JP3693586B2 - 作業車の車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを装備した前部車体とギヤ式変速装置を装備した後部車体との間に、エンジン動力を断続する主クラッチと静油圧式無段変速装置とを介在させるとともに、前記静油圧式無段変速装置のケースブロックを、前部車体側と後部車体側とを連結する車体構成材に用いた農作業車や軽土木作業車などの作業車の車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように、前部車体側と後部車体側とを連結する車体構成材として静油圧式無段変速装置のケースブロック利用するフレームレス型の作業車、例えばフレームレス型のトラクタでは、前部車体側と後部車体側とに亘る前後に長い車体フレームに、エンジンや静油圧式無段変速装置を搭載するようにしたフレーム式のトラクタに比べて、部品点数の削減と組立工数の削減が可能であり、車体フレームを備えた型式のトラクタとは異なる利点を有した作業車として注目されてきている。
従来のフレームレス型のトラクタの車体構造は、例えば特開平11−91380号公報に示されているように、エンジンを装備する前部車体側とギヤ式変速装置を装備した後部車体との間に、エンジン動力を断続する主クラッチを内装したクラッチハウジングと、静油圧式無段変速装置を構成するケースブロックとのそれぞれが直列的に接続されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構造のものでは、静油圧式無段変速装置を構成するケースブロックを、前後の車体と連結するに際して、接続箇所が多く、接続面積も小さくて強度面での不利、及び、組み付け精度を出しにくい加工上の不利があった。
本発明の目的は、前部車体と後部車体とを連結する中間車体として、静油圧式無段変速装置を構成するケースブロックを有効に利用し、前後車体の接続を伴う組み付け作業を、所要の強度及び精度の確保と、その接続作業の容易化とを図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は次のとおりである。
〔請求項1にかかる発明〕
請求項1にかかる発明では、エンジンを装備した前部車体とギヤ式変速装置を装備した後部車体との間に、エンジン動力を断続する主クラッチと静油圧式無段変速装置とを介在させるとともに、前記静油圧式無段変速装置のケースブロックを、前部車体と後部車体とを連結する車体構成材に用いた作業車の車体構造において、
前記静油圧式無段変速装置のケースブロックは、その静油圧式無段変速装置のポンプ及びモータのケース壁を構成する変速ブロック部分と、その変速ブロック部分の上面よりも上縁が高くなる状態で一体に形成された大径椀状部とを備え、その大径椀状部に主クラッチの後部側を収容する主クラッチ後部側収容空間を形成し、
前記変速ブロック部分と前記大径椀状部との間に、ケース断面形状が漸次変化する傾斜壁部を形成するとともに、この傾斜壁部のケース壁内部側に連なる軸支用壁部を設けて、該軸支用壁部に、主クラッチ側から延出されたクラッチ側伝動軸と、ポンプ側から延出されるポンプ側回転軸及びモータ側から延出されるモータ側回転軸とを軸支してあり、
前記クラッチ側伝動軸の後端側を支承する軸受け部を、前記軸支用壁部と前記傾斜壁部との間に設けてある。
【0005】
上記のように構成した作業車の車体構造では、静油圧式無段変速装置のケースブロックが、その静油圧式無段変速装置のポンプ及びモータのケース壁を構成する変速ブロック部分の上面よりも上縁が高くなる状態に大径椀状部を一体に形成したものであるから、前部車体との連結面積が広くなり、連結強度の向上が望める。
また、ケースブロックが主クラッチの収納空間を有する大径椀状部を一体化したものであることで、クラッチハウジングとの連結箇所が省かれることになる連結箇所が一つ少なくなるので、この点でも連結強度の向上が望める。
そして、ケースブロックが前部車体と連結される箇所では、静油圧式無段変速装置のポンプへの入力用の回転軸ではなく、その回転軸の伝動ギヤにギヤ連動された伝動軸を介して主クラッチが連係されることになる。つまり、ケースブロックとは異なる前部車体側に固定された主クラッチとの連結に、組み付け精度の要求されるポンプへの入力軸ではなく、ギヤ伝動機構を介して多少の精度面での融通を持たせることが可能な伝動軸を連結するので、要求される組み付け精度面をある程度低減させられる有利さもある。
【0006】
【0007】
また上記のように、変速ブロック部分の上面から大径椀状部へとケース断面形状が変化する部分を備えることによって、ケースブロックに強度弱点部となる部位が生じるおそれがあるも、この断面形状の変化する傾斜壁部を含む状態でケース内部に軸支用壁部を形成したので、断面形状の変化による強度弱点部を補強して、ケースブロック自体の強度向上を図ることができる。
【0008】
請求項2にかかる発明〕
請求項2にかかる発明では、請求項1記載の作業車の車体構造において、前記軸支用壁部は、前記ポンプ側回転軸及びモータ側回転軸の前端側を支承する軸受け部を備えた第1隔壁部と、
前記第1隔壁部を貫いて前面側に延出されたポンプ側回転軸の軸端部に設けられた伝動ギヤの後側を支承する軸受け部と、前記クラッチ側伝動軸の後端側でその軸端部に設けられた伝動ギヤの後側を支承する軸受け部とを備えた第2隔壁部と両伝動ギヤの前側を支承する軸受け部を備えるとともに前記両伝動ギヤの配設空間を前記主クラッチ後部側空間と区画する第3隔壁部とで構成され、
かつ、第3隔壁部は、第2隔壁部に対して着脱可能な蓋部材によって構成されている、という構成上の特徴を有する。
【0009】
上記構成を採用したことにより、軸支用壁部を単なる一つの隔壁ではなく、第1,第2,第3の各隔壁部の組み合わせで構成でき、ケースブロックの断面形状変化部分をより広範囲に補強して、強度弱点部の発生を抑制している。
【0010】
請求項3にかかる発明〕
請求項3にかかる発明では、請求項1または2記載の作業車の車体構造において、前記クラッチ側伝動軸の軸芯の下方で、かつ左右方向の一方側に偏して前記ポンプ側回転軸の軸芯を配置し、前記モータ側回転軸の軸芯を前記ポンプ側回転軸の軸芯よりも下方で、かつ前記ポンプ側回転軸の軸芯に対して左右方向他方側に偏して位置するように配置してある、という構成上の特徴を有する。
【0011】
上記構成を採用したことにより、主クラッチ側から延出された伝動軸軸芯の鉛直下方にポンプ側の回転軸軸芯を配置する構造に比べ、両軸芯間の上下方向距離を僅かでも短縮し、かつ、主クラッチ側から延出された伝動軸軸芯に対してポンプ側の回転軸軸芯を左右方向の一方に寄せて位置させることができる。
その結果、ケースブロック全体として上下方向寸法を少しでも短縮することができ、かつ、ポンプ側の回転軸軸芯を左右方向の一方へ偏倚させたことで、油圧モータの軸芯の前記主クラッチ側から延出された伝動軸軸芯から他方側への偏倚量を少なくすることができ、全体として左右方向寸法を短縮する上で有効である。
さらに、前記ポンプ側の回転軸軸芯とモータ側の回転軸軸芯との関係では、油圧モータ側の回転軸の軸芯が、油圧ポンプP側の回転軸の軸芯よりも下方に配設されているので、水平横方向で併設される場合に比べて、左右方向での寸法を短縮することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔作業車の全体構成〕
図1に示すように、左右一対の駆動自在な前車輪1,1と後車輪2,2とが、前部車体3と後部車体4とに振り分け配置され、これらの前部車体3と後部車体4とが中間車体5で連結されることによってフレームレス型の作業車の一例である農用トラクタを構成してある。
前部車体3は、エンジンEと、そのエンジンE一体化された前フレーム3A上にエンジン周りを覆うボンネットを装備させた原動部3B、及び前車輪1を揺動させて操向操作するステアリングハンドル3Cを一体的に組み付けて構成している。
後部車体4は、前車輪1,1と後車輪2,2との夫々に対する走行用動力を伝える走行用ミッションケース6を備え、その上部に運転座席4Aを設置するとともに、後部側に、各種作業装置を昇降操作自在に連結するリフトアーム4B、連結した各種作業装置に対して動力伝達するための動力取出し軸4Cを備えさせてある。図1及び図2に示すように、前記走行用ミッションケース6は、中間車体5を構成するケースブロック10に前端側が連結されるミッションケース本体6aと、このミッションケース本体6aの後端側に前端側がボルト連結するデフケース部分6bとによって形成してある。
中間車体5は、前部車体3と後部車体4とに直結されることで、その前部車体3及び後部車体4とともにフレームレスの車体を構成するものであり、エンジンEの後部に位置するフライホイールハウジング部3Dの後部に対して前端側がボルト連結され、前記走行用ミッションケース6の前端部に対して後部がボルト連結されるケースブロック10によって構成されている。
このトラクタは、後部に耕耘装置を連結して乗用型耕耘機を構成するなど、各種の作業車を構成するものである。
【0013】
〔伝動系〕
前記左右一対の前フレーム3A,3Aによって支持される前輪伝動ケース7の中間部内に前輪用差動機構7Aを、前記デフケース部分6bの内部に後輪用差動機構7Bをそれぞれ設けるとともに、両差動機構7A,7Bに、図3に示す伝動構造によってエンジンEの回転出力を伝達して前後車輪1,2を駆動するように構成することにより、車体の自走を可能にしてある。
【0014】
すなわち、前記フライホイールハウジング部3Dの内部に位置するエンジン出力部材としてのフライホイール8の回動力を、そのフライホイール8の回動力が伝達される主クラッチ9と、主クラッチ9からの回動力を前端側がスプライン係合によって連結する伝動軸17とにより、入力用ギヤ18aと出力用ギヤ18bとで構成されるギヤ伝動機構18に伝達し、このギヤ伝動機構18の出力ギヤ18bの回動力を、静油圧式無段変速装置からなる走行用主変速装置20の入力用の回転軸22に伝達するようにしてある。
この走行用主変速装置20の出力用の回転軸23の回動力を、前記ミッションケース6の内部に位置する走行用副変速ミッション40の入力軸41にギヤ機構19を介して伝達し、この走行用副変速ミッション40の出力軸42の回動力を、この出力軸42の後端部に一体部品に形成した後輪用出力ギヤ43を介して後輪用差動機構7Bに、出力軸42の後端部に一体回転自在に取り付けた前輪用出力ギヤ44、この前輪用出力ギヤ44にギヤ機構を介して後端側が連動する前輪伝動軸7Cを介して前輪用差動機構7Aにそれぞれ伝達するようにしてある。
【0015】
前記走行用副変速ミッション40は、次のように構成してある。
前記入力軸41にカップリングによって一体回転自在に連結する伝動軸41aに、低速ギヤ45a、中速ギヤ45b、高速ギヤ45cを一体に設け、これらの各ギヤ45a、45b,45cのうち、低速ギヤ45aと、高速ギヤ45cとに対しては、前記出力軸42に相対回転自在に設けた低速用変速ギヤ46a、高速用変速ギヤ46cを常時咬合させている。
そして、低速用変速ギヤ46aと高速用変速ギヤ46cとは、その夫々のボス部外周に伝動用外歯ギヤを備えているとともに、低速用変速ギヤ46aと高速用変速ギヤ46cとの中間位置における出力軸42上に、スプライン係合によって一体回転及び摺動自在に支持され、かつ、その両端部に前記低速用変速ギヤ46aと高速用変速ギヤ46cとの夫々のボス部外周に形成された伝動用外歯ギヤに噛み合う内歯ギヤを形成したシフトギヤ46bを備えている。
したがって、このシフトギヤ46bを、軸芯方向での一側に操作して低速用変速ギヤ46aに係合する状態と、他側に操作して高速用変速ギヤ46cに係合する状態と、中央に位置させて伝動軸41a上の中速ギヤ45bに係合させる状態とに切換自在に構成して、走行用主変速装置20からの回動力を3段階に副変速して前後車輪1,2に伝達するようにしてある。
【0016】
前記動力取出し軸4Cは、前記走行用ミッションケース6の後部に回動自在に支持させてある。そして、この動力取出し軸4Cには、図3及び図6に示す如く、前記走行用主変速装置20の入力用の回転軸22の延長軸部分22aから、軸継手を介して前記走行用ミッションケース6の内部に位置する作業用ミッション50にエンジンEから動力伝達するように構成してある。
作業用ミッション50は、前記前記走行用主変速装置20の入力用の回転軸22の延長軸部分22aに軸継手を介して連結された入力軸51を入力軸とするとともに、圧油供給によって入り側に操作可能な多板式の作業クラッチ52、この作業クラッチ52の出力軸53にギヤ機構54を介して一端側が連結し、他端側がカップリングによって動力取出し軸4Cに一体回転可能に連結する回転軸55によって構成してある。つまり、エンジンEの回転出力を、走行用の主変速装置20や副変速ミッション40の変速操作にかかわらず速度変化しないように走行側とは分岐させて作業用ミッション50に伝達し、作業クラッチ52によって断接操作できるように動力取出し軸4Cに伝達する。
【0017】
〔ケースブロック〕
上記の伝動構造を内装した状態で前部車体3と後部車体4とを連結する中間車体5を構成する前記ケースブロック10は、次のように構成されている。
図4〜図8に示すように、走行用主変速装置20のケースブロック10は、油圧ポンプP及び油圧モータMのケース壁を構成する変速ブロック部分11と、その変速ブロック部分11の上面よりも上縁が高くなる状態で一体に形成した大径椀状部12とから構成してあり、その大径椀状部12の周縁に、エンジンEの後部に位置するフライホイールハウジング部3Dの後部に対して連結されるフランジ部が形成されているとともに、大径椀状部12の凹入内部に主クラッチ9を収容可能な収容空間S1を形成してある。
そして、走行用主変速装置20の油圧ポンプP及び油圧モータMのケース壁を構成する変速ブロック部分11の上面と、主クラッチ9の収容空間S1を備える大径椀状部12の上縁との間は、ケース断面形状が漸次変化するように傾斜壁部12Aが形成されており、この傾斜壁部12Aを含むケース内部に、主クラッチ9側から延出されたクラッチ側伝動軸17と、油圧ポンプP側から延出されるポンプ側回転軸22とを軸支する軸支用壁部13を設けてある。
【0018】
上記軸支用壁部13は、最も油圧ポンプP及び油圧モータMに近い位置の第1隔壁部14と、最も主クラッチ9に近い位置のる第3隔壁部16と、その中間に位置する第2隔壁部15とで構成されている。
前記第1隔壁部14は、走行用主変速装置20の油圧ポンプP及び油圧モータMの各回転軸22,23前端側を支承する軸受け部14a,14bを備え、前記第2隔壁部15は、前記第1隔壁部14を貫いて前面側に延出されたポンプ側の回転軸22の軸端部に設けられた伝動ギヤ18bの後側を支承する軸受け部15bと、主クラッチ9側から延出された伝動軸17の後端側でその軸端部に設けられた伝動ギヤ18aの後側を支承する軸受け部15aとを備えている。
そして第3隔壁部16は、前記両伝動ギヤ18a,18bの前側を支承する軸受け部16a,16bを備えるとともに、前記両伝動ギヤ18a,18bの配設用空間S2を主クラッチ9存在側の収容空間S1とは区画する蓋部材によって構成され、この蓋部材が、前記第2隔壁部15に対して連結ボルトを介して着脱可能に構成されている。
また、上記の第2隔壁部15が、油圧ポンプP及び油圧モータMのケース壁を構成する変速ブロック部分11の上面と、主クラッチ9の収容空間S1を備える大径椀状部12の、ケース断面形状が漸次変化するように傾斜壁部12Aが形成される部分との境界近くに設けられ、前記第1隔壁部14がそれよりも変速ブロック部分11側に形成され、第3隔壁部16が、第2隔壁部15よりも傾斜壁部12Aのより上方側に位置するように設けられている。
【0019】
前記第3隔壁16と第2隔壁15とで区画された伝動ギヤ18a,18bの配設用空間S2は、図5に示されるように、第2隔壁15に形成された連通孔15cを介して、第2隔壁15と第1隔壁14との間に形成される通路空間S3と連通接続されている。さらに、前記通路空間S3は、第1隔壁14の上部近くに形成されている開口14cを介して走行用主変速装置20が配設されている変速室空間S4と連通接続されている。
つまり、伝動ギヤ18a,18bの配設用空間S2と、通路空間S3と、変速室空間S4とは、互いに作動油の流通が可能な共通空間として構成され、かつ、作動油が供給されない主クラッチ9の収容空間S1とは非連通状態に遮断されている。
図6〜図8に示すように、前記変速ブロック部分11は、鋳鉄製のケース周壁21と、このケース周壁21の後端面側で、ケース周壁21の後端面に前記走行用ミッションケース本体6Aにボルト連結するように形成されたフランジ部11Aの接合面よりも内方側に位置させてボルト連結した鋳鉄製のポートブロック21Pとによってブロック状に形成してある。
このポートブロック21P部分は、図8に仮想線で示すように、ケースブロック10が走行用ミッションケース本体6Aと連結された状態では、走行用ミッションケース本体6Aの内部側に入り込むように構成されている。
【0020】
また、主クラッチ9側から延出された伝動軸17の軸芯P1に対して、油圧ポンプP側の回転軸22の軸芯P2は、その軸芯P1の下方で、かつ左右方向の一方側に偏して配置されており、油圧モータM側の回転軸23の軸芯P3は、前記油圧ポンプP側の回転軸22の軸芯P2よりも下方で、かつ油圧ポンプP側の回転軸22の軸芯P2に対して左右方向での他方側に偏して位置するように配設されている。
このような配置構成をとることで、軸芯P1の鉛直下方に軸芯P2を配置する構造に比べ、両軸芯P1,P2間の上下方向距離を僅かでも短縮し、かつ、軸芯P1に対して軸芯P2を左右方向の一方(この実施形態では、機体左方)に寄せて位置させることができる。
その結果、ケースブロック全体として上下方向寸法を少しでも短縮することができ、かつ、軸芯P2を左右方向の一方へ偏倚させたことで、油圧モータMの軸芯P3の前記軸芯P1から他方側への偏倚量を少なくすることができ、全体として左右方向寸法を短縮する上で有効である。
さらに、前記軸芯P2と軸芯P3との関係では、油圧モータM側の回転軸23の軸芯P3が、油圧ポンプP側の回転軸22の軸芯P2よりも下方に配設されているので、水平横方向で併設される場合に比べて、左右方向での寸法を短縮することができ、この点でもケースブロック10の小型化、軽量化に有効である。
【0021】
図4,5、及び図7に示す如く、ケースブロック10の最底部には、前後方向に貫通する貫通孔38が形成されており、この貫通孔38に前輪伝動軸7Cを挿通するように構成して、前輪伝動軸7Cの地上高を、大径椀状部12の下縁付近にまで引き上げてある。
【0022】
〔走行用主変速装置〕
前記走行用主変速装置20は、図4〜図8に示す如く前記入力軸22を駆動軸として駆動される可変容量形の油圧ポンプPと、この油圧ポンプPからの圧油によって駆動されるとともに前記出力用の回転軸23を出力軸とする定容量形の油圧モータMとを変速ブロック部分11の内部に設けることによって構成してある。
これにより、走行用主変速装置20は、主クラッチ9の後方近くに位置しており、そして、入力用の回転軸22に伝達されるエンジン出力を油圧ポンプPと油圧モータMとによって前進駆動力と後進駆動力とに変換して、かつ、前進側及び後進側のいずれにおいても無段階に変速して出力用の回転軸23から走行用副変速ミッション40に伝達するように走行用主変速装置20に構成してある。詳しくは、次の如く構成してある。
【0023】
変速ブロック部分11は、油圧ポンプPと油圧モータMとを作動油とともに収容する鋳鉄製のケース周壁21と、このケース周壁21の後端面に対してボルト連結した鋳鉄製のポートブロック21Pとによってブロック状に形成してある。
前記ケース周壁21は、その後端部に、後部車体4を構成する前記走行用ミッションケース本体6Aに対してボルト連結するためのフランジ部を形成してある。
前記ポートブロック21Pには、前記油圧ポンプPと油圧モータMとのそれぞれの出力側の回転軸22,23を回転自在に支承する軸受け部を設けると共に、油圧ポンプPと油圧モータMとの間における作動油の循環移動を行わせるための油路を形成してある。
【0024】
前記油圧ポンプPと油圧モータMとは、前記ケース周壁21の内側の油室によって構成される変速室空間S4に車体横方向に並べて収容してある。油圧ポンプPは、前記入力軸22のまわりに位置する複数本のプランジャ25を摺動自在に備えるシリンダブロック26が前記入力軸22によってこれの軸芯まわりで回転駆動されるように、かつ、入力軸22の一端側に外嵌するリング形の斜板27が変速ブロック部分11に対して揺動するようにアキシャル形プランジャポンプに構成してある。
油圧モータMは、前記出力用の回転軸23のまわりに位置する複数本のプランジャ28を摺動自在に備えるシリンダブロック29が前記出力用の回転軸23と一体に回転するように、シリンダブロック29が回転するに伴い、前記変速ブロック部分11の内部にケース周壁21との一体成型によって備えさせた斜板30の作用によってプランジャ28がシリンダブロック29に対して往復摺動するようにアキシャル形プランジャモータに構成してある。前記モータMの斜板30のカム面30aは、斜板30に付設のカムプレートによって形成してあるとともに、車体横外側に至るほど車体後方側に位置するように傾斜する傾斜面に形成してある。
【0025】
図6に示すように、油圧ポンプPの2個の吸排口31,31を車体横方向に並ぶ配置で前記ポートブロック21Pの内面側とこの内面側に固定の弁板32とにわたって形成し、油圧モータMの2個の吸排口33,33を、このモータ側吸排口33の並列方向の対車体方向がポンプ側吸排口31の並列方向の対車体方向とは相違するように車体上下方向に並ぶ配置で前記ポートブロック21Pの内面側とこの内面側に固定の弁板34とにわたって形成し、ポンプ側の一方の吸排口31とモータ側の一方の吸排口33とを油圧ポートブロック21Pに穿設した油路で接続し、ポンプ側の他方の吸排口31とモータ側の他方の吸排口33とを油圧ポートブロック21Pに穿設した別の油路で接続するように構成して、油圧ポンプPと油圧モータMとの間での圧油の循環駆動が行われるように構成してある。
【0026】
図6〜図11に示すように、前記変速ブロック部分11の油圧ポンプPが位置する方の横側面がわにケース周壁21との一体成型によって備えさせたシリンダ組付け部21bの組付け孔にシリンダ長手方向が車体上下方向に沿う組付け姿勢で組み込んだ油圧式サーボシリンダ61と、前記シリンダ組付け部21bの外面側にバルブ長手方向が車体上下方向に沿う組付け姿勢で取付けた油圧式サーボバルブ62とにより、油圧ポンプPの斜板角変更を行う操作部60を構成してある。
すなわち、図10及び図11に示すように、サーボバルブ62の操作レバー63は回転支軸64を介してバルブケース65に支持されている。この操作レバー63を回転支軸64の軸芯まわりで揺動操作すると、回転支軸64が操作レバー63と共に回転し、バルブケース65の内部において、回転支軸64から延出する操作部66が回転支軸64の軸芯まわりで揺動し、この操作部66をバルブ操作リンク67の一端側に係合させている連結ピン66aを介してバルブ操作リンク67をサーボシリンダ61に係合している他端側を揺動支点にして揺動操作する。
すると、バルブ操作リンク67の中間部をバルブスプール68に連結している連結ピン67aが中立位置から前記連結ピン66aの移動方向と同じ方向に移動してバルブスプール68を中立位置から駆動側に切り換え操作するため、サーボシリンダ61は圧油によって駆動され、図6に示す如くサーボシリンダ61から突出して斜板27に係合している操作ピン部61aによって斜板27を操作レバー63の操作方向に対応する前進側又は後進側で、増速側又は減速側に揺動操作する。サーボシリンダ61はバルブ操作リンク67を前記連結ピン66aを揺動支点にして揺動操作しながら斜板27を揺動操作し、斜板27の揺動変化した角度が操作レバー63の操作ストロークに比例する角度に達すると、前記連結ピン67aが中立位置に復帰してバルブスプール68を中立位置に戻し操作する。
これにより、斜板27の角度が操作レバー63の操作方向に対応する方向に操作レバー63の操作ストロークに比例する角度だけ変化すると、サーボバルブ62が自動的に中立状態に復帰し、サーボシリンダ61が停止して斜板27の揺動操作を停止する。
【0027】
〔油圧回路〕
上記走行用主変速装置20に対するチャージ圧供給用の油圧供給回路は次のように構成されている。
図12に示すように、エンジン動力を受けて駆動される圧油供給ポンプPOからの吐出油をレギュレータバルブV1を介して、パワーステアリング操作装置PS側の供給油路r1と、走行用主変速装置20のサーボシリンダ61及びPTOクラッチ52側の供給油路r2との二方向に分配供給するように構成してある。
つまり、圧油供給ポンプPOからは約150kg/cm2程度の圧油が吐出され、レギュレータバルブV1によって、パワーステアリング操作装置PS側へは約140kg/cm2、サーボシリンダ61側の流路へは約25kg/cm2と、夫々の作動装置の適正圧に分配圧を設定して圧油供給すべく構成されている。
走行用主変速装置20へのチャージ圧供給路r4へは、上記の各設定圧よりもさらに低圧(約10kg/cm2)が望ましく、且つ、その所要流量は一定しない傾向がある。
このため、圧油供給ポンプPO側から専用のチャージ圧を設定した供給路を設けようとすると、さらにレギュレータバルブや専用の油路が必要であるばかりでなく、極端な減圧を要するロスがある。
比較的設定圧としては近いサーボシリンダ系の供給油路r2から減圧してチャージ圧を取り出すことも考えられなくもないが、そのようにすると、もともとサーボシリンダ系の供給油路r2に供給される圧油の流量は少ないものである上に、サーボシリンダ系ではその作動のために確実に所要量が供給されないと動作が不安定となるため、チャージ時にサーボシリンダ系の作動油が減少してサーボシリンダ61やPTOクラッチ52の動作が不安定になるおそれがあって好ましくない。
【0028】
本発明では、比較的多くの流量が供給されるパワーステアリング操作装置PSが、その戻り油路r3では低圧にすることが可能であることに着目して、この戻り油路r3からチャージ圧を取り出せるように、その戻り油路r3にチャージ圧設定用のメインリリーフ弁RMを設け、このリリーフ圧の設定を上記の圧に合致するように設定することで、パワーステアリング操作装置PSからの戻り油を走行用主変速装置20のチャージ圧として利用できるようにしたものである。
つまり、パワーステアリング操作装置PSに対する供給油路r1供給側での圧力は、レギュレータバルブV1からの吐出圧(約140kg/cm2)が供給されるのであるが、パワーステアリング操作装置PS側での操作抵抗増などで回路圧が上昇したときは、前記吐出圧と同等のリリーフ圧を設定したステアリング操作圧設定用リリーフ弁RPを介して戻り油路r3に逃がすことができる。
パワーステアリング操作装置PSの操作弁V2が、図示のように中立位置(ステアリング操作されていない直進状態)にあるときは、前記供給油路r1の圧油は前記操作弁V2の中立ポートを経て戻り油路r3に流れ、その戻り油路r3に設けられたチャージ圧設定用のメインリリーフ弁RMでの設定圧(約10kg/cm2)になる。
【0029】
戻り油路r3から走行用主変速装置20の圧油循環路へのチャージ油の供給は、前記チャージ圧設定用のメインリリーフ弁RMよりも上手側の戻り油路r3から分岐させたチャージ圧供給路r4を介して行われるものである。
走行用主変速装置20には、前記チャージ圧設定用のメインリリーフ弁RMよりも高圧でリリーフ作動を行うチャージリリーフ弁RCが設けられているが、この走行用主変速装置20の圧油循環路においては、油圧ポンプ及び油圧モータMの回転方向との関係で圧油循環路うちの一方側(油圧ポンプP側から油圧モータM側)が高圧となり、他方側(油圧モータM側から油圧ポンプP側)が低圧となる。
前記チャージリリーフ弁RCは、前記高圧側流路と低圧側流路とを繋ぐ通油路に、通油方向を互いに逆に設定した一対のチャージリリーフ弁RCと、逆止弁との組で構成されるチャージ油導入弁機構が設けられており、チャージ圧供給路r4から供給される圧油は、走行用主変速装置20の圧油循環路の低圧側流路に繋がる逆止弁を通って圧油循環路に供給される。
油圧モータMに高負荷が作用するなどして、圧油循環路の高圧側流路が所定以上の高圧になると、その高圧側流路に連なる側のチャージリリーフ弁RCと、低圧側流路への通過を許す逆止弁とを通って高圧側から低圧側への圧油の短絡を可能にしてある。
前記戻り油路r3のチャージ圧設定用のメインリリーフ弁RMを通り過ぎた戻り油は、オイルクーラーOCで冷却された後、一部がレギュレータバルブV1側への補充油として、他が前記圧油供給ポンプOPの吸い込み口に供給される構成されており、運転中は戻り油を作動油タンクには帰還させずに循環使用するように構成されている。
上記のチャージ圧設定用のメインリリーフ弁RM、及びチャージリリーフ弁RCは、図6〜図9に示されているように、変速ブロック部分11の横側壁部に孔加工して横側壁と一体的に形成したバルブケース内に弁体及び付勢スプリングを装着して構成してあり、外部からネジ操作でバルブ付勢用のスプリング圧を変更することにより設定圧調節自在に構成されている。
尚、図12中、符号PSCはパワーステアリングシリンダ、F1,F2はフィルターである。
【0030】
〔変速操作機構〕
前記走行用主変速装置20は、運転部のデッキ69に設けられた変速ペダル装置71などを備える変速操作機構70によって変速操作されるように構成してある。
この変速操作機構70は、変速ペダル装置71の操作をサーボバルブ62の操作レバー63に伝えるものであって、図13及び図14に示す如く構成してある。
【0031】
すなわち、変速ペダル装置71は、図13に示す如く前方側に前進操作用踏面72aが、後端側に後進操作用踏面73aが互いに連係し合って動作するように、かつ、前進操作用踏面72aが爪先で後進操作用踏面73aが踵でそれぞれ踏み込み操作しやすいように前進操作用踏面72aが後進操作用踏面73aよりも横外側に偏位するように形成した前進用操作ペダル72と後進用操作ペダル73との、前後一対の操作ペダル72,73と、それらの操作ペダル72,73どうしを機械的に、かつ、長さ調節可能な状態で繋ぐターンバックルで構成された連係部材74とによって構成してある。
変速ペダル装置71の前進用操作ペダル72は、車体側面視では走行用主変速装置20が前進用操作ペダル72の揺動支点72bよりも車体前方に位置する状態で変速ペダル装置71の前進操作部72aと走行用主変速装置20の後端側とが車体前後方向に重なる位置関係に配置し、車体側面に設けた前記揺動支点としての軸芯72bまわりで揺動するように支持させてある。
前進用操作ペダル72の前記揺動支点72bを挟んで前進操作用踏面72aとは反対側の操作アーム部72cには、ターンバックルで構成された長さ調節自在な操作部材75を介して、前記ケースブロック10の横側面に設けられた前記サーボバルブ62の操作レバー63が連動連結されている。これによって、前進用操作ペダル72と操作レバー63とを、ペダル操作に基づいてサーボバルブ62が作動するように連係されている。
変速ペダル装置71の後進用操作ペダル73は、車体側面視では前進用操作ペダル72よりも機体後方側に設けた揺動支点73b周りで揺動自在に装着してあり、前記揺動支点73bを挟んで後進操作用踏面73aとは反対側の操作アーム部73cが、前記連係部材74を介して前進用操作ペダル72の操作アーム部72cに連結されている。これによって、後進用操作ペダル73も操作レバー63と連動連結され、ペダル操作に基づいてサーボバルブ62が作動するように連係されている。
【0032】
後進用操作ペダル73の揺動支点73bは、走行用トランスミッションケース6を左右方向で貫通する軸体76によって構成されたものであり、後進用操作ペダル73と軸体76とは、互いに一体回動自在に連係されている。
そして、前記変速ペダル装置71及びサーボバルブ62が設けられた側とは反対側の走行用トランスミッション6の横側面には、前記貫通させた軸体76と関連させて、走行用油圧変速装置20に対する中立復帰機構80及び、変速ペダル装置71を人為的に一定踏み込み状態に維持する所謂クルーズ装置90が設けられている。
【0033】
図14に示されているように、中立復帰機構80は、前記軸体76の貫通端部に一体回動自在に取り付けられた二叉状の揺動部材81と、その揺動部材81に対して相対回動自在に連係されたロッド82と、そのロッド82の端部に対して相対回動自在に連係されたカム体83と、カム体83に対して押し付け付勢されるカムローラー84を備えたカムフォロワ85と、カムフォロワ85をカム体83に対して押し付け付勢する付勢具86とで構成されている。
前記カム体83は、走行用トランスミッション6の側面に設けられた枢支軸87周りで揺動自在に枢着されたものであり、揺動方向での中間部に凹入部を有したカム面83aを備えた扇状カム83Aと、その扇状カム83Aと一体揺動自在に前記枢支軸87に枢着された揺動リンク83Bとで構成されており、揺動リンク83Bの遊端側が前記ロッド82と連結されて、揺動部材81の揺動に伴ってカム体83が枢支軸87周りで揺動操作されるように構成されている。
前記カムフォロワ85は、走行用トランスミッション6の側面に設けられた枢支軸88周りで揺動自在に枢着された揺動杆の長さ方向中間部にカムローラー84を支軸84a周りで回転自在に装着して構成されている。
前記付勢具86は、前記カムフォロワ85の遊端部に一端側を係止し、他端側を走行用トランスミッションの横側面に固定したコイルスプリングによって構成され、カムローラー84をカム体83のカム面83a側へ押しつけ付勢して、走行用主変速装置20が中立に操作されていると、カム体83がそのカム面83aに形成されている凹入部にカムローラー84を位置させた状態で安定位置するように構成されている。
図中、符号89はダンパーであり、カムフォロワ85に一端側を連結され、多端側が走行用トランスミッションの横側面に回動自在に枢着されている。これによって、走行用主変速装置20の斜板27から操作レバー63や変速ペダル装置71に振動が伝わっても、ダンパー89がカムフォロワ85に減衰作用することによって変速ペダル装置71及び操作レバー63の振動を減衰させる。さらに、カムフォロワ85及びこれに連なる各連係手段を介して変速ペダル装置71に操作抵抗を与え、変速ペダル装置71が急速に操作されることを防止する。
【0034】
つまり、変速ペダル装置71の前進操作用踏面72aを中立位置から踏み込み操作すると、この操作力が変速操作機構70によって操作レバー63に伝わるため、操作レバー63が車体前方側に揺動してサーボバルブ62が前進側に切り換わり、走行用主変速装置20が中立状態から前進側に切り換わる。これによって車体が前進走行する。
前進操作用踏面72aをさらに踏み込んでいくと、操作レバー63の車体前方側への揺動スロトークが大になってサーボシリンダ61による斜板変更角が大になっていき、走行用主変速装置20が高速側に変速していく。これによって車体前進速度が速くなっていく。
変速ペダル装置71の後進操作用踏面73aを中立位置から踏み込み操作すると、この操作力が連動機構77によって操作レバー63に伝わるため、操作レバー63が車体後方側に揺動してサーボバルブ62が後進側に切り換わり、走行用主変速装置20が中立状態から後進側に切り換わる。これによって車体が後進走行する。
後進操作用踏面73aをさらに踏み込んでいくと、操作レバー63の車体後方側への揺動スロトークが大になってサーボシリンダ61による斜板変更角が大になっていき、走行用主変速装置20が高速側に変速していく。これによって車体後進速度が速くなっていく。
前後進時いずれの場合も、変速ペダル装置71に対する踏み込み操作を解除すると、中立復帰機構80による中立復元作用のために、変速ペダル装置71も操作レバー63も自動的に中立位置の方に作動していき、走行用主変速装置20が減速側に変速していく。これによって車体走行速度が遅くなっていく。最後には、変速ペダル装置71も操作レバー63も中立位置に復元し、走行用主変速装置20が中立状態に戻る。これによって車体走行が停止する。
このとき、ダンパー89による減衰作用と、中立復帰機構80による位置決め作用とのために、操作レバー63も変速ペダル装置71も中立位置に安定的に保持される。
【0035】
前記クルーズ装置90は次のように構成されている。
走行用トランスミッション6を貫通した軸体76に取り付けられた二叉状の揺動部材81の、前記ロッド82が連結された側とは別の部位に、棒状の連係ロッド91が設けてあり、この連係ロッド91の先に、一般的な揺動操作具と、その揺動位置を摩擦固定状態と、固定解除状態とに切換操作可能に構成された周知の位置保持装置92が設けてあり、この位置保持装置92及び連係ロッド91によってクルーズ装置90が構成されている。
これによって、位置保持装置92が備えている揺動操作具での揺動操作に伴って連係ロッド91を押し引きし、その位置で摩擦固定することで、これに連係されているサーボシリンダ61の位置を維持可能に構成したものである。
【0036】
〔別実施形態〕
走行用主変速装置20における油圧ポンプPと油圧モータMとの配置関係は、実施の形態で示したように、油圧モータMが油圧ポンプPよりも下方であるものに限らず、両者がほぼ同レベルに位置する状態に配置するものであっても良い。
変速ペダル装置71としては、実施の形態で示したような前後一対の操作ペダル72,73で構成されるものに限らず、前部と後部とのそれぞれに踏面を有した一つの操作ベダルで構成したものでもよい。
チャージ圧設定用のメインリリーフ弁RM、及びチャージ用リリーフ弁RCは、変速ブロック部分11の横側壁部に対して着脱自在に構成しても良い。
【0037】
【発明の効果】
本発明の作業車の車体構造では、静油圧式無段変速装置のポンプ及びモータのケース壁を構成する変速ブロック部分に対して、主クラッチの収納空間を有する大径椀状部を一体化したものであるから、前部車体に対する連結箇所の接触面積が大きくなることと、別途クラッチハウジングを連結する場合に比べて連結箇所が一つ少なくなることとの相乗で、連結強度の向上と、連結工数の削減を図り得る利点がある。
また、ケースブロックが前部車体と連結される箇所では、ケースに固設の軸受け近くでポンプ入力軸を嵌合連結するような、きわめて高い精度での接続が行われるのではなく、伝動軸と主クラッチ構成部材との動力伝達という、組み付け精度的には比較的融通のきく接続を行うことができ、組み付け加工面での簡便さを期待できる。
【0038】
さらに、このケースブロックの強度弱点部となるおそれがあるところの、断面形状の変化する傾斜壁部を含む状態でケース内部に軸支用壁部が形成されることで、ケースブロック自体の強度向上を図るという効果を得ることができた。
【0039】
請求項2にかかる発明では、請求項1にかかる発明が備える効果に加えて、軸支用壁部を単なる一つの隔壁ではなく、第1,第2,第3の各隔壁部の組み合わせで構成でき、ケースブロックの断面形状変化部分をより広範囲に補強して、より一層のケースブロックの強度向上を図り得る効果がある。
【0040】
請求項3にかかる発明では、主クラッチ側から延出された伝動軸軸芯の鉛直下方にポンプ側の回転軸軸芯を配置する構造に比べ、ケースブロック全体として上下方向寸法を少しでも短縮することができ、かつ、ポンプ側の回転軸軸芯を左右方向の一方へ偏倚させたことで、油圧モータの軸芯の前記主クラッチ側から延出された伝動軸軸芯から他方側への偏倚量を少なくすることができ、全体として左右方向寸法を短縮する上で有効である。
さらに、前記ポンプ側の回転軸軸芯とモータ側の回転軸軸芯との関係では、油圧モータ側の回転軸の軸芯が、油圧ポンプP側の回転軸の軸芯よりも下方に配設されているので、水平横方向で併設される場合に比べて、左右方向での寸法を短縮することができ、この点でもケースブロックの小型化、軽量化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 農用トラクタの全体側面図
【図2】 車体構成材の外形を示す側面図
【図3】 動力伝達系を示す概略図
【図4】 ケースブロック部分の上下方向断面図
【図5】 ケースブロック部分の正面図
【図6】 ケースブロック部分の水平方向断面図
【図7】 ケースブロック部分の背面図
【図8】 ケースブロック部分の側面図
【図9】 チャージバルブ箇所の部分断面図であり、(イ)がチャージ圧設定用のメインリリーフ弁、(ロ)がチャージリリーフ弁を示す。
【図10】 サーボバルブ操作部の断面図
【図11】 サーボバルブの断面図
【図12】 油圧回路図
【図13】 変速ペダルと変速操作機構の側面図
【図14】 中立復帰機構およびクルーズ装置を示す側面図
【符号の説明】
3 前部車体
4 後部車体
5 中間車体
6 走行用ミッションケース
9 主クラッチ
10 ケースブロック
11 変速ブロック部分
12 大径椀状部
12A 傾斜壁部
13 軸支用壁部
14 第1隔壁部
15 第2隔壁部
16 第3隔壁部
20 静油圧式無段変速装置
70 変速操作機構
71 変速ペダル装置
80 中立復帰機構
90 クルーズ装置
P1 主クラッチからの伝動軸の軸芯
P2 油圧ポンプ側の軸芯
P3 油圧モータ側の軸芯

Claims (3)

  1. エンジンを装備した前部車体とギヤ式変速装置を装備した後部車体との間に、エンジン動力を断続する主クラッチと静油圧式無段変速装置とを介在させるとともに、前記静油圧式無段変速装置のケースブロックを、前部車体と後部車体とを連結する車体構成材に用いた作業車の車体構造であって、
    前記静油圧式無段変速装置のケースブロックは、その静油圧式無段変速装置のポンプ及びモータのケース壁を構成する変速ブロック部分と、その変速ブロック部分の上面よりも上縁が高くなる状態で一体に形成された大径椀状部とを備え、その大径椀状部に主クラッチの後部側を収容する主クラッチ後部側収容空間を形成し、
    前記変速ブロック部分と前記大径椀状部との間に、ケース断面形状が漸次変化する傾斜壁部を形成するとともに、この傾斜壁部のケース壁内部側に連なる軸支用壁部を設けて、該軸支用壁部に、主クラッチ側から延出されたクラッチ側伝動軸と、ポンプ側から延出されるポンプ側回転軸及びモータ側から延出されるモータ側回転軸とを軸支してあり、
    前記クラッチ側伝動軸の後端側を支承する軸受け部(15a)を、前記軸支用壁部と前記傾斜壁部との間に設けてある作業車の車体構造。
  2. 前記軸支用壁部は、前記ポンプ側回転軸及びモータ側回転軸の前端側を支承する軸受け部(14a)(14b)を備えた第1隔壁部と、
    前記第1隔壁部を貫いて前面側に延出されたポンプ側回転軸の軸端部に設けられた伝動ギヤの後側を支承する軸受け部(15b)と、前記クラッチ側伝動軸の後端側でその軸端部に設けられた伝動ギヤの後側を支承する軸受け部(15a)とを備えた第2隔壁部と両伝動ギヤの前側を支承する軸受け部(16a)(16b)を備えるとともに前記両伝動ギヤの配設空間を前記主クラッチ後部側空間と区画する第3隔壁部とで構成され、
    かつ、第3隔壁部は、第2隔壁部に対して着脱可能な蓋部材によって構成されている請求項1記載の作業車の車体構造。
  3. 前記クラッチ側伝動軸の軸芯の下方で、かつ左右方向の一方側に偏して前記ポンプ側回転軸の軸芯を配置し、前記モータ側回転軸の軸芯を前記ポンプ側回転軸の軸芯よりも下方で、かつ前記ポンプ側回転軸の軸芯に対して左右方向他方側に偏して位置するように配置してある請求項1または2記載の作業車の車体構造。
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