JP5582036B2 - 1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)は、温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる新冷媒として、近年期待されている2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の合成原料として有用な化合物である。なお、本明細書においてハロゲン化炭化水素については化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に替えてその略称を用いることもある。
この様な1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を製造する方法としては、これまでに、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を製造原料として、これを相間移動触媒存在下にアルカリ水溶液で、または、クロム、鉄、銅、活性炭等の触媒存在下に気相反応で、脱フッ化水素させる方法が知られている(特許文献1参照)。
ここで、上記方法で製造原料として用いられる1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)は、通常1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225cb)や、2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225aa)、その他のジクロロペンタフルオロプロパン異性体との混合物として製造される(特許文献2、非特許文献1参照)ため、この異性体混合物から分離精製されたものが上記製造方法に原料として用いられていた。
しかしながら、上記ジクロロペンタフルオロプロパンの異性体においてはそれぞれの沸点が近いことから、通常の分離精製技術(蒸留等)では分離精製が困難であり、純度の高い1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を工業的な規模で製造するには多段の蒸留等が必要とされている。
この様に、製造原料の調製等を含めて製造を総合的に捉えると、上記従来の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)の製造方法は、簡便で経済的な製造方法とは言い難かった。
特許第3778298号公報 米国特許第5157171号明細書
「Fluorine Chemistry Reviews, Vol. 8」、P39-71、Paul Tarrant編、MARCEL DEKKER, INC.出版、1967年発行
本発明は、上記観点からなされたものであり、異性体混合物として得られる原料成分、すなわち1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)の精製を必要としない、簡便で経済的な1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)の製造方法およびこれにより得られる前記生成物から2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を含むジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)の異性体混合物を、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、前記混合物中の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)のみを選択的に脱フッ化水素させることを特徴とする1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記方法により1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を製造して該化合物を触媒存在下、水素と反応させることで、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を製造する方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、異性体混合物として得られる原料成分、すなわち1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)の精製を必要とせず、簡便で経済的に1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を製造することが可能である。また、この方法で得られた1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を用いることで、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を経済的に製造することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)の製造方法は、原料成分として、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)を含むジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)の異性体混合物を用い、これを、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、前記混合物中の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)のみを選択的に脱フッ化水素させることを特徴とするものである。
まず、前記原料成分として用いられる1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClCFCF、HCFC−225ca)を含むジクロロペンタフルオロプロパン(CHCl、HCFC−225)の異性体混合物について説明する。
本発明に用いる前記HCFC−225の異性体混合物は、HCFC−225caを含有するHCFC−225異性体の混合物、言い換えれば、HCFC−225caとHCFC−225ca以外の少なくとも1種のHCFC−225異性体を含む、HCFC−225異性体混合物である。
上記HCFC−225ca以外に前記異性体混合物に含まれるHCFC−225の異性体としては、特に制限されるものではないが、具体的には、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClFCFCClF、HCFC−225cb)、2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClCF、HCFC−225aa)、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHClFCClFCF、HCFC−225ba)および2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClFCClF、HCFC−225bb)等を挙げることができる。本発明に用いられるHCFC−225の異性体混合物は、これらの1種または2種以上と、HCFC−225caとで構成されるものである。
本発明に用いるHCFC−225の異性体混合物中の、HCFC−225caの含有割合は、特に制限されるものではないが、反応器効率の観点から10モル%以上であることが好ましい。一方、異性体混合物として得られるHCFC−225の工業製品から、HCFC−225caを分離精製する効率を鑑みると、前記HCFC−225の異性体混合物中の、HCFC−225caの含有割合は99.5モル%以下であることが好ましい。
また、本発明のCFO−1214yaの製造方法おいては、この様なHCFC−225caを含有するHCFC−225の異性体混合物として、以下のようにして得られるHCFC−225異性体混合物を用いることが可能である。
まず、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)は、通常、以下の反応式(1)に示す通り、テトラフルオロエチレンとジクロロフルオロメタンを触媒の存在下で反応させることにより製造されるが、この反応で得られるHCFC−225は、単一の構造を有する化合物として生成されることはなく、2種以上の異性体混合物として生成される。
[HCFC−225(異性体混合物)の生成反応]
CF=CF + CHClF → CHCl(HCFC−225) … (1)
上記反応式(1)で示される反応で得られるジクロロペンタフルオロプロパン(CHCl、HCFC−225)の異性体混合物について、これを構成する異性体の種類や割合は、反応条件、特に用いる触媒の種類によって異なるが、該HCFC−225の異性体混合物は、殆どの場合、HCFC−225caを含むものであり、本発明の製造方法に用いることが可能な異性体混合物である。
より具体的には、例えば、上記反応式(1)で示される反応のうち、一般に広く行われている塩化アルミニウムを触媒として用いる反応では、得られるHCFC−225の異性体混合物は、主にHCFC−225caとHCFC−225cbを反応生成物として含有するものであり、他に、HCFC−225aa、HCFC−225bb等が少量含まれる異性体混合物であって本発明の原料成分として使用可能である。
また、トリクロロフルオロメタン等で処理された変性塩化アルミニウムを触媒として使用して、上記反応式(1)の反応を行い(米国特許第5157171号明細書参照)、得られる、主にHCFC−225ca、HCFC−225cb、およびHCFC−225aaを、また、少量成分としてHCFC−225bb、HCFC−225ba等を反応生成物として含有するHCFC−225の異性体混合物を本発明の原料成分として用いることも可能である。
さらに、ルイス酸触媒、例えば、Al、Sb、Nb、Ta、W、Re、B、Sn、Ga、In、Zr、HfおよびTiからなる群から選ばれる少なくとも1個の元素を含むハロゲン化物等を触媒として使用して、上記反応式(1)の反応を行い(特公平7−98761号公報参照)、これにより得られる、主にHCFC−225caおよびHCFC−225cbを、また、少量成分としてHCFC−225aa、HCFC−225bb等を反応生成物として含有するHCFC−225の異性体混合物を本発明の原料成分として用いることも可能である。
本発明のCFO−1214yaの製造方法に原料成分として用いるHCFC−225の異性体混合物としては、HCFC−225caを含有する異性体混合物であれば、上記反応式(1)に示される以外の反応経路で得られるHCFC−225異性体混合物を用いることも可能である。
例えば、HCFC−225の異性体の1種を、または2種以上のHCFC−225の異性体混合物を触媒反応により異性化して、別の種類、組成のHCFC−225異性体混合物としたもの(米国特許第5157171号明細書参照)を、その異性体混合物がHCFC−225caを含有する限りにおいて用いることも可能である。
この様にして、本発明の製造方法に原料成分として用いるHCFC−225caを含有するHCFC−225の異性体混合物が生成されるが、本発明の製造方法においては、上記各方法において得られる反応組成物から、HCFC−225caを含むHCFC−225を異性体混合物のかたちで分離精製して用いることが好ましい。
なお、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)は、特定の異性体として分離精製をする必要がない使用分野・用途、例えば、洗浄剤、希釈溶剤等としての用途に用いられる場合には、HCFC−225異性体混合物の状態で一般に広く使用されており、市販品もあるので、これを本発明に用いることも可能である。
この様にジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)の異性体混合物として、市販されているものとしては、アサヒクリンAK−225(旭硝子社製、商品名、HCFC−225caを48モル%およびHCFC−225cbを52モル%含有)等が挙げられる。
ここで、本発明のCFO−1214yaの製造方法においては、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、前記HCFC−225の異性体混合物とそれ以外の有機化合物を含有する反応原料組成物を用いて以下に説明する脱フッ化水素反応を実施することも可能である。前記反応原料組成物に、前記HCFC−225の異性体混合物以外に含有していてもよい有機化合物として具体的には、クロロホルム、クロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1,3−トリクロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパン等が挙げられ、その含有量は反応原料組成物全量に対して10質量%未満であることが好ましい。
本発明の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)の製造方法は、下記反応式(2)に示されるように、上記説明したHCFC−225caを含有するHCFC−225の異性体混合物を原料成分として用い、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、前記混合物中の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)のみを選択的に脱フッ化水素させることを特徴とするものである。
[CFO−1214yaの生成反応]
CFCFCHCl(HCFC−225ca)+ nHCFC−225X → CFCF=CCl(CFO−1214ya) + HF + nHCFC−225X … (2)
(ただし、反応式(2)中、HCFC−225Xは、HCFC−225ca以外のHCFC−225異性体の1種または2種以上を表す。nは、原料HCFC−225異性体混合物中のHCFC−225ca、1モルに対する、HCFC−225Xのモル数を示し、0より大きい数字である。上記によれば、nは、好ましくは0.005〜9である。)
なお、HCFC−225caのみが選択的に脱フッ化水素される、上記反応式(2)に示される反応においては、HCFC−225caが脱フッ化水素される反応量と比較して微量であれば、HCFC−225Xが脱フッ化水素反応を起こしてCFO−1214yaの異性体(CCl)を生成する反応を含んでいてもよく、以下、本明細書においては、このような微量のHCFC−225Xが脱フッ化水素する反応を、反応式(2)の反応が含むものとして、説明するものである。なお、上記「微量」とは、例えば、原料HCFC−225異性体混合物中のHCFC−225Xの1モルについて、脱フッ化水素する反応量が概ね0.01モル未満の場合をいい、好ましくは、反応量は0モルであるが、実際は異性体混合物中に含まれるHCFC−225Xの存在割合によって決まる。
上記反応式(2)に示される脱フッ化水素反応に用いるアルカリ水溶液としては、前記脱フッ化水素反応が実行可能な塩基性化合物の水溶液であれば、特に限定されないが、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等の無機の塩基性化合物や、アミン等の有機の塩基性化合物、アルカリ金属アルコキサイド等の水溶液により実施可能であるが、経済性の点から無機の塩基性化合物の水溶液を用いることが好ましく、反応活性、選択性の点から水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水溶液を用いることがより好ましい。
上記脱フッ化水素反応に用いるアルカリ水溶液の濃度としては、特に限定されないが、本発明においては、溶質の溶液に対する質量%として、0.5質量%〜40質量%とすることが、原料HCFC−225異性体混合物中のHCFC−225caをより選択的に脱フッ化水素反応させる点から好ましく、5質量%〜40質量%とすることがより好ましい。前記アルカリ水溶液濃度が、0.5質量%未満では、反応器の容器効率が十分に得られない場合があり、また、40質量%を超えると、HCFC−225ca以外の異性体の脱ハロゲン化水素反応が促進されることがある。
また、上記反応式(2)で示される脱フッ化水素反応に用いるアルカリ水溶液の量は、前記脱フッ化水素反応が実行可能な量であれば特に制限されないが、反応に用いるHCFC−225caの量に対して、0.5〜1.5モル当量のアルカリ量となるように調整されることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.3モル当量のアルカリ量である。
上記反応式(2)に示される脱フッ化水素反応においては、反応に係るHCFC−225異性体混合物とこれに作用する前記アルカリ水溶液は相溶性がないため、両者の接触を効率的に実施するために本発明の製造方法においては、水にも非水溶性の有機溶媒にも可溶な相間移動触媒を用いて反応を行うものである。
本発明において上記反応式(2)で示す脱フッ化水素反応に用いる、相間移動触媒としては、一般的に用いられる相間移動触媒を特に制限なく挙げることができる。このような相間移動触媒として、具体的には、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第4級アルソニウム塩、スルホニウム塩、クラウンエーテル等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩として、具体的には、下記一般式(i)で表される化合物(以下、必要に応じて、化合物(i)という。)が挙げられる。
Figure 0005582036
(ただし、一般式(i)中、R11〜R14は、それぞれ独立して炭化水素基を表し、Yは、陰イオンを表す。)
なお、上記一般式(i)において、炭化水素基を表すR11〜R14は、より具体的には、以下の特性を有する基である。
11〜R14としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
11〜R14の炭素数は、R11121314の1分子あたりの合計炭素数として、4〜100が好ましい。
11〜R14は、それぞれ同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
11〜R14は、反応条件下に不活性な官能基で置換されていてもよい。該不活性な官能基としては、反応条件に応じて異なるが、ハロゲン原子、エステル基、ニトリル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
11〜R14は、互いに連結して、含窒素複素環等の複素環を形成していてもよい。
11〜R14は、高分子化合物の一部であってもよい。
このようなR11〜R14を有する第4級アンモニウムイオンR11121314として具体的には、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−n−オクチルメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリメチルアンモニウムイオン、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン、セチルベンジルジメチルアンモニウムイオン、セチルピリジニウムイオン、n−ドデシルピリジニウムイオン、フェニルトリメチルアンモニウムイオン、フェニルトリエチルアンモニウムイオン、N−ベンジルピコリニウムイオン、ペンタメトニウムイオン、ヘキサメトニウムイオン等が挙げられる。
また、上記一般式(i)において、陰イオンを表すYとして具体的には、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸水素イオン、水酸イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等が挙げられ、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸水素イオンまたは水酸イオンが好ましい。
ここで、化合物(i)としては、化合物(i)の汎用性および反応性の点から、下記R11121314と、下記Yとの組み合わせが好ましい。
11121314:テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオンまたはトリ−n−オクチルメチルアンモニウムイオン。
:フッ素イオン、塩素イオンまたは臭素イオン。
上記第4級ホスホニウム塩として、具体的には、下記一般式(ii)で表される化合物(以下、必要に応じて、化合物(ii)という。)が挙げられる。
Figure 0005582036
(ただし、一般式(ii)中、R21〜R24は、それぞれ独立して炭化水素基を表し、Yは、陰イオンを表す。)
なお、上記一般式(ii)において、炭化水素基を表すR21〜R24は、より具体的には、以下の特性を有する基である。
21〜R24としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
21〜R24の炭素数は、R21222324の1分子あたりの合計炭素数として、4〜100が好ましい。
21〜R24は、それぞれ同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
21〜R24は、反応条件下に不活性な官能基で置換されていてもよい。該不活性な官能基としては、反応条件に応じて異なるが、ハロゲン原子、エステル基、ニトリル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
このようなR21〜R24を有する第4級ホスホニウムイオンR21222324として具体的には、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラ−n−ブチルホスホニウムイオン、トリ−n−オクチルエチルホスホニウムイオン、セチルトリエチルホスホニウムイオン、セチルトリ−n−ブチルホスホニウムイオン、n−ブチルトリフェニルホスホニウムイオン、n−アミルトリフェニルホスホニウムイオン、メチルトリフェニルホスホニウムイオン、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン等が挙げられる。
また、上記一般式(ii)において、陰イオンを表すYとして具体的には、塩素イオン、フッ素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸水素イオン、水酸イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等が挙げられ、フッ素イオン、塩素イオンまたは臭素イオンが好ましい。
上記第4級アルソニウム塩として、具体的には、下記一般式(iii)で表される化合物(以下、必要に応じて、化合物(iii)という。)が挙げられる。
Figure 0005582036
(ただし、上記式(iii)中、R31〜R34は、それぞれ独立して炭化水素基を表し、Yは、陰イオンを表す。)
なお、上記一般式(iii)において、炭化水素基を表すR31〜R34は、より具体的には、以下の特性を有する基である。
31〜R34としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
31〜R34の炭素数は、R31323334Asの1分子あたりの合計炭素数として、4〜100が好ましい。
31〜R34は、それぞれ同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
31〜R34は、反応条件下に不活性な官能基で置換されていてもよい。該不活性な官能基としては、反応条件に応じて異なるが、ハロゲン原子、エステル基、ニトリル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
また、上記一般式(iii)において、陰イオンを表すYとしては、各種陰イオンが挙げられ、ハロゲンイオンが好ましく、フッ素イオン、塩素イオンまたは臭素イオンがより好ましい。
このようなR31〜R34を有する第4級アルソニウムイオンおよびYからなる上記化合物(iii)として具体的には、トリフェニルメチルアルソニウムフロライド、テトラフェニルアルソニウムフロライド、トリフェニルメチルアルソニウムクロライド、テトラフェニルアルソニウムクロライド、テトラフェニルアルソニウムブロマイド、これらの高分子誘導体等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、下記一般式(iv)で表される化合物(以下、必要に応じて、化合物(iv)という。)が挙げられる。
Figure 0005582036
(ただし、上記式(iv)中、R41〜R43は、それぞれ独立して炭化水素基を表し、Yは、陰イオンを表す。)
なお、上記一般式(iv)において、炭化水素基を表すR41〜R43は、より具体的には、以下の特性を有する基である。
41〜R43としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基、またはアリール基が好ましい。
41〜R43の炭素数は、R414243の1分子あたりの合計炭素数として、4〜100が好ましい。
41〜R43は、それぞれ同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。
41〜R43は、反応条件下に不活性な官能基で置換されていてもよい。該不活性な官能基としては、反応条件に応じて異なるが、ハロゲン原子、エステル基、ニトリル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシル基等が挙げられる。
41〜R43は、互いに連結して、含窒素複素環等の複素環を形成していてもよい。
41〜R43は、高分子化合物の一部であってもよい。
また、上記一般式(iv)において、陰イオンを示すYとしては、各種陰イオンが挙げられ、ハロゲンイオンが好ましい。
このようなR41〜R43を有するスルホニウムイオンおよびYからなる上記化合物(iv)として、具体的には、ジ−n−ブチルメチルスルホニウムアイオダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジヘキシルメチルスルホニウムアイオダイド、ジシクロヘキシルメチルスルホニウムアイオダイド、ドデシルメチルエチルスルホニウムクロライド、トリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート等が挙げられる。
上記クラウンエーテルとして具体的には、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等が挙げられる。
本発明において上記反応式(2)で示す脱フッ化水素反応に用いる上記相間移動触媒の量は、原料HCFC−225異性体混合物の質量に対して、0.001〜5質量%となる量が好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%である。
上記反応式(2)に示す脱フッ化水素反応は具体的には、HCFC−225caとHCFC−225ca以外の少なくとも1種のHCFC−225異性体を含む、HCFC−225異性体混合物を主成分とする反応原料組成物と、上記説明したアルカリ水溶液と、相間移動触媒を上記に説明した割合で反応器に導入し、これらが十分に接触するように一般的な手段によって攪拌等を行うことで実施される。ここで、アルカリ水溶液は、必要に応じて塩基性化合物と水のかたちで上記反応器に導入することも可能である。
上記脱フッ化水素反応における反応温度は特に限定されないが、本発明の製造方法においては、反応活性及び目的物の選択性の観点から、0〜80℃が好ましい。なお、反応温度は反応時の反応容器の圧力状態により適宜調節される。例えば、常圧で上記脱フッ化水素反応を実施する場合には、0〜60℃の範囲で実施することが好ましく、HCFC−225異性体混合物中のHCFC−225caをより選択的に脱フッ化水素する観点から、30〜60℃の範囲で実施されることがより好ましい。また、上記脱フッ化水素反応を加圧反応容器中で実施することも可能であり、その場合は、反応速度の観点での好ましい条件として98,000〜20,0000Pa、50〜80℃が挙げられる。
しかしながら、本反応では前述した混合物として含まれるHCFC−225Xの脱HF反応により副生する化合物由来の副生物生成の観点からは、0〜25℃の温度領域で反応を実施することが最も好ましい。
この様にしてHCFC−225異性体混合物中のHCFC−225caが選択的に脱フッ化水素反応して、CFO−1214yaが生成されるが、この反応は、バッチ式、連続流通式のどちらでも可能であり、反応時間は各様式により一般的な方法で適宜調整することができる。また、この反応が実施される反応器の材質としては、通常のもの、例えば、ガラス、鉄、ニッケルあるいはこれらを主成分とする合金等を挙げることができる。
本発明の製造方法によれば、上記反応式(2)による脱フッ化水素反応の終了後、反応液は、放置することで自然に有機相と水相に分離する。前記有機相には、HCFC−225caからの反応生成物である1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)と、脱フッ化水素反応に供しなかったHCFC−225ca以外のHCFC−225異性体の1種または2種以上が含まれる。また、上に説明したとおり反応条件等によっては、HCFC−225ca以外のHCFC−225異性体が僅かに脱フッ化水素反応した、微量のCFO−1214yaの異性体、例えば、HCFC−225cb(1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、CHClFCFCClF)が脱フッ化水素反応した1,3−ジクロロ−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(CClFCF=CClF)等が上記有機相に含まれる場合がある。この有機相に僅かに存在するCFO−1214yaの異性体の量は、上記説明したとおりの微量であり、CFO−1214yaを使用したHFO−1234yfへの変換反応および返還後の冷媒としての使用等に影響を与えない程度の量といえる。この量は、CFO−1214yaを水素還元してHFO−1234yfを合成する工程における反応条件等により影響を受けるが、1000ppm以下であることが好ましい。
ここで、前記有機相中のCFO−1214yaと、HCFC−225ca以外のHCFC−225の各種異性体との沸点差は、約10℃と、例えば一般的な蒸留等による分離精製が可能な範囲であり、したがって、有機相中のCFO−1214yaは、通常の方法で容易に分離精製されて、各種用途に使用可能となる。
また、前記有機相から得られる脱フッ化水素反応に供しなかったHCFC−225ca以外のHCFC−225異性体または異性体混合物を、これらの異性体の種類にもよるが、例えば、上記に触れた通り触媒反応により異性化する(米国特許第5157171号明細書参照)ことで、HCFC−225caを含有するHCFC−225異性体混合物とすることができれば、これを本発明によるCFO−1214yaの製造方法に用いることが可能である。
一方、上記反応式(2)による脱フッ化水素反応の終了後、上記有機相と分離した水相は、これだけ取り出して再度適当な濃度となるようにアルカリを加えれば、再利用が可能である。
次に、上記本発明の製造方法により得られた1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を出発物質として2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)を製造する本発明のHFO−1234yfの製造方法について説明する。
上記で得られたCFO−1214yaを用いてHFO−1234yfを製造するには、下記反応式(3)に示すように、触媒の存在下でCFO−1214yaに水素を反応させればよい。
[HFO−1234yfの生成反応]
CFCF=CCl(CFO−1214ya) + 2H → CFCF=CH(HFO−1234yf) + 2HCl … (3)
上記反応式(3)で示されるHFO−1234yfの生成反応に用いられる水素の量として、具体的には、CFO−1214yaの1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜5モル、さらに好ましくは0.5〜3モルが挙げられる。水素の量がCFO−1214yaの1モルに対して0.5モル以上である場合は特に収率が高く、触媒劣化も起こりにくい。また、3モル以下である場合は、目的物の還元や水素添加反応などの副反応が起こりにくいため、より収率が高い。
また、上記反応式(3)で示されるHFO−1234yfの生成反応に用いる触媒としては、パラジウムを担体に担持させた触媒または、パラジウムを主成分とし、これにパラジウム以外の第10族元素、第8族元素、第9族元素および金から選ばれる少なくとも1種を添加した金属混合物を、担体に担持させた触媒が挙げられる。上記パラジウム以外の第10族元素、第8族元素および第9族元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、または白金が挙げられる。また、パラジウムに添加する、パラジウム以外の金属の量としては、パラジウム100重量部に対して、0.01〜50重量部が好ましい。なお、パラジウムに他の金属を添加した複合触媒は、パラジウム単独のものよりも触媒耐久性が高くなる効果がある。
上記パラジウムまたはこれを主成分とする金属混合物を担持させる担体としては、活性炭や、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの金属酸化物等を用いることができる。これらのうちでも、活性、耐久性、反応選択性の観点から活性炭が好ましく用いられる。活性炭としては、木材、木炭、果実ガラ、ヤシガラ、泥炭、亜炭、石炭などの原料から調製したものを使用しうるが、鉱物質原料よりも植物原料から得られたものが好ましく、特にヤシガラ活性炭が最適である。担体形状としては、長さ2〜5mm程度の成形炭、約4〜50メッシュ程度の破砕炭、粒状炭等を用いることができるが、4〜20メッシュの破砕炭、または成形炭が好ましい。
上記反応式(3)で示されるHFO−1234yfの生成反応は、130〜250℃の温度、好ましくは150〜200℃の温度下で、触媒を充填した反応器中を、加熱しガス状にしたCFO−1214yaと水素とを通過させて、触媒と接触させることで実施する気相還元法が好ましい。反応圧力は通常、常圧または自圧で十分進行する。触媒に対する接触時間は通常4〜60秒、好ましくは8〜40秒の範囲で設定すればよい。また、過剰の温度上昇を制御するために、反応を窒素等の不活性ガスで希釈して実施してもよい。
不活性ガスの導入量は、具体的には、CFO−1214yaの1モルに対して、通常、0.1モル以上、好ましくは、0.5モル以上である。不活性ガスの量がCFO−1214yaの1モルに対して0.5モル以上の場合は、発熱を抑えるとともに副生物の発生が抑制され、特に高収率とすることができ、触媒の劣化もの抑制できる。また、上限は特に限定されないが、回収率の観点から、不活性ガスの導入量は10モル以下が好ましく、特には4モル以下が好ましい。
上記HFO−1234yfの生成反応に用いる反応器の材質としては、通常のもの、例えば、ガラス、鉄、ニッケルあるいはこれらを主成分とする合金等を挙げることができる。
反応生成物である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)の回収および未反応物の分離は通常の方法、例えば、分留等の一般的な方法が採用できる。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]:CFO−1214yaの製造例1
ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)の異性体混合物として、アサヒクリンAK225(旭硝子社製、商品名、HCFC−225ca(1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、CHClCFCF:48モル%)とHCFC−225cb(1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、CHClFCFCClF:52モル%)からなるHCFC−225の異性体混合物)を反応原料として用いて、以下の方法により、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を製造した。
0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)3gと、83gの水酸化カリウム(1.485モル)、180gの水、および609g(3.0モル)のアサヒクリンAK225を仕込んだ後に、攪拌を行いながら徐々に温度を昇温し、45℃で1時間反応を行った。反応終了後に反応粗液の有機相を一部回収し、ガスクロマトグラフィ(GC)により組成を分析した。分析結果を表1に示す。
また、GC分析後、有機相と水相の2相に分離している反応粗液を分液し、有機相を釜容積1L理論段数10段の能力を持つ蒸留塔に仕込み蒸留を実施した。蒸留の結果、純度99.5%のCFO−1214ya(沸点45℃)262g(1.43モル)を回収することができた。
Figure 0005582036
[実施例1−1〜1−4]:CFO−1214yaの製造例1−1〜1−4
実施例1と同様の反応装置を用いて、相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)3gと、83gの水酸化カリウム(1.485モル)、124gの水、および609g(3.0モル)のアサヒクリンAK225を仕込んだ後に、撹拌を行いながら表2に示した温度で、1時間反応を行った。反応終了後に反応粗液の有機相を一部回収し、ガスクロマトグラフィ(GC)により組成を分析した。分析結果を表2に示す。
Figure 0005582036
[実施例2]:HFO−1234yfの製造例
2質量%の割合でパラジウムを担持した活性炭(商品名:白鷺C2X、武田薬品工業社製)触媒を内径2.54cm、長さ100cmのインコネル(登録商標)600製反応管に充填し、塩浴中に浸漬した。上記実施例1で得られた1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を用いて、表3の上欄に示した反応条件で還元反応を実施し、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)を製造した。
反応生成物の確認は、反応器からの出口ガスをガスクロマトグラフィで分析し粗ガスモル組成を計算することで行った。結果を表3の下欄に示す。
Figure 0005582036
[実施例2−1、2−2]:HFO−1234yfの製造例2−1、2−2
1.8質量%のパラジウムと0.2質量%の金を担持した活性炭(商品名:白鷺C2X、武田薬品工業社製)触媒を内径2.54cm、長さ100cmのインコネル(登録商標)600製反応管に充填し、塩浴中に浸漬した。上記実施例1で得られた1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を用いて、表4の上欄に示した反応条件で還元反応を実施し、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)を製造した。
反応生成物の確認は、反応器からの出口ガスをガスクロマトグラフィで分析し粗ガスモル組成を計算することで行った。結果を表4の下欄に示す。
Figure 0005582036
[実施例2−3、2−4]:HFO−1234yfの製造例2−3、2−4
0.5質量%のパラジウムを担持した活性炭(商品名:白鷺C2X、武田薬品工業社製)触媒を内径2.54cm、長さ100cmのインコネル(登録商標)600製反応管に充填し、塩浴中に浸漬した。上記実施例1で得られた1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を用いて、表5の上欄に示した反応条件で還元反応を実施し、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CH、HFO−1234yf)を製造した。
反応生成物の確認は、反応器からの出口ガスをガスクロマトグラフィで分析し粗ガスモル組成を計算することで行った。結果を表5の下欄に示す。
Figure 0005582036
[実施例3] :CFO−1214yaの製造例
<部分フッ素化塩化アルミニウムの調製>
まず、以下に示すようにして、ルイス酸触媒である部分フッ素化塩化アルミニウムを調製した。
すなわち、−20℃に冷却された冷媒を循環させたジムロート冷却器を3つ口フラスコ(内容積500mL)に設置し、これに50g(0.375モル)の三塩化アルミニウム(AlCl)を仕込み、0℃に冷却した後、175mL(262.5g;1.9モル)のトリクロロフルオロメタン(CFCl)を撹拌しながらゆっくり滴下した。
低沸点ガスの発生を伴いながらトリクロロフルオロメタンの異性化が進行した。この異性化の進行とともに、触媒である三塩化アルミニウム(AlCl)と基質であるクロロフルオロメタンとの間のハロゲン交換反応が進行し、フッ素置換されたハロゲン化アルミニウムが生成した。反応を1時間継続した後に揮発成分を除去し、触媒を乾燥した。こうして、部分的にフッ素化された塩化アルミニウムを得た。
<HCFC−225異性体混合物の調製>
次に、0℃に冷却したジムロート冷却器が設置されたガラス反応器(内容積1L)に、触媒として、前記反応で得られた部分フッ素化塩化アルミニウム10gを入れ、これにジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)の異性体混合物としてアサヒクリンAK225(旭硝子社製、商品名、HCFC−225ca(48モル%)とHCFC−225cb(52モル%)からなるHCFC−225の異性体混合物)の609g(3.0モル)を加えた。原料液の組成(異性体のモル比率)を表6に示す。
このような原料液を加えた後、反応器内温度を50℃に加熱し、撹拌しながら20時間反応を行った。反応後の液をろ別して触媒を除去し、反応生成液600gを回収した。次いで、得られた反応生成液についてガスクロマトグラフィによる分析を行い、反応生成物の組成を求めた。結果を表6に示す。なお、表中HCFC−225aaは、2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCClCF)を示す。
Figure 0005582036
<CFO−1214yaの製造>
反応生成物として回収した混合物を反応原料として用いて、以下の方法により、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFCF=CCl、CFO−1214ya)を製造した。
0℃に冷却したジムロートを設置した内容積1Lのガラス反応器に、相間移動触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)3gと、129gの水酸化カリウム(2.30モル)、220gの水、および600g(2.96モル)の上記回収組成物を仕込んだ後に、攪拌を行いながら徐々に温度を昇温し、45℃で1時間反応を行った。反応終了後に反応粗液の有機相を一部回収し、ガスクロマトグラフィ(GC)により組成を分析した。分析結果を表7に示す。
また、GC分析後、有機相と水相の2相に分離している反応粗液を分液し、有機相を釜容積1L理論段数10段の能力を持つ蒸留塔に仕込み蒸留を実施した。蒸留の結果、純度99.5%のCFO−1214ya(沸点45℃)384g(2.10モル)を回収することができた。
Figure 0005582036
本発明の製造方法によれば、異性体混合物として得られる原料成分、すなわち1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HCFC−225ca)の精製を必要とせず、簡便で経済的に、新冷媒として有用な2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の合成原料となる、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(CFO−1214ya)を製造することが可能である。
なお、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)は、温室効果ガスである1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)に代わる新冷媒として、近年期待されている化合物である。

なお、2008年12月25日に出願された日本特許出願2008−331321号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. 1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含むジクロロペンタフルオロプロパンの異性体混合物を、相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させることにより、前記混合物中の1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンのみを選択的に脱フッ化水素させることを特徴とする1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  2. 前記ジクロロペンタフルオロプロパンの異性体混合物が前記1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの他に含有する異性体が、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、2,2−ジクロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,2−ジクロロ−1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパンから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  3. 前記ジクロロペンタフルオロプロパンの異性体混合物における1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンの含有割合が99.5モル%以下である請求項1または2に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  4. 前記アルカリ水溶液の濃度が、0.5質量%〜40質量%である請求項1、2または3に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  5. 前記ジクロロペンタフルオロプロパンの異性体混合物を相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させる温度が、0〜80℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  6. 前記ジクロロペンタフルオロプロパンの異性体混合物を相間移動触媒の存在下にアルカリ水溶液と接触させる温度が、0〜25℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造して該化合物を触媒存在下、水素と反応させることで、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  8. 前記2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの生成反応に用いられる水素の量が、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン1モルに対して3モル未満である請求項7に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  9. 前記2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの生成反応を不活性ガスの存在下で行う請求項7に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
  10. 前記2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの生成反応において、不活性ガスを、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンに対して0.5モル倍以上で反応を行う請求項9に記載の2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法。
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