JP2016505882A - Euv用途向けの光学系の少なくとも1つのシステムコンポーネントのための冷却システム、並びにこの種のシステムコンポーネント及びこの種の光学系 - Google Patents
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Abstract
EUV用途向けの光学系の少なくとも1つのシステムコンポーネント(24)のための冷却システムが、少なくとも1つの冷却チャネル(90)と、少なくとも1つの冷却チャネル(90)を通って少なくとも1つのシステムコンポーネント(24)から熱を吸収し、熱を奪い去る冷却媒体(92)とを備える。冷却媒体(92)は、純水、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、及びクロロジフルオロメタン(R22)を除く誘電性流体を含む。誘電性流体は、10bar未満の使用圧力及び約10℃〜約50℃の温度範囲で液相を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、第1態様によれば請求項1のプリアンブルに記載の、また別の態様によれば請求項18に記載の、少なくとも1つの冷却チャネルと、当該少なくとも1つの冷却チャネルを通って少なくとも1つのシステムコンポーネントから熱を吸収し熱を奪い去る冷却媒体とを備えた、EUV用途向けの光学系の少なくとも1つのシステムコンポーネントのための冷却システムに関する。
本発明はさらに、EUV用途向けの光学系のシステムコンポーネントと、上述の種類の冷却システムを備えたEUV用途向けの光学系とに関する。
冷却システムと、EUV用途向けのシステムコンポーネント及び光学系とは、例えば特許文献1及び特許文献2から既知である。
本発明の意味の範囲内におけるEUV用途向けの光学系は、特に、EUV投影露光装置又はかかるEUV投影露光装置のサブシステムである。
本発明の意味の範囲内におけるかかるEUV投影露光装置のシステムコンポーネントは、特に光学素子、特にミラーである。
リソグラフィ用の投影露光装置は、例えば、微細構造電子コンポーネントの製造に用いられる。EUV投影露光装置は、短波長放射で、正確には例えば約5nm〜約20nmの範囲の波長の極紫外線の放射、略してEUV放射で動作する。
EUV用途向けの光学系の場合に生じる技術的問題は、特に、光学系の光学素子がEUV放射を受けることにより大きく加熱されることである。入熱は光学素子の加熱につながり、その結果、光学素子が動作中に変形し得る。光学素子が1つ変形しただけでも、光学系の望ましくない結像収差を招き得る。
したがって、対応した冷却を行うために、光学系の個々の又は全部のシステムコンポーネントからEUV放射の作用により動作中の光学系へ入力された熱を奪い去る役割を果たす冷却システムが提案されてきた。しかしながら、光学素子の高い熱流密度及び光学素子の比較的高い熱抵抗に起因して、また光学素子の変形に関する安定性の要件に起因して、現代のEUVリソグラフィシステムにおける光学系の冷却は困難である。重要なコンポーネント及び材料の過熱を防止するために、冷却媒体は、システムから熱を十分に除去できなければならず、これは材料の選択及びシステムの性能設定に依存する。
導入部分で引用した特許文献1は、1つ又は複数の光学素子に複数の冷却チャネルを設け、上記冷却チャネルに冷却媒体を通すことを提案しているが、冷却媒体は、任意の適当な流体又は導電性であり比較的高い熱容量(heating capacity)を有する液体であることが意図されることは別として、上記文献ではより詳細に記載されていない。
EUV用途向けの光学系のための既知の冷却システムは、特に、例えば水及びグリコールの混合物等の冷却媒体を用いる。グリコール又は水・グリコール混合物等のクーラントの使用は、システムコンポーネントの、特に光学系の光学素子の汚染の危険を伴う。
EUV用途向けの光学系のための既知の冷却システムのさらに他の欠点は、用いられる冷却媒体が、通常は銅及びアルミニウム等の材料を含むシステムコンポーネントに関して多くの場合に腐食作用を有することを含む。
例えば液体窒素を用いた低温冷却も提案されているが、これには、この低い冷却温度が、通常は普通の室温である光学系の周囲温度よりも著しく低い結果として、周囲環境からの冷却システムの熱的分離に関して高い費用を費やさなければならないという欠点がある。
特許文献2は、2相冷却システムとして構成した冷却システムを開示しており、すなわち、用いられる冷却媒体は、システム内で気体(蒸気)及び液体状態で存在する。この文献は、冷却流体として以下の流体を用いることを提案している:アンモニア、H2S、CO2、R32、プロパン、R22、2−ブタン、R41、N2O、エタン、プロピレン、DME、及びR134a。これらの流体の大半は、22℃の飽和温度で10barよりも高い圧力を必要とし、これは冷却システムの耐漏性の確保に対して高い要件を課し、したがって冷却システムに必要な構造費用を高くする。この文献で冷却媒体として提案された流体のいくつかは、誘電性流体、例えばR22及びR134aである。
従来の冷却システムのさらに他の欠点は、凝縮の危険、冷却媒体の供給領域における比較的大きな温度勾配、及び重要なシステムコンポーネントの温度に左右された変形の危険を含む。
本発明の目的は、第1に光学系又はそのシステムコンポーネントから熱を効果的に奪い去ることが可能であり、第2に伴う費用がほとんどなく低温冷却の場合のような低温を用いずに済むという趣旨で、導入部分で述べた種類の冷却システムを開発することである。
本発明の第1態様によれば、この目的は、誘電性流体が10bar未満の使用圧力及び約10℃〜約50℃の温度範囲で液相を含むことにより、請求項1のプリアンブルに記載の冷却システムに関して達成される。
EUV用途向けの光学系のための冷却媒体としての誘電性流体には、概して、EUVシステムの所望の使用温度で、すなわち約20℃〜約22℃の範囲で、単相冷却の場合の空気又は窒素ガスと比べて高い熱移動及び高い熱奪取能力を可能にする温度特性を有するという利点がある。誘電性流体には、例えば銅及びアルミニウム等のシステムコンポーネントの材料との適合性がより高く、特に銅及びアルミニウム等の典型的な構造材料と接触した場合の腐食作用がより少ないという、純水を凌ぐ主な利点がある。この理由から、誘電性流体とみなすことができる純水は、CO2等のガスを吸収することが材料適合性の低下に、ひいてはより高い腐食の危険性につながるので、本発明による冷却媒体としての選択から除外される。
冷却媒体としての誘電性流体のさらに別の利点は、誘電性流体に導電性がないことにより、冷却媒体が逃げる漏洩の場合に光学系の電子コンポーネントが損傷を受けないことである。
しかしながら、利用可能な誘電性流体の多くは大気圧(およそ1bar)で非常に低い沸点を有し、したがって流体の十分な部分を液相で又は液相及び気相の混合物として有するために高い使用圧力下で流体を操作する必要があるので、利用可能な誘電性流体の全てがEUV用途向けの冷却システムでの使用に適した選択肢であるとは限らない。最大のシステム使用圧力は、構造費用上の理由から冷却媒体を選択する際の重要な基準であることに留意されたい。したがって、本発明によれば、誘電性流体は、10bar未満の使用圧力及び約10℃〜約50℃の温度範囲、好ましくは約15℃〜約35℃の温度範囲で液相を含む冷却媒体として選択される。
さらに、本発明によれば、誘電性流体は、好ましくは不燃性であり、アンモニア又はグリコール等の従来の冷却媒体と比べて火災の危険を減らすか又は完全に回避さえする。
本発明の第1態様による冷却システムの冷却媒体は、単一の誘電性流体からなり得るか、又は他の冷却媒体との混合物の成分としての誘電性流体であり得る。
好適な構成では、誘電性流体は、(トランス)−1−クロロ‐3,3,3−トリフルオロプロペン(R1233zd(E)),2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236fa)、1,1,13,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン(Novec649);1−メトキシヘプタフルオロプロパン(Novec7000)、メトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7100)、エトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7200)、ペンタン,1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル(trfluoromethyl))−(Novec7300)、ヘキサン,3,エトキシ−1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン(Novec7500)、テトラデカフルオロ−2−メチルヘキサン−3−オン テトラデカフルオロ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン(Novec774)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−テトラデカフルオロヘキサン(FC72)、パーフルオロトリ−N−ブチルアミン(FC43)、パーフルオロトリペンチルアミン(FC70)、パーフルオロトリプロピルアミン(FC3283)を含む群から選択される。
上記誘電性流体は、EUVシステムに主に適した冷却媒体であり、これらの流体は、上記圧力及び温度範囲で液体である。さらに、これらの流体は、単相冷却だけでなく2相冷却で用いることができる。
上記誘電性流体の全てがEUV用途向けの冷却システムで主に使用可能だが、誘電性流体が約22℃の温度で10barよりも低く0.8barよりも高い範囲の飽和圧力を有すればさらに好ましい。
すでに上述したように、利用可能な誘電性流体の全てが上記圧力及び温度範囲の飽和圧力を有するとは限らず、大気圧をはるかに下回る飽和圧力を有し、したがって単相冷却で液相であるには非常に高い使用圧力を必要とする。上記温度で非常に低い飽和圧力を有する流体を2相冷却(蒸気及び液体)で用いる場合、流体の使用圧力は大気圧をはるかに下回り、これは、わずかな漏れでも冷却システムへの空気汚染が生じ得ることを意味する。さらに、真空条件下で働く誘電性流体の使用には、凝縮器において誘電性流体の液相と凝縮しないガスを回収し除去するための特別な脱気装置が必要である。しかしながら、これらの脱気システムは、この過程で作動流体の一部を除去するので、追加の作動流体を加えるための補充流体システムも必要である。さらに、冷却システムに入る水分を除去するために、水分を吸収する付加的なコンポーネントが必要である。したがって、大気圧未満の誘電性流体の使用は、EUV用途向けの光学系の冷却において最良の選択肢ではない。
約22℃の温度で10barよりも低く0.8barよりも高い飽和圧力を有する本発明による好適な誘電性流体は、R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245faである。
これらの誘電性流体のうち、R1233zd(E)が特に好適だが、それはこの流体が22℃の温度で1.14barの飽和圧力を有するからである。したがって、この誘電性流体を2相冷却で用いる場合、冷却システムを大気圧よりもわずかに高い使用圧力下で動作させることで、システムの漏洩時の空気汚染の危険性を回避することができる。22℃の温度での飽和圧力は、R1234yfは6.18bar、R1234zeは4.45bar、R236faは2.46bar、及びR245faは1.32barなので、R245fa及びR236faもこの態様で有用である。
少なくとも1つの冷却チャネル内の誘電性流体は、単相で、すなわち液相で存在し得るか、又は2相で、すなわち液相及び気相の混合物として存在し得る。
冷却媒体が液相で(単相冷却)又は液相及び気相の混合物として(2相冷却)存在する場合、特に、冷却媒体が、液体から気体への相転移で潜熱として、正確には冷却媒体の非常に高い熱容量及び対応して小さな温度上昇で、少なくとも1つのシステムコンポーネントから熱を吸収できるという効果を利用することが可能である。約25℃の温度で高い潜熱を有する誘電性流体は、R1233zd(E)(191.1kJkg−1)、R1234yf(143.9kJkg−1)、R1234ze(167.1kJkg−1)、R236fa(145.9kJkg−1)、及びR245fa(190.3kJkg−1)であり、これらの誘電性流体が、約18℃〜30℃の範囲の温度でのそれらの飽和圧力に起因するだけでなくそれらの高い潜熱を考慮しても適している。高い潜熱を有する別の誘電性流体は、Novec7000(25℃で142.0kJkg−1)である。
2相冷却で特に好適なのは、R1233zd(E)及びR245faである。
沸点が大気圧でおよそ30℃の範囲にある不燃性の誘電性流体を得ることができ、これは本発明に関して特に有利であるが、その理由は、冷却媒体が少なくとも1つのシステムコンポーネントからの熱を潜熱として吸収できるようにする上述の効果を、光学系の所望の使用温度の範囲で、特に周囲圧力で利用できるからである。これは、冷却システムが、この目的で冷却媒体を加圧する必要なく少なくとも1つのシステムコンポーネント又は光学系の安定した温度を光学系の所望の使用温度付近で維持できることを意味する。
誘電性流体の相は、したがって熱交換中に変わり得る。同じく言うまでもなく、冷却媒体の相は、冷却システムの部分毎に異なる場合があり、特定の部分内でも経時的に又は光学系のシステムパラメータが変わると変わり得る。冷却媒体は、保管中、冷却対象のシステムコンポーネントへの供給中、及び少なくとも1つのシステムコンポーネントからの熱の吸収後の冷却媒体の排出後に、異なる相(液体、気体)をとり得る。この場合、時間的観点及び冷却システムの空間的観点の両方から、冷却媒体の相は異なり得る。
さらに別の好適な構成では、少なくとも1つの冷却チャネル内の誘電性流体は、大気圧に概ね相当する使用圧力下にある。
大気圧は、光学系の地理的な場所に応じて約800mbar〜1300mbarの範囲にあり得る光学系の通常の外部の周囲圧力を意味するとここでは理解すべきである。言うまでもなく、少なくとも1つのシステムコンポーネント自体は他の圧力下にあり得る。例として、少なくとも1つのシステムコンポーネントは、真空条件下で動作し得る。
冷却媒体が大気圧で、又はポンプ圧に従って大気圧よりもわずかに高い圧力で働き得る場合、冷却システムの耐漏性を確保するための措置は、冷却媒体が大気圧よりも大幅に高い圧力下にある場合と比べて伴う費用が大幅に少ない。
少なくとも1つの冷却チャネル内の誘電性流体が、約10℃〜約50℃の範囲の、好ましくは約15℃〜約35℃の範囲の温度を有すれば同様に好ましい。
ここでの利点は、低温冷却とは対照的に、誘電性流体の温度調節及び絶縁に費やさなければならない費用が大幅に少ないことである。
冷却媒体が少なくとも1つのシステムコンポーネントからの熱を潜熱として吸収できる(2相冷却)上記効果を利用可能であることを目的として、さらに別の好適な構成では、誘電性流体が、大気圧にて約10℃〜約50℃の温度範囲で、好ましくは約15℃〜約35℃の温度範囲で沸点を有するようになっている。冷却媒体が単相でのみ操作される場合、より高い沸点、例えば、30℃よりも高く200℃以上、例えば215℃の沸点が当然ながら可能でありまた望ましくもある。
大気圧にて上記温度範囲で沸点を有する、したがって有利である誘電性流体は、R1233zd(E)(1barで18.4℃)、R245fa(1barで14.8℃)、Novec649(1barで49℃)、Novec7000(1barで34℃)である。
したがって、この構成では、2相冷却で潜熱として熱を吸収する効果は、光学系の所望の使用温度付近の温度で利用され得ることが有利である。
さらに別の好適な構成では、誘電性流体は、約10MV/m〜約70MV/mの範囲の絶縁耐力を有する。
絶縁耐力は、火花をもたらす最小電圧の尺度であり、当該電圧は、相互に特定の距離だけ離れて誘電性流体を挟んだ2つの電極間のものである。したがって、本発明による冷却システムでは、漏洩の場合に導電部と接触しても短絡につながらない、高い絶縁耐力を有する誘電性流体が選択される。
さらに別の好適な構成では、誘電性流体は、約22℃の温度及び大気圧で約100μPa・s〜約25,000μPa・sの範囲の動粘度を有する。
低い動粘度には、少なくとも1つの冷却チャネルに沿った圧力の上昇又は降下が最小限であるという利点がある。
2相冷却用途(潜熱移動)では、特に受動冷却用途、例えば熱サイフォン冷却ループシステムでは、動的液体粘度及び液相と気相との間の密度比が重要なパラメータである。これらは、システムの圧力降下及び冷却能力に大きな影響を及ぼし、冷却能力は、冷却ループ内の質量流量に応じて変わる。理想的な冷却媒体は、高い密度比(高い冷却能力)及び低い粘度(小さな圧力降下)を有するものである。誘電性流体Novec649、Novec7000、Novec1100、Novec7200、Novec7300、Novec7500、Novec7774、FC72、FC43、FC70、及びFC3283、並びにエタノール及びメタノールは、流量を増やすが流量を減らす高粘度も有する誘電性流体R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245faよりも高い密度比を有する。
例えば、誘電性流体FC72をR245fa及びR1233zd(E)と比べると、FC72は熱サイフォンループシステムにとってより適していると思われるが、その理由は、これが、気相又は蒸気相が気液混合物の40%になる状態でより高い密度比及びより低い粘度を有するからである。FC72に関する圧力降下は非常に小さいが、小さな質量流量に対してのみであり、大きな質量流量では圧力降下は激しく増加している。他方では、FC72よりも圧力降下が大きなR1234yf、R1234ze、及びR236faのような誘電性流体があり、質量流量の関数としてのそれらの圧力降下は概ね一定だが、小さな質量流量ではそれらの圧力降下はFC72よりも大きい。他方では、FC72は大きな密度比を有し、これは熱サイフォンループ内での質量流量が大きい可能性があることを意味するが、その圧力降下は、小さな質量流量ではR245fa及びR1233zd(E)で得られる値と同様であり、大きな質量流量ではそれらよりも大きい。したがって、大きな密度比に関連する潜在的利益は、大きな圧力降下によって相殺される。
本発明による冷却システムの好適な構成では、冷却媒体の質量流量は、約2kg/h〜約30kg/hの範囲にある。
さらに別の好適な構成では、冷却システムにおける圧力降下は、約10Pa〜約250Paの範囲にある。
質量流量の関数としての圧力降下の変化が、8Pa/(kg/h))未満、好ましくは約0.3Pa/(kg/h))〜約3Pa/(kg/h))の範囲にあればさらに好ましい。
単相冷却に関して、例示的な一実施形態では、大気圧及び約15℃〜30℃の範囲の温度で液体であり、且つ22℃及び大気圧で約0.3cP〜1000cPの動粘度及び10MV/m〜約70MV/mの絶縁耐力を有する不燃性の誘電性流体を利用する。
2相冷却の例示的な一実施形態では、単相冷却用の流体の上記パラメータに加えて15℃〜45℃の沸点を有する不燃性の誘電性流体を利用する。
本発明の別の態様によれば、上記目的は、請求項18のプリアンブルに記載の冷却システムに関して達成され、請求項18によれば、誘電性流体R134aが少なくとも1つの冷却チャネル内に液相のみで存在するので、冷却媒体はこの誘電性流体を含む。
本発明のこの態様によれば、誘電性流体R134aは冷却媒体として、但し単相冷却のみで用いられる。R134aは、22℃の温度で6.08barの飽和圧力を有するので、冷却システムは、大気圧よりも高いが耐漏性を得るための構造費用要件に関して高すぎはしない使用圧力下で動作し得る。単相冷却に関しては、比熱(一定の質量流量及び冷却媒体温度の勾配を考えた場合に値が大きいほど高い冷却能力を意味する)及び粘度(冷却システムの圧力降下、したがってポンプ式冷却システムのポンプ動力に関連する)が関連パラメータである。この点で、誘電性流体R134aは、1424.6JK−1kg−1という25℃の温度での高い比熱を示し、これは他の上記誘電性流体の比熱よりも高い。R134aの動的又は液体粘度もまた、良好な冷却結果(202.3μPa・s)を得るために十分に高い。したがって、R134aは、EUVシステムにおける単(液)相冷却で特に有利である。
上記態様の好適な構成では、冷却媒体は、約6.1barよりも高く、好ましくは約10bar未満の使用圧力下で、約10℃〜約30℃の範囲の温度にある。
さらに、冷却媒体の質量流量が約2kg/h〜約30kg/hの範囲にあれば好ましい。
さらに、冷却システムにおける圧力降下が約10Pa〜約250Paの範囲にあれば好ましい。
特に、R134aを冷却媒体として用いた場合の冷却システムにおける圧力降下を、この範囲で得ることができる。
さらに、質量流量の関数としての圧力降下の変化が、8Pa/(kg/h))未満、好ましくは約0.3Pa/(kg/h))〜約3Pa/(kg/h))の範囲にあれば好ましい。
特に、R134aは、質量流量の関数としての圧力降下の変化をほとんど示さない。
本発明による冷却システムの少なくとも1つの冷却チャネルを、光学系又は光学系の構造体に組み込むことができ、この構造体は、例えば光学系若しくは少なくとも1つのシステムコンポーネントが配置されるチャンバ、又は光学系若しくは少なくとも1つのシステムコンポーネントが配置されるプレートを意味すると理解すべきである。或いは上記少なくとも1つの冷却チャネルを、少なくとも1つのシステムコンポーネントに組み込むことができ、又は上記少なくとも1つの冷却チャネルを、構造体若しくは光学系若しくは少なくとも1つのシステムコンポーネントに熱伝導的に接続されるか、又は熱放射、対流、若しくはガス伝導によって少なくとも1つのシステムコンポーネントから熱を吸収するヒートシンクに配置することができる。しかしながら、冷却システムの少なくとも1つの冷却チャネルが、冷却媒体を少なくとも1つのシステムコンポーネントへ供給する役割を果たすだけであり、一方で冷却対象のシステムコンポーネントが浴又は浸漬浴の様式で冷却媒体に少なくとも部分的に浸漬され、冷却媒体が上記冷却対象のシステムコンポーネントの周りを洗浄することも、本発明の範囲内で同様に可能である。
EUV用途向けの光学系の本発明によるシステムコンポーネントは、上述の構成の1つ又は複数に従った本発明による冷却システムを備える。
この場合、本発明によるシステムコンポーネントは、好ましくは光学素子、機械要素、アクチュエータ、及び/又はセンサである。
EUV用途向けの光学素子は、特にミラーであり、これは、セグメントミラー及びセグメントミラーの個々のミラーセグメントを意味するとも理解すべきである。
機械要素は、例えば光学素子のマウント又はホルダであり得る。
アクチュエータは、例えば光学系の1つ又は複数の光学素子の位置調整を行うか又は光学素子を目標通りに変形させる機能を有し得る。
本発明による冷却システムは、光学系又はそのシステムコンポーネントに関する少なくとも1つの冷却チャネルの特定の空間的定位を必要とせずに、光学系の任意のシステムコンポーネントに組み込まれ得るか又はそれらに割り当てることができる。
上述の種類の少なくとも1つのシステムコンポーネントを備えたEUV用途向けの本発明による光学系は、上述の構成の1つ又は複数に従った本発明による少なくとも1つの冷却システムを備える。
本発明によるかかる光学系は、リソグラフィ用のEUV投影露光装置のサブシステム又はEUV投影露光装置全体であり得る。
光学系がリソグラフィ用のEUV投影露光装置のサブシステムである場合、サブシステムは、放射線発生システム、照明システム、投影システム、レチクルシステム、及び/又はウェーハシステムであり得る。
サブシステムが放射線発生システムである場合、例えばコレクタミラーを本発明による冷却システムによって冷却することができる。EUV投影露光装置の照明システムは、放射線発生システムと投影対物レンズを含む投影システムとの間に位置する。レチクルシステムは、レチクル及び関連のレチクルステージをアクチュエータシステムと共に含み、ウェーハシステムは、ウェーハ、ウェーハステージ、及び関連のアクチュエータシステムを含む。
本発明による冷却システムは、上記サブシステムの1つ又は複数に組み込まれ得るか、又は各サブシステムを外部から冷却し得る。
さらに他の利点及び特徴が、以下の説明及び添付図面から明らかである。
言うまでもなく、上述の特徴及びこれから後述する特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、それぞれ指示される組み合わせだけでなく他の組み合わせで又は単独で用いることができる。
本発明の例示的な実施形態を図面に示し、当該図面を参照してより詳細に後述する。
図1は、包括的な参照符号10を付けた光学系を示す。図示の例示的な実施形態では、光学系10は、半導体コンポーネントをリソグラフィで製造するためのEUV投影露光装置である。
EUV投影露光装置は、EUV放射線を発生するための放射線発生システム12を備える。放射線発生システム12は、システムコンポーネントとして放射線源14及びコレクタミラー16を有する。照明システム18が、放射線伝播方向で放射線発生システム12の下流に配置され、上記照明システムは、ビーム整形、ビーム均一化、及び物体平面20内の所定の照射野の発生に役立つ。
照明システム18は、ここでは例えばシステムコンポーネントとしてミラー22、24、26、28、及び30を有する。
さらに、レチクルシステム32が、放射線伝播方向に見て照明システム18の下流に配置され、上記レチクルシステムは、システムコンポーネントとしてレチクルステージ34及びレチクル36を有し、当該レチクルは物体平面20に配置される。
さらに、投影システム38が、放射線伝播方向に見てレチクルシステム32の下流に配置され、上記投影システムは投影対物レンズの形態で具現される。投影システム38は、ここでは、例えばシステムコンポーネントとしてミラー40及び42を有する。
最後に、ウェーハシステム44が投影システム38の下流に配置され、上記ウェーハシステムは、システムコンポーネントとしてウェーハステージ46及びウェーハ48を有し、当該ウェーハは像平面50に配置される。
EUV放射線を用いて、レチクル36のパターンが投影システム38によってウェーハ48に結像される。
ここでミラー16、22、24、26、28、30、40、及び41の形態で具現された光学素子と並んで、光学系10又は光学サブシステム12、18、及び38は、光学素子、ここではミラー16、22、24、26、28、30、40、42のためのマウント又はホルダ等の機械要素と、例えば位置調整又は変形のために光学素子を操作するアクチュエータとを有することができ、図1は、この種の2つのアクチュエータ52(ミラー22用)及び54(ミラー42用)を示す。
光学系10はさらに、光学系10全体又は上記個々の光学サブシステム12、18、32,38、44を冷却するために、且つ/又は光学サブシステム12、18、32,38、44の上記システムコンポーネントの個々又は全部を冷却するために、1つ又は複数の冷却システムを備える。
図1は、照明システム18を冷却する冷却システム60、レチクルシステム32を冷却する冷却システム62、及び投影システム38を冷却する冷却システム64を例として示す。
冷却システム60、62、及び64は、照明システム18、レチクルシステム32、及び投影システム38を全体として冷却し、例えば、上記サブシステムに収容されたシステムコンポーネントにとって熱的に安定した環境を作る。しかしながら、外部冷却システム60、62、64の一部であり得るか又は別個の冷却システムを構成し得る冷却システムを個々のシステムコンポーネントに割り当てることも同様に可能である。この種の冷却システムは、コレクタミラー16(冷却システム66)、照明システム18のミラー22、24、26、28(冷却システム68、70、72、74)、及び投影システム30のミラー40(冷却システム76)についてここでは例として示される。照明システム18について例として示すように、例えば照明システムのチャンバである構造体61を冷却システム60によって冷却することも同様に可能である。
この場合、図示のように、冷却システム66、68、70、72、74、76は、システムコンポーネント(ミラー16、22、26、28、40)に、例えばそのミラー基板に部分的に組み込まれてもよく、又はミラー24について示すように、ミラーに熱伝導的に接続されるか又はミラーから離れて配置されミラーからの熱放射を吸収するヒートシンクを有してもよい。
図2は、図1のミラー24を関連の冷却システム70と共に単独で示す。
ミラー24は、動作中にEUV放射線82が入射するミラー面80を有する。入射したEUV放射線82は、熱矢印84で示すようにミラー24への入熱につながる。
冷却システム70は、ヒートシンク86を有し、これはミラー24に熱伝導的に接続され、対応して熱矢印88で示すように熱伝導によりミラー24から熱を吸収する。
ヒートシンク86は、冷却媒体92を通す少なくとも1つの冷却チャネル90を有する。
冷却システム70はさらに、冷却媒体92を循環させるポンプP、冷却媒体92用のリザーバR、及び冷却媒体92から熱を吸収する熱交換器WT等の、包括的な参照符号94の下で組み合わせたユニットをここでは有する。上記ユニット94は、外部の機械組立体に存在していてもよく、例えば冷却媒体92を調節するユニット等の冷却システム70のさらに他の部分をそこに設けることができる。
冷却媒体92は、供給ライン96を介して少なくとも1つの冷却チャネル90へ供給され、排出ライン98を介して少なくとも1つの冷却チャネル90から排出される。
冷却媒体92は、概して、純水を除いた不燃性の誘電性流体を含む。
不燃性の誘電性流体は、特にフルオロカーボン系又はパーフルオロカーボン系又はハイドロフルオロエーテル(HFE)系である。
パーフルオロカーボン系の誘電性流体は、例えば、3MからのFluorinert(登録商標)シリーズからの誘電性流体である。好適な誘電性流体のさらに他の具体例は後述する。
誘電性流体は、概して、多数の異なる沸点で利用可能であり、誘電性流体が熱の吸収にもかかわらず液相に留まる単相用途か、又は流体が熱を吸収する過程で沸騰し、この場合は流体の温度をさらに上昇させることなく潜熱の形態の付加的な熱を吸収できる2相用途のいずれかを可能にする。
この場合、冷却媒体92は、1つの特定の誘電性流体を含むか若しくは1つの特定の誘電性流体からなっていてもよく、又は冷却媒体92の副成分であってもよく、その場合は冷却に適した他の物質、特に他の誘電性流体も含み得る。
少なくとも1つの冷却チャネル90内の誘電性流体は、液相のみで、気相のみで、又は液相及び気相の混合物として存在し得る。少なくとも1つの冷却チャネル90内の誘電性流体は、概ね大気圧に相当する圧力下にある。供給ライン96及び/又は排出ライン98内でも、誘電性流体は概ね大気圧に相当する圧力下にあることが好ましい。
少なくとも1つの冷却チャネル90内の誘電性流体は、約10℃〜約50℃の範囲、好ましくは約15℃〜約35℃の範囲の温度を有する。
2相冷却用の誘電性流体として、特に冷却媒体92に用いるものは、大気圧で約15℃〜約50℃の温度範囲、好ましくは約25℃〜約35℃の温度範囲で沸点を有するようなものである。
誘電性流体は、約10℃〜約50℃の温度範囲で、好ましくは約15℃〜約35℃の温度範囲で流体であることが好ましい。
さらに、冷却媒体92に用いる誘電性流体は、約10MV/m〜約70MV/mの範囲の絶縁耐力を有する。冷却媒体92は、約10MV/m〜約30MV/mの範囲の絶縁耐力を有することが好ましい。
冷却媒体92に用いる誘電性流体の動粘度は、約22℃の温度及び大気圧で約100μPa・s〜約25,000μPa・sの範囲にあることが有利である。
すでに上述したように、冷却媒体92は、加圧する必要がないように、特に液相と気相との間の相転移で、さらに水の沸点を大幅に下回る温度範囲で、さらに大気圧で働き得る。
ミラー24又はヒートシンク86からの熱吸収の結果として、吸収された熱は、最初は液体の冷却媒体92の部分的な蒸発につながり、吸収された熱は、冷却媒体92の温度上昇又は大幅な温度上昇を招くことなく冷却媒体92に潜熱として蓄えられる。さらに、この場合は冷却媒体92のわずかな膨張しか生じない。
言うまでもなく、供給ライン96内、少なくとも1つの冷却チャネル90内、及び排出ライン98内の冷却媒体92の物質の状態は、同一であってもよいが異なっていてもよい。この点で、冷却媒体92が少なくとも1つの冷却チャネル90内に液相で存在する一方で、ミラー24から熱を吸収すると蒸発して排出ライン98内では少なくとも部分的に気相で存在することが可能である。冷却媒体92が、少なくとも1つの冷却チャネル90内で液相及び気相の混合物として存在することも同様に可能である。
最後に、冷却媒体92が、少なくとも1つの冷却チャネル90内に気相でのみ存在することも可能である。
単相冷却に関して、例示的な一実施形態では、大気圧及び約15℃〜30℃の温度範囲で液体であり、且つ22℃及び大気圧で約0.3cP〜1000cPの動粘度及び10MV/m〜約50MV/mの絶縁耐力を有する不燃性の誘電性流体を利用する。
2相冷却の例示的な一実施形態では、単相冷却用の流体の上記パラメータに加えて15℃〜45℃の沸点を有する不燃性の誘電性流体を利用する。
冷却媒体92として用いる不燃性の誘電性流体には、特に、例えば銅及びアルミニウム等の上記システムコンポーネントの典型的な材料に関して全く又はほとんど腐食作用がなく、その結果として光学素子の耐用寿命が延びるという主な利点がある。誘電性流体が不燃性であることで、例えば冷却システムにおいて生じる漏洩及び冷却媒体92と光学系のうち高温で調節される領域との接触によってもたらされ得る火災の危険が防止される。冷却媒体92に誘電性流体を用いることによって冷却媒体92の導電性がないことには、漏洩の場合に冷却媒体と接触する電子コンポーネント又は回路が短絡しないというさらなる利点がある。
多くのパーフルオロカーボン系の誘電性流体は、さらに人間にとって無害、特に無毒であり、これは、例えばアンモニア又はグリコールを含有した他の冷却媒体にとっては問題となる。ハイドロフルオロエーテル(HFE)も誘電性冷却媒体として用いることができる。
図2の例示的な実施形態では、少なくとも1つの冷却チャネル90が、ミラー24の形態のシステムコンポーネントに熱伝導的に接続されたヒートシンク86に配置されているが、図3は、図1のミラー22の形態のシステムコンポーネントに割り当てられてこれに部分的に組み込まれた冷却システム68の例示的な実施形態を示す。
図3では、ミラー22のミラー面に参照符号102を付け、動作中にEUV放射線104が上記ミラー面に当たることで、それに対応した入熱をミラー22にもたらす(熱矢印106)。
この例示的な実施形態では、冷却システム68はミラー22に部分的に組み込まれ、すなわち、冷却システム68は、ミラー面102付近でミラー22に組み込まれた1つ又は複数の冷却チャネル108を有する。
冷却チャネル108を通る冷却媒体として、この場合も、図2を参照して説明したように純水を除く不燃性の誘電性流体を含む冷却媒体が利用される。
冷却システム68は、参照符号110で示すようにアクチュエータシステム52を冷却するために部分的に用いられる。
図4は、図2の冷却システム70の変更形態を示し、この変更形態では、ミラー24はヒートシンク86に熱伝導的に接続されるのではなく、ヒートシンク86から離れており、ヒートシンク86は、熱放射の形態でミラー24からの熱を吸収する(熱矢印112)。ここでは、複数の冷却チャネル90がヒートシンク86に存在し、冷却媒体92(図2参照)がその中を流れており、上記冷却媒体は、この場合も純水を除く不燃性の誘電性流体を含む。
少なくとも1つの冷却チャネル90及び冷却チャネル108の寸法、幾何学的形状、長さ、及び構成は重要でなく、それぞれの目的に適合させることができる。さらに、冷却媒体92の流量及び/又は冷却媒体92の使用圧力は、各冷却対象のシステム内、例えば光学系12、18、32、44で、又は関連のシステムコンポーネント、例えばミラー24及び22で、例えば光学系10の動作パラメータに応じて変わり得る。
ミラー24及び22は、例えばセグメントミラーとして具現することができ、冷却システム70又は68はそれぞれ、全部のミラーセグメントの共通の又は個々のミラーセグメント専用の冷却システムとして具現することができる。
さらに、言うまでもなく、冷却システム60、62、及び64は、冷却システム70に関して上述したように具現することができる。
さらに別の変更形態(図示せず)では、例えば図2に示す例示的な実施形態において、供給ライン96及び排出ライン98のみを冷却チャネルとして具現する一方で、冷却チャネル90の代わりに冷却媒体92が導入される浸漬浴又は浴を配置することも同様に可能である。この場合、システムコンポーネント24を上記浴に全体的又は部分的に浸漬させることができ、その場合、冷却媒体92は上記システムコンポーネントの周りを流れるか又は洗浄する。
以下において、冷却システム62、64、66、68、70、72、74、76で用いることができる誘電性流体のさらに他の実施形態を説明する。
かかる実施形態の第1群によれば、冷却媒体92は、不燃性であることが好ましいが純水、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、及びクロロジフルオロメタン(R22)ではない誘電性流体を含む。実施形態のこの態様によれば、誘電性流体は、10bar未満の使用圧力及び約10℃〜約50℃の温度範囲、好ましくは約15℃〜約35℃の温度範囲で液相を含む。
好適には、誘電性流体は、以下の物質を含む群から選択される:(トランス)−1−クロロ‐3,3,3−トリフルオロプロペン(R1233zd(E)),2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236fa)、1,1,13,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン(Novec649);1−メトキシヘプタフルオロプロパン(Novec7000)、メトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7100)、エトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7200)、ペンタン,1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル(trfluoromethyl))−(Novec7300)、ヘキサン,3,エトキシ−1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン(Novec7500)、テトラデカフルオロ−2−メチルヘキサン−3−オン テトラデカフルオロ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン(Novec774)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−テトラデカフルオロヘキサン(FC72)、パーフルオロトリ−N−ブチルアミン(FC43)、パーフルオロトリペンチルアミン(FC70)、パーフルオロトリプロピルアミン(FC3283)。
上記誘電性流体は全て、EUV光学系の冷却用途で概して使用可能であり、これらの誘電性流体のいくつかは、2相冷却及び単相冷却を考えた場合に他のものよりも有利である。
別の実施形態によれば、冷却媒体92は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)であり、この実施形態では、R134aは単相(液体)でのみ操作される。
表1(説明の最後)に、上記誘電性流体並びに水、CO2(R744)、エタノール、及びメタノールの関連の熱物性を挙げる。表1に挙げた熱物性は、使用圧力1バールでの飽和温度Tsat;EUVリソグラフィシステムの関心の使用温度である温度22℃での飽和圧力Psat;三重点;臨界温度Tcritical;臨界圧Pcritical;液(蒸気)相の密度と気相の密度との間の比である密度比;40%蒸気相の2相状態での粘度;液体粘度;液体密度;温度25℃での潜熱;温度25℃での比熱;0.25cmギャップの絶縁耐力;誘電率;及び地球温暖化係数(GWP)である。
図5〜図8は、表1に挙げた流体の飽和曲線の図を示す。各飽和曲線は、気(蒸気)相(対応の飽和曲線の下)と液相(対応の飽和曲線の上)との間の界面に対応する。
図5は、誘電性流体R134a、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245fa、及びR1233zd(E)の飽和曲線を示す。図5から分かり得るように、上記誘電性流体の全部が、約15℃〜約35℃の好適な温度範囲で液相を含む。
図6は、誘電性流体Novec7000、Novec649、Novec7100、Novec774、Novec7200、Novec7300、及びNovec7500の飽和曲線を示す。
図7は、誘電性流体FC72、FC3283、FC43、及びFC70の飽和曲線を示す。
最後に、図8は、メタノール及びエタノールの飽和曲線を示す。
図5〜図8の飽和曲線に基づき、特に約15℃〜約35℃の温度範囲である関心の温度範囲で、好ましくはEUVリソグラフィシステムの好適な使用温度範囲である約18℃〜約23℃の温度で、考えられる2相冷却システムが(受動熱サイフォン又は能動ポンプ式冷却システムとして)動作し得る圧力レベルを評価することができる。エタノール、メタノール、及び図6及び図7に飽和曲線を示す流体の全部が2相冷却用途で大気圧未満及び考慮した温度範囲で機能することを、図6〜図8から読み取ることができ、これは、冷却システムへの空気汚染がわずかな漏れでも生じ得ることを意味する。その代わりに、図5に飽和曲線を示す流体は、温度約20℃で正の使用圧力、すなわち大気圧よりも高い使用圧力、すなわち1.3bar〜6barを有する。比較すると、CO2の飽和圧力は22℃の温度で約60barなので、冷却媒体としてのCO2は、少なくとも一部が液相であるために非常高い使用圧力を必要とする。このような高い使用圧力には、冷却システムの耐漏性を確保するために非常に高い構造費用が必要となる。
2相冷却で大気圧をわずかに上回る使用圧力、したがって正の使用圧力の基準に関して、誘電性流体R1233zd(E)及びR245faが冷却媒体として特に適しているが、誘電性流体R1234yf、R1234ze、及びR236faも同様である。
しかしながら、冷却媒体92としての誘電性流体の選択は、適切な使用圧力に応じて変わるだけでなく、密度及び粘度等の他のパラメータも冷却媒体の選択時に考慮しなければならない。その理由は、これらのパラメータが、システムの圧力降下、すなわちポンプ式冷却システムのポンプ動力において強い影響があるからである。
適した誘電性流体の選択に関連する別のパラメータは、表1に挙げた流体についてそこに示した絶縁耐力であり、これは誘電率よりも流体の電気絶縁性をよりよく表すものである。その理由は、高い誘電率は流体の電気絶縁性が良好であることを意味するものではないからである。絶縁耐力に関しては、表1に挙げた全部の誘電性流体が適している。
特に2相冷却用途に関する別の関連パラメータは、冷却媒体の潜熱である。表1に、関心の誘電性流体の25℃の温度での潜熱を示す。潜熱が高いほど、冷却能力の可能性が高い。
潜熱に関しては、誘電性流体R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245faが、上記流体と同じオーダの潜熱を示すNovec7000を除くNovec流体よりも有利である。水、エタノール、及びメタノールは、最高の潜熱値を有するが、これらの流体の使用には、25℃の飽和条件に約0.03bar、0.08bar、及び0.2barの使用圧力が必要であり、したがって莫大な2相摩擦圧力降下が非常に不安定なプロセスにつながる。
受動冷却用途、例えば熱サイフォンループ冷却システムの場合、液体又は動粘度と、液相の密度対蒸気相又は気相の密度の比を意味する密度比とが重要なパラメータである。これらのパラメータは、システムの圧力降下及び冷却能力(冷却ループの質量流量)に著しく影響を及ぼす。理想的な冷却媒体は、密度比が高く(高い冷却能力)粘度が低い(小さな圧力降下)。Novec及びFC誘電性流体並びにエタノール及びメタノールは、流量を増加させる最高の密度比を有するが、流量を減少させる高い粘度も有する。
この点で、誘電性流体FC72は、R245fa及びR1233zd(E)よりも高い密度比及び低い粘度を有するので、熱サイフォン冷却システムにより適していると思われ、メタノール(但し、引火性及び毒性が高い)も良い選択だと思われるが、他の3つの上記誘電性流体よりも高い粘度を有する。流体FC72及びメタノールの負の側面は、大気圧未満の使用圧力(それぞれ約0.27bar及び約0.15bar)であり、これは1.32bar及び1.14barで働き得るR245fa及びR1233zd(E)の場合とは異なる。すでに上述したように、真空条件下で働く冷却媒体には、漏洩の場合の空気汚染及び特別な脱気装置が必要であるという欠点がある。
図9を参照して、熱サイフォン冷却システムにおける冷却媒体の性能に対する密度比及び粘度の影響を説明する。高さ(L)が20cmで直径(D)が1cmの断熱鉛直管(ライザ)内の圧力降下ΔPを、質量流量の関数として計算した。圧力降下ΔPは、次式に示すように、摩擦項及び重力項と断熱2相流(乾き度(vapor quality)40%)を考慮して求めた。
式中、ρは密度、gは地球の重力、Δhは高低差、mは質量、fは十分に発達した層流(64/レイノルズ)を仮定して求めた摩擦係数である。
図9から分かり得るように、メタノール及びFC72の圧力降下は、小さな質量流量でのみ最小となり、7.5kgh−1よりも大きな質量流量ではR245faが最小であった。高圧圧流体、すなわちR1234yf、R134a、R1234ze、及びR236faは、より均一な圧力降下を示し、それらの値は、大きな質量流量(高い冷却能力)を考えた場合に低圧流体の値と同程度である。
メタノール及びFC72は、図9で分析した流体の最高密度比を有し、これは熱サイフォンループ冷却システムでは質量流量がより大きい可能性があることを意味するが、これらの圧力降下は、小さな質量流量ではR245fa及びR1233zd(E)について得られる値と同様であり、大きな質量流量ではそれらの値よりも大きい。したがって、大きな密度比に関連する潜在的利益は、大きな圧力降下によって相殺される。
潜熱を用いることができない単相冷却の場合、関連パラメータは、比熱(一定の質量流量及び流体温度勾配を考えた場合に値が大きいほど高い冷却能力を意味する)及び粘度(冷却システムの圧力降下、したがってポンプ式冷却システムのポンプ動力に関連する)である。誘電性流体R134a、R1234yf、R1234ze、R245fa、及びNovec7000は、表1によれば最大の比熱値を示すが、R245fa及びNovec7000は、液体粘度の値がより大きく、これは大きな圧力降下及びポンプ動力を意味する。実際には、流体CO2、エタノール、メタノールは、表1によれば最大の比熱値を示すが、高圧(CO2)、大気圧未満の圧力(エタノール、メタノール)、高粘度(エタノール、メタノール)、引火性(エタノール、メタノール)、及び毒性(メタノール)等の側面が、これらの流体の使用をかなり制限する。
単相冷却と2相冷却とを比較すると、2相冷却には、飽和プロセスによって熱源(例えば、冷却対象のコンポーネント)のより均一な温度を自然に維持するという利点がある。また、単相システムは、冷却対象の表面に沿った最小の温度勾配、したがって光機械コンポーネント、システム、及び構造の均一な温度を保証するためにより大きな質量流量値を必要とするので、より小さな質量流量及びポンプ動力(能動ポンプ式冷却システムを考えた場合)が可能である。
流体R134a、Novec7000、及び水について考え、流体R134aを2相冷却で用いて潜熱の40%が用いられる(蒸発器の出口における乾き度が40%)と仮定し、他の2つの流体を単相冷却で用いて温度勾配が3℃と考えた場合、質量流量は、50Wの冷却能力に関してそれぞれ2.53kgh−1、46.2kgh−1、及び14.3kgh−1となり、これは2相冷却を考えた場合により小さなポンプ動力消費を意味する。
臨界温度及び臨界圧(表1参照)は、表1に挙げた全流体が関心の熱力学的条件で、すなわち約22℃の温度で適用可能であることを示す。CO2については特に注意する必要があるが、その理由は、これが約31℃を上回ると明確な液相及び気相が存在しない超臨界領域で機能するからである。最終製品の輸送中に負の周囲温度に達し得るとともに、作動流体が凝固する結果として冷却システムに損傷を与え得るので、三重点も考慮に入れるべき重要なパラメータである。流体R1234yf、Novec7300、FC72、FC43、FC3283、CO2、及び水に関しては、三重点は比較的高く、これらの流体は、寒冷時のこのようなシステムの運送中に凍結し得る。
さらに、地球温暖化係数(GWP)を考慮すると、水の次に最良の流体は、CO2、R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、Novec649、及びNovec774である。
上記を要約するために、2相流及び受動冷却システム(例えば、熱サイフォンループシステム)に関しては、R245fa及びR1233zd(E)は、冷却媒体92として用いるのに最も有利な誘電性流体であり、ある範囲の比較的大きな質量流量での小さな圧力降下及び大きな密度比を示した。
能動ポンプ式冷却システムに関して、2相冷却は、(潜熱移動、したがって冷却対象のコンポーネントの非常に均一な温度に起因して)冷却媒体の温度の均一性が高く、ポンプ動力も小さい。作動流体R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245fa、R134a、及びNovec7000は、最高の潜熱値を示すが、R134a、R1234yf、及びR1234zeの粘度、したがってシステム内の圧力降下は、Novec7000のものよりも低い。
単相冷却に関して、誘電性流体R134aが水の次に最も有利なものだが、水の欠点(漏洩の場合に光学系及び電子機器の損傷の危険性が高い)がない。R134aは、単相冷却に必須である高い比熱及び低い粘度を有する。R134aは、22℃の温度で6.08barの飽和圧力を有し、したがって約6.1bar〜約10barの使用圧力下で操作することができる。
Claims (30)
- EUV用途向けの光学系(10、12、18、32、38、44)の少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、28、34、40、52、54)のための冷却システムであって、少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)と、該少なくとも1つの冷却チャネルを通って前記少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、28、34、40、52、54)から熱を吸収し、該熱を奪い去る冷却媒体(92)とを備え、該冷却媒体(92)は、純水、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、及びクロロジフルオロメタン(R22)を除く、好ましくは不燃性の誘電性流体を含む冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、10bar未満の使用圧力及び約10℃〜約50℃の温度範囲で液相を含むことを特徴とする冷却システム。
- 請求項1に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、10bar未満の使用圧力及び約15℃〜約35℃の温度範囲で液相を含むことを特徴とする冷却システム。
- 請求項1又は2に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、(トランス)−1−クロロ‐3,3,3−トリフルオロプロペン(R1233zd(E)),2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(R236fa)、1,1,13,3−ペンタフルオロプロパン(R245fa)、ドデカフルオロ−2−メチルペンタン−3−オン(Novec649);1−メトキシヘプタフルオロプロパン(Novec7000)、メトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7100)、エトキシ−ノナフルオロブタン(Novec7200)、ペンタン,1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル(trfluoromethyl))−(Novec7300)、ヘキサン,3,エトキシ−1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン(Novec7500)、テトラデカフルオロ−2−メチルヘキサン−3−オン テトラデカフルオロ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン(Novec774)、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−テトラデカフルオロヘキサン(FC72)、パーフルオロトリ−N−ブチルアミン(FC43)、パーフルオロトリペンチルアミン(FC70)、パーフルオロトリプロピルアミン(FC3283)を含む群から選択されることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1又は2に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、約22℃の温度で10barよりも低く0.8barよりも高い範囲の飽和圧力を有することを特徴とする冷却システム。
- 請求項4に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、R1233zd(E)、R1234yf、R1234ze、R236fa、R245faを含む群から選択されることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)内の前記誘電性流体は、液相でのみ存在することを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)内の前記誘電性流体は、液相及び気相の混合物として存在することを特徴とする冷却システム。
- 請求項7に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、R1233zd(E)、R245faを含む群から選択されることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)内の前記誘電性流体は、大気圧に概ね相当する使用圧力下にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)内の前記誘電性流体は、約10℃〜約50℃の範囲、好ましくは約15℃〜約35℃の範囲の温度を有することを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、大気圧で約10℃〜約50℃の温度範囲、好ましくは約15℃〜約35℃の温度範囲の沸点を有することを特徴とする冷却システム。
- 請求項11に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、R1233zd(E)、R245fa、Novec649、Novec7000を含む群から選択されることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、約10MV/m〜約70MV/mの範囲の絶縁耐力を有することを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、約22℃の温度及び大気圧で約100μPa・s〜約25000μPa・sの範囲の動粘度を有することを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記冷却媒体(92)の質量流量が、約2kg/h〜約30kg/hの範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、該冷却システムにおける圧力降下が、約10Pa〜約250Paの範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、質量流量の関数としての圧力降下の変化が、8Pa/(kg/h))未満、好ましくは約0.3Pa/(kg/h))〜約3Pa/(kg/h))の範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- EUV用途向けの光学系(10、12、18、32、38、44)の少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、28、34、40、52、54)のための冷却システムであって、少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)と、該少なくとも1つの冷却チャネルを通って前記少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、28、34、40、52、54)から熱を吸収し、該熱を奪い去る冷却媒体(92)とを備え、該冷却媒体(92)は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)を含む冷却システムにおいて、誘電性流体が、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90;108)内に液相でのみ存在することを特徴とする冷却システム。
- 請求項18に記載の冷却システムにおいて、前記冷却媒体(92)は、約6.1barよりも高く、好ましくは約10bar未満の使用圧力下で、約10℃〜約30℃の範囲の温度にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項18又は19に記載の冷却システムにおいて、前記冷却媒体(92)の質量流量が、約2kg/h〜約30kg/hの範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項18〜20のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、該冷却システムにおける圧力降下が、約10Pa〜約250Paの範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項18〜21のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、質量流量の関数としての圧力降下の変化が、8Pa/(kg/h))未満、好ましくは約0.3Pa/(kg/h))〜約3Pa/(kg/h))の範囲にあることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜22のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記誘電性流体は、フルオロオカーボン系、パーフルオロカーボン系、又はハイドロフルオロエオーテル系であることを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜23のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(108)を、前記光学系又は該光学系の構造体に組み込むか、又は前記少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、40)に組み込んだことを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜24のいずれか1項に記載の冷却システムにおいて、前記少なくとも1つの冷却チャネル(90)を、前記光学系若しくは該光学系の構造体若しくは前記少なくとも1つのシステムコンポーネント(24)に熱伝導的に接続されるか、又は熱放射、対流、若しくはガス伝導によって前記光学系若しくは該光学系の構造体若しくは前記少なくとも1つのシステムコンポーネント(24)から熱を吸収するヒートシンク(86)に配置したことを特徴とする冷却システム。
- 請求項1〜25のいずれか1項に記載の冷却システム(62、64、66、68、70、72、74、76)を特徴とする、EUV用途向けの光学系(10、12、18、32、38、44)のシステムコンポーネント。
- 請求項26に記載のシステムコンポーネントにおいて、該システムコンポーネントは、光学素子、機械要素、アクチュエータ(52、54)、及び/又はセンサであることを特徴とするシステムコンポーネント。
- 請求項1〜25のいずれか1項に記載の少なくとも1つの冷却システム(62、64、66、68、70、72、74、76)を特徴とする、請求項26又は27に記載の少なくとも1つのシステムコンポーネント(16、22、24、26、28、34、40、52、54)を備えたEUV用途向けの光学系。
- 請求項28に記載の光学系において、該光学系は、リソグラフィ用のEUV投影露光装置の少なくとも1つのサブシステム(12、18、32、38、44)又はEUV投影露光装置全体であることを特徴とする光学系。
- 請求項29に記載の光学系において、前記少なくとも1つのサブシステム(12、18、32、38、44)は、放射線発生システム、照明システム、投影システム、及び/又はウェーハシステムであることを特徴とする光学系。
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