JP6217514B2 - サファイア単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抵抗加熱ヒーターを用いたチョクラルスキー(Czochralski:CZ)法により、サファイア単結晶棒を成長させるサファイア単結晶製造方法に関するものである。
サファイア単結晶の製造方法には様々なものがある。キロポーラス法は、タングステンもしくはモリブデン坩堝に高純度アルミナを入れ、その外側に配置した抵抗加熱ヒーターで溶融を行った後、メルト上部からサファイア単結晶種を下降させて着液し、以後、温度を徐々に低下させることで種から下方に単結晶を成長させる方法である。この方法は原料全てを単結晶化させるため、非常に歩留まりの高い製法ではあるが、GaN(ガリウム窒素)基板等に用いられるc軸結晶の製作が難しいため、一般にはa軸結晶を製作した後、a軸と垂直なc軸にインゴットをくりぬく作業が必要となる。このため、LED等に使用するc軸基板を製造する場合には、その歩留まりは決して高くない。
一方、c軸結晶の製造が可能なチョクラルスキー法においては、その加熱方式は専ら高周波加熱である。この方法では金属坩堝のみを発熱させるために、ジルコニアやアルミナといった酸化物系の断熱材が使用される(特許文献1、2参照)。その場合、坩堝は耐酸化性の高い高融点金属は非常に高価なイリジウムに限定されるため、c軸結晶の歩留まりは高いが、高コストになっていた。
特開2005−231958号公報 特開2008−266078号公報 特開2013−49607号公報
c軸単結晶の製造が可能なCZ法において、そのコストを下げるためイリジウムなどの高価な坩堝をタングステンやモリブデンなどの坩堝に変更する場合、これらはイリジウムに比べて耐酸化性が低いため、酸化物系断熱材ではなくカーボン系断熱材を使用することになる。しかし、カーボンは良導体であるため、高周波加熱方式では熱効率が悪く、必然的に抵抗加熱ヒーターを使用することになる。高周波加熱では、イリジウム坩堝のみが発熱するため、結晶中の温度勾配は大きくなるが、抵抗加熱ヒーターを用いた場合には、ホットゾーン内部の温度が均熱化し、メルト中の温度勾配も小さくなる。
このような状態で単結晶引上げを行うと、種付けを終了してから拡径する工程において、径方向の拡がり速度が過大となり、結晶は優先成長しやすくなる。一方、サファイア中の気泡生成原因は、特許文献3に開示されているように、溶融アルミナが組成的過冷却となってセル成長することが原因と考えられており、結晶中の温度勾配が小さい場合、あるいは結晶成長速度が速い場合に顕著になることが知られている。
抵抗加熱方式の場合、温度勾配が小さくメルト内部も均熱化するため、引き上げ速度を遅くしても、メルト内成長が著しく進行するために気泡が導入されやすい。また、気泡対策として、固液界面をフラット化することが考えられるが、固液界面をフラット化するのに最も有効な方法は、結晶回転を高速化することである。しかし、結晶回転を高速化して拡径速度が大きくなると突然、特に拡径部後半において、サファイア単結晶の一部が欠落した状態“抉れ”となり、そのまま引き上げても抉れたままの形状でしかサファイア単結晶を成長させることができないという問題が発生する。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、サファイア単結晶の製造において、抵抗加熱ヒーターを用いて坩堝を加熱する場合、結晶形状不良の発生を防止しつつ結晶回転速度を高速化することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、抵抗加熱ヒーターを用いて坩堝に収容したサファイア単結晶の原料を溶融し原料融液を作製する溶融工程と、前記原料融液にサファイア単結晶の種結晶を着液する種付け工程と、前記着液した種結晶を回転させながら引き上げつつ、所定の直径を有する直胴部の直径にまでサファイア単結晶を拡径し肩部を形成する拡径工程と、前記拡径したサファイア単結晶を回転させながら引き上げつつ、前記肩部の下方に直胴部を形成する直胴部形成工程とを有するチョクラルスキー法によるサファイア単結晶の製造方法であって、前記拡径工程において、育成するサファイア単結晶の回転方向と同方向に前記坩堝を回転させると同時に、前記肩部の形成は前記サファイア単結晶の結晶回転速度をy(rpm)、前記坩堝の坩堝回転速度をx(rpm)としたとき、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たすように前記結晶回転速度yと前記坩堝回転速度xを制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法を提供する。
このようにすれば、結晶回転を上げても拡径部で抉れが発生しなくなることで、結晶回転の高速化が可能となる。その結果、界面形状の制御が可能となり、組成的過冷却起因で発生する気泡を形状不良を起こさずに抑制することが可能となる。
このとき、更に、前記拡径工程において、前記肩部の形成は前記結晶回転速度y(rpm)と前記坩堝回転速度x(rpm)を、y≦2.5x+7(但し、1≦x≦5、9≦y≦19)を満たすように制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることが好ましい。
このように、結晶回転速度及び坩堝回転速度を制御することで、より確実に形状不良を発生させずに界面形状を制御することが確実に可能となり、組成的過冷却起因で発生する気泡をより確実に抑制することができる。
またこのとき、前記種付け工程において、前記種結晶の着液時における前記坩堝の回転速度を0.1(rpm)以下とし、その後、前記拡径工程において、育成中のサファイア単結晶の直径が30(mm)に達するまでに、徐々に前記坩堝の回転速度を所定の回転速度まで上げることができる。
このようにすれば、種付け工程において原料融液を適切な温度に制御しながら種付けができ、また、次工程である拡径工程において、サファイア単結晶の多結晶化を発生させずに安定した結晶成長を行うことができる。
本発明のサファイア単結晶の製造方法であれば、結晶回転速度を上げても拡径部で抉れなどの形状不良が発生しないため、界面形状の確実な制御が可能となり、組成的過冷却起因で発生する気泡を抑制することが可能となる。
本発明のサファイア単結晶の製造方法に使用できる引上げ装置の一例を示した概略図である。 放射温度計で原料融液の表面の中心部の温度を測定した結果である。 結晶回転速度に応じた結晶界面形状を示す総合伝熱解析の結果である。 坩堝の回転方向の違いに応じた結晶界面形状を示す総合伝熱解析の結果である。 実施例、比較例の結果を示す図である。 従来のサファイア単結晶の製造における結晶形状を示す図である。 従来のサファイア単結晶の製造において、サファイア単結晶が優先成長した場合の結晶形状を示す図である。 従来のサファイア単結晶の製造において、サファイア単結晶に抉れが生じた場合の結晶形状を示す図である。 従来のサファイア単結晶の製造における、原料融液表面の流れを示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、拡径工程において結晶中の気泡の発生を抑制するために結晶回転を高速化すると、育成中のサファイア単結晶の一部に抉れた形状の不良が発生してしまうという問題があった。
c軸結晶の場合、結晶の上方から見た結晶形状は図6のようにほぼ均等な六角形となるが、拡がり速度が速くて優先成長すると、三方向でファセットが拡がるために、図7のような3回対称形状となる。ここで抉れが発生する位置は、図8にある三角形状に突き出た頂点の回転遅れ側であることから、結晶回転によって頂点の回転遅れ側に渦流れが発生することが原因であると考えられた。
原料融液を入れた金属坩堝を回転させると湯面温度が変動して種付けが難しくなる。そのため、従来は坩堝回転を用いないか、用いても結晶回転と逆方向に0.1rpm程度の回転速度で回しながら引き上げを行ってきた。
そして本発明者等は、結晶回転速度を上げると抉れが生じやすくなることから、図9に示すように、結晶上方から見た場合、3方向に飛び出た形状の結晶が回転することで、飛び出た部分から見てへこんだ場所に原料融液の渦流れが発生することが抉れの原因と考えた。
そこで、本発明者等は原料融液を結晶と同じ方向に回転させることで、この渦流れが抑制できるのではないかと考え、結晶回転速度と坩堝回転速度を振った引き上げテストを繰り返し実施した。
その結果、同じ結晶回転速度であっても、坩堝を同方向に回す場合には、抉れの発生が抑制されることが分かった。また、抉れが発生する結晶回転速度と坩堝回転速度の関係は、一次関数式でほぼ決まっており、固液界面をよりフラットに近づけるように結晶回転速度を上げる場合、坩堝回転速度もこの一次関数式に従って速くすることで、抉れを発生させずに引き上げることができることを知見し、本発明を完成させた。
以下、本発明のサファイア単結晶の製造方法について説明する。
図1は、サファイア単結晶を原料融液(サファイア融液)から引上げて製造する引上げ装置における、坩堝周辺の構造の一例を示す概念的な断面図である。
サファイア単結晶の引上げ装置10において、原料融液1は、坩堝2の中で抵抗加熱ヒーター3により加熱されている。また、坩堝2は引上げ装置10の底面から回転可能な支持軸4により支持されており、坩堝2及び抵抗加熱ヒーター3の外周に設けられた断熱材5により保温されている。
坩堝2の上面には開口部が設けられており、シードチャックに固定された種結晶6を原料融液1の表面迄上下方向に自在に昇降させることができる。更に、シードチャックは不図示の動力源によりその中心軸の周りに回転させることができる。坩堝2の上面に設けられた開口部から種結晶を固定したシードチャックが引上げ装置10内に挿入されており、坩堝2の周辺部は断熱材5により保温されている。
次に、本発明のサファイア単結晶の製造方法を上記引上げ装置10内でサファイア単結晶を製造する場合を例として説明する。
まず、サファイア単結晶の原料融液を溶融する溶融工程を行う。
この溶融工程では、まず坩堝2に高純度アルミナ等のサファイア単結晶の原料を収容し、抵抗加熱ヒーター3を用いて坩堝2に収容した原料を溶融し原料融液1を作製する。
次に、原料融液1にサファイア単結晶の種結晶6を着液する種付け工程を行う。
このとき、種結晶の着液時における坩堝2を、回転速度を0.1(rpm)以下の範囲で回転させることが好ましい。
種付けの段階から坩堝を回転させておくと、湯面温度変動が大きくなるために、種付け温度の見極めが難しいということが分かっている。図2は放射温度計でメルト表面中心部の温度を測定した結果であるが、坩堝回転速度を0.1rpmまで下げると湯面温度変動は±4℃まで安定化し、種付け温度の見極めが容易になった。このように、坩堝回転速度を0.1(rpm)以下にすれば、湯面温度が安定化するため、種結晶を着液させる際に、メルトの温度が高くなり過ぎることがないため、種付け前の予熱段階で種が溶損することが無く、メルトの温度が低くなりすぎることがないため、単結晶の直径がすぐに拡がり始めてしまうことが無い。
なお、放射温度計は外乱の影響を受けやすく、また測定対象の表面状態(波立ち、輻射率)の影響も受けやすいため絶対精度は低いことが知られている。図2において、アルミナの融点2050℃に対して、実際の測定温度が高めに検出されているのはそのためである。
次に、サファイア単結晶の肩部を形成する拡径工程を行う。
この拡径工程では、着液した種結晶6を回転させながら引き上げつつ、所定の直径にまでサファイア単結晶を拡径し肩部を形成する。
本発明では、この拡径工程において、サファイア単結晶の回転方向(種結晶6の回転方向)と同方向に坩堝2を回転させる。
そしてさらに、サファイア単結晶の肩部を形成する際に、サファイア単結晶の結晶回転速度をy(rpm)、坩堝の坩堝回転速度をx(rpm)としたとき、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たすように結晶回転速度と坩堝回転速度を制御しながらサファイア単結晶を引き上げて肩部を形成する。
結晶回転速度を上げることで固液界面がフラット化することは、図3の(a)、(b)、(c)に示したメルト対流を含んだ総合伝熱解析でも明らかであり、低結晶回転域で支配的な結晶直下の固液界面付近に見られる下方向への自然対流が、高速な結晶回転により上方向の流れに逆転することによって固液界面が上昇しフラット化する。
ここで、本発明のように坩堝の回転方向を結晶回転と同じ方向にした場合(図4の(b))、図3の(b)と同じ結晶回転速度であるにもかかわらず、結晶直下のメルトの上方向への流れが発生することがわかる。従って、本発明を用いれば、結晶回転速度をより低くしても、同方向に坩堝を回転させることで抉れの発生しないサファイア単結晶の育成を実現できるようになる。そして、本発明のように、結晶回転速度及び坩堝回転速度を制御することで、結晶回転速度を増加させても気泡の導入が起こらず抉れも生じないサファイア単結晶の製造ができる。
尚、総合伝熱解析は、総合伝熱解析ソフトCGSim(開発元 STR Group)を使用した。これは、炉内構造を軸対称と仮定してモデリングを行い、炉内の輻射伝熱・対流熱伝達・熱伝導を考慮した温度分布、流速分布を求めている。チャンバー内壁温度を300Kと設定し、結晶引き上げ速度が所定の速度になるよう、ヒーターパワーは自動的に計算される。サファイア単結晶の場合は透明度が高いため、CZ−Si単結晶の伝熱解析とは異なり、結晶内部の輻射伝熱も考慮している。図3、4は、炉内全体の中から結晶とメルト部のみを表示したものであり、原料融液部分に示した線はパーティクルトレースで原料融液の流れ方の方向を示したものである。
また、この拡径工程において、肩部の形成は、更に、結晶回転速度y(rpm)と坩堝回転速度x(rpm)を、y≦2.5x+7(但し、1≦x≦5、9≦y≦19)を満たすように制御しながらサファイア単結晶を引き上げることが好ましい。
このような結晶回転速度yと坩堝回転速度xの範囲を満たすようにすれば、育成中のサファイア単結晶における、抉れの発生をより確実に抑制しながら、気泡の導入をより確実に防止できる。
また、この拡径工程において、育成中のサファイア単結晶の直径が30(mm)に達するまでに、徐々に坩堝の回転速度を所定の回転速度まで上げることが好ましい。
抵抗加熱式のヒーターを使用する場合は、高周波加熱に比べて、メルト表面における径方向の温度勾配も小さくなるために、サファイア結晶が直径30mmを過ぎると急激に直径が拡がりやすくなる。
従って、このように直径が急激に拡がり始める前に坩堝回転速度を所定の速度まで上げることで、メルト内の強制対流が強くなり過ぎず、メルトの中心側温度が低下しすぎることが無い。そして、メルトの中心側温度が適切な温度に保たれることで、結晶直径が急激に拡がることが無いため、育成するサファイア単結晶が多結晶化し難い。このように、種付け前状態では0.1rpm程度で安定した温度で着液させた後は、直径30mmに至るまでに所定の坩堝回転速度まで上げることで、サファイア単結晶の多結晶化を確実に抑制することができる。
特に、サファイア単結晶の直径が30mm以上となった際には、上記式y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たすように制御することが好ましい。
次に、直胴部形成工程を行う。
この直胴部形成工程では拡径したサファイア単結晶を回転させながら引き上げつつ、肩部の下方に直胴部を形成する
直胴部形成完了後、育成される結晶を縮径してテール部を形成し、その後、原料融液から切り離してサファイア単結晶を得ることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本発明のサファイア単結晶の製造方法を用いて、図1に示すような引上げ装置を使用してサファイア単結晶の製造を行った。
断熱材としては、等方性黒鉛と炭素繊維を成型した成型断熱材を用いた。また、ホットゾーン内に、15kgの高純度アルミナを入れたモリブデン製の坩堝をセットし、抵抗加熱ヒーターを使用することで高純度アルミナを熱して溶融させた後に、10mm四方のc軸角種を着液し、その後、抵抗加熱ヒーターのパワーをゆっくり下げながらサファイア単結晶を直径104mmまで拡径し肩部を形成した。その後、該形成した肩部の下方に直胴部を形成した。この間の、サファイア単結晶の成長速度は1mm/hourで一定とした。
また、種付け時の坩堝回転速度は0.1rpmとし、拡径時にはサファイア単結晶が直径15mmから30mmに達するまでの間に結晶回転を徐々に増加させた。
さらに、実施例1では、肩部形成の際、サファイア単結晶と坩堝の回転方向を同方向とし、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)とした。即ち、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たす結晶回転速度及び坩堝回転速度に制御しながら引上げを行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
このように、サファイア単結晶に気泡が導入されないように結晶回転速度を高速化した引上げを行っても本発明の製造方法を使用すれば抉れ等の結晶形状の不良が発生することが無いことが確認できた。
(実施例2)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
(実施例3)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=13(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
(実施例4)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=6(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
(実施例5)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
(実施例6)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
(比較例1)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=0(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させず、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまい形状不良を有するサファイア単結晶となってしまった。
(比較例2)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=12(rpm)、坩堝の回転速度x=0(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させず、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
(比較例3)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
(比較例4)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=13(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
(比較例5)
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=16(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
上記実施例及び比較例の結果より、拡径工程において肩部を形成する際に、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たす結晶回転速度y及び坩堝回転速度xに制御することで、抉れを発生させずに結晶回転を高速化でき、形状不良を防止しつつ気泡の導入を抑制できることが確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…原料融液、 2…坩堝、 3…抵抗加熱ヒーター、
4…支持軸、 5…断熱材、 6…種結晶、
10…引上げ装置。

Claims (3)

  1. 抵抗加熱ヒーターを用いて坩堝に収容したサファイア単結晶の原料を溶融し原料融液を作製する溶融工程と、前記原料融液にサファイア単結晶の種結晶を着液する種付け工程と、前記着液した種結晶を回転させながら引き上げつつ、所定の直径を有する直胴部の直径にまでサファイア単結晶を拡径し肩部を形成する拡径工程と、前記拡径したサファイア単結晶を回転させながら引き上げつつ、前記肩部の下方に直胴部を形成する直胴部形成工程とを有するチョクラルスキー法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
    前記拡径工程において、育成するサファイア単結晶の回転方向と同方向に前記坩堝を回転させると同時に、前記肩部の形成は前記サファイア単結晶の結晶回転速度をy(rpm)、前記坩堝の坩堝回転速度をx(rpm)としたとき、y≦2.5x+7(但し、0<x≦3、0<y≦13)を満たすように前記結晶回転速度yと前記坩堝回転速度xを制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。
  2. 更に、前記拡径工程において、前記肩部の形成は前記結晶回転速度y(rpm)と前記坩堝回転速度x(rpm)を、y≦2.5x+7(但し、1≦x≦、9≦y≦1)を満たすように制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶の製造方法。
  3. 前記種付け工程において、前記種結晶の着液時における前記坩堝の回転速度を0.1(rpm)以下とし、その後、前記拡径工程において、育成中のサファイア単結晶の直径が30(mm)に達するまでに、徐々に前記坩堝の回転速度を所定の回転速度まで上げることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
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