JP2013119500A - 単結晶成長方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単結晶の4回対称転位の発生を抑制する。
【解決手段】縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却する。
【選択図】図3
【解決手段】縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却する。
【選択図】図3
Description
本発明は、溶融物から単結晶を成長させる単結晶成長方法およびその装置に関するものである。
現在、直径3インチを超える大型で、しかも低転位密度の化合物半導体単結晶を得る方法としては、垂直ブリッジマン法が採用されることが多い。この方法で用いられる石英ガラス成長容器は、化合物半導体単結晶がGaAsの場合、GaAs成長温度(融点1238℃)の領域では、結晶原料の自重や内圧の増大によって成長中に変形する。そのため、石英ガラス成長容器の外側をセラミックスなどの支持部材で囲繞する方法が採られている(特許文献1、2)。
しかし、上述した特許文献1、2に記載の方法では、(100)を成長面としてZnS構造の単結晶を成長させる場合に、〈010〉方向の4回回転対称の位置に転位の密集が生じやすいという問題があった。この問題は化合物半導体に限らず、半導体単結晶、さらには単結晶にも共通する。なお、4回回転対称の位置に生じる転位を、以下単に4回対称転位という。
本発明の目的は、4回対称転位の発生を抑制することが可能な単結晶成長方法およびその装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、
前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却する単結晶成長方法が提供される。
縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、
前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却する単結晶成長方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
セラミックス支持部材、加熱部にこの順で囲繞された石英ガラス成長容器を縦型炉の内部に有する単結晶成長装置において、
前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向は前記加熱部により結晶が直接加熱され、〈010〉の4方向は結晶が間接加熱されるように、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けた単結晶成長装置が提供される。
セラミックス支持部材、加熱部にこの順で囲繞された石英ガラス成長容器を縦型炉の内部に有する単結晶成長装置において、
前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向は前記加熱部により結晶が直接加熱され、〈010〉の4方向は結晶が間接加熱されるように、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けた単結晶成長装置が提供される。
本発明によれば、4回対称転位の発生を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の実施に用いる単結晶成長装置を構成する縦型炉の縦断面図である。ルツボを構成する石英ガラス成長容器1は、駆動架台7に載せられて下降するようになっている。石英ガラス成長容器1の周囲には加熱部としてのヒータ5が設けられており、下部では比較的低温、中間部では単結晶3の固化温度、上部では溶融物としての原料融液4を保持する高温になるように制御されている。
石英ガラス成長容器1は、概略円筒形をしており、下部は図示するように細く肩部が設けられており、種結晶2を載置する小型の種結晶載置部を有している。石英ガラス成長容器1の肩部を支持し駆動架台7上に安定させるための肩部サセプタ6が、駆動架台7上に設置される。石英ガラス成長容器1は、この肩部サセプタ6に載せられて、炉内に縦型に配置され、種結晶載置部に載置された種結晶2の上に化合物半導体単結晶、例えばGaAsなどの結晶原料が入れられる。
肩部サセプタ6を含めた石英ガラス成長容器1の外周には、円筒形で内径が石英ガラス成長容器1の外径とほぼ同一のセラミックス支持部材8が、石英ガラス成長容器1を囲繞するように設置される。セラミックス支持部材8は、石英ガラス成長容器1とともに駆動架台7に載せられて下降するようになっている。ヒータ5は、前述のように上部が高温、下部が低温に制御されているので、駆動架台7が下降することによって、石英ガラス成長容器1は徐々に低温領域に移動することになり、種結晶2から上方に向かって結晶成長が進む。
前記セラミックス支持部材8は、軸方向に分割されており、石英ガラス成長容器1の周囲に組み合わせて設置する。結晶成長のために温度を上昇すると、内部の石英ガラス成長容器1とこのセラミックス支持部材8は、ともに膨張して広がる。さらに結晶成長が終了して冷却に入ると、石英ガラス成長容器1とこのセラミックス支持部材8とは収縮に転じる。
このとき、石英ガラス成長容器1の熱収縮がセラミックス支持部材8の熱収縮より小さいために、結果として、セラミックス支持部材8は石英ガラス成長容器1から外側に押し広げられる状態となるが、分割の組み合わせ部が開くことによって、破壊を免れることが
できる。
できる。
ところで、(100)を成長面としてZnS構造の単結晶を成長させる場合に、既に述べたように、〈010〉方向に4回対称転位の密集が生じやすいという問題があった。図1は、このように成長させた単結晶を成長面側から見たときの上記転位の発生状況を示す図である。図1において、(100)結晶成長面10の中の、〈010〉の4方向に4回対称転位20が存在していることを示す。ここで、4方向とは具体的に[010]、[0−10]、[001]、[00−1]である。種結晶2は、この図の面より下方にあって見えないが、中心近傍下方にあることを破線により示す。
上記4回対称転位20の密集が生じる理由は明らかになっていないが、結晶構造の特性に起因するというモデルや、種結晶2が〈010〉方向に角を持つような形状であり、その方向の成長の安定性が悪いためであるというモデルなどがある。いずれのモデルを採用するにせよ、転位の密集を防ぐポイントは、〈010〉方向の成長界面を凹面化させないことである。転位は成長界面に垂直に伸びるため、成長界面が凹面になっている領域に集中する傾向があるからである。
そこで、本実施の形態の単結晶成長方法では、縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却するようにしている。成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する代表的な方法としてはブリッジマン法がある。
〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させるには、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けたり、その4方向に対峙するセラミックス支持部材の面の厚さを薄く形成したり、あるいは前記面に複数の開口を設けたりすればよい。
〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させるには、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けたり、その4方向に対峙するセラミックス支持部材の面の厚さを薄く形成したり、あるいは前記面に複数の開口を設けたりすればよい。
このように〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させると、結晶成長時、温度の低い〈010〉の4つの方向では、固化が速くなって成長速度が速くなる。成長速度が速くなると成長界面の凹面化を阻止することができる。これにより〈010〉方向に密集する4回対称転位の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態の単結晶成長装置では、セラミックス支持部材、加熱部にこの順で囲繞された石英ガラス成長容器を縦型炉の内部に有する単結晶成長装置において、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向は前記加熱部により結晶が直接加熱され、〈010〉の4方向は結晶が間接加熱されるように、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けるようにしている。前記隙間は例えばスリット状の隙間で構成される。また、前記隙間は、成長時に適度に開いて結晶を加熱でき、かつ冷却時に過度に開きすぎないよう設定されているのがよい。
このようにセラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けるようにすると、隙間がある方向の溶融物は加熱部からの輻射熱を直接受け、隙間がない方向の溶融物は間接的に受けるので、隙間のない〈010〉方向の成長界面の速度が相対的に速まる。これにより〈010〉方向の成長界面の凹面化が鈍り、4回対称転位の発生を抑制することができる。
以下、セラミックス支持部材について具体的に説明する。
図3は、成長面(100)側から見た石英ガラス成長容器1周辺の概念図である。図2で述べたセラミックス支持部材8は、前述したように軸方向に分割されており、石英ガラス成長容器1の周囲に組み合わせて設置されている。ここでは、4つのセグメント8A、8B、8C、8Dに分割されて、組み合わされるように構成されている。このセラミックス支持部材8は、結晶成長前に、成長面(100)から見て〈011〉の4方向に隙間9が4箇所形成されている。このためセラミックス支持部材8は、その4回対称転位の密集する〈010〉の4つの方向と対向する面は、セグメント8A〜8Dの存在によりヒータ5からの輻射熱を遮る。隙間9のある〈011〉の4方向と対向する面は、セグメント8A〜8Dが存在しないためヒータ5からの輻射熱をそのまま通すようになっている。ここで、〈011〉の4方向とは具体的に[011]、[0−1−1]、[01−1]、[0−11]である。
これによれば、石英ガラス成長容器1内で成長中の単結晶3は、セラミックス支持部材8の隙間の開いている〈011〉方向では、ヒータ5との間にセラミックス支持部材8が無いため、ヒータ5からの加熱を直接受けることになる。このため〈011〉方向の結晶成長が相対的に遅れる。4回対称転位20が密集する〈010〉方向では、逆にヒータ5との間にセラミックス支持部材8が有るため、その遮蔽によりヒータ5からの加熱を間接的に受けることになる。このため〈010〉方向の結晶固化が早まり、結晶成長速度が相対的に速くなる。したがって、〈010〉方向の成長界面が凹面化しにくくなり、4回対称転位20の密集を防ぐことができる。
ところで、セラミックス支持部材8は、水平方向へ熱分布を緩やかにするという均熱の効果も有しているので、組み合わせ部に隙間9ができるということは、その部分の均熱が損なわれるということでもある。特に冷却過程においては、隙間9が他の箇所に比べて急冷されるので、隙間9に対応した位置で、内部の結晶にスリップが生じてしまうことがある。
このように、隙間9を開けるということは、冷却時にその部分が急冷されて、スリップ欠陥が発生しやすいということでもある。しかし、本実施の形態では、隙間9を4箇所としたことで、従来のようなセラミックス支持部材を3分割にして隙間を3箇所とした場合と比較して、一つ一つの隙間9を小さく設定することができる。したがって、冷却時におけるスリップ欠陥の発生も抑制することができる。この場合、隙間9は、結晶の加熱段階において適度に加熱でき、結晶の冷却段階において過度に開き過ぎない適切な値に設定するのがよい。
セラミックス支持部材8に設ける隙間9は、GaAs結晶の直径が3インチ以上の場合、成長前の時点で2mmに設定するのが好ましい。隙間9が成長前の時点で2mmに設定されると、成長時に石英ガラス成長容器1とセラミックス支持部材8との熱収縮率の差により、隙間9が適度に開いて石英ガラス成長容器1の変形を防止しつつ結晶を加熱でき、かつ冷却時に隙間9が過度に開きすぎず、石英ガラス成長容器1の水平方向の温度分布を緩和する。
また、4分割されたセラミックス支持部材8の固定方法は、種々ありうる。例えば、駆動架台7にセラミックス支持部材8の断面と同形状の溝を設けておき、その溝にセラミックス支持部材8を差し込んで立てるなどの方法がある。ただし、成長中に熱膨張するので、ある程度余裕をもった設計とする必要がある。
上述した実施の形態によれば、セラミックス支持部材8を結晶の〈011〉の4方向に隙間を開く構造とすることによって、〈010〉方向の結晶成長速度を相対的に上げて結
晶固化速度を上げることにより、〈010〉方向の4回対称転位の発生を抑制することができる。また、セラミックス支持部材8の4方向に隙間を開ける構造としても、3方向に隙間を開ける構造と比べて、その隙間を2mm程度の小さな寸法に設定することにより、スリップ欠陥の発生を抑制することができる。したがって、スリップ欠陥の発生を抑制しつつ、4回対称転位の発生を抑制することができる。
晶固化速度を上げることにより、〈010〉方向の4回対称転位の発生を抑制することができる。また、セラミックス支持部材8の4方向に隙間を開ける構造としても、3方向に隙間を開ける構造と比べて、その隙間を2mm程度の小さな寸法に設定することにより、スリップ欠陥の発生を抑制することができる。したがって、スリップ欠陥の発生を抑制しつつ、4回対称転位の発生を抑制することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
例えば、〈010〉方向に4回対称転位が密集するメカニズムを説明するモデルとして2つ例示したが、そのうちの種結晶が〈010〉方向に角を持つためであるというモデルの立場によると、図4に示すように、結晶成長の際に現れる4回対称転位20は、種結晶2の形状を〈010〉方向に角を持つような形状ではなく、水平方向の結晶方位を変えることにより、例えば〈011〉方向などに角を持つような形状とすると、発生する位置が変わることになる。その場合でも、4回対称転位20が発生しやすい方位を見定めて、各方位の中間位置に隙間9を合わせるように4分割型のセラミックス支持部材8を設置すれば良い。
また、上述した実施の形態では、隙間位置は他の部分よりも加熱されるという前提で、結晶転位の生じる4方向〈010〉はセラミックス部材で覆い、その他の方向〈011〉は隙間を開けるという観点に立って説明している。しかし、セラミックス部材の隙間を方向〈011〉から他の方向〈010〉に変えた方が良いケースもあり得る。図5に示すように、結晶成長は、成長炉内で下方向に温度が低くなるような温度勾配をつけた上で(図5(b))、結晶を下方向に移動させることで行う。この場合、結晶の側面と種結晶の下面とから主に放熱が進む(図5(a))。炉内構造、縦型炉の環境、固化部(成長部)の温度勾配、融液部の温度、または移動速度のセッティングによっては、むしろ逆に隙間位置の方は放熱が強く固化が進み、セラミックス部材で覆われている部分の方は熱が逃げず、保温され固化が遅くなる、という状況も考えられる(図6)。このような状況下では、隙間位置の方の冷却が先に進むため、〈010〉方向の成長が相対的に遅れ、欠陥をさらに密集させてしまう。こういう場合は、むしろ〈010〉方向に隙間を設けた方が良いと考えられる(図7)。いずれにしても、本発明では、4回対称転位の発生場所を先に冷却することが要件となる。
また、実施の形態では、平面視で正方形となる4回転対称の種結晶を用いているが、これに限定されない。例えば、平面視で円形、3回転対称、6回転対称などの種結晶を用いる場合にも適用可能である。
また、前述の実施の形態では、成長用ルツボとして石英ガラス成長容器を用いたが、PBN成長容器を用いてもよい。その場合、このPBN成長容器を、As圧力制御のためにPBN成長容器より一回り大きい石英ガラス管に収容する必要がある。したがって、PBN成長容器は本発明の石英ガラス成長容器に含まれる。また、前述の実施例では、GaAsの単結晶成長について述べたが、本発明は、InP、GaPなどの他の化合物半導体単結晶の成長方法及びその装置にも応用することができる。
本発明の実施例について、具体的な条件と共に説明する。
(実施例)
図2に示すように、石英ガラス成長容器1としての石英ガラスアンプルの中に、種結晶2とGaAs原料を1200グラム入れ、Asの揮発封止剤として原料の上部にB2O3
をセットした。セット後、石英ガラスアンプル内を真空にして上端を溶接により封じる。前述のようにセラミックス支持部材8を設けるが、ここではセラミックス支持部材8の材質としてSiC製のものを用いた。駆動架台7上に肩部サセプタ6を設置し、この上に石英ガラスアンプルを載置する。
図2に示すように、石英ガラス成長容器1としての石英ガラスアンプルの中に、種結晶2とGaAs原料を1200グラム入れ、Asの揮発封止剤として原料の上部にB2O3
をセットした。セット後、石英ガラスアンプル内を真空にして上端を溶接により封じる。前述のようにセラミックス支持部材8を設けるが、ここではセラミックス支持部材8の材質としてSiC製のものを用いた。駆動架台7上に肩部サセプタ6を設置し、この上に石英ガラスアンプルを載置する。
ヒータ5を昇温し、種結晶2のある下部を約1200℃、原料のある上部を約1245℃となるように制御する。原料は、ヒータ5に加熱されることによって融け、原料融液4となる。固液界面の温度勾配を約4℃/cmに制御しながら石英ガラスアンプルを上昇させ、種付けを行う。
その後、2mm/hの速度で石英ガラスアンプルを、図2の矢印で示すように下降させて結晶固化を行う。原料融液4は、種結晶2に近い部分から徐々に単結晶3となる。全体を固化した後、約100℃/hで室温まで冷却し、石英ガラスアンプルを取り出す。この方法で、直径約110mm、直胴部の長さ約300mmのGaAs単結晶が得られた。図3に示すように、セラミックス支持部材8は、前述のように4分割とし、分割されたセラミックス支持部材8のそれぞれの隙間9は、成長前に2mmとなるよう設定した。
この結果、前述のような4回対称転位の発生を抑制でき、低転位の単結晶を成長させることができた。また、スリップ欠陥の発生の少ない低欠陥の単結晶を成長させることもできた。
1 石英ガラス成長容器
2 種結晶
3 単結晶
4 原料融液(溶融物)
5 ヒータ(加熱部)
6 肩部サセプタ
7 駆動架台
8 セラミックス支持部材
9 隙間
10 結晶成長面
20 4回対称転位
2 種結晶
3 単結晶
4 原料融液(溶融物)
5 ヒータ(加熱部)
6 肩部サセプタ
7 駆動架台
8 セラミックス支持部材
9 隙間
10 結晶成長面
20 4回対称転位
Claims (2)
- 縦型炉内に、セラミックス支持部材に囲繞され、下部に種結晶、該種結晶の上に結晶原料を収容した石英ガラス成長容器を装入し、前記結晶原料を溶融させ、該溶融物を前記種結晶方向より冷却して、成長面が(100)で結晶構造がZnS構造である単結晶を成長する方法において、
前記単結晶の4回対称転位が生じやすい〈010〉の4つの方向の温度を、〈011〉の4つの方向の温度よりも低く保持させて、前記〈010〉の4つの方向の固化が〈011〉の4つの方向よりも速くなるように冷却する単結晶成長方法。 - セラミックス支持部材、加熱部にこの順で囲繞された石英ガラス成長容器を縦型炉の内部に有する単結晶成長装置において、
前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向は前記加熱部により結晶が直接加熱され、〈010〉の4方向は結晶が間接加熱されるように、前記セラミックス支持部材の〈011〉の4方向に隙間を設けた単結晶成長装置。
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WO2019058484A1 (ja) * | 2017-09-21 | 2019-03-28 | 住友電気工業株式会社 | 半絶縁性化合物半導体基板および半絶縁性化合物半導体単結晶 |
WO2020115871A1 (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 住友電気工業株式会社 | GaAs基板の製造方法およびGaAs単結晶成長装置 |
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