JP5207787B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、農作業用のトラクタ又は土木作業用のホイルローダといった作業車両に関するものである。
従来から、作業車両としてのトラクタは、走行機体の下面前部に左右中間部を回動中心として上下回動可能に設けられたフロントアクスルケースと、フロントアクスルケースの両端部に設けられた前輪と、前輪操舵用(パワーステアリング用)の操舵油圧シリンダとを備えている(例えば特許文献1等参照)。特許文献1のトラクタでは、操舵油圧シリンダのシリンダ筒が左前輪のナックルアームに連結されている一方、ピストンロッドが機体フレームの左側部に連結されている。そして、左右のナックルアームはタイロッドを介して連結されている。
この場合、走行機体に設けられた操縦ハンドルの回動操作にて操舵油圧シリンダを左右に伸縮作動させることにより、操縦ハンドルの操舵角(回動操作量)に応じて、左右両前輪のかじ取り角(操向角度)が変更される。また、フロントアクスルケースの上下回動にて、走行機体に対して左右両前輪を上下回動(ローリング)させることにより、4輪接地状態を維持してトラクタの安定走行を図っている。
実開昭62−67872号公報
ところで一般に、操縦ハンドルの操舵角と、操舵油圧シリンダにおけるピストンロッドの突出量とは、一定の比例関係に設定されている。しかし、前記従来の構成では、操舵油圧シリンダのシリンダ筒が左前輪のナックルアームに連結されていて、ピストンロッドが機体フレームの左側部に連結されているから、フロントアクスルケースが水平に対してローリングしていると、直進状態であっても操舵油圧シリンダのシリンダ筒から機体フレームまでの距離、すなわちピストンロッドの突出量が平地走行時と異なることになる。このため、トラクタの操縦応答性の観点から見て改善の余地があった。本願発明は、上述の問題を解消した作業車両を提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため、請求項1の発明は、走行機体の下面前部に左右中間部を回動中心として上下回動可能に設けられたフロントアクスルケースと、前記フロントアクスルケースの両端部に設けられた前輪と、前輪操舵用の操舵油圧シリンダとを備えている作業車両であって、前記操舵油圧シリンダにおける軸方向の中心線が前記フロントアクスルケースの回動中心線と直交する位置関係で、前記操舵油圧シリンダが前記フロントアクスルケースに取り付けられており、前記フロントアクスルケースの前記左右中間部を挟んで前後両側には、前記フロントアクスルケースの回動中心となる回動軸体が同心状に設けられており、前記前側の回動軸体と前記フロントアクスルケースとより、前記操舵油圧シリンダのシリンダ筒が挟持されており、前記後ろ側の回動軸体には、前記走行機体に搭載されたミッションケースからの変速動力が伝達される前輪推進軸を前記フロントアクスルケースの回動中心線と同心状の姿勢で貫通させており、前記前側の回動軸体から前向きに突出する軸部を、前記走行機体に取り付けた前部支点受け体のボス筒部に後方から嵌め込み、前記ボス筒部における前側の開口に、前記軸部の前端面に当接して前記前側の回動軸体の前後位置を調節可能なグリスニップル付きの蓋部材が締結されているというものである。
本願発明によると、前記操舵油圧シリンダにおける軸方向の中心線が前記フロントアクスルケースの回動中心線と直交する位置関係で、前記操舵油圧シリンダが前記フロントアクスルケースに取り付けられているから、前記フロントアクスルケースと前記操舵用油圧シリンダとが一体的に上下回動することになると共に、前記フロントアクスルケースの上下回動(ローリング)の有無に拘らず、走行機体を操縦する手段の操舵角(回動操作量)と前記操舵油圧シリンダにおけるピストンロッドの突出量との関係が常に一定になる。
すなわち、前記フロントアクスルケースの上下回動の有無に拘らず、前記操縦する手段の操舵角(回動操作量)と左右両前輪のかじ取り角との関係が変わらない。従って、平地走行か不整地走行かに関係なく、オペレータの操舵感覚通りに前記左右両前輪を操舵できることになり、作業車両の操縦応答性が向上するという効果を奏する。
また、前記フロントアクスルケースの左右中間部を挟んで前後両側には、前記フロントアクスルケースの回動中心となる回動軸体が同心状に設けられており、前記前側の回動軸体と前記フロントアクスルケースとより、前記操舵油圧シリンダのシリンダ筒が挟持されているから、前記前後の回動軸体、前記フロントアクスルケース及び前記操舵油圧シリンダからなる前輪支持機構のユニット化が可能になる。このため、前記走行機体の下面前部への前記前輪支持機構の組み付け作業性が向上するという効果を奏する。
更に、前記後ろ側の回動軸体には、前記走行機体に搭載されたミッションケースからの変速動力が伝達される前輪推進軸を前記フロントアクスルケースの回動中心線と同心状の姿勢で貫通させているから、自在継手を介さなくても前記前輪推進軸がこじれるおそれはなく、前記前輪推進軸から前記フロントアクスルケースに向かう動力伝達のロスを低減できるという効果を奏する。
以下に、本願発明を作業車両としてのトラクタに適用した実施形態を図面(図1〜図8)に基づいて説明する。図1はトラクタの側面図、図2はキャビン内部の平面図、図3は動力伝達系統のスケルトン図、図4はトラクタの油圧回路図、図5はエンジンからミッションケースまでの側面図、図6は前輪出力軸、中間軸及び前輪推進軸の連結構造を示す拡大側面断面図、図7はフロントアクスルケース及び操舵油圧シリンダの平面図、図8はフロントアクスルケース及び操舵油圧シリンダの拡大側面断面図である。なお、以下の説明では、トラクタ1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
(1).トラクタの概要
まず始めに、図1及び図2を参照しながら、トラクタ1の概要について説明する。
実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、走行部としての左右一対の前輪3と同じく左右一対の後輪4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載されたディーゼル式エンジン5にて前輪3及び後輪4を駆動することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7(操縦部)が配置されている。キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル9とが配置されている。キャビン7の下方には、後述するミッションケース15から左右外向きに突出するようにしてステップ10が配置されている。左右両ステップ10の下面側には、燃料を貯留する燃料タンク11がそれぞれ配置されている。
図1及び図2に示すように、キャビン7内の操縦ハンドル9は、操縦座席8の前方に位置する操縦コラム97上に配置されている。操縦コラム97の左側には、走行機体2の進行方向を前進と後進とに切り換え操作するための前後進切換レバー86と、HMTクラッチ37及びHSTクラッチ38(詳細は後述する)を同時に入り切り操作するためのクラッチペダル87とが配置されている。操縦コラム97の右側には、左右両後輪4を制動操作するための左右一対のブレーキペダル88が配置されている。ブレーキペダル88の近傍には、エンジン回転数を増減速させるためのアクセルペダル89が配置されている。
操縦座席8の左右両側にはサイドコラム90,91が設けられている。左サイドコラム90上には、後述する油圧・機械式変速装置20(HMT)の出力及び回転数を作業状態に応じて所定範囲に設定保持するための副変速レバー92と、後述するPTO軸19(図3参照)の出力を複数段及び中立に切り換え操作するためのPTO変速レバー93とが前後傾動操作可能に配置されている。副変速レバー92の前方には、左右両後輪4を制動状態に維持するための駐車ブレーキレバー94が配置されている。
右サイドコラム91上には、走行機体2の前進、停止、後退及びその車速を無段階に変更操作するための主変速レバー95や、走行機体2の後方に配置されるポテトハーベスタ等の作業部(図示せず)の高さ位置を手動にて変更調節するための作業部調節レバー96等が配置されている。
一方、図1に示すように、走行機体2は、フロントバンパ12及びフロントアクスルケース180を有するエンジンフレーム13と、エンジンフレーム13の後部にボルトにて取り外し可能に固定された左右のステップフレーム14を備えている。エンジンフレーム13はエンジン5を下方から支持している。左右のステップフレーム14は、オペレータが乗降するステップ10を構成する要素の一部をなしている。
エンジンフレーム13の後方で且つ左右両ステップフレーム14の間には、エンジン5からの動力を継断するメインクラッチ107(図3参照)を内蔵したクラッチハウジング104が配置されている。クラッチハウジング104は、フライホイル106(図3参照)を内蔵したフライホイルケース103を介して、エンジン5の後面にボルト締結されている(図5参照)。
クラッチハウジング104の後面には、エンジン5からの動力を適宜変速して前輪3、後輪4及び後述するPTO軸19に伝達するためのミッションケース15が搭載されている。ミッションケース15の後部には、後車軸ケース16が左右外向きに突出するように装着されている。左右の後輪4は後車軸ケース16における左右の先端側に回転可能に配置されていて、左右のリヤフェンダ17にて上方から覆われている。
ミッションケース15の後部上面には、ポテトハーベスタ等の作業部を昇降動させるための油圧式昇降機構18が着脱可能に取り付けられている。詳細は図示していないが、作業部は、ミッションケース15の後部に3点リンク機構を介して連結される。ミッションケース15の後面には、作業部にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸19が後ろ向きに突設されている。
(2).トラクタの動力伝達系統
次に、図3を参照しながら、トラクタ1の動力伝達系統について説明する。
実施形態のトラクタ1においては、エンジン5の動力をミッションケース15に設けられた油圧・機械式変速装置20に伝達して、油圧・機械式変速装置20から前輪3、後輪4及びPTO軸19に分配するように構成されている。エンジン5の後面に後ろ向き突設されたエンジン出力軸105には、フライホイル106が直結するように取り付けられていて、フライホイル106と油圧・機械式変速装置20のポンプ軸25(詳細は後述する)とが、動力継断用のメインクラッチ107を介して連結されている。
油圧・機械式変速装置20は、容量可変型の油圧ポンプ23及び油圧モータ24からなる油圧式変速機構21(HST)と、遊星歯車機構22とを備えている。油圧・機械式変速装置20の一要素である油圧式変速機構21は、油圧ポンプ23における回転斜板(図示省略)の傾斜角度を変更調節して油圧モータ24に対する作動油の吐出方向及び吐出量を変更することによって、油圧モータ24から突出したモータ軸26の回転方向及び回転数を任意に調節するように構成されている。
油圧・機械式無段変速装置20は、エンジン5から突出して油圧ポンプ23を貫通したポンプ軸25経由の動力伝達系統と、油圧モータ24から突出したモータ軸26経由の動力伝達系統という2つの動力伝達系統を有している。実施形態では、ポンプ軸25経由の回転動力とモータ軸26経由の回転動力との合成動力によって、前輪3及び後輪4を回転駆動させる油圧・機械式駆動モード(HMTモード)と、モータ軸26経由の回転動力だけで前輪3及び後輪4を回転駆動させる油圧式駆動モード(HSTモード)とを切り換えて実行し得るように構成されている。
ミッションケース15内には、油圧ポンプ23を貫通したポンプ軸25、油圧モータ24から突出したモータ軸26、及び遊星歯車機構22を構成するサンギヤ軸27が、前後に延び且つ互いに平行状な姿勢で回転可能に軸支されている。サンギヤ軸27には前後一対の伝動ギヤ31,32が回転可能に被嵌されている一方、モータ軸26には前後一対のモータギヤ29,30が固着されている。前部伝動ギヤ31は前部モータギヤ29と噛み合っており、後部伝動ギヤ32は後部モータギヤ30と噛み合っている。
サンギヤ軸27における前後の伝動ギヤ31,32の間に、遊星歯車機構22が配置されている。遊星歯車機構22は、前部伝動ギヤ31と一体的に回転する太陽ギヤ33、複数の遊星ギヤ35を同一半径上に回転可能に軸支してなるキャリア34、及び内周面の内歯を有するリングギヤ36を備えている。太陽ギヤ33、キャリア34及びリングギヤ36はいずれも、サンギヤ軸27に回転可能に被嵌されている。太陽ギヤ33はキャリア34の各遊星ギヤ35と半径内側から噛み合っている。また、リングギヤ36の内歯は各遊星ギヤ35と半径外側から噛み合っている。キャリア34の前部外周面には外歯が形成されており、当該外歯はポンプ軸25に固着されたポンプギヤ28と噛み合っている。
サンギヤ軸27におけるリングギヤ36と後部伝動ギヤ32の間には、サンギヤ軸27をリングギヤ36と一体回転させるためのHMTクラッチ37と、サンギヤ軸27を後部伝動ギヤ32と一体回転させるためのHSTクラッチ38とが配置されている。これら両クラッチ37,38は、2つの駆動モード(HMTモード及びHSTモード)を切り換えるためのものである。駆動モードに応じて一方を入り状態にし他方を切り状態にすることにより、ポンプ軸25及びモータ軸26を経由した合成動力と、モータ軸26だけを経由した回転動力とのうちいずれか一方が、サンギヤ軸27に伝達されることになる。
すなわち、HMTモードにおいては、後述するHMTバルブ129の切換駆動にてHMTクラッチ37が動力接続状態(入り状態)となり、サンギヤ軸27とリングギヤ36が相対回転不能に連結される。一方、HSTクラッチ38は後述するHSTバルブ130の切換駆動にて動力遮断状態(切り状態)となり、後部伝動ギヤ32は自由回転可能な状態になる。この場合、後部伝達ギヤ32が自由回転可能であるため、後部モータギヤ30から後部伝達ギヤ32に伝達された回転動力はサンギヤ軸27に伝わらない。遊星歯車機構22には、ポンプギヤ28を経由した回転動力と前部モータギヤ29を経由した回転動力とが伝達される。そして、これらの合成動力がリングギヤ36からサンギヤ軸27に伝達される。
HSTモードにおいては、HMTクラッチ37はHMTバルブ129の切換駆動にて動力遮断状態(切り状態)となり、リングギヤ36が自由回転可能な状態になる。一方、HSTクラッチ38はHSTバルブ130の切換駆動にて動力接続状態(入り状態)となり、サンギヤ軸27と後部伝動ギヤ32とが相対回転不能に連結される。この場合、リングギヤ36が自由回転可能であるため、ポンプギヤ28や前部モータギヤ29から遊星歯車機構22に伝達された回転動力はサンギヤ軸27に伝わらない。後部モータギヤ30からは、後部伝達ギヤ32を介してサンギヤ軸27に動力伝達される。つまり、モータ軸26の回転動力だけがサンギヤ軸27に伝達される。なお、両クラッチ37,38を切り状態にすれば、前後四輪3,4への動力伝達が完全に遮断されることになる。
サンギヤ軸27の後端には、走行中継軸39がサンギヤ軸27と同軸状に延びるように連結されている。また、ミッションケース15内のうち走行中継軸39の近傍には、走行中継軸39と平行状に延びる副変速軸40が回転可能に軸支されている。走行中継軸39には、低速中継ギヤ41と高速中継ギヤ42とが固着されている。副変速軸40の長手中途部には、低速中継ギヤ41に噛み合う低速ギヤ43と、高速中継ギヤ42に噛み合う高速ギヤ44とが回転可能に被嵌されている。副変速軸40における低速ギヤ43と高速ギヤ44との間には、走行中継軸39から副変速軸40への動力伝達を継断する副変速クラッチ45が副変速軸40に沿って往復動可能に被嵌されている。この場合、キャビン7内にある副変速レバー92の操作に連動して移動する副変速クラッチ45の作用にて、低速ギヤ43又は高速ギヤ44と副変速軸40とを相対回転不能に連結させることにより、走行中継軸39から副変速軸40に低速又は高速の回転動力が伝達される。
副変速軸40の後方には、左右の後輪4に回転動力を伝達するための後輪用終減速機構46が配置されている。後輪用終減速機構46は、副変速軸40の後端部に固着されたピニオン47に噛み合うリングギヤ48と、リングギヤ48に固着された差動ギヤケース49と、左右方向に延びる一対の後輪用差動出力軸50とを備えている。左右の後輪用差動出力軸50は、ファイナルギヤ51等を介して後車軸52に連結されている。後車軸52の先端部に後輪4が取り付けられている。
左右の後輪用差動出力軸50には、ブレーキ機構53が関連付けて設けられている。ブレーキ機構53は、ブレーキペダル88や駐車ブレーキレバー94(図2参照)の操作と自動制御という2つの系統によって、左右両後輪4にブレーキを掛け得るものである。すなわち、各ブレーキ機構53は、ブレーキペダル88(又は駐車ブレーキレバー94)の制動方向への操作にて、対応する後輪用差動出力軸50ひいては後輪4にブレーキを掛けるように構成されている。また、操縦ハンドル9の操舵角が所定角度以上になれば、旋回内側の後輪4に対する制動バルブ118の切換駆動にて制動シリンダ117が作動し、旋回内側の後輪4に対するブレーキ機構53が自動的に制動動作をするように構成されている(いわゆるオートブレーキ)。このため、トラクタ1はUターン(圃場の枕地での方向転換)等の小回り旋回走行を簡単に実行できる。
各ブレーキ機構53は、ミッションケース15の横側後部に回動可能に配置された制動アーム100(図4参照)と、後輪用差動出力軸50に設けられたディスク板と、制動アームの回動に連動してディスク板の回転平面に接離するように移動可能な制動パッドとを備えている。制動アームの一端部は、ワイヤやリンク等の第1連係部材を介してブレーキペダル88に連動連結されている。また、制動アームの他端部は、ワイヤやリンク等の第2連係部材を介して駐車ブレーキレバー94に連動連結されている。
この場合、ブレーキペダル88(又は駐車ブレーキレバー94)の制動方向への操作にて、第1連係部材(又は第2連係部材)を介して制動アーム100を回動させることによって、後輪用差動出力軸50におけるディスク板の回動平面に制動パッドが押し付けられる。その結果、左右両後輪4にブレーキが掛かることになる。
ミッションケース15の横側後部のうち制動アーム100より前方の箇所には、アクチュエータとしての制動シリンダ117(図4参照)が固定されている。左右の制動シリンダ117のピストンロッドは、対応する側にある制動アーム100にそれぞれ連結されている。実施形態では、操縦ハンドル9の操舵角が所定角度以上になれば、旋回内側の後輪4に対する制動バルブ118の切換駆動にて制動シリンダ117が伸縮作動し、制動アーム100を制動方向に回動させる。その結果、ディスク板の回動平面に制動パッドが押し付けられて、旋回内側の後輪4にブレーキが掛かることになる。
なお、以下の説明及び図面では便宜上、左側のブレーキ機構53及びこれに関連する部材(制動アーム100、制動シリンダ117、及び制動バルブ118等)に符号Lを付し、右側のブレーキ機構53及びこれに関連する部材に符号Rを付す場合がある。
他方、ミッションケース15内には、副変速軸40と平行状に延びる前輪出力軸54も回転可能に軸支されている。前輪出力軸54には、副変速軸40の前部に固着された四駆中継ギヤ56に噛み合う四駆ギヤ58と、副変速軸40の前部に固着された倍速中継ギヤ55に噛み合う倍速ギヤ57とが回転可能に被嵌されている。前輪出力軸54における四駆ギヤ58の前方には、前輪出力軸54を四駆ギヤ58と一体回転させるための四駆用クラッチ60が配置されている。前輪出力軸54における倍速ギヤ57の後方には、前輪出力軸54を倍速ギヤ57と一体回転させるための倍速駆動用クラッチ59が配置されている。
この場合、駆動切換スイッチ(図示省略)を四駆側に操作すると、後述する四駆バルブ140の切換駆動にて四駆用クラッチ60が動力接続状態(入り状態)となり、前輪出力軸54と四駆ギヤ58とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸40から四駆ギヤ58を経由して前輪出力軸54に回転動力が伝達される結果、トラクタ1は後輪4と共に前輪3が駆動する四輪駆動状態になる。
また、操縦ハンドル9をUターン操作等して、その操舵角が所定角度以上になると、後述する倍速バルブ139の切換駆動にて倍速駆動用クラッチ59が動力接続状態(入り状態)となり、前輪出力軸54と倍速ギヤ57とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸40から倍速ギヤ57を経由して前輪出力軸54に回転動力が伝達される結果、四駆ギヤ58経由の回転動力による前輪3の回転速度に比べて約2倍の高速度にて、前輪3が駆動することになる。
前輪出力軸54はクラッチハウジング104の下部側から前向きに突出しており、当該突出端部は、前後両端に自在軸継手154,155を有する中間軸61を介して、前輪用終減速機構63を内蔵するフロントアクスルケース180から後ろ向きに突出した前輪推進軸62に連結されている。前輪推進軸62のうちフロントアクスルケース180内の基端部(後述する第3推進軸158の前端部)にはピニオン64が固着されている。フロントアクスルケース180内の前輪用終減速機構63は、左右の前輪3に回転動力を伝達するためのものであり、前輪推進軸62のピニオン64に噛み合うリングギヤ65と、リングギヤ65に固着された差動ギヤケース66と、左右方向に延びる一対の前輪用差動出力軸67とを備えている。左右の前輪用差動出力軸67は、キングピン186及びファイナルギヤ68等を介して前車軸69に連結されている。前車軸69の先端部に前輪3が取り付けられている。
詳細は後述するが、フロントアクスルケース180の外側面には、操縦ハンドル9の回動操作にて前輪3の操舵方向を左右に変更する前輪操舵用(パワーステアリング用)の操舵油圧シリンダ114が設けられている。実施形態の操舵油圧シリンダ114は両ロッド形の複動シリンダであり、左右のピストンロッド190はそれぞれ対応する前輪3のナックルアーム188に連結されている。この場合、操縦ハンドル9の回動操作に伴う操向制御バルブ115(詳細は後述する)の駆動にて操舵油圧シリンダ114を左右に伸縮作動(進退動)させることにより、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に応じて、左右両前輪3のかじ取り角(操向角度)が変更されることになる。
さて、油圧ポンプ23のポンプ軸25には、動力伝達継断用のPTOクラッチ70を介して、ポンプ軸25と同軸状に延びるPTO入力軸71が連結されている。ミッションケース15内のうちPTO入力軸71の後部近傍には、PTO入力軸71と平行状に延びるPTO変速軸72が回転可能に軸支されている。この場合、キャビン7内にあるPTO変速レバー93を中立以外に変速操作するか、PTO変速レバー93を中立操作し且つPTO逆転レバー(図示省略)を逆転入り操作すると、PTOクラッチ70が動力接続状態(入り状態)となり、ポンプ軸25とPTO入力軸71とが相対回転不能に連結される。その結果、ポンプ軸25からPTO入力軸71に向けて回転動力が伝達される。
PTO入力軸71には、前側から順に、高速入力ギヤ75、中速入力ギヤ74、低速入力ギヤ73及び逆転入力ギヤ76が固着されている。一方、PTO変速軸72には、高速入力ギヤ75に噛み合うPTO高速ギヤ79、中速入力ギヤ74に噛み合うPTO中速ギヤ78、及び低速入力ギヤ73に噛み合うPTO低速ギヤ77が回転可能に被嵌されている。また、PTO変速軸72には、カウンタスライドギヤ81を介して逆転入力ギヤ76からの回転動力を受け取るPTO逆転ギヤ80が固着されている。
PTO変速軸72には、PTO変速クラッチ82を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合している。PTO変速レバー93の変速操作にてPTO変速クラッチ82をPTO変速軸72に沿ってスライド移動させることにより、PTO低速ギヤ77、PTO中速ギヤ78、及びPTO高速ギヤ79がPTO変速軸72に択一的に連結される。その結果、低速〜高速の各PTO変速出力が、PTO変速軸72からギヤ83,84,85を介してPTO軸19に伝達される。
PTO変速レバー93を中立操作し且つPTO逆転レバー(図示省略)を逆転入り操作した場合は、カウンタスライドギヤ81が逆転入力ギヤ76とPTO逆転ギヤ80とに噛み合い、PTO入力軸71の回転動力が、これらギヤ76,80,81を介してPTO変速軸72に伝達される。そして、逆転のPTO変速出力が、PTO変速軸72からギヤ83,84,85を介してPTO軸19に伝達される。
(3).トラクタの油圧回路構造
次に、図4を参照しながらトラクタ1の油圧回路110構造について説明する。
トラクタ1の油圧回路110は、エンジン5の回転力にて駆動するチャージ用油圧ポンプ111を備えている。チャージ用油圧ポンプ111は、油圧式変速機構21、パワーステアリング用の操舵油圧シリンダ114、その他の油圧作動式装置(HMTクラッチ37、HSTクラッチ38、倍速駆動用クラッチ59、四駆用クラッチ60、及び左右の制動シリンダ117等)に作動油を供給するためのものである。この場合、ミッションケース15が作業油タンクとしても利用されていて、ミッションケース15内の作動油がチャージ用油圧ポンプ111に供給されることになる。
チャージ用油圧ポンプ111の吸入側は、作動油タンクとしてのミッションケース15内に配置されたストレーナ112に接続されている。チャージ用油圧ポンプ111の吐出側から延びるチャージ油路113には、操向制御バルブ115を介して、パワーステアリング用の操舵油圧シリンダ114が接続されている。操向制御バルブ115は、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に対応した電磁ソレノイドの励磁によって、操舵油圧シリンダ114への作動油の供給量を調節するように構成されている。
また、チャージ油路113は、作動油をろ過するためのオイルフィルタ116を介して、左右のブレーキ機構53に対する制動シリンダ117をそれぞれ作動させるための制動バルブ118に接続されている。左右の制動バルブ118は、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に対応した制動ソレノイド119の励磁によって、制動シリンダ117への作動油供給状態と制動シリンダ117からの作動油排出状態とに切換駆動するように構成されている。実施形態のチャージ油路113は、後述する第3油路135との分岐部137a及び138aより更に下流側において、左制動シリンダ117Lに向かう左制動用油路147と、右制動シリンダ117Rに向かう右制動用油路148とに分かれている。
チャージ油路113においてオイルフィルタ116より下流側には、油圧式変速機構21を構成する油圧ポンプ23に向かう第1油路120が分岐接続されている。第1油路120中には、油圧ポンプ23における回転斜板(図示省略)の傾斜角度を変更調節するための主変速油圧シリンダ121と、これに対する主変速制御バルブ122とが配置されている。主変速制御バルブ122は4ポート2位置切換型のものであり、前後進切換レバー86及び主変速レバー95の操作に対応して、主変速油圧シリンダ122への作動油の供給方向及び供給量を調節するように構成されている。油圧ポンプ23と油圧モータ24とは閉ループ油路123を介して互いに接続されている。エンジン5の作動中は、チャージ用油圧ポンプ111からの作動油が閉ループ油路123に常に補充される。
前後進切換レバー86及び主変速レバー95の操作にて、主変速制御バルブ122を切換駆動させると、主変速油圧シリンダ122が伸縮作動して、油圧ポンプ23における回転斜板の傾斜角度が変更調節され、油圧モータ24への作動油の吐出方向及び吐出量が変わる。その結果、油圧モータ24におけるモータ軸26の回転方向及び回転数を無段階に変化させたり逆転させたりする直進変速動作が実行される。
かかる構成によると、チャージ用油圧ポンプ111と左右両制動シリンダ117L,117Rとをつなぐ油圧回路110からは、油圧式変速機構21を構成する油圧ポンプ23に向かう第1油路120が分岐しているので、油圧式変速機構21の方が油圧回路110において左右両制動シリンダ117L,117Rより上流側に位置することになる。このため、作動油の供給順序としては、先に油圧式変速機構21に供給してから、作動頻度の低い左右両ブレーキ機構53L,53Rに余剰分を供給することになる。従って、チャージ用油圧ポンプ111を大容量化したりすることなく、作動油を効率よく合理的に利用できる。
チャージ油路113において第1油路120との分岐部120aより下流側には、クラッチペダル87にて切換操作可能な手動クラッチバルブ126を介して、HMTクラッチ37及びHSTクラッチ38に向かう第2油路125が分岐接続されている。実施形態の第2油路125は、手動クラッチバルブ126より下流側において、HMTバルブ129を介してHMTクラッチ37に接続されるHMT用油路127と、HSTバルブ130を介してHSTクラッチ38に接続されるHST用油路128とに分かれている。
HMTバルブ129(HSTバルブ130)は、HMTソレノイド131(HSTソレノイド132)の励磁によって、HMTクラッチ37(HSTクラッチ38)への作動油供給状態とHMTクラッチ37(HSTクラッチ38)からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。
例えばHMTクラッチ37が動力接続状態(HSTクラッチ38は動力遮断状態)のときに、クラッチペダル87の踏み込み操作にて手動クラッチバルブ126を作動油排出状態に切り換えれば、チャージ用油圧ポンプ111からの作動油の供給が停止し、HMTクラッチ37からHMTバルブ129及び手動クラッチバルブ126を通じて、作動油がミッションケース15内に排出され、HMTクラッチ37が動力遮断状態に切り換わる。このときHSTクラッチ38は既に動力遮断状態であるため、結果的に、前後四輪3,4への動力伝達が遮断されることになる。HSTクラッチ38が動力接続状態のときにクラッチペダル87を踏み込み操作した場合は、上記と同様にして、HSTクラッチ38が動力遮断状態に切り換わり、前後四輪3,4への動力伝達が遮断される。
チャージ油路113において第2油路125との分岐部125aより下流側には、倍速駆動用クラッチ59及び四駆用クラッチ60に向かう第3油路135が分岐接続されている。実施形態の第3油路135は、倍速バルブ139を介して倍速駆動用クラッチ59に接続される倍速用油路137と、四駆バルブ140を介して四駆クラッチ60に接続される四駆用油路138とに分かれている。倍速バルブ139は、倍速ソレノイド141の励磁によって、倍速駆動用クラッチ59への作動油供給状態と倍速駆動用クラッチ59からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。四駆バルブ140は、四駆ソレノイド142の励磁によって、四駆用クラッチ60への作動油供給状態と四駆用クラッチ60からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。なお、上述した油圧回路100はリリーフ弁やチェック弁等も備えている。
かかる構成によると、油圧回路110のうち第1油路120との分岐部120aより下流側からは、HSTクラッチ及びHMTクラッチに向かう第2油路が分岐しており、前記第2油路よりとの分岐部より下流側からは、前記四輪駆動用クラッチ及び前記倍速駆動用クラッチに向かう第3油路が分岐しているので、油圧回路110において油圧式変速機構21より下流側に、左右両制動シリンダ117L,117Rと共にクラッチ37,38,59,60群が位置することになる。従って、この場合も、油圧式変速機構21への作動油の余剰分をクラッチ37,38,59,60群に供給することになり、より一層、作動油の利用の効率化を図れる。
(4).前輪出力軸、中間軸及び前輪推進軸の連結構造
次に、主として図5及び図6を参照しながら、前輪出力軸、中間軸及び前輪推進軸の連結構造について説明する。
前述したように、前輪出力軸54はクラッチハウジング104の下部側から前向きに突出しており、前輪出力軸54の突出端部は、前後両端に自在軸継手151,153を有する中間軸61を介して、前輪用終減速機構63を内蔵するフロントアクスルケース180から後ろ向きに突出した前輪推進軸62に連結されている。
実施形態では、クラッチハウジング104内の下側に一体形成された軸受壁部に、前輪出力軸54の後端部が玉軸受151(図3参照)を介して回転可能に軸支されている。クラッチハウジング104の下部前面壁152には、玉軸受153を介して前輪出力軸54の中間部が回転可能に軸支されている。すなわち、前輪出力軸54のうち両玉軸受151,153間に、倍速ギヤ57、四駆ギヤ58、倍速クラッチ59及び四駆クラッチ60が配置されていて、前輪出力軸54の前端部がクラッチハウジング104外に前向きに突出している。
クラッチハウジング104外に前向きに突出した前輪出力軸54の突出端部には、スプライン部54aが形成されている。当該スプライン部54aには、第1自在軸継手154における一方の継体154aが軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に被嵌されている(スプライン嵌合されている)。なお、第1自在軸継手154における一方の継体154aは、前輪出力軸54にボルト締結されている。
前輪出力軸54と前輪推進軸62とをつなぐ中間軸61の後端側には、第1自在軸継手154における他方の継体154bが溶接にて固着されている。中間軸61の前端側には、第2自在軸継手155における一方の継体155bが溶接にて固着されている。第2自在軸継手155における他方の継体155aは、前輪推進軸62の一要素である第1推進軸156の後端側に形成されたスプライン部に、軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に被嵌されている。なお、第2自在軸継手155における他方の継体155aは、第1推進軸156にボルト締結されている。
前輪推進軸62は第1〜第3推進軸156〜158の3つに分割されていて、前輪推進軸62のうち最も中間軸61寄りの部位である第1推進軸156がフライホイルケース103のうちエンジン5の下面より更に下向きに突出するフランジ159に形成された軸受部160を貫通している。軸受部160には、前後一対の玉軸受161,162がスナップリング形の止め輪(図示省略)を介して着脱可能に係止されており、これら玉軸受161,162にて、第1推進軸156の中間部が回転可能に軸支されている。
第1推進軸156の前端側は、カップリング163を介して第2推進軸157の後端側に、軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に連結されている。また、第2推進軸157の前端側は、カップリング164を介して、エンジンフレーム13の後部支持枠182に取り付けられた後部支点受け体222(詳細は後述する)から後ろ向きに突出する第3推進軸158の後端側に、軸方向に摺動可能で且つ相対回転不能に連結されている(図8参照)。従って、第1〜第3推進軸156〜158(前輪推進軸62)は互いに前後方向の同心状に並んでいる。実施形態の前輪推進軸62は、走行機体2の下面側において両端支持の状態で水平一直線状に延びている。なお、第3推進軸158の前端部には、前輪用終減速機構63を構成するリングギヤ65と噛み合うピニオン64が固着されている。
図6に示すように、中間軸61には、合成樹脂パイプからなる略円筒形の中間軸カバー筒165が被嵌されている。中間軸カバー筒165の前端側には、略円筒形に形成された合成ゴム製ブーツ166の後端側が被嵌されている。合成ゴム製ブーツ166の後端側は、締め付けバンド167にて中間軸カバー筒165の前端側に取り外し可能に取り付けられている。
一方、フライホイルケース103におけるフランジ159の後面には、第2自在軸継手155の外周側を覆う継手カバー筒168の前端側が取り外し可能に固定されている。継手カバー筒168の後端側には合成ゴム製ブーツ166の前端側が被嵌されていて、締め付けバンド169にて取り外し可能に取り付けられている。従って、第2自在軸継手155は、フランジ159、合成ゴム製ブーツ166及び継手カバー筒168にて周囲を囲われている。また、図6及び図8に示すように、後部支点受け体222の後面とフライホイルケース103におけるフランジ159の前面との間には、前輪推進軸62の外周側を覆う推進軸カバー筒170が取り外し可能に固定されている。
なお、平面視において、前輪出力軸54の軸線は走行機体2の中心線に対して略平行状に延びており、前輪推進軸62の軸線は走行機体2の中心線上に位置している(図7参照)。また、中間軸61及び前輪推進軸62は、側面視においてミッションケース15の下面より上方に位置しており(図1参照)、前輪推進軸62の対地高さより前輪出力軸54の対地高さの方が高くなっている。
以上の構成によると、前輪推進軸62のうち最も中間軸61寄りの部位である第1推進軸156が、フライホイルケース103のうちエンジン5の下面より更に下向きに突出するフランジ159に形成された軸受部160を貫通しているので、走行機体2の下面側において、前輪推進軸62を水平一直線状の姿勢で両端支持された状態にて安定的に保持できる。
このため、両端部に自在継手を有する1本の前輪推進軸だけで無段変速機と終減速機構とをつなぐ特許文献1の場合に比べて、前輪推進軸62の重量バランスが取り易く、重量バランスに起因する振動及び騒音の発生を抑制できる。
また、走行機体2の下面側に前輪推進軸62を水平一直線状の姿勢にて安定的に保持できるから、油圧・機械式変速装置20から前輪用終減速機構63に向かう動力伝達に際して前輪推進軸62のこじれを抑制でき、動力伝達効率の向上を図れる。
しかも、中間軸61及び前輪推進軸62を側面視においてミッションケース15の下面より上方に位置させているから、トラクタ1の走行時に、中間軸61、一対の自在軸継手154,155及び前輪推進軸62を縁石や地面に突き当てて破損させるおそれを低減できる。特に実施形態では、中間軸カバー165、合成ゴム製ブーツ166、継手カバー筒168及び推進軸カバー筒170の存在によって、中間軸61、第2自在軸継手155及び前輪推進軸62への藁草の巻き付きや泥土の付着等をも防止して、中間軸61、第2自在軸継手155及び前輪推進軸62の保護を図っている。
更に、実施形態では、第1推進軸156を支持する軸受部160がフライホイルケース103のうちエンジン5の下面より更に下向きに突出するフランジ159に形成されているから、部品点数の低減を図れると共に、第1推進軸156(前輪推進軸62)に対する高い支持強度を確保できるという利点がある。
(5).左右前輪の操舵構造
次に、主として図7及び図8を参照しながら、左右前輪の操舵構造について説明する。
走行機体2の下面前部に位置するフロントアクスルケース180は、エンジンフレーム13に溶接にて固着された前後一対の支持枠181,182に、枢支装置183,184を介して、左右中間部を回動中心として上下回動(ローリング)し得るように取り付けられている。前後一対の枢支装置183,184は、フロントアクスルケース180の左右中間部を挟んで前後両側に設けられている。左右両前輪3の接地圧に差が生じた場合は、フロントアクスルケース180が左右中間部を回動中心に上下回動して、左右前輪3が互いに反対方向に昇降する。その結果、左右両前輪3の接地圧が略等しく維持されることになる。
フロントアクスルケース180は左右横長で中空状の形態になっており、内部には前輪用終減速機構63が配置されている。すなわち、フロントアクスルケース180には、第3推進軸158の前端部に固着されたピニオン64と、ピニオン64に噛み合うリングギヤ65と、リングギヤ65に固着された差動ギヤケース66と、左右方向に延びる一対の前輪用差動出力軸67とが内蔵されている。
フロントアクスルケース180の左右両端側にはそれぞれギヤケース185が固定されている。ギヤケース185には、内部のキングピン186回りに回動可能に支持されたギヤボックス187が連結されている。ギヤボックス187の上部にはナックルアーム188が固定されている。ギヤボックス187には前車軸69を回動可能に支持する車軸ケース189が固定されている。そして、車軸ケース189から左右外向きに突出した前車軸69に前輪3が取り外し可能に取り付けられている。
フロントアクスルケース180内にある前輪用差動出力軸67は、ベベルギヤ機構190を介してキングピン186の上端側に動力伝達可能に連結されている。キングピン186の下端側は車軸ケース189内のファイナルギヤ68等を介して前車軸68に動力伝達可能に連結されている。キングピン186の上部は軸受を介してギヤケース185に軸支されており、下部は軸受を介してギヤボックス187に軸支されている。
ギヤボックス187上のナックルアーム188は、前部枢支装置183とフロントアクスルケース180とで挟持された操舵油圧シリンダ114のうち対応する側のピストンロッド190が連結されている。左右のピストンロッド190が進退動することによって、左右両前輪3のかじ取り角(操向角度)が共に連動して変更されることになる。
なお、キャビン7の操縦コラム97内には、油圧式トルクジェネレータ(図示省略)が配置されている。操縦座席8に着座したオペレータが操縦ハンドル9を回動操作すると、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に応じた油圧式トルクジェネレータの作動にて、操向制御バルブ115が駆動して操舵油圧シリンダ114の左右ピストンロッド190が進退動(伸縮作動)することになる。
(6).枢支装置の詳細構造
次に、図7及び図8を参照しながら、枢支装置の詳細構造について説明する。
前部枢支装置183は、相対回転可能に嵌合し合った前部回動軸体201と前部支点受け体202とを備えている。前部回動軸体201は前向きに突出する軸部203を有して後ろ向きに開口した略カップ状の形態を呈している。操舵油圧シリンダ114のシリンダ筒191が収容される基部204の後部には、半径外側に張り出した環状フランジ部205が形成されていて、当該環状フランジ部205がフロントアクスルケース180における左右中間部の前面にボルト206締結されている。
前部支点受け体202は前部回動軸体201の軸部203に被さるボス筒部207を有している。ボス筒部207のうち前部回動軸体201の軸部203と反対側の開口は、グリスニップル208付きの蓋部材209にて塞がれている。前部支点受け体202の上部には板状フランジ部210が一体的に形成されていて、当該板状フランジ部210がエンジンフレーム13の前部支持枠181に下方からボルト211締結されている。前部回動軸体201の軸部203と前部支点受け体202のボス筒部207との間には若干の空所が空いており、当該空所には前部スリーブ212が嵌め込まれている。
後部枢支装置184は、相対回転可能に嵌合し合った後部回動軸体221と後部支点受け体222とを備えている。後部回動軸体221と後部支点受け体222とは、共に前後に開口した中空の形態になっている。後部回動軸体221は後ろ向きに突出する軸部223を有している。後部回動軸体221のうち軸部223と反対側の前部には、半径外向きに張り出した環状フランジ部224が形成されていて、当該環状フランジ部224がフロントアクスルケース180における左右中間部の後面にボルト225締結されている。
後部支点受け体222は、後部回動軸体221の軸部223に被さる凹部226を有している。後部回動軸体221の軸部223と後部支点受け体222の凹部226との間には若干の空所が空いており、当該空所には後部スリーブ227が嵌め込まれている。後部支点受け体222の下面には、後部スリーブ227が嵌め込まれた空所にグリスを注入するためのグリスニップル228が装着されている。
互いに嵌合し合った後部回動軸体221と後部支点受け体222とには、前輪推進軸62の一要素である第3推進軸158が貫通している。第3推進軸158は、一対のころ軸受229を介して後部回動軸体221に回動可能に軸支されている。後部支点受け体222のうち第3推進軸158が突出する後部開口には、推進軸カバー筒170の前端側が嵌合されている。後部支点受け体222の上部には板状フランジ部230が一体的に形成されていて、当該板状フランジ部230がエンジンフレーム13の後部支持枠182に下方からボルト231締結されている。
前後両回動軸体201,221の軸部203,223は同心状に位置していて、フロントアクスルケース180の回動中心として機能している。また、前進推進軸62も前後両回動軸体201,221の軸部203,223と同心状に位置している。このため、フロントアクスルケース180の上下回動(ローリング)が前輪推進軸62から前輪用終減速機構63への動力伝達に悪影響を及ぼすおそれはない(自在軸継手を介さなくても前輪推進軸62がこじれない)。実施形態では、フロントアクスルケース180の回動中心線Aが平面視において走行機体2の中心線上に位置している(図7参照)。
さて、前部回動軸体201の基部204内には、操舵油圧シリンダ114のシリンダ筒191が収容されていて、操舵油圧シリンダ114がフロントアクスルケース180と一体的にフロントアクスルケース180の回動中心線A回りに上下回動するように構成されている。この場合、フロントアクスルケース180における軸方向の中心線Bと操舵油圧シリンダ114における軸方向の中心線Cとが平面視で平行状に並ぶと共に、これら両中心線B,Cがフロントアクスルケース180の回動中心線Aと交差(実施形態では直交)するように、操舵油圧シリンダ114とフロントアクスルケース180との位置関係が設定されている(図7及び図8参照)。
実施形態では、操舵油圧シリンダ114の右ピストンロッド190が前部回動軸体201における基部204の右側部に形成された挿通穴(図示省略)を貫通している。一方、操舵油圧シリンダ114の左端部を保持する側面視Ω字状のシリンダ保持体192のフランジ部193は、前部回動軸体201における基部204の左側部に形成された受け板部213にボルト締結されている。このため、操舵油圧シリンダ114のシリンダ筒191が前部回動軸体201の基部204から抜け不能になっている。
シリンダ筒190の両端部には、後方斜め上向きに延びる油圧ポート194が設けられている。これら油圧ポート194は共に、操向制御バルブ115につながるチャージ油路113に接続されている(図4参照)。なお、左右のピストンロッド190の外周側は、断面後ろ向きコ字状のピストンカバー195にて覆われている。ピストンカバー195の存在によって、左右ピストンロッド190への藁草の巻き付きや泥土の付着等を防止して、左右ピストンロッド190の保護を図っている。詳細は図示していないが、ピストンカバー195は走行機体の下面にボルト締結されている。
以上の構成によると、操舵油圧シリンダ114における軸方向の中心線Cがフロントアクスルケース180の回動中心線Aと交差するような位置関係で、操舵油圧シリンダ114がフロントアクスルケース180に取り付けられているから、フロントアクスルケース180と操舵用油圧シリンダ114とが一体的に上下回動することになると共に、フロントアクスルケース180の上下回動(ローリング)の有無に拘らず、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)と操舵油圧シリンダ114のシリンダ筒191からナックルアーム188までの距離(左右ピストンロッド190の突出量)との関係が常に一定になる。
すなわち、フロントアクスルケース180の上下回動の有無に拘らず、操縦ハンドル9の操舵角と左右両前輪3のかじ取り角との関係が変わらない。従って、平地走行か不整地走行かに関係なく、オペレータの操舵感覚通りに左右両前輪3を操舵できることになり、トラクタ1の操縦応答性が向上する。
また、フロントアクスルケース180の左右中間部を挟んで前後両側には、フロントアクスルケース180の回動中心となる回動軸体201,221が同心状に設けられており、前部回動軸体182とフロントアクスルケース180とで、操舵油圧シリンダ114のシリンダ筒191が挟持されるから、前後の回動軸体201,221、フロントアクスルケース180及び操舵油圧シリンダ114からなる前輪支持機構のユニット化が可能になる。このため、走行機体2の下面前部への前輪支持機構の組み付け作業性が向上する。
更に、後部回動軸体221には、ミッションケース15からの変速動力が伝達される前輪推進軸62(第3推進軸158)をフロントアクスルケース180の回動中心線Aと同心状の姿勢で貫通させているから、自在軸継手を介さなくても前輪推進軸62がこじれるおそれはなく、前輪推進軸62からフロントアクスルケース180内の前輪用終減速機構63に向かう動力伝達のロスを低減できる。
(7).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば本願発明はトラクタに限らず、田植機やコンバイン等の農作業機や、ホイルローダ等の特殊作業用車両にも適用可能である。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
トラクタの側面図である。 キャビン内部の平面図である。 動力伝達系統のスケルトン図である。 トラクタの油圧回路図である。 エンジンからミッションケースまでの側面図である。 前輪出力軸、中間軸及び前輪推進軸の連結構造を示す拡大側面断面図である フロントアクスルケース及び操舵油圧シリンダの平面図である。 フロントアクスルケース及び操舵油圧シリンダの拡大側面断面図である。
1 トラクタ
2 走行機体
3 前輪
13 エンジンフレーム
15 ミッションケース
54 前輪出力軸
61 中間軸
62 前輪推進軸
63 前輪用終減速機構
103 フライホイルケース
104 クラッチハウジング
114 操向油圧シリンダ
154 第1自在軸継手
155 第2自在軸継手
159 フランジ
160 軸受部
180 フロントアクスルケース
183 前部枢支装置
184 後部枢支装置
190 ピストンロッド
191 シリンダ筒
201 前部回動軸体
202 前部支点受け体
221 後部回動軸体
222 後部支点受け体

Claims (1)

  1. 走行機体の下面前部に左右中間部を回動中心として上下回動可能に設けられたフロントアクスルケースと、前記フロントアクスルケースの両端部に設けられた前輪と、前輪操舵用の操舵油圧シリンダとを備えている作業車両であって、
    前記操舵油圧シリンダにおける軸方向の中心線が前記フロントアクスルケースの回動中心線と直交する位置関係で、前記操舵油圧シリンダが前記フロントアクスルケースに取り付けられており、前記フロントアクスルケースの前記左右中間部を挟んで前後両側には、前記フロントアクスルケースの回動中心となる回動軸体が同心状に設けられており、前記前側の回動軸体と前記フロントアクスルケースとより、前記操舵油圧シリンダのシリンダ筒が挟持されており、前記後ろ側の回動軸体には、前記走行機体に搭載されたミッションケースからの変速動力が伝達される前輪推進軸を前記フロントアクスルケースの回動中心線と同心状の姿勢で貫通させており、
    前記前側の回動軸体から前向きに突出する軸部を、前記走行機体に取り付けた前部支点受け体のボス筒部に後方から嵌め込み、前記ボス筒部における前側の開口に、前記軸部の前端面に当接して前記前側の回動軸体の前後位置を調節可能なグリスニップル付きの蓋部材が締結されている、
    作業車両。
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