JP2001088732A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 乗用型田植機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 変速された動力を操向可能な左右の前輪と操向不能な左右の後輪に伝達するよう構成するとともに、左右の後輪に対応してそれぞれ摩擦式のサイドクラッチを装備し、
設定された基準角度以上に前輪が操向操作されることのみによって旋回内側のサイドクラッチが切り操作されるようにするサイドクラッチ自動操作機構を備えると共に、
機体停止ペダルを搭乗運転部の右側足元箇所に備えて、前記機体停止ペダルによってのみ主クラッチが切り操作され機体停止ブレーキが制動操作されるように構成し、
左右の前輪をデフロック付きのデフ装置を介して駆動するように構成し、前記デフ装置をデフロック状態に操作するデフロックペダルを機体停止ペダルよりも後側に備えてある乗用型田植機。
【請求項2】 前記前輪を最大に操向操作してUターン旋回した時に、機体中心が隣接植付け状態になるように、前記前輪の最大操向角度を設定してある請求項1に記載の乗用型田植機。
【請求項3】 前記前輪を操向するパワーステアリング装置を備えてある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操向可能な左右の前輪と操向不能な左右の後輪を備えた4輪駆動式の乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用型田植機においては、左右の前輪をデフ機構を介して駆動するとともに、左右の後輪をサイドクラッチ・ブレーキを介して等速で駆動する車輪駆動形態が多用され、その操作構造としては、搭乗運転部の足元右側に、サイドクラッチ・ブレーキを左右独立的に操作する左右一対のサイドクラッチブレーキペダルが並列配備される。
【0003】
上記構成においては、前輪を操向操作するとともに、旋回内側となる一方のサイドクラッチブレーキペダルのみを踏み込み操作して、旋回内側のサイドクラッチを切り操作して旋回内側のサイドブレーキを制動操作することにより、機体を小回り旋回させることができる。
【0004】
因みに左右の後輪をトラクタと同様にデフ機構を介して駆動すると、旋回時に左右後輪の駆動速度が自動的変更され、滑らかな旋回走行を行うことができるのであるが、その反面、負荷に応じて左右の後輪の回転速度が変化するので、耕盤に凹凸があって左右後輪の接地荷重が大きく変化しやすい水田では直進性が低下して、機体操縦が困難になる。そこで、直進走行性が重要視される乗用型田植機などの水田作業機では、左右の後輪にサイドクラッチ・ブレーキ方式が採用されているのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
直進走行性に優れた上記構造の走行系を備えた乗用型田植機は、水田内の植付け走行には好適であるが、畦際での旋回性において問題があった。すなわち、畦際で機体を大きくUターン旋回させる場合、サイドクラッチブレーキペダルを踏み込み操作して機体旋回を行うと、旋回内側の後輪がサイドブレーキで固定されてしまうために回転しない後輪を引きずり回すことになって、圃場を大きく荒らしてしまったり、走行負荷が増大する不具合が発生しやすいものであった。特に、深い圃場ではこのような傾向が強くなるものであった。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、圃場を荒らすことなく軽快に旋回することができるとともに、畦際での機体旋回を行う際の操作性に優れた乗用型田植機を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[請求項1に係る発明の構成、作用および効果]
【0008】
(構成) 請求項1に係る発明の乗用型田植機は、変速された動力を操向可能な左右の前輪と操向不能な左右の後輪に伝達するよう構成するとともに、左右の後輪に対応してそれぞれ摩擦式のサイドクラッチを装備し、設定された基準角度以上に前輪が操向操作されることのみによって旋回内側のサイドクラッチが切り操作されるようにするサイドクラッチ自動操作機構を備える。機体停止ペダルを搭乗運転部の右側足元箇所に備えて、機体停止ペダルによってのみ主クラッチが切り操作され機体停止ブレーキが制動操作されるように構成する。左右の前輪をデフロック付きのデフ装置を介して駆動するように構成し、デフ装置をデフロック状態に操作するデフロックペダルを、機体停止ペダルよりも後側に備える。
【0009】
(作用) 上記構成によると、畦際などでの機体方向転換時には、前輪を大きく操向操作すると、自動的に旋回内側となる一方の後輪のみのサイドクラッチが切り操作される。これによると、左右の前輪と旋回外側の後輪の3輪による駆動で機体が旋回し、この際、サイドクラッチが切り操作された旋回内側の後輪は遊転状態にあるので、機体の旋回移動に伴って無理なく追従回転する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
上記構成によれば、前輪を大きく操向操作すると、左右の前輪と旋回外側の後輪の3輪による駆動で機体が旋回するのであるが、この時のデフ装置を介して駆動される左右の前輪は旋回半径の差に基づいた速度で駆動され、スリップ少なく機体旋回が行える。デフ装置をデフロック状態に操作することで、左右の前輪を等速で駆動することができる。
【0014】
(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、左右の後輪のサイドブレーキを廃止して、旋回する場合に一方のサイドクラッチだけしか切り操作されないようにすることで、サイドクラッチ・ブレーキを利用して旋回する従来構成に見られる問題点である旋回内側の後輪の引きずりによる圃場の荒らしや走行負荷の増大を抑制でき、円滑な機体旋回を軽快に行うことができるとともに、このサイドクラッチの切り操作を自動的に行うので、経験の浅い作業者でも前輪を操向操作するだけで、適切かつ容易に畦際での旋回を行うことができるようになった。
圃場への出入り口スロープでの移動、歩み板を用いてトラックなどの荷台への機体の積み降ろし移動、軟弱地での機体脱出移動、などの際には、デフ装置をデフロック状態に操作し左右速度差のない前輪駆動を行って、蛇行することなく十分な推力で確実に移動することができ、高い旋回性能と確実な推進性能を備えることは水田で使用する乗用型田植機にとって極めて有効となる。
【0015】
請求項2に係る発明の構成、作用および効果]
【0016】
(構成) 請求項2に係る発明の乗用型田植機は、請求項1の発明において、前輪を最大に操向操作してUターン旋回した時に、機体中心がほぼ隣接植付け状態になるように、前輪の最大操向角度を設定してある。
【0017】
(作用・効果) 上記構成によると、一行程の植付け走行を終えて畦際に至ると、前輪を最大に操向操作してUターン旋回することで、殆ど条合わせのための操向修正を行わなくても次行程の植付け走行に移ることができ、機体の小回り旋回が円滑容易に行えるとともに、煩わしい条合わせのための前輪の操向操作を簡略化でき、経験の浅い作業者でも軽快に往復植えを行うことができる。
【0018】
請求項3に係る発明の構成、作用および効果]
【0019】
(構成) 請求項3に係る発明の乗用型田植機は、請求項1又は2の発明において、前輪を操向するパワーステアリング装置を備えてある。
【0020】
(作用・効果) 上記構成によると、前輪操向操作をパワーステアリング装置によって軽快に行うことができるので、大きい前輪操向操作が必要な畦際での前輪の操向操作を迅速軽快に行うことができ、サイドクラッチ自動操作機構を作動させての円滑な旋回を一層的確かつ軽快に行うことができるようになった。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1、図2に、5条植え仕様の乗用型田植機が示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の自走機体3の後部に、5条植え仕様の苗植付装置4が昇降シリンダ6によって駆動される四連リンク機構5を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に5条仕様の施肥装置7が装備された構造となっている。
【0022】
前記自走機体3の機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支する前車軸ケース9aが備えられたミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支する後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9の前方近傍位置に、横向きの出力軸11aを備えたエンジン11が防振ゴム12を介して搭載されるとともに、エンジン11の後方に位置する状態で搭乗運転部13が配備されている。前記搭乗運転部13には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、運転ステップ24などが備えられている。
【0023】
前記苗植付装置4は、5条分の苗を載置して左右方向に設定ストロークで往復移動される苗のせ台16、苗のせ台16の下端から1株分づつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく5組の回転式の植付機構17、植付け箇所を整地する3個の整地フロート18、等を備えて構成されており、苗のせ台16に補給するための予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台49が、機体前部の左右に配備されている。
【0024】
前記施肥装置7は、運転座席15と苗植付装置4との間において自走機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー19、この肥料ホッパー19内の肥料を設定量づつ繰り出す繰出し機構20、繰り出された肥料を供給ホース22を介して苗植付装置4の整地フロート18に備えた作溝器21に空気搬送する電動ファン23、などを備えている。
【0025】
図3、図4に示すように、前記ミッションケース9の左側面には、前記エンジン11の出力軸11aにベルト伝動装置40を介して連動された横向きの入力軸41aを備えた主変速装置としての静油圧式無段変速装置(HST)41が、その出力をミッションケース9内に横向き軸で伝達する状態に、かつ、その入力軸41aと出力軸41bとを前後に配設した状態に連結されている。
【0026】
前記ベルト伝動装置40は、エンジン11の出力軸11aに装着した出力プーリ40aと静油圧式無段変速装置41の入力軸41aに装着した入力プーリ40bとにわたって伝動ベルト40cを巻回し、この伝動ベルト40にテンションを付与するテンションプーリ40dを設けて構成されている。
【0027】
前記静油圧式無段変速装置41の入力軸41aは、ミッションケース9の前部を通して右側に延出されている。この静油圧式無段変速装置41を操作するための主変速レバー46は、前記ステアリングハンドル14の左横脇に配置されており、この主変速レバー46の中立から前方への揺動操作によって前進速度の変更が、また、中立から後方への揺動操作によって後進速度の変更が可能となっている。
【0028】
前記ミッションケース9の右側面には、図4に示すように、前記静油圧式無段変速装置41の入力軸41aの延出端部で駆動される油圧ポンプ42が連結されるとともに、ミッションケース9の上面には、図3、図4に示すように、前記ステアリングハンドル14のハンドル軸14aに連動する油圧式のパワーステアリング装置を構成するトルクジェネレータ43と、前記昇降シリンダ6を制御する作業装置昇降操作用の制御バルブ44とが取り付けられている。
【0029】
なお、前記ミッションケース9は作動油タンクに兼用されるものであって、ミッションケース9の右側面に取り付けたオイルフィルター45を通してミッションケース9内の潤滑油を作動油として取り出して静油圧式無段変速装置41及び油圧ポンプ42に供給し、油圧ポンプ42からの圧油は、トルクジェネレータ43に供給され、その後、制御バルブ44を通して昇降シリンダ6に供給されるようになっている。そして、静油圧式無段変速装置41のドレン油は、ミッションケース9に連通する前車軸ケース9aに戻され、制御バルブ44からのドレン油は直接にミッションケース9に戻されるようになっている。
【0030】
図5、図6に示すように、ミッションケース9内には、前記静油圧式無段変速装置41からの出力の伝達を断続する主クラッチ50と、この主クラッチ50からの出力を高低二段に変速する副変速装置51と、この副変速装置51からの出力を左右の前輪1に伝達するデフ装置52とが設置されているとともに、走行伝動系から分岐させた動力の正転動力のみを苗植付装置4へ伝達する一方向クラッチ53と、これからの動力を変速する株間変更用の植付変速機構54と、苗植付装置4への動力伝達を断続する植付クラッチ55、等が装備されている。
【0031】
前記主クラッチ50は多板式のものが採用されており、前記静油圧式無段変速装置41の出力軸41bにカップリング56を介して連結した入力軸57に、駆動側ボス部材58が一体回転可能に連結されるとともに、この駆動側ボス部材58に被さる従動側ドラム60が、前記入力軸57にシフト可能に遊嵌装着されたクラッチ出力軸59に一体回転可能に連結支持され、クラッチ出力軸59および従動側ドラム60を駆動側ボス部材58に対してシフトさせて、駆動側ボス部材58と従動側ドラム60との間に介在した摩擦板61同志を押圧あるいは押圧解除することで、駆動側ボス部材58から従動側ドラム60への動力の摩擦伝達を断続するよう構成されており、かつ、クラッチ出力軸59および従動側ドラム60は常に摩擦板押圧方向(クラッチ入り方向)にスプリング62によって付勢されている。
【0032】
クラッチ50はペダル操作によってのみ入り切り可能に構成されている。つまり、前記搭乗運転部13におけるステップ24の右側足元箇所に設けた機体停止ペダル25と、ミッションケース9の上面に入力軸57に対して直交する縦軸芯P周りで回動可能に貫通装着したクラッチ操作軸63とが連動連結されるとともに、前記機体停止ペダル25と一体回動するペダル軸26に回動アーム27が取り付けられ、この回動アーム27と前記クラッチ操作軸63のケース外突出部に設けた受動アーム63aとがロッド28によって連動連結された構造となっており、機体停止ペダル25の踏み込み操作および踏み込み解除操作に伴ってクラッチ操作軸63が正逆に回動されるようになっている。
【0033】
前記クラッチ操作軸63におけるケース内先端部には、その周面の一部を切除してなる断面半円形の偏心カム63bが形成されており、この偏心カム63bが前記クラッチ出力軸59の端面に対向されている。そして、機体停止ペダル25を踏み込まない通常の状態では、図5に示すように、偏心カム63bはクラッチ出力軸59に対する押圧を解除した姿勢にあり、これによって主クラッチ50の「入り」状態がもたらされる。また、機体停止ペダル25を踏み込み操作すると、偏心カム63bのエッジ部が変位してクラッチ出力軸59の端面に押圧され、スプリング62による付勢に抗してクラッチ出力軸59が移動され、従動側ドラム60が図中右方向に変位されることで主クラッチ50が「切り」状態に切り換えられる。なお、このクラッチ切り状態では、偏心カム63bのエッジ部とクラッチ出力軸59の端面との摩擦により、クラッチ出力軸59の回転に抵抗が与えられ、クラッチ出力軸59が入力軸57とともに連れ回る現象が防止されるようになっている。
【0034】
前記副変速装置51はギヤシフト式のものであって、変速入力軸64には、高速用の大径変速ギヤ65と低速用の小径変速ギヤ66とが共に一体回転する状態でかつ軸芯方向位置決め状態に装着され、変速出力軸67には、大径変速ギヤ65に小径ギヤ部68を噛み合い連動させる高速位置と、小径変速ギヤ66に大径ギヤ部69を噛み合い連動させる低速位置と、噛み合い連動させない中立位置とにシフト自在なシフトギヤ70が一体回転する状態に装着されている。そして、前記クラッチ出力軸59に、大径変速ギヤ65に噛み合い連動して動力を減速伝達する小径出力ギヤ71が一体回転する状態に装着され、クラッチ出力軸59に変速入力軸64が減速連動されている。この副変速装置51を操作するための副変速レバー47は運転座席15の左横脇に配置されている。
【0035】
左右前輪1を駆動する前記デフ装置52はデフロック可能に構成されている。左右に延出された差動軸72の一方に、この差動軸72と一体回転可能かつシフト可能にデフロック用のシフト部材74が装着されており、図5中に示すようにシフト部材74がデフケース73から離反している状態が通常のデフロック解除状態となり、シフト部材74が図中右方にシフトされてデフケース73の端面に噛み合わされることでデフロック状態がもたらされるようになっている。このデフ装置52をデフロック状態とデフロック解除状態とに切り換え操作するデフロック操作手段は、前記シフト部材74がデフロック解除位置に図示しないバネによって付勢されるとともに、搭乗運転部13における足元の左寄り後方箇所に設けたデフロックペダル48と前記シフト部材74とが連動連結されており、通常の走行時にはデフロックペダル48から足を離しておくことでデフロック解除状態が維持され、圃場への機体の出し入れや運搬車両の荷台への機体の積み降ろし、など、必要に応じてデフロックペダル48を左足の踵で踏み込み操作することでデフロック状態をもたらして、左右の前輪1を等速で駆動することができる。
【0036】
また、前記デフ機構52のデフケース73には、前記変速出力軸67にスプライン連結した変速出力ギヤ75に噛み合う入力ギヤ76と、前記後輪2への伝動用の主伝動軸77に一体形成したギヤ78に出力ギヤ79が装着されている。
【0037】
前記一方向クラッチ53は、前記変速入力軸64を走行伝動系から植付伝動系への分岐点として、変速入力軸64の回転のうち前進回転のみを植付伝動系に伝達するように設けられている。
【0038】
前記植付変速機構54は、前記変速出力軸67に相対回転のみ自在に装着されるとともに前記一方向クラッチ53の出力ギヤ80にギヤ81を介して連動する筒軸82に、互いに径が異なる複数の駆動ギヤ83が一体回転する状態に装着され、植付クラッチ55にベベルギヤ84,85を介して連動する植付変速出力軸86に、前記駆動ギヤ83のそれぞれに常時噛み合い連動する従動ギヤ87群が相対回転自在に装着され、各従動ギヤ87の中心孔に形成した係合凹部88に係入することにより従動ギヤ87を植付変速出力軸86に連動連結させる伝動ボール89が植付変速出力軸86に一体回転する状態に装備され、伝動ボール89を択一的に係合凹部88に係入させる操作軸90が設けられた構造となっている。つまり、従動ギヤ87を択一的に植付変速出力軸86に連動連結させることにより、伝動に使用する従動ギヤ87を変更して、複数段(例では6段)の変速を行うように構成されている。
【0039】
後輪駆動用の後部伝動ケース10は、図7〜図9に示すように、機体フレーム8に前後軸芯X周りに一定範囲内でローリング自在に支持された横向き伝動ケース部10Aと、その左右両端それぞれに連結された減速ケース部10Bとから構成されている。横向き伝動ケース部10A内には、ミッションケースから後ろ向きに延出された前記主伝動軸77からの動力を左右に振り分ける横向き伝動軸93が内装され、この横向き伝動軸93と主伝動軸77とはベベルギヤ91,92を介して連動連結されている。また、各減速ケース部10Bには後輪2を軸支する車軸2Aと、前記横向き伝動軸93と車軸2Aとを減速連動する減速ギヤ機構94が装備されている。
【0040】
前記後輪2への伝動系、具体的には、横向き伝動軸93の両端と各減速ギヤ機構94との間それぞれには、後輪2それぞれへの伝動を各別に入り切りする多板式のサイドクラッチ96が介装されている。これらサイドクラッチ96は、横向き伝動軸93にスプライン嵌合されて一体回転するとともに軸芯方向に移動自在なボス部材96Aと、減速ギヤ機構94に連動する従動側ドラム96Bとを備え、ボス部材96Aの機体横外方への移動により互いに圧接されて摩擦連動(クラッチ入り)するとともに、ボス部材96Aの機体横内方への移動により摩擦連動を解除(クラッチ切り)する複数の摩擦板96Cがボス部材96Aと従動側ドラム96Bとに振り分け装着され、ボス部材96Aをクラッチ入り側に移動付勢するクラッチバネ96Dが横向き伝動軸93に外嵌装着されて構成されている。
【0041】
前記減速ギヤ機構94は、サイドクラッチ96の従動側ドラム96Bの横外側に配備されて該従動側ドラム96Bと一体回転する小径の第1ギヤG1と、これに咬合する大径の第2ギヤG2と、第2ギヤG2と同軸でこれと一体回転する小径幅広の第3ギヤG3と、車軸2Aに連結された大径幅広の第4ギヤG4とで2段の減速を行うよう構成したものであり、第3ギヤG3と第4ギヤG4とのギヤ対を機体内側に配備してサイドクラッチ96の下側にもぐり込ませることで、減速ケース95が横外方に幅広くなることが抑制されている。
【0042】
また、図8に示すように、右側の減速ケース部10Bとボス部材96Aとの間には、機体停止ブレーキ30が設けられている。この機体停止ブレーキ30は、前記ボス部材96Aの外周にスプライン外嵌装着された摩擦板31と減速ケース部10Bの内周に係合して回り止めした摩擦板32とを圧接することで、ボス部材96Aとこれと一体回転する横向き伝動軸93を制動するよう構成されたものであり、ボス部材96Aに遊嵌したカップ状の操作部材33が機体横外方(図8では右方向)へ移動されることで摩擦板31,32同士が圧接されるようになっている。
【0043】
前記機体停止ブレーキ30は、減速ケース10Bの上面に縦軸心P1周りに回転自在に貫通装着したブレーキ操作軸34によって操作されるようになっている。つまり、ブレーキ操作軸34のケース内突入部分にはシフトフォーク35が装着されるとともに、このシフトフォーク35が前記操作部材33の端面に対向配備されており、ブレーキ操作軸34を回動することでシフトフォーク35を介して操作部材33をシフトさせて、ボス部材96Aを制動することができるようになっている。
【0044】
そして、図7に示すように、前記ブレーキ操作軸34のケース外突出部に備えた操作アーム34aが前記機体停止ペダル25に連係ロッド36を介して連動連結されており、機体停止ペダル25の踏み込み操作に伴って連係ロッド36が前方に引張り変位されて機体停止ブレーキ30が制動操作され、機体停止ペダル25の踏み込みを解除して元の姿勢まで復帰させると、機体停止ブレーキ30の制動が解除されるようになっている。ここで、機体停止ペダル25は、先に説明したように主クラッチ50にも連係されているので、主クラッチ・ブレーキペダルとして機能するものであり、踏み込み操作によって、先ず前記主クラッチ50が切り操作され、引き続く踏み込み操作によって制動が掛かるようになっている。
【0045】
なお、前記連係ロッド36にはターンバックル36aが備えられており、このターンバックル36aに伸縮調節することで、主クラッチ50に対する機体停止ブレーキ30の操作タイミングを調節することが可能となっている。
【0046】
前記サイドクラッチ96の操作構造は以下のように構成されている。つまり、横向き伝動軸93に前記ボス部材96Aの端面にスラストカラー103を介して突き合わせ配置されたクラッチ操作スリーブ102がスライド可能に遊嵌されるとともに、減速ケース部10Aの上面に縦軸芯P2周りに回動自在にクラッチ操作軸104が貫通装着され、このクラッチ操作軸104のケース内突入端部に形成した偏心カム105が前記クラッチ操作スリーブ102の端面に対向配置され、クラッチ操作軸104の回動操作によってサイドクラッチ96が入り切り操作されるようになっている。
【0047】
左右の前記サイドクラッチ96は、機体操向作動に基づいて旋回内側のものだけが自動的に切り操作されるようになっており、このサイドクラッチ自動操作機構106が以下のように構成されている。つまり、図7に示すように、前記パワーステアリング装置を構成するトルクジェネレータ43で左右に揺動駆動されるピットマンアーム111と、前輪1それぞれのナックルアーム118とがタイロッド119を介して連動連結されてステアリングリンク機構110が構成されるとともに、このピットマンアーム111に連設した操作金具111aと機体の前後中間付近の下部に縦軸芯Y周りに揺動可能に配備した中継アーム113とが押し引きロッド112で連動連結され、中継アーム113の支点軸114の上端の連結した天秤アーム115の左右両端と左右の前記クラッチ操作軸104のケース外突出部に連設した操作アーム104aとがそれぞれロッド116を介して連動連結されている。なお、ロッド116の前方への変位で操作アーム104aが揺動され、ロッド116の後方への変位では操作アーム104aが揺動されないよう、ロッド116の後端部と操作アーム104aとが長孔ピン連係されている。
【0048】
ここで、前記ピットマンアーム111に連設した操作金具111aに形成した押し引きロッド112との連係孔117は操作金具111aの揺動方向に沿った長孔に構成されており、ピットマンアーム111が直進姿勢から設定角(例えば30°)以上に揺動したときのみにピットマンアーム111の揺動を押し引きロッド112に伝達するが設定角未満の揺動は伝達しないように連係孔117の長さが設定されている。
【0049】
従って機体を大きく旋回させるために左右の前輪1を設定角以上に大きく操向すると、ピットマンアーム111の揺動が中継アーム113を介して天秤アーム115に伝達され、前方に引き操作されるロッド116に連係された一方のサイドクラッチ96のみが切り操作される。つまり、旋回内側のサイドクラッチ96のみが切り操作されて、左右の前輪と旋回外側の後輪2との3輪駆動によって機体が旋回し、遊転状態にある旋回内側の後輪2は機体の旋回移動に伴って接地追従して回転し、旋回内側の後輪2で不当に圃場を荒らすことなく機体旋回が行われる。
【0050】
この場合、図10に示すように、前輪1を最大限操向して機体をUターン旋回させると、機体中心がほぼ隣接植付け状態になるように、前輪1の最大操向角度が植付け幅(植付け条数)、前輪トレッド、およびホイールベースに対応して設定されており、これによって畦際でのUターン旋回後の条合わせ操縦を容易化することができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
乗用型田植機の全体側面図
【図2】
乗用型田植機の全体平面図
【図3】
機体前部の側面図
【図4】
機体前部の平面図
【図5】
ミッションケース内伝動機構の一部を示す断面図
【図6】
ミッションケース内伝動機構の一部を示す断面図
【図7】
操作系統図
【図8】
後部伝動ケースの右側部分を示す縦断背面図
【図9】
後部伝動ケースの左側部分を示す縦断背面図
【図10】
畦際での旋回作動を示す平面図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
13 搭乗運転部
25 機体停止ペダル
30 機体停止ブレーキ
43 パワーステアリング装置
48 デフロックペダル
50 主クラッチ
52 デフ装置
96 サイドクラッチ
106 サイドクラッチ自動操作機構
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