JP2015223110A - 作業機 - Google Patents

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哲平 大西
Teppei Onishi
哲平 大西
大輔 谷口
Daisuke Taniguchi
大輔 谷口
児島 祥之
Yoshiyuki Kojima
祥之 児島
岸岡 雄介
Yusuke Kishioka
雄介 岸岡
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Abstract

【課題】ジョイントカバー内への泥水等の侵入を抑止しながら、グリース注入作業の簡易化を図る。【解決手段】動力伝達軸74の途中にユニバーサルジョイント120を介在させてあり、そのユニバーサルジョイント120を覆うジョイントカバー121を備え、ジョイントカバー121に、カバー内部のユニバーサルジョイント120に対してグリースを注入可能なグリースニップル123が、その注入口をジョイントカバー121の外部に露呈する状態で取り付けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、圃場を走行移動可能な走行機体と、地面に対して苗植付又は種籾の播種を行うための植播系作業装置等の作業装置を備えた、又は装着可能に構成されている作業機に関する。
尚、本発明でいう植播系作業装置とは、苗植付装置、又は播種装置のように、植物の苗の植え付け、もしくは種籾の播種を行うための装置をいうものであり、植播系作業機とは、その植播系作業装置を備えた作業機である。
上記のように作業装置を備えた又は装着可能に構成されている作業機としては、例えば、下記[1]〜[6]に記載の構造のものがある。
[1]走行機体上での動力伝達系の途中にユニバーサルジョイントを備え、そのユニバーサルジョイントを覆うカバーを備えるとともに、ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入するためのグリースニップルを備えた構造のもの(特許文献1参照)。
[2]ブレーキペダルの踏み込み状態を、ポテンショメータを用いて踏み込み角度を演算して検出するようにした構造のもの(特許文献2参照)。
[3]ミッションケースから後輪駆動ケースに対して動力伝達を行う伝動軸と、機体後方側の作業装置系の伝動ケースに動力を伝達する伝動軸を延出し、作業装置系の伝動ケースから、苗植付装置側と施肥装置側とに動力を伝動するようにした構造のもの(特許文献3参照)。
[4]ミッションケース内で伝動上手側のベベルギヤと噛合するベベルギヤを備えて動力取り出し軸に動力伝達を行う構造で、ベベルギヤから動力取り出し軸を抜き出してメンテナンス作業を行えるようにしたもの(特許文献4参照)。
[5]ミッションケース内に備えた作業クラッチを、ミッションケースの外部から操作軸の押し引き操作によって操作し得るようにしたクラッチ操作機構を備えた構造のもの(特許文献5参照)。
[6]ミッションケース内に複数の副変速機構を備え、そのうちの一方の副変速機構を操作する副変速レバーを、操縦ボックスの下部に設けた開口から運転座席側へ向けて突出させた構造のもの(特許文献6参照)。
特開2012−211609号公報(段落番号「0027」、図3、図5参照) 特開平11−187721号公報(段落番号「0031」、図4参照) 特開平08−252009号公報(段落番号「0011」、「0017」、「0018」、図1参照) 特開2014−70653号公報(段落番号「0038」、図4、図6参照) 特開2014−70653号公報(段落番号「0038」、図4、図6参照) 特開2014−70653号公報(段落番号「0045」、図1、図3参照)
上記の特許文献1に記載された作業機では、ジョイントカバーで覆われたユニバーサルジョイントにグリースニップルが設けられ、ジョイントカバーには、前記グリースニップルに対してグリースガンのノズルを差し込み易くするための開口を形成したものが開示されている。しかしながらこの構造では、カバーを外さずに外部からのグリース注入は可能であるものの、開口から泥水等が侵入する可能性があるという問題とともに、ジョイント内部のグリースニップルの位置を探ってグリース注入を行われなければならず、操作性の点でも改善の余地があった。
上記の特許文献2に記載された作業機では、ペダルの踏み込み検出をポテンショメータで行うようにしたものであるが、コスト面での問題があり、この点で改善の余地がある。
上記の特許文献3に記載された作業機では、苗植付装置と施肥装置とが共通の伝動ケースからの動力で駆動されているため、株間変速が行われると、走行速度に対する施肥量も変化してしまう可能性があり、この点で改善すべき問題がある。
上記の特許文献4に記載された作業機では、ベベルギヤから動力取り出し軸を抜き出してメンテナンス作業を楽に行える点では有用なものであるが、動力取り出し軸が抜きだされることによって、ベベルギヤが所期の装着位置から外れてしまい、再度組み付ける際の手数が煩雑になり易いという点で改善の余地がある。
上記の特許文献5に記載された作業機では、操作軸を押し引き操作するためのベルクランク状の部材を用いていたが、ダイキャスト製品であったため、コスト高になりやすく、また、割れが生じるなどの問題があって、この点で改善の余地がある。
上記の特許文献6に記載された作業機では、操縦ボックスの下部に設けた開口から運転座席側へ向けて副変速レバーを突出させた構造とすることによって、機体上の余裕のある箇所へ配置し易い点では有用であるが、握り部をできるだけ高くするように、ミッションケース上面からの副変速レバーの突出長さを長くすると、副変速の操作時に変形したり、また、ミッションケースからの突出部分のシール交換などを行う際の作業が行い難くなる可能性があるという点で改善の余地がある。
本発明は、ジョイントカバー内への泥水等の侵入を抑止しながら、グリース注入作業の簡易化を図ろうとするものである。
また、本発明では、ブレーキペダルの踏み込み状態の検出を簡単な構造で低コストで行えるようにしようとするものである。
また、本発明では、苗植付装置側での株間変速を行っても、施肥装置側での肥料供給量の増減には影響しないようにしようとするものである。
また、本発明では、ベベルギヤから動力取り出し軸を抜き出してメンテナンス作業を行う際に、軸を抜かれたベベルギヤの位置を大きく変化しない状態に維持して、再度の軸差し込み等の組付けを簡略化できるようにしようとするものである。
また、本発明では、操作軸を押し引き操作するための部材を、板金加工等によって低コスト化しようとするものである。
また、本発明では、副変速レバーのメンテナンス作業の簡素化、及び耐久性の向上を図ろうとするものである。
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明における作業機の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、後車軸ケースは、前記機体フレーム側に前端部が枢支されたリンク機構を介して上下揺動可能に、かつ前記機体フレームに対してラテラルロッドを介して連結され、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、前記ミッションケースの出力軸と、前記後車軸ケースの入力軸との間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所に設けられているということである。
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1にかかる本発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
また、ジョイントカバーが蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているので、ユニバーサルジョイント部分での屈曲変形に適合し易いものでありながら、平坦部を備えることでグリースニップルをジョイントカバーに対して、取付箇所での密閉性を確保した状態で取り付け易いという利点がある。
また、平坦部を可撓管の全周にわたって円筒状に形成することで、平坦部の形成を容易に行い易いという利点がある。
これによって、ミッションケースと、機体フレームにリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースとの間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所の軸伝動系に好適な構造のものを得られる利点がある。
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、走行機体に備えたミッションケースの出力軸と、後車軸ケースの入力軸との間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所に設けられているということである。
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
また、ジョイントカバーが蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているので、ユニバーサルジョイント部分での屈曲変形に適合し易いものでありながら、平坦部を備えることでグリースニップルをジョイントカバーに対して、取付箇所での密閉性を確保した状態で取り付け易いという利点がある。
また、平坦部を可撓管の全周にわたって円筒状に形成することで、平坦部の形成を容易に行い易いという利点がある。
これによって、ミッションケースと後車軸ケースとの間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所の軸伝動系に好適な構造のものを得られる利点がある。
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、走行機体に備えたミッションケースと後車軸ケースとの間に介装した軸伝動系に設けられているということである。
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3にかかる発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
また、ジョイントカバーが蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているので、ユニバーサルジョイント部分での屈曲変形に適合し易いものでありながら、平坦部を備えることでグリースニップルをジョイントカバーに対して、取付箇所での密閉性を確保した状態で取り付け易いという利点がある。
また、平坦部を可撓管の全周にわたって円筒状に形成することで、平坦部の形成を容易に行い易いという利点がある。
これによって、ミッションケースと後車軸ケースとの間に介装した軸伝動系に好適な構造のものを得られる利点がある。
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成されているということである。
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4にかかる発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
また、ジョイントカバーが蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているので、ユニバーサルジョイント部分での屈曲変形に適合し易いものでありながら、平坦部を備えることでグリースニップルをジョイントカバーに対して、取付箇所での密閉性を確保した状態で取り付け易いという利点がある。
また、平坦部を可撓管の全周にわたって円筒状に形成することで、平坦部の形成を容易に行い易いという利点がある。
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられているということである。
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段5にかかる発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
また、ジョイントカバーが蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているので、ユニバーサルジョイント部分での屈曲変形に適合し易いものでありながら、平坦部を備えることでグリースニップルをジョイントカバーに対して、取付箇所での密閉性を確保した状態で取り付け易いという利点がある。
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、前記ジョイントカバーに、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられているということである。
〔解決手段6にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段6にかかる発明の構成によると、ジョイントカバーを備えることにより、ユニバーサルジョイントが存在するカバー内空間への泥水等の侵入を確実に抑制するものでありながら、グリースニップルが、その注入口をジョイントカバーの外部に露呈させた状態で取り付けてあるので、内部のユニバーサルジョイントの必要箇所に対する外部からのグリース注入を容易に行い易いという利点がある。
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成され、前記ブレーキペダルは、ブレーキを操作する支持軸に対して直交する方向に軸心方向を沿わせた長尺のペダル支持杆を備えるとともに、前記支持軸から離れた位置に踏面を備え、前記支持軸の外面と前記ペダル支持杆の下面とにわたって、前記支持軸に交差する方向で、かつ前記ペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を溶接固定してあり、前記走行機体の運転部フロアに形成した挿通用開口を通してブレーキペダルのペダル支持杆が挿通されているとともに、前記ブレーキペダルの前方側における前記運転部フロア上に、踏み込み操作された前記ブレーキペダルと係合して、踏み込み解除側へ戻り付勢されている前記ブレーキペダルの戻り側への動きを阻止可能なロックレバーを設けてあり、前記ロックレバーは、前記運転部フロアに形成された前記挿通用開口を通して、前記運転部フロアの下面側から上面側へ突出するように配設され、前記挿通用開口の前端よりも前方側で、かつ前記運転部フロアの下面側に揺動支点を備えるとともに、前記挿通用開口の前端よりも前方側にブレーキペダルとの係合部が位置するように中間部が屈曲形成されていて、前記揺動支点回りで揺動作動して、前記ブレーキペダルと係合する側、及び係合が解除される側に揺動操作可能に構成されているということである。
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段7にかかる発明の構成によると、ブレーキペダルの戻り位置を決めるための操作体を利用して、その操作体のブレーキペダルの踏み込み側への動きをセフティスイッチで検出できるようにしている。
つまり、操作体がブレーキペダルの戻り位置から離れたことでブレーキが踏み込まれたことを検出のではなく、操作体がセフティスイッチに当接してブレーキの踏み込みを検出するので、誤作動の少ない検出が行われ易く、しかも、その検出手段として、高価なポテンショメータではなくスイッチでの検出が可能であるとともに、戻り位置を決めるための操作体を利用するので、低コスト化も図り得る利点がある。
また、操作体による、ストッパー部に当接する部位と、セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているので、ブレーキペダルの戻り位置と、ブレーキペダルの踏み込み状態判別位置とを、任意の適正位置に設定し易いという利点がある。
さらに、機体フレームにリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備える作業機に用いるブレーキペダルの検出手段として、リンク部材を取り付けるための支持ブラケットや操作体をも有効利用して、構造簡単に構成し得る利点がある。
そして、支持軸の外面とペダル支持杆の下面とにわたって、支持軸に交差する方向で、かつペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を備えることで、ペダル支持杆の強度を向上できる利点がある。
ブレーキペダルの踏み込み状態でロックすることのできるロックレバーを備えているので、ブレーキペダルを所定の踏み込み状態で維持することができる。
そして、そのロックレバーが、運転部フロアの下面側に揺動支点を備えていて、運転部フロアに形成されたペダル支持杆の挿通用開口を通して上面側へ突出し、挿通用開口の前端よりも前方側にブレーキペダルとの係合部が位置するように中間部が屈曲形成されているので、運転部フロアに形成される挿通用開口の前後方向幅を小さくすることができ、運転部フロアの上面側の面積を広く確保し易くなる利点がある。
〔解決手段8〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成され、前記ブレーキペダルは、ブレーキを操作する支持軸に対して直交する方向に軸心方向を沿わせた長尺のペダル支持杆を備えるとともに、前記支持軸から離れた位置に踏面を備え、前記支持軸の外面と前記ペダル支持杆の下面とにわたって、前記支持軸に交差する方向で、かつ前記ペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を溶接固定してあるということである。
〔解決手段8にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段8にかかる発明の構成によると、ブレーキペダルの戻り位置を決めるための操作体を利用して、その操作体のブレーキペダルの踏み込み側への動きをセフティスイッチで検出できるようにしている。
つまり、操作体がブレーキペダルの戻り位置から離れたことでブレーキが踏み込まれたことを検出のではなく、操作体がセフティスイッチに当接してブレーキの踏み込みを検出するので、誤作動の少ない検出が行われ易く、しかも、その検出手段として、高価なポテンショメータではなくスイッチでの検出が可能であるとともに、戻り位置を決めるための操作体を利用するので、低コスト化も図り得る利点がある。
また、操作体による、ストッパー部に当接する部位と、セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているので、ブレーキペダルの戻り位置と、ブレーキペダルの踏み込み状態判別位置とを、任意の適正位置に設定し易いという利点がある。
さらに、機体フレームにリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備える作業機に用いるブレーキペダルの検出手段として、リンク部材を取り付けるための支持ブラケットや操作体をも有効利用して、構造簡単に構成し得る利点がある。
そして、支持軸の外面とペダル支持杆の下面とにわたって、支持軸に交差する方向で、かつペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を備えることで、ペダル支持杆の強度を向上できる利点がある。
〔解決手段9〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているということである。
〔解決手段9にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段9にかかる発明の構成によると、ブレーキペダルの戻り位置を決めるための操作体を利用して、その操作体のブレーキペダルの踏み込み側への動きをセフティスイッチで検出できるようにしている。
つまり、操作体がブレーキペダルの戻り位置から離れたことでブレーキが踏み込まれたことを検出のではなく、操作体がセフティスイッチに当接してブレーキの踏み込みを検出するので、誤作動の少ない検出が行われ易く、しかも、その検出手段として、高価なポテンショメータではなくスイッチでの検出が可能であるとともに、戻り位置を決めるための操作体を利用するので、低コスト化も図り得る利点がある。
また、操作体による、ストッパー部に当接する部位と、セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているので、ブレーキペダルの戻り位置と、ブレーキペダルの踏み込み状態判別位置とを、任意の適正位置に設定し易いという利点がある。
さらに、機体フレームにリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備える作業機に用いるブレーキペダルの検出手段として、リンク部材を取り付けるための支持ブラケットや操作体をも有効利用して、構造簡単に構成し得る利点がある。
〔解決手段10〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているということである。
〔解決手段10にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段10にかかる発明の構成によると、ブレーキペダルの戻り位置を決めるための操作体を利用して、その操作体のブレーキペダルの踏み込み側への動きをセフティスイッチで検出できるようにしている。
つまり、操作体がブレーキペダルの戻り位置から離れたことでブレーキが踏み込まれたことを検出のではなく、操作体がセフティスイッチに当接してブレーキの踏み込みを検出するので、誤作動の少ない検出が行われ易く、しかも、その検出手段として、高価なポテンショメータではなくスイッチでの検出が可能であるとともに、戻り位置を決めるための操作体を利用するので、低コスト化も図り得る利点がある。
また、操作体による、ストッパー部に当接する部位と、セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されているので、ブレーキペダルの戻り位置と、ブレーキペダルの踏み込み状態判別位置とを、任意の適正位置に設定し易いという利点がある。
〔解決手段11〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴なう前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成されているということである。
〔解決手段11にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段11にかかる発明の構成によると、ブレーキペダルの戻り位置を決めるための操作体を利用して、その操作体のブレーキペダルの踏み込み側への動きをセフティスイッチで検出できるようにしている。
つまり、操作体がブレーキペダルの戻り位置から離れたことでブレーキが踏み込まれたことを検出のではなく、操作体がセフティスイッチに当接してブレーキの踏み込みを検出するので、誤作動の少ない検出が行われ易く、しかも、その検出手段として、高価なポテンショメータではなくスイッチでの検出が可能であるとともに、戻り位置を決めるための操作体を利用するので、低コスト化も図り得る利点がある。
〔解決手段12〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、前記ミッションケースに、前記走行機体の後部に設けられた、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸が備えられていて、この植播作業系PTO軸が前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に設けられ、前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているということである。
〔解決手段12にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段12にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
さらに、中継軸をトップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けて、施肥用PTO軸の軸心と走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設することよって、中継軸の上側にも他装置の配設用空間を形成することができる利点がある。
さらにまた、中継軸及び前記施肥用PTO軸が、ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているので、ミッションケースを小型化し易いとともに、施肥動力取り出しケースの配設箇所の自由度が増す利点がある。
そして、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸がトップリンクの揺動支点よりも高い位置に設けられるので、植播作業系PTO軸も、機体フレームの下側に位置するリンク機構や機体フレームの上下方向幅などを保護手段としても利用できるという利点がある。
〔解決手段13〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、
前記ミッションケースに、前記走行機体の後部に設けられた、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸が備えられていて、この植播作業系PTO軸が前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置に設けられ、前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているということである。
〔解決手段13にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段13にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
さらに、中継軸をトップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けて、施肥用PTO軸の軸心と走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設することよって、中継軸の上側にも他装置の配設用空間を形成することができる利点がある。
さらにまた、中継軸及び前記施肥用PTO軸が、ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているので、ミッションケースを小型化し易いとともに、施肥動力取り出しケースの配設箇所の自由度が増す利点がある。
そして、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸がトップリンクの揺動支点よりも高い位置に設けられるので、植播作業系PTO軸も、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを保護手段としても利用できるという利点がある。
〔解決手段14〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているということである。
〔解決手段14にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段14にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても有効利用できるという利点がある。
さらに、中継軸をトップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けて、施肥用PTO軸の軸心と走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設することよって、中継軸の上側にも他装置の配設用空間を形成することができる利点がある。
さらにまた、中継軸及び前記施肥用PTO軸が、ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられているので、ミッションケースを小型化し易いとともに、施肥動力取り出しケースの配設箇所の自由度が増す利点がある。
〔解決手段15〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、前記施肥用PTO軸は前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は、前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設されているということである。
〔解決手段15にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段15にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
さらに、中継軸をトップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けて、施肥用PTO軸の軸心と走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設することよって、中継軸の上側にも他装置の配設用空間を形成することができる利点がある。
〔解決手段16〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、前記中継軸が前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられているということである。
〔解決手段16にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段16にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
さらに、中継軸をトップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けることよって、中継軸の上側にも他装置の配設用空間を形成することができる利点がある。
〔解決手段17〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設されているということである。
〔解決手段17にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段17にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、機体フレームの上下方向幅内に配設されているので、機体フレーム自体や、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
〔解決手段18〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置に配設されているということである。
〔解決手段18にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段18にかかる発明の構成によると、機体フレームに対してリンク機構やラテラルロッド等で支持された後車軸ケースを備えた走行機体において、機体フレームの下側に走行系への伝動軸の配設用空間を確保し、その走行系の伝動軸から中継軸を介して施肥用PTO軸を設けるので、施肥装置の駆動系として走行系の伝動軸及び動力を利用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、施肥用PTO軸がトップリンクの揺動支点よりも高い位置に配設されているので、機体フレームの下側に位置するリンク機構などを施肥用PTO軸の保護手段としても利用できるという利点がある。
〔解決手段19〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケースに配備された、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸、又は走行系の伝動軸は、前記ミッションケースの内部で、伝動上手側のベベルギヤに対して噛合する出力用ベベルギヤを着脱可能に装備させてあるとともに、前記出力用ベベルギヤの下方位置に、僅かな間隙を隔ててその出力用ベベルギヤの下方側に位置する受け止め部材を設けてあり、この受け止め部材と、前記出力用ベベルギヤとの間における前記間隙は、前記出力用ベベルギヤが前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸に装着された状態では前記受け止め部材から離反した状態に維持し、前記出力用ベベルギヤから前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態では、前記出力用ベベルギヤを下方から受け止めて、前記伝動上手側のベベルギヤとの噛合状態が維持される程度に設定され、前記受け止め部材は、前記ミッションケース内に装備されている副変速機構を操作するための副変速操作用の操作ロッドによって構成されているということである。
〔解決手段19にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段19にかかる発明によると、出力用ベベルギヤから植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態で、出力用ベベルギヤを下方から受け止めた状態とすることができるので、再度の組み付けの際の便を図ることができ、メンテナンスを行い易くする利点がある。
また、出力用ベベルギヤを下方から受け止めるための手段として、副変速機構を操作するための副変速操作用の操作ロッドを利用するものであるから、構造の簡素化を図り得る利点がある。
〔解決手段20〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケースに配備された、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸、又は走行系の伝動軸は、前記ミッションケースの内部で、伝動上手側のベベルギヤに対して噛合する出力用ベベルギヤを着脱可能に装備させてあるとともに、前記出力用ベベルギヤの下方位置に、僅かな間隙を隔ててその出力用ベベルギヤの下方側に位置する受け止め部材を設けてあり、この受け止め部材と、前記出力用ベベルギヤとの間における前記間隙は、前記出力用ベベルギヤが前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸に装着された状態では前記受け止め部材から離反した状態に維持し、前記出力用ベベルギヤから前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態では、前記出力用ベベルギヤを下方から受け止めて、前記伝動上手側のベベルギヤとの噛合状態が維持される程度に設定されているということである。
〔解決手段20にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段20にかかる発明によると、出力用ベベルギヤから植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態で、出力用ベベルギヤを下方から受け止めた状態とすることができるので、再度の組み付けの際の便を図ることができ、メンテナンスを行い易くする利点がある。
〔解決手段21〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケース内の操作機構を操作するための操作軸と、前記操作軸をミッションケースの外部から操作するための操作部材とを備え、前記操作部材は、前記操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で構成され、かつ、その操作部材は、前記操作軸を挟み込んだ箇所の近くで前記操作軸の両側に位置する板状部分同士をピン連結してあり、前記操作軸は苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を断続するための植播作業クラッチの操作軸であるということである。
〔解決手段21にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段21にかかる発明によると、操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で操作部材を構成したものであるから、低コストで強度的も優れた操作部材を得られる利点がある。
また、板金製材料で操作部材を構成するにあたり、板状部分同士をピン連結するので、製作加工面での簡素化も図り得る利点がある。
〔解決手段22〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケース内の操作機構を操作するための操作軸と、前記操作軸をミッションケースの外部から操作するための操作部材とを備え、前記操作部材は、前記操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で構成され、かつ、その操作部材は、前記操作軸を挟み込んだ箇所の近くで前記操作軸の両側に位置する板状部分同士を接続してあるということである。
〔解決手段22にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段22にかかる発明によると、操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で操作部材を構成したものであるから、低コストで強度的も優れた操作部材を得られる利点がある。
〔解決手段23〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケースの上側に操縦ハンドルを備えた操縦ボックスが設けられ、その操縦ボックスの後方側に運転座席が設けられていて、前記ミッションケースに静油圧式無段変速装置で構成される主変速装置と、ギヤ変速装置で構成される複数の副変速機構とが備えられ、前記副変速機構のうちの一方の副変速機構の変速操作を行うための副変速レバーを、前記ミッションケースの外側上方に突出させて、前記操縦ボックス内空間に突入させ、かつ、その副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態で、前記操縦ボックスの下部に設けた開口から前記副変速レバーの握り部を前記運転座席側へ向けて突出させてあるとともに、前記副変速レバーが前記操縦ボックスの内部で上下に分割可能に構成されているということである。
〔解決手段23にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段23にかかる発明によると、副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態とすることができるので、副変速レバーを操作する際に押し込み力が加わったり、左右に横移動させるような外力が作用しても、これに抗して所期位置で安定よく保持し易いという利点がある。
また、副変速レバーが上下に分割可能であるから、ミッションケースから立設する下部側のシール交換を行うなどのメンテナンスを行い易くなる利点がある。
〔解決手段24〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、ミッションケースの上側に操縦ハンドルを備えた操縦ボックスが設けられ、その操縦ボックスの後方側に運転座席が設けられていて、前記ミッションケースに静油圧式無段変速装置で構成される主変速装置と、ギヤ変速装置で構成される複数の副変速機構とが備えられ、前記副変速機構のうちの一方の副変速機構の変速操作を行うための副変速レバーを、前記ミッションケースの外側上方に突出させて、前記操縦ボックス内空間に突入させ、かつ、その副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態で、前記操縦ボックスの下部に設けた開口から前記副変速レバーの握り部を前記運転座席側へ向けて突出させてあるということである。
〔解決手段24にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段24にかかる発明によると、副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態とすることができるので、副変速レバーを操作する際に押し込み力が加わったり、左右に横移動させるような外力が作用しても、これに抗して所期位置で安定よく保持し易いという利点がある。
〔解決手段25〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、苗植付又は播種用の植播系作業装置を備えて植播系作業機を構成するものであるということである。
〔解決手段25にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段25にかかる発明によると、苗植付又は播種用の植播系作業装置を備えた植播系作業機として好適なものを提供し得る利点がある。
乗用型田植機の左側面図である。 乗用型田植機の平面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部の左側面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部の右側面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体中間位置での左右方向縦断面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部を示す平面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部で植付作業系伝動軸部分を除いた平面図である。 走行伝動系におけるユニバーサルジョイント部分を示す断面図である。 ミッションケースを示す斜視図である。 ミッションケース周りを示す平面図である。 ミッションケースの右側面図である。 運転部ステップの上側におけるブレーキペダルとロック操作具とを示す斜視図である。 走行装置への動力伝達系統を示す線図である。 苗植付装置への動力伝達系統を示す線図である。 ミッションケースの前後方向縦断面図である。 ミッションケース内における走行系伝動軸とシフト軸との位置関係を示す展開断面図である。 ミッションケース内における植付伝動系の植付クラッチとその操作具とを示す部分断面図である。 植付クラッチ操作用のクランク部材を示し、(a)は平板状に展開した平面図、(b)は折り曲げて組み立てた状態の斜視図である。 ブレーキペダルとロック操作具とを示す斜視図である。 ブレーキペダルとロック操作具との作動形態を示し、(a)はロック解除状態、(b)はロック状態を示す側面図である。 別実施形態におけるジョイントカバーを示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に、植播系作業機の一例としての乗用型田植機の右側面が示されている。
この乗用型田植機は、機体フレーム10の下方に、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪11Fと、左右一対の駆動自在な後輪11Rとを備え、機体フレーム10に搭載されたエンジンEからの動力を受けて、前記前輪11Fと後輪11Rとが駆動される自走式の走行機体1を備えている。
走行機体1には、エンジンEを内装した原動部13が運転部フロア14上で機体前部に備えられ、その左右両側に予備苗のせ台29が配備されている。原動部13の後方側で走行機体1の前後方向中央部の運転部フロア14上に、前輪11Fを操向操作するステアリングハンドル15及び運転座席12を有した搭乗運転部が備えられている。
運転座席12の後部には、施肥装置130が搭載されている。施肥装置130は、肥料タンク131に貯留させた肥料を、図示しない繰り出し装置から所定量ずつ繰り出して、図示しない供給経路を経て苗植付装置2に装備した作溝器132へ送り込み、圃場へ供給するように構成されている。走行機体1の後方側には、昇降作動用の油圧シリンダ28を有したリンク機構25を介して苗植付装置2が昇降自在に支持されている。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
走行機体1には、エンジンEを内装した原動部13が運転部フロア14上で機体前部に備えられ、その左右両側に予備苗のせ台29が配備されている。原動部13の後方側で走行機体1の前後方向中央部の運転部フロア14上に、前輪11Fを操向操作するステアリングハンドル15及び運転座席12を有した搭乗運転部が備えられている。走行機体1の後部には、昇降作動用の油圧シリンダ28を有したリンク機構25を介して苗植付装置2が昇降自在に支持されている。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
図2に示すように、苗植付装置2は6条植型式に構成されており、3個の伝動ケース21、伝動ケース21の後部の右及び左の横側部に回転駆動自在に支持された植付ケース22、植付ケース22の両端に備えられた一対の植付アーム23(植付爪駆動機構)、接地フロート24、及び苗が載置される苗のせ台20等を備えている。これにより、苗のせ台20が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース22が回転駆動され、苗のせ台20の下部から植付アーム23が交互に苗を取り出して田面に植え付けるように構成されている。
走行機体1における機体フレーム10の前部には、前輪11Fを軸支したミッションケース3が連結固定されているとともに、機体フレーム10の後部には、後輪11Rを左右に装備した後車軸ケース19が支持されている。ミッションケース3からは前方に向けて前フレーム10Fが延出され、この前フレーム10FにエンジンEが横向きに搭載されている。
図3、9、及び図10に記載のように、ミッションケース3の左右両側には、前車軸ケース3Aが左右両外側に向けて延出され、左右の前輪11F,11Fが設けられている。ミッションケース3の上側には、トルクジェネレータ4(パワーステアリング装置に相当する)を設けてあり、このトルクジェネレータ4から上方へ立設されたステアリング操作軸15aの上端にステアリングハンドル15が設けられている。ステアリングハンドル15の横側部には、後述する静油圧式無段変速装置61を操作して車速を変更する主変速レバー16が配設されている。
後車軸ケース19は、次のように構成された周知の5リンク式サスペンション機構を介して機体フレーム10に支持されている。
図3及び図4に示されるように、機体フレーム10の左右一対の前後方向に長い前後向きフレーム10A,10Aの下側で、ミッションケース3の後端近くに第1支持ブラケット10Bを下向きに垂下させた姿勢で固定してある。また、ミッションケース3と後車軸ケース19との中間位置で前後向きフレーム10A,10Aの下側に、第1支持ブラケット10Bよりも短い第2支持ブラケット10Cを下向きに垂下させた姿勢で固定してある。
後車軸ケース19の前部には、連結用ブラケット19Aが後車軸ケース19と一体的に固定されている。この連結用ブラケット19Aの下端部と前記第1支持ブラケット10Bの下端部とが下部リンク35(ロアーリンク(及びリンク部材)に相当する)を介して連結され、連結用ブラケット19Aの上端部と前記第2支持ブラケット10Cとが短い上部リンク36(トップリンク(及びリンク部材)に相当する)を介して連結されている。
左右の連結用ブラケット19Aは、左右の前後向きフレーム10A,10Aとの間で、サスペンションバネ37を介して左右各別に上下動可能に弾性支持されている。また、図6及び図7に示すように、後車軸ケース19の後方側中間箇所が、ラテラルロッド38を介して一方の前後向きフレーム10Aの下部に連結してあり、後車軸ケース19の上下移動は許しながら全体の横移動を制限するように構成されている。
これによって、後車軸ケース19は、左右の短い上部リンク36及び長い下部リンク35によって、第1支持ブラケット10Bの下端部の揺動支点x1、及び第2支持ブラケット10Cに備えた揺動支点x2の、2つの揺動支点x1,x2回りで上下揺動するように連結されている。
〔動力伝達系〕
エンジンEの動力は、ミッションケース3に入力され、ミッションケース3内で、走行駆動系の前輪11F、及び後輪11R等を駆動するための走行駆動系と、植播系作業装置としての苗植付装置2等を駆動するための植播作業駆動系とに分岐して伝達される。
〔走行駆動系について〕
図6、図7、及び図10に示されるように、ミッションケース3の左右両横側には、左右一対の前車軸ケース3Aが備えられている。前車軸ケース3Aには、上記前輪11Fが上下方向に沿う軸心周りに回動して操向自在となるように支持されている。
図10及び図13に示すように、ミッションケース3には、ミッションケース3の上部側の左横側部に位置する状態で、静油圧式無段変速装置61(主変速装置に相当する)が連結されている。静油圧式無段変速装置61は、中立停止位置を有し、中立停止位置から前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されている。静油圧式無段変速装置61は、外部へ延出される変速入力軸61a及び変速出力軸61bを有している。エンジンEの動力は、ベルト伝動機構61cを介して、静油圧式無段変速装置61の変速入力軸61aに伝達されるようになっている。変速入力軸61aのベルト伝動機構61cの反対側に位置する部分と、変速出力軸61bは、ミッションケース3の内部に入り込むように配置されている。
ミッションケース3の右横側部には、油圧ポンプ62が連結されている。油圧ポンプ62のポンプ入力軸62aは、ミッションケース3の内部に入り込むように配置されている。ポンプ入力軸62aは、変速入力軸61aと同芯状に配置されており、延長入力軸61dによって変速入力軸61aと一体回転するようにスプライン連結されている。これにより、エンジンEの動力が、静油圧式無段変速装置61の変速入力軸61aから油圧ポンプ62に伝達され、油圧ポンプ62が駆動される。
変速出力軸61bには、ミッションケース3の内部に回転自在に支持されている第一伝動軸63がスプライン連結されている。第一伝動軸63には、第一伝動軸63と一体回転し、かつ、第一伝動軸63に対してスライド移動自在とされる第一シフトギヤ64がスプライン構造により外嵌されて備えられている。第一シフトギヤ64には、第一高速ギヤ64aと、第一高速ギヤ64aよりも大径な第一低速ギヤ64bとが一体として備えられている。
第一伝動軸63の伝動下手側には、第一伝動軸63に平行な第二伝動軸65がミッションケース3内に支持されて備えられている。第二伝動軸65には、大径ギヤ65aと大径ギヤ65aよりも小径な中径ギヤ65bとが第二伝動軸65に固定して備えられている。第一シフトギヤ64をシフト操作することにより、第一高速ギヤ64aと大径ギヤ65aとの噛み合いと、第一低速ギヤ64bと中径ギヤ65bとの噛み合いとのいずれかを選択して、第一伝動軸63から第二伝動軸65へ変速された動力を伝達できる。つまり、第一シフトギヤ64と、第二伝動軸65の大径ギヤ65a及び中径ギヤ65bとによって第1副変速機構60Aが構成されている。そして、第二伝動軸65には、中径ギヤ65bよりも小径な小径ギヤ65cが固定されている。
第二伝動軸65の伝動下手側には、第二伝動軸65に平行な第三伝動軸67がミッションケース3内に支持されて備えられている。第三伝動軸67には、第三伝動軸67と一体回転し、かつ、第三伝動軸67に対してスライド移動自在とされる第二シフトギヤ68がスプライン構造により外嵌されて備えられている。第二シフトギヤ68には、第二高速ギヤ68aと、第二高速ギヤ68aよりも大径な第二低速ギヤ68bとが一体として備えられている。第二シフトギヤ68をシフト操作することにより、中径ギヤ65bと第二高速ギヤ68aとの噛み合いと、小径ギヤ65cと第二低速ギヤ68bとの噛み合いとのいずれかを選択して、第二伝動軸65から第三伝動軸67へ動力を伝達できる。
つまり、第二シフトギヤ68と、第二伝動軸65の中径ギヤ65b及び小径ギヤ65cとによって第2副変速機構60Bが構成されている。そして、第三伝動軸67には、伝動ギヤ69が固定されている。また、第三伝動軸67には、第一ベベルギヤ70が固定されている。
第三伝動軸67の伝動下手側には、第三伝動軸67と平行に、一対の前側伝動軸71が突き合わせて配置されている。一対の前側伝動軸71の間にデフ機構72が備えられている。デフ機構72のデフケース72aは、ミッションケース3の内部に回転自在に支持されている。第三伝動軸67に固定された伝動ギヤ69は、デフケース72aに固定された被伝動ギヤ72bに噛み合わされている。
一対の前側伝動軸71のうち一方の前側伝動軸71には、デフロック体72cがキー構造により一体回転及びスライド移動自在に外嵌されている。デフロック体72cは、デフケース72aに対して係合解除された差動可能状態(デフロック解除状態)と、デフケース72aに対して係合された差動不能状態(デフロック状態)と、に切り換えできるように構成されている。
図3、図5、及び図13に示されるように、ミッションケース3の後部には、ミッションケース3の後端部から後ろ向きに突出する走行出力軸74が備えられている。走行出力軸74の前端部には第二ベベルギヤ75が備えられている。第二ベベルギヤ75は、第三伝動軸67に固定された第一ベベルギヤ70に噛み合わされており、これにより、第三伝動軸67から走行出力軸74へ動力が伝達される。
上記左右一対の後輪11Rを支持する後車軸ケース19が備えられており、走行出力軸74と、後車軸ケース19の後側伝動軸76とに亘って後方伝動軸77が連動連結されている。後側伝動軸76に伝達される動力は、サイドクラッチ73を介して、左右の後輪11Rにそれぞれ伝達される。
これにより、エンジンEの動力が、静油圧式無段変速装置61の変速出力軸61b、第一伝動軸63、第二伝動軸65、第三伝動軸67、デフ機構72、前側伝動軸71を介して左右一対の前輪11Fに伝達され、デフ機構72のデフケース72a、走行出力軸74、後側伝動軸76を介して左右一対の後輪11Rに伝達される。
また、走行出力軸74は、ミッションケース3とは別の施肥動力取り出しケース101内に挿通されている。
この施肥動力取り出しケース101には、走行出力軸74に設けた分岐ギヤ102、その分岐ギヤ102に噛合する中継ギヤ103aを備えた中継軸103、中継ギヤ103aに噛合する伝動ギヤ104aを備えた施肥用PTO軸104が備えられている。
施肥用PTO軸104には施肥装置130への伝動軸105が連結される。
施肥動力取り出しケース101は、ミッションケース3の後部側に、図示しない取付ボルト等を介して連結固定されている。
図5に示すように、上記の各軸のうち、走行出力軸74が最も下方に位置し、機体フレーム10の下方側で下部リンク35よりも上方側に位置するように配設されている。この走行出力軸74から中継軸103を介して施肥装置130へ駆動力を出力する施肥用PTO軸104が設けられ、かつ、施肥用PTO軸104は、上部リンク36の揺動支点x2よりも高い位置で、かつ機体フレーム10の上下方向幅内に配設されている。
そして、施肥用PTO軸104は、走行出力軸74よりも左右方向での右横側方に離れて位置し、上部リンク36の揺動支点x2よりも低い位置に設けられている中継軸103は、走行出力軸74よりも上側で施肥用PTO軸104よりも下方側に位置して、施肥用PTO軸104の軸心と走行出力軸74の軸心とを結ぶ仮想線L2の下方側に位置するように配設されている。
このように、中継軸103は、施肥用PTO軸104の軸心と走行出力軸74の軸心とを結ぶ仮想線L2の下方側の右横方向に偏した位置にあり、施肥用PTO軸104の軸心と走行出力軸74の軸心と中継軸103の軸心とを結ぶ線分が、右下向きに凸となる屈曲した配置関係になる。
したがって、施肥動力取り出しケース101の左上方側への張り出しが少ないので、その左上方側の領域を有効利用して植付出力軸92(植播作業系PTO軸に相当する)が、機体フレーム10の下方側で下部リンク35よりも上方側の箇所にコンパクトに配設される。つまり、ミッションケース3から延出される植付出力軸92が、上部リンク36の揺動支点x2よりも高い位置で、機体フレーム10の上下方向幅内に設けられている。
〔作業装置駆動系について〕
次に、作業装置であるところの苗植付装置2への伝動構造について説明する。
図14に示されるように、第二伝動軸65の伝動下手側には、第二伝動軸65に平行な第四伝動軸80がミッションケース3内に支持されて備えられている。第二伝動軸65には、作業用出力ギヤ81が後述するバッククラッチ100を介して動力伝達されるように設けられている。第二伝動軸65の動力は、作業用出力ギヤ81からトルクリミッターTを介して第四伝動軸80に伝達されるように構成されている。
第四伝動軸80には、第四伝動軸80と一体回転し、かつ、第四伝動軸80に対してスライド移動自在とされる植付用シフトギヤ84がスプライン構造により外嵌されて備えられている。植付用シフトギヤ84には、第一植付用低速ギヤ84aと、第一植付用低速ギヤ84aよりも小径な第一植付用高速ギヤ84bとが一体として備えられている。
第一伝動軸63には、第一遊嵌ギヤ85a、第二遊嵌ギヤ85b、第三遊嵌ギヤ85c、第四遊嵌ギヤ85d、第五遊嵌ギヤ85e、が第一伝動軸63に対して相対回動自在に支持されて備えられている。第一遊嵌ギヤ85a、第二遊嵌ギヤ85b、第三遊嵌ギヤ85c、第四遊嵌ギヤ85d、第五遊嵌ギヤ85eは一体回転するように互いに固定されている。ギヤの径は、第一遊嵌ギヤ85a、第二遊嵌ギヤ85b、第三遊嵌ギヤ85c、第四遊嵌ギヤ85d、第五遊嵌ギヤ85eの順に大径となるようにされている。
植付用シフトギヤ84は、第二変速操作ロッド27をスライド移動操作されることにより、第一植付用低速ギヤ84aと第一遊嵌ギヤ85aとの噛み合いと、第一植付用高速ギヤ84bと第五遊嵌ギヤ85eとの噛み合いとのいずれかを選択できるようにされている。これにより、植付用シフトギヤ84から伝動下手側へ伝達される動力を2段に変速できるように構成されている。このように、植付用シフトギヤ84、第二変速操作ロッド27、第一遊嵌ギヤ85a、第五遊嵌ギヤ85e等により、ミッションケース3内に配置される第二変速機構S2が構成されている。つまり、第二変速機構S2は、エンジンEからの動力を2段(「複数段」の一例)に変速することにより、「作業装置」である苗植付装置2による「対地作業」としての苗植付作業の間隔(株間)を2段階に変化させる。
第四伝動軸80及び第一伝動軸63の伝動下手側には、第一伝動軸63に平行な第五伝動軸86がミッションケース3内に支持されて備えられている。第五伝動軸86には、第一伝達ギヤ87a、第二伝達ギヤ87b、第三伝達ギヤ87c、第四伝達ギヤ87dが相対回動自在に支持されて備えられている。ギヤの径は、第一伝達ギヤ87a、第二伝達ギヤ87b、第三伝達ギヤ87c、第四伝達ギヤ87dの順に小径となるようにされている。第一遊嵌ギヤ85aには第一伝達ギヤ87aが常時噛み合いされ、第二遊嵌ギヤ85bには第二伝達ギヤ87bが常時噛み合いされ、第三遊嵌ギヤ85cには第三伝達ギヤ87cが常時噛み合いされ、第四遊嵌ギヤ85dには第四伝達ギヤ87dが常時噛み合いされている。そして、第五伝動軸86には、第三ベベルギヤ88が固定されている。
第五伝動軸86の中心に挿入された第一変速操作ロッド26を軸心方向にスライド移動操作して第一変速操作ロッド26の一端側に備えた大径カム部26aによって第五伝動軸86に係合支持される伝動ボール(図示せず)を半径方向外方に押し出し変位させる。伝動ボールを、第一伝達ギヤ87a、第二伝達ギヤ87b、第三伝達ギヤ87c、第四伝達ギヤ87dのいずれか一つの中心孔に係合させることにより、4組の常噛ギヤ対のうちの一組のみを選択して噛み合い伝動を行い、従動側の第五伝動軸86に伝達される動力を4段に変速できるように構成されている。このように、第一伝達ギヤ87a、第二伝達ギヤ87b、第三伝達ギヤ87c、第四伝達ギヤ87d、第一変速操作ロッド26、伝動ボール等により、ミッションケース3内に配置される第一変速機構S1が構成されている。つまり、第一変速機構S1は、エンジンEからの動力を4段(「複数段」の一例)に変速することにより、「作業装置」である苗植付装置2による「対地作業」としての苗植付作業の間隔(株間)を4段階に変化させる。
このように、植付系の動力は、第一変速操作ロッド26の操作による4段の変速と、第二変速操作ロッド27の操作による2段の変速との組み合わせにより、合計8段の変速を行うことができるように構成されている。
ミッションケース3の後部側には、ミッションケース3に対して相対回動自在に支持された筒体90が備えられている。筒体90には、第四ベベルギヤ91(出力用ベベルギヤに相当する)が備えられている。第四ベベルギヤ91は、第五伝動軸86に固定された第三ベベルギヤ88に噛み合わされている。
ミッションケース3の後部には、ミッションケース3の後端部から後ろ向きに突出され、筒体90と同心状に、筒体90の内側に位置する植付出力軸92(植播作業系PTO軸に相当する)が備えられている。植付出力軸92には、植付出力軸92と一体回転し、かつ、植付出力軸92に対してスライド移動自在とされる植付クラッチ93がスプライン構造により外嵌されて備えられている。植付クラッチ93は、筒体90に係合する係合状態と、筒体90に係合しない係合解除状態とに切り換えることができる。植付クラッチ93を係合状態にすると、第五伝動軸86の動力は、第三ベベルギヤ88、第四ベベルギヤ91、筒体90、植付クラッチ93を介して、植付出力軸92に動力が伝達される。一方、植付クラッチ93を係合解除状態にすると、第五伝動軸86から植付出力軸92への動力伝達を切ることができる。植付クラッチ93は、係合状態となる側に付勢されており、ブッシュ95に支持された操作軸94を出退することにより、係合状態と係合解除状態との切り換えを行うように構成されている。
図14に示されるように、植付出力軸92の動力は、回転伝動軸96を介してフィードケース97の入力軸98に伝達される。入力軸98に入力された動力により、植付アーム23の駆動及び植付アーム23での苗植え動作に連動して苗のせ台20の往復運動が行われる。これにより、機体の走行速度に対応して第一変速機構S1及び第二変速機構S2によって変速された植付速度にて圃面への苗の植え付けが行われる。これにより、第一変速機構S1及び第二変速機構S2の操作により、所望の植え付け間隔(株間)で田植えを行うことができる。
ミッションケース3内に配備された第二伝動軸65から苗植付装置2に動力を伝達する伝達経路には、バッククラッチ100が設けられている。このバッククラッチ100には、図示しない連係機構を介して、ステアリングハンドル15の横側部に設けた主変速レバー16の後進変速位置R側への揺動操作が伝えられるように構成されている。
このバッククラッチ100は、第二伝動軸65の伝動下手側に相対回転自在に設けてある作業用出力ギヤ81に対して、軸線方向での遠近移動により係脱可能に構成されており、作業用出力ギヤ81に近接すると係合してクラッチ入り状態となり、苗植付装置2に動力を伝達する。作業用出力ギヤ81から離れる方向に移動すると係合が解除されてクラッチ切り状態となり、苗植付装置2への動力伝達を解除するように構成されている。
これにより、走行機体1の後進時に苗植付装置2への動力伝達を解除することができる。
〔ミッションケースの構造〕
上記ミッションケース3の構造が図10及び図15に示されている。
ミッションケース3は、左右方向での一端側に開口部を形成した箱状のケース本体部30と、前記開口部を閉塞するように設けられた蓋状ケース部31との、分割ケース体の組み合わせによって構成されている。このケース本体部30と蓋状ケース部31とは、アルミダイキャスト製であり、ケース本体部30の開口部に対向させて蓋状ケース部31をボルト連結することにより一体化されている。
図15に示すように、ケース本体部30は、箱状のミッションケース3の機体進行方向での前面を構成する前壁30fと、ミッションケース3の後面を構成する後壁30rと、ミッションケース3の上面を構成する上壁30tと、ミッションケース3の底面を構成する底壁30bと、ミッションケース3の左側面を構成する横壁30sとを備えている。そして、前記蓋状ケース部31が、ミッションケース3の右側面を構成し、ミッションケース3が全体としてほぼ矩形の箱状となるように形成されている。
図9及び図10に示すように、ミッションケース3の上面には、ケース本体部30の上壁30tの前部位置に、パワーステアリング装置としての油圧式トルクジェネレータ4が若干後倒れ姿勢で搭載設置されている。そのトルクジェネレータ4からは、前記ステアリング操作軸15aが斜め後方上方に向けて延出されている。トルクジェネレータ4の下側からは、ステアリング操作軸15aと同軸心状で下向きの出力軸4aが、ミッションケース3内に突入するように配備されている。出力軸4aの下端側には、ステアリング操作軸15aと同軸心状にステアリングシャフト41が連結されている。
図4乃至図6に示すように、ミッションケース3のケース本体部30の底壁30b側の前部位置には、ステアリングシャフト41の挿抜用の底部開口32が形成されている。
この底部開口32は、ミッションケース3の下方側からステアリングシャフト41を挿抜可能であるように形成されたものであるとともに、ステアリングシャフト41の下端側を枢支するための下部ベアリング43dの装着部としても用いられている。
ステアリングシャフト41は、上端部41aとは反対側の下端近くにピニオンギヤ42が一体形成されており、下部ベアリング43dはステアリングシャフト41のピニオンギヤ42が存在する箇所よりも下方側へ延出された軸部分に外嵌して、前記底部開口32に嵌着されている。
ミッションケース3のケース本体部30の底壁30bには、ステアリングシャフト41の挿抜用の底部開口32が形成された箇所よりも後方側寄りに離れた箇所に、ピットマンアーム44と一体に回動するように設けられたアーム支軸45を装着するための、別の底部開口33が形成されている。この別の底部開口33は、前記アーム支軸45を枢支するための下部ベアリング48dの装着部としても用いられている。
アーム支軸45の前記下部ベアリング48dに枢支された箇所よりも上方側の外周面には、セクトギヤ46の内周側に形成されたスプラインと係合するスプラインが形成され、セクトギヤ46が、アーム支軸45に対して挿抜可能に、かつ一体回動するように装着されている。
上記のセクトギヤ46がステアリングシャフト41のピニオンギヤ42と噛合して、ステアリングシャフト41の回動に伴ってセクトギヤ46が回動操作される。セクトギヤ46の回動に伴ないアーム支軸45を介してピットマンアーム44が所定角度範囲内で揺動作動する。
ピットマンアーム44の遊端部に連結されたタイロッド47が図示されていないナックルアームに連動連結されて、左右の前輪11F,11Fがピットマンアーム44の揺動作動量に応じて操向操作されるように構成されている。
前記ステアリングシャフト41は、ピニオンギヤ42が存在する箇所よりも下方側へ延出された軸部分のみならず、ピニオンギヤ42の上方側でも、上部ベアリング43uによって枢支されている。また、アーム支軸45は、セクトギヤ46が存在する箇所よりも上方側でも、上部ベアリング48uによって枢支されている。
図9、図11、及び図13乃至図15に示されるように、ミッションケース3の後壁30rから後方へ向けて、走行出力軸74と、植付出力軸92とが延出されている。
走行出力軸74の入力用の第二ベベルギヤ75へ駆動力を伝達する第一ベベルギヤ70を支持する第三伝動軸67には、第2副変速機構60Bを構成する第二シフトギヤ68がスプライン嵌合されている。この第二シフトギヤ68が、図16に示すように副変速操作用の操作ロッド79によってシフト操作される。つまり、操作ロッド79に備えたシフター79aが第二シフトギヤ68と係合して軸線方向に押し引き操作することにより、第2副変速機構60Bが高低変速可能に構成されている。
そして、この副変速操作用の操作ロッド79は、図16では展開して示されているが、実際の位置関係では、図15に示すように、植付出力軸92の入力側の端部に装着されている第四ベベルギヤ91の直下に近接して配設されている。
この副変速操作用の操作ロッド79と第四ベベルギヤ91との間隔は、この第四ベベルギヤ91が植付出力軸92に装着された状態では、第四ベベルギヤ91は副変速操作用の操作ロッド79から離反した状態に維持され、第四ベベルギヤ91から植付出力軸92が抜き取られた状態では、副変速操作用の操作ロッド79が第四ベベルギヤ91を下方から受け止めて、伝動上手側の第三ベベルギヤ88との噛合状態が維持される程度の僅かな間隙に設定されている。
これによって、副変速操作用の操作ロッド79が、植付出力軸92が抜き取られた際の第四ベベルギヤ91の受け止め部材としての役割を果たすように構成されている。
前記植付クラッチ93を係合状態と係合解除状態とに切り換え操作するための操作軸94は、図9及び図17,18に示すように、ミッションケース3の蓋状ケース部31に上下軸心y1周りで揺動自在に装備させたベルクランク状の操作部材99によって押し引き操作されるように構成されている。
この操作部材99は、図18(a)に示すように、平板材の打ち抜き品を折り曲げ加工して、連結ピン99aで連結することにより、図18(b)に示すように、平面視でベルクランク状に形成されたものである。そのベルクランク状の一端側が操作軸94に係合されているとともに、他端側が、図示しないが運転座席12近くに装備された植付クラッチレバーに連係され、植付クラッチレバーの入り切り操作で操作軸94を押し引き操作し、植付クラッチ93の入り切り操作を行うように構成されている。
〔ブレーキ操作系の構造〕
図13及び図16に示すように、走行出力軸74に回転抵抗を与えて走行機体1を制動することが可能なブレーキ78が、ミッションケース3の後部に内装されている。このブレーキ78に対して人為操作で制動力を付与するブレーキ操作機構5がミッションケース3、及びミッションケース3を配設した機体フレーム10の右側部に装備されている。
図4、図5、及び図10に示すように、ブレーキ操作機構5は、ブレーキペダル50と、ブレーキペダル50を揺動自在に支持する支持軸51と、ブレーキ操作軸52と、前記支持軸51とブレーキ操作軸52とを連係作動させるための連係機構53とを備えている。
ブレーキペダル50は、図4、図5、及び図10に示すように、足で踏み込み操作可能な踏面50aを備えている。この踏面50aと支持軸51との連結箇所においては、支持軸51から踏面50aに至る前支持杆50b(ペダル支持杆に相当する)と、支持軸51から前支持杆50bとは反対側に延出される後支持杆50c(ペダル支持杆に相当する)と、支持軸51に外嵌する筒状部50dと、筒状部50dの機体内方側の端部に一体形成されて後方側へ延出された操作アーム50eとが備えられている。
そして、前支持杆50bと後支持杆50cとを筒状部50dに固定し、後支持杆50cの端部と操作アーム50eの延出端側とを連結することにより、ブレーキペダル50を揺動自在に枢支する揺動軸心x3を備えた支持軸51の周辺部において、枠組み状の取付部が構成されるようにして、ブレーキペダル50の取付強度を向上させている。
前支持杆50bと後支持杆50cとを筒状部50dに固定する箇所では、扁平板状の接続板50fが介在されている。
つまり、ブレーキペダル50の一部である前支持杆50bや後支持杆50cは断面が円弧状周面を有したパイプ状部材で構成されており、支持軸51に外嵌する筒状部50dも断面が円弧状周面を有したパイプ状部材で構成されている。
そして、前支持杆50bや後支持杆50cの軸線方向と、支持軸51に外嵌する筒状部50dの軸線方向とは、互いにほぼ直交する方向で交差している。このため、前支持杆50bや後支持杆50cの円弧状周面と、筒状部50dの円弧状周面とが交差する箇所では、ほぼ点接触に近い状態での接触状態となる。
このような接触箇所では、溶接して接合させる際の溶接代が極端に少なくなるので、この発明では、前記接続板50fを互いの接触箇所に挟まれた状態に介在させることによって、前支持杆50bや後支持杆50cと接続板50fとの間ではほぼ線接触状態となり、筒状部50dと接続板50fとの間でもほぼ線接触状態となる。これによって、前支持杆50bや後支持杆50cの長手方向、及び筒状部50dの長手方向に沿う十分な溶接長を確保でき、所要の接続強度を確保し易くなる。
ブレーキペダル50は、図10及び図19に示すように、前支持杆50bの下面と筒状部50dの円弧状の外周面とにわたって平板状の補強板50gが溶接固定されている。
また、ブレーキペダル50は、図12、図19、及び図20に示されているように、運転部フロア14に形成された挿通用開口14aを通して、運転部フロア14上に踏面50aを突出させてある。そして、このブレーキペダル50は、運転部フロア14の下側に揺動支点x4を有し、握り部59a及び係合部59bが運転部フロア14の上側に存在するように設けたロックレバー59によって、踏み込み操作された制動姿勢にあるブレーキペダル50が、その姿勢を維持させることが可能であるように構成されている。
つまり、図20(a)に示すように、ブレーキペダル50が踏み込み操作されていない状態では、踏面50aの高さがロックレバー59の係合部59bの高さよりも十分に高い位置にあり、ロックレバー59を揺動支点x4周りで揺動操作しても、ブレーキペダル50のフック環50hとは係合しない。
ブレーキペダル50が踏み込み操作されると、図20(b)に示すように、フック環50hがロックレバー59の係合部59bの移動軌跡と合致する高さまで降りてくるので、その踏み込み状態でロックレバー59を戻しバネ59cに抗して手前側へ引けば、ロックレバー59の係合部59bをブレーキペダル50のフック環50hに引っかけた状態を維持して、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態に維持することができる。この状態からロックを解除するには、ブレーキペダル50を再び、少し踏み込めば、バネ59cの作用でロックレバー59の係合部59bがブレーキペダル50のフック環50hの移動軌跡r1から外れる側に移動するので、ロック解除状態となる。
このとき、ロックレバー59は、運転部フロア14の挿通用開口14aへの挿通箇所に相当する中間部59dが、後方側へ屈曲形成されている。これは、ロックレバー59を、その揺動支点x4と握り部59aとを結ぶ直線L1に沿って形成した場合、その直線状のロックレバー59の揺動範囲を形成するために挿通用開口14aが前後方向に長くなることを回避するためである。
また、図10及び図12に示すように、ロックレバー59は、前記中間部59dよりも握り部59aが機体の右横外方側へ位置するように左右方向でも屈曲形成されている。これは、挿通用開口14aを原動部13の背部側に形成して、ブレーキペダル50やロックレバー59の大部分が原動部13の後ろ側に隠れて、前方側からの見栄えが良い状態を確保するのに有用である。
ブレーキペダル50を揺動自在に支持する支持軸51には、図3及び図5に示すように、ブレーキペダル50を設けた機体右横側方とは反対側の端部に、前記ブレーキペダル50を所定の踏み込み解除位置に位置決めするための操作体110が設けられている。
この操作体110は、図3に示すように側面視で略三角形状に形成され、操作体110の前端側が第1支持ブラケット10Bの前壁によって構成されるストッパー部10Baに当接することにより、前記ブレーキペダル50が所定の踏み込み解除位置に位置決めされる。
つまり、復帰バネ56で復帰側に付勢されている支持軸51に固定された操作体110の前端側が、第1支持ブラケット10Bの前壁によって構成されるストッパー部10Baに当接する位置が、ブレーキペダル50の所定の踏み込み解除位置として位置設定されている。
また、操作体110の後端側は、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態にあることを検出するためのセフティスイッチ111に対する接触部110aとして用いられている。つまり、ブレーキペダル50が踏み込み操作されると、操作体110の接触部110aがセフティスイッチ111を押し込んで、ブレーキペダル50が踏み込み操作されたことを検知できるように構成されている。
このように一つの操作体110の別々の箇所が、ストッパー部10Baに当接する部位と、セフティスイッチ111に当接する部位とに利用されるようにして、部品点数の削減と装置の小型化を図っている。
ブレーキペダル50を枢支する支持軸51は、図3乃至図5に示すように、機体フレーム10を構成する左右一対の前後向きフレーム10A,10Aにわたって回動自在に装着されている。この支持軸51の右外端部には前記筒状部50dが外嵌していて、図示しない連結ピンで一体回動するように連結支持されている。
図3乃至図5、及び図10に示されるように、支持軸51には、左右方向での中間位置に、支持軸51と一体回動する腕杆51aが上向きに立設されている。この腕杆51aの遊端部と、前後向きフレーム10A,10Aに固定された係止片10dとの間に復帰バネ56が張設されていて、ブレーキペダル50の踏み込み後の戻り付勢を行うように構成されている。
ブレーキ操作軸52は、図5及び図16に示すように、一端側がミッションケース3の後部に備えた支持孔39に挿入状態で支持され、支持孔39から露出した他端側に連係用アーム部52aが一体的に溶接固定されている。
ブレーキ操作軸52の前記支持孔39に挿入された一端側には、ブレーキ78の円盤状の押圧体78aに接触して、その押圧体78aを摩擦板78b側へ押圧することにより、走行出力軸74に対して制動を与えられるように、押圧操作部54が形成されている。
この押圧操作部54は、図16に示すように、丸棒状のブレーキ操作軸52の外周部をほぼ1/4周に相当する範囲でL字状に切り欠いて、ブレーキ操作軸52の外周部に、軸線方向に沿い、かつ、ほぼ直交する方向の二面54a,54bを有した状態に切り欠かれた凹溝状部分を設けることによって構成されている。
これによって、ほぼ直交する方向の二面54a,54bを有した凹溝状部分の一面54bがブレーキ78の円盤状の押圧体78aの後面側に接触する状態に位置させて、ブレーキ操作軸52を回転させることにより、凹溝状部分の一面54bが押圧体78aの後面側を前方側へ押圧して、制動作用を発揮するように構成されている。
上記の押圧操作部54は、丸棒状のブレーキ操作軸52の外周部を切り欠くことによって形成されたものである。そのため、押圧操作部54が形成されている箇所におけるブレーキ操作軸52の断面径は、ブレーキ操作軸52の丸棒部分の外径の範囲内である。つまり、押圧操作部54は、ブレーキ操作軸52の軸心方向視で、そのブレーキ操作軸52がミッションケース3のケース壁を貫通する箇所における軸断面積の範囲内に存在している。
したがって、ブレーキ操作軸52を支持孔39に対する挿抜方向へ移動させる際には、走行出力軸74やブレーキ78の分解操作などを要することなく挿抜可能である。
ブレーキ操作軸52の他端側に設けた連係用アーム部52aの遊端部は、図4、図5、及び図10に示すように、中間にターンバックル55aを備えた連係ロッド55を介してブレーキペダル50の筒状部50dから後方側へ延出された操作アーム50eと連結されている。
これによって、ブレーキペダル50を踏み込むと、後支持杆50cが操作アーム50eを支持軸51の揺動軸心x3回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。これに伴って連係ロッド55が連係用アーム部52aの遊端部をブレーキ操作軸52の軸心回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。このとき、ブレーキ操作軸52の押圧操作部54では、ブレーキ78の押圧体78aの後面側に接触する凹溝状部分の一面54bが、押圧体78aを摩擦板78bの存在する側へ押しつけるように回動して、ブレーキ78の摩擦板78bを押圧し、走行出力軸74に制動力が付与される。ブレーキペダル50の踏み込みを解除すると、復帰バネ56がブレーキペダル50を戻り側へ揺動復帰させ、連係ロッド55に連係されたブレーキ操作軸52も、押圧操作部54の前記一面54bがブレーキ78の押圧体78aの後面側から離れる側へ逆回転し、走行出力軸74の制動が解除される。
上記のブレーキペダル50の筒状部50dから延出された操作アーム50eと、ブレーキ操作軸52の他端側に設けた連係用アーム部52aと、その操作アーム50eと連係用アーム部52aとを連結する連係ロッド55とを備えることによって連係機構53が構成されている。
〔ユニバーサルジョイントカバー〕
図3,4、及び図7,8に示すように、走行出力軸74と、後車軸ケース19の入力軸19aとは、後方伝動軸77を介して駆動力が伝達されるように連結されている。そして、走行出力軸74と後方伝動軸77、及び後方伝動軸77と後車軸ケース19の入力軸19aとは、それぞれがユニバーサルジョイント120を介して連結されている。
それぞれのユニバーサルジョイント120は、ジョイントカバー121を備えていて、ユニバーサルジョイント120の全体がジョイントカバー121で覆われている。
各ジョイントカバー121は、筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成されているが、その可撓管の一部に平坦部122を形成して、グリースニップル123が平坦部122を内外に貫通した状態で固定することができるようにしてある。
つまり、ジョイントカバー121には、平坦部122として、可撓管のうちの長さ方向の一部に、蛇腹の山部や谷部のない部分を周方向の全周に備えて、部分的な円筒状部分を形成し、その円筒状部分を内外に貫通した状態でグリースニップル123が固定されている。
グリースニップル123がユニバーサルジョイント120に対してねじ込みによって取り付けられる構造のものでは、図8に示すように、前方側で走行出力軸74と後方伝動軸77とを連結する箇所で、グリースニップル123とジョイントカバー121の平坦部122との間に座金124を挟み込んだ状態で固定してある。
後方側の後方伝動軸77と後車軸ケース19の入力軸19aとを連結する箇所では、ジョイントカバー121の平坦部122に形成された小孔122aからグリースニップル123の注入口を備えた頭部を露出させた状態で取り付けてある。
〔その他〕
図9及び図12に示すように、運転座席12の前方側における運転部フロア14の上側で、原動部13の後方側の原動部カバー13aに、開口13bを形成してあり、この開口13bから副変速レバー18が機体後方向きに延出されている。
この副変速レバー18は、第1副変速機構60Aの第一シフトギヤ64を高低変速するための操作レバーであり、図9に示すように、ステアリング操作軸15aの支持板15bに設けた切り欠き部に、握り部を備えた上部操作軸18aの上部側が回動自在に支持されている。そして、ミッションケース3の内部から上向きに突出する下部操作軸18bを備えており、前記上部操作軸18aの下端部に備えた継ぎ手部材18cを介して上部操作軸18aと下部操作軸18bとを接続、及び接続解除自在に構成してある。
したがって、下部操作軸18bのミッションケース3からの突出部分のシール交換を行う場合などに、上部操作軸18aと継ぎ手部材18cとを取り外した状態としておくことで、シール交換などのメンテナンス作業を行ない易くなる。
尚、この第1副変速機構60Aは、圃場が極端に深い圃場である場合など、特に高トルクの出力を要する場合に操作を行う必要があるが、その使用頻度はきわめて少ないので、操作性の点では多少劣るが邪魔になりにくい原動部13の後方下部位置に配設されている。
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、動力伝達軸としての走行出力軸74の途中にユニバーサルジョイント120を介在させて、そのユニバーサルジョイント120を覆うジョイントカバー121を備えたものであるが、ユニバーサルジョイント120を備えていない動力伝達軸同士を接続する管継ぎ手127を設けた接続箇所に対してもジョイントカバー125を用いてもよい。
この場合には、図21に示すように、蛇腹状の可撓管に備えさせた円筒状の平坦部126に、グリースニップル123を取り付ければよい。
このような構造は、実施の形態で示したような、後車軸ケース19を、下部リンク35や上部リンク36、及びラテラルロッド38を介して機体フレーム10に連結し、かつ、サスペンションバネ37を用いて5リンクサスペンション形式の上下及びローリング可能な支持構造によって支持させるのではなく、後車軸ケース19を、機体フレーム10に対して前後方向の軸心まわりでローリング作動のみが可能であるような支持構造のものに適している。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、ジョイントカバー121に円筒状の平坦部122を形成した構造のものを例示したがこれに限られるものではない。
例えば、平坦部122は、周方向の全周にわたる範囲に限らず、グリースニップル123や座金などを取り付けるに足るように周方向の一部分にだけ設けられたものであってもよい。
また、平坦部122は、完全な平坦面を含むものではあるが、完全な平坦面だけを意味するものではなく、実施の形態で示した円筒のような単曲面や、緩やかな球面などの複曲面で構成されたものであってもよく、要は、グリースニップル123や座金などを取り付ける際に、ジョイントカバー121の表面形状を変形させて、グリースニップル123や座金などによる挟み込み箇所に隙間が生じてしまうことを避けられる程度に平坦であればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、植付出力軸92を抜き取った状態でも、その植付出力軸92に装着されていた第四ベベルギヤ91が、伝動上手側の第三ベベルギヤ88との噛合状態が維持される程度に姿勢維持するための手段として、副変速操作用の操作ロッド79が用いられたがこれに限られるものではない。
例えば、変速操作用の操作ロッド79ではなく、ミッションケース3内に配設される別の軸で構成してもよいし、受け止め専用の軸を設けてもよい。
又、ミッションケース3の内壁に、第四ベベルギヤ91の受け止めを行うための専用の受け部を形成してもよい。
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、ブレーキ支持軸51とブレーキ操作軸52とを別体で構成した構造のものを示したが、ブレーキ支持軸51とブレーキ操作軸52とを一つの軸体で兼用されるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明が適用される作業機としては、乗用型田植機に限らず、乗用型直播機であってもよく、また、水田での作業を行うものに限らず、トラクタ等の各種農作業機や芝刈り機などであってもよい。
2 苗植付装置(植播系作業装置)
3 ミッションケース
4 トルクジェネレータ
10 機体フレーム
10B 第1支持ブラケット
10C 第2支持ブラケット
12 運転座席
13 原動部
14 運転部フロア
15 ステアリングハンドル
16 主変速レバー
18 副変速レバー
19 後車軸ケース
35 ロアーリンク
36 トップリンク
37 サスペンションバネ
38 ラテラルロッド
50 ブレーキペダル
50a 踏面
59 ロックレバー
74 走行出力軸(動力伝達軸)
101 施肥動力取り出しケース
103 中継軸
104 施肥用PTO軸
110 操作体
111 セフティスイッチ
120 ユニバーサルジョイント
121 ジョイントカバー
123 グリースニップル
130 施肥装置

Claims (25)

  1. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、後車軸ケースは、前記機体フレーム側に前端部が枢支されたリンク機構を介して上下揺動可能に、かつ前記機体フレームに対してラテラルロッドを介して連結され、
    動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、
    その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、
    この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、
    前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、
    前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、前記ミッションケースの出力軸と、前記後車軸ケースの入力軸との間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所に設けられている作業機。
  2. 動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、
    その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、
    この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、
    前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、
    前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、走行機体に備えたミッションケースの出力軸と、後車軸ケースの入力軸との間で、その出力軸と入力軸とを繋ぐ伝動軸との接続箇所に設けられている作業機。
  3. 動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、
    その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、
    この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、
    前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成され、
    前記ユニバーサルジョイント及び前記ジョイントカバーは、走行機体に備えたミッションケースと後車軸ケースとの間に介装した軸伝動系に設けられている作業機。
  4. 動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、
    その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、
    この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられ、
    前記平坦部は前記可撓管の全周にわたって円筒状に形成されている作業機。
  5. 動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーは筒状の周部に山部と谷部とを備えて蛇腹状に形成された可撓管によって構成され、
    その可撓管の一部に、グリースニップルが前記可撓管を内外に貫通した状態で固定するための、前記山部や谷部のない平坦部を備えて、
    この平坦部に、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられている作業機。
  6. 動力伝達軸の途中にユニバーサルジョイントを介在させてあり、そのユニバーサルジョイントを覆うジョイントカバーを備え、
    前記ジョイントカバーに、カバー内部の前記ユニバーサルジョイントに対してグリースを注入可能なグリースニップルが、その注入口を前記ジョイントカバーの外部に露呈する状態で取り付けられている作業機。
  7. 走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、
    そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、
    走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、
    前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、
    前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、
    前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、
    前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成され、
    前記ブレーキペダルは、ブレーキを操作する支持軸に対して直交する方向に軸心方向を沿わせた長尺のペダル支持杆を備えるとともに、前記支持軸から離れた位置に踏面を備え、
    前記支持軸の外面と前記ペダル支持杆の下面とにわたって、前記支持軸に交差する方向で、かつ前記ペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を溶接固定してあり、
    前記走行機体の運転部フロアに形成した挿通用開口を通してブレーキペダルのペダル支持杆が挿通されているとともに、
    前記ブレーキペダルの前方側における前記運転部フロア上に、踏み込み操作された前記ブレーキペダルと係合して、踏み込み解除側へ戻り付勢されている前記ブレーキペダルの戻り側への動きを阻止可能なロックレバーを設けてあり、
    前記ロックレバーは、前記運転部フロアに形成された前記挿通用開口を通して、前記運転部フロアの下面側から上面側へ突出するように配設され、前記挿通用開口の前端よりも前方側で、かつ前記運転部フロアの下面側に揺動支点を備えるとともに、前記挿通用開口の前端よりも前方側にブレーキペダルとの係合部が位置するように中間部が屈曲形成されていて、前記揺動支点回りで揺動作動して、前記ブレーキペダルと係合する側、及び係合が解除される側に揺動操作可能に構成されている作業機。
  8. 走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、
    そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、
    走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、
    前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、
    前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、
    前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴なる前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、
    前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成され、
    前記ブレーキペダルは、ブレーキを操作する支持軸に対して直交する方向に軸心方向を沿わせた長尺のペダル支持杆を備えるとともに、前記支持軸から離れた位置に踏面を備え、
    前記支持軸の外面と前記ペダル支持杆の下面とにわたって、前記支持軸に交差する方向で、かつ前記ペダル支持杆の長手方向に沿う板状の補強板を溶接固定してある作業機。
  9. 走行機体の機体フレームに対して、後車軸ケースがリンク機構を介して上下揺動可能に支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレーム側と前記後車軸ケース側とを連結するリンク部材を備え、
    そのリンク部材の前端部を支持する支持ブラケットを前記機体フレームに連設し、
    走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、
    前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、
    前記支持ブラケットが前記ブレーキペダルの踏み込み解除状態で前記操作体と当接するストッパー部を備え、
    前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、
    前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されている作業機。
  10. 走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、
    前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、
    前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成され、
    前記操作体には、前記ストッパー部に当接する部位と、前記セフティスイッチに当接する部位とが別々の箇所に形成されている作業機。
  11. 走行機体の運転部フロア上に設けたブレーキペダルと、
    前記ブレーキペダルが踏み込まれた状態にあることを検出するセフティスイッチと、
    前記ブレーキペダルの支持軸に連動して、前記ブレーキペダルの踏み込み解除位置でストッパー部に当接することにより前記ブレーキペダルを所定位置に位置決めする操作体とを備え、
    前記セフティスイッチは、前記ブレーキペダルの踏み込み側の操作に伴う前記操作体との当接によって前記ブレーキペダルの踏み込み状態を検出するように構成されている作業機。
  12. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、
    前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、
    前記ミッションケースに、前記走行機体の後部に設けられた、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸が備えられていて、この植播作業系PTO軸が前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に設けられ、
    前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられている作業機。
  13. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、
    前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、
    前記ミッションケースに、前記走行機体の後部に設けられた、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸が備えられていて、この植播作業系PTO軸が前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置に設けられ、
    前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられている作業機。
  14. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、
    前記施肥用PTO軸は、前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設され、
    前記走行系の伝動軸から分岐する伝動系である前記中継軸及び前記施肥用PTO軸が、前記ミッションケースとは別の施肥動力取り出しケースに設けられている作業機。
  15. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、
    前記施肥用PTO軸は前記走行系への伝動軸よりも左右方向での横一側方に離れて位置し、前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている中継軸は、前記走行系への伝動軸よりも上側で前記施肥用PTO軸よりも下方側に位置して、前記施肥用PTO軸の軸心と前記走行系への伝動軸の軸心とを結ぶ仮想線の下方側に位置するように配設されている作業機。
  16. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設され、
    前記中継軸が前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に設けられている作業機。
  17. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置で、前記機体フレームの上下方向幅内に配設されている作業機。
  18. 走行機体の機体フレームにミッションケースを固定してあり、
    前記機体フレームに対してリンク機構を介して上下揺動可能に後車軸ケースが支持され、
    前記リンク機構は、前記機体フレームに近い高さ位置に揺動支点を備えたトップリンクと、前記機体フレームから離れた下方側で前記トップリンクの揺動支点よりも低い位置に揺動支点位置を備えたロアーリンクとを備え、
    前記ミッションケースには、前記後車軸ケースへ駆動力を伝達する走行系への伝動軸が設けられ、この伝動軸から中継軸を介して施肥装置へ駆動力を出力する施肥用PTO軸が設けられ、かつ、前記施肥用PTO軸は、前記トップリンクの揺動支点よりも高い位置に配設されている作業機。
  19. ミッションケースに配備された、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸、又は走行系の伝動軸は、前記ミッションケースの内部で、伝動上手側のベベルギヤに対して噛合する出力用ベベルギヤを着脱可能に装備させてあるとともに、前記出力用ベベルギヤの下方位置に、僅かな間隙を隔ててその出力用ベベルギヤの下方側に位置する受け止め部材を設けてあり、
    この受け止め部材と、前記出力用ベベルギヤとの間における前記間隙は、前記出力用ベベルギヤが前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸に装着された状態では前記受け止め部材から離反した状態に維持し、前記出力用ベベルギヤから前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態では、前記出力用ベベルギヤを下方から受け止めて、前記伝動上手側のベベルギヤとの噛合状態が維持される程度に設定され、
    前記受け止め部材は、前記ミッションケース内に装備されている副変速機構を操作するための副変速操作用の操作ロッドによって構成されている作業機。
  20. ミッションケースに配備された、苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を伝達するための植播作業系PTO軸、又は走行系の伝動軸は、前記ミッションケースの内部で、伝動上手側のベベルギヤに対して噛合する出力用ベベルギヤを着脱可能に装備させてあるとともに、前記出力用ベベルギヤの下方位置に、僅かな間隙を隔ててその出力用ベベルギヤの下方側に位置する受け止め部材を設けてあり、
    この受け止め部材と、前記出力用ベベルギヤとの間における前記間隙は、前記出力用ベベルギヤが前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸に装着された状態では前記受け止め部材から離反した状態に維持し、前記出力用ベベルギヤから前記植播作業系PTO軸又は走行系の伝動軸が抜き取られた状態では、前記出力用ベベルギヤを下方から受け止めて、前記伝動上手側のベベルギヤとの噛合状態が維持される程度に設定されている作業機。
  21. ミッションケース内の操作機構を操作するための操作軸と、
    前記操作軸をミッションケースの外部から操作するための操作部材とを備え、
    前記操作部材は、前記操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で構成され、かつ、その操作部材は、前記操作軸を挟み込んだ箇所の近くで前記操作軸の両側に位置する板状部分同士をピン連結してあり、
    前記操作軸は苗植付又は播種用の植播系作業装置に対して駆動力を断続するための植播作業クラッチの操作軸である作業機。
  22. ミッションケース内の操作機構を操作するための操作軸と、
    前記操作軸をミッションケースの外部から操作するための操作部材とを備え、
    前記操作部材は、前記操作軸の外部突出部分を両側から挟み込む状態に折り曲げ加工された板金製材料で構成され、かつ、その操作部材は、前記操作軸を挟み込んだ箇所の近くで前記操作軸の両側に位置する板状部分同士を接続してある作業機。
  23. ミッションケースの上側に操縦ハンドルを備えた操縦ボックスが設けられ、その操縦ボックスの後方側に運転座席が設けられていて、
    前記ミッションケースに静油圧式無段変速装置で構成される主変速装置と、ギヤ変速装置で構成される複数の副変速機構とが備えられ、
    前記副変速機構のうちの一方の副変速機構の変速操作を行うための副変速レバーを、前記ミッションケースの外側上方に突出させて、前記操縦ボックス内空間に突入させ、かつ、その副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態で、前記操縦ボックスの下部に設けた開口から前記副変速レバーの握り部を前記運転座席側へ向けて突出させてあるとともに、
    前記副変速レバーが前記操縦ボックスの内部で上下に分割可能に構成されている作業機。
  24. ミッションケースの上側に操縦ハンドルを備えた操縦ボックスが設けられ、その操縦ボックスの後方側に運転座席が設けられていて、
    前記ミッションケースに静油圧式無段変速装置で構成される主変速装置と、ギヤ変速装置で構成される複数の副変速機構とが備えられ、
    前記副変速機構のうちの一方の副変速機構の変速操作を行うための副変速レバーを、前記ミッションケースの外側上方に突出させて、前記操縦ボックス内空間に突入させ、かつ、その副変速レバーの上部をハンドルポストに受け止めさせた状態で、前記操縦ボックスの下部に設けた開口から前記副変速レバーの握り部を前記運転座席側へ向けて突出させてある作業機。
  25. 苗植付又は播種用の植播系作業装置を備えて植播系作業機を構成するものである請求項1〜24のいずれか一項記載の作業機。
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