JP2001278096A - 乗用型水田作業機 - Google Patents

乗用型水田作業機

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JP2001278096A
JP2001278096A JP2000098528A JP2000098528A JP2001278096A JP 2001278096 A JP2001278096 A JP 2001278096A JP 2000098528 A JP2000098528 A JP 2000098528A JP 2000098528 A JP2000098528 A JP 2000098528A JP 2001278096 A JP2001278096 A JP 2001278096A
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turning
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Masaichi Tanaka
政一 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪サイドクラッチの自動切り操作による軽
快な操向を行うことができるもでありながら、作業条数
が比較的少ない機種における旋回性能を高める。 【解決手段】 操向可能な左右の前輪1を差動装置を介
して駆動するとともに、操向不能な左右の後輪2をサイ
ドクラッチを介して駆動し、前輪1が設定角度以上に操
向されることに連動して、旋回内側となる後輪2に対応
するサイドクラッチを切り操作するサイドクラッチ自動
操作機構を備え、旋回内側の前輪1が最大に操向された
状態において、左右前輪1の間の中央部位の旋回半径R
1 が、旋回外側の後輪2の旋回半径R2 より小さくなる
ように、左右前輪1の間隔、左右後輪2の間隔、およ
び、前後車輪間隔に対して、前輪1の最大操向角度を設
定してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型田植機や乗
用型直播機などの乗用型水田作業機に係り、特には、操
向可能な左右一対の前輪と操向不能な左右一対の後輪を
備えた走行機体の後部に複数条仕様の作業装置を昇降自
在に連結し、走行用動力を左右の前記前輪に差動装置を
介して伝達するとともに、左右の前記後輪にサイドクラ
ッチを介して伝達するよう構成し、前輪が設定角度以上
に操向されることに連動して、旋回内側となる後輪に対
応する前記サイドクラッチを切り操作するよう構成した
乗用型水田作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記乗用型水田作業機としては、例え
ば、特開平9−220946号公報に開示されているよ
うに、左右の後輪にそれぞれサイドクラッチとサイドブ
レーキを装備し、前輪が設定された設定角度以上に操向
されると、旋回内側となる後輪のサイドクラッチのみを
切り操作したり、サイドクラッチを切った後にサイドブ
レーキを作動させたりする操向用の自動操作手段を備え
て機体旋回操作性の向上を図った乗用型田植機が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によると、左
右一対のサイドクラッチペダルやサイドブレーキペダル
を踏みわけ操作するような手間なく、軽快に機体の旋回
操作を行うことができる利点を有するものであるが、そ
の旋回特性についての研究は未だ十分なされておらず、
改良の余地があった。つまり、代表的な乗用型水田作業
機である乗用型田植機では、往復走行しながら複数条の
植付けや播種を行うのが主たる作業形態であり、一行程
の作業走行を終えて畦際に到ると、機体をUターン旋回
して次行程の作業走行に移ることになり、前輪を最大に
操向して方向転換することで次行程の開始位置に移動で
きるように前輪の最大操向角度を設定することが、次行
程の開始位置に機体を操向する操作、いわゆる条合わせ
を簡単かつ速やかに行う上で有効である。このように設
定するには、作業条数の少ない仕様の機種ほど、機体の
最小旋回半径を小さくする必要がある。
【0004】本発明は、このような実情に着目してなさ
れたものであって、後輪サイドクラッチの自動切り操作
による軽快な操向を行うことができるもでありながら、
作業条数が比較的少ない機種における旋回性能を高める
ことを主たる目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の
構成、作用および効果〕
【0006】(構成) 請求項1に係る発明の乗用型水
田作業機は、操向可能な左右一対の前輪と操向不能な左
右一対の後輪を備えた走行機体の後部に複数条仕様の作
業装置を昇降自在に連結し、走行用動力を左右の前記前
輪に差動装置を介して伝達するとともに、左右の前記後
輪にサイドクラッチを介して伝達するよう構成し、前記
前輪が設定角度以上に操向されることに連動して、旋回
内側となる後輪に対応する前記サイドクラッチを切り操
作するサイドクラッチ自動操作機構を備え、旋回内側の
前輪が最大に操向された状態において、左右前輪の間の
中央部位の旋回半径が、旋回外側の後輪の旋回半径より
小さくなるように、左右前輪の間隔、左右後輪の間隔、
および、前後車輪間隔に対して、前輪の最大操向角度を
設定してあることを特徴とする。
【0007】(作用) 上記構成によると、最大操向状
態で旋回を行うと、左右前輪1の中間点FMの移動速度
V1 (差動装置52を介して駆動される左右前輪1の移
動速度の平均)は旋回外側の後輪2の移動速度V2 と略
同一となる。従って、上記のような推進力が機体が左右
前輪1と旋回外側の後輪2との3輪駆動で旋回される
と、旋回外側の後輪2の旋回半径R2 よりも小さい旋回
半径R1 で移動する中間点FMは、大きい旋回半径R2
で後方から略同速度で押されることで、旋回内側へ回り
込みやすくなり、切れ込みの良いな小回り旋回が行われ
る。
【0008】(効果) 従って、請求項1に係る発明に
よると、後輪サイドクラッチの自動切り操作による軽快
な操向を行うことができるもでありながら、高い小回り
旋回性能のもとで、畦際での機体操向を一層確実良好に
行うことができる。
【0009】〔請求項2に係る発明の構成、作用および
効果〕
【0010】(構成) 請求項2に係る発明の乗用型水
田作業機は、請求項1の発明において、旋回内側の前輪
が最大に操向された状態において、左右前輪の軸心の延
長線が、左右後輪の軸心延長線と交差する点が互いに近
接するように、左右前輪の間隔、左右後輪の間隔、およ
び、前後車輪間隔に対して、前輪の最大操向角度を設定
してある。
【0011】(作用・効果)上記構成によると、請求項
1に係る発明の機能をより適確に発揮させることがで
き、請求項1に係る発明の上記効果を助長する。
【発明の実施の形態】図1、図2に、水田作業機の一例
として5条植え仕様の乗用型田植機が示されている。こ
の乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向
不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の自走機体3
の後部に、5条植え仕様の苗植付装置4が昇降シリンダ
6によって駆動される四連リンク機構5を介して昇降自
在に連結されるとともに、機体後部に5条仕様の施肥装
置7が装備された構造となっている。
【0012】前記自走機体3の機体フレーム8の前部に
は、前輪1を軸支する前車軸ケース9aが備えられたミ
ッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレ
ーム8の後部には、後輪2を軸支する後部伝動ケース1
0がローリング自在に支持されている。また、ミッショ
ンケース9の前方近傍位置に、横向きの出力軸11aを
備えたエンジン11が防振ゴム12を介して搭載される
とともに、エンジン11の後方に位置する状態で搭乗運
転部13が配備されている。前記搭乗運転部13には、
前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル1
4、運転座席15、運転ステップ24などが備えられて
いる。
【0013】前記苗植付装置4は、5条分の苗を載置し
て左右方向に設定ストロークで往復移動される苗のせ台
16、苗のせ台16の下端から1株分づつ苗を切り出し
て圃場に植付けてゆく5組の回転式の植付機構17、植
付け箇所を整地する3個の整地フロート18、等を備え
て構成されており、苗のせ台16に補給するための予備
苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台49が、機体前
部の左右に配備されている。
【0014】前記施肥装置7は、運転座席15と苗植付
装置4との間において自走機体3上に搭載されており、
粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー19、この肥料ホ
ッパー19内の肥料を設定量づつ繰り出す繰出し機構2
0、繰り出された肥料を供給ホース22を介して苗植付
装置4の整地フロート18に備えた作溝器21に空気搬
送する電動ファン23、などを備えている。
【0015】図3、図4に示すように、前記ミッション
ケース9の左側面には、前記エンジン11の出力軸11
aにベルト伝動装置40を介して連動された横向きの入
力軸41aを備えた静油圧式無段変速装置(HST)か
らなる主変速装置41が、その出力をミッションケース
9内に横向き軸で伝達する状態に、かつ、その入力軸4
1aと出力軸41bとを前後に配設した状態に連結され
ている。
【0016】前記ベルト伝動装置40は、エンジン11
の出力軸11aに装着した出力プーリ40aと主変速装
置41の入力軸41aに装着した入力プーリ40bとに
わたって伝動ベルト40cを巻回し、この伝動ベルト4
0bにテンションを付与するテンションプーリ40dを
設けて構成されている。
【0017】前記主変速装置41の入力軸41aは、ミ
ッションケース9の前部を通して右側に延出されてい
る。この主変速装置41を操作するための主変速レバー
46は、前記ステアリングハンドル14の左横脇に配置
されており、この主変速レバー46の中立から前方への
揺動操作によって前進速度の変更が、また、中立から後
方への揺動操作によって後進速度の変更が可能となって
いる。
【0018】また、前記ミッションケース9の右側面に
は、図4に示すように、前記主変速装置41の入力軸4
1aの延出端部で駆動される油圧ポンプ42が連結され
るとともに、ミッションケース9の上面には、図3、図
4に示すように、前記ステアリングハンドル14のハン
ドル軸14aに連動する油圧式のパワーステアリング装
置を構成するトルクジェネレータ43と、前記昇降シリ
ンダ6を制御する作業装置昇降操作用の制御バルブ44
とが取り付けられている。
【0019】なお、前記ミッションケース9は作動油タ
ンクに兼用されるものであって、ミッションケース9の
右側面に取り付けたオイルフィルター45を通してミッ
ションケース9内の潤滑油を作動油として取り出して主
変速装置41及び油圧ポンプ42に供給し、油圧ポンプ
42からの圧油は、トルクジェネレータ43に供給さ
れ、その後、制御バルブ44を通して昇降シリンダ6に
供給されるようになっている。そして、主変速装置41
のドレン油は、ミッションケース9に連通する前車軸ケ
ース9aに戻され、制御バルブ44からのドレン油は直
接にミッションケース9に戻されるようになっている。
【0020】図5、図6に示すように、前記ミッション
ケース9内には、前記主変速装置41からの出力の伝達
を断続する主クラッチ50と、この主クラッチ50から
の出力を高低二段に変速する副変速装置51と、この副
変速装置51からの出力を左右の前輪1に伝達するデフ
機構52とが設置されているとともに、走行伝動系から
分岐させた動力の正転動力のみを苗植付装置4へ伝達す
る一方向クラッチ53と、これからの動力を変速する株
間変更用の植付変速機構54と、苗植付装置4への動力
伝達を断続する植付クラッチ(作業クラッチ)55、等
が装備されている。
【0021】前記主クラッチ50は多板式のものが採用
されており、前記主変速装置41の出力軸41bにカッ
プリング56を介して連結した入力軸57に、駆動側ボ
ス部材58が一体回転可能に連結されるとともに、この
駆動側ボス部材58に被さる従動側ドラム60が、前記
入力軸57にシフト可能に遊嵌装着されたクラッチ出力
軸59に一体回転可能に連結支持され、クラッチ出力軸
59および従動側ドラム60を駆動側ボス部材58に対
してシフトさせて、駆動側ボス部材58と従動側ドラム
60との間に介在した摩擦板61同志を押圧あるいは押
圧解除することで、駆動側ボス部材58から従動側ドラ
ム60への動力の摩擦伝達を断続するよう構成されてお
り、かつ、クラッチ出力軸59および従動側ドラム60
は常に摩擦板押圧方向(クラッチ入り方向)にスプリン
グ62によって付勢されている。
【0022】この主クラッチ50は、前記搭乗運転部1
3におけるステップ24の右側足元箇所に設けたペダル
25によってのみ入り切り操作可能に構成されている。
つまり、ミッションケース9の上面に入力軸57に対し
て直交する縦軸芯P周りで回動可能にクラッチ操作軸6
3が貫通装着されるとともに、前記ペダル25と一体回
動するペダル軸26に回動アーム27が取り付けられ、
この回動アーム27と前記クラッチ操作軸63のケース
外突出部に設けた受動アーム63aとがロッド28によ
って連動連結された構造となっており、ペダル25の踏
み込み操作および踏み込み解除操作に伴ってクラッチ操
作軸63が正逆に回動されるようになっている。
【0023】前記クラッチ操作軸63におけるケース内
先端部には、その周面の一部を切除してなる断面半円形
の偏心カム63bが形成されており、この偏心カム63
bが前記クラッチ出力軸59の端面に対向されている。
そして、ペダル25を踏み込まない通常の状態では、図
5に示すように、偏心カム63bはクラッチ出力軸59
に対する押圧を解除した姿勢にあり、これによって主ク
ラッチ50の「入り」状態がもたらされる。また、ペダ
ル25を踏み込み操作すると、偏心カム63bのエッジ
部が変位してクラッチ出力軸59の端面に押圧され、ス
プリング62による付勢に抗してクラッチ出力軸59が
移動され、従動側ドラム60が図中右方向に変位される
ことで主クラッチ50が「切り」状態に切り換えられ
る。なお、このクラッチ切り状態では、偏心カム63b
のエッジ部とクラッチ出力軸59の端面との摩擦によ
り、クラッチ出力軸59の回転に抵抗が与えられ、クラ
ッチ出力軸59が入力軸57とともに連れ回る現象が防
止されるようになっている。
【0024】また、図示しないが、前記主変速レバー4
6が前進高速域に操作されている状態で前記ペダル25
が踏み込み操作されると、主変速レバー46が中立に近
い所定の前進低速位置にまで強制操作されるように、主
変速レバー46と主段変速装置41とを連係する操作リ
ンク機構と、前記クラッチ操作軸63の受動アーム63
aとが片当たりで接当連動されている。
【0025】前記副変速装置51はギヤシフト式のもの
であって、変速入力軸64には、高速用の大径変速ギヤ
65と低速用の小径変速ギヤ66とが共に一体回転する
状態でかつ軸芯方向位置決め状態に装着され、変速出力
軸67には、大径変速ギヤ65に小径ギヤ部68を噛み
合い連動させる高速位置と、小径変速ギヤ66に大径ギ
ヤ部69を噛み合い連動させる低速位置と、噛み合い連
動させない中立位置とにシフト自在なシフトギヤ70が
一体回転する状態に装着されている。そして、前記クラ
ッチ出力軸59に、大径変速ギヤ65に噛み合い連動し
て動力を減速伝達する小径出力ギヤ71が一体回転する
状態に装着され、クラッチ出力軸59に変速入力軸64
が減速連動されている。この副変速装置51を操作する
ための副変速レバー47は運転座席15の左横脇に配置
されている。
【0026】前記デフ機構52はデフロック可能に構成
されている。つまり、左右に延出された差動軸72の一
方に、この差動軸72と一体回転可能かつシフト可能に
シフト部材74が装着されており、図5中に示すように
シフト部材74がデフケース73から離反している状態
が通常のデフロック解除状態となり、シフト部材74が
図中右方にシフトされてデフケース73の端面に噛み合
わされることでデフロック状態がもたらされるようにな
っている。このデフ機構52をデフロック状態とデフロ
ック解除状態とに切り換え操作するデフロック操作手段
は、前記シフト部材74がデフロック解除位置に図示し
ないバネによって付勢されるとともに、搭乗運転部13
における足元の左寄り後方箇所に設けたデフロックペダ
ル48と前記シフト部材74とが連動連結されており、
通常の走行時にはデフロックペダル48から足を離して
おくことでデフロック解除状態が維持され、圃場への機
体の出し入れや運搬車両の荷台への機体の積み降ろし、
等の場合にデフロックペダル48を左足の踵で踏み込み
操作することでデフロック状態をもたらして、左右の前
輪1を等速で駆動することができる。
【0027】また、前記デフ機構52のデフケース73
には、前記変速出力軸67にスプライン連結した変速出
力ギヤ75に噛み合う入力ギヤ76と、前記後輪2への
伝動用の主伝動軸77に一体形成したギヤ78に出力ギ
ヤ79が装着されている。
【0028】前記一方向クラッチ53は、前記変速入力
軸64を走行伝動系から植付伝動系への分岐点として、
変速入力軸64の回転のうち前進回転のみを植付伝動系
に伝達するように設けられている。
【0029】前記植付変速機構54は、前記変速出力軸
67に相対回転のみ自在に装着されるとともに前記一方
向クラッチ53の出力ギヤ80にギヤ81を介して連動
する筒軸82に、互いに径が異なる複数の駆動ギヤ83
が一体回転する状態に装着され、植付クラッチ55にベ
ベルギヤ84,85を介して連動する植付変速出力軸8
6に、前記駆動ギヤ83のそれぞれに常時噛み合い連動
する従動ギヤ87群が相対回転自在に装着され、各従動
ギヤ87の中心孔に形成した係合凹部88に係入するこ
とにより従動ギヤ87を植付変速出力軸86に連動連結
させる伝動ボール89が植付変速出力軸86に一体回転
する状態に装備され、伝動ボール89を択一的に係合凹
部88に係入させる操作軸90が設けられた構造となっ
ている。つまり、従動ギヤ87を択一的に植付変速出力
軸86に連動連結させることにより、伝動に使用する従
動ギヤ87を変更して、複数段(例では6段)の変速を
行うように構成されている。
【0030】後輪駆動用の後部伝動ケース10は、図7
〜図9に示すように、機体フレーム8に前後軸芯X周り
に一定範囲内でローリング自在に支持された横向き伝動
ケース部10Aと、その左右両端それぞれに連結された
減速ケース部10Bとから構成されている。横向き伝動
ケース部10A内には、ミッションケース8から後ろ向
きに延出された前記主伝動軸77からの動力を左右に振
り分ける横向き伝動軸93が内装され、この横向き伝動
軸93と主伝動軸77とはベベルギヤ91,92を介し
て連動連結されている。また、各減速ケース部10Bに
は後輪2を軸支する車軸2Aと、前記横向き伝動軸93
と車軸2Aとを減速連動する減速ギヤ機構94が装備さ
れている。
【0031】前記後輪2への伝動系、具体的には、横向
き伝動軸93の両端と各減速ギヤ機構94との間それぞ
れには、後輪2それぞれへの伝動を各別に入り切りする
摩擦式のサイドクラッチ96が介装されている。これら
サイドクラッチ96は、横向き伝動軸93にスプライン
嵌合されて一体回転するとともに軸芯方向に移動自在な
ボス部材96Aと、減速ギヤ機構94に連動する従動側
ドラム96Bとを備え、ボス部材96Aの機体横外方へ
の移動により互いに圧接されて摩擦連動(クラッチ入
り)するとともに、ボス部材96Aの機体横内方への移
動により摩擦連動を解除(クラッチ切り)する複数の摩
擦板96Cがボス部材96Aと従動側ドラム96Bとに
振り分け装着され、ボス部材96Aをクラッチ入り側に
移動付勢するクラッチバネ96Dが横向き伝動軸93に
外嵌装着されて構成されている。
【0032】前記減速ギヤ機構94は、サイドクラッチ
96の従動側ドラム96Bの横外側に配備されて該従動
側ドラム96Bと一体回転する小径の第1ギヤG1 と、
これに咬合する大径の第2ギヤG2 と、第2ギヤG2 と
同軸でこれと一体回転する小径幅広の第3ギヤG3 と、
車軸2Aに連結された大径幅広の第4ギヤG4 とで2段
の減速を行うよう構成したものであり、第3ギヤG3 と
第4ギヤG4 とのギヤ対を機体内側に配備してサイドク
ラッチ96の下側にもぐり込ませることで、減速ケース
95が横外方に幅広くなることが抑制されている。
【0033】また、図8に示すように、右側の減速ケー
ス部10Bとボス部材96Aとの間には、機体停止用の
ブレーキ30が設けられている。このブレーキ30は、
前記ボス部材96Aの外周にスプライン外嵌装着された
摩擦板31と減速ケース部10Bの内周に係合して回り
止めした摩擦板32とを圧接することで、ボス部材96
Aとこれと一体回転する横向き伝動軸93を制動するよ
う構成されたものであり、ボス部材96Aに遊嵌したカ
ップ状の操作部材33が機体横外方(図8では右方向)
へ移動されることで摩擦板31,32同士が圧接される
ようになっている。
【0034】機体停止用の前記ブレーキ30は、減速ケ
ース10Bの上面に縦軸心P1周りに回転自在に貫通装
着したブレーキ操作軸34によって操作されるようにな
っている。つまり、ブレーキ操作軸34のケース内突入
部分にはシフトフォーク35が装着されるとともに、こ
のシフトフォーク35が前記操作部材33の端面に対向
配備されており、ブレーキ操作軸34を回動することで
シフトフォーク35を介して操作部材33をシフトさせ
て、ボス部材96Aを制動することができるようになっ
ている。
【0035】そして、図7に示すように、前記ブレーキ
操作軸34のケース外突出部に備えた操作アーム34a
が前記ペダル25に連係ロッド36を介して連動連結さ
れており、ペダル25の踏み込み操作に伴って連係ロッ
ド36が前方に引張り変位されてブレーキ30が制動操
作され、ペダル25の踏み込みを解除して元の姿勢まで
復帰させると、ブレーキ30の制動が解除されるように
なっている。ここで、先に説明したように、このペダル
25は主クラッチ50にも連係されているので、ペダル
25は主クラッチ・ブレーキペダルとして機能するもの
である。また、ペダル25の近傍には、制動作動位置に
まで踏み込まれたペダル25をその位置に係止ロックす
るロック金具130が揺動可能、かつ、係止解除方向に
揺動付勢されて配備されており、このロック金具130
を用いたペダルロックによって、主ブレーキ30を駐車
ブレーキとして利用するようになっている。
【0036】なお、前記連係ロッド36にはターンバッ
クル36aが備えられており、このターンバックル36
aに伸縮調節することで、主クラッチ50に対するブレ
ーキ30の操作タイミングを調節することが可能となっ
ている。
【0037】前記サイドクラッチ96の操作構造は以下
のように構成されている。つまり、横向き伝動軸93に
前記ボス部材96Aの端面にスラストカラー103を介
して突き合わせ配置されたクラッチ操作スリーブ102
がスライド可能に遊嵌されるとともに、減速ケース部1
0Aの上面に縦軸芯P2周りに回動自在にクラッチ操作
軸104が貫通装着され、このクラッチ操作軸104の
ケース内突入端部に偏心形成したカム体105が前記ク
ラッチ操作スリーブ102の端面に対向配置されてい
る。従って、クラッチ操作軸104の回動操作によって
カム体105が左右に変位することでサイドクラッチ9
6が入り切り操作されるようになっている。
【0038】左右の前記サイドクラッチ96は、機体操
向作動に基づいて旋回内側のものだけが自動的に切り操
作されて、機体操向機能がもたらされるようになってお
り、このサイドクラッチ自動操作機構106が以下のよ
うに構成されている。
【0039】つまり、図9,図10に示すように、前記
パワーステアリング装置を構成するトルクジェネレータ
43で左右に揺動駆動されるピットマンアーム111
と、前輪1それぞれのナックルアーム118とがタイロ
ッド119を介して連動連結されてステアリングリンク
機構110が構成されるとともに、このピットマンアー
ム111に連設した操作金具111aと機体の前後中間
付近の下部に縦軸芯Y周りに揺動可能に配備した中継ア
ーム113とが押し引きロッド112で連動連結され、
中継アーム113の支点軸114の上端の連結した天秤
アーム115の左右両端と左右の前記クラッチ操作軸1
04のケース外突出部に連設した操作アーム104aと
がそれぞれロッド116を介して連動連結されている。
なお、図11に示すようにロッド116の前方への変位
で操作アーム104aがクラッチ切り方向に揺動され、
ロッド116の後方への変位では操作アーム104aが
揺動されないよう、ロッド116の後端金具116aと
操作アーム104aとが長孔120およびピン121を
介して連結されている。
【0040】また、前記ピットマンアーム111に連設
した操作金具111aに形成した押し引きロッド112
との連係孔117は操作金具111aの揺動方向に沿っ
た長孔に構成されており、ピットマンアーム111が直
進姿勢から所定の角度(例えば30°)以上に揺動した
ときのみにピットマンアーム111の揺動を押し引きロ
ッド112に伝達するが所定角度未満の揺動は伝達しな
いように連係孔117の長さが設定されている。
【0041】従って、機体を大きく旋回させるために左
右の前輪1を設定角度以上に大きく操向すると、ピット
マンアーム111の揺動が中継アーム113を介して天
秤アーム115に伝達され、前方に引き操作されるロッ
ド116に連係された一方のサイドクラッチ96のみが
切り操作される。つまり、旋回内側のサイドクラッチ9
6のみが切られて、左右の前輪と旋回外側の後輪2との
3輪駆動によって機体が旋回し、遊転状態にある旋回内
側の後輪2は機体の旋回移動に伴って接地追従して回転
し、旋回内側の後輪2で不当に圃場を荒らすことなく機
体旋回が行われる。
【0042】図12に、5条植え仕様に構成された乗用
型田植機の最大操向状態が示され、また、図13および
図14に、6条植え仕様に構成された乗用型田植機の平
面図とその最大操向状態が示されている。ここで、5条
植えおよび6条植え仕様においては、畦際での1回のU
ターン旋回で次の植え付けに移行できる旋回半径を確保
するために旋回内側の前輪1を最大限に操向した角度が
設定されており、例えば、5条植え仕様での前輪最大操
向角度θ5 は約68度、6条植え仕様での前輪最大操向
角度θ6 は約65度に設定されている。そして、このよ
うな設定のもとでの前輪最大操向状態では、左右前輪1
の軸心の延長線L1 ,L2 が、左右後輪の軸心延長線L
と交差する点a,bが互いに接近しており、これら交差
点a,bの中間点が機体旋回中心Aとなっている。
【0043】この場合、乗用型田植機は、農用トラクタ
などの農用作業車に比較して、左右の車輪間隔(トレッ
ド)に対して前後輪間隔(ホイールベース)が比較的小
さいものであり、従って、図12および図14から判る
ように、左右前輪1の中間点FMの機体旋回中心A回り
の旋回半径R1 が、旋回外側の後輪2の旋回中心A回り
の旋回半径R2 よりも小さいものとなっている。
【0044】一般に、4輪駆動においては、直進走行時
に前輪1の移動速度と後輪2の移動速度とを略同一に設
定(厳密には前輪移動速度を後輪移動速度より若干大き
くすることが多い)されているので、図示された最大操
向状態で旋回を行うと、左右前輪1の中間点FMの移動
速度V1 (差動装置52を介して駆動される左右前輪1
の移動速度の平均)は旋回外側の後輪2の移動速度V2
と略同一となる。従って、上記のような推進力が機体が
左右前輪1と旋回外側の後輪2との3輪駆動で旋回され
ると、旋回外側の後輪2の旋回半径R2 よりも小さい旋
回半径R1 で移動する中間点FMは、大きい旋回半径R
2 で後方から略同速度で押されることで、旋回内側へ回
り込みやすくなり、切れ込みの良いな小回り旋回が行わ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】5条植え仕様の田植機の全体平面図
【図3】機体前部の側面図
【図4】機体前部の平面図
【図5】ミッションケース内伝動機構の一部を示す断面
【図6】ミッションケース内伝動機構の一部を示す断面
【図7】後部伝動ケースの右側部分を示す縦断背面図
【図8】後部伝動ケースの左側部分を示す縦断背面図
【図9】左側サイドクラッチにおけるケース内操作部を
示す平面図
【図10】サイドクラッチ自動操作機構の側面図
【図11】サイドクラッチ操作部の平面図
【図12】5条植え仕様における前輪最大操向状態を示
す走行部の概略図
【図13】6条植え仕様の田植機の全体平面図
【図14】6条植え仕様における前輪最大操向状態を示
す走行部の概略図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 4 作業装置(苗植付装置) 52 差動装置 96 サイドクラッチ 106 サイドクラッチ自動操作機構 R1 旋回半径 R2 旋回半径 L 後輪軸心の延長線 L1 旋回内側の前輪軸心の延長線 L2 旋回外側の前輪軸心の延長線 a 点 b 点
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01C 11/02 333 A01C 11/02 333C B60K 17/34 B60K 17/34 A B62D 49/00 B62D 49/00 J F16H 23/08 F16H 23/08 Fターム(参考) 2B043 AA04 AB08 BA02 BB06 DA04 DC03 EA02 EC20 ED04 2B062 AA02 AA09 AB01 BA11 BA42 CA12 CA18 2B063 AA02 AB01 AB08 BA01 3D043 AA03 AB11 CA02 CB01 3D052 AA02 BB09 DD03 EE03 FF01 FF02 GG03 HH01 JJ14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向可能な左右一対の前輪と操向不能な
    左右一対の後輪を備えた走行機体の後部に複数条仕様の
    作業装置を昇降自在に連結し、走行用動力を左右の前記
    前輪に差動装置を介して伝達するとともに、左右の前記
    後輪にサイドクラッチを介して伝達するよう構成し、前
    記前輪が設定角度以上に操向されることに連動して、旋
    回内側となる後輪に対応する前記サイドクラッチを切り
    操作するサイドクラッチ自動操作機構を備え、 旋回内側の前輪が最大に操向された状態において、左右
    前輪の間の中央部位の旋回半径が、旋回外側の後輪の旋
    回半径より小さくなるように、左右前輪の間隔、左右後
    輪の間隔、および、前後車輪間隔に対して、前輪の最大
    操向角度を設定してあることを特徴とする乗用型水田作
    業機。
  2. 【請求項2】 旋回内側の前輪が最大に操向された状態
    において、左右前輪の軸心の延長線が、左右後輪の軸心
    延長線と交差する点が互いに近接するように、左右前輪
    の間隔、左右後輪の間隔、および、前後車輪間隔に対し
    て、前輪の最大操向角度を設定してある請求項1 記載の
    乗用型水田作業機。
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