JP2016018874A - 電子部品供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の搬送レーンで搬送用の加振機構を共用する電子部品供給装置において、それぞれの搬送レーンの部位切れに対応して加振機構を制御することにより、部品供給の安定化、効率化を図る。
【解決手段】複数の搬送レーン61L,61Rで加振機構62を共用し、搬送レーンの各々に対し、部品Cを収容した部品収容体20を保持する保持部30と、保持部に部品収容体が有るか否かを検出する収容体有無センサ37と、部品収容体から搬送レーンに部品を搬出する搬出機構40,50と、部品受け渡し位置Pに部品が有るか否かを検出する受け渡し位置部品有無センサ63とが設けられる。制御部90は、搬送レーンの各々のセンサの検出信号に基づき、搬送レーンの部品切れを判断し、複数の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき部品受け渡し位置に部品が到達した時点で加振機構を停止する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子部品供給装置に関する。
電子部品実装装置は、電子部品供給装置から供給された電子部品をヘッドに搭載したノズルによりピックアップし、ヘッドにより電子部品を基板の目標位置まで搬送して実装を行っている。
従来、特許文献1にも記載されるように、複数の部品を収めた筒状の部品収容体が装填され、加振機構により振動を加えて部品を搬送する電子部品供給装置が利用されている。
実開平5−085096号公報
部品収容体から振動による搬送レーン上に部品を搬出し、2つの搬送レーンで搬送用の加振機構を共用することにより、資源利用の効率化、搬送レーンの狭ピッチ化を図る場合を考える。
この場合、両搬送レーンともに部品が部品受け渡し位置まで到達したことを感知した場合のみ振動を停止することとする。この際、一方の搬送レーンで部品が部品受け渡し位置まで到達したことを感知しても、他方の搬送レーンにおいて、部品収容体も搬送レーン上の部品も無いときには、再び部品収容体が補充され当該部品収容体から搬送レーン上に搬出された部品が部品受け渡し位置に到達するまで、振動し続けることになる。
このとき、前記一方の搬送レーンにおいて、部品受け渡し位置に到達した部品を電子部品実装装置がノズルで吸着して取り上げる際に、搬送用の振動の影響により吸着位置が安定しない、吸着を失敗するという問題が起こる。
この振動が停止するまで、電子部品実装装置が部品の吸着を待つこととすると、部品実装作業が遅れる。
そこで、本発明は、振動によって部品を搬送する複数の搬送レーンで搬送用の加振機構を共用する電子部品供給装置において、それぞれの搬送レーンの部品切れに対応して加振機構を制御することにより、部品供給の安定化、効率化を図ることを課題とする。
電子部品供給装置にかかる本発明は、
振動によって部品を搬送する複数の搬送レーンで搬送用の加振機構を共用する電子部品供給装置において、
前記複数の搬送レーンの各々に対し、内部に部品を収容した筒状の部品収容体を保持する保持部と、当該保持部に部品収容体が有るか否かを検出する収容体有無センサと、当該部品収容体から当該搬送レーンに部品を搬出する搬出機構と、部品受け渡し位置と、当該部品受け渡し位置に部品が有るか否かを検出する受け渡し位置部品有無センサと、が設けられ、
前記複数の搬送レーンを対象に、前記収容体有無センサ及び前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、前記搬出機構及び前記加振機構の駆動を制御して、前記部品受け渡し位置への部品の搬送を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の搬送レーンの各々の前記収容体有無センサ及び前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、当該搬送レーンの部品切れを判断し、前記複数の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき前記部品受け渡し位置に部品が到達した時点で前記加振機構の駆動を停止することを特徴とする。
また、上記電子部品供給装置において、表示部を備え、前記制御部は、部品切れと判断した搬送レーンについて部品切れであることの前記表示部による報知の実行を制御する構成としても良い。
また、上記電子部品供給装置において、操作部を備え、前記制御部は、前記操作部からの所定の操作入力信号に基づき、部品切れと判断した状態を解除する構成としても良い。
上記発明によれば、振動によって部品を搬送する複数の搬送レーンで搬送用の加振機構を共用する電子部品供給装置において、複数の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで部品受け渡し位置に部品が到達した時点で加振機構の駆動を停止する。このため、一部の部品切れした搬送レーンで再び部品収容体が補充され当該部品収容体から搬送レーン上に搬出された部品が部品受け渡し位置に到達するまで、加振機構が振動し続けることはない。また、部品切れしていない搬送レーンで部品受け渡し位置に部品が到達すれば、加振機構の振動が停止するので、部品切れしていない搬送レーンから部品を安定して電子部品実装装置に吸着させることができ、吸着動作を徒に待たせることもないから、部品供給の安定化、効率化を図ることができる。
また、表示部を備え、制御部は、部品切れと判断した搬送レーンについて部品切れであることの表示部による報知を制御する場合には、作業者に部品切れした搬送レーンへの部品収容体の補充を促し、再びこの搬送レーンにより部品を供給する状態に早期に復帰でき、部品供給の安定化、効率化を図ることができる。
また、操作部を備え、制御部は、操作部からの所定の操作入力信号に基づき、部品切れと判断した状態を解除する場合には、作業者が部品切れした搬送レーンに部品収容体を補充した後、操作部を操作して、その搬送レーンを部品供給するための搬送レーンとして稼働させることができる。
本発明の一実施形態に係る電子部品供給装置の側面図である。 本発明の一実施形態に適用される部品収容体の斜視図である。 本発明の一実施形態に適用される部品収容体の長手方向に垂直な断面を示した図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品供給装置の制御系のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品供給装置の前端部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品の供給動作制御を示すフローチャートである。
[発明の実施形態の概要]
本発明の実施形態である電子部品供給装置10について図1〜図6に基づいて説明する。図1は電子部品供給装置10の側面図である。
なお、図中、部品繰り出し方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向、X方向とY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、X方向とY方向はいずれも水平であり、Z方向は鉛直上下方向となっている。
電子部品供給装置10は、基板に電子部品を実装する電子部品実装装置(図示略)に取り付けられ、その部品受け渡し位置P(図1矢印)において電子部品実装装置に電子部品Cを供給する。
電子部品実装装置は、基板を保持する搬送装置と、電子部品を吸着可能な吸着ノズルを搭載したヘッドと、当該ヘッドを任意に移動位置決め可能な移動機構とを主に備えている。そして電子部品供給装置10の部品受け渡し位置Pにヘッドを移動して吸着ノズルにより電子部品を受け取ると、搬送装置に保持された基板の実装目標位置にヘッドを移動位置決めして電子部品を実装している。
電子部品供給装置10は、内部に一列に電子部品Cを収容する筒状の部品収容体20を複数保持する保持部30と、部品収容体20の一端部21から挿入して他端部22から電子部品Cの繰り出しを行う長尺で(挿入部材40は部品繰り出し方向(X方向)長さが、それと直交する幅方向(Y方向)長さより長く形成されている。)、可撓性(Y軸回りに折り曲げ可能なこと)を有する挿入部材40と、挿入部材40の部品収容体20への挿入を行う駆動機構50と、部品収容体20から繰り出された複数の電子部品Cを部品受け渡し位置Pに送る搬送部60と、空の部品収容体20を機外に排出する排出機構70と、全体構成を支持するフレーム80と、各部の動作を制御する制御部90とを備えている。
[電子部品及び部品収容体]
図2は上記部品収容体20の斜視図、図3はYZ平面に沿った断面を示した図である。図3に示すように、電子部品供給装置10が供給する電子部品Cは、部品本体部C1の左右の側面から突出し、下方に向かって延びるリードC2を備えている。そして、リードC2は一側面につき一乃至複数本が設けられている。
上記部品収容体20は、図2及び図3に示すように、その両端部21,22が開口した断面略矩形の筒状体である。そして、部品収容体20は、その中空内部空間の断面形状が門型となるように外壁が形成されている。また、断面門型とすることにより、その内底面には、全長に渡って凸条23が形成されている。
そして、上記部品収容体20の内部において、複数の電子部品Cが凸条23に跨がった状態で一列に並んで収容されている。
[フレーム]
フレーム80は、図1に示すように、保持部30と搬送部60を支持する本体部81と、本体部81の下部側で垂直に設けられた二本の脚部82とを備えている。それぞれの脚部82には二つずつで合計四つの高さ調節部材83(図1では二つのみ図示)が装備されている。このため、電子部品供給装置10の設置場所が完全な水平ではない場合であっても個々の高さ調節部材83により本体部81を水平にすることができるようになっている。
[保持部]
部品収容体20の保持部30は、図1に示すように、フレーム80の本体部81の上部において対向して立設された支持板31,32を備えており、各支持板31,32には、部品収容体20の両端部21,22がそれぞれ緩やかに嵌合する嵌合溝33,34が上下方向に沿って形成されている。
そして、保持部30では、各支持板31,32の上端部で、嵌合溝33,34に各部品収容体20の両端部21,22を嵌合させて下方に落として込むことにより本体部81の上部に部品収容体20,20,・・・積み上げることができるようになっている。
また、最も下側の部品収容体20は、排出機構70の第一と第二の支持部材71,72により規定の高さで下方から支持される。
また、支持板31には最も下側に保持された部品収容体20の一端部21の開口に臨む貫通穴35が形成されている。これは最も下側の部品収容体20の一端部21に挿入される挿入部材40が支持板31を貫通して通過するためのものである。
また、支持板32には最も下側に保持された部品収容体20の他端部22の開口に臨む貫通穴36が形成されている。これは部品収容体20に挿入された挿入部材40によって押し出された複数の電子部品Cが支持板32を通過するためのものである。
保持部30の最も下側に保持される部品収容体20の他端部22側は、当該部品収容体20の長手方向に沿った延長線上に搬送部60の搬送レーン61が位置している。従って、部品収容体20から押し出された電子部品Cは支持板32の貫通穴36を通って搬送レーン61に送られる。
また、保持部30に部品収容体20が有るか否かを検出する収容体有無センサ37が設けられる。この収容体有無センサ37は、最も下側の部品収容体20の有無を検出する。最も下側の部品収容体20が無ければ、保持部30に部品収容体20は一つも無いと分かるからである。収容体有無センサ37は、検出対象物に投光する光源と、投光による反射光を受光する受光素子と、光源と受光素子とに個々に設けられた光学系とを備えており、部品収容体20に投光が行われてその反射光が受光されることでその存在を検出する。
[挿入部材]
挿入部材40は、可撓性を有する平板長尺の金属ベルト41とその先端部に装備されて電子部品Cに当接するプッシャー42とを備えている。
挿入部材40の非使用時は、金属ベルト41がその可撓性により駆動機構50のドラム51に巻回されている。また、金属ベルト41は、全長に渡って、その幅方向(長手方向及び厚さ方向に直交する方向)における中央部分が僅かに窪むように湾曲している。そして、挿入部材40は、ドラム51に巻回されている状態では、上記幅方向の湾曲が緩和されてドラム周面に沿って容易に撓むことができ、ドラム51から引き出されると、幅方向に湾曲して長手方向に真直に延びた状態を維持することができるようになっている。
従って、金属ベルト41の巻回状態が解かれた挿入部材40は、部品収容体20に一端部21から挿入すると、その剛性により一列に並んだ電子部品Cを他端部22側に押し出すことができる。
プッシャー42は、金属ベルト41の伸長時において部品収容体20内の電子部品Cに当接して繰り出しを行うので、電子部品Cを傷つけないように金属ベルトよりも軟らかい材料(ゴムやプラスチックのような樹脂材料)から形成されている。なお、挿入時に周囲との摩擦を生じないように、表面に低摩擦材のコーティングをすることがより望ましい。
以上の挿入部材40、駆動機構50等により部品収容体から搬送レーン61に部品を搬出する搬出機構が構成される。
[駆動機構]
駆動機構50は、図1に示すように、その主要な構成がフレーム80の本体部81の後端部側(部品受け渡し位置Pを前端部側とする)に設けられている。
駆動機構50は、前述した挿入部材40を巻回するドラム51と、回転駆動する繰り出しモーター53、プーリ、ベルト等で構成され、ドラム51を回転させて挿入部材40を部品収容体20に挿入、前進させるとともに、その逆方向にドラム51を回転させて挿入部材40を巻き取り後退させて部品収容体20から引き出す。
[原点センサ]
図1及び図4に示すように、挿入部材40は、先端のプッシャー42が支持板31の貫通穴35の手前となる位置が原点(非使用時の待機位置)と定められており、当該原点位置となる貫通穴35の内部には検出部としての原点センサ56が設けられている。
この原点センサ56は、検出対象物に投光する光源と、投光による反射光を受光する受光素子と、光源と受光素子とに個々に設けられた光学系とを備えており、光源が下方に投光するように設けられている。
そして、挿入部材40が繰り出されている時には、金属ベルト41又はプッシャー42に投光が行われてその反射光が受光され、原点センサ56のセンサ出力は挿入部材有り(ON状態)となる。
また、挿入部材40が原点センサ56より手前に後退している場合には、金属ベルト41及びプッシャー42は投光位置から外れるため反射光は受光されず、原点センサ56のセンサ出力は挿入部材無し(OFF状態)となる。
これらの検出に基づいて制御部90は、駆動機構50による挿入部材40の巻き取りの際に、原点センサ56がON状態からOFF状態に切り替わった時に繰り出し駆動機構50の駆動を停止させて、挿入部材40を原点位置に停止させる制御を行う。
[排出機構]
排出機構70は、図1に示すように、フレーム80において、前述した保持部30の下方に配置されている。
そして、この排出機構70は、保持部30の最も下側の部品収容体20の両端部の底面を下から個別に載置支持する第一と第二の支持部材71,72と、保持部30における下から二番目の部品収容体20の両端部の開口に個別に挿入して支持することができる第三と第四の支持部材73,74とを備えている。
また、フレーム80の本体部81であって保持部30の下側の部分は、部品収容体20を落下させることが可能な図示しない開口部が形成されており、当該開口部の下方には落下する部品収容体20を受け止めて後方に排出する排出スロープ75が取り付けられている。
各支持部材71〜74は、いずれもソレノイド等のアクチュエータにより部品収容体20の長手方向(X方向)に沿って進退移動を行うことで部品収容体の保持と解放とを切り替え可能となっている。また、第一と第二の支持部材71,72は、昇降動作を行うアクチュエータも併設されており、最も下側の部品収容体20を排出後に下から二番目の部品収容体20の受け取りに行く動作を行うことが可能となっている。第一と第二の支持部材71,72を動作させるアクチュエータ71a、及び第三と第四の支持部材73,74を動作させるアクチュエータ72aを図4のブロック図中に示す。制御部90は、繰り出しモーター53を制御して挿入部材40により部品収容体20から電子部品Cを押し出し部品収容体20から挿入部材40を引き出した後、アクチュエータ71a,72aを制御して次のように部品収容体20の排出交換制御を実行する。
すなわち、制御部90は、最初に、第三と第四の支持部材73,74により下から二番目の部品収容体20を支持した状態で、第一と第二の支持部材71,72を後退させて最も下側の部品収容体20を落下させて排出する。次に、第一と第二の支持部材71,72を前進、上昇させて、現時点で最も下側の部品収容体20を支持させる。次に、第三と第四の支持部材73,74を後退させ、第一と第二の支持部材71,72を下降させて貫通穴35、36の高さに最も下側の部品収容体20を配置する。
また、制御部90は、次の排出に備えて、第三及び第四の支持部材73,74を前進させ新たに下から二番目となった部品収容体20の両端開口部に挿入する。
[搬送部]
搬送部60は、図1に示すように、支持板32から部品受け渡し位置Pまで電子部品Cを導く案内経路を有する搬送レーン61と、搬送レーン61内の電子部品Cを微小振動で加振する加振機構62とを備えている。すなわち、搬送レーン61は加振機構62により発生する振動によって電子部品Cを搬送する搬送レーンである。
上記搬送レーン61は、案内経路として、電子部品Cを一列で搬送する凹状溝を有し、当該凹状溝の内底面には部品収容体20の凸条23と断面形状及び寸法が等しい凸条が搬送レーン61の全長に渡って形成されている。また、搬送レーン61の凸条は、保持部30において最も下側の部品収容体20の凸条23に近接し連通するように形成されている。また、部品収容体20の凸条23と搬送レーン61の凸条とは段差が生じないように或いは搬送レーン61の凸条が僅かに低くなるように形成されている。また、電子部品Cの引っかかりを生じないように、搬送レーン61内の凸条には面取りを施しても良い。
これにより、挿入部材40の押圧で部品収容体20の他端部22の開口から繰り出された各電子部品Cは、円滑に搬送レーン61に移動する。
また、搬送レーン61の全長は部品収容体20の全長よりも長く設定されており、部品収容体20内の全ての電子部品Cを搬送レーン61の案内経路内に送り出すことが可能となっている。
また、搬送レーン61の案内経路における部品受け渡し位置Pには、当該部品受け渡し位置Pに電子部品Cが有るか否かを検出する受け渡し位置部品有無センサ63と、搬送レーン61上で部品受け渡し位置Pより後方の位置に部品が有るか否かを検出する後方位置部品有無センサ64とが設けられている。
これらの部品有無センサ63,64は、光源と受光素子とを搬送レーン61の電子部品C通過空間を挟むように配置され、電子部品Cが受光素子の受光を遮ることでその存在を検出する。
なお、挿入部材40は、部品有無センサ64による検出位置まで届かない長さに設定されており、挿入部材40が部品有無センサ63,64に検出されることはない。挿入部材40により搬送レーン61に押し出された電子部品Cは、加振機構62により部品受け渡し位置Pに搬送される。なお、挿入部材40は、一つの部品収容体20内の全電子部品Cを一列に並んだ状態で部品受け渡し位置P側に移動させた場合に、先頭の電子部品Cを部品受け渡し位置Pまで到達させることが可能な長さに設定しても良い。
加振機構62は、搬送レーン61を加振することにより、凸条に載置された各電子部品Cを部品受け渡し位置P側に向かって前進移動させる。なお、搬送レーン61のいずれの部位をいかなる方向にいかなる周期及び振幅で振動させるかにより、電子部品Cがいずれに向かって移動するかが変わってくるが、ここでは、電子部品Cが前進移動を行うように、加振位置、加振方向、加振周期及び加振振幅が調整されている。
[制御系の構成]
図4は電子部品供給装置10の制御系を示すブロック図である。
電子部品供給装置10の制御部90は、各種の制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムが格納されたROMと、各種のデータを格納することで各種の処理の作業領域となるRAM等を備えたコンピューターである。制御部90に、上述した受け渡し位置位置部品有無センサ63,後方位置部品有無センサ64,原点センサ56,収容体有無センサ37,繰り出しモーター53,アクチュエータ71a,アクチュエータ72a,加振機構62のほか、操作部及び表示部としての操作・表示パネル91が接続されている。
[左右2レーン構成]
電子部品供給装置10は、以上説明した保持部30,挿入部材40,駆動機構50,搬送部60,排出機構70を、X方向に向かって左右に並べて備えている。図5に前端部の構造を示す。したがって、図4において、位置部品有無センサ63,後方位置部品有無センサ64,原点センサ56,収容体有無センサ37,繰り出しモーター53,アクチュエータ71a,アクチュエータ72aは、左右にそれぞれ備えられている。特に左の要素を特定するときは「搬送レーン61L」等と、右の要素を特定するときは「搬送レーン61R」等という。但し、加振機構62を共用している。すなわち、搬送レーン61Lと、搬送レーン61Rとで加振機構62を共用しており、搬送レーン61L及び搬送レーン61Rのそれぞれに対し独立して加振機構は設けられていない。したがって、搬送レーン61L及び搬送レーン61Rに電子部品Cが有る場合に、加振機構62により振動を発生させると、両レーン61L及び61Rにおいて電子部品Cが前進移動し、いずれか一方のレーンの電子部品Cのみを移動させることはできない。
制御部90は、左の要素及び右の要素を統合制御する。
[電子部品供給制御の流れ]
次に、電子部品供給装置10で行われる電子部品供給制御につき図6を参照して説明する。制御部90が制御プログラムを実行することにより以下の制御内容を実行する。
まず、制御部90は、受け渡し位置部品有無センサ63の検出信号に基づき、受け渡し位置Pに電子部品Cが有るか否かを判断する(ステップS1)。
ステップS1で「部品有り」と判断すれば、部品吸着可能を示す信号を電子部品実装装置に出力する(ステップS2)。その後、電子部品実装装置が受け渡し位置Pにある電子部品Cを吸着し取り上げることで、ステップS1で判断が「部品無し」に変わり得る。
ステップS1で「部品無し」と判断すれば、後方位置部品有無センサ64の検出信号に基づき、受け渡し位置Pより後方の搬送レーン61上に電子部品Cが有るか否かを判断する(ステップS3)。
ステップS3で「部品有り」と判断すれば、加振機構62を駆動して振動を発生させることで搬送レーン61上の電子部品Cを前進移動させる(ステップS4)。
この振動は、受け渡し位置部品有無センサ63の検出信号に基づき、受け渡し位置Pに電子部品Cが有ると判断するまで続ける(ステップS5)。
ステップS5で「部品有り」と判断すれば、振動を停止する(ステップS6)。
一方、ステップS3で「部品無し」と判断すれば、部品収容体20からの搬送レーン61への部品補充動作を行う(ステップS11〜S16)。
すなわち、制御部90は、収容体有無センサ37の検出信号に基づき、部品収容体20が有るか否かを判断する(ステップS11)。
ステップS11で「収容体有り」と判断すれば、加振機構62を駆動して振動を発生させ(ステップS12)、繰り出しモーター53を駆動して挿入部材40を繰り出し最下段の部品収容体20から電子部品Cを搬送レーン61上に押し出す(ステップS13)。
次に、挿入部材40を後退させて部品収容体20から引き出し、排出交換制御を実行する(ステップS14)。そして、受け渡し位置部品有無センサ63の検出信号に基づき、受け渡し位置Pに電子部品Cが有ると判断するまで加振機構62による振動を続け(ステップS15)、ステップS15で「部品有り」と判断すれば、振動を停止する(ステップS16)。
また、ステップS11で「収容体無し」と判断すれば、2重確認のため受け渡し位置部品有無センサ63の検出信号に基づき、受け渡し位置Pに電子部品Cが有るか否かを判断する(ステップS21)。ステップS21で「部品有り」と判断すればステップS1に帰還し、ステップS21で「部品無し」と判断すれば部品切れ状態をONとするとともに、部品切れと判断した搬送レーンについて部品切れであることの操作・表示パネル91による報知の実行を制御する(ステップS22)。
制御部90は、本制御(ステップS1〜S6、S11〜S16、S21〜S24)を左右の搬送レーン61L,61Rのそれぞれに対して実行する。すなわち、左の搬送レーン61Lについても、右の搬送レーン61Rについても、ステップS1−S2のループに戻れるように制御する。すなわち、制御部90は、複数の搬送レーン61L,61Rを対象に、収容体有無センサ37、後方位置部品有無センサ64及び受け渡し位置部品有無センサ63の検出信号に基づき、搬出機構40,50及び加振機構62の駆動を制御して、部品受け渡し位置Pへの部品の搬送を制御する。
いずれか一方の搬送レーンについてステップS4又はS12まで落ちてくれば、加振機構62により振動を発生させることとなり、両レーン61L,61Rに振動が与えられる。ステップS1−S2のループに戻れず、ステップS22まで落ちた搬送レーンについて部品切れ状態をONにするとともにそのことを報知する。部品切れ状態がONになった搬送レーンに対しては、上記制御(ステップS1〜S6、S11〜S16、S21〜S22)は実行されない、すなわち、部品供給動作が停止状態となる。
例えば、右の搬送レーン61Rについての処理がステップS22まで落ちた場合、右の搬送レーン61Rの部品切れ状態をONにするとともにとともに、部品切れと判断した右の搬送レーン61Rについて部品切れであることの操作・表示パネル91による報知の実行を制御する。すなわち、右の搬送レーン61Rが部品切れであることが操作・表示パネル91によって報知され、右の搬送レーン61Rに対する部品収容体20の補充が促される。
制御部90は、操作・表示パネル91を介して部品切れと判断した状態を解除する操作、すなわち、部品切れ状態をOFFにする操作を与えており、その操作に対応した所定の操作入力信号に基づき、部品切れと判断した状態を解除する(部品切れ状態をOFFにする。ステップS23〜S24)。部品切れ状態が再びOFFとなれば、制御部90は、ステップS1から右の搬送レーン61Rに対して、上記制御(ステップS1〜S6、S11〜S16、S21〜S22)を実行する。仮に、右の搬送レーン61Rに部品収容体20が補充されていなければ、再びステップS22まで落ちる。右の搬送レーン61Rに部品収容体20が補充されていれば、右の搬送レーン61RについてもステップS1−S2のループに戻れる。
左の搬送レーン61Lについての処理がステップS22まで落ちた場合も全く同様である。
両レーン61L,61Rについて部品切れ状態がONになる場合が有り得る。この場合は、両レーン61L,61Rのいずれに対しても、上記制御(ステップS1〜S6、S11〜S16、S21〜S22)は実行されない、すなわち、部品供給動作が停止状態となる。両レーン61L,61Rについて部品切れ状態がONになる時には特別な報知を実行してもよい。
以上のように制御するので、制御部90は、複数の搬送レーン61L,61Rの各々の収容体有無センサ37L,37R、後方位置部品有無センサ64L、64R及び受け渡し位置部品有無センサ63L,63Rの検出信号に基づき、当該搬送レーンの部品切れを判断し、複数の搬送レーン61L,61Rのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで受け渡し位置部品有無センサ63L,63Rの検出信号に基づき部品受け渡し位置Pに部品が到達した時点で加振機構62の駆動を停止する(振動の停止はステップS6又はS16)。
すなわち、右の搬送レーン61Rについて部品切れ状態がONとなれば、複数の搬送レーン61L,61Rのうち部品切れと判断した搬送レーン61Rを除く搬送レーン61Lで受け渡し位置部品有無センサ63Lの検出信号に基づき部品受け渡し位置PLに部品が到達した時点で加振機構62の駆動を停止する(振動の停止はステップS6又はS16)。上記の通り、制御部90は、複数の搬送レーンを対象に、収容体有無センサ及び受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、搬出機構及び加振機構の駆動を制御して、部品受け渡し位置への部品の搬送を制御する。また、制御部は、複数の搬送レーンの各々の収容体有無センサ及び受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、当該搬送レーンの部品切れを判断し、複数の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき前記部品受け渡し位置に部品が到達した時点で前記加振機構の駆動を停止する。
本実施形態では、加振機構62を共用する搬送レーン61の数を2としているが3以上に増加して実施してもよい。3以上の場合も、3以上の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき部品受け渡し位置に部品が到達した時点で加振機構62の駆動を停止する。
したがって、一部の部品切れした搬送レーン61で再び部品収容体20が補充され当該部品収容体20から搬送レーン61上に搬出された部品Cが部品受け渡し位置Pに到達するまで、加振機構62が振動し続けることはない。また、部品切れしていない搬送レーンで部品受け渡し位置Pに部品Cが到達すれば、加振機構62の振動が停止するので、部品切れしていない搬送レーン61から部品Cを安定して電子部品実装装置に吸着させることができ、吸着動作を徒に待たせることもないから、部品供給の安定化、効率化を図ることができる。
以上の実施形態では、受け渡し位置部品有無センサ63のほかに、後方位置部品有無センサ64を設け、ステップS3でその検出信号に基づき判断したが、後方位置部品有無センサ64を省略して実施してもよい。その場合、ステップS5で一定時間「部品無し」が継続した場合に搬送レーン61上に電子部品Cが無いと判断して、ステップS11に変移する制御アルゴリズムを採用すれば実施できる。後方位置部品有無センサ64を設ける場合は、搬送レーン61上に部品が無いことを早めに感知して、部品収容体20からの搬送レーン61への部品補充動作(ステップS13)を早めに行うことができ、部品受け渡し位置Pに電子部品Cが無い状態が長期化することを防止することができる。
10 電子部品供給装置
20 部品収容体
21 一端部
22 他端部
30 保持部
37 収容体有無センサ
40 挿入部材
41 金属ベルト
42 プッシャー
50 駆動機構
56 原点センサ
60 搬送部
61 搬送レーン
62 加振機構
63 受け渡し位置部品有無センサ
64 後方位置部品有無センサ
70 排出機構
90 制御部
C 電子部品
C1 部品本体部
C2 リード
P 部品受け渡し位置

Claims (3)

  1. 振動によって部品を搬送する複数の搬送レーンで搬送用の加振機構を共用する電子部品供給装置において、
    前記複数の搬送レーンの各々に対し、内部に部品を収容した筒状の部品収容体を保持する保持部と、当該保持部に部品収容体が有るか否かを検出する収容体有無センサと、当該部品収容体から当該搬送レーンに部品を搬出する搬出機構と、部品受け渡し位置と、当該部品受け渡し位置に部品が有るか否かを検出する受け渡し位置部品有無センサと、が設けられ、
    前記複数の搬送レーンを対象に、前記収容体有無センサ及び前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、前記搬出機構及び前記加振機構の駆動を制御して、前記部品受け渡し位置への部品の搬送を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記複数の搬送レーンの各々の前記収容体有無センサ及び前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき、当該搬送レーンの部品切れを判断し、前記複数の搬送レーンのうち部品切れと判断した搬送レーンを除く搬送レーンで前記受け渡し位置部品有無センサの検出信号に基づき前記部品受け渡し位置に部品が到達した時点で前記加振機構の駆動を停止することを特徴とする電子部品供給装置。
  2. 表示部を備え、前記制御部は、部品切れと判断した搬送レーンについて部品切れであることの前記表示部による報知の実行を制御する請求項1に記載の電子部品供給装置。
  3. 操作部を備え、前記制御部は、前記操作部からの所定の操作入力信号に基づき、部品切れと判断した状態を解除する請求項1又は請求項2に記載の電子部品供給装置。
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