次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は乗用型田植機(以下、単に「田植機」と略す)に適用している。以下の説明では方向を特定するために「前後」「左右」の文言を使用するが、これらの文言は、請求項でも特定しているように、前進方向を向いて着座した運転者の向きを基準にしている。
(1).第1実施形態に係る田植機の概要
まず、概ね図1〜図9を中心にして第1実施形態に係る田植機(4条植田植機)の概要を説明する。図1及び図2から容易に理解できるように、田植機は主要部分として走行車体1と苗植装置2とを有している。走行車体1は左右の前輪3及び後輪4で支持されている。
走行車体1は操縦エリアを有しており、この操縦エリアに、運転者が腰掛ける背もたれ付き座席5や、座席5の前方に配置された操縦ハンドル6が配置されている。座席5と操縦ハンドル6は走行車体1の左右中間位置に配置されている。操縦ハンドル6は、前後2つ割り式のボンネット7,8(図3,4参照)で覆われた操縦機構部9に設けている。また、座席5の前方で左右両側には予備苗台10を設けており、座席5の後ろには施肥装置11を設けている。
例えば図5から理解できるように、走行車体1は、前後方向に延びる左右の角形鋼管製サイドフレーム12と、左右のサイドフレーム12をその前端寄り部位において連結したフロントフレーム13と、左右サイドフレーム12の後端に連結された左右長手のリアフレーム14とを有している。これらサイドフレーム12とフロントフレーム13とリアフレーム14とを主要部材として、走行車体1の骨組みの一環を成す車体フレーム(シャーシ)が構成されている。
例えば図5に示すように、左右のサイドフレーム12には左右横長で外向きに突出した外向き枝フレーム15が溶接によって固着されており、手前に位置した2本の外向き枝フレーム15に予備苗台10(図2参照)が取り付けられている。また、サイドフレーム12の左右外側には前後方向に延びる補助フレーム16が平面視で平行に配置されている。補助フレーム16は外向き枝フレーム15に溶接されている。
サイドフレーム12は、ほぼ前後中間部を境にして略前半部は略水平姿勢になって後半部は後傾姿勢となるように屈曲しており、概ね屈曲部の上方部に座席5を配置している。また、例えば図4から理解できるように、側面視でサイドフレーム12における傾斜部の下方に位置した部位にはエンジン17が配置されており、エンジン17の手前でかつサイドフレーム12より低い位置には、走行変速装置を構成するミッションケース18が配置されている。
エンジン17は、クランク軸が左右方向に延びる姿勢でかつシリンダボアは後傾した姿勢で配置されている。他方、ミッションケース18の前部の左右側面にはフロントアクスル装置21が取り付けられており、エンジン17の動力はプーリ及びベルト22で伝達される。フロントアクスル装置21で前輪3が回転自在に支持されている。
図2及び図8から理解できるように、エンジン17及び座席5は概ね走行車体1の左右中間部に配置されている。図1に示すように、座席5とエンジン17との間には燃料タンク23が配置されている。座席5の左右両側及び後ろ側は人が乗り降りできる肩部になっており、この肩部の後部箇所に施肥装置11が配置されている。
図4に示すように、エンジン17の後ろにはリアアクスルケース24が配置されており、リアアクスルケース24に後輪4を取り付けている。なお、泥土が深い圃場の場合は後輪4に補助輪を取り付けることがある。リアアクスルケース24とリアフレーム14とは、左右2本のリア支柱25で連結されている。本願発明との関連は薄いので詳細は省略するが、苗植装置2がリンク機構及び油圧シリンダを介して昇降することは従来と同様である。
図3に示すように、走行車体1のうち人が載る部分は、樹脂製の車体カバー26で覆われている。従って、車体カバー26は段付き形状になっており、かつ、操縦エリアのフロアー部(床)26aは車体カバー26で構成されている。本実施形態の車体カバー26は、フロアー部26aを有する下部と肩部を構成する上部との上下2分割方式になっているが、一体構造とすることも可能である。
図7(B)から理解できるように、車体カバー26のフロアー部26aは下向きに開口した略シェル状の構造になっており、下面には多数の補強リブ27が形成されている。また、車体カバー26のフロアー部26aには、操縦機構部9を配置するための前向き開口部28が形成されており、また、ペダル類を露出させるための穴やミッションケース18のオイル注入穴を露出させるための穴など、幾つかの穴29が空いている。更に、フロアー部26aのうち左右両側部には多数のスリット30が形成されており、前輪3はスリット30を介して視認できる。
図7(B)に示すように、車体カバー26におけるフロアー部26aの下面には、サイドフレーム12や補助フレーム16に載るサイド突起31を突設している(サイド突起31を設けずにリブの群で代替するのが好ましい。)。更に、平面視でミッションケース18と重なる部分には、6個のセンター突起32を下向き突設している。2つのセンター突起32はミッションケース18で支持されており、もう1つのセンター突起32はサイドフレーム12に固着した内向き枝フレーム16′(図7(A)参照)で支持されている。従って、車体カバー26のフロアー部26aとミッションケース18との間にはある程度の空間が空いている。
図7(B)に示すように、車体カバー26におけるフロアー部26aの左右両側部には前後2個ずつのボス部33を下向きに突設しており、前部のボス部33は外向き枝フレーム16にビスで固定しており、また、後部のボス部33はサイドフレーム12と補助フレーム16とに差し渡して設けた補助ブラケット34(図7(A)参照)にビスで固定している。ボス部33は上に開口していた穴空き底板を有している。車体カバー26のうち肩部を構成する上部は、サイドフレーム12に固定された後部横桟35(図3参照)等のフレーム材に支持・固定されている。
(2).動力系統・操縦系統の概略
例えば図9から理解できるように、ミッションケース18は、大雑把には左右2つのメインメンバーを重ねてボルト群で締結した中空構造になっている。ミッションケース18のうち前部の側面部には左右の凸部18a,18bを設けており、この凸部18a,18bにフロントアクスル装置21が取り付けられている(図8も参照)。フロントアクスル装置21は上下に分離しており、上部はサイドフレーム12に固定されている。
例えば図4から容易に理解できるように、ミッションケース18とリアアクスルケース24とは中空角形のジョイント部材40で連結されている。エンジン17の前部はフロントブラケット材を介してジョイント部材40で支持されており、エンジン17の後部はリアブラケット材を介してリアアクスルケース24で支持されている。
図8や図12に示すように、ミッションケース18の後部の左側面には、無段変速機の一例として既述のHST41がその入力軸42を左右横長の姿勢にした状態で取り付けられており、エンジン17からの動力は先ずHST41の入力軸42にベルト22で伝達される。そして、走行変速装置から出力した動力によって前輪3と後輪4とが同期して駆動され、また、苗植装置2と施肥装置11とが車輪3,4の回転に連動して駆動される。
例えば図12から理解できるように、ミッションケース18の左側部から走行ドライブ軸43が後ろ向きに延びており、後輪4の駆動動力は走行ドライブ軸43を介してリアアクスルケース24の内部に伝達されている(図4も参照)。
例えば図4に示すように、操縦機構部9の左右中間部にはパワーステアリングユニット44を配置しており、パワーステアリングユニット44の上面には中空のハンドルポスト45が固定されている。ハンドルポスト45の内部にはハンドル軸が回転自在に配置されており、ハンドル軸の上端に操縦ハンドル6が連結されている。本実施形態では、図9に示すように、パワーステアリングユニット44は、フロントブラケット49を介してフロントフレーム13に固定されていると共に、ミッションケース18に固定されている。従って、パワーステアリングユニット44も走行車体1の構造材を構成している。パワーステアリングユニット44とフロントアクスル21との関係は従来と同様なので、説明は省略する。
例えば図4,図5に示すように、ハンドルポスト45の上部には板状のフロントプレート53が固定されており、このフロントプレート53に装着したフロントパネル(図示せず)にスイッチ類やキー類を設けている(メータ類や液晶ディスプレイ等を設けてもよい。)。また、ハンドルポスト45の左側面部には、走行モードを切り換えるための手動式変速操作レバー54が前後方向に回動するように取り付けられている。フロントプレート53には、変速操作レバー54の位置(回動姿勢)を保持するガイド穴55が空いている。
(3).走行変速装置の構造
次に、走行変速装置の変速態様を主として図10(動力系統図)に基づいて説明する。HST41の入力軸42はエンジン17の運転中は常時回転しており、ミッションケース18の右側面には入力軸42で駆動される汎用油圧ポンプ58を取り付けている。前記した昇降用の油圧シリンダ36やパワーステアリングユニット44は汎用油圧ポンプ58で発生した圧油で駆動される。
HST41は走行油圧ポンプ59と走行油圧モータ60とを有しており、走行走行油圧ポンプ59は入力軸42で駆動され、走行油圧モータ60は走行油圧ポンプ59から送られた圧油で駆動され、かつ、走行油圧ポンプ59の圧油吐出量は可動斜板(流量制御板)の回動量によって調節され、その結果、走行油圧モータ60の出力を無段階に変化させることができる。例えば図9に示すように、HST41は可動斜板を回動させるための出力制御軸61が上向きに突出している。詳細は後述するが、出力制御軸61は、例えば図5に表示した変速ペダル62の動きに基づいて回転する。
本実施形態では、HST41と遊星歯車機構63とを組み合わせており、入力軸42に固定した第1ギア64の回転が遊星歯車機構63に伝達される割合を走行油圧ポンプ59で調整することにより、遊星歯車機構63の出力軸である第1回転軸66の回転をゼロから最大値まで無段階に変更できる。
第1回転軸66には中空の第2回転軸67が摺動自在で相対回転自在に被嵌しており、第1回転軸66の回転は主クラッチ68を介して第2回転軸67に伝達される。第1回転軸66及び第2回転軸67の手前部位には第3回転軸69が平行に配置されている。第2回転軸67には駆動ギア70の群が固定されている一方、第3回転軸69には従動ギア71の群がスライド可能に取り付けられており、従動ギア71の群と駆動ギア70の群との噛み合いが変わることで変速される。
後進は、第2回転軸67に固定されたギア(図示せず)にて、入力軸42上で回転するギアを駆動するバックアイドラ方式で行われる。符号73はギア71がスライドした状態を示している。第3回転軸69には、スライド式摩擦板を有する多板式のブレーキ(駐車ブレーキ)74を設けている。
第3回転軸69の動力はギア75,76を介して差動軸77に伝達される。差動軸77は中空構造であると共にデフケース78を有しており、デフケース78は差動軸77と一体に回転する。更に、差動軸77は右前輪駆動軸79に外側から回動可能に嵌まっている。右前輪駆動軸79と同心で左前輪駆動軸80が配置されており、左前輪駆動軸80には、デフケース78に内蔵したデフギアを介して差動軸77の回転が伝達される。右前輪駆動軸79にはデフロック装置82を設けている。デフロック装置82を作動させると、左右前輪の差動状態が解除されて左右の前輪駆動軸79,80は完全に同期して回転する。
第3回転軸69の左端部にはベベルギア83が取り付けられており、ベベルギア83の対によって第3回転軸69の動力が後輪出力軸84に伝達される。後輪出力軸84には自在継手を介して後輪ドライブ軸43が接続されている。
ミッションケース18のうち入力軸42より後ろの部位には左右長手の第4回転軸85が軸支されており、第2回転軸67の回転が駆動ギア86とアイドルギア87と従動ギア88とで第4回転軸85に伝えられる。アイドルギア87は入力軸42に相対回転自在に被嵌している(従って、入力軸42をアイドルギア87の支軸に兼用している。)。
ミッションケース18の右側面のうち後部には、第4回転軸85の右端部が入り込む作業動力出力部89を突設している。作業動力出力部89には前後方向に延びる前後長手の作業動力出力軸90が軸支されており、第4回転軸85の回転はベベルギア91の対を介して作業動力出力軸90に伝えられる。作業動力出力軸90には自在継手を介して中間軸92が接続されている。中間軸92の動力は株間ケース(図示せず)に伝えられ、株間ケースから植付け駆動軸(PTO軸)と施肥駆動軸とが分岐している。
(4).変速制御系統
例えば図9に示すように、操縦エリアの床のうちハンドルポスト45の右側の箇所には、ブレーキペダル100と変速ペダル62とが左右に並んで配置されている。正確には、両者は、ブレーキペダル100が左で変速ペダル62が右に位置するようち配置されている。
図13に示すように、変速ペダル62は、その後端部を中心にして前倒れ回動するようにペダルヒンジ101を介して右サイドフレーム12の外向き枝フレーム15に取り付けられている。図12に示すように、右サイドフレーム12のうち変速ペダル62の回動中心よりも前方の箇所には左右長手の第1軸受け筒体102が貫通しており、この第1軸受け筒体102に第1制御回転軸103を回転自在に挿通している。第1制御回転軸103の左右端部は第1軸受け筒体102の外側に露出している。
更に、図13に示すように、第1制御回転軸103の右端部には、斜め上向きと斜め下向きの2つの後ろ向きアーム部を有するベルクランクレバー104が固定されており、ベルクランクレバー104における斜め下向きのアーム部は引っ張り式の第1ばね105で引っ張られている一方、ベルクランクレバー104における斜め上向きのアーム部はスイング部材106を介して変速ペダル62に連結されている。従って、変速ペダル62は運転者の踏み込みによって前端が下に向かうように回動し、運転者が足を離すと変速ペダル62は第1ばね105の弾性力によって前端が上昇するように戻り回動する。
例えば図9に示すように、第1制御回転軸103の左端部には略前向きに延びる駆動アーム107が固定されている。他方、第1軸受け筒体102の左側でかつハンドルポスト45の前方の部位には左右長手の第2軸受け筒体108が配置されており、この第2軸受け筒体108に第2制御回転軸109が回転自在に嵌め込まれている。
図14(A)に示すように、第2軸受け筒体108には前向きブラケット110が溶接されており、図9に示すように、前向きブラケット110はフロントブラケット49にボルトで締結されている。第2制御回転軸109は第2軸受け筒体108の右側に露出しており、この右露出部に、センサブラケット111を介してセンサケース112が固定されている。
また、第2制御回転軸109の右端部には従動アーム113が回転自在に取り付けられている。駆動アーム107は変速ペダル62に連動して回動し、従動アーム113は駆動アーム107に連動して回動する。
詳細は省略するが、センサケース112の内部には増速検知用リミットスイッチと減速検知用リミットスイッチとの2つのリミットスイッチ(センサ)が配置されており、かつ、2つのリミットスイッチは、第2制御回転軸109の軸心回りに若干の角度だけ相対回動し得る状態でセンサケース112に取り付けられている。また、2つのリミットスイッチは、従動アーム113に接触しない中立位置に保持され勝手となるようにばねで付勢されている。
図13に示すように、フロントブラケット49に固定された前向きブラケット110の左側端にはロッド118を介して支持板119が固定されており、この支持板119には、外周に多数の歯を形成した扇形ギア121が回転自在(回動自在)に取り付けられていると共に、電動モータ122が固定されている。扇形ギア121は第2制御回転軸109の左端部に固定されており、他方、電動モータ122には、扇形ギア121の歯に噛合するギアを設けている。
扇形ギア121の付け根部のうち回動中心からある程度離れた部位には継手を介してHST制御ロッド125が連結されており、HST制御ロッド125はHST41の方向に向けて後ろ向きに延びている。
他方、例えば図9,12,14に示すように、HST41の出力制御軸61には、片持ち梁状の姿勢でミッションケース18の上方に向けて延びる出力制御アーム126が締め付け固定されており、出力制御アーム126の先端にHST制御ロッド125がピンで相対回動可能に連結されている。従って、電動モータ122を正逆回転させると扇形ギア121が回動し、するとHST制御ロッド125が略前後方向に押し引きされ(前進は後述の第3ばね137で行われる)、これに伴って出力制御アーム126が回動してHST41の出力が変化する。
例えば図14で出力制御アーム126を明示している。出力制御アーム126は平面視で時計回り方向に回転するとHST41の出力が高くなる。そして、出力制御アーム126のうち先端と基端との間の部位にガイドピン127を上向き突設し、このガイドピン127にスロットルブラケット128を嵌め入れ、スロットルブラケット128の後端を出力制御アーム126の後端面に係止している。
スロットルブラケット128において、ストッパーピン127が嵌まっている穴は長穴128aになっている。また、スロットルブラケット128の前端には第2ばね129を介してスロットルワイヤー130の一端が取り付けられており、スロットルワイヤー130は中間ブラケット131に一端を固定したチューブ(索道管)130aに挿入されている。スロットルワイヤー130の他端はエンジン17のスロットルレバー(図示せず)に取り付けられている。従って、出力制御アーム126が時計回りに回動すると、スロットルワイヤー130が引っ張られてエンジン17の出力は高くなる。
図14(A)に示すように、中間ブラケット131は概ね平面視コの字形を成しており、その後端部はミッションケース18にボルトで固定され、その前端部はパワーステアリングユニット44の下端部(ギアケース)に補助支柱(図示せず)を介して固定されている。
図14(B)に示すように、出力制御アーム126の先端部(自由端部)には支持ピン133が上向きに突出しており、他方、HST制御ロッド125の先端には支持ピン133に嵌まる平面視U形のホルダー134が固定されており、ホルダー134は支持ピン133に抜け不能に保持されている。
ホルダー134の空所は長穴136になっており、このため支持ピン133とホルダー134とは相対動可能であり、かつ、HST制御ロッド125の後端が出力制御アーム126に当たっている。また、第3ばね137により、HST制御ロッド125はその後端が出力制御アーム126に当たる状態に付勢されている。従って、出力制御アーム126はHST制御ロッド125で押し回動させられると共に、出力制御アーム126が出力ゼロ姿勢に回動し切った状態で、HST制御ロッド125だけを第3ばね137に抗してある程度の寸法だけ後退し得る。
また、既述のとおり、出力制御アーム126が増速方向に回動するとエンジン17の出力は高くなり、減速方向に回動するとエンジン17の出力は低くなる。エンジン17の最高出力には限度がある。そこで、エンジン17のスロットルレバーが回動し切っても出力制御アーム126の回動が阻害されないように、第2ばね129を設けている。また、スロットルブラケット128は長穴128aを介してガイドピン127に嵌まっているため、エンジン17の出力を絞り切った状態で出力制御アーム126は更に戻り回動し得る。
変速ペダル62の動きはセンサケース112に内蔵されたリミットスイッチで検知されて、この検知信号によって電動モータ122が駆動され、すると、扇形ギア121が回動してHST制御ロッド125が前後移動し、これにより、出力制御アーム126が回動してHST41の出力が制御される。
(5).走行モード切り換え機構
既述のとおり、走行モードの切り換えは変速操作レバー54を前後回動させることによって行われる。本実施形態では、高速走行(路上走行)モード、植付け走行(低速走行)モード、停止した中立位置(ニュートラル)、後進モードの4の状態に切り換えられる。
他方、例えば図12に示すように、ギア群のスライド操作はミッションケース18に取り付けた左右横長の変速操作軸139をその軸方向にスライドさせることで行われる。変速操作軸139は、ミッションケース18の内部に入っている内蔵部とミッションケース18の外にはみ出ている露出部とを有しており、内蔵部にギア群のシフターを係合させている。
他方、例えば図13に示すように、変速操作レバー54にはブラケット140及びクランクレバー141を介して上下長手の縦長ロッド142が連結されており、縦長ロッド142の下端近傍と変速操作軸139の先端近傍との部位に、前後長手で中空の中間軸144を回転自在に配置し、中間軸144の前端には縦長ロッド142に連結された横長アーム部144aを設け、中間軸144の後端には変速操作軸139に係合した下向きアーム部144bを設けている。
変速操作レバー54を前後回動させると縦長ロッド142の上下動と中間軸144の回転とを介して変速操作軸139がスライドし、すると図10に示した従動ギア(可動ギア)71,73の群がシフトして噛み合い関係が変化する。
変速操作レバー54の操作は走行停止しかつ主クラッチ68を切った状態で行う必要がある。本実施形態では、変速ペダル62が戻り切ると主クラッチ68が切れると共にブレーキ74が軽く効くように配慮している。この点を次に説明する。
(6).主クラッチと変速ペダルとブレーキペダルとの関係
ブレーキペダル100は変速ペダル62の左側に配置されており、例えば図11に示すように、ブレーキペダル100は、左右横長の中間ステー146のやや前方に配置した左右長手の支持筒147に取り付けられている。支持筒147は左右のブラケット148で回転自在に支持されており、これら左右のブラケット148のうち一方は中間ステー146に固定されて、他方は中間ステー146とミッションケース18とに固定されている。支持筒147にはトーションねじり方式の第4ばね149が嵌まっており、ブレーキペダル100は第4ばね149で戻し方向に付勢されている。
例えば図12に示すように、ブレーキペダル100は支持筒147を挟んで後ろにも延びている一方、例えば図11に示すように、ミッションケース18の前面からブレーキ操作軸151が僅かに突出しており、ブレーキ操作軸151に固定したアーム体152の先端とブレーキペダル100の後端とがコイル式の第5ばね153を介して連結されている。
ブレーキ操作軸151の後端はブレーキ74の箇所まで延びており、後端部には、ブレーキ74を構成する摩擦板の群が密着するように押圧する接触部が設けられている。ブレーキ操作軸151を軸心回りに回転させるとブレーキが掛かる。
例えば図14に示すように、ブレーキペダル100が取り付いた支持筒147の他端(左端)には上向きアーム154が固定されており、この上向きアーム154にクラッチロッド155の前端がピン156で連結されている。この場合、上向きアーム154にピン156が嵌まるピン挿通穴を空けるにおいて、図示していないが、ピン挿通穴を前後長手の長穴にしている。長穴は逃がし手段の一例であり、これにより、クラッチロッド155を前進させ切った状態でブレーキペダル100を更に踏み込むことができる。
例えば図11(A)に示すように、ミッションケース18の上面部のうち前部でかつ右寄り部位にはクラッチ操作軸158が僅かに突出しており、このクラッチ操作軸158の突出端部にその左側に延びるクラッチアーム159を固定し、クラッチアーム159の先端部とクラッチロッド155の後端部とをピンで相対回動可能に連結している(図12、図14(A)も参照)。
図12に示すように、第3回転軸67には、クラッチばねで入り方向に付勢された可動クラッチ体(ボールクラッチ)161がスライド自在に配置されていると共に、ミッションケース18の内部には可動クラッチ161をクラッチばねに抗して切り方向にスライドさせるシフター162がクラッチ操作軸158の軸心回りに水平回動するように配置されている。シフター162はクラッチ操作軸158に固定されている。
従って、ブレーキペダル100を踏むとクラッチロッド155が前向きに移動すると共に、クラッチアーム159が平面視で時計回り方向に回動し、すると、シフター162も一緒に回動して可動クラッチ体161が押し移動させられ、これによって主クラッチ68が切りになる。
更に、例えば図12に示すように、変速ペダル62に連動して回転する第2回制御回転軸109の右端部には下向きアーム164を固定し、この下向きアーム164の先端(下端)とクラッチアーム159とを連動軸165で連結している。クラッチアーム159はクラッチロッド155の取り付け部よりも回動中心に近い部位において連動軸165に連結されている。
図14(A)に明示するように、クラッチアーム159は背板159aを有する側断面略L形になっており、連動軸165を背板159aに開けた穴に貫通し、連動軸165には背板159aの後面に当たるナット166を取り付けている。従って、変速ペダル62の踏み込みによる第2制御回転軸109の回転に際しては連動軸165でクラッチアーム159を押すことはない。すなわち、連動軸165を設けたことによってHST41の制御に支障をきたすことはない。
オペレータが変速ペダル62から足を完全に離すと、変速ペダル62及び第2制御回転軸109は第1ばね105によって初期姿勢に戻る。すると、第2制御回転軸109が電動モータ122によって戻り回転し切る僅かに手前の状態の段階で連動軸165が前向き移動し、これにより、クラッチアーム159がクラッチ切り方向に回動して主クラッチ68が切れると共に、クラッチアーム159の押圧作用でブレーキ支軸147が回転することによってブレーキペダル100も人が踏み込んだのと同様の状態に回動し、このため走行車体1にブレーキが軽く掛かる。
このように、変速ペダル62を戻し切るとブレーキペダル100が軽く掛かると共に主クラッチ68が切れるため、オペレータは一々足(右足)を変速ペダル62の箇所から踏み替えてブレーキペダル100を踏まなくても、足は変速ペダル62の箇所においたままで変速操作レバー54を軽快に操作して走行モードを切り換えることができる。このため操作性に優れている。ブレーキペダル100は、変速ペダル62を戻し切った状態から更に深く踏み込むことができる。
(7).第1実施形態のまとめ
図9から理解できるように、出力制御アーム126、スロットルブラケット128、HST制御ロッド125、クラッチアーム159、連動軸165といった操作部材はその全部又は一部がミッションケース18と車体カバー26との間の空間に配置されており、車体カバー26とミッションケース18とで上下から保護されている。このため、これらの部材の損傷を防止又は著しく抑制できると共に、作動の確実性も確保できるのである。
特に、本実施形態のようにエンジン17の出力をHST41に連動させる手段としてスロットルブラケット128を出力制御アーム126に係止すると、エンジン17の出力を走行速度に応じて高くすることを簡単に行えるが、スロットルブラケット128や第2ばね129はミッションケース18やHST41で下方から保護されているため、はね上げた小石で損傷することや泥の汚れで動きが不完全なるといって不具合を無くすことができて特に好適である。
(8).第2実施形態
次に、図15,図16に示す第2実施形態を説明する。この第2実施形態は第1実施形態の変形例であり、HST41の制御系統を中心にした部分が相違する。第1実施形態と共通した部分の説明は省略し、相違点のみを取り上げて説明する。まず、変速ペダル62の戻りによってクラッチを切るための連動軸165の取り付け箇所が相違している。すなわち、本実施形態では、連動軸165の前端はセンサブラケット111に設けた下向き張り出し部111a(図16参照)に連結している。このようにセンサブラケット111に連結することにより、部材を省略できて構造を簡単化できる。
次に、第1実施形態の駆動アーム107に相当する部材として、本実施形態では周面カム107′を使用している。図15に示すとおり、センサブラケット111に設けた補助アーム111bに固定したピン113′が従動アーム111の長穴に通ってから周面カム107′の外周面に当接している。ピン113′がカム107′に当たった状態を保持するため、補助アーム111bはばね111cで下向きに引っ張られている。この実施形態では、第1制御回転軸103の回転でセンサ(図示せず)を敏感にON・OFFできるため、変速ペダル62に対する電動モータ122の応答性が優れており、その結果、走行フィーリングが一層向上する利点がある。
次の相違点として、電動モータ122や扇形ギア121を取り付けるための支持板119が中間ステー146にも固定されている点が挙げられる。支持板119はブラケット146aを介して中間ステー146に固定されている。このように支持板119を前後両側から支持することにより、支持板119の撓みを防止して扇形ギア121や電動モータ122を正確に位置決めでき、ひいてはHST41の制御も円滑に行える。
次に、スロットルワイヤー130の連結機構が相違している。すなわち、本実施形態では、図15のとおり、出力制御アーム126に後ろ向き突出部126aを設けて、この後ろ向き突出部126aに第2ばね129を介してスロットルワイヤー130を連結している。索導管130aの一端は図示しない支持部材に固定されている。支持部材はミッションケース18に固定されている(左右サイドフレーム12に連結したステー材に固定してもよい。)。本実施形態ではエンジン17は走行車体1の後部に配置しているで、この実施形態を採用すると、スロットルワイヤー130の長さを短くできると共に、他の部材の邪魔にはならず、メンテナンス性や組み立て性も良くなる利点がある。
扇形ギア121が取り付く支持板119の左側には、車体の左右傾きを検知する角速度センサSを配置している。角速度センサSはフロントフレーム13にブラケットS′を介して取り付けられている。この角速度センサSは、苗植装置2を水平姿勢に保持することに使用するものである。
(9).第3実施形態の概略
次に、図17以下の図面に表されている第3実施形態を説明する。第1実施形態と同じ機能の部材は同じ符号で表示しており、特に必要がない限り説明は省略している。例えば図17(B)に示すように、この第3実施形態ではエンジン17を走行車体1の前部に搭載している。走行車体1は左右のサイドフレーム12を有するが、本実施形態では、左右サイドフレーム12は前後に分離しており、前後に分離したサイドフレーム12は左右横長のセンターフレーム168に溶接されている。
また、左右サイドフレーム12の前端はフロントフレーム13で連結され、かつ、サイドフレーム12の前寄り部位には正面視U形(或いはコの字形)の前後2本のサポートフレーム169が固定されており、これら2本のサポートフレーム169でエンジン17を支持している。エンジン17はクランク軸が左右方向に向く姿勢になっており、出力プーリはエンジン17の左側に配置している。図16に示すミッションケース18はエンジン17の後ろに配置されている。
例えば図19に明示するように、本実施形態ではパワーステアリングユニット44はミッションケース18の前部に一体化している。すなわち、パワーステアリングユニット44のギアケースをミッションケース18に一体に形成し、このギアケースにステアリングユニットを取り付けている。
例えば図18や図19に示すように、ミッションケース18の右寄り部位でかつ前寄り部位にはブレーキ操作軸151が第1実施形態と同様に略鉛直姿勢で配置されており、ミッションケース18の前部でかつおおよそ左右中間部にはクラッチ操作軸158が鉛直姿勢で配置されており、更に、図20に示すようにミッションケース18のおおむね前後中間部には変速操作軸139が略水平姿勢で配置されている。各操作軸151,158,139の本質的な機能は第1実施形態と同じである。
図18や図20に示すように、変速操作レバー54の動きは、当該変速操作レバー54に連結された縦長ロッド142、縦長ロッド142の下端に一端が連結されたベルクランクレバー172、ベルクランクレバー172の他端に前端が連結された前後長手の水平状ロッド173、水平状ロッド173の後端に連結されたアーム174、アーム174に固定された縦長軸175、縦長軸175の下端に固定されたシフター176(図24(B)参照)を介して変速操作軸139に伝達される。
図20のとおりベルクランクレバー172は左ブラケット177に回動自在に取り付けられており、図22に示すように左ブラケット177は左右長手のステー178に固定されている。また、図19に示すように、縦長軸175はミッションケース18に回転自在に装着されている。図23に示すように、本実施形態では電動モータ122は保護ケース179で覆われている。
(10). 制御機構
本実施形態では、図21(A)に示すように、サイドフレーム12のうち変速ペダル62の右側の箇所にはポテンショメータ181がサイドブラケット182を介して取り付けられており、変速ペダル62の動きはポテンショメータ181で検知される。
図21(B)及び図22に示すように、ブレーキペダル100はステー178に固定した右ブラケット185に連結されている。この場合、ブレーキペダル100の下端部を右ブラケット185に枢支ピン186で連結し、枢支ピン186よりもやや上方の部位にブレーキロッド187をピン187a(図21(B)参照)で連結している。従って、ブレーキペダル100を踏むとブレーキロッド187は前進動する。ブレーキペダル100は第4ばね149で戻り姿勢に付勢されている。
図23に示した保護ケース179には第1実施形態と同様の扇形ギア121が内蔵されており、扇形ギア121は電動モータ122で駆動される。扇形ギア121の回転軸(図示せず)に、補助アーム(図示せず)を介してHST制御ロッド125が連結されている。HST41の出力制御軸61は第1実施形態と同様に上向きに突出しており、出力制御軸61に出力制御アーム126が固定されている。
例えば図19,20に示すように、クラッチ操作軸158はその軸心回りに回転するようにミッションケース18に保持されており、図24(B)に明示するように、クラッチ操作軸158の下端に取り付けたシフター158aが回動することで可動クラッチ体161がスライドする。クラッチ操作軸158が平面視で時計回り方向に回転すると、主クラッチ68が切れる。
図25に示すように、クラッチ操作軸158と出力制御アーム126との間には第1連動レバー192が配置されている。この第1連動レバー192は左方向と後ろ方向とに延びる略L形の形態であり、左端部寄りの部分が第1軸193でミッションケース18に水平回動可能に連結されている。第1連動レバー193の右前端部に軸を介してHST制御ロッド125が連結されている。また、第1連動レバー193における左端部の上面には第1ローラ194を設けている。
他方、出力制御アーム126には、平面視で第1ローラ194に重なる第2連動レバー195が第2軸196で水平回動自在に連結されている。第2連動レバー195の後端部には下向きピン197を突設し、出力制御アーム126には下向きピン197が嵌まる穴198を設けており、更に、第2連動レバー195の前端部には、第1ローラ194が当たる壁板199を設けている。
従って、HST制御ロッド125が後退動すると第1連動レバー193が時計回りに回動し、すると、出力制御アーム126は第2連動レバー195を介して反時計回りに(すわち増速方向に)回動する。出力制御アーム126は第6ばね200で後ろ方向(減速方向)に引かれており、第6ばね200はミッションケース18に連結されている(図18参照)。第1連動レバー192の第1ローラ194は第2連動レバー195の壁板199に後ろから当たっているため、出力制御アーム126が出力ゼロの方向に戻り回動し切ってから更に第1連動レバー192を戻し回動させ得る。
クラッチ操作軸158には、右後ろに延びるクラッチアーム201が固定されている。クラッチアーム201の基端部は手前に突出しており、この突出端部の上面に第2ローラ202を水平回転自在に取り付けている。第2連動レバー192の後端部にカム体203を水平回動自在に連結し、カム体203の前端部を第2ローラ202に当てている。
図25(A)は増速し切った状態を示しており、この状態からHST制御ロッド125が前進動すると第2連動レバー192は反時計回りに逃げ回動する。出力制御アーム126が戻り回動し切るまではカム体203は逃げ回動することでクラッチアーム201に対してトルクを作用させることはないが、出力制御アーム126が戻り回動し切ってから更にHST制御ロッド125が前進すると、その過程で第2ローラ202に対して押圧力が作用し、これによってクラッチアーム201及びクラッチ操作軸158が時計回り方向に回動(回転)し、すると主クラッチ68が切れる。
カム体203のうち第2ローラ202を押圧する作用部を符号204で示している。また、カム体203には、第2ローラ202を保持する段部(凹部)205が作用部204に連続して形成されている。主クラッチ68には可動クラッチ体161を押すばねが内蔵されており、このばねによってクラッチアーム201は反時計回り方向に回動するように作用している。
例えば図20,23,25に示すように、ブレーキ操作軸151には、当該ブレーキ操作軸151の略右側に張り出す第1ブレーキアーム206が固定されていると共に、当該ブレーキ操作軸151の左右両側に延びる第2ブレーキアーム207が相対回動可能に嵌まっている。第2ブレーキアーム207の右端部は第1ブレーキアーム206の手前に位置しており、かつ、これら第1ブレーキアーム206と第2ブレーキアーム207とは、ブレーキロッド187が貫通する背板208,209を有している。
ブレーキロッド187には、第2ブレーキアーム207の背板209に前から当たり得るフロントストッパー(ナット)210と、第1ブレーキアーム206の背板208に後ろから当たるストッパーばね211とを設けている。また、ブレーキロッド187には、第2ブレーキアーム207の背板209に後ろから当たり得る中間ストッパー(ダブルナット)212を設けている。中間ストッパー121とフロントストッパー210との間には間隔で空いている。
第2ブレーキアーム207のうち回動中心よりも左側の部分は下向きに開口した溝形(チャンネル状)の形態になっており、その溝内に、クラッチアーム201の右端部に設けた第3ローラ213を嵌め入れている。従って、クラッチアーム201と第2ブレーキアーム207とは連動して回動する。本実施形態も第1実施形態と同様に走行速度が速くなるとエンジン32の出力が高くなるが、この点は本願との関連は薄いので説明は省略する。
(11).第3実施形態のまとめ
本実施形態において、走行状態でオペレータが変速ペダル62から足を離すと変速ペダル62はばねで戻り、これに伴ってHST41が減速制御されてやがて走行車体1は停止するが、図25に基づいて既に説明したように、変速ペダル62が戻り切る少し手前の段階で、出力制御アーム126は戻り回動し切る。
従って、出力制御アーム126が戻り回動し切ってもHST制御ロッド125は若干の寸法だけ前進し、すると、カム体203の押圧作用でクラッチアーム201が時計回り方向に回動し、これによって主クラッチ68が切りになり、走行車体1は停止状態に保持される。すなわち、走行車体1が走行停止するのとほぼ同時に主クラッチ68が切れてブレーキが軽く効くのであり、これにより、オペレータは一々右足を踏み替えることなく、変速操作レバー54を操作することができる。
例えば図23から把握できるように、本実施形態では、出力制御アーム126と連動レバー194,192,204とブレーキアーム207,206がミッションケース18の上方の箇所においておおよそ横方向に並んだ状態で配置されており、このため、制御機構をコンパクト化できる利点がある。
エンジン17を走行車体1の前部に搭載するとボンネット7,8で覆われた空間には多くの部材が詰まった状態になるが、本実施形態では、出力制御アーム126や各レバー194,192、204、クラッチアーム201、ブレーキアーム207,206はミッションケース18と車体カバー26との間の空間に配置されるため、他の部材との干渉の問題を生じることはなく、このため設計の手間を軽減できるという利点がある。更に、出力制御アーム126と連動レバー194,192,204とブレーキアーム207,206は、小石が当たったり泥が付着したりといった不具合が抑制される。
また、本実施形態では、走行モード切り換え操作部材としての水平状ロッド173とアーム174もミッションケース18と車体カバー26とで保護されているため、これらの部材の損傷を防止又は抑制できると共に動きの確実性を確保できる。
(12).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、無段変速機としてはベルト式のもの(CVT)も採用できる。また、本願発明の適用対象は田植機には限らないのであり、代掻き機や野菜移植機等の他の農作業機にも適用できる。