JP2015228401A - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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これらを両立させるには、半導体レーザ素子の放熱性を維持しつつ、半導体レーザ素子と反射部材とを近づければよいが、従来の半導体レーザ装置では限界があった。
基板と、
該基板上に互いに離間して設けられた第1金属層及び第2金属層と、
前記第1金属層上に金属材料からなる接着部材を介して配置されたサブマウントと、
該サブマウント上に設けられた半導体レーザ素子と、
前記第2金属層上に金属材料からなる接着部材を介して配置され、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射する反射部材と、を備える半導体レーザ装置であって、
前記サブマウントは、その一部が前記第1金属層の端部よりも前記反射部材側に配置されていることを特徴とする。
本願において、「略」とは、±10%程度の変動が許容されることを意図する。
本実施形態に係る半導体レーザ装置10は、基板1と、基板1上に互いに離間して設けられた第1金属層1A及び第2金属層1Bと、第1金属層1A上に金属材料からなる接着部材2Aを介して配置されたサブマウント3と、サブマウント3上に設けられた半導体レーザ素子4と、第2金属層1B上に金属材料からなる接着部材2Bを介して配置され、半導体レーザ素子4から出射されたレーザ光を反射する反射部材5と、を備える。特に、サブマウント3は、その一部が第1金属層1Aの端部1cよりも反射部材側に配置されている。
また、半導体レーザ素子を第1金属層上に載置する際に、半導体レーザ素子の一部を第1金属層から反射部材側に突出させて配置する構成が考えられる。しかし、半導体レーザ素子の出射面側を突出させて配置すると、放熱性が損なわれる。その結果、半導体レーザ素子の出力低下を招く。従って、半導体レーザ素子を突出させるのには限界がある。
基板1は、半導体レーザ装置を構成するサブマウント3及び反射部材5等を載置するためのものである。基板1は、半導体レーザ素子4で発生する熱を効率的に外部に放出するためにも利用される。
基板1は、例えば、放熱性を考慮して下面に配置される第1部材1−1と、第1部材1−1上に設けられ、第1金属層と第2金属層を設けるために絶縁性を有する第2部材1−2と、を有する。ここでは、第2部材1−2におけるキャップを取り付ける領域に、キャップを接続するための金属が形成されている。第1部材1−1には、Cu、Al等を用いることができる。第2部材1−2には、AlN、SiC、SiN、アルミナ等を用いることができる。
基板1の形状、大きさは特に限定されるものではなく、意図する半導体レーザ装置の形状及び大きさ等によって適宜調整することができる。平面形状としては、矩形等の多角形、円形、楕円形又はこれらに近似する形状が挙げられる。基板1は、その表面に凹凸等を有するものであってもよいが、表面が平坦な平板状のものが好ましい。例えば、基板1として、一辺が2〜30mm程度の平板状の矩形形状の基板1が挙げられる。
第1金属層1Aは、基板1上であって、半導体レーザ素子4の下方に対応する領域に配置されている。第2金属層1Bは、基板1上であって、反射部材5の下方に対応する領域に配置されている。
第1金属層1A及び第2金属層1Bは、蒸着法、スパッタ法、めっき等、当該分野で公知の方法によって形成することができる。なかでも、スパッタによって形成されていることが好ましい。
半導体レーザ素子4は、電圧が印加され、しきい値以上の電流が流れると、活性層及びその付近でレーザ発振が起こり、生成されたレーザ光が導波路領域を通って外部に放射される機能を有する。このような半導体レーザ素子4としては、半導体が複数層積層されて構成される公知のレーザ素子のいずれをも使用することができる。例えば、導電性の基板の上にn型半導体層、活性層及びp型半導体層が順に積層され、半導体層の表面に絶縁膜及び電極等が形成された構造の素子が挙げられる。半導体層の材料は、III−V族の化合物が挙げられ、なかでも窒化物半導体が好ましい。
半導体レーザ素子4は、1つのサブマウント3の上に1つのみ配置されていてもよいし、1つのサブマウント3の上に複数配置されていてもよい。複数の半導体レーザ素子4は、同じ波長帯、異なる波長帯のいずれでもよい。また、図1Bにおいては、反射部材5を挟んで両側に複数の半導体レーザ素子4を載置しているが、片側のみに配置してもよいし、反射部材5の全周を取り囲むように半導体レーザ素子4を載置してもよい。好ましくは、製造の容易性及び半導体レーザ装置10全体の出力を考慮して、反射部材5を挟んで両側に複数の半導体レーザ素子4を載置する。なお、図1Bにおいては構成をわかりやすくするため、キャップ8は図示していない。
サブマウント3は、半導体レーザ素子4の放熱のために熱伝導性の高い材料によって形成されている。具体的には、AlN、CuW、ダイヤモンド、SiC、セラミックス等が挙げられる。サブマウント3の裏面(基板側の面)には、Ti/Pt/Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ti/Pt/Au/Pt等の金属層が形成されていてもよい。また、表面(半導体レーザ素子4が載置される側の面)にも同様の層を形成することができる。
サブマウント3の厚みは、特に限定されないが、例えば、100〜500μm程度が挙げられ、120〜400μm程度が好ましく、150〜300μm程度がより好ましい。サブマウント3を一定以上の厚みとすることにより、半導体レーザ素子からの光を効率的に反射部材で反射させて取り出すことができる。また、平面視において、サブマウント3が第1金属層1A上から突き出るように構成した場合であっても、半導体レーザ素子4からの熱を一旦サブマウント3に逃がすことができる。従って、サブマウント3を介さずに半導体レーザ素子4を第1金属層1Aから突出させた場合に比較して、半導体レーザ素子4の放熱性の低下を抑制することができる。一方、サブマウント3を一定以下の厚みとすることにより、放熱経路を短くすることができるため、より効率的な放熱が可能となる。さらなる放熱性を得るためには、サブマウント3は基板1よりも熱伝導率が高い材料を用いることが好ましい。
サブマウント3の基板1への実装は、通常、半導体レーザ素子4が搭載されたサブマウント3と基板1(正確には、サブマウント3と第1金属層1A)との接着面を、接着部材2Aを介して合わせた後、所定の温度及び圧力下で保持することによって行うことができる。例えば、熱圧着法が利用される。
接着部材2Aとしては、Au系半田材(AuSn系半田、AuGe系半田、AuSi系半田、AuNi系半田、AuPdNi系半田等)、Ag系半田材(AgSn系半田)等の金属材料からなるものが挙げられる。
実装後の接着部材2Aは、サブマウント3を実装後も圧力を加えることにより基板1と平行な方向へと広がって薄くなることがある。
半導体レーザ素子4は、基板1に含まれる配線パターン6とワイヤ9とを介して電気的に接続される。半導体レーザ素子4を複数配置する場合、直列で接続されていてもよいし、並列で接続されていてもよい。図1Bにおいては、半導体レーザ素子4と、サブマウント3の表面に形成された金属層とがワイヤ9により接続されている。図1Aの内部では、図示していないが、キャップの内側に延伸して配置された配線パターン6と図1Bの配線部6aとがワイヤ9を介して電気的に接続されている。
反射部材5は、半導体レーザ素子4から出射されたレーザ光を、意図する出射方向に反射する部材である。
反射部材5は、半導体レーザ素子4に対向して配置される。この場合の対向配置とは、反射部材5の反射面が、半導体レーザ素子4から出射したレーザ光を反射させることができる位置に対面して、配置することを意味する。
反射部材5は、サブマウント3を実装する前に基板1に実装することが好ましい。これにより、反射部材5を基準として複数のサブマウント3を実装することができるため、サブマウント3の位置合わせが容易になる。
反射部材5の端部5dと、第2金属層1Bの端部との距離(図1C中、S)は、例えば、100μm以内であることが好ましく、50μm以内がより好ましい。
別の観点から、反射部材5の端部5dと、サブマウント3の反射部材側の端部3aまでの距離(図1C中、Z)は、例えば、10〜150μm程度であることが好ましく、20〜100μm程度がより好ましい。
半導体レーザ装置10は、半導体レーザ素子4及び反射部材5を被覆するようにキャップ8が基板1に取り付けられて、封止されていることが好ましい。特に、発振波長が320〜530nm程度の短波長の半導体材料(例えば、窒化物半導体)を用いた半導体レーザ素子4を用いる場合には、有機物及び水分等を集塵しやすいため、キャップ8を設けることによって、レーザ装置内の気密性を高め、防水性、防塵性を高めることができる。
基板1に設けられたキャップ8は、その一面に開口部8aが設けられていることが好ましい。開口部8aには透光性部材7が設けられていることが好ましい。透光性部材7からレーザ光を取り出すことができる。
キャップ8は、抵抗溶接又は半田付け等の公知の方法により、基板1に固定することができる。
透光性部材7は、レーザ光を透過することができる材料が用いられる限り特に限定されず、例えば、ガラス(ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス等)、サファイア、透明セラミック等によって形成することができる。その表面に、レーザ光を透過させる光透過膜が設けられていてもよい。透光性部材7は、波長変換部材、光拡散材等を含有していてもよい。
レンズは、反射部材5によって反射されたレーザ光の出射方向に配置される。レンズの形状は特に限定されず、円形又は楕円形であることが好ましい。レンズの大きさは、最終的に半導体レーザ装置10から取り出したいレーザ光に応じて任意に決定することができる。
半導体レーザ装置10は、図1A〜1Dに示すように、主として、基板1と、複数の半導体レーザ素子4と、反射部材5と、キャップ8とを備える。
基板1の上面には金属層が配置されている。金属層は、後述する半導体レーザ素子4が載置される部位において、第1金属層1Aとして配置され、後述する反射部材5が載置される部位において、第2金属層1Bとして配置されている。第1金属層1A及び第2金属層1Bは、互いに離間して配置されている。上面の第1金属層1Aは、基板1側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)が積層されており、その厚みは0.26μmである。また、第2金属層1Bは、基板1側からTi(0.06μm)/Pt(0.2μm)/Au(1μm)/Pt(0.3μm)が積層されており、その厚みは1.56μmである。
サブマウント3は、SiCから構成されており、裏面に、Ti(0.06μm)/Pt(0.2μm)と、接着部材2Aと、が積層されている。
サブマウント3は、450μm×1900μm×200μm(厚み)の直方体形状を有する。
サブマウント3の端部3aは、第1金属層1Aの反射部材側の端部1cよりも、反射部材側に配置されており、端部間の距離Yは15μmである。
接着層は、上述した接着部材2Aと同様の材料から選択することができ、ここでは、Au−Sn共晶半田からなる。
半導体レーザ素子4の反射部材側の端面4aは、サブマウント3の反射部材側の端面3aよりも、反射部材側に配置されている。その端面間の距離Xは、10μmである。
第1金属層1Aの反射部材5側の端部1cと、第2金属層1Bの半導体レーザ素子4側の端部1dとは離間されており、その距離Qは50μmである。
反射部材5の半導体レーザ素子4側の端面、非傾斜面5dは、第2金属層1Bの端面1dよりも、半導体レーザ素子4側に配置されており、その距離Sは10μmである。
1 基板
1−1 第1部材
1−2 第2部材
1A 第1金属層
1B 第2金属層
1c 第1金属層の端部
1d 第2金属層の端部
2A、2B 接着部材
3 サブマウント
3a 端面
4 半導体レーザ素子
4a 端面
5 反射部材
5a 上面
5b 傾斜面
5c 底面
5d 非傾斜面
6 配線パターン
6a 配線部
7 透光性部材
8 キャップ
8a 開口部
9 ワイヤ
X サブマウントの端面と半導体レーザ素子の端面との距離
Y サブマウントの端面と第1金属層の端面との距離
Z 半導体レーザ素子の端面と反射部材の端面との距離
Q 第1金属層の端面と第2金属層の端面の距離
S 反射部材の端面と第2金属層の端面の距離
Claims (8)
- 基板と、
該基板上に互いに離間して設けられた第1金属層及び第2金属層と、
前記第1金属層上に金属材料からなる接着部材を介して配置されたサブマウントと、
該サブマウント上に設けられた半導体レーザ素子と、
前記第2金属層上に金属材料からなる接着部材を介して配置され、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を反射する反射部材と、を備える半導体レーザ装置であって、
前記サブマウントは、その一部が前記第1金属層の端部よりも前記反射部材側に配置されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記反射部材は、その一部が前記第2金属層の端部よりも前記サブマウント側に配置されている請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記半導体レーザ素子は、その一部が、前記サブマウントの端部よりも前記反射部材側に配置されている請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記反射部材側において、前記サブマウントの端部から前記第1金属層の端部までの距離は、前記半導体レーザ素子の端部から前記サブマウントの端部までの距離よりも長い請求項3に記載の半導体レーザ装置。
- 前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離は、20μm以上400μm以下である請求項1から4のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
- 前記第1金属層上に設けられる接着部材及び前記第2金属層上に設けられる接着部材は、AuSn系半田、AuGe系半田、AuSi系半田及びAgSn系半田からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1から5のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
- 前記半導体レーザ素子は、窒化物半導体からなり、
前記基体上に、前記サブマウント、前記半導体レーザ素子及び前記反射部材を封止するキャップが設けられている請求項1から6のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。 - 前記半導体レーザ素子は、前記サブマウントにジャンクションダウン実装されている請求項1から7のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
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