以下に、本願発明を作業車両としてのトラクタに適用した実施形態を図面(図1〜図9)に基づいて説明する。図1はトラクタの左側面図、図2はキャビン内部の平面図、図3は動力伝達系統のスケルトン図、図4はトラクタの油圧回路図、図5はフレーム及びミッションケースの平面図、図6はフレーム及びミッションケースの左側面図、図7はミッションケースの左側面図、図8はミッションケースを右斜め下方から見た斜視図、図9は油路ブロックの拡大左側面図である。なお、以下の説明では、トラクタ1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
(1).トラクタの概要
まず始めに、図1及び図2を参照しながら、トラクタ1の概要について説明する。
実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、走行部としての左右一対の前輪3と同じく左右一対の後輪4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載されたディーゼル式エンジン5にて前輪3及び後輪4を駆動することにより、トラクタ1は前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7(操縦部)が配置されている。キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル9(丸ハンドル)とが配置されている。キャビン7の下方には、後述するミッションケース15から左右外向きに突出するようにしてステップ10が配置されている。左右両ステップ10の下面側には、燃料を貯留する燃料タンク11がそれぞれ配置されている。
図1及び図2に示すように、キャビン7内の操縦ハンドル9は、操縦座席8の前方に位置する操縦コラム85上に配置されている。操縦コラム85の左側には、走行機体2の進行方向を前進と後進とに切り換え操作するための前後進切換レバー86と、HMTクラッチ37及びHSTクラッチ38(詳細は後述する)を同時に入り切り操作するためのクラッチペダル87とが配置されている。操縦コラム85の右側には、左右両後輪4を制動操作するための左右一対のブレーキペダル88が配置されている。ブレーキペダル88の近傍には、エンジン回転数を増減速させるためのアクセルペダル89が配置されている。
操縦座席8の左右両側にはサイドコラム90,91が設けられている。左サイドコラム90上には、後述する油圧・機械式変速装置20(HMT)の出力及び回転数を作業状態に応じて所定範囲に設定保持するための副変速レバー92と、後述するPTO軸19(図3参照)の出力を複数段及び中立に切り換え操作するためのPTO変速レバー93とが前後傾動操作可能に配置されている。副変速レバー92の前方には、左右両後輪4を制動状態に維持するための駐車ブレーキレバー94が配置されている。
右サイドコラム91上には、走行機体2の前進、停止、後退及びその車速を無段階に変更操作するための主変速レバー95や、走行機体2の後方に配置されるポテトハーベスタ等の作業部(図示せず)の高さ位置を手動にて変更調節するための作業部調節レバー96等が配置されている。
一方、図1に示すように、走行機体2は、フロントバンパ12及び前車軸ケース(図示省略)を有するエンジンフレーム13と、エンジンフレーム13の後部にボルトにて取り外し可能に固定された左右のステップフレーム14を備えている。エンジンフレーム13はエンジン5を下方から支持している。左右のステップフレーム14は、オペレータが乗降するステップ10を構成する要素の一部をなしている。
エンジンフレーム13の後方で且つ左右両ステップフレーム14の間には、エンジン5からの動力を適宜変速して前輪3、後輪4及び後述するPTO軸19に伝達するためのミッションケース15が搭載されている。ミッションケース15の後部には、後車軸ケース16(図5〜図8参照)が左右外向きに突出するように装着されている。左右の後輪4は後車軸ケース16における左右の先端側に回転可能に配置されていて、左右のリヤフェンダ17にて上方から覆われている。
ミッションケース15の後部上面には、ポテトハーベスタ等の作業部を昇降動させるための油圧式昇降機構18が着脱可能に取り付けられている。詳細は図示していないが、作業部は、ミッションケース15の後部に3点リンク機構を介して連結される。ミッションケース15の後面には、作業部にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸19(図3参照)が後ろ向きに突設されている。
(2).トラクタの動力伝達系統
次に、図3を参照しながら、トラクタ1の動力伝達系統について説明する。
実施形態のトラクタ1においては、エンジン5の動力をミッションケース15に設けられた油圧・機械式変速装置20に伝達して、油圧・機械式変速装置20から前輪3、後輪4及びPTO軸19に分配するように構成されている。油圧・機械式変速装置20は、容量可変型の油圧ポンプ23及び油圧モータ24からなる油圧式変速機構21(HST)と、遊星歯車機構22とを備えている。油圧・機械式変速装置20の一要素である油圧式変速機構21は、油圧ポンプ23における回転斜板(図示省略)の傾斜角度を変更調節して油圧モータ24に対する作動油の吐出方向及び吐出量を変更することによって、油圧モータ24から突出したモータ軸26の回転方向及び回転数を任意に調節するように構成されている。
油圧・機械式無段変速装置20は、エンジン5から突出して油圧ポンプ23を貫通したポンプ軸25経由の動力伝達系統と、油圧モータ24から突出したモータ軸26経由の動力伝達系統という2つの動力伝達系統を有している。実施形態では、ポンプ軸25経由の回転動力とモータ軸26経由の回転動力との合成動力によって、前輪3及び後輪4を回転駆動させる油圧・機械式駆動モード(HMTモード)と、モータ軸26経由の回転動力だけで前輪3及び後輪4を回転駆動させる油圧式駆動モード(HSTモード)とを切り換えて実行し得るように構成されている。
ミッションケース15内には、油圧ポンプ23を貫通したポンプ軸25、油圧モータ24から突出したモータ軸26、及び遊星歯車機構22を構成するサンギヤ軸27が、前後に延び且つ互いに平行状な姿勢で回転可能に軸支されている。サンギヤ軸27には前後一対の伝動ギヤ31,32が回転可能に被嵌されている一方、モータ軸26には前後一対のモータギヤ29,30が固着されている。前部伝動ギヤ31は前部モータギヤ29と噛み合っており、後部伝動ギヤ32は後部モータギヤ30と噛み合っている。
サンギヤ軸27における前後の伝動ギヤ31,32の間に、遊星歯車機構22が配置されている。遊星歯車機構22は、前部伝動ギヤ31と一体的に回転する太陽ギヤ33、複数の遊星ギヤ35を同一半径上に回転可能に軸支してなるキャリア34、及び内周面の内歯を有するリングギヤ36を備えている。太陽ギヤ33、キャリア34及びリングギヤ36はいずれも、サンギヤ軸27に回転可能に被嵌されている。太陽ギヤ33はキャリア34の各遊星ギヤ35と半径内側から噛み合っている。また、リングギヤ36の内歯は各遊星ギヤ35と半径外側から噛み合っている。キャリア34の前部外周面には外歯が形成されており、当該外歯はポンプ軸25に固着されたポンプギヤ28と噛み合っている。
サンギヤ軸27におけるリングギヤ36と後部伝動ギヤ32の間には、サンギヤ軸27をリングギヤ36と一体回転させるためのHMTクラッチ37と、サンギヤ軸27を後部伝動ギヤ32と一体回転させるためのHSTクラッチ38とが配置されている。これら両クラッチ37,38は、2つの駆動モード(HMTモード及びHSTモード)を切り換えるためのものである。駆動モードに応じて一方を入り状態にし他方を切り状態にすることにより、ポンプ軸25及びモータ軸26を経由した合成動力と、モータ軸26だけを経由した回転動力とのうちいずれか一方が、サンギヤ軸27に伝達されることになる。
すなわち、HMTモードにおいては、後述するHMTバルブ129の切換駆動にてHMTクラッチ37が動力接続状態(入り状態)となり、サンギヤ軸27とリングギヤ36が相対回転不能に連結される。一方、HSTクラッチ38は後述するHSTバルブ130の切換駆動にて動力遮断状態(切り状態)となり、後部伝動ギヤ32は自由回転可能な状態になる。この場合、後部伝達ギヤ32が自由回転可能であるため、後部モータギヤ30から後部伝達ギヤ32に伝達された回転動力はサンギヤ軸27に伝わらない。遊星歯車機構22には、ポンプギヤ28を経由した回転動力と前部モータギヤ29を経由した回転動力とが伝達される。そして、これらの合成動力がリングギヤ36からサンギヤ軸27に伝達される。
HSTモードにおいては、HMTクラッチ37はHMTバルブ129の切換駆動にて動力遮断状態(切り状態)となり、リングギヤ36が自由回転可能な状態になる。一方、HSTクラッチ38はHSTバルブ130の切換駆動にて動力接続状態(入り状態)となり、サンギヤ軸27と後部伝動ギヤ32とが相対回転不能に連結される。この場合、リングギヤ36が自由回転可能であるため、ポンプギヤ28や前部モータギヤ29から遊星歯車機構22に伝達された回転動力はサンギヤ軸27に伝わらない。後部モータギヤ30からは、後部伝達ギヤ32を介してサンギヤ軸27に動力伝達される。つまり、モータ軸26の回転動力だけがサンギヤ軸27に伝達される。なお、両クラッチ37,38を切り状態にすれば、前後四輪3,4への動力伝達が完全に遮断されることになる。
サンギヤ軸27の後端には、走行中継軸39がサンギヤ軸27と同軸状に延びるように連結されている。また、ミッションケース15内のうち走行中継軸39の近傍には、走行中継軸39と平行状に延びる副変速軸40が回転可能に軸支されている。走行中継軸39には、低速中継ギヤ41と高速中継ギヤ42とが固着されている。副変速軸40の長手中途部には、低速中継ギヤ41に噛み合う低速ギヤ43と、高速中継ギヤ42に噛み合う高速ギヤ44とが回転可能に被嵌されている。副変速軸40における低速ギヤ43と高速ギヤ44との間には、走行中継軸39から副変速軸40への動力伝達を継断する副変速クラッチ45が副変速軸40に沿って往復動可能に被嵌されている。この場合、キャビン7内にある副変速レバー92の操作に連動して移動する副変速クラッチ45の作用にて、低速ギヤ43又は高速ギヤ44と副変速軸40とを相対回転不能に連結させることにより、走行中継軸39から副変速軸40に低速又は高速の回転動力が伝達される。
副変速軸40の後方には、左右の後輪4に回転動力を伝達するための後輪用差動ギヤ機構46が配置されている。後輪用差動ギヤ機構46は、副変速軸40の後端部に固着されたピニオン47に噛み合うリングギヤ48と、リングギヤ48に固着された差動ギヤケース49と、左右方向に延びる一対の後輪用差動出力軸50とを備えている。左右の後輪用差動出力軸50は、ファイナルギヤ51等を介して後車軸52に連結されている。後車軸52の先端部に後輪4が取り付けられている。
左右の後輪用差動出力軸50には、ブレーキ機構53が関連付けて設けられている。ブレーキ機構53は、ブレーキペダル88や駐車ブレーキレバー94(図2参照)の操作と自動制御という2つの系統によって、左右両後輪4にブレーキを掛け得るものである。すなわち、各ブレーキ機構53は、ブレーキペダル88(又は駐車ブレーキレバー94)の制動方向への操作にて、対応する後輪用差動出力軸50ひいては後輪4にブレーキを掛けるように構成されている。また、操縦ハンドル9の操舵角が所定角度以上になれば、旋回内側の後輪4に対する制動バルブ118の切換駆動にて制動シリンダ117が作動し、旋回内側の後輪4に対するブレーキ機構53が自動的に制動動作をするように構成されている(いわゆるオートブレーキ)。このため、トラクタ1はUターン(圃場の枕地での方向転換)等の小回り旋回走行を簡単に実行できる。
各ブレーキ機構53は、ミッションケース15の横側後部に回動可能に配置された略L字板状の制動アーム100(図5〜図8参照)と、後輪用差動出力軸50に設けられたディスク板(図示省略)と、制動アーム100の回動に連動してディスク板の回転平面に接離するように移動可能な制動パッド(図示省略)とを備えている。実施形態では、ミッションケース15の横側後部のうち後車軸ケース16より前方の箇所から突出した回動支軸101に制動アーム100のコーナ部が固定されていて、制動アーム100は回動支軸101を中心として上下回動する構成になっている。制動アーム100の一端部は、ワイヤやリンク等の第1連係部材102(図7参照)を介してブレーキペダル88に連動連結されている。また、制動アーム100の他端部は、ワイヤやリンク等の第2連係部材103(図7参照)を介して駐車ブレーキレバー94に連動連結されている。
この場合、ブレーキペダル88(又は駐車ブレーキレバー94)の制動方向への操作にて、第1連係部材102(又は第2連係部材103)を介して制動アーム100を回動させることによって、後輪用差動出力軸50に設けられたディスク板の回動平面に制動パッドが押し付けられる。その結果、左右両後輪4にブレーキが掛かることになる。
他方、ミッションケース15の横側後部のうち回動支軸101より前方の箇所には、アクチュエータとしての制動シリンダ117が固定されている。左右の制動シリンダ117のピストンロッドは、対応する側にある制動アーム100にそれぞれ連結されている。実施形態では、操縦ハンドル9の操舵角が所定角度以上になれば、旋回内側の後輪4に対する制動バルブ118の切換駆動にて制動シリンダ117が伸縮作動し、制動アーム100を制動方向に回動させる。その結果、ディスク板の回動平面に制動パッドが押し付けられて、旋回内側の後輪4にブレーキが掛かることになる。
なお、以下の説明及び図面では便宜上、左側のブレーキ機構53及びこれに関連する部材(制動アーム100、制動シリンダ117、及び制動バルブ118等)に符号Lを付し、右側のブレーキ機構53及びこれに関連する部材に符号Rを付す場合がある。
他方、ミッションケース15内には、副変速軸40と平行状に延びる前輪出力軸54も回転可能に軸支されている。前輪出力軸54には、副変速軸40の前部に固着された四駆中継ギヤ56に噛み合う四駆ギヤ58と、副変速軸40の前部に固着された倍速中継ギヤ55に噛み合う倍速ギヤ57とが回転可能に被嵌されている。前輪出力軸54における四駆ギヤ58の前方には、前輪出力軸54を四駆ギヤ58と一体回転させるための四駆用クラッチ60が配置されている。前輪出力軸54における倍速ギヤ57の後方には、前輪出力軸54を倍速ギヤ57と一体回転させるための倍速駆動用クラッチ59が配置されている。
この場合、駆動切換スイッチ(図示省略)を四駆側に操作すると、後述する四駆バルブ140の切換駆動にて四駆用クラッチ60が動力接続状態(入り状態)となり、前輪出力軸54と四駆ギヤ58とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸40から四駆ギヤ58を経由して前輪出力軸54に回転動力が伝達される結果、トラクタ1は後輪4と共に前輪3が駆動する四輪駆動状態になる。
また、操縦ハンドル9をUターン操作等して、その操舵角が所定角度以上になると、後述する倍速バルブ139の切換駆動にて倍速駆動用クラッチ59が動力接続状態(入り状態)となり、前輪出力軸54と倍速ギヤ57とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸40から倍速ギヤ57を経由して前輪出力軸54に回転動力が伝達される結果、四駆ギヤ58経由の回転動力による前輪3の回転速度に比べて約2倍の高速度にて、前輪3が駆動することになる。
前輪出力軸54の前部はミッションケース15の底側から前向きに突出しており、当該突出端部は、前後両端に自在継手を有する推進軸61を介して、前輪用差動ギヤ機構63を内蔵する前車軸ケース(図示省略)から後ろ向きに突出した前輪伝達軸62に連結されている。前輪伝達軸62における前車軸ケース内の基端部にはピニオン64が固着されている。前車軸ケース内の前輪用差動ギヤ機構63は、左右の前輪3に回転動力を伝達するためのものであり、前輪伝達軸62のピニオン64に噛み合うリングギヤ65と、リングギヤ65に固着された差動ギヤケース66と、左右方向に延びる一対の前輪用差動出力軸67とを備えている。左右の前輪用差動出力軸67は、ファイナルギヤ68等を介して前車軸69に連結されている。前車軸69の先端部に前輪3が取り付けられている。
詳細は図示していないが、前車軸ケースの外側面には、操縦ハンドル9の回動操作にて前輪3の操向方向を左右に変更するパワーステアリング用の操向油圧シリンダ114(図4参照)が設けられている。実施形態の操向油圧シリンダ114は、両ロッド形の複動シリンダであり、左右のピストンロッドはそれぞれ対応する前輪3のナックルアーム又はタイロッド等に連結されている。この場合、操縦ハンドル9の回動操作に伴う操向制御バルブ115(詳細は後述する)の駆動にて操向油圧シリンダ114を左右に伸縮作動させることにより、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に応じて、左右両前輪3のかじ取り角(操向角度)が変更されることになる。
さて、油圧ポンプ23のポンプ軸25には、動力伝達継断用のPTOクラッチ70を介して、ポンプ軸25と同軸状に延びるPTO入力軸71が連結されている。ミッションケース15内のうちPTO入力軸71の後部近傍には、PTO入力軸71と平行状に延びるPTO変速軸72が回転可能に軸支されている。この場合、キャビン7内にあるPTO変速レバー93を中立以外に変速操作するか、PTO変速レバー93を中立操作し且つPTO逆転レバー(図示省略)を逆転入り操作すると、PTOクラッチ70が動力接続状態(入り状態)となり、ポンプ軸25とPTO入力軸71とが相対回転不能に連結される。その結果、ポンプ軸25からPTO入力軸71に向けて回転動力が伝達される。
PTO入力軸71には、前側から順に、高速入力ギヤ75、中速入力ギヤ74、低速入力ギヤ73及び逆転入力ギヤ76が固着されている。一方、PTO変速軸72には、高速入力ギヤ75に噛み合うPTO高速ギヤ79、中速入力ギヤ74に噛み合うPTO中速ギヤ78、及び低速入力ギヤ73に噛み合うPTO低速ギヤ77が回転可能に被嵌されている。また、PTO変速軸72には、カウンタスライドギヤ81を介して逆転入力ギヤ76からの回転動力を受け取るPTO逆転ギヤ80が固着されている。
PTO変速軸72には、PTO変速クラッチ82を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合している。PTO変速レバー93の変速操作にてPTO変速クラッチ82をPTO変速軸72に沿ってスライド移動させることにより、PTO低速ギヤ77、PTO中速ギヤ78、及びPTO高速ギヤ79がPTO変速軸72に択一的に連結される。その結果、低速〜高速の各PTO変速出力が、PTO変速軸72からギヤ83,84,85を介してPTO軸19に伝達される。
PTO変速レバー93を中立操作し且つPTO逆転レバー(図示省略)を逆転入り操作した場合は、カウンタスライドギヤ81が逆転入力ギヤ76とPTO逆転ギヤ80とに噛み合い、PTO入力軸71の回転動力が、これらギヤ76,80,81を介してPTO変速軸72に伝達される。そして、逆転のPTO変速出力が、PTO変速軸72からギヤ83,84,85を介してPTO軸19に伝達される。
(3).トラクタの油圧回路構造
次に、図4を参照しながらトラクタ1の油圧回路110構造について説明する。
トラクタ1の油圧回路110は、エンジン5の回転力にて駆動するチャージ用油圧ポンプ111を備えている。チャージ用油圧ポンプ111は、油圧式変速機構21、パワーステアリング用の操向油圧シリンダ114、その他の油圧作動式装置(HMTクラッチ37、HSTクラッチ38、倍速駆動用クラッチ59、四駆用クラッチ60、及び左右の制動シリンダ117等)に作動油を供給するためのものである。この場合、ミッションケース15が作業油タンクとしても利用されていて、ミッションケース15内の作動油がチャージ用油圧ポンプ111に供給されることになる。
チャージ用油圧ポンプ111の吸入側は、作動油タンクとしてのミッションケース15内に配置されたストレーナ112に接続されている。チャージ用油圧ポンプ111の吐出側から延びるチャージ油路113には、操向制御バルブ115を介して、パワーステアリング用の操向油圧シリンダ114が接続されている。操向制御バルブ115は、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に対応した電磁ソレノイドの励磁によって、操向油圧シリンダ114への作動油の供給量を調節するように構成されている。
また、チャージ油路113は、作動油をろ過するためのオイルフィルタ116を介して、左右のブレーキ機構53に対する制動シリンダ117をそれぞれ作動させるための制動バルブ118に接続されている。左右の制動バルブ118は、操縦ハンドル9の操舵角(回動操作量)に対応した制動ソレノイド119の励磁によって、制動シリンダ117への作動油供給状態と制動シリンダ117からの作動油排出状態とに切換駆動するように構成されている。実施形態のチャージ油路113は、後述する第3油路135との分岐部137a及び138aより更に下流側において、左制動シリンダ117Lに向かう左制動用油路147と、右制動シリンダ117Rに向かう右制動用油路148とに分かれている。
チャージ油路113においてオイルフィルタ116より下流側には、油圧式変速機構21を構成する油圧ポンプ23に向かう第1油路120が分岐接続されている。第1油路120中には、油圧ポンプ23における回転斜板(図示省略)の傾斜角度を変更調節するための主変速油圧シリンダ121と、これに対する主変速制御バルブ122とが配置されている。主変速制御バルブ122は4ポート2位置切換型のものであり、前後進切換レバー86及び主変速レバー95の操作に対応して、主変速油圧シリンダ121への作動油の供給方向及び供給量を調節するように構成されている。油圧ポンプ23と油圧モータ24とは閉ループ油路123を介して互いに接続されている。エンジン5の作動中は、チャージ用油圧ポンプ111からの作動油が閉ループ油路123に常に補充される。
前後進切換レバー86及び主変速レバー95の操作にて、主変速制御バルブ122を切換駆動させると、主変速油圧シリンダ121が伸縮作動して、油圧ポンプ23における回転斜板の傾斜角度が変更調節され、油圧モータ24への作動油の吐出方向及び吐出量が変わる。その結果、油圧モータ24におけるモータ軸26の回転方向及び回転数を無段階に変化させたり逆転させたりする直進変速動作が実行される。
かかる構成によると、チャージ用油圧ポンプ111と左右両制動シリンダ117L,117Rとをつなぐ油圧回路110からは、油圧式変速機構21を構成する油圧ポンプ23に向かう第1油路120が分岐しているので、油圧式変速機構21の方が油圧回路110において左右両制動シリンダ117L,117Rより上流側に位置することになる。このため、作動油の供給順序としては、先に油圧式変速機構21に供給してから、作動頻度の低い左右両ブレーキ機構53L,53Rに余剰分を供給することになる。従って、チャージ用油圧ポンプ111を大容量化したりすることなく、作動油を効率よく合理的に利用できる。
チャージ油路113において第1油路120との分岐部120aより下流側には、クラッチペダル87にて切換操作可能な手動クラッチバルブ126を介して、HMTクラッチ37及びHSTクラッチ38に向かう第2油路125が分岐接続されている。実施形態の第2油路125は、手動クラッチバルブ126より下流側において、HMTバルブ129を介してHMTクラッチ37に接続されるHMT用油路127と、HSTバルブ130を介してHSTクラッチ38に接続されるHST用油路128とに分かれている。
HMTバルブ129(HSTバルブ130)は、HMTソレノイド131(HSTソレノイド132)の励磁によって、HMTクラッチ37(HSTクラッチ38)への作動油供給状態とHMTクラッチ37(HSTクラッチ38)からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。
例えばHMTクラッチ37が動力接続状態(HSTクラッチ38は動力遮断状態)のときに、クラッチペダル87の踏み込み操作にて手動クラッチバルブ126を作動油排出状態に切り換えれば、チャージ用油圧ポンプ111からの作動油の供給が停止し、HMTクラッチ37からHMTバルブ129及び手動クラッチバルブ126を通じて、作動油がミッションケース15内に排出され、HMTクラッチ37が動力遮断状態に切り換わる。このときHSTクラッチ38は既に動力遮断状態であるため、結果的に、前後四輪3,4への動力伝達が遮断されることになる。HSTクラッチ38が動力接続状態のときにクラッチペダル87を踏み込み操作した場合は、上記と同様にして、HSTクラッチ38が動力遮断状態に切り換わり、前後四輪3,4への動力伝達が遮断される。
チャージ油路113において第2油路125との分岐部125aより下流側には、倍速駆動用クラッチ59及び四駆用クラッチ60に向かう第3油路135が分岐接続されている。実施形態の第3油路135は、倍速バルブ139を介して倍速駆動用クラッチ59に接続される倍速用油路137と、四駆バルブ140を介して四駆クラッチ60に接続される四駆用油路138とに分かれている。倍速バルブ139は、倍速ソレノイド141の励磁によって、倍速駆動用クラッチ59への作動油供給状態と倍速駆動用クラッチ59からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。四駆バルブ140は、四駆ソレノイド142の励磁によって、四駆用クラッチ60への作動油供給状態と四駆用クラッチ60からの作動油排出状態とに自動的に切換駆動するように構成されている。なお、上述した油圧回路110はリリーフ弁やチェック弁等も備えている。
かかる構成によると、油圧回路110のうち第1油路120との分岐部120aより下流側からは、HSTクラッチ38及びHMTクラッチ37に向かう第2油路125が分岐しており、第2油路125との分岐部125aより下流側からは、四駆用クラッチ60及び倍速駆動用クラッチ59に向かう第3油路135が分岐しているので、油圧回路110において油圧式変速機構21より下流側に、左右両制動シリンダ117L,117Rと共にクラッチ37,38,59,60群が位置することになる。従って、この場合も、油圧式変速機構21への作動油の余剰分をクラッチ37,38,59,60群に供給することになり、より一層、作動油の利用の効率化を図れる。
(4).ステップ周辺の構造
次に、図5〜図9を参照しながら、オペレータが乗降する左右のステップ10周辺の構造について説明する。
図5及び図6に示すように、左右のステップ10を構成するステップフレーム14は基本的に、平面視においてミッションケース15を挟んで左右対称状になっており、ミッションケース15から左右外向きに突出した底フレーム体151と、ステップフレーム14の前面を区画する前フレーム体152と、底フレーム体151の上方に位置していてキャビン7の床板を下方から支持する上フレーム体153とを備えている。底フレーム体151における左右内側の端部がミッションケース15の底面にボルト締結されている。前フレーム体152及び上フレーム体153における左右内側の端部はエンジンフレーム13の横側後部にボルト締結されている。
フレーム体151〜153にて囲まれた空間に燃料タンク11が位置している。燃料タンク11は左側タンク11Lと右側タンク11Rとの2つに分割されており、それぞれ11L,11Rが、対応するステップフレーム14にて形成された空間(フレーム体151〜153にて囲まれた空間)に振り分けて収容されている。このため、ステップ10の下方というデッドスペースを利用して、トラクタ1の大型化を招来することなく、燃料タンク11の容量を増やせる。詳細は図示していないが、左側タンク11Lと右側タンク11Rとは、燃料取出パイプ及び空気連通パイプという2本のパイプにて連通している。実施形態では、左側タンク11Lの前部上面に、上向きに突出した給油口154が設けられている。
左右の底フレーム体151において燃料タンク11より後方の箇所には、平面視略く字状のカバー体155が立設されている。カバー体155と前フレーム体152との存在によって、左右の燃料タンク11が前後方向にずれ移動するのを規制している。燃料タンク11の左右方向へのずれ移動は、上フレーム体153における左右外側の端部に固着された前後長手の規制板156とミッションケース15とにより規制している。カバー体155の後部はミッションケース15の左側部に沿って後ろ向きに延びていて、油路ブロック160の近傍に配置されたオイルフィルタ116(その取り付け構造については後述する)の左側部を外側から覆っている。
ミッションケース15の横側部には、側面視略矩形ブロック状の油路ブロック160が取り付けられている。実施形態では、ミッションケース15の左側部のうち、左ステップ10の下方で且つ左側タンク11Lより後方の箇所(左側タンク11Lと後車軸ケース16との間)に、油路ブロック160が複数のボルトにて締結されている。油路ブロック160の内部には油圧回路110の一部が形成されている。実施形態の油路ブロック160内には、チャージ油路113のうちオイルフィルタから各バルブ118L,118Rまでの部分と、第1油路120のうち主変速制御バルブ122より上流側の部分と、第2油路125のうち各バルブ129,130より上流側の部分と、第3油路135のうち各バルブ139,140より上流側の部分とが形成されている。
油路ブロック160の外面には、油圧作動式装置37,38,59,60,117に対する制御バルブ129,130,139,140,118が、油路ブロック160内に形成された油圧回路110に連通するように組み付けられてユニット化されている。実施形態では、油路ブロック160の前面側に、上方からHSTクラッチ38に対するHSTバルブ130、HMTクラッチ37に対するHMTバルブ129、右制動シリンダ117Rに対する右制動バルブ118Rの順に並べて設けられている。油路ブロック160の後面側には、上方から倍速駆動用クラッチ59に対する倍速バルブ139、四駆用クラッチ60に対する四駆バルブ140、左制動シリンダ117Lに対する左制動バルブ118Lの順に並べて設けられている。従って、左右両制動バルブ118L,118Rは、油路ブロック160に組み付けられた他のバルブ129,130,139,140群より下側に位置している。
かかる構成によると、油圧回路110の一部が形成された油路ブロック160に、HMTバルブ129、HSTバルブ130、倍速バルブ139、四駆バルブ140、及び左右の制動バルブ118が組み付けられてユニット化されており、当該ユニット化された油路ブロック160がミッションケース15の横側部(実施形態では左側部)に取り付けられているので、トラクタ1の走行に関係した油圧系統がコンパクトになる。また、トラクタ1の製造ライン中において、走行関係の油圧系統の組付け工数を低減できる。更に、油路ブロック160をミッションケース15の左側部に手軽に組み付けたり取り外したりできるから、バルブ129,130,139,140,118群やその周辺に対する清掃や整備等のメンテナンス性を向上できる。
油路ブロック160における広幅側面の下部には、フィルタ吐出側配管188(詳細は後述する)を介してオイルフィルタ116に接続されるブロック吸入ポート161が形成されている。油路ブロック160における広幅側面の上部には、HST用吐出ポート162が形成されている。HST用吐出ポート162は、第1油路120の一部を構成するHST用配管163を介して、主変速制御バルブ122に接続されている。
油路ブロック160の広幅側面には、倍速吐出ポート165及び四駆用吐出ポート166も形成されている。倍速用吐出ポート165には、倍速用油路137における倍速バルブ139と倍速クラッチ59との間の部分を構成する倍速用配管167の一端部が接続されている。倍速用配管167はミッションケース15の左側部及び底部に沿うように延びていて、その他端部がミッションケース15の下面に形成された倍速入力ポート169に接続されている。四駆用吐出ポート166には、四駆用油路138における四駆バルブ140と四駆用クラッチ60との間の部分を構成する四駆用配管168の一端部が接続されている。四駆用配管168もミッションケース15の左側部及び底部に沿うように延びていて、その他端部がミッションケース15の下面に倍速入力ポート169と隣り合わせで形成された四駆入力ポート170に接続されている。
油路ブロック160の下面には、左制動用吐出ポート171及び右制動用吐出ポート172が形成されている。左制動用吐出ポート171には、左制動用油路147における左制動バルブ118Lと左制動シリンダ117Lとの間を構成する左制動用配管173の一端部が接続されている。左制動用配管173はミッションケース15の左側部に沿って後ろ向きに延びていて、その他端部が左制動シリンダ117Lに接続されている。右制動用吐出ポート172には、右制動用油路148における右制動バルブ118Rと右制動シリンダ117Rとの間の部分を構成する右制動用配管174の一端部が接続されている。右制動用配管174は、ミッションケース15の左側部、底部及び右側部を囲うように延びていて、その他端部が右制動シリンダ117Rに接続されている。
かかる構成から明らかなように、実施形態では、左右両制動バルブ118L,118Rが、油路ブロック160に組み付けられた他のバルブ129,130,139,140群より下側に位置しているので、制動バルブ118L,118Rからミッションケース15の左右後部に分かれて配置された制動シリンダ117L,117Rにつながる制動用配管173,174の長さを短くすることが可能になり、制動用配管173,174の取り回しが簡単になる。
実施形態では、ミッションケース15内部の作動油面(図7及び図9に白抜き三角にて示す)は左右の制動シリンダ117L,117Rの配置位置より常に高くなるように設定されている。つまり、左右両制動シリンダ117L,117Rはミッションケース15内部の作動油面より低くなる下部側に位置している。また、左右両制動バルブ118L,118Rの配置位置も常にミッションケース15内部の作動油面より低くなっている。
かかる構成によると、左右両制動バルブ118L,118R及び左右両制動シリンダ117L,117Rの配置位置はいずれも、ミッションケース15内部に貯留された作動油の油面より低くなるから、ブレーキ関係の油圧系統においては空気が入り込み難くなる。その結果、ブレーキ関係の油圧系統中に、作動油と共に空気が入り込むこと(いわゆるエア噛み)を防止できる。
油路ブロック160の広幅側面のうちブロック吸入ポート161とHST用吐出ポート162との間には、手動クラッチバルブ126が取り付けられている。手動クラッチバルブ126の先端部には操作部176が回動可能に設けられている。詳細は図示していないが、手動クラッチバルブ126の操作部176は、ワイヤやリンク等の連動部材を介してクラッチペダル87に連動連結されている。また、手動クラッチバルブ126の操作部176には、戻しバネ177の一端が連結されている。戻しバネ177の他端は後述するフィルタブラケット181に連結されている。戻しバネ177は、クラッチペダル87の踏み込み操作を解除したときに、操作部176を初期位置に戻して手動クラッチバルブ126を作動油供給状態に復帰させるためのものである。
油路ブロック160の近傍には、フィルタブラケット181を介して、作動油をろ過するためのオイルフィルタ116が配置されている。実施形態のフィルタブラケット181は平面視略コ字板状に形成されており、その基端部がミッションケース15の左側部にボルト締結されている。フィルタブラケット181の先端側には、側面視L字板状に形成された取り付け座板182の垂直板側がボルト締結されている。取り付け座板182の水平板側に、オイルフィルタ116の上部に固着された吊支ブロック183が上方からのボルトのねじ込みにて着脱可能に締結されている。フィルタブラケット181の先端部とミッションケース15の左側部とは、横長の突っ支いアーム184にて支持されている。
吊支ブロック183の前面側に形成された吸入ポート185は、フィルタ吸入側配管187を介してチャージ用油圧ポンプ111に接続されている。すなわちフィルタ吸入側配管187は、チャージ油路113のうちチャージ用油圧ポンプ111とオイルフィルタ116との間の部分を構成している。吊支ブロック183の後面側に形成された吐出ポート186は、フィルタ吐出側配管188を介して、油路ブロック160における広幅側面のブロック吸入ポート161に接続されている。すなわちフィルタ吐出側配管188は、チャージ油路113のうちオイルフィルタ116と第1油路120への分岐部120aとの間の部分を構成している。
以上の構成によると、ステップ10の下面側のうち前方の箇所に燃料タンク11が配置されており、燃料タンク11より後方の箇所に、油圧回路110の一部が形成された油路ブロック160とオイルフィルタ116とが配置されているから、ステップ10の下方というデッドスペースを利用して省スペース化を図れる。換言すると、ステップ10の下方というデッドスペースを、燃料タンク11、油路ブロック160及びオイルフィルタ116の配置空間として有効利用できる。その結果、トラクタ1の大型化を回避できる。
また、ミッションケース15の左側部のうち左側タンク11Lと後車軸ケース16との間に、油路ブロック160が取り付けられており、油路ブロック160の近傍に、フィルタブラケット181を介してオイルフィルタ116が配置されており、油路ブロック160とオイルフィルタ116とが隣接することになるから、油路ブロック160とオイルフィルタ116とをつなぐフィルタ吐出側配管188の長さを短くでき、フィルタ吐出側配管188の取り回しが簡単になる。
更に、フィルタブラケット181の基端部は、ミッションケース15の左側部にボルト締結されており、フィルタブラケット181の先端部には、取り付け座板182を介して、オイルフィルタ116の上部に固着された吊支ブロック183が上方からのボルトのねじ込みにて着脱可能に締結されているから、オイルフィルタ116の取り付け・取り外しを簡単に行える。このため、オイルフィルタ116の清掃や整備等のメンテナンス作業がし易いのである。
しかも、実施形態では、油路ブロック160の取り付け側と同じ側にある左ステップ10が、オイルフィルタ116の左側部を覆うカバー体155を備えているので、当該カバー体155にて、オイルフィルタ116の左側部や、オイルフィルタ116の近傍にある油路ブロック160を保護できる。このため、圃場の泥土等によってオイルフィルタ116及び油路ブロック160が汚れたり損傷したりするおそれを低減できるのである。
(5).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば本願発明はトラクタに限らず、田植機やコンバイン等の農作業機や、ホイルローダ等の特殊作業用車両にも適用可能である。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。