JP2014236712A - 乗用型移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】意に反した株間変速を防止するとともに、カバー体の強度アップを図る。【解決手段】株間変速レバー16、17を運転部22の床部で一段高くなった立設部27aに配置した乗用型田植機において、運転部22の床部に設けられるフロアステップ27に開口部27bを有し、該開口部27bから先端側が突出するように株間変速レバー16、17を配置し、該株間変速レバー16、17の左右揺動操作に応じて株間変速機構を変速動作させるにあたり、フロアステップ27の開口部27bの周辺で、かつ株間変速レバー16、17の左右両側方に、上方に突出して株間変速レバー16、17の左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部27cを備えるとともに、該凸部27cをフロアステップ27に一体成形した。【選択図】図4
Description
本発明は、株間変速機構を備えた乗用型田植機などの乗用型移植機に関する。
一般に、乗用型田植機などの乗用型移植機は、車速に対する植付機構の相対的な動作速度を変速する株間変速機構を備えている(例えば、特許文献1、2参照)。株間変速機構は、株間変速操作機構を介して株間変速レバーに連繋され、該株間変速レバーの揺動操作に応じて変速動作される。例えば、特許文献1に示される乗用型移植機では、運転部のカバー体(フロアステップ)に開口部を有し、該開口部から先端側が突出するように株間変速レバーを配置している。
ところで、特許文献1の乗用型移植機では、株間変速レバーを運転部の床部に配置するにあたり、オペレータが移動する際に株間変速レバーに足が当たらないように、床面よりも一段高い立設部(非歩行床面)に株間変速レバーを配置しているが、このような配置構成であっても、機体の運転中や苗補給の際には株間変速レバーに足が当たる可能性があった。そして、このとき株間変速レバーが揺動すると、意に反して株間が切り換えられたり、変速外れ(中立状態)を起こしてしまう惧れがあった。
なお、特許文献2のように、開口部から突出しないように株間変速レバーを配置したり、開口部をフロアマットで覆うことも可能であるが、このようにすると、株間変速レバーの操作性が低下するだけでなく、運転中に株間変速レバーの変速ポジションを目視で確認することが困難になるという問題があった。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、苗載台から苗を掻取って圃場に移植する植付機構と、株間変速レバーの揺動操作に応じて、前記植付機構の車速に対する相対的な動作速度を変速する株間変速機構と、運転座席、ステアリングハンドル及び前記株間変速レバーが配置される運転部とを備え、前記株間変速レバーを前記運転部の床部で一段高くなった立設部に配置した乗用型移植機において、前記運転部の床部に設けられるカバー体に開口部を有し、該開口部から先端側が突出するように前記株間変速レバーを配置し、該株間変速レバーの左右揺動操作に応じて前記株間変速機構を変速操作させるにあたり、前記カバー体の開口部周辺で、かつ前記株間変速レバーの左右両側方に、上方に突出して前記株間変速レバーの左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部を備えるとともに、該凸部を前記カバー体に一体成形したことを特徴とする。
また、前記カバー体の開口部周辺で、かつ前記株間変速レバーの左右両側方及び後方に前記凸部を備えることを特徴とする。
また、前記カバー体の開口部周辺で、かつ前記株間変速レバーの左右両側方及び後方に前記凸部を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、運転部の床部に設けられるカバー体に開口部を有し、該開口部から先端側が突出するように株間変速レバーを配置したものでありながら、カバー体の開口部周辺で、かつ株間変速レバーの左右両側方には、上方に突出して株間変速レバーの左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部が設けられるので、オペレータの足が左右方向から株間変速レバーに当たることを防止でき、その結果、意に反した株間変速を防止することができる。また、凸部は、カバー体に一体成形されるので、部品点数の増加がないだけでなく、開口部の周辺形状を立体化してカバー体の強度アップを図ることができる。
また、請求項2の発明によれば、カバー体の開口部周辺で、かつ株間変速レバーの左右両側方及び後方に凸部を備えるので、オペレータが移動する際に足が後方から株間変速レバーに当たることも防止できる。
また、請求項2の発明によれば、カバー体の開口部周辺で、かつ株間変速レバーの左右両側方及び後方に凸部を備えるので、オペレータが移動する際に足が後方から株間変速レバーに当たることも防止できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は乗用型田植機(乗用型移植機)の走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付作業機3が連結されている。植付作業機3は、昇降リンク機構2にローリング自在に連結される作業機フレーム4と、作業機フレーム4の上方に左右往復動自在に設けられる苗載台5と、作業機フレーム4から後方に延出する複数の植付伝動ケース6と、植付伝動ケース6の後端部に設けられる植付機構7と、植付伝動ケース6の下方に上下揺動自在に設けられるフロート8とを備えて構成される。
植付作業機3は、走行機体1側から入力した植付動力を、複数の植付伝動ケース6に伝動し、さらに、植付伝動ケース6に伝動された植付動力は、植付伝動ケース6内の伝動機構を介して植付機構7に伝動される。植付機構7は、植付動力で回転する回転ケース9と、その両端部に設けられる一対の植付爪支持ケース10とを備えて構成される。植付爪支持ケース10は、先端部に備える植付爪が所定の軌跡を描くように、回転ケース9に内装されるギヤ列で姿勢がコントロールされる。
つまり、回転ケース9が回転すると、植付爪が苗載台5の下端部から苗を掻取った後、前方に膨らむ円弧を描きながら土中の植付位置に達し、その後、直線的に上昇するという半月状の静止軌跡(走行停止時の先端運動軌跡)を描くように構成されている。これにより、回転ケース9が一回転する毎に二回の植付けが実行される。植付機構7の植付動作速度は、車速に連動しており、車速に対する相対的な植付動作速度を変速することによって、植付機構7の植付株間が調節される。
図1及び図2に示すように、走行機体1は、エンジン(図示せず)が搭載されるエンジン搭載部11と、エンジン動力を変速するトランスミッションケース12と、フロントアクスルケース(図示せず)で支持される左右一対の前輪13と、リヤアクスルケース14で支持される左右一対の後輪15とを備える。エンジン動力は、主変速機構である無段変速機構(図示せず)を介してトランスミッションケース12に入力され、ここで変速された動力が植付作業機3、前輪13及び後輪15に伝動される。
トランスミッションケース12内には、走行動力伝動経路と植付動力伝動経路が構成されており、植付動力伝動経路には、図示しない株間変速機構、トルクリミッタ及び植付クラッチ機構が設けられている。株間変速機構は、車速に対する植付機構7の相対的な動作速度を変速する変速機構であり、後述する株間変速レバー16、17の操作に応じて植付動力を段階的に変速させる。トルクリミッタは、植付機構7の負荷に応じて植付動力を自動的に入り/切りさせ、植付クラッチ機構は、植付操作具(図示せず)の操作に応じて植付動力を入り/切りさせる。
エンジン搭載部11は、エンジン、ラジエータ、冷却ファンなどが収容されるエンジンルームと、エンジンルームの前方を覆うフロントグリル18と、エンジンルームの左右両側方を覆うサイドカバー19と、エンジンルームの後方を覆う後カバー20と、エンジンルームの上方を開閉自在に覆うボンネットカバー21とを備える。
走行機体1は、エンジン搭載部11の後方に、オペレータが乗車する運転部22を備える。運転部22は、運転座席23や、ステアリングハンドル24、主変速レバー25、クラッチ・ブレーキペダル26、株間変速レバー16、17、植付操作具などの各種操作具を備えて構成されており、運転座席23の前下方には、運転部22の床部を形成するフロアステップ27(カバー体)が設けられている。
図3及び図4に示すように、本実施形態のフロアステップ27は、その前端部(後カバー20の近傍位置)に一段高くなった立設部27aを有しており、その上面には開口部27bが形成されている。前記株間変速レバー16、17は、フロアステップ27の開口部27bから先端側が突出するように配置され、運転座席23側から操作されるとともに、その操作ポジションを運転座席23側から容易に視認可能であるが、このように株間変速レバー16、17を配置すると、機体の運転や苗補給の際、オペレータの足が開口部27bの上方を通過することがあり、このとき足が左右方向から株間変速レバー16、17に当たると、株間変速レバー16、17が揺動し、意に反して株間が切り換えられたり、変速外れ(中立状態)を起こしてしまう惧れがある。以下、このような問題を解決するための具体的な構成について説明する。
株間変速レバー16、17は、前後に並ぶように配置されており、それぞれ左右方向の揺動操作に応じて株間変速機構を変速動作させ、その組み合せで多段の株間変速が可能になる。開口部27bの内側には、各株間変速レバー16、17が貫通する長孔状のレバーガイド孔28a、28bを備えたレバーガイド28が設けられている。各レバーガイド孔28a、28bの前方位置には、各株間変速レバー16、17の変速段(設定株間)を示す株間表示部28cが設けられており、この株間表示部28cを参照しつつ株間変速レバー16、17による株間変速操作が行なわれる。
フロアステップ27は、開口部27bの周辺で、かつ株間変速レバー16、17の左右両側方に、フロアステップ27(立設部27a)から上方に突出して株間変速レバー16、17の左右両側方を全体的又は部分的に覆う左右一対の凸部27cを一体に備える。このような凸部27cによれば、オペレータが移動する際に足が直接株間変速レバー16、17に当たることを防止できるので、意に反した株間変速を防止することができる。
また、本実施形態では、一段高くなった立設部27aの上面に開口部27bを形成し、ここから株間変速レバー16、17の先端側を突出させているので、オペレータが移動する際に足が直接株間変速レバー16、17に当たる可能性をより一層低下させることができる。
しかも、凸部27cは、樹脂成形品であるフロアステップ27に一体成形されるので、部品点数の増加がないだけでなく、開口部27bの周辺形状を立体化してフロアステップ27の強度アップを図ることも可能になる。
ちなみに、本実施形態の凸部27cは、内側面を直立状の平面とし、外側面を外側ほど低くなる傾斜状の曲面とすることにより、オペレータの移動に際して可及的に邪魔にならないようにしているが、凸部27cの形状は適宜変更することができる。
叙述の如く構成された本実施形態によれば、苗載台5から苗を掻取って圃場に移植する植付機構7と、株間変速レバー16、17の揺動操作に応じて、植付機構7の車速に対する相対的な動作速度を変速する株間変速機構と、運転座席23、ステアリングハンドル24及び株間変速レバー16、17が配置される運転部22とを備え、株間変速レバー16、17を運転部22の床部で一段高くなった立設部27aに配置した乗用型田植機において、運転部22の床部に設けられるフロアステップ27に開口部27bを有し、該開口部27bから先端側が突出するように株間変速レバー16、17を配置し、該株間変速レバー16、17の左右揺動操作に応じて株間変速機構を変速動作させるにあたり、フロアステップ27の開口部27bの周辺で、かつ株間変速レバー16、17の左右両側方に、上方に突出して株間変速レバー16、17の左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部27cを備えるとともに、該凸部27cをフロアステップ27に一体成形したので、オペレータの足が左右方向から株間変速レバー16、17に当たることを防止でき、その結果、意に反した株間変速を防止することができる。また、凸部27cは、フロアステップ27に一体成形されるので、部品点数の増加がないだけでなく、開口部27bの周辺形状を立体化してフロアステップ27の強度アップを図ることができる。
以上、本発明の乗用型移植機について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る乗用型移植機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、フロアステップ27の開口部27bの周辺で、かつ株間変速レバー16、17の左右両側方に、上方に突出して株間変速レバー16、17の左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部27cを形成しているが、図5に示すように、さらに株間変速レバー16、17の後方にも凸部27dを形成してもよい。このようにすると、オペレータが移動する際に足が後方から株間変速レバー16、17に当たることも防止できる。
また、前記実施形態の乗用型田植機では、2本の株間変速レバー16、17を備えるが、株間変速レバーの本数は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。また、フロアステップ27における立設部27aの有無は任意に選択することができる。
1 走行機体
3 植付作業機
5 苗載台
7 植付機構
12 トランスミッションケース
16 株間変速レバー
17 株間変速レバー
22 運転部
23 運転座席
24 ステアリングハンドル
27 フロアステップ
27a 立設部
27b 開口部
27c 凸部
27d 凸部
3 植付作業機
5 苗載台
7 植付機構
12 トランスミッションケース
16 株間変速レバー
17 株間変速レバー
22 運転部
23 運転座席
24 ステアリングハンドル
27 フロアステップ
27a 立設部
27b 開口部
27c 凸部
27d 凸部
Claims (2)
- 苗載台から苗を掻取って圃場に移植する植付機構と、
株間変速レバーの揺動操作に応じて、前記植付機構の車速に対する相対的な動作速度を変速する株間変速機構と、
運転座席、ステアリングハンドル及び前記株間変速レバーが配置される運転部とを備え、
前記株間変速レバーを前記運転部の床部で一段高くなった立設部に配置した乗用型移植機において、
前記運転部の床部に設けられるカバー体に開口部を有し、該開口部から先端側が突出するように前記株間変速レバーを配置し、該株間変速レバーの左右揺動操作に応じて前記株間変速機構を変速動作させるにあたり、
前記カバー体の開口部周辺で、かつ前記株間変速レバーの左右両側方に、上方に突出して前記株間変速レバーの左右両側方を全体的又は部分的に覆う凸部を備えるとともに、該凸部を前記カバー体に一体成形したことを特徴とする乗用型移植機。 - 前記カバー体の開口部周辺で、かつ前記株間変速レバーの左右両側方及び後方に前記凸部を備えることを特徴とする請求項1に記載の乗用型移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121734A JP2014236712A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 乗用型移植機 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013121734A Pending JP2014236712A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 乗用型移植機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017212942A (ja) * | 2016-06-01 | 2017-12-07 | 井関農機株式会社 | 作業車両 |
JP2020145965A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | 株式会社クボタ | 水田作業機 |
-
2013
- 2013-06-10 JP JP2013121734A patent/JP2014236712A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020145965A (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | 株式会社クボタ | 水田作業機 |
JP7138592B2 (ja) | 2019-03-13 | 2022-09-16 | 株式会社クボタ | 水田作業機 |
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