JP6217514B2 - サファイア単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
上記のように、拡径工程において結晶中の気泡の発生を抑制するために結晶回転を高速化すると、育成中のサファイア単結晶の一部に抉れた形状の不良が発生してしまうという問題があった。
そして本発明者等は、結晶回転速度を上げると抉れが生じやすくなることから、図9に示すように、結晶上方から見た場合、3方向に飛び出た形状の結晶が回転することで、飛び出た部分から見てへこんだ場所に原料融液の渦流れが発生することが抉れの原因と考えた。
その結果、同じ結晶回転速度であっても、坩堝を同方向に回す場合には、抉れの発生が抑制されることが分かった。また、抉れが発生する結晶回転速度と坩堝回転速度の関係は、一次関数式でほぼ決まっており、固液界面をよりフラットに近づけるように結晶回転速度を上げる場合、坩堝回転速度もこの一次関数式に従って速くすることで、抉れを発生させずに引き上げることができることを知見し、本発明を完成させた。
図1は、サファイア単結晶を原料融液(サファイア融液)から引上げて製造する引上げ装置における、坩堝周辺の構造の一例を示す概念的な断面図である。
まず、サファイア単結晶の原料融液を溶融する溶融工程を行う。
この溶融工程では、まず坩堝2に高純度アルミナ等のサファイア単結晶の原料を収容し、抵抗加熱ヒーター3を用いて坩堝2に収容した原料を溶融し原料融液1を作製する。
このとき、種結晶の着液時における坩堝2を、回転速度を0.1(rpm)以下の範囲で回転させることが好ましい。
この拡径工程では、着液した種結晶6を回転させながら引き上げつつ、所定の直径にまでサファイア単結晶を拡径し肩部を形成する。
本発明では、この拡径工程において、サファイア単結晶の回転方向(種結晶6の回転方向)と同方向に坩堝2を回転させる。
そしてさらに、サファイア単結晶の肩部を形成する際に、サファイア単結晶の結晶回転速度をy(rpm)、坩堝の坩堝回転速度をx(rpm)としたとき、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たすように結晶回転速度と坩堝回転速度を制御しながらサファイア単結晶を引き上げて肩部を形成する。
ここで、本発明のように坩堝の回転方向を結晶回転と同じ方向にした場合(図4の(b))、図3の(b)と同じ結晶回転速度であるにもかかわらず、結晶直下のメルトの上方向への流れが発生することがわかる。従って、本発明を用いれば、結晶回転速度をより低くしても、同方向に坩堝を回転させることで抉れの発生しないサファイア単結晶の育成を実現できるようになる。そして、本発明のように、結晶回転速度及び坩堝回転速度を制御することで、結晶回転速度を増加させても気泡の導入が起こらず抉れも生じないサファイア単結晶の製造ができる。
従って、このように直径が急激に拡がり始める前に坩堝回転速度を所定の速度まで上げることで、メルト内の強制対流が強くなり過ぎず、メルトの中心側温度が低下しすぎることが無い。そして、メルトの中心側温度が適切な温度に保たれることで、結晶直径が急激に拡がることが無いため、育成するサファイア単結晶が多結晶化し難い。このように、種付け前状態では0.1rpm程度で安定した温度で着液させた後は、直径30mmに至るまでに所定の坩堝回転速度まで上げることで、サファイア単結晶の多結晶化を確実に抑制することができる。
この直胴部形成工程では拡径したサファイア単結晶を回転させながら引き上げつつ、肩部の下方に直胴部を形成する
本発明のサファイア単結晶の製造方法を用いて、図1に示すような引上げ装置を使用してサファイア単結晶の製造を行った。
断熱材としては、等方性黒鉛と炭素繊維を成型した成型断熱材を用いた。また、ホットゾーン内に、15kgの高純度アルミナを入れたモリブデン製の坩堝をセットし、抵抗加熱ヒーターを使用することで高純度アルミナを熱して溶融させた後に、10mm四方のc軸角種を着液し、その後、抵抗加熱ヒーターのパワーをゆっくり下げながらサファイア単結晶を直径104mmまで拡径し肩部を形成した。その後、該形成した肩部の下方に直胴部を形成した。この間の、サファイア単結晶の成長速度は1mm/hourで一定とした。
また、種付け時の坩堝回転速度は0.1rpmとし、拡径時にはサファイア単結晶が直径15mmから30mmに達するまでの間に結晶回転を徐々に増加させた。
さらに、実施例1では、肩部形成の際、サファイア単結晶と坩堝の回転方向を同方向とし、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)とした。即ち、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)を満たす結晶回転速度及び坩堝回転速度に制御しながら引上げを行った。
このように、サファイア単結晶に気泡が導入されないように結晶回転速度を高速化した引上げを行っても本発明の製造方法を使用すれば抉れ等の結晶形状の不良が発生することが無いことが確認できた。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=13(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=6(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れは発生しなかった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=8(rpm)、坩堝の回転速度x=0(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させず、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまい形状不良を有するサファイア単結晶となってしまった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=12(rpm)、坩堝の回転速度x=0(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させず、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=10(rpm)、坩堝の回転速度x=1(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=13(rpm)、坩堝の回転速度x=2(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
肩部形成の際、サファイア単結晶の結晶回転速度y=16(rpm)、坩堝の回転速度x=3(rpm)としたこと、即ち坩堝をサファイア単結晶と同方向に回転させたが、y≦2.5x+7(但し、0<x、0<y)で表される範囲外のy、xとしたこと以外、実施例1と同様な条件で、サファイア単結晶の製造を行った。
その結果、図5に示すように、サファイア単結晶に抉れが発生してしまった。
4…支持軸、 5…断熱材、 6…種結晶、
10…引上げ装置。
Claims (3)
- 抵抗加熱ヒーターを用いて坩堝に収容したサファイア単結晶の原料を溶融し原料融液を作製する溶融工程と、前記原料融液にサファイア単結晶の種結晶を着液する種付け工程と、前記着液した種結晶を回転させながら引き上げつつ、所定の直径を有する直胴部の直径にまでサファイア単結晶を拡径し肩部を形成する拡径工程と、前記拡径したサファイア単結晶を回転させながら引き上げつつ、前記肩部の下方に直胴部を形成する直胴部形成工程とを有するチョクラルスキー法によるサファイア単結晶の製造方法であって、
前記拡径工程において、育成するサファイア単結晶の回転方向と同方向に前記坩堝を回転させると同時に、前記肩部の形成は前記サファイア単結晶の結晶回転速度をy(rpm)、前記坩堝の坩堝回転速度をx(rpm)としたとき、y≦2.5x+7(但し、0<x≦3、0<y≦13)を満たすように前記結晶回転速度yと前記坩堝回転速度xを制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。 - 更に、前記拡径工程において、前記肩部の形成は前記結晶回転速度y(rpm)と前記坩堝回転速度x(rpm)を、y≦2.5x+7(但し、1≦x≦3、9≦y≦13)を満たすように制御しながら前記サファイア単結晶を引き上げることを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶の製造方法。
- 前記種付け工程において、前記種結晶の着液時における前記坩堝の回転速度を0.1(rpm)以下とし、その後、前記拡径工程において、育成中のサファイア単結晶の直径が30(mm)に達するまでに、徐々に前記坩堝の回転速度を所定の回転速度まで上げることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサファイア単結晶の製造方法。
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