JP2018177552A - 単結晶育成用坩堝 - Google Patents

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Abstract

【課題】垂直ブリッジマン法やVGF法に代表される融液を坩堝中で固化させる単結晶育成手法において、育成後の結晶を容易に取り出すことができる単結晶育成用坩堝を提供する。【解決手段】単結晶育成用坩堝1は、側壁2の内周面5の周方向に沿って設けられ、内周面5を外側に広げる段付き部7を備える。段付き部7は、底部3側から開口部4側への高さ方向において育成後の結晶の上端が位置する部分に設けられる。これにより育成後の結晶を容易に取り出すことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、垂直ブリッジマン法およびVGF法で使用される単結晶育成用坩堝に関する。
単結晶の育成方法には、一般的にチョクラルスキー法(回転引き上げ法)やEFG法(Edge−defined Film−fed Growth Method:リボン状結晶成長法)に代表される融液から単結晶を引上げて固化させる引き上げ法、垂直ブリッジマン法(垂直温度勾配凝固法)やVGF法(Vertical Gradient Freeze Method:垂直式温度傾斜凝固法)に代表される融液を坩堝中で固化させる方法などがある。
このうち、引き上げ法は、育成された単結晶を引き上げるためのスペースとその装置が必要であり、結晶育成装置が大型化せざるを得ず、初期投資費用が大きくなる。これに対して、垂直ブリッジマン法やVGF法は、育成された単結晶を引き上げる必要がないため、結晶育成装置の小型化や簡略化が可能であり、初期投資費用を抑えることができる。
一方、垂直ブリッジマン法やVGF法による単結晶の育成では、坩堝底に種結晶を配置し、その上に必要量の原料を入れ、種結晶の上部と原料を融解させた後に固化させて単結晶を育成するが、得られた単結晶の坩堝への固着や、坩堝の収縮により単結晶が締め付けられること等により、単結晶を坩堝から取り出すことが困難となる場合があった。このような問題が生じた場合には、垂直ブリッジマン法やVGF法では、坩堝自体を破壊して単結晶を取り出すこととなり、低コスト化や生産性の妨げとなっている。
このような問題に対して、特許文献1には、得られる単結晶よりも線膨張係数の小さな材料の坩堝を用いることで、坩堝の収縮による単結晶の締め付けによる問題を回避する技術が開示されている。また、特許文献2および特許文献3には、坩堝内壁にテーパを設けることで単結晶の取り出しが容易になると記載されている。
特許第5633732号公報 特開2012−236733号公報 特開2015−140291号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の従来手法では、実際の単結晶育成後には坩堝から単結晶が取り出せないことがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、垂直ブリッジマン法やVGF法に代表される融液を坩堝中で固化させる単結晶育成手法において、育成後の結晶を容易に取り出すことができる単結晶育成用坩堝を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係る単結晶育成用坩堝は、側壁の内周面の周方向に沿って設けられ、前記内周面を外側に広げる段付き部を備え、前記段付き部は、底部側から開口部側への高さ方向において育成後の結晶の上端が位置する部分に設けられる。
本開示によれば、垂直ブリッジマン法やVGF法に代表される融液を坩堝中で固化させる単結晶育成手法において、育成後の結晶を容易に取り出すことができる単結晶育成用坩堝を提供することができる。
実施形態に係る単結晶育成用坩堝の概略構成の一例を示す断面図である。 実施形態に係る単結晶育成用坩堝を用いた単結晶製造装置を示す断面図である。 実施形態に係る単結晶育成用坩堝を用いて結晶を育成したときの結晶上端部の近傍を拡大視した図である。 従来の単結晶育成用坩堝を用いて結晶を育成したときの結晶上端部の近傍拡大視した図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず本実施形態に係る単結晶育成用坩堝を着想した経緯について説明する。
本発明者らは、特許文献2および特許文献3に開示された坩堝内側面にテーパを設けても単結晶が坩堝から取り出せない原因について検討した。その結果、結晶最上端周辺の一部が多結晶化し、坩堝の内側面に接触している部分で固着が生じてしまうことが、その原因となっていると知見を得た。
本発明者は、この知見を出発点として、単結晶育成用坩堝について鋭意研究を重ねた結果、結晶育成後の結晶最上端に位置する坩堝の開口径を所望の結晶径よりも大きくする段付き部を設けることを試みた。この結果、段付き部にて坩堝と結晶の固着が生じることとなり、段付き部で固着している結晶を割るだけで、育成した単結晶を取り出すための開口径を確保できるようになり、固着部が存在しても取り出すことができる知見を得て、本実施形態を完成するに至ったものである。
[実施形態]
次に図1を参照して、本実施形態に係る単結晶育成用坩堝1(以下では単に「坩堝1」とも表記する)の構成について説明する。図1は、実施形態に係る単結晶育成用坩堝1の概略構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、坩堝1は、有底筒状の容器である。坩堝1は、設置時の高さ方向に対して垂直な全ての側壁2の断面が円形であり、下端の底部3の断面直径が、上端の開口部4の断面直径よりも小さい円錐台形状である。図1は、この高さ方向に沿った坩堝1の断面形状を示している。
坩堝1の側壁2の内周面5には、下端の底部3の底面6から上端の開口部4に向けて拡張する向きでテーパ角θ1が付けられている。本実施形態では、坩堝1は円錐台形状であるので、開口部4と底面6との間の高さ方向の全体に亘って、内周面5が同一のテーパ角θ1となるように形成されている。すなわち、単結晶が育成される坩堝1の内部空間も、外形状と同じく、下端の底面6が上端の開口部4の内径よりも小さい円錐台形状である。
本実施形態のように坩堝1が円錐台形状であると、育成した単結晶を坩堝1から引き抜いて取り出すことがより容易である。この理由は、坩堝1の内部にて育成した単結晶が冷却により収縮すると、坩堝1と単結晶の間に空隙が出来るが、坩堝1の形状が円錐台形状であると、坩堝1と単結晶の間の空隙がどの部分でも同じ割合程度で出来るためである。
坩堝1の内周面5のテーパ角θ1は、0.1度以上、2.0度以下であることが好ましい。テーパ角θ1が0.1度よりも小さいと、育成された単結晶を坩堝1から引き抜く際に、単結晶の断面形状と、坩堝1の内周面5の断面形状とが高さ方向の全体に亘って常に近いものとなってしまい、開口部4側への引き抜きが容易でなくなる。一方、テーパ角θ1が2.0度を超えると、育成後の単結晶取り出しは容易となるものの、目的のウェハサイズを得るために単結晶の外周部を切削した時の切削量が増加して、育成した単結晶に対する製品歩留まりが悪化する。
坩堝1の材料は、育成する結晶の熱膨張係数よりも小さい材質のもので形成されるのが好ましい。これにより、坩堝1の内部にて育成した結晶が冷却により収縮すると、坩堝1の内周面5と結晶との間に発生する空隙が相対的に大きくなり、育成した結晶を取り出すことを容易にできる。
育成する結晶がサファイア単結晶である場合、坩堝1の材料には、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、または、Mo−W合金が好ましい。Moの融点(約2620℃)と、Wの融点(約3380℃)は、いずれもサファイアの融点(約2040℃)よりも高く、高温耐久性を有している。また、サファイアは育成方向であるc軸に垂直な方向の熱膨張係数が、2050℃において約11×10−6/℃程度であるため、坩堝1の材質としては、同程度の温度での熱膨張係数が、サファイア単結晶のc軸に垂直な方向の熱膨張係数よりも十分に低い値であることが望ましい。このような融点および熱膨張係数を有する材料としては、種々のものが考えられるが、コストや加工性などを考慮すると、Mo(2050℃における熱膨張係数:約8.5×10−6/℃)、W(2050℃における熱膨張係数:約6.5×10−6/℃)を使用することが好ましい。また、Mo−W合金も、MoやWと同様に融点が十分に高く、かつ、サファイアよりも十分に低い熱膨張係数を有するため、本実施形態のサファイア単結晶育成用の坩堝1の材料として適している。坩堝1の材料として、Mo−W合金を使用する場合には、Wの含有率が大きいほど好ましい。
そして特に本実施形態では、坩堝1の側壁2の内周面5には、周方向に沿って内周面5を外側に広げる向きに段付き部7が設けられている。段付き部7は、底部3側から開口部4側への高さ方向において、育成後の結晶の上端が位置する部分に設けられている(図3参照)。
段付き部7は、好ましくは、内周面5に対するテーパ角θ2が45°〜90°であり、より好ましくは、テーパ角θ2が90°、すなわち高さ方向に対して直交する水平方向に沿って設けられる。また、段付き部7は、底部3側の内周面5の径と開口部4側の内周面5の径との偏差である段付き量d(ステップ幅)が2〜5mmであるのが好ましい。
次に図2を参照して、本実施形態に係る単結晶育成用坩堝1を用いる単結晶育成方法を説明する。図2は、実施形態に係る単結晶育成用坩堝1を用いた単結晶製造装置10を示す断面図である。
単結晶製造装置10は、基本的には、本実施形態に係る単結晶育成用坩堝1を用いることを除いて、従来のVGF法用や垂直ブリッジマン法用の育成炉と同様の構成である。また、本実施形態に係る単結晶育成方法も、基本的には、実施形態に係る単結晶育成用坩堝1を用いることを除いて、従来の一方向凝固法による単結晶の製造方法と同様である。
単結晶製造装置10は、図示しないチャンバや断熱材の内側に、図2に示す筒状の発熱体11が配置される。結晶育成時には、チャンバ内はアルゴンガスなどの不活性ガスで満たされ、発熱体11の内部側にホットゾーン12が形成される。また、発熱体11は、高さ方向の上側から下側に沿って上段ヒータ11a、中段ヒータ11b、下段ヒータ11cを有し、これらの各ヒータ11a,11b,11cへの投入電力を調整することにより、ホットゾーン12内の温度勾配を制御することができる。
坩堝1は、ホットゾーン12に配置される支持台13の上に載置される。支持台13は、図示しない支持軸などによって上下方向に移動可能、または、回転可能に構成することができる。
本実施形態に係る単結晶育成方法では、このような構成を有する育成炉10を用いて、はじめに、坩堝1を支持台13の上に設置し、開口部4から坩堝1内の下部に種結晶14を配置する。種結晶14の上には、同じく開口部4から顆粒状もしくは単結晶を粉砕した単結晶原料15(例えばサファイア)を必要量配置する。
次に、坩堝1の周りの発熱体11を作動して、坩堝1の内部で単結晶を育成する。具体的には、発熱体11を用いて、種結晶14及び単結晶原料15が収納された坩堝1を高さ方向の上方が高く、下方が低い温度分布となるように加熱する。この状態で炉内の温度を種結晶14が高さ方向の上半分位まで融解するまで昇温し、シーディングを行う。その後、そのままの炉内温度勾配を維持しながら発熱体11の出力を徐々に低下させ、すべての融液を固化させた後、所定速度で冷却を行う。炉内温度が室温程度になったことを確認した後、坩堝1の開口部4から育成された単結晶を取り出す。
次に、本実施形態に係る単結晶育成用坩堝1の効果を説明する。本実施形態の単結晶育成用坩堝1は、側壁2の内周面5の周方向に沿って設けられ、内周面5を外側に広げる段付き部7を備える。段付き部7は、底部3側から開口部4側への高さ方向において育成後の結晶の上端が位置する部分に設けられる。
上述のとおり、従来の坩堝では、側壁の内周面にテーパを付けても、坩堝内で育成された結晶の最上端周辺の一部が多結晶化し、坩堝の内周面に接触している部分で固着が生じてしまうと、育成後の結晶を坩堝から取り出せなかった。例えば図4に示すように、育成後の結晶16のうち内周面5との固着部分16Aを結晶16から切り離したとしても、固着部分16Aが内周面5から内側に突出した状態となる。このため、固着部分16Aを切り離した後の結晶16を坩堝から引き抜こうとしても、結晶16の外縁が固着部分16Aに引っ掛かるので、結晶16を坩堝から取り出すことができなかった。
これに対して、本実施形態の坩堝1では、内周面5の育成後の結晶16の上端が位置する部分に段付き部7を設けることにより、図4に示すように、結晶16の固着部分16Aは段付き部7と、この段付き部7より上方の開口部4側の内周面5との間に形成される。これにより、段付き部7より下側に育成された結晶16に対して、固着部分16Aが結晶16と開口部との間に突出しないので、結晶16の外縁が固着部分16Aに引っ掛からずに結晶16を坩堝1から取り出すことが可能となる。この結果、本実施形態の単結晶育成用坩堝1は、垂直ブリッジマン法やVGF法に代表される融液を坩堝中で固化させる単結晶育成手法において、育成後の結晶を容易に取り出すことができる。
また、本実施形態の単結晶育成用坩堝1では、段付き部7は、内周面5に対するテーパ角θ2が45°〜90°であるのが好ましく、高さ方向に対して直交する水平方向に沿って設けられるのがより好ましい。これにより、段付き部7にて結晶16と固着部分16Aとを切り離しやすくでき、育成後の結晶の取り出しをさらに容易にできる。
また、本実施形態の単結晶育成用坩堝1では、側壁2の内周面5には、開口部4側へ広がる向きでテーパ角θ1が付けられているので、坩堝1の内部にて育成した単結晶が冷却により収縮したときに、坩堝1と単結晶の間に空隙ができやすくなり、育成後の結晶の取り出しをさらに容易にできる。
また、本実施形態の単結晶育成用坩堝1では、段付き部7は、底部3側の内周面5の径と開口部4側の内周面5の径との偏差である段付き量dが2〜5mmであるので、段付き部7にて結晶16と固着部分16Aとを切り離しやすくでき、育成後の結晶の取り出しをさらに容易にできる。また、育成する単結晶のサイズに対して坩堝1の全体のサイズの大型化を抑えることができる。
なお、上記実施形態では、坩堝1の内周面5の高さ方向の全体に亘ってテーパ角θ1が0.1〜2.0°の範囲で設けられる構成を例示したが、高さ方向の一部にテーパ角θ1を設けても良い。例えば、高さ方向の段付き部7の位置より底部3側のみにテーパ角θ1を付ける構成でもよい。また、内周面5にテーパ角θ1を設けない構成でもよい。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜5)
図1に示すような形状を有する、Moからなる坩堝1を用意した。坩堝1の内周面5には1.0°のテーパ角θ1が設けられており、坩堝底直径50mmより徐々に坩堝内径が拡張されている。坩堝1の固着が発生する結晶最上端に位置する部分には段付き部7を設けた。段付き部7のテーパ角θ2は90°(つまり直角に曲がっている)とし、段付き量d(ステップの幅)がそれぞれ1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mmのものを実施例1〜5とした。
これら実施例1〜5の坩堝1を用いて、図2に示す単結晶製造装置10によるサファイア単結晶の育成試験を実施した。種結晶14は、高さ30mm、直径50mmのサファイアからなる種結晶を用いた。単結晶原料15は、サファイア単結晶原料を用いた。発熱体11はカーボン製とした。
育成試験では、上述の単結晶育成方法を実施した。単結晶の育成中には単結晶製造装置10の炉内は低酸素雰囲気(窒素ガス注入)とした。炉内温度は、種結晶14が高さ半分位まで融解するまで昇温し、その後、そのままの炉内温度勾配を維持しながら育成速度5mm/hとなるよう発熱体11の出力を徐々に低下させ、すべての融液を固化させた後、50℃/hの速度で冷却を行った。炉内温度が室温程度になった後、育成された単結晶が入った坩堝1をひっくり返して、育成した単結晶の坩堝1からの取り出し可否を確認した。
(実施例6〜10)
坩堝1の材料をWとした点を除き、実施例1〜5とそれぞれ同一条件で坩堝を作成し、結晶の育成試験及び取り出しの確認試験を行った。
(実施例11〜15)
坩堝1の材料をMo−W合金(Mo:W=50:50)とした点を除き、実施例1〜5とそれぞれ同一条件で坩堝を作成し、結晶の育成試験及び取り出しの確認試験を行った。
(比較例1〜3)
段付き量が0mm、すなわち、側壁2の内周面5に段付き部7を設けていない点を除いて、実施例と同様の坩堝を比較例1〜3とした。比較例1〜3は、それぞれの材料をMo、W、Mo−W合金(Mo:W=50:50)とした。これらの比較例1〜3の坩堝を用いて実施例1〜15と同様の育成試験を実施し、育成した単結晶の坩堝1からの取り出し可否を確認した。
各実施例1〜15および比較例1〜3の結晶取り出しの確認試験の結果を表1に示す。表1では、確認試験の結果を、結晶を抵抗無くかつ毀損せず坩堝1から取り出せた場合は「◎」、若干の抵抗はあったが毀損せず結晶を取り出せた場合は「○」、一部毀損はあったが結晶を取り出せた場合は「△」、坩堝1から結晶の取り出しが出来なかった場合は「×」として示している。
Figure 2018177552
表1に示すように、段付き部7を設けない比較例1〜3では、単結晶を育成した場合の坩堝1からの取り出しは行えなかった。一方、実施例1,6,11(段付き量1.0mm)では、取り出し時にやや抵抗があり単結晶の一部が毀損したものの、単結晶を取り出すことができた。実施例2〜4(坩堝材料Mo、段付き量2.0〜4.0mm)、実施例12〜13(坩堝材料Mo−W合金、段付き量2.0〜3.0mm)では、若干の抵抗はあったが毀損せず結晶を取り出すことができた。実施例5(坩堝材料Mo、段付き量5.0mm)、実施例7〜10(坩堝材料W、段付き量2.0〜5.0mm)、実施例14〜15(坩堝材料Mo−W合金、段付き量4.0〜5.0mm)では、単結晶を容易に取り出すことができた。
なお、表1に示すように、坩堝材料がMoの場合には、他の材料と比べて結晶の取り出し時に抵抗が大きくなる傾向がある。このように結晶取り出し結果が相対的に最も悪かったMoを材料に使用し、段付き量を2.0mmとして、段付き部7のテーパ角θ2を45°とした坩堝、すなわち、テーパ角θ2以外は実施例2と同様の坩堝を用いて実施例1〜15と同様の育成試験を実施し、育成した単結晶の坩堝1からの取り出し可否を確認したところ、多少抵抗はあるものの、結晶を取り出すことができた。
表1に示す結果より、本実施形態による側壁2の内周面5に段付き部7を坩堝1は、育成された結晶の取り出しにきわめて有効であることが示された。特に段付き量が2〜5mmのときに育成された結晶の取り出しを容易にできることが示された。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
上記実施形態の単結晶育成用坩堝1において育成される単結晶としては、サファイア単結晶以外を適用することもできる。また、上記実施形態の単結晶育成用坩堝1の材料には、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Mo−W合金以外のものを適用することもできる。
1 単結晶育成用坩堝
2 側壁
3 底部
4 開口部
5 内周面
7 段付き部
θ1 内周面のテーパ角
θ2 段付き部のテーパ角

Claims (6)

  1. 単結晶育成用坩堝であって、
    側壁の内周面の周方向に沿って設けられ、前記内周面を外側に広げる段付き部を備え、
    前記段付き部は、底部側から開口部側への高さ方向において育成後の結晶の上端が位置する部分に設けられる、
    単結晶育成用坩堝。
  2. 前記段付き部は、前記内周面に対するテーパ角が45°〜90°である、
    請求項1に記載の単結晶育成用坩堝。
  3. 前記段付き部は、前記高さ方向に対して直交する水平方向に沿って設けられる、
    請求項2に記載の単結晶育成用坩堝。
  4. 前記側壁の前記内周面には、前記高さ方向の少なくとも前記段付き部より底部側の部分に、前記開口部側へ広がる向きでテーパ角が付けられている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の単結晶育成用坩堝。
  5. 前記段付き部は、前記底部側の内周面の径と前記開口部側の内周面の径との偏差である段付き量が2〜5mmである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の単結晶育成用坩堝。
  6. 坩堝材料が、Mo、W、MoとWの合金のいずれかである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の単結晶育成用坩堝。
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