424には、個別電極426及び下部電極428を備え、個別電極426と下部電極428との間に圧電体430が挟まれた構造を有するピエゾアクチュエータ432が接合されている。振動板424を金属薄膜や金属酸化膜により構成すると、ピエゾアクチュエータ432の下部電極428に相当する共通電極として機能する。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様では、振動板部材の表面に金属などの導電材料による下部電極層が形成される。
個別電極426に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ432が変形して圧力室416の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル408からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ432が元の状態に戻る際、共通流路418から供給口422を通って新しいインクが圧力室416に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニットを図7に示す如く、主走査方向Xと角度βをなす行方向V及び副走査方向Yに対して角度αをなす列方向Wに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向Yの隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向Xについては実質的に各ノズル408が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
本例では、ヘッド400に設けられたノズル408から吐出させるインクの吐出力発生手段としてピエゾアクチュエータ432を適用したが、圧力室416内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
本明細書では、グラフィック印刷の用途に適した着色インクを吐出するインクジェット記録装置を例に説明したが、プリント配線用のレジストインク(耐熱性被覆材料)、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液、カラーフィルターの製造に用いるインク等を吐出する画像形成装置に適用することができる。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
12…供給流路、14…供給バルブ、15…供給口、18…供給サブタンク、50…インクジェットヘッド、51…ヘッドモジュール、52…インクタンク、54…供給側マニホールド、56…メインタンク、100,100M,100K,100C,100Y…インク供給装置、112…回収流路、114…回収バルブ、115…排出口、118…回収サブタンク、154…回収側マニホールド、160,318脱気モジュール、182…補充ポンプ、200…インクジェット記録装置、300…循環流路、302…合流点、312…真空ポンプ、316…補充流路
Claims (10)
- インクを貯留するインクタンクと、
前記インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路にインクを循環させる循環手段と、
前記循環流路に設けられ、前記循環流路を流れるインクを脱気する第1の脱気手段と、
前記循環流路に補充するためのインクを貯留するメインタンクと、
前記メインタンクと前記循環流路とを連通させる補充流路と、
前記補充流路に設けられ、前記補充流路にインクを流す補充ポンプと、
前記補充流路に設けられ、前記補充流路を流れるインクを脱気する第2の脱気手段と、
前記補充ポンプにより前記メインタンクに貯留されたインクを前記循環流路へ補充する補充手段と、
前記補充ポンプにより前記補充流路の少なくとも前記第2の脱気手段から前記循環流路までのインクを前記メインタンクに向けて回収する回収手段であって、前記補充手段がインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収手段と、
を備えたインク供給装置。 - 前記第1の時間は、前記補充流路の前記第2の脱気手段から前記循環流路までのインクの溶存酸素量が第2の脱気手段による脱気直後の溶存酸素量から5%上昇する時間である請求項1に記載のインク供給装置。
- 前記回収手段によるインクの送液速度は、前記補充手段によるインクの送液速度以下である請求項1又は2に記載のインク供給装置。
- 前記回収手段が回収するインクの量は、前記インクタンクに貯留されているインクの量よりも少ない請求項1から3のいずれか1項に記載のインク供給装置。
- 前記補充手段は、前記回収手段がインクを回収した後に回収したインクと同量のインクを補充する請求項1から4のいずれか1項に記載のインク供給装置。
- 前記第2の脱気手段は、前記補充流路において前記補充ポンプよりも前記循環流路側に設けられる請求項1から5のいずれか1項に記載のインク供給装置。
- 前記循環流路は、
前記インクタンクに貯留されたインクを前記インクジェットヘッドへ供給する供給ポンプと、
前記インクジェットヘッドへ供給されたインクを前記インクタンクへ回収する回収ポンプと、
を備える請求項1から6のいずれか1項に記載のインク供給装置。 - インクが供給される供給口と、インクを吐出するノズルと、吐出されなかったインクが排出される排出口とを備えたインクジェットヘッドと、
請求項1から7のいずれか1項に記載のインク供給装置と、
を備えたインクジェット記録装置。 - 前記回収手段は、前記インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出していないときにインクを回収する請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- インクタンクとインクジェットヘッドとを含んで構成される循環流路にインクを循環させる循環工程と、
前記インクジェットヘッドへ供給されるインクを脱気する第1の脱気工程と、
インクを貯留するメインタンクと前記循環流路とを連通する補充流路を介して前記メインタンクのインクを前記循環流路に補充する補充工程と、
前記補充流路に設けられた第2の脱気手段により前記循環流路を流れるインクを脱気する第2の脱気工程と、
前記補充流路の少なくとも前記第2の脱気手段から前記循環流路までのインクを前記メインタンクに向けて回収する回収工程であって、前記補充工程においてインクの補充を行ってから第1の時間が経過するとインクを回収する回収工程と、
を備えたインク供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013118638A JP2014233952A (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013118638A JP2014233952A (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014233952A true JP2014233952A (ja) | 2014-12-15 |
Family
ID=52137004
Family Applications (1)
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JP2013118638A Pending JP2014233952A (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | インク供給装置及びインク供給方法、インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014233952A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020001218A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置及びインク移送方法 |
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2013
- 2013-06-05 JP JP2013118638A patent/JP2014233952A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020001218A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置及びインク移送方法 |
JP7214990B2 (ja) | 2018-06-26 | 2023-01-31 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置及びインク移送方法 |
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