JP4282024B2 - 作業車輌用トランスミッション - Google Patents
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Description
前記各公報に記載のトランスミッションは、PTO系入力軸及び走行系入力軸を上下方向に並設して、ミッションケース内の上方及び下方に、それぞれ、作業装置系伝動経路及び走行系伝動経路を極力かためて配設することによって、トランスミッションの小型化を図っている。
詳しくは、前記エンジン10aから出力された動力は、フライホイール10bの回転中心部に付設した弾性継ぎ手(図示せず)から、その両端部に自在継手を有する後下方へ傾斜した伝動軸10cを介して、HST20の入力軸21aに導入される。
さらに、前記シャーシ101の前方部上方には、前記エンジン10aや該エンジン10aに関連するラジエータ及び燃料タンクが搭載されており、これらの部品はボンネットで覆われている。
なお、斯かる前輪動力伝達機構を介して、前車輪は後車輪180と同期した回転動力で駆動される。
前記シート102は、ミッションケース60の後方上面と後述のバルブユニット410の前面とに亘って架設されたマウントステー10g上に取り付けられる。
詳しくは、該HST20は、前記モータ軸22aの回転出力をコントロールする出力制御アーム25を有している。該出力制御アーム25aは、シャーシ101に設置された右ステップ(図示せず)上に配設された前後進走行ペダル(図示せず)に作動的に連結されている。
より詳しくは、該収納スペースは、図5に示すように、詳細は後述する前記走行系入力軸34を基準としてミッションケースの幅方向一方側に変位されている。
より詳しくは、図2,図3及び図6に良く示されるように、前記PTO系入力軸31は、ミッションケース60の幅方向略中央において、回転軸線が前後方向に沿って配設されるように、前端部が前記前蓋部62によって前記ポンプ軸と連結可能に支持され且つ後端部が前記前支持壁61aによって終焉支持されている。
前記後支持壁61bは、前記リアPTO軸32の前端部を支持するようになっている。即ち、前記リアPTO軸32は、前記後支持壁61bと前記後蓋部63とによって支持されている。
より詳しくは、前記リアPTO軸32は、ミッションケースの幅方向略中央において、回転軸線が前後方向に沿い且つ後端部が前記後蓋部63から後方へ突出するように、前記後支持壁61bと前記後蓋部63とによって支持されている。
なお、本実施の形態においては、本体部61の前方開口を閉塞する前蓋部62を備えるように構成したが、これに代えて、本体部61の前方開口をセンターセクション23で閉塞するように構成することも可能である。
なお、該ミッドPTO軸33と作動的に連結される第1作業装置112の入力軸112(図1参照)は、車高の上昇を極力防止しつつ、シャーシ101との干渉を避ける為に、幅方向中央から何れか一方へ変位されるのが好ましい。本実施の形態においては、前述のように、ミッションケース60の幅方向一方側の下方にディファレンシャルギア装置150が収容される。従って、該ディファレンシャルギア装置150が変位された側とは反対側の幅方向他方側に前記第1作業装置112の入力軸112を変位させると共に、前記ミッドPTO軸33も幅方向他方側に変位させるのが好ましい。このように構成することによって、車高の上昇を抑えつつ、且つ、ディファレンシャルギア装置150との干渉を防止すると共に、ミッドPTO軸33と第1作業装置112の入力軸112とを連結する伝動機構を簡略化させることができる。
即ち、第1作業装置112は地面上に載置される作業状態と地面から上方へ昇降される待機状態とをとり得るように構成されている。その為、該第1作業装置112と前記ミッドPTO軸33とは自在継手を備えた伝動機構によって連結される。斯かる場合、前記ミッドPTO軸33をできるだけ地面に近接配置すれば、前記第1作業装置112を作業状態にした場合における,前記自在継手のミッドPTO軸33に対する折れ角度を小さくでき、これにより、該自在継手を備えた伝動機構を無理なく構成することが可能となる。
なお、該PTO系伝動軸41は、前記ミッドPTO軸33及びリアPTO軸32に対する駆動軸となるものである。前述のように、ミッドPTO軸33はミッションケース60の下方に配設されており、他方、リアPTO軸32はミッションケース60の上方に配設されている。従って、本実施の形態においては、図6に示すように、前記PTO系伝動軸41からミッドPTO軸33及びリアPTO軸32の双方への動力伝達を効率良く且つ簡単な構成で行えるように、該PTO系伝動軸41を前記PTO系入力軸31より下方に配設している。
具体的には、該PTOクラッチ装置70は、前記PTO系入力軸31に相対回転不能且つ軸方向摺動不能に支持された駆動側部材71と、該駆動側部材71に支持された駆動側摩擦板72と、前記PTO系入力軸31に相対回転自在に支持された従動側部材73と、該従動側部材73に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された従動側摩擦板74と、油圧の作用を受けて、前記従動側摩擦板74と前記駆動側摩擦板72とを摩擦係合させるクラッチ押動部材75と、該クラッチ押動部材75を前記駆動側摩擦板72及び従動側摩擦板74から離間させるクラッチ付勢部材76と、前記従動側部材73と噛合するように前記PTO系伝動軸41の前端部に相対回転不能に支持されたPTO伝動ギア列77とを備えている。
斯かる構成の該PTOクラッチ装置70は、油圧の作用によって前記クラッチ押動部材75が前記両摩擦板72,74を摩擦係合させた場合にはPTO系入力軸31から従動側部材73を介してPTO系伝動軸41に動力を伝達するメインPTOギアトレーンとして機能し、且つ、油圧の作用を受けない場合にはPTO系入力軸31から従動側部材73への動力伝達を遮断する遮断部材として機能する。
具体的には、該ミッドPTO伝動ギア列43は、前記リアPTO用ギア部材42aと向き合うように前記PTO系伝動軸41に相対回転自在に支持されたミッドPTO用ギア部材43aと、該ギア部材43aと噛合するアイドルギア43bと、該アイドルギア43bと噛合するように前記ミッドPTO軸33の後端部に相対回転不能に支持された最終ギア43cとを備えている。
詳しくは、前記リアPTO用ギア部材42a及びミッドPTO用ギア部材43aは、それぞれ、互いに対向するように配設された係合子42a',43a'を有している。
そして、該切換装置45は、前記リアPTO用ギア部材42a及びミッドPTO用ギア部材43aの係合子42a',43a'間に位置するように前記PTO系伝動軸41に相対回転不能に支持されたスプラインハブ45aと、該スプラインハブ45aと前記リアPTO用ギア部材42a及び/又はミッドPTO用ギア部材43aの係合子42a',43a'とに跨るように、スプラインハブ45aに軸方向摺動自在且つ相対回転不能に外挿されたクラッチシフター45bと、該クラッチシフター45bを操作するアーム45c(図7参照)とを備えている。
前記走行系伝動軸51は、ミッションケース60の幅方向一方側に収容される前記ディファレンシャルギア装置150の前方に配設されている。即ち、該走行系伝動軸51は、ミッションケース60の幅方向略中央に配設される前記走行系入力軸34を基準にして、前記ディファレンシャルギア装置150が変位されたと同方向のミッションケース幅方向一方側に変位されている。
具体的には、該前輪動力取出装置は、前端部が前記ミッションケース60から前方へ延在するように該ミッションケース60の幅方向一方側下方に支持された前輪駆動力取出軸53aと、前記走行系伝動軸51と該前輪駆動力取出軸53aとを連結するクラッチ付のギアトレイン53bとを備えている。
具体的には、該走行ブレーキ装置200は、図3,図5及び図8に示すように、車輌幅方向に沿うように前記ミッションケース60内に支持されたブレーキ軸201と、前記変速軸51の後端部に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギア202と、該駆動側ベベルギア202と噛合するように前記ブレーキ軸201に相対回転不能に支持された従動側ベベルギア203と、前記リングギア151と噛合するように、前記ブレーキ軸201に設けられた出力ギア204と、外部操作に基づき、前記ブレーキ軸の回転を停止させるブレーキ機構210とを備えている。
図10に示すように、前記ブレーキ機構210は、前記ブレーキ軸201に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された駆動側摩擦板211と、該駆動側摩擦板211と対向するように前記ミッションケース60に相対回転不能に支持された従動側摩擦板212と、前記駆動側摩擦板211と向き合う押動面213aを有し、前記ブレーキ軸201の軸線回りに相対回転自在且つ軸方向移動可能に支持されたリング状押動部材213と、該押動部材213の前記押動面213aとは反対側の裏面213bに形成されたカム溝であって、該押動部材231の周方向一方側に行くに従って深くなるように形成された傾斜カム溝213cと、該傾斜カム溝213c内に配設されるボール214と、該ボール214を移動不能に保持するように、前記押動部材213の裏面213bと対向するブレーキ蓋の内面に形成されたボール保持凹部215と、内方端部が前記押動部材213にカムを介して連結され且つ外方端部が前記ミッションケース60の外方へ延在された連結アームであって、軸線回りの回転によって前記押動部材213を周方向に回転させる連結アーム216と、該連結アーム216の外方端部に連結された前記ブレーキペダル205(図1参照)の操作部材であって、該連結アーム216を軸線回りに回転させる操作部材217とを備えている。
該デフロック機構250は、リングギア151の回転に連動して一対の駆動軸180回りに公転すると共に、該一対の駆動軸180のそれぞれに相対回転不能に支持された一対のサイドベベルギア152と噛合するように枢支軸153に相対回転自在に支持されたベベルギア154の該枢支軸153回りの回転を強制的にロックし得るように構成されている(図5参照)。
そして、前記デフロックフォーク軸252への操作力を解除すると、圧縮している前記第2戻しバネ254bの付勢力によって、デフロックフォーク253及びデフロックフォーク軸252が軸線方向他方側(解除方向)へ戻され、これにより、前記ロック部材251が解除位置へ移動させられる。
即ち、前記走行ブレーキ装置200は、前述の通り、ディファレンシャルギア装置の前段側に配設されたブレーキ軸201に対して制動力を掛けるようになっている。従って、ディファレンシャルギア装置150をロックさせずにブレーキ装置200を作動させると、一対の駆動輪180のそれぞれに掛かる負荷の相違によって該一対の駆動軸180間に“停止時間のずれ”が生じる恐れがある。斯かる“ずれ”は、一方の駆動輪が停止しているにも拘わらず、他方の駆動輪が回転し続けることを意味し、停止時に車輌が横方向にスライドしてしまう。その為、走行ブレーキ装置200を作動させる際には、ディファレンシャルギア装置150をロックさせる必要がある。
前記第1長孔305は、前記揺動部材302が前記デフロックフォーク軸252を押動させる揺動方向一方側の端部305aと該揺動部材302が前記デフロックフォーク軸252から離間する揺動方向他方側の端部305bとの間に延びている。
同様に、前記第2長孔306も、前記揺動部材302の揺動方向一方側の端部306aと他方側の端部306bとの間に延びている。
従って、前記ブレーキ装置200が作動して、前記連結部材304が揺動部材302の方向へ移動すると、該揺動部材302が揺動方向一方側へ揺動して、前記デフロックフォーク軸252を移動させるようになっている(図10(b)参照)。
即ち、PTO系入力軸31及び走行系入力軸34を、ミッションケース60の幅方向略中央において上下に振り分けると共に、前記PTO系入力軸31の後段に続くPTO系伝動機構40を該PTO系入力軸31を基準としてミッションケース60の幅方向他方側に集約し且つ前記走行系入力軸34の後段に続く走行系伝動機構50を該走行系入力軸34を基準としてミッションケース60の幅方向一方側及び下方側に集約したので、ミッションケース60の前後幅及び上下幅を有効に圧縮させつつ、ミッションケース内における前記走行系伝動機構50の上部空間を他の部材の収納スペースとして確保することができる。
なお、該他の部材の収納スペースには、例えば、後述する油圧リフト装置400のシリンダーチューブ401等を収納させることができる。
即ち、一般的に、前記PTO系伝動軸41からリアPTO軸32へは減速して駆動力を伝達する必要がある。仮に、PTO系伝動軸41に支持されたリアPTO用ギア部材42aとリアPTO軸32に支持された最終ギア42eとを直接噛合させたとすると、前記リアPTO用ギア部材42aのピッチ円半径を大きくしなければならず、前記PTO系伝動軸41とリアPTO軸32との間の軸間距離が長くなり、結果的に、ミッションケース60の拡大を招くことになる。
前記トランスミッション30においては、前記空きスペースに、前記アイドルギア42b及び中間軸42cを配設しており、これにより、PTO系伝動軸41からリアPTO軸32への減速伝達を行いつつ、ミッションケース60の拡大を有効に防止している。
まず、前記シリンダーチューブ401の上下方向位置について検討すると、該シリンダーチューブ401は、前記PTO系入力軸31(又はポンプ軸21a)より上方に配設されており、これにより、前記PTO系伝動機構40との干渉を防止している。なお、シリンダーチューブ401がPTO系入力軸31より上方に配設されている態様には、該シリンダーチューブ401がミッションケース60内の上方位置に配設される場合と、ミッションケース60の上面に配設される場合とが含まれる。
本実施の形態においては、図4に良く示されるように、前記支軸404の両端部がそれぞれ前記ミッションケース60の両側壁から外方へ延在するように、該支軸404をミッションケース60に支持させ、該両端延在部に前記一対のリフトアーム406のそれぞれを連結させている。
さらに好ましくは、前記第2膨出部61bと前記前蓋部62とによって画される前記閉塞空間内に、前記ギアトレイン431の一部を収納させることができる。
図12は前記油圧リフト装置400及びバルブユニット410部分の油圧回路図であり、図13は前記センターセクション及びPTOクラッチ装置部分の油圧回路図である。又、図14は前記センターセクションの縦断正面図である。
そして、補助ポンプ420の吐出ポート420bから吐出された圧油は、配管502(図2参照)を介して、該補助ポンプ420と車輌幅方向に沿って並設されたバルブユニット410に供給される。
該作動油ライン415には、共に外部操作可能とされた昇降切換弁416及びストップバルブ417が介挿されている。前記ストップバルブ417には、前記リフトアーム406の急激な下降を防止する為のスローリターン弁418が備えられている。
又、図4,図5及び図12中の符号419は、前記昇降切換弁416を介して流出されるドレイン油をミッションケース60内に戻す為のドレインラインである。
なお、前記PTOライン602は、前記ミッションケース60の本体部61に穿設されたクラッチライン611及びブレーキライン612を介して、それぞれ、PTOクラッチ装置70のクラッチ押動部材75及びPTOブレーキ機構80のブレーキ押動部材83に作用し得るようになっている(図5及び図9参照)。
なお、図5及び図9中の符号609は、前記切換弁604を介して流出されるドレイン油をミッションケース60内に戻す為のドレインラインである。
図15に示すように、該ミッションケース前蓋部62には、基端側が配管を介して前記HSTライン603に連通され且つ先端側が前記ラインフィルター68の吸入ポート68aに連通されたフィルター吸入ライン62aと、基端側が前記ラインフィルター68の吐出ポート68bに連通され且つ先端側が前記センターセクション23に連通されたフィルター吐出ライン62bとを有している。
なお、図14中の符号23lは、HSTケーシング24内とミッションケーシング60内とを連通するドレン孔であり、HSTケーシング24内のオーバーフロー油をミッションケーシング60内に戻す為に備えられている。
20 HST
21a ポンプ軸
22a モータ軸
30 トランスミッション
31 PTO系入力軸
34 走行系入力軸
40 PTO系伝動機構
41 PTO系伝動軸
50 走行系伝動機構
51 変速軸(走行系伝動軸)
60 ミッションケース
65 貯留油取出口
68 ラインフィルター
70 PTOクラッチ装置
410 バルブユニット
420 補助ポンプ
430 補助ポンプ伝動機構
Claims (2)
- 駆動源からの駆動力を作業装置及び駆動輪に分岐伝達する作業車輌用トランスミッションであって、
前記駆動源から車輌長手方向に離間配置され、内部に貯留された油を取り出す為の貯留油取出口が設けられたミッションケースと、
前記作業装置を操作する為の油圧装置に対する圧油給排制御を司るバルブユニットであって、前記ミッションケースの前部で且つ前記貯留油取出口より上方位置に支持されたバルブユニットと、
前記バルブユニットに圧油を供給する補助ポンプであって、前記ミッションケースの前部で且つ前記貯留油取出口より上方位置に支持された補助ポンプと、
ポンプ軸及びモータ軸が車輌長手方向に沿い且つ前記ミッションケースの車輌幅方向略中央において上下に並設されるように前記ミッションケースの前面に支持されたHSTと、
前記ポンプ軸と同軸上において該ポンプ軸に連結されるように車輌幅方向略中央において前記ミッションケースに支持されたPTO系入力軸と、
前記モータ軸と同軸上において該モータ軸に連結されるように車輌幅方向略中央で且つ前記PTO系入力軸の下方において前記ミッションケースに支持された走行系入力軸と、
前記走行系入力軸の後段に続く走行系伝動軸を含む走行系伝動機構と、
前記PTO系入力軸の後段に続くPTO系伝動軸を含むPTO系伝動機構と、
前記PTO系入力軸から前記PTO系伝動軸への動力伝達をON/OFFするPTOクラッチ装置とを備え、
前記走行系伝動機構を前記ミッションケースの車輌幅方向一方側及び下方側に集約し、且つ、前記PTO系伝動機構を前記ミッションケースの車輌幅方向他方側に集約させ、
前記バルブユニット及び前記補助ポンプ本体を前記ミッションケースの前部上方における車輌幅方向一方側及び他方側に支持させ、
前記ミッションケースの車輌幅方向他方側で且つ前記PTO系伝動機構より上方に配設された補助ポンプ伝動機構を介して前記PTO系入力軸のうち前記PTOクラッチ装置より前方側から前記補助ポンプへ回転動力を伝達させ、
前記貯留油取出口を前記ミッションケースにおける車輌幅方向他方側の前部且つ下部に設け、
前記貯留油取出口と前記補助ポンプとを前記HSTの側方を通る外部配管によって流体接続させたことを特徴とする作業車輌用トランスミッション。 - 前記補助ポンプからの圧油は、ラインフィルターを介して前記HSTのチャージ油として利用され、
前記ラインフィルターは、前記HSTより下方位置で前記ミッションケースの前面に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車輌用トランスミッション。
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