JP4162415B2 - 乗用田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機における走行制御の技術に関し、詳しくは、変速装置とクラッチ体の連動のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、伝動ベルトのプーリへの巻付け径を変化させて変速比を無段階に変更するベルト式無段変速機構(CVT)を搭載する走行車両では、ベルト式無段変速機構に車速ゼロ操作位置が存在しないため、機体を停止させるためには主クラッチペダルにて主クラッチを操作して、主クラッチを「断」としなければ、緩やかな速度で移動してしまうという不具合がある。
【0003】
さらに、ベルト式無段変速機構(CVT)を搭載する乗用田植機等の作業車両においては、例えば、特開平8−56434号公報に掲載の技術では、ベルト式無段変速機構の変速操作部材は、運転席の側方に配設されており、植付部の昇降・植付クラッチの入切・マーカ操作の操作レバーと兼用されている。当該技術では、図22に示す如く、ベルト式無段変速機構の変速操作部材320のガイド溝321は略十字状であり、前後方向の溝で植付部の昇降・植付クラッチの入切・無段変速を操作し、横方向の溝でマーカの入切を操作する。ここで、車両を旋回操作する際には、操作部材320はガイド溝321の油圧昇降「上」の位置322に操作するため、ベルト式無段変速機構は低速操作位置であり、常に一定の低速でしか走行することができないことになる。
【0004】
また、可変容積型油圧ポンプと油圧モータより成る油圧式無段変速機構(HST)を搭載する走行車両では、可変容積型油圧ポンプの斜板角が中立となる位置に変速操作部材の車速ゼロ位置を調整することによって、変速操作部材によって車速ゼロに変速操作することができる。これらの走行車両では、変速操作部材の車速ゼロ操作位置の調整は、油圧式無段変速機構の作動状態(例えば、作動油温の上昇等)によって変速操作部材の車速ゼロ操作位置にばらつきが生じることがあり、このとき、所謂、クリープ現象が発生し、操縦者の意図に反して車両が走行してしまうことがある。この現象の発生を防止するために、主クラッチの操作部材を設けたり、あるいは、特開2000−350507号公報に掲載の技術のように、単一の主クラッチ及びブレーキ操作ペダルで、主クラッチを「断」となるように構成したりしているが、車両の走行を停止させるためには、必ず主クラッチの操作部材や単一の主クラッチ及びブレーキ操作ペダルを踏込操作しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では上述の事情に鑑み、乗用田植機の走行変速装置の操作部材とクラッチ体とを連動させることによって、容易に車両の走行停止操作を行うことのできる構造を提案する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
走行変速装置として、油圧ポンプ(85)及び油圧モータ(86)からなる油圧式無段変速機構(57)を配設し、操縦部に配置した変速ペダル(31)の踏込みに連動して、該油圧ポンプ(85)の斜板(107)の角度を制御し変速操作する乗用田植機において、前記油圧式無段変速機構(57)の後段に配置した主クラッチ(47)の接/断操作と、前記油圧式無段変速機構(57)の変速操作を、単一の該変速ペダル(31)にて操作可能とし、該変速ペダル(31)の踏込操作に伴ない回動する変速操作カム(109)を設け、該変速操作カム(109)の回動に伴い回動する被検出体と、該被検出体の位置を検出する変速センサ(105)を設け、該変速センサ(105)にて被検出体の位置を検出することにより、該変速操作カム(109)の操作位置即ち該変速ペダル(31)の操作位置を検出し、該変速センサ(105)からの信号を受ける制御装置(184)を設け、該制御装置(184)と前記変速センサ(105)を電気的に接続し、該制御装置(184)により伸縮制御するアクチュエータ(183)を設け、該アクチュエータ(183)を、前記主クラッチ(47)のシフタ(49)を操作するクラッチアーム(48a)に連結し、該変速ペダル(31)が、踏込み操作されていない上死点位置にあるときには、前記アクチュエータ(183)により主クラッチ(47)を「断」とし、該変速ペダル(31)を踏込み操作すると、該変速ペダル(31)の回動に伴って、前記変速操作カム(109)が回動し、該変速操作カム(109)に付設された被検出体が、該変速センサ(105)に当接し、前記アクチュエータ(183)により該主クラッチ(47)を「接」の状態に制御するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は本実施例に係る田植機の全体的な構造を示す平面図、図2は同じく側面図、図3は車体フレームを示す平面図である。図4は駆動部の説明側面図、図5は駆動部の説明平面図、図6はミッションケースの断面図、図7はミッションケースのスケルトン図、図8は主クラッチの説明図、図9はブレーキ装置の説明図、図10はPTO変速機構の説明図である。図11は変速装置及びブレーキ装置の操作機構を示す斜視図、図12は変速ペダル操作機構を示す平面図、図13は変速ペダル操作機構を示す右側面図、図14は車体フレームにおける変速ペダル操作機構支持部を示す斜視図、図15は速度保持操作レバーを示す斜視図である。図16は第一参考例における変速ペダルと主クラッチの連動機構を示す右側面図、図17は同じく腰部拡大図、図18は第一実施例における変速ペダルと主クラッチの連動機構を示す右側面図、図19は同じく主クラッチの操作を示す説明図、図20は第二参考例における変速装置のスケルトン図、図21は同じく主クラッチ及び変速装置を示す説明図である。図22は従来のベルト式無段変速機構の操作部材の一例を示す図である。
【0010】
まず、本発明の実施例に係る乗用田植機の構造について説明する。但し、本発明に係るクラッチ体と変速装置の連動機構は本実施例に限定されるものでなく、多種多様な作業車両に応用することができる。
【0011】
図1、図2及び図5に示す如く、前記乗用田植機では、走行車両1の車体フレーム3にエンジン2を搭載し、ミッションケース4の左右両側方でフロントアクスルケース5・5を介して水田走行用前輪6・6を支持し、前記ミッションケース4(図4)後方のリヤアクスルケース7で水田走行用後輪8・8を支持している。前記エンジン2等を覆うボンネット9の両側に予備苗載台10・10を取り付け、作業者が搭乗する車体カバー11によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー11後側上方にシートフレーム12を介して運転席13を取り付け、その運転席13の前方で前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を設けている。
【0012】
前記操向ハンドル14の位置近傍に、主変速レバー28、昇降・植付の入切・植付時の変速・線引きマーカ等の操作を行うシフトレバー29、アクセルレバー51、速度保持操作レバー54の各レバー28・29・51・54や、ブレーキペダル30、変速ペダル31及びデフロックペダル32の各ペダル30・31・32を配設すると共に、運転席13位置近傍に感度調節レバー33及びストップレバー34及びユニットクラッチレバー35の各レバー33・34・35を配設している。なお、変速ペダル31では、後述する主クラッチ47と油圧式無段変速機構57を同一のペダル部材で操作する構成としている。
【0013】
また、図中15は六条植え用の苗載台16並びに複数の苗植付爪17・17・・・などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を、下部レール18及びガイドレール19を介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持すると共に、前記植付ケース20で一方向に等速回転させるロータリケース21・21・・・を支持している。前記植付ケース20前側のヒッチブラケット23は、トップリンク24及びロワリンク25を含む昇降リンク機構26を介して走行車両1後側に連結し、前記昇降リンク機構26を介して植付部15を昇降する油圧昇降シリンダ27をロワリンク25に連結している。
【0014】
そして、前記ロータリケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22先端に苗植付爪17・17を取り付けて、前記前後輸6・6・8・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17・17によって取り出しながら、連続的に苗を植える田植作業を行うように構成している。
【0015】
なお、図中36はセンターフロート、37・37はサイドフロート、38は肥料ホッパ39内の肥料を送風機40の送風カでフレキシブル形搬送ホース41を介しフロート36・37・37の側条作溝器42に排出させる六条用側条施肥機である。
【0016】
次に、前記乗用田植機のフレーム構造について説明する。
【0017】
図3乃至図5に示す如く、前記車体フレーム3は前部フレーム43・43と中間フレーム44・44と後部フレーム45・45とに三分割し、左右一対の前部フレーム43・43にエンジン2を、左右一対の中間フレーム44・44にフロントアクスルケース5・5を、左右一対の後部フレーム45・45にリヤアクスルケース7及びエンジン2に燃料を供給する燃料タンク46を配設している。
【0018】
前記フロントアクスルケース5・5は、前部フレーム43・43後端と後部フレーム45・45前端を連結する左右中間フレーム44・44の下面に着脱自在に固定し、該左右フロントアクスルケース5・5間を前記ミッションケース4で連結している。
【0019】
また、リヤアクスルケース7は、後部フレーム45の後部を一体的に連結した門形フレーム53に固設している。前記ミッションケース4とリヤアクスルケース7は、パイプ製の連結フレーム62によって一体連結されている。
【0020】
ミッションケース4後方に突出したリヤ出力軸63に、リヤ伝達軸66を介してリヤアクスルケース7前方に突出しているリヤ入力軸65を連結してリヤ出力軸63から左右の後輪8・8に動力を伝達している。また、ミッションケース4後方に突出したPTO出力軸64に自在縦手軸69を介してリヤアクスルケース7上部の軸受67に設ける仲介軸68を連結し、該仲介軸68に自在縦手軸を介して植付ケース20の入力軸を連結して、PTO出力軸64から植付部15に動力を伝達している。
【0021】
次に、動力伝達構成及び変速装置について説明する。本実施例では、変速装置として油圧式無段変速機構57と遊星ギヤ機構83からなる油圧−機械式無段変速装置を採用している。
【0022】
図4乃至図7に示す如く、前記ミッションケース4は、本体胴部70と、前蓋部71と、後蓋部72を備え、前記胴部70の前後に各蓋部72を着脱自在にボルト固定し、密閉箱形に形成すると共に、前記胴部70の内部を前後に分割する仕切り壁部73を設けている。
【0023】
前記ミッションケース4の前蓋部71前面に、可変容量型の油圧ポンプ85及び固定容量型の油圧モータ86からなる油圧式無段変速機構57を配設し、該油圧ポンプ85に入力するための変速入力用ポンプ軸58を前方に突出している。該変速入力用ポンプ軸58は、伝達軸59及び伝達ベルト61を介してエンジン2の出力軸60に連結され、エンジン2から動力を取り出し可能としている。
【0024】
前述の如く、エンジン2から変速入力用ポンプ軸58に入力された動力は、油圧ポンプ85を駆動し、該油圧ポンプ85からの圧油を油圧モータ86に送油してモータ軸77を回転させて出力される。ミッションケース4内に突出したポンプ軸58は、前蓋部71にベアリング軸受した小径の伝達ギヤ74を係合軸支し、また、パイプ軸76を介して後蓋部72後面に固定したチャージポンプ75に伝達ギヤ74の動力を伝達している。
【0025】
一方、前記ミッションケース4内に突出した油圧式無段変速機構57のモータ軸77は、前蓋部71にベアリング軸受されたサンギヤ78を係合軸支している。さらに、該サンギヤ78のボス部に遊転軸支したキャリヤギヤ79に三枚のプラネタリギヤ80を軸81を介して回動自在に設け、該プラネタリギヤ80は、前記サンギヤ78と後蓋部72で前後を回動自在に軸支された合成出力軸84に外嵌したリングギヤ82に噛合した状態として、これら各ギヤ78・80・82によって遊星ギヤ機構83を形成している。
【0026】
そして、ポンプ軸58に外嵌された前記の小径の伝達ギヤ74に大径のキャリヤギヤ79を常時噛合させ、油圧式無段変速機構57の無段変速出力である正逆回転出力と、伝達ギヤ74及びキャリヤギヤ79の減速回転出力(一方向の一定回転)とを、遊星ギヤ機構83のデフ作用によって合成し、ゼロ乃至最大速の一方向の回転力として合成出力軸84に伝達している。
【0027】
なお、図8にも示す如く、リングギヤ82と合成出力軸84との間に、クラッチ体である主クラッチ47が設けられている。リングギヤ82は、プラネタリギヤ80と噛合するギヤ部82aと、合成出力軸84にスプライン嵌合するスプラインカラー140に遊嵌するボス部82bで構成されており、クラッチ軸48に枢結されたクラッチアーム48aによってスプラインカラー140に遊嵌されたシフタ49を摺動することにより、ボス部82bとスプラインカラー140との間の鋼球を介して連結・連結解除、すなわち、主クラッチ47の断/接を制御するボールクラッチ機構を構成している。前記クラッチ軸48はミッションケース4の外側へ延出され、該延出部に枢結されたクラッチ操作部材であるクラッチアーム48bは変速ペダル31に連結されて、変速ペダル31を踏込操作することによって主クラッチ47の断/接操作可能としている。
【0028】
また、ミッションケース4の仕切り壁部73と後蓋部72の間で、前記合成出力軸84の後部、フロント出力軸92、リヤ出力軸63及びカウンタ軸94の各軸をベアリング軸受している。
【0029】
前記合成出力軸84の後部では、前進ギヤ87と、後進ギヤ88を遊転軸支しており、合成出力軸84に各ギヤ87・88をスライダ89によって選択的に係合することによって、前進または中立または後進の出力に切り換える構成としている。
【0030】
前記フロント出力軸92では、入力ギヤ96によりフロント出力軸92に伝達された動力を、差動ギヤ90を介して左右の前車軸91に伝達可能としている。さらに、該フロント出力軸92上には、ブレーキ装置120が設けられており、図9にも示す如く、上端部をミッションケース4上部に延出するブレーキ操作軸121の回動によりブレーキ装置120の作動を制御可能とし、ブレーキ装置120が作動すればフロント出力軸92に制動力が働いて前輪6・6の回転を停止させる構成としている。また、後述する入力ギヤ95・96が常時噛合しているので、リヤ出力軸63を介して後輪の回転も停止させることができる。
【0031】
前記ブレーキ装置120は、主に押圧部材120a、そのボス部がフロント出力軸92に嵌合されているブレーキディスク120b・120b・・・、及び、制動パット120c・120c・・・で構成されており、また、ブレーキ操作軸121には、軸を断面半円状に切り欠いて非作動部121aと作動部121bが形成されている。ブレーキ操作軸121の非作動部121aが押圧部材120aと対峙しているときはブレーキ装置120が非作動であり、作動部121bが押圧部材120aと対峙しているときは、該ブレーキ操作軸121が押圧部材120aを押圧してブレーキディスク120b・120b・・が制動パット120c・120c・・に押し当てられてブレーキ装置120が作動し、フロント出力軸92の回転を制止させる。
【0032】
前記リヤ出力軸63では、移動ギヤ97及び植付ギヤ98を遊転軸支しており、副変速スライダ99によって各ギヤ97・98をリヤ出力軸63に選択的に係合させる構成としている。前記副変速スライダ99及び合成出力軸84上の前後進切換スライダ89は、同一のシフトフォーク106に係止されており、変速レバー28の位置切換によって前後進及び副変速(低高速)の切換を行うことができる。なお、PTO出力軸64の手動回転を可能にするため、移動ギヤ97と植付ギヤ98が共に遊転する状態を現出可能としている。
【0033】
前記カウンタ軸94では、伝達ギヤ141と高速用ギヤ100とPTO変速ギヤ93・93・・・を係合軸支している。PTO変速ギヤ93・93・・・は、図10にも示す如く、PTO変速軸116に設けられた径の異なる複数のギヤ56・56・・・に噛合しており、PTO変速装置115によって作動するギヤの組み合わせを選択することにより、該PTO変速ギヤ93の動力を変速してPTO出力軸64に伝え、株間変速自在に植付部15を駆動している。さらに、ミッションケース4に内設させるチェン113を介してPTO出力軸64に施肥出力軸114を連結させ、植付部15と同調させて施肥機38を駆動するようにしている。また、前記伝達ギヤ141は前進ギヤ87と、前記高速用ギヤ100は移動ギヤ97に噛合し、合成出力軸84からリヤ出力軸63の間に介在して動力を伝達している。
【0034】
上述の構成において、前後輪6・6・8・8を後進駆動するときには、前記リヤ出力軸63及びフロント出力軸92上の入力ギヤ95・96を介して、合成出力軸84上の後進ギヤ88の後進動力をリヤ出力軸63及びフロント出力軸92に伝達する。
【0035】
また、前後輪6・6・8・8を苗の植付作業速度で前進駆動するときには、前記伝達ギヤ141からカウンタ軸94上の低速用のPTO変速ギヤ93、植付ギヤ98を介して前進ギヤ87の動力を前記リヤ出力軸63及びフロント出力軸92に伝達する。なお、副変速スライダ99を摺動して変速し、前進ギヤ87の動力を高速用ギヤ100及び移動ギヤ97を介して各出力軸63・92に伝達し、圃場間の路上移動などの高速の移動速度で前後輸6・6・8・8を前進駆動することも可能に構成している。
【0036】
次に、主クラッチ及び変速装置の操作部材である変速ペダル31の操作機構について説明する。
【0037】
図7、図11乃至図13に示す如く、油圧式無段変速機構57の油圧ポンプ85の斜板107の角度を制御する変速制御軸108は伝動機構を介して変速操作カム109と連動連結されている。即ち、変速制御軸108に、変速アーム173及び変速操作ロッド172からなるリンク110を介して変速操作カム109と連結し、該変速操作カム109に変速ペダル31が連結されている。変速ペダル31はブレーキ装置120の操作部材であるブレーキペダル30と近設して配置されている。
【0038】
前記変速操作カム109に、変速ペダル31及び変速操作カム109の回動軸であるペダル軸101の一端を挿入固定し、該ペダル軸101の他端で変速ペダル31のペダルアーム31aに固設したボス部31bを外嵌固定している。すなわち、変速ペダル31を踏込操作することにより、変速操作カム109がペダル軸101を中心として回動し、該変速操作カム109に連結されたリンク110を介して変速制御軸108が回動操作され、油圧ポンプ85の斜板107の角度を変更する。
【0039】
なお、前記ペダル軸101は、図14にも示す如く、前部フレーム43と中間フレーム44を連結するブラケット132を左右に貫通する筒状支持体103に遊嵌され、変速ペダル31のペダル部31cは、前部フレーム43と中間フレーム44を連結するブラケット132と中間フレーム44と後部フレーム45とを連結するブラケット131との間に架設されたステー139にボルト160・160によって固定されている。
【0040】
前記変速操作カム109は、側面視において、ペダル軸101の上方および下方に膨らませてロッド枢結部109cと、オイルダンパ枢結部109bとが形成され、さらに、ペダル軸101より前方へ大きく突出し、その先端に鋸刃状の歯を一体的に形成した速度保持操作用の係止部109aが形成されている。そして、オイルダンパ枢結部109bには、変速装置と主クラッチを連動させるための連動部材である連動ロッドを枢結するためのステーが固設されている。
【0041】
前記係止部109aは、速度保持操作カム102に形成された爪部102aと係合することによって、変速操作カム109の位置、すなわち、変速ペダル31の踏込操作位置を保持するためのものである。前記速度保持操作カム102の回動軸であるカム軸136は前部フレーム43に支承されており、また、油圧ポンプ85の斜板107の角度を制御する変速制御軸108に、リンク110を介して連結した変速操作カム109は変速ペダル31と連結されている。そして、図15に示す如く、操向ハンドル14の近傍に配設された速度保持操作レバー54を手前側に引いて、該速度保持操作レバー54に連結された操作ロッド50を介して速度保持操作カム102を回動し、速度保持操作カム102の爪部102aが変速操作カム109の係止部109aに係合することによって、変速ペダル31の操作位置を保持できるよう構成されている。
【0042】
なお、速度保持操作カム102はブレーキペダル30とも連動板129を介して連動連結されており、ブレーキペダル30を踏込操作すれば、速度保持操作カム102が回動して変速操作カム109と速度保持操作カム102との係合を解除できる構成としている。
【0043】
前記オイルダンパ枢結部109bでは、変速操作カム109にピン104を挿設し、ここで、定速作動部材であるオイルダンパ112の一端と、変速ペダル31の足踏み解除によって変速ペダル31を自動的に停止(車速ゼロ)操作位置に復帰動作させるバネ111の一端を枢支し、該オイルダンパ112とバネ111とを対向状に配置している。そして、前記変速操作カム109に一側を連結させるバネ111の他側を、中間フレーム44と後部フレーム45間に介設するブラケット131に連結し、変速操作カム109のバネ111とは対向状に連結したオイルダンパ112の他側をU字形金具133を介して前部フレーム43上の固定ピン134に係合連結している。このようにして、踏み込んでいた変速ペダル31から足を離したとき、オイルダンパ112の抵抗とバネ111の復動力により変速ペダル31が緩やかな略一定速度で戻って除々に低速になる動作を行うよう構成している。
【0044】
一方、前記ロッド枢結部109cでは、板状の変速操作カム109を、変速操作ロッド172の一端で挟み込んで、これらにピンを貫設して、変速操作ロッド172を枢支している。該変速操作ロッド172を回動してその全長を調節することにより、変速ペダル31の踏込み量や変速ペダル31による変速制御軸108の操作具合等の操作フィーリングを調整可能としている。
【0045】
なお、変速操作カム109には変速ペダル31の操作位置を検出するための被検出体である検出ピン109dを固設し、該検出ピン109dがセンサ105の検出アーム105aに当接することによって変速操作カム109の操作位置を検出可能に構成している。
【0046】
ここで、本発明に係る走行変速装置とクラッチ体の連動機構の第一参考例について説明する。
【0047】
図12及び図13に示す如く、前記変速ペダル31と同期してペダル軸101を中心として回動する変速操作カム109のオイルダンパ枢結部109bには、変速操作部材である変速ペダル31と主クラッチ47を連動させるための連動部材である連動ロッド180の上端180aを枢結するためのステー109eが固設されている。そして、該連動ロッド180の下端180bは、ミッションケース4内部より外部へ延出したクラッチ軸48上に、ミッションケース4外側において嵌装されたクラッチアーム48bに枢結されている。
【0048】
図16に示す如く、前記連動ロッド180は中途部に伸縮部180cが設けられ、該伸縮部180bにおいてシャフト間に弾性体182(本参考例では、引っ張りバネとしている)を介装して、伸縮可能に構成されている。そして、連動ロッド180の弾性体182が自然長である状態でクラッチアーム48bが主クラッチ47が「断」である状態となるよう、連動ロッド180の長さを調節することによって設定されている。
【0049】
上述の如く構成した連動機構では、変速ペダル31が踏込操作されていない、すなわち、上死点にある状態では、クラッチアーム48bは主クラッチ47が「断」の状態にある。この状態から、変速ペダル31を踏込操作すると、変速ペダル31の回動に伴って変速操作カム109がペダル軸101を中心として回動し、連動ロッド180が斜め前上方へ引かれることによって、連動ロッド180の下端に枢結したクラッチアーム48bが前方へ回動して、主クラッチ47を「接」の状態に切り換える。
【0050】
主クラッチ47が「接」となると、クラッチアーム48bはミッションケース4の側方に突出したストッパ部材181に当接して、該クラッチアーム48bの前方への回動を規制されると、これ以後は、図17に示す如く、変速ペダル31を踏込操作してさらに変速操作カム109が回動しても、連動ロッド180の弾性体182が伸長することになり、クラッチアーム48bは主クラッチ47が「接」となる状態に保持される。
【0051】
上述の如く、変速ペダル31の踏込操作によってクラッチアーム48bが回動することにより、主クラッチ47を断/接操作可能なシフタ49を摺動させる。従って、変速ペダル31の踏込操作によって、クラッチアーム48bを介してミッションケース4内においてクラッチ軸48に外嵌されたクラッチアーム48aを回転し、シフタ49を摺動させることによって主クラッチ47が「接」となり、合成出力軸84に回転動力が伝達されて、前後輪6・6・8・8へ回転動力が伝達される。
【0052】
また、上述の如く踏込操作された状態にある変速ペダル31の踏込操作を解除する際には、変速ペダル31の後方への回動に伴って変速操作カム109がペダル軸101を中心に後方へ回動する。このとき、伸びた状態にあった連動ロッド180の弾性体182は自然長となるまで徐々に縮んでいく。そして、連動ロッド180の弾性体182が自然長となり、さらに変速操作カム109が後方へ、すなわち、変速ペダル31の踏込操作が解除される方向に回動すると、変速操作カム109の回動によって、クラッチアーム48bが後方へ回動するよう連動ロッド180が該クラッチアーム48bを押圧し、変速ペダル31が上死点に至った状態で、クラッチアーム48bが主クラッチ47が「断」となる状態に至るまで後方へ回動する。変速ペダル31の踏込操作を解除して該変速ペダル31が上死点に至ると、クラッチアーム48bが上述の踏込操作時とは反対方向に回転し、シフタ49を摺動させることによって主クラッチ47を「断」として、合成出力軸84に回転動力が伝達されないようにして、前後輪6・6・8・8への回転動力を断絶する。
【0053】
すなわち、変速ペダル31の操作に主クラッチ47が連動し、変速ペダル31が踏込操作されている状態では主クラッチ47が「接」であり、変速ペダル31が車両停止操作位置である上死点にある状態では、主クラッチ47が「断」となるのである。
【0054】
従って、変速ペダル31という一つの操作部材を操作するだけで、主クラッチ47「接」と走行変速の操作を連続的に行うことが可能となり、操向ハンドル14を両手で把持した状態で変速操作を行うことができ、走行が安定する。さらに、主クラッチ47のみを操作するための(例えば、主クラッチ操作ペダル等の)操作部材が不要となり、部品点数を低減してコストの削減に寄与している。
【0055】
また、車両の停止操作時に、車両の停止のために特別な操作部材(例えば、主クラッチ操作ペダルや、主クラッチとブレーキ装置を連動させたブレーキペダル等)を操作せずとも、変速ペダル31の踏込操作を解除するだけで車両を停止させることができ、操縦者にとって操作が簡易となる。
【0056】
そして、変速ペダル31が上死点にある状態では主クラッチ47は必ず「断」の状態であるため、変速操作部材である変速ペダル31の車速ゼロ操作位置に、油圧式無段変速機構57の作動油温の上昇等を原因とするばらつきが生じたとしても、確実に車両の走行を停止させることができる。
【0057】
次に、本発明に係る走行変速装置とクラッチ体の連動機構の第一実施例について説明する。
【0058】
本第一実施例では、図18に示す如く、変速ペダル31の踏込操作に伴って変速操作カム109が回動することによって、該変速操作カム109に付設された被検出体である検出ピン109dが、センサ105の検出アーム105aに当接し、変速操作カム109の操作位置、すなわち、変速ペダル31の操作位置を検出可能に構成し、変速ペダル31が上死点にあるときには、主クラッチ47を「断」とし、また、変速ペダル31が踏込操作されているときには、主クラッチ47を「接」とするように構成している。
【0059】
図19に示す如く、主クラッチ47を操作するシフタ49を摺動操作するクラッチアーム48aには、例えば、電動シリンダ等のアクチュエータ183が連結され、該アクチュエータ183によりクラッチアーム48aが操作されることにより主クラッチ47を操作するよう構成している。さらに、該アクチュエータ183は制御装置184と電気的に接続され、該制御装置184に電気的に接続されたセンサ105からの信号を受けて、制御装置184がアクチュエータ183を制御する。
【0060】
従って、センサ105によって変速ペダル31が踏込操作された状態にあることが検出されると、制御装置184はアクチュエータ183を駆動して、クラッチアーム48aに枢結したアーム183aを伸長させて該クラッチアーム48aを回動してシフタ49を摺動させ、主クラッチ47を「接」とする。また、センサ105によって変速ペダル31が上死点にあることが検出されると、制御装置184はアクチュエータ183を駆動して、クラッチアーム48aに枢結したアーム183aを短縮させて該クラッチアーム48aを回動してシフタ49を摺動させ、主クラッチ47を「断」とする。
【0061】
このとき、アクチュエータ183によってクラッチアーム48aを回転駆動し主クラッチ47を切換操作するため、アクチュエータ183の作動速度を制御することにより、主クラッチ47の「接」と「断」の切換操作速度を制御することができる。従って、所望の主クラッチ47の操作フィーリングを容易に得ることができ、また、例えば、長時間の半クラッチ状態を防止することによって、主クラッチ47の構成部材の耐久性の向上を図ることができる。
【0062】
そして、変速ペダル31の操作位置をセンサ105によって検出するため、該変速ペダル31の操作位置とエンジン2の回転数を連動させることも可能となる。すなわち、車両の円滑な発進と走行を得るために、変速ペダル31の操作位置に応じてエンジン回転を変化させるのである。
【0063】
なお、変速操作部材と主クラッチの連動機構の形態は、第一参考例及び第一実施例に限定されず、例えば、操作ワイヤを利用して連動機構を構成することもできる。
【0064】
次に、本発明に係る走行変速装置とクラッチ体の連動機構の第二参考例について説明する。
【0065】
前記第一参考例及び第一実施例では、変速装置として油圧式無段変速機構(HST)57と遊星ギヤ機構83より成る機械−油圧式無段変速装置(HMT)を採用しているが、第二参考例では、変速装置としてベルト式無段変速機構(CVT)277を採用している。ベルト式無段変速機構277では、油圧式無段変速機構57を含む変速装置とは異なり、変速装置を変速操作する変速操作部材に車速ゼロ操作位置が存在しない。
【0066】
図20に示す参考例の如く、エンジン2の出力軸253に出力プーリ254を取り付け、該出力プーリ254をカウンタ軸250後端側に設けたカウンタプーリ251にVベルト255・255を介して連結するとともに、エンジン2後面に対面配置したオルタネータ252の入力プーリ256に、Vベルト257を介して前記出力プーリ254を連結している。
【0067】
さらに、図21の参考例にも示す如く、巻付け径を変化させて変速比を無段階に変更する入出力プーリ284・285及びVベルト286を、ベルト変速ケース279に内設し、ユニバーサルジョイント287・287を有する伝動軸288を介してベルト変速ケース279の入力軸289前端を前記カウンタ軸250後端に連結している。そして、入力軸289後端に油圧ポンプ280を直接連結するとともに、多板摩擦形乾式主クラッチ290をクラッチケース278に内設し、ベルト変速ケース279の出力軸291を、ギヤ変速ケース204の入力軸292に前記主クラッチ290を介して連結している。なお、前記ベルト変速ケース279後面及びクラッチケース278前面の接合部には輪体314が嵌合されて、これにより二つのケース279・278が連結されている。
【0068】
また、前記入力軸292に走行変速ギヤ機構293を介して走行出力軸294を連結し、前後輪6・6・8・8を支持する前後車軸に、前後輪伝動軸297・298を介して前記走行出力軸294を連結し、前後輪6・6・8・8を駆動するとともに、前記入力軸292にPTO変速ギヤ機構299を介してPTO軸300を連結し、PTO軸300を介して植付部15を駆動している。また、変速ケース204近くでPTO軸300出力をスプロケット301により分岐して、施肥機38の繰出部を駆動するよう構成している。
【0069】
また、前記主クラッチ290では、加圧板305と前記入力軸292に固定された加圧板306によって複数のクラッチ板304・304・・・を挟持し、該クラッチ板304・304・・・の外周部を、クラッチドラム309の内周部に形成された内周溝308に嵌合している。該クラッチドラム309では、該クラッチドラム309の軸部に形成された軸孔部310に、出力軸291後端に形成されたスプライン部311とスプライン嵌合している。
【0070】
そして、入力軸292はクラッチアーム48aの回動により軸方向に移動可能に構成されており、該クラッチアーム48aはクラッチ軸48の回動により回動操作される。クラッチ軸48はクラッチケース278より外方へ延出され、ここに、変速ペダル31の踏込操作に連動するクラッチアーム48bが嵌挿されている。なお、主クラッチ290が「接」であるときは、出力軸291の回転動力が、クラッチドラム309、クラッチ板304・304・・・、加圧板306を介して入力軸292に伝達される。また、主クラッチ290が「断」であるときは、出力軸291の回転動力が、クラッチドラム309と入力軸292の間で断たれる。
【0071】
さらに、前記プーリ284・285のベルト286巻付け径を変化させる変速軸303をベルト変速ケース279に設け、該変速軸303を変速操作軸108に連結させている。該変速操作軸108は変速ペダル31と同様に回動する変速操作カム109に変速ロッド172及び変速アーム173を介して連結されて、従って、変速ペダル31の踏込操作により変速軸303が操作され、ベルト式無段変速機構277を制御する。
【0072】
上述の如く構成した変速装置において、変速ペダル31が踏込操作されていない上死点にある状態では、ベルト式無段変速機構277は低速の状態であり、且つ、主クラッチ290は「断」の状態であるよう調整されている。そして、変速ペダル31を踏込操作すれば、該変速ペダル31とクラッチアーム48bが連動して、主クラッチ290を「接」の状態に切り換える。変速ペダル31を踏込操作している状態では、主クラッチ290は「接」の状態を保持する。また、変速ペダル31の踏込操作を解除して、変速ペダル31が上死点に至ったときに、クラッチアーム48bが回動して主クラッチ290を「断」とする。
【0073】
すなわち、変速ペダル31の操作に主クラッチ290が連動し、変速ペダル31が踏込操作されている状態では、主クラッチ290は「接」であり、変速ペダル31が上死点に至れば、主クラッチ290が「断」となるのである。
【0074】
上述の如く、例えば、ベルト式無段変速機構277を具備する変速装置のように、変速装置として変速操作部材に車速ゼロ操作位置を有しない変速装置を搭載した車両を停止させる際には、変速操作部材を所定の低速位置に移動操作するのみで、主クラッチ290を「断」とすることができるため、確実に車両を停止させることができる。また、変速操作部材と植付部15の昇降操作部材とを別体とすることで、旋回時においても車速の増減が可能となり、操縦者の所望に応じた車速での旋回を行うことが可能となる。
【0075】
よって、変速装置の変速操作部材での車速ゼロ操作位置の有無に関わらず、変速操作部材とクラッチ体である主クラッチを連動して、車速ゼロ操作位置がある場合は、変速操作部材が車速ゼロ操作位置にあるとき主クラッチを「断」とし、車速ゼロ操作位置がない場合は、変速操作部材がある一定の低速操作位置にあるとき、主クラッチを「断」とすることができ、また、変速操作部材がこれらの操作位置以外にあるときは主クラッチを「接」とすることができるのである。
【0076】
さらに、例えば、変速操作部材がレバー部材であれば、変速操作をする際には、操縦者は一方の手でレバー部材を、他方の手で操向ハンドルを握った状態での操向となり、ふらつきが生じる恐れがあるが、前記変速操作部材をペダル部材とすることで、操縦者は操向ハンドルを両手で把持した状態で、クラッチ体である主クラッチと変速装置とを操作することができるので、安定した状態で操向できるため直進時において車両のふらつきを防止することができる。また、車両の旋回時においても、操向ハンドルを両手で回しながらペダル部材を操作して変速できるので、操縦者の嗜好に応じた増減速が可能となる。
【0077】
なお、変速装置は無段変速としているが、変速装置の形態はこれに限定されず、例えば、有段変速であったとしても、変速装置と主クラッチを連動させることができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0079】
走行変速装置として、油圧ポンプ(85)及び油圧モータ(86)からなる油圧式無段変速機構(57)を配設し、操縦部に配置した変速ペダル(31)の踏込みに連動して、該油圧ポンプ(85)の斜板(107)の角度を制御し変速操作する乗用田植機において、前記油圧式無段変速機構(57)の後段に配置した主クラッチ(47)の接/断操作と、前記油圧式無段変速機構(57)の変速操作を、単一の該変速ペダル(31)にて操作可能とし、該変速ペダル(31)の踏込操作に伴ない回動する変速操作カム(109)を設け、該変速操作カム(109)の回動に伴い回動する被検出体と、該被検出体の位置を検出する変速センサ(105)を設け、該変速センサ(105)にて被検出体の位置を検出することにより、該変速操作カム(109)の操作位置即ち該変速ペダル(31)の操作位置を検出し、該変速センサ(105)からの信号を受ける制御装置(184)を設け 、該制御装置(184)と前記変速センサ(105)を電気的に接続し、該制御装置(184)により伸縮制御するアクチュエータ(183)を設け、該アクチュエータ(183)を、前記主クラッチ(47)のシフタ(49)を操作するクラッチアーム(48a)に連結し、該変速ペダル(31)が、踏込み操作されていない上死点位置にあるときには、前記アクチュエータ(183)により主クラッチ(47)を「断」とし、該変速ペダル(31)を踏込み操作すると、該変速ペダル(31)の回動に伴って、前記変速操作カム(109)が回動し、該変速操作カム(109)に付設された被検出体が、該変速センサ(105)に当接し、前記アクチュエータ(183)により該主クラッチ(47)を「接」の状態に制御するので、次のような効果を奏するのである。
即ち、従来のように、主クラッチのみの操作部材を操作せずとも車両の走行停止操作ができるため、操作が簡易となり、また、主クラッチのみの操作部材をなくすことができ部品点数を低減してコストの削減に寄与している。
また、前記単一の操作部材は操縦者の搭乗部に配設した変速ペダル(31)とするので、操縦者は両手で操向ハンドルを把持した状態で車両の走行・旋回・停止を操作でき、車両走行のふらつきを防止できる。また、車両の旋回時に車速の増減速が可能となる。
【0080】
また、変速センサ(105)によって変速ペダル31が踏込操作された状態にあることが検出されると、制御装置184はアクチュエータ183を駆動して、クラッチアーム48aに枢結したアーム183aを伸長させて、該クラッチアーム48aを回動してシフタ49を摺動させ、主クラッチ47を「接」とする。また、センサ105によって変速ペダル31が上死点にあることが検出されると、制御装置184はアクチュエータ183を駆動して、クラッチアーム48aに枢結したアーム183aを短縮させて該クラッチアーム48aを回動してシフタ49を摺動させ、主クラッチ47を「断」とする。
このとき、アクチュエータ183によって、クラッチアーム48aを回転駆動し、主クラッチ47を切換操作するため、アクチュエータ183の作動速度を制御することにより、主クラッチ47の「接」と「断」の切換操作速度を制御することができるのである。
従って、所望の主クラッチ47の操作フィーリングを容易に得ることができ、また、例えば、長時間の半クラッチ状態を防止することによって、主クラッチ47の構成部材の耐久性の向上を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る田植機の全体的な構造を示す平面図。
【図2】 同じく側面図。
【図3】 車体フレームを示す平面図。
【図4】 駆動部の説明側面図。
【図5】 駆動部の説明平面図。
【図6】 ミッションケースの断面図。
【図7】 ミッションケースのスケルトン図。
【図8】 主クラッチの説明図。
【図9】 ブレーキ装置の説明図。
【図10】 PTO変速機構の説明図。
【図11】 変速装置及びブレーキ装置の操作機構を示す斜視図。
【図12】 変速ペダル操作機構を示す平面図。
【図13】 変速ペダル操作機構を示す右側面図。
【図14】 車体フレームにおける変速ペダル操作機構支持部を示す斜視図。
【図15】 速度保持操作レバーを示す斜視図。
【図16】 第一参考例における変速ペダルと主クラッチの連動機構を示す右側面図。
【図17】 同じく腰部拡大図。
【図18】 第一実施例における変速ペダルと主クラッチの連動機構を示す右側面図。
【図19】 同じく主クラッチの操作を示す説明図。
【図20】 第二参考例における変速装置のスケルトン図。
【図21】 同じく主クラッチ及び変速装置を示す説明図。
【図22】 従来のベルト式無段変速機構の操作部材の一例を示す図。
【符号の説明】
31 変速ペダル
47 主クラッチ
48a・48b クラッチアーム
105 センサ
108 変速操作軸
109 変速操作カム
109d 検出ピン
180 連動ロッド
290 主クラッチ
Claims (1)
- 走行変速装置として、油圧ポンプ(85)及び油圧モータ(86)からなる油圧式無段変速機構(57)を配設し、操縦部に配置した変速ペダル(31)の踏込みに連動して、該油圧ポンプ(85)の斜板(107)の角度を制御し変速操作する乗用田植機において、前記油圧式無段変速機構(57)の後段に配置した主クラッチ(47)の接/断操作と、前記油圧式無段変速機構(57)の変速操作を、単一の該変速ペダル(31)にて操作可能とし、該変速ペダル(31)の踏込操作に伴ない回動する変速操作カム(109)を設け、該変速操作カム(109)の回動に伴い回動する被検出体と、該被検出体の位置を検出する変速センサ(105)を設け、該変速センサ(105)にて被検出体の位置を検出することにより、該変速操作カム(109)の操作位置即ち該変速ペダル(31)の操作位置を検出し、該変速センサ(105)からの信号を受ける制御装置(184)を設け、該制御装置(184)と前記変速センサ(105)を電気的に接続し、該制御装置(184)により伸縮制御するアクチュエータ(183)を設け、該アクチュエータ(183)を、前記主クラッチ(47)のシフタ(49)を操作するクラッチアーム(48a)に連結し、該変速ペダル(31)が、踏込み操作されていない上死点位置にあるときには、前記アクチュエータ(183)により主クラッチ(47)を「断」とし、該変速ペダル(31)を踏込み操作すると、該変速ペダル(31)の回動に伴って、前記変速操作カム(109)が回動し、該変速操作カム(109)に付設された被検出体が、該変速センサ(105)に当接し、前記アクチュエータ(183)により該主クラッチ(47)を「接」の状態に制御することを特徴とする乗用田植機。
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