JP2014094978A - 潜熱輸送装置用作動液および潜熱輸送装置の作動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さく、安定して高い伝熱性能を示す作動液、および該作動液を用いた潜熱輸送装置の作動方法を提供する。
【解決手段】1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、潜熱輸送装置用作動液。また、前記潜熱輸送装置用作動液を用いた潜熱輸送装置を、前記潜熱輸送装置用作動液の温度を−100〜150℃として作動させる、潜熱輸送装置の作動方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、潜熱輸送装置用作動液および潜熱輸送装置の作動方法に関する。
装置内に封入された潜熱輸送装置用作動液(以下、単に「作動液」という。)の蒸発、沸騰、凝縮等の現象を利用して潜熱輸送を行う潜熱輸送装置が知られている。潜熱輸送装置としては、例えば、ヒートパイプ、二相密閉型熱サイフォン装置が挙げられる。ヒートパイプは、パイプの内部に設けたウィック(毛細管構造体)による毛細管力を利用して作動液を循環させることで熱を伝達する装置である。二相密閉型熱サイフォン装置は、重力、遠心力を利用して作動液を循環させることで熱を伝達する装置である。これらはいずれもポンプ等の外部動力を使わずに作動液を循環できる点が大きな特徴である。
ヒートパイプは、半導体素子や電子機器の発熱部の冷却装置等、比較的小型の冷却装置に適用される。二相密閉型熱サイフォンは、ウィックを必要とせず構造が簡単であることから、ガス−ガス型熱交換器、道路の融雪促進および凍結防止等に広く利用されている。
潜熱輸送装置の伝熱特性は、装置に封入されている作動液の特性に左右される。例えば、ヒートパイプを例に、作動液に要求される性能について説明する。
ヒートパイプは、パイプ状容器の一端を蒸発部とし、他端を凝縮部として熱を伝える伝熱素子である。パイプの一端が温められると、その部分で作動液が蒸発して熱を吸収する。蒸発した気体はパイプの中を拡散し、他端(低温部)で潜熱を放出して凝縮する。液体は重力や毛細管力で再びパイプの一端(高温部)へ戻り、高温部から低温部へ熱が輸送される。
一般に、常圧下での作動液の沸点付近で作動させるときに、ヒートパイプの伝熱特性が良好になると言われている。作動温度範囲内で作動液に要求される条件としては、以下の(i)〜(ix)が挙げられる。
(i)ウィックおよびパイプ材料に対する適合性がある。
(ii)熱安定性が良好である。
(iii)ウィックおよびパイプ材料に対する濡れ性が良好である(接触角が0または非常に小さい。)。
(iv)作動温度範囲内で蒸気圧が高すぎたり低すぎたりしない。
(v)蒸発潜熱が大きい。
(vi)熱伝導率が大きい。
(vii)気液両相において粘性率が小さい。
(viii)表面張力が大きい。
(ix)凝固点、または融解点が適正である。
潜熱輸送装置の最大熱輸送量を決定する作動液の特性値としては、下式(1)で表されるメリット数M(kJ/(m・s))が用いられる。メリット数Mが大きいほど作動液の最大熱輸送量が大きい。メリット数Mは温度によって変化する。
M=ρσL/μ ・・・(1)
ただし、前記式中、ρは作動液の密度(kg/m)、σは作動液の表面張力(N/m)、Lは作動液の蒸発潜熱(kJ/kg)、μは作動液の粘度(Pa・s)である。
作動液としては、水、アンモニア、メタノール、クロロフルオロカーボン(以下、「CFC」という。)、ヒドロクロロフルオロカーボン(以下、「HCFC」という。)等が用いられている。
しかし、水は寒冷地では凍結する問題がある。アンモニアは、潜熱輸送装置の材質との適合性を考慮する必要があるうえ、悪臭、毒性の点でも取扱いが煩雑である。メタノールは、装置を構成するアルミニウム、ステンレス等を腐食させる問題がある。CFC、HCFCは、オゾン層破壊の原因となることから規制対象となっている。
そこで、作動液として、n−ペルフルオロヘキサンからなる作動液(特許文献1)、および、n−ペルフルオロヘキサン等のペルフルオロカーボンを95%以上含有し、該ペルフルオロカーボンよりも低沸点のフッ化炭素化合物の含有量が1%以下である作動液(特許文献2)が提案されている。しかし、該作動液は熱伝達効率が悪く、地球温暖化への影響が大きいという問題がある。
また、COCH、COC、CCF(OC)CF(CF等のヒドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)を主成分とする作動液が提案されている(特許文献3)。該作動液は、地球温暖化には影響を及ぼさないものの、作動液としての伝熱性能としては必ずしも充分ではない。
特開昭59−12288号公報 特許第2726542号公報 特開2001−342458号公報
本発明は、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さく、安定して高い伝熱性能を示す作動液、および該作動液を用いた潜熱輸送装置の作動方法を提供する。
本発明の作動液は、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む。
本発明の作動液は、前記1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有量が50質量%以上であることが好ましい。
本発明の作動液は、炭素数1〜4のアルコールをさらに含むことが好ましい。
本発明の作動液は、前記1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの90〜99質量%と、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノールからなる群から選ばれる1種以上のアルコール(A)の1〜10質量%と、を含むことが好ましい。
本発明の作動液は、炭化水素をさらに含んでもよい。
本発明の作動液は、ヒドロフルオロカーボンをさらに含んでもよい。
本発明の作動液は、ヒドロクロロフルオロオレフィンをさらに含んでもよい。
本発明の作動液は、フッ化エーテルをさらに含んでもよい。
本発明の作動液は、安定剤をさらに含んでもよい。
本発明の潜熱輸送装置の作動方法は、本発明の作動液を用いた潜熱輸送装置を、前記作動液の温度を−100〜150℃として作動させる方法である。
前記潜熱輸装置は、ヒートパイプであることが好ましい。
本発明の作動液は、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さく、安定して高い伝熱性能を示す。
本発明の潜熱輸送装置の作動方法によれば、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さい状態で、安定して高い伝熱性能を実現できる。
本実施例における作動液のメリット数と作動温度との相関を示すグラフである。
<作動液>
本発明の作動液は、潜熱輸送装置に用いられる作動液である。潜熱輸送装置とは、装置内に封入された作動液の蒸発、沸騰、凝縮等の現象を利用して潜熱輸送を行う装置である。具体的には、本発明の作動液は、ヒートパイプ、二相密閉型熱サイフォン装置等に使用できる。
本発明の作動液は、1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(以下、「CFO−1214ya」という。)を含む。
本発明の作動液は、必要に応じて、アルコール、含フッ素アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン、フッ化エーテル、安定剤等をさらに含んでもよい。本発明の作動液がCFO−1214ya以外の成分を含む場合、該成分としては、アルコール、含フッ素アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびフッ化エーテルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、作動液のメリット数Mを大きくできる点から、炭化水素およびアルコールからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
CFO−1214yaは、熱輸送量が大きい、粘度が低い、凝固点が低い、適度な蒸気圧を有する、不燃性である、安定性が高い、潜熱輸送装置に用いられる一般的な材料との適合性に優れる、接触する物品を腐食させ難い等の点で、作動液として優れる。
本発明の作動液(100質量%)中のCFO−1214yaの含有量は、前記した作動液としての性能に優れる点から、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
(アルコール)
本発明の作動液がアルコール(フッ素原子を含まないアルコール)を含有する場合、アルコールの含有量が少量でもメリット数Mが著しく大きくなり、不燃性も維持できる等の利点を有する。
アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノールからなる群から選ばれる1種以上のアルコール(A)がより好ましい。
アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の作動液にアルコールを含有させる場合、作動液(100質量%)中のアルコールの含有量は、0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。アルコールの含有量が下限値以上であれば、メリット数Mが高くなる。アルコールの含有量が上限値以下であれば、優れた不燃性が得られる。
本発明の作動液にアルコールを含有させる場合、CFO−1214yaの含有量が90〜99質量%、アルコール(A)の含有量が1〜10質量%である作動液がより好ましい。
(含フッ素アルコール)
含フッ素アルコールとしては、炭素数2〜4の部分フッ化アルコールが好ましい。
部分フッ化アルコールとしては、1,1,1−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等が挙げられる。
含フッ素アルコールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の作動液に含フッ素アルコールを含有させる場合、作動液(100質量%)中の含フッ素アルコールの含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。含フッ素アルコールの含有量が上限値以下であれば、優れた不燃性が得られる。
(炭化水素)
炭化水素としては、炭素数6〜8の鎖状または環状の飽和炭化水素が好ましい。鎖状の炭化水素は、直鎖状であってもよく、分枝状であってもよい。
炭化水素としては、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
炭化水素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の作動液に炭化水素を含有させる場合、作動液のメリット数Mが大きくなる点から、作動液(100質量%)中の炭化水素の含有量は、0.5〜50質量%が好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
(ハロゲン化炭化水素)
ハロゲン化炭化水素としては、炭素数1〜4の飽和塩素化炭化水素、炭素数2または3の不飽和塩素化炭化水素が好ましい。飽和塩素化炭化水素としては、HCFC、クロロカーボン(以下、「CC」という。)等が挙げられる。不飽和塩素化炭化水素としては、ヒドロクロロフルオロオレフィン(以下、「HCFO」という。)等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HCFCとしては、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。
CCとしては、塩化メチレン、トリクロロエチレン等が挙げられる。
HCFOとしては、オゾン層への影響が少なく、かつ地球温暖化への影響が小さいHCFOが好ましく、クロロトリフルオロプロペン、クロロテトラフルオロプロペン等が挙げられる。
また、ハロゲン化炭化水素としては、ヒドロフルオロカーボン(以下、「HFC」という。)、ヒドロフルオロオレフィン(以下、「HFO」という。)、クロロフルオロオレフィン(以下、「CFO」という。)を用いてもよい。
HFCとしては、ジフルオロメタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−へプタフルオロシクロペンタン等が挙げられる。
HFOとしては、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等が挙げられる。
また、ハロゲン化炭化水素としては、1−ブロモプロパン等の臭素化炭化水素を用いてもよい。
本発明の作動液にハロゲン化炭化水素を含有させる場合、凝固点が降下し、メリット数Mが大きくなる点から、作動液(100質量%)中のハロゲン化炭化水素の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
(フッ化エーテル)
フッ化エーテルとしては、ハイドロフルオロエーテル(以下、「HFE」という。)が好ましい。
HFEとしては、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ペルフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)、ペルフルオロブチルメチルエーテル(COCH)、ペルフルオロブチルエチルエーテル(COC)等が挙げられる。
フッ化エーテルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の作動液にフッ化エーテルを含有させる場合、作動液(100質量%)中のフッ化エーテルの含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。フッ化エーテルの含有量が上限値以下であれば、オゾン層および地球温暖化への影響が少なくなる。
(安定剤)
本発明の作動液は、熱および酸化物に対する安定性は高いが、安定剤を含むことにより、熱および酸化物に対する安定性が顕著に高くなる。
安定剤としては、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、金属不活性剤等が挙げられる。
耐酸化性向上剤および耐熱性向上剤としては、N,N’−ジフェニルフェニレンジアミン、p−オクチルジフェニルアミン、p,p−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、N−(p−ドデシル)フェニル−2−ナフチルアミン、ジ−1−ナフチルアミン、ジ−2−ナフチルアミン、N−アルキルフェノチアジン、6−(t−ブチル)フェノール、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4−メチル−2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
耐酸化性向上剤および耐熱性向上剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
金属不活性剤としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2,5−ジメチルカプトチアジアゾール、サリシリジン−プロピレンジアミン、ピラゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、2−メチルベンズアミダゾール、3,5−イメチルピラゾール、メチレンビス−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
金属不活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の作動液に安定剤を含有させる場合、作動液(100質量%)中の安定剤の含有量は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。安定剤の含有量が上限値以下であれば、熱伝達性能へ悪影響を与えないと共に十分な安定性を付与する事が出来る。
本発明の作動液が前記したCFO−1214ya以外の他の成分を含有する場合、作動液の蒸発、凝縮時の温度変化、ならびに気液両相の組成変化を最小にし、安定した作動状態を確保する点から、当該作動液の組成を共沸組成または共沸様組成とすることが好ましい。
共沸様組成とは、露点と沸点の温度差が0.5℃以内である組成をいう。他の成分を含む作動液としては、前記温度差が0.1℃以内の共沸様組成であるものが特に好ましい。
(作用効果)
以上説明した本発明の作動液にあっては、CFO−1214yaを含むことで、従来の作動液に比べてメリット数Mが大きく、熱伝達効率が特に優れるため、安定して高い伝熱性能が得られる。また、本発明の作動液は、CFO−1214yaを含むため、潜熱輸送装置の構成部材に用いられるステンレス、アルミニウム等に対して、優れた耐酸化性および耐腐蝕性を有する。また、本発明の作動液は、CFO−1214yaを含むため、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さい。また、本発明の作動液は、既存の潜熱輸送装置で使用できる。
本発明の作動液は、コンピュータ、通信機器、整流装置、電動機等に用いられる半導体素子、電子機器、電力機器等の冷却、旋盤、ボール盤等の工作機械の軸受け等の冷却、または空調用熱交換器等に有用である。
<潜熱輸送装置の作動方法>
本発明の潜熱輸送装置の作動方法は、本発明の作動液を用いて潜熱輸送装置を作動させる方法である。
潜熱輸送装置は、公知の潜熱輸送装置を制限なく使用でき、例えば、ヒートパイプ、二相密閉型熱サイフォン装置等が挙げられる。なかでも、本発明の潜熱輸送装置の作動方法は、潜熱輸送装置がヒートパイプの場合に特に有効である。
本発明の潜熱輸送装置の作動方法では、作動液の温度(以下、「作動温度」という。)を−100〜150℃として潜熱輸送装置を作動させる。本発明の作動液を用い、作動温度−50〜150℃で作動させることで、安定して高い伝熱性能が実現する。
作動温度は、より高い伝熱性能が発現することから、0〜100℃がより好ましい。
(作用効果)
以上説明した本発明の潜熱輸送装置の作動方法にあっては、メリット数Mが大きく、熱伝達効率が特に優れる本発明の作動液を用いているため、安定して高い伝熱性能が得られる。また、本発明の潜熱輸送装置の作動方法にあっては、本発明の作動液を用いているため、潜熱輸送装置の構成部材の酸化および腐蝕が抑制される。さらに、本発明の潜熱輸送装置の作動方法は、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境負荷が小さい。
本発明の潜熱輸送装置の作動方法の具体的な態様としては、例えば、以下に示す小型ヒートパイプを備えたノート型パソコンにおいて、該小型ヒートパイプを作動させてノート型パソコンを冷却する方法等が挙げられる。
例えば、直径1.5mm、長さ20cm程度の銅製パイプの内面に、ステンレス製のウィッグ(メッシュ構造物)を配設し、該銅製パイプの内部に本発明の作動液を封入する。該銅製パイプの一端をノートパソコンの発熱部分であるCPUに接触させて蒸発部分とし、他端を放熱板に溶接して凝縮部分とする。そして、該銅製パイプの他端を溶接した放熱板を、液晶パネル裏側の放熱板に接触させる。
以上の構成を有するノート型パソコンでは、CPUで発生した熱によって、ヒートパイプの蒸発部分における本発明の作動液が気化し、その蒸気が移動することで熱が凝縮部分へと伝達される。該熱は放熱板を介して外部に放散され、同時に作動液の蒸気が凝縮液化される。液化した作動液は、メッシュ構造のウィッグを毛細管作用によって蒸発部分まで移動し、ヒートパイプ内の作動液が循環する。
該ノート型パソコンは、ヒートパイプの作動により優れた放熱効果を示すため、非常にコンパクトに構成でき、また寒冷地および高温地での耐用性にも優れる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[例1]
下記の各作動液について、−50〜150℃におけるメリット数Mを比較した。
CFO−1214ya:1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペン。
AE−3000:1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(製品名:AE−3000、旭硝子社製)。
HFE−7100:COCH(製品名:HFE−7100、3M社製)。
HFE−7200:COC(製品名:HFE−7200、3M社製)。
HFC−245fa:1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン。
HCFC−225:1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物。
[メリット数M]
各作動液のメリット数M(kJ/(m・s)は、下式(1)により求めた。結果を図1に示す。
M=ρσL/μ ・・・(1)
ただし、前記式中、ρは作動液の密度(kg/m)、σは作動液の表面張力(N/m)、Lは作動液の蒸発潜熱(kJ/kg)、μは作動液の粘度(Pa・s)である。
図1に示すように、CFO−1214yaは、125℃以上の温度領域を除き、−50〜150℃の温度範囲でメリット数Mが最も大きかった。これは、CFO−1214yaが、−50〜150℃の温度範囲において優れた熱伝達効率を発現する作動液であることを示している。

Claims (11)

  1. 1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、潜熱輸送装置用作動液。
  2. 1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有量が50質量%以上である、請求項1に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  3. 炭素数1〜4のアルコールをさらに含む、請求項1または2に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  4. 前記1,1−ジクロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの90〜99質量%と、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよびn−ブタノールからなる群から選ばれる1種以上のアルコール(A)の1〜10質量%と、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  5. 炭化水素をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  6. ヒドロフルオロカーボンをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  7. ヒドロクロロフルオロオレフィンをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  8. フッ化エーテルをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  9. 安定剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の潜熱輸送装置用作動液を用いた潜熱輸送装置を、前記潜熱輸送装置用作動液の温度を−100〜150℃として作動させる、潜熱輸送装置の作動方法。
  11. 前記潜熱輸装置がヒートパイプである、請求項10に記載の潜熱輸送装置の作動方法。
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