JP2015501801A - クロロアルカンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

クロロアルカンの製造方法を提供する。本方法は、1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを反応させて、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンを高い位置選択性で形成することを含む。これらの実施形態において、望ましくはジクロロアルカンを利用し、これは有利にはビシナルジクロロアルカンであってよい。更に、1つの触媒のみを利用する。本方法は、塩素化剤として、気体塩素化剤、例えば塩素気体ではなく、塩化スルフリルを利用する。最後に、方法は、少なくともいくつかの従来の方法よりも低強度な処理条件を使用しており、したがって、運転コストが節約される。

Description

本発明は、クロロアルカンの製造方法、特に、トリ―、テトラ―、及びペンタクロロアルカンの製造方法に関する。
ヒドロフルオロカーボン(HFC)生成物は、冷却、空調、泡膨張を含む多くの用途、並びに医療エアロゾル装置を含むエアロゾル製品のための噴霧剤として広く利用されている。HFCは、それらが代替したクロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボン製品よりも気候に優しいことが証明されているが、現在ではかなりの地球温暖化係数(GWP)を示すことが分かっている。
現行のフルオロカーボン製品に対する、より許容できる代替品についての研究は、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)製品の出現につながった。先行品と比較して、HFOは、オゾン層への悪影響がより少ないか又は無く、HFCと比較してGWPがより低いという点において、雰囲気に与える影響がより少ないと考えられた。有利にも、HFOは、低燃焼性及び低毒性もまた示す。
HFOの環境的な、したがって経済的な重要性が高まるにつれ、それらの製造に利用される前駆体の需要が高まった。多くの望ましいHFO化合物、例えば、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンなどは、典型的に、クロロカーボン、及び特に高クロロアルカン、例えば、トリ―、テトラ―、及びペンタクロロアルカンの原料を利用して製造されることがある。
残念ながら、これらの高塩化物は、許容できる処理条件を使用し、かつ商業的に許容できる位置選択性及び収率で製造することは困難であることが分かった。例えば、トリクロロプロパンを製造する従来の方法(例えば米国特許第2,119,484号明細書、及び米国特許第4,051,182号明細書に開示されているもの)は、所望のトリクロロプロパン異性体の容認できない選択性を提供し、次善の塩素化剤を利用しており、並びに/又は高価な触媒系及び/若しくは開始剤を使用することが必要である。
したがって、冷却剤及び他の商業的な生成物を合成する原料として有用なクロロカーボン前駆体を製造する、改善された方法を提供することが望ましい。特に、そのような方法が従来の方法と比較してより高い位置選択性を提供し、最適な塩素化剤を利用し、並びに/又はより高価でない触媒系及び/若しくは開始剤を利用する場合、現行の技術水準に改善を提供する。
本発明は、クロロアルカンを製造する効率的な方法を提供する。特に、方法は、1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを利用して、高い選択性で、トリ―、テトラ、及びペンタクロロアルカンを製造する。いくつかの実施形態において、方法は、有利にも、クロロヒドリンの製造における副産物である1,2―ジクロロプロパンを、低コストの出発物質として利用する。従来の方法に必要な複数の触媒を含む触媒系の代わりにイオン性塩素化触媒としてのルイス酸を使用することによって、従来の塩素化方法よりも、方法の選択性が強化される。低強度の処理条件、例えば、低温、周囲圧力、及び最小の反応器滞留時間を利用するという点で、更なるコストの節減が提供される。
1つの側面において、本発明は、1つ以上のモノ及び/又はジクロロアルカンから、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンを製造する方法を提供する。方法は、1つのイオン性塩素化触媒の存在下で、1つ以上のモノ及び/又はジクロロアルカンを塩素化することを含む。いくつかの実施形態において、モノ及び/又はジクロロアルカンは、ビシナルジクロロアルカン、例えば、1,2―ジクロロアルカンであり、そのような実施形態では、対応するトリクロロアルカン、例えば、1,1,2―トリクロロアルカンを、少なくとも20:1、又は少なくとも30:1、又は少なくとも40:1、又は更には少なくとも50:1の位置選択性で製造することができる。いくつかの実施形態において、ジクロロアルカンは1,2―ジクロロプロパンであってよく、トリクロロアルカンは1,1,2―トリクロロプロパンであってよい。塩素化剤は、望ましくは液体であり、いくつかの実施形態において、望ましくは塩化スルフリルであってよい。イオン性塩素化触媒は、望ましくはルイス酸触媒、例えば塩化アルミニウムであり、方法は有利にも、使用することが必要な触媒は一つのそのような触媒である。方法は、望ましくは、低強度の条件下、例えば、55℃〜65℃の反応温度、周囲圧力、及び1時間以内の反応器滞留時間で行う。
本明細書は特定の定義及び方法を提供して、本発明をよりよく画定し、本発明の実施において当業者を導く。特定の用語又は句について定義を提供すること又は提供しないことは、何らかの特別な重要性があること又はないことを意味するものではない。むしろ、特に明記しない限り、用語は当業者による従来の用法に従って理解される。
本明細書において使用する用語、「第一の」、「第二の」等は、順序、量、又は重要性を意味するものではなく、1つの素子と他の要素とを区別するために用いる。また、用語「a」及び「an」は量の限定を示すものではなく、引用するものが少なくとも1つ存在することを示しており、特に明記しない限り、用語「正面」、「後部」、「底部」、及び/又は「上部」は、単に記載の便宜のために使用し、一つの位置又は空間定位に限定されるものではない。
範囲を開示する場合、同じ成分又は特性を対象とする全ての範囲のエンドポイントは、包括的であり、独立して結合可能である(例えば、「最高25質量%、又はより具体的には5質量%〜20質量%」との範囲は、エンドポイント、及び「5質量%〜25質量%」の範囲の全ての中間値等を含む)。本明細書で用いるパーセント(%)転化率とは、入力の流れに対する反応器内の反応剤のモル又は質量流量の比率の変化を示すものであり、パーセント(%)選択性とは、反応剤のモル流量の変化に対する、反応器の生成物のモル流量の比率の変化を意味する。
本明細書をとおして「一実施形態」又は「実施形態」との引用は、ある実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書をとおして様々な場所における「一実施形態において」又は「実施形態において」との句の体裁は、必ずしも同じ実施形態に関連するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性を、1つ以上の実施形態において適切な態様で組み合わせてもよい。
本明細書をとおして、「PDC」は1,2―ジクロロプロパンの略語として用いることがあり、「TCP」は1,2,3―トリクロロプロパンの略語として用いることがある。
本発明は、クロロアルカンを製造する効率的な方法を提供する。本方法は、1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカン、例えば、1,1,2―トリクロロアルカン、1,2,2,3―テトラクロロプロパン、及び/又は1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンへと、高い位置選択性で反応させることを含む。有利にも、望ましくはルイス酸触媒を含む、1つの触媒のみが必要である。更に、本方法は、塩素化剤として、気体塩素化剤、例えば塩素気体ではなく、塩化スルフリルを利用する。塩化スルフリルの使用は、気体塩素化剤よりも輸送及び利用し易いという点で有利なだけではなく、それは液体であるので、反応のための溶媒及び望ましい触媒として役立つこともできる。最後に、方法は、少なくともいくつかの従来の方法よりも低強度な処理条件を使用しており、したがって、運転コストが節約される。
本方法は、1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを利用して、所望のトリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンを製造することができる。望ましくは、クロロアルカンの少なくとも1つは、ビシナルジクロロアルカンであり、すなわち、隣り合う炭素原子上に塩素原子が存在する。ビシナルジクロロアルカンの使用は、方法によって提供される位置選択性に寄与するという点で有利である。
あらゆるアルカンを方法に利用することができ、2〜10の炭素原子、又は2〜8の炭素原子、又は2〜6の炭素原子、又は2〜5の炭素原子、又は2〜4の炭素原子、又は2〜3の炭素原子を有するアルカンが特に適切である。いくつかの実施形態において、モノ―及び/又はジクロロアルカンの1つとして、モノ―又はジクロロプロパンが挙げられ、望ましくはジクロロアルカンがビシナルである実施形態では、1,2―ジクロロプロパンが挙げられる。方法の原料としての1,2―ジクロロプロパンの使用は、多くのクロロヒドリン法の副生成物として製造されるため低コストで入手することができるので、有利である。方法において、所望により、当業者に知られている方法によって、1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを製造してもよい。
方法によって製造されるトリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンは、出発物質として使用するモノ―及び/又はジクロロアルカンに依存し、いくつかの実施形態において、トリクロロエタン、トリクロロプロパン、及びトリクロロブタンの商業的な重要性のため、モノ及び/又はジクロロエタン、モノ及び/又はジクロロプロパン、並びにモノ及び/又はジクロロブタンの1つ以上を出発物質として使用することが好ましいことがある。いくつかの実施形態において、1,2―ジクロロプロパンを出発物質として利用して、高い選択性で1,1,2―トリクロロプロパンを製造し、モノクロロプロパンと1,2―ジクロロプロパンとの組合せを出発物質として利用して、1,2,2,3―テトラクロロプロパン、及び/又は1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンを製造する。
1つ以上のクロロアルカンは、液体塩素化剤、例えば塩化スルフリルを用いて有利に塩素化される。液体は気体塩素化剤よりも輸送及び/又は扱いが容易であるため、液体塩素化剤の使用は、気体塩素化剤、例えば塩素気体の使用に比べて有利である。塩素気体は、特に安全上の危険性を示すことがある。液体塩素化剤、特に塩化スルフリル(SOCl)は、許容できる反応速度及び/又は収率を提供するのに役立つ、特定の触媒系及び/又は反応のための溶媒として機能することもできる。また、いくつかの実施形態において、塩化スルフリルを塩素化剤として望ましく使用してもよい。
イオン性塩素化触媒としてルイス酸を用いることによって、方法の特性は更に強化される。驚くべきことに、例えば、アルカンの塩素化のための多触媒系の成分として知られている無水塩化アルミニウムは、単独で使用すると、所望のトリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカン、例えば、1,1,2―トリクロロアルカン、1,2,2,3―テトラクロロプロパン、及び/又は1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンの高度な選択性を提供することに役立つということを見いだした。より詳細には、塩化アルミニウムは、従来、少なくとも1つの他の触媒、多くの場合ヨウ素、及び/又は塩化鉄と共に、多くの場合更なる開始剤、例えば紫外線光を使用することが必要な、フリーラジカル開始剤系の成分として利用されてきた。これに対して、本発明者は、イオン性塩素化触媒として、及び塩素化剤としての塩化スルフリルと組み合わせて、塩化アルミニウムを用いて、いくつかの実施形態においてビシナルジクロロアルカンを含む1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンを、対応する1,1,2―トリクロロアルカン、1,2,2,3―テトラクロロプロパン、及び/又は1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンへと、他のトリ―、テトラ―、及びペンタクロロアルカン生成物に対して10超:1、又は20超:1、又は30超:1、又は40以上:1もの位置選択性で変換することができるということを見いだした。
一般的に、反応処理条件にいくらかの改善(例えば必要な温度の低下)、及び望ましくは反応選択性を提供するためには、十分な量の触媒を利用するべきであるが、経済的実用性の理由により、更なる利点を提供する量よりも多く利用するべきではない。説明のみを目的とするが、無水塩化アルミニウムの有用な濃度は、一つ以上のモノ及び/又はジクロロアルカンのそれぞれに関して0.01質量%〜20質量%、又は0.1質量%〜10質量%、又は1質量%〜5質量%、これらの間の全てのサブレンジを含む範囲にわたると考えられる。
方法を実施する反応条件は、有利には低強度である。すなわち、低温、例えば100℃未満、又は90℃未満、又は80℃未満、又は70℃未満、又は60℃未満、又は50℃未満、又は40℃の低温でさえ利用してもよく、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンに対する所望の選択性がなお実現される。いくつかの実施形態において、40℃〜70℃、又は55℃〜65℃の温度を利用してもよい。同様に、周囲圧力は方法の実施に適しており、又は周囲圧力の250psi(1724kPa)以内、又は200psi(1379kPa)以内、又は150psi(1034kPa)以内、又は100psi(689kPa)以内、又は50psi(345kPa)以内、又は40psi(276kPa)以内、又は30psi(207kPa)以内、又は20psi(138kPa)以内、又は10psi(69kPa)以内の圧力でさえも適切である。所望の選択性とともに、反応器での滞在を最小化してもよく、例えば、20時間未満、又は15時間未満、又は10時間未満、又は5時間未満、又は4、3、2、又は1時間未満の反応器滞在時間でさえ可能であることが分かった。反応器は、適切な液相反応器、例えば、内部冷却コイルを有するバッチ式又は連続式撹拌タンクオートクレーブ反応器であってよい。シェルアンドマルチチューブ熱交換器、これに続く気液分離タンク又は容器を使用することもできる。
1つの例示的な方法では、55℃〜65℃の温度、周囲圧力、及び1時間未満の反応器滞在時間で、塩化アルミニウムの存在下、1,2―ジクロロプロパンと塩化スルフリルとを反応させることによって、1,2―ジクロロプロパンを1,1,2―トリクロロプロパンへと、他のトリクロロアルカン生成物に対して例えば40:1の選択性で変換する。
他の例示的な方法では、55℃〜65℃の温度、周囲圧力、及び24〜48時間の反応器滞在時間で、塩化アルミニウムの存在下、モノクロロプロパンと塩化スルフリルとを反応させることによって、モノクロロプロパンを1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンへと、他のトリクロロアルカン生成物に対して例えば40:1の選択性で変換する。
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の例に詳細に記載する。
例1.触媒として塩化アルミニウム、及び塩素化剤として塩化スルフリルを使用した、PDCからTCPへのイオン性塩素化。
水浴中で加熱して温度55℃〜60℃に維持した100mLフラスコ内で、塩化アルミニウム(AlCl)触媒の存在下、液体塩化スルフリルとPDC(1,2―ジクロロプロパン)とを混合した。還流塔を設置して、未反応の反応剤及び反応中間体の1―クロロプロペンを反応液へと戻しつつ、HCl及びSO副生成物を還流塔の上部の苛性スクラバーへと放出した。質量分析装置に連結したガスクロマトグラフィーを使用して、生成物の組成を決定した。
40mol%のAlClで30分の反応時間の後、生成物混合物は、モル比40対1で、1,1,2―トリクロロプロパン及び1,2,3―トリクロロプロパンであることがわかった。
例2―比較.触媒として塩化アルミニウム、及び塩素化剤として塩素気体を使用した、PDCからTCPへの塩素化。
水浴で加熱して温度55℃〜60℃に維持した100mLフラスコ内で、AlCl触媒の存在下、液体PDCと不活性溶媒である四塩化炭素とを混合した。還流塔を設置して未反応の反応剤を戻した。気体塩素を液相内へと泡立てた。質量分析装置に連結したガスクロマトグラフィーを使用して、生成物の組成を決定した。
10mol%のAlClで60分の反応時間の後、生成物混合物は、モル比8対1で、1,1,2―トリクロロプロパン及び1,2,3―トリクロロプロパンであることが分かった。
例3―比較.触媒として塩化アルミニウム及びヨウ素、並びに塩素化剤として塩化スルフリルを使用した、PDCからTCPへの塩素化。
水浴中で加熱して温度55℃〜60℃に維持した100mLフラスコ内で、AlCl及びI触媒の存在下、液体塩化スルフリルとPDCとを混合した。還流塔を設置して未反応の反応剤を戻した。気体塩素を液相内へと泡立てた。質量分析装置に連結したガスクロマトグラフィーを使用して、生成物の組成を決定した。
1.2mol%のAlCl及び0.3mol%のIで180分の反応時間の後、生成物混合物は、モル比4対1で、1,1,2―トリクロロプロパン及び1,2,3―トリクロロプロパンであることが分かった。
例4.触媒として塩化アルミニウム、及び塩素化剤として塩化スルフリルを使用した、モノクロロプロパンからTPCへのイオン性塩素化。
水浴中で加熱して温度55℃〜60℃に維持した100mLフラスコ内で、AlCl触媒の存在下、液体塩化スルフリルと2―クロロプロパンとを混合した。還流塔を設置して、未反応の反応剤及び反応中間体を反応液へと戻しつつ、HCl及びSO副生成物を還流塔の上部の苛性スクラバーへと放出した。質量分析装置に連結したガスクロマトグラフィーを使用して、生成物の組成を決定した。
40mol%のAlClで120分の反応時間の後、生成物混合物は、モル比40対1で、1,1,2―トリクロロプロパン及び1,2,3―トリクロロプロパンであることが分かった。
例5.触媒として塩化アルミニウム、及び塩素化剤として塩化スルフリルを使用した、PDCから1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンへのイオン性塩素化。
水浴中で加熱して温度55℃〜60℃に維持した100mLフラスコ内で、AlCl触媒の存在下、液体塩化スルフリルとPDCとを混合した。還流塔を設置して、未反応の反応剤及び反応中間体を反応液へと戻しつつ、HCl及びSO副生成物を還流塔の上部の苛性スクラバーへと放出した。質量分析装置に連結したガスクロマトグラフィーを使用して、生成物の組成を決定した。
40mol%のAlClで17時間の反応時間の後、生成物混合物は、唯一のペンタクロロプロパンとしての1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンであることが分かった。
40mol%のAlClで17時間の反応時間の後、生成物混合物は、唯一のペンタクロロプロパンとしての1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンであることが分かった。以下、本発明の実施形態を列記する。
〈1〉1つ以上のモノ及び/又はジクロロアルカンから、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンを製造する方法であって、1つのイオン性塩素化触媒の存在下、上記モノ及び/又はジクロロアルカンを塩素化することを含んでおり、塩素化剤が塩化スルフリルを含む、方法。
〈2〉上記1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンの少なくとも1つが、ビシナルジクロロアルカンを含む、項目1に記載の方法。
〈3〉上記ジクロロアルカンが、1,2―ジクロロプロパンを含む、項目1又は2に記載の方法。
〈4〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2―トリクロロアルカンを含む、項目3に記載の方法。
〈5〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2―トリクロロプロパンを含む、項目4に記載の方法。
〈6〉1,1,2―トリクロロプロパンに対する方法の選択性が、少なくとも20:1である、項目5に記載の方法。
〈7〉1,1,2―トリクロロプロパンに対する方法の選択性が、少なくとも40:1である、項目6に記載の方法。
〈8〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,2,2,3―テトラクロロアルカンを含む、項目3に記載の方法。
〈9〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,2,2,3―テトラクロロプロパンを含む、項目8に記載の方法。
〈10〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2,2,3―ペンタクロロアルカンを含む、項目3に記載の方法。
〈11〉上記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンを含む、項目10に記載の方法。
〈12〉イオン性塩素化触媒がAlCl を含む、項目1に記載の方法。
〈13〉方法を40℃〜70℃の温度で行う、項目1に記載の方法。
〈14〉方法を周囲圧力で行う、項目1に記載の方法。
〈15〉方法を液相反応器で行い、反応器滞留時間が1時間未満である、項目1に記載の方法。

Claims (15)

  1. 1つ以上のモノ及び/又はジクロロアルカンから、トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンを製造する方法であって、1つのイオン性塩素化触媒の存在下、前記モノ及び/又はジクロロアルカンを塩素化することを含んでおり、塩素化剤が塩化スルフリルを含む、方法。
  2. 前記1つ以上のモノ―及び/又はジクロロアルカンの少なくとも1つが、ビシナルジクロロアルカンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジクロロアルカンが、1,2―ジクロロプロパンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2―トリクロロアルカンを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2―トリクロロプロパンを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 1,1,2―トリクロロプロパンに対する方法の選択性が、少なくとも20:1である、請求項5に記載の方法。
  7. 1,1,2―トリクロロプロパンに対する方法の選択性が、少なくとも40:1である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,2,2,3―テトラクロロアルカンを含む、請求項3に記載の方法。
  9. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,2,2,3―テトラクロロプロパンを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2,2,3―ペンタクロロアルカンを含む、請求項3に記載の方法。
  11. 前記トリ―、テトラ―、及び/又はペンタクロロアルカンが、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンを含む、請求項10に記載の方法。
  12. イオン性塩素化触媒がAlClを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 方法を40℃〜70℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  14. 方法を周囲圧力で行う、請求項1に記載の方法。
  15. 方法を液相反応器で行い、反応器滞留時間が1時間未満である、請求項1に記載の方法。
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