JP7138592B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
エンジンから前記苗植付機構に動力を伝達する動力伝達部に設けられ、走行速度に対する前記苗植付機構の駆動速度を変速する株間変速機構と、
前記株間変速機構を操作する株間変速レバーと、
運転座席と、
前記運転座席の側方及び前方に設けられた運転部ステップと、を備え、
前記運転部ステップが、機体左右方向に一体形成された樹脂体で構成されており、
前記運転部ステップにおいて、前記運転座席の前方領域に開口部が形成され、
前記株間変速レバーが前記開口部から操作可能に配置されており、
前記開口部を閉塞して前記運転部ステップの一部となる樹脂製の蓋部が備えられ、
前記蓋部は、裏面側に複数の突起部と、前記複数の突起部同士を繋ぐリブと、を有し、
前記開口部には、前記株間変速レバーのガイド溝と、前記複数の突起部に当接して閉塞状態の前記蓋部を支持するフレーム部と、が設けられているところにある。
さらに、本構成によれば、運転部ステップの開口部において、株間変速レバーはガイド溝によってスムーズに操作可能であるとともに、蓋部の裏面側の突起部がフレーム部に当接して蓋部がフレーム部に支持される。これにより、運転部ステップにおいて閉塞状態の蓋部をより安定的に保持することができる。
実施形態における前後方向、上下方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。図1及び図2に示すように、水田作業機の作業走行時における前進側の進行方向が「F」であり、後進側の進行方向が「B」である。水田作業機の前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「R」であり、左側に相当する方向が「L」である。また、水田作業機の上側に相当する方向が「U」であり、下側に相当する方向が「D」である。
図1に本発明に係る水田作業機の一例である乗用型田植機の側面が、図2にその平面がそれぞれ示されている。この乗用型田植機は、走行機体1の後方に苗植付装置2を装備して苗植付作業を行うものである。
走行機体1は、左右一対の車体前後向きのメインフレーム10A,10Aを有した機体フレーム10を備え、機体フレーム10の下部に装備された左右一対の前車輪11F,11F及び左右一対の後車輪11R,11Rによって自走可能に構成されている。
運転部Cでは、搭乗用の運転部ステップ3が機体フレーム10の上側に設けられている。その運転部ステップ3上に運転座席15が配備され、運転座席15に着座した状態で、原動部Aの後部に配備されたステアリングホイール14を操作可能にしてある。
運転部Cの前部で原動部Aの左右両側側に相当する走行機体1の横側方箇所には、運転部ステップ3の前部を挟んで予備苗を搭載するための予備苗のせ台16が立設されている。
苗植付装置2は、機体フレーム10の後部に対して、リンク機構17を介して昇降作動可能に連結されている。
この苗植付装置2では、4条分のマット状苗を搭載可能な4条植え用の苗載せ台20、エンジン12からの駆動力が伝動軸27を介して入力されるフィードケース21、及び車体横方向に所定間隔を隔てて並ぶ4つの植付駆動ケース22、を備えている。4つの植付駆動ケース22のそれぞれには、後端側の両横側部に苗植付機構23が駆動自在に設けられている。各植付駆動ケース22を接続する植付フレーム(図示せず)の下部に、4つの整地フロート24が車体横方向に並ぶ状態で装備されている。
この苗植付装置2は、リンク機構17が昇降シリンダ18によって機体フレーム10に対して上下に揺動操作されることにより、整地フロート24が圃場の泥土面に接地した下降作業状態と、整地フロート24が圃場の泥土面から離れて高く上昇した上昇非作業状態とに昇降される。
図5を参照し、エンジン12の動力が伝達されるミッションケース13(動力伝達部の一例)での動力伝達構造について説明する。
ミッションケース13に入力されたエンジン12の動力は、ミッションケース13内で、前車輪11F、及び後車輪11R等を駆動するための走行駆動系と、苗植付装置2を駆動するための作業装置駆動系と、施肥装置9を駆動するための施肥駆動系とに分岐して出力される。
株間ケース部13bは、メインケース部13aから出力された動力を苗植付装置2に変速して伝達する株間変速機構94を内装し、分岐ケース部13cは、メインケース部13aから出力された動力を施肥装置9へ分岐伝動する分岐伝動機構95を内装している。
まず、走行駆動系の伝動構造について説明する。
図5に示すように、エンジン12の動力は、ベルト伝動機構62を介して、静油圧式無段変速装置6の変速入力軸であるポンプ軸60aに伝達されて油圧ポンプ60が回転駆動される。静油圧式無段変速装置6の変速出力軸であるモータ軸61aが、メインケース部13aの第一変速軸25に、スプライン嵌合状態で接続され、モータ61の回転にともなって第一変速軸25が回転駆動される。
上述した走行駆動系とは別に、苗植付装置2へ動力を伝達する作業装置駆動系について説明する。
苗植付装置2への動力は、メインケース部13aの後部に取り付けられた株間ケース部13b内の、株間変速機構94及び植付クラッチ8を介して、株間ケース部13bから後方側へ延出された出力伝動軸体42から取り出され、後方の苗植付装置2へ伝達される。
作業駆動軸41は、後方の苗植付装置2への伝動軸27(図1参照)が連結される出力伝動軸体42と、その出力伝動軸体42の前端側部分に相対回動自在に外嵌して、伝動方向上手側の動力が伝達される筒状軸体43とによる、部分的な二重軸構造に構成されている。
出力用ベベルギヤ38は、メインケース部13aに備えたボールベアリング38aによってボス部外周側が支持され、これによって内周側に挿入された筒状軸体43も支持されている。
また、メインケース部13aに備えたボールベアリング38aには、筒状軸体43のうちの、出力用ベベルギヤ38に挿入された部位よりも後方側の少し大径の部位が内嵌して支持されている。さらにそのボールベアリング38aにおけるインナーレースの後端側には、筒状軸体43のうちのさらに大径の部位が当接している。これにより、筒状軸体43の前方側への位置規制が行われている。
このように、出力伝動軸体42の外周部に、中間筒状体44と後方筒状体45とが相対回転自在に外嵌された状態に存在し、この出力伝動軸体42が筒状軸体43の内周側通路に存在しているので、株間ケース部13b内における潤滑を良好に行い易い。つまり、メインケース部13aの内部空間に存在する潤滑油が、出力用ベベルギヤ38の筒ボス内周側を通って流れ込み、図7に破線の矢印で示すように、筒状軸体43と中間筒状体44との間、中間筒状体44と後方筒状体45との間、及び後方筒状体45と後方側の出力伝動軸体42との間から、作業駆動軸41上で回転する部材の回転に伴う遠心力を利用しながら、良好に潤滑することができる。
株間変速機構94について説明する。
株間変速機構94は、伝動上手側に位置する第一変速部94Aと、それよりも伝動下手側に位置する第二変速部94Bとを備えている。第一変速部94Aでは高低二段の変速が行われ、第二変速部94Bでは高、中、低の三段での変速が行われ、計6速の変速段による変速が行われるように構成されている。
つまり、変速操作体70で選択された変速ギヤ49と噛合状態にある従動変速ギヤ44bに対して、変速軸48の回転が、互いに噛合状態にある変速ギヤ49と従動変速ギヤ44bとのギヤ比に応じた変速動力として伝達される。
さらに、変速キー部分71の係止突起71aを係合対象の変速ギヤ49の内周側の係合凹部49aへ押し付け付勢する弾性付勢機構73を備えている。
したがって、スライド操作部72が軸線方向で前後に押し引き操作されるに伴って、変速キー部分71も同方向に前後移動することになる。
図7に示す状態が、スライド操作部72を最も株間ケース部13bの内部に押し込んだ状態を示している。この状態で変速キー部分71の係止突起71aは、複数個の変速ギヤ49のうちの最前端側の変速ギヤ49の係合凹部49aに係合して、変速軸48の回転動力を最前端側の変速ギヤ49に伝達する。
この最前端側の変速ギヤ49を選択した状態が、第二変速部94Bで変速軸48の回転を最も低速で出力伝動軸体42側へ伝達する低速伝動位置である。
この低速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が最も低速となり、株間ピッチは第二変速部94Bで最も長くなる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクは最も小さくて済む。また、この低速伝動位置での伝動状態では、変速軸48の回転が、不等速での伝動状態で中間筒状体44側に伝達される。これは、植付爪23aの駆動速度が最も低速となるので、植付途中の爪が田面の泥中で引き摺られた状態となることをできるだけ避けられるようにするためである。つまり、植付爪23aの駆動回転軌跡のうちで、爪が泥中に存在する範囲の駆動速度を部分的に速くして、爪が泥中から速く抜け出すことができるようにしたものである。
この最後端側の変速ギヤ49を選択した状態が、第二変速部94Bで変速軸48の回転を最も高速で出力伝動軸体42側へ伝達する高速伝動位置である。この高速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が相対的に速くなり、株間ピッチは第二変速部94Bで最も短くなる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクは最も大きくなる。
この中速伝動位置では、変速キー部分71の係止突起71aは、複数個の変速ギヤ49のうちの中間位置に存在する変速ギヤ49の係合凹部49aに係合して、変速軸48の回転動力を中間位置の変速ギヤ49に伝達する。中速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が中間速となり、株間ピッチも中間的な長さになる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクも中間の大きさになる。
そして、弾性付勢機構73による押し付け付勢箇所は、第二変速部94Bにおける複数のギヤ対よりも、前記揺動支点から離れた位置に設けられている。したがって、梃子の作用で株間ピッチを短く設定してあるギヤ対ほど、弾性付勢機構73による押し付け付勢作用が強く働く。
このカラー74同士の間隔a1,a2,a3は、図8に示すように、苗植付装置2による株間ピッチを短く設定したギヤ対が存在する箇所ほど、変速ギヤ49に対する変速キー部分71の係合量が多くなるように広い間隔に設定されている。
つまり、係止突起71aは、図7,8に示すように先細り状の山形に形成されている。したがって、カラー74同士の間隔a1,a2,a3が広ければ、変速ギヤ49の係合凹部49aに対して深く係合し、係合代が大きくなり、逆に浅ければ変速ギヤ49の係合凹部49aに対する係合代が小さくなる。
つまり、図8に示すように、最前部の低速ギヤは後方側のハブ面に突出量の少ない膨出部49cが形成され、中間位置の中速ギヤは後方側のハブ面に突出量の大きい膨出部49cが形成されている。そして、最後部の高速ギヤは、前後両側のハブ面から前後両方向に膨出部49c,49cが突出形成されている。
これにより、変速ギヤ49の歯部49bの幅と膨出部49cとを含めた前後方向幅は、前述したカラー74同士の間隔a1,a2,a3と合致する幅に設定されている。
図6及び図7に示すように、変速操作体70のスライド操作部72には、その後端部に第二変速レバー79が相対回動可能に連結されている。この第二変速レバー79は、下端部が前記スライド操作部72に連結され、上下方向での中間部が、株間ケース部13bの上部に設けられたレバー支持部76によって支持されている。
これにより、第二変速レバー79の杆身のうち、レバー支持部76で相対回動自在に支持された部位では、第二変速レバー79の上下方向に沿う中間部位置の杆身部分の中心が事実上の揺動中心となり、この揺動中心を示す揺動中心線y1の周りで第二変速レバー79が揺動操作されることになる。
したがって、第二変速レバー79を揺動中心線y1のまわりで揺動操作することにより、変速操作体70のスライド操作部72が、変速軸48の軸線方向に沿ってスライド移動するように構成されている。
上記のレバー支持部76は、第二変速レバー79の上下方向での中間部を相対回動自在に支持するものであるが、この中間部の前後方向の動きは規制しながら、左右方向での位置移動は所定範囲内で許容するように、平面視でU字状に形成された上下一対の凹入枢支部76aを備えている。このように第二変速レバー79の上下方向での中間部が左右方向での所定範囲内で位置移動することを許容することにより、第二変速レバー79の上下方向での中間部の軸中心と合致する揺動中心線y1も、左右方向での所定範囲内で位置移動することになる。
つまり、揺動中心線y1も左右方向での所定範囲内で位置移動可能である状態で支持することにより、直線的に移動するスライド操作部72の前後方向移動を妨げずに第二変速レバー79の揺動操作を行うことができるように構成されている。
つまり、株間ケース部13bの上部壁部分を貫通する操作軸101の下端部に、第一歯部47aと第二歯部47bとの間に嵌り込む係止ピン102が固定されており、上部壁部分の外部に位置する操作軸101の上端部に板状操作体103が設けられている。
この板状操作体103を操作軸101の軸心まわりで回動操作することにより、偏心位置に存在する係止ピン102がシフトギヤ47を作業駆動軸41の軸線方向で位置変更操作するように構成されている。板状操作体103の軸心まわりでの位置は、ボールデテント機構104によって位置決めされる。板状操作体103は、後述する第一変速レバー78に連係されている。
トルクリミッタ46は、中間筒状体44の後端部に固定された円板状の受け板46aと、その受け板46aに向けて当接する押し板46bと、押し板46bを受け板46a側へ向けて押圧付勢するコイルスプリング46cとを備えて構成されている。このトルクリミッタ46を経て、株間変速機構94による変速動力が植付クラッチ8に伝達される。
植付クラッチ8は次のように構成されている。
作業駆動軸41のうち、後方筒状体45の後端部には、後方筒状体45の外周側スプラインと係合して後方筒状体45と一体回動する円盤状の駆動側回転部材80が設けられている。
後方筒状体45よりも後方側へ延出されている出力伝動軸体42の外周側には、その出力伝動軸体42の外周面に形成されているスプライン部42aと係合して、出力伝動軸体42と一体回動、及び出力伝動軸体42の軸線方向で位置移動可能な従動側回転部材81が設けられている。
この従動側回転部材81は、押し付けバネ92によって駆動側回転部材80側へ向けて押圧付勢されており、駆動側回転部材80と従動側回転部材81との、それぞれの対向面には、互いに噛み合い状態で動力伝達を行うことが可能な噛合部80a,81aが形成されている。
そして、押し付けバネ82の形状は、作業駆動軸41の軸線方向でバネ受け部81bに当接する側の端部における巻径が、インナーレース40cの内側端部に当接する側の巻径よりも大きく設定された円錐台状に形成されている。
この押し付けバネ82のうち、インナーレース40cの内側端部に当接する側の巻径は、外嵌した出力伝動軸体42の外径と同程度か、僅かに大きい程度に構成されている。したがって、特別に位置決め手段を要することなく、出力伝動軸体42を支持するボールベアリング40bのインナーレース40cの内側端部を利用して、その端部位置を位置決めすることができる。
これにより、操作ピン84は、回転軸心P1に沿う方向での位置移動を操作プレート85で規制され、回転軸心p1まわりでの操作範囲を、操作プレート85と操作ガイド部材86との当接によって規制される。
上述した走行駆動系から、施肥装置9に対して駆動力を分岐伝動する施肥装置駆動系は次のように構成されている。
図6に示されるように、メインケース部13aの後部側には、メインケース部13aとは別体で構成された分岐ケース部13cが、取付ボルト等(図示せず)を介して連結固定されている。分岐ケース部13cは、メインケース部13aから後方へ延出された後輪出力軸64を支持する入力側筒状部50Aと、後輪出力軸64に交差する方向に延出された分岐伝動軸51に外嵌して、その分岐伝動軸51を支持する出力側筒状部50Bとを備えている。入力側筒状部50Aと出力側筒状部50Bとは、共通の内部空間を有した一体物で構成されている。
運転部Cに設けられた運転部ステップ3は次のように構成されている。
図1~図4に示される運転部ステップ3は、樹脂体で構成されており、例えば合成樹脂製材料をインジェクション成形により加工したものである。インジェクション成形による加工品は、ブロー成形による加工品に比べて、形状や構造についての設計上の自由度が高く、また精度良く成形し易いものであるため、比較的自由な形状や構造を選定することが可能である。
フロントステップ部3Aとメインステップ部3Bは、ほぼ面一な上面を備えているが、リアステップ部3Cは、フロントステップ部3A及びメインステップ部3Bの上面よりも一段高い位置に上面を備えている。
つまり、リアステップ部3Cの上面は、肥料タンク90へ肥料を補給する際に運転者が搭乗したり、予備苗のせ台16から取り出したマット状苗を苗植付装置2の苗載せ台20に補給する際に運転者が足を掛けるなどするために、フロントステップ部3A及びメインステップ部3Bの上面よりも高くしてある。
また、メインステップ板31の左右の横外側位置に、横側方から運転部ステップ3に乗降するための乗降用ステップ67が設けられている。
取付用開口36は、平面視でシート固定部と重複する範囲を開放するように後板部分32cに設けられた上方切り欠き部36aと、前後方向視でシート固定部と重複する範囲を開放するように立ち上がり板部分32bに設けられた前方切り欠き部36bと、の組み合わせで構成されている。
また、メインステップ部3Bとリアステップ部3Cとにおいても、立ち上がり部3Dから前後方向で外れた位置の前後方向分割ラインL2で前後に分割可能に構成されている。本実施形態では、立ち上がり部3Dよりも前側で、メインステップ板31と、リアステップ板32と、が前後方向分割ラインL2で前後に分割可能である。
ステップ固定部39は、図3に示すように、前後方向分割ラインL1,L2に近接した箇所、及び外周縁近くに比較的多く設けられている。
図9に示すように、株間変速操作部110は、運転部ステップ3のメインステップ部3Bに形成された開口部111に設けられている。開口部111は、運転部ステップ3において運転座席15の前方領域に形成されている。開口部111には、株間変速レバー77が操作可能に配置されている。本実施形態では、株間変速レバー77は、第一変速レバー78と第二変速レバー79とによって構成されている。メインステップ部3Bには、開口部111を開閉する蓋部112が備えている。
さらに、この状態から第二変速レバー79の位置を文字パターン「21」の左横に位置させると、株間ピッチは21cmに設定され、文字パターン「30」の左横に位置させると、株間ピッチは30cmに設定される。
第一変速レバー78を第一ガイド溝114の左端部に位置させた状態で同様の操作を行うと、第二変速レバー79の位置が文字パターン「18」の右横に位置して、株間ピッチは18cmに設定され、文字パターン「24」の右横に位置させると、株間ピッチは24cmに設定される。
したがって、第一変速レバー78と第二変速レバー79の操作位置による株間ピッチの設定を、目視による誤操作の少ない状態で行い易いものである。
開口部111に設けられた第一ガイド溝114及び第二ガイド溝115は、走行機体1の運転部ステップ3に形成した貫通孔によって構成されている。ガイド溝114,115内の第一変速レバー78及び第二変速レバー79は、運転部ステップ3のフレーム部113よりも上方側には突出しない状態で設けられており、普段は運転部ステップ3の蓋部112によって覆われた状態である。
運転部ステップ3には、走行機体1の下方を見通し可能な透視床部52が設けられている。透視床部52は、フロントステップ部3Aと、メインステップ部3Bと、リアステップ部3Cと、の各左右両側に設けられている。これらの各透視床部52は、左右方向で運転座席15よりも横外側寄り箇所に設けられている。
リアステップ部3Cに設けられる第二透視床部54は、運転座席15に搭座する運転者が、後方を振り返って後車輪11Rの向き等を視認し易い箇所に設けられている。
フロントステップ部3Aに設けられる第三透視床部55は、運転座席15に搭座する運転者が、フロントステップ部3A下方の機体前方を目視することが可能な位置に設けられている。例えば、大型田植機等で枕地旋回する際に、畦際まで進んでから後退し、旋回するが、その際に第三透視床部55を介して機体と畦との接近度合いを目視できる。
このうち、メインステップ部3B、及びリアステップ部3Cに設けられる交差方向桟部材58は、ほぼ機体前後方向に沿って形成され、前車輪11F及び後車輪11Rが直進方向に向けられているか否かの指標としての役割をも果たしている。
しかも、透視床部52の透孔56群を構成する放射方向桟部材57と交差方向桟部材58のうち、隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔は、隣り合う放射方向桟部材57同士の間隔よりも広く設定されている。
このように隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔が広く設定されていることにより、逆に隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔が、隣り合う放射方向桟部材57同士の間隔よりも狭く、あるいは同程度に設定されている場合に比べ、運転座席15に搭座して透視床部52を目視する運転者の目視可能な領域の面積を狭める虞が少ない。したがって運転者の視認性をさらに向上し得る。
図7及び図8に示す株間変速機構94に代えて、図11及び図12に示す株間変速機構194を採用してもよい。以下では、図11に示す株間変速機構194(第一変速部194A,第二変速部194B)において、図7に示す株間変速機構94(第一変速部94A,第二変速部94B)と異なる部分について特に説明する。
ストッパー部154が直接に接触して止める従動変速ギヤ151にリング状の凹部151bが形成されており、ストッパー部154が凹部151bに入り込んでいる。
上記の実施形態では、運転部ステップ3の開口部111を閉塞する蓋部112が後側支点で開閉可能にした構成を例示したが、蓋部112は前側や左右方向の一方側を支点として開閉可能に構成してもよい。また、蓋部112は、開口部111から全体が着脱可能に構成されていてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、株間変速レバー77が第一変速レバー78及び第二変速レバー79によって構成される例示したが、株間変速レバー77は1つで構成されていてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、蓋部112が裏面側に複数の突起部117を有する構成を例示したが、蓋部112は裏面側に突起部117を有しない構成であってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、走行機体1の後方に施肥装置9を備えた構造のものを例示したが、施肥装置9を備えない構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、運転部ステップ3として、機体前後方向に分割可能な構造のものを例示したが、これに限らず、分割不能な一体構造の運転部ステップ3を採用したものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、透視床部52を、フロントステップ部3Aと、メインステップ部3Bと、リアステップ部3Cと、の夫々に対して各左右両側に設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、フロントステップ部3Aのみ、メインステップ部3Bのみ、又はリアステップ部3Cのみに設けた構造のもの、あるいはフロントステップ部3Aとメインステップ部3Bのみ、メインステップ部3Bとリアステップ部3Cのみ、あるいはフロントステップ部3Aとリアステップ部3Cのみに設けるものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、透視床部52を設けた部位では、すべての透視床部52が運転座席15の存在位置、もしくは運転座席15の近辺位置を起点とする放射方向に沿って放射状に並ぶ透孔56群により構成されている構造のものを例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、一部の透視床部52を、放射状にではなく、機体左右方向に長い長孔状の透孔56群で構成しても良い。この例では、長孔状の透孔56群をリアステップ部3Cのリアステップ板32の左側に設けた構造を示したが、リアステップ板32の右側にも同様の透視床部52を設けても良い。
特に、リアステップ部3Cでは、機体前後方向において、運転座席15に透視床部52がかなり近いので、機体左右方向に長い長孔状の透孔56群であっても、比較的容易に後車輪11Rの状況を視認し易い。
したがって、このフロントステップ部3Aにおいて、走行機体1の前後方向に沿って、機体前後方向に長い長孔状の透孔56群で透視床部52を構成しても、多少頭部を横移動させるなどすれば、比較的容易に前車輪11Fの状況を視認することができる。
このように透視床部52を設ける運転部ステップ3上の位置などに応じて、透視床部52の透孔56の配列状況を、放射状に並ぶ透孔56群のみならず、異なる形態の透孔56群と組み合わせて構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
2 :苗植付装置
3 :運転部ステップ
3A :フロントステップ部
3B :メインステップ部
3C :リアステップ部
4 :施肥装置
8 :植付クラッチ
9 :施肥装置
10 :機体フレーム
11F :前車輪
11R :後車輪
12 :エンジン
13 :ミッションケース
13a :メインケース部
13b :株間ケース部
13c :分岐ケース部
15 :運転座席
20 :苗載せ台
21 :フィードケース
22 :植付駆動ケース
23 :苗植付機構
23a :植付爪
52 :透視床部
77 :株間変速レバー
78 :第一変速レバー
79 :第二変速レバー
94,194:株間変速機構
94A,194A:第一変速部
94B、194B:第二変速部
110 :株間変速操作部
111 :開口部
112 :蓋部
113 :フレーム部
114 :第一ガイド溝
115 :第二ガイド溝
116 :パターン表示部
117 :突起部
A :原動部
C :運転部
Claims (7)
- 植付爪の先端が循環回動軌跡を描いて苗載せ台と田面の間を上下方向に往復循環移動するように駆動される苗植付機構と、
エンジンから前記苗植付機構に動力を伝達する動力伝達部に設けられ、走行速度に対する前記苗植付機構の駆動速度を変速する株間変速機構と、
前記株間変速機構を操作する株間変速レバーと、
運転座席と、
前記運転座席の側方及び前方に設けられた運転部ステップと、を備え、
前記運転部ステップが、機体左右方向に一体形成された樹脂体で構成されており、
前記運転部ステップにおいて、前記運転座席の前方領域に開口部が形成され、
前記株間変速レバーが前記開口部から操作可能に配置されており、
前記開口部を閉塞して前記運転部ステップの一部となる樹脂製の蓋部が備えられ、
前記蓋部は、裏面側に複数の突起部と、前記複数の突起部同士を繋ぐリブと、を有し、
前記開口部には、前記株間変速レバーのガイド溝と、前記複数の突起部に当接して閉塞状態の前記蓋部を支持するフレーム部と、が設けられている水田作業機。 - 前記開口部は、前記運転座席の機体左右方向の幅内に形成されている請求項1に記載の水田作業機。
- 前記蓋部は、機体後方側支点で前記開口部を開閉可能に構成されている請求項1又は2に記載の水田作業機。
- 前記株間変速レバーとして、機体左右方向に操作可能な第一変速レバーと、機体前後方向に操作可能な第二変速レバーと、を有し、
前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に基づいて株間変速を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の水田作業機。 - 前記蓋部の下方に前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に対応した情報が表示されるパターン表示部が設けられている請求項4に記載の水田作業機。
- 前記パターン表示部は、前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作範囲内に設けられている請求項5に記載の水田作業機。
- 前記開口部には、前記ガイド溝として、前記第一変速レバーの第一ガイド溝と、前記第二変速レバーの第二ガイド溝と、が設けられ、
前記フレーム部は、前記第一ガイド溝と前記第二ガイド溝とを仕切る仕切り部を有し、
前記仕切り部は、前記パターン表示部と前記運転部ステップとに亘って形成されている請求項5又は6に記載の水田作業機。
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