JP5963365B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
上記目的を達成するためにインク循環装置の一の態様は、ラジカル重合型紫外線硬化インクを貯留するインクタンクであって、貯留されたラジカル重合型紫外線硬化インクが少なくとも酸素を含む気体と触れるインクタンクと、ラジカル重合型紫外線硬化インクが供給される供給ポートと、ラジカル重合型紫外線硬化インクを吐出するノズルと、吐出されなかったラジカル重合型紫外線硬化インクが排出される排出ポートとを備えたインクジェットヘッドの供給ポートとインクタンクとを連通させる供給流路と、供給流路に設けられ、インクタンクに貯留されたラジカル重合型紫外線硬化インクをインクジェットヘッドへ供給する供給ポンプと、供給流路に設けられ、ラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去する酸素除去手段と、インクジェットヘッドの排出ポートとインクタンクとを連通させる排出流路と、排出流路に設けられ、排出ポートから排出されたラジカル重合型紫外線硬化インクをインクタンクへ回収する回収ポンプと、酸素除去手段によりラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去する第1のモードと、ラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去しない第2のモードと、を切り替える制御手段であって、装置の電源を遮断する前に第1のモードから第2のモードに切り替える制御手段とを備えた。
〔インク循環装置の構成〕
図1は、本実施形態に係るインク循環装置の構成を示す概略図である。インク循環装置100は、ラジカル重合型紫外線硬化インク(以後、単にインクという)を吐出するインクジェットヘッド200の内部にインクを循環させる装置であり、主に新品のインクを貯留するメインタンク110、循環されるインクを貯留する循環系タンク120、循環系タンク120からインクジェットヘッド200に供給されるインクを一時滞留させる供給系サブタンク130、インクジェットヘッド200から循環系タンク120に回収されるインクを一時滞留させる排出系サブタンク140等を備えている。
図2(a)は、インクジェットヘッド200をノズル面202側から見た図である。インクジェットヘッド200のノズル面202は、平面に形成されている。また、このノズル面202には、インク滴の吐出孔であるノズル204が複数配置されている。
図4は、インク循環装置100の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、インク循環装置100は、電源スイッチ170、制御部172、タイマ174等を備えている。
以上のように構成されたインク循環装置100の動作(インク循環方法の一例)について、図5のフローチャートを用いて説明する。
制御部172は、ユーザにより電源スイッチ170がオンされたか否かを判定する。電源スイッチ170がオンされた場合には、ステップS2へ移行する。
電源スイッチ170がオンされると、制御部172は、第2のポンプ124を駆動し、循環系タンク120に貯留されたインクを供給系サブタンク130へ供給する。供給系サブタンク130は密閉されており、供給系サブタンク130に供給された量のインクが供給系サブタンク130から脱酸素装置150へ送液される。
制御部172は、ユーザにより電源スイッチ170がオフされたか否かを判定する。電源スイッチ170がオフされた場合には、ステップS4へ移行する。
電源スイッチ170がオフされると、制御部172は、脱酸素装置150の動作を停止させる(制御工程の一例)。これにより、インクジェットヘッド200には、酸素が除去されていないインクが供給される(第2のモード)。また、このインクがインクジェットヘッド200から排出され、酸素が除去されていないインクがインク循環装置100を循環する。
制御部172は、タイマ174の計測時間に基づいて、脱酸素装置150の動作を停止してからの時間が第1の循環時間だけ経過したか否かを判定する。
脱酸素装置150の動作を停止してからの時間が第1の循環時間だけ経過すると、制御部172は、第2のポンプ124、第3のポンプ146の動作を停止させ、インクの循環を停止する。
図6は、各溶存酸素量比のラジカル重合型紫外線硬化インクをそれぞれインクジェットヘッド200に充填し、7日間放置した後に行った連続吐出試験における不吐出ノズル数の結果を示す図である。ここで、溶存酸素量比とは、室温、1気圧の条件下で脱気していないインクの溶存酸素量を1としたときの、各インクにおける溶存酸素量の比率である。なお、インクジェットヘッド200の総ノズル数は256個であり、各溶存酸素量比における不吐出ノズル数の初期値は0である。また、連続吐出試験は、ノズル204が吐出可能な最大サイズのインク滴を15kHzの周波数で吐出した。
次に、本態様に係るインク循環装置100を適用したインクジェット記録装置について説明する。
図8は、インクジェット記録装置10における記録媒体搬送路を模式的に示す説明図である。図8に示すように、プラテン26は逆樋状に形成され、その上面が記録媒体12の支持面(「媒体支持面」という。)となる。プラテン26の近傍における記録媒体搬送方向(X方向)の上流側には、記録媒体12を間欠搬送するための記録媒体搬送手段である一対のニップローラ40が配設される。このニップローラ40は記録媒体12をプラテン26上でX方向へ移動させる。
図9は、キャリッジ30上に配置されるインクジェットヘッド24と仮硬化光源32A、32B及び本硬化光源34A、34Bの配置形態の例を示す平面透視図である。
図9に示したように、インクジェットヘッド24の走査方向(Y方向)の左右両脇に、仮硬化光源32A、32Bが配置される。さらに、インクジェットヘッド24の記録媒体搬送方向(X方向)の下流側に本硬化光源34A、34Bが配置されている。
図9に示したように、仮硬化光源32A、32B(硬化手段の一例)は、それぞれ複数個のUV−LED素子33が並べられた構造を有している。2つの仮硬化光源32A、32Bは、共通の構成である。本例では、仮硬化光源32A、32Bとして、X方向に沿って6個のUV−LED素子33が1列に並べたLED素子配列を例示したが、LED素子数及びその配列形態はこの例に限定されない。例えば、複数個のLED素子をX/Y方向にマトリクス状に配置した構成も可能である。
図9に示したように、本硬化光源34A、34B(硬化手段の一例)は、それぞれ複数個のUV−LED素子35が並べられた構造を有している。2つの本硬化光源34A、34Bは、共通の構成である。本例では、本硬化光源34A、34Bとして、Y方向に6個、X方向に2個のUV−LED素子35がマトリクス状に配置されたLED素子配列(6×2)を例示している。
図10は、インクジェット記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、画像入力インターフェース82、画像処理部84、吐出制御部86、インク循環制御部88、キャリッジ制御部92、光源制御部94、搬送制御部96、及びユーザインターフェース98等から構成される。
以上のように構成されたインクジェット記録装置10の動作について、図11のフローチャートを用いて説明する。
インク循環装置100の制御部172は、ユーザインターフェース98によりインクジェット記録装置10の電源がオンされたか否かを判定する。電源がオンされた場合には、ステップS12へ移行する。
電源がオンされると、制御部172は、第2のポンプ124を駆動して循環系タンク120からインクジェットヘッド200へインクの供給を行い(供給工程の一例)、同時に第3のポンプ146を駆動してインクジェットヘッド200から循環系タンク120へインクの回収を行う(回収工程の一例)。また、脱酸素装置150を起動させ、インクジェットヘッド200へ供給するインク中の酸素を除去する(第1のモード、酸素除去工程の一例)。
次に、ユーザインターフェース98により画像記録の指示があったか否かを判定する。指示があった場合はステップS14へ移行し、指示がない場合はステップS15へ移行する。
画像記録の指示に従って画像記録を行う。即ち、インクジェット記録装置10は、搬送制御部96により記録媒体12を搬送し、キャリッジ制御部92によりキャリッジ30をY方向に往復走査させる。また、吐出制御部86は、画像処理部84の出力データに基づいてインクジェットヘッド24を制御し、記録媒体12の記録面にインクを吐出させる。さらに、光源制御部94は、仮硬化光源32A、32B、本硬化光源34A、34BのUV−LED素子33、35を制御し、記録媒体12に吐出されたインク滴に紫外線を照射する。
制御部172は、ユーザインターフェース98によりインクジェット記録装置10の電源がオフされたか否かを判定する。電源がオフされた場合はステップS21へ移行し、オフされていない場合はステップS16へ移行する。
次に、画像記録が終了してから長時間経過した(長時間に渡りノズルからインクを吐出させないときの一例)か否かを判定する。ここで、長時間とは、インクの循環を続けることで脱酸素装置150によりインクの溶存酸素量が減少し、インクが増粘してしまう程度の時間を指す。画像記録が終了してから長時間経過していない場合はステップS13へ移行し、同様の処理を繰り返す。長時間経過した場合はステップS16へ移行する。
制御部172は、脱酸素装置150の動作を停止させる。即ち、インク中の酸素を除去せずにインクの循環を行う(第2のモード)。また、タイマ174により、脱酸素装置150の動作を停止してからの経過時間を計測する(時間計測肯定の一例)。
制御部172は、ユーザインターフェース98によりインクジェット記録装置10の電源がオフされたか否かを判定する。電源がオフされた場合はステップS22へ移行し、オフされていない場合はステップS19へ移行する。
次に、ユーザインターフェース98により画像記録の指示があったか否かを判定する。指示があった場合はステップS20へ移行し、指示がない場合はステップS18へ戻り、同様の処理を繰り返す。
制御部172は、停止していた脱酸素装置150の動作を再開させる。即ち、インク中の酸素を除去してからインクジェットヘッド200に供給する(第1のモード)。その後、ステップS14へ移行し、画像記録を行う。
ステップS15において電源がオフされたと判断した場合には、制御部172は、脱酸素装置150の動作を停止させる(酸素除去停止工程の一例)。即ち、インク中の酸素を除去せずにインクの循環を行う(第2のモード)。また、タイマ174により、脱酸素装置150の動作を停止してからの経過時間を計測する(時間計測工程の一例)。
制御部172は、タイマ174の計測時間に基づいて、脱酸素装置150の動作を停止してからの時間が第1の循環時間だけ経過したか否かを判定する。
制御部172は、第2のポンプ124、第3のポンプ146を停止させ、インクの循環を停止する(循環停止工程の一例)。また、インクジェット記録装置10全体の電源をオフし、シャットダウンする。
Claims (9)
- インク循環装置と、
ラジカル重合型紫外線硬化インクが供給される供給ポートと、ラジカル重合型紫外線硬化インクを吐出するノズルと、前記ノズルに対応して設けられた圧力室と、前記圧力室と前記ノズルとを連通するノズル流路と、前記ノズル流路と連通する個別循環流路と、前記個別循環流路と連通し、吐出されなかったラジカル重合型紫外線硬化インクが排出される排出ポートとを備えたインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら前記インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出させて前記記録媒体にインクを着弾させる記録手段と、
前記着弾したインクに紫外線を照射して硬化させる硬化手段と、
を備え、
前記インク循環装置は、
ラジカル重合型紫外線硬化インクを貯留するインクタンクであって、前記貯留されたラジカル重合型紫外線硬化インクが少なくとも酸素を含む気体と触れるインクタンクと、
前記インクジェットヘッドの前記供給ポートと前記インクタンクとを連通させる供給流路と、
前記供給流路に設けられ、前記インクタンクに貯留されたラジカル重合型紫外線硬化インクを前記インクジェットヘッドへ供給する供給ポンプと、
前記供給流路に設けられ、ラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去する酸素除去手段と、
前記インクジェットヘッドの前記排出ポートと前記インクタンクとを連通させる排出流路と、
前記排出流路に設けられ、前記排出ポートから排出されたラジカル重合型紫外線硬化インクを前記インクタンクへ回収する回収ポンプと、
電源スイッチと、
前記電源スイッチがオンされると装置の電源が遮断されるまで前記供給ポンプ及び前記回収ポンプを駆動して前記供給流路及び前記排出流路を介して前記インクタンクと前記インクジェットヘッドの間で前記ラジカル重合型紫外線硬化インクを循環させる手段と、
前記酸素除去手段によりラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去する第1のモードと、ラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去しない第2のモードと、を切り替える制御手段であって、装置の電源を遮断する前に前記第1のモードから前記第2のモードに切り替える制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2のモードに切り替えてから前記ラジカル重合型紫外線硬化インクの溶存酸素量が所望の酸素量であって、飽和状態に対する溶存酸素量比が0.8以上の酸素量になった後に前記電源を遮断するインクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、前記ラジカル重合型紫外線硬化インクの溶存酸素量が所望の酸素量になるまでの循環時間を予め取得し、
前記第2のモードに切り替えてから前記循環時間が経過した後に前記電源を遮断する請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、前記電源スイッチがオフされると前記第1のモードから前記第2のモードに切り替える請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記供給流路に前記ラジカル重合型紫外線硬化インクを滞留させる供給系サブタンクを備え、
前記供給系サブタンクは、前記ラジカル重合型紫外線硬化インクが少なくとも酸素を含む気体と触れる請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記酸素除去手段は、前記供給系サブタンクと前記インクジェットヘッドとの間に設けられる請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- 前記酸素除去手段は、中空糸を用いて前記ラジカル重合型紫外線硬化インクから酸素を除去する請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記排出流路に前記ラジカル重合型紫外線硬化インクを滞留させる排出系サブタンクを備え、
前記排出系サブタンクは、前記ラジカル重合型紫外線硬化インクが少なくとも酸素を含む気体と触れる請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - ラジカル重合型紫外線硬化インクを貯留するメインタンクと、
前記メインタンクと前記インクタンクとを連通させるメイン流路と、
前記メイン流路に設けられ、前記メインタンクに貯留されたラジカル重合型紫外線硬化インクを前記インクタンクへ供給するメインポンプと、
を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記制御手段は、前記記録手段が長時間に渡り前記ノズルからインクを吐出させないときは、前記第2のモードに切り替える請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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