JP2004189184A - 田植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】枕地からの植え始めを欠株なく行うことのできるようにする。
【解決手段】田植機の伝動装置において、駆動及び操向自在な左右一対の前輪1と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪2と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の後輪2毎に設けられた左右のサイドクラッチ96とを備え、前輪1の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチ96を遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、クラッチ自動操作機構106によるサイドクラッチ96の切り作動とは無関係に、左右のサイドクラッチ96を共に切り操作自在なクラッチ操作具120を設ける。
【選択図】 図7
【解決手段】田植機の伝動装置において、駆動及び操向自在な左右一対の前輪1と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪2と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の後輪2毎に設けられた左右のサイドクラッチ96とを備え、前輪1の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチ96を遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、クラッチ自動操作機構106によるサイドクラッチ96の切り作動とは無関係に、左右のサイドクラッチ96を共に切り操作自在なクラッチ操作具120を設ける。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動操向機能を備えた田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
畦際において極力圃場を荒らすことなく小回り旋回が行えるよう、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切って「サイドクラッチ旋回」を行うものが開発され実用化されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−104231号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
田植機では、走行伝動系から分岐されたPTO動力を植付けクラッチを介して苗植付け装置に伝達するよう構成されているので、植付け作動が走行に先行して行われることはなく、また、苗植付け装置は間欠的に苗植付けを行うよう構成されているので、植付けクラッチが入り操作された時点で実際の苗植付けが開始されるとは限らず、枕地からの植え始めにおいては走行を開始するタイミングに対して植付けを開始するタイミングが遅れがちとなり、1〜3株分の欠株が発生しやすいものであった。
【0005】
なお、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切る自動操向手段を備えない旧来の仕様の田植機では、左右後輪のサイドクラッチを左右独立して操作する一対のサイドクラッチペダルを備え、枕地での機体旋回時には旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切るようにしているので、これら両ペダルを同時に踏込み操作することで機体の走行を停止することができ、この機体停止状態で苗植付け装置を作動させることで、任意の位置からの植付けを開始でき、上記のような不具合に対応させることが可能である。しかし、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切る自動操向手段を備える仕様の田植機は、上記サイドクラッチペダルを廃止して、機体の旋回操作を簡素化しながら小回り旋回を行えるよう開発されたものであって、ペダル操作で機体を停止することができない構造となっている。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、枕地におけるサイドクラッチ旋回を行うために装備されている各種機構に着目することにより、枕地からの植え始めを欠株なく行うことのできる田植機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に切られ、機体は大きく操向された左右の前輪と旋回外側の後輪との3輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、遊転状態になる旋回内側の後輪は、圃場を掘って荒らすことが少ない。
【0009】
また、クラッチ操作具を操作すると左右のサイドクラッチが一挙に切られて左右後輪の推進力がなくなる。この場合、前輪は駆動され続けることになるが、前輪の推進力は主推進車輪である後輪の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、クラッチ操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態、あるいは、ほとんど停止した状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。なお、クラッチ操作具を操作している時間が長いと同じ位置での植付けが繰り返し行われて密植が生じるが、密植は欠株のように問題になることはない。
【0010】
従って、請求項1の発明によると、自動操向を行うための左右のサイドクラッチを有効に利用して、それら両サイドクラッチを共に入り切り操作自在なクラッチ操作具を付加するという、比較的簡単な改造により、構造の複雑化やコストアップが極力生じないようにしながら、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0011】
請求項2に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作して半クラッチ状態とするサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする。
【0012】
上記構成によると、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に半クラッチ状態となり、機体は大きく操向された左右の前輪、旋回外側の後輪、および、低トルクで駆動される旋回内側の後輪による4輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、半クラッチ状態になる旋回内側の後輪は微速で駆動移動するので、後輪が固定されてしまって圃場を掘って荒らすような現象は発生しない。
【0013】
また、クラッチ操作具を操作すると左右のサイドクラッチが一挙に切られて左右後輪の推進力がなくなる。この場合、前輪は駆動され続けることになるが、前輪の推進力は主推進車輪である後輪の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、クラッチ操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態、あるいは、ほとんど停止した状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。
【0014】
従って、請求項2の発明によると、自動操向を行うための左右のサイドクラッチを有効に利用して、それら両サイドクラッチを共に入り切り操作自在なクラッチ操作具を付加するという、比較的簡単な改造により、構造の複雑化やコストアップが極力生じないようにしながら、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0015】
請求項3に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、走行用動力のみを高低複数段に変速する変速機構と、この変速機構を変速操作自在な変速操作具とを設け、前記変速操作具の操作位置如何に拘わらず、前記変速機構を強制的に中立操作自在な強制中立操作具を設けてあことを特徴とする。
【0016】
請求項3の構成によれば、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に切られ、機体は大きく操向された左右の前輪と旋回外側の後輪との3輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、遊転状態になる旋回内側の後輪は、圃場を掘って荒らすことが少ない。
【0017】
また、強制中立操作具を操作すると走行系の変速機構が中立となって、前輪および後輪の推進力がなくなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、強制中立操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。
【0018】
従って、請求項3の発明によると、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2に、水田作業機の一例として5条植え仕様の乗用型田植機が示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の走行機体3の後部に、5条植え仕様の苗植付装置4が油圧シリンダ6によって駆動される四連リンク機構5を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に5条仕様の施肥装置7が装備された構造となっている。
【0020】
走行機体3の機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支する前車軸ケース9aが備えられたミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支する後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9の前方近傍位置に、横向きの出力軸11aを備えたエンジン11が防振ゴム12を介して搭載されるとともに、エンジン11の後方に位置する状態で搭乗運転部13が配備されている。搭乗運転部13には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、運転ステップ24などが備えられている。
【0021】
苗植付装置4は、5条分の苗を載置して左右方向に設定ストロークで往復移動される苗のせ台16、苗のせ台16の下端から1株分ずつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく5組の回転式の植付け機構17、植付け箇所を整地する3個の整地フロート18、等を備えて構成されており、苗のせ台16に補給するための予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台49が、機体前部の左右に配備されている。
【0022】
施肥装置7は、運転座席15と苗植付装置4との間において走行機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー19、この肥料ホッパー19内の肥料を設定量ずつ繰り出す繰出し機構20、繰り出された肥料を供給ホース22を介して苗植付装置4の整地フロート18に備えた作溝器21に空気搬送する電動ファン23、などを備えている。
【0023】
図3、図4に示すように、ミッションケース9の左側面には、エンジン11の出力軸11aにベルト伝動装置40を介して連動された横向きの入力軸41aを備えた静油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置41が、その出力をミッションケース9内に横向き軸で伝達する状態に、かつ、その入力軸41aと出力軸41bとを前後に配設した状態に連結されている。
【0024】
ベルト伝動装置40は、エンジン11の出力軸11aに装着した出力プーリ40aと主変速装置41の入力軸41aに装着した入力プーリ40bとにわたって伝動ベルト40cを巻回し、この伝動ベルト40bにテンションを付与するテンションプーリ40dを設けて構成されている。
【0025】
主変速装置41の入力軸41aは、ミッションケース9の前部を通して右側に延出されている。この主変速装置41を操作するための主変速レバー46は、ステアリングハンドル14の左横脇に配置されており、この主変速レバー46の中立から前方への揺動操作によって前進速度の変更が、また、中立から後方への揺動操作によって後進速度の変更が可能となっている。
【0026】
また、図4に示すように、ミッションケース9の右側面には、主変速装置41の入力軸41aの延出端部で駆動される油圧ポンプ42が連結されるとともに、ミッションケース9の上面には、図3、図4に示すように、ステアリングハンドル14のハンドル軸14aに連動する油圧式のパワーステアリング装置PSを構成するトルクジェネレータ43と、油圧シリンダ6を制御する作業装置昇降操作用の制御バルブ44とが取り付けられている。
【0027】
なお、ミッションケース9は作動油タンクに兼用されるものであって、ミッションケース9の右側面に取り付けたオイルフィルター45を通してミッションケース9内の潤滑油を作動油として取り出して主変速装置41及び油圧ポンプ42に供給し、油圧ポンプ42からの圧油は、トルクジェネレータ43に供給され、その後、制御バルブ44を通して昇降シリンダ6に供給されるようになっている。そして、主変速装置41のドレン油は、ミッションケース9に連通する前車軸ケース9aに戻され、制御バルブ44からのドレン油は直接にミッションケース9に戻されるようになっている。
【0028】
図5、図6に示すように、ミッションケース9の内部構造が示されている。このミッションケース9には、主変速装置41の出力軸41bにカップリング56を介して連結された入力軸57と、この入力軸57に一体形成したギヤ59から取出した動力を高低二段に変速する副変速装置(走行系の変速機構)51と、この副変速装置51からの出力を左右の前輪1に伝達するデフ機構52とが設置されているとともに、走行伝動系から分岐させた動力の正転動力のみを取出して苗植付装置4へ伝達する一方向クラッチ53と、取出された正転動力を変速する株間変更用の植付け変速機構54と、苗植付装置4への動力伝達を断続する植付けクラッチ55、等が装備されている。つまり、この田植機においては、エンジン11からミッションケース9の入力軸57への伝動系には主クラッチが介在されない構造が採用されている。
【0029】
副変速装置51はギヤシフト式の変速機構で構成されている。つまり、この副変速装置51の変速入力軸64には、小径変速ギヤ66と入力軸57のギヤ59に常時咬合された大径変速ギヤ65とがそれぞれスプライン連結され、他方、副変速装置51の変速出力軸67には、大径変速ギヤ65に咬合可能な小径ギヤ68と小径変速ギヤ66に咬合可能な大径ギヤ69とを一体化したシフトギヤ61がスプライン装着されており、図示のようにシフトギヤ61を図中左側にシフトして大径ギヤ69を小径変速ギヤ66に咬合することで低速伝動を行い、また、シフトギヤを図中右側にシフトして小径ギヤ68を大径変速ギヤ65に咬合させることで高速伝動を行うようになっている。なお、副変速装置51のシフトギヤ61を操作するための副変速レバー47は運転座席15の左横脇に前後揺動可能に配置されており、副変速レバー47を、操作域に中間に設定された中立位置に図示しないデテント手段で位置保持しておくことで、副変速装置51を中立に維持しておくことが可能となっている。
【0030】
デフ機構52はデフロック可能に構成されている。つまり、左右に延出された差動軸72の一方に、この差動軸72と一体回転可能かつシフト可能にキー装着されたシフト部材74が備えられており、図5中に示すようにシフト部材74がデフケース73から離脱している状態が通常のデフロック解除状態となり、シフト部材74が図中右方にシフトされてデフケース73の端面に噛み合わされることでデフロック状態がもたらされるようになっている。このデフ機構52をデフロック状態とデフロック解除状態とに切り換え操作するデフロック操作手段は、図示しないバネによってシフト部材74がデフロック解除位置に付勢されるとともに、搭乗運転部13における足元の左寄り後方箇所に設けたデフロックペダル48とシフト部材74とが連動連結されており、通常の走行時にはデフロックペダル48から足を離しておくことでデフロック解除状態が維持され、圃場への機体の出し入れや運搬車両の荷台への機体の積み降ろし、等の場合にデフロックペダル48を左足の踵で踏み込み操作することでデフロック状態をもたらして、左右の前輪1を等速で駆動することができる。
【0031】
また、デフ機構52のデフケース73には、変速出力軸67にスプライン連結した変速出力ギヤ75に噛み合う入力ギヤ76と、後輪2への伝動用の主伝動軸77に一体形成したギヤ78に咬合する出力ギヤ79が装着されている。
【0032】
一方向クラッチ53は、変速入力軸64を走行伝動系から植付伝動系への分岐点として、変速入力軸64の回転のうち前進回転のみを植付伝動系に伝達するように設けられている。
【0033】
植付け変速機構54は、変速出力軸67に相対回転のみ自在に装着されるとともに一方向クラッチ53の出力ギヤ80にギヤ81を介して連動する筒軸82に、互いに径が異なる複数の駆動ギヤ83が一体回転する状態に装着され、植付けクラッチ55にベベルギヤ84,85を介して連動する植付け変速出力軸86に、駆動ギヤ83のそれぞれに常時噛み合い連動する従動ギヤ87群が相対回転自在に装着され、各従動ギヤ87の中心孔に形成した係合凹部88に係入することにより従動ギヤ87を植付変速出力軸86に連動連結させる伝動ボール89が植付変速出力軸86に一体回転する状態に装備され、伝動ボール89を択一的に係合凹部88に係入させる操作軸90が設けられた構造となっている。つまり、従動ギヤ87を択一的に植付変速出力軸86に連動連結させることにより、伝動に使用する従動ギヤ87を変更して、複数段(例では6段)の変速を行うように構成されている。
【0034】
後輪駆動用の後部伝動ケース10は、図7〜図10に示すように、機体フレーム8に前後軸芯X周りに一定範囲内でローリング自在に支持された横向き伝動ケース部10Aと、その左右両端それぞれに連結された減速ケース部10Bとから構成されている。横向き伝動ケース部10A内には、ミッションケース8から後ろ向きに延出された主伝動軸77からの動力を左右に振り分ける横向き伝動軸93が内装され、この横向き伝動軸93と主伝動軸77とはベベルギヤ91,92を介して連動連結されている。また、各減速ケース部10Bには後輪2を軸支する車軸2Aと、横向き伝動軸93と車軸2Aとを減速連動する減速ギヤ機構94が装備されている。
【0035】
後輪2への伝動系、具体的には、横向き伝動軸93の両端と各減速ギヤ機構94との間それぞれには、後輪2それぞれへの伝動を各別に入り切りする摩擦式のサイドクラッチ96が介装されている。これらサイドクラッチ96は、横向き伝動軸93にスプライン嵌合されて一体回転するとともに軸芯方向に移動自在なボス部材96Aと、減速ギヤ機構94に連動する従動側ドラム96Bとを備え、ボス部材96Aの機体横外方への移動により互いに圧接されて摩擦連動(クラッチ入り)するとともに、ボス部材96Aの機体横内方への移動により摩擦連動を解除(クラッチ切り)する複数の摩擦板96Cがボス部材96Aと従動側ドラム96Bとに振り分け装着され、ボス部材96Aをクラッチ入り側に移動付勢するクラッチバネ96Dが横向き伝動軸93に外嵌装着されて構成されている。
【0036】
減速ギヤ機構94は、サイドクラッチ96の従動側ドラム96Bの横外側に配備されて該従動側ドラム96Bと一体回転する小径の第1ギヤG1と、これに咬合する大径の第2ギヤG2と、第2ギヤG2と同軸でこれと一体回転する小径幅広の第3ギヤG3と、車軸2Aに連結された大径幅広の第4ギヤG4とで2段の減速を行うよう構成したものであり、第3ギヤG3と第4ギヤG4とのギヤ対を機体内側に配備してサイドクラッチ96の下側にもぐり込ませることで、減速ケース95が横外方に幅広くなることが抑制されている。
【0037】
また、図9に示すように、右側の減速ケース部10Bとボス部材96Aとの間には、機体停止用のブレーキ30が設けられている。このブレーキ30は、ボス部材96Aの外周にスプライン外嵌装着された摩擦板31と減速ケース部10Bの内周に係合して回り止めした摩擦板32とを圧接することで、ボス部材96Aとこれと一体回転する横向き伝動軸93を制動するよう構成されたものであり、ボス部材96Aに遊嵌したカップ状の操作部材33が機体横外方(図9では右方向)へ移動されることで摩擦板31,32同士が圧接されるようになっている。
【0038】
機体停止用のブレーキ30は、減速ケース10Bの上面に縦軸心P1周りに回転自在に貫通装着したブレーキ操作軸34によって操作されるようになっている。つまり、ブレーキ操作軸34のケース内突入部分にはシフトフォーク35が装着されるとともに、このシフトフォーク35が操作部材33の端面に対向配備されており、ブレーキ操作軸34を回動することでシフトフォーク35を介して操作部材33をシフトさせて、ボス部材96Aを制動することができるようになっている。
【0039】
そして、図7に示すように、ブレーキ操作軸34のケース外突出部に備えた操作アーム34aが機体停止用のペダル(クラッチ操作具の一例)25に連係ロッド36を介して連動連結されている。つまり、ペダル支軸26に支持されたこのペダル25の踏み込み操作に伴って連係ロッド36が前方に引張り変位されてブレーキ30が制動操作され、ブレーキペダル25の踏み込みを解除して元の姿勢まで復帰させると、ブレーキ30の制動が解除されるようになっている。また、図2中に示すように、ペダル25の近傍には、制動作動位置にまで踏み込まれたペダル25をその位置に係止ロックするロック金具27が揺動可能、かつ、係止解除方向に揺動付勢されて配備されており、このロック金具27を用いたペダルロックによって、ブレーキ30を駐車ブレーキとして利用するようになっている。
【0040】
なお、連係ロッド36にはターンバックル36aが備えられており、このターンバックル36aに伸縮調節することで、ブレーキ30の操作タイミングを調節することが可能となっている。また、ブレーキ操作軸34の操作アーム34aには、連係ロッド36との連係孔34bがアーム半径を異ならせて複数個設けられており、機種によって連係ロッド36との連結に使用する連係孔34bを選択できるようになっている。例えば、条数の多くて機体重量が大きい機種では、機体を停止させるために大きい制動力が必要であり、この場合には、アーム半径の大きい連係孔34bが選択され、同じペダル踏込み力でも大きい制動力が得られるようにする。また、条数の少なくて機体重量が小さい機種では、制動が余り強く利き過ぎると停止ショックが大きくなるので、この場合にはアーム半径の小さい連係孔34bが選択され、同じペダル踏込み力でも制動力が抑制されるようにする。
【0041】
サイドクラッチ96の操作構造は以下のように構成されている。つまり、横向き伝動軸93にボス部材96Aの端面にスラストカラー103を介して突き合わせ配置されたクラッチ操作スリーブ102がスライド可能に遊嵌されるとともに、減速ケース部10Bの上面に縦軸心P2周りに回動自在にクラッチ操作軸104が貫通装着され、このクラッチ操作軸104のケース内突入端部に偏心形成したカム体105がクラッチ操作スリーブ102の端面に対向配置され、クラッチ操作軸104の回動操作によってサイドクラッチ96が入り切り操作されるようになっている。
【0042】
そして、左右のサイドクラッチ96は、機体操向作動に基づいて旋回内側のものだけが自動的に切り操作されて、機体操向機能がもたらされるようになっており、このサイドクラッチ自動操作機構106が以下のように構成されている。つまり、図7,8に示すように、パワーステアリング装置PSを構成するトルクジェネレータ43で縦軸心Z周りに揺動駆動されるピットマンアーム111と、前輪1それぞれのナックルアーム118とがタイロッド119を介して連動連結されてステアリングリンク機構110が構成されるとともに、このピットマンアーム111に連設した操作金具111aと機体の前後中間付近の下部に縦軸芯Y周りに揺動可能に配備した中継アーム113とが押し引きロッド112で連動連結され、中継アーム113の支点軸114の上端の連結した天秤アーム115の左右両端と左右のクラッチ操作軸104のケース外突出部に連設した操作アーム104aとがそれぞれクラッチロッド116を介して連動連結されている。
【0043】
また、ピットマンアーム111に連設した操作金具111aに形成した押し引きロッド112との連係孔117は操作金具111aの揺動方向に沿った長孔に構成されており、ピットマンアーム111が直進姿勢から所定の設定角度(例えば30°)以上に揺動したときのみにピットマンアーム111の揺動を押し引きロッド112に伝達するが設定角度未満の揺動は伝達しないように連係孔117の長さが設定されている。
【0044】
従って、機体を大きく旋回させるために左右の前輪1を設定角度以上に大きく操向すると、ピットマンアーム111の揺動が中継アーム113を介して天秤アーム115に伝達され、前方に引き操作されるクラッチロッド116に連係された一方のサイドクラッチ96のみが切り操作される。つまり、旋回内側のサイドクラッチ96のみが切られて、左右の前輪と旋回外側の後輪2との3輪駆動によって機体が旋回し、遊転状態にある旋回内側の後輪2は機体の旋回移動に伴って接地追従して回転し、旋回内側の後輪2で不当に圃場を荒らすことなく機体旋回が行われる。
【0045】
次に、左右のサイドクラッチ96を共に切り操作することで、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aについて説明する。
【0046】
図7に示すように、独立PTO装置Aは、運転ステップ24の右側後方個所に配備された独立PTOペダル120の支軸121が左右のサイドクラッチ96の操作アーム104aにロッド122を介して連動連結された構造となっており、植付け作業走行状態でクラッチ操作具としての独立PTOペダル120を踏むと、PTO軸62の伝動状態が維持されたままで走行用の伝動は断絶されるので、走を停止した状態でも苗植付け作動及び施肥作動を行える状態が得られる。従って、植え始めにわずかの間だけ独立PTOペダル120を踏込んで走行停止状態での苗植付けを行うことで、植え始めに起こりがちな欠株を回避することができる。なお、独立PTOペダル120を踏込み操作して後輪2の駆動を停止しても、前輪1は駆動状態に維持されているが、前輪1の推進力は主推進車輪である後輪2の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。
【0047】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別の実施形態のいくつかを例示する。
【0048】
〈1〉 サイドクラッチ自動操作機構106は、前輪1の操向に伴う旋回内側後輪2のサイドクラッチ96が最大でも半クラッチ状態までしか操作されず、かつ、独立PTOペダル120の踏込み時には、両サイドクラッチ96が共に完全に切り操作されるように設定して実施することもできる。
【0049】
〈3〉 図11に示すように、運転ステップ24の右側後方個所に、片足によって同時に踏込み操作できるように並列配置された左右一対の独立PTOペダル(クラッチ操作具)120a,120bを設けて、それぞれを左右のサイドクラッチ96の操作アーム104aにロッド122を介して連動連結し、独立PTOペダル120a,120bを同時に踏込み操作することで、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aを構成することもできる。なお、この独立PTOペダル120a,120bは単独に踏込んで片方のサイドクラッチ96を切り操作することもでき、前輪1を大きく操向しない状態でもサイドクラッチ旋回を実行することができる。
【0050】
〈4〉 図12に示すように、単一の独立PTOペダル(強制中立操作具)125を踏込んでいる間だけ、走行用副変速装置51のシフトフォーク123を強制的に中立操作し、踏込みを解除するとシフトフォーク123を副変速レバー47で選択された変速段に復帰させるように、副変速レバー47とシフトフォーク123とを弾性融通機構124を介して連動連結するよう構成して、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aを構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】機体前部の側面図
【図4】機体前部の平面図
【図5】走行伝動系の展開断面図
【図6】PTO伝動系の展開断面図
【図7】サイドクラッチ自動操作機構を示す平面図
【図8】サイドクラッチ自動操作機構の要部を示す側面図
【図9】右側のサイドクラッチおよびブレーキを示す縦断背面図
【図10】左側のサイドクラッチを示す縦断背面図
【図11】別実施形態の独立PTO装置を備えたサイドクラッチ自動操作機構の平面図
【図12】独立PTO装置の他の実施構造を示す説明図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
47 変速操作具(副変速レバー)
51 変速機構(副変速機構)
96 サイドクラッチ
106 サイドクラッチ自動操作機構
120 クラッチ操作具(独立PTOペダル)
125 強制中立操作具(独立PTOペダル)
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動操向機能を備えた田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
畦際において極力圃場を荒らすことなく小回り旋回が行えるよう、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切って「サイドクラッチ旋回」を行うものが開発され実用化されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−104231号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
田植機では、走行伝動系から分岐されたPTO動力を植付けクラッチを介して苗植付け装置に伝達するよう構成されているので、植付け作動が走行に先行して行われることはなく、また、苗植付け装置は間欠的に苗植付けを行うよう構成されているので、植付けクラッチが入り操作された時点で実際の苗植付けが開始されるとは限らず、枕地からの植え始めにおいては走行を開始するタイミングに対して植付けを開始するタイミングが遅れがちとなり、1〜3株分の欠株が発生しやすいものであった。
【0005】
なお、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切る自動操向手段を備えない旧来の仕様の田植機では、左右後輪のサイドクラッチを左右独立して操作する一対のサイドクラッチペダルを備え、枕地での機体旋回時には旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切るようにしているので、これら両ペダルを同時に踏込み操作することで機体の走行を停止することができ、この機体停止状態で苗植付け装置を作動させることで、任意の位置からの植付けを開始でき、上記のような不具合に対応させることが可能である。しかし、前輪の操向作動に連動して旋回内側となる後輪のサイドクラッチを切る自動操向手段を備える仕様の田植機は、上記サイドクラッチペダルを廃止して、機体の旋回操作を簡素化しながら小回り旋回を行えるよう開発されたものであって、ペダル操作で機体を停止することができない構造となっている。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、枕地におけるサイドクラッチ旋回を行うために装備されている各種機構に着目することにより、枕地からの植え始めを欠株なく行うことのできる田植機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に切られ、機体は大きく操向された左右の前輪と旋回外側の後輪との3輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、遊転状態になる旋回内側の後輪は、圃場を掘って荒らすことが少ない。
【0009】
また、クラッチ操作具を操作すると左右のサイドクラッチが一挙に切られて左右後輪の推進力がなくなる。この場合、前輪は駆動され続けることになるが、前輪の推進力は主推進車輪である後輪の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、クラッチ操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態、あるいは、ほとんど停止した状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。なお、クラッチ操作具を操作している時間が長いと同じ位置での植付けが繰り返し行われて密植が生じるが、密植は欠株のように問題になることはない。
【0010】
従って、請求項1の発明によると、自動操向を行うための左右のサイドクラッチを有効に利用して、それら両サイドクラッチを共に入り切り操作自在なクラッチ操作具を付加するという、比較的簡単な改造により、構造の複雑化やコストアップが極力生じないようにしながら、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0011】
請求項2に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作して半クラッチ状態とするサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする。
【0012】
上記構成によると、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に半クラッチ状態となり、機体は大きく操向された左右の前輪、旋回外側の後輪、および、低トルクで駆動される旋回内側の後輪による4輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、半クラッチ状態になる旋回内側の後輪は微速で駆動移動するので、後輪が固定されてしまって圃場を掘って荒らすような現象は発生しない。
【0013】
また、クラッチ操作具を操作すると左右のサイドクラッチが一挙に切られて左右後輪の推進力がなくなる。この場合、前輪は駆動され続けることになるが、前輪の推進力は主推進車輪である後輪の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、クラッチ操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態、あるいは、ほとんど停止した状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。
【0014】
従って、請求項2の発明によると、自動操向を行うための左右のサイドクラッチを有効に利用して、それら両サイドクラッチを共に入り切り操作自在なクラッチ操作具を付加するという、比較的簡単な改造により、構造の複雑化やコストアップが極力生じないようにしながら、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0015】
請求項3に係る発明の田植機は、駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、走行用動力のみを高低複数段に変速する変速機構と、この変速機構を変速操作自在な変速操作具とを設け、前記変速操作具の操作位置如何に拘わらず、前記変速機構を強制的に中立操作自在な強制中立操作具を設けてあことを特徴とする。
【0016】
請求項3の構成によれば、畦際において前輪を大きく操向して機体旋回操作を行うと、旋回内側となる後輪のサイドクラッチが自動的に切られ、機体は大きく操向された左右の前輪と旋回外側の後輪との3輪駆動状態で円滑に小回り旋回する。この場合、遊転状態になる旋回内側の後輪は、圃場を掘って荒らすことが少ない。
【0017】
また、強制中立操作具を操作すると走行系の変速機構が中立となって、前輪および後輪の推進力がなくなる。従って、枕地からの植え始めにおいて、強制中立操作具を極短時間だけ操作して機体を停止状態で植付け作動を開始することができるので、所望の位置から植付けを始めることができる。
【0018】
従って、請求項3の発明によると、欠株の発生なく簡単に植付けを開始することができるようになった。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図2に、水田作業機の一例として5条植え仕様の乗用型田植機が示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の走行機体3の後部に、5条植え仕様の苗植付装置4が油圧シリンダ6によって駆動される四連リンク機構5を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に5条仕様の施肥装置7が装備された構造となっている。
【0020】
走行機体3の機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支する前車軸ケース9aが備えられたミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支する後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9の前方近傍位置に、横向きの出力軸11aを備えたエンジン11が防振ゴム12を介して搭載されるとともに、エンジン11の後方に位置する状態で搭乗運転部13が配備されている。搭乗運転部13には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、運転ステップ24などが備えられている。
【0021】
苗植付装置4は、5条分の苗を載置して左右方向に設定ストロークで往復移動される苗のせ台16、苗のせ台16の下端から1株分ずつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく5組の回転式の植付け機構17、植付け箇所を整地する3個の整地フロート18、等を備えて構成されており、苗のせ台16に補給するための予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台49が、機体前部の左右に配備されている。
【0022】
施肥装置7は、運転座席15と苗植付装置4との間において走行機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー19、この肥料ホッパー19内の肥料を設定量ずつ繰り出す繰出し機構20、繰り出された肥料を供給ホース22を介して苗植付装置4の整地フロート18に備えた作溝器21に空気搬送する電動ファン23、などを備えている。
【0023】
図3、図4に示すように、ミッションケース9の左側面には、エンジン11の出力軸11aにベルト伝動装置40を介して連動された横向きの入力軸41aを備えた静油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置41が、その出力をミッションケース9内に横向き軸で伝達する状態に、かつ、その入力軸41aと出力軸41bとを前後に配設した状態に連結されている。
【0024】
ベルト伝動装置40は、エンジン11の出力軸11aに装着した出力プーリ40aと主変速装置41の入力軸41aに装着した入力プーリ40bとにわたって伝動ベルト40cを巻回し、この伝動ベルト40bにテンションを付与するテンションプーリ40dを設けて構成されている。
【0025】
主変速装置41の入力軸41aは、ミッションケース9の前部を通して右側に延出されている。この主変速装置41を操作するための主変速レバー46は、ステアリングハンドル14の左横脇に配置されており、この主変速レバー46の中立から前方への揺動操作によって前進速度の変更が、また、中立から後方への揺動操作によって後進速度の変更が可能となっている。
【0026】
また、図4に示すように、ミッションケース9の右側面には、主変速装置41の入力軸41aの延出端部で駆動される油圧ポンプ42が連結されるとともに、ミッションケース9の上面には、図3、図4に示すように、ステアリングハンドル14のハンドル軸14aに連動する油圧式のパワーステアリング装置PSを構成するトルクジェネレータ43と、油圧シリンダ6を制御する作業装置昇降操作用の制御バルブ44とが取り付けられている。
【0027】
なお、ミッションケース9は作動油タンクに兼用されるものであって、ミッションケース9の右側面に取り付けたオイルフィルター45を通してミッションケース9内の潤滑油を作動油として取り出して主変速装置41及び油圧ポンプ42に供給し、油圧ポンプ42からの圧油は、トルクジェネレータ43に供給され、その後、制御バルブ44を通して昇降シリンダ6に供給されるようになっている。そして、主変速装置41のドレン油は、ミッションケース9に連通する前車軸ケース9aに戻され、制御バルブ44からのドレン油は直接にミッションケース9に戻されるようになっている。
【0028】
図5、図6に示すように、ミッションケース9の内部構造が示されている。このミッションケース9には、主変速装置41の出力軸41bにカップリング56を介して連結された入力軸57と、この入力軸57に一体形成したギヤ59から取出した動力を高低二段に変速する副変速装置(走行系の変速機構)51と、この副変速装置51からの出力を左右の前輪1に伝達するデフ機構52とが設置されているとともに、走行伝動系から分岐させた動力の正転動力のみを取出して苗植付装置4へ伝達する一方向クラッチ53と、取出された正転動力を変速する株間変更用の植付け変速機構54と、苗植付装置4への動力伝達を断続する植付けクラッチ55、等が装備されている。つまり、この田植機においては、エンジン11からミッションケース9の入力軸57への伝動系には主クラッチが介在されない構造が採用されている。
【0029】
副変速装置51はギヤシフト式の変速機構で構成されている。つまり、この副変速装置51の変速入力軸64には、小径変速ギヤ66と入力軸57のギヤ59に常時咬合された大径変速ギヤ65とがそれぞれスプライン連結され、他方、副変速装置51の変速出力軸67には、大径変速ギヤ65に咬合可能な小径ギヤ68と小径変速ギヤ66に咬合可能な大径ギヤ69とを一体化したシフトギヤ61がスプライン装着されており、図示のようにシフトギヤ61を図中左側にシフトして大径ギヤ69を小径変速ギヤ66に咬合することで低速伝動を行い、また、シフトギヤを図中右側にシフトして小径ギヤ68を大径変速ギヤ65に咬合させることで高速伝動を行うようになっている。なお、副変速装置51のシフトギヤ61を操作するための副変速レバー47は運転座席15の左横脇に前後揺動可能に配置されており、副変速レバー47を、操作域に中間に設定された中立位置に図示しないデテント手段で位置保持しておくことで、副変速装置51を中立に維持しておくことが可能となっている。
【0030】
デフ機構52はデフロック可能に構成されている。つまり、左右に延出された差動軸72の一方に、この差動軸72と一体回転可能かつシフト可能にキー装着されたシフト部材74が備えられており、図5中に示すようにシフト部材74がデフケース73から離脱している状態が通常のデフロック解除状態となり、シフト部材74が図中右方にシフトされてデフケース73の端面に噛み合わされることでデフロック状態がもたらされるようになっている。このデフ機構52をデフロック状態とデフロック解除状態とに切り換え操作するデフロック操作手段は、図示しないバネによってシフト部材74がデフロック解除位置に付勢されるとともに、搭乗運転部13における足元の左寄り後方箇所に設けたデフロックペダル48とシフト部材74とが連動連結されており、通常の走行時にはデフロックペダル48から足を離しておくことでデフロック解除状態が維持され、圃場への機体の出し入れや運搬車両の荷台への機体の積み降ろし、等の場合にデフロックペダル48を左足の踵で踏み込み操作することでデフロック状態をもたらして、左右の前輪1を等速で駆動することができる。
【0031】
また、デフ機構52のデフケース73には、変速出力軸67にスプライン連結した変速出力ギヤ75に噛み合う入力ギヤ76と、後輪2への伝動用の主伝動軸77に一体形成したギヤ78に咬合する出力ギヤ79が装着されている。
【0032】
一方向クラッチ53は、変速入力軸64を走行伝動系から植付伝動系への分岐点として、変速入力軸64の回転のうち前進回転のみを植付伝動系に伝達するように設けられている。
【0033】
植付け変速機構54は、変速出力軸67に相対回転のみ自在に装着されるとともに一方向クラッチ53の出力ギヤ80にギヤ81を介して連動する筒軸82に、互いに径が異なる複数の駆動ギヤ83が一体回転する状態に装着され、植付けクラッチ55にベベルギヤ84,85を介して連動する植付け変速出力軸86に、駆動ギヤ83のそれぞれに常時噛み合い連動する従動ギヤ87群が相対回転自在に装着され、各従動ギヤ87の中心孔に形成した係合凹部88に係入することにより従動ギヤ87を植付変速出力軸86に連動連結させる伝動ボール89が植付変速出力軸86に一体回転する状態に装備され、伝動ボール89を択一的に係合凹部88に係入させる操作軸90が設けられた構造となっている。つまり、従動ギヤ87を択一的に植付変速出力軸86に連動連結させることにより、伝動に使用する従動ギヤ87を変更して、複数段(例では6段)の変速を行うように構成されている。
【0034】
後輪駆動用の後部伝動ケース10は、図7〜図10に示すように、機体フレーム8に前後軸芯X周りに一定範囲内でローリング自在に支持された横向き伝動ケース部10Aと、その左右両端それぞれに連結された減速ケース部10Bとから構成されている。横向き伝動ケース部10A内には、ミッションケース8から後ろ向きに延出された主伝動軸77からの動力を左右に振り分ける横向き伝動軸93が内装され、この横向き伝動軸93と主伝動軸77とはベベルギヤ91,92を介して連動連結されている。また、各減速ケース部10Bには後輪2を軸支する車軸2Aと、横向き伝動軸93と車軸2Aとを減速連動する減速ギヤ機構94が装備されている。
【0035】
後輪2への伝動系、具体的には、横向き伝動軸93の両端と各減速ギヤ機構94との間それぞれには、後輪2それぞれへの伝動を各別に入り切りする摩擦式のサイドクラッチ96が介装されている。これらサイドクラッチ96は、横向き伝動軸93にスプライン嵌合されて一体回転するとともに軸芯方向に移動自在なボス部材96Aと、減速ギヤ機構94に連動する従動側ドラム96Bとを備え、ボス部材96Aの機体横外方への移動により互いに圧接されて摩擦連動(クラッチ入り)するとともに、ボス部材96Aの機体横内方への移動により摩擦連動を解除(クラッチ切り)する複数の摩擦板96Cがボス部材96Aと従動側ドラム96Bとに振り分け装着され、ボス部材96Aをクラッチ入り側に移動付勢するクラッチバネ96Dが横向き伝動軸93に外嵌装着されて構成されている。
【0036】
減速ギヤ機構94は、サイドクラッチ96の従動側ドラム96Bの横外側に配備されて該従動側ドラム96Bと一体回転する小径の第1ギヤG1と、これに咬合する大径の第2ギヤG2と、第2ギヤG2と同軸でこれと一体回転する小径幅広の第3ギヤG3と、車軸2Aに連結された大径幅広の第4ギヤG4とで2段の減速を行うよう構成したものであり、第3ギヤG3と第4ギヤG4とのギヤ対を機体内側に配備してサイドクラッチ96の下側にもぐり込ませることで、減速ケース95が横外方に幅広くなることが抑制されている。
【0037】
また、図9に示すように、右側の減速ケース部10Bとボス部材96Aとの間には、機体停止用のブレーキ30が設けられている。このブレーキ30は、ボス部材96Aの外周にスプライン外嵌装着された摩擦板31と減速ケース部10Bの内周に係合して回り止めした摩擦板32とを圧接することで、ボス部材96Aとこれと一体回転する横向き伝動軸93を制動するよう構成されたものであり、ボス部材96Aに遊嵌したカップ状の操作部材33が機体横外方(図9では右方向)へ移動されることで摩擦板31,32同士が圧接されるようになっている。
【0038】
機体停止用のブレーキ30は、減速ケース10Bの上面に縦軸心P1周りに回転自在に貫通装着したブレーキ操作軸34によって操作されるようになっている。つまり、ブレーキ操作軸34のケース内突入部分にはシフトフォーク35が装着されるとともに、このシフトフォーク35が操作部材33の端面に対向配備されており、ブレーキ操作軸34を回動することでシフトフォーク35を介して操作部材33をシフトさせて、ボス部材96Aを制動することができるようになっている。
【0039】
そして、図7に示すように、ブレーキ操作軸34のケース外突出部に備えた操作アーム34aが機体停止用のペダル(クラッチ操作具の一例)25に連係ロッド36を介して連動連結されている。つまり、ペダル支軸26に支持されたこのペダル25の踏み込み操作に伴って連係ロッド36が前方に引張り変位されてブレーキ30が制動操作され、ブレーキペダル25の踏み込みを解除して元の姿勢まで復帰させると、ブレーキ30の制動が解除されるようになっている。また、図2中に示すように、ペダル25の近傍には、制動作動位置にまで踏み込まれたペダル25をその位置に係止ロックするロック金具27が揺動可能、かつ、係止解除方向に揺動付勢されて配備されており、このロック金具27を用いたペダルロックによって、ブレーキ30を駐車ブレーキとして利用するようになっている。
【0040】
なお、連係ロッド36にはターンバックル36aが備えられており、このターンバックル36aに伸縮調節することで、ブレーキ30の操作タイミングを調節することが可能となっている。また、ブレーキ操作軸34の操作アーム34aには、連係ロッド36との連係孔34bがアーム半径を異ならせて複数個設けられており、機種によって連係ロッド36との連結に使用する連係孔34bを選択できるようになっている。例えば、条数の多くて機体重量が大きい機種では、機体を停止させるために大きい制動力が必要であり、この場合には、アーム半径の大きい連係孔34bが選択され、同じペダル踏込み力でも大きい制動力が得られるようにする。また、条数の少なくて機体重量が小さい機種では、制動が余り強く利き過ぎると停止ショックが大きくなるので、この場合にはアーム半径の小さい連係孔34bが選択され、同じペダル踏込み力でも制動力が抑制されるようにする。
【0041】
サイドクラッチ96の操作構造は以下のように構成されている。つまり、横向き伝動軸93にボス部材96Aの端面にスラストカラー103を介して突き合わせ配置されたクラッチ操作スリーブ102がスライド可能に遊嵌されるとともに、減速ケース部10Bの上面に縦軸心P2周りに回動自在にクラッチ操作軸104が貫通装着され、このクラッチ操作軸104のケース内突入端部に偏心形成したカム体105がクラッチ操作スリーブ102の端面に対向配置され、クラッチ操作軸104の回動操作によってサイドクラッチ96が入り切り操作されるようになっている。
【0042】
そして、左右のサイドクラッチ96は、機体操向作動に基づいて旋回内側のものだけが自動的に切り操作されて、機体操向機能がもたらされるようになっており、このサイドクラッチ自動操作機構106が以下のように構成されている。つまり、図7,8に示すように、パワーステアリング装置PSを構成するトルクジェネレータ43で縦軸心Z周りに揺動駆動されるピットマンアーム111と、前輪1それぞれのナックルアーム118とがタイロッド119を介して連動連結されてステアリングリンク機構110が構成されるとともに、このピットマンアーム111に連設した操作金具111aと機体の前後中間付近の下部に縦軸芯Y周りに揺動可能に配備した中継アーム113とが押し引きロッド112で連動連結され、中継アーム113の支点軸114の上端の連結した天秤アーム115の左右両端と左右のクラッチ操作軸104のケース外突出部に連設した操作アーム104aとがそれぞれクラッチロッド116を介して連動連結されている。
【0043】
また、ピットマンアーム111に連設した操作金具111aに形成した押し引きロッド112との連係孔117は操作金具111aの揺動方向に沿った長孔に構成されており、ピットマンアーム111が直進姿勢から所定の設定角度(例えば30°)以上に揺動したときのみにピットマンアーム111の揺動を押し引きロッド112に伝達するが設定角度未満の揺動は伝達しないように連係孔117の長さが設定されている。
【0044】
従って、機体を大きく旋回させるために左右の前輪1を設定角度以上に大きく操向すると、ピットマンアーム111の揺動が中継アーム113を介して天秤アーム115に伝達され、前方に引き操作されるクラッチロッド116に連係された一方のサイドクラッチ96のみが切り操作される。つまり、旋回内側のサイドクラッチ96のみが切られて、左右の前輪と旋回外側の後輪2との3輪駆動によって機体が旋回し、遊転状態にある旋回内側の後輪2は機体の旋回移動に伴って接地追従して回転し、旋回内側の後輪2で不当に圃場を荒らすことなく機体旋回が行われる。
【0045】
次に、左右のサイドクラッチ96を共に切り操作することで、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aについて説明する。
【0046】
図7に示すように、独立PTO装置Aは、運転ステップ24の右側後方個所に配備された独立PTOペダル120の支軸121が左右のサイドクラッチ96の操作アーム104aにロッド122を介して連動連結された構造となっており、植付け作業走行状態でクラッチ操作具としての独立PTOペダル120を踏むと、PTO軸62の伝動状態が維持されたままで走行用の伝動は断絶されるので、走を停止した状態でも苗植付け作動及び施肥作動を行える状態が得られる。従って、植え始めにわずかの間だけ独立PTOペダル120を踏込んで走行停止状態での苗植付けを行うことで、植え始めに起こりがちな欠株を回避することができる。なお、独立PTOペダル120を踏込み操作して後輪2の駆動を停止しても、前輪1は駆動状態に維持されているが、前輪1の推進力は主推進車輪である後輪2の推進力に比較して小さいために、圃場の推進抵抗によって機体はほとんど停止状態、あるいは極めて微速で前進するだけとなる。
【0047】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別の実施形態のいくつかを例示する。
【0048】
〈1〉 サイドクラッチ自動操作機構106は、前輪1の操向に伴う旋回内側後輪2のサイドクラッチ96が最大でも半クラッチ状態までしか操作されず、かつ、独立PTOペダル120の踏込み時には、両サイドクラッチ96が共に完全に切り操作されるように設定して実施することもできる。
【0049】
〈3〉 図11に示すように、運転ステップ24の右側後方個所に、片足によって同時に踏込み操作できるように並列配置された左右一対の独立PTOペダル(クラッチ操作具)120a,120bを設けて、それぞれを左右のサイドクラッチ96の操作アーム104aにロッド122を介して連動連結し、独立PTOペダル120a,120bを同時に踏込み操作することで、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aを構成することもできる。なお、この独立PTOペダル120a,120bは単独に踏込んで片方のサイドクラッチ96を切り操作することもでき、前輪1を大きく操向しない状態でもサイドクラッチ旋回を実行することができる。
【0050】
〈4〉 図12に示すように、単一の独立PTOペダル(強制中立操作具)125を踏込んでいる間だけ、走行用副変速装置51のシフトフォーク123を強制的に中立操作し、踏込みを解除するとシフトフォーク123を副変速レバー47で選択された変速段に復帰させるように、副変速レバー47とシフトフォーク123とを弾性融通機構124を介して連動連結するよう構成して、PTO軸62を駆動しながら走行を停止することができる独立PTO装置Aを構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】機体前部の側面図
【図4】機体前部の平面図
【図5】走行伝動系の展開断面図
【図6】PTO伝動系の展開断面図
【図7】サイドクラッチ自動操作機構を示す平面図
【図8】サイドクラッチ自動操作機構の要部を示す側面図
【図9】右側のサイドクラッチおよびブレーキを示す縦断背面図
【図10】左側のサイドクラッチを示す縦断背面図
【図11】別実施形態の独立PTO装置を備えたサイドクラッチ自動操作機構の平面図
【図12】独立PTO装置の他の実施構造を示す説明図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
47 変速操作具(副変速レバー)
51 変速機構(副変速機構)
96 サイドクラッチ
106 サイドクラッチ自動操作機構
120 クラッチ操作具(独立PTOペダル)
125 強制中立操作具(独立PTOペダル)
Claims (3)
- 駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする田植機。
- 駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作して半クラッチ状態とするサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、前記クラッチ自動操作機構による前記サイドクラッチの切り作動とは無関係に、左右の前記サイドクラッチを共に切り操作自在なクラッチ操作具を設けてあることを特徴とする田植機。
- 駆動及び操向自在な左右一対の前輪と、駆動自在で操向不能な左右一対の後輪と、後輪への動力伝達を断続自在な状態で左右の前記後輪毎に設けられた左右のサイドクラッチとを備え、前記前輪の設定角度以上の操向作動に伴って旋回内側のサイドクラッチを遮断側に操作するサイドクラッチ自動操作機構を設けるとともに、走行用動力のみを高低複数段に変速する変速機構と、この変速機構を変速操作自在な変速操作具とを設け、前記変速操作具の操作位置如何に拘わらず、前記変速機構を強制的に中立操作自在な強制中立操作具を設けてあことを特徴とする田植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002362545A JP2004189184A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 田植機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004189184A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007325528A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Kubota Corp | 農用作業機の伝動構造 |
JP2016140293A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 井関農機株式会社 | 苗移植機 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362545A patent/JP2004189184A/ja active Pending
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JP2007325528A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Kubota Corp | 農用作業機の伝動構造 |
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