JP2015231921A - 結晶成長用坩堝 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも径の大きな種結晶を用いた場合であっても、半導体単結晶におけるリネージの発生を抑制することが可能な結晶成長用坩堝を提供する。【解決手段】熱分解窒化ホウ素製の結晶成長用坩堝10であって、上下方向に延びる第1円筒部11と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部12と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部13と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部14と、を備える。第3円筒部13の下端の内径は50mm以上であり、第3円筒部13の厚さをT1、底部14の厚さをT2としたとき、T2<T1の関係式を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、結晶成長用坩堝、特に、単結晶を製造するための窒化ホウ素製の結晶成長用坩堝である。
従来より、GaAs、GaP、InPなどの13−15族半導体からなる単結晶の製造方法として、結晶成長用坩堝を用いて単結晶を成長させる縦型ブリッジマン(VB;Vertical Bridgman)法および垂直温度勾配凝固(VGF;Vertical Gradient Freeze)法などの縦型ボート法が知られている。
縦型ボート法に用いられる結晶成長用坩堝の材料としては、熱分解窒化ホウ素(PBN;Pyrolytic Boron Nitride)が好適に用いられる。一般的に、PBN製の結晶成長用坩堝は、図10に示すように、円筒状の直胴部201と、直胴部よりも小さい径を有し、かつその下端が閉塞されている種結晶収容部202と、直胴部201と種結晶収容部202とを接続する肩部203とを備える。肩部203は、上方から下方に向けてその径が徐々に小さくなるテーパ形状を有している。
縦型ボート法によれば、まず、結晶成長用坩堝である坩堝200の種結晶収容部202に種結晶が配置され、種結晶と接触するように、種結晶上に原料の融液が配置される。そして、種結晶側から徐々に坩堝内の温度を降下させて、原料の融液を下方側から徐々に固化させることによって半導体単結晶が製造される。製造された半導体単結晶は電子デバイスに好適に利用されるが、電子デバイスの品質向上や歩留まり向上のためには、半導体単結晶中の欠陥を低減することが望まれる。
たとえば、特開平08−048591号公報(特許文献1)には、直胴部の厚さが種結晶収容部の厚さよりも小さくなるように設計された結晶成長用坩堝が開示される。この形状により、直胴部内の径方向における温度差が低減され、直胴部内での結晶成長が安定化されるため、半導体単結晶中の結晶欠陥を低減することができる。
また、国際公開2004/106597号公報(特許文献2)には、結晶成長用坩堝の直胴部の断面積に対する種結晶収容部の断面積の割合を15%以上とすることにより、半導体単結晶中での双晶の発生が抑制されることが開示されている。また、特開平03−040987号公報(特許文献3)には、結晶成長用坩堝の直胴部の断面形状と種結晶収容部の断面形状とをほぼ一致させることにより、半導体単結晶中での双晶の発生が抑制されることが開示されている。
特許文献2および特許文献3は、いずれも、種結晶収容部の径を大きくすることによって結晶成長用坩堝における肩部の割合を低減させ、これによって双晶の発生を抑制する技術である。これは、半導体単結晶中に含まれる双晶の発生位置の多くが、結晶成長量坩堝の肩部であることによる。
特開平08−048591号公報 国際公開2004/106597号公報 特開平03−040987号公報
上述の特許文献2および特許文献3の技術においては、種結晶収容部が従来よりも大きいため、これに適した種結晶として、従来よりも径の大きな種結晶を用いる必要がある。しかし、本発明者らは、径の大きな種結晶を用いた場合、半導体単結晶中にリネージや多結晶などの結晶欠陥が発生する確率が高くなる傾向にあることを確認した。
ここで、リネージとは、転位欠陥が線状に集積した結晶欠陥であり、リネージを含む半導体単結晶から半導体デバイス用の基板を作製した場合、その基板にリネージが含まれることとなる。このような基板上に作製された半導体デバイスでは、リーク電流の増加、発光強度の低下、寿命の短縮等の不良が引き起こされる傾向にある。また、多結晶化した結晶は全体として不良品となる傾向がある。このため、上記のような結晶欠陥を含まない半導体単結晶が望まれる。
そこで、従来よりも径の大きな種結晶を用いた場合であっても、半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することが可能な結晶成長用坩堝を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は第3円筒部の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、第3円筒部の厚さをT1、底部の厚さをT2としたとき、T2<T1の関係式を満たす。
本発明の一態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は第3円筒部の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、第3円筒部において、上端の内径をD1、下端の内径をD2としたとき、D2<D1の関係式を満たす。
本発明の一態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は第3円筒部の下端の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、底部は、結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは、第3円筒部の下端に連続する外縁側から中心側に向けて大きくなる。
上記によれば、従来よりも径の大きな種結晶を用いた場合であっても、半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することが可能となる。
第1の実施形態の結晶成長用坩堝の模式的な断面図である。 半導体単結晶の製造装置の模式的な断面図である。 半導体単結晶の製造方法の一例について図解する結晶成長用坩堝の断面図である。 第2の実施形態の結晶成長用坩堝の模式的な断面図である。 図4の結晶成長用坩堝内に種結晶を配置した状態を図解する模式的な部分断面図である。 第2の実施形態に係る結晶成長用坩堝の他の一例について図解する断面図である。 図6の結晶成長用坩堝内に種結晶を配置した状態を図解する模式的な部分断面図である。 第3の実施形態に係る結晶成長用坩堝の模式的な断面図である。 図8の結晶成長用坩堝内におけるB23融液の存在領域を説明するための模式的な部分断面図である。 従来の結晶成長用坩堝の模式的な断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態を列挙して説明する。
本発明者らが、PBN製の結晶成長用坩堝に関し、種結晶収容部の断面積を従来よりも大きくし、従来よりも径の大きな円柱状の種結晶を用いて半導体単結晶の製造を試みたところ、結晶成長の初期段階でリネージや多結晶といった結晶欠陥が発生する傾向にあることが分かった。なお、種結晶収容部の断面積とは、結晶成長用坩堝の軸方向に垂直な面の面積である。
この結晶欠陥の発生に着目してさらに検討を重ねたところ、種結晶収容部の内径が50mm以上の場合に、特に顕著となることが確認された。また、結晶成長時の固液界面の形状を観察したところ、結晶成長の初期段階、すなわち種結晶の上面に結晶核を発生させ、この結晶核を種結晶の上面全体に拡がるように成長させるシーディング段階において、固液界面の形状が凹形状となったり、凹凸形状となったりしやすい傾向があることが確認された。
本発明者らは、シーディング段階での固液界面の形状が凹形状となったり、凹凸形状となったりすることが、結晶欠陥の発生に関与していると考えた。そこで、シーディング段階での固液界面の形状を適正化するというアプローチに基づいて鋭意検討を進め、これにより、本発明を完成させるに至った。
(1)本発明の一態様である第1の態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は、第3円筒部の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は、第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、第3円筒部の厚さをT1、底部の厚さをT2としたとき、T2<T1の関係式を満たす。
PBNは赤外光に対して半透明であるため、その厚さを制御することによって赤外光の透過率を制御できるという特徴を有する。また、PBNは、面内方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率の30〜70倍となるという特徴を有する。このため、上記結晶成長用坩堝において、第3円筒部の厚さT1および底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たすことにより、底部の厚さ方向における熱の移動は、第3円筒部と比して促進され、底部の面内方向における熱伝導の影響は、第3円筒部と比して低減される。
すなわち、上記結晶成長用坩堝において、結晶成長用坩堝の外側から第3円筒部を介して結晶成長用坩堝の内側に流入した熱は、底部を介して結晶成長用坩堝の外側に向けて速やかに放熱される。したがって、上記結晶成長用坩堝によれば、シーディング段階における固液界面の形状が凹形状となるのを抑制することができるため、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
(2)第1の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、0.1mm≦T2<T1≦5.0mmの関係式を満たす。これにより、結晶成長用坩堝の破損を抑制することができる。
(3)第1の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、T2/T1<0.8の関係式を満たす。これにより、底部の赤外線の透過率を第3円筒部に比してより効率的に高めることができ、もって、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。
(4)本発明の一態様である第2の態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は、第3円筒部の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は、第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、第3円筒部において、上端の内径をD1、下端の内径をD2としたとき、D2<D1の関係式を満たす。
従来よりも径の大きな種結晶を用いる場合、半導体単結晶製造工程における種結晶の体積変化は従来と比して大きくなる。このため、結晶成長用坩堝と種結晶との過度な接触を防ぐために、種結晶と第3円筒部との間に十分なクリアランスを設ける必要がある。しかし、単に第3円筒部の上下方向に対して一定幅のクリアランスを設けると、第3円筒部内に種結晶を配置する際に、種結晶の中心が坩堝の中心からずれやすくなる。種結晶の位置が中心からずれると、シーディング段階における固液界面の形状が凹凸形状となりやすい傾向がある。
これに対し、上記結晶成長用坩堝によれば、第3円筒部の上端の内径D1および下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たすため、第3円筒部の上端の内径と種結晶の径との差と比して、第3円筒部の下端の内径と種結晶の径との差を小さくすることができる。このため、単に第3円筒部の上下方向に対して一定幅のクリアランスを設けた場合と比して、種結晶の中心からのずれを第3円筒部の下端によって抑制することができるとともに、種結晶と第3円筒部の上端との十分なクリアランスを確保することができる。したがって、上記結晶成長用坩堝によれば、シーディング段階における固液界面の形状が凹凸形状となるのを抑制することができるため、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
(5)第2の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、0.005mm≦D1−D2≦1.000mmの関係式を満たす。これにより、結晶成長用坩堝と種結晶との過度な接触を十分に抑制しつつ、過度なクリアランスが生じることを抑制することができる。
(6)本発明の一態様である第3の態様に係る結晶成長用坩堝は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の結晶成長用坩堝であって、上下方向に延びる第1円筒部と、第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、第3円筒部の下端に連続し、かつ第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、第1円筒部の内径は、第3円筒部の内径よりも大きく、第2円筒部の内径は、第1円筒部側から第3円筒部側に向けて小さくなり、第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、底部は、結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる。
PBN製の結晶成長用坩堝を用いて半導体単結晶を製造する場合、原料融液とPBNとのヌレ性を低下させるために、その内表面は酸化ホウ素(B23)からなる被膜(以下、「B23被膜」ともいう)で被覆される。このB23被膜は、結晶成長用坩堝内に配置された固体のB23(以下、「B23固体」ともいう)を溶融させることによって形成されるが、このB23の融液(以下、「B23融液」ともいう)の一部は、結晶成長用坩堝の下部、すなわち第3円筒部内の底部上に沈む。
上記結晶成長用坩堝によれば、底部は、結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなるため、底部上のB23融液の厚さ(上下方向における幅)は、底部の外縁側から中心側に向けて小さくなる。B23融液はPBNと比して熱伝導率が低いため、B23融液がこのように存在することにより、底部の径方向に関し、外縁側から中心側に向けて放熱効果を徐々に高めることができる。したがって、上記結晶成長用坩堝によれば、シーディング段階における固液界面の形状が凹形状となるのを抑制することができるため、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
(7)第3の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、第3円筒部の上下方向の長さをLc、第3円筒部の下端の内径をD2、たわみ量Sの最大値をSmaxとしたとき、0.1mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.5mmを満たす。これにより、結晶欠陥の発生をさらに抑制することができる。
(8)第1の態様、第2の態様および第3の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、第3円筒部の下端の内径は75mm以上である。これにより、特に結晶欠陥の発生の抑制効果が顕著となる。
(9)第1の態様、第2の態様および第3の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、13−15族半導体からなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。これにより、特に結晶欠陥の発生の抑制効果が顕著となる。
(10)第1の態様、第2の態様および第3の態様に係る結晶成長用坩堝において好ましくは、13−15族半導体はInPまたはGaAsである。この場合、特に結晶欠陥の発生の抑制効果が顕著となる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本願発明の実施形態について図を参照しながら詳細に説明する。実施形態の説明に用いられる各図において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとし、重複する説明は繰り返されない場合がある。また、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、必ずしもその個数、量などに限定されない。また、各図は模式的なものであり、長さ、幅および厚さの比率等は実際のものと同一とは限らない。
各実施形態において内径に言及する場合、「下端の内径」等の位置を特定する記載がある場合を除き、その平均内径を意味する。また、結晶成長用坩堝の内表面とは原料融液等が配置される内側の表面を意味し、外表面とはその反対側の表面を意味する。
≪第1の実施形態≫
<結晶成長用坩堝>
第1の実施形態に係る結晶成長用坩堝について説明する。
図1を参照し、結晶成長用坩堝としての坩堝10は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の坩堝であって、第1円筒部11と、第2円筒部12と、第3円筒部13と、底部14とを主に有している。
坩堝10は、たとえば、外面形状が坩堝の内側の形状と一致するグラファイトからなる基体の外面上に、化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法によってPBNを堆積させ、堆積させたPBNを基体から分離することによって得られる。このため、坩堝10において、第1円筒部11、第2円筒部12、第3円筒部13、および底部14は一体形成されている。
第1円筒部11は、坩堝10の上下方向(長手方向)に延びる円筒形状を有している。第1円筒部11の内径は、その上下方向で一定であることが好ましい。これにより、第1円筒部11内において半導体単結晶を均一に成長させることができる。また、第1円筒部11の内径は、第3円筒部13の下端の内径よりも大きく、さらに、製品となる半導体基板(以下、「ウエハ」ともいう)に求められる直径よりも大きい。この理由は以下のとおりである。
第1円筒部11内に成長した半導体単結晶をスライス等することにより、製品となるウエハが作製されるが、通常、結晶成長後に坩堝10から取り出した半導体単結晶の表面には若干の荒れが生じているため、第1円筒部11内に成長した半導体単結晶の外周を薄く研削して、その表面を円筒形状に整える処理が実施される。このため、第1円筒部11の直径は、目的とするウエハの直径より大きく設計される。
第1円筒部11の内径と、目的とするウエハの直径との差が小さすぎると、研削が可能な厚みが薄すぎるために、半導体単結晶の表面の荒れを完全に除去することができず、結果的に所望とされる精度を有する円筒形状に整えることができない。一方、上記差が大きすぎると、品質上の問題はないものの、研削が必要な厚みが厚すぎるために、加工ロスが大きくなり、生産上好ましくない。このため、上記差は適切に設計されることが好ましい。たとえば、4インチ(100mm)のウエハの生産を目的とする場合、第1円筒部11の内径の一例は103mmとなる。
第1円筒部11の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。第1円筒部11の厚さが0.1mm未満の場合、第1円筒部11の強度が低下する傾向があり、5.0mmを超える場合、PBNの層間の応力が大きくなり過ぎるために、層内剥離する傾向がある。また、第1円筒部11の外側から内側に伝導される熱を上下方向で均一にする観点から、第1円筒部11の厚さは上下方向で一定であることが好ましい。
なお、第1円筒部11の外側とは、坩堝10の外表面側を意味し、第1円筒部11の内側とは、坩堝10の内表面(内部空間)側を意味する。また、第1円筒部11の外側から内側に伝導される熱とは、第1円筒部11の外表面側から第1円筒部の厚み方向に対して移動し、第1円筒部11の内表面側に移動して坩堝10内の原料融液等に伝導される熱を意味する。以下、第2円筒部12、第3円筒部13および底部14においても同様であり、後述する第2の実施形態および第3の実施形態においても同様である。
第2円筒部12は、第1円筒部11の下端に連続して延びる円筒形状を有している。第2円筒部12の内径は、第1円筒部11側に位置する上端から、第3円筒部13側に位置する下端に向けて小さくなる。第2円筒部12の内径の変化は、図1に示すように、連続的かつ一定であることが好ましい。これにより、第2円筒部12内における半導体単結晶の成長速度の制御が容易となる。
第2円筒部12の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。第2円筒部12の厚さが0.1mm未満の場合、第2円筒部12の強度が低下する傾向があり、5.0mmを超える場合、PBNの層間の応力が大きくなり過ぎるために、層内剥離する傾向がある。また、第2円筒部12の外側から内側に伝導される熱を上下方向で均一にする観点から、第2円筒部12の厚さは上下方向で一定であることが好ましい。
第3円筒部13は、第2円筒部12の下端に連続して延びる円筒形状を有している。第3円筒部13の内径は50mm以上であり、特に、第3円筒部13の下端の内径は50mm以上である。第3円筒部13の内径はその上下方向で一定でもよく、後述する第2の実施形態のように、上端の内径よりも下端の内径が小さくなるように構成されていてもよい。本実施形態では、第3円筒部13の内径はその上下方向で一定である場合について説明する。
第3円筒部13の厚さT1は、底部14の厚さをT2としたときにT2<T1の関係式を満たす限り特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。第3円筒部13の厚さT1が0.1mm未満の場合、第3円筒部13の強度が低下する傾向があり、5.0mmを超える場合、PBNの層間の応力が大きくなり過ぎるために、層内剥離する傾向がある。また、第3円筒部13の外側から内側に伝導される熱を上下方向で均一にする観点から、第3円筒部13の厚さT1は上下方向で一定であることが好ましい。
底部14は、第3円筒部13の下端に連続し、かつ第3円筒部13の下端を閉塞する。底部14の形状は特に制限されず、図1に示すように平板状であってもよく、後述する第3の実施形態のように、坩堝10の内側に向けてたわんでいてもよい。本実施形態では、底部14が平板状である場合について説明する。
底部14の厚さT2は、T2<T1の関係式を満たす限り特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。底部14の厚さが0.1mm未満の場合、底部14の強度が低下する傾向があり、5.0mmを超える場合、PBNの層間の応力が大きくなり過ぎるために、層内剥離する傾向がある。また、底部14の内側から外側に放熱される熱を径方向で均一にする観点から、底部14の厚さT2は均一であることが好ましい。
<半導体単結晶の製造方法>
坩堝10を用いた半導体単結晶の製造方法について説明する。
まず、図2を用いて坩堝10が配置される半導体単結晶の製造装置100について説明する。図2を参照し、製造装置100は、アンプル101と、坩堝台104と、支軸105と、ヒータ106と、断熱材107と、気密容器108とを備える。アンプル101は、坩堝10を内接させて収容する収容体102と、収容体102の開口端部上に配置される蓋体103とを備える。なお、収容体102の開口端部上に蓋体103が配置されることによって、アンプル101の内部は密閉される。
アンプル101は、坩堝台104上に配置されており、坩堝台104は、支軸105によって支持される。支軸105は、不図示の駆動手段によって上下方向に昇降自在である。また、支軸105は上下方向を中心軸として、回転自在であってもよい。
アンプル101の周囲にはヒータ106が配置される。ヒータ106は、不図示の制御手段に制御されることによって、アンプル101に対して上下方向に温度勾配を与えることができる。上述のように、アンプル101は上下方向に昇降自在な支軸105に支持されているため、支軸105の昇降動作に伴ってアンプル101に与えられる温度勾配、換言すれば、坩堝10の軸方向に与えられる温度勾配が変化することになる。
さらに、ヒータ106の周囲には断熱材107が配置されており、アンプル101、ヒータ106および断熱材107は、気密容器108内に収容される。気密容器108はその内部を気密に保つことができる。また、気密容器108は、その内部の気圧を調整するための気圧調整部を備えていても良い。
次に、図2および図3を用いて上記製造装置100および坩堝10を用いた半導体単結晶の製造方法について説明する。なお、図3では、坩堝10およびその内部の状態のみを示す。まず、図2に示すように、製造装置100のアンプル101内に坩堝10を配置する。
坩堝10内には、種結晶21、B23固体22a,22b、半導体多結晶からなる原料固体23a〜23dが配置されている。具体的には、B23固体22aが底部14上に配置され、その上に円柱形状の種結晶21が配置される。このB23固体22aおよび種結晶21は、その周囲を第3円筒部13によって囲まれる。種結晶21上には原料固体23a〜23dが下からこの順に配置されており、原料固体23d上にはB23固体22bが配置されている。
次に、ヒータ106によって、坩堝10の第1円筒部11および第2円筒部12の領域が原料固体23a〜23dの融点以上の温度にまで昇温される。これにより原料固体23a〜23dが融解し、図3に示すような原料融液24が生成される。また、B23からなるB23固体22a,22bの融点は原料固体23a〜23dの融点よりも低いため、原料固体23a〜23dよりも先に融解し、坩堝10の内表面を被覆するB23被膜(不図示)を構成したり、原料融液24上で原料の元素抜けを防止する封止膜を構成したりする。
次に、ヒータ106によって、坩堝10の軸方向に対し、種結晶21の上面近傍の領域が上方から下方に向けて徐々に温度が低くなるような温度勾配を形成する。この温度勾配に対し坩堝10を下方に徐々に移動させることにより、原料融液24が種結晶21の上面21aから上方に向けて徐々に固化していき、最終的に、半導体単結晶が製造される。
<作用効果>
第1の実施形態において、従来よりも径の大きな種結晶を用いた場合であっても、半導体単結晶における結晶欠陥、特にリネージの発生を抑制することができる。これについて、従来技術と比較しながら説明する。
坩堝を用いた縦型ボート法においては、種結晶、原料固体、B23固体といった半導体単結晶の製造に必要な材料を坩堝内に収容した後、原料融液を生成させ、この原料融液を種結晶側から上方に向けて固化させていくことにより、半導体単結晶が製造される。このような縦型ボート法においては、種結晶の上面に結晶核を生成させ、これを成長させて半導体単結晶を製造するという製造法上、種結晶の径は、第3円筒部に収容可能な範囲でできるだけ大きく設定される。したがって、種結晶の形状は、第3円筒部に囲まれる領域の形状にほぼ一致する円柱状となるように設計される。
従来、種結晶を配置する領域の内径は10〜20mm程度であったため、円柱状の種結晶の径も10〜20mm程度であった。このような種結晶の上面に結晶核を生成させて半導体単結晶を製造する場合には、シーディング段階における固液界面の形状が不適正な形状であっても、リネージの発生は問題とはならなかったと考えられる。これは(1)成長する半導体単結晶の径が小さい段階では転位が発生する確率が低いこと、(2)成長する半導体単結晶の径が徐々に大きくなるにつれて固液界面の形状が適正化されること、が関係していると考えられる。
これに対し、従来と比して径の大きな種結晶を用いた場合、上記(1)および(2)のようなリネージの発生を抑制し得る作用が起こりにくい。このため、従来と比して径の大きな種結晶を用いて欠陥の少ない高品質な半導体単結晶を製造するためには、シーディング段階での固液界面の形状を適正化する必要がある。
そこで、本実施形態の坩堝10は、第3円筒部13の下端が50mm以上の内径を有し、かつ第3円筒部13の厚さT1、底部14の厚さT2はT2<T1の関係式を満たす。この坩堝10は、以下のような作用により、シーディング段階での固液界面の形状を適正化することができる。
シーディング段階の固液界面の形状に関与する熱としては、主に、坩堝10の外側から内側に向かって第3円筒部13の厚み方向に流れる第1熱と、坩堝10の内側から外側に向かって底部14の厚み方向に流れる第2熱とがある。第1熱は、ヒータ106から第3円筒部13を介して坩堝10内の原料融液に伝導される熱であり、第2熱は、坩堝10内の原料融液24から、種結晶21を介して坩堝10の下方に向かって放熱される熱である。
ここで、PBNは赤外光に対して半透明であるため、その厚さを制御することによって赤外透過率を制御することができる。また、PBNの熱伝導率には異方性があるため、その厚さを制御することによって熱の移動やすい方向を制御することができる。
たとえば、PBNからなる層の厚さを小さくした場合、赤外透過率が向上するため、層内を通過する赤外線量およびこれに由来する熱量を増やすことができる。また、熱伝導率の異方性が緩和されるため、熱は層の厚み方向に移動やすくなる。一方、PBNからなる層の厚さを大きくした場合、赤外線透過率が低下するため、層内を通過する赤外線量およびこれに由来する熱量を減少させることができる。また、熱伝導率の異方性が顕著となるため、熱はさらに面内方向に移動やすくなる。
したがって、第3円筒部13の厚さT1および底部14の厚さT2がT2<T1の関係式を満たすことにより、底部14の厚さ方向における熱の移動は、第3円筒部13の厚さ方向と比して促進され、底部14の面内方向における熱伝導の影響は、底部14の面内方向と比して低減される。このため、坩堝10において、第3円筒部13を介して坩堝10の外側から内側に流入した熱を、底部14を介して坩堝10の内側から外側に向けて速やかに放熱することができる。
上記のような熱の流れが生じることにより、第3円筒部13に囲まれる領域の温度は、第3円筒部13の径方向外側(外縁側)から径方向内側(中心側)に向かうにつれて低くなる。第3円筒部13によって囲まれる領域の温度はシーディング段階での固液界面の形状に大きく関与するものであり、この温度が径方向外側から径方向内側に向かうにつれて低くなることにより、固液界面の形状を凸形状とすることができる。
凸形状の固液界面は、凹形状や凹凸形状のような不適正な形状の場合とは異なり、半導体単結晶の成長に適している。したがって、本実施形態の坩堝10によれば、これを用いて製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
本実施形態の坩堝10は、好ましくは0.1mm≦T2<T1≦5.0mmの関係式を満たし、より好ましくは0.5mm≦T2<T1≦2.0mmの関係式を満たす。底部14の厚さT2が0.1mm未満の場合、底部14の強度が低下する傾向があり、第3円筒部13の厚さT1が5mmを超える場合、PBNの層間の応力が大きくなり過ぎるために、層内剥離する傾向がある。したがって、坩堝10が0.1mm≦T2<T1≦5.0mmの関係式を満たすことにより、坩堝10の破損を抑制することができる。
本実施形態の坩堝10は、好ましくはT2/T1<0.8の関係式を満たす。これにより、底部14の赤外線の透過率を第3円筒部13に比してさらに高めることができるため、底部14を介して坩堝10内から坩堝10の外部に放熱される熱量を増やすことができる。したがって、より効果的にシーディング段階における固液界面の形状を凸形状に維持することができ、もって製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生をより効果的に抑制することができる。また、より好ましくは、坩堝10は0.60≦T2/T1≦0.75を満たす。
本実施形態の坩堝10において、好ましくは第3円筒部13の下端の内径は75mm以上である。75mm以上の内径を有する第3円筒部13を有する場合、さらに径の大きな種結晶を配置する必要があり、この場合にはさらに結晶欠陥の発生が顕著となる傾向がある。したがって、坩堝10の第3円筒部13の下端の内径が75mm以上であることにより、上記効果をより顕著に発揮することができる。
本実施形態の坩堝10は、好ましくは13−15族半導体からなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝であり、より好ましくはInPまたはGaAsからなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。13−15族半導体は、縦型ボート法によって単結晶を成長させた場合、その結晶成長の過程上、結晶欠陥、特にリネージの発生が起こりやすい。このため、坩堝10を用いてこれらの半導体単結晶を製造することにより、上記効果をより顕著に発揮することができる。なかでも、GaAsはリネージが特に発生しやすい傾向にあるため、坩堝10を用いてGaAs単結晶を製造することにより、上記効果をさらに顕著に発揮することができる。
≪第2の実施形態≫
<結晶成長用坩堝>
第2の実施形態に係る結晶成長用坩堝について説明する。
図4を参照し、結晶成長用坩堝としての坩堝30は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の坩堝であって、第1円筒部31と、第2円筒部32と、第3円筒部33と、底部34とを主に有している。
坩堝30において、第1の実施形態と同様に、第1円筒部31、第2円筒部32、第3円筒部33、および底部34は一体形成されている。また、第1円筒部31および第2円筒部32は、第1の実施形態における第1円筒部11および第2円筒部12と同様であるため、その説明は繰り返さない。
第3円筒部33は、第2円筒部32の下端に連続して延びる円筒形状を有している。第3円筒部33の内径は50mm以上であり、特に、第3円筒部33の下端の内径は50mm以上である。さらに、第3円筒部33において、上端の内径をD1、下端の内径をD2としたとき、D2<D1の関係式を満たす。本実施形態では、第3円筒部33の内径は、下端側から上端側に向けて連続的かつ一定割合で大きくなる。
第3円筒部33の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができ、また第3円筒部33の厚さは、上下方向で一定であることが好ましい。この理由は、第1の実施形態と同様である。
底部34は、第3円筒部33の下端に連続し、かつ第3円筒部33の下端を閉塞する。底部34の形状は特に制限されず、図4に示すように平板状でもよく、第3の実施形態のようにたわんでいてもよい。本実施形態では、底部34が平板状である場合について説明する。
底部34の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができ、また底部34の厚さは径方向で一定であることが好ましい。この理由は第1の実施形態と同様である。
<半導体単結晶の製造方法>
坩堝30を用いた半導体単結晶の製造方法は、第1の実施形態と同様であるため、その説明は繰り返さない。
<作用効果>
第2の実施形態において、従来よりも径の大きな種結晶を用いた場合であっても、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。これについて、従来技術と比較しながら説明する。
第1の実施形態で詳述したように、坩堝を用いた縦型ボート法においては、種結晶の径は、第3円筒部に収容可能な範囲でできるだけ大きく設定される。また、種結晶上の原料固体を溶融させるという製造工程上、坩堝内に収容された種結晶は比較的高温環境に曝される。このため、製造工程において種結晶の体積は熱膨張によって変化することになる。従来のような比較的径の小さい種結晶の場合には、上記のような体積の変化は問題とならない程度であったため、種結晶の径は第3円筒部の内径より、0.05mm〜1mm程度小さくなるように設計されていた。
しかし、従来と比して大きな種結晶を用いた場合、上記体積変化は大きくなる。このため、従来のように第3円筒部の内径より、0.05mm〜1mm程度小さい外径を有する種結晶を収容させた場合、種結晶の体積の変化により、種結晶と第3円筒部とが過度に接触し、結晶成長用坩堝の内表面上に形成されたB23被膜が破損することが懸念される。B23被膜が破損すると、PBNと原料融液とが直接接触することになる。PBNと原料融液とはヌレ性が比較的高いため、これらが接触する位置で結晶核が生成されてしまい、結果的にリネージの発生や双晶、多結晶の発生が引き起こされる。
このため、従来と比して径の大きな種結晶を用いて欠陥の少ない高品質な半導体単結晶を製造するためには、種結晶21と第3円筒部33との過度な接触を防ぐべく、種結晶21と第3円筒部33との間に十分なクリアランスを設ける必要がある。しかし、単に第3円筒部33の上下方向に対して一定の幅のクリアランスを設けると、以下のような問題が生じる。
第3円筒部33の上下方向に対して、比較的大きいクリアランスを一定幅で設けた場合、第3円筒部33内に種結晶21を配置する際に、種結晶21の中心が坩堝30の中心からずれやすくなる。なお、種結晶21が坩堝30の中心からずれるとは、円柱状の種結晶21の中心軸と坩堝10の中心軸とが略一致している状態から、不一致の状態へと変化することを意味する。
たとえば、種結晶21の位置が第3円筒部33内の一方側にずれた場合、種結晶21と第3円筒部33の内面とが近接した一方側では、依然としてB23被膜の破損が懸念される。さらに、種結晶21と第3円筒部33の内面とが離れた他方側には、目的としていたクリアランスよりも大きな幅のクリアランスが存在することになり、種結晶21の体積変化ではこれを補うことができず、結果的にクリアランス内に原料融液24が流入してしまう。
ここで、シーディング位置は、種結晶21の下端近くではなく、種結晶21の厚みをある程度残した表面の位置で行う。このため、クリアランス内、特にクリアランス内の下端側は、種結晶21が溶融しないように、低い温度環境下に調整されている。これは、下端近くまで種結晶を融かし、その厚みが不十分な状態でシーディングを行うと、わずかな温度のばらつきにより、種結晶がさらに融けて消失するか、消失しないまでも直径が小さくなる傾向にあるためである。なお、種結晶が消失すると、結晶成長ができなくなり、種結晶の直径が小さくなると、その部分での多結晶の成長が起こり易くなる。
上記理由により、クリアランス内に流入した原料融液24は、クリアランス内の下端側で急に冷却されることとなり、クリアランス内での結晶核の生成が引き起こされる(なお、このときの固液界面は全体として凹凸形状の不適切なものとなる)。急冷によって生成された結晶核は多結晶となる。これは、本来は、種結晶21に接した原料融液が極めてゆっくりと徐冷されることでシーディングが行われ、これにより良好な結晶性を有する単結晶が成長するのに対し、上述のような急冷では単結晶化することができず、多結晶の核が形成されてしまうためである。この場合、クリアランス内で生成された多結晶上にはその面方位の結晶がそのまま成長するため、坩堝10内に成長する結晶全体が多結晶化し、全量が不良品となる。
一方、上述のような急冷を避けるために、第3円筒部33の上下方向に対して、比較的小さいクリアランスを一定幅で設けた場合、依然としてB23被膜の破損が懸念される。特に、シーディング位置において、種結晶21と坩堝10の内面(第3円筒部33の内面)が接触していると、その接触部分が多結晶核の生成の起点となり、また、固液界面が不適切となる可能性がある。よって、少なくとも、シーディング位置では、種結晶21と第3円筒部33の内面とが接触しないように、クリアランスを設けることが必要である。
そこで、本実施形態の坩堝30は、第3円筒部33の下端が50mm以上の内径を有し、かつ第3円筒部の上端の内径D1および下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たす。これにより、図5に示すように、第3円筒部33の上端の内径と種結晶21の径との差と比して、第3円筒部33の下端の内径と種結晶21の径との差を小さくすることができる。
このため、第3円筒部33の上端と種結晶21との十分なクリアランスを確保しつつ、第3円筒部33の下端と種結晶21とのクリアランスを小さくすることができる。換言すれば、(1)実際にシーディング位置となる第3円筒部33の上端から中間部分にかけての領域Aにおいて、第3円筒部33と種結晶21との十分なクリアランスを確保しつつ、(2)シーディング位置としては使用しない第3円筒部33の下端から中間部分にかけての領域Bにおいて、第3円筒部33と種結晶21とのクリアランスを小さくすることができる。
上記(1)により、シーディング位置での坩堝10と種結晶21との接触を防ぐことができるため、もってシーディング位置での多結晶核の生成を抑制することができる。上記(2)により、種結晶21の中心からのずれを抑制することができるため、上述のような急冷による多結晶核の生成を抑制することができる。なお、この構成において、領域Bは領域Aと比して種結晶21と接触しやすい傾向にあるが、この領域はシーディング位置ではないため、製造される半導体単結晶の結晶性の悪化、すなわち結晶欠陥の発生を引き起こすことはない。したがって、坩堝30によれば、これを用いて製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
本実施形態の坩堝30は、好ましくは0.005mm≦D1−D2≦1.000mmの関係式を満たす。これにより、坩堝10と種結晶21との過度な接触を十分に抑制しつつ、種結晶21のずれをより効果的に抑制することができ、さらにはクリアランス内への原料融液の流れ込みを十分に抑制することができる。また、より好ましくは0.005mm≦D1−D2≦0.500mmの関係式を満たし、さらに好ましくは0.005mm≦D1−D2≦0.200mmの関係式を満たす。
本実施形態の坩堝30において、好ましくは第3円筒部33の下端の内径は75mm以上である。この理由は第1の実施形態と同様である。
本実施形態の坩堝30は、好ましくは13−15族半導体からなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝であり、より好ましくはInPまたはGaAsからなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。また、さらに好ましくはGaAs単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。この理由は第1の実施形態と同様である。
また、図4では、上端から下端側に向けてその内径が連続的にかつ一定割合で徐々に小さくなる形状の第3円筒部33を示したが、第3円筒部33の形状はこれに限られない。
たとえば、図6を参照し、第3円筒部33は、上端側から下端側に向けてその内径が段階的に小さくなる形状でもよい。この場合、図7に示すように、第3円筒部33と種結晶21とのクリアランスが、図4に示す場合と比して上下方向で均一となるため、クリアランスの制御が容易となる。
図6および図7に示す坩堝30において、第3円筒部33のうち、内径の小さい下端部33aの上下方向の長さは特に制限されず、種結晶21のずれを抑制できる程度の長さであればよい。また、第3円筒部33のうち、内径の大きい上端部33bの上下方向の長さは、下端部33aでB23被膜の破損が生じ、かつその位置で結晶核が発生した場合であっても、その結晶核が種結晶21の上面21aにまで影響を及ぼさない程度であればよく、たとえば10mm以上とすることができる。
≪第3の実施形態≫
<結晶成長用坩堝>
第3の実施形態に係る結晶成長用坩堝について説明する。
図8を参照し、結晶成長用坩堝としての坩堝40は、半導体単結晶を製造するためのPBN製の坩堝であって、第1円筒部41と、第2円筒部42と、第3円筒部43と、底部44とを主に有している。
坩堝40において、第1の実施形態と同様に、第1円筒部41、第2円筒部42、第3円筒部43、および底部44は一体形成されている。また、第1円筒部41および第2円筒部42は、第1の実施形態における第1円筒部11および第2円筒部12と同様であるため、その説明は繰り返さない。
第3円筒部43は、第2円筒部42の下端に連続して延びる円筒形状を有している。第3円筒部43の内径は50mm以上であり、特に、第3円筒部43の下端の内径は50mm以上である。第3円筒部43の内径はその上下方向で一定でもよく、第2の実施形態のように、上端の内径よりも下端の内径が小さくなるように構成されていてもよい。本実施形態では、第3円筒部43の内径はその上下方向で一定である場合について説明する。
第3円筒部43の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができ、また第3円筒部43の厚さは、上下方向で一定であることが好ましい。この理由は、第1の実施形態と同様である。
底部44は、第3円筒部43の下端に連続し、かつ第3円筒部43の下端を閉塞する。底部44の形状は坩堝40の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる。このため、たわみ量Sのうち、底部44の中心におけるたわみ量Sが最大値となる。なお、たわみ量Sとは、図9に示すように、底部44の内表面から、底部44の外端を繋ぐことによって形成される仮想の円を含む面に下した垂線の長さに一致する。
底部44の厚さは特に制限されず、たとえば0.1mm以上5.0mm以下とすることができる。また、底部44の厚さは径方向で一定であることが好ましい。この理由は、第1の実施形態と同様である。
<半導体単結晶の製造方法>
坩堝40を用いた半導体単結晶の製造方法は、第1の実施形態と同様であるため、その説明は繰り返さない。
<作用効果>
第1の実施形態において詳述したように、従来と比して径の大きな種結晶を用いて欠陥の少ない半導体単結晶を製造するためには、シーディング段階での固液界面の形状を適正化する必要がある。
そこで、本実施形態の坩堝40は、第3円筒部43の下端が50mm以上の内径を有し、かつ底部44の形状は坩堝40の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる。この坩堝40は、以下のような作用により、シーディング段階での固液界面の形状を適正化することができる。
第1の実施形態で詳述したように、シーディング段階の固液界面の形状に大きく関与する熱としては、主に、坩堝40の外側から内側に向かって第3円筒部43の厚み方向に流れる第1熱と、坩堝40の内側から外側に向かって底部44の厚み方向に流れる第2熱とがある。
ここで、PBN製の結晶成長用坩堝を用いて半導体単結晶を製造する場合、原料融液とPBNとのヌレ性を低下させるために、その内表面はB23被膜で被覆される。このB23被膜は、B23固体が溶融することによって得られるB23融液がPBNと接触することによって形成されるが、B23融液の一部は、原料融液上で封止膜を構成したり、結晶成長用坩堝の底部上に沈んだりする。
図9を参照し、底部44が上述のようにたわんでいることにより、底部44上に沈むB23融液25は、その外縁側から中心側に向けて液量が少なくなる、すなわち、B23融液25の上下方向の厚みが外縁側から中心側に向けて小さくなることになる。
23融液25はPBNと比して熱伝導率が低いため、B23融液25の厚みが大きい外縁側においては底部44の厚み方向への熱の移動が比較的困難となり、B23融液25の厚みが小さい中心側においては底部44の厚み方向への熱の移動が比較的容易となる。したがって、図9に示すような状態においては、底部44の径方向に関する第2熱の放熱効果は、外縁側から中心側に向けて徐々に高くなるため、第3円筒部43内での等温線は、外縁側から中心側に向けて坩堝40の上方向にたわむような凸形状となる。したがって、結果的に固液界面の形状を凸形状とすることができる。
凸形状の固液界面は、凹形状や凹凸形状のような不適正な形状の場合とは異なり、半導体単結晶の成長に適している。したがって、本実施形態の坩堝40によれば、製造される半導体単結晶における結晶欠陥の発生を抑制することができる。
本実施形態の坩堝40は、好ましくは第3円筒部43の上下方向の長さをLc、第3円筒部43の下端の内径をD2、たわみ量Sの最大値をSmaxとしたとき、0.1mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.5mmを満たす。なお、第3円筒部43の上下方向の長さとは、図9に示されるように、第3円筒部43の内表面側の長さを意味する。
Smaxが0.1mm以上であることにより、底部44の中心側での放熱効果をさらに高めることができるため、リネージの発生をより抑制することができる。また、Lc×Smax/D2が1.5mmを超えると、底部44上に配置される種結晶21が傾く傾向があり、また、B23融液25が沈み込むための領域が大きくなり過ぎるために、意図しない原料融液24の流れ込みが生じる可能性がある。種結晶が傾いたり、原料融液24が流れ込んだりすると、シーディング段階での固液界面の形状が凹凸形状となりやすくなるため好ましくない。本実施形態の坩堝40は、より好ましくは、3.0mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.0mmを満たす。
本実施形態の坩堝40において、好ましくは第3円筒部43の下端の内径は75mm以上である。この理由は第1の実施形態と同様である。
本実施形態の坩堝40は、好ましくは13−15族半導体からなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝であり、より好ましくはInPまたはGaAsからなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。また、さらに好ましくはGaAs単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である。この理由は第1の実施形態と同様である。
以上、第1〜第3の実施形態を用いて本願発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は適宜組み合わせることができることはいうまでもない。たとえば、第1の実施形態に係る坩堝10において、第2の実施形態に係る坩堝30のように、第3円筒部13の上端の内径と下端の内径とを変化させてもよい。また、たとえば、第1の実施形態に係る坩堝10において、第3の実施形態に係る坩堝40のように、底部14がたわんでいてもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
第3円筒部の下端の内径が50mm以上であり、第3円筒部の厚さT1、底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たす結晶成長用坩堝(図1参照)を用いて、GaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の内径:85.0mm
第3円筒部の厚さT1:1000μm
底部の厚さT2:750μm。
第1円筒部および第3円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、底部の形状は平板状であった。
次に、上記結晶成長用坩堝の第3円筒部内に、直径84.7mm、長さ50mmの円柱状のGaAs単結晶からなる種結晶を収容させ、種結晶上に、総量25kgのGaAs多結晶からなる原料固体、0.3kgのB23固体を配置した。そして、各材料を収容した結晶成長用坩堝を、図2に示す単結晶製造装置のアンプル内に配置して真空封入した。
次に、単結晶製造装置のヒータによってアンプルを約1238℃で加熱して、B23固体および原料固体を溶融させて、B23融液および原料融液を生成させた。なお、このとき種結晶の上面側も溶融する。次に、ヒータによって、種結晶の上面近傍の領域の温度が、上方から下方に向けて10℃/cmで低くなるような温度勾配を形成し、この温度勾配に対して、結晶成長用坩堝を8mm/hの速度で下方に移動させた。これにより、GaAs単結晶を製造した。
以上の製造方法により、合計10本のGaAs単結晶を製造した。これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、1本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの9本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。
<比較例1>
以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、合計10本のGaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の内径:85.0mm
第3円筒部の厚さT1:1000μm
底部の厚さT2:1000μm。
第1円筒部および第3円筒部の各内径は上下方向で一定であり、第2円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、底部の形状は平板状であった。
これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、3本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの7本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。
実施例1および比較例1を比較し、第3円筒部の厚さT1、底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たす結晶成長用坩堝を用いることにより、GaAs単結晶における結晶欠陥の発生が抑制されることが分かった。
<実施例2>
第3円筒部の下端の内径が50mm以上であり、第3円筒部において、上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たす結晶成長用坩堝(図4参照)を用いて、GaAs単結晶を製造した。具体的には、以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、合計5本のGaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の上端の内径D1:85.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:85.0mm
第3円筒部の厚さT1:1000μm
底部の厚さT2:1000μm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部および第3円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、底部の形状は平板状であった。
これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、1本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの4本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。したがって、実施例2および比較例1を比較し、第3円筒部の上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たす結晶成長用坩堝を用いることにより、GaAs単結晶における結晶欠陥の発生が抑制されることが分かった。
<実施例3>
第3円筒部の下端の内径が50mm以上であり、第3円筒部の厚さT1、底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たし、かつ第3円筒部の上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たす結晶成長用坩堝を用いて、GaAs単結晶を製造した。具体的には、以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、合計10本のGaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の上端の内径D1:85.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:85.0mm
第3円筒部の厚さT1:1000μm
底部の厚さT2:750μm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部および第3円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、底部の形状は平板状であった。
これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、10本全てのGaAs単結晶においてリネージおよび多結晶は確認されなかった。したがって、第3円筒部の厚さT1、底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たし、第3円筒部の上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たす結晶成長用坩堝を用いることにより、GaAs単結晶における結晶欠陥の発生が顕著に抑制されることが確認された。
<実施例4>
第3円筒部の下端の内径が100mm以上であり、第3円筒部の厚さT1、底部の厚さT2がT2<T1の関係式を満たし、かつ第3円筒部の上端の内径D1、下端の内径をD2がD2<D1の関係式を満たす結晶成長用坩堝を用いて、GaAs単結晶を製造した。具体的には、まず、以下の形状を有する結晶成長用坩堝を準備した。
全長:300mm
第1円筒部の内径:160mm
第3円筒部の上端の内径D1:140.0mm
第3円筒部の下端の内径D2:139.4mm
第3円筒部の厚さT1:1100μm
底部の厚さT2:800μm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、第3円筒部は、上端から下端に向けて段階的にその内径が小さくなっていた。特に、下端から高さ8mmの範囲までが小さい内径となるように設計されていた。また、底部の形状は平板状であった。
次に、上記結晶成長用坩堝の第3円筒部内に、直径139.2mm、長さ50mmの円柱状のGaAs単結晶からなる種結晶を収容させ、種結晶上に、総量29kgのGaAs多結晶からなる原料固体、0.5kgのB23固体を配置した。そして、各材料を収容した結晶成長用坩堝を、図2に示す単結晶製造装置のアンプル内に配置して真空封入した。
次に、単結晶製造装置のヒータによってアンプルを約1238℃で加熱して、B23固体および原料固体を溶融させて、B23融液および原料融液を生成させた。なお、このとき種結晶の上面側も溶融する。次に、ヒータによって、種結晶の上面近傍の領域の温度が、上方から下方に向けて10℃/cmで低くなるような温度勾配を形成し、この温度勾配に対して、結晶成長用坩堝を8mm/hの速度で下方に移動させた。これにより、GaAs単結晶を製造した。
以上の製造方法により、合計7本のGaAs単結晶を製造した。これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、すべてのGaAs単結晶においてリネージおよび多結晶は確認されなかった。
<実施例5>
以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、合計5本のGaAs単結晶を製造した。
全長:300mm
第1円筒部の内径:160mm
第3円筒部の上端の内径D1:139.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:85.0mm
第3円筒部の厚さT1:1100μm
底部の厚さT2:1100μm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、第3円筒部は、上端から下端に向けて段階的にその内径が小さくなっていた。特に、下端から高さ8mmの範囲までが小さい内径に設計されていた。また、底部の形状は平板状であった。
これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、2本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの3本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。実施例4および実施例5を比較し、第3円筒部の上端の内径と下端の内径との差を適正な範囲にすることが好ましいと考えられた。
<実施例6〜10>
第3円筒部の下端の内径が50mm以上であり、底部は、結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる結晶成長用坩堝を用いて、GaAs単結晶を製造した。具体的には、まず、以下の形状を有する結晶成長用坩堝を準備した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の内径:55.0mm
第3円筒部の長さLc:50mm
たわみ量Smax:0.8〜1.4mm。
第1円筒部および第3円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた(図8参照)。また、結晶成長用坩堝の厚さは、全領域において800μmであった。なお、実施例6〜実施例10において、たわみ量Smaxは、それぞれ0.8mm(実施例6)、1.1mm(実施例7)、1.2mm(実施例8)、1.3mm(実施例9)、1.4mm(実施例10)であった。
次に、上記結晶成長用坩堝の第3円筒部内に、直径55.7mm、長さ45mmの円柱状のGaAs単結晶からなる種結晶を収容させ、種結晶上に、総量8kgのGaAs多結晶からなる原料固体、0.3kgのB23固体を配置した。そして、各材料を収容した結晶成長用坩堝を、図2に示す単結晶製造装置のアンプル内に配置して真空封入した。
次に、単結晶製造装置のヒータによってアンプルを約1238℃で加熱して、B23固体および原料固体を溶融させて、B23融液および原料融液を生成させた。なお、このとき種結晶の上面側も溶融する。次に、ヒータによって、種結晶の上面近傍の領域の温度が、上方から下方に向けて10℃/cmで低くなるような温度勾配を形成し、この温度勾配に対して、結晶成長用坩堝を8mm/hの速度で下方に移動させた。これにより、GaAs単結晶を製造した。
以上の製造方法により、各実施例6〜10においてGaAs単結晶を1本ずつ製造した。これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、実施例6〜10のすべてのGaAs単結晶においてリネージおよび多結晶は確認されなかった。
<実施例11〜14>
以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例6〜10と同様の方法により、GaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:105mm
第3円筒部の上端の内径D1:55.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:55.0mm
第3円筒部の長さLc:50mm
たわみ量Smax:1.5〜2.5mm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部および第3円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、結晶成長用坩堝の厚さは、全領域において800μmであった。なお、実施例11〜14において、たわみ量Smaxは、それぞれ1.5mm(実施例11)、1.8mm(実施例12)、2.2mm(実施例13)、2.5mm(実施例14)であった。
実施例11〜14においてGaAs単結晶を1本ずつ製造した。これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、2本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの2本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。
実施例6〜実施例14と比較例1とを比較し、底部が結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sが外縁側から中心側に向けて大きくなる結晶成長用坩堝を用いることにより、GaAs単結晶における結晶欠陥の発生が抑制されることが分かった。
また、実施例6〜10と実施例11〜14とを比較し、第3円筒部の上下方向の長さをLc、第3円筒部の下端の内径をD2、たわみ量Sの最大値をSmaxとしたとき、0.1mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.5mmを満たす(実施例6〜10)場合、満たさない場合(実施例11〜14)よりもリネージの発生の抑制が顕著であることが分かった。
<実施例15〜18>
第3円筒部の下端の内径は100mm以上であり、第3円筒部の上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たし、かつ底部が結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる結晶成長用坩堝を用いて、GaAs単結晶を製造した。具体的には、まず、以下の形状を有する結晶成長用坩堝を準備した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:130mm
第3円筒部の上端の内径D1:102.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:102.0mm
第3円筒部の長さLc:50mm
たわみ量Smax:1.8〜2.3mm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部および第3円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、結晶成長用坩堝の厚さは、全領域において800μmであった。なお、実施例15〜18において、たわみ量Smaxは、それぞれ1.2mm(実施例15)、1.8mm(実施例16)、2.1mm(実施例17)、2.3mm(実施例18)であった。
次に、上記結晶成長用坩堝の第3円筒部内に、直径101.4mm、長さ50mmの円柱状のGaAs単結晶からなる種結晶を収容させ、種結晶上に、総量14.5kgのGaAs多結晶からなる原料固体、0.3kgのB23固体を配置した。そして、各材料を収容した結晶成長用坩堝を、図2に示す単結晶製造装置のアンプル内に配置して真空封入した。
次に、単結晶製造装置のヒータによってアンプルを約1238℃で加熱して、B23固体および原料固体を溶融させて、B23融液および原料融液を生成させた。なお、このとき種結晶の上面側も溶融する。次に、ヒータによって、種結晶の上面近傍の領域の温度が、上方から下方に向けて7℃/cmで低くなるような温度勾配を形成し、この温度勾配に対して、結晶成長用坩堝を6mm/hの速度で下方に移動させた。これにより、GaAs単結晶を製造した。
以上の製造方法により、各実施例においてGaAs単結晶を1本ずつ製造した。これらのGaAs単結晶を目視により観察したところ、すべてのGaAs単結晶においてリネージおよび多結晶は確認されなかった。
<実施例19〜22>
以下の形状を有する結晶成長用坩堝を用いた以外は、実施例15〜18と同様の方法により、GaAs単結晶を製造した。
全長:250mm
第1円筒部の内径:130mm
第3円筒部の上端の内径D1:103.5mm
第3円筒部の下端の内径D2:102.0mm
第3円筒部の長さLc:50mm
たわみ量Smax:3.2〜3.8mm。
第1円筒部の内径は上下方向で一定であり、第2円筒部および第3円筒部は、上端から下端に向けて連続的かつ一定割合でその内径が小さくなるテーパ形状を有していた。また、結晶成長用坩堝の厚さは、全領域において800μmであった。なお、実施例19〜22において、たわみ量Smaxは、それぞれ3.2mm(実施例19)、3.3mm(実施例20)、3.5mm(実施例21)、3.8mm(実施例22)であった。
実施例19〜22においてGaAs単結晶を1本ずつ製造した。これらの4本のGaAs単結晶を目視により観察したところ、2本のGaAs単結晶でリネージが確認され、残りの2本のGaAs単結晶ではリネージおよび多結晶は確認されなかった。
実施例15〜実施例22と比較例1とを比較し、第3円筒部において、上端の内径D1、下端の内径D2がD2<D1の関係式を満たし、底部が結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sが外縁側から中心側に向けて大きくなる結晶成長用坩堝を用いることにより、100mm以上の径を有するGaAs単結晶における結晶欠陥の発生が抑制されることが分かった。
また、実施例15〜18と実施例19〜22とを比較し、第3円筒部の上下方向の長さLc、第3円筒部の下端の内径D2、たわみ量Sの最大値をSmaxが、0.1mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.5mmを満たす(実施例15〜18)場合、満たさない場合(実施例19〜22)よりも結晶欠陥の発生の抑制が顕著であることが分かった。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,30,40,200 坩堝、
11,31,41 第1円筒部、
12,32,42 第2円筒部、
13,33,43 第3円筒部、
14,34,44 底部、
21 種結晶、
21a 上面
22a,22b B23固体、
23a〜23d 原料固体、
24 原料融液、
100 製造装置、
101 アンプル、
102 収容体、
103 蓋体、
104 坩堝台、
105 支軸、
106 ヒータ、
107 断熱材、
108 気密容器、
201 直胴部、
202 種結晶収容部、
203 肩部。

Claims (10)

  1. 半導体単結晶を製造するための熱分解窒化ホウ素製の結晶成長用坩堝であって、
    上下方向に延びる第1円筒部と、
    前記第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、
    前記第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、
    前記第3円筒部の下端に連続し、かつ前記第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、
    前記第1円筒部の内径は、前記第3円筒部の内径よりも大きく、
    前記第2円筒部の内径は、前記第1円筒部側から前記第3円筒部側に向けて小さくなり、
    前記第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、
    前記第3円筒部の厚さをT1、前記底部の厚さをT2としたとき、T2<T1の関係式を満たす、結晶成長用坩堝。
  2. 0.1mm≦T2<T1≦5.0mmの関係式を満たす、請求項1に記載の結晶成長用坩堝。
  3. 2/T1<0.8の関係式を満たす、請求項1または請求項2に記載の結晶成長用坩堝。
  4. 半導体単結晶を製造するための熱分解窒化ホウ素製の結晶成長用坩堝であって、
    上下方向に延びる第1円筒部と、
    前記第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、
    前記第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、
    前記第3円筒部の下端に連続し、かつ前記第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、
    前記第1円筒部の内径は、前記第3円筒部の内径よりも大きく、
    前記第2円筒部の内径は、前記第1円筒部側から前記第3円筒部側に向けて小さくなり、
    前記第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、
    前記第3円筒部において、上端部の内径をD1、前記下端の内径をD2としたとき、D2<D1の関係式を満たす、結晶成長用坩堝。
  5. 0.005mm≦D1−D2≦1.000mmの関係式を満たす、請求項4に記載の結晶成長用坩堝。
  6. 半導体単結晶を製造するための熱分解窒化ホウ素製の結晶成長用坩堝であって、
    上下方向に延びる第1円筒部と、
    前記第1円筒部の下端に連続して延びる第2円筒部と、
    前記第2円筒部の下端に連続して延びる第3円筒部と、
    前記第3円筒部の下端に連続し、かつ前記第3円筒部の下端を閉塞する底部と、を備え、
    前記第1円筒部の内径は、前記第3円筒部の内径よりも大きく、
    前記第2円筒部の内径は、前記第1円筒部側から前記第3円筒部側に向けて小さくなり、
    前記第3円筒部の下端の内径は50mm以上であり、
    前記底部は、前記結晶成長用坩堝の内側に向けてたわんでおり、そのたわみ量Sは外縁側から中心側に向けて大きくなる、結晶成長用坩堝。
  7. 前記第3円筒部の上下方向の長さをLc、前記第3円筒部の前記下端の内径をD2、前記たわみ量Sの最大値をSmaxとしたとき、0.1mm≦SmaxおよびLc×Smax/D2≦1.5mmを満たす、請求項6に記載の結晶成長用坩堝。
  8. 前記第3円筒部の下端の内径は75mm以上である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の結晶成長用坩堝。
  9. 13−15族半導体からなる半導体単結晶を製造するための結晶成長用坩堝である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の結晶成長用坩堝。
  10. 前記13−15族半導体は、InPまたはGaAsである、請求項9に記載の結晶成長用坩堝。
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