図1〜図5に示した物品供給装置100は、物品投入装置10と、搬送装置20と、判別手段30と、ピックアンドプレイス装置としてのロボット40と、袴搬送装置50とを有する。物品供給装置100は、物品投入装置10が投入する長尺形状の物品としての容器1(又はキャップ2でも可)を搬送装置20によりピック位置まで搬送し、判別手段30により前後方向を判別された容器1をロボット40によってピックし、一定の姿勢で袴搬送装置50上のプレイス位置にある袴60にプレイスするものである。以下、物品投入装置10、搬送装置20、判別手段30、ロボット40、袴搬送装置50について説明する。
尚、本願明細書中において物品の前後方向を判別するとは、物品の長尺方向(長手方向)の一端部と他端部のそれぞれが、搬送装置20上で搬送方向に沿う前方向と後方向のいずれにあるかを判別することである。判別手段は例えば、物品が容器であり、その口部を先頭にして搬送されるときには、前方向に口部(一端部)があると判断し、後ろ方向に底部(他端部)があると判断する。
(物品投入装置10)
物品投入装置10は、図5に示す如く、容器貯槽部(ホッパー)11の出口に上下移動床12と固定床13を交互に配置し、最下流の上下移動床12又は固定床13の出口に傾斜シュート14を介して搬送装置20の最上流部を接続したものである。
物品投入装置10は、複数の上下移動床12の床面を互いに下り勾配ラインをなすように配置するとともに、複数の固定床13の床面も互いに下り勾配ラインをなすように配置している。そして、上下移動床12の上昇により、上下移動床12の床面が固定床13の床面上にある容器1を突き上げると、上下移動床12の床面自体の傾斜が容器1に下流側への搬送力を付与する。搬送力を付与された容器1は、上下移動床12の下降により、下流側の搬送方向に沿って下り勾配をなす固定床13の床面上に移載され、固定床13の床面自体の傾斜、更には複数の互いに搬送方向に沿って下り勾配ラインをなす固定床13の床面相互の傾斜に載って滑り、下流側へと搬送される。即ち、物品投入装置10は、容器1の寸法形状や容器貯槽部11からの排出姿勢に関係なく、あらゆる容器1を上下移動床12の床面により突き上げ、固定床13の床面に載せる搬送動作を行ない、それらの容器1を概ね一定量ずつ搬送装置20に投入する。
(搬送装置20)
搬送装置20は、図5に示す如く、物品投入装置10から投入された容器1をV型搬送面20Aに載せ、容器1の長尺方向(長手方向)が該V型搬送面20AのV字谷に倣う一方向に沿って縦方向(搬送方向)1列で、ロボット40によるピック位置まで搬送する。容器1の長手方向に直交する幅方向の中央部がV型搬送面20AにおけるV字谷の狭い範囲に位置付けられる。即ち、本願発明の搬送装置20は、V型搬送面20Aを有し、該V型搬送面20AのV字谷が延びる方向と容器1の長手方向が一致するように、V型搬送面20Aに載せられた容器1をピック位置まで搬送する装置である。搬送装置20のV型搬送面20Aが搬送する容器1の前後方向はランダムである。本実施例では、左右2基をなす第1と第2の搬送装置20、20が並列配置され、両搬送装置20により縦方向全2列の容器1がロボット40によるピック位置まで搬送される。
搬送装置20は、上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dを直列配置して構成される。本実施例では、左右2基をなす第1と第2の上流搬送装置20U、20Uが並列配置されるとともに、左右2基をなす第1と第2の下流搬送装置20D、20Dが並列配置され、容器1はそれらの上流搬送装置20Uから下流搬送装置20Dへ受け渡されて搬送される。尚、上流搬送装置20Uは上流側搬送装置であり、搬送装置20のうちの物品投入装置10の側に位置する搬送装置をいい、下流搬送装置20Dは下流側搬送装置であり、搬送装置20のうちのロボット40(ピックアンドプレイス装置)の側に位置する搬送装置をいう。
また、“上流搬送装置と下流搬送装置を直列配置して構成”とは、上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dとを直接、直列配置する場合と、上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dとの間に配置した中間搬送装置(不図示)を配置する状態で上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dを直列配置する場合とを含む。
搬送装置20からロボット40によりピックされる容器1の排出量は一定ではないから、容器1は上流搬送装置20Uにて一定量ストックされた後、下流搬送装置20Dに搬出される。上流搬送装置20Uは一定量の容器1をストックするために、容器1の有無をセンサ等にて確認し、間欠運転又は増減速制御されて運転される。上流搬送装置20Uは容器1をより確実にストックするために、直列をなす2個以上の搬送装置から構成されても良い。上流搬送装置20Uは、下流搬送装置20Dとの間で容器1の搬送を停止させたり、流したりできる開閉式ストッパを設け、該上流搬送装置20Uを連続運転しても良い。上流搬送装置20Uを連続運転するとき、上流搬送装置20Uにより搬送力を付与された容器1が閉じ状態の前記ストッパから飛び出さないように、好ましくは、上流搬送装置20Uは滑り性の良い搬送面からなるものが選択される。
下流搬送装置20Dは上流搬送装置20Uから搬出された容器1をロボット40によるピック位置まで搬送する。下流搬送装置20Dは、容器1を所定のピック位置まで搬送するために、容器1がピック位置まできたことを検出するセンサの検出結果によって停止しても良い。即ち、下流搬送装置20Dを停止装置20Sとしても良い(図5)。或いは、下流搬送装置20Dは、ピック位置にて容器1の搬送を停止する開閉式ストッパを設け、下流搬送装置20Dを連続運連することにより、容器1をピック位置まで搬送しても良い。即ち、開閉式ストッパを停止装置20Sとしても良い(図5)。下流搬送装置20Dを連続運転するとき、下流搬送装置20Dにより搬送力を付与された容器1が閉じ状態の前記ストッパから飛び出さないように、好ましくは、下流搬送装置20Dは滑り性の良い搬送面からなるものが選択される。
即ち、物品供給装置100は、容器1を下流搬送装置20DにおけるV型搬送面20A上のピック位置で停止させる停止装置20Sを有する。停止装置20Sとしては、下流搬送装置20Dの駆動制御によって搬送中の容器1を停止させるものと、下流搬送装置20Dに設けた開閉式又は常閉式のストッパ23(図2)に容器1を当て止めして搬送中の容器1を停止させるものとがある。
下流搬送装置20Dの駆動制御により停止装置20Sを構成するものでは、下流搬送装置20Dによる搬送中の容器1がピック位置まで来るタイミングを検出するセンサを用い、センサの検出結果によって容器1が前記ピック位置に到達するタイミングで下流搬送装置20Dを停止制御することにより、容器1をピック位置に停止させることができる。このとき、下流搬送装置20Dの停止時に容器1がV型搬送面20A上でずれないように、好ましくは、V型搬送面20Aとしてグリップ性の強い搬送面が選択される。例えば、V型搬送面20Aの表面が凹凸形状等をなすものや、摩擦係数の大きいPVC、シリコーンゴム等からなるものが採用される。
開閉式又は常閉式のストッパ23により停止装置20Sを構成するものでは、下流搬送装置20Dの搬送経路上に配置される面形状又は棒形状のストッパを用いる。開閉式のストッパ23は、ストッパの開閉駆動部(例えば電気式やエアー式の、直線型や回転型の駆動部)を有し、閉じ位置に設定されたストッパ23により容器1を当て止めして容器1をピック位置に停止させる。常閉式のストッパ23は、常時閉じ位置に設定されたストッパ23により容器1を当て止めして容器1をピック位置に停止させる。
開閉式でも、常閉式でも、ストッパ23は当て止めした容器1が該ストッパ23を乗り越えて飛び出ることのないように、ストッパ23の設置高さは、下流搬送装置20DのV型搬送面20Aの搬送面上の容器1の搬送高さK近傍の範囲に渡って設置される。
ここで搬送高さKとは、ある基準面(例えば図13における搬送面20Aの最下位置20a等)から容器1の最高位置(例えば図13の1H)までの高さを意味する。またストッパ23の前記設置高さは、容器1の飛出し防止のために、容器1の前記搬送高さKの0.7倍以上が好ましく、ロボット40の動作の妨げとならないように、前記搬送高さKの1.5倍以下が好ましい。ここで、ストッパ23の設置高さとは、前記基準面からストッパ23の最高位置(例えば図2の23H)までの高さを意味する。
開閉式ストッパ23は、下流搬送装置20D上の容器1をピック位置に停止させない場合(例えばロボット40によるピックアンドプレイス作業の終了時等で、下流搬送装置20D上の全ての容器1をストッパ23の下流側の回収部24へ払い出す場合には、開状態に設定替えされる。
また、容器1を複数のロボット40(例えば第1のロボット及び第2のロボット)に分配供給する場合には、例えば、第1の開閉式ストッパ23を閉じ状態にして容器1を第1のピック位置で停止させて当該容器1を第1のロボット40へ供給し、第1のロボットがピックアンドプレイス動作の間に、第1のストッパ23を開状態にして容器1を第2のロボット40への容器1を供給することもできる。
開閉式又は常閉式のストッパ23を用いて容器1をピック位置に正確に停止させるためには、好ましくは容器1がストッパ23に当たる瞬間まで、下流搬送装置20Dは動いているほうが良い。この場合、下流搬送装置20Dにより搬送力を付与された容器1がストッパ23から飛び出さないように、下流搬送装置20DのV型搬送面20Aは滑り性の良い搬送面(例えばシリコーンオイルやフッ素樹脂を含浸させた、帆布やポリウレタン)が採用される。
開閉式又は常閉式のストッパ23を用いて容器1をピック位置に停止させるとき、容器1がピック位置に来たことを検出するセンサの検出結果により、下流搬送装置20Dを停止又は減速させながら、容器1をストッパ23に衝突させても良いし、下流搬送装置20Dを連続運転させて容器1をストッパ23に衝突させても良い。下流搬送装置20Dを停止又は減速させる場合には、容器1がピック位置に停止するときに、容器1が下流搬送装置20DのV型搬送面20Aで擦られて傷が発生することを防止できる。下流搬送装置20Dを連続運転させる場合には、容器1が減速しないため高能力で処理することができる。
下流搬送装置20Dは容器1をV型搬送面20Aに載せて搬送するため、容器1をV型搬送面20AにおけるV字谷の中央部、又は中央部に近い狭い範囲に位置付けて搬送するとともに、停止装置20Sによって容器1をV型搬送面20A上のピック位置で停止させる。これにより、ロボット40が容器1を把持する位置(搬送装置20の搬送方向に対して直交する方向、及び搬送装置に沿う方向でのピック位置)を一定化できる。従って、下流搬送装置20Dに対する容器1の位置ずれを検出するセンサや画像処理装置を不要にできるし、ロボット40による容器1のピック位置を微調整する場合にも該容器1の位置ずれを安価な距離センサや有無を判別するセンサ等で検出することにて対応できる。また、ロボット40による容器1のピック位置が容易に定まることから、ロボット40の移動の最適化が容易になり、ロボット40の自由度を後述する如くの5軸以下に低減することもできる。
ここで、搬送装置20(上流搬送装置20U及び下流搬送装置20D)は、図7に示す如く、左右の相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと、板状搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成することができる。図7において、21Pはベルト駆動装置を示す。搬送装置20は、ベルトコンベヤ21と搬送ガイド22を左右のいずれに配置しても良く、左右の片側を搬送ガイド22とすることで安価に製作できる。
搬送装置20を構成する上述の搬送ガイド22の材質は特に限定されないが、表面の滑り性を高くすることが好ましい。一例として、搬送ガイド22を構成する金属や樹脂の板の表面にテフロン(登録商標)系の滑りテープを貼ったり、搬送ガイド22を滑り性の良い高密度ポリエチレン等の樹脂で製作することが好ましい。
搬送装置20のV型搬送面20Aに載せられて搬送されてくる容器1の搬送方向に沿う前端位置をV型搬送面20AにおけるV字谷の中央部に位置付けるため、左右の搬送面21A、22Aの傾斜は概ね同角度とされ、左右の搬送面21A、22Aの開き角θは80〜150度が好ましく、より好ましくは85〜115度である。左右の搬送面21A、22Aの間隔tは、無くともよいが、ある場合は、容器1の最大幅(図12)の10〜30%が好ましい。その間隔tは容器1の形状に応じて適宜調整される。
尚、搬送装置20(上流搬送装置20U及び下流搬送装置20D)は、図8に示す如く、左右の相対するベルトコンベヤ21、21の搬送面21A、21AによりV型搬送面20Aを形成することもできる。左右の両側をベルトコンベヤ21とすることで、容器1に付与する搬送力を大きくし、容器1を確実に搬送できる。左右の搬送面21A、21Aの開き角θ、間隔tの好適値は、V型搬送面20Aをベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22Aにより形成した場合(図7)と同じである。
物品供給装置100にあってはピックアンドプレイス装置としてのロボット40の設置方向は特に限定されないが、搬送装置20が前述した如く、上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dからなるとき、図9に示す如く、上流搬送装置20Uの、搬送方向に直交する方向の一方の側、言い換えると搬送方向における右側又は左側の何れか一方に物品投入装置10を設置し、下流搬送装置20Dの、搬送方向に直交する方向の一方の側、言い換えると搬送方向における右側又は左側のうち、物品投入装置10と同一の側にロボット40を設置することが望ましい。そして、下流搬送装置20Dが相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成するとき、下記(A)の通り、下流搬送装置20Dの搬送方向における右側又は左側の何れか一方の側であって、ロボット40が設置される側にベルトコンベヤ21を配置するのが良い。また、上流搬送装置20Uが相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成するとき、下記(B)の通り、上流搬送装置20Uの、搬送方向に直交する方向の一方の側、言い換えると搬送方向における右側又は左側のうち、物品投入装置10が設置される側に搬送ガイド22を配置するのが良い。
(A)下流搬送装置20D(図10)
ピックアンドプレイス装置としてのロボット40により容器1がピックされる下流搬送装置20Dにおいて、搬送力を高めてやるにはベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θcを、搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θgより緩くするのが良い。θcは好ましくは、10〜40度、より好ましくは、20〜30度である。また、傾斜角θcが小さいことで搬送面21Aが大きく開くので、ロボット40は容器1をピックし易くなる。また、ロボット40をベルトコンベヤ21の側に配置すると、ロボット40がピック動作できる限界まで該ロボット40をベルトコンベヤ21に近づけて設置することができ、搬送ガイド22の側にロボット40が容器1をプレイスする動作範囲を大きくとることができる。このとき、ベルトコンベヤ21と向かい合う搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θgを大きくすることで、容器1をより確実にベルトコンベヤ21に押し付けることができる。θgは好ましくは、40〜65度、より好ましくは、45〜55度である。ベルトコンベヤ21の搬送力が大きり、搬送ガイド22の側をベルトコンベヤとする必要はないので安価になる。左右の搬送面21A、22Aの開き角θ、間隔tの好適値は前述の通りである。
下流搬送装置20D(図10)は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θcを、搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θgより緩くした際(θc<θg)、緩くした搬送面21Aの幅を相対する搬送面22Aの幅より広くすることが好ましい。つまり、下流搬送装置20Dにおいて、相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aの幅wc、を、搬送ガイド22の搬送面22Aの幅wgより広くすることが好ましい(図10)。こうすることで、ベルトコンベヤ21が容器1に付与する搬送力が大きくなり、搬送ガイド22の側をベルトコンベヤ21とする必要がなく、安価である。搬送ガイド22の搬送面22Aの幅wgは、ロボット40により容器1をピックする付近の搬送ガイド22K(図2)の搬送面22Aの幅wgのみ小さくすると、ロボットの動作を妨げることがないので特に好ましい。
(B)上流搬送装置20U(図11)
物品投入装置10から容器1が投入される上流搬送装置20Uにおいて、上流搬送装置20Uの搬送方向に対して直交する方向から投入される容器1が移動中のベルトコンベヤ21のベルトエッジに引っ掛かることを回避するため、物品投入装置10が設置される側に搬送ガイド22を配置することが望ましい。搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θugは、下流搬送装置20Aへの容器1の渡りを滑らかにするため、前述した下流搬送装置20Dにおけるベルトコンベヤ21の傾斜角θcと概ね同じにすることが好ましい。容器1が物品投入装置10によって上流搬送装置20Uにおける搬送ガイド22の側から投入されると、上流搬送装置20Uにおいて容器1を受け止める面で容器1がバウンドすることがある。これを防止するために、上流搬送装置20Uで搬送ガイド22に向かい合う側を搬送ベルトコンベヤ21とすることが好ましい。容器1がベルトコンベヤ21のベルト面に衝突して受け止められることで、若干の衝撃力の吸収効果が得られる。ベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θucは、下流搬送装置20Dへの容器1の渡りを滑らかにするため、前述した下流搬送装置20Dにおける搬送ガイド22のθgと概ね同じにすることが好ましい。
上流搬送装置20U(図11)は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θugを、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θucより緩くした際(θug<θuc)、緩くした搬送面22Aの幅を相対する搬送面21Aの幅より広くすることが好ましい。つまり、上流搬送装置20Uにおいて、相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成するとき、搬送ガイド22の搬送面22Aの幅wugを、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aの幅wucより広くすることが好ましい(図11)。このようにすることで、物品投入装置10から容器1が投入される際、搬送ガイド22の搬送面22Aの幅wug内に容器が完全に入った後に、ベルトコンベヤ21が容器1に搬送力を付与するため、安定的に容器1を搬送でき、搬送ガイド22の側をベルトコンベヤ21とする必要がなく、安価である。
(判別手段30)
判別手段30は、図5に示す如く、搬送装置20によって搬送された容器1が、ピック位置にてロボット40によりピックされる前に、該容器1の前後方向を判別する。即ち、判別手段30は、容器1の口部と底部のそれぞれが、搬送装置20上で搬送方向に沿う前方向と後方向のいずれにあるかを判別する。
尚、容器1では、正立時に口部が上側になり、底部が下側になる。
また、判別手段30は、図17に示すキャップ2の上側と下側のそれぞれが、搬送装置20上で搬送方向に沿う前方向と後方向のいずれにあるかを判別する(不図示)。更に、判別手段30は、図18に示すディップチューブ付トリガーキャップや図19に示すディップチューブ付ポンプキャップの本体とディップチューブ部のそれぞれが、搬送装置20上で搬送方向に沿う前方向と後方向のいずれにあるかを判別する(不図示)。
尚、キャップ20では、容器1が正立しているときには、天面側が上側になり、容器1への取付け側が下側になる。
判別手段30は、第1と第2の搬送装置20、20の双方に設置され、上流搬送装置20Uによる容器1の搬送過程、下流搬送装置20Dによる容器1の搬送過程、又は下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端(容器1の停止位置)で、容器1の前後方向を判別する。判別手段30が下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端で容器1の前後方向を判別するとき、容器1が確実に停止しているため、前後判別のミスを回避できる。
判別手段30は、点状又は線状のビーム光で対象までの距離や対象の有無を判別できるセンサ、対象の色の差を判別できるセンサ、対象の形状を判別できる画像処理装置等がある。点状のビーム光で対象の有無を判別できる光学式センサが最も安価であって好ましい。
図6は点状のビーム光で対象の有無を判別できる光学式センサを用いた判別手段30による前後判定方法を示すものである。ここでは、容器1の首部が、容器1の胴部より細いという形状の差を利用している。第1と第2の下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端(停止位置)に、各3個のセンサA、B、Cが配置される。センサA、B、Cのそれぞれは容器1の搬送終端における停止予定範囲(容器1の長さに対応する範囲)の前端部、後端部、中間部のそれぞれに配置される。そして、センサA、BはV型搬送面20AにおけるV字谷の中央部から、搬送装置20の搬送方向に対して直交する方向の一側(例えばベルトコンベヤ21のベルトエッジ寄り)の上方に配置される。また、センサC(容器有無確認センサ)はV型搬送面20AにおけるV字谷の中央部の上方に配置される。図6(B)に示す如く、センサAがOFF、センサBがONであれば容器1の口部が先行し、センサAがON、センサBがOFFであれば容器1の底部が先行しているものと判別される。図6(C)に示す如く、センサCがONで容器1の存在が確認されているとき、センサAがOFFであれば容器1の口部が先行し、センサAがONであれば容器1の底部が先行しているものと判別される。図6(C)の如くにセンサAとセンサCを用いるとき、容器1の長さによって配置替えされるべきセンサBが不要になって好ましい。
(ロボット40)
ピックアンドプレイス装置としてのロボット40の下流搬送装置20Dに対する設置方向は特に限定されないが、下流搬送装置20Dの搬送方向に直交する方向の一側に設置さることが好ましく、判別手段30の判別結果に従って作動するように制御され、容器1を袴搬送装置50のプレイス位置にある袴60に一定の姿勢でプレイスするように、容器1を搬送装置20上からピックしてプレイスする(図2〜図4)。また、ピックアンドプレイス装置としてのロボット40は天井から吊ることも可能である。
尚、容器1を上述の如くにピックアンドプレイスするピックアンドプレイス装置としては、自動機械、又はロボットが使用できる。自動機械としては、エアー式や電気式の駆動部からなるものや、カムやリンク機構を用いたもの等がある。現在では、動作変更の容易さ、自由度の多さ、高速移動、コストの面から、市販のロボットを用いるほうが自動機械よりも有利である。ロボット等のピックアンドプレイス装置は、好ましくは、5軸以上の自由度を有するものが、容器1の扱いに関しての自由度が高くて好ましい。ロボットの種類は限定されないが、垂直多関節型の5軸、6軸、又は7軸を有するもの、スカラロボットの先端に垂直方向に回転できる追加軸を有するもの、パラレルリンクロボットの4軸型において先端に垂直方向に回転できる追加軸を有するもの、パラレルリンクロボットの6軸型が好ましい。この中でもロボットの設置スペースをコンパクトとし、かつ高速動作が可能なパラレルリンクロボットの6軸型が最も適している。
ここで、ピックアンドプレイス装置に必要とされる好適自由度としての5軸とは、以下の軸からなる。5軸のうち3軸は(1〜3軸目は)、XYZ空間の任意の位置に、ピックアンドプレイス装置の物品把持部(ハンド部)を位置決めするために必要な駆動軸である。残り2軸のうち1つの軸は(4軸目は)、XYZ空間のZ軸を中心として物品把持部を回転させることが可能な駆動軸であり、その軸線は、物品把持部と交差していてもしていなくても良い。残り1軸は(5軸目は)、Z軸と垂直をなす(任意方向の)水平向きの軸に対して、物品把持部を回転させることが可能な駆動軸であり、その軸線は、物品把持部と交差していてもしていなくても良い。換言すれば、4軸目は、XYZ空間のZ軸を中心として物品把持部を回転させるロール軸であり、5軸目は、上述のロール軸に対するピッチ軸である。ピックアンドプレイス装置に追加される6軸目の自由度は、上述の4、5軸と異なる(一致せず、平行でもない)回転軸を中心として物品把持部を回転させることが可能な駆動軸である。
また、ピックアンドプレイス装置において、自動機械、又はロボットの容器を把持するエンドエフェクタとも呼ばれるハンド部は、開閉式又は真空吸着式のものが選定される。開閉式ハンド部は、容器1の胴部や首部を掴む。扱う容器1が重かったり、表面に凹凸がある等して真空吸着が困難な場合、開閉式ハンド部が選定される。開閉式ハンド部は電動又はエアー式のものが選ばれ、相手に対してその開度を調整したい際は電動の開閉式を選定することが好ましい。真空吸着式ハンド部は通常容器1の胴部を吸着する。扱う容器1が軽量で、容器1の側面が平面や曲面で十分な広さがある等、吸着位置が確保できる場合は、容器を把持したり把持状態から開放したりする時間を短くできることから、真空吸着式が選定される。真空吸着式ハンド部にて、容器1と接触するところは通常バキュームパッドとする。バキュームパッドは、単純形状よりもジャバラ型のほうが、バキュームパッド先端と容器1との相対位置の微妙なズレに対応が可能でより好ましい。更に、バキュームパッドの取付部にはスプリング等によるバッファ部を設けることで、バキュームパッドを容器1により確実に押し当てて吸着することができる。
図1〜図4に示したロボット40は、パラレルリンクロボットであり、ハウジング41に内包される不図示の基礎部と、可動プレート42と、基礎部と可動プレート42を連結するアームのリンク部43とを有する。可動プレート42の下面には取付部材44が設けられ、ハンド部45が取付部材44に取付けられている。ロボット40は、架台等に固定部46を取付けられて配置される。
図2(工程1)は、ロボット40のハンド部45が容器1の前後方向に応じた吸着位置(ピック位置)に移動開始した状態を示す。このとき、容器1は下流搬送装置20Dの搬送終端に設けられたストッパ23により定位置(ピック位置)に停止され、前述の判別手段30により前後方向を判別されている。尚、ストッパ23は前述した停止装置20Sの一例である。
図3(工程2)は、ロボット40のハンド部45が容器1の吸着し、持ち上げたピック状態を示す。
図4(工程3)は、ロボット40が容器1の底部を下向きとするようにハンド部45を回転させ、袴搬送装置50上の袴60への挿入位置に移動した状態を示す。この後、ロボット40はハンド部45を下降し、容器1を袴60に挿入する(プレイス)。容器1のプレイス後、ロボット40のハンド部45は待機位置(工程1)に戻る。
ロボット40のハンド部45が容器1を持ち上げてから(工程2)、待機位置(工程1)に戻る前に、搬送装置20が次の容器1をピック位置に搬送済としている。
即ち、本実施例において、ロボット40は、第1、第2の下流搬送装置20Dにある容器1の前後方向の情報に基づき、容器1を把持して概ね垂直方向に持ち上げ、容器1の口部(上部)が後で上方向に向け易い方向となるようにXYZ空間のZ軸を中心として旋回させ(ロール軸による旋回)、容器1をその口部(上部)が上方向となるように容器1を旋回させ(ピッチ軸による旋回)、水平方向に移動し、下降することで、所定のプレイス位置にプレイスする。ロボット40の容器1の持ち上げ、2方向の旋回、水平移動、下降の動作は順次行なっても良いし、いくつかの動きを組み合わせて同時に行なっても良く、周辺装置の迂回や動作の最速化を考慮しつつ決定される。
また、本実施例においては、1台のロボット40について第1と第2の下流搬送装置20Dといった2系列の物品搬送部を有している。これは、搬送装置20が互いに独立して容器1を搬送する複数の搬送部を有することによって、ロボット40が1つの搬送部から容器1をピックしてプレイスしている間に、容器1を他の搬送部に確実に搬送することによって、ロボット40が容器待ちとなることを防止するためである。一般にこのようなロボット40が1個の容器1を処理する時間は1.0〜2.0秒である。仮に、この処理時間を1.5秒とすれば、毎分40個の容器1の処理が可能になるが、もしも容器1の搬送が1系列の搬送部だけからなるとき、仮にロボット40の待ち時間が0.2秒必要となっただけでも、処理時間は1.7秒となり、容器1の処理個数は毎分35個となり、処理能力が大幅に低減してしまう。搬送装置20の搬送部があまりに多すぎても、ロボット40の稼動範囲が大きくなり、ロボット40が大型化してしまうため、搬送装置20の搬送系列は2〜3列が最も好ましい。しかし、ロボット40の待ち時間をゼロ又はゼロ近くにできるように、搬送装置20がロボット40の処理能力より高能力であれば、搬送装置20の搬送系列は1列とするほうが、低コストとなり、設置エリアも小さくできるので好ましい。
尚、ロボット40へ容器1を供給する能力が十分に大きい場合には、1系列又は複数系列の搬送部に対して、2台以上のロボット40を設置しても良い。この場合には、上流ロボット40のピック部に設けた停止装置20Sは開閉式ストッパ23とする。下流のロボット40がピックアンドプレイス動作を実施するには、上流のロボット40がピックアンドプレイス動作を実施中に、上流ロボット40のピック部に設けた開閉式ストッパ23は開状態として、上流のロボット40のピック位置を容器1を通過させて、下流側のロボット40に容器1を送り込むことが必要となる。上流のロボット40がピックアンドプレイス動作を実施するには、上流ロボット40のピック部に設けた開閉式ストッパ23は閉状態として、容器1を停止させることが必要となる。
(袴搬送装置50)
袴搬送装置50は、下流搬送装置20の搬送方向に直交する方向の他側(ロボット40が設置されている下流搬送装置20Dの一側に対する反対側)に設置され、ロボット40による容器1のプレイス位置となる袴60を循環移動する。袴60は、容器1の各種形状やサイズに容易に対応できて好ましい。ロボットがプレイスする際は、袴60が停止していると、袴60に容器が入らない等のプレイスの失敗を確実に防止できるので望ましい。また、袴60を移動させながら、その移動速度に追従して容器をプレイスすることもできる。但し、ロボット40による容器1のプレイス先としては、袴搬送装置50に限らず、ベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤを採用することもできる。ロボットがプレイスする際は、ベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤが停止していると、プレイス時に容器1の転倒などのプレイス失敗が防止できるが、プレイス後のベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤの加速時に、容器が転倒しないようにゆっくりと加速とすることが必要となる。ベルトコンベヤやトップチェーンコンベヤを運転しながら、または減速して、その移動速度に概ね追従して容器をプレイスすると、プレイス後の加速が不要であったり、プレイス後はわずかな加速ですむため、加速時間の短縮と容器の転倒防止ができて好ましい。
図12は、本実施例の物品供給装置100が対象とする長尺物品である容器1の例示である。容器1は、物品幅に対して物品高さ(物品長さ)が長い長尺形状となっている。長尺形状である容器1とは、物品高さが物品幅の約1.3倍以上のものを指す。図12の(1)、(2)、(3)、(4)のように容器1が内容物を充填する口部付近にネックリングと呼ばれる環状構造部を有するボトルの場合、首部とは、ネックリングより上側の細い部分を指す。図12の(5)、(6)のように容器1がネックリングと呼ばれる環状構造部を有しないボトルの場合、首部とは、口部付近のキャップを固定するネジ部や打込部等を指す。
以下、各種形状の容器1を搬送装置20のV型搬送面20Aに載せて搬送するとき、容器1の形状が搬送姿勢に及ぼす影響について説明する。
図13は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成するとき、小型円柱形状の容器1の幅方向の中央部がV型搬送面20AのV字谷の谷間に位置付けられることを示している。容器1の口部と底部のいずれが搬送装置20の搬送方向の前方側にあるときにも、容器1の幅方向の中央部をV型搬送面20AのV字谷の谷間の同一位置に位置付けることができる。
図14は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成するとき、大型円錐形状の容器1の幅方向の中央部がV型搬送面20AのV字谷の谷間に位置付けられることを示している。容器1の口部と底部のいずれが搬送装置20の搬送方向の前方側にあるときにも(図14(B)、(C))、容器1の幅方向の中央部をV型搬送面20AのV字谷の谷間の同一位置に位置付けることができる。
図15は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θcと、搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θgを概ね同一にするとき、上面から見た際に楕円形状の容器1(図12(2))の幅方向の中央部が必ずしもV型搬送面20AのV字谷の定位置に定まらないことを示している。容器1の口部と底部のいずれが搬送装置20の搬送方向の前方側にあるときにも同様である。容器1の幅方向の中央部が、図15(A)ではV型搬送面20Aの搬送ガイド22寄りにずれ、図15(B)ではV型搬送面20AのV字谷の谷間に位置し、図15(C)ではV型搬送面20Aのベルトコンベヤ21寄りにずれている。このような場合、搬送装置20のV型搬送面20Aにおける容器1の上述のずれが図15(A)〜(C)のいずれにあるかを画像処理装置等のセンサにより判別したり、搬送装置20の上流側に設けられる前処理装置によってV型搬送面20Aに対する容器1の搬入姿勢を図15(A)〜(C)のいずれか1つに設定することにより、ロボット40のハンド部45で容器1の幅方向の中央部を吸着し得るように該ロボット40を制御する。
図16は、搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aが水平に対する傾斜角θcと、搬送ガイド22の搬送面22Aが水平に対する傾斜角θgをθc<θgとするとき、容器1の楕円の長径がベルトコンベヤ21の緩傾斜の搬送面21Aと平行になり、容器1の幅方向の中央部が図16(A)に示す如くにV型搬送面20Aのベルトコンベヤ21寄りにずれることを示している。容器1の口部と底部のいずれが搬送装置20の搬送方向の前方側にあるときにも同様である。尚、容器1の楕円の長径が図16(B)に示す如くに搬送ガイド22の搬送面22Aに載ったときには、急傾斜の搬送面22A上で不安定になる容器1がその搬送中に自ら回転し、図16(A)に示した搬送姿勢になる。つまり、上から見た際に楕円形状の容器1又はそれに近い形状の容器(例:図12(6))に対しては、θc<θgとすることで、常に図16(A)に示した搬送姿勢とできるので、ロボットの制御が容易になる。
図17は、本実施例の物品供給装置100が対象とする長尺物品であるキャップの例示である。キャップは、物品幅に対して物品高さ(物品長さ)が長い長尺形状となっている。長尺物品であるキャップとは、物品高さが物品幅の約1.3倍以上のものを指す。上側が先行しているか下側が先行しているかの判別(物品の前後方向を判別)は、上側が面形状であることに対して、下側が窪み形状である形状差によって、容易に判別できる。
図18は、本実施例の物品供給装置100が対象とする長尺物品であるディップチューブ付トリガーキャップの例示である。本体幅とディップチューブ太さの差が大きいため、容器と同様に、本体が先行しているか、ディップチューブ部が先行しているかによって容易に前後方向を判別できる。
図19は、本実施例の物品供給装置100が対象とする長尺物品であるディップチューブ付ポンプキャップの例示である。本体幅とディップチューブ太さの差が大きいため、容器と同様に、本体が先行しているか、ディップチューブ部が先行しているかによって容易に前後方向を判別できる。
図20は点状のビーム光で対象の有無を判別できる光学式センサを用いた判別手段30による前後判定方法を示す別の実施例である。V型搬送面20A上にて容器1がピック位置にあるところを側面から見た図であり、手前のV型搬送面20Aは、容器1と奥側のV型搬送面20Aが見えるように、図には示していない。第1と第2の下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端(停止位置)に、各2個のセンサD、Eが配置される。センサD、Eを設置するV型搬送面20Aは前記搬送ガイド22とすると、センサD、Eの設置が容易である。センサD、Eのそれぞれは容器1の搬送終端における停止予定範囲の前端部に配置される。そして、センサD、Eは、V型搬送面20AにおけるV字谷の内側部にて容器1に干渉しないように、搬送装置20の搬送方向に対して直交する方向(例えばベルトコンベヤ21のベルトエッジ寄り)にビーム光が概水平になるように、配置される。上側のセンサDは、容器1の口部が先行している際にはOFFとなる高さに設置される。下側のセンサEは、容器1の口部が先行している際にはONとなる高さに設置される。図20(A)に示す如く、センサDがOFF、センサEがONであれば容器1の口部が先行し、図20(B)に示す如く、センサDがON、センサEがONであれば容器1の底部が先行しているものと判別される。このように配置にすることで、容器1の長さによって配置替えされるべきセンサは不要になって好ましい。また、ビーム光がピックアンドプレイス装置としてのロボット40の動作範囲に干渉しないため、センサ設置の位置調整が容易である。更に、センサ個数を2個と減らせるのでコスト面でも有利ある。
図21は点状のビーム光で対象との距離を測定できる光学式距離センサを用いた判別手段30による前後方向の判別方法を示す別の実施例である。本実施例は、図17に示したキャップのような凹形状の物品であって、容器と比較して外形に変化が殆ど見られない物品の前後方向を判別するのに特に有効である。図21は、V型搬送面20A上にてキャップ2がピック位置にあるところを側面から見た図であり、手前のV型搬送面20Aは、キャップ2と奥側のV型搬送面20Aが見えるように、図には示していない。第1と第2の下流搬送装置20Dによるキャップ2の搬送終端(停止位置)に、各1個のセンサFが配置される。センサFのそれぞれは、キャップ2の搬送終端における停止予定範囲の前端部の上方に配置される。そして、センサFは、搬送装置20の搬送方向に向かい合う方向(例えばベルトコンベヤ21のベルトエッジ寄り)にビーム光dが斜め下向きになるように、配置される。図21(A)に示す如くビーム光がキャップ2の下側(容器への取付け側)であるキャップの内側に達する際は、ビーム光dの測定距離が設定値より長くなって、キャップ2の下側(容器への取付け側)が先行しているものと判別される。図21(B)に示す如くビーム光がキャップ2の上側である天面部に達する際は、ビーム光dの測定距離が設定値より短くなって、キャップ2の上側(天面部)が先行しているものと判別される。このように配置にすることで、キャップ2の長さによって配置替えされるべきセンサは不要になって好ましい。また、ビーム光がピックアンドプレイス装置としてのロボット40の動作範囲に干渉しないため、センサ設置の位置調整が容易である。更に、センサ個数が1個であるので短時間で設置ができる。また本判別方法によって、首部形状が容器1の他の部分の形状と大きな差が無い容器1においても(不図示)、容器1の口部が先行しているか、容器1の底部が先行しているかを判別することができる。
図22に物品供給装置100の他の実施例を示す。本実施例は、上流搬送装置20Uを1列とし、下流搬送装置20Dも1列としたものである。1列にしたことで、シンプルな構成となっている。また、高能力とするために、本物品供給装置100を2式配置し、各物品供給装置100は袴搬送装置50を共用化し、袴搬送装置50を中央に挟んで対称配置されている。各物品供給装置100のピックアンドプレイス装置40は、袴搬送装置50の進行方向と同じ方向に沿って上流のピックアンドプレイス装置40Uのプレイス位置と下流のピックアンドプレイス装置40Dのプレイス位置とが直列をなすように配置されている。袴搬送装置50D上で連続して搬送されてくる袴60を連続する2個分(上流と下流のピックアンドプレイス装置40U、40Dの台数分)ずつ区切り、それら2個の袴60のうちの上流側の袴60を第1の袴60とし、下流側の袴60を第2の袴60とするとき、上流のピックアンドプレイス装置40Uは第1の袴60に容器1をプレイスし、下流のピックアンドプレイス装置40Dは第2の袴60に容器1をプレイスする。袴搬送装置50は袴60をピックアンドプレイス装置40U、40Dの台数分である2個分ピッチ送りとすることで、上流と下流のピックアンドプレイス装置40U、40Dによって各容器1を各袴60に効率的にプレイスすることができる。また、袴60の搬送については、ピッチ送りとせずに、袴60を連続送りしながら容器1をプレイスするものとしても良い。本物品供給装置100を1式で使用するものに比して、本実施例の2式の物品供給装置100を用いることで、ピックアンドプレイス能力を容易に2倍程度にアップすることが可能になる。
図23は、物品供給装置100の他の実施例を示す。本実施例は、更に高能力とするために、本物品供給装置100を並列に3式配置している。各物品供給装置100のピックアンドプレイス装置40(i)〜(iii)は各物品供給装置100の下流搬送装置20Dにそれらの搬送方向で向かい合うように配置され、また、各ピックアンドプレイス装置40は、袴搬送装置50の進行方向に沿う同じ方向に沿ってそれらのプレイス位置が直列をなすように配置されている。袴搬送装置50上で連続して搬送されてくる袴60を連続する3個分(ピックアンドプレイス装置(i)〜(iii)の個数分)ずつ区切り、それらの3個の袴60を上流側〜下流側に向けて第1の袴60、第2の袴60、第3の袴60とするとき、ピックアンドプレイス装置40(i)は第1の袴60に容器1をプレイスし、ピックアンドプレイス装置40(ii)は第2の袴60に容器1をプレイスし、ピックアンドプレイス装置40(iii)は第3の袴60に容器1をプレイスする。袴搬送装置50は袴60をピックアンドプレイス装置40(i)〜(iii)の台数分である3個分ピッチ送りすることで、ピックアンドプレイス装置40(i)〜(iii)によって各容器1を各袴60に効率的にプレイスすることができる。袴60の搬送については、ピッチ送りとせずに、袴60を連続送りしながら容器1をプレイスするものとしても良い。本物品供給装置100では、複数のピックアンドプレイス装置40(i)〜(iii)を袴搬送装置50の一側に並べて配置でき、各ピックアンドプレイス装置40のメンテナンスを同方向から同時に行なうことができ、メンテナンス性が向上する。
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)搬送装置20(上流搬送装置20U及び下流搬送装置20D)は、容器1(又はキャップ2)をV型搬送面20Aに載せ、その長尺方向が該V型搬送面20AのV字谷に倣う一方向に沿ってピック位置まで搬送するようにした。従って、ピックアンドプレイス装置としてのロボット40は、搬送装置20のV型搬送面20AにおけるV字谷の狭い範囲に位置付けられて縦一列をなす各容器1(又はキャップ2)を順にピックすれば足りる。ロボット40の移動範囲は狭くて足り、ロボット40を小型化し、その設置エリアを狭小化できる。また、ロボット40によるピックアンドプレイスの距離も短くなり、その結果、動作時間も短くなって、ロボット40の能力を高めることもできる。
(b)判別手段30に必要とされる物品観察範囲も、搬送装置20において容器1(又はキャップ2)が位置付けられたV型搬送面20AにおけるV字谷の狭い範囲に限定できる。判別手段30も小型化し、その設置エリアも狭小化できる。
(c)搬送装置20が相対するベルトコンベヤ21の搬送面21Aと搬送ガイド22の搬送面22AによりV型搬送面20Aを形成し、ベルトコンベヤ21の搬送面21Aの水平に対する傾斜角を、搬送ガイド22の搬送面22Aの水平に対する傾斜角より緩くする。ベルトコンベヤ21の搬送面21Aの水平に対する傾斜角θcを小さくすることで、ベルトコンベヤ21が容器1(又はキャップ2)に付与する搬送力を高めることができるし、搬送装置20の上面(V型搬送面20A)が上方に大きく開くので、ロボット40が容器1(又はキャップ2)をピックし易くなる。
搬送ガイド22の搬送面22Aの水平に対する傾斜角θgを大きくすることで、容器1(又はキャップ2)をより確実にベルトコンベヤ21に押付けることができる。これにより、ベルトコンベヤ21が容器1(又はキャップ2)に付与する搬送力が大きくなり、搬送ガイド22の側をベルトコンベヤとする必要がなく、安価である。
(d)ベルトコンベヤ21と搬送ガイド22の一方の搬送面の水平に対する傾斜角を他方の搬送面の水平に対する傾斜角より緩くした際、緩くした搬送面の幅を広くすることにより、ベルトコンベヤ21によって容器1(又はキャップ2)を安定的に搬送できる。
(e)ピックアンドプレイス装置が5軸以上の自由度をもつロボット40からなるものとすることにより、ロボット40が容器1(又はキャップ2)をピックしてプレイスするハンド部45に一定以上の移動の自由度を確保できる。
(f)搬送装置20が上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dを直列配置して構成され、上流搬送装置20Uの搬送方向に直交する方向の一側に物品投入装置10を設置し、下流搬送装置20Dの搬送方向に直交する方向の一側にロボット40を設置して構成される。物品投入装置10とロボット40の両者を、搬送装置20において、搬送方向に直交する方向の同一の側にまとめて配置でき、物品供給装置100の全体のレイアウトをコンパクトにできる。
(g)上流搬送装置20Uは物品投入装置10が配置される一側に搬送ガイド22を配置し、その他側にベルトコンベヤ21を配置する。これにより、物品投入装置10が投入する容器1(又はキャップ2)は搬送ガイド22の静止している板状エッジを乗り越えて搬送装置20に投入される結果、移動中のベルトコンベヤ21のベルトエッジを乗り越えて該ベルトエッジに引っ掛かることがなく、容器1(又はキャップ2)の投入の安定を図ることができる。また、搬送ガイド22の板状エッジを乗り越えて搬送装置20に投入された容器1(又はキャップ2)は、この投入方向にて相対するベルトコンベヤ21の柔らかいベルト面に当たって衝撃吸収され、バウンドすることなく、搬送装置20のV型搬送面20Aに受け入れられる。
(h)下流搬送装置20Dはロボット40が配置される一側にベルトコンベヤ21を配置し、その他側に搬送ガイド22を配置する。ロボット40をベルトコンベヤ21の側に配置することで、ロボット40がピック動作できる限界まで、該ロボット40をベルトコンベヤ21に近づけて設置でき、搬送ガイド22の向こう側にロボット40のプレイス用動作範囲を大きくとることができる。
(i)1台のロボット40について第1と第2の下流搬送装置20Dといった2系列の物品搬送部を有している。搬送装置20が独立した複数の搬送部を有することによって、ロボット40が1つの搬送部から容器1(又はキャップ2)をピックしてプレイスしている間に、容器1(又はキャップ2)を他の搬送部に確実に搬送することによって、ロボット40が容器待ちとなることを防止できる。
(j)搬送装置20が容器1(又はキャップ2)をV型搬送面20A上のピック位置で停止させる停止装置20Sを有する。従って、容器1の位置ずれ検出センサや高価な画像処理装置を使用することなく、安価な光学式センサ(光電管)等からなる判別手段30で容器1の前後方向を判別できる。また、判別手段30に必要とされる物品観察範囲をV型搬送面20AのV字谷の狭い範囲に限定でき、従って、判別手段30も小型化でき、その設置エリアを狭小化できる。また、ロボット40(ピックアンドプレイス装置)の移動範囲は狭くて足り、従って、ロボット40も小型化し、その設置エリアを狭小化できる。また、ロボット40による容器1(又はキャップ2)のピックアンドプレイス距離を短くでき、その結果、ロボット40の動作時間も短くなり、能力を高めることができる。
上述した各実施形態に関し、本発明は更に以下の物品供給装置を開示する。
<1>長尺形状の容器又はキャップである物品をピック位置にてピックし、一定の姿勢でプレイス位置にプレイスするピックアンドプレイス装置を有してなる物品供給装置であって、
物品投入装置から投入された物品をV型搬送面に載せ、その長尺方向が該V型搬送面のV字谷に倣う一方向に沿ってピック位置まで搬送する搬送装置と、
物品をV型搬送面上のピック位置で停止させる停止装置と、
物品がピック位置にてピックされる前に、停止した物品の前後方向を判別する判別手段とを有し、
ピックアンドプレイス装置は、判別手段の判別結果に従って、停止した物品を一定の姿勢でプレイス位置にプレイスするように、該物品をピックしてプレイスする物品供給装置。
<2>好ましくは前記搬送装置が相対するベルトコンベヤの搬送面によりV型搬送面を形成してなる前記<1>に記載の物品供給装置。
<3>好ましくは前記搬送装置が相対するベルトコンベヤの搬送面と搬送ガイドの搬送面によりV型搬送面を形成してなる前記<1>に記載の物品供給装置。
<4>好ましくは前記搬送装置が相対するベルトコンベヤの搬送面と搬送ガイドの搬送面によりV型搬送面を形成し、ベルトコンベヤの搬送面が水平に対する傾斜を、搬送ガイドの搬送面が水平に対する傾斜より緩くしてなる前記<3>に記載の物品供給装置。
<5>好ましくは前記搬送装置が相対するベルトコンベヤの搬送面と搬送ガイドの搬送面によりV型搬送面を形成し、一方の搬送面が水平に対する傾斜角を他方の搬送面が水平に対する傾斜角より緩くした際、緩くした搬送面の幅を広くしてなる前記<3>に記載の物品供給装置。
<6>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置が5軸以上の自由度をもつロボットからなる前記<1>〜<5>のいずれか1に記載の物品供給装置。
<7>好ましくは前記搬送装置が上流搬送装置と下流搬送装置を直列配置して構成され、
上流搬送装置の搬送方向に直交する方向の一側に物品投入装置を設置し、下流搬送装置の物品投入装置と同一の側にロボットを設置してなる前記<6>に記載の物品供給装置。
<8>好ましくは前記搬送装置が、1台のロボットに対し互いに独立して物品を搬送する複数の搬送部を有してなる前記<6>又は<7>に記載の物品供給装置。
<9>好ましくは前記上流搬送装置と下流搬送装置のそれぞれが、相対するベルトコンベヤの搬送面と搬送ガイドの搬送面によりV型搬送面を形成し、
上流搬送装置は搬送方向の左右何れかの一側に搬送ガイドを配置し、下流搬送装置は上流搬送装置の搬送ガイドを設置する側と同一の側にベルトコンベヤを配置してなる前記<7>に記載の物品供給装置。
<10>好ましくは袴搬送装置を有し、前記ピックアンドプレイス装置はピックした物品を立たせた姿勢で直接袴搬送装置上の袴にプレイスする前記<1>に記載の物品供給装置。
<11>好ましくは物品投入装置を前記搬送ガイド側に設置している前記<3>に記載の物品供給装置。
<12>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置を前記ベルトコンベア側に設置している前記<3>に記載の物品供給装置。
<13>好ましくは前記上流搬送装置の一側に設置される物品投入装置を記搬送ガイド側に設置している前記<7>に記載の物品供給装置。
<14>好ましくは前記下流搬送装置の物品投入装置と同一の側に設置されるロボットを前記ベルトコンベヤ側に設置している前記<7>に記載の物品供給装置。
<15>好ましくは前記上流搬送装置の一側に設置される物品投入装置を前記搬送ガイド側に設置し、前記下流搬送装置の物品投入装置と同一の側に設置されるロボットを前記ベルトコンベヤ側に設置している前記<9>に記載の物品供給装置。
<16>好ましくは前記上流搬送装置は物品のストック量に応じて間欠運転又は増減速度制御運転される前記<7>に記載の物品供給装置。
<17>好ましくは前記上流側搬送装置が連続運転され、上流搬送装置と下流搬送装置の間に物品の搬送を停止させるためのストッパが設けられている前記<7>に記載の物品供給装置。