JP4194832B2 - 車輌のフレーム構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝動機構を収容すると共に、車輌フレームの少なくとも一部を形成するように構成された車輌のフレーム構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
伝動機構を収容すると共に、車輌フレームの少なくとも一部を形成するように構成されたフレーム構造体は、従来から公知である。
【0003】
例えば、特許文献1には、フライホイールハウジング,中間ハウジング及び/又はミッションケースを車輌前後方向に沿って連結し、これらの連結体によって車輌フレームを形成することが開示されている。
さらに、斯かるタイプのフレーム構造体は、その内部空間の一部又は全部が油の貯留タンクとしても利用可能となっている。
【0004】
しかしながら、従来のフレーム構造体は、下記点において不十分であった。
即ち、貯留タンク内に貯留される油は、車輌に備えられる種々の油圧機構の作動油として利用される。従って、フレーム構造体を貯留タンクとしても兼用する場合には、該フレーム構造体内に十分な量の油を貯留して、前記油圧機構に対して油切れを生じさせないようする必要がある。
【0005】
詳しくは、フレーム構造体は、車輌フレームの一部を構成するものであるから、車輌の姿勢がそのままフレーム構造体の姿勢となる。即ち、坂道を走行中の場合等のように車輌が傾斜姿勢をとる場合には、フレーム構造体も同様に傾斜姿勢をとることになる。斯かる傾斜姿勢においては、フレーム構造体の貯留油の油面が変動するから、貯留油量が少ない場合には前記油圧機構に対して油切れが生じる危険性が高くなる。従って、フレーム構造体を貯留タンクとしても兼用する場合には、該フレーム構造体内に十分な量の油を貯留する必要がある。
【0006】
その一方、前記フレーム構造体の内部に貯留される油は、該フレーム構造体内に収容される種々の伝動機構に対する撹拌抵抗となり得る。即ち、フレーム構造体内には、伝動ギヤや伝動軸等の種々の伝動機構が収容される。従って、該フレーム構造体の内部に多量の油を貯留すると、前記伝動機構が貯留油内に浸ることになり、伝動機構の伝動効率を悪化させる恐れがある。
【0007】
このように、フレーム構造体を貯留タンクとしても兼用する場合には、油切れを生じさせないように十分な量の油を貯留させること、及び、収容される伝動機構に対して抵抗とならないように可及的に少量の油を貯留させること、という相反する要望が存在するが、前記従来のフレーム構造体は、斯かる点について十分な考慮がなされていなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−2267号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、車輌フレームを構成するように前方から後方に沿って連結されたフライホイールハウジング,中間ハウジング及びミッションケースを有し、内部空間の少なくとも一部が油を貯留し得る貯留空間とされたフレーム構造体であって、貯留油量を可及的に減らしつつ、且つ、油切れを有効に防止し得るフレーム構造体の提供を、一の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、車輌フレームを構成するように前方から後方に沿って連結されたフライホイールハウジング,中間ハウジング及びミッションケースを有し、内部空間の少なくとも一部が油を貯留し得る貯留空間とされたフレーム構造体であって、前記中間ハウジングと前記ミッションケースとの連結部分を両者の内部空間が油流通自在とするよう構成する一方、前記中間ハウジングと前記フライホイールハウジングとの連結部分を両者の内部空間が油密に区画されるよう構成することにより、前記フライホイールハウジング,前記中間ハウジング及び前記ミッションケースの内部空間は、フライホイールホイールが収容される乾室空間と前記貯留空間とに分離されており、前記ミッションケースは、前方側開口から後方側へ入り込んだ位置において車輌幅方向一方側へ膨出され、前方からフィルタが設置可能とされたフィルター収容部を形成する膨出部と、前記貯留空間のうち前記膨出部によって形成されるフィルタ収容部を該フィルター収容部以外の他の本体部分から分離する仕切壁とを有し、前記仕切壁は、前記ミッションケースの車輌幅方向一方側の側壁から幅方向略中央まで略水平に延びる水平部と前記水平部の自由端部から略下方へ延びる垂直部とを有し、前記垂直部の自由端部と前記ミッションケースの底壁の内周面との間に前記フィルター収容部と前記本体部分とを連通する連通口が設けられ、前記ミッションケースには、前記垂直部より車輌幅方向他方側において前後方向に延び、前端部が側面視において前記垂直部とオーバーラップするPTO伝動軸と、前記ミッショ ンケースの車輌幅方向他方側に連結されるミッドPTOケースと、前端部が前方へ突出した状態で車輌前後方向に沿うように前記ミッドPTOケースに支持されたミッドPTO軸と、前記PTO伝動軸から前記ミッドPTO軸へ回転動力を伝達するギヤ列であって、前記PTO軸及び前記ミッドPTO軸にそれぞれ支持される伝動ギヤを含むギヤ列とが設けられているフレーム構造体を提供する。
【0011】
好ましくは、前記中間ハウジングは底壁の後端部が下方に膨出された下方膨出部を有し、前記連通口の近傍に位置するようにオイルヒータが前記下方膨出部の前方側から着脱可能に設置される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施の形態に係るフレーム構造体が適用された作業車輌1の概略側面図であり、図2は該フレーム構造体の縦断側面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るフレーム構造体100は車輌フレームの少なくとも一部を構成している。
具体的には、該フレーム構造体100は、エンジン10に連結されるフライホイールハウジング110と、該フライホイールハウジング110に連結される中間ハウジング120と、該中間ハウジング120に連結されるミッションケース130とを備えている。
【0014】
図3及び図4に、それぞれ、前記フライホイールハウジング110の拡大縦断面図及び拡大横断平面図を示す。
図1〜図4に示すように、前記フライホイールハウジング110は、車輌前後方向一端部及び他端部に、それぞれ、第1開口110a及び第2開口110bを有し、中心軸線が前記エンジンのクランク軸11と略同心上に配された中空形状とされている。
前記第1開口110aは、エンジン10に作動的に連結されるフライホイール15が挿通可能な大きさとされている。
前記第2開口110bは、後述する前後進切換ユニット30が挿通可能な大きさとされている。
斯かるフライホイールハウジング110は、車輌前後方向に沿うように、車輌前後方向一端部が前記エンジン10に連結されている。
【0015】
なお、本実施の形態における車輌1は、エンジン10が車輌前後方向前方に配置されている。従って、車輌前後方向一方側及び他方側は、それぞれ、前方側及び後方側を意味する。下記説明においては、車輌前後方向一方側及び他方側を、適宜、前方側及び後方側と記載する。
【0016】
前記中間ハウジング120は、車輌前後方向に沿って延びる中空の本体部121と、該本体部121の前方側に位置する前方フランジ部125とを備えている。
該前方フランジ部125は、前記クラッチハウジング110との連結領域を提供すると共に、前記前後進切換ユニット30の支持領域も提供する。
図5に、前記前後進切換ユニットが取り外された状態の前記中間ハウジングの前端面図を示す。又、図6に、前記前後進切換ユニットが取り付けられた状態の前記中間ハウジングンの前端面図を示す。
【0017】
詳しくは、図5及び図6に示すように、該前方フランジ部125は、前端面(車輌前後方向一方側の端面)のうち径方向外方に位置する部分に、前記クラッチハウジング110との連結領域を形成する当接面125aを有している。
【0018】
該当接面125aは、前記フライホイールハウジング110の後端面111b(車輌前後方向他方側の端面)と突き合わされるようになっている。
前記前方フランジ部125は、さらに、前端面における前記当接面125aより径方向内方に、前記前後進切換ユニット30の支持領域を形成する支持面125bを有している。
【0019】
さらに、該前方フランジ部125は、前記支持面125bによって囲繞される開口120aを有している。該開口120aは、前記本体部121の中空領域と連通するようになっており、中間ハウジング120の前方開口(車輌前後方向一端側の開口)を形成している。
【0020】
ここで、前記支持面125bによって支持される前記前後進切換ユニット30について説明する。
図3及び図4に良く示されているように、該前後進切換ユニット30は、前端部がフライホイール15の出力部15aに作動的に連結されるように車輌前後方向に沿って配設された駆動軸200から、該駆動軸200と平行に配設された従動軸210への伝動方向を切り換えるリバーサユニット300と、該リバーサユニット300を収容すると共に、前記駆動軸200及び従動軸210を支持するリバーサハウジング310とを備えている。
なお、図中、符号16は、フライホイール15に備えられたダンパーである。
【0021】
前記リバーサハウジング310は、前記支持面125aによって支持されるハウジング本体311と、該ハウジング本体311に連結される蓋体312とを有している。
詳しくは、前記ハウジング本体311は、前記中間ハウジング120の前方開口120aを覆うように前記支持面125aに連結される端壁311aと、該端壁311aの周縁部から前方に延びる周壁311bとを有し、前記リバーサユニット300が挿通可能な開口311cを前方に有している。
前記蓋体312は、前記ハウジング本体311の前方開口311cを閉塞するように、該ハウジング本体311に連結されている。
【0022】
本実施の形態においては、前記リバーサハウジング310は、前記クラッチハウジング110の内部空間のうちフライホイール15を収容する部分(フライホイール収容空間)を、前記中間ハウジング120の内部空間に対して液密にシールするようになっている。
【0023】
即ち、前記ハウジング本体311の端壁311aは、前記中間ハウジング120の前方開口120aを覆った状態で前記支持面125bに連結されている。そして、前記ハウジング本体311及び前記蓋体312は、該リバーサハウジング311の内部空間と前記フライホイール収容空間とを液密に遮断している。斯かる構成により、中間ハウジング及びリバーサハウジングの内部空間を油室とし、且つ、フライホイール収容空間を乾室とし得るようになっている。
なお、前記中間ハウジング120の内部空間と前記リバーサハウジング310の内部空間とは、前記端壁311aに設けられた軸受孔等を介して油流通可能とされている。
【0024】
前記駆動軸200及び前記従動軸210は、それぞれ、前記リバーサハウジング310によって軸線回り回転自在に支持されている。
詳しくは、前記駆動軸200は、前端部が前記フライホイール15の出力部15aと作動的に連結されるように前記蓋体312を貫通して前方に延び、且つ、後端部が後続する伝動部材と連結されるように前記ハウジング本体311の端壁311aを貫通して後方に延びている。
前記従動軸210は、前端部が前記蓋体312に設けられた軸受凹部に支持され、且つ、後端部が後続する伝動部材と連結されるように前記ハウジング本体311の端壁311aを貫通して後方に延びている。
【0025】
本実施の形態においては、前記リバーサユニット300は、油圧式の摩擦クラッチ装置とされている。
詳しくは、該リバーサユニット300は、前進用摩擦クラッチ装置320F及び後進用摩擦クラッチ装置320Rを有している。
【0026】
前進用摩擦クラッチ装置320Fは、前記駆動軸200に相対回転不能に支持されたクラッチハウジング321Fと、該クラッチハウジング321Fに相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持された駆動側摩擦板322Fと、該駆動側摩擦板322Fと対向配置された従動側摩擦板323Fと、前記駆動軸200に相対回転自在に支持されたクラッチギヤ324Fであって、前記従動側摩擦板323Fを相対回転不能且つ軸方向摺動可能に支持するクラッチギヤ324Fと、前記クラッチハウジング321F内に軸方向摺動可能に収容され、油圧の作用によって前記駆動側摩擦板322F及び従動側摩擦板323Fを当接させるピストン325Fと、該ピストン325Fを前記駆動側摩擦板322F及び従動側摩擦板323Fから離間させるスプリング326Fと、前記従動軸210に相対回転不能に支持され、且つ、前記クラッチギヤ324Fと噛合する出力ギヤ327Fとを備えている。
斯かる前進用クラッチ装置320Fは、前記ピストン325Fに油圧を作用させると係合状態(伝動状態)をとり、且つ、前記ピストン325Fへの油圧作用を解除すると遮断状態をとるようになっている。
【0027】
前記後進用摩擦クラッチ装置320Rは、クラッチギヤ324R及び出力ギヤ327Rがアイドルギヤ328R(図3参照)を介して噛合している点を除き、前進用クラッチ装置320Fと同一である。従って、該後進用摩擦クラッチ装置320Rについては、添え字を「R」にした同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
なお、本実施の形態においては、部品点数の削減等を目的として、前進用摩擦クラッチ装置320F及び後進用摩擦クラッチ装置320Rのクラッチハウジング321F,Rを一体形成している。
【0028】
このように、本実施の形態に係るフレーム構造体100においては、前記中間ハウジング120が、前方側に、前記フライホイールハウジング110の後端部と突き合わされる当接面125aと、該当接面125aの径方向内方に位置し、前後進切換ユニット30を支持する支持面125bと、該支持面125bによって囲繞される一端側開口120aであって、前記駆動軸200及び前記従動軸210のそれぞれに後続される伝動軸(本実施の形態においては、主軸150及び推進軸220)が挿通される一端側開口120aとを有している。
【0029】
斯かる構成によれば、前後進切換ユニット30を中間ハウジング120の前方側から前記支持面125bに連結し、その後、前記当接面125aを介して該中間ハウジング120と前記クラッチハウジング110とを連結することにより、前後進切換ユニット30を収容した状態でクラッチハウジング110と中間ハウジング120とを容易に連結させることができ、従って、組立効率の向上を図ることができる。
【0030】
好ましくは、前記当接面125a及び前記支持面125bは、クラッチハウジング110と中間ハウジング120とを連結させた状態において、前記支持面125bに支持される前後進切換ユニット30の少なくとも一部が該クラッチハウジング110内に位置するように、前後位置が設定される。
【0031】
即ち、支持面125bを当接面125aより車輌前後方向他方側(本実施の形態においては、後方側)へ大きく離間配置させると、前後進切換ユニット30が中間ハウジング120内に完全に入り込むことになる。斯かる構成においては、中間ハウジング120の前端部から前記支持面125bへの距離が長くなり、前後進切換ユニット30の前記支持面125bへの取付作業性が悪化する。
【0032】
これに対し、前述の通り、前記支持面125bに支持される前後進切換ユニット30の少なくとも一部が該クラッチハウジング110内に位置するように、前記当接面125a及び前記支持面125bの前後位置を設定すれば、該前後進切換ユニット30の支持面125bへの取付作業性を向上させることができる。
【0033】
より好ましくは、図示のように前記当接面125a及び前記支持面125bの前後位置を略同一、又は、前記当接面125aより前記支持面125bを前方配置することができ、これにより、前後進切換ユニット30の取付作業性をさらに向上させることができる。
【0034】
又、本実施の形態に係るフレーム構造体100は、前後進切換ユニット30の取付作業性の向上、及び、クラッチハウジング110及び中間ハウジング120の連結作業性の向上を図りつつ、中間ハウジング120の上方に自由スペースを可及的に確保し得るという効果も奏する。
この点について、下記に詳述する。
【0035】
図2に良く示されるように、本実施の形態においては、前後進切換ユニット30をクラッチハウジング110内に収容し、且つ、後述する主変速ユニット40やPTOクラッチユニット70をミッションケース130内に収容しており、前記中間ハウジング120内には、変速機構やクラッチ機構等の伝動ユニットを配設していない。
即ち、前記中間ハウジング120には、前記駆動軸200及び前記従動軸210にそれぞれ連結される主軸150及び推進軸220等の伝動軸が収容されているだけである。
斯かる構成においては、該主軸150等の伝動軸上にギヤや摩擦板等を配設する必要が無いため、該伝動軸を中間ハウジングの壁面に近接配置することが可能となる。
本実施の形態に係るフレーム構造体100は斯かる点に着目し、前記中間ハウジングの中空本体部121の頂壁121aを前記伝動軸(本実施の形態においては、主軸150)に可及的に近接配置すべく、該中空本体部121をその中心軸線が前記フライホイールハウジング110の中心軸線よりも下方に偏心されるように構成している。
そして、前記中間ハウジング120の前方フランジ部125は、中心軸線が偏心された前記フライホイールハウジング110と前記中間ハウジングの中空本体部121とを連結すべく、下端位置が前記中空本体部121と略同一であり、且つ、上端位置が該中空本体部121よりも上方に位置するように構成されている。
【0036】
即ち、前記前方フランジ部125は、図5に示すように、前記フライホイールハウジング110の後端面111bと対向配置される前記当接面125aと、該当接面125aから径方向内方に位置し、前記前後進切換ユニット30を支持する支持面125bと、該支持面125bの径方向内方に位置する前記前方開口120aとを画するように、前記中空本体部121の頂壁121aから該中空本体部121の径方向外方(上方)へ延在された上方延在部126と、前記中空本体部121の側壁121bから該中空本体部121の径方向外方及び内方へ延在された側方延在部127と、前記中空本体部121の底壁121cから該中空本体部121の径方向内方(上方)へ延在された下方延在部128とを有している。
このように、前記フレーム構造体100においては、前記中間ハウジング内には実質的に伝動軸のみが存在するものとした上で、該中間ハウジングの中空本体部の軸線位置を前記フライホイールハウジングの軸線位置より下方へ偏心させて該中空本体部の頂壁を可及的に伝動軸に近接させ、且つ、前記前方フランジ部によって軸線位置が偏心された前記フライホイールハウジングと前記中空本体部とを連結させている。
【0037】
斯かる構成においては、前記中空本体部121の上方に自由スペースを確保することができ、車輌の設計自由度を向上させることができる。
特に、前記中空本体部121の頂壁121a上にステップ台を設ける場合(図1参照)には、前記構成により、該ステップ台の可及的な下方設置が可能となり、運転席への乗降性を向上させることができる。
【0038】
次に、前記中間ハウジング120と前記ミッションケース130との連結構造について説明する。
図7に、図2におけるVII-VII線断面図を示す。又、図8に、前記ミッションケース130の前端面図を示す。さらに、図9に、前記中間ハウジング120と前記ミッションケース130との連結部位近傍の縦断側面図を示す。
【0039】
図9に示すように、前記中間ハウジング120は、前記中空本体部121の後方側に位置する後方フランジ部129を備えている。
なお、本実施の形態においては、前記中空本体部121は、前記底壁121cの後端部が下方に膨出されてなる下方膨出部122を備えており、該下方膨出部122に、後述するヒータが外部(本実施の形態においては、前方)から設置可能となっている。
【0040】
前記中間ハウジング120は、センタープレート18を介して、後述する種々の伝動機構を収容する前記ミッションケース130に分離可能に連結されている。
前記センタープレート18は、前記駆動軸200及び前記従動軸210のそれぞれに後続する伝動軸の軸受部材として作用する。
【0041】
このように、本実施の形態に係るフレーム構造体100は、軸受孔等の複雑な加工が必要となる軸受部材を、可能な限り、クラッチハウジング110,中間ハウジング120及びミッションケース130の鋳造部品とは別体で形成しており、これにより、該クラッチハウジング110,中間ハウジング120及びミッションケース130の鋳造部品の構造簡略化を図り、製造コストの低廉化を行っている。
【0042】
即ち、本実施の形態に係るフレーム構造体100は、前述の通り、前記駆動軸200及び前記従動軸210を、中間ハウジング120の支持面125bに支持される前記リバーサハウジング310によって支持し、且つ、該駆動軸200及び従動軸210に後続する後述の種々の伝動軸を前記センタープレート18によって支持するように構成されている。
従って、鋳造によって形成されるクラッチハウジング110,中間ハウジング120及びミッションケース130に対する軸受孔の穿孔等の後加工を可及的に減少させることができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0043】
ここで、本実施の形態に係るフレーム構造体100が適用された車輌1の伝動機構について、説明する。
なお、前記ミッションケース130の詳細構造については、後述する。
【0044】
前記車輌1は、駆動源10からの動力を駆動輪に伝達する走行系伝動機構と、駆動源10からの動力をモア等の付設装置に伝達するPTO系伝動機構とを有している。
まず、走行系伝動機構について説明する。
【0045】
走行系伝動機構は、前記フライホイール15を介してエンジン10に作動的に連結された前記駆動軸200と、該駆動軸200と略平行に配設された前記従動軸210と、前記駆動軸200から前記従動軸210への動力伝達の方向切換及び遮断を行う前記前後進切換ユニット40と、車輌前後方向に沿って配設され、前記従動軸210に軸線回り相対回転不能に連結された推進軸220と、前記推進軸220の伝動方向下流側に配設された主変速ユニット40と、前記主変速ユニット40からの出力を一対の主駆動車軸(本実施の形態においては、一対の後車軸)へ差動伝達するディファレンシャルギヤユニット50とを備えている。
【0046】
前記推進軸220は、図2に良く示されるように、前端側が前記従動軸210に軸線回り相対回転不能に連結され、且つ、後端側が前記センタープレート18によって支持されている。
好ましくは、前記中間ハウジング120の前記中空本体部121に、頂壁121aの内周面から径方向内方へ延びる軸受壁123を一体形成することができ、該軸受壁123によって前記推進軸220の中央部を軸受支持することができる。斯かる構成を備えることにより、前記推進軸220の安定した支持が可能となる。
【0046】
前記主変速ユニット40は、図2に示すように、前記ミッションケース130内に収容されている。
ここで、前記ミッションケース130の構造について説明する。
図10に、図2におけるX−X線断面図を示す。
【0047】
図2及び図10に示すように、前記ミッションケース130は、車輌前後方向に沿って延びる底壁131aと、該底壁131aの車輌幅方向両側から上方に延びる一対の側壁131bと、前記底壁131a及び一対の側壁131bによって画される内部空間を車輌前後方向に分離するように、前記底壁131aの内周面から上方へ延びる第1中間壁131cと、該第1中間壁131cより後方において、前記内部空間を車輌前後方向に分離するように、前記底壁131aの内周面から上方へ延びる第2中間壁131dとを備え、前方及び後方が開口130a,130bとされた本体部131を有している。
【0048】
前記本体部131の前端部には、前記前方開口130aを覆うように、前記センタープレート18が連結されている(図2及び図9参照)。
又、前記本体部131の後端部には、前記後方開口130bを液密に閉塞し得るように、後方プレート19が連結されている(図2参照)。
【0049】
即ち、前記ミッションケース130は、前記第1中間壁131cと前記センタープレート18との間、前記第1中間壁131cと前記第2中間壁131dとの間、前記第2中間壁131dと前記後方プレート19との間に、それぞれ、前室130F、中室130M及び後室130Rが形成されるようになっている。
なお、前記ミッションケース本体部131の上方は開口130cとされており(図2参照)、該上方開口130cは油圧リフトケース20によって閉塞されている(図1参照)。
【0050】
前記主変速ユニット40は、前記ミッションケース130の前室130F内に収容されている。
詳しくは、図9に良く示されるように、該主変速ユニット40は、前記推進軸220に軸線回り相対回転不能に連結された主変速軸401と、該主変速軸401と平行に配設された中間軸402と、該中間軸402と平行に配設された副変速軸403と、前記主変速軸401及び中間軸402の間で多段変速を行う主変速装置410L,410Hと、前記中間軸402及び副変速軸403の間で多段変速を行う副変速装置420と、前記主変速装置を操作する主変速操作装置430と、前記副変速装置を操作する副変速操作装置470とを備えている。
【0051】
前記主変速軸401は、前端部が前記センタープレート18によって支持され、且つ、後端部が前記第1中間壁131cによって支持されている。該主変速軸401の前端部は、前記センタープレート18を貫通して前方へ延在しており、該前方延在部が前記推進軸220の後端部と軸線回り相対回転不能に連結されている。
前記中間軸402は、前端部及び後端部が、それぞれ、前記センタープレート18及び第1中間壁131cによって支持されている。
【0052】
前記副変速軸403は、前端部が前記センタープレート18によって支持され、且つ、後端部が前記第1中間壁131cによって支持されている。
該副変速軸403の前端部は、前記センタープレート18を貫通して前方へ延在しており、該前方延在部は、副車軸240(本実施の形態においては、前車軸)への駆動力出力部を形成している。
該副変速軸403の後端部は、前記第1中間壁131cを貫通して後方の中室130Mへ延在しており、該後方延在部は、前記ディファレンシャルギヤユニット50に作動的に連結されるようになっている。
【0053】
本実施の形態においては、前記主変速装置として、それぞれが2段の変速伝達可能とされた第1及び第2同期噛合装置410L,410Hを採用している。
図9に良く示されるように、第1同期噛合装置410Lは、前記主変速軸に相対回転不能とされた主クラッチハブ411と、該主クラッチハブ411を挟んで両側に位置するように、前記主変速軸401に相対回転自在に支持された第1速用駆動ギヤ412a及び第2速用駆動ギヤ412bと、前記主クラッチハブ411に軸線方向摺動自在に外挿された主スリーブ413Lと、前記中間軸402に相対回転不能とされ、前記第1速用及び第2速用駆動ギヤ412a,412bとそれぞれ噛合する第1速用及び第2速用従動ギヤ414a,414bとを備えている。
【0054】
前記主スリーブ413Lは、前記主変速操作装置を介した外部操作に基づき、前記主クラッチハブ411及び前記第1速用駆動ギヤ412aを相対回転不能に連結する第1速位置と、前記主クラッチハブ411及び前記第2速用駆動ギヤ412bを相対回転不能に連結する第2速位置と、前記主クラッチハブと前記第1及び第2速用駆動ギヤと412a,412bとを非連結状態とする中立位置とをとり得るようになっている。
斯かる構成の第1同期噛合装置410Lは、前記主スリーブ413Lを、前記第1速位置及び第2速位置に位置させることにより、それぞれ、前記中間軸402を第1速及び第2速に応じた回転数で回転させ得るようになっている。
【0055】
前記第2同期噛合装置410Hは、駆動ギヤ及び従動ギヤのギヤ比が異なっている点を除き、前記第1同期噛合装置と実質的に同一構成を有している。従って、該第2同期噛合装置410Hの構成部材のうち,前記第1噛合装置410Lに対応する部材には、添え字を変更した同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ている。
【0056】
本実施の形態においては、前記副変速装置として、3段の変速伝達が可能な噛合装置420を採用している。
詳しくは、該噛合装置420は、図9に良く示されるように、前記中間軸402に相対回転不能とされた低速用駆動ギヤ421L,中速用駆動ギヤ421M及び高速用駆動ギヤ421Hと、前記副変速軸403に相対回転自在に支持され、前記低速用駆動ギヤ421L,中速用駆動ギヤ421M及び高速用駆動ギヤ421Hとそれぞれ噛合する低速用従動ギヤ422L,中速用従動ギヤ422M及び高速用従動ギヤ422Hと、前記低速用従動ギヤ422L及び中速用従動ギヤ422Mの間に位置し、且つ、前記副変速軸403に相対回転不能とされた第1副クラッチハブ423と、前記低速用従動ギヤ422Lを前記第1副クラッチハブ423に連結する低速位置、前記中速用従動ギヤ422Mを前記第1副クラッチハブ423に連結する中速位置、及び、前記低速用従動ギヤ422L及び中速用従動ギヤ422Mを前記第1副クラッチハブ423に対して非連結とする中立位置とをとり得る第1副スリーブ424と、前記高速用従動ギヤ422Hと隣接する位置において、前記副変速軸403に相対回転不能とされた第2副クラッチハブ425と、前記高速用従動ギヤ422Hを前記第2副クラッチハブ425に連結する高速位置、及び、前記高速用従動ギヤ422Hを前記第2副クラッチハブ425に対して非連結とする中立位置とをとり得る第2副スリーブ426とを備えている。
【0057】
斯かる構成の前記噛合装置420は、前記第1又は第2副スリーブ424,426を移動させて、前記低速用,中速用又は高速用従動ギヤ422L,422M,422Hを第1又は第2副クラッチハブ423,425に選択的に連結させることにより、前記副変速軸403に低速,中速又は高速の回転を得るようになっている。
【0058】
図11及び図12に、それぞれ、図10におけるXI-XI線断面図及びXII-XII線断面図を示す。
図9〜図12に示すように、前記主変速操作装置430は、前記ミッションケース130の前室130F内において車輌幅方向に沿って延びるように、該ミッションケース130の一対の側壁131bに軸線回り回転自在且つ軸線方向移動自在に支持された主変速操作軸431と、前記前室130F内に位置するように、基端部が前記主変速操作軸431に相対回転不能且つ軸線方向移動不能に支持された主変速操作アーム432と、前記前室130F内において車輌前後方向に沿って延びるように、前記センタープレート18及び第1中間壁131cに軸線方向摺動自在に支持された第1及び第2主フォーク軸433,434と、前記第1主フォーク軸433に軸線方向摺動不能に支持された第1主フォーク435であって、基端部が前記主操作アーム432に選択的に係合され、且つ、自由端部が前記主スリーブ413Lと係合する第1主フォーク435と、前記第2主フォーク軸434に軸線方向摺動不能に支持された第2主フォーク436であって、基端部が前記主操作アーム432に選択的に係合され、且つ、自由端部が前記主スリーブ413Hと係合する第2主フォーク436とを備えている。
【0059】
図10に示すように、前記主変速操作軸431は、少なくとも一端部が前記ミッションケース130の外方に延在しており、該外方延在部が適宜のリンク機構を介して運転席近傍に備えられた主変速レバー等の主変速操作部材2(図1参照)に連結されている。
即ち、該主変速操作部材2の操作に基づき、前記主変速操作軸431は、軸線方向に移動し、且つ、軸線回りに回転するようになっている。
なお、該主変速操作軸431の両側には、該主変速操作軸431への外部操作力が解除されると、該主変速操作軸431を自動的に軸線方向中央の中立位置へ戻す中立位置復帰用バネが備えられている。
【0060】
前記主変速操作アーム432は、前記主変速操作軸431の軸線位置に応じて、前記第1及び第2主フォーク435,436と選択的に係合するようになっている。
即ち、前記主変速操作軸431を軸線方向一方側(図10においては右側)へ移動させると前記主変速操作アーム432が第1フォーク435と係合し、且つ、前記主変速操作軸431を軸線方向他方側(図10においては左側)へ移動させると前記主変速操作アーム432が第2フォーク436と係合するようになっている。
【0061】
斯かる構成の主変速操作装置430は、以下のように動作する。
前記主変速操作軸431を中立位置から軸線方向一方側へ移動させると、前記主変速アーム432が前記第1及び第2フォーク435,436の何れか一方と係合する。この状態で、前記主変速操作軸431を軸線回り一方側に回転させると、前記主変速アーム432も軸線回り一方側に揺動し、これにより、係合中の主フォークがフォーク軸と共に軸線方向へ押動される。従って、該主フォークと係合する側の主スリーブのみが対応する方向の係合位置へ押動される。
【0062】
即ち、前記第1主フォーク軸433は、軸線方向位置に関し、第1速位置,中立位置及び第2速位置をとり得るようになっており、該第1主フォーク軸433が第1速位置,中立位置及び第2速位置に位置すると、前記主スリーブ413Lが、それぞれ、第1速位置,中立位置及び第2速位置をとり得るようになっている。
【0063】
同様に、前記第2主フォーク軸434は、軸線方向位置に関し、第3速位置,中立位置及び第4速位置をとり得るようになっており、該第2主フォーク軸434が第3速位置,中立位置及び第4速位置に位置すると、前記主スリーブ413Hが、それぞれ、第3速位置,中立位置及び第4速位置をとり得るようになっている。
【0064】
好ましくは、図11及び図12に示すように、前記第1及び第2主フォーク軸433,434が、意に反して軸線方向に移動することを防止する第1及び第2ディテント機構440L,440Hを備えることができる。
【0065】
詳しくは、該第1ディテント機構440Lは、図11に示すように、前記センタープレート18に設けられた第1主フォーク軸433用の軸受孔に対して径方向進退自在とされたボール441と、該ボール441を前記軸受孔の径方向内方へ付勢するスプリング442と、前記第1主フォーク軸433の外表面に軸線方向に沿って形成された第1速用凹部433a,中立用凹部433b及び第2速用凹部433cであって、前記ボール441が係入可能とされた第1速用凹部433a,中立用凹部433b及び第2速用凹部433cとを備えている。
前記第1速用凹部433a,中立用凹部433b及び第2速用凹部433cは、それぞれ、前記第1主フォーク軸433が第1速位置,中立位置及び第2速位置に位置する際に、前記ボール441が係入されるように配設されている。
【0066】
前記第2ディテント機構440Hは、前記第1ディテント機構440Lと同様の構成を有している。従って、第2ディテント機構440Lの説明は省略する。
斯かる第1及び第2ディテント機構440L,440Hを備えることにより、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の不意の軸線方向移動を防止し、これにより、第1及び第2同期噛合装置410L,410Hが同時に係合状態となる等の誤動作を有効に防止できる。
【0067】
より好ましくは、前記第1及び第2主フォーク軸433,434が同時に軸線方向に移動することを防止する同時移動防止機構450を備えることができる。
詳しくは、該同時移動防止機構450は、図12に示すように、前記第1及び第2主フォーク軸をそれぞれ軸受する軸受孔の双方に一部が突出するように配設されたボール451と、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の外周面にそれぞれ形成された第1及び第2凹部433d,434dであって、該第1及び第2主フォーク軸433,434がそれぞれ中立位置に位置する際に前記ボール451が係入されるように形成された第1及び第2凹部433d,434dとを備えている。
斯かる同時起動防止機構450を備えることにより、前記第1及び第2主フォーク軸433,434が同時に移動することを防止し、これにより、第1及び第2同期噛合装置410L,410Hが同時に係合状態になることを有効に防止できる。
【0068】
さらに、好ましくは、前記主変速装置410(本実施の形態においては、第1及び第2同期噛合装置410L,410H)が係合状態のままで、エンジンが起動されること防止するエンジン起動スイッチ機構460を備えることができる。
図13に、図12におけるXIII-XIII線断面図を示す。
【0069】
図10〜図13に示すように、前記エンジン起動スイッチ機構460は、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の前方延在部の双方に外挿される被検出体461と、該被検出体461の姿勢に応じて、該被検出体461と接触/非接触となる検出体462と、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の軸線位置に応じて前記被検出体461の姿勢をコントロールするコントロール機構463とを備えている。
【0070】
前記被検出体461は、図12に良く示されるように、前記第1主フォーク軸433に対して、軸線方向相対移動自在且つ径方向所定範囲相対移動可能とされると共に、前記第2主フォーク軸434に対して、軸線方向移動不能且つ周方向移動可能とされている。
具体的には、該被検出体461は、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の前記前方延在部がそれぞれ挿通される第1及び第2挿通孔461a,461bを有する基端部461cと、該基端部461cから前記検出体462へ向けて延びるアーム部461dと、該アーム部461dに設けられた被検出部461eとを有している。
【0071】
前記第1挿通孔461aは、前記第1主フォーク軸433の前記前方延在部よりも大径とされている。他方、前記第2挿通孔461bは、前記第2主フォーク軸434の前記前方延在部と略同径とされている。斯かる構成により、前記被検出体461は、前記第2主フォーク軸434回りに、所定範囲だけ揺動可能となっている。
【0072】
前記コントロール機構463は、前記第1主フォーク軸433が中立位置に位置する際には、前記被検出体461が前記第2主フォーク軸434回りに揺動することを防止し、且つ、前記第1主フォーク軸433が第1速位置又は第2速位置に位置する際には、前記被検出体461が前記第2主フォーク軸434回りに揺動することを許容し得るようになっている。
【0073】
具体的には、前記コントロール機構463は、内端部が前記第1挿通孔461a内に突出し、且つ、外端部が前記被検出体461の外方へ延在した状態で、該内端部の径方向位置を調整自在とされている。
さらに、前記第1主フォーク軸433の外表面のうち,該第1主フォーク軸433が第1速位置及び第2速位置に位置する際に、前記コントロール機構463の内端部と対向する位置には、それぞれ、窪み部464が形成されている。
つまり、前記第1主フォーク軸433は、第1速位置及び第2速位置に位置する際に前記コントロール機構463の内端部と対向する部分が、中立位置に位置する際に前記コントロール機構463の内端部と対向する部分よりも小径とされている。
【0074】
さらに、前記検出体462は、前記第2主フォーク軸434が中立位置に位置する際に、前記被検出部461eと軸線方向同一位置に位置するように、配置されている。
本実施の形態においては、該検出体462は、内端部が前記中間ハウジング120の内方に臨み、且つ、外端部が該中間ハウジング120の外方に延在するように、配置されている。
【0075】
斯かる構成のエンジン起動スイッチ機構460は、下記の作用を奏する。
即ち、前記第1主フォーク軸433が中立位置に位置する際には前記コントロール機構463の内端部は前記窪み部464以外の領域と対向する。この状態において、前記コントロール機構463の内端部が第1主フォーク軸433の外周面に当接し、これにより、被検出体461の姿勢が維持されるように、該コントロール機構463の軸線方向位置を設定する。
【0076】
この状態から、前記第1主フォーク軸433が第1速位置又は第2速位置に位置すると、前記コントロール機構463の内端部は前記凹部464と対向する。従って、該コントロール機構463の内端部と前記第1主フォーク軸433との間には間隙が生じる。これにより、前記被検出体461は、前記間隙に相当する量だけ、前記第2主フォーク軸434回りに揺動する。
従って、前記被検出体461が図13に示す姿勢にある際にのみ、前記検出体462が前記被検出部461と当接するように、各部材の寸法を設定しておけば、第1主フォーク軸433が中立位置に位置している状態を確実に検出することができる。
【0077】
さらに、前述の通り、前記被検出部461eは、前記第2主フォーク軸434が中立位置に位置する際に、前記検出体462と位置合わせされるようになっている。つまり、前記第2主フォーク軸434が第3速位置又は第4速位置に位置する際には、被検出部461eは前記検出体462と当接しないようになっている。
【0078】
このように、前記構成に係るエンジン起動スイッチ460は、前記第1及び第2主フォーク軸433,434の双方が中立位置に位置する状態を、確実に検出することができ、これにより、第1及び第2同期噛合装置410L,410Hが係合状態になっている際のエンジン起動を有効に防止できる。
【0079】
次に、前記副変速操作装置470について説明する。
前記副変速操作装置470は、図10〜図12に示すように、前記ミッションケース130の前室130F内において車輌幅方向に沿って延びるように、該ミッションケース130の一対の側壁131bに軸線回り回転自在に支持された副変速操作軸471と、前記前室130F内に位置するように、基端部が前記副変速操作軸471に相対回転不能に支持された副変速操作アーム472と、前記前室130F内において車輌前後方向に沿って延びるように、前記センタープレート18及び第1中間壁131cに軸線方向摺動自在に支持された副フォーク軸473と、前記副フォーク軸473に軸線方向摺動不能に支持された第1及び第2副フォーク474,475であって、何れかの基端部が前記副変速操作アーム472の自由端部に連結され(本実施の形態においては、第1副フォーク474の基端部が副変速操作アーム472の自由端部に連結されている)、且つ、自由端部がそれぞれ前記第1及び第2副スリーブ424,426と係合する第1及び第2副フォーク474,475と、前記副変速操作軸471を外部から操作する副変速連結アーム476(図1参照)とを備えている。
【0080】
斯かる構成の副変速操作装置は、運転席の近傍に配設された副変速レバー等の副変速操作部材3による外部操作に基づき、前記副変速操作軸471を軸線回りに回転させることによって、前記副変速装置420を、低速状態,中立状態,中速状態及び高速状態とすることができる。
なお、前記第1及び第2主フォーク軸433,434と同様、前記副フォーク軸473にもディテント機構478を備えることができる(図12参照)。
【0081】
図14に、図2におけるXIV-XIV線断面図を示す。又、図15に、前記ミッションケースの横断展開平面図を示す。さらに、図16に、図14におけるXVI-XVI線断面図を示す。
図2に示すように、前記ディファレンシャルギヤユニット50は、前記ミッションケース130の中室130Mに収容されている。
詳しくは、図14に示すように、前記ミッションケース130の側壁131bのうち下方に位置する部分(以下、下方側壁131b’という)は、車輌幅方向中央へ窪んでおり、前記ディファレンシャルギヤユニット50は該下方側壁131b’の間に配設されている。
【0082】
即ち、前記ディファレンシャルギヤユニット50は、図14に良く示されるように、内端部が前記中室130Mの内方に位置し、且つ、外端部が該中室130Mの外方に位置するように、前記下方側壁131b’に支持される一対のデフヨーク軸51と、該一対のデフヨーク軸51の内端部に相対回転不能に支持された一対のサイドベベルギヤ52と、該一対のサイドベベルギヤ52と噛合するベベルギヤ53であって、前記一対のデフヨーク軸51回りに公転すると共に、該デフヨーク軸51と直交する枢支軸54回りに自転するベベルギヤ53と、該ベベルギヤ53の自転を許容しつつ、該ベベルギヤ53を公転させるように、前記枢支軸54に連結されたリングギヤ55とを備えている。
【0083】
斯かるディファレンシャルギヤユニット50は、前記副変速軸403の後端部から前記リングギヤ55へ入力された駆動力を、前記一対のデフヨーク軸51に差動伝達し得るようになっている(図9及び図14参照)。
なお、前記一対のデフヨーク軸51は、それぞれ、伝動ギヤ231を介して、前記ミッションケースの一対の側壁に支持された一対の主駆動車軸230(本実施の形態においては、一対の後車軸)に作動的に連結されている。
【0084】
好ましくは、前記ディファレンシャルギヤユニット50に、前記ベベルギヤ53の自転を防止して、前記一対のデフヨーク軸51を強制的に同一速度で回転させるロック機構56を備えることができる。
該ロック機構56は、図14に示すように、前記リングギヤ55と前記一対のサイドベベルギヤ52とを相対回転不能に連結するロック位置と両者を相対回転自在とする差動位置とをとり得るロックピン56aと、該ロックピン56aをコントロールする為のスリーブ56bと、該スリーブ56bを操作するデフロックフォーク(図示せず)と、該デフロックフォークを支持するデフロックフォーク軸56c(図16参照)と、該デフロックフォーク軸56cを外部から操作するデフロックアーム56d(図1参照)とを備えている。
【0085】
本実施の形態に係る車輌は、さらに、前記走行系伝動機構に介挿されたブレーキ機構60を備えている。
該ブレーキ機構60は、選択的な外部操作に基づき、駆動源からの駆動力が分岐伝達される一対の第1及び第2主駆動軸230に対して直接又は間接的に、個別又は一体的な制動力を付加し得るように構成されている。
【0086】
本実施の形態においては、前記ブレーキ機構60は、ディファレンシャルギアユニット50における前記一対の第1及び第2デフヨーク軸51a,51bに対して、選択的な外部操作に基づき、個別又は一体的に制動力を付加し得るように構成されている。
詳しくは、該ブレーキ機構60は、前記第1及び第2デフヨーク軸51a,51bに対して、それぞれ、制動力を付加する第1及び第2ブレーキユニット610a,610bと、外部操作に基づき、前記第1及び第2ブレーキユニット610a,610bを選択的に独立作動又は一体作動させるブレーキ操作ユニット650とを備えている。
【0087】
前記第1ブレーキユニット610aは、前記第1デフヨーク軸51aに対し軸線方向移動自在且つ相対回転不能とされた第1駆動側ブレーキディスク611aと、前記第1デフヨーク軸51aに対し軸線方向移動自在とされた第1固定側ブレーキディスク612aと、前記第1駆動側及び第1固定側ブレーキディスク611a,612aを覆うように、前記ミッションケース130に連結される第1ブレーキカバー613aと、前記第1駆動側及び第1固定側ブレーキディスク611a,612aからなる第1ブレーキディスク群と前記第1ブレーキカバー613aの内周面との間に前記第1デフヨーク軸51a回り回転可能に配設された第1ブレーキアクチュエータ614aと、前記ブレーキディスク群を挟んで前記第1ブレーキアクチュエータ614aとは反対側に位置し、該第1ブレーキアクチュエータ614aによって押動される前記第1ブレーキディスク群の軸線方向移動終端位置を画する停止部材615aとを有している。
【0088】
前記第1固定側ブレーキディスク612aは、前記第1駆動側ブレーキディスク611aと対向するように配設されており、前記第1ブレーキアクチュエータ614aの作動に応じて、該第1駆動側ブレーキディスク611aと摩擦接触し得るようになっている。
即ち、前記第1固定側ブレーキディスク612aは、前記第1デフヨーク軸51aに対して軸線方向移動自在でありながら、回転不能となっている。
なお、該第1固定側ブレーキディスク612aを回転不能にする為の構造については、後述する。
【0089】
前記第1ブレーキアクチュエータ614aは、自己の回転動作に応じて前記第1駆動側及び第1固定側ブレーキディスク611a,612aが互いに摩擦接触するように、前記第1ブレーキディスク群を押動するようになっている。
詳しくは、前記第1ブレーキユニット610aは、さらに、前記第1ブレーキアクチュエータ614aと前記第1ブレーキカバー613aとの間に介挿されるカムボール616aを有している。
【0090】
該カムボール616aは、前記第1ブレーキアクチュエータ614a及び前記第1ブレーキカバー613aのそれぞれの対向面の一方(本実施の形態にいては、第1ブレーキカバー613aの内方面)に形成された保持凹部6167に係入されている。
さらに、前記第1ブレーキアクチュエータ614a及び前記第1ブレーキカバー616aのそれぞれの対向面の他方(本実施の形態においては、第1ブレーキアクチュエータ614aの外方面)には、前記カムボール616aが係入される傾斜溝618aが形成されている。
前記傾斜溝618aは、図16に示すように、最深部と、該最深部から周方向に行くに従って深さが浅くなる傾斜部とを有している。
【0091】
斯かる構成により、前記第1ブレーキアクチュエータ614aが回転されると、該第1ブレーキアクチュエータ614aは前記カムボール616aを介して、前記第1ブレーキディスク群を押圧するように、第1デフヨーク軸51aの軸線方向内方へ移動される。
なお、前記第1ブレーキアクチュエータ614aを回転させる為の構造については後述する。
【0092】
前記停止部材615aは、前記第1デフヨーク軸51aを軸受支持する中央孔を有するプレート状部材とされている。
該停止部材615aは、ミッションケース130又は第1ブレーキカバー613aの何れか(本実施の形態においては、第1ブレーキカバー613a)に連結されるようになっている。
【0093】
前記第2ブレーキユニット610bは、前記第1ブレーキユニット610aと実質的に同一構成を有している。従って、該第2ブレーキユニット610bの詳細な説明は省略する。なお、図中、前記第1ブレーキユニット610aにおける対応部材には、添え字をbに代えた同一符号を付している。
【0094】
前記ブレーキ操作ユニット650は、前記第1及び第2デフヨーク軸51a,51bと略平行に配設されたブレーキ操作軸651と、前記ブレーキ操作軸651のうち前記第1ブレーキユニット610aと対向する第1側に相対回転自在に外挿された第1作動部材661と、前記第1作動部材に相対回転不能に支持された第1ブレーキ連結部材665と、前記ブレーキ操作軸651に相対回転不能に支持された共通ブレーキ連結部材671と、前記ブレーキ操作軸651のうち前記第2ブレーキユニット610bと対向する第2側に相対回転不能に外挿された第2作動部材681と、前記第2作動部材681に相対回転不能に支持された第2ブレーキ連結部材685とを備えている。
【0095】
前記ブレーキ操作軸651は、前記第1ブレーキ連結部材665,前記共通ブレーキ連結部材671及び前記第2ブレーキ連結部材685を外部から操作し得るように、両端部が外方へ延在された状態で支持されている。
本実施の形態においては、前記ブレーキ操作軸651は、両端部が外方へ延びるように、前記第1及び第2ブレーキカバー613a,613bに支持されており、前記第1ブレーキ連結部材665,前記共通ブレーキ連結部材671及び前記第2ブレーキ連結部材685は該外方延在部に位置している。
【0096】
図17に、前記ブレーキ操作軸651に支持される前記構成部材の分解斜視図を示す。
図14,図16及び図17に示すように、第1作動部材661は、対応する前記第1ブレーキアクチュエータ614aと作動的に連結されている。即ち、該第1作動部材661が前記ブレーキ操作軸651の軸線回りに回転すると、前記第1ブレーキアクチュエータ614aが前記第1デフヨーク軸51aの軸線回りに回転するようになっている。
【0097】
本実施の形態においては、前記第1作動部材661は、前記ブレーキ操作軸に外挿される筒部662と、該筒部662から径方向外方へ延在されたカム部663とを有している(図16参照)。
前記第1ブレーキアクチュエータ614aは、対応する前記第1作動部材661のカム部663と係合する従動部614a’を有している。
斯かる構成により、前記第1作動部材661が前記ブレーキ操作軸651の軸線回りに回転されると、前記第1ブレーキアクチュエータ614aが前記第1デフヨーク軸51a回りに自転し、これにより、該第1ブレーキアクチュエータ614aが第1デフヨーク軸51aの軸線方向内方へ押動されるようになっている。
【0098】
前記第1ブレーキ連結部材665は、運転者による第1ブレーキ操作部材4a又は共通ブレーキ操作部材5の何れかの操作に基づき、前記第1作動部材661をブレーキ操作軸651の軸線回りに回転させるようになっている。
【0099】
即ち、図1に示すように、運転席の近傍には、第1ブレーキユニット610aを単独操作する為のブレーキペダル等の第1ブレーキ操作部材4aと、前記第1及び第2ブレーキユニット610a,610bの双方を同時に一体操作する為の駐車レバー等の共通ブレーキ操作部材5とが備えられている。
前記第1ブレーキ連結部材665は、前記第1ブレーキ操作部材4a及び前記共通ブレーキ操作部材5と、それぞれ、適宜の第1リンク機構6a及び共通リンク機構7を介して連結されている。即ち、該第1ブレーキ連結部材665は、前記第1ブレーキ操作部材4a又は前記共通ブレーキ操作部材5の何れか一方の操作に基づき、前記ブレーキ操作軸651の軸線回りに回転し得るようになっている。
【0100】
詳しくは、図14及び図17に示すように、前記第1ブレーキ連結部材665は、前記第1作動部材661に相対回転不能に外挿される筒状本体部666と、該筒状本体部666から径方向外方へ延在された連結部667とを有している。
前記連結部667には、前記第1リンク機構6aの一部が係入される第1ブレーキ用溝668と、前記共通リンク機構7の一部が係入される共通ブレーキ用溝669とが形成されている。
該第1ブレーキ用溝668及び共通ブレーキ用溝669は、前記ブレーキ操作軸651の軸線を基準にして、異なる周方向位置に配置されている。
【0101】
なお、本実施の形態においては、前記第1ブレーキ連結部材665は、前記筒状本体666の周方向に異なる位置から径方向外方へ延在された2つの連結部667a,667bを有しており、前記第1ブレーキ用溝668及び前記共通ブレーキ用溝669は、それぞれ、2つの連結部667a,667bに形成されている。
【0102】
前記共通ブレーキ連結部材671は、運転者による共通ブレーキ操作部材5の操作に基づき、前記ブレーキ操作軸651を軸線回りに回転させ得るようになっている。
即ち、該共通ブレーキ連結部材671は、前記共通リンク機構7を介して前記共通ブレーキ操作部材5と連結されており、該共通ブレーキ操作部材5の操作に基づき、前記ブレーキ操作軸651を軸線回りに回転させるようになっている。
【0103】
詳しくは、前記共通ブレーキ連結部材671は、前記ブレーキ操作軸651に相対回転不能に外挿される筒状本体部672と、該筒状本体部672から径方向外方へ延在された連結部673とを有している。
前記連結部673には、前記共通リンク機構7の一部が係入される共通ブレーキ用溝674が形成されている。
【0104】
即ち、図17に良く示されるように、前記共通リンク機構7の一部は、前記第1ブレーキ連結部材665及び前記共通ブレーキ連結部材671にそれぞれ形成された共通ブレーキ用溝669,674の双方に係入されている。
従って、前記共通ブレーキ操作部材5を操作すると、前記第1ブレーキ連結部材665が回転して前記第1作動部材661を回転させると共に、前記共通ブレーキ連結部材671が回転して前記ブレーキ操作軸651を回転させるようになっている。
【0105】
好ましくは、図17に示すように、前記第1ブレーキ連結部材665及び前記共通ブレーキ連結部材671の各共通ブレーキ用溝669,674は、前記ブレーキ操作軸651の軸線を基準にして、周方向同一位置に形成される。
斯かる構成を備えることにより、前記第1ブレーキ連結部材665及び前記共通ブレーキ連結部材671の双方を共通リンク機構7によって容易に回転させることができる。
【0106】
さらに好ましくは、前記第1ブレーキ連結部材665における前記第1ブレーキ用溝668を、前記ブレーキ操作軸651の軸線を基準にして、前記共通ブレーキ用溝669,674とは周方向に異なる位置に設けることができる(図17参照)。
斯かる構成を備えることにより、前記第1リンク機構6aによる前記第1ブレーキ連結部材665のみの回転と、前記共通リンク機構7による該第1ブレーキ連結部材665及び前記共通ブレーキ連結部材671の双方の回転とを、容易に行うことができる。
【0107】
前記第2作動部材681は、前記ブレーキ操作軸651に相対回転不能に支持される筒部682と、該筒部682から径方向外方へ延在されたカム部683とを有している(図17参照)。
該第2作動部材681は、前記カム部683を介して、対応する前記第2ブレーキアクチュエータ614bと作動的に連結されている。
【0108】
前記第2ブレーキ連結部材685は、運転者による第2ブレーキ操作部材4b(図1参照)の操作に基づき、前記ブレーキ操作軸651に相対回転不能に支持された前記第2作動部材681を回転させ得るようになっている。
詳しくは、図1に良く示されるように、運転席の近傍には、第2ブレーキユニット610bを単独操作する為のブレーキペダル等の第2ブレーキ操作部材4bが備えられている。
前記第2ブレーキ連結部材685は、前記第2ブレーキ操作部材4bと、適宜の第2リンク機構6bを介して連結されている。従って、前記第2ブレーキ操作部材4bを操作すると、前記第2ブレーキ連結部材685が回転し、これにより、前記第2作動部材681及び前記ブレーキ操作軸651が軸線回りに回転するようになっている。
【0109】
より詳しくは、該第2ブレーキ連結部材685は、前記第2作動部材681に相対回転不能に外挿される筒状本体部686と、該筒状本体部686から径方向外方へ延在された連結部687とを有している。
前記連結部687には、前記第2リンク機構6bの一部が係入される第2ブレーキ用溝688が形成されている。
【0110】
このように、本実施の形態に係るブレーキ機構においては、前記第1ブレーキ用溝668、前記共通ブレーキ用溝669,674及び前記第2ブレーキ用溝688を介して、前記第1ブレーキ連結部材665、前記共通ブレーキ連結部材671及び前記第2ブレーキ連結部材685と、前記第1リンク機構6a、前記共通リンク機構7及び前記第2リンク機構6bとをそれぞれ連結しており、従って、前記第1リンク機構、第2リンク機構及び共通リンク機構に、複雑な切換機構を備えることなく、第1ブレーキユニット及び第2ブレーキユニットの単独作動、並びに、両ブレーキユニットの一体作動を選択的に行うことができる。
なお、該第2ブレーキ用溝688は、好ましくは、前記ブレーキ操作軸651の軸線を基準にして、前記第1ブレーキ用溝668と周方向同一位置に設けられる。
【0111】
好ましくは、図14に示すように、前記第1及び第2固定側ブレーキディスク612a,612bは、径方向中央に設けられた中央孔621を有するディスク部620と、該ディスク部620から径方向外方へ延在された延在片625とを備えることができる。
前記中央孔621は、対応するデフヨーク軸51a,51bが相対回転自在に挿通され得る大きさとされている。そして、前記延在片625には、対応する作動部材661,681が係入される切り欠き又は開口626が設けられる(図16参照)。
斯かる構成を備えることにより、前記第1及び第2固定側ブレーキディスク612a,612bを対応するデフヨーク軸51a,51bに対して軸線方向移動自在としつつ、該第1及び第2固定側ブレーキディスク612a,612bを確実に回転不能とすることができる。
【0112】
より好ましくは、図14に示すように、前記第1及び第2ブレーキユニット610a,610bにおける前記停止部材615a,615bは、対応するデフヨーク軸51a,51bを軸受支持する中央孔630と、対応する作動部材を軸受支持する孔又は切り欠き635とを有するものとし、該停止部材615a,615bを、ミッションケース130又は対応するブレーキカバー613a,613bに連結固定することができる。
斯かる構成により、前記第1及び第2作動部材661,681は、対応するブレーキカバー613a,613b及び対応する停止部材615a,615bの双方によって両持ち支持されることになる。従って、該第1及び第2作動部材661,681と共に、これらの作動部材に内挿されるブレーキ操作軸651を安定して支持することができる。
【0113】
なお、本実施の形態においては、前記ブレーキユニット610として摩擦板式ブレーキユニットを採用した為、前記作動部材661,681に作動連結された前記ブレーキアクチュエータ614a,bを、自己の回転動作に応じて対応する駆動軸51a,bの軸線方向に移動するように構成したが、本発明に係るブレーキ機構は斯かる形態に限定されるものではない。
即ち、本発明に係るブレーキ機構は、摩擦板式ブレーキユニットに代えてドラム型ブレーキユニット等の種々の構造のブレーキユニットを備え得る。例えば、前記ブレーキユニットとしてドラム型ブレーキユニットを採用する場合、前記作動部材に作動連結されるブレーキアクチュエータは、自己の回転動作に応じて対応するブレーキドラムに制動力を付加させるように構成される。
【0114】
本実施の形態においては、前記走行系伝動機構は、さらに、副車軸240(本実施の形態においては前車軸)へ駆動力を出力する為の副車軸用動力取出ユニット250を備えている。
【0115】
該副車軸用動力取出ユニット250は、図9に示すように、前記副変速軸403の前端部に相対回転不能に外挿されると共に、外周面にスプラインが形成された駆動側部材255と、前記副変速軸403と同軸上に位置するように、前記中間ハウジング120に支持された副車軸駆動軸260(図2参照)と、前記駆動側部材255と対向するように、前記副車軸駆動軸260に相対回転不能に支持されると共に、外周面にスプラインが形成された従動側部材265と、前記駆動側部材255及び前記従動側部材265に外挿されたスリーブ270であって、両者を相対回転不能に連結する係合位置と、駆動側部材255から従動側部材265への動力伝達を遮断する遮断位置とをとり得るように構成されたスリーブ270と、該スリーブ270を操作する操作機構280とを備えている。
【0116】
前記操作機構280は、図13に示すように、車輌幅方向に沿うように前記中間ハウジング120に相対回転自在に支持された副車軸操作軸281と、基端部が該副車軸操作軸281に相対回転不能に支持され、且つ、先端部が前記スリーブ270と係合するように構成されたフォーク部材282とを備えている。
【0117】
前記副車軸操作軸281は、少なくとも一端部が外方へ延在するように配設されており、該外方延在部を介して外部操作に基づき軸線回りに回転され得るようになっている。
本実施の形態においては、図1及び図13に示すように、前記副車軸操作軸281の外方延在部には、副車軸駆動用クランクアーム285の基端部が相対回転不能に連結されている。
該クランクアーム285の自由端部には、基端部が副車軸駆動切換用油圧シリンダ290内に収容された油圧ピストン291の自由端部が連結されている。
【0118】
斯かる構成により、該油圧ピストン291を前記油圧シリンダ290に対して往復動させることにより、前記副車軸操作軸281を軸線回りに回転させ、これにより、前記スリーブ270を係合位置又は解除位置に位置させ得るようになっている。
【0119】
次に、PTO系伝動機構について説明する。
図18に、前記ミッションケースの後室130R部分の縦断側面図を示す。又、図19及び図20に、それぞれ、図18におけるXIX-XIX線及びXX-XX線断面図を示す。
【0120】
該PTO系伝動機構は、図2,図3,図7,図9,図15及び図18等に示すように、前記フライホイール15を介してエンジン110に作動的に連結された前記駆動軸200と、前記駆動軸200の伝動方向下流端部に軸線回り相対回転不能に連結される主軸150と、前記主軸150の伝動方向下流端部に軸線回り相対回転不能に連結されるPTO駆動軸160と、前記PTO駆動軸160の伝動方向下流側に配設されるPTO従動軸170と、前記PTO駆動軸160からPTO従動軸170への動力伝達/動力遮断を選択的に行う主PTOクラッチユニット70と、一端部が外方へ延在するように、前記第2中間壁131cと前記後方プレート19とによって相対回転自在に支持されたリアPTO軸180と、一端部が外方へ延在するように、支持されたミッドPTO軸190と、前記PTO従動軸170から前記リアPTO軸180及び/又はミッドPTO軸190への動力伝達/動力遮断を選択的に行えるPTO切換ユニット80とを備えている。
【0121】
前記主軸150は、図2に示すように、車輌前後方向に沿うように、前記中間ハウジング120内に延びている。
好ましくは、前記中間ハウジング120における前記軸受壁123に、該主軸150を軸受する軸受孔を形成することができ、これにより、該主軸150の安定支持が可能となる。
【0122】
前記PTO駆動軸160は、図2及び図9に示すように、前記センタープレート18及び前記第1中間壁131cによって、回転自在に支持されている。
前記PTO従動軸170は、図18に示すように、前記PTO駆動軸160と同軸上に位置するように、前記第2中間壁131dと前記後方プレート19とによって回転自在に支持されている。
【0123】
前記PTOクラッチユニット70は、図18に良く示されるように、前記PTO駆動軸に相対回転不能に支持された駆動側部材701と、該駆動側部材701に相対回転不能且つ軸線方向移動自在に支持された駆動側摩擦板702と、該駆動側摩擦板702と対向配置された従動側摩擦板703と、前記PTO従動軸170に相対回転不能に支持されたクラッチハウジング704であって、前記従動側摩擦板703を相対回転不能且つ軸線方向移動自在に支持するクラッチハウジング704と、油圧の作用によって前記駆動側摩擦板702及び従動側摩擦板703を摩擦接触させるクラッチピストン705と、該クラッチピストン705を前記駆動側摩擦板702及び従動側摩擦板703から離間する方向へ付勢するスプリング706とを備えている。
【0124】
本実施の形態においては、前記PTO系伝動機構は、さらに、前記PTOクラッチユニット70に連動するPTOブレーキユニット75を備えている。
該PTOブレーキユニット75は、前記クラッチハウジング704に相対回転不能且つ軸線方向移動自在に支持された第1摩擦板751と、該第1側摩擦板751と対向するように配置された第2摩擦板752と、該第2摩擦板752を相対回転不能且つ軸線方向移動自在に支持するリング体753と、該リング体753と当接して、該リング体753の回転を停止させる固定体754と、前記クラッチピストン705に連結された押動ピン755とを備えている。
【0125】
前記リング体753は、前記クラッチハウジング704に相対回転不能に支持された本体部753aと、該本体部753aの周方向一部から径方向外方へ延在された径方向延在部753bとを有している。
該リング体753は、前記径方向延在部753bが前記固定体754に設けられた当接部754bと当接することで、回転が停止されるようになっている(図14参照)。
【0126】
斯かる構成のPTOブレーキユニット75は、前記PTOクラッチユニット70への圧油供給が遮断され、これにより、前記クラッチピストン705が前記スプリング706によって押動されると、前記押動ピン755が前記第1摩擦板751及び第2摩擦板752を摩擦接触させ、これにより、PTO従動軸170と前記リング体753とが一体回転するように構成されている。前述の通り、前記リング体753は周方向一部に径方向延在部753bを有しているから、該リング体753が所定角度回転すると、該径方向延在部753bが前記固定体754の当接部754bと当接し、これにより、前記リング体753の回転が停止され、PTO従動軸170に制動力が付加されるようになっている。
【0127】
本実施の形態においては、前記PTO切換ユニット80は、図18に良く示されるように、前記PTO従動軸170のうち前記後室130Rに位置する部分に設けられた第1伝動ギヤ部材801と、該第1伝動ギヤ801と噛合するように前記リアPTO軸190に相対回転自在に支持された第2ギヤ部材802と、前記リアPTO軸190に軸線方向移動自在且つ相対回転不能とされたリアPTOスリーブ803であって、前記第2ギヤ部材802に設けられた内歯と噛合する係合位置と、該内歯とは噛合しない解除位置とをとり得るように構成されたリアPTOスリーブ803と、前記第2ギヤ部材802と噛合する第3ギヤ部材804と、前記第3ギヤ部材804を相対回転不能に支持する第1中間軸805と、前記第3ギヤ部材804と噛合する第4ギヤ部材806と、前記第2中間壁131dと前記後方プレート19によって回転自在に支持された第2中間軸807であって、前記第4ギヤ部材806を相対回転不能に支持する第2中間軸807と、前記第2中間軸807と同軸上に配設されたミッドPTO伝動軸808と、前記ミッドPTO伝動軸808及び前記第2中間軸807に軸線方向移動自在に支持されたミットPTOスリーブ809であって、両軸を軸線回り相対回転不能に連結する係合位置と、両軸を軸線回り相対回転自在とする解除位置とを取り得るように構成されたミッドPTOスリーブ809と、前記ミッションケース130に着脱自在に連結されるミッドPTOケース820であって、前記ミッドPTO軸190を支持するミットPTOケース820(図10参照)と、前記ミッドPTO伝動軸808と前記ミッドPTO軸190とを連結するギヤ列825であって、前記ミッドPTOケース820に支持されるギヤ列825とを備えている。
【0128】
なお、本実施の形態における車輌は、図1に示すように、前記ミッドPTO軸190によって作動的に駆動されるモア装置9を前記フレーム構造体100の下方に備えている。
【0129】
前記PTO系伝動機構は、さらに、前記ミッドPTOスリーブ803及び前記リアPTOスリーブ809を操作するPTO操作ユニット85を備えている。
図21に、図19におけるXXI-XXI線断面図を示す。
【0130】
図18,図19及び図21に示すように、前記PTO操作ユニット85は、一端部及び他端部がそれぞれ前記ミッションケース130の外方及び内方に位置するように該ミッションケース130に回転自在に支持されたPTO操作軸851と、前記PTO操作軸851の外端部に相対回転不能に連結されたPTO切換レバー852と、前記リアPTO軸180と直交する枢支軸853回りに揺動自在とされたPTO操作アーム854と、前記PTO操作軸851の内端部と前記PTO操作アーム854とを連動連係する中間リンク855であって、該PTO操作軸851の軸線回りの回転に応じて前記PTO操作アーム854を前記枢支軸853回りに揺動させる中間リンク855と、前記リアPTO軸180と平行になるように、前記第2中間壁131d及び前記後方プレート19に軸線方向移動自在に支持されたPTOフォーク軸856と、前記PTOフォーク軸856に軸線方向移動不能に支持されたリアPTOフォーク857であって、基端部が前記PTO操作アーム854の自由端部と係合し、且つ、自由端部が前記リアPTOスリーブ803と係合するリアPTOフォーク857と、前記PTOフォーク軸856に軸線方向移動不能に支持されたミッドPTOフォーク858であって、自由端部が前記ミッドPTOスリーブ809と係合するミッドPTOフォーク858とを備えている。
【0131】
斯かるPTO操作ユニット85は以下のように動作する。
前記PTO切換レバー852を直接的又は間接的に操作して、前記PTO操作軸851を軸線回りに回転させると、前記PTO操作アーム854が枢支軸853回りに揺動し、前記リアPTOフォーク857及びミッドPTOフォーク858が前記PTOフォーク軸856と共にリアPTO軸180の軸線方向に沿って移動する。斯かるリアPTOフォーク857及びミッドPTOフォーク858の移動によって、前記リアPTOスリーブ803及び前記ミッドPTOスリーブ809が連動して押動される。
即ち、本実施の形態におけるPTO操作ユニット85は、前記PTO切換レバー852を操作するだけで、前記リアPTOスリーブ803及び前記ミッドPTOスリーブ809の双方を移動させ得るようになっている。
【0132】
より詳しくは、前記PTOフォーク軸856は、前記リアPTOスリーブのみを係合位置に位置させるリアPTO軸出力位置と、前記リアPTOスリーブ及び前記ミッドPTOスリーブの双方を係合位置に位置させる両PTO軸出力位置と、前記ミッドPTOスリーブのみを係合位置に位置させるミッドPTO軸出力位置とを取り得るように構成されている。
即ち、前記PTO切換レバー852を(1)リア出力位置,(2)同時出力位置及び(3)ミッド出力位置(図18参照)に選択的に位置させることにより、前記PTOフォーク軸856,前記リアPTOフォーク857,前記ミッドPTOフォーク858,前記リアPTOスリーブ803及び前記ミッドPTOスリーブ809は、それぞれ、(1)該リアPTOスリーブ803のみを係合位置に位置させる状態と、(2)該リアPTOスリーブ803及びミッドPTOスリーブ809の双方を同時に係合位置に位置させる状態と、(3)該ミッドPTOスリーブ809のみを係合位置に位置させる状態とを、とり得るように構成されている。
【0133】
好ましくは、図21に示すように、前記PTOフォーク軸856に、該PTOフォーク軸856の意に反した軸線方向移動を防止するPTOディテント機構87を備えることができる。
該PTOディテント機構87は、前記PTOフォーク軸856の軸受孔に対して径方向進退自在とされたボール871と、該ボール871を前記軸受孔の径方向内方へ付勢するスプリング872と、前記PTOフォーク軸856の外表面に軸線方向に沿って形成されたリアPTO軸出力位置用凹部873a,両PTO軸出力位置用凹部873b及びミッドPTO軸出力位置用凹部873cであって、前記ボール871が係入可能とされたリアPTO軸出力位置用凹部873a,両PTO軸出力位置用凹部873b及びミッドPTO軸出力位置用凹部873cとを備えている。
【0134】
より好ましくは、前記PTO切換ユニット80は、前記両PTO軸180,190の出力状態を検出するPTO出力検出機構88を備えることができる。
該PTO出力検出機構88は、前記PTOフォーク軸856の軸線方向位置に応じて、ON/OFFされる第1及び第2スイッチ881,882を有している。
【0135】
本実施の形態においては、前記第1及び第2スイッチ881,882は、前記PTOフォーク軸に形成された凹部と係合する際にはOFF状態となり、且つ、前記PTOフォーク軸856における凹部以外の外表面と係合する際にはON状態となるように構成されている。
【0136】
詳しくは、図21に示すように、前記PTOフォーク軸856には、前記リアPTO軸出力位置用凹部873a,両PTO軸出力位置用凹部873b及びミッドPTO軸出力位置用凹部873cの3つの凹部に加えて、センサー用凹部883が形成されている。
前記第1及び第2スイッチ881,882は、(1)前記PTOフォーク軸856がリアPTO軸出力位置に位置する際に、それぞれ、前記ミッドPTO軸出力位置用凹部873c及びセンサー用凹部883と係合し、(2)前記PTOフォーク軸856が両PTO軸出力位置に位置する際に、それぞれ、前記センサー用凹部883及び外表面と係合し、且つ、(3)前記PTOフォーク軸856がミッドPTO軸出力位置に位置する際には何れの凹部とも係合しないように、配置されている。
【0137】
斯かる第1及び第2スイッチ881,882のON/OFF状態と両PTO軸の出力状態との関係を、表1に示す。
【表1】
【0138】
前記表1に示すように、前記第1及び第2スイッチ881,882のON/OFF状態により、現時点において、何れのPTO軸180,190が回転しているかを確実に検出することができる。
なお、図21は、両PTO軸180,190が回転している同時出力状態を示している。
【0139】
以下、本実施の形態における車輌の油圧機構90について説明する。
図22及び図23に、該車輌の油圧回路図を示す。
図22に示すように、該油圧機構90は、作動油を貯留するタンク901と、該タンク901からフィルター902を介して貯留油を吸引する第1及び第2油圧ポンプ903,904とを備えている。
【0140】
本実施の形態においては、前記フレーム構造体100の内部空間の少なくとも一部が前記タンク901として兼用されるように構成されている。
即ち、前記フライホイールハウジング110,前記中間ハウジング120及び前記ミッションケース130は、種々の動力伝達機構の収容空間を形成し、且つ、シャーシの一部を構成すると共に、内部空間の少なくとも一部が油を貯留可能な貯留空間を形成するように、構成されている。
【0141】
ここで、該フレーム構造体100の貯留空間について詳述する。
該フレーム構造体100は、前述の通り、前記中間ハウジング120及びリバーサハウジング310の内部空間を油室として利用し、且つ、前記フライホイールハウジング110のフライホイール収容空間(フライホイールハウジングの内部空間のうちリバーサハウジング占有空間以外の空間)を乾室として利用し得るように構成されている。
【0142】
斯かる構成に加えて、図8に示すように、前記中間ハウジング120及び前記ミッションケース130の間に介挿される前記センタープレート18には、下方部分に油流通口18aが形成されている。
又、前記ミッションケース130の後方開口は、前述の通り、前記後方プレート19によって液密に閉塞されている。
斯かる構成により、本実施の形態に係るフレーム構造体100は、前記中間ハウジング120及び前記ミッションケース130の内部空間が前記貯留空間として利用され得るようになっている。
【0143】
さらに、該フレーム構造体100は、前記貯留空間内の貯留油を前記フィルター902を介して取り出せるように構成されている。
詳しくは、該フレーム構造体100は、前記貯留空間を、フィルター902が収容されるフィルター収容部100aと、該フィルター収容部100a以外の他の本体部分100bとに分離する仕切壁101を有している。
【0144】
本実施の形態においては、図10に示すように、前記仕切壁101は、前記ミッションケース130に設けられている。
詳しくは、前記ミッションケース130は、前記センタープレート18を介して前記中間ハウジング120の後端面と対向する前端面から所定距離だけ後方へ入り込んだ領域に亘って、車輌幅方向へ膨出した膨出部135を有しており、該膨出部135が前記フィルター収容部100aを形成するようになっている。
【0145】
さらに、前記ミッションケース130には、前記膨出ブレーキ35が形成された側の側壁131bの内周面から幅方向中央へ向かって延びるように前記仕切壁101が設けられており、該仕切壁101によって前記膨出部135の内部空間が他の部分から仕切られるようになっている。
【0146】
より詳しくは、前記仕切壁101は、前記貯留空間における下方部分において、前記フィルター収容部100aと前記本体部分100bとを連通する連通口102を有している。
即ち、該仕切壁101は、下方部分においてのみ前記フィルター収容部100aと前記本体部100bとが油連通するように、両者を分離している。
【0147】
本実施の形態に係るフレーム構造体は、斯かる構成を備えることにより、貯留空間内に貯留する油量を可及的に減量しつつ、該貯留油を油切れさせることなく確実に取り出すことができる。
【0148】
即ち、前記貯留空間内の貯留油は、前記フレーム構造体100内に収容される種々の伝動機構に対し撹拌抵抗となる。従って、動力伝達効率の観点からは、前記貯留油内の油量を減らすことが望ましい。
その一方、貯留油の油量を減らし過ぎると、該貯留油を取り出す際に油切れが生じる。特に、坂道等を走行中の場合のように、車輌が傾いた姿勢をとる際には、貯留油の油面が変動し、油圧回路にエアが吸引される恐れがある。
【0149】
本実施の形態に係るフレーム構造体100は、斯かる点に鑑み、前記仕切壁101によって、前記フィルター収容部100aが前記貯留空間の下方部分においてのみ前記本体部分100bと連通されるように構成されている。
斯かる構成によると、車輌の姿勢によって前記フィルター収容部100a内の油面が変動することを可及的に抑えることができる。従って、貯留空間内の油量を抑えることにより伝動効率の悪化を防止しつつ、フィルター902を介して吸引される油の油切れを有効に防止できる。
【0150】
好ましくは、前記仕切壁101は、前記連通口102が前記貯留空間の車輌幅方向略中央に位置するように、配設される。
斯かる構成により、車輌が左右方向に傾斜した場合における前記フィルター収容部100a内の油面変動を有効に抑えることができる。
本実施の形態においては、図10に示すように、前記仕切壁101は、前記ミッションケース130の側壁131bから幅方向略中央まで略水平に延びる水平部101aと、該水平部101aの自由端部から略下方へ延びる垂直部101bとを有しており、該垂直部101bの自由端部と前記ミッションケース130の底壁131a内周面とによって画される前記連通口102が車輌幅方向略中央に位置するようになっている。
【0151】
より好ましくは、前記仕切壁101は、前記連通口102が前記貯留空間の車輌長手方向略中央に位置するように、配設される。
斯かる構成により、車輌が前後方向に傾斜した場合における前記フィルター収容部101a内の油面変動を有効に抑えることができる。
本実施の形態においては、前述の通り、前記中間ハウジング120及び前記ミッションケース130の内部空間が貯留空間を形成するように構成されている。従って、前記ミッションケース130の前端部の近傍に前記仕切壁101を形成している。
【0152】
さらに好ましくは、図9及び図10に示すように、前記連通口102の近傍に、オイルヒータ105を設けることができ、これにより、寒冷時における作動油の粘性悪化を有効に防止できる。
即ち、前記フィルター902を介して吸引される貯留油は、前記連通口102を通過して前記フィルター収容部100a内に引き込まれる。従って、該連通口102の近傍にオイルヒータ105を設置することにより、貯留油のうち作動油として使用される油を効率的に加熱することができる。
【0153】
本実施の形態においては、図7〜図9に示すように、前記中間ハウジング120の後端部近傍に下方膨出部122を設け、該下方膨出部122の前方側からオイルヒータ105を着脱可能に設置させている。
図9中の符号18bは、前記センタープレート18に設けられたオイルヒータ挿通孔である。
【0154】
なお、本実施の形態においては、前記フレーム構造体100を、前記フライホイールハウジング110,中間ハウジング120及びミッションケース130からなる3分割体としたが、前記仕切壁101を備えることによる効果は本実施の形態に係る構成に限定されるものではない。
即ち、車輌フレームを構成するように車輌前後方向一方側から他方側に沿い、且つ、内部空間の少なくとも一部が油を貯留し得る貯留空間とされている限り、単一のワンピース部材として形成されたフレーム構造体や2分割体とされたフレーム構造体等、種々の構造のフレーム構造体に前記仕切壁101を適用することができる。
【0155】
前記油圧機構90は、さらに、前記第1油圧ポンプ903によって前記貯留空間からフィルター902を介して吸引された作動油が供給されるパワーリバーサバルブ91を有している。
なお、本実施の形態においては、前記第1油圧ポンプ903と前記パワーリバーサバルブ91との間にパワーステアリング用油圧回路905を介挿しており、前記第1油圧ポンプ903からの圧油をパワーステアリング作動油としても用いている。
【0156】
本実施の形態において、前記パワーリバーサバルブ91は、図4及び図7に示すように、前記中間ハウジング120の側壁に連結されている。
該パワーリバーサバルブ91は、入力ポート911aを介して前記第1油圧ポンプ903からの圧油を受ける入力ライン911と、
該入力ライン911に介挿されたラインフィルタ912と、
該ラインフィルタ912の後流側において前記入力ライン911から分岐された第1及び第2出力ライン913,914と、
前記第1出力ライン913に介挿されたバルブ群915と、
該バルブ群915の二次側に設けられた前進用ライン916F,後進用ライン916R及び潤滑ライン916Lと、
前記バルブ群915からのドレイン油を前記貯留空間に排出するドレインライン917とを備えている。
【0157】
図4及び図7に示すように、前記前進用ライン916F,後進用ライン916R及び潤滑ライン916Lは、それぞれ、前記中間ハウジング120及び前記フライホイールハウジング110内に配設された配管、若しくは、前記中間ハウジング120に穿孔された油路918,919を介して、前記リバーサハウジング310の前面に設けられたロータリジョイント92に連通され、該ロータリージョイント92を介して前記駆動軸200に穿孔されたそれぞれの油路に連通されている。
なお、図4,図6,図7及び図22中において、前進用ライン916F,後進用ライン916R及び潤滑ライン916Lに対応した前記配管若しくは油路918,919には、それぞれ、添え字「F」,「R」及び「L」を付している。
【0158】
又、本実施の形態においては、前記リバーサハウジング310の端壁311aのうち前記支持面125bと対向する面には、前記中間ハウジング120内に配設された配管又は油路918と、前記フライホイールハウジング110内に配設された配管919とを連通する為の油溝920が形成されている(図5参照)。
図5においても、前記と同様、前進用ライン916F,後進用ライン916R及び潤滑ライン916Lに対応した前記油溝920には、それぞれ、添え字「F」,「R」及び「L」を付している。
【0159】
前記第2出力ライン914は、出力ポート914aに接続される配管921を介して、PTOバルブ93に連通されている(図4,図22及び図23参照)。
該PTOバルブ93は、前記配管921に連通されたPTOクラッチライン931及び副車軸駆動切換ライン932と、該各ライン931,932にそれぞれ介挿された電磁切換弁933,934とを備えている。
【0160】
図18及び図20に示すように、前記PTOクラッチライン931の二次側ポート931bは、適宜の配管935及び前記固定体754に穿孔された油路936を介して、前記PTO従動軸170に穿孔されたPTOクラッチ用油路に連通されている。
他方、前記副車軸駆動切換ライン932の二次側ポート932b(図23参照)は、適宜の配管を介して、前記副車軸駆動切換用油圧シリンダ290(図1参照)に連通されている。
【0161】
前記油圧機構90は、さらに、前記第2油圧ポンプ904からの圧油が供給されるフロントローダ用油圧供給バルブ906と、該バルブ906の後流側に備えられた油圧リフト用油圧供給バルブ907とを有している(図22及び図23参照)。
【0162】
さらに、該油圧機構90は、前記油圧リフト用油圧供給バルブ907からのリリーフ油を、前記PTOクラッチユニット70及び前記PTOブレーキユニット75に潤滑油として供給するPTO潤滑ライン941を備えている。
【0163】
該PTO潤滑ライン941は、図9及び図18に示すように、前記ミッションケース130の第1中間壁131cに穿孔された油路942を介して、前記PTO駆動軸160及び主変速軸401にそれぞれ穿孔された潤滑用油路に連通されている。
【0164】
なお、本実施の形態においては、2台の油圧ポンプ(第1及び第2油圧ポンプ903,904)を備えるようにしたが、これは、油圧ポンプへの過負荷を考慮したものである。従って、付設される油圧回路に応じて、適宜、油圧ポンプの台数が設定される。
又、本実施の形態においては、種々の油圧回路を備えたが、当然ながらこれらの油圧回路は、車輌の仕様により、適宜、削除,変更又は追加される。
【0165】
【発明の効果】
本発明に係るフレーム構造体によれば、前方から後方に沿って連結されたフライホイー ルハウジング,中間ハウジング及びミッションケースの内部空間の少なくとも一部によって構成される貯留空間内に貯留される油量を減らしつつ、フィルター収容部から貯留油を有効に取り出すことができる。
従って、フレーム構造体内に収容される伝動機構の伝動効率の悪化を防止しつつ、該フレーム構造体から油を取り出す際における油切れを有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態に係るフレーム構造体が適用された車輌の概略側面図である。
【図2】 図2は、図1に示すフレーム構造体の縦断側面図である。
【図3】 図3は、図1及び図2に示すフレーム構造体におけるフライホイールハウジングの縦断面図である。
【図4】 図4は、図3に示すフライホイールハウジングの横断平面図である。
【図5】 図5は、図1及び図2に示すフレーム構造体における中間ハウジングの前端面図であり、前後進切換ユニットが取り外された状態を示している。
【図6】 図6は、図1及び図2に示すフレーム構造体における中間ハウジングの前端面図であり、前後進切換ユニットが取り付けられた状態を示している。
【図7】 図7は、図2におけるVII-VII線断面図である。
【図8】 図8は、図1及び図2に示すフレーム構造体におけるミッションケースの前端面図である。
【図9】 図9は、前記中間ハウジングと前記ミッションケースとの連結部位近傍の縦断側面図である。
【図10】 図10は、図2におけるX−X線断面図である。
【図11】 図11は、図10におけるXI-XI線断面図である。
【図12】 図12は、図10におけるXII-XII線断面図である。
【図13】 図13は、図12におけるXIII-XIII線断面図である。
【図14】 図14は、図2におけるXIV-XIV線断面図である。
【図15】 図15は、前記ミッションケースの横断展開平面図である。
【図16】 図16は、図14におけるXVI-XVI線断面図である。
【図17】 図17は、図1に示す車輌におけるブレーキ機構の部分分解斜視図であり、該ブレーキ機構におけるブレーキ操作軸に支持される部品を示している。
【図18】 図18は、前記ミッションケースにおける後室部分の縦断側面図である。
【図19】 図19は、図18におけるXIX-XIX線断面図である。
【図20】 図20は、図18におけるXX-XX線断面図である。
【図21】 図21は、図19におけるXXI-XXI線断面図である。
【図22】 図22は、図1に示す車輌の部分油圧回路図である。
【図23】 図23は、図1に示す車輌の部分油圧回路図である。
【符号の説明】
1 作業車輌
10 エンジン
30 前後進切換ユニット(伝動ユニット)
100 フレーム構造体
100a フィルター収容部
100b フィルター収容部以外の貯留空間
101 仕切壁
102 連通口
105 オイルヒータ
110 フライホイールハウジング
110a フライホイールハウジングの一端側開口
110b フライホイールハウジングの他端側開口
120 中間ハウジング
120a 中間ハウジングの一端側開口
121 中間ハウジングの本体部
125 中間ハウジングのフランジ部
125a 中間ハウジングの当接面
125b 中間ハウジングの支持面
130 ミッションケース
135 ミッションケースの膨出部
902 フィルター
Claims (2)
- 車輌フレームを構成するように前方から後方に沿って連結されたフライホイールハウジング,中間ハウジング及びミッションケースを有し、内部空間の少なくとも一部が油を貯留し得る貯留空間とされたフレーム構造体であって、
前記中間ハウジングと前記ミッションケースとの連結部分を両者の内部空間が油流通自在とするよう構成する一方、前記中間ハウジングと前記フライホイールハウジングとの連結部分を両者の内部空間が油密に区画されるよう構成することにより、前記フライホイールハウジング,前記中間ハウジング及び前記ミッションケースの内部空間は、フライホイールホイールが収容される乾室空間と前記貯留空間とに分離されており、
前記ミッションケースは、前方側開口から後方側へ入り込んだ位置において車輌幅方向一方側へ膨出され、前方からフィルタが設置可能とされたフィルター収容部を形成する膨出部と、前記貯留空間のうち前記膨出部によって形成されるフィルタ収容部を該フィルター収容部以外の他の本体部分から分離する仕切壁とを有し、
前記仕切壁は、前記ミッションケースの車輌幅方向一方側の側壁から幅方向略中央まで略水平に延びる水平部と前記水平部の自由端部から略下方へ延びる垂直部とを有し、前記垂直部の自由端部と前記ミッションケースの底壁の内周面との間に前記フィルター収容部と前記本体部分とを連通する連通口が設けられ、
前記ミッションケースには、前記垂直部より車輌幅方向他方側において前後方向に延び、前端部が側面視において前記垂直部とオーバーラップするPTO伝動軸と、前記ミッションケースの車輌幅方向他方側に連結されるミッドPTOケースと、前端部が前方へ突出した状態で車輌前後方向に沿うように前記ミッドPTOケースに支持されたミッドPTO軸と、前記PTO伝動軸から前記ミッドPTO軸へ回転動力を伝達するギヤ列であって、前記PTO軸及び前記ミッドPTO軸にそれぞれ支持される伝動ギヤを含むギヤ列とが設けられていることを特徴とする車輌のフレーム構造体。 - 前記中間ハウジングは底壁の後端部が下方に膨出された下方膨出部を有し、
前記連通口の近傍に位置するようにオイルヒータが前記下方膨出部の前方側から着脱可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の車輌のフレーム構造体。
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