JP6504948B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
[1] ミッションケースから機体後方へ向けて延出された走行伝動軸の途中に、施肥駆動ケースを配備し、走行伝動軸の途中から施肥装置へ向けて駆動力を分岐伝動できるようにしてある。施肥駆動ケースはミッションケースから離れた機体後方側に位置して、機体フレームに取り付けられている(特許文献1参照)。
[2] 走行機体に対する制動を行うためのブレーキ装置をミッションケース内に備え、そのブレーキ装置を操作するためのブレーキペダルを揺動自在に枢支するブレーキ操作軸を左右のメインフレームにわたって設けている(特許文献2参照)。
[3] ミッションケース内にデフロック機構を備え、そのデフロック機構を、ミッションケース内に一端側を挿入したデフロックピンの回動操作でミッションケースの外部からの操作で行えるようにしている(特許文献3参照)。
しかしながらこの構造では、施肥駆動ケースがミッションケースから大きく離れた機体後方側で機体フレームに支持されているものであるため、機体フレームとして、施肥駆動ケースを支持し易い構造のものが要求される、もしくは、施肥駆動ケースを支持するための専用の取付部材と装備する必要があって、設計上の自由度が制限されたり、専用部品の追加による構造の複雑化を招きやすい点で改善の余地がある。
しかしながらこの構造では、ブレーキ操作軸の左右方向での取付位置を安定的に維持させるための何らかの支持構造が必要であり、その支持構造を要することによる構造上の複雑化を招きやすい点で改善の余地がある。
そして、ミッションケースから延出された動力取り出し軸を支持するボス部に、施肥駆動ケースを連結するための取付座部を一体形成してあるので、この取付座部をボス部から離して個別にミッションケース外面から突設させた場合に比べて、取付座部の強度を向上し得る利点がある。
したがって、比較的コンパクトにミッションケースに対する施肥駆動ケースの取り付けを行い易く、かつ施肥駆動ケースへの入力軸となる走行用動力取り出し軸と施肥駆動ケースとの相対位置関係を精度良く規定して、円滑な動力伝達が行える状態にミッションケースと施肥駆動ケースとの組み付けを行い易いものである。
かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の一方側に位置する第一取付座部と、左右方向で前記作業用動力取り出し軸と前記施肥動力取り出し軸との間に位置する第二取付座部と、上下方向で前記施肥動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸との中間に位置し、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の他方側に位置する第三取付座部とを備え、これらの3箇所の取付座部同士を結ぶ線分が、前後方向視で三角形状となるように配置されたものであると好適である。
また、走行用動力取り出し軸よりも上方位置に作業用動力取り出し軸を備えることで、駆動車輪位置を越えて後方側への動力伝達を行い易いものである。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した乗用型田植機などの走行機体1の作業走行時における前進側の進行方向(図1及び図6における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1及び図6における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図6における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図6における矢印L参照)が「左」である。
図1に、地面に対して苗植え付けを行う苗植付装置又は地面に対して種籾を播く直播装置などの作業装置(植播系作業装置)を備えた水田作業機の一例としての乗用型田植機の左側面が示されている。
この乗用型田植機は、機体フレーム10の下方に、走行駆動装置として左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪11Fと、左右一対の駆動自在な後輪11Rとを備え、機体フレーム10に搭載されたエンジンEからの動力を受けて、前記前輪11Fと後輪11Rとが駆動される自走式の走行機体1を備えている。
運転座席12の後部には、施肥装置4が搭載されている。施肥装置4は、肥料タンク40に貯留させた肥料を、図示しない繰り出し装置から所定量ずつ繰り出して、図示しない供給経路を経て苗植付装置2に装備した作溝器41へ送り込み、圃場へ供給するように構成されている。走行機体1の後方側には、昇降作動用の油圧シリンダ26を有したリンク機構25を介して苗植付装置2が昇降自在に支持されている。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
図2乃至図4に示されるように、機体フレーム10の左右一対の前後方向に長い前後向きフレーム10A,10Aの下側でミッションケース3の後端近くに、第一支持ブラケット10Bを下向き姿勢で固定してある。また、ミッションケース3と後車軸ケース19との中間位置で前後向きフレーム10A,10Aの下側に、第一支持ブラケット10Bよりも短い第二支持ブラケット10Cを下向き姿勢で固定してある。
これによって、後車軸ケース19は、左右の短い上部リンク36及び長い下部リンク35によって、第一支持ブラケット10Bの下端部の揺動支点x1、及び第二支持ブラケット10Cに備えた揺動支点x2の、2つの揺動支点x1,x2回りで上下揺動するように連結されている。
エンジンEの動力は、ミッションケース3に入力され、ミッションケース3内で、前輪11F、及び後輪11R等を駆動するための走行駆動系と、作業装置としての苗植付装置2又は播種装置(図示せず)を駆動するための作業装置駆動系とに分岐して出力される。
まず、走行駆動系の伝動構造について説明する。
図6、及び図8に示されるように、ミッションケース3の左右両横側には、左右一対の前車軸ケース3Aが備えられている。前車軸ケース3Aには、上記前輪11Fが上下方向に沿う軸心周りに回動して操向自在となるように支持されている。
静油圧式無段変速装置61は、中立停止位置を有し、中立停止位置から前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されている。
図8に示すように、エンジンEの動力は、ベルト伝動機構61cを介して、静油圧式無段変速装置61の変速入力軸61aに伝達されるようになっている。変速入力軸61aのベルト伝動機構61cの反対側に位置する部分と、変速出力軸61bは、ケース本体30の内部に入り込むように配置されている。
第二シフトギヤ68をシフト操作することにより、中径ギヤ65bと第二高速ギヤ68aとの噛み合いと、小径ギヤ65cと第二低速ギヤ68bとの噛み合いとのいずれかを選択して、第二伝動軸65から第三伝動軸67へ動力を伝達できる。つまり、第二シフトギヤ68と、第二伝動軸65の中径ギヤ65b及び小径ギヤ65cとによって第二副変速機構60B(副変速機構に相当する)が構成されている。そして、第三伝動軸67には、伝動ギヤ69が固定されている。また、第三伝動軸67には、第一ベベルギヤ70が固定されている。
ミッションケース3の後部には、走行出力軸74に回転抵抗を与えて走行機体1を制動することが可能なブレーキ78が内装されている。このブレーキ78は、後述するブレーキ操作機構5によって人為操作可能に構成されている。
ミッションケース3に伝達されたエンジンEの動力は、上述した走行駆動系とは別に、作業装置であるところの苗植付装置2へ動力を伝達する植付装置駆動系と、作業装置であるところの施肥装置4に対して駆動力を伝達する施肥装置駆動系とに分岐伝動される。
このうち、苗植付装置2への駆動力の分岐は、第二伝動軸65に備えた作業用出力ギヤ27(図8参照)を介して行われる。作業用出力ギヤ27に伝えられた動力は、ミッションケース3内に備えられた図示しない適宜伝動機構を経て植付出力軸28(動力取り出し軸、及び作業用動力取り出し軸に相当する;図3,4参照)からミッションケース3外へ導出され、植付動力伝達軸29を経て苗植付装置2に伝達される。
図4及び図8に示されるように、ミッションケース3の後部側には、ミッションケース3とは別体で構成された施肥駆動ケース80が設けられている。
この施肥駆動ケース80に前記走行出力軸74が挿通されて、走行出力軸74の動力が施肥用PTO軸85(施肥動力取り出し軸に相当する)に伝えられるように構成されている。
施肥駆動ケース80は、後述するように、ミッションケース3の後部側に、取付ボルト等を介して連結固定されている。
したがって、施肥駆動ケース80の左上方側への張り出しが少ないので、その左上方側の領域を有効利用して植付出力軸28が、機体フレーム10の下方側で下部リンク35よりも上方側の箇所にコンパクトに配設される。つまり、ミッションケース3から延出される植付出力軸28が、上部リンク36の揺動支点x2よりも高い位置で、機体フレーム10の上下方向幅内に設けられている。
図5及び図9に示すように、施肥駆動ケース80は、前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとの、前後で分割されたケース部分の組み合わせで構成されている。この前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとは、施肥駆動ケース80の外周縁近くの周縁フランジ部80Aa,80Baの複数箇所に備えた連結ボルト80Cで互いに連結されている。
後側ケース部分80Bの上部には後側ケース部分80Bのケース壁の一部が後方側へ向けて筒状に延出され、施肥クラッチ90を内装するための膨出部86となっている。さらに、膨出部86の下部には、施肥クラッチ90のクラッチ操作軸93を枢支するための軸保持部87が後側ケース部分80Bと一体に形成されている。
クラッチ部材91の前記押圧バネ92に対向する側とは反対側の端部には、出力ギヤ84の一部に形成された係合歯部84aに対して出退することにより、係脱可能な噛み合い歯91aが形成されている。
クラッチアーム94は、図2に示すように、運転座席12の横側方に配備した施肥切換レバー96に、適宜操作ロッド及びリンク部材等で構成される連係機構95を介して連結されている。したがって、施肥切換レバー96を前後に揺動操作することによって、連係機構95を介してクラッチアーム94を、クラッチ操作軸93の軸心y1回りで回動させ、施肥クラッチ90の入り切り操作を行えるように構成されている。
さらに、前記ベアリング97や分岐ギヤ81aの存在する箇所よりも、軸受ボス部82の前後両方向での端部側寄りの箇所に、シール材98を装着してあり、筒状入力軸81の外周面側が施肥駆動ケース80の内部空間を密閉するための部材として利用されている。
したがって、筒状入力軸81から走行出力軸74が引き抜かれた状態であっても、施肥駆動ケース80の内部に封入されている潤滑油が外部へ漏れ出すことを回避できる。
図5及び図9に示すように、施肥駆動ケース80は、前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとを連結する連結ボルト80Cの他に、この施肥駆動ケース80自体をミッションケース3に対して連結固定するための取付ボルト80Dの装着部88を備えている。
装着部88は、ミッションケース3に近い前側ケース部分80Aの外周部に形成されている周縁フランジ部80Aaのうちの3箇所に設けてあり、後側ケース部分80Bの周縁フランジ部80Baは、この装着部88が存在する箇所に対向する箇所を外れた箇所に形成されている。
支持脚部89の内部にはボルト挿通孔(図示せず)が形成されており、そのボルト挿通孔(図示せず)に取付ボルト80Dを挿入して、この取付ボルト80Dを、ミッションケース3の後面側に形成されている取付座部32のねじ穴33に螺合可能に構成してある。したがって、取付座部32のねじ穴33に取付ボルト80Dを螺合させることにより、施肥駆動ケース80をミッションケース3に対して連結固定できるように構成されている。
施肥用PTO軸85は、図4に示すように、上下方向で植付出力軸28よりも少し高い位置にあり、走行出力軸74に対しては、上下方向で植付出力軸28の変位した側と同じ一方側(上方側)に変位した状態で設けられている。
この第三取付座部32Cは、走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aから右下方向きに延出されたリブ部分34を介して第一ボス部31Aと一体に形成されている。
ミッションケース3に内装されているブレーキ78を操作するためのブレーキ操作機構5は次のように構成されている。
図2、図4、及び図6に示すように、ブレーキ操作機構5は、ブレーキペダル50と、ブレーキペダル50を揺動自在に支持するブレーキ操作軸51(回転操作軸に相当する)と、ブレーキ軸52と、前記ブレーキ操作軸51とブレーキ軸52とを連係作動させるための連係機構53とを備えている。
筒状部50dは、図示しない連結ピンでブレーキ操作軸51と一体回動するように連結されている。
そして、前支持杆50bと後支持杆50cとを筒状部50dに固定し、後支持杆50cの端部とブレーキ操作アーム50eの延出端側とを連結することにより、ブレーキペダル50を揺動自在に枢支する揺動軸心x3を備えたブレーキ操作軸51の周辺部において、枠組み状の取付部が構成されるようにして、ブレーキペダル50の取付強度を向上させている。
そして、前支持杆50bや後支持杆50cの軸線方向と、ブレーキ操作軸51に外嵌する筒状部50dの軸線方向とは、互いにほぼ直交する方向で交差している。このため、前支持杆50bや後支持杆50cの円弧状周面と、筒状部50dの円弧状周面とが交差する箇所では、ほぼ点接触に近い状態での接触状態となる。
このような接触箇所では、溶接して接合させる際の溶接代が極端に少なくなるので、この発明では、前記接続板50fを互いの接触箇所に挟まれた状態に介在させることによって、前支持杆50bや後支持杆50cと接続板50fとの間ではほぼ線接触状態となり、筒状部50dと接続板50fとの間でもほぼ線接触状態となる。これによって、前支持杆50bや後支持杆50cの長手方向、及び筒状部50dの長手方向に沿う十分な溶接長を確保でき、所要の接続強度を確保し易くなる。
この操作体57は、その後端側が、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態にあることを検出するためのセンサースイッチ58に対する接触部57aとして機能するように用いられている。つまり、ブレーキペダル50が踏み込み操作されると、ブレーキ操作軸51が回動し、操作体57の接触部57aがセンサースイッチ58を押し込んで、ブレーキペダル50が踏み込み操作されたことを検知できるように構成されている。
この操作体57及びセンサースイッチ58が、ブレーキペダル50の踏み操作に伴うブレーキ操作軸51の回転角度を検出する制動操作検出装置56を構成しており、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態であるか否かが電気的に検出されるように構成してある。
このように一つの操作体57の別々の箇所が、ストッパー部10Baに当接する部位と、センサースイッチ58に当接する部位とに利用されるようにして、部品点数の削減と装置の小型化を図り得たものである。
図3乃至図5、及び図10に示されるように、ブレーキ操作軸51には、左右方向での中間位置に、ブレーキ操作軸51と一体回動する腕杆51aが上向きに立設されている。
この腕杆51aの遊端部と、前後向きフレーム10A,10Aに固定された係止片10Aaとの間に前記復帰バネ55が張設されていて、ブレーキペダル50の踏み込み後の戻り付勢を行うように構成されている。
ブレーキ軸52の前記支持孔に挿入された一端側には、図示しないがブレーキ78の摩擦板を押圧する押圧操作部が備えられていて、ブレーキ軸52の回動操作に伴って押圧操作部が作動し、走行出力軸74に対して制動を与えられるように構成されている。
これによって、ブレーキペダル50を踏み込むと、後支持杆50cがブレーキ操作アーム50eをブレーキ操作軸51の揺動軸心x3回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。これに伴って連係ロッド54が連係用アーム部52aの遊端部をブレーキ軸52の軸心回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。
このとき、ブレーキ軸52に備えた押圧操作部では、押圧操作部がブレーキ78の摩擦板を押圧して、摩擦板を装着した走行出力軸74に制動力が付与される。ブレーキペダル50の踏み込みを解除すると、復帰バネ55がブレーキペダル50を戻り側へ揺動復帰させ、連係ロッド54に連係されたブレーキ軸52も、押圧操作部がブレーキ78の摩擦板から離れる側へ逆回転し、走行出力軸74の制動が解除される。
上記のブレーキペダル50の筒状部50dから延出されたブレーキ操作アーム50eと、ブレーキ軸52の他端側に設けた連係用アーム部52aと、そのブレーキ操作アーム50eと連係用アーム部52aとを連結する連係ロッド54とを備えることによって連係機構53が構成されている。
この軸挿通用空間S1は、ケース本体30の後面と施肥駆動ケース80の前面との間における前後方向間隔と、ミッションケース3側の第一ボス部31Aに支持された走行出力軸74と第二ボス部31Bに支持された植付出力軸28との間における上下方向間隔とに相当する大きさを有したものであり、その空間内部を通して前記ブレーキ操作軸51が挿通されている。
そして、各第一支持ブラケット10B,10Bよりも横外側に突出するブレーキ操作軸51の両軸端部のうち、右横外側の軸端部にブレーキペダル50の筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eが装着され、左横外側の軸端部には制動操作検出装置56の操作体57が装着されている。
したがって、筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eの横内側面や、操作体57の横内側面は、第一支持ブラケット10B,10Bの横外側面の全体に対してではなく、カラー59との当接箇所でのみ摺接することになる。
図4に示すように、ミッションケース3の後部には、ケース本体30内に備えたデフ機構72をミッションケース3の外部から操作可能にするためのデフ操作機構100が設けられている。
このデフ操作機構100は、ケース本体30内のデフ機構72を操作するためのデフロックピン101と、そのデフロックピン101を回動操作するための操作体102とを備え、さらに、運転部フロア14に存在するデフロックペダル103と前記操作体102とを連係する操作ロッド104を備えている。
前記デフロックピン101は、一端側をケース本体30の内方側へ挿入した状態でケース本体30の後面側に備えられ、そのデフロックピン101のケース本体30外への突出端側に前記操作体102が備えられている。
したがって、操作ロッド104のうち、デフロックペダル103との接続箇所から前記屈曲箇所に至る範囲の操作ロッド104の上部側は、直下方に向けて垂下された姿勢にある。そして、前記屈曲箇所から、デフロックピン101に備えた操作体102との連結箇所に至る範囲の操作ロッド104の下部側は、下端に至るほど左右方向での横外側に位置するように傾斜した姿勢になっている。
したがって、デフロックピン101に備えた操作体102と操作ロッド104との連結箇所の直上位置に、デフロックペダル103と操作ロッド104との接続箇所が存在するように配置させる必要がない。これによって、デフロックペダル103を操作し易い任意の位置に配置し易い。
抜け止め機構105は、次のように構成されている。
つまり、デフロックピン101のうち、ケース本体30の内方側へ挿入されている側の端部とは反対側の端部が、筒ボス部分30Aに枢支されている部位よりも小径の軸部分に形成されており、この小径の軸部分に抜け止め用カラー106が外嵌されている。そして、抜け止め用カラー106よりもデフロックピン101の前記反対側の端部寄りの箇所で、前記筒ボス部分30Aの内周面に周溝30Aaが形成され、その周溝30Aaに穴用止め輪107が装着されている。
また、穴用止め輪107よりもケース本体30の外方側におけるデフロックピン101の外周面と筒ボス部分30Aの内周面との間にはシール材108が装着されている。
具体的には、まず、最外側のシール材108を外したのち、穴用止め輪107を縮径させて筒ボス部分30Aの周溝30Aaから取り外すことにより、抜け止め用カラー106とともにデフロックピン101を筒ボス部分30Aから抜き出すことができる。
上記の実施形態では、取付座部32を一体形成した動力取り出し軸を支持するボス部31として、走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aと、作業用動力取り出し軸としての植付出力軸28を支持する第二ボス部31Bとの両方を備えた構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bの何れか一方のみに取付座部32を一体形成したものであってもよく、また、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bの何れか一方のみに一体形成した取付座部32と、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bに一体形成されていないところの、施肥駆動ケース80を連結するために形成された専用の取付座部32との組み合わせで構成されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、取付座部32として、第一取付座部32Aと、第二取付座部32Bと、第三取付座部32Cとの3箇所で、取付座部32を三角配置した構造のものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、取付座部32を4箇所以上の箇所に備えて、三角配置ではない配置構造であるものを採用してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、ミッションケース3から延出された動力取り出し軸のうち、走行出力軸74が下方で、植付出力軸28が上方に位置する構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、走行出力軸74が上方で、植付出力軸28が下方に位置する構造のものであってもよい。また、植付出力軸28に限らず、苗植付装置2以外の作業装置に動力を伝える作業用動力取り出し軸を備えた構造のものであっても良く、その作業用動力取り出し軸が、走行出力軸74よりも下方に位置する構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、ブレーキペダル50の踏み込み動作に連動して制動操作検出装置56の操作体57を回転操作するための回転操作軸として、ブレーキペダル50の揺動支点となるブレーキ操作軸51を用いた構造のものを例示したが、この構造に限られたものではなく、例えば、ブレーキ操作軸51とは別の軸を用いて、ブレーキペダル50の踏み込み動作を操作体57に伝えるようにしたものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
2 苗植付装置(作業装置)
3 ミッションケース
4 施肥装置
10A,10A メインフレーム
11F,11R 走行駆動装置
28 作業用動力取り出し軸(動力取り出し軸)
30A 筒ボス部分
31 ボス部
31A 第一ボス部
31B 第二ボス部
32 取付座部
32A 第一取付座部
32B 第二取付座部
32C 第三取付座部
50 ブレーキペダル
50e ブレーキ操作アーム
51 ブレーキ操作軸(回転操作軸)
56 制動操作検出装置
57 操作体
58 センサースイッチ
59 カラー
72 デフ機構
74 走行用動力取り出し軸
80 施肥駆動ケース
81 筒状入力軸
82 軸受ボス部
S1 軸挿通用空間
98 シール材
101 デフロックピン
102 操作体
103 デフロックペダル
104 操作ロッド
106 抜け止め用カラー
107 穴用止め輪
108 シール材
Claims (4)
- 走行駆動装置と、
苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、
走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、
そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを備え、
前記ミッションケースから、前記作業装置へ駆動力を伝達する作業用動力取り出し軸と前記走行駆動装置へ駆動力を伝達する走行用動力取り出し軸が延出され、
前記ミッションケースの外面に、前記走行用動力取り出し軸を支持する第一ボス部と、前記作業用動力取り出し軸を支持する第二ボス部と、で構成されたボス部が形成され、
そのボス部に、前記施肥駆動ケースを連結するための取付座部を一体形成してある水田作業機。 - 前記第一ボス部と前記第二ボス部とが互いに接続された状態で一体に形成されている請求項1記載の水田作業機。
- 前記作業用動力取り出し軸と前記施肥駆動ケースに備えた施肥動力取り出し軸とは、前記走行用動力取り出し軸に対して上下方向での同じ一方側に変位して、その走行用動力取り出し軸に対する上下高さの異なる位置に配設されているとともに、
前記施肥駆動ケースに備えた施肥動力取り出し軸と前記作業用動力取り出し軸とは水平方向で互いに異なる位置に配設され、
前記取付座部は、上下方向で前記作業用動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸との中間に位置し、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の一方側に位置する第一取付座部と、
上下方向で前記走行用動力取り出し軸よりも前記作業用動力取り出し軸又は前記施肥動力取り出し軸に近い位置で、かつ左右方向で前記作業用動力取り出し軸と前記施肥動力取り出し軸との間に位置する第二取付座部と、
上下方向で前記作業用動力取り出し軸又は前記施肥動力取り出し軸よりも前記走行用動力取り出し軸に近い位置で、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の他方側に位置する第三取付座部とを備え、
これらの3箇所の取付座部同士を結ぶ線分が、前後方向視で三角形状となるように配置されたものである請求項1又は2記載の水田作業機。 - 前記作業用動力取り出し軸が前記走行用動力取り出し軸よりも上方位置に配設されている請求項1〜3のいずれか一項記載の水田作業機。
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