JP2017178741A - シリコンインゴット製造用鋳型 - Google Patents

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公一 安藤
貴洋 城野
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貴洋 城野
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Soshi Tozaki
宋志 東崎
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秀明 大橋
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義道 木村
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Abstract

【課題】高品質かつ大型の単結晶シリコンインゴットを製造できるシリコンインゴット製造用鋳型を提供する。
【解決手段】シリコンインゴット製造用鋳型1は、上端に開口を有する有底の容器状をなし、単結晶シード10が敷設される底部2の上面20が、底部20の周縁部分Dから中心部分Oに向けて低く傾斜するテーパ面に形成されている。また、周壁部3は、内面30が上方に向けて外側に傾斜しており、鉛直方向に対する傾斜角度θ2が3°以上であるのに対して、外面31は鉛直方向に延びている。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶シリコンインゴットを製造するためのシリコンインゴット製造用鋳型に関する。
近年、太陽光をエネルギー源として利用することが盛んに行われるようになってきており、太陽電池を形成するための半導体基板としてはシリコン基板が用いられている。シリコン基板には、チョクラルスキー法による単結晶シリコンインゴットから形成される基板の他、一軸凝固法による多結晶シリコンインゴットから形成される基板が用いられる。
チョクラルスキー法は、坩堝内のシリコン融液に単結晶シリコンの種結晶(単結晶シード)を接触させた後に引き上げることで、単結晶シリコンを成長させて単結晶シリコンインゴットを坩堝上に引き上げる方法である。しかし、チョクラルスキー法では、製造される単結晶シリコンインゴットが小断面積の小型のものであるため、生産性に乏しく製造コストが高いという課題がある。そのため、生産性を高めるために、結晶成長速度を高速にして製造することが行われているが、結晶成長速度を高速にすると、単結晶シリコンインゴット内の活性結合手が増大するという課題がある。この活性結合手は、単結晶シリコンインゴットを太陽電池用のシリコン基板として使用する際に、電子移動におけるエネルギー減衰を招くので、変換効率の低下を生じさせる。
そのため、高品質かつ大型の単結晶シリコンインゴットを低コストで製造できる方法の開発が望まれている。一方で、多結晶シリコンインゴットは、例えば特許文献1に示すように、シリコンインゴット製造用鋳型内に入れた高純度のシリコン原料を真空炉内で加熱して溶融させた後、鋳型の底部より徐々に冷却して凝固させることによって製造されるため、大型のシリコンインゴットを低コストで製造できる。しかし、これにより製造される多結晶シリコンインゴットは、結晶品質が悪いため、単結晶シリコンインゴットに比べ、太陽電池用のシリコン基板として使用する場合に低品質となる。
特開2012−1385号公報
本発明は、上記した課題に着目してなされたもので、高品質かつ大型の単結晶シリコンインゴットを製造できるシリコンインゴット製造用鋳型を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、単結晶シリコンインゴットを製造するためのシリコンインゴット製造用鋳型であって、上端に開口を有する容器状をなし、単結晶シードが敷設される底部と、周壁部とを備え、前記底部の上面が、周縁部分から中心部分に向けて低く傾斜するテーパ面に形成されており、前記周壁部の内面が上方に向けて外側に傾斜し、前記周壁部の内面の鉛直方向に対する傾斜角度が3°以上であるにより達成される。
上記構成のシリコンインゴット製造用鋳型は、前記周壁部の外面は、鉛直方向に延びることが好ましい。
また、上記構成のシリコンインゴット製造用鋳型は、シリカ又はアルミナからなることが好ましい。
また、上記構成のシリコンインゴット製造用鋳型は、内面に窒化珪素層が内張りされていることが好ましい。
また、上記構成のシリコンインゴット製造用鋳型は、前記底部上に敷設される単結晶シードが、前記底部の上面と密着するよう凸状の下面を有することが好ましい。
本発明のシリコンインゴット製造用鋳型によれば、高品質かつ大型の単結晶シリコンインゴットを製造できる。
本発明の一実施形態に係るシリコンインゴット製造用鋳型を模式的に示す断面図である。 シリコンインゴット製造用鋳型の平面図である。 内部に単結晶シード及びシリコン原料を収容したシリコンインゴット製造用鋳型の模式的な断面図である。 シリコン原料を溶融した状態のシリコンインゴット製造用鋳型の模式的な断面図である。 シリコンインゴット製造用鋳型によりシリコンインゴットを製造する手順を説明した断面図である。 シリコンインゴット製造用鋳型によりシリコンインゴットを製造する手順を説明した断面図である。 実施例1の鋳型により製造されるシリコンインゴットの断面の状態を示す写真である。 比較例1の鋳型により製造されるシリコンインゴットの断面の状態を示す写真である。 実施例2の鋳型により製造されるシリコンインゴットの断面の状態を示す写真である。 比較例2の鋳型により製造されるシリコンインゴットの断面の状態を示す写真である。
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るシリコンインゴット製造用鋳型1(以下、単に「鋳型1」という。)を模式的に示す断面図であり、図2は、鋳型1の平面図である。
鋳型1は、上端に開口を有する平面視矩形の容器状を呈しており、底部2と、底部2の周縁から立設した4面が連なる周壁部3とを備え、底部2及び周壁部3により、シリコンの結晶化を行うための内部空間が画定されている。この内部空間に対して、底部2上に単結晶シリコンの種結晶(単結晶シード)10を敷設するとともに高純度のシリコン原料を投入した後、加熱して溶融することでシリコン融液とし、シリコン融液を冷却により凝固させた後、脱型することで単結晶シリコンインゴットが得られる。なお、周壁部3の内面30及び外面31の角は面取りされている。
鋳型1は、耐熱性を有しかつシリコンよりも熱伝導性が低い材料で形成され、例えばシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ムライト(3Al3・2SiO)などを挙げることができる。この中でも、高純度のものが安価に入手できるシリカやアルミナを好適に用いることができ、鋳型1を繰り返し何度も用いることができる点からアルミナを特に好適に用いることができる。なお、鋳型1は、必ずしも上記材料で100%形成されている必要はなく、上記材料を主成分としていればよく、添加物や不純物を含んでいてもよい。
底部2は、下面21が平坦面であるのに対して、上面20が中心部分Oに向けて低く傾斜する先細り状のテーパ面に形成されている。つまり、底部2の上面20は、周壁部3の内面30との境界である周縁部分Dから中心部分Oへ向かって下り傾斜の傾斜面とされており、本実施形態では、底部2の平面視形状が略矩形状であるため、上下逆向きの四角錐の側面のような形状を呈している。これにより、底部2は、その厚みが、周縁部分Dで最も大きく、中心部分Oに向かうに連れて徐々に小さくなり、中心部分Oで最も小さくなっている。
底部2の中心部分Oにおける厚みが小さいことで、後述するように、鋳型1内のシリコン融液を底部2からの冷却で凝固する際に、底部2の中心部分Oにおける冷却効果が増大する構造となる。
ここで、本発明者が鋭意研究した結果によると、鋳型1内で底部2上に敷設された単結晶シード10から単一の単結晶シリコンが成長した単結晶シリコンインゴットを安定的に形成するためには、シリコン融液が凝固する際の固液平衡線が、鋳型1の縦断面視(底部2の中心部分Oで垂直方向に切断した断面視)において底部2の中心部分Oを頂点とする上に凸の放物線状となるように、底部2から上方向にシリコン融液の凝固が促進して単結晶シリコンの結晶成長が行われることが、最良な方法であることが見出されている。
上記構造の底部2上に、図3に示すように、底部2の上面20と密着する下に凸状の下面を有する単結晶シード10を敷設してシリコン原料11を溶融すると、底部2の上面20がテーパ面であるので、溶融時のシリコン融液の等温線は鋳型1の縦断面視において底部2の中心部分Oで低下した状態となる。そのため、単結晶シード10は一部が溶融して鋳型1内に残存するが、図4に示すように、上面が底部2の中心部分Oで高く突き出た状態となって残存する。そのうえで、鋳型1内のシリコン融液を底部2からの冷却により凝固させる際には、底部2の中心部分Oにおける冷却効果が増大しているので、底部2の中心部分Oで単結晶シード10が高く突き出ていることもあり、単結晶シード10の中央部から上方にシリコン融液の凝固・結晶成長が開始し、この凝固・結晶成長が単結晶シード10の中央部から周囲の側方部に拡張するので、シリコン融液が凝固する際の固液平衡線が底部2の中心部分Oを頂点とする上に凸の放物線状となる。よって、シリコン融液の凝固により単一の単結晶シリコンが安定して結晶成長する。
底部2の上面20の水平方向に対する傾斜角度θ1は、特に限定されるものではないが、4°以上15°以下であることが好ましい。底部2の厚みは、最も薄い中心部分O付近で3mm〜15mm程度であることが好ましい。
加えて、本実施形態では、周壁部3の内面30が上方に向けて外側に傾斜する、つまりは、周壁部3の内面30の底部2の上面20との境界である下縁部分(底部2の上面20の周縁部分)Dよりも上縁部分Uが外側に位置する傾斜面に形成されている。
上述したシリコン融液の冷却・凝固により単結晶シリコンが結晶成長する際には、シリコン融液が凝固膨張を起こし、この凝固膨張に伴って鋳型1の周壁部3に応力が発生すると、周壁部3から異方性の小さな結晶が発生し易くなる。鋳型1の周壁部3より異方性結晶が大きく発生すると、単結晶シード10の中央部より上方に結晶成長する単結晶シリコンの結晶成長領域が小さくなるので、得られるシリコンインゴットに品質が低下した部分が生じ、単一の単結晶シリコンからなる大型の単結晶シリコンインゴットを形成することが困難となる。
そこで、本実施形態では、周壁部3の内面30を上方に向けて外側に傾斜する傾斜面に形成することで、シリコン融液の凝固膨張に伴い鋳型1の周壁部3に応力が発生しても、傾斜面により当該応力が緩和されるようになっている。そのため、鋳型1の周壁部3からの異方性結晶の結晶成長を抑制することができるので、単結晶シード10の中央部より上方に結晶成長する単結晶シリコンの結晶成長領域が大きくなる結果、単一の単結晶シリコンからなる大型の単結晶シリコンインゴットを製造することができる。
上述したシリコン融液の凝固膨張に伴い鋳型1の周壁部3に発生する応力を良好に緩和するためには、周壁部3の内面30の鉛直方向に対する傾斜角度θ2が、3°以上であることが好ましく、4°以上であることがより好ましい。
一方で、周壁部3の外面31は、鉛直方向に延びている。そのため、周壁部3は、その厚みが、下縁部分Dで最も大きく、上縁部分Uに向かうに連れて徐々に小さくなり、上縁部分Uで最も小さくなっている。周壁部3の厚みは、最も薄い上縁部分U付近で5mm〜15mm程度であることが好ましい。
また、本実施形態の鋳型1においては、その内面(底部2の上面21及び周壁部3の内面30)に、内部に貯留されるシリコン融液が鋳型1を構成する材料又はその材料に含まれる不純物と反応してシリコン融液を汚染したり、冷却時に単結晶シリコンインゴットが鋳型1に付着したりすることなどを防止するため、さらには、シリコン融液の凝固膨張に伴い鋳型1の周壁部3に発生する応力を緩和するために、離型材として、窒化珪素(Si)を主成分とする窒化珪素層(図示せず)が内張りされている。この窒化珪素層は、窒化珪素の粉末にバインダーを加えて作成したスラリーを、鋳型1の内面にスプレーや刷毛などで塗布・吹き付けした後、熱処理を施すことによっても形成することができる。なお、離型材は、窒化珪素以外にも、シリコン融液と反応しない材料であれば、種々の材料で構成することができる。
上記構成の鋳型1は、例えば冷間等方圧加圧法(CIP)により製造することができるが、その他の加圧成形法により成形してもよく、また、流し込み法により成形しても構わない。
次に、上記構成の鋳型1を用いて単結晶シリコンインゴットを製造する方法を説明する。まず、図3に示すように、底部2上に、底部2の上面20と密着する下に凸状の下面を有する単結晶シード10を敷設した後、鋳型1内に粉状又は塊状のシリコン原料11を収容する。そして、図5に示すように、鋳型1を炉内の炉床100上に設置し、ヒータ101を用いて鋳型1を加熱する。これにより、収容された単結晶シード10の一部が溶融するとともにシリコン原料11が溶融し、シリコン融液12が鋳型1内に保持される。なお、このときの炉内は、シリコン融液12や鋳型1が酸化しないように、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気において減圧条件下とする。その後、図6に示すように、炉内で鋳型1を下降させてヒータ101から外しながら、炉床100の下部に配置された水冷ジャケットなどの冷却手段102を用いて鋳型1の底部2を冷却して、シリコン融液12を鋳型1の底部2から徐々に凝固させることで、単結晶シリコンを結晶成長させる。最後に鋳型1から多結晶シリコンインゴットを脱型する。なお、鋳型1の底部2を、予め定められた温度制御プログラムにて冷却する場合には、必ずしも冷却時に鋳型1を下降させる必要はない。
上記構成の鋳型1によると、底部2の上面20が中心部分Oに向けて低く傾斜するテーパ面に形成されていて、底部2の中心部分Oにおける厚みが小さいので、底部2の中心部分Oの熱伝導率が周囲の部分よりも高くなっている。そのため、シリコン融液の冷却・凝固時において、底部2の中心部分Oからの冷却効果が高められているので、シリコン融液の凝固及び単結晶シリコンの結晶成長が底部2の中心部分Oから上方へ促進され、そして中心部分Oから周囲へ拡張される。よって、単一の単結晶シリコンが安定して結晶成長する。そのうえ、鋳型1の周壁部3の内面30が上方に向けて外側に傾斜する傾斜面に形成されているので、シリコン融液の凝固膨張に伴い鋳型1の周壁部3に応力が発生しても、傾斜面により当該応力が緩和される。そのため、鋳型1の周壁部3からの異方性結晶の結晶成長が抑制されるので、単一の単結晶シリコンからなる大型の単結晶シリコンインゴットを製造することができる。
また、鋳型1の周壁部3の外面31が鉛直方向に延びているので、複数の鋳型1を並べて用いて一度に多数の単結晶シリコンインゴットを製造する際に、複数の鋳型1を隙間なく密に配置することができる。これにより、鋳型1の周壁部3の外面31が隣接する鋳型1の周壁部3の外面31と重ね合わされ、シリコン融液の冷却時に周壁部3の外面31が直接冷却されないので、鋳型1の周壁部3からシリコン融液に対する冷却の影響を小さくすることができる。鋳型1の周壁部3からシリコン融液に対する冷却の影響が大きいと、鋳型1の周壁部3からの結晶成長を生じやすくなるので、当該構成により、単一の単結晶シリコンが安定して結晶成長し、製造されるシリコンインゴットを高品質なものとすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明に係る鋳型は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態の鋳型1は、底部2及び周壁部3の平面視形状が矩形状であるが、円形状、多角形状など種々の形状に形成することができる。
また、上記実施形態の鋳型1は、底部2の上面20の中心部分Oが角(尖っている場合も丸みを帯びている場合も含む)となっているが、平坦な面であってもよく、この場合、底部2の上面20は、上下逆向きの錐台(例えば四角錐台)の側面のような形状を呈する。
以下、本発明の鋳型の実施例を示すが、本発明がこの実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1の鋳型は、図1及び図2に示すように、平面視略矩形状の底部の上面が中心部分に向けて低く傾斜するテーパ面に形成されているとともに、周壁部の内面が上方に向けて外側に傾斜する傾斜面に形成されているものである。底部の上面の水平方向に対する傾斜角度θ1(図1に示す)は7°であり、周壁部3の内面30の鉛直方向に対する傾斜角度θ2(図1に示す)は4°である。また、底部2の上面20の平面視での大きさが縦170mm×横170mmであり、周壁部3の内面30の上縁部Uから下縁部(底部2の上面20の周縁部)Dまでの高さが280mmである。なお、比較例1の鋳型は、底部の上面はテーパ面であるが、周壁部の内面が鉛直方向に延びる(傾斜角度θ2が0°)ものである。実施例及び比較例の鋳型ともに、アルミナで形成されており、内面に窒化珪素層からなる離型材が内張りされている。
実施例1及び比較例1の鋳型ともに、底部の上面と密着する凸状の下面を有する板状の単結晶シードを敷設した後、鋳型内に粉状又は塊状のシリコン原料を収容した。そして、実施例1及び比較例1の鋳型を、アルゴン雰囲気における減圧条件下でヒータにより加熱し、単結晶シードの厚みが半分程度まで溶解する温度まで昇温させて、シリコン原料を溶融させた。その後、鋳型を10mm/hrの速度で下降させて水冷ジャケットを用い、鋳型の底部からシリコン融液を冷却して、シリコンインゴットを製造した。
実施例1の鋳型により製造されたシリコンインゴットの断面写真を図7に示し、比較例1の鋳型で製造されたシリコンインゴットの断面図を図8に示す。図7に示すように、実施例1の鋳型では、底部2上に敷設された単結晶シードは中央部が周囲よりも高く湾曲した形状になっており、その上方に製造されるシリコンインゴットは、単一の単結晶シリコンが成長した単結晶シリコンインゴットであることが確認できる。単結晶シリコンインゴットの大きさは平面視で縦170mm×横170mm程度の大型であり、太陽電池に用いられる平面視で縦156mm×横156mmのシリコン基板を十分に採取することができる。
一方で、図8に示すように、比較例1の鋳型で製造されたシリコンインゴットは、広範囲にわたって異方性の結晶が成長し、単結晶シリコンの成長領域がかなり狭い多結晶シリコンインゴットであることが確認される。
さらに、周壁部の内面の鉛直方向に対する傾斜角度θ2について、上記実施例の鋳型では4°としているが、傾斜角度θ2を1°(比較例2)及び3°(実施例2)とした鋳型についても、上記と同様の条件で、シリコンインゴットを製造した。
実施例2の鋳型により製造されたシリコンインゴットの断面写真を図9に示し、比較例2の鋳型で製造されたシリコンインゴットの断面図を図10に示す。図9に示すように、実施例2の鋳型では、周壁部近傍において狭い範囲で異方性の結晶が成長しているのが見受けられるが、底部の中央部の上方では大横断面積の単一の単結晶シリコンが成長しており、太陽電池に用いられるシリコン基板を十分に採取できるほどの大型の単結晶シリコンインゴットが形成されていることが確認できる。一方で、図10に示すように、比較例2の鋳型で製造されたシリコンインゴットは、広範囲にわたって異方性の結晶が成長し、単結晶シリコンの成長領域がかなり狭い多結晶シリコンインゴットであることが確認される。また、図示は省略するが、傾斜角度θ2を0.5°とした鋳型により製造されたシリコンインゴットも、広範囲にわたって異方性の結晶が成長し、単結晶シリコンの成長領域がかなり狭い多結晶シリコンインゴットであることが確認された。よって、周壁部の内面の鉛直方向に対する傾斜角度θ2は3°以上が好ましく、実施例1(図7)と実施例2(図9)戸を比較すると、傾斜角度θ2は4°以上がさらに好ましいことが分かる。
1 シリコンインゴット製造用鋳型
2 底部
3 周壁部
20 底部の上面
30 周壁部の内面

Claims (5)

  1. 単結晶シリコンインゴットを製造するためのシリコンインゴット製造用鋳型であって、
    上端に開口を有する容器状をなし、単結晶シードが敷設される底部と、周壁部とを備え、
    前記底部の上面が、周縁部分から中心部分に向けて低く傾斜するテーパ面に形成されており、
    前記周壁部の内面が上方に向けて外側に傾斜し、前記周壁部の内面の鉛直方向に対する傾斜角度が3°以上であるシリコンインゴット製造用鋳型
  2. 前記周壁部の外面は、鉛直方向に延びる請求項1に記載のシリコンインゴット製造用鋳型。
  3. シリカ又はアルミナからなる請求項1又は2に記載のシリコンインゴット製造用鋳型。
  4. 内面に窒化粉末層が内張りされている請求項1〜3のいずれかに記載のシリコンインゴット製造用鋳型。
  5. 前記底部上に敷設される単結晶シードが、前記底部の上面と密着するよう凸状の下面を有する請求項1〜4のいずれかに記載のシリコンインゴット製造用鋳型。
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