JP2017023001A - 水田作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミッションケースとは別に備えた施肥駆動ケースの取り付け対象としてミッションケースを有効利用できるようにして、取付構造の簡素化を図る。【解決手段】ミッションケース3とは別に施肥駆動ケース80を備え、ミッションケース3の外面に、そのミッションケース3から延出された動力取り出し軸28,74を支持するボス部31を形成してあるとともに、そのボス部31に、施肥駆動ケース80を連結するための取付座部32を一体形成してある。【選択図】図5

Description

本発明は、圃場を走行移動可能な走行機体に、地面に対して苗植え付けを行う苗植付装置又は地面に対して種籾を播く直播装置などの作業装置を備えた水田作業機に関する。
苗植付装置又は直播装置などの植播系の作業装置を備える水田作業機では、走行機体に搭載されているエンジンの動力を施肥装置にも供給するための、施肥動力の取り出し構造を備えている。このような構造の水田作業機としては、例えば、下記[1]〜[3]に記載の構造のものがある。
[1] ミッションケースから機体後方へ向けて延出された走行伝動軸の途中に、施肥駆動ケースを配備し、走行伝動軸の途中から施肥装置へ向けて駆動力を分岐伝動できるようにしてある。施肥駆動ケースはミッションケースから離れた機体後方側に位置して、機体フレームに取り付けられている(特許文献1参照)。
[2] 走行機体に対する制動を行うためのブレーキ装置をミッションケース内に備え、そのブレーキ装置を操作するためのブレーキペダルを揺動自在に枢支するブレーキ操作軸を左右のメインフレームにわたって設けている(特許文献2参照)。
[3] ミッションケース内にデフロック機構を備え、そのデフロック機構を、ミッションケース内に一端側を挿入したデフロックピンの回動操作でミッションケースの外部からの操作で行えるようにしている(特許文献3参照)。
特許第4059799号公報(段落番号「0029」、図1、図3、図5参照) 特開2012−161249号公報(段落番号「0024」、「0025」、図13参照) 特開2014−70653号公報(段落番号「0046」、図3、図5参照)(段落番号「0024」、「0025」、図13参照)
上記の特許文献1に記載された水田作業機では、ミッションケースとは別に施肥駆動ケースを備えている。したがって、施肥駆動機構もミッションケース内に組み込む場合に比べて、ミッションケース自体の大型化を避けられる点で有用である。また、施肥装置を備えない仕様の水田作業機では施肥駆動ケースを外し、施肥装置を備える仕様の水田作業機にのみ施肥駆動ケースを装備させるというように、水田作業機の仕様に応じた構造を得やすい点でも有利である。
しかしながらこの構造では、施肥駆動ケースがミッションケースから大きく離れた機体後方側で機体フレームに支持されているものであるため、機体フレームとして、施肥駆動ケースを支持し易い構造のものが要求される、もしくは、施肥駆動ケースを支持するための専用の取付部材と装備する必要があって、設計上の自由度が制限されたり、専用部品の追加による構造の複雑化を招きやすい点で改善の余地がある。
上記の特許文献2に記載された水田作業機では、左右のメインフレームにわたって設けたブレーキ操作軸でブレーキペダルが支持されるので、ブレーキペダルを長いスパンで強固に支持し易い点で有利である。
しかしながらこの構造では、ブレーキ操作軸の左右方向での取付位置を安定的に維持させるための何らかの支持構造が必要であり、その支持構造を要することによる構造上の複雑化を招きやすい点で改善の余地がある。
上記の特許文献3に記載された水田作業機では、デフロックピンの操作で外部からのデフロック状態の切り換えを容易に行い易い点で有利である。しかしながら、この構造では、デフロックピンを抜き差しする際に、ミッションケースを分解して、ミッションケースの内部側からデフロックピンの脱着を行う必要があるので、メンテナンス作業を行う際に手数を要する点で改善の余地がある。また、ミッションケースの内部構造の変更などによってデフロックピンの位置を変化させると、そのデフロックピンの位置とデフロックペダルの存在位置とが相対的に変化することになるが、この場合にデフロックペダルの位置を変更すると、ペダルの操作感覚が変化する虞があって好ましくなく、この点でも改善の余地がある。
また、施肥駆動ケースの内部に潤滑油を封入した構造のものである場合に、施肥駆動ケースをミッションケースから延出されている動力取り出し軸から外すと、施肥駆動ケースの内部に封入されていた潤滑油が漏れだして、施肥駆動ケースの脱着を行い難くなることがあり、この点で改善の余地がある。
本発明は、ミッションケースの大型化を避けられるように独立した施肥駆動ケースを用いながら、その施肥駆動ケースの取り付け対象としてミッションケースを有効利用できるようにして、取付構造の簡素化を図り得たものである。
また、本発明は、左右のメインフレームにわたるブレーキ操作軸を合理的に配備して、全体構造のコンパクト化、ならびに構造の簡素化を図り得たものである。
また、本発明は、ミッションケースに対する施肥駆動ケースの脱着を行い易くしてメンテナンス作業を行い易くしたものである。
また、本発明は、デフロックペダルの操作感覚を所定通りに維持し易くしたものである。
また、本発明は、デフロックピンの外部からの脱着作業を行い易くしたものである。
本発明における水田作業機の特徴は、走行駆動装置と、苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを備え、前記ミッションケースの外面に、そのミッションケースから延出された動力取り出し軸を支持するボス部を形成してあるとともに、そのボス部に、前記施肥駆動ケースを連結するための取付座部を一体形成してある点にある。
本発明によれば、ミッションケースとは別に施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースを備えるので、ミッションケース自体の大型化を回避するには有効であり、かつミッションケースを施肥駆動ケースの取付手段として利用するので、施肥駆動ケースの取付構造の簡素化を図り得る利点がある。
そして、ミッションケースから延出された動力取り出し軸を支持するボス部に、施肥駆動ケースを連結するための取付座部を一体形成してあるので、この取付座部をボス部から離して個別にミッションケース外面から突設させた場合に比べて、取付座部の強度を向上し得る利点がある。
本発明においては、前記動力取り出し軸が、前記作業装置へ駆動力を伝達する作業用動力取り出し軸である場合に好適である。
本構成を備えることで、作業用動力取り出し軸を支持するボス部に対してかなり近接させた状態で施肥駆動ケースの取り付けを行うことができる。したがって、作業用動力取り出し軸から大きく離れた位置で施肥駆動ケースの取り付けを行う場合に比べて、ミッションケースの外郭縁から施肥駆動ケースの一部が大きくはみ出すような取り付け状態となることを避け、比較的コンパクトにミッションケースに対する施肥駆動ケースの取り付けを行い易いものである。
本発明においては、前記動力取り出し軸が、前記走行駆動装置へ駆動力を伝達する走行用動力取り出し軸である場合に好適である。
本構成を備えることで、走行用動力取り出し軸を支持するボス部に一体形成された取付座部に対して、施肥駆動ケースを連結することができる。したがって、施肥駆動ケースへの入力軸となる走行用動力取り出し軸と施肥駆動ケースとの相対位置関係を精度良く規定して、円滑な動力伝達が行える状態にミッションケースと施肥駆動ケースとの組み付けを行い易いものである。
本発明においては、前記動力取り出し軸が、前記作業装置へ駆動力を伝達する作業用動力取り出し軸と、前記走行駆動装置へ駆動力を伝達する走行用動力取り出し軸とで構成され、前記ボス部が、前記走行用動力取り出し軸を支持する第一ボス部と、前記作業用動力取り出し軸を支持する第二ボス部とで構成されていると好適である。
本構成を備えることで、作業用動力取り出し軸を支持するボス部に対してかなり近接させた状態で施肥駆動ケースの取り付けを行うことができ、また、走行用動力取り出し軸を支持するボス部に一体形成された取付座部に対して、施肥駆動ケースを連結することができる。
したがって、比較的コンパクトにミッションケースに対する施肥駆動ケースの取り付けを行い易く、かつ施肥駆動ケースへの入力軸となる走行用動力取り出し軸と施肥駆動ケースとの相対位置関係を精度良く規定して、円滑な動力伝達が行える状態にミッションケースと施肥駆動ケースとの組み付けを行い易いものである。
本発明においては、前記第一ボス部と前記第二ボス部とが互いに接続された状態で一体に形成されていると好適である。
本構成を備えることで、作業用動力取り出し軸を支持する第一ボス部と、走行用動力取り出し軸を支持する第二ボス部とが互いに接続されて、より強固な支持構造を得られるものである。
本発明においては、前記作業用動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸とは上下方向で異なる位置に配設されているとともに、前記施肥駆動ケースに備えた施肥動力取り出し軸と前記作業用動力取り出し軸とは水平方向で異なる位置に配設され、前記取付座部は、上下方向で前記作業用動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸との中間に位置し、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の一方側に位置する第一取付座部と、左右方向で前記作業用動力取り出し軸と前記施肥動力取り出し軸との間に位置する第二取付座部と、上下方向で前記施肥動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸との中間に位置し、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の他方側に位置する第三取付座部とを備え、これらの3箇所の取付座部同士を結ぶ線分が、前後方向視で三角形状となるように配置されたものであると好適である。
本構成を備えることで、3箇所の取付座部同士を結ぶ線分が前後方向視で三角形状となるように配置され、ミッションケースに対する施肥駆動ケースの取り付け箇所が確実に密着した状態で強固に連結される。
本発明においては、前記作業用動力取り出し軸が前記走行用動力取り出し軸よりも上方位置に配設されていると好適である。
本構成を備えることで、走行用動力取り出し軸を低位に位置させることで、低い位置の駆動車輪に対して近い位置で動力伝達を行わせ易い。
また、走行用動力取り出し軸よりも上方位置に作業用動力取り出し軸を備えることで、駆動車輪位置を越えて後方側への動力伝達を行い易いものである。
本発明においては、走行駆動装置と、苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを走行機体に備え、前記ミッションケースから延出された走行用動力取り出し軸を前記施肥駆動ケースの入力部に導入して、前記ミッションケースから前記施肥駆動ケースへの動力伝達が行われるように構成されているとともに、前記ミッションケースの外面と前記施肥駆動ケースの外面との間に、前記走行機体の前後方向で所定の間隔を有した軸挿通用空間を設けてあり、この軸挿通用空間に、前記走行機体の左右方向にわたるブレーキ操作軸が配備されていると好適である。
本構成を備えることで、走行機体の左右方向にわたるブレーキ操作軸を、ミッションケースや施肥駆動ケースの存在によって遮られることなく左右方向に長く配設することができる。
そして、ミッションケースの外面と施肥駆動ケースの外面との間を通すことによって、ブレーキ操作軸をミッションケース外面に極力近づけた状態に配備することができる。したがって、ブレーキ操作軸を揺動支点とするブレーキペダルの踏面と揺動支点との距離を必要以上に長くすることなく、適正な距離で操作し易いブレーキペダルを得られるものである。
本発明においては、前記ブレーキ操作軸は、前記走行用動力取り出し軸よりも上方側に配設されていると好適である。
本構成を備えることで、ブレーキ操作軸を走行用動力取り出し軸よりも下方側に配設した場合よりも、揺動支点の位置を高くして、踏面の下方側への踏み込み操作を行い易くすることができる。
本発明においては、前記ブレーキ操作軸は、前記作業装置に動力を伝達するように前記ミッションケースから延出された作業用動力取り出し軸よりも下方側に配設されていると好適である。
本構成を備えることで、作業用動力取り出し軸を対地的にできるだけ高い位置に配備した状態で、ブレーキ操作軸をブレーキペダルの揺動支点として適正な高さ位置に配置することができる。
本発明においては、前記作業用動力取り出し軸は、前記走行機体の前後方向に沿って配設された左右一対のメインフレームの上下方向幅内に相当する高さ位置に配備されていると好適である。
本構成を備えることで、作業用動力取り出し軸をメインフレームの上下方向幅内に相当する高さ位置に配備して、できるだけ高く、かつ他物との接触を回避し易い状態に配設し得たものである。
本発明においては、走行駆動装置と、苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを備え、前記施肥駆動ケースは、前記ミッションケースから延出された走行用動力取り出し軸に外嵌して、その走行用動力取り出し軸と一体に回動する筒状入力軸と、前記筒状入力軸を枢支する軸受ボス部とを備え、前記筒状入力軸の外周面と前記軸受ボス部の内周面との間に、前記施肥駆動ケースの内部を密封するためのシール材が介装されていると好適である。
本構成を備えることで、施肥駆動ケースの軸受ボス部と、その筒状ボス部に内嵌する筒状入力軸の外周面との間がシール材で密閉されるので、施肥駆動ケースを走行用動力取り出し軸から取り外しても、施肥駆動ケース内からの潤滑油の漏れ出しが抑制され、メンテナンス作業を行い易くなる。
本発明においては、走行機体の前後方向に沿って配設された左右一対のメインフレームを備え、前記メインフレームのうち、一方のメインフレームの左右方向での横外側にブレーキペダルを配備するとともに、他方のメインフレームの左右方向での横外側に制動操作検出装置を配備し、左右両側の前記メインフレームにわたって回転操作軸を横架させ、この回転操作軸を介して前記ブレーキペダルと前記制動操作検出装置とが、前記ブレーキペダルの踏み込み動作に連動して前記制動操作検出装置の操作体が当該制動操作検出装置のセンサースイッチを作動させるように連係させてあり、前記回転操作軸には、前記メインフレームの左右方向での一方の横外側に位置するブレーキ操作アームと、前記メインフレームの左右方向での他方の横外側に位置する前記操作体とを備え、前記ブレーキ操作アームと前記操作体とで、前記メインフレームを挟み込むことにより、前記回転操作軸の左右方向移動を制限するように構成してあると好適である。
本構成を備えることで、回転操作軸に備えたブレーキ操作アームと操作体とで左右のメインフレームを横外方側から挟み込む状態となり、回転操作軸の左右方向移動を制限することができるので、回転操作軸の左右方向移動を制限するための専用の部材を要さずに、回転操作軸の位置決めを行えるものである。
本発明においては、前記メインフレームと前記ブレーキ操作アームとの間、及び前記メインフレームと前記操作体との間に、前記回転操作軸に外嵌するカラーを装着してあると好適である。
本構成を備えることで、メインフレーム側に対する回転操作軸の回転作動を円滑に行わせ易い。
本発明においては、前記カラーが前記メインフレームに溶接固定されていると好適である。
本構成のものでは、カラーがメインフレームに溶接固定されているので、回転操作軸の回動に伴う摩擦によっても、横外側に向くメインフレーム側の損傷を回避でき、見栄えの良い状態を保ち易い。
本発明においては、走行駆動装置と、苗植付装置又は直播装置で構成される植播系作業装置と、走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースとが備えられ、走行機体上の操縦部に配備されたデフロックペダルと、前記ミッションケース内に装備されているデフロック機構を前記ミッションケースのケース外方側から入り切り操作可能なデフロックピンと、前記デフロックペダルと前記デフロックピンとを連係する操作ロッドが備えられ、前記デフロックピンに備えた回動操作用の操作体と前記操作ロッドとの連結箇所を、前記デフロックペダルと前記操作ロッドとの接続箇所よりも走行機体の左右方向での横外側に設けてあると好適である。
本構成を備えることで、ミッションケースの内部構造の変更などによってデフロックピンの位置を変化させても、そのデフロックピンの操作体やデフロックペダルに対する操作ロッドの接続位置を変化させることで、操縦部におけるデフロックペダルの位置は変化させずに、所定位置のデフロックペダルの踏み込み操作でデフロックピンの操作を行うことができる。
したがって、デフロックペダルの操作感覚を変化させずにデフロックピンの位置変更を行うなどの設計上の自由度を増すことができる。
本発明においては、前記デフロックピンは、前記ミッションケースのケース壁部に形成された筒ボス部分に対して、一端側を前記ミッションケースのケース内方側へ挿入した状態で枢支されており、前記デフロックピンのうち、前記ケース内方側へ挿入した側とは反対側の端部に、前記デフロックピンに外嵌して前記デフロックピンの抜け出し側への移動を制限するための抜け止め用カラーを備えるとともに、その抜け止め用カラーよりも前記ケース外方側に、前記筒ボス部分の内周面に形成した周溝に係入する穴用止め輪を装備させてあると好適である。
本構成を備えることで、ミッションケースの分解作業を要さずに、デフロックピンをミッションケースの外部側から抜き出すことが可能となり、メンテナンス作業を行いやすくなる。
本発明においては、前記穴用止め輪よりも前記ケース外方側における前記デフロックピンの外周面と前記筒ボス部分の内周面との間にシール材を装着してあると好適である。
本構成を備えることで、ミッションケースの外部側からの抜き差しが可能なデフロックピンの、抜き差し操作のための部位を、泥土や塵埃から保護し、確実な抜き差し操作が可能な状態を維持し得る。
乗用型田植機の左側面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部の右側面図である。 ミッションケースから後車軸ケースに至る機体下部の左側面図である。 ミッションケース及び施肥駆動ケース部分を示す後面図である。 ミッションケース及び施肥駆動ケース部分を示す分解斜視図である。 ミッションケース及び施肥駆動ケースとブレーキ操作軸との関係を示す平面図である。 ミッションケース及び施肥駆動ケースとブレーキ操作軸との関係を示す側面図である。 動力伝達系統を示す線図である。 施肥駆動ケースの内部構造を示す断面図である。 ブレーキ操作軸の支持構造を示す部分断面図である。 デフクラッチピンの取り付け状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した乗用型田植機などの走行機体1の作業走行時における前進側の進行方向(図1及び図6における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1及び図6における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図6における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図6における矢印L参照)が「左」である。
〔全体構成〕
図1に、地面に対して苗植え付けを行う苗植付装置又は地面に対して種籾を播く直播装置などの作業装置(植播系作業装置)を備えた水田作業機の一例としての乗用型田植機の左側面が示されている。
この乗用型田植機は、機体フレーム10の下方に、走行駆動装置として左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪11Fと、左右一対の駆動自在な後輪11Rとを備え、機体フレーム10に搭載されたエンジンEからの動力を受けて、前記前輪11Fと後輪11Rとが駆動される自走式の走行機体1を備えている。
走行機体1には、エンジンEを内装した原動部13が運転部フロア14上で機体前部に備えられている。原動部13の後方側で走行機体1の前後方向中央部の運転部フロア14上に、前輪11Fを操向操作するステアリングハンドル15及び運転座席12を有した搭乗運転部が備えられている。
運転座席12の後部には、施肥装置4が搭載されている。施肥装置4は、肥料タンク40に貯留させた肥料を、図示しない繰り出し装置から所定量ずつ繰り出して、図示しない供給経路を経て苗植付装置2に装備した作溝器41へ送り込み、圃場へ供給するように構成されている。走行機体1の後方側には、昇降作動用の油圧シリンダ26を有したリンク機構25を介して苗植付装置2が昇降自在に支持されている。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
走行機体1の前部には、原動部13の左右両側に、前後移動可能な程度の左右方向の間隔を隔てて予備苗のせ台17が配備されている。走行機体1の後部には、昇降作動用の油圧シリンダ26を有したリンク機構25を介して苗植付装置2が昇降自在に支持されている。
このように構成された乗用型田植機は、苗植付装置2によって圃場に対する稲等の苗の植え付け作業を行うものである。
苗植付装置2は6条植型式に構成されており、伝動ケース21、その伝動ケース21の後部の右及び左の横側部に回転駆動自在に支持された植付ケース22、植付ケース22の両端に備えられた一対の植付アーム23(植付爪駆動機構)、接地フロート24、及び苗が載置される苗のせ台20等を備えている。苗のせ台20が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース22が回転駆動され、苗のせ台20の下部から植付アーム23が交互に苗を取り出して田面に植え付けるように構成されている。
走行機体1における機体フレーム10の前部には、前輪11Fを軸支したミッションケース3が連結固定されているとともに、機体フレーム10の後部には、後輪11Rを左右に装備した後車軸ケース19が支持されている。ミッションケース3からは前方に向けて前フレーム10Fが延出され、この前フレーム10FにエンジンEが横向きに搭載されている。
図2、3、及び図6に記載のように、ミッションケース3の左右両側には、前車軸ケース3Aが左右両外側に向けて延出され、左右の前輪11F,11Fが設けられている。ミッションケース3の上側には、ステアリング操作軸15aが立設され、そのステアリング操作軸15aの上端にステアリングハンドル15が設けられている。ステアリングハンドル15の横側部には、後述する静油圧式無段変速装置61を操作して車速を変更する主変速レバー16、及びミッションケース3内の後述する副変速機構を操作する副変速レバー18が配設されている。
後車軸ケース19は、次のように構成された周知の5リンク式サスペンション機構を介して機体フレーム10に支持されている。
図2乃至図4に示されるように、機体フレーム10の左右一対の前後方向に長い前後向きフレーム10A,10Aの下側でミッションケース3の後端近くに、第一支持ブラケット10Bを下向き姿勢で固定してある。また、ミッションケース3と後車軸ケース19との中間位置で前後向きフレーム10A,10Aの下側に、第一支持ブラケット10Bよりも短い第二支持ブラケット10Cを下向き姿勢で固定してある。
後車軸ケース19の前部には、連結用ブラケット19Aが後車軸ケース19と一体的に固定されている。この連結用ブラケット19Aの下端部と前記第一支持ブラケット10Bの下端部とが下部リンク35(ロアーリンクに相当する)を介して連結され、連結用ブラケット19Aの上端部と前記第二支持ブラケット10Cとが短い上部リンク36(トップリンクに相当する)を介して連結されている。
左右の連結用ブラケット19Aは、左右の前後向きフレーム10A,10Aとの間で、サスペンションバネ37を介して左右各別に上下動可能に弾性支持されている。また、図2及び図3に示すように、後車軸ケース19の後方側中間箇所が、ラテラルロッド38を介して一方の前後向きフレーム10Aの下部に連結してあり、後車軸ケース19の上下移動は許しながら全体の横移動を制限するように構成されている。
これによって、後車軸ケース19は、左右の短い上部リンク36及び長い下部リンク35によって、第一支持ブラケット10Bの下端部の揺動支点x1、及び第二支持ブラケット10Cに備えた揺動支点x2の、2つの揺動支点x1,x2回りで上下揺動するように連結されている。
〔動力伝達系〕
エンジンEの動力は、ミッションケース3に入力され、ミッションケース3内で、前輪11F、及び後輪11R等を駆動するための走行駆動系と、作業装置としての苗植付装置2又は播種装置(図示せず)を駆動するための作業装置駆動系とに分岐して出力される。
〔走行駆動系〕
まず、走行駆動系の伝動構造について説明する。
図6、及び図8に示されるように、ミッションケース3の左右両横側には、左右一対の前車軸ケース3Aが備えられている。前車軸ケース3Aには、上記前輪11Fが上下方向に沿う軸心周りに回動して操向自在となるように支持されている。
ミッションケース3には、ミッションケース3のケース本体30上部側の左横側部に位置する状態で、静油圧式無段変速装置61(主変速装置に相当する)が連結されている。静油圧式無段変速装置61は、中立停止位置を有し、中立停止位置から前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されている。
図8に示すように、エンジンEの動力は、ベルト伝動機構61cを介して、静油圧式無段変速装置61の変速入力軸61aに伝達されるようになっている。変速入力軸61aのベルト伝動機構61cの反対側に位置する部分と、変速出力軸61bは、ケース本体30の内部に入り込むように配置されている。
ミッションケース3のケース本体30の右横側部には、油圧ポンプ62が連結されている。油圧ポンプ62のポンプ入力軸62aは、ケース本体30の内部に入り込むように配置されている。ポンプ入力軸62aは、変速入力軸61aと同芯状に配置されており、延長入力軸61dによって変速入力軸61aと一体回転するようにスプライン連結されている。これにより、エンジンEの動力が、静油圧式無段変速装置61の変速入力軸61aから油圧ポンプ62に伝達され、油圧ポンプ62が駆動される。
変速出力軸61bには、ミッションケース3の内部に回転自在に支持された第一伝動軸63がスプライン連結されている。第一伝動軸63には、第一シフトギヤ64がスプライン構造により一体回転及びスライド移動自在に外嵌されている。第一シフトギヤ64には、第一高速ギヤ64aと、第一高速ギヤ64aよりも大径な第一低速ギヤ64bとが一体に備えられている。
第一伝動軸63の伝動下手側には、第一伝動軸63に平行な第二伝動軸65がミッションケース3内に支持されて備えられている。第二伝動軸65には、大径ギヤ65aと大径ギヤ65aよりも小径な中径ギヤ65bとが第二伝動軸65に固定して備えられている。第一シフトギヤ64をシフト操作することにより、第一高速ギヤ64aと大径ギヤ65aとの噛み合いと、第一低速ギヤ64bと中径ギヤ65bとの噛み合いとのいずれかを選択して、第一伝動軸63から第二伝動軸65へ変速された動力を伝達できる。つまり、第一シフトギヤ64と、第二伝動軸65の大径ギヤ65a及び中径ギヤ65bとによって第一副変速機構60A(副変速機構に相当する)が構成されている。そして、第二伝動軸65には、中径ギヤ65bよりも小径な小径ギヤ65cが固定されている。
第二伝動軸65の伝動下手側には、第二伝動軸65に平行な第三伝動軸67がミッションケース3内に支持されて備えられている。第三伝動軸67には、第三伝動軸67と一体回転し、かつ、第三伝動軸67に対してスライド移動自在とされる第二シフトギヤ68がスプライン構造により外嵌されて備えられている。第二シフトギヤ68には、第二高速ギヤ68aと、第二高速ギヤ68aよりも大径な第二低速ギヤ68bとが一体として備えられている。
第二シフトギヤ68をシフト操作することにより、中径ギヤ65bと第二高速ギヤ68aとの噛み合いと、小径ギヤ65cと第二低速ギヤ68bとの噛み合いとのいずれかを選択して、第二伝動軸65から第三伝動軸67へ動力を伝達できる。つまり、第二シフトギヤ68と、第二伝動軸65の中径ギヤ65b及び小径ギヤ65cとによって第二副変速機構60B(副変速機構に相当する)が構成されている。そして、第三伝動軸67には、伝動ギヤ69が固定されている。また、第三伝動軸67には、第一ベベルギヤ70が固定されている。
第三伝動軸67の伝動下手側には、第三伝動軸67と平行に、一対の前輪駆動軸71が左右両側から突き合わせ状態で配置されている。左右一対の前輪駆動軸71の間にデフ機構72が備えられている。デフ機構72のデフケース72aは、ミッションケース3の内部に回転自在に支持されている。第三伝動軸67に固定された伝動ギヤ69は、デフケース72aに固定された被伝動ギヤ72bに噛み合わされている。
一対の前輪駆動軸71のうち一方の前輪駆動軸71には、デフロック体72cがキー構造により一体回転及びスライド移動自在に外嵌されている。デフロック体72cは、デフケース72aに対して係合解除された差動可能状態(デフロック解除状態)と、デフケース72aに対して係合された差動不能状態(デフロック状態)と、に切り換えできるように構成されている。
図3,4、及び図8に示されるように、ミッションケース3の後部には、ミッションケース3の後端部から後ろ向きに突出する走行出力軸74(動力取り出し軸、及び走行用動力取り出し軸に相当する)が備えられている。走行出力軸74の前端部には第二ベベルギヤ75が備えられている。第二ベベルギヤ75は、第三伝動軸67に固定された第一ベベルギヤ70に噛み合わされており、これにより、第三伝動軸67から走行出力軸74へ動力が伝達される。
ミッションケース3の後部には、走行出力軸74に回転抵抗を与えて走行機体1を制動することが可能なブレーキ78が内装されている。このブレーキ78は、後述するブレーキ操作機構5によって人為操作可能に構成されている。
左右一対の後輪11Rを支持する後車軸ケース19には、左右の後輪11R,11Rに駆動力を分配する後輪伝動軸76と、その後輪伝動軸76に動力を伝える走行入力軸76aとが備えられている。前記走行出力軸74と、後車軸ケース19の走行入力軸76aとに亘って後方伝動軸77が連動連結されている。後輪伝動軸76に伝達される動力は、サイドクラッチ73を介して、左右の後輪11Rにそれぞれ伝達される。
これにより、エンジンEの動力が、静油圧式無段変速装置61の変速出力軸61b、第一伝動軸63、第二伝動軸65、第三伝動軸67、デフ機構72、前輪駆動軸71を介して左右一対の前輪11Fに伝達され、デフ機構72のデフケース72a、走行出力軸74、後輪伝動軸76を介して左右一対の後輪11Rに伝達される。
〔作業装置駆動系〕
ミッションケース3に伝達されたエンジンEの動力は、上述した走行駆動系とは別に、作業装置であるところの苗植付装置2へ動力を伝達する植付装置駆動系と、作業装置であるところの施肥装置4に対して駆動力を伝達する施肥装置駆動系とに分岐伝動される。
このうち、苗植付装置2への駆動力の分岐は、第二伝動軸65に備えた作業用出力ギヤ27(図8参照)を介して行われる。作業用出力ギヤ27に伝えられた動力は、ミッションケース3内に備えられた図示しない適宜伝動機構を経て植付出力軸28(動力取り出し軸、及び作業用動力取り出し軸に相当する;図3,4参照)からミッションケース3外へ導出され、植付動力伝達軸29を経て苗植付装置2に伝達される。
作業装置駆動系のうち、施肥装置4に対して駆動力を伝達する施肥装置駆動系は次のように構成されている。
図4及び図8に示されるように、ミッションケース3の後部側には、ミッションケース3とは別体で構成された施肥駆動ケース80が設けられている。
この施肥駆動ケース80に前記走行出力軸74が挿通されて、走行出力軸74の動力が施肥用PTO軸85(施肥動力取り出し軸に相当する)に伝えられるように構成されている。
つまり、図8及び図9に示されるように、施肥駆動ケース80には、走行出力軸74にスプライン嵌合する筒状入力軸81が、施肥駆動ケース80の下部に設けた軸受ボス部82に装備されている。筒状入力軸81の外周部には分岐ギヤ81a(伝動ギヤに相当する)が形成され、その分岐ギヤ81aに噛合する中継ギヤ83a(伝動ギヤに相当する)を備えた中継軸83と、中継ギヤ83aに噛合する出力ギヤ84(伝動ギヤに相当する)を備えた施肥用PTO軸85とが備えられている。施肥用PTO軸85には施肥装置4への伝動軸42が連結され、施肥装置4の図示しない繰り出し装置が駆動されるように構成してある。
施肥駆動ケース80は、後述するように、ミッションケース3の後部側に、取付ボルト等を介して連結固定されている。
図4に示されるように、ミッションケース3及び施肥駆動ケース80から後方へ向けて延出された動力取り出し用の各軸のうち、走行出力軸74が最も下方に位置し、機体フレーム10の下方側で下部リンク35よりも上方側に位置するように配設されている。この走行出力軸74から中継軸83を介して施肥装置4へ駆動力を出力する施肥用PTO軸85が設けられている。施肥用PTO軸85は、上部リンク36の揺動支点x2よりも高い位置で、かつ機体フレーム10の上下方向幅内に配設されている。また、施肥用PTO軸85は、走行出力軸74よりも左右方向での右横側方に離れて位置している。上部リンク36の揺動支点x2よりも低い位置に設けられている中継軸83は、走行出力軸74よりも上側で施肥用PTO軸85よりも下方側に位置して、施肥用PTO軸85の軸心と走行出力軸74の軸心とを結ぶ線分L1の下方側に位置するように配設されている。
このように、中継軸83は、施肥用PTO軸85の軸心と走行出力軸74の軸心とを結ぶ線分L1の下方側の右横方向に偏った位置にあり、施肥用PTO軸85の軸心と中継軸83の軸心と走行出力軸74の軸心とを結ぶ線分(図示せず)が、右下向きに凸となる屈曲した配置関係になる。
したがって、施肥駆動ケース80の左上方側への張り出しが少ないので、その左上方側の領域を有効利用して植付出力軸28が、機体フレーム10の下方側で下部リンク35よりも上方側の箇所にコンパクトに配設される。つまり、ミッションケース3から延出される植付出力軸28が、上部リンク36の揺動支点x2よりも高い位置で、機体フレーム10の上下方向幅内に設けられている。
〔施肥駆動ケースの構造〕
図5及び図9に示すように、施肥駆動ケース80は、前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとの、前後で分割されたケース部分の組み合わせで構成されている。この前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとは、施肥駆動ケース80の外周縁近くの周縁フランジ部80Aa,80Baの複数箇所に備えた連結ボルト80Cで互いに連結されている。
後側ケース部分80Bの上部には後側ケース部分80Bのケース壁の一部が後方側へ向けて筒状に延出され、施肥クラッチ90を内装するための膨出部86となっている。さらに、膨出部86の下部には、施肥クラッチ90のクラッチ操作軸93を枢支するための軸保持部87が後側ケース部分80Bと一体に形成されている。
前記走行出力軸74に対しては筒状入力軸81が、中継軸83に対しては中継ギヤ83aが、それぞれスプライン嵌合されて一体回動するように装着されている。そして、施肥用PTO軸85に対しては、中継ギヤ83aに噛合する出力ギヤ84が、相対回動自在に装着されている。この出力ギヤ84は、施肥用PTO軸85の外周面に対して嵌合する内周側に、後述する施肥クラッチ90の噛み合い歯91aと係合可能な係合歯部84aが形成されている。
施肥クラッチ90は、施肥用PTO軸85の外周部に形成されたスプライン部85aにスプライン嵌合して、施肥用PTO軸85に対して一体回転し、かつ施肥用PTO軸85に対する軸線方向でスライド移動可能に構成された筒状のクラッチ部材91と、そのクラッチ部材91を出力ギヤ84側へ押圧付勢する押圧バネ92とを備えている。
クラッチ部材91の前記押圧バネ92に対向する側とは反対側の端部には、出力ギヤ84の一部に形成された係合歯部84aに対して出退することにより、係脱可能な噛み合い歯91aが形成されている。
クラッチ部材91の前記噛み合い歯91aが形成された側とは反対側の端部には、フランジ部91bが形成されている。このフランジ部91bは、クラッチ操作軸93のうちの施肥駆動ケース80の内方側の端部に形成された操作突片93aと係合するように設けられている。これによって、クラッチ操作軸93がその軸心y1回りで回転操作されることにより、クラッチ部材91を出力ギヤ84に対して一体回転させるクラッチ入り状態と、クラッチ部材91と出力ギヤ84との一体回転状態が解除されたクラッチ切り状態とに切換操作可能に構成してある。
つまり、クラッチ操作軸93が軸心y1回りで一方向に回転操作されると、その軸心y1に対して偏心した箇所に突設されている操作突片93aが、クラッチ部材91のフランジ部91bを、図9に実線で示す状態から、押圧バネ92の付勢力に抗して図中左方の仮想線で示す状態に切換操作して、クラッチ切り状態とすることができる。クラッチ操作軸93を軸心y1回りで逆方向に回転操作すると、図9に仮想線で示す状態から、押圧バネ92の付勢力によって図中右方の実線で示すクラッチ入り状態に復帰操作される。
クラッチ操作軸93は、後側ケース部分80Bのケース壁に形成された軸保持部87によって枢支されている。そしてクラッチ操作軸93のうち、前記操作突片93aが設けられた側の端部とは反対側の端部は、軸保持部87よりも施肥駆動ケース80の外方側である下方側へ突出している。このように軸保持部87よりも施肥駆動ケース80の外方側へ突出するクラッチ操作軸93の突出軸部分93bに、そのクラッチ操作軸93を前記軸心y1回りで回転操作するためのクラッチアーム94が取り付けられている。
クラッチアーム94は、図2に示すように、運転座席12の横側方に配備した施肥切換レバー96に、適宜操作ロッド及びリンク部材等で構成される連係機構95を介して連結されている。したがって、施肥切換レバー96を前後に揺動操作することによって、連係機構95を介してクラッチアーム94を、クラッチ操作軸93の軸心y1回りで回動させ、施肥クラッチ90の入り切り操作を行えるように構成されている。
施肥駆動ケース80の下部に設けた軸受ボス部82に支持される筒状入力軸81は、軸受ボス部82の前後方向長さの全長と同程度以上の長さを有している。この筒状入力軸81は、その長さ方向の中央位置よりも少しミッションケース3側に変位した位置で、軸受ボス部82の内周面との間に設けたベアリング97を介して回動自在に枢支されている。このベアリング97よりもミッションケース3から離れた側に備えた分岐ギヤ81aが、中継軸83の中継ギヤ83aと噛合するように構成されている。つまり、筒状入力軸81の長さ方向の中央位置の前後に、ベアリング97と分岐ギヤ81aとが振り分けられた状態で配置されている。
さらに、前記ベアリング97や分岐ギヤ81aの存在する箇所よりも、軸受ボス部82の前後両方向での端部側寄りの箇所に、シール材98を装着してあり、筒状入力軸81の外周面側が施肥駆動ケース80の内部空間を密閉するための部材として利用されている。
したがって、筒状入力軸81から走行出力軸74が引き抜かれた状態であっても、施肥駆動ケース80の内部に封入されている潤滑油が外部へ漏れ出すことを回避できる。
〔施肥駆動ケースの取り付け構造〕
図5及び図9に示すように、施肥駆動ケース80は、前側ケース部分80Aと後側ケース部分80Bとを連結する連結ボルト80Cの他に、この施肥駆動ケース80自体をミッションケース3に対して連結固定するための取付ボルト80Dの装着部88を備えている。
装着部88は、ミッションケース3に近い前側ケース部分80Aの外周部に形成されている周縁フランジ部80Aaのうちの3箇所に設けてあり、後側ケース部分80Bの周縁フランジ部80Baは、この装着部88が存在する箇所に対向する箇所を外れた箇所に形成されている。
装着部88は、前側ケース部分80Aの周縁フランジ部80Aaのうち、後側ケース部分80Bの周縁フランジ部80Baを外れた箇所で外方側に露出する部位と、その部位で周縁フランジ部80Aaの前面側(ミッションケース3に近い面側)から前方側へ延出された支持脚部89とを備えている。
支持脚部89の内部にはボルト挿通孔(図示せず)が形成されており、そのボルト挿通孔(図示せず)に取付ボルト80Dを挿入して、この取付ボルト80Dを、ミッションケース3の後面側に形成されている取付座部32のねじ穴33に螺合可能に構成してある。したがって、取付座部32のねじ穴33に取付ボルト80Dを螺合させることにより、施肥駆動ケース80をミッションケース3に対して連結固定できるように構成されている。
ミッションケース3の後面側でケース本体30から後方側へ突出した状態に形成される取付座部32は、図5に示すように、そのミッションケース3から後方側へ延出された走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aと、植付出力軸28を支持する第二ボス部31Bとで構成されるボス部31に対して一体的に構成されている。つまり取付座部32は、施肥駆動ケース80の3箇所の装着部88と対応する位置で、前記ボス部31近くの3箇所に位置している。また、この取付座部32は、ミッションケース3の後面側でケース本体30から後方側へ突出した状態に設けてあるボス部31と一体形成されている。
取付座部32のうち、走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aと一体に構成される第一取付座部32Aは、上下方向で植付出力軸28と走行出力軸74との中間に位置し、かつ左右方向で走行出力軸74の一方側(図5では左側)に位置するように設けられている。
植付出力軸28を支持する第二ボス部31Bと一体に構成される第二取付座部32Bは、上下方向で走行出力軸74よりも植付出力軸28に近い位置で、かつ左右方向で植付出力軸28と施肥用PTO軸85との間に位置するように設けられている。
施肥用PTO軸85は、図4に示すように、上下方向で植付出力軸28よりも少し高い位置にあり、走行出力軸74に対しては、上下方向で植付出力軸28の変位した側と同じ一方側(上方側)に変位した状態で設けられている。
取付座部32のうち、第三取付座部32Cは、上下方向で植付出力軸28又は施肥用PTO軸85よりも走行出力軸74に近い位置にあり、かつ左右方向では、前記第一取付座部32Aが位置する走行出力軸74の前記一方側とは反対の他方側(図5では右側)に位置するように配設されている。
この第三取付座部32Cは、走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aから右下方向きに延出されたリブ部分34を介して第一ボス部31Aと一体に形成されている。
上記のように構成された第一取付座部32A、第二取付座部32B、第三取付座部32Cの3箇所の取付座部32は、図5に示すように、その3箇所の取付座部同士を結ぶ仮想線分(図示せず)が、前後方向視で三角形状であるように配置されている。
〔ブレーキ操作機構〕
ミッションケース3に内装されているブレーキ78を操作するためのブレーキ操作機構5は次のように構成されている。
図2、図4、及び図6に示すように、ブレーキ操作機構5は、ブレーキペダル50と、ブレーキペダル50を揺動自在に支持するブレーキ操作軸51(回転操作軸に相当する)と、ブレーキ軸52と、前記ブレーキ操作軸51とブレーキ軸52とを連係作動させるための連係機構53とを備えている。
ブレーキペダル50は、足で踏み込み操作可能な踏面50aを備えている。この踏面50aとブレーキ操作軸51とが、ブレーキ操作軸51から踏面50aに至る前支持杆50bと、ブレーキ操作軸51から前支持杆50bとは反対側に延出される後支持杆50cと、ブレーキ操作軸51に外嵌する筒状部50dと、筒状部50dの機体内方側の端部に一体形成されて後方側へ延出されたブレーキ操作アーム50eとを介して連結されている。筒状部50dは、図示しない連結ピンでブレーキ操作軸51と一体回動するように連結されている。
そして、前支持杆50bと後支持杆50cとを筒状部50dに固定し、後支持杆50cの端部とブレーキ操作アーム50eの延出端側とを連結することにより、ブレーキペダル50を揺動自在に枢支する揺動軸心x3を備えたブレーキ操作軸51の周辺部において、枠組み状の取付部が構成されるようにして、ブレーキペダル50の取付強度を向上させている。
前支持杆50bと後支持杆50cとを筒状部50dに固定する箇所では、扁平板状の接続板50fが介在されている。つまり、ブレーキペダル50の一部である前支持杆50bや後支持杆50cは断面が円弧状周面を有したパイプ状部材で構成されており、ブレーキ操作軸51に外嵌する筒状部50dも断面が円弧状周面を有したパイプ状部材で構成されている。
そして、前支持杆50bや後支持杆50cの軸線方向と、ブレーキ操作軸51に外嵌する筒状部50dの軸線方向とは、互いにほぼ直交する方向で交差している。このため、前支持杆50bや後支持杆50cの円弧状周面と、筒状部50dの円弧状周面とが交差する箇所では、ほぼ点接触に近い状態での接触状態となる。
このような接触箇所では、溶接して接合させる際の溶接代が極端に少なくなるので、この発明では、前記接続板50fを互いの接触箇所に挟まれた状態に介在させることによって、前支持杆50bや後支持杆50cと接続板50fとの間ではほぼ線接触状態となり、筒状部50dと接続板50fとの間でもほぼ線接触状態となる。これによって、前支持杆50bや後支持杆50cの長手方向、及び筒状部50dの長手方向に沿う十分な溶接長を確保でき、所要の接続強度を確保し易くなる。
ブレーキペダル50を揺動自在に支持するブレーキ操作軸51には、図3に示すように、ブレーキペダル50を設けた機体右横側方とは反対側の端部に、側面視で略三角形状に形成された操作体57がブレーキ操作軸51と一体に回動するように設けられている。
この操作体57は、その後端側が、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態にあることを検出するためのセンサースイッチ58に対する接触部57aとして機能するように用いられている。つまり、ブレーキペダル50が踏み込み操作されると、ブレーキ操作軸51が回動し、操作体57の接触部57aがセンサースイッチ58を押し込んで、ブレーキペダル50が踏み込み操作されたことを検知できるように構成されている。
この操作体57及びセンサースイッチ58が、ブレーキペダル50の踏み操作に伴うブレーキ操作軸51の回転角度を検出する制動操作検出装置56を構成しており、ブレーキペダル50が踏み込まれた状態であるか否かが電気的に検出されるように構成してある。
また、操作体57の前端側は、ブレーキペダル50の踏み込み操作が解除されたとき、踏み込み解除側へ復帰付勢されているブレーキペダル50を所定の踏み込み解除位置で停止させるために用いられる。つまり、復帰バネ55で復帰側に付勢されているブレーキ操作軸51に固定された操作体57の前端側が、所定位置で第一支持ブラケット10Bの前壁によって構成されるストッパー部10Baに当接するように構成されており、この所定位置が、ブレーキペダル50の所定の踏み込み解除位置として位置設定されている。
このように一つの操作体57の別々の箇所が、ストッパー部10Baに当接する部位と、センサースイッチ58に当接する部位とに利用されるようにして、部品点数の削減と装置の小型化を図り得たものである。
ブレーキペダル50を枢支するブレーキ操作軸51は、図3乃至図5に示すように、機体フレーム10を構成する左右一対の前後向きフレーム10A,10Aにわたって回動自在に装着されている。
図3乃至図5、及び図10に示されるように、ブレーキ操作軸51には、左右方向での中間位置に、ブレーキ操作軸51と一体回動する腕杆51aが上向きに立設されている。この腕杆51aの遊端部と、前後向きフレーム10A,10Aに固定された係止片10Aaとの間に前記復帰バネ55が張設されていて、ブレーキペダル50の踏み込み後の戻り付勢を行うように構成されている。
ブレーキ軸52は、図2、及び図4乃至図6に示すように、一端側がミッションケース3のケース本体30の後部に備えた支持孔(図示せず)に挿入状態で支持され、その支持孔から露出した他端側に連係用アーム部52aが一体的に溶接固定されている。
ブレーキ軸52の前記支持孔に挿入された一端側には、図示しないがブレーキ78の摩擦板を押圧する押圧操作部が備えられていて、ブレーキ軸52の回動操作に伴って押圧操作部が作動し、走行出力軸74に対して制動を与えられるように構成されている。
ブレーキ軸52の他端側に設けた連係用アーム部52aの遊端部は、図2、図4、及び図6に示すように、中間にターンバックル54aを備えた連係ロッド54を介してブレーキペダル50の筒状部50dから後方側へ延出されたブレーキ操作アーム50eと連結されている。
これによって、ブレーキペダル50を踏み込むと、後支持杆50cがブレーキ操作アーム50eをブレーキ操作軸51の揺動軸心x3回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。これに伴って連係ロッド54が連係用アーム部52aの遊端部をブレーキ軸52の軸心回りで回動させて上方側へ引き上げ操作する。
このとき、ブレーキ軸52に備えた押圧操作部では、押圧操作部がブレーキ78の摩擦板を押圧して、摩擦板を装着した走行出力軸74に制動力が付与される。ブレーキペダル50の踏み込みを解除すると、復帰バネ55がブレーキペダル50を戻り側へ揺動復帰させ、連係ロッド54に連係されたブレーキ軸52も、押圧操作部がブレーキ78の摩擦板から離れる側へ逆回転し、走行出力軸74の制動が解除される。
上記のブレーキペダル50の筒状部50dから延出されたブレーキ操作アーム50eと、ブレーキ軸52の他端側に設けた連係用アーム部52aと、そのブレーキ操作アーム50eと連係用アーム部52aとを連結する連係ロッド54とを備えることによって連係機構53が構成されている。
図5、図6、及び図9に示すように、ミッションケース3の外面であるケース本体30の後面と、施肥駆動ケース80の前面との間に、前後方向で所定の間隔を有した軸挿通用空間S1を設けてある。
この軸挿通用空間S1は、ケース本体30の後面と施肥駆動ケース80の前面との間における前後方向間隔と、ミッションケース3側の第一ボス部31Aに支持された走行出力軸74と第二ボス部31Bに支持された植付出力軸28との間における上下方向間隔とに相当する大きさを有したものであり、その空間内部を通して前記ブレーキ操作軸51が挿通されている。
前記ブレーキ操作軸51は、走行出力軸74よりも上方側で、植付出力軸28よりも下方側に位置した状態で、左右一対のメインフレームを構成するところの左右の前後向きフレーム10A,10Aにわたる範囲に配設されている。より具体的には、ブレーキ操作軸51は、各前後向きフレーム10A,10Aの下面側から下方向きに延出された各第一支持ブラケット10B,10Bを貫通して、両軸端側を横外側に突出させた状態に延設されている。この第一支持ブラケット10B,10Bもメインフレームを構成するものである。
そして、各第一支持ブラケット10B,10Bよりも横外側に突出するブレーキ操作軸51の両軸端部のうち、右横外側の軸端部にブレーキペダル50の筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eが装着され、左横外側の軸端部には制動操作検出装置56の操作体57が装着されている。
このように、各第一支持ブラケット10B,10Bよりも横外側に突出するブレーキ操作軸51の各軸端部に振り分けて設けた、筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eや操作体57によって、各第一支持ブラケット10B,10Bが横外側から挟み込まれた状態となる。これによって、ブレーキ操作軸51の左右方向での位置移動を、各第一支持ブラケット10B,10Bの横外側面と、筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eとの当接や、操作体57との当接によって制限することができる。
上記の各第一支持ブラケット10B,10Bの横外側面と、その横外側面に対向する筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eの横内側面との間、ならびに、前記横外側面に対向する操作体57の横内側面との間に、前記ブレーキ操作軸51に外嵌するカラー59を装着してある(図10参照)。そして、このカラー59は、メインフレームを構成するところの第一支持ブラケット10B,10Bの横外側面に対して溶接することにより固定されている。
したがって、筒状部50d及びブレーキ操作アーム50eの横内側面や、操作体57の横内側面は、第一支持ブラケット10B,10Bの横外側面の全体に対してではなく、カラー59との当接箇所でのみ摺接することになる。
ブレーキ操作軸51は、植付出力軸28の下方側に存在するように植付出力軸28よりも低い位置に設けてあり、植付出力軸28は、上下方向で左右の前後向きフレーム10A,10Aの上下方向幅内に相当する高さ位置に存在するように配置されている。
〔デフ機構関係〕
図4に示すように、ミッションケース3の後部には、ケース本体30内に備えたデフ機構72をミッションケース3の外部から操作可能にするためのデフ操作機構100が設けられている。
このデフ操作機構100は、ケース本体30内のデフ機構72を操作するためのデフロックピン101と、そのデフロックピン101を回動操作するための操作体102とを備え、さらに、運転部フロア14に存在するデフロックペダル103と前記操作体102とを連係する操作ロッド104を備えている。
前記デフロックピン101は、一端側をケース本体30の内方側へ挿入した状態でケース本体30の後面側に備えられ、そのデフロックピン101のケース本体30外への突出端側に前記操作体102が備えられている。
デフロックペダル103に上端部が連結された操作ロッド104は、その上下方向での途中位置における屈曲箇所から下方側が左右方向での横外側に向くように屈曲形成されている。
したがって、操作ロッド104のうち、デフロックペダル103との接続箇所から前記屈曲箇所に至る範囲の操作ロッド104の上部側は、直下方に向けて垂下された姿勢にある。そして、前記屈曲箇所から、デフロックピン101に備えた操作体102との連結箇所に至る範囲の操作ロッド104の下部側は、下端に至るほど左右方向での横外側に位置するように傾斜した姿勢になっている。
その結果、デフロックピン101に備えた操作体102と操作ロッド104との連結箇所が、デフロックペダル103と操作ロッド104との接続箇所よりも走行機体の左右方向での横外側に位置した状態となる。
したがって、デフロックピン101に備えた操作体102と操作ロッド104との連結箇所の直上位置に、デフロックペダル103と操作ロッド104との接続箇所が存在するように配置させる必要がない。これによって、デフロックペダル103を操作し易い任意の位置に配置し易い。
デフロックピン101は、ケース本体30の後面側に形成された筒ボス部分30Aを貫通する状態で枢支されている。このデフロックピン101は、図11に示すように、ケース本体30の内側にではなく、外側に抜け止め機構105を備えている。
抜け止め機構105は、次のように構成されている。
つまり、デフロックピン101のうち、ケース本体30の内方側へ挿入されている側の端部とは反対側の端部が、筒ボス部分30Aに枢支されている部位よりも小径の軸部分に形成されており、この小径の軸部分に抜け止め用カラー106が外嵌されている。そして、抜け止め用カラー106よりもデフロックピン101の前記反対側の端部寄りの箇所で、前記筒ボス部分30Aの内周面に周溝30Aaが形成され、その周溝30Aaに穴用止め輪107が装着されている。
このように構成された抜け止め機構105における抜け止め用カラー106が、ケース本体30の筒ボス部分30Aからのデフロックピン101の抜け出しを規制し、その抜け止め用カラー106がデフロックピン101のケース本体30の外方側の端部側へ移行することを、穴用止め輪107によって規制している。
また、穴用止め輪107よりもケース本体30の外方側におけるデフロックピン101の外周面と筒ボス部分30Aの内周面との間にはシール材108が装着されている。
上記のように構成された抜け止め機構105で位置保持されているデフロックピン101は、ケース本体30の外部からの操作で脱着することができる。
具体的には、まず、最外側のシール材108を外したのち、穴用止め輪107を縮径させて筒ボス部分30Aの周溝30Aaから取り外すことにより、抜け止め用カラー106とともにデフロックピン101を筒ボス部分30Aから抜き出すことができる。
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、取付座部32を一体形成した動力取り出し軸を支持するボス部31として、走行出力軸74を支持する第一ボス部31Aと、作業用動力取り出し軸としての植付出力軸28を支持する第二ボス部31Bとの両方を備えた構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bの何れか一方のみに取付座部32を一体形成したものであってもよく、また、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bの何れか一方のみに一体形成した取付座部32と、第一ボス部31A、又は第二ボス部31Bに一体形成されていないところの、施肥駆動ケース80を連結するために形成された専用の取付座部32との組み合わせで構成されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、取付座部32として、第一取付座部32Aと、第二取付座部32Bと、第三取付座部32Cとの3箇所で、取付座部32を三角配置した構造のものを例示したが、これに限られるものではない。例えば、取付座部32を4箇所以上の箇所に備えて、三角配置ではない配置構造であるものを採用してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、ミッションケース3から延出された動力取り出し軸のうち、走行出力軸74が下方で、植付出力軸28が上方に位置する構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、走行出力軸74が上方で、植付出力軸28が下方に位置する構造のものであってもよい。また、植付出力軸28に限らず、苗植付装置2以外の作業装置に動力を伝える作業用動力取り出し軸を備えた構造のものであっても良く、その作業用動力取り出し軸が、走行出力軸74よりも下方に位置する構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、ブレーキペダル50の踏み込み動作に連動して制動操作検出装置56の操作体57を回転操作するための回転操作軸として、ブレーキペダル50の揺動支点となるブレーキ操作軸51を用いた構造のものを例示したが、この構造に限られたものではなく、例えば、ブレーキ操作軸51とは別の軸を用いて、ブレーキペダル50の踏み込み動作を操作体57に伝えるようにしたものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明は、苗植付装置を装備した乗用型田植機に限らず、直播装置を装備した乗用型直播機に適用してもよい。
1 走行機体
2 苗植付装置(作業装置)
3 ミッションケース
4 施肥装置
10A,10A メインフレーム
11F,11R 走行駆動装置
28 作業用動力取り出し軸(動力取り出し軸)
30A 筒ボス部分
31 ボス部
31A 第一ボス部
31B 第二ボス部
32 取付座部
32A 第一取付座部
32B 第二取付座部
32C 第三取付座部
50 ブレーキペダル
50e ブレーキ操作アーム
51 ブレーキ操作軸(回転操作軸)
56 制動操作検出装置
57 操作体
58 センサースイッチ
59 カラー
72 デフ機構
74 走行用動力取り出し軸
80 施肥駆動ケース
81 筒状入力軸
82 軸受ボス部
S1 軸挿通用空間
98 シール材
101 デフロックピン
102 操作体
103 デフロックペダル
104 操作ロッド
106 抜け止め用カラー
107 穴用止め輪
108 シール材

Claims (18)

  1. 走行駆動装置と、
    苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、
    走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、
    そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを備え、
    前記ミッションケースの外面に、そのミッションケースから延出された動力取り出し軸を支持するボス部を形成してあるとともに、そのボス部に、前記施肥駆動ケースを連結するための取付座部を一体形成してある水田作業機。
  2. 前記動力取り出し軸は、前記作業装置へ駆動力を伝達する作業用動力取り出し軸である請求項1記載の水田作業機。
  3. 前記動力取り出し軸は、前記走行駆動装置へ駆動力を伝達する走行用動力取り出し軸である請求項1記載の水田作業機。
  4. 前記動力取り出し軸が、前記作業装置へ駆動力を伝達する作業用動力取り出し軸と、前記走行駆動装置へ駆動力を伝達する走行用動力取り出し軸とで構成され、
    前記ボス部が、前記走行用動力取り出し軸を支持する第一ボス部と、前記作業用動力取り出し軸を支持する第二ボス部とで構成されている請求項1記載の水田作業機。
  5. 前記第一ボス部と前記第二ボス部とが互いに接続された状態で一体に形成されている請求項4記載の水田作業機。
  6. 前記作業用動力取り出し軸と前記施肥駆動ケースに備えた施肥動力取り出し軸とは、前記走行用動力取り出し軸に対して上下方向での同じ一方側に変位して、その走行用動力取り出し軸に対する上下高さの異なる位置に配設されているとともに、
    前記施肥駆動ケースに備えた施肥動力取り出し軸と前記作業用動力取り出し軸とは水平方向で互いに異なる位置に配設され、
    前記取付座部は、上下方向で前記作業用動力取り出し軸と前記走行用動力取り出し軸との中間に位置し、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の一方側に位置する第一取付座部と、
    上下方向で前記走行用動力取り出し軸よりも前記作業用動力取り出し軸又は前記施肥動力取り出し軸に近い位置で、かつ左右方向で前記作業用動力取り出し軸と前記施肥動力取り出し軸との間に位置する第二取付座部と、
    上下方向で前記作業用動力取り出し軸又は前記施肥動力取り出し軸よりも前記走行用動力取り出し軸に近い位置で、かつ左右方向で前記走行用動力取り出し軸の他方側に位置する第三取付座部とを備え、
    これらの3箇所の取付座部同士を結ぶ線分が、前後方向視で三角形状となるように配置されたものである請求項4又は5記載の水田作業機。
  7. 前記作業用動力取り出し軸が前記走行用動力取り出し軸よりも上方位置に配設されている請求項4〜6のいずれか一項記載の水田作業機。
  8. 走行駆動装置と、
    苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、
    走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、
    そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを走行機体に備え、
    前記ミッションケースから延出された走行用動力取り出し軸を前記施肥駆動ケースの入力部に導入して、前記ミッションケースから前記施肥駆動ケースへの動力伝達が行われるように構成されているとともに、
    前記ミッションケースの外面と前記施肥駆動ケースの外面との間に、前記走行機体の前後方向で所定の間隔を有した軸挿通用空間を設けてあり、この軸挿通用空間に、前記走行機体の左右方向にわたるブレーキ操作軸が配備されている水田作業機。
  9. 前記ブレーキ操作軸は、前記走行用動力取り出し軸よりも上方側に配設されている請求項8記載の水田作業機。
  10. 前記ブレーキ操作軸は、前記作業装置に動力を伝達するように前記ミッションケースから延出された作業用動力取り出し軸よりも下方側に配設されている請求項9記載の水田作業機。
  11. 前記作業用動力取り出し軸は、前記走行機体の前後方向に沿って配設された左右一対のメインフレームの上下方向幅内に相当する高さ位置に配備されている請求項10記載の水田作業機。
  12. 走行駆動装置と、
    苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、
    走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースと、
    そのミッションケースとは別に、施肥装置に伝達する動力の伝動機構を内装した施肥駆動ケースとを備え、
    前記施肥駆動ケースは、前記ミッションケースから延出された走行用動力取り出し軸に外嵌して、その走行用動力取り出し軸と一体に回動する筒状入力軸と、前記筒状入力軸を枢支する軸受ボス部とを備え、
    前記筒状入力軸の外周面と前記軸受ボス部の内周面との間に、前記施肥駆動ケースの内部を密封するためのシール材が介装されている水田作業機。
  13. 走行機体の前後方向に沿って配設された左右一対のメインフレームを備え、
    前記メインフレームのうち、一方のメインフレームの左右方向での横外側にブレーキペダルを配備するとともに、他方のメインフレームの左右方向での横外側に制動操作検出装置を配備し、
    左右両側の前記メインフレームにわたって回転操作軸を横架させ、この回転操作軸を介して前記ブレーキペダルと前記制動操作検出装置とが、前記ブレーキペダルの踏み込み動作に連動して前記制動操作検出装置の操作体が当該制動操作検出装置のセンサースイッチを作動させるように連係させてあり、
    前記回転操作軸には、前記メインフレームの左右方向での一方の横外側に位置するブレーキ操作アームと、前記メインフレームの左右方向での他方の横外側に位置する前記操作体とを備え、前記ブレーキ操作アームと前記操作体とで、前記メインフレームを挟み込むことにより、前記回転操作軸の左右方向移動を制限するように構成してある水田作業機。
  14. 前記メインフレームと前記ブレーキ操作アームとの間、及び前記メインフレームと前記操作体との間に、前記回転操作軸に外嵌するカラーを装着してある請求項13記載の水田作業機。
  15. 前記カラーが前記メインフレームに溶接固定されている請求項14記載の水田作業機。
  16. 走行駆動装置と、
    苗植付装置又は直播装置で構成される作業装置と、
    走行駆動系の変速機構を内装するミッションケースとが備えられ、
    走行機体上の操縦部に配備されたデフロックペダルと、
    前記ミッションケース内に装備されているデフ機構を前記ミッションケースのケース外方側からデフロック操作及びデフロック解除操作可能なデフロックピンと、
    前記デフロックペダルと前記デフロックピンとを連係する操作ロッドが備えられ、
    前記デフロックピンに備えた回動操作用の操作体と前記操作ロッドとの連結箇所を、前記デフロックペダルと前記操作ロッドとの接続箇所よりも走行機体の左右方向での横外側に設けてある水田作業機。
  17. 前記デフロックピンは、前記ミッションケースのケース壁部に形成された筒ボス部分に対して、一端側を前記ミッションケースのケース内方側へ挿入した状態で枢支されており、
    前記デフロックピンのうち、前記ケース内方側へ挿入した側とは反対側の端部に、前記デフロックピンに外嵌して前記デフロックピンの抜け出し側への移動を制限するための抜け止め用カラーを備えるとともに、その抜け止め用カラーよりも前記ケース外方側に、前記筒ボス部分の内周面に形成した周溝に係入する穴用止め輪を装備させてある請求項16記載の水田作業機。
  18. 前記穴用止め輪よりも前記ケース外方側における前記デフロックピンの外周面と前記筒ボス部分の内周面との間にシール材を装着してある請求項17記載の水田作業機。
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