JP7138592B2 - 水田作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、苗載せ台に載置収容した苗を回転式の苗植付装置で切り出して植付けるよう構成した水田作業機に関する。
水田作業機では、苗の植付け方向の間隔(株間)を変更して苗の植付けを行うことがある。そのため、従来の水田作業機では、進行方向での植付けピッチとなる株間を、標準の株間と標準の株間よりも広い株間に変更する株間変速部が設けられている。通常、株間変速部は操作具によって変速調整可能に構成されており、操作具は、運転部ステップに設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、株間変速部の操作部は、フロントミッションケースの支持部に基部が回動自在に支持された変速レバーと、運転部の床板の左右方向の一端側に設けられた変速レバー用の操作溝と、床板シートに操作溝を開閉するように設けられた蓋部とを備えて構成されている。株間変速部によって株間の距離を変更するには、蓋部をめくり上げて操作溝を開放し、操作溝に配置された変速レバーを操作する。
特開2010-124809号公報
特許文献1に記載の構成では、株間変速部の変速レバー用の操作溝が運転座席から離れた位置にあるため、運転者は運転座席から操作具を操作することができない。また、床板シートに蓋部を設ける構成では、蓋部は開閉を繰り返すことで蓋部の耐久性が低下するおそれがある。
本発明は、株間変速レバーの操作性を向上させることができる水田作業機を提供しようとするものである。
本発明の水田作業機の特徴は、植付爪の先端が循環回動軌跡を描いて苗載せ台と田面の間を上下方向に往復循環移動するように駆動される苗植付機構と、
エンジンから前記苗植付機構に動力を伝達する動力伝達部に設けられ、走行速度に対する前記苗植付機構の駆動速度を変速する株間変速機構と、
前記株間変速機構を操作する株間変速レバーと、
運転座席と、
前記運転座席の側方及び前方に設けられた運転部ステップと、を備え、
前記運転部ステップが、機体左右方向に一体形成された樹脂体で構成されており、
前記運転部ステップにおいて、前記運転座席の前方領域に開口部が形成され、
前記株間変速レバーが前記開口部から操作可能に配置されており、
前記開口部を閉塞して前記運転部ステップの一部となる樹脂製の蓋部が備えられ
前記蓋部は、裏面側に複数の突起部と、前記複数の突起部同士を繋ぐリブと、を有し、
前記開口部には、前記株間変速レバーのガイド溝と、前記複数の突起部に当接して閉塞状態の前記蓋部を支持するフレーム部と、が設けられているところにある。
本構成によれば、運転部ステップにおいて運転座席の前方に形成された開口部を介して株間変速レバーを操作することができ、株間変速レバーの操作性が向上する。また、運転部ステップに形成された開口部は運転部ステップの一部を構成する蓋部によって閉塞されるため、当該蓋部によって運転部ステップの機能が損なわれることなく、蓋部の耐久性を向上させることができる。
また、本構成によれば、運転部ステップが機体左右方向に一体形成された樹脂体であるので、運転部ステップにおいて運転席の前方の領域に開口を形成し易い。また、運転部ステップが樹脂体であることで軽量化を図ることができ、水田作業機の全体重量を抑制することができる。また、蓋部が軽量になることで、蓋部の開閉動作を容易に行うことができる。
さらに、本構成によれば、運転部ステップの開口部において、株間変速レバーはガイド溝によってスムーズに操作可能であるとともに、蓋部の裏面側の突起部がフレーム部に当接して蓋部がフレーム部に支持される。これにより、運転部ステップにおいて閉塞状態の蓋部をより安定的に保持することができる。
本発明においては、前記開口部は、前記運転座席の機体左右方向の幅内に形成されていると好適である
本発明においては、前記蓋部は、機体後方側支点で前記開口部を開閉可能に構成されていると好適である。
本構成によれば、蓋部を後方側支点で揺動させて開閉することができるので、運転者は蓋部全体を持ち上げて開口部を開放する必要はなく、蓋部を容易に開閉操作することができる。
本発明においては、前記株間変速レバーとして、機体左右方向に操作可能な第一変速レバーと、機体前後方向に操作可能な第二変速レバーと、を有し、前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に基づいて株間変速を行うと好適である。
本構成によれば、2つの変速レバーの位置を組み合わせることで、株間変速部を複数の変速状態に切換えることができる。また、2つの変速レバーの操作方向が直交しているため、2つの変速レバーの操作位置を容易に把握することができる。
本発明においては、前記蓋部の下方に前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に対応した情報が表示されるパターン表示部が設けられていると好適である。
本構成によれば、パターン表示部によって2つの変速レバーの操作位置に対応した情報を確認できるので、2つの変速レバーの操作位置に基づく株間変速状態を容易に把握することができる。
本発明においては、前記パターン表示部は、前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作範囲内に設けられていると好適である。
本構成によれば、パターン表示部が第一変速レバー及び第二変速レバーの操作範囲内に設けられているので、2つの変速レバーの操作位置に基づく株間変速状態をより確実に把握することができる。
本発明においては、前記開口部には、前記ガイド溝として、前記第一変速レバーの第一ガイド溝と、前記第二変速レバーの第二ガイド溝と、が設けられ、前記フレーム部は、前記第一ガイド溝と前記第二ガイド溝とを仕切る仕切り部を有し、前記仕切り部は、前記パターン表示部と前記運転部ステップとに亘って形成されていると好適である。
本構成によれば、運転部ステップの開口部にフレーム部の仕切り部によって仕切られた第一ガイド溝及び第二ガイド溝を有するので、第一変速レバー及び第二変速レバーは独立したガイド溝に案内されてスムーズに操作可能になる。また、閉塞状態の蓋部はフレーム部によって支持されるので、蓋部を確実に支持することができる。また、仕切部がパターン表示部と運転部ステップとに亘って形成されているので、仕切部とパターン表示部とを明確に区別することができる。
乗用型田植機の全体を示す側面図である。 乗用型田植機の全体を示す平面図である。 運転部ステップと車輪及び他装置との相関を示す平面図である。 運転部ステップを示す分解斜視図である。 動力伝達系統を示す線図である。 メインケース部に対する株間ケース部と分岐ケース部との接続状態を示す斜視図である。 ミッションケースにおける株間ケース部の上下方向での断面図である。 株間ケース部における変速機構の上下方向での拡大断面図である。 運転部ステップの蓋部の開状態を示す斜視図である。 株間変速用のレバーガイド部のパターン表示部を示す説明図である。 別実施形態のミッションケースにおける株間ケース部の上下方向での断面図である。 別実施形態の株間ケース部における変速機構の上下方向での拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
実施形態における前後方向、上下方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。図1及び図2に示すように、水田作業機の作業走行時における前進側の進行方向が「F」であり、後進側の進行方向が「B」である。水田作業機の前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「R」であり、左側に相当する方向が「L」である。また、水田作業機の上側に相当する方向が「U」であり、下側に相当する方向が「D」である。
〔水田作業機の全体構成〕
図1に本発明に係る水田作業機の一例である乗用型田植機の側面が、図2にその平面がそれぞれ示されている。この乗用型田植機は、走行機体1の後方に苗植付装置2を装備して苗植付作業を行うものである。
走行機体1は、左右一対の車体前後向きのメインフレーム10A,10Aを有した機体フレーム10を備え、機体フレーム10の下部に装備された左右一対の前車輪11F,11F及び左右一対の後車輪11R,11Rによって自走可能に構成されている。
図1乃至図3に示すように、走行機体1の前部に、前車輪11F及び後車輪11Rに駆動力を出力するエンジン12及びミッションケース13が装備された原動部Aが設けられている。走行機体1の後部側には運転座席15を有した搭乗型の運転部Cが設けられている。
運転部Cでは、搭乗用の運転部ステップ3が機体フレーム10の上側に設けられている。その運転部ステップ3上に運転座席15が配備され、運転座席15に着座した状態で、原動部Aの後部に配備されたステアリングホイール14を操作可能にしてある。
運転部Cの前部で原動部Aの左右両側側に相当する走行機体1の横側方箇所には、運転部ステップ3の前部を挟んで予備苗を搭載するための予備苗のせ台16が立設されている。
運転部Cの後部で運転座席15の後方側に、4条用の施肥装置9が設けられて、乗用型田植機がミッドマウント施肥仕様に構成されている。施肥装置9は、肥料タンク90に貯留させた肥料を、図示しない繰り出し装置から所定量ずつ繰り出して、図示しない供給経路を経て苗植付装置2に装備した作溝器91へ送り込み、圃場へ供給するように構成されている。
〔苗植付装置〕
苗植付装置2は、機体フレーム10の後部に対して、リンク機構17を介して昇降作動可能に連結されている。
この苗植付装置2では、4条分のマット状苗を搭載可能な4条植え用の苗載せ台20、エンジン12からの駆動力が伝動軸27を介して入力されるフィードケース21、及び車体横方向に所定間隔を隔てて並ぶ4つの植付駆動ケース22、を備えている。4つの植付駆動ケース22のそれぞれには、後端側の両横側部に苗植付機構23が駆動自在に設けられている。各植付駆動ケース22を接続する植付フレーム(図示せず)の下部に、4つの整地フロート24が車体横方向に並ぶ状態で装備されている。
各苗植付機構23は、フィードケース21から植付駆動ケース22に伝達される駆動力によって、左右方向の回転軸心回りで180度位相する位置の2つの植付爪23aを駆動するように構成された周知の構造のものである。それぞれの植付爪23aは、その先端が上下方向に長い回動軌跡を描くように駆動され、2つの植付爪23aによって交互に、苗載せ台20の下端部から植付苗を取出し、整地フロート24による整地が行われた泥土層に植え付ける苗植運動を行う。こうして、苗植付機構23は、植付爪23aの先端が循環回動軌跡を描いて苗載せ台20と田面の間を上下方向に往復循環移動するように駆動される。
この苗植付装置2は、リンク機構17が昇降シリンダ18によって機体フレーム10に対して上下に揺動操作されることにより、整地フロート24が圃場の泥土面に接地した下降作業状態と、整地フロート24が圃場の泥土面から離れて高く上昇した上昇非作業状態とに昇降される。
〔動力伝達系〕
図5を参照し、エンジン12の動力が伝達されるミッションケース13(動力伝達部の一例)での動力伝達構造について説明する。
ミッションケース13に入力されたエンジン12の動力は、ミッションケース13内で、前車輪11F、及び後車輪11R等を駆動するための走行駆動系と、苗植付装置2を駆動するための作業装置駆動系と、施肥装置9を駆動するための施肥駆動系とに分岐して出力される。
ミッションケース13は、走行駆動系の副変速機構93等を内装するメインケース部13aと、そのメインケース部13aの後部側に配設された株間ケース部13bと分岐ケース部13cとを備えている。
株間ケース部13bは、メインケース部13aから出力された動力を苗植付装置2に変速して伝達する株間変速機構94を内装し、分岐ケース部13cは、メインケース部13aから出力された動力を施肥装置9へ分岐伝動する分岐伝動機構95を内装している。
エンジン12の動力は、ミッションケース13におけるメインケース部13aの外壁部に装着された静油圧式無段変速装置6のポンプ軸60aに伝達され、静油圧式無段変速装置6のモータ軸61aからメインケース部13aへ入力される。つまり、静油圧式無段変速装置6は無段の主変速装置として用いられており、その主変速装置から出力された動力がミッションケース13内でさらに変速される。
〔走行駆動系〕
まず、走行駆動系の伝動構造について説明する。
図5に示すように、エンジン12の動力は、ベルト伝動機構62を介して、静油圧式無段変速装置6の変速入力軸であるポンプ軸60aに伝達されて油圧ポンプ60が回転駆動される。静油圧式無段変速装置6の変速出力軸であるモータ軸61aが、メインケース部13aの第一変速軸25に、スプライン嵌合状態で接続され、モータ61の回転にともなって第一変速軸25が回転駆動される。
第一変速軸25と平行な軸心を有した第二変速軸26が、メインケース部13aに軸支されている。第一変速軸25からシフト部材を介して第二変速軸26に伝達された動力は、デフケース65に伝達される。デフケース65の回転にともなって左右の前輪駆動軸63及び後輪出力軸64が回転駆動される。
〔作業装置駆動系〕
上述した走行駆動系とは別に、苗植付装置2へ動力を伝達する作業装置駆動系について説明する。
苗植付装置2への動力は、メインケース部13aの後部に取り付けられた株間ケース部13b内の、株間変速機構94及び植付クラッチ8を介して、株間ケース部13bから後方側へ延出された出力伝動軸体42から取り出され、後方の苗植付装置2へ伝達される。
メインケース部13aから株間ケース部13b内への動力伝達は、メインケース部13aにおいて左右方向に設けられた作業系伝動軸37と、作業系伝動軸37に固定したベベルギヤ37aと、そのベベルギヤ37aに噛合する出力用ベベルギヤ38とを介して行われる。第一変速軸25から作業系伝動軸37へは、夫々が有する外部ギヤを介して動力伝達が行われる。
株間ケース部13b内では、図7に示すように、前後方向に長い作業駆動軸41が、株間ケース部13bの前後にわたって配設されている。
作業駆動軸41は、後方の苗植付装置2への伝動軸27(図1参照)が連結される出力伝動軸体42と、その出力伝動軸体42の前端側部分に相対回動自在に外嵌して、伝動方向上手側の動力が伝達される筒状軸体43とによる、部分的な二重軸構造に構成されている。
伝動上手側に位置する筒状軸体43の前端部は、メインケース部13aに侵入した状態に配設されている。この筒状軸体43の最も伝動方向上手側に位する部位にはスプライン部が形成されていて、そのスプライン部がメインケース部13a内に位置する出力用ベベルギヤ38の筒ボス内周側のスプライン部に挿入されている。
出力用ベベルギヤ38は、メインケース部13aに備えたボールベアリング38aによってボス部外周側が支持され、これによって内周側に挿入された筒状軸体43も支持されている。
また、メインケース部13aに備えたボールベアリング38aには、筒状軸体43のうちの、出力用ベベルギヤ38に挿入された部位よりも後方側の少し大径の部位が内嵌して支持されている。さらにそのボールベアリング38aにおけるインナーレースの後端側には、筒状軸体43のうちのさらに大径の部位が当接している。これにより、筒状軸体43の前方側への位置規制が行われている。
筒状軸体43は、出力伝動軸体42が挿入される大径孔43aよりも前方側に、メインケース部13aの内部空間と連通する小径孔43bが形成されている。この筒状軸体43の小径孔43b及び大径孔43aが、メインケース部13aの内部空間と株間ケース部13bの内部空間とを連通する内周側通路となっている。
筒状軸体43が存在する箇所よりも後方側における出力伝動軸体42の外周部には、中間筒状体44と、後方筒状体45とが相対回転自在に外嵌されている。中間筒状体44の後端部と後方筒状体45の前端部との間にトルクリミッタ46が設けられている。後方筒状体45の後端部と、その後方筒状体45よりも後方側における出力伝動軸体42との間に、植付クラッチ8が設けられている。
このように、出力伝動軸体42の外周部に、中間筒状体44と後方筒状体45とが相対回転自在に外嵌された状態に存在し、この出力伝動軸体42が筒状軸体43の内周側通路に存在しているので、株間ケース部13b内における潤滑を良好に行い易い。つまり、メインケース部13aの内部空間に存在する潤滑油が、出力用ベベルギヤ38の筒ボス内周側を通って流れ込み、図7に破線の矢印で示すように、筒状軸体43と中間筒状体44との間、中間筒状体44と後方筒状体45との間、及び後方筒状体45と後方側の出力伝動軸体42との間から、作業駆動軸41上で回転する部材の回転に伴う遠心力を利用しながら、良好に潤滑することができる。
〔株間変速機構〕
株間変速機構94について説明する。
株間変速機構94は、伝動上手側に位置する第一変速部94Aと、それよりも伝動下手側に位置する第二変速部94Bとを備えている。第一変速部94Aでは高低二段の変速が行われ、第二変速部94Bでは高、中、低の三段での変速が行われ、計6速の変速段による変速が行われるように構成されている。
第一変速部94Aでは、作業駆動軸41の筒状軸体43に設けられたシフトギヤ47と、作業駆動軸41と平行に位置する変速軸48の前端部に固定支持された従動側ギヤ48aとが備えられている。筒状軸体43は外周部にスプライン部43cを形成してあり、そのスプライン部43cに外嵌したシフトギヤ47が一体回転ならびに摺動可能に装備されている。シフトギヤ47は、僅かに歯数の異なる近似した径の第一歯部47aと第二歯部47bとを備え、いずれか一方の歯部47a,47bが、択一的に従動側ギヤ48aに噛合可能であるように、筒状軸体43の軸線方向に沿って位置変更可能に構成されている。
シフトギヤ47の移動範囲は、図7に示すように、第一歯部47aと第二歯部47bとの両方が株間ケース部13b内に位置する第二変速位置と、第一歯部47a部分の全部もしくは一部が、株間ケース部13bからはみ出してメインケース部13aの内部空間に位置する第一変速位置とに、変速操作位置を切り換え可能に構成されている。株間用変速操作部材100による操作範囲は、シフトギヤ47を第一変速位置と第二変速位置とにわたって移動可能であるように設定されている。
また、シフトギヤ47は、第一歯部47aと第二歯部47bとの間に、後述する株間用変速操作部材100の係止ピン102を差し込み状態に挿入可能な間隔が形成されている。そして、シフトギヤ47は、第一歯部47aよりも前方側へ向けて突出するボス部47cを備え、第二歯部47bよりも後方側へ向けては、ボス部47cに相当する部分は設けられていない。つまり、シフトギヤ47は、その前後方向の端部のうち、一方側の端部である前端部側にのみボス部47cを設けてある。このボス部47cの突出長さは、筒状軸体43に対してシフトギヤ47が前後方向で逆向きに組み付けられることを阻止することができるように長さ設定されている。
すなわち、筒状軸体43に対してシフトギヤ47が前後方向で逆向きに組み付けられると、第一歯部47aが従動側ギヤ48aとの係合側に操作されても、シフトギヤ47のボス部47cの端部が、中間筒状体44の前端部44aに当接して、第一歯部47aを従動側ギヤ48aとの係合箇所にまで移動させることができない。このように、ボス部47cの突出長さを設定してあるので、ボス部47cが一方側の端部にのみ設けられたことが、シフトギヤ47の逆向きでの組み付けを阻止する手段として役だっている。
株間ケース部13b内には、作業駆動軸41と平行に位置させた変速軸48が設けられている。この変速軸48と作業駆動軸41の出力伝動軸体42とにわたって第二変速部94Bが設けられている。第二変速部94Bは、前記従動側ギヤ48aよりも伝動下手側で、変速軸48に支持された複数(図中では3枚)の変速ギヤ49と、その変速ギヤ49に常噛み状態で、出力伝動軸体42に外嵌する中間筒状体44に固定された複数(図中では3枚)の従動変速ギヤ44bとによるギヤ対を備えている。変速軸48に支持された変速ギヤ49は、変速軸48に対して相対回転可能に遊嵌状態に設けられている。
この常噛み状態にある複数の変速ギヤ49と複数の従動変速ギヤ44bとの間では、変速軸48内でスライド操作される変速操作体70により、複数個の変速ギヤ49のうちの何れか一つが選択されることによって、ギヤ対を介して変速動力が出力伝動軸体42側に伝達される。
つまり、変速操作体70で選択された変速ギヤ49と噛合状態にある従動変速ギヤ44bに対して、変速軸48の回転が、互いに噛合状態にある変速ギヤ49と従動変速ギヤ44bとのギヤ比に応じた変速動力として伝達される。
変速操作体70は、各変速ギヤ49の内周側に形成されている係合凹部49aに対して係脱可能に構成された係止突起71aを備える変速キー部分71と、その変速キー部分71の前記係止突起71aの位置を、変速軸48の軸線方向にスライド操作して、係合対象となる変速ギヤ49に対する係合位置を選択操作するスライド操作部72とを備えている。
さらに、変速キー部分71の係止突起71aを係合対象の変速ギヤ49の内周側の係合凹部49aへ押し付け付勢する弾性付勢機構73を備えている。
変速キー部分71とスライド操作部72とは、図7及び図8に示すように、スライド操作部72の前端部に形成された外周溝72aに、変速キー部分71の後端側突片71bが係入することにより連結されている。
したがって、スライド操作部72が軸線方向で前後に押し引き操作されるに伴って、変速キー部分71も同方向に前後移動することになる。
図7に示す状態が、スライド操作部72を最も株間ケース部13bの内部に押し込んだ状態を示している。この状態で変速キー部分71の係止突起71aは、複数個の変速ギヤ49のうちの最前端側の変速ギヤ49の係合凹部49aに係合して、変速軸48の回転動力を最前端側の変速ギヤ49に伝達する。
この最前端側の変速ギヤ49を選択した状態が、第二変速部94Bで変速軸48の回転を最も低速で出力伝動軸体42側へ伝達する低速伝動位置である。
低速伝動位置に存在する最前端側の変速ギヤ49は偏心ギヤによって構成され、同じく偏心ギヤで構成された中間筒状体44側の最前端側の従動変速ギヤ44bと噛合している。
この低速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が最も低速となり、株間ピッチは第二変速部94Bで最も長くなる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクは最も小さくて済む。また、この低速伝動位置での伝動状態では、変速軸48の回転が、不等速での伝動状態で中間筒状体44側に伝達される。これは、植付爪23aの駆動速度が最も低速となるので、植付途中の爪が田面の泥中で引き摺られた状態となることをできるだけ避けられるようにするためである。つまり、植付爪23aの駆動回転軌跡のうちで、爪が泥中に存在する範囲の駆動速度を部分的に速くして、爪が泥中から速く抜け出すことができるようにしたものである。
図8に示す状態は、スライド操作部72を最も株間ケース部13bの外側へ引き出した状態を示している。この状態で変速キー部分71の係止突起71aは、複数個の変速ギヤ49のうちの最後端側の変速ギヤ49の係合凹部49aに係合して、変速軸48の回転動力を最後端側の変速ギヤ49に伝達する。
この最後端側の変速ギヤ49を選択した状態が、第二変速部94Bで変速軸48の回転を最も高速で出力伝動軸体42側へ伝達する高速伝動位置である。この高速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が相対的に速くなり、株間ピッチは第二変速部94Bで最も短くなる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクは最も大きくなる。
図示はしないが、スライド操作部72を最も株間ケース部13bの内部に押し込んだ状態と最も外側へ引き出した状態との中間位置が、中速伝動位置である。
この中速伝動位置では、変速キー部分71の係止突起71aは、複数個の変速ギヤ49のうちの中間位置に存在する変速ギヤ49の係合凹部49aに係合して、変速軸48の回転動力を中間位置の変速ギヤ49に伝達する。中速伝動位置での伝動状態では、走行速度に対する苗植付装置2における植付爪23aの駆動速度が中間速となり、株間ピッチも中間的な長さになる。このとき、変速軸48による変速ギヤ49の駆動トルクも中間の大きさになる。
弾性付勢機構73は、コイルバネ73aで付勢された鋼球73bを、変速キー部分71の長手方向複数箇所に形成されている凹入部71cへ押し付け付勢している。この変速キー部分71の凹入部71cに鋼球73bが押し付け付勢されることで、凹入部71cとは反対側に突出形成されている係止突起71aが、係合対象の変速ギヤ49の内周側の係合凹部49aへ押し付け付勢される。これらのコイルバネ73a、鋼球73b、及び凹入部71cを備えることによって、弾性付勢機構73が構成されている。
変速キー部分71は、変速キー部分71とスライド操作部72との連結箇所であるところの、外周溝72aと後端側突片71bとの係合箇所を揺動支点として、弾性付勢機構73による押し付け付勢方向、つまり、スライド操作部72によるスライド操作方向とは交差する方向で、変速ギヤ49の内周側の係合凹部49aへ向けて揺動作動可能に構成されている。
そして、弾性付勢機構73による押し付け付勢箇所は、第二変速部94Bにおける複数のギヤ対よりも、前記揺動支点から離れた位置に設けられている。したがって、梃子の作用で株間ピッチを短く設定してあるギヤ対ほど、弾性付勢機構73による押し付け付勢作用が強く働く。
第二変速部94Bにおける変速ギヤ49のうち、最後端側の高速ギヤと中間位置の中速ギヤとは、それぞれカラー74によって両側から挟まれた状態にある。そして、最前端側の低速ギヤは、カラー74と変速軸48の一部とで挟まれた状態で設けられている。
このカラー74同士の間隔a1,a2,a3は、図8に示すように、苗植付装置2による株間ピッチを短く設定したギヤ対が存在する箇所ほど、変速ギヤ49に対する変速キー部分71の係合量が多くなるように広い間隔に設定されている。
つまり、係止突起71aは、図7,8に示すように先細り状の山形に形成されている。したがって、カラー74同士の間隔a1,a2,a3が広ければ、変速ギヤ49の係合凹部49aに対して深く係合し、係合代が大きくなり、逆に浅ければ変速ギヤ49の係合凹部49aに対する係合代が小さくなる。
第二変速部94Bにおける変速ギヤ49は、従動変速ギヤ44bに噛合する部位の歯部49bの前後方向幅は全て同一幅に設定されているが、各変速ギヤ49のハブ面において、周方向で複数箇所に点在する膨出部49cが形成されている。この膨出部49cの突出量は、各変速ギヤ49毎に異ならせてある。
つまり、図8に示すように、最前部の低速ギヤは後方側のハブ面に突出量の少ない膨出部49cが形成され、中間位置の中速ギヤは後方側のハブ面に突出量の大きい膨出部49cが形成されている。そして、最後部の高速ギヤは、前後両側のハブ面から前後両方向に膨出部49c,49cが突出形成されている。
これにより、変速ギヤ49の歯部49bの幅と膨出部49cとを含めた前後方向幅は、前述したカラー74同士の間隔a1,a2,a3と合致する幅に設定されている。
その結果、変速ギヤ49の歯部49b歯部同士の間隔b1,b2は、カラー74同士の間隔a1,a2,a3を広くした箇所に存在する変速ギヤ49の歯部49b歯部同士の間隔b1よりも、カラー74同士の間隔a1,a2,a3を狭くした箇所に存在する変速ギヤ49の歯部49b歯部同士の間隔b2が小さくなるように設定されている。
変速操作体70は、第二変速レバー79の操作によって変速軸48の軸線方向にスライド操作される。
図6及び図7に示すように、変速操作体70のスライド操作部72には、その後端部に第二変速レバー79が相対回動可能に連結されている。この第二変速レバー79は、下端部が前記スライド操作部72に連結され、上下方向での中間部が、株間ケース部13bの上部に設けられたレバー支持部76によって支持されている。
これにより、第二変速レバー79の杆身のうち、レバー支持部76で相対回動自在に支持された部位では、第二変速レバー79の上下方向に沿う中間部位置の杆身部分の中心が事実上の揺動中心となり、この揺動中心を示す揺動中心線y1の周りで第二変速レバー79が揺動操作されることになる。
したがって、第二変速レバー79を揺動中心線y1のまわりで揺動操作することにより、変速操作体70のスライド操作部72が、変速軸48の軸線方向に沿ってスライド移動するように構成されている。
上記のレバー支持部76は、第二変速レバー79の上下方向での中間部を相対回動自在に支持するものであるが、この中間部の前後方向の動きは規制しながら、左右方向での位置移動は所定範囲内で許容するように、平面視でU字状に形成された上下一対の凹入枢支部76aを備えている。このように第二変速レバー79の上下方向での中間部が左右方向での所定範囲内で位置移動することを許容することにより、第二変速レバー79の上下方向での中間部の軸中心と合致する揺動中心線y1も、左右方向での所定範囲内で位置移動することになる。
つまり、揺動中心線y1も左右方向での所定範囲内で位置移動可能である状態で支持することにより、直線的に移動するスライド操作部72の前後方向移動を妨げずに第二変速レバー79の揺動操作を行うことができるように構成されている。
株間変速機構94における株間用変速操作部材100は、図6及び図7に示すように、構成されている。
つまり、株間ケース部13bの上部壁部分を貫通する操作軸101の下端部に、第一歯部47aと第二歯部47bとの間に嵌り込む係止ピン102が固定されており、上部壁部分の外部に位置する操作軸101の上端部に板状操作体103が設けられている。
この板状操作体103を操作軸101の軸心まわりで回動操作することにより、偏心位置に存在する係止ピン102がシフトギヤ47を作業駆動軸41の軸線方向で位置変更操作するように構成されている。板状操作体103の軸心まわりでの位置は、ボールデテント機構104によって位置決めされる。板状操作体103は、後述する第一変速レバー78に連係されている。
株間変速機構94によって変速された動力は、中間筒状体44からトルクリミッタ46に伝達される。
トルクリミッタ46は、中間筒状体44の後端部に固定された円板状の受け板46aと、その受け板46aに向けて当接する押し板46bと、押し板46bを受け板46a側へ向けて押圧付勢するコイルスプリング46cとを備えて構成されている。このトルクリミッタ46を経て、株間変速機構94による変速動力が植付クラッチ8に伝達される。
〔植付クラッチ〕
植付クラッチ8は次のように構成されている。
作業駆動軸41のうち、後方筒状体45の後端部には、後方筒状体45の外周側スプラインと係合して後方筒状体45と一体回動する円盤状の駆動側回転部材80が設けられている。
後方筒状体45よりも後方側へ延出されている出力伝動軸体42の外周側には、その出力伝動軸体42の外周面に形成されているスプライン部42aと係合して、出力伝動軸体42と一体回動、及び出力伝動軸体42の軸線方向で位置移動可能な従動側回転部材81が設けられている。
この従動側回転部材81は、押し付けバネ92によって駆動側回転部材80側へ向けて押圧付勢されており、駆動側回転部材80と従動側回転部材81との、それぞれの対向面には、互いに噛み合い状態で動力伝達を行うことが可能な噛合部80a,81aが形成されている。
押し付けバネ82は、従動側回転部材81の噛合部81aが形成された側とは反対側の面に形成されたバネ受け部81bと、株間ケース部13bの内面側における固定部との間に設けられている。この株間ケース部13bの内面側における固定部としては、出力伝動軸体42を支持するボールベアリング40bのインナーレース40cの内側端部を利用しているが、必ずしもこの位置である必要はない。
そして、押し付けバネ82の形状は、作業駆動軸41の軸線方向でバネ受け部81bに当接する側の端部における巻径が、インナーレース40cの内側端部に当接する側の巻径よりも大きく設定された円錐台状に形成されている。
この押し付けバネ82のうち、インナーレース40cの内側端部に当接する側の巻径は、外嵌した出力伝動軸体42の外径と同程度か、僅かに大きい程度に構成されている。したがって、特別に位置決め手段を要することなく、出力伝動軸体42を支持するボールベアリング40bのインナーレース40cの内側端部を利用して、その端部位置を位置決めすることができる。
上記の従動側回転部材81は、図7に示すように、外周部に当接するクラッチ操作部材83によって、押し付けバネ82の付勢力に抗して駆動側回転部材80から離れる側へ操作されるものであり、外周部にクラッチ操作部材83が係合する係合部81cを備えている。クラッチ操作部材83は、株間ケース部13bの上部壁部分を貫通する操作ピン84を備え、その操作ピン84の下端部に、従動側回転部材81の係合部81cと当接して、操作ピン84の回動操作にともなって、従動側回転部材81を出力伝動軸体42の軸線方向で位置移動させる操作部84aが形成されている。
クラッチ操作部材83は、作業駆動軸41の軸線に交差する方向の回転軸心P1まわりで操作される操作ピン84のうち、株間ケース部13bの外側に露出した部位の操作ピン84の軸端部に、この操作ピン84を回動操作するための操作プレート85が取り付けられている。そして、その操作プレート85の一部を上下で挟み込むように支持しながら、その操作プレート85の前記回転軸心P1まわりでの回動操作を案内する操作ガイド部材86が、株間ケース部13bの外側に設けられている。
これにより、操作ピン84は、回転軸心P1に沿う方向での位置移動を操作プレート85で規制され、回転軸心p1まわりでの操作範囲を、操作プレート85と操作ガイド部材86との当接によって規制される。
上記の操作ピン84の下端部における、従動側回転部材81の係合部81cとの係合箇所に対して、従動側回転部材81のバネ受け部81bの位置が、従動側回転部材81の半径方向での内方側で、かつ、作業駆動軸41の軸線方向では、従動側回転部材81の係合部81cとの係合箇所よりも、噛合部81aが形成された対向面側寄り箇所に設けられている。このように、バネ受け部81bが、操作ピン84と従動側回転部材81の係合部81cとの係合箇所よりも半径方向での内方側で、かつ、噛合部81aが存在する側に近接するように大きく凹入した形状である。このことにより、押し付けバネ82の作業駆動軸41の軸線方向長さが、作業駆動軸41の軸線方向での操作ピン84の位置によって制約を受けることを避けられ、株間ケース部13bのコンパクト化を図ることができる。
〔施肥駆動系〕
上述した走行駆動系から、施肥装置9に対して駆動力を分岐伝動する施肥装置駆動系は次のように構成されている。
図6に示されるように、メインケース部13aの後部側には、メインケース部13aとは別体で構成された分岐ケース部13cが、取付ボルト等(図示せず)を介して連結固定されている。分岐ケース部13cは、メインケース部13aから後方へ延出された後輪出力軸64を支持する入力側筒状部50Aと、後輪出力軸64に交差する方向に延出された分岐伝動軸51に外嵌して、その分岐伝動軸51を支持する出力側筒状部50Bとを備えている。入力側筒状部50Aと出力側筒状部50Bとは、共通の内部空間を有した一体物で構成されている。
後輪出力軸64から分岐伝動軸51へ動力を伝達する分岐出力用ベベルギヤ(不図示)が入力側筒状部50A内に装備され、その分岐出力用ベベルギヤに噛合する施肥用ベベルギヤ(不図示)は、出力側筒状部50B内に装備されている。
施肥用ベベルギヤは、分岐伝動軸51に対して相対回転可能に支持されており、分岐伝動軸51と施肥用ベベルギヤとは施肥クラッチ9aを介して係脱自在に構成されている。クラッチ操作軸体9bは、出力側筒状部50Bを貫通して設けられている。
〔運転ステップ〕
運転部Cに設けられた運転部ステップ3は次のように構成されている。
図1~図4に示される運転部ステップ3は、樹脂体で構成されており、例えば合成樹脂製材料をインジェクション成形により加工したものである。インジェクション成形による加工品は、ブロー成形による加工品に比べて、形状や構造についての設計上の自由度が高く、また精度良く成形し易いものであるため、比較的自由な形状や構造を選定することが可能である。
図1~図4に示すように、運転部ステップ3は、機体前端部に位置するフロントステップ部3Aと、機体前後方向における運転座席15の位置よりも前方側に位置するメインステップ部3Bと、運転座席15の後方側に位置するリアステップ部3Cと、を備えている。
フロントステップ部3Aとメインステップ部3Bは、ほぼ面一な上面を備えているが、リアステップ部3Cは、フロントステップ部3A及びメインステップ部3Bの上面よりも一段高い位置に上面を備えている。
つまり、リアステップ部3Cの上面は、肥料タンク90へ肥料を補給する際に運転者が搭乗したり、予備苗のせ台16から取り出したマット状苗を苗植付装置2の苗載せ台20に補給する際に運転者が足を掛けるなどするために、フロントステップ部3A及びメインステップ部3Bの上面よりも高くしてある。
フロントステップ部3Aは、原動部Aのエンジンボンネット19が存在する箇所の外側に設けられている。つまり、エンジンボンネット19で覆われるエンジンルームに相当する領域が切り欠かれて、エンジンボンネット19の前側と左右両側に、搭乗可能な上面が存在するように、平面視で後方側が開放されたU字状のフロントステップ板30によってフロントステップ部3Aが構成されている。
メインステップ部3Bは、機体前後方向における運転座席15の位置よりも前方側に位置するメインステップ板31を備えている。そしてさらに、後述するリアステップ板32のうち、立ち上がり部3Dよりも前方側に位置する前板部分32aの上面をも、メインステップ部3Bの一部として含んでいる。
また、メインステップ板31の左右の横外側位置に、横側方から運転部ステップ3に乗降するための乗降用ステップ67が設けられている。
メインステップ板31は、走行機体1の左右方向に一体形成されている。運転部ステップ3は、ステップ面3aに複数の第1突起部33が分散配置されて形成されている。メインステップ部3Bは、機体左右方向の両側部分31L,31Rがフロントステップ部3Aよりも外方に拡張されている。
運転部ステップ3のステップ面3aの外端縁には、破線状に連続する第2突起部34が形成されている。第2突起部34は、運転部ステップ3に掛けられた足が、運転部ステップ3の横外側縁よりも横外方側へずれ動くことを制限する役割も果たしている。
図3及び図4に示すように、メインステップ部3Bにおいて、運転座席15の前方側の領域に複数の溝部35が格子状に形成されるとともに、溝部35に囲まれた領域に第1突起部33が形成されている。
リアステップ部3Cは、メインステップ部3Bよりも後方側で、かつ立ち上がり部3Dを挟んで前記メインステップ部3Bよりも高い位置に設けられている。リアステップ部3Cは、リアステップ板32を備えている。
リアステップ板32は、立ち上がり部3Dを構成する立ち上がり板部分32bと、その立ち上がり板部分32bよりも前方側に位置する前板部分32aと、立ち上がり板部分32bよりも後方側に位置する後板部分32cと、を備えている。リアステップ部3C及び立ち上がり部3Dは、機体左右方向の幅がメインステップ部3Bから殆ど変化なく維持される形でメインステップ部3Bの後方側に延設されている。すなわち、リアステップ部3Cは、機体左右方向の幅がメインステップ部3Bと略同じである。
図4に示すように、リアステップ板32の機体左右方向の中央には、運転座席15の下面側を、シート固定部(不図示)に支持させるための取付用開口36が設けられている。
取付用開口36は、平面視でシート固定部と重複する範囲を開放するように後板部分32cに設けられた上方切り欠き部36aと、前後方向視でシート固定部と重複する範囲を開放するように立ち上がり板部分32bに設けられた前方切り欠き部36bと、の組み合わせで構成されている。
フロントステップ部3Aとメインステップ部3Bとの境界部分で、フロントステップ板30と、メインステップ板31と、が前後方向分割ラインL1で前後に分割可能に構成されている。
また、メインステップ部3Bとリアステップ部3Cとにおいても、立ち上がり部3Dから前後方向で外れた位置の前後方向分割ラインL2で前後に分割可能に構成されている。本実施形態では、立ち上がり部3Dよりも前側で、メインステップ板31と、リアステップ板32と、が前後方向分割ラインL2で前後に分割可能である。
上記のフロントステップ部3Aにおけるフロントステップ板30と、メインステップ部3Bにおけるメインステップ板31と、リアステップ部3Cにおけるリアステップ板32と、の夫々は、ステップ固定部39で機体フレーム10に固定されている。
ステップ固定部39は、図3に示すように、前後方向分割ラインL1,L2に近接した箇所、及び外周縁近くに比較的多く設けられている。
〔株間変速操作部〕
図9に示すように、株間変速操作部110は、運転部ステップ3のメインステップ部3Bに形成された開口部111に設けられている。開口部111は、運転部ステップ3において運転座席15の前方領域に形成されている。開口部111には、株間変速レバー77が操作可能に配置されている。本実施形態では、株間変速レバー77は、第一変速レバー78と第二変速レバー79とによって構成されている。メインステップ部3Bには、開口部111を開閉する蓋部112が備えている。
株間変速機構94の第一変速部94Aを操作する板状操作体103(図6、図7参照)が、図9及び図10に示す第一変速レバー78に連係されている。第一変速レバー78の上端部は、開口部111に設けられるフレーム部113に形成された左右方向の第一ガイド溝114内に位置する。第一変速レバー78の上端部は、第一ガイド溝114に案内されながら左右方向に位置変更可能であって、第一変速位置と第二変速位置との二位置の何れかを選択可能に構成されている。
第二変速部94B(図7参照)を操作する第二変速レバー79の上端部は、フレーム部113に形成された前後方向の第二ガイド溝115内に位置する。第二変速レバー79の上端部は、第二ガイド溝115に案内されながら前後方向に位置変更可能であって、低速変速位置と中速変速位置と高速変速位置との三位置の何れかを選択可能に構成されている。
フレーム部113には、第一ガイド溝114及び第二ガイド溝115に囲まれる領域に株間ピッチを示す数値が記載されたパターン表示部116が設けられている。このように、パターン表示部116は、蓋部112の下方に設けられて第一変速レバー78及び第二変速レバー79の操作位置に対応した情報を表示する。パターン表示部116は、第一変速レバー78及び第二変速レバー79の操作範囲内に設けられている。フレーム部113は、第一ガイド溝114と第二ガイド溝115とを仕切る仕切り部113aを有し、仕切り部113aは、パターン表示部116と運転部ステップ3とに亘って形成されている。
図10に示すパターン表示部116では、図中左下方に、株間ピッチ14cmを支持する「14」の文字パターンが存在している。この株間ピッチ14cmを設定するには、第一変速レバー78を第一ガイド溝114の左端部に位置させ、第二変速レバー79を最前部の「14」の文字パターンの左横に位置させればよい。この状態では、第一変速レバー78が第一変速位置で高速側に操作され、第二変速レバー79も高速変速位置に操作されているので、植付装置側が最高速状態で駆動され、株間ピッチを最も密な14cmに設定する。
この状態から、第一変速レバー78を第一ガイド溝114の右端部に向けて操作し、文字パターン「16」の前方位置に操作すると、第一変速レバー78が第二変速位置に切り換えられ、低速側に切り換えられた状態となる。したがって、第二変速レバー79の位置が変わらなければ、株間ピッチは16cmに設定された状態となる。
さらに、この状態から第二変速レバー79の位置を文字パターン「21」の左横に位置させると、株間ピッチは21cmに設定され、文字パターン「30」の左横に位置させると、株間ピッチは30cmに設定される。
第一変速レバー78を第一ガイド溝114の左端部に位置させた状態で同様の操作を行うと、第二変速レバー79の位置が文字パターン「18」の右横に位置して、株間ピッチは18cmに設定され、文字パターン「24」の右横に位置させると、株間ピッチは24cmに設定される。
つまり、第一変速レバー78の機体左右方向の動きで、シフトギヤ47を第一変速位置と第二変速位置とに切り換えて、第一ガイド溝114の左側の文字パターン群と右側の文字パターンの群を選択し、第二変速レバー79の機体前後方向の動きで、各文字パターンの群から目的の文字パターンを選択できるようにしてある。
したがって、第一変速レバー78と第二変速レバー79の操作位置による株間ピッチの設定を、目視による誤操作の少ない状態で行い易いものである。
開口部111に設けられた第一ガイド溝114及び第二ガイド溝115は、走行機体1の運転部ステップ3に形成した貫通孔によって構成されている。ガイド溝114,115内の第一変速レバー78及び第二変速レバー79は、運転部ステップ3のフレーム部113よりも上方側には突出しない状態で設けられており、普段は運転部ステップ3の蓋部112によって覆われた状態である。
株間変速操作部110において株間変速を行う場合は、蓋部112を機体後方側支点に揺動させて開口部111を開状態にする。こうすることで、開口部111が開放されてガイド溝114、115に配置された第一変速レバー78及び第二変速レバー79の操作が可能となる。
蓋部112は、裏面側に複数の突起部117を有する。メインステップ部3Bの開口部111に対して蓋部112が閉塞状態(図3、図4参照)になると、蓋部112の突起部117がフレーム部113に当接してフレーム部113が蓋部112を支持する。
〔透視床部〕
運転部ステップ3には、走行機体1の下方を見通し可能な透視床部52が設けられている。透視床部52は、フロントステップ部3Aと、メインステップ部3Bと、リアステップ部3Cと、の各左右両側に設けられている。これらの各透視床部52は、左右方向で運転座席15よりも横外側寄り箇所に設けられている。
つまり、メインステップ部3Bに設けられる第一透視床部53は、運転座席15に搭座する運転者が、前車輪11Fの向き等を視認し易い箇所に設けられている。
リアステップ部3Cに設けられる第二透視床部54は、運転座席15に搭座する運転者が、後方を振り返って後車輪11Rの向き等を視認し易い箇所に設けられている。
フロントステップ部3Aに設けられる第三透視床部55は、運転座席15に搭座する運転者が、フロントステップ部3A下方の機体前方を目視することが可能な位置に設けられている。例えば、大型田植機等で枕地旋回する際に、畦際まで進んでから後退し、旋回するが、その際に第三透視床部55を介して機体と畦との接近度合いを目視できる。
この透視床部52、運転座席15の座部中心、あるいは運転座席15の存在位置、もしくは運転座席15の近辺位置を起点とする放射方向に沿って放射状に並ぶ透孔56群により構成されている。つまり、放射方向の起点は、運転座席15に搭座する運転者が搭座姿勢のままで目視する状態の運転者の目線の位置が基準であるが、ある程度の個人差もあるため、運転座席15が存在する範囲であれば差し支えない。また、ある程度は運転座席15が存在する範囲よりも外側の運転座席15近辺で、身体を傾けたり立ち上がったりして覗き込むことができる範囲で有ればよい。
透視床部52は、放射状に並ぶ透孔56群の配列方向に沿う放射方向桟部材57と、その放射方向桟部材57に交差する交差方向桟部材58との組み合わせによる格子状部材によって構成されている。
このうち、メインステップ部3B、及びリアステップ部3Cに設けられる交差方向桟部材58は、ほぼ機体前後方向に沿って形成され、前車輪11F及び後車輪11Rが直進方向に向けられているか否かの指標としての役割をも果たしている。
このように、透視床部52が、運転座席15の座部中心、あるいは運転座席15の存在位置、もしくは運転座席15の近辺位置を起点とする放射方向に沿って放射状に並ぶ透孔56群により構成されていると、運転座席15の座部中心、あるいは運転座席15の存在位置、もしくは運転座席15の近辺位置から目視する運転者による、透視床部52を通して目視可能な領域の面積を極力拡張することができ、視認性の向上を図ることができる。
しかも、透視床部52の透孔56群を構成する放射方向桟部材57と交差方向桟部材58のうち、隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔は、隣り合う放射方向桟部材57同士の間隔よりも広く設定されている。
このように隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔が広く設定されていることにより、逆に隣り合う交差方向桟部材58同士の間隔が、隣り合う放射方向桟部材57同士の間隔よりも狭く、あるいは同程度に設定されている場合に比べ、運転座席15に搭座して透視床部52を目視する運転者の目視可能な領域の面積を狭める虞が少ない。したがって運転者の視認性をさらに向上し得る。
〔別実施形態の1〕
図7及び図8に示す株間変速機構94に代えて、図11及び図12に示す株間変速機構194を採用してもよい。以下では、図11に示す株間変速機構194(第一変速部194A,第二変速部194B)において、図7に示す株間変速機構94(第一変速部94A,第二変速部94B)と異なる部分について特に説明する。
図11及び図12に示すように、株間変速機構194では、図7及び図8に示される中間筒状体44が省略されて、筒状軸体43に後方筒状体145が取り付けられている。すなわち、図7における、中間筒状体44及び後方筒状体45が、図11における、後方筒状体145に相当する。筒状軸体43及び後方筒状体145が出力伝動軸体42に支持されることにより、筒状軸体43における後方筒状体145側の端部と、後方筒状体145における筒状軸体43側の端部45aとが接した状態で、筒状軸体43と後方筒状体145と出力伝動軸体42とが、同芯状に支持されている。
図11及び図12に示すように、後方筒状体145には3枚の従動変速ギヤ151,152,153が相対回転可能に支持されている。
従動変速ギヤ151は、従動変速ギヤ151の中心が後方筒状体145の中心から外れた偏芯ギヤであり、変速ギヤ131と咬合している。従動変速ギヤ152,153は、従動変速ギヤ152,153の中心が後方筒状体145の中心と一致した等速ギヤであり、変速ギヤ132,133と咬合している。
従動変速ギヤ151,153の一方及び他方に、雄側のスプライン部151a,153aが形成され、従動変速ギヤ152に、雌側のスプライン部152aが形成されている。従動変速ギヤ151のスプライン部151aと、従動変速ギヤ153のスプライン部153aとに亘って、従動変速ギヤ152のスプライン部152aが咬合するように、従動変速ギヤ152が従動変速ギヤ151,153の間に取り付けられている。
従動変速ギヤ151,152,153が、スプライン部151a,152a,153aにより互いに連結されて、一体で回転可能な状態で後方筒状体145に取り付けられている。後方筒状体145において従動変速ギヤ151,152,153が取り付けられる部分に、スプライン部は形成されていない。
従動変速ギヤ151,152,153の筒状軸体43側への移動を止めるリング状のストッパー部154が、後方筒状体145とは別体で構成されて、後方筒状体145における筒状軸体43側の端部に取り付けられている。
ストッパー部154が直接に接触して止める従動変速ギヤ151にリング状の凹部151bが形成されており、ストッパー部154が凹部151bに入り込んでいる。
シフトギヤ47における後方筒状体145側の端部に、リング状の凹部47dが形成されている。シフトギヤ47の第一歯部47aが従動側ギヤ48aに咬合する位置まで、シフトギヤ47が後方筒状体145側にスライド操作されると、シフトギヤ47(第二歯部47b)が、従動変速ギヤ151に略接する位置まで接近する。
受け板46aは、従動変速ギヤ153のスプライン部153bに一体で回転可能に取り付けられており、従動変速ギヤ151,152,153と一体で回転可能である。
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、運転部ステップ3の開口部111を閉塞する蓋部112が後側支点で開閉可能にした構成を例示したが、蓋部112は前側や左右方向の一方側を支点として開閉可能に構成してもよい。また、蓋部112は、開口部111から全体が着脱可能に構成されていてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、株間変速レバー77が第一変速レバー78及び第二変速レバー79によって構成される例示したが、株間変速レバー77は1つで構成されていてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、蓋部112が裏面側に複数の突起部117を有する構成を例示したが、蓋部112は裏面側に突起部117を有しない構成であってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の5〕
上記の実施形態では、走行機体1の後方に施肥装置9を備えた構造のものを例示したが、施肥装置9を備えない構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の6〕
上記の実施形態では、運転部ステップ3として、機体前後方向に分割可能な構造のものを例示したが、これに限らず、分割不能な一体構造の運転部ステップ3を採用したものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の7〕
上記の実施形態では、透視床部52を、フロントステップ部3Aと、メインステップ部3Bと、リアステップ部3Cと、の夫々に対して各左右両側に設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、フロントステップ部3Aのみ、メインステップ部3Bのみ、又はリアステップ部3Cのみに設けた構造のもの、あるいはフロントステップ部3Aとメインステップ部3Bのみ、メインステップ部3Bとリアステップ部3Cのみ、あるいはフロントステップ部3Aとリアステップ部3Cのみに設けるものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の8〕
上記の実施形態では、透視床部52を設けた部位では、すべての透視床部52が運転座席15の存在位置、もしくは運転座席15の近辺位置を起点とする放射方向に沿って放射状に並ぶ透孔56群により構成されている構造のものを例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、一部の透視床部52を、放射状にではなく、機体左右方向に長い長孔状の透孔56群で構成しても良い。この例では、長孔状の透孔56群をリアステップ部3Cのリアステップ板32の左側に設けた構造を示したが、リアステップ板32の右側にも同様の透視床部52を設けても良い。
特に、リアステップ部3Cでは、機体前後方向において、運転座席15に透視床部52がかなり近いので、機体左右方向に長い長孔状の透孔56群であっても、比較的容易に後車輪11Rの状況を視認し易い。
また、フロントステップ部3Aでは、透視床部52と運転座席15の前後方向位置は遠く離れる。このとき、運転座席15に着座して直進状態での運転者の視線の方向は、走行機体1の左右方向の中心線CLにほぼ沿う直前方である。そして、運転座席15の位置とフロントステップ部3Aにおける透視床部52の存在箇所を結ぶ仮想線分と、前記中心線CLとでなす角度は比較的小さく、直進状態での運転者の視線の方向からそれほど大きくは、ずれていない。
したがって、このフロントステップ部3Aにおいて、走行機体1の前後方向に沿って、機体前後方向に長い長孔状の透孔56群で透視床部52を構成しても、多少頭部を横移動させるなどすれば、比較的容易に前車輪11Fの状況を視認することができる。
このように透視床部52を設ける運転部ステップ3上の位置などに応じて、透視床部52の透孔56の配列状況を、放射状に並ぶ透孔56群のみならず、異なる形態の透孔56群と組み合わせて構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明は、実施の形態で示したような4条植え仕様の苗植付装置2を備えた乗用型田植機に限らず、異なる植付条数仕様の苗植付装置2を備えた乗用型田植機であったり、圃場に種籾を播種する直播機であったり、あるいは薬剤散布機などの、各種の水田作業機に適用することができる。
1 :走行機体
2 :苗植付装置
3 :運転部ステップ
3A :フロントステップ部
3B :メインステップ部
3C :リアステップ部
4 :施肥装置
8 :植付クラッチ
9 :施肥装置
10 :機体フレーム
11F :前車輪
11R :後車輪
12 :エンジン
13 :ミッションケース
13a :メインケース部
13b :株間ケース部
13c :分岐ケース部
15 :運転座席
20 :苗載せ台
21 :フィードケース
22 :植付駆動ケース
23 :苗植付機構
23a :植付爪
52 :透視床部
77 :株間変速レバー
78 :第一変速レバー
79 :第二変速レバー
94,194:株間変速機構
94A,194A:第一変速部
94B、194B:第二変速部
110 :株間変速操作部
111 :開口部
112 :蓋部
113 :フレーム部
114 :第一ガイド溝
115 :第二ガイド溝
116 :パターン表示部
117 :突起部
A :原動部
C :運転部

Claims (7)

  1. 植付爪の先端が循環回動軌跡を描いて苗載せ台と田面の間を上下方向に往復循環移動するように駆動される苗植付機構と、
    エンジンから前記苗植付機構に動力を伝達する動力伝達部に設けられ、走行速度に対する前記苗植付機構の駆動速度を変速する株間変速機構と、
    前記株間変速機構を操作する株間変速レバーと、
    運転座席と、
    前記運転座席の側方及び前方に設けられた運転部ステップと、を備え、
    前記運転部ステップが、機体左右方向に一体形成された樹脂体で構成されており、
    前記運転部ステップにおいて、前記運転座席の前方領域に開口部が形成され、
    前記株間変速レバーが前記開口部から操作可能に配置されており、
    前記開口部を閉塞して前記運転部ステップの一部となる樹脂製の蓋部が備えられ
    前記蓋部は、裏面側に複数の突起部と、前記複数の突起部同士を繋ぐリブと、を有し、
    前記開口部には、前記株間変速レバーのガイド溝と、前記複数の突起部に当接して閉塞状態の前記蓋部を支持するフレーム部と、が設けられている水田作業機。
  2. 前記開口部は、前記運転座席の機体左右方向の幅内に形成されている請求項1に記載の水田作業機。
  3. 前記蓋部は、機体後方側支点で前記開口部を開閉可能に構成されている請求項1又は2に記載の水田作業機。
  4. 前記株間変速レバーとして、機体左右方向に操作可能な第一変速レバーと、機体前後方向に操作可能な第二変速レバーと、を有し、
    前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に基づいて株間変速を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の水田作業機。
  5. 前記蓋部の下方に前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作位置に対応した情報が表示されるパターン表示部が設けられている請求項4に記載の水田作業機。
  6. 前記パターン表示部は、前記第一変速レバー及び前記第二変速レバーの操作範囲内に設けられている請求項5に記載の水田作業機。
  7. 前記開口部には、前記ガイド溝として、前記第一変速レバーの第一ガイド溝と、前記第二変速レバーの第二ガイド溝と、が設けられ、
    前記フレーム部は、前記第一ガイド溝と前記第二ガイド溝とを仕切る仕切り部を有し、
    前記仕切り部は、前記パターン表示部と前記運転部ステップとに亘って形成されている請求項5又は6に記載の水田作業機。
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