JP2015506346A - 塩化スルフリルを含む塩素化剤 - Google Patents

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Abstract

単独での、又は塩素と組み合わせた、塩素化剤としての塩化スルフリルの使用が開示される。

Description

本発明は、単独で、又は塩素と組み合わせた、塩素化剤としての塩化スルフリルの使用に関する。
ヒドロフルオロカーボン(HFC)製品は、冷却、空調、泡膨張を含む多くの用途、並びに医療用エアロゾル装置を含むエアロゾル製品のための噴霧剤として広く利用されている。HFCは、これが代替したクロロフルオロカーボン及びヒドロクロロフルオロカーボン製品よりも気候に優しいことが証明されているが、現在ではかなりの地球温暖化係数(GWP)を示すことが分かっている。
現行のフルオロカーボン製品に対する、より許容できる代替品についての研究は、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)製品の出現につながった。先行品と比較して、HFOはオゾン層への悪影響がより少なく、一般にGWPがより低いという点において、雰囲気に与える影響がより少ないと考えられた。有利なことに、HFOは低燃焼性及び低毒性もまた示す。
HFOの環境的な、したがって経済的な重要性が高まるにつれ、それらの製造に利用される前駆体の需要が高まった。多くの望ましいHFO化合物、例えば、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンは、典型的に、ポリウレタン発泡剤、殺生物剤、及びポリマーを製造する原料としての使用を見いだすこともあるクロロカーボン、特に塩化プロペンの原料を利用して製造されることがある。
残念ながら、多くの従来の方法は塩素化剤として気体塩素を利用しているという事実に少なくとも一部起因して、多くの塩化プロペンは、商業的な入手可能性が限られていることがあり、及び/又は極端に高いコストでのみ入手可能であることがある。塩素化剤は気体の形態であるため、液相反応で達成されうる濃度は、液相中への気体の溶解性に制限される。また、気体反応剤、塩素化剤、溶媒、及び/又は触媒を混合することは最適ではないことがある。典型的にはより高い温度又は圧力を利用してこれらの限界を克服しており、それによって望ましくない時間及び/又はコストが方法に加わる。いくつかの製造者にとって、気体塩素の利用は輸送及び安全性の問題となることがある。
したがって、冷却剤及び他の商品を合成する原料として有用なクロロカーボン前駆体を製造する、改善された方法を提供することが望ましい。より詳細には、そのような方法は、液体の形態で利用可能な塩素化剤を利用する場合、現行の技術水準に改善を提供するであろう。
本発明はそのような方法を提供する。より詳細には、本方法は、飽和炭化水素及び/又は飽和ハロゲン化炭化水素を含む供給流の塩素化剤として塩化スルフリルを利用する。塩素気体とは異なり、塩化スルフリルは溶媒であり、液相反応で利用可能な塩素の濃度を増大させるよう働くことができる。更に、塩化スルフリルは、そのような方法において望ましく利用されることがある触媒の溶解を助けることができ、過剰な及び/又は高価な温度及び圧力を適用することなく、許容できる反応速度を達成することができる。いくつかの実施形態において、所望の生成物に対する選択性を改善することができる。実際、塩化スルフリルは70℃よりも低い温度及び周囲圧力において液体であるため、気体塩素化剤、例えば塩素よりも、他の反応剤と混合するコストが低い。
一つの側面において、塩素化剤としてSOClを使用することを含んでおり、方法の原料が飽和炭化水素を含む、化学的製造方法が提供される。方法は、塩化プロパン及び/又は塩化プロペンの製造方法であってよく、いくつかの実施形態において、それらは3〜5個の塩素原子を含む。いくつかの実施形態において、製造される塩化プロペンは1,1,2,3―テトラクロロプロペンを含んでもよい。原料としては、望ましくは塩素化された任意の原料を含んでもよく、例えば、プロパン、一つ以上のジクロロプロパン、及び/又は一つ以上のトリクロロプロパンが挙げられる。
方法は、望ましくはフリーラジカル開始剤又はイオン性塩素化触媒の存在下で行うことがある少なくとも一つの液相塩素化工程を含む。適切なフリーラジカル開始剤としては、AIBN、2,2’―アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’―アゾビス(2―メチルプロピオネート)、1,1’―アゾビス(シクロヘキサン―1―カルボニトリル)、又は1,1’―アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)、紫外線光、又はこれらの組合せを含み、適切なイオン性塩素化触媒としては、塩化アルミニウム(AlCl)、ヨウ素(I)、塩化鉄(FeCl)及び他の鉄含有化合物、ヨウ素、硫黄、五塩化アンチモン(SbCl)、三塩化ホウ素(BCI)、ハロゲン化ランタン、金属トリフラート、又はこれらの組合せを含む。塩素化工程は、溶媒、例えば、PDC、トリクロロプロパン異性体、テトラクロロプロパン異性体、四塩化炭素、又はこれらの組合せの存在下で行ってもよい。いくつかの実施形態において、方法によってHClが生じ、望ましくは無水HClとして方法から回収する。所望により、未反応の塩素及びSO副生成物を、SOClへと変換して戻してもよい。更に、方法の中又は方法の上流で、一つ以上の反応剤が生じてもよい。
方法は、化学塩基の存在下で行うことができる少なくとも一つの脱塩化水素工程、すなわち、腐食性分解工程を更に含んでもよく、又は触媒、例えば鉄含有触媒を使用して実施することができる工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、塩化鉄を使用して触媒的分解工程を行ってもよい。いくつかの実施形態において、脱塩化水素工程は第一の塩素化工程の前に行う。
製造される塩素化生成物を利用することによって、更に下流の生成物、例えば、2,2,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンの製造に、本方法によって提供される利点がもたらされることがある。
図1は、一実施形態による方法の模式図を示す。
図2は、更なる実施形態による方法の模式図を示す。
図3は、更なる実施形態による方法の模式図を示す。
図4は、更なる実施形態による方法の模式図を示す。
本明細書は特定の定義及び方法を提供して本発明をよりよく画定し、本発明の実施にあたり当業者を導く。特定の用語又は句について、定義を提供すること又は提供しないことは、特別な重要性があること又はないことを意味するものではない。むしろ、特に明記しない限り、用語は当業者による従来の用法に従って理解される。
本明細書において使用する用語、「第一の」、「第二の」等は、順序、量、又は重要性を意味するものではなく、一つの要素と他の要素とを区別するために用いる。また、用語「a」及び「an」は、量の限定を示すものではなく、引用するものが少なくとも一つ存在することを示しており、特に明記しない限り、用語「正面」、「後部」、「底部」、及び/又は「上部」は、単に記載の便宜のために使用し、一つの位置又は空間定位に限定するものではない。
範囲を開示する場合、同じ成分又は特性を対象とする全ての範囲のエンドポイントは包括的であり、独立して結合可能である(例えば、「最高25質量%、又はより具体的には5質量%〜20質量%」との範囲は、エンドポイント、及び「5質量%〜25質量%」の範囲の全ての中間値等を含む)。本明細書で用いるパーセント(%)転化率とは、入力の流れに対する、反応器内の反応剤のモル又は質量流量の比率の変化を示すものであり、パーセント(%)選択性とは、反応剤のモル流量の変化に対する、反応器の生成物のモル流量の比率の変化を意味する。
本明細書をとおして「一実施形態」又は「実施形態」との引用は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特徴が、少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書をとおして様々な場所の「一実施形態において」又は「実施形態において」との句の体裁は、必ずしも同じ実施形態をさすものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性を、一つ以上の実施形態において適切な態様で組み合わせてもよい。
いくつかの例において、「PDC」は1,2―ジクロロプロパンの略語として使用することがあり、「TCP」は1,2,3―トリクロロプロパンの略語として使用することがあり、「TCPE」は1,1,2,3―テトラクロロプロペンの略語として使用することがある。用語「分解(cracking)」及び「脱塩化水素反応」は相互に用いて、同じ種類の反応、すなわち、塩化炭化水素反応剤の隣接した炭素原子から水素及び塩素原子を除去することによって、典型的に二重結合の生成につながる反応を意味する。
本発明は、飽和炭化水素を含む供給流の塩素化剤として、塩化スルフリルを利用する方法を提供する。不飽和炭化水素を含む供給流を含む方法に関して、塩素化剤として塩化スルフリルを使用することは知られているが、飽和炭化水素を含む供給流を含む方法に関する塩化スルフリルの使用は知られておらず、予想されるものでもない。これは少なくとも、二重結合上への塩素原子の付加は、飽和分子への塩素原子の付加とは異なる化学を含むという理由からである。
更に、塩素気体とは異なり、塩化スルフリルは溶媒であり、液相反応で利用可能な塩素の濃度を増大させるよう作用することができる。更に、塩化スルフリルは、そのような方法において望ましいことがある触媒の溶解を助けることができる。その結果、過剰な及び/又は高価な温度及び圧力を適用することなく、許容できる反応速度を達成することができる。実際、塩化スルフリルは70℃よりも低い温度及び周囲圧力において液体であるため、気体塩素化剤、例えば塩素よりも、他の反応剤と混合するコストが低い。言い換えれば、飽和炭化水素の塩素化に関する塩素化剤としての塩化スルフリルの使用は、不飽和炭化水素の塩素化剤としての従来の用途では知られておらず予想外であるばかりでなく、飽和炭化水素を含む供給流を塩素化する方法において、塩素と比較して予想外の結果及び利点を提供する。
驚くことに、塩化スルフリルと塩素とを組み合わせた使用は、それぞれを単独で使用するよりも、飽和炭化水素を塩素化する方法においてより良好な結果、例えば、低強度の条件での転化率、生成物収率、選択性、及び/又はより少ない副生成物の生成を提供することができるということを見いだした。いくつかの実施形態において、そのような組合せを使用する結果は相乗的であることがある。
本方法は、飽和炭化水素を含む供給流の塩素化が所望されるあらゆる化学的方法に適用してもよい。10個未満の炭素原子、又は8個未満の炭素原子、又は6個未満の炭素原子を有する、又は1〜3個の炭素原子を有する塩化炭化水素又は塩化オレフィンは、広い商業的用途を有しており、技術分野においてこれらの効率的な製造方法が望まれており、いくつかの実施形態において、本方法はこれらの調製を対象としてもよい。他の実施形態において、方法は、望ましくは塩化プロペンの製造方法であってよい。
本方法を使用して任意の塩化プロペンを製造してもよく、3〜5個の塩素原子を有する塩化プロペンはより大きな商業的用途を有することがあり、したがって、いくつかの実施形態においてこれらを製造することが好ましいことがある。いくつかの実施形態において、方法は、冷却剤、ポリマー、殺生物剤等のための原料として好ましいことがある1,1,2,3―テトラクロロプロペンの製造に使用してもよい。
供給流中で利用される飽和炭化水素は特に制限されず、望ましくは製造する生成物に依存する。典型的に、飽和炭化水素は所望の生成物と同数の炭素原子を有してもよく、他の実施例においては、飽和炭化水素は所望の生成物よりも少ない炭素原子を有してもよい。方法を利用して5個以下の炭素原子を有する塩化炭化水素又は塩化オレフィンを製造する実施形態において、1個の炭素原子〜3個の炭素原子を有する飽和炭化水素を利用してもよい。
飽和炭化水素はハロゲン化飽和炭化水素であってよく、いくつかの実施形態において塩化飽和炭化水素であってよい。例えば、塩化プロパン又は塩化プロペンを製造する実施形態では、飽和炭化水素はプロパン、及び/又は一つ以上のモノクロロプロパン、ジクロロプロパン、例えば1,2―ジクロロプロパン、又はトリクロロプロパンを含んでもよい。テトラクロロメタンを製造する実施形態では、飽和炭化水素は、一つ以上の塩化メタンを含んでもよい。
飽和炭化水素は、単独で、又は一つ以上の反応剤及び/若しくは溶媒と組み合わせて利用してもよい。多くの塩素化方法において、未反応の反応剤及び/又は反応副生成物は、望ましくは方法の中でリサイクルしてもよく、したがって、供給流はそれらを更に含んでもよい。不飽和炭化水素は供給流中に存在してもよく、最初の供給の一部であるか、又は方法からリサイクルするかのいずれかであってよい。
いくつかの実施形態において、塩化スルフリルは、方法の中で再生してもよく、再利用してもよい。すなわち、塩化スルフリルと一つ以上の飽和炭化水素を含む供給流との間の塩素化反応は、典型的に副生成物としてSOを製造することがあり、これは処分してもよく、下流プロセスに供給してもよく、反応剤として使用してもよく、又は塩素との反応によって塩化スルフリルを再生するのに用いてもよい。二酸化硫黄から塩化スルフリルを再生する反応条件は一般的に当業者に知られており、そのようなあらゆる公知の方法は、方法に容易に取り入れられるいくつかの選択、すなわち、既存の装置内で及び/又は既存の反応剤を用いて実施できるようなものとともに使用してもよい。
本方法の塩素化工程に触媒は必要ではないが、所望により、反応速度論を増加させるために用いることができる。いくつかの実施形態において、望ましくは、知られているフリーラジカル触媒又は開始剤を用いて本方法を強化する。そのような触媒としては、典型的に塩素、ペルオキシド、又はアゾ―(R―N=N―R’)基の一つ以上を含んでもよく、及び/又は反応相間移動性/活性(reactor phase mobility/activity)を示してもよい。本明細書で用いる用語「反応相間移動性/活性」とは、反応器の設計限度内で、生成物、塩化及び/又はフッ化プロペンの有効な回転率を開始及び連鎖することができる充分なエネルギーのフリーラジカルを生成するのに、実質的な量の触媒又は開始剤が利用可能であることを意味する。
更に、フリーラジカル触媒/開始剤を使用する場合、方法の温度/滞留時間の下、所定の開始剤から理論最大量のフリーラジカルが生じるよう、触媒/開始剤は充分な均一解離エネルギーを有するべきである。低い濃度又は反応性によって初期ラジカルのフリーラジカル塩素化が妨げられる濃度でフリーラジカル開始剤を使用することは特に有用である。驚くべきことに、フリーラジカル開始剤の利用は、方法により製造される不純物の増加にはつながらず、塩化プロペンに、少なくとも50%、又は最高60%、最高70%、及びいくつかの実施形態において最高80%、又はそれ以上の選択性を提供する。
そのようなフリーラジカル開始剤は当業者に知られており、例えば「Aspects of some initiation and propagation processes」Bamford,Clement H.、Univ.Liverpool,Liverpool,UK.、Pure and Applied Chemistry(1967年)、15(3−4)、333〜48頁、及びSheppard, C.S.;Mageli,O.L.「Peroxides and peroxy compounds,organic」Kirk−Othmer Encycl.Chem.Technol、第3版(1982年)、17、27〜90頁において検討されている。
上記を考慮に入れると、塩素を含む適切な触媒/開始剤の例としては、限定されないが、四塩化炭素、ヘキサクロロアセトン、クロロホルム、ヘキサクロロエタン、ホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、トリクロロメチルベンゼン、過塩素化アルキルアリール官能基、又は有機及び無機次亜塩素酸塩、例えば次亜塩素酸、t―ブチル次亜塩素酸塩、メチル次亜塩素酸塩、塩化アミン(クロラミン)、並びに塩化アミド又はスルホンアミド、例えばクロラミン―T(登録商標)等が挙げられる。一つ以上のペルオキシド基を含む適切な触媒/開始剤の例としては、過酸化水素、次亜塩素酸、脂肪族及び芳香族の過酸化物又はヒドロペルオキシド、例えば、ジ―t―ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、クミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド等が挙げられる。ジペルオキシドは、競合する過程(例えば、PDCの、TCP(及びその異性体)並びにテトラクロロプロパンへのフリーラジカル塩素化)を連鎖することができないという利点を提供する。一つ以上のアゾ基(R―N=N―R’)を含む化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’―アゾビス(2,4―ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’―アゾビス(2―メチルプロピオネート)、1,1’―アゾビス(シクロヘキサン―1―カルボニトリル)、又は1,1’―アゾビス―(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)の添加は、本発明の条件下での、PDCの、トリクロロプロパン及びテトラクロロプロパンへの塩素化を行うことにおいて有用性を有してもよい。これらのあらゆる組合せを利用してもよい。
Breslow,R.によって「Organic Reaction Mechanisms」W.A.Benjamin Pub、New York、223〜224頁において教示されているように、方法又は反応領域を、フリーラジカル触媒/開始剤の光分解の誘起に適する波長の、パルスレーザー又は連続的紫外/可視光源にあててもよい。波長300〜700nmの光源は、商業的に入手可能なラジカル開始剤を解離するのに十分である。そのような光源としては、例えば、リアクタチャンバーへと照射されるよう構成された適切な波長又はエネルギーの、Hanovia UV照射灯、太陽灯、又は更にはパルスレーザビームが挙げられる。代替として、Bailleux他によって、Journal of Molecular Spectroscopy、2005年、第229巻、140〜144頁において教示されているように、反応器へと導入したブロモクロロメタン供給源へのマイクロ波の照射から、クロロプロピルラジカルを生じてもよい。
いくつかの実施形態において、一つ以上の塩素化工程において、イオン性塩素化触媒を利用してもよい。本方法におけるイオン性塩素化触媒の使用は、同じ反応の間にアルカンを脱塩化水素化及び塩素化するので特に有利である。すなわち、イオン性塩素化触媒は、隣接する炭素原子から塩素及び水素を除去し、隣接した炭素原子が二重結合を形成し、HClを放出する。塩素分子が付加して戻り二重結合を置換し、より高塩素化したアルカンを提供する。
イオン性塩素化触媒は当業者に知られており、これらはいずれも本方法に使用してもよい。適切なイオン性塩素化触媒としては、限定されないが、塩化アルミニウム(AlCl)、ヨウ素(I)、塩化鉄(FeCl)及び他の鉄含有化合物、ヨウ素、硫黄、五塩化アンチモン(SbCl)、三塩化ホウ素(BCl)、ハロゲン化ランタン、金属トリフラート、又はこれらの組合せが挙げられる。本方法の一つ以上の塩素化工程においてイオン性塩素化触媒を利用する場合、Iとともに又はIなしでAlClを使用することが好ましい。
いくつかの実施形態において、本方法の脱塩化水素工程は、反応速度が強化され、使用する腐食性液体が低減されるか又は更には方法から排除されるよう、触媒の存在下で実施してもよい。そのような実施形態は、水性HClよりも高価値の副生成物である無水HClが製造されるという点で更に有利である。触媒の使用を所望する場合、適切な脱塩化水素触媒としては、限定されないが、腐食性のものに対する代用としての塩化鉄(FeCl)が挙げられる。
他の実施形態において、本方法の脱塩化水素工程の一つ以上を、腐食性液体の存在下で行ってもよい。気相脱塩化水素反応は、有利にも液相脱塩化水素反応より高価値の副生成物の形成につながり、液相脱塩化水素反応は、反応剤を蒸発させる必要がないのでコストの節減を提供することができる。液相反応で使用する低い反応温度は、気相反応でのより高い温度よりも遅い汚れ速度につながることがあり、したがって、少なくとも一つの液相脱塩化水素反応を利用する場合、反応器の寿命が最適化されることがある。
多くの化学塩基が液体脱塩化水素反応に有用であることが本技術分野において知られており、これらはいずれも使用することができる。例えば、適切な塩基としては、限定されないが、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム;アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム;リチウム、ルビジウム、及びセシウム、又はこれらの組合せが挙げられる。相間移動触媒、例えば第四級アンモニウム塩及び第四級ホスホニウム塩(例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、又はヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド)を添加して、これらの化学塩基を用いた脱ハロゲン化水素反応の速度を改善することができる。
方法で利用される触媒の一部又は全部は、バルクで、又は基材、例えば活性炭、グラファイト、シリカ、アルミナ、ゼオライト、フッ化グラファイト、及びフッ化アルミナと組み合わせて提供することができる。(あるとすれば)所望の触媒又はその形態がどうであれ、当業者であれば、適切な形態を決定する方法、及びそれらを導入する方法をよく知っている。例えば、典型的には、多くの触媒は、別々の供給として、又は他の反応剤を含む溶液中で反応領域へと導入する。
利用する任意の触媒の量は、選択した特定の触媒及びその他の反応条件に依存する。一般的に、触媒の利用が所望される本発明の実施形態では、十分な量の触媒を利用して、反応処理条件又は実現される生成物にいくつかの改善(例えば、必要な温度の低下)を提供すべきであるが、経済的実用性の理由のみである場合、任意の更なる利点を提供する量よりも多くすべきではない。
説明のみを目的とするが、例えばAlCl及び/若しくはIを含むイオン性塩素化触媒、又は例えばAIBNを含むフリーラジカル触媒を使用する実施形態では、それぞれの有用な濃度は、0.001質量%〜20質量%、又は0.01質量%〜10質量%、又は0.1質量%〜5質量%、これらの間の全てのサブレンジを含む範囲であることが予想される。脱塩化水素触媒を利用する場合、70℃〜200℃の温度において、有用な濃度は、0.01質量%〜5質量%、又は0.05質量%〜2質量%である。一つ以上の脱塩化水素反応に化学塩基を利用する場合、これらの有用な濃度は、0.01〜20grmole/L、又は0.1grmole/L〜15grmole/L、又は1grmole/L〜10grmole/Lであり、これらの間の全てのサブレンジを含む。触媒/塩基のそれぞれの相対濃度は、例えば、1,2―ジクロロプロパン単独での、又は1,2,3―トリクロロプロパンとの組み合わせた供給に対して与えられる。
更なる実施形態において、更なる利点、すなわち、選択性、転化率、又は反応副生成物の製造における改善を提供するために、方法の一つ以上の反応条件を最適化してもよい。特定の実施形態において、複数の反応条件を最適化して、選択性、転化率、及び製造される反応副生成物の製造における更なる改善を認めることができる。
最適化してもよい方法の反応条件としては、便宜に調整されるあらゆる反応条件、例えば、装置の利用、及び/又は製造痕跡に既に存在する材料、若しくは低資源コストで得られる材料によって調整されるものが挙げられる。そのような条件の例としては、限定されないが、温度、圧力、流速、反応剤のモル比、機械的混合等の調整が挙げられる。
しかしながら、本明細書に記載のそれぞれの工程で使用する特定の条件は重要ではなく、当業者によって容易に決定される。重要なことは、塩化スルフリルを塩素化剤として利用するということである。当業者であれば、本明細書に記載されている蒸留/分別、乾燥、塩素化、分解、及び異性化工程を行う、それぞれの工程のための適切な装置、及び特定の条件を容易に決定することができる。
そのような方法の模式的な説明を図1に示す。図1に示すように、方法100は、塩素化反応器102、108、及び114、分離カラム104、106、110、112、116、及び120、脱塩化水素反応器118、及び122、乾燥カラム124、及び異性化反応器126を利用する。操作において、飽和炭化水素、例えば、ジクロロプロパン及びSOClを含む原料を塩素化反応器102へと供給して、PDCの、トリ―、テトラ―、及びペンタクロロプロパンへの塩素化を提供するよう操作することができる任意の条件設定で操作してもよい。
塩素化反応器102からの塔頂流は、HCl、未反応のモノクロロプロパン、PDC、Cl、及びSO、並びに過剰なSOClを含む。分離カラム104の塔頂流のHCl、Cl、及びSOを精製及び除去した後、大部分の未反応のPDC及びSOClを含む塔底流を、塩素化反応器102へとリサイクルして戻す。HCl、Cl、及びSOを含むカラム104の塔頂流を分離カラム106へと送り、HClを塔頂流で回収する。Cl及びSOを含む分離カラム106の塔底流を塩素化反応器108へと供給し、更なる新しいClで塩素化してSOClを製造し、塩素化反応器102へとリサイクルして戻してもよい。
塩素化反応器102の塔底流を分離カラム110へと提供し、1,1,2,3―テトラクロロプロパン、ペンタクロロプロパン、及びより重い反応副生成物を含む塔底流と、TCP及び他のテトラクロロプロパン異性体を含む塔頂流とを提供するのに効果的な条件で操作する。分離カラム110からの塔頂流を塩素化反応器102へとリサイクルしつつ、分離カラム110からの塔底流を分離カラム112へと供給する。
分離カラム112は、ペンタクロロプロパン異性体から1,1,2,3―テトラクロロプロパンを分離して、これを塩素化反応器114への塔頂流として提供する。塩素化反応器114を、望ましいペンタクロロプロパン異性体、すなわち、1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンの製造を最大化しつつ、より望ましくない1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン異性体の製造を最小化するのに効果的な条件で望ましくは操作する。
未反応の1,1,2,3―テトラクロロプロパン、及び所望のペンタクロロプロパン異性体を含む、塩素化反応器114からの底部の生成物の流れを、分離カラム112へとリサイクルする。HCl及び過剰なSOCl及び/又はClを含む塩素化反応器114からの塔頂流は、分離カラム104へとリサイクルする。分離カラム104の塔頂流のHCl、Cl、及びSOを精製及び除去した後、大部分の未反応のPDC及びSOClを含む塔底流を、塩素化反応器102へとリサイクルして戻す。
分離カラム112からの塔底流を分離カラム116へと供給し、望ましいペンタクロロプロパン異性体(1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパン)を含む塔頂流と、より望ましくない1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、及びより重い副生成物を含む塔底流とを提供するのに効果的な条件で操作する。分離カラム116からの塔頂流を触媒的脱塩化水素反応器118へと供給しつつ、塔底流を適切に処分する。
脱塩化水素反応器118内で、望ましいペンタクロロプロパン異性体を触媒的に脱塩化水素化して、1,1,2,3―テトラクロロプロペンを提供する。より具体的には、脱塩化水素反応器118に、例えば、鉄又は鉄含有触媒、例えばFeClを供給してもよく、周囲圧力〜400kPaの圧力、40℃〜150℃の温度、及び3時間未満の滞留時間で操作してもよい。
脱塩化水素反応器118からの底部の反応流を分離カラム120へと提供しつつ、脱塩化水素反応器118からの塔頂流を、前記のように、更なる精製及び無水HClの回収のための分離カラム104へと提供する。
所望の塩化プロペン、例えば、1,1,2,3―TCPEを、残留する副生成物、例えば1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンから塔頂流として分離するのに効果的な条件で、分離カラム120を操作する。分離カラム120からの塔底流を、腐食性の脱塩化水素反応器122へと供給し、その生成物の流れを乾燥カラム124へと提供し、異性化反応器126へと提供し、2,3,3,3―テトラクロロプロペンを適切な条件で1,1,2,3―テトラクロロプロペンへと異性化する。
方法の他の実施形態を図2に示す。示すように、方法200は、塩素化反応器202及び208、HCl回収カラム206、分離カラム204、210、及び216、脱塩化水素反応器222、乾燥カラム224、及び異性化反応器226を利用する。操作中、飽和炭化水素、例えば、1,2―ジクロロプロパン(単独で、又はトリクロロプロパンと組み合わせて)、SOCl、及び一つ以上のフリーラジカル開始剤、例えばAIBNを、塩素化反応器202へと供給して、PDCの、トリ―、テトラ―、及びペンタクロロプロパンへの塩素化を提供するよう操作することができる任意の条件設定で操作してもよい。いくつかの実施形態において、前記のように1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパンに5%未満の選択性を提供するのに効果的な条件で、反応器202を操作してもよい。
塩素化反応器202の塔頂蒸気は、SOCl、HCl副生成物、及びいくらかの未反応のSOCl、及びPDCを含む。分離カラム204の塔頂流のHCl、Cl、及びSOを精製及び除去した後、大部分の未反応のPDC及びSOClを含む塔底流を、反応器202へとリサイクルして戻す。HCl、Cl、及びSOを含む分離カラム204の塔頂流をHCl回収カラム206へと送り、HClを塔頂流で回収する。
Cl及びSOを含むHCl回収カラム206の塔底流を、塩素化反応器208へと供給し、更なる新しいClで塩素化してSOClを製造し、塩素化反応器202へとリサイクルして戻してもよい。
反応器202の塔底流を分離カラム210へと供給して、トリ―及びテトラ塩化プロパンをペンタクロロプロパンから分離するのに効果的な条件で操作する。トリ―及びテトラ塩化プロパンを、更なる転化/塩素化のための塩素化反応器202へとリサイクルしつつ、分離カラム210からの塔底流を分離カラム216へと供給する。
分離カラム216は、分離カラム210からの塔底流を、望ましいペンタクロロプロパン異性体(1,1,1,2,2―ペンタクロロプロパン、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパン)を含む塔頂流と、より望ましくない1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、及びより重い副生成物を含む塔底流とに分離する。分離カラム216からの塔頂流を脱塩化水素反応器222へと供給しつつ、分離カラム216からの塔底流を適切に処分する。
脱塩化水素反応器222内で、水酸化ナトリウムを使用して望ましいペンタクロロプロパン異性体を腐食性分解し、2,3,3,3―テトラクロロプロペン、及び1,1,2,3―テトラクロロプロペンを提供する。脱塩化水素反応器222の生成物の流れを乾燥カラム224へと供給し、異性化反応器226へと供給して、乾燥2,3,3,3―テトラクロロプロペンをTCPEへと異性化する。
方法の更に他の実施形態を図3に示す。示すように、方法300は、気相脱塩化水素反応器318及び322、分離カラム304、305、306、310、312、316、320、及び323、並びに塩素化反応器308及び314を利用する。操作において、1,2,3―トリクロロプロパン、及びリサイクルしたテトラクロロプロパンを脱塩化水素反応器318へと供給して、HCl、及び2,3―ジクロロプロペン、1,2,3―トリクロロプロペン、及び未反応の塩化プロパンを製造するのに十分な条件で望ましくは操作する。
脱塩化水素反応器318からの反応流を、塔頂流の軽量物及びHClを除去する分離カラム304へと供給する。分離カラム304からの塔頂流を、HClの更なる精製、及び2,3―ジクロロプロペン、及び/又はジクロロプロペン中間体の回収のための分離カラム305へと供給する。
2,3―ジクロロプロペン、1,2,3―トリクロロプロペン、及び未反応のTCP、並びにテトラクロロプロパンを含む分離カラム304からの塔底流を、塩化スルフリルが供給される塩素化反応器314へと供給し、1,2,2,3―テトラクロロプロパン、及び1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンを含む塔底流を生ずる。
塩素化反応器314によって製造され、SOCl、HCl、及び僅かなSOClを含む塔頂流を分離カラム305へと供給して、塩素化反応器314へとリサイクルする塔底流中の過剰なSOCl及び未反応の2,3―ジクロロプロペンを提供するのに効果的な条件で操作する。
HCl、SO、及びClを含む分離カラム305からの塔頂流を、HCl回収カラム306へと供給して、塔頂流でHClを精製する。SO及びClを含むHCl回収カラム306の塔底流を、新しいClとともに塩素化反応器308へと供給してSOClを製造し、塩素化反応器314へとリサイクルする。1,2,2,3―テトラクロロプロパン、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン、2,3―ジクロロプロペン、及び未反応のSOClを含む塩素化反応器314の塔底流を、分離カラム312へと供給する。
SOCl及び2,3―ジクロロプロペンを含む分離カラム312からの塔頂流を、塩素化反応器314へとリサイクルして戻す。TCP、及びテトラクロロプロパン、及びペンタクロロプロパン中間体を含む分離カラム314からの塔底流を、分離カラム310へと供給する。
1,2,3―TCP、及び1,2,2,3―テトラクロロプロパンを、分離カラム310によって塔頂流内で回収して、脱塩化水素反応器318へとリサイクルする。1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンを、分離カラム310からの塔底流として提供し、分離カラム316へと供給する。塔頂流中のペンタクロロプロパンと、塔底流中のより重い副生成物とを提供するのに効果的な条件で、分離カラム316を操作する。
分離カラム316からの塔頂流を、1,1,2,3―TCPEを含む塔頂流を製造する脱塩化水素反応器322へと送る。この生成物の流れを分離カラム320(任意)へと提供することによって、更にHClを回収してもよい。望ましい1,1,2,3―TCPE、及び未反応のペンタクロロプロパンを含む分離カラム320からの底部の流れを、塔頂流中の精製されたTCPEと、脱塩化水素反応器322へとリサイクルしてもよい未反応のペンタクロロプロパンを含む塔底流とを提供することができる分離カラム323へと提供してもよい。
方法の更に他の実施形態を図4に模式的に示す。図4に示すように、方法400は、塩素化反応器402、408、及び414、分離カラム404、406、410、412、及び416、脱塩化水素反応器418、419、及び422、乾燥カラム424、及び425、並びに異性化反応器426を利用する。
操作において、1,2,3―トリクロロプロパン(単独で、又はいくつかの実施形態においてリサイクルした1,2,2,3―テトラクロロプロパンと組み合わせて)、及びSOClを、塩素化反応器402へと供給して、TCPの、テトラ―及びペンタクロロプロパンへの塩素化を提供するよう操作することができ、当業者に知られている任意の条件設定で操作してもよい。塩素化反応器402の塔頂流を、望ましくは蒸留塔であってよい分離カラム404へと供給する。塔頂流がSOCl及びHClを含むよう、カラムを操作する。未反応のSOCl及びTCPを含むカラム404の塔底流を、塩素化反応器402へとリサイクルしてもよい。
分離カラム404からの塔頂流を、望ましくは凝縮して、塔頂流中の無水HClの回収のための分離カラム406へと提供する。塩素及びSOを含む分離カラム406からの塔底流を、新しいClとともに塩素化反応器408へと供給して、塩素化反応器402及び/又は414へとリサイクルしてもよいSOClを再生する。
反応器402の塔底流を分離カラム410へと供給して、TCP及び1,2,2,3―テトラクロロプロパンを含む塔頂流と、他のテトラクロロプロパン異性体、ペンタクロロプロパン、及びより重い反応副生成物を含む塔底流とを提供するのに効果的な条件で操作する。分離カラム410からの塔頂流を塩素化反応器402へとリサイクルしつつ、分離カラム406からの塔底流を分離カラム416へと供給してもよい。
分離カラム416は、カラム410からの塔底流を、1,1,2,3―テトラクロロプロパン、望ましいペンタクロロプロパン異性体(1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパン)を含む塔頂流と、より望ましくない1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、及びより重い副生成物を含む塔底流とに分離する。分離カラム416からの塔頂流を分離カラム412へと供給しつつ、塔底流を適切に処分する。
分離カラム412は、分離カラム416からの塔頂流を、1,1,2,3―テトラクロロプロパンを含む塔頂流と、所望のペンタクロロプロパン異性体、例えば、1,1,2,2,3―、及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパンを含む塔底流とに分離する。1,1,2,3―テトラクロロプロパンを脱塩化水素反応器418内で腐食性分解して、トリクロロプロペン中間体を提供する。
脱塩化水素反応器418からの反応液を乾燥カラム424へと供給し、乾燥した流れを塩素化反応器414へと供給する。所望により、塩素化反応器414からの過剰なSOCl、塩素、及びSOを、分離カラム404へとリサイクルしてもよい。1,1,2,2,3―及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパンを含むと思われる塩素化反応器414からの生成物の流れを、脱塩化水素反応器422へと供給して、1,1,2,2,3―及び1,1,1,2,3―ペンタクロロプロパンを含む分離カラム412からの塔底流と組み合わせる。
脱塩化水素反応器422内で、望ましいペンタクロロプロパン異性体を触媒的に脱塩化水素化して、1,1,2,3―テトラクロロプロペンを提供する。脱塩化水素反応器422からの塔底反応流を分離カラム420へと供給しつつ、無水HClを含む塔頂流を、無水HClの精製及び回収のための分離カラム406へと提供する。
所望の塩化プロペン、例えば、1,1,2,3―TCPEを、残留する副生成物、例えば1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンから塔頂流として分離するのに効果的な条件で、分離カラム420を操作する。分離カラム420からの塔底流を腐食性脱塩化水素反応器419へと供給して、生成物の流れを乾燥カラム424へと提供する。乾燥カラム424からの乾燥した流れを、異性化反応器426へと提供して、2,3,3,3―テトラクロロプロペンを適切な条件下で1,1,2,3―テトラクロロプロペンへと異性化する。
本方法によって製造される塩化プロペンを典型的に処理して、ヒドロフルオロオレフィン、例えば、1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン(HFO―1234ze)を含む更に下流の生成物を提供してもよい。本発明は、塩化プロペンを製造する改善された方法を提供するので、提供される改善は、これらの下流の処理及び/又は生成物に改善を提供すると考えられる。したがって、本明細書において、ヒドロフルオロオレフィン、例えば、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン(HFO―1234yf)の改善された製造方法もまた提供される。
ヒドロフルオロオレフィンを提供する塩化プロペンの転化は、式C(X)CCl(Y)(C)(X)の化合物の、式CFCF=CHZの少なくとも一つの化合物へのフッ素化を含む、単一の反応又は二つ以上の反応を広く含んでもよく、式中、X、Y、及びZはそれぞれ独立して、H、F、Cl、I、又はBrであり、それぞれのmは独立して1、2、又は3であり、nは0又は1である。更なる具体例としては、触媒的気相反応で塩化プロペンの原料をフッ素化して、1―クロロ―3,3,3―トリフルオロプロパン(1233zd)等の化合物を形成する多段階工程を含んでもよい。1―クロロ―2,3,3,3―テトラフルオロプロパンは、触媒的気相反応によって、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンへと脱塩化水素化される。
ここで、本発明のいくつかの実施形態を以下の例に詳細に記載する。
《例1―比較例》
磁気攪拌棒、還流凝縮器、鉱油バブラー、及び加熱マントルを有する50mLフラスコに、不活性雰囲気下、1,2―ジクロロプロパン(5.79g、51.2mmol)、塩化アルミニウム(0.7g、5.2mmol)、及び四塩化炭素(15.87g、10mL)を入れた。混合物を内部温度60℃まで加熱し、塩素(4.1g、57.8mmol)を入れた。
60分後、反応混合物の分割量を除去し、水で急冷し、ガスクロマトグラフィーによる分析の前に塩化メチレンで抽出した。GC分析は、1時間の運転時間の後に、75%のPDCの転化率で、112TCP対TCPの生成物分布が8:1であることを示した。
《例2―例》
磁気攪拌棒、還流凝縮器、鉱油バブラー、及び加熱マントルを有する50mLフラスコに、不活性雰囲気下、塩化アルミニウム(0.5g、3.7mmol)、及び塩化スルフリル(17g、126.0mmol)を入れた。混合物を内部温度60℃まで加熱し、急速な気体の放出及び反応混合物の変色を誘起する1,2―ジクロロプロパン(4.05g、35.9mmol)を入れた。
60分後、反応混合物の分割量を除去し、水で急冷し、ガスクロマトグラフィーによる分析の前に塩化メチレンで抽出した。GC分析は、65%の1,2―ジクロロプロパン、33%の1,1,2―トリクロロプロパン、1%の1,2,3―トリクロロプロパン、0.5%未満の1,1,2,3―テトラクロロプロパン、0.5%未満の重量物の、内部反応種形成を示した。これは、1,1,2―トリクロロプロパン(112TCP)対1,2,3―トリクロロプロパンの33:1のモル比で、35%のPDCの転化率が観測されたことを示した。
Clを用いた比較例の転化率はより高かったが、トリクロロプロパン生成物への全収率は、Cl/CClを用いて22%であった。対照的に、トリクロロプロパン生成物への全収率は、SOClを使用して31%であった。
《例3―例》
塔頂アジテーター及び加熱マントルを有する50mL反応器に、不活性雰囲気下、塩化アルミニウム(0.5g、3.7mmol)、塩化スルフリル(17g、126.0mmol)、及び塩素(4.05g、35.9mmol)を入れた。混合物を内部温度60℃まで加熱し、急速な気体の放出及び反応混合物の変色を誘起する1,2―ジクロロプロパン(4.05g、35.9mmol)を入れた。
60分後、反応混合物の分割量を除去し、水で急冷し、ガスクロマトグラフィーによる分析の前に塩化メチレンで抽出した。GC分析は、例2と同様に112TCPに対する高い位置選択性で、例1よりも高いPDC転化率及びより高いトリクロロプロパン全収率を示した。
《例4―例》
この例は、1,2―ジクロロプロパンをCCl、CCl、及びCCl異性体へと変換する、塩素化剤としてのSOClの使用、並びにイオン性塩素化触媒I及びAlClの使用を説明する。
50℃〜70℃で8時間、4.5モル当量のSOClを用いて、0.95grのPDCの、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン(240aa)への塩素化を行った。Nを充填した塔頂にマイクロフレア(micro−flea)撹拌棒及び水濃縮器を有する4ドラムバイアルを使用した。複合触媒(7mgのI、20mgのAlCl)をN下の溶媒へと添加し、55℃まで加熱して3時間反応させた。HCl及びSOの損失はこの時間にわたって減少し、NMRによってモニタしながら、反応を加熱して4時間還流させた(塔頂空間70℃)。7時間で、更に1当量のSOCl(1.13g)を加え、更に1時間還流を続けた。反応含有物を、5mLの冷水へと混合しながら加え、透明な白い油相を得た。底部相を慎重にピペットで取り、水相を4mLのCHClで抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させて、1.55g(理論回収率約89%)の、4:1の比率の、主に1,1,2,2,3―PCP対1,2,3―TCPを得た。
SOCl対PDCのモル比3.5を用いた最初の7時間の反応の生成物モル分布を表1に示す。1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン(11233)の脱塩化水素反応は、望ましくないTCPE異性体(シス/トランス―1,2,3,3―テトラクロロプロペン、及び/又は1,1,3,3―テトラクロロプロペン)につながる可能性があるので、1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパン(11233)が無いことが非常に望ましい。一方、1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパンの脱塩化水素反応は、TCPE、又はTCPEへと容易に異性化される2,3,3,3―テトラクロロプロペンのいずれかにつながる(例えば、米国特許第3,823,195号明細書を参照)。1,1,1,2,2―ペンタクロロプロパンの脱塩化水素反応は、望ましい中間体の2,3,3,3―テトラクロロプロペンにつながる。生成物の約4.24%は、不用な中間体であるヘキサクロロプロパンの混合物である。この量は、反応剤に対する触媒の比率(すなわち、SOCl/PDC)、反応時間、及び/又は温度を調節することによって最小化することができる。トリ―及びテトラ塩化プロパン中間体をリサイクルして、方法の収率を改善することもできる。
Figure 2015506346
更に1モル当量のSOClを用いた表1に示す反応混合物の更なる塩素化の生成物組成を表2に掲げる。これらの結果は、トリ―及びテトラ塩化プロパン中間体の更なる塩素化が、実質的に又は少しも1,1,2,3,3―ペンタクロロプロパンを形成することなく、所望の1,1,2,2,3―ペンタクロロプロパン、及び1,1,1,2,2―ペンタクロロプロパンにつながることを示す。
Figure 2015506346
《例5》
1,2―ジクロロプロパンを、CCl、CCl、及びCCl異性体へと変換する、塩素化剤としてのSOClの使用、及びフリーラジカル触媒AIBNの使用。
この例では、100mLフラスコ内で液体SOCl及びPDC(1,2―ジクロロプロパン)を混合し、水浴中で加熱して55℃〜60℃の温度を維持した。還流塔を置いて、SO及びHCl副生成物を除去した未反応の反応剤を反応へと戻した。GC/MSを用いて生成物組成を決定した。
表1は、SOCl及びAIBN開始剤の様々な濃度における、ほぼ完全なPDC転化率での、塩素化C3生成物の分布を示す。図1にも示すように、高過剰なSOClで、ペンタクロロプロパン(CCl)異性体への45%の転化率で、より望ましくない副生成物1,1,2,3、3―ペンタクロロプロパン(11233)への8%未満のモル選択性が得られた。これは、CClへの転化率を40%未満に保ち、CCl及びCCl中間体のリサイクルによって11233の製造を最小化するように1,1,2,3―テトラクロロプロパンの部分的な塩素化を保つ場合、90%超の選択性を有する方法を達成することができることを示す。
Figure 2015506346
表1は、SOCl及びAIBN開始剤の様々な濃度における、ほぼ完全なPDC転化率での、塩素化C3生成物の分布を示す。図1にも示すように、高過剰なSOClで、ペンタクロロプロパン(CCl)異性体への45%の転化率で、より望ましくない副生成物1,1,2,3、3―ペンタクロロプロパン(11233)への8%未満のモル選択性が得られた。これは、CClへの転化率を40%未満に保ち、CCl及びCCl中間体のリサイクルによって11233の製造を最小化するように1,1,2,3―テトラクロロプロパンの部分的な塩素化を保つ場合、90%超の選択性を有する方法を達成することができることを示す。
Figure 2015506346
以下、本発明の実施形態を列記する。
〔1〕塩素化剤としてSO Cl を使用することを含んでおり、方法の原料が飽和炭化水素及び/又は飽和ハロゲン化炭化水素を含む、化学的製造方法。
〔2〕方法が塩化プロパン及び/又は塩化プロペンを製造するための方法を含む、項目1に記載の方法。
〔3〕塩化プロパン及び/又は塩化プロペンが3〜5個の塩素原子を含む、項目2に記載の方法。
〔4〕方法の原料が、プロパン及び/又は一つ以上のモノクロロプロパンを含む、項目1に記載の方法。
〔5〕方法の原料がジクロロプロパンを含む、項目1に記載の方法。
〔6〕フリーラジカル開始剤又はイオン性塩素化触媒の存在下で行う塩素化工程を含む、項目1、4、又は5のいずれか一項に記載の方法。
〔7〕フリーラジカル開始剤が、AIBN、ジベンゾイルペルオキシド、又はこれらの組合せを含む、項目6に記載の方法。
〔8〕イオン性塩素化触媒が、AlCl 、I 、FeCl 、硫黄、鉄、及び紫外線光、又はこれらの組合せを含む、項目6に記載の方法。
〔9〕塩素化工程に溶媒を使用することを更に含んでおり、溶媒は、PDC、トリクロロプロパン異性体、テトラクロロプロパン異性体、四塩化炭素、又はこれらの組合せを含む、項目6に記載の方法。
〔10〕少なくとも一つの塩素化工程が未反応のSO Cl 、Cl 、SO 、及びHClを含む流れを生じ、HClを無水HClとして流れから分離する、項目6に記載の方法。
〔11〕方法が少なくとも一つの脱塩化水素工程を更に含む、項目6に記載の方法。
〔12〕脱塩化水素反応を、少なくとも一つの化学塩基の存在下で行う、項目10に記載の方法。
〔13〕化学塩基が、NaOH、KOH、及び/又はCa(OH) を含む、項目12に記載の方法。
〔14〕原料の少なくとも一つの成分が方法の中又は方法の上流で生ずる、項目1に記載の方法。
〔15〕項目2の方法によって調製した塩化プロペン及び/又は塩化プロパンを、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンへと変換することを含む、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンを調製する方法。

Claims (15)

  1. 塩素化剤としてSOClを使用することを含んでおり、方法の原料が飽和炭化水素及び/又は飽和ハロゲン化炭化水素を含む、化学的製造方法。
  2. 前記方法が塩化プロパン及び/又は塩化プロペンを製造するための方法を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩化プロパン及び/又は塩化プロペンが3〜5個の塩素原子を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記方法の原料が、プロパン及び/又は一つ以上のモノクロロプロパンを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記方法の原料がジクロロプロパンを含む、請求項1に記載の方法。
  6. フリーラジカル開始剤又はイオン性塩素化触媒の存在下で行う塩素化工程を含む、請求項1、4、又は5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記フリーラジカル開始剤が、AIBN、ジベンゾイルペルオキシド、又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記イオン性塩素化触媒が、AlCl、I、FeCl、硫黄、鉄、及び紫外線光、又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記塩素化工程に溶媒を使用することを更に含んでおり、前記溶媒は、PDC、トリクロロプロパン異性体、テトラクロロプロパン異性体、四塩化炭素、又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載の方法。
  10. 少なくとも一つの前記塩素化工程が未反応のSOCl、Cl、SO、及びHClを含む流れを生じ、前記HClを無水HClとして前記流れから分離する、請求項6に記載の方法。
  11. 前記方法が少なくとも一つの脱塩化水素工程を更に含む、請求項6に記載の方法。
  12. 脱塩化水素反応を、少なくとも一つの化学塩基の存在下で行う、請求項10に記載の方法。
  13. 前記化学塩基が、NaOH、KOH、及び/又はCa(OH)を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記原料の少なくとも一つの成分が方法の中又は方法の上流で生ずる、請求項1に記載の方法。
  15. 請求項2の方法によって調製した塩化プロペン及び/又は塩化プロパンを、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンへと変換することを含む、2,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エン、又は1,3,3,3―テトラフルオロプロプ―1―エンを調製する方法。
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