JP2015533767A - 高純度ジフルオロリン酸リチウムの調製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フッ化リチウムと五フッ化リンから出発する、特に有機溶媒中のそれらの溶液の形態の、高純度、特に低ナトリウムのジフルオロリン酸リチウムの調製方法に関する。

Description

本発明は、フッ化リチウムおよび五フッ化リンから出発する、特に有機溶媒中のそれらの溶液の形態の、高純度、特に低ナトリウムのジフルオロリン酸リチウムの調製方法に関する。
携帯型電子デバイス、例えば、ラップトップおよびパームトップコンピューター、携帯電話またはビデオカメラの世界的な普及、したがって、また、軽量かつ高性能な電池および蓄電池に対する要求は、この2、3年で劇的に増加している。これは将来、電気自動車にこの種類の蓄電池および電池を装備することによって増加するであろう。
ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)は、非常に安定性であるため、ヘキサフルオロリン酸リチウムの代替として、高性能蓄電池の製造における伝導性の塩として工業的に関心が持たれている。そのような蓄電池が機能する能力、および寿命、したがって、それらの品質を確実にするため、使用されるリチウム化合物が高純度であり、特に、ナトリウムまたはカリウムイオンなどの他の金属イオンの最小の割合を含有することは特に重要である。外来性金属イオンは、電池短絡の原因となり、沈殿形成を引き起こす(特許文献1)。高塩化物含有量は腐食の原因となる。
従来技術では、少数のジフルオロリン酸リチウムの調製方法のみが開示されている。
(特許文献2)では、300℃より高い温度で十酸化四リン(P10)をフッ化リチウム(LiF)と反応させて、ジフルオロリン酸リチウムを得る方法が開示されている。
(特許文献3)では、塩化物および臭化物をヘキサフルオロリン酸リチウムおよび水と反応させる方法が開示されている。
(特許文献4)では、シロキサンの存在下、ヘキサフルオロリン酸リチウムを水で部分的に加水分解し、ジフルオロリン酸リチウムおよびテトラフルオロリン酸リチウムを得る方法が開示されている。
これら全ての方法の共通のファクターは、それらの標的生成物に関して非特異的な様式で進行するか、または大量の不可避の副産物を製造するということである。
従来技術は、高純度のジフルオロリン酸リチウムを達成すること、特に、外来性金属イオンの含有量および塩化物含有量を低く保持することは、技術的に非常に複雑であることを示す。従って、現在までのところ、ジフルオロリン酸リチウムを調製するための既知の方法では、全ての純度の要求を満たすことができない。
米国特許第7,981,388号明細書 国際公開第2012/004188A号パンフレット 国際公開第2008/111367A号パンフレット 欧州特許第2061115号明細書
したがって、本発明が取り組む課題は、高純度ジフルオロリン酸リチウムまたは有機溶媒中ジフルオロリン酸リチウムを含んでなる高純度溶液を調製するための効率的な方法であって、複雑な精製作業を必要とせずに高収量をもたらす方法を提供することであった。
課題に対する解決策および本発明の主題は、少なくとも、
a)1500ppmより高い、好ましくは1550ppm以上、特に好ましくは1550ppm〜100000ppm、なおより好ましくは2000ppm〜20000ppm、非常に特に好ましくは5000ppm〜15000ppmの含水量を有する固体フッ化リチウムを、五フッ化リンを含んでなる気体と接触させる工程
を含んでなるジフルオロリン酸リチウムの調製方法である。
有機溶媒中ジフルオロリン酸リチウムの溶液を調製する場合、好ましくは、少なくとも、
b)a)で形成されたジフルオロリン酸リチウムを含んでなる反応混合物を有機溶媒と接触させ、形成されたジフルオロリン酸リチウムを少なくとも部分的に溶液中に入れる工程と、
c)任意選択で、しかしながら、好ましくは、ヘキサフルオロリン酸リチウムを含んでなる溶液から固体成分を分離する工程と
がその後に行われる。
ここで留意すべき点は、本発明の範囲は、一般用語で、または好ましい範囲内で上記および以下に引用される成分、値の範囲および/またはプロセスパラメーターの任意の、および全ての可能な組み合わせを含むことである。
工程a)において、上記で特定された含水量を含んでなる固体フッ化リチウムを、五フッ化リンを含んでなる気体と接触させ、ジフルオロリン酸リチウムおよび未変換のフッ化リチウムを含んでなる反応混合物を得る。
工程a)で使用されるフッ化リチウムは、例えば、無水生成物に基づき、98.0000〜99.9999重量%、好ましくは99.0000〜99.9999重量%、より好ましくは99.9000〜99.9995重量%、特に好ましくは99.9500〜99.9995重量%、非常に特に好ましくは99.9700〜99.9995重量%の純度を有する。
使用されるフッ化リチウムは、好ましくは追加的に
1)0.1〜250ppm、好ましくは0.1〜75ppm、より好ましくは0.1〜50ppm、特に好ましくは0.5〜10ppm、非常に特に好ましくは0.5〜5ppmの含有量のイオン型ナトリウム、および
2)0.01〜200ppm、好ましくは0.01〜10ppm、より好ましくは0.5〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmの含有量のイオン型カリウム
の外来性イオンを有する。
使用されるフッ化リチウムは、好ましくは追加的に
3)0.05〜500ppm、好ましくは0.05〜300ppm、より好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの含有量のイオン型カルシウム、および/または
4)0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜50ppmの含有量のイオン型マグネシウム
の外来性イオンを有する。
使用されるフッ化リチウムは、例えば、同様に無水生成物に基づき、追加的に
i)0.1〜1000ppm、好ましくは0.1〜100ppm、特に好ましくは0.5〜10ppmの含有量の硫酸、および/または
ii)0.1〜1000ppm、好ましくは0.5〜500ppmの含有量の塩化物
の外来性イオンを有し、フッ化リチウムおよび上記外来性イオンの総計が、無水生成物に基づく技術的グレードの炭酸リチウムの全重量に基づき、1000000ppmを越えない。
フッ化リチウムを調製するための装置を示す。 本研究で使用される装置を示す。
一実施形態において、フッ化リチウムは、合計1000ppm以下、好ましくは300ppm以下、特に好ましくは20ppm以下、非常に特に好ましくは10ppm以下の外来性金属イオンの含有量を有する。
上記で特定された含水量を含んでなる固体フッ化リチウムを、五フッ化リンを含んでなる気体と接触させて、ジフルオロリン酸リチウムおよび未変換のフッ化リチウムを含んでなる反応混合物を得ることは、気体の物質と固体の物質との反応に関して当業者に既知のいずれかの方法によって達成することができる。例えば、接触を固定床または流動床で達成することができ、好ましくは流動床で接触させる。一実施形態において、流動床は撹拌流動床として構成されてもよい。
使用される固体フッ化リチウムは、特に、固定床の形態で、例えば、成形体の形態で、または微粒子の形態で、すなわち、例えば、粉末の形態で使用される場合に使用されてもよく、微粒子または粉末の使用、特に流動床の形態での使用が好ましい。
成形体が使用される場合、20〜95重量%の範囲、好ましくは60〜90重量%の範囲、特に好ましくは67〜73重量%、非常に特に好ましくは約70重量%の固体含有量を有するものが好ましい。
成形体は、原則として、いずれかの所望の形態であってよく、球状、円筒状または環状形物体が好ましい。成形体は、いずれかの寸法において、好ましくは3cm以下、好ましくは1.5cm以下である。
成形体は、例えば、フッ化リチウムおよび水の混合物からの押出成形によって製造され、押出成形の後、50〜200℃の温度、好ましくは80〜150℃、特に好ましくは約120℃の温度で、上記の特定された含水量が得られるまで乾燥される。この種類の成形体は、典型的に円筒状である。
含水量は、他に記載されない限り、Karl Fischer法によって決定される。この方法は、当業者に既知であり、例えば、P.Bruttel,R.Schlink,「Wasserbestimmung durch Karl−Fischer−Titration」,Metrohm Monograph 8.026.5001,2003−06に記載されている。
出願者は、この点でいずれかの厳密な科学的言明をすることを望まないが、工程a)の反応動力学は、反応温度、フッ化リチウムの有効表面積、含水量、固定床または流動床によって生じる流れ抵抗、ならびに流速、圧力および反応間の反応混合物の体積の増加に依存する。温度、圧力および流速は化学工学によって制御することができるが、フッ化リチウムの有効表面積、流れ抵抗および反応混合物の体積の増加は、使用されるフッ化リチウムの形態に依存する。
成形体の製造用途のため、および微粒子の形態での使用のため、4〜1000μm、好ましくは15〜1000μm、より好ましくは15〜300μm、特に好ましくは15〜200μm、さらにより好ましくは20〜200μmのD50を有するフッ化リチウムを使用することが有利である。
さらに好ましくは使用されるフッ化リチウムは、0.5μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは7μm以上のD10を有する。もう1つの実施形態において、フッ化リチウムは、15μm以上のD10を有する。
D50およびD10は、それぞれ、その粒径以下にフッ化リチウムの合計10体積%および50体積%が存在する粒径を意味する。
フッ化リチウムは、追加的に好ましくは、0.6g/cm以上、好ましくは0.8g/cm以上、より好ましくは0.9g/cm以上、特に好ましくは0.9g/cm〜1.2g/cmの嵩密度を有する。
上記定義を有するフッ化リチウムは、例えば、少なくとも以下の工程:
i)溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体を提供する工程と、
ii)a)で提供される水性媒体を気体フッ化水素と反応させて、固体フッ化リチウムの水性懸濁液を得る工程と、
iii)水性懸濁液から固体フッ化リチウムを分離する工程と、
iv)分離されたフッ化リチウムを、上記の特定された含水量まで乾燥させる工程と
を含んでなる方法によって得ることができる。
工程i)において、炭酸リチウムを含んでなる水溶液が提供される。
本明細書中、「溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体」という用語は、
i)好ましくは少なくとも2.0g/l、特に好ましくは選択された温度で5.0g/lから水性媒体の最大溶解性まで、非常に特に好ましくは選択された温度で7.0g/lから水性媒体の最大溶解性までの量で溶解された炭酸リチウムを含有する液体媒体を意味するものとして理解される。特に炭酸リチウム含有量は7.2〜15.4g/lである。当業者は、炭酸リチウムの溶解性は、純水中、0℃で15.4g/l、20℃で13.3g/l、60℃で10.1g/l、100℃で7.2g/lであり、したがって、ある種の濃度は、特定の温度でのみ得ることができることを理解している。また上記用語は、
ii)液体媒体の全重量に基づき、重量による割合で少なくとも50%、好ましくは80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%の水を含有し、かつ
iii)好ましくは固体を含まないか、または0.0重量%より多く〜0.5重量%までの固体含有量を有し、好ましくは固体を含まないか、または0.0重量%より多く〜0.1重量%までの固体含有量を有し、特に好ましくは固体を含まないか、または0.0重量%より多く〜0.005重量%までの固体含有量を有し、特に好ましくは固体を含まない液体媒体を意味するものとして理解される。ここで、成分i)、ii)および好ましくはiii)の総計は、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の全重量に基づき、100重量%以下、好ましくは98〜100重量%、特に好ましくは99〜100重量%である。
本発明のさらなる実施形態において、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体は、さらなる成分として、
iv)少なくとも1種の水混和性有機溶
を含んでなってもよい。適切な水混和性有機溶媒は、例えば、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロパン−1,3−ジオールまたはグリセロール、ケトン、例えば、アセトンまたはエチルメチルケトンである。
溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体が少なくとも1種の水混和性有機溶媒を含んでなる場合、それらの割合は、例えば、0.0重量%より多く〜20重量%、好ましくは2〜10重量%であってよく、成分i)、ii)、iii)およびiv)の各ケースの総計は、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の全重量に基づき、100重量%以下、好ましくは95〜100重量%、特に好ましくは98〜100重量%である。
しかしながら、好ましくは、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体は、水混和性有機溶媒を含まない。
溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体は、さらなる成分として、
v)錯化剤
を、好ましくは、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の全重量に基づき、0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.2重量%の量で含有してもよい。
錯化剤は、好ましくは、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンとのその複合体が、pH8および20℃において0.02mol/lより高い溶解性を有するものである。適切な錯化剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびそれらのアルカリ金属またはアンモニウム塩であり、好ましくはエチレンジアミン四酢酸である。
しかしながら、一実施形態において、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体は、錯化剤を含まない。
炭酸リチウムを含んでなる水性溶液を提供するための手順は、好ましくは、固体炭酸リチウムが少なくとも部分的に溶解するように、固体炭酸リチウムを、炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体と接触させることである。炭酸リチウムが少ない水性媒体は、1.0g/lまで、好ましくは0.5g/lまでの炭酸リチウム含有量を有するが、炭酸リチウムを含まないわけではない水性媒体を意味するものとして理解される。
提供のために使用される水性媒体は、ii)およびiii)の上記条件を満たし、任意選択で成分iv)およびv)を含む。
最も単純な場合、水性媒体は、水、好ましくは、25℃以上で5MΩ・cmの比抵抗を有する水である。
好ましい実施形態において、工程i)〜iv)は、1回または2回以上繰り返される。この場合、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の提供のための繰り返しにおいて、使用される炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体は、フッ化リチウムの水性懸濁液からの固体フッ化リチウムの分離において前工程iii)で得られる水性媒体である。この場合、炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体は、典型的に特定の温度の飽和限界まで、溶解されたフッ化リチウムを含んでなる。
一実施形態において、炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体は、撹拌反応器、流れ反応器、または液体物質を固体物質と接触させるための当業者に既知の他のいずれかの装置中で固体炭酸リチウムと接触させることができる。好ましくは、短い残留時間、使用された水性媒体の飽和点に非常に近い炭酸リチウム濃度の達成の目的で、過剰量、すなわち、固体炭酸リチウムの完全な溶解が可能ではない十分な量の炭酸リチウムが使用される。ii)に従って固体含有量を制限するため、この場合、濾過、沈殿、遠心分離、または液体からの固体の分離のために当業者に既知の他のいずれかの方法がその後行われ、好ましくは濾過が行われる。
プロセス工程i)〜iii)が繰り返しおよび/または連続的に実行される場合、クロスフローフィルターによる濾過が好ましい。
接触温度は、例えば、使用される水性媒体の氷点から沸点までであってもよく、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは0〜60℃、特に好ましくは10〜35℃、特に16〜24℃である。
接触圧力は、例えば、好ましくは900hPa〜1200hPa、100hPa〜2MPaでもよく、特に周囲圧力は特に好まれる。
本発明の文脈上、技術的グレード炭酸リチウムは、無水生成物に基づき、95.0〜99.9重量%、好ましくは98.0〜99.8重量%、特に好ましくは98.5〜99.8重量%の純度を有する炭酸リチウムを意味するものとして理解される。
好ましくは、技術的グレードの炭酸リチウムは、
1)200〜5000ppm、好ましくは300〜2000ppm、特に好ましくは500〜1200ppmの含有量のイオン型ナトリウム、および/または
2)5〜1000ppm、好ましくは10〜600ppmの含有量のイオン型カリウム、および/または
3)50〜1000ppm、好ましくは100〜500ppm、特に好ましくは100〜400ppmの含有量のイオン型カルシウム、および/または
4)20〜500ppm、好ましくは20〜200ppm、特に好ましくは50〜100ppmの含有量のイオン型マグネシウム
の外来性イオン、すなわち、リチウムまたは炭酸イオン以外のイオンをさらに含んでなる。
加えて、技術的グレードの炭酸リチウムは、同様に無水生成物に基づき、
i)50〜1000ppm、好ましくは100〜800ppmの含有量の硫酸イオンおよび/または
ii)10〜1000ppm、好ましくは100〜500ppmの含有量の塩化物イオン
の外来性イオン、すなわち、リチウムまたは炭酸イオン以外のイオンをさらに含んでなる。
無水生成物に基づく技術的グレードの炭酸リチウムの全重量に基づき、炭酸リチウムおよび上記の外来性イオン1)〜4)ならびに任意のi)およびii)の総計が、1000000ppmを越えない場合が一般である。
さらなる実施形態において、技術的グレード炭酸リチウムは、98.5〜99.5重量%の純度および500〜2000ppmの含有量の外来性金属イオン、すなわち、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムを有する。
さらなる実施形態において、技術的グレード炭酸リチウムは、好ましくは追加的に、無水生成物に基づき、100〜800ppmの含有量の外来性金属イオン、すなわち、硫酸イオンまたは塩化イオンを有する。
本明細書に与えられるppmの数値は、明白に明示されない限り、一般に重量部に基づき、言及される陽イオンおよび陰イオンの含有量は、他に明示されない限り、実験項の詳細に従って、イオンクロマトグラフィーによって決定される。
本発明による方法の一実施形態において、炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の提供、および炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体の接触は、バッチ式で、または連続的に固体炭酸リチウムを用いて実行され、好ましくは連続的に実行される。
工程i)で提供される溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体は、典型的に、20℃および1013hPaで測定または算出される8.5〜12.0、好ましくは9.0〜11.5のpHを有する。
工程i)で提供される溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体が工程iib)で使用される前に、特にカルシウムおよびマグネシウムイオンを少なくとも部分的に除去するため、イオン交換体に通過させることができる。この目的のために、例えば、弱酸性または強酸性陽イオン交換体を使用することが可能である。本発明による方法における使用のため、イオン交換体は、例えば、粉末、ビーズまたは顆粒の形態で、例えば、上記の陽イオン交換体で充填されたフローカラムなどのデバイスで使用することができる。
特に適切なイオン交換体は、少なくともスチレンおよびジビニルベンゼンのコポリマーを含んでなり、追加的に、例えば、アミノアルキレンホスホン酸基またはイミノ二酢酸基を含有するものである。
この種類のイオン交換体は、例えば、Lewatit TM型、例えば、Lewatit TM OC 1060(AMP型)、Lewatit TM TP 208(IDA型)、Lewatit TM E 304/88、Lewatit TM S 108、Lewatit TP 207、Lewatit TM S 100、Amberlite TM型、例えば、Amberlite TM IR 120、Amberlite TM IRA 743、Dowex TM型、例えば、Dowex TM HCR、Duolite型、例えば、Duolite TM C 20、Duolite TM C 467、Duolite TM FS 346、およびImac TM型、例えば、Imac TM TMRであり、Lewatit TM型が好ましい。
最小ナトリウム濃度を有するイオン交換体を使用することが好ましい。この目的のために、イオン交換体の使用の前に、イオン交換体をリチウム塩の溶液、好ましくは炭酸リチウム水溶液ですすぐことが有利である。
本発明による方法の一実施形態において、イオン交換器による処理を行わない。
工程ii)において、工程i)で提供される溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体を気体フッ化水素と反応させて、固体フッ化リチウムの水性懸濁液を得る。
反応は、例えば、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体中またはその上に、気体フッ化水素を含んでなる気体流体を導入するか、または通過させることによって、あるいは溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体を噴霧または霧状化することによって、あるいは気体フッ化水素を含んでなる気体中またはそれを通して流動させることによって実行することができる。
水性媒体中の気体フッ化水素の非常に高い溶解性のため、上を通過させること、噴霧、霧状化、またはその中を通過させることが好ましいが、上を通過させることがさらに好ましい。
使用される気体フッ化水素を含んでなる気体流体または気体フッ化水素を含んでなる気体は、気体フッ化水素そのもの、または気体フッ化水素および不活性気体を含んでなる気体のいずれであることもできる。不活性気体は、慣習的な反応条件下でフッ化リチウムと反応しない気体を意味するものとして理解される。例は、空気、窒素、アルゴンおよび他の貴ガスまたは二酸化炭素であり、好ましくは空気、なお好ましくは窒素である。
不活性気体の割合は所望により異なってもよく、例えば、0.01〜99体積%、好ましくは1〜20体積%である。
好ましい実施形態において、使用される気体フッ化水素は、ヒ素化合物の形態で50ppm以下、好ましくは10ppm以下のヒ素を含有する。明示されたヒ素含有量は、ヒ化水素への変換後、光度分析的に決定され、ジエチルジチオカルバミン酸銀とのそれらの反応によって、530nmで赤色錯体(分光光度計、例えば、LKB Biochrom,Ultrospec)が得られる。
同様に好ましい実施形態において、使用される気体のフッ化水素は、100ppm以下、好ましくは50ppm以下のヘキサフルオロケイ酸を含有する。報告されるヘキサフルオロケイ酸含有量は、シリコモリブデン酸として光度分析的に決定され、アスコルビン酸による還元によって、青色錯体(分光光度計、例えば、LKB Biochrom,Ultrospec)が得られる。フッ化物による破壊的影響はホウ酸によって抑制され、リン酸とヒ素との破壊的反応は酒石酸の添加によって抑制される。
工程ii)の反応は、フッ化リチウムを形成し、フッ化リチウムは、水性媒体中で炭酸リチウムより溶けにくいという事実のため、沈殿し、したがって、固体フッ化リチウムの水性懸濁液が形成される。当業者は、フッ化リチウムが20℃で約2.7g/lの溶解性を有することを認識する。
反応は、好ましくは、得られる固体フッ化リチウムの水性懸濁液が3.5〜8.0、好ましくは4.0〜7.5、特に好ましくは5.0〜7.2のpHを達成するような様式で行われる。二酸化炭素は、これらのpH値で放出される。懸濁液からのそれらの放出を可能にするため、例えば、懸濁液を撹拌するか、または静的混合要素を通過させることが有利である。
工程ii)の反応温度は、例えば、使用される溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体の氷点から沸点までで、好ましくは0〜65℃、特に好ましくは15〜45℃、特に好ましくは15〜35℃、特に16〜24℃であってよい。
工程ii)の反応圧力は、例えば、100hPa〜2MPa、好ましくは900hPa〜1200hPaであってよく、特に周囲圧力が好ましい。
工程iii)において、固体フッ化リチウムは水性懸濁液から分離される。
分離は、例えば、濾過、沈殿、遠心分離、または液体からの固体の分離のために当業者に既知の他のいずれかの方法によって行われ、好ましくは濾過が行われる。
濾液が工程i)で再利用され、プロセス工程a)〜c)が繰り返し行われる場合、クロスフローフィルターによる濾過が好ましい。
そのようにして得られる固体フッ化リチウムは、典型的に1〜40重量%、なお好ましくは5〜30重量%の残留水分含有量を有する。
工程iii)で分離されたフッ化リチウムを工程iv)で乾燥する前に、水または水および水混和性有機溶媒を含んでなる媒体で1回、または2回以上洗浄することができる。水が好ましい。25℃以上で15MΩ・cm以上の電気抵抗を有する水が特に好ましい。工程iii)からの固体フッ化リチウムに結合する外来性イオンを含有する水は、その結果非常に実質的に除去される。
工程iv)において、フッ化リチウムを乾燥させる。乾燥は、乾燥に関して当業者に既知のいずれの装置、例えば、ベルトドライヤー、薄膜ドライヤーまたはコニカルドライヤーでも実行することができる。乾燥は、好ましくは100〜800℃に、特に好ましくは200〜500℃にフッ化リチウムを加熱することによって実行される。あるいは、電子レンジによって乾燥させることも可能である。乾燥は、所望の含水量が直接に達成されるか、またはより強度の乾燥後に所望の量まで水がフッ化リチウムに再び添加されるように実行することができる。この場合、固体フッ化リチウム中での水の非常に均一な分布を達成するため、例えば、粉砕または撹拌による強度の混合が可能であるか、または水を湿式気体流体の形態で代わりに導入することができる。
フッ化リチウムの調製については、図1に詳細に例示される。
フッ化リチウム1を調製するための装置において、固体炭酸リチウム(LiCO)を水(HO)、装置1が最初に充填されていない場合、濾過ユニット19からの濾液によって貯蔵器3中で懸濁し、炭酸リチウムは少なくとも部分的に溶液に入る。そのようにして得られる懸濁液を、ここではクロスフローフィルターの形態である濾過ユニット6を通してポンプ5によって線4を経由して運搬し、溶解しなかった炭酸リチウムは、線7を経由して貯蔵器3にリサイクルされて、濾液、溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体を線8を経由して反応器9に導入する。反応器9において、線10を経由して、ここでは気体フッ化水素および窒素を含んでなる気体フッ化水素を含んでなる気体流体を、反応器の液体空間12の上の反応器の気体空間11に導入する。ポンプ13は、最初は溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体から本質的になり、反応によって固体フッ化リチウムを含んでなる懸濁液に変換される液体空間12の含有物を線14を経由して、ランダムな充填を有するカラム15に伝導し、ここで、懸濁液から反応の間に形成される二酸化炭素の放出が促進される。二酸化炭素および希釈剤として使用される窒素は、出口16を通して放出される。ランダムな充填を有するカラムを通過した後、反応器9から伝導された液体空間12の含有物は、気体空間11を通って液体空間12へと戻された。気体空間11を通してのリサイクルは、部分的に不活性原子化によって液体表面積が増加し、また気体フッ化水素との反応が促進される利点を有する。標的pHが達成されたか、または十分な固体フッ化リチウムが形成された後、生じた固体フッ化リチウムの懸濁液は、ポンプ17によって線18を経由して、ここではクロスフローフィルターの形態である濾過ユニット19に運搬される。固体フッ化リチウム(LiF)が得られ、濾液、炭酸リチウムを含まないか、または炭酸リチウムが少ない水性媒体は線20を経由して、反応器3にリサイクルされる。得られるフッ化リチウムが残留水含有量を有し、水も二酸化炭素と共に出口16を通して放出されるため、装置1の最初の充填の後の貯蔵器3への水(HO)の供給は、さらなるサイクルにおける上記の水の損失の埋め合わせをするために本質的に役に立つ。
水溶性が良好な炭酸塩およびフッ化物を形成する、特にナトリウムおよびカリウムなどの外来性金属イオンは、水性媒体の循環流において濃縮されることは当業者にとって明白である。ここではスリーウェイバルブとして構成されるバルブ21の出口22を経由して濾過ユニット19から濾液の一部を放出することが任意選択で可能である。
濾過ユニット19から貯蔵器3へと濾液をリサイクルすることによって、フッ化リチウム調製の場合、95%以上、特に、サイクル数とも呼ばれる工程a)〜d)の繰り返しの数が高い場合、例えば、30回以上の場合、97%以上の変換レベルを達成することが可能となる。「変換レベル」は、使用される炭酸リチウムに基づく高純度フッ化リチウムの収量を意味するものとして理解される。
工程a)において、上記の特定された含水量を含んでなる固体フッ化リチウムは、五フッ化リンを含んでなる気体流体と接触する。五フッ化リンは、少なくとも以下の工程を含んでなる方法によって、それ自体既知の様式で調製することができる:
1)三塩化リンをフッ化水素と反応させて、三フッ化リンおよび塩化水素を得る工程と、
2)三フッ化リンを元素塩素と反応させて、二塩化三フッ化リンを得る工程と、
3)二塩化三フッ化リンをフッ化水素と反応させて、五フッ化リンおよび塩化水素を得る工程。
工程3)で得られる気体混合物は、工程a)における塩化水素の除去の有無にかかわらず、五フッ化リンを含んでなる気体として直接使用することができる。
特に低い塩化物含有量が達成される場合、塩化水素は、気体混合物から少なくとも非常に実質的に除去され、これは、それ自体は既知の方法、例えば、塩基性吸着剤における選択的吸着によって達成することができる。
あるいは、塩化物含有量は、PFとLiFとの反応の後に反応器を通して不活性気体、例えば、窒素またはアルゴンを導入することによって低下させることができる。
あるいは、非常に実質的に塩化水素を含まない五フッ化リンは、十酸化四リンをフッ化水素と反応させることによって調製することもできる。
使用される五フッ化リンを含んでなる気体は、典型的に5〜41重量%の五フッ化リンおよび6〜59重量%の塩化水素、好ましくは20〜41重量%の五フッ化リンおよび40〜59重量%の塩化水素、特に好ましくは33〜41重量%の五フッ化リンおよび49〜59重量%の塩化水素を含有する気体混合物であって、五フッ化リンおよび塩化水素の割合は、例えば、11〜100重量%、好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。
100重量%からの差異は、もしある場合、不活性気体であり得る。不活性気体は、慣習的な反応条件下で五フッ化リン、フッ化水素、塩化水素またはフッ化リチウムと反応しない気体を意味するものとして理解される。例は、窒素、アルゴンおよび他の貴ガスまたは二酸化炭素であり、好ましくは窒素である。
100重量%からの差異は、もしある場合、代わりとして、または追加的にもフッ化水素でもよい。
段階1)〜3)上の全プロセスに基づき、フッ化水素は、例えば、1モルの三塩化リンあたり、4.5〜8、好ましくは4.8〜7.5、特に好ましくは4.8〜6.0モルのフッ化水素の量で使用される。
したがって、典型的に、五フッ化リンを含んでなる気体は、5〜41重量%の五フッ化リン、6〜59重量%の塩化水素および0〜50重量%のフッ化水素、好ましくは20〜41重量%の五フッ化リン、40〜59重量%の塩化水素および0〜40重量%のフッ化水素、特に好ましくは33〜41重量%の五フッ化リン、49〜59重量%の塩化水素および0〜18重量%のフッ化水素を含有する気体混合物であって、五フッ化リン、塩化水素およびフッ化水素の割合は、例えば、11〜100重量%、好ましくは90〜100重量%、特に好ましくは95〜100重量%である。
工程a)の反応圧力は、例えば、500hPa〜5MPa、好ましくは900hPa〜1MPa、特に好ましくは0.1MPa〜0.5MPaである。
工程a)の反応温度は、例えば、−60℃〜150℃、好ましくは20℃〜150℃、非常に特に好ましくは−10℃〜20℃または50℃〜120℃である。120の℃より高い温度では、少なくとも1500hPaの圧力下で作動することが好ましい。
工程a)の反応時間は、例えば、10秒〜24時間、好ましくは5分〜10時間である。
五フッ化リンと塩化水素を含んでなる気体を使用する場合、固定床反応器または流動床から出る気体は、アルカリ金属水酸化物の水溶液、好ましくは水酸化カリウムの水溶液、特に好ましくは5〜30重量%、非常に特に好ましくは10〜20重量%、特に好ましくは15重量%の水酸化カリウム水に収集される。驚くべきことに、塩化水素は再び固定床反応器または流動床反応器を出て、次いで好ましくは中和されるように、塩化水素は、本発明の典型的な条件下でフッ化リチウムと測定可能な程度で反応しない。
好ましくは、工程a)で使用される気体または気体混合物は、気相で調製される。この目的のために使用される反応器、好ましくは管状反応器、特にステンレス鋼管、ならびにジフルオロリン酸リチウムの合成のために使用される固定床反応器または流動床反応器は当業者に既知であり、例えば、Lehrbuch der Technischen Chemie−Band 1,Chemische Reaktionstechnik [Handbook of Industrial Chemistry−Volume 1,Chemical Engineering],M.Baerns,H.Hofmann,A.Renken,Georg Thieme Verlag Stuttgart(1987),p.249−256に記載されている。
ジフルオロリン酸リチウムを含んでなる溶液が調製される場合、工程b)において、a)で形成されるジフルオロリン酸リチウムを含んでなる反応混合物は、好ましくは有機溶媒と接触する。
反応混合物は、典型的に、価値のあるジフルオロリン酸リチウム生成物および未変換のフッ化リチウムを含んでなる。
好ましくは、反応は、使用される固体フッ化リチウムの1〜98重量%、好ましくは2〜80重量%、特に好ましくは4〜80重量%がジフルオロリン酸リチウムに変換されるような様式で実行される。
好ましい実施形態において、a)で形成される反応混合物は、固定床または流動床が不活性気体によって掃去され、したがって、微量のフッ化水素、塩化水素または五フッ化リンが除去された後、有機溶媒と接触する。ここでは不活性気体は、慣習的な反応条件下で五フッ化リン、フッ化水素、塩化水素またはフッ化リチウムと反応しない気体を意味するものとして理解される。例は、窒素、アルゴンおよび他の貴ガスまたは二酸化炭素であり、好ましくは窒素である。
使用される有機溶媒は、好ましくは、室温で液体であり、1013hPaで300℃以下の沸点を有する有機溶媒であって、追加的に少なくとも1個の酸素原子および/または1個の窒素原子を含有するものである。
好ましい溶媒は、25℃で、水または水性比較系に基づき、20未満のpKaを有するいずれのプロトンも有さないものである。この種類の溶媒は文献中、「非プロトン」溶媒としても記載される。
そのような溶媒の例は、室温で液体のニトリル、エステル、ケトン、エーテル、酸アミドまたはスルホンである。
ニトリルの例は、アセトニトリル、プロパニトリルおよびベンゾニトリルである。
エーテルの例は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルおよびジエチルエーテル、プロパン−1,3−ジオールジメチルおよびジエチルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランである。
エステルの例は、酢酸メチル、エチルおよびブチル、あるいは炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)または炭酸プロピレン(PC)または炭酸エチレン(EC)などの有機炭酸エステルである。
スルホンの一例は、スルホランである。
ケトンの例は、アセトン、メチルエチルケトンおよびアセトフェノンである。
酸アミドの例は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、Nメチルピロリドンまたはヘキサメチルホスホラミドである。
特に好ましくは、アセトニトリル、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸プロピレン(PC)または炭酸エチレン(EC)、あるいはこれらの溶媒のうちの2種以上の混合物の使用である。特に好ましくは、炭酸ジメチルの使用である。
好ましくは、固定床反応器または流動床反応器が使用される場合、形成された反応混合物と、形成されたジフルオロリン酸リチウムの溶解のための有機溶媒との接触は、溶媒中のジフルオロリン酸リチウム含有物が一定に残存するまで、好ましくは、撹拌しながら、または循環してポンプ輸送されながら、固定床反応器または流動床反応器の反応器含有物が有機溶媒と接触するような様式で、5分〜24時間、特に好ましくは1時間〜5時間で行われる。
例えば、使用される有機溶媒と、最初に使用されるフッ化リチウムの重量比は1:5〜100:1である。
さらなる実施形態において、工程b)またはc)の後に生じる有機溶媒中のジフルオロリン酸リチウムの濃度が、0.1から溶解温度で使用される溶媒における溶解限界まで、例えば0.1〜37重量%、好ましくは0.3〜10重量%、特に好ましくは2〜10重量%であるような十分な量の有機溶媒が使用される。当業者は、例えば、国際公開第2012/004188号パンフレットから、有機溶媒中のジフルオロリン酸リチウムの異なる溶解性を認識する。
使用される有機溶媒は、それらの利用の前に、乾燥作業、特に好ましくはモレキュラーシーブ上での乾燥作業を好ましくは実施する。
有機溶媒の含水量は最小値でなければならない。一実施形態において、有機溶媒の含水量は、0〜500ppm、好ましくは0〜200ppm、特に好ましくは0〜100ppmである。
本発明による乾燥に好ましく使用されるモレキュラーシーブはゼオライトである。
ゼオライトは数多くの多形体で自然発生する結晶質アルミノケイ酸塩であるが、合成によって製造することもできる。150より多くの異なるゼオライトが合成され、48の自然発生のゼオライトが既知である。鉱物学的目的のために、天然ゼオライトは、用語「ゼオライト群」に包含される。
ゼオライトの物質群の組成は、以下の通りである:
n+ x/n[AlO (SiO]・zH
・係数nは陽イオンMの電荷であって、好ましくは1または2である。
・Mは、好ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の陽イオンである。これらの陽イオンは、負に帯電するアルミニウム四面体の電荷を調和させるために必要とされ、かつ結晶の主要格子に組み込まれず、格子の空孔に存在し、したがって、格子内も容易に移動し、その後交換も可能である。
・係数zは、どれくらいの水分子が結晶によって吸収されたかを示す。ゼオライトは、水および他の低分子量の物質を吸収することができ、それらの結晶構造が破壊することなく、加熱された時に再びそれらを放出する。
・実験式のSiO対AlOのモル比(すなわち、x/y)は、モジュラスと呼ばれる。それは、Loewenstein則のため、1未満にはなり得ない。
本発明によるモレキュラーシーブとして好ましく使用される合成ゼオライトは、以下の通りである。
Figure 2015533767
ジフルオロリン酸リチウムを含有する有機溶媒は、一般に、不溶性であるか、または著しく可溶性ではない未変換のフッ化リチウムのフラクションも含んでなり、これは工程c)において有機溶媒から分離されたものである。
好ましくは、工程c)における分離は、濾過、沈殿、遠心分離またはフローテーションによって、より好ましくは濾過によって、特に好ましくは200nm以下の平均細孔径を有するフィルターを通しての濾過によって行われる。固体を分離するさらなる手段は、当業者に既知である。
分離されたフッ化リチウムは、工程a)における使用のために、好ましくはリサイクルされる。このように、最終的に、使用されるフッ化リチウムの合計60重量%以上、好ましくは70%重量以上をジフルオロリン酸リチウムに変換することが可能である。
本研究に使用される装置を図2に記載する。図2中、記号は以下を意味する:
1 マスフローコントローラーを備えた、制御された温度における無水フッ化水素のための貯蔵器
2 三塩化リンのための貯蔵器
3 元素塩素のための貯蔵器
4 ポンプ
5 三塩化リン蒸発器
6 ステンレス鋼管
7 ステンレス鋼管
8 熱交換器
9 流動床反応器
10 スターラー
11 スクラバー
12 処理容器
少なくとも1つの熱交換器を経由して、ジフルオロリン酸リチウムを得るための五フッ化リンと最終的に水含有固体フッ化リチウムとの反応が実行される少なくとも1つの固定床反応器または流動床反応器と組み合わせて、最初に、五フッ化リンの調製のための少なくとも2つの直列接続の管状反応器、好ましくはステンレス鋼管6およびステンレス鋼管7の組み合わせを使用することが好ましい。
反応物の反応フローを一例として図2に記載するが、ここでは2つの管状反応器が用いられ、以下の通り、1つは熱交換器、1つは流動床反応器である。好ましくは30℃〜100℃まで予熱された、予熱されたフッ化水素を、好ましくは20℃〜600℃、特に好ましくは300℃〜500℃の温度で加熱されたステンレス鋼管6を通して、貯蔵器1から気体の形態で測量し、気体状三塩化リンと反応させる。気体状三塩化リンは、好ましくは100℃〜400℃、特に好ましくは200℃〜300℃の加熱された形態で、ポンプ4によって貯蔵器2から蒸発器5へと液体状態で予め移送され、それからステンレス鋼管6に移送されて、好ましくは上記温度まで加熱されたフッ化水素と混合される。得られた反応混合物をステンレス鋼管7に移送し、その中で、好ましくは20℃〜400℃まで、特に好ましくは200℃〜300℃まで加熱された、貯蔵器3からの元素塩素と混合され、反応させる。五フッ化リンを含んでなる得られた気体混合物を、熱交換器によって、好ましくは−60℃〜80℃まで、特に好ましくは−10℃〜20℃まで冷却し、流動床反応器9において、好ましくは−60℃〜150℃、好ましくは20℃〜150℃、非常に特に好ましくは−10℃〜20℃または50℃〜120℃の温度で、好ましくはスターラー10による撹拌によって、もしくは流動化によって、または2つの組み合わせによって、固体フッ化リチウムと接触させる。流動床反応器9を出た気体混合物は、スクラバー11において酸性気体が除去され、得られたハロゲン化物含有溶液は処理容器12に移送される。固体反応混合物は固定床反応器/流動床反応器9に残存し、有機溶媒と接触させることによって、その中に部分的に溶解し、得られる懸濁液は固体から分離される。
この反応において、使用されるフッ化リチウムの含水量によって、異なる量のヘキサフルオロリン酸リチウムが制御可能な量で形成することも追加的に可能である。この点で、本発明による方法は、有機溶媒中のジフルオロリン酸リチウムおよびヘキサフルオロリン酸リチウムの溶液の制御された製造のためにも適切である。ジフルオロリン酸リチウムからのヘキサフルオロリン酸リチウムの分離が所望である場合、有機溶媒中の典型的に非常に異なる溶解性を利用すること、その後の工程c2)において、例えば、工程b)において使用される溶媒におけるよりも、ジフルオロリン酸リチウムがよりやや難溶性の溶媒を使用し、したがって、ジフルオロリン酸リチウムを沈殿させることが可能である。例えば、工程b)において、アセトニトリル、ケトン、例えば、アセトン、およびエーテル、例えば、ジメトキシエタンを使用すること、例えば、炭酸ジエチル、炭酸ジメチルまたは炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンを用いて沈殿を実行することが可能である。これによって、ヘキサフルオロリン酸リチウムが溶液に残存する。当業者は、沈殿のために必要とされる量を、単純な予備実験において決定することができる。このように、ジフルオロリン酸リチウムを、従来技術の方法では入手不可能な低い外来性金属イオンの割合で得ることができる。
したがって、本発明は、無水生成物に基づき、99.9000〜99.9995重量%、好ましくは99.9500〜99.9995重量%、特に好ましくは99.9700〜99.9995重量%の純度を有するジフルオロリン酸リチウムも包含する。
ジフルオロリン酸リチウムは、好ましくは、追加的に、
1)0.1〜75ppm、好ましくは0.1〜50ppm、特に好ましくは0.5〜10ppm、特に好ましくは0.5〜5ppmの含有量のイオン型ナトリウム、および
2)0.01〜10ppm、好ましくは0.5〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmの含有量のイオン型カリウム
の外来性イオンを含有する。
フッ化リチウムは、好ましくは、追加的に、
3)0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの含有量のイオン型カルシウム、および/または
4)0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜50ppmの含有量のイオン型マグネシウム
の外来性イオンを含有する。
一実施形態において、ジフルオロリン酸リチウムは、合計300ppm以下、好ましくは20ppm以下、特に好ましくは10ppm以下の含有量の外来性金属イオンを含有する。
ジフルオロリン酸リチウムを含んでなる溶液が、電解質として、または電解質の製造のために直接使用されない場合、
d):有機溶媒の少なくとも部分的な除去
の工程が実施されてもよい。
除去が部分的である場合、ジフルオロリン酸リチウムの特異的な含有量の確立は可能である。除去が非常に実質的に完全である場合、固体の状態の高純度ジフルオロリン酸リチウムを得ることが同様に可能である。「非常に実質的に完全な」とは、本明細書中、有機溶媒の残存する含有量が、5000ppm以下、好ましくは2000ppm以下であることを意味する。
したがって、本発明は、リチウム蓄電池のための電解質の製造のため、または固体ジフルオロリン酸リチウムの調製のための、本発明に従って得られる溶液の使用にさらに関する。
また本発明は、リチウム蓄電池のためのジフルオロリン酸リチウムを含んでなる電解質の製造方法であって、少なくとも工程a)〜c)および任意選択でd)を含んでなることを特徴とする方法にさらに関する。
本発明の特定の利点は、効率的な手順、および得られるジフルオロリン酸リチウムの高純度にある。
単位「%」は、以下、重量%を意味するものとして常に理解されるべきである。
本研究に使用されるイオンクロマトグラフィーに関して、2002年3月からのTU Bergakademie Freibergからの刊行物、Faculty of Chemistry and Physics,Department of Analytical Chemistryおよびその中の引用文献が参照される。
本研究において、LiPOの濃度は、以下のパラメーターを用いて、イオンクロマトグラフによって測定された:
器具の種類:Dionex ICS 2100
カラム:IonPac(登録商標)AS20 2250−mm「Analytical Column with guard」
試料体積:1μl 溶離剤:KOH 勾配:0分/15mM、10分/15mM、13分/80mM、27分/100mM、27.1分/15mM、34分/15mM
溶離剤流速:0.25ml/分
温度:30℃
自己再生サプレッサー:ASRS(登録商標)300(2−mm)
得られたシグナルのLiPOへの割り当ては、31Pおよび19F NMR分光法によって確認した。イオンクロマトグラフィーによる他のリン/フッ素含有化合物からLiPOの分離の詳細に関しては、Lydia Terborg Sascha Nowak,Stefano Passerini,Martin Winter,Uwe Karst,Paul R.Haddad,Pavel N.Nesterenko,Analytica Chimica Acta 714(2012)121−126にも見ることができる。
実施例1:高純度フッ化リチウムの調製
図1による装置において、貯蔵器3に、最初に、500gの技術的グレード品質の固体炭酸リチウム(純度:>98重量%;Na:231ppm、K:98ppm、Mg:66ppm、Ca:239ppm)および20lの水を装填し、20℃で懸濁液を調製した。約5分後、クロスフローフィルターの形態の濾過ユニット6に懸濁液を通し、溶解された炭酸リチウムを含んでなる結果として生じた媒体、ここでは、1.32重量%の含有量を有する炭酸リチウムの水溶液を、線8を経由して反応器9に移送した。
合計4kgの媒体が反応器9にポンプ輸送された後、濾過ユニット6からの供給を停止し、反応器9において、ポンプ13、線14およびランダム充填を有するカラム15による媒体の連続的なポンプ輸送循環によって、気体空間11への気体状フッ化水素の供給を開始した。このような測定された添加は、循環してポンプ輸送される溶液のpHが7.0となった時に終了した。
反応器9からの得られた懸濁液を、ポンプ17および線18によって、ここでは加圧吸引フィルターとして設計された濾過ユニット19に移送し、濾過して、濾液、ここでは炭酸リチウムを含まない水性媒体を線20を経由して貯蔵器3に戻した。炭酸リチウムを含まない水性媒体は、約0.05重量%のフッ化リチウム含有量を有した。
上記の作業を5回繰り返した。
濾過ユニット19で分離された、なお湿潤したフッ化リチウム(全体で148g)を除去し、さらなる加圧吸引フィルターにおいて、25℃で5MΩ・cmの伝導率を有する水で3回洗浄した(それぞれ30ml)。
そのようにして得られたフッ化リチウムを、90℃および100mbarの真空乾燥キャビネットで乾燥させた。
収量:120gの微細白色粉末。
得られた生成物は、0.5ppmのカリウム含有量および2.5ppmのナトリウム含量を有し、生成物のマグネシウム含有量は99ppm、カルシウム含有量は256ppmであった。塩化物含有量は10ppm未満であった。
残留水分含有量は、500ppmの水であった。
粒径分布の測定によって、45μmのD50および22μmのD10が得られた。嵩密度は1.00g/cmであった。
50回のサイクル(繰り返し)の実行後、使用された炭酸リチウムの合計97%が、高純度フッ化リチウムの形態で得られた。
実施例2a:アセトニトリル中の高純度ジフルオロリン酸リチウムの調製(本発明)
0.6グラム/分のPClおよび等モル量の5倍より少し多いHFの混合物(両方とも気体形態)を、450℃まで加熱された長さ約6mのステンレス鋼管(内径8mm)に通過させた。8l/時間の塩素をこの反応混合物に導入し、250℃まで加熱された長さ約4mのさらなるステンレス鋼管(内径8mm)に通過させた。
反応生成物を−20℃まで冷却し、次いで、実施例1(69.5g)によるフッ化リチウムで部分的に充填された約45mmの直径を有する固定床反応器に通過させた。シリンジを用いて、500μlの水をこの粉末に添加した。反応条件下で粉末をスターラーによって撹拌した。全体の含水量は、7140ppmであることが決定された。
このフッ化リチウム充填反応器を出た気体混合物を、15重量%KOH水溶液に収集した。
約7時間の全反応時間後、試薬の測定された添加を、不活性気体の測定された添加によって置き換えて、反応気体を系から置換した。その後、反応生成物を、3Aモレキュラーシーブ上で乾燥させた合計1000mlのアセトニトリルによって3部分で洗浄し、洗浄溶液を分析した。
合計15.8gのジフルオロリン酸リチウムがアセトニトリル中の溶液の形態で得られた。反応時間を延長すること、接触時間を延長すること、反応温度を上昇させること、また含水量を増加させることによって、収量およびジフルオロリン酸リチウムとヘキサフルオロリン酸リチウムの比率をさらに向上させることができる。
この溶液は、21.52gのヘキサフルオロリン酸リチウムも含有した。
例3:アセトニトリル中のジフルオロリン酸リチウムの未遂の調製(本発明ではない)
手順は、実施例2と完全に同様であったが、フッ化リチウムに水を添加しなかったことが異なり、すなわち、フッ化リチウムは500ppmの含水量を有した。加えて、反応時間を13.5時間まで延長した。
全体として、より長い反応時間およびより高い反応気体温度にもかかわらず、80.5gのヘキサフルオロリン酸リチウムと、0.095gのみのジフルオロリン酸リチウムがアセトニトリル中の溶液の形態で得られた。

Claims (15)

  1. a)1500ppmより高い、好ましくは1550ppm以上、特に好ましくは1550ppm〜100000ppm、なおより好ましくは2000ppm〜20000ppm、非常に特に好ましくは5000ppm〜15000ppmの含水量を有する固体フッ化リチウムを、五フッ化リンを含んでなる気体と接触させる工程
    を含んでなるジフルオロリン酸リチウムの調製方法。
  2. 有機溶媒中のジフルオロリン酸リチウムの溶液を調製し、少なくとも、
    b)a)で形成されたジフルオロリン酸リチウムを含んでなる反応混合物を有機溶媒と接触させ、前記形成されたジフルオロリン酸リチウムを少なくとも部分的に溶液中に入れる工程と、
    c)任意選択で、しかしながら、好ましくは、前記ヘキサフルオロリン酸リチウムを含んでなる溶液から固体成分を分離する工程と
    がその後に行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)で使用される前記フッ化リチウムが、無水生成物に基づき、98.0000〜99.9999重量%、好ましくは99.0000〜99.9999重量%、より好ましくは99.9000〜99.9995重量%、特に好ましくは99.9500〜99.9995重量%、非常に特に好ましくは99.9700〜99.9995重量%の純度を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程a)で使用される前記フッ化リチウムが、
    ・0.1〜250ppm、好ましくは0.1〜75ppm、より好ましくは0.1〜50ppm、特に好ましくは0.5〜10ppm、非常に特に好ましくは0.5〜5ppmの含有量のイオン型ナトリウム、および
    ・0.01〜200ppm、好ましくは0.01〜10ppm、より好ましくは0.5〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmの含有量のイオン型カリウム
    の外来性イオンを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程a)で使用される前記フッ化リチウムが、
    ・0.05〜500ppm、好ましくは0.05〜300ppm、より好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの含有量のイオン型カルシウム、および/または
    ・0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜50ppmの含有量のイオン型マグネシウム
    の外来性イオンを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1で特定された含水量を含んでなる固体フッ化リチウムを、五フッ化リンを含んでなる気体と接触させる工程が固定床または流動床で実施されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 使用される前記フッ化リチウムが、少なくとも以下の工程:
    a)溶解された炭酸リチウムを含んでなる水性媒体を提供する工程と、
    b)a)で提供される前記水性媒体を気体フッ化水素と反応させて、固体フッ化リチウムの水性懸濁液を得る工程と、
    c)前記水性懸濁液から前記固体フッ化リチウムを分離する工程と、
    d)前記分離されたフッ化リチウムを乾燥させる工程と
    を含んでなる方法によって得られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記五フッ化リンを、少なくとも以下:
    1)三塩化リンをフッ化水素と反応させて、三フッ化リンおよび塩化水素を得る工程と、
    2)三フッ化リンを元素塩素と反応させて、二塩化三フッ化リンを得る工程と、
    3)二塩化三フッ化リンをフッ化水素と反応させて、五フッ化リンおよび塩化水素を得る工程
    を含んでなる方法によって、または十酸化四リンをフッ化水素と反応させることによって調製することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程a)の反応圧力が、500hPa〜5MPa、好ましくは900hPa〜1MPa、特に好ましくは1500hPa〜0.5MPaであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 使用される有機溶媒が、室温で液体であり、かつ1013hPaで300℃以下の沸点を有する有機溶媒であって、かつ追加的に少なくとも1個の酸素原子および/または1個の窒素原子を含有するものであることを特徴とする、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 使用される溶媒が、室温で液体のニトリル、エステル、ケトン、エーテル、酸アミドまたはスルホンであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 固体ジフルオロリン酸リチウムが、
    c2)ジフルオロリン酸リチウムを沈殿させるために、工程b)において使用された有機溶媒におけるよりも、ジフルオロリン酸リチウムがよりやや難溶性の有機溶媒を添加する工程によって、あるいは1工程で、
    d)前記有機溶媒を除去する工程
    によって、いずれかのその後の工程において得られることを特徴とする、請求項2〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 無水生成物に基づき、99.9000〜99.9995重量%、好ましくは99.9500〜99.9995重量%、特に好ましくは99.9700〜99.9995重量%の純度を有するジフルオロリン酸リチウム。
  14. ・0.1〜75ppm、好ましくは0.1〜50ppm、特に好ましくは0.5〜10ppm、特に好ましくは0.5〜5ppmの含有量のイオン型ナトリウム、および
    ・0.01〜10ppm、好ましくは0.5〜5ppm、特に好ましくは0.1〜1ppmの含有量のイオン型カリウム、ならびにまた好ましくは、
    ・0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜100ppmの含有量のイオン型カルシウム、および/または
    ・0.05〜300ppm、好ましくは0.1〜250ppm、特に好ましくは0.5〜50ppmの含有量のイオン型マグネシウム
    の外来性イオンを含んでなり、
    特に好ましくは、合計300ppm以下、好ましくは20ppm以下、特に好ましくは10ppm以下の含有量の外来性金属イオンを含む、請求項13に記載のジフルオロリン酸リチウム。
  15. リチウム蓄電池用のジフルオロリン酸リチウムを含んでなる電解質の製造方法において、少なくとも工程a)〜c)、ならびに任意選択でc2)および/またはd)を含んでなることを特徴とする方法。
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