JP4450394B2 - 作業車輌用トランスミッション - Google Patents
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Description
より好ましくは、前記作動油制御部材及び前記圧油分配器は、それぞれ、前記側蓋部の外側及び内側に着脱自在に取付けられる。
詳しくは、前記エンジン10aから出力された動力は、フライホイール10bの回転中心部に付設した弾性継ぎ手(図示せず)から、その両端部に自在継手を有する後下方へ傾斜した伝動軸10cを介して、HST20の入力軸21aに導入される。
さらに、前記シャーシ101の前方部上方には、前記エンジン10aや該エンジン10aに関連するラジエータ及び燃料タンクが搭載されており、これらの部品はボンネットで覆われている。
なお、斯かる前輪動力伝達機構を介して、前車輪は後車輪180と同期した回転動力で駆動される。
前記シート102は、ミッションケース60の後方上面と後述のバルブユニット410の前面とに亘って架設されたマウントステー10g上に取り付けられる。
詳しくは、該HST20は、前記モータ軸22aの回転出力をコントロールする出力制御アーム25を有している。該出力制御アーム25aは、シャーシ101に設置された右ステップ(図示せず)上に配設された前後進走行ペダル(図示せず)に作動的に連結されている。
車輌前後方向に沿って順に設けられた前記前支持壁61a及び後支持壁61bは、該本体部61の内部空間を、前室C1,中室C2及び後室C3に区画している。該前室C1,中室C2及び後室C3は、互いに油が流通し得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記中室C2の上方に中継室C4が設けられており、前記前室C1,中室C2,後室C3及び中継室C4が互いに油流通可能とされている。
即ち、前記前支持壁61aの上下方向略中央位置には前室C1と中継室C4とを連通する油連通開口61xが設けられている。該中継室C4は後支持壁61bに設けられた開口を通じて後室C3に開口している。さらに、前記後支持壁61bの上下方向下方位置には前記中室C2と後室C3とを連通する油連通開口61yが設けられている(図3,7及び9参照)。
前記中室C2の下方には、前記駆動車軸への動力伝達機構用収納スペースが確保されている。具体的には、該中室C2の下方に、前記駆動車軸の入力端部(内端部)が支持されるように構成されている。
本実施の形態においては、駆動車軸への動力伝達機構として前記ディファレンシャルギア装置が備えられており、従って、該中室C2の下方には、ディファレンシャルギア装置収容スペースが確保されている。
より詳しくは、該収納スペースは、図5に示すように、詳細は後述する前記走行系入力軸34を基準としてミッションケースの幅方向一方側に変位されている。
より詳しくは、エンジン始動前は、前室C1、中室C2、後室C3、中継室C4はいずれも図示のオイルレベルOLにある。これに対し、エンジン始動後は、HSTの作動に伴なうドレン油が流れ込む前室C1のオイルレベルOLは上がりぎみとなり、また、前記補助油圧ポンプ420により貯溜油が吸い出される中室C2のオイルレベルOLは下がりぎみとなる。
より詳しくは、図2,図3及び図6に良く示されるように、前記PTO系入力軸31は、ミッションケース60の幅方向略中央において、回転軸線が前後方向に沿って配設されるように、前端部が前記前蓋部62によって前記ポンプ軸と連結可能に支持され且つ後端部が前記前支持壁61aによって終焉支持されている。
前記後支持壁61bは、前記リアPTO軸32の前端部を支持するようになっている。即ち、前記リアPTO軸32は、前記後支持壁61bと前記後蓋部63とによって支持されている。
より詳しくは、前記リアPTO軸32は、ミッションケースの幅方向略中央において、回転軸線が前後方向に沿い且つ後端部が前記後蓋部63から後方へ突出するように、前記後支持壁61bと前記後蓋部63とによって支持されている。
なお、本実施の形態においては、本体部61の前方開口を閉塞する前蓋部62を備えるように構成したが、これに代えて、本体部61の前方開口をセンターセクション23で閉塞するように構成することも可能である。
なお、該ミッドPTO軸33と作動的に連結される第1作業装置112の入力軸112(図1参照)は、車高の上昇を極力防止しつつ、シャーシ101との干渉を避ける為に、幅方向中央から何れか一方へ変位されるのが好ましい。本実施の形態においては、前述のように、ミッションケース60の幅方向一方側の下方にディファレンシャルギア装置150が収容される。従って、該ディファレンシャルギア装置150が変位された側とは反対側の幅方向他方側に前記第1作業装置112の入力軸112を変位させると共に、前記ミッドPTO軸33も幅方向他方側に変位させるのが好ましい。このように構成することによって、車高の上昇を抑えつつ、且つ、ディファレンシャルギア装置150との干渉を防止すると共に、ミッドPTO軸33と第1作業装置112の入力軸112とを連結する伝動機構を簡略化させることができる。
即ち、第1作業装置112は地面上に載置される作業状態と地面から上方へ昇降される待機状態とをとり得るように構成されている。その為、該第1作業装置112と前記ミッドPTO軸33とは自在継手を備えた伝動機構によって連結される。斯かる場合、前記ミッドPTO軸33をできるだけ地面に近接配置すれば、前記第1作業装置112を作業状態にした場合における,前記自在継手のミッドPTO軸33に対する折れ角度を小さくでき、これにより、該自在継手を備えた伝動機構を無理なく構成することが可能となる。
なお、図1において、符号112'はフロントPTO装置を示している。本実施の形態においては、該フロントPTO装置112’は、フロントアクスル10eの底面に着脱自在に吊り下げ支持されている。該フロントPTO装置112'は、前述したモアなどの第一作業装置112を車輌下腹部に装着する代わりに、除雪機などの作業機を車輌前部に装着する場合に使用される。
詳しくは、車輌長手方向に沿ったフロントPTO軸の後端部には軸継手を介して前記ミッドPTO軸33が連結され、該フロントPTO軸の前端部には軸継手を介して前記作業装置の駆動部が連結される。
なお、該PTO系伝動軸41は、前記ミッドPTO軸33及びリアPTO軸32に対する駆動軸となるものである。前述のように、ミッドPTO軸33はミッションケース60の下方に配設されており、他方、リアPTO軸32はミッションケース60の上方に配設されている。従って、本実施の形態においては、図6に示すように、前記PTO系伝動軸41からミッドPTO軸33及びリアPTO軸32の双方への動力伝達を効率良く且つ簡単な構成で行えるように、該PTO系伝動軸41を前記PTO系入力軸31より下方に配設している。
具体的には、該PTOクラッチ装置70は、前記PTO系入力軸31に相対回転不能且つ軸方向摺動不能に支持された駆動側部材71と、該駆動側部材71に支持された駆動側摩擦板72と、前記PTO系入力軸31に相対回転自在に支持された従動側部材73と、該従動側部材73に相対回転不能且つ軸方向摺動自在に支持された従動側摩擦板74と、油圧の作用を受けて、前記従動側摩擦板74と前記駆動側摩擦板72とを摩擦係合させるクラッチ押動部材75と、該クラッチ押動部材75を前記駆動側摩擦板72及び従動側摩擦板74から離間させるクラッチ付勢部材76と、前記従動側部材73と噛合するように前記PTO系伝動軸41の前端部に相対回転不能に支持されたPTO伝動ギア77とを備えている。
斯かる構成の該PTOクラッチ装置70は、油圧の作用によって前記クラッチ押動部材75が前記両摩擦板72,74を摩擦係合させた場合にはPTO系入力軸31から従動側部材73を介してPTO系伝動軸41に動力を伝達するメインPTOギアトレーンとして機能し、且つ、油圧の作用を受けない場合にはPTO系入力軸31から従動側部材73への動力伝達を遮断する遮断部材として機能する。
より好ましくは、前記シリンダ室85は、前記側蓋部64に形成される。即ち、液密性が要求されるシリンダ室85を前記本体部61ではなく、側蓋部64に形成することにより、前記本体部61の加工精度を高める必要がなくなり、該本体部61を比較的容易に鋳造することができる。
即ち、前記油圧ブレーキ機構80及び前記油圧クラッチ装置70は、共通の油圧源によって連動制御されるようになっている。
より詳しくは、前記PTOライン602から油圧ブレーキ機構80及び油圧クラッチ装置70への作動油供給を制御する切換弁604が備えられたバルブアッセンブリ650を、前記側蓋部64の外面に固着している。
本実施の形態においては、前記側蓋部64に、外端部が前記PTOライン602に連通し、且つ、内端部が内表面に開口する穿孔615が設けられている。
さらに、前記圧油分配器として、一端部616aが該穿孔615の内端部に連通され、且つ、他端部がクラッチ押動部材75及びブレーキ押動部材83のそれぞれを向く第1及び第2開口端部616b,616cとされたマニホールド616が備えられている。該第1開口端部616b及び第2開口端部616cは、それぞれ、後述するクラッチライン611及びブレーキライン612を構成する。
なお、本実施の形態においては、図3に示すように、前記第1開口端部616bは車輌幅方向を向き、且つ、前記第2開口端部616cは車輌前後方向を向いている。
好ましくは、前記第1開口端部616b及び第2開口端部616cの少なくとも一方は、パイプ等の分離自在な部材で構成することができ、これにより、前記マニホールドの加工性及び組立性を向上させることができる。
具体的には、前記ブレーキ押動部材83は、基端部が前記シリンダ室85内に位置し且つ先端部に前記ブレーキシュー82が配設されたロッド83aと、該ロッド83aに軸方向摺動自在に支持され、且つ、前記シリンダ室85を圧油作動室85aと付勢部材収納室85bとに画する受圧板83bと、前記付勢部材収納室85b内に位置するように、前記ロッド83aに軸線方向移動不能に支持された従動板83cとを備えている。
前記受圧板83bには、前記圧油作動室85aと付勢部材収納室85bとを連通するオリフィス85b’が形成されている。該オリフィス85b’は、前記受圧板85bが圧油の作用によって前記付勢部材収納室85bの方へ所定ストローク押動されると、前記従動板83cによって閉塞されるようになっている。
即ち、前記PTOライン602を介して圧油が供給されると、前記クラッチライン611及びブレーキ612の油圧が上昇する。この際、前記オリフィス85b’から圧油が漏れ出るので、該クラッチライン611及びブレーキライン612の油圧は、当初、比較的緩やかに上昇する。従って、油圧クラッチ装置70は、緩やかに係合状態となる。
その後、前記受圧板85bが圧油によって押動されて前記オリフィス85b’が閉塞されると、前記クラッチライン611及びブレーキライン612の油圧は、設定値まで上昇する。
具体的には、該ミッドPTO伝動ギア列43は、前記リアPTO用ギア部材42aと向き合うように前記PTO系伝動軸41に相対回転自在に支持されたミッドPTO用ギア部材43aと、該ギア部材43aと噛合するアイドルギア43bと、該アイドルギア43bと噛合するように前記ミッドPTO軸33の後端部に相対回転不能に支持された最終ギア43cとを備えている。
詳しくは、前記リアPTO用ギア部材42a及びミッドPTO用ギア部材43aは、それぞれ、互いに対向するように配設された係合子42a',43a'を有している。
そして、該切換装置45は、前記リアPTO用ギア部材42a及びミッドPTO用ギア部材43aの係合子42a',43a'間に位置するように前記PTO系伝動軸41に相対回転不能に支持されたスプラインハブ45aと、該スプラインハブ45aと前記リアPTO用ギア部材42a及び/又はミッドPTO用ギア部材43aの係合子42a',43a'とに跨るように、スプラインハブ45aに軸方向摺動自在且つ相対回転不能に外挿されたクラッチシフター45bと、該クラッチシフター45bを操作するアーム45c(図7参照)とを備えている。
前記走行系伝動軸51は、ミッションケース60の幅方向一方側に収容される前記ディファレンシャルギア装置150の前方に配設されている。即ち、該走行系伝動軸51は、ミッションケース60の幅方向略中央に配設される前記走行系入力軸34を基準にして、前記ディファレンシャルギア装置150が変位されたと同方向のミッションケース幅方向一方側に変位されている。
具体的には、該前輪動力取出装置53は、前端部が前記ミッションケース60から前方へ延在するように該ミッションケース60の幅方向一方側下方に支持された前輪駆動力取出軸53aと、前記走行系伝動軸51と該前輪駆動力取出軸53aとを連結するクラッチ付のギアトレイン53bとを備えている。
具体的には、該走行ブレーキ装置200は、図3,図5及び図8に示すように、車輌幅方向に沿うように前記ミッションケース60内に支持されたブレーキ軸201と、前記変速軸51の後端部に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギア202と、該駆動側ベベルギア202と噛合するように前記ブレーキ軸201に相対回転不能に支持された従動側ベベルギア203と、前記リングギア151と噛合するように、前記ブレーキ軸201に設けられた出力ギア204と、外部操作に基づき、前記ブレーキ軸の回転を停止させるブレーキ機構210とを備えている。
該連結部材213eは、基端部に径方向外方へ延在されたフランジ部を有し、且つ、先端部に雌ネジ部が形成されている。そして、該連結部材213eは、前記フランジ部が径方向内方へ圧縮された状態で、前記プレート本体213dの中央孔内に挿入されており、該フランジ部の復元力によって前記プレート本体213dに弾性的に連結されている。
斯かる構成の連結部材213eは、ネジ部材209を介して、前記ブレーキ蓋218に連結されており、これにより、前記プレート本体213dが、前記ブレーキ蓋218に対してブレーキ軸201の軸線方向移動可能とされている。
該デフロック機構250は、リングギア151の回転に連動して一対の駆動軸180回りに公転すると共に、該一対の駆動軸180のそれぞれに相対回転不能に支持された一対のサイドベベルギア152と噛合するように枢支軸153に相対回転自在に支持されたベベルギア154の該枢支軸153回りの回転を強制的にロックし得るように構成されている(図5参照)。
そして、前記デフロックフォーク軸252への操作力を解除すると、圧縮している前記第2戻しバネ254bの付勢力によって、デフロックフォーク253及びデフロックフォーク軸252が軸線方向他方側(解除方向)へ戻され、これにより、前記ロック部材251が解除位置へ移動させられる。
即ち、前記走行ブレーキ装置200は、前述の通り、ディファレンシャルギア装置の前段側に配設されたブレーキ軸201に対して制動力を掛けるようになっている。従って、ディファレンシャルギア装置150をロックさせずにブレーキ装置200を作動させると、一対の駆動輪180のそれぞれに掛かる負荷の相違によって該一対の駆動軸180間に“停止時間のずれ”が生じる恐れがある。斯かる“ずれ”は、一方の駆動輪が停止しているにも拘わらず、他方の駆動輪が回転し続けることを意味し、停止時に車輌が横方向にスライドしてしまう。その為、走行ブレーキ装置200を作動させる際には、ディファレンシャルギア装置150をロックさせる必要がある。
前記第1長孔305は、前記揺動部材302が前記デフロックフォーク軸252を押動させる揺動方向一方側の端部305aと該揺動部材302が前記デフロックフォーク軸252から離間する揺動方向他方側の端部305bとの間に延びている。
同様に、前記第2長孔306も、前記揺動部材302の揺動方向一方側の端部306aと他方側の端部306bとの間に延びている。
この状態から、前記ブレーキ装置200を作動させると、前記連結部材304が揺動部材302の方向へ移動して、該揺動部材302を揺動方向一方側へ揺動させる。従って、前記デフロックフォーク軸252は、該揺動部材302によって押動される(図10(a)参照)。
即ち、PTO系入力軸31及び走行系入力軸34を、ミッションケース60の幅方向略中央において上下に振り分けると共に、前記PTO系入力軸31の後段に続くPTO系伝動機構40を該PTO系入力軸31を基準としてミッションケース60の幅方向他方側に集約し且つ前記走行系入力軸34の後段に続く走行系伝動機構50を該走行系入力軸34を基準としてミッションケース60の幅方向一方側及び下方側に集約したので、ミッションケース60の前後幅及び上下幅を有効に圧縮させつつ、ミッションケース内における前記走行系伝動機構50の上部空間を他の部材の収納スペースとして確保することができる。
なお、該他の部材の収納スペースには、例えば、後述する油圧リフト装置400のシリンダーチューブ401等を収納させることができる。
即ち、一般的に、前記PTO系伝動軸41からリアPTO軸32へは減速して駆動力を伝達する必要がある。仮に、PTO系伝動軸41に支持されたリアPTO用ギア部材42aとリアPTO軸32に支持された最終ギア42eとを直接噛合させたとすると、前記リアPTO用ギア部材42aのピッチ円半径を大きくしなければならず、前記PTO系伝動軸41とリアPTO軸32との間の軸間距離が長くなり、結果的に、ミッションケース60の拡大を招くことになる。
前記トランスミッション30においては、前記空きスペースに、前記アイドルギア42b及び中間軸42cを配設しており、これにより、PTO系伝動軸41からリアPTO軸32への減速伝達を行いつつ、ミッションケース60の拡大を有効に防止している。
なお、図4中の符号405aは、前記アーム405の位置固定用スペーサである。又、図4中の符号60fは、貯留油の温度変化による体積変動を吸収する為に、ミッションケース60の内部エア層と外気とを連通するブリーザパイプである。
まず、前記シリンダーチューブ401の上下方向位置について説明すると、該シリンダーチューブ401は、前記PTO系入力軸31(又はポンプ軸21a)より上方に配設されており、これにより、前記PTO系伝動機構40との干渉を防止している。なお、シリンダーチューブ401がPTO系入力軸31より上方に配設されている態様には、該シリンダーチューブ401がミッションケース60内の上方位置に配設される場合と、ミッションケース60の上面に配設される場合とが含まれる。
好ましくは、前記バルブユニット410におけるシリンダーチューブ401との対向面に、該シリンダーチューブ401が嵌入される凹部410’を形成することができ、これにより、バルブユニット410とシリンダーチューブ401との組立効率を向上させ得る。
本実施の形態においては、図4に良く示されるように、前記支軸404の両端部がそれぞれ前記ミッションケース60の両側壁から外方へ延在するように、該支軸404をミッションケース60に支持させ、該両端延在部に前記一対のリフトアーム406のそれぞれを連結させている。
具体的には、該補助ポンプ伝動機構430は、図6及び図9に示されるように、前記PTO系入力軸31に相対回転不能に支持された駆動側ギア431aと、該駆動側ギア431aと噛合するアイドルギア431bと、該アイドルギア431bと噛合するように補助ポンプ420のポンプ軸421に相対回転不能に支持された従動側ギア431cとを含むギアトレイン431を備えている。
さらに好ましくは、前記第2膨出部61eと前記前蓋部62とによって画される前記閉塞空間内に、前記ギアトレイン431の一部を収納させることができる。
即ち、図16に示すように、前記第2膨出部61eを設ける代わりに、前蓋部62と該前蓋部62の前方に連結されるポンプ取付カバー425とによって前記閉塞空間を形成し、該閉塞空間に連通する開口425’を前記ポンプ取付カバー425に設け、前方から前記ポンプ軸421を突入させることもできる。
又、後述する補助ポンプ420をタンデムの2連式とする場合には、図17に示すように、ポンプ取付カバー425及び前蓋部62のそれぞれに前記閉塞空間に連通する開口425’及び開口62’を設け、該ポンプ取付カバー425の前方及び前蓋部62の後方から、それぞれ、ポンプ軸421',421''を突入させて2連ポンプ420',420''をそれぞれ前後に振り分けることもできるし、或いは、膨出部の前方又は後方の何れか一方に2連ポンプ420',420''をかためて設けることも可能である。
図12は前記油圧リフト装置400及びバルブユニット410部分の油圧回路図であり、図13は前記センターセクション及びPTOクラッチ装置部分の油圧回路図である。又、図14は前記センターセクションの縦断正面図である。
そして、補助ポンプ420の吐出ポート420bから吐出された圧油は、配管502(図2参照)を介して、該補助ポンプ420と車輌幅方向に沿って並設されたバルブユニット410の吸入ポート410aに供給される。
なお、本実施の形態においては、該複数の取出ポート450aのうちの2つのポートを、前記バルブユニット410の上面に設けている(図4参照)。
該作動油ライン415には、共に外部操作可能とされた昇降切換弁416及びストップバルブ417が介挿されている。前記ストップバルブ417には、前記リフトアーム406の急激な下降を防止する為のスローリターン弁418が備えられている(図12参照)。
本実施の形態においては、前記ドレンライン419は、前記第1膨出部61cに開口されており、該第1膨出部61cからミッションケースの後室C3内に流入するように構成されている。
より好ましくは、前記後室C3に、前記ドレンライン419からの戻り油を一時的に受け止める室内壁61fを設けることができる(図3参照)。斯かる室内壁61fを設けることによって、前記ドレンライン419からの高温戻り油を冷却させることができる。
図15に示すように、該ミッションケース前蓋部62には、一端側が前記配管504を介して前記HSTライン603に連通され且つ他端側が前記ラインフィルター68の吸入ポート68aに連通されたフィルター吸入ライン62aと、一端側が前記ラインフィルター68の吐出ポート68bに連通され且つ他端側が該前蓋部62のセンターセクション支持面に開口するフィルター吐出ライン62bとを有している。前記フィルター吐出ライン62bの他端側開口は、第1チャージポート23mを形成している(図13及び15参照)。
さらに、該前蓋部62には、一端部がセンターセクション支持面に開口して第2チャージポート23nを形成し、且つ、他端部がミッションケースの内部に開口するサクションライン23pが形成されている。
即ち、HSTライン603中に鉄粉等が含まれている場合には後段のHST20の故障等を招く為、通常は高性能な大型ラインフィルターを備える必要がある。
これに対し、本実施の形態においては前述のようにストレーナ66によって作動油がある程度濾過されている為、高価な前記ラインフィルター68の交換頻度を大幅に抑制できると共に、それ程高性能な大型フィルターを備える必要がない。なお、万が一、前記ラインフィルター68が詰まったとしても、吸引される油は該ラインフィルター68を迂回して前記HST20に流れるので該HST20が破壊されてしまうことには至らない。
より詳しくは、前記前蓋部62には前記ドレン孔23lと前記ミッションケース60の前室C1とを連通する連通孔62cが形成されており、前記HSTケーシング24内に排出されたドレン油はミッションケースの前室C1内に流入するようになっている。
さらに、前記センターセクション23には、前記モータ軸22aよりも下方位置に、前記前蓋部62の前記第2チャージポート23nと対面して連通する前記サクションチェック弁23jの入口ポートが開口されている。
ミッションケース60内の貯留油は、前述の通り、前記ミッションケース60の中室C2の下方に配設されているストレーナ66を介して、前記補助ポンプ420によって吸引される。
そして、該補助ポンプ420から吐出された圧油は、前記第1ライン412及び第2ライン413に分岐される。
該後室C3内に戻された戻り油は、前記リアPTOギア列42や前記ミッドPTO伝動ギア列43等の該後室C3内に収容される部材の潤滑油として作用しつつ、前記油連通開口61yを介して、前記中室C2へ流入され、再度、前記補助ポンプ420によって吸引される。
そして、前記HST23からの戻り油は、前述の通り、ミッションケース60の前室C1に戻される。該前室C1に戻された戻り油は、前記多段変速装置50,PTOクラッチ装置70,前輪動力取出装置53及び補助ポンプ伝動機構430等の該前室C1内収納部材の潤滑剤として作用しつつ、前記油連通開口61xを介して前記中継室C4から一旦、前記後室C3へ流れた後に、前記油連通開口61yを介して前記中室C2へ流入され、再度、前記補助ポンプ420によって吸引される。
従って、前記高温戻り油は、中室C2へ流入される段階においては、十分に冷却されており、これにより、高温油が循環されることによる前記不都合を防止している。
なお、図8中の符号61zは、前記前室C1と中継室C4とを連通する油連通開口である。
又、図6中の符号62dは、前蓋部62のに形成された開口にねじ込まれた注油栓である。好ましくは、該注油栓62dは、補助ポンプ伝動機構430の上方に配設される。
30 トランスミッション
31 PTO系入力軸
32 リアPTO軸
33 ミッドPTO軸
40 PTO系伝動機構
41 PTO系伝動軸
42 リアPTOギア列
43 ミッドPTOギア列
60 ミッションケース
61 ミッションケース本体部
64 側蓋部
70 PTOクラッチ装置
80 PTO用油圧ブレーキ機構
83 押動部材
85 シリンダ室
420 補助ポンプ(共通油圧源)
604 切換弁(作動油制御部材)
Claims (3)
- 少なくとも車輌幅方向一方側が開口とされた本体部及び該本体部の前記開口を閉塞する側蓋部を有するミッションケースと、該ケースに支持され、エンジンに作動的に連結されたPTO系入力軸と、前記ケースの外方に出力し得るように、該ケースに支持されたPTO軸と、前記PTO系入力軸から前記PTO軸への動力伝達経路を形成するPTO系伝動機構とを有する作業車輌用トランスミッションであって、
前記PTO系伝動機構は、前記PTO系入力軸から前記PTO軸への動力伝達経路を選択的に遮断し得る油圧クラッチ機構と、該油圧クラッチ機構の動力伝達経路遮断時に、前記PTO系伝動機構の回転部材に対して制動力を付加する油圧ブレーキ機構とを有するクラッチ装置を備えており、
前記油圧ブレーキ機構は、基端部がシリンダ室に摺動自在に収納され且つ先端部が前記PTO系伝動機構の回転部材に係合/離間するように構成された押動部材を有し、前記シリンダ室への圧油供給を制御することによって該押動部材が前記PTO系伝動機構に対して制動力を選択的に付加及び解除するように構成されており、
前記シリンダ室は、前記ミッションケースの側蓋部に形成されていることを特徴とする作業車輌用トランスミッション。 - 前記油圧クラッチ機構及び油圧ブレーキ機構は、共通の油圧源から供給される作動油によって作動されるように構成されており、
前記側蓋部には、前記油圧クラッチ機構及び油圧ブレーキ機構に対する作動油の供給を制御する作動油制御部材と、前記油圧クラッチ機構及び油圧ブレーキ機構のそれぞれに作動油を分配する圧油分配器とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の作業車輌用トランスミッション。 - 前記作動油制御部材及び前記圧油分配器は、それぞれ、前記側蓋部の外側及び内側に着脱自在に取付けられていることを特徴とする請求項2に記載の作業車輌用トランスミッション。
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