JP2008201285A - トランスミッション - Google Patents

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JP2008201285A JP2007040341A JP2007040341A JP2008201285A JP 2008201285 A JP2008201285 A JP 2008201285A JP 2007040341 A JP2007040341 A JP 2007040341A JP 2007040341 A JP2007040341 A JP 2007040341A JP 2008201285 A JP2008201285 A JP 2008201285A
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Abstract

【課題】駆動源から車輌前後方向他方側に離間されたミッションケース内に走行系油圧式切換ユニット及び油圧式PTOクラッチユニットが収容されたトランスミッションにおいて、油圧式副駆動輪用切換ユニットを備える態様と該ユニットを備えない態様との間の仕様変更の容易化を図る。
【解決手段】ミッションケースは、駆動源と対向する車輌前後方向一方側の第1端壁に、走行系副出力軸が挿通可能な開口と、前記開口を挟んだ車輌幅方向両側において車輌前後方向一方側に開くように直接又は間接的に設けられた一対の第1及び第2凹部であって、対応する蓋部材と共働して液密な第1及び第2閉塞空間を形成する一対の第1及び第2凹部とを有している。前記1閉塞空間は前記走行系切換バルブ及び前記PTO切換バルブを収容し、前記第2閉塞空間は前記副駆動輪切換バルブを収容するように構成されている。
【選択図】図21

Description

本発明は、トラクタ等の作業車輌に適用されるトランスミッションに関する。
ミッションケースと、主駆動輪への動力伝達状態を切り換える得るように前記ミッションケースに収容された走行系油圧式切換ユニットと、前記駆動源からPTO軸への動力伝達を係合又は遮断させ得るように前記ミッションケースに収容された油圧式PTOクラッチユニットと、副駆動輪への動力伝達状態を切り換える油圧式副駆動輪用切換ユニットとを備えたトランスミッションは、従来から公知である(下記特許文献1参照)。
前記油圧式副駆動輪用切換ユニットは、例えば、前記副駆動輪を前記主駆動輪と同速で駆動するノーマル4駆動状態と、前記副駆動輪を前記主駆動輪に対して増速駆動する増速4駆状態と、前記副駆動輪への動力伝達を遮断する2駆状態とを切り換える為に備えられる。
ところで、斯かるトランスミッションには、使用態様に応じた種々の仕様に対応し得ることが望まれる。
即ち、可能な限り構成部品の共通化を図りつつ、前記油圧式副駆動輪用切換ユニットを備える態様と前記油圧式副駆動輪用切換ユニットを備えない態様とに対応できることが望まれる。
しかしながら、このような観点への考慮がなされたトランスミッションは存在しない。
特開2003−130174号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、車輌前後方向一方側に配置された駆動源から車輌前後方向他方側に離間配置されるミッションケースと、主駆動輪への動力伝達状態を切り換える得るように前記ミッションケースに収容された走行系油圧式切換ユニットと、前記駆動源からPTO軸への動力伝達を係合又は遮断させ得るように前記ミッションケースに収容された油圧式PTOクラッチユニットとを備えたトランスミッションであって、記駆動源から副駆動輪への動力伝達状態を切り換える油圧式副駆動輪用切換ユニットを備える一の態様と該伝動ユニットを備えない他の態様との間の仕様変更を容易に行えるトランスミッションの提供を、一の目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、車輌前後方向一方側に配置された駆動源から車輌前後方向他方側に離間配置されるミッションケースと、主駆動輪への動力伝達状態を切り換える得るように前記ミッションケースに収容された走行系油圧式切換ユニットと、前記駆動源からPTO軸への動力伝達を係合又は遮断させ得るように前記ミッションケースに収容された油圧式PTOクラッチユニットとを備えたトランスミッションであって、前記ミッションケースは、前記駆動源から副駆動輪への動力伝達状態を切り換える為に任意的に備えられる油圧式副駆動輪用切換ユニットを収容可能とされており、さらに、前記ミッションケースは、前記駆動源と対向する車輌前後方向一方側の第1端壁に、前記副駆動輪へ向けて回転動力を出力する走行系副出力軸が挿通可能な開口と、前記開口を挟んだ車輌幅方向両側において車輌前後方向一方側に開くように直接又は間接的に設けられた一対の第1及び第2凹部であって、対応する蓋部材と共働して液密な第1及び第2閉塞空間を形成する一対の第1及び第2凹部とを有し、前記1閉塞空間は、前記走行系油圧式切換ユニットに対する作動油の給排制御を司る走行系切換バルブ及び前記PTOクラッチユニットに対する作動油の給排制御を司るPTO切換バルブを収容し、前記第2閉塞空間は、前記副駆動輪用切換ユニットに対する作動油の給排制御を司る副駆動輪切換バルブを収容し得るように構成されているトランスミッションを提供する。
好ましくは、前記ミッションケースの前記第1端壁に着脱可能に装着される油路ブロックであって、前記走行系副出力軸が車輌前後方向一方側へ突出することを許容するような形状とされた油路ブロックを備え得る。
前記油路ブロックには、前記第1及び第2凹部と、油圧源に流体接続された供給油路であって、前記走行系切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口された走行用供給端部、前記PTO切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口されたPTO用供給端部及び前記副駆動輪切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口された副駆動輪用供給端部を有する供給油路と、一端部が前記走行系切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口された走行用給排油路と、一端部が前記PTO切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口されたPTO用給排油路と、一端部が前記副駆動輪切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口可能とされた副駆動輪用給排油路と、一端部が前記第1閉塞空間内に開口された第1ドレン油路と、一端部が前記第2閉塞空間内に開口された第2ドレン油路とが設けられる。
好ましくは、前記ミッションケースは、任意的に備えられる油圧式走行系ブレーキユニットを収容可能とされる。
斯かる構成においては、前記第2閉塞空間は、前記油圧式走行系ブレーキユニットに対する作動油の給排制御を司るブレーキ切換バルブを収容可能とされ、前記供給油路は、前記ブレーキ切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口されたブレーキ用供給端部をさらに有し、前記油路ブロックには、さらに、前記ブレーキ切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口されたブレーキ用供給油路が設けられる。
前記駆動源に作動的に連結されるHST入力軸と、前記HST入力軸によって回転駆動されるHSTポンプ本体と、前記HSTポンプ本体に流体接続されるHSTモータ本体と、前記HSTモータ本体によって回転駆動されるHST出力軸と、前記HSTポンプ本体及び前記HSTモータ本体を収容するHSTケースとを有するHSTを備える態様においては、好ましくは、前記HSTケースは、前記HST入力軸及び前記HST出力軸が車輌前後方向に沿った状態で車輌幅方向に並列されるように前記ミッションケースの前記第1端壁に直接又は間接的に支持され、前記油路ブロックは、前記第1及び第2凹部が前記HSTより下方に位置するように前記ミッションケースの前記第1端壁に装着される。
以上のように、本発明に係るトランスミッションは、前記ミッションケースが、前記駆動源と対向する車輌前後方向一方側の第1端壁に、前記副駆動輪へ向けて回転動力を出力する走行系副出力軸が挿通可能な開口と、前記開口を挟んだ車輌幅方向両側において車輌前後方向一方側に開くように直接又は間接的に設けられた一対の第1及び第2凹部であって、対応する蓋部材と共働して液密な第1及び第2閉塞空間を形成する一対の第1及び第2凹部とを有し、前記1閉塞空間が前記走行系切換バルブ及び前記PTO切換バルブを収容し、前記第2閉塞空間が前記副駆動輪切換バルブを収容するように構成されている。
従って、油圧式副駆動輪用切換ユニットを備える一の態様と該伝動ユニットを備えない他の態様との間の仕様変更を容易に行うことができる。
以下に、本発明に係るトランスミッションの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るトランスミッション100が適用された作業車輌1の側面図を示す。又、図2に、前記作業車輌1の伝動模式図を示す。
図1及び図2に示すように、前記作業車輌1は、作業機が付設可能とされたトラクタとされている。
詳しくは、前記作業車輌1は、車輌長手方向に延びる一対のメインフレーム6を含む車輌フレーム5と、前記一対のメインフレーム6の車輌長手方向一端側(図示の形態においては前側)に支持される駆動源10(図2参照)と、前記駆動源10から車輌長手方向に離間された位置において前記一対のメインフレーム6の車輌長手方向他端側(図示の形態においては後側)に支持される前記トランスミッション100とを備えている。
前記トランスミッション100は、前記駆動源10から伝動軸15(図2参照)を介して入力された動力を、駆動輪に伝達する走行系伝動経路(図示の形態においては、主駆動輪として作用する後輪30へ動力を伝達する走行系主伝動経路と、副駆動輪として作用する前輪35へ動力伝達する走行系副伝動経路とを含む)と、前記駆動源10からの動力を外方へ出力するPTO系伝動経路とを有している。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前記駆動源10にはフライホイールユニット11及び伝動ユニット12が連結されており、前記駆動源10,前記フライホイールユニット11及び前記伝動ユニット12は駆動源ユニット10Aを形成している。
即ち、本実施の形態においては、前記駆動源10からの動力は前記フライホイールユニット11,前記伝動ユニット12及び前記伝動軸15を介して前記トランスミッション100へ伝達されるようになっている。
図3及び図4に、それぞれ、前記トランスミッション100の正面図及び平面図を示す。
さらに、図5及び図6に、それぞれ、前記トランスミッション100の斜視図及び分解斜視図を示す。
図2〜図6に示すように、前記トランスミッション100は、前記駆動源10から車輌前後方向他方側へ離間された状態で前記一対のメインフレーム6の車輌前後方向他方側に連結されるミッションケース200と、前記ミッションケース200に支持されるHST110と、前記駆動源10からの定速動力及び前記HST110からの変速動力を入力するように前記ミッションケース200内に収容された遊星ギヤユニット150と、前記遊星ギヤユニット150に作動連結された状態で前記ミッションケース200内に収容された走行系油圧式切換ユニット300と、前記走行系油圧式切換ユニット300からの回転動力を一対の主駆動車軸へ差動的に伝達するように前記ミッションケース200内に収容された主ディファレンシャルギヤユニット400と、前記駆動源10からの定速動力が入力され得る状態で前記ミッションケース200内に収容された油圧式PTOクラッチユニット500と、前記PTOクラッチユニット500の従動側に作動連結された状態で前記ミッションケース200内に収容されたPTO多段変速ユニット550と、前記PTO多段変速ユニット550に作動連結されたPTO軸260とを備えており、前記HST110,前記遊星ギヤユニット150及び前記主ディファレンシャルギヤユニット400が前記走行系主伝動経路を形成し、且つ、前記PTOクラッチユニット500及び前記PTO多段変速ユニット550が前記PTO系伝動経路を形成している。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前記トランスミッション100は、さらに、前記副駆動輪35へ向けて回転動力を出力するように前記ミッションケース200に支持された走行系副出力軸450と、前記走行系油圧式切換ユニット300から前記走行系副出力軸450への伝動経路に介挿されるように前記ミッションケース200内に収容された油圧式副駆動輪用切換ユニット410とを備えている。
前記走行系副出力軸450及び前記副駆動輪用切換ユニット410は、前記副駆動輪35へ回転動力を伝達する前記走行系副伝動経路を形成している。
前記走行系副出力軸450は、図2に示すように、伝動軸460を介して、前記ミッションケース200から車輌前後方向一方側へ離間配置されたフロントアクスルケース内の副ディファレンシャルギヤユニット470に作動連結されている。
図7〜図9に、それぞれ、前記ミッションケースの縦断側面図、分解縦断斜視図及び後方斜視図を示す。
前記ミッションケース200は、前記種々の伝動ユニットを収容すると共に、油貯留可能とされている。
図7〜図9に示すように、前記ミッションケース200は、車輌前後方向に延びる周壁200cと、前記周壁200cの車輌前後方向一方側の端部において略垂直方向に延びる前記第1端壁200aと、前記周壁200cの車輌前後方向他方側の端部において略垂直方向に延びる第2端壁200bと、車輌前後方向に関し前記第1及び第2端壁200a,200bの間において略垂直方向に延びる第1中間壁201aと、車輌前後方向に関し前記第1中間壁201a及び前記第2端壁200bの間において略垂直方向に延びる第2中間壁201bとを有しており、前記第1端壁200a及び前記第1中間壁201aの間に第1空間210Aが形成され、且つ、前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bの間に第2空間210Bが形成されている。
なお、本実施の形態においては、前記ミッションケース200は、さらに、前記第2中間壁201b及び前記第2端壁200bの間において略垂直に延びる第3中間壁201cを有しており、前記第2中間壁201b及び前記第3中間壁201cの間に第3空間210Cが形成され且つ前記第3中間壁201c及び前記第2端壁200bの間に第4空間210Dが形成されている。
本実施の形態においては、前記ミッションケース200は、車輌前後方向一方側及び他方側にそれぞれ第1及び第2開口221,222を有する中空のミッションケース本体220と、前記ミッションケース本体220の中空部内に位置するように該ミッションケース本体220に着脱可能に連結される軸受プレート225と、前記第1開口221を閉塞するように前記ミッションケース本体220に着脱可能に連結される第1カバー部材230と、前記第2開口222を閉塞するように前記ミッションケース本体220に着脱可能に連結される第2カバー部材235とを備えている。
図7及び図8に示すように、前記ミッションケース本体220は、前記第2及び第3中間壁201b,201cを一体的に備えている。
前記軸受プレート225は、図8に示すように、前記第1開口221から前記ミッションケース本体220の中空部内に配置可能とされており、該ミッションケース本体220に設けられたリブに連結されることによって前記第1中間壁201aを形成している。
前記第1カバー部材230は、図7及び図8に示すように、前記第1端壁200aを形成する端壁231と、前記端壁231の周縁部から車輌後方側へ延びる周壁232とを有しており、前記周壁232の自由端部が前記ミッションケース本体220の車輌前後方向一方側の端面に連結されている。
前記第2カバー部材235は、前記第2端壁200bを形成するプレート状とされており、前記ミッションケース本体220の車輌前後方向他方側の端面に連結されている。
図5及び図6に示すように、前記HST110は、前記ミッションケース200の第1端壁200aに支持されている。
詳しくは、前記HST110は、図2〜図6に示すように、前記駆動源10に作動連結されるHST入力軸111と、前記HST入力軸111に相対回転不能に支持される油圧ポンプ本体112(図2参照)と、前記油圧ポンプ本体112に流体接続される油圧モータ本体114(図2参照)と、前記油圧モータ本体114を相対回転不能に支持するHST出力軸113と、前記油圧ポンプ本体112及び前記油圧モータ本体114を収容すると共に、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113を軸線回り回転自在に支持するHSTケース115とを備えている。
前記油圧ポンプ本体112及び前記油圧モータ本体114は少なくとも一方が可変容積型とされている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記油圧ポンプ本体112が可変容積型とされている。
従って、前記HST110は、図2に示すように、前記構成に加えて、前記油圧ポンプ本体112の給排油量を変更する可動斜板及び前記可動斜板を傾転させる制御軸を含む出力調整部材120を備えている。
前記制御軸は、前記HST入力軸111と直交する方向に延び且つ一端部が外方へ延在された状態で軸線回り回転自在に前記HSTケース115に支持されている。
前記可動斜板は、連結アームを介して前記制御軸の他端部に連結された状態で前記HSTケース115内に収容されており、前記制御軸の軸線回りの回転に応じて傾転するようになっている。
本実施の形態においては、前記制御軸は、変速レバー等の操作部材の操作に応じて操作される油圧サーボ機構125によって軸線回りに回転されるようになっている。
図10に、前記作業車輌1の油圧回路図を示す。
図10に示すように、本実施の形態においては、前記HST110は、前記出力調整部材120を操作する油圧サーボ機構125を備えている。
前記HSTケース115は、図4〜図6に示すように、ケース本体116と、前記ケース本体116に着脱可能に連結されるポートブロック117とを備えている。
前記ケース本体116は、前記油圧ポンプ本体112及び前記油圧モータ本体114を囲繞するような形状とされ、且つ、前記HST入力軸111の軸線方向一方側に前記両ユニット112,114が挿通可能な開口が設けられている。
前記ポートブロック117は、前記開口を閉塞するように前記ケース本体116に連結されている。
前記ポートブロック117には、前記油圧ポンプ本体112及び前記油圧モータ本体114を流体接続する下記一対のHSTライン700を形成する一対のHST油路701と、前記一対のHSTライン700に作動油を補給する為の下記チャージライン705の一部を形成するチャージ油路706とが形成されている(図10参照)。
なお、図10中の符号605は前記チャージライン705から対応する作動油路701への作動油の流入を許容し且つ逆向きの流れを防止するチェック弁であり、符号606は前記一対のHST油路701が異常高圧になることを防止する為の高圧リリーフ弁である。
前記HSTケース115は、図5及び図6等に示すように、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113が車輌前後方向に沿った状態で車輌幅方向に並列されるように、前記ミッションケース200の第1端壁200aに直接又は間接的に支持されている。
詳しくは、前記HST入力軸111は、一端部が前記駆動源10に作動連結され得るように車輌前後方向一方側へ延在し且つ他端部から車輌前後方向他方側へ前記駆動源10からの定速動力を出力し得る状態で、前記HSTケース115に支持されている。
前記HST出力軸113は、車輌前後方向他方側の端部から該HST110による変速動力を出力し得るように、前記HSTケース115に支持されている。
そして、前記HSTケース115は、図3に示すように、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113が前記走行系副出力軸450より上方において略同一高さで車輌幅方向に並列されるように、前記ミッションケース200の前記第1端壁200aに支持されている。
本実施の形態においては、図3〜図5に示すように、前記油圧サーボ機構125は、前記HST入力軸111を基準にして前記HST出力軸113とは車輌幅方向反対側に配置されており、これにより、前記HST110が上下方向に大型化することを防止している。
即ち、本実施の形態においては、前記HST入力軸111は車輌幅方向略中央に位置され、且つ、前記油圧サーボ機構125及び前記HST出力軸113は前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向一方側及び他方側に配置されている。
前記遊星ギヤユニット150は、図2に示すように、前記HST入力軸111又は該HST入力軸111と同軸上で軸線回り相対回転不能に連結された定速出力軸251を介して定速動力を入力し、且つ、前記HST出力軸113又は該HST出力軸113と同軸上で軸線回り相対回転不能に連結された変速出力軸252を介して変速動力を入力し得る状態で、前記HST出力軸113と同軸上に位置するように前記第1空間210A内に収容されている。
図11及び図12に、それぞれ、前記第1カバー部材230を外した状態の前記トランスミッション100の正面図及び平面図を示す。
又、図13に、前記ミッションケース内に収容される伝動ユニット及び伝動軸を含む伝動機構の平面図を示す。なお、図13において、前記ミッションケース200は、二点鎖線によって模式的に示されている。
さらに、図14及び図15に、それぞれ、前記ミッションケース200を省略した状態の前記伝動機構を車輌前後方向一方側で且つ車輌幅方向一方側から視た斜視図及び前記伝動機構を車輌前後方向一方側で且つ車輌幅方向他方側から視た斜視図を示す。
又、図16に、前記ミッションケースを省略した状態の前記伝動機構の正面図を示す。
図2及び図11〜図16に示すように、前記トランスミッション100は、前記HST入力軸111と同軸上で該HST入力軸111に軸線回り相対回転不能に連結されるように前記第1端壁200a及び前記第1中間壁201aに支持された前記定速出力軸251と、前記定速出力軸251に相対回転不能に支持されて定速ギヤ271と、前記HST出力軸113と同軸上で軸線回り相対回転不能に連結されるように前記第1端壁200a及び前記第1中間壁201aに支持された前記変速出力軸252とを備えている。
斯かる構成において、前記遊星ギヤユニット150は、図2及び図11〜図16に示すように、前記変速出力軸252に軸線回り相対回転不能に支持され、HST110による変速動力を入力する変速動力入力部材として作用するサンギヤ151と、外周面に前記定速ギヤ271と噛合するギヤが設けられ、駆動源10からの定速動力を入力する定速動力入力部材として作用するインターナルギヤ152と、前記サンギヤ151及び前記インターナルギヤ152の内歯に噛合する遊星ギヤ153と、前記遊星ギヤ153の前記サンギヤ151回りの公転成分を取り出し、前記変速動力及び前記定速動力の合成回転を出力する合成出力部材154とを有している。
前記合成出力部材154は、図12及び図13に示すように、前記定速ギヤ271より車輌前後方向一方側に配置されている。
即ち、本実施の形態においては、前記定速ギヤ271は、前記第1空間210A内における車輌前後方向他方側に配置されている。
そして、前記インターナルギヤ152は、車輌前後方向位置に関し前記定速ギヤ271と略同一位置に配置され、前記合成出力部材154は、前記インターナルギヤ152より車輌前後方向一方側に配置されている。
前記合成出力部材154は、図11、図15及び図16に示すように、前記HST出力軸113(又は前記変速出力軸252)より下方に配置された走行系伝動軸253に作動連結されている。
即ち、本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、さらに、前記遊星ギヤユニット150からの合成出力を後続する前記走行系油圧式切換ユニット300に伝達する前記走行系伝動軸253を備えている。
前記走行系伝動軸253は、図15に示すように、車輌前後方向一方側の一端部が前記第1空間210A内に位置し、且つ、車輌前後方向他方側の他端部が前記第2空間210B内に位置するように、前記第1端壁200a、前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bによって車輌前後方向に沿うように支持されている。
前記走行系伝動軸253のうち前記第1空間210Aに位置する部分には、前記合成出力部材154に作動連結される合成入力ギヤ272が相対回転不能に支持されている。
前記走行系油圧式切換ユニット300は、前記走行系伝動軸253から前記主ディファレンシャルギヤユニット400への伝動状態を切り換え為に備えられている。
本実施の形態に係る前記トランスミッション100は、図2に示すように、前記走行系油圧式切換ユニット300として、駆動輪への伝動方向を切り換える油圧式F/R切換ユニット310を備えている。
前記F/R切換ユニット310は、図13及び図15に示すように、前記第2空間210B内に収容されている。
詳しくは、前記F/R切換ユニット310は、図2及び図15に示すように、前記走行系伝動軸253のうち前記第2空間210Bに位置する部分に相対回転不能に支持されたF/Rハウジング311と、前記F/Rハウジング311の隔壁311aを挟んで車輌前後方向に振り分け配置された状態で前記走行系伝動軸253に相対回転自在に支持された後進側駆動部材312R及び前進側駆動部材312Fと、油圧の作用によって前記F/Rハウジング311から後進側駆動部材312Rへの動力伝達を選択的に係合又は解除させる後進側摩擦板群315R(図10参照)と、油圧の作用によって前記F/Rハウジング311から前記前進側駆動部材312Fへの動力伝達を選択的に係合又は解除させる前進側摩擦板群315F(図10参照)と、前記前進側駆動部材312Fに相対回転不能に支持された前進側駆動ギヤ313Fと、前記後進側駆動部材312Rに相対回転不能に支持された後進側駆動ギヤ313Rとを備えている。
前記F/Rハウジング311は、図2に示すように、基端部が前記走行系伝動軸253に相対回転不能に支持され且つ先端部が前記走行系伝動軸253から径方向外方へ延びる前記隔壁311aと、前記隔壁311aの先端部から車輌前後方向一方側及び他方側へ延びる周壁311bとを有している。
そして、前記後進側駆動部材312R及び前記前進側駆動部材312Fは、前記隔壁311aを挟んで車輌前後方向一方側及び他方側に位置した状態で、前記走行系伝動軸253に相対回転自在に支持されている。
本実施の形態においては、図2及び図15に示すように、前記後進側駆動部材312Rは前記隔壁311aより車輌前後方向一方側に配置され、且つ、前記前進側駆動部材312Fは前記隔壁311aより車輌前後方向他方側に配置されている。
前記前進側駆動部材312F及び前記後進側駆動部材312Rは、前記主ディファレンシャルギヤユニット400に作動的に連結されている。
本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、図2及び図15等に示すように、前記走行系伝動軸253より上方において該走行系伝動軸253と略平行になるように前記第2空間210Bに配置された主駆動輪出力軸254を有しており、前記前進側駆動部材312F及び前記後進側駆動部材312Rは、前記主駆動輪出力軸254を介して前記主ディファレンシャルギヤユニット400に作動連結されている。
前記主駆動輪出力軸254は、車輌前後方向他方側の端部が前記主ディファレンシャルギヤユニット400のリングギヤ401に作動連結されるように車輌前後方向に沿うように支持されている。
詳しくは、前記主ディファレンシャルギヤユニット400は、図2及び図13に示すように、前記第3空間210Cに収容されている。従って、前記主駆動輪出力軸254は、車輌前後方向他方側の端部が前記第3空間210Cに突入した状態で、前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bによって車輌前後方向に沿って支持されている。
なお、本実施の形態においては、前記主駆動輪出力軸254は、前記HST出力軸113(及び前記変速出力軸252)と同軸上に配置されている(図15等参照)。
前記主駆動輪出力軸254には、前記前進側駆動ギヤ313F及び前記後進側駆動ギヤ313Rとそれぞれ作動的に噛合する前進側従動ギヤ314F及び後進側従動ギヤ314Rが相対回転不能に支持されている。
本実施の形態においては、図2に示すように、前記前進側従動ギヤ314Fは前記前進側駆動ギヤ313Fと直接噛合されている。
一方、前記後進側従動ギヤ314Rは、図2及び図15等に示すように、前記走行系副伝動経路を形成する下記副駆動輪伝動軸255に支持された伝動ギヤ273を介して前記後進側駆動ギヤ313Rに噛合されている。
ここで、まず、前記作業車輌1が前進する場合の伝動経路について説明する。
本実施の形態に係る前記トランスミッション100は、前記前進側駆動部材312F及び前記主駆動輪出力軸254の間において、2段の変速を行えるように構成されている。
詳しくは、図2に示すように、前記トランスミッション100は、前記前進側駆動ギヤ313Fとして作用する前進側駆動高速ギヤ313F(H)及び前進側駆動低速ギヤ313F(L)を含む2つの走行系駆動側変速ギヤと、前記前進側従動ギヤ314Fとして作用する前進側従動高速ギヤ314F(H)及び前進側従動低速ギヤ314F(L)を含む2つの走行系従動側変速ギヤと、前記2つの走行系従動側変速ギヤ314F(H),314F(L)を選択的に前記主駆動輪出力軸254に係合させる走行系変速シフタ355とを備えている。
前記2つの走行系駆動側変速ギヤ313F(H),313F(L)と、前記2つの走行系従動側変速ギヤ314F(H),314F(L)と、前記走行系変速シフタ355とが、前進側走行系多段変速ユニット350(図2等参照)を構成している。
図17に、前記第1中間壁201aの車輌前後向他方側の端面から車輌前後方向他方側を視た前記伝動機構の縦断正面図を示す。
前記走行系多段変速ユニット350は、前記トランスミッション100に備えられる走行系変速操作機構360を介して操作されるようになっている。
前記走行系変速操作機構360は、図13,図15及び図17に示すように、先端側が前記走行系変速シフタ355に係合されている走行系シフトフォーク361と、車輌前後方向に沿い且つ軸線方向移動可能なように前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bに支持された走行系フォーク軸362であって、前記走行系シフトフォーク361の基端側を支持する走行系フォーク軸362と、前記走行系フォーク軸362より上方において車輌幅方向に沿うように前記ミッションケース200に軸線回り回転自在に支持された走行系操作軸363と、基端部が走行系操作軸363に支持され且つ先端部が前記走行系フォーク軸362に係合された操作アーム364とを有している。
前記走行系変速操作機構360は、以下のように作動する。
運転席近傍に備えられる走行系多段変速レバー等の操作部材が操作されると、前記走行系操作軸363が軸線回りに回転する。この走行系操作軸363の軸線回りの回転によって、前記操作アーム364に係合された前記走行系フォーク軸362が軸線方向に移動し、前記走行系変速シフタ355が前記2つの走行系従動側変速ギヤ314F(H),314F(L)を選択的に前記主駆動輪出力軸254に係合させる。
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記前進側駆動部材312F及び前記主駆動輪出力軸254の間において2段の変速が行えるように構成されているが、当然ながら、3段以上の変速が行えるように構成することも可能である。
次に、前記作業車輌1が後進する場合の伝動経路について説明する。
前述の通り、前記後進側駆動ギヤ313Rは前記副駆動輪伝動軸255に支持された前記伝動ギヤ273を介して前記後進側従動ギヤ314Rに噛合されている。
即ち、本実施の形態においては、前記伝動ギヤ273は、前記走行系副伝動経路を形成すると共に、後進時においては前記走行系主伝動経路を形成するようになっている。
詳しくは、前記トランスミッション100は、図2、図11及び図15〜図17等に示すように、前記走行系副伝動経路の一部を形成する前記副駆動輪伝動軸255を備えている。
前記副駆動輪伝動軸255は、車輌前後方向他端部が前記第2空間210Bに突入された状態で、前記1端壁200a及び前記第1中間壁201aによって軸線回り回転自在に支持されている。
そして、前記伝動ギヤ273は、図15及び図17に示すように、前記副駆動輪伝動軸255のうち前記第2空間210Bに位置する部分に相対回転不能に支持されている。
このように、本実施の形態においては、前記走行系副伝動経路の一部を形成する前記伝動ギヤ273が、後進時においては前記走行系主伝動経路の一部を形成するように構成されており、これにより、トランスミッション100を車輌前後方向に関して小型化し得るようになっている。
さらに、本実施の形態においては、図17等に示すように、前記副駆動輪伝動軸255は、上下方向に関し前記主駆動輪出力軸254及び前記走行系伝動軸253の間で、且つ、車輌幅方向に関し前記主駆動輪出力軸254及び前記走行系伝動軸253より車輌幅方向一方側(前記HST入力軸111又は前記定速出力軸251に近接する側)に位置されており、これにより、トランスミッション100の小型化を図っている。
詳しくは、本実施の形態においては、図11,図15及び図17等に示すように、前記主駆動輪出力軸254は前記HST出力軸113(又は前記変速出力軸252)と同軸上に配置され、且つ、前記走行系伝動軸253は前記変速出力軸252と車輌幅方向に関し略同一位置で且つ該変速出力軸252の下方に配置されている。そして、前記副駆動輪伝動軸255は、上下方向に関し前記変速出力軸252及び前記走行系伝動軸253の間で、且つ、車輌幅方向に関し前記HST入力軸111(前記定速出力軸251)及び前記HST出力軸113(前記変速出力軸252)の間に配置されている。
斯かる構成によれば、前記伝動ギヤ273を介して前記後進側駆動ギヤ313Rを前記後進側従動ギヤ314Rに噛合させつつ、前記走行系伝動軸253,前記副駆動輪伝動軸255及び前記主駆動輪出力軸254を可及的に近接配置させることができ、これにより、トランスミッション100の小型化を図ることができる。
前述の通り、本実施の形態に係る前記トランスミッション100においては、前記遊星ギヤユニット150は前記第1端壁200a及び前記第1中間壁201aによって画される第1空間210A内に収容され、前記走行系油圧式切換ユニット300は前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bによって画される第2空間210B内に収容され、且つ、前記ディファレンシャルギヤユニット400は前記第2中間壁201bより車輌前後方向他方側に位置する前記第3空間210C内に収容されている。
斯かる構成によれば、前記遊星ギヤユニット150及び前記走行系油圧式切換ユニット300の前記ミッションケース200への組み付け作業効率を向上させることができ、さらに、車輌の仕様変更を容易に行うことができる。
即ち、遊星ギヤユニット及び走行系油圧式切換ユニットがミッションケースの同一空間内に収容されている従来構成においては、前記両ユニットを独立して前記ミッションケース内に組み付けることができず、該両ユニットの組み付け作業効率が悪くなる。
さらに、仕様に応じて、前記走行系油圧式切換ユニットとしてF/R切換ユニットが用いられる場合やH/L切換ユニットが用いられる場合があるが、前記従来構成においては、前記遊星ギヤユニット及び走行系油圧式切換ユニットが同一空間内に収容されている為、このような仕様変更に対応することが困難であった。
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記遊星ギヤユニット150が前記第1空間210Aに収容され、且つ、前記走行系油圧式切換ユニット300が前記第2空間210Bに収容されている。従って、これらのユニットを独立して前記ミッションケース200に組み付けることができ、組み付け作業効率を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、前記走行系油圧式切換ユニット300が、前記遊星ギヤユニット150が収容される前記第1空間210Aとは区画された前記第2空間210Bに収容されている為、前記走行系油圧式切換ユニット300の仕様変更を容易に行うことができる。
さらに、前記遊星ギヤユニット150及び前記走行系油圧式切換ユニット300を互いに区画された空間に収容することによって、前記遊星ギヤユニット150及び前記走行系油圧式切換ユニット300の互いへの干渉を防止しつつ、前記HST出力軸113(前記変速出力軸252)及び前記走行系伝動軸253の軸間距離を縮小させることができ、これにより、トランスミッション100の小型化を図ることができる。
本実施の形態においては、図16に示すように、前記変速出力軸252及び前記走行系伝動軸253は、正面視において前記遊星ギヤユニット150及び前記F/R切換ユニット310が部分的にオーバーラップするように、互いに対して近接配置されている。
本実施の形態においては、前記第1中間壁201aは、前記ミッションケース本体220に着脱可能に連結される前記軸受プレート225によって形成されている。従って、前記走行系油圧式切換ユニット300を前記第2空間210B内に組み付け、その後、前記軸受プレート225を前記ミッションケース本体220に取り付けてから、前記遊星ギヤユニット150を前記第1空間210A内に組み付けることができ、前記両ユニット150,300の組み付け作業効率をさらに向上させることができる。
次に、前記走行系副伝動経路について説明する。
前述の通り、本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、前記走行系副伝動経路を形成する前記副駆動輪伝動軸255、前記走行系副出力軸450及び前記副駆動輪用切換ユニット410を備えている。
図18に、前記伝動機構の底面図を示す。なお、図18において、前記ミッションケース200は、二点鎖線によって模式的に示されている。
図13及び図18等に示すように、前記走行系副出力軸450は、車輌前後方向一方側の端部が外方へ延在された状態で、前記第1端壁200a及び前記第1中間壁201aによって車輌前後方向に沿うように支持されている。
本実施の形態においては、図11,図14及び図16に示すように、前記走行系副出力軸450は、車輌幅方向に関し前記ミッションケース200の略中央で且つ前記副駆動輪伝動軸255より下方に配置されている。
前記副駆動輪用切換ユニット410は、油圧の作用によって、前記走行系主伝動経路から前記走行系副出力軸450への動力伝達を遮断する2駆状態と、前記走行系副出力軸450を前記主駆動輪出力軸254に同期回転させるノーマル4駆状態と、前記走行系副出力軸450を前記主駆動輪出力軸254よりも増速回転させる増速4駆状態とを選択的に取り得るようになっている。
本実施の形態においては、前記副駆動輪用切換ユニット410は、図18に示すように、前記第1空間210Aに位置するように前記走行系副出力軸450に支持されている。
詳しくは、前記副駆動輪用切換ユニット410は、図2,図14〜図16及び図18に示すように、前記走行系副出力軸450に相対回転不能に支持されたハウジング411と、前記ハウジング411の隔壁411a(図2参照)を挟んで車輌前後方向に振り分け配置された状態で前記走行系副出力軸450に相対回転自在に支持された等速伝動部材412(L)及び増速伝動部材412(H)と、油圧の作用によって前記ハウジング411から前記等速伝動部材412(L)への動力伝達を選択的に係合又は解除させる等速側摩擦板群415(L)(図10参照)と、油圧の作用によって前記ハウジング411から前記増速伝動部材412(H)への動力伝達を選択的に係合又は解除させる増速側摩擦板群415(H)(図10参照)と、前記等速伝動部材412(L)に相対回転不能に支持された等速側従動ギヤギヤ413(L)と、前記増速伝動部材412(H)に相対回転不能に支持された増速側従動ギヤ413(H)とを備えている。
前記副駆動輪伝動軸255には、前記第2空間210B内に位置する部分において前記後進側駆動ギヤ313R及び前記後進側従動ギヤ314Rの双方と噛合する前記伝動ギヤ273が相対回転不能に支持され、且つ、前記第1空間210A内に位置する部分において前記等速側従動ギヤ413(L)及び前記増速側従動ギヤ413(H)とそれぞれ噛合する等速側駆動ギヤ414(L)及び増速側駆動ギヤ414(H)が相対回転不能に支持されている。
ここで、前記走行系主伝動経路から前記副駆動輪伝動軸255への伝動経路について説明する。
前記作業車輌1が前進方向へ走行している場合には、前記前進側駆動部材312(F)が前記F/Rハウジング311を介して前記走行系伝動軸253と共に回転する。この前記前進側駆動部材312(F)の回転は、前記前進側駆動ギヤ313F及び前記前進側従動ギヤ314Fを介して前記主駆動輪出力軸254へ伝達され、その後、前記後進側従動ギヤ314R及び前記伝動ギヤ273を介して前記副駆動輪伝動軸255へ伝達される。
この際、前記伝動ギヤ273と噛合する前記後進側駆動ギヤ313Rが前記後進側駆動部材312Rと共に回転するが、車輌前進時においては、前記後進側駆動部材312Rは前記F/Rハウジング311に対して相対回転自在となっている。従って、前記伝動ギヤ273は前進方向に問題なく回転する。
これに対し、前記作業車輌1が後進方向へ走行している場合には、前記後進側駆動部材312Rが前記F/Rハウジング311を介して前記走行系伝動軸253と共に回転する。そして、この後進側駆動部材312Rの回転は、前記後進側駆動ギヤ313R、前記伝動ギヤ273及び前記後進側従動ギヤ314Rを介して前記主駆動輪出力軸254へ伝達されると共に、前記後進側駆動ギヤ313R及び前記伝動ギヤ273を介して前記副駆動輪伝動軸255へ伝達される。
なお、図2,図13及び図15等における符号259は、前記作業車輌1の走行速度がゼロか否かを検出する為のゼロ点検出ギヤである。
本実施の形態においては、前記ゼロ点検出ギヤ259は、図15等に示すように、前記後進側従動ギヤ314Rと噛合した状態で前記ミッションケース200内の上方に収容されている。
さらに、本実施の形態に係る前記トランスミッション100は、図2及び図13〜図18に示すように、前記走行系主伝動経路に対して制動力を付加し得る一対の左側及び右側油圧式走行系ブレーキユニット420L,420Rを備えている。
前記一対の油圧式走行系ブレーキユニット420L,420Rは、それぞれ、対応する左右の駆動車軸に対して独立して作動的に制動力を付加し得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記一対の走行系ブレーキユニット420L,420Rは、図2,図13及び図16〜図18に示すように、前記主ディファレンシャルギヤユニット400の左右の出力軸405L,405Rにそれぞれ独立して制動力を付加し得るように構成されている。
詳しくは、前記左右のブレーキユニット420L,420Rは、図10に示すように、それぞれ、ブレーキ摩擦板群421L,421Rを有しており、作動油が供給されると対応する前記出力軸405に制動力を付加し、且つ、作動油の供給が停止されると対応する前記出力軸405への制動力を解除するようになっている。
次に、前記PTO系伝動経路について説明する。
前記PTOクラッチユニット500は、前記駆動源10から前記PTO軸260への動力伝達を選択的に係合又は遮断させ得るように構成されている。
詳しくは、前記トランスミッション100は、図11〜図18等に示すように、車輌前後方向に沿うように前記ミッションケース200に支持されたPTOクラッチ軸261を有しており、前記PTOクラッチユニット500は、前記第1空間210A内において前記PTOクラッチ軸261に支持されている。
前記PTOクラッチユニット500は、図2に示すように、前記駆動源10に作動連結された状態で前記PTOクラッチ軸261に相対回転自在に支持されたPTO駆動側部材501と、前記PTOクラッチ軸501に相対回転不能に支持されたクラッチハウジング502と、油圧の作用に応じて前記PTO駆動側部材501から前記クラッチハウジング502への動力伝達を選択的に係合又は解除するPTO摩擦板群505(図10参照)とを有している。
本実施の形態においては、図10に示すように、前記PTOクラッチユニット500は、作動油の供給時に前記PTO摩擦板群505が動力伝達状態となる油圧作動型とされている。
さらに、本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、図2及び図10に示すように、前記PTOクラッチユニット500と背反的に作動するPTOブレーキユニット510を有している。
前記PTOブレーキユニット510は、スプリングの付勢力によって前記クラッチハウジング502に制動力を付加し、且つ、作動油の供給時には該作動油の油圧によって前記制動力が解除されるスプリング作動型とされている。
本実施の形態においては、前記PTO駆動側部材501は、図2,図13及び図14に示すように、前記定速ギヤ271に噛合している。
即ち、本実施の形態に係る前記トランスミッション100においては、前記遊星ギヤユニット150及び前記PTOクラッチユニット500の双方が単一の前記定速ギヤ271を介して駆動源10からの定速動力を入力するように構成されており、これにより、部品点数の削減及び車輌前後方向に関するトランスミッション100の縮小化を図り得るようになっている。
詳しく説明すると、従来構成においては、遊星ギヤユニット及びPTOクラッチユニットが車輌前後方向に変位配置されており、前記遊星ギヤユニットは一の定速ギヤを介して駆動源からの定速動力を入力し、且つ、前記PTOクラッチユニットは他の定速ギヤを介して駆動源からの定速動力を入力するように構成されていた。
斯かる構成においては、部品点数が増大すると共に、トランスミッション自体が車輌前後方向に大型化してしまう。
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記遊星ギヤユニット150及び前記PTOクラッチユニット500が共に単一の前記定速ギヤ271を介して駆動源10からの定速動力を入力するように構成されている。従って、部品点数の削減及び車輌前後方向に関する小型化を図ることができる。
具体的には、図11及び図16等に示すように、前記PTOクラッチ軸261は、前記HST入力軸111(又は前記定速出力軸251)を基準にして前記HST出力軸113(又は前記変速出力軸252)とは車輌幅方向に関し反対側に配置されている。
前記定速ギヤ271は、図12〜図14等に示すように、前記第1空間210A内において車輌幅方向他方側に位置するように前記定速出力軸251に支持されている。
斯かる構成において、前記PTOクラッチユニット500は、前記駆動側部材501が前記定速ギヤ271に噛合された状態で該定速ギヤ271より車輌前後方向一方側に位置するように、前記PTOクラッチ軸261に支持され、且つ、前記遊星ギヤユニット150は、前記インターナルギヤ152が前記定速ギヤ271に噛合された状態で前記合成出力軸154が前記定速ギヤ271より車輌前後方向一方側に位置するように、前記変速出力軸252に支持されている。
つまり、本実施の形態においては、図12及び図13に示すように、前記PTOクラッチユニット500及び前記遊星ギヤユニット150は、少なくとも一部が車輌前後方向に関し略同一位置に位置するように配置されており、これにより、前記トランスミッション100の車輌前後方向に関する小型化を図っている。
さらに、本実施の形態においては、図11及び図16等に示すように、前記クラッチハウジング502は、一部が車輌前後方向に沿った正面視において前記定速ギヤ271とオーバーラップするように構成されており、これにより、前記PTOクラッチユニット500の容量を確保しつつ、前記HST入力軸111(前記定速出力軸251)及び前記PTOクラッチ軸261の可及的な近接配置を可能としている。
即ち、前記PTOクラッチ軸261及び前記定速出力軸251の軸間距離を大きくとれば、前記PTO摩擦板505を大型化させて前記PTOクラッチユニット500の容量を確保することが可能であるが、この構成では、前記トランスミッション100の大型化を招く。
これに対し、本実施の形態におけるように、前記クラッチハウジング502を前記定速ギヤ271より車輌前後方向一方側へ変位させ、且つ、前記クラッチハウジング502の一部が正面視において前記定速ギヤ271とオーバーラップするように構成すれば、前記PTOクラッチ軸261及び前記定速出力軸252を可及的に近接させつつ、前記PTO摩擦板505の大型化を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、前記PTOクラッチ軸261は、図11及び図16に示すように、前記HST入力軸111(前記定速出力軸251)及び前記HST出力軸113(前記変速出力軸252)より下方ではあるが、前記走行系伝動軸253よりは上方に配置されている。
従って、前記PTOクラッチ軸261に支持される前記PTOクラッチユニット500は、前記走行系伝動軸253に支持される前記走行系油圧式切換ユニット300よりも前記ミッションケース200内の貯留油による潤滑作用を受け難くなっている。
前記PTO多段変速ユニット550は、図13及び図14等に示すように、前記第2空間210B内に収容されている。
前記PTO多段変速ユニット550は、前記PTOクラッチ軸261に作動連結されたPTO伝動軸262と前記PTO伝動軸262に略平行に配置されたPTO変速軸263との間において多段変速を行うように構成されている。
詳しくは、前記トランスミッション100は、図2,図13,図14,図17及び図18等に示すように、前記PTOクラッチ軸261と同軸上で軸線回り相対回転不能に連結された状態で前記第2空間210B内に位置するように前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bによって車輌前後方向に沿って支持されたPTO伝動軸262と、前記PTO伝動軸262より上方において該PTO伝動軸262に略平行な状態で前記第2空間210B内に位置するように前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bによって支持されたPTO変速軸263とを備えている。
前記PTO多段変速ユニット550は、図13及び図18に示すように、前記PTO伝動軸262に相対回転不能に支持された複数のPTO駆動側変速ギヤ551と、前記複数のPTO駆動側変速ギヤ551にそれぞれ直接又は間接的に噛合した状態で前記PTO変速軸263に相対回転自在に支持された複数のPTO従動側変速ギヤ552と、前記複数のPTO従動側ギヤ552を選択的に前記PTO変速軸263に係合させるPTO変速シフタ555とを備えている。
本実施の形態においては、前記PTO多段変速ユニット550は、図2に示すように、正転側4段及び逆転側1段の合計5段の変速を行えるように構成されている。
具体的には、図2,図13及び図18に示すように、前記複数のPTO駆動側変速ギヤ551は正転側第1〜第4段駆動ギヤ551F(1)〜551F(4)及び逆転側第1段駆動ギヤ551Rを含み、前記複数のPTO従動側変速ギヤ552は正転側第1〜第4段従動ギヤ552F(1)〜552F(4)及び逆転側第1段従動ギヤ552Rを含んでいる。
なお、図2及び図18に示すように、前記正転側第1〜第4段駆動ギヤ551F(1)〜551F(4)は、それぞれ、前記正転側第1〜第4段従動ギヤ552F(1)〜552F(4)と直接噛合し、一方、前記逆転側駆動ギヤ551Rはアイドルギヤ553を介して前記逆転側従動ギヤ552Rと噛合している。
前記PTO変速シフタ555は、図2,図13及び図14に示すように、前記正転側第1段従動ギヤ552F(1)又は前記正転側第4段従動ギヤ552F(4)を選択的に前記PTO変速軸263に係合させる第1/第4段用シフタ555F(1−4)と、前記正転側第2従動ギヤ552F(2)又は前記正転側第3従動ギヤ552F(3)を選択的に前記PTO変速軸263に係合させる第2/第3段用シフタ555F(2−3)と、前記逆転側第1段従動ギヤ552Rを選択的に前記PTO変速軸262に係合させる逆転用シフタ555Rとを含んでいる。
詳しくは、図2,図13及び図14に示すように、前記正転側第1段従動ギヤ552F(1)及び前記正転側第4段従動ギヤ552F(4)が対向配置され、且つ、前記正転側第2段従動ギヤ552F(2)及び前記正転側第3段従動ギヤ552F(3)が対向配置されている。
そして、前記第1/第4段用シフタ555F(1−4)が前記正転側第1段従動ギヤ552F(1)及び前記正転側第4段従動ギヤ552F(4)の間に配置され、前記第2/第3段用シフタ555F(2−3)が前記正転側第2段従動ギヤ552F(2)及び前記正転側第3段従動ギヤ552F(3)の間に配置されている。
前記PTO多段変速ユニット550は、図13〜図15等に示すように、前記トランスミッション100に備えられるPTO変速操作機構560を介して操作されるようになっている。
前記PTO変速操作機構560は、前記第1/第4段用シフタ555F(1−4)、前記第2/第3段用シフタ555F(2−3)及び前記逆転用シフタ555Rにそれぞれ係合された第1/第4段用シフトフォーク561F(1−4)、前記第2/第3段用シフトフォーク561F(2−3)及び逆転用シフトフォーク561Rと、車輌前後方向に沿い且つ軸線方向移動可能なように前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bに支持された正転用フォーク軸562Fであって、前記第1/第4段用シフトフォーク561F(1−4)及び前記第2/第3段用シフトフォーク561F(2−3)の基端側を支持する正転用フォーク軸562Fと、車輌前後方向に沿い且つ軸線方向移動可能なように前記第1中間壁201a及び前記第2中間壁201bに支持された逆転用フォーク軸562Rであって、前記逆転用シフトフォーク561Rの基端側を支持する逆転用フォーク軸562Rと、前記正転用フォーク軸562F及び前記逆転用フォーク軸562Rより上方において車輌幅方向に沿うように前記ミッションケース200に軸線回り回転自在且つ軸線方向移動可能に支持されたPTO操作軸563と、基端部が前記PTO操作軸563に支持され且つ前記PTO操作軸563の軸線方向移動に応じて前記正転用フォーク軸562F又は前記逆転用フォーク軸562Rに選択的に係合する操作アーム564とを有している。
前記PTO操作軸563は、運転席近傍に備えられるPTO多段変速レバー等の操作部材を第1方向(例えば車輌幅方向)に操作すると軸線方向に移動し、且つ、前記操作部材を前記第1方向とは異なる第2方向(例えば車輌前後方向)に操作すると軸線回りに回転するように、前記操作部材に作動連結されている。
前記PTO変速操作機構560は、以下のように作動する。
前記操作部材が第1方向に操作されると前記PTO操作軸563が軸線方向に移動し、これにより、前記操作アーム564が前記正転用フォーク軸562F又は前記逆転用フォーク軸562Rの何れかに選択的に係合する。
この状態で、前記操作部材が第2方向に操作されると、前記PTO操作軸563が軸線回りに回転し、これにより、係合中のフォーク軸が軸線方向に移動して、該フォーク軸に支持されたシフトフォークに係合されているシフタが前記PTO変速軸263の軸線に沿って移動し、前記PTO変速軸263に所望の回転が得られる。
このように、前記トランスミッション100は、前記操作軸563を軸線方向移動可能且つ軸線回り回転可能に前記ミッションケース200に支持させ、前記操作軸563の軸線方向移動又は軸線回り回転の何れか一方の動きによって前記操作アーム564を複数のフォーク軸562F,562Rのうちの何れか一のフォーク軸に係合させ、さらに、前記操作軸563の軸線方向移動又は軸線回り回転の他方の動きによって係合中のフォーク軸を軸線方向に移動させるように構成されており、これにより、部品点数の削減によるコストの低廉化を図っている。
即ち、前記構成によれば、単一の操作軸563によって複数のフォーク軸562F,562Rを操作することができ、これにより、部品点数を有効に削減することができる。
好ましくは、図16及び図17に示すように、前記正転用フォーク軸562F及び前記逆転用フォーク軸562Rは、前記走行系フォーク軸362と共に、車輌幅方向に関し前記PTO変速軸263及び前記主駆動輪出力軸254の間に配置される。
斯かる構成を備えることにより、前記フォーク軸362,562F,562Rの可及的な下方設置が可能となり、前記トランスミッション100を上下方向に小型化することができる。
なお、前記PTO変速軸263は、図2及び図14等に示すように、前記PTO変速軸263と同軸上で且つ軸線回り相対回転不能に連結された状態で前記第3空間210C及び前記第4空間210Dに亘って延びるように前記ミッションケース200に支持された伝動軸264と、前記第4空間210D内に収容された伝動ギヤ列275とを介して、前記PTO軸260に作動連結されている。
次に、前記トランスミッション100の油圧回路について説明する。
まず、前記作業車輌1の油圧回路について説明する。
図10に示すように、前記作業車輌1は、前記駆動源10によって作動的に駆動され、種々の油圧伝動ユニットに対する油圧源として作用する補助ポンプ本体を有している。
本実施の形態においては、前記作業車輌は、前記補助ポンプ本体として第1及び第2補助ポンプ本体51,52を有している。
即ち、前記作業車輌1は、前記第1及び第2補助ポンプ本体51,52と、一端部が前記ミッションケース200等の油源に流体接続され且つ他端部が前記第1及び第2補助ポンプ本体51,52の吸引側に流体接続された吸引ライン601と、一端部が前記第1補助ポンプ本体51の吐出側に流体接続された第1吐出ライン611と、一端部が前記第2補助ポンプ本体の吐出側に流体接続された第2吐出ライン612とを備えている。
さらに、前記作業車輌1は、図10に示すように、前記第1補助ポンプ本体51から前記第1吐出ライン611を介して圧油が供給されるパワーステアリング用油圧回路60と、前記パワーステアリング用油圧回路60に対する余剰油及び前記パワーステアリング用油圧回路60からの戻り油が供給されるトランスミッション用油圧回路65と、前記第2補助ポンプ本体52から前記第2吐出ライン612を介して圧油が供給され、前記作業車輌1に備えられる水平姿勢用油圧シリンダ55に対する作動油給排制御を司る水平姿勢用油圧回路70と、前記水平姿勢用油圧回路70からの戻り油が供給され、前記作業車輌1に付設される作業機を昇降させる為の昇降用油圧シリンダ56に対する作動油給排制御を司る昇降用油圧回路75とを備えている。
ここで、前記トランスミッション用油圧回路65について説明する。
前記トランスミッション用油圧回路65は、前記ミッションケース200内に収容される前記種々の油圧ユニットの作動制御を行う為の油圧ユニット用油圧回路65Aと、前記HST110へ作動油を補給するチャージライン705を含むHST用油圧回路65Bとを備えている。
前記油圧ユニット用油圧回路65Aは、図10に示すように、油圧源に流体接続された供給ライン620と、前記供給ライン620の油圧を設定するメインリリーフ弁625と、前記走行系油圧式切換ユニット300に対する作動油が給排される走行系給排ライン630と、前記走行系油圧式切換ユニット300から前記走行系給排ライン630を介して排出される作動油を油溜めへドレンする為の走行系ドレンライン635と、前記走行系給排ライン630の給排制御を司る走行系切換バルブ640と、前記油圧式PTOクラッチユニット500に対する作動油が給排されるPTO給排ライン645と、前記油圧式PTOクラッチユニット500から前記PTO給排ライン645を介して排出される作動油を油溜めへドレンする為のPTOドレンライン650と、前記PTO給排ライン645の給排制御を司るPTO切換バルブ655と、前記油圧式走行系ブレーキユニット420に対する作動油が給排されるブレーキ給排ライン660と、前記油圧式走行系ブレーキユニット420から前記ブレーキ給排ライン660を介して排出される作動油を油溜めにドレンする為のブレーキドレンライン665と、前記ブレーキ給排ライン660の給排制御を司るブレーキ切換バルブ670と、前記副駆動輪用切換ユニット410に対する作動油が給排される副駆動輪給排ライン675と、前記副駆動輪用切換ユニット410から前記副駆動輪給排ライン675を介して排出される作動油を油溜めにドレンする為の副駆動輪ドレンライン680と、前記副駆動輪給排ライン675の給排制御を司る副駆動輪切換バルブ685とを備えている。
本実施の形態においては、前述の通り、前記走行系油圧式切換ユニット300は、前記前進側摩擦板315F及び前記後進側摩擦板315Rを備えた前記F/R切換ユニット310とされている。
従って、走行系給排ライン630は前進側給排ライン630F及び後進側給排ライン630Rを含み、前記走行系切換バルブ640は前記前進側給排ライン630Fの給排制御を司る前進側切換バルブ640F及び前記後進側給排ライン630Rの給排制御を司る後進側切換バルブ640Rを含み、前記走行系ドレンライン635は前進側ドレンライン635F及び後進側ドレンライン635Rを含んでいる。
なお、本実施の形態においては、前記トランスミッション用油圧回路65Aは、前記前進側切換バルブ635F及び前記後進側切換バルブ635Rを通過する作動油量を減らす為に、油圧ピストン切換構造570を備えている。
詳しくは、前記油圧ピストン切換構造570は、図10に示すように、シリンダ571と、前記シリンダ571内に摺動可能に収容された切換ピストン572と、前記切換ピストン572を中立位置に付勢するように該切換ピストン572の軸線方向両端側に配設された一対の付勢部材573とを備えている。
前記切換ピストン572は、前記シリンダ571の内部空間を、前記一対の付勢部材の一方が収容される前進側付勢室571F(1)と、前記前進側摩擦板群315Fに対する作動油給排通路の一部を形成する前進側作動室571F(2)と、前記後進側摩擦板群315Rに対する作動油給排通路の一部を形成する後進側作動室571R(2)と、前記一対の付勢部材573の他方が収容される後進側付勢室571R(1)とに液密に区画している。
即ち、前記切換ピストン572は、前記前進側付勢室571F(1)及び前記前進側作動室571F(2)を区画する前進側ランド部572Fと、前記前進側作動室571F(2)及び前記後進側作動室571R(2)を区画する中立ランド部572Nと、前記後進側作動室571R(2)及び前記後進側付勢室571R(2)を区画する後進側ランド部572Rとを有している。
そして、前記トランスミッション用油圧回路65Aは、一端部が前記供給ライン620に流体接続され且つ他端部が前記シリンダ571に流体接続された作動油ライン580と、一端部が前記前進側作動室571F(2)に流体接続され且つ他端部が油溜めに流体接続された前進側排出ライン581Fと、一端部が前記後進側作動室571R(2)に流体接続され且つ他端部が油溜めに流体接続された後進側排出ライン581Rと、一端部が前記前進側作動室571F(2)に流体接続され且つ他端部が前記前進側摩擦板群315Fに流体接続された前進側作動油ライン585Fと、一端部が前記後進側作動室571R(2)に流体接続され且つ他端部が前記後進側摩擦板群315Rに流体接続された後進側作動油ライン585Rとを有している。
前記作動油ライン580の他端部は、前記切換ピストン572が中立位置に位置する際に前記中立ランド部572Nが位置する部分において、前記シリンダ571に流体接続されている。
前記油圧ピストン切換構造570を備えた構成においては、前記前進側給排ライン630F及び前記後進側給排ライン630Rの作動油は、対応する前記摩擦板群315に対して直接的に作用するのではなく、前記切換ピストン572に作用するようになっている。
詳しくは、前記前進側給排ライン630Fは、一端部が前記前進側切換バルブ640Fに流体接続され且つ他端部が前記前進側付勢室571F(1)に流体接続されており、前記後進側給排ライン630Rは、一端部が前記後進側切換バルブ640Rに流体接続され且つ他端部が前記後進側付勢室571R(1)に流体接続されている。
前記油圧ピストン切換構造570は、以下のように作動する。
前記前進側切換バルブ640F及び前記後進側切換バルブ640Rが共に対応する給排ライン630を対応するドレンライン635に流体接続させる遮断位置に位置される場合(図2の状態)には、前記作動油ライン580の他端部は前記中立ランド部572Nによって閉塞される。従って、前記前進側摩擦板群315F及び前記後進側摩擦板群315Rの何れにも作動油は供給されず、前記F/R切換ユニット310は動力遮断状態となる。
これに対し、前記前進側切換バルブ640Fが前記前進側給排ライン630Fを前記供給ライン620に流体接続させる連通位置に位置される場合(この際、前記後進側切換バルブ640Rは遮断位置に位置される)には、前記供給ライン620から前記前進側切換バルブ640F及び前記前進側給排ライン630Fを介して圧油が前記前進側付勢室571F(1)に流入する。これにより、前記切換ピストン572は、前記後進側付勢室571R(1)を縮小させる方向へ移動し、前記前進側ランド部572Fが前記前進側排出ライン581Fを閉塞した状態で、前記作動油ライン580が前記前進側作動室581F(2)及び前記前進側作動油ライン585Fを介して前記前進側摩擦板315Fに流体接続される。従って、前記F/R切換ユニット310は前進状態となる。
同様に、前記後進側切換バルブ640Rが前記後進側給排ライン630Rを前記供給ライン620に流体接続させる連通位置に位置される場合(この際、前記前進側切換バルブ640Fは遮断位置に位置される)には、前記供給ライン620から前記後進側切換バルブ640R及び前記後進側給排ライン630Rを介して圧油が前記後進側付勢室571R(1)に流入する。これにより、前記切換ピストン572は、前記前進側付勢室571F(1)を縮小させる方向へ移動し、前記後進側ランド部572Rが前記後進側排出ライン581Rを閉塞した状態で、前記作動油ライン580が前記後進側作動室571R(2)及び前記後進側作動油ライン585Rを介して前記後進側摩擦板315Rに流体接続される。従って、前記F/R切換ユニット310は後進状態となる。
前記PTO切換バルブ655は、前記PTO給排ライン645を前記供給ライン620に流体接続させる連通位置と、前記PTO給排ライン645を前記PTOドレンライン650に流体接続させる遮断位置とを選択的に取り得るように構成されている。
前記PTO切換バルブ655が連通位置に位置されると、前記供給ライン620から前記PTO給排ライン645に作動油が供給され、これにより、前記PTOクラッチユニット500が動力伝達状態となる。なお、この際、前記PTOブレーキユニット510は、ブレーキ解除状態になる。
これに対し、前記PTO切換バルブ655が遮断位置に位置されると、前記PTOクラッチユニット500から前記PTO給排ライン645及び前記PTOドレンライン650を介して作動油が油溜めに排出され、これにより、前記PTOクラッチユニット500が動力遮断状態となる。なお、この際、前記PTOブレーキユニット510は、ブレーキ作動状態になる。
本実施の形態においては、前記トランスミッション100は、前述の通り、前記油圧式走行系ブレーキユニット420として、前記一対の左側及び右側油圧式走行系ブレーキユニット420L,420Rを備えている。
従って、前記ブレーキ給排ライン660は左側ブレーキ給排ライン660L及び右側ブレーキ給排ライン660Rを含み、前記ブレーキドレンライン665は左側ブレーキドレンライン665L及び右側ブレーキドレンライン665Rを含み、且つ、前記ブレーキ切換バルブ670は左側ブレーキ切換バルブ670L及び右側ブレーキ切換バルブ670Rを含んでいる。
前記ブレーキ切換バルブ670は、対応する前記ブレーキ給排ライン660を前記供給ライン620に流体接続させる連通位置と、対応するブレーキ給排ライン660を対応する前記ブレーキドレンライン665に流体接続させる遮断位置とを選択的に取り得るように構成されている。
即ち、前記一対の油圧式走行系ブレーキユニット420L,420Rは、対応するブレーキ切換バルブ670が連通位置及び遮断位置に位置されるとそれぞれブレーキ作動状態及びブレーキ解除状態となる。
本実施の形態においては、前記副駆動輪用切換ユニット410は、前述の通り、2駆状態、ノーマル4駆状態又は増速4駆状態を選択的に取り得るように構成されている。
従って、副駆動輪給排ライン675は等速側給排ライン675(L)及び増速側給排ライン675(H)を含み、前記副駆動輪ドレンライン680は等速側ドレンライン680(L)及び増速側ドレンライン680(H)を含み、且つ、前記副駆動輪切換バルブ685は等速側切換バルブ685(L)及び増速側切換バルブ685(H)を含んでいる。
前記副駆動輪切換バルブ685は、対応する前記給排ライン675を前記供給ライン620に流体接続させる連通位置と、対応する給排ライン675を対応するドレンライン680に流体接続させる遮断位置とを選択的に取り得るように構成されている。
即ち、前記副駆動輪用切換ユニット410は、前記等速側切換弁685(L)が連通位置に位置され且つ前記増速側切換弁685(H)が遮断位置に位置された際にノーマル4駆状態となり、前記等速側切換弁685(L)が遮断位置に位置され且つ前記増速側切換弁685(H)が連通位置に位置された際に増速4駆状態となり、且つ、前記等速側切換弁685(L)及び前記増速側切換弁685(H)の双方が遮断位置に位置された際に2駆状態となる。
前記HST用油圧回路65Bは、図2に示すように、前記メインリリーフ弁625によってリリーフされた前記供給ライン620の余剰油を前記油圧サーボ機構125へ供給する油圧サーボライン690と、前記油圧サーボライン690の油圧を設定するサーボリリーフ弁695と、閉回路を形成するように前記油圧ポンプ本体112及び前記油圧モータ本体114を流体接続する一対のHSTライン700と、前記サーボリリーフ弁695によってリリーフされた前記油圧サーボライン690の余剰油を前記閉回路へ供給するチャージライン705と、前記チャージライン705の油圧を設定するチャージリリーフ弁710とを備えている。
さらに、本実施の形態においては、前記トランスミッション用油圧回路65Aは、前記走行系油圧式切換ユニット300及び前記PTOクラッチユニット500へ潤滑油を供給する為の潤滑油ライン720を備えている。
本実施の形態においては、前記潤滑油ライン720は、図10に示すように、油圧源に流体接続された共通潤滑油ライン725と、一端部が前記共通潤滑油ライン725に流体接続され且つ他端部が前記走行系油圧式切換ユニット300の摩擦板群315に流体接続された走行系潤滑油ライン730と、一端部が前記共通潤滑油ライン725に流体接続され且つ他端部が前記PTOクラッチユニット500の摩擦板群505に流体接続されたPTO潤滑油ライン735とを備えている。
前記共通潤滑油ライン725には、該共通潤滑油ライン725の油圧を設定する潤滑リリーフ弁740が介挿されている。
本実施の形態においては、前記共通潤滑油ライン725は、前記チャージリリーフ弁710によってリリーフされる前記チャージライン705の余剰油を受け入れるように構成されている。
このように、前記走行系油圧式切換ユニット300及び前記PTOクラッチユニット500への潤滑油の供給を前記共通潤滑油ライン725を介して行うことにより、前記両ユニット300,500への潤滑油供給構造の簡略化を図ることができる。
さらに、本実施の形態においては、前記両ユニット300,500への潤滑油供給を効率的に行う為に、下記構成を備えている。
即ち、前述の通り、前記PTOクラッチユニット500は、油貯留可能な前記ミッションケース200内において走行系油圧式切換ユニット300よりも上方に配置されている。従って、前記PTOクラッチユニット500は前記走行系油圧式クラッチユニット300よりも前記ミッションケース200内の貯留油による潤滑作用を受け難くなっている。
この点に鑑み、本実施の形態においては、図10に示すように、前記PTO潤滑油ライン735を前記走行系潤滑油ライン730よりも潤滑油流れ方向上流側において前記共通潤滑油ライン725に流体接続させると共に、前記共通潤滑油ライン725のうち前記PTO潤滑油ライン735との接続点及び前記走行系潤滑油ライン730との接続点の間に位置する領域に絞り740を設けている。
このように、複数の伝動ユニット(本実施の形態においては、前記PTOクラッチユニット500及び前記走行系油圧式切換ユニット300)のうち前記ミッションケース200内において上方に設置された一方の伝動ユニット(本実施の形態においては、前記PTOクラッチユニット500)に対応した一方の潤滑油ライン(本実施の形態においては、前記PTO潤滑油ライン735)を、他方の潤滑油ライン(本実施の形態においては、前記走行系潤滑油ライン730)よりも潤滑油流れ方向上流側において前記共通潤滑油ライン725に流体接続させ、且つ、前記共通潤滑油ライン725のうち,前記一方の潤滑油ラインとの接続点及び前記他方の潤滑油ラインとの接続点の間に位置する領域に前記絞り740を設けることにより、前記ミッションケース200内の貯留油による潤滑油作用を受け難い前記一方の伝動ユニットに優先的に潤滑油を供給することができる。
従って、前記共通潤滑油ライン725を用いたことによる潤滑油供給構造の簡略化という効果を得つつ、前記両ユニットの双方を効率的に潤滑することができる。
ここで、前記各切換バルブについて説明する。
前記各切換バルブは電磁弁とされており、運転席近傍に備えられる操作部材の操作に応じて、ON/OFF操作されるようになっている。
図19〜図21に、前記トランスミッション100のうち前記第1カバー部材230より前方側に位置する前部分の左斜視図、右斜視図及び正面図を示す。図19及び図20は、それぞれ、車輌進行方向を向いて左側で且つ前方から視た図、及び、車輌進行方向を向いて右側で且つ前方から視た図である。なお、図19及び図20においては、下記第1及び第2蓋部材245a,245bを分解状態で示し、図21においては下記第1及び第2蓋部材245a,245bを削除した状態を示している。
図5〜図6及び図19〜図21に示すように、前記各切換バルブは、前記ミッションケース200の前記第1端壁200aに直接又は間接的に車輌前後方向一方側から脱着可能に装着されている。
詳しくは、前記第1端壁200aには、前述の通り、前記HST110が連結されており、且つ、前記HST110より下方位置において前記走行系副出力軸450(図3等参照)が支持されている。
前記各切換バルブは、前記第1端壁200aのうち前記HST110より下方で且つ前記走行系副出力軸450に対して車輌幅方向に変位された領域に装着されている。
本実施の形態においては、前記走行系副出力軸450の車輌幅方向両側に、前記各切換バルブが振り分け配置されている。
このように、前記各切換バルブを前記第1端壁200aに車輌前後方向一方側から装着可能とすることにより、車幅の拡大を防止しつつ、前記切換バルブが外部の物体に接触することを有効に防止することができる。
即ち、切換バルブがミッションケースの側壁に装着されていた従来構成においては、前記切換バルブが前記ミッションケースから車輌幅方向外方へ突出することになり、前記PTOバルブが外部の物体に接触して破損等する虞がある。
なお、前記切換バルブが前記ミッションケースの側壁に装着されている構成において、前記切換バルブを前記一対のメインフレームによって覆うように構成することも可能であるが、この構成によれば、前記一対のメインフレームの離間間隔を大きくしなければならず、結果として、車幅の拡大を招く。さらに、前記切換バルブを前記ミッションケースに脱着する際に、前記一対のメインフレームが邪魔になるという問題も生じる。
これに対し、本実施の形態においては、前記切換バルブが前記ミッションケース200の第1端壁200aに対して直接又は間接的に車輌前後方向一方側から脱着可能とされている。
つまり、本実施の形態においては、車輌前後方向一方側に配置された前記駆動源10を含む駆動源ユニット10Aと、前記駆動源ユニット10Aから車輌幅方向に離間配置された前記ミッションケース200と、前記駆動源ユニット10A及び前記ミッションケース200を連結する前記一対のメインフレーム6とによって画される空間を利用して、前記切換バルブが前記ミッションケース200の前記第1端壁200aに装着されている。
従って、前記一対のメインフレーム6の離間幅を拡大することなく、前記切換バルブが外部の物体に接触することを有効に防止できる。さらに、前記切換バルブの脱着作業を前記空間を利用して容易に行うことができる。
本実施の形態においては、前記複数の切換バルブは、図19〜図21に示すように、外方に開くように前記ミッションケース200に直接又は間接的に設けられた凹部240であって、脱着可能に装着される蓋部材245と共働して液密な閉塞空間を形成する凹部240内に収容されている。
このように、前記複数の切換バルブを前記閉塞空間に収容することにより、複数の切換バルブ毎にドレンラインを設ける必要を無くし、これにより、油路構造の簡略化を図り得るようになっている。
即ち、前述の通り、前記切換バルブは、対応する給排ラインを前記供給ライン620又は対応する前記ドレンラインに選択的に流体接続させるように構成されている。従って、通常、前記切換バルブの個数に対応した数のドレンラインを設ける必要がある。
つまり、本実施の形態におけるように、7個の切換バルブが備えられている場合には、通常、7本のドレンラインが必要となる。
これに対し、本実施の形態においては、前記複数の切換バルブを前記凹部240及び前記蓋部材245によって形成される閉塞空間内に収容させている。
具体的には、前記トランスミッション100は、図19〜図21に示すように、外方に開くように前記ミッションケース200に直接又は間接的に設けられた第1凹部240aであって、脱着可能に装着される第1蓋部材245aと共働して液密な第1閉塞空間を形成する第1凹部240aと、外方に開くように前記ミッションケース200に直接又は間接的に設けられた第2凹部240bであって、脱着可能に装着される第2蓋部材245bと共働して液密な第2閉塞空間を形成する第2凹部240bとを備えている。
そして、前記7個の切換バルブのうちの4個を前記第1閉塞空間内に収容させ、他の3個を前記第2閉塞空間内に収容させている。
このように、一の閉塞空間内に複数の切換バルブを収容させることによって、複数の切換バルブに対応したドレンラインの共通化を図ることができ、これにより、ドレン構造を簡略化させることができる。
詳しくは、前記複数の切換バルブは、遮断位置に位置する際に、対応する給排ラインを閉塞空間に流体接続させるように構成されており、さらに、前記閉塞空間には少なくとも1本のドレンライン246が流体接続されている。
なお、本実施の形態においては、図21に示すように、前記第1閉塞空間には2本の第1ドレンライン246aが流体接続され、前記第2閉塞空間には2本の第2ドレンライン246bが流体接続されている。
ところで、本実施の形態においては、前述の通り、前記トランスミッション1は、前記走行系油圧式切換ユニット300、前記PTOクラッチユニット500、前記油圧式走行系ブレーキユニット420及び前記副駆動輪切換ユニット410を備えている。
しかしながら、これらの伝動ユニットは必要又は仕様に応じて適宜取捨選択されるものである。
つまり、前記トランスミッション100が副駆動輪35を駆動する必要が無い2駆仕様の作業車輌に適用される場合には前記副駆動輪切換ユニット410は削除され、前記油圧式走行系ブレーキユニット420に代えて機械式走行系ブレーキユニットが備えられる作業車輌に適用される場合には前記ブレーキ切換バルブ670等の前記油圧式走行系ブレーキユニット420に関連する油圧機器は削除される。
前記トランスミッション100は、このような種々の仕様に容易に対応可能とされていることが望まれる。
この点に関し、本実施の形態においては、前記伝動ユニットのうち多くの仕様において備えられる可能性の高い伝動ユニット(以下、必須伝動ユニットという)に対応した切換バルブを一の凹部及び一の蓋部材によって形成される一の閉塞空間内に収容し、仕様によっては削除される可能性の高い伝動ユニット(以下、任意伝動ユニットという)に対応した切換バルブを他の凹部及び他の蓋部材によって形成される他の閉塞空間内に収容することで、仕様変更時の切換バルブの脱着作業の容易化を図っている。
具体的には、図3及び図19〜図21に示すように、前記トランスミッション1は、前記HST110より下方で、且つ、前記走行系副出力軸450の車輌幅方向両側に設けられた前記第1凹部240a及び前記第2凹部240bを有している。前記第1及び第2凹部240a,240bは、それぞれ、前記第1及び第2蓋部材245a,245bと共働して液密な第1及び第2閉塞空間を形成している。
そして、前記第1閉塞空間には、前記必須伝動ユニットである前記走行系油圧式切換ユニット300及び前記PTOクラッチユニット500に対応した前記前進側切換バルブ640F、前記後進側切換バルブ640R及び前記PTOバルブ655を収容させ、前記第2閉塞空間には、前記任意伝動ユニットである前記副駆動輪切換ユニット410及び前記走行系油圧式ブレーキユニット420に対応した前記等速側切換バルブ685(L)、前記増速側切換バルブ685(H)、前記左側ブレーキ切換バルブ670(L)及び前記右側ブレーキ切換バルブ670(R)を収容させている。
斯かる構成においては、前記副駆動輪切換ユニット410及び/又は前記一対の走行系油圧式ブレーキユニット420を備える態様と、これらの双方又は一方を備えない態様との間の仕様変更を容易に行うことができる。
ここで、前記供給ライン620等の前記油圧ラインの詳細構成について説明する。
図22〜図24に、それぞれ、前記トランスミッション100の前記前部分の前方分解斜視図、右後方斜視図及び左後方斜視図を示す。
図22〜図24に示すように、前記トランスミッション100は、前記第1端壁200aに着脱可能に連結される油路ブロック750を有している。
図25及び図26に、前記油路ブロック750の分解前方斜視図及び分解後方斜視図を示す。
図22〜図26に示すように、前記油路ブロック750は、前記副駆動輪35へ向けて回転動力を出力する走行系副出力軸450が車輌前後方向一方側へ突出することを許容するような形状を有している。
本実施の形態においては、前記油路ブロック750には、前記走行系副出力軸450の出力端部が挿通される開口750aが設けられている。
前記油路ブロック750には、前記複数の切換バルブが装着される第1及び第2バルブ設置領域が設けられている。
詳しくは、図25等に示すように、本実施の形態においては、前記第1及び第2凹部240a,240bが前記油路ブロック750に形成されており、該第1及び第2凹部240a,240bがそれぞれ前記第1及び第2バルブ設置領域を形成している。
さらに、前記油路ブロック750には、前記供給ライン620の一部を形成する供給油路であって、油圧源から供給された圧油を前記各切換バルブのそれぞれへ案内するように構成された供給油路が設けられている。
前記供給油路は、前記走行系副出力軸450の軸線方向に沿って視た際に、一端部及び他端部がそれぞれ前記第1及び第2バルブ設置領域とオーバーラップし、且つ、前記一端部及び他端部の間が前記副出力軸450の上方を囲んだ状態で該副出力軸450の軸線回りに延びる略半円弧状とされており、これにより、前記第1及び第2バルブ設置領域に装着される前記複数の切換バルブへの圧油供給構造の簡略化を図っている。
具体的には、前記油路ブロック750は、図22〜図26に示すように、前記駆動源10と対向する方向である車輌幅方向一方側を向く外端面及び前記外端面とは反対側を向く内端面を有するブロック本体751と、前記ブロック本体751の内端面に当接されるプレート752とを有している。
図27及び図28に、前記ブロック本体751の正面図及び背面図を示す。
図27及び図28に示すように、前記ブロック本体751は、前記走行系副出力軸450が挿通される前記開口750aと、前記外端面のうち前記開口750aを挟んで車輌幅方向両側に位置する部分に設けられた前記第1及び第2凹部240a,240bと、前記内端面に設けられた複数の油溝とを有している。
前記複数の油溝は、前記プレート752と共働して前記供給油路を含む種々の油路を形成している。
図28に示すように、前記複数の油溝は、前記走行系副出力軸450の軸線方向に沿って視た際に、一端側760a及び他端側部760bがそれぞれ前記第1凹部240a及び第2凹部240bとオーバーラップし、且つ、前記一端側760a及び前記他端側の間が前記開口750aの上方を囲むように前記走行系副出力軸450の軸線回りに略円弧状とされた供給油溝760を含んでいる。
前記供給油溝760の前記一端側760aは、図27及び図28に示すように、前記走行系切換バルブ640へ圧油を供給し得るように前記第1凹部240a内に開口された走行用供給端部761と、前記PTO切換バルブ655へ圧油を供給し得るように前記第1凹部240a内に開口されたPTO用供給端部762とを有している。
本実施の形態においては、前述の通り、前記走行系切換バルブ640は前記前進側切換バルブ640F及び前記後進側切換バルブ640Rを含んでいる。従って、前記走行用供給端部761は前進用供給端部761F及び後進用供給端部761Rを含んでいる。
前記供給油溝760の前記他端側760bは、図27及び図28に示すように、前記ブレーキ切換バルブ670へ圧油を供給し得るように前記第2凹部240b内に開口されたブレーキ用供給端部763と、前記副駆動輪切換バルブ685に圧油を供給し得るように前記第2凹部240b内に開口された副駆動輪用供給端部764とを有している。
本実施の形態においては、前記ブレーキ切換バルブ670は左側ブレーキ切換バルブ670L及び右側ブレーキ切換バルブ670Rを含み、前記副駆動輪切換バルブ685は等速側切換バルブ685(L)及び増速側切換バルブ685(H)を含んでいる。従って、前記ブレーキ用供給端部763は左側ブレーキ用供給端部763L及び右側ブレーキ用供給端部763Rを含み、前記副駆動輪用供給端部764は等速用供給端部764(L)及び増速用供給端部764(H)を含んでいる。
斯かる構成によれば、前記供給油溝760及び前記プレート752によって形成される前記供給油路の何れかの箇所に油圧源からの圧油を供給すれば、前記複数の切換バルブの全てに圧油を案内することができる。
本実施の形態においては、前記ミッションケース200の右側面に圧油受入口910(図23参照)が形成されており、前記第1端壁200aに設けられた油路を介して前記供給油溝760のうち前記他端側760bの近傍位置760IN(図28参照)に圧油が供給されるようになっている。
なお、図23中の符号626は、前記メインリリーフ弁625が装着される装着孔である。
さらに、前記複数の油溝は、図27及び図28に示すように、前記走行系給排ライン630の一部となる走行系給排油路を前記プレート752と共働して形成する走行系給排油溝765と、前記PTO給排ライン645の一部となるPTO給排油路を前記プレート752と共働して形成するPTO給排油溝770と、前記副駆動輪給排ライン675の一部となる副駆動輪給排油路を前記プレート752と共働して形成する副駆動輪給排油溝775と、前記ブレーキ給排ライン660の一部となるブレーキ給排油路を前記プレート752と共働して形成するブレーキ給排油溝780とを含んでいる。
前記走行系給排油溝765は前進側給排油溝765F及び後進側給排油溝765Rを含み、前記副駆動輪給排油溝775は等速側給排油溝775(L)及び増速側給排油溝775(H)を含み、前記ブレーキ給排油溝780は左側ブレーキ給排油溝780L及び右側ブレーキ給排油溝780Rを含んでいる。
前記前進側給排油溝765F及び前記後進側給排油溝765Rは、一端部が対応する切換バルブ640に流体接続されるように前記第1凹部240a内に開口され、且つ、他端部が前記プレート752及び前記第1端壁200aに形成された開口を介して前記ミッションケース200内に設けられた油路又はパイプに流体接続されている。
前記PTO給排油溝770は、一端部が対応する切換バルブ655に流体接続されるように前記第1凹部240a内に開口され、且つ、他端部は前記給排油溝760より前記走行系副出力軸450の軸線を基準にして径方向外方位置において該副出力軸450の車輌幅方向反対側まで延びている。
即ち、前記PTOクラッチユニット500及び前記PTO切換バルブ655は、前記走行系副出力軸450を基準にして車輌幅方向一方側及び他方側に配置されている。
従って、前記PTO給排油溝770の他端部を前記走行系副出力軸450を挟んで前記一端部とは反対側へ延在させることにより、該他端部と前記PTOクラッチユニット500との間の油路構造を簡略化することができる。
なお、前記PTO給排ライン645には、図10に示すように、前記PTO摩擦板群505に対する作動油の油圧が急激に上昇することを防止するPTOモジュレータ646が介挿されている。
前記PTO給排油溝770は、図28に示すように、前記PTOモジュレータ646を効率的に前記PTO給排ライン645に介挿させる為に、互いに独立された複数の油溝770a〜770cを有している。
前記等速側給排油溝775(L)及び前記増速側給排油溝775(H)は、一端部が対応する切換バルブ685に流体接続されるように前記第2凹部240b内に開口され、且つ、他端部が前記プレート752及び前記第1端壁200aに形成された開口を介して前記ミッションケース200内に設けられた油路又はパイプに流体接続されている。
前記左側ブレーキ給排油溝780L及び前記右側ブレーキ給排油溝780Rは、一端部が対応する切換バルブ670に流体接続されるように前記第2凹部240b内に開口され、且つ、他端部が前記プレート752及び前記第1端壁200aに形成された油路を介して前記ミッションケース200の右側面に設けられた対応するブレーキ吐出口781L,781R(図23参照)に流体接続されている。前記ブレーキ吐出口781から吐出される圧油は、適宜の外部配管を介して、対応するブレーキユニット420へ供給される。
さらに、前記複数の油溝は、図28に示すように、前記油圧サーボライン690の一部となる油路を前記プレート752と共働して形成するサーボ油溝790と、前記チャージライン705の一部となる油路を前記プレート752と共働して形成するチャージ油溝795とを含んでいる。
図29に、前記ポートブロック117の縦断背面図を示す。
前記サーボ油溝790は、一端側790aにおいて前記ミッションケース200に装着された前記メインリリーフ弁625からのリリーフ油を受け入れ、且つ、他端側790bから前記ポートブロック117に形成されたサーボ用油路691(図29参照)へ圧油を供給するように構成されている。
前記チャージ油溝795は、一端側795aにおいて前記ポートブロック117に装着された前記サーボリリーフ弁695(図2及び図29参照)からのリリーフ油を受け入れ、且つ、他端側795bが前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113を挟んで車輌幅方向反対側まで延びており、これにより、前記ポートブロック117の大型化を防止しつつ、前記チャージライン705を形成している。
即ち、本実施の形態におけるように、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113が車輌幅方向に並列配置され、且つ、前記油圧サーボ機構125が前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113より車輌幅方向一方側に配置されている場合には、前記チャージライン705及び前記油圧サーボライン690が互いに干渉することを防止する為に、前記チャージライン705が、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113を基準にして前記油圧サーボ機構125とは車輌幅方向反対側において、前記一対のHST油路701に流体接続するように構成するのが好ましい。
この点に鑑み、本実施の形態においては、前記ポートブロック117は、図29に示すように、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113を基準にして車輌幅方向一方側に前記油圧サーボライン690の一部を形成する油圧サーボ油路691を有し、且つ、車輌幅方向他方側に前記チャージライン705の一部を形成するチャージ油路706を有している。
従って、前記HST入力軸111及び前記HST出力軸113を基準にして車輌幅方向一方側に配置された前記油圧サーボ油路691に介挿された前記サーボリリーフ弁695からのリリーフ油を、前記油路ブロック750における前記チャージ油溝795を介して車輌幅方向他方側へ案内することにより、前記ポートブロック117の大型化を防止しつつ、前記油圧サーボライン690の余剰油を前記チャージ油路706へ供給することができる。
前記油路ブロック750には、さらに、前記共通潤滑油ライン725の一部を形成する共通潤滑油路が形成されている。
前記共通潤滑油路は、油圧源に流体接続される潤滑油受入ポートと、前記PTO潤滑油ライン735へ向けて潤滑油を吐出するPTO潤滑油吐出ポートと、前記走行系潤滑油ライン730へ向けて潤滑油を吐出する走行系潤滑油吐出ポートとを有している。
前記PTO潤滑油吐出ポートは、前記走行系潤滑油吐出ポートよりも潤滑油流れ方向上流側に位置されている。
本実施の形態においては、前述の通り、前記油路ブロック750は、前記ブロック本体751及び前記プレート752を有している。そして、前記共通潤滑油路は、前記ブロック本体751に形成された油溝と前記プレート752とによって形成されている。
即ち、前記複数の油溝は、図28に示すように、さらに、前記共通潤滑油路を前記プレート752と共働して形成する共通潤滑油溝800を含んでいる。
前記共通潤滑油溝800は、前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向一方側から他方側へ延びている。
詳しくは、前記共通潤滑油溝800は、前記潤滑油受入ポートに対応する潤滑油受入領域800INであって、前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向一方側に設けられた潤滑油受入領域800INと、前記PTO潤滑油吐出ポートに対応するPTO潤滑油吐出領域801OUTであって、前記HST入力軸111より車輌幅方向一方側に設けられたPTO潤滑油吐出領域801OUTと、前記走行系潤滑油吐出ポートに対応する走行系潤滑油吐出領域802OUTであって、前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向他方側に設けられた走行系潤滑油吐出領域802OUTとを有している。
さらに、前記共通潤滑油溝800には、前記PTO潤滑油吐出領域801OUTと前記走行系潤滑油吐出領域802OUTとの間に幅狭領域803が形成されており、この幅狭領域803が前記絞り740を形成している。
このように、前記ミッションケース200の前記第1端壁200aに連結される前記油路ブロック750に前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向一方側から他方側へ延びる前記共通潤滑油路を形成することにより、前記ミッションケース200内ににおいて前記HST入力軸111を基準にして車輌幅方向一方側及び他方側に振り分け配置された前記PTOクラッチユニット500及び前記走行系油圧式切換ユニット300に効率的に潤滑油を供給することができる。
さらに、前記共通潤滑油路を形成する前記共通潤滑油溝800に前記幅狭領域803を形成し、前記幅狭領域803によって前記絞り740を形成しており、従って、前記絞り740を容易に形成することができる。
又、図28に示すように、前記PTO潤滑油吐出ポートに対応したPTO潤滑油吐出領域801OUTが、前記走行系潤滑ポートに対応した走行系潤滑油吐出領域802OUTより上方に位置するように構成されており、これにより、潤滑油流れ方向下流側に位置する前記走行系潤滑油ポートへも確実に潤滑油を供給し得るようになっている。
なお、前記PTO潤滑油吐出ポートは、前記第1端壁200aに形成された油路を含む前記PTO潤滑油ライン735を介して前記PTOクラッチユニット500の摩擦板群505に流体接続されている。前記走行系潤滑油吐出ポートは、前記第1端壁200aに形成された油路を含む前記走行系潤滑油ライン730を介して前記走行系油圧式切換ユニット300の摩擦板群315に流体接続されている。
又、本実施の形態においては、前述の通り、前記共通潤滑油ライン725へは、前記チャージライン705の余剰油が供給されるようになっている。
詳しくは、前記共通潤滑油ライン725は、前記共通潤滑油路に加えて、一端部が前記チャージリリーフ弁710の二次側に流体接続され且つ他端部が前記ミッションケース200の車輌幅方向他方側の側壁に開口された共通潤滑油第1油路805(図24参照)と、一端部が前記ミッションケース200の車輌幅方向一方側の側壁に開口され且つ他端部が前記共通潤滑油路の前記共通潤滑油受入ポートに流体接続された共通潤滑油第2油路806(図23参照)と、前記第1油路805の他端部及び前記第2油路806の一端部を流体接続する外部配管(図示せず)とを有している。
図1は、本発明の一実施の形態に係るトランスミッションが適用された作業車輌の側面図である。 図2は、図1に示す作業車輌の伝動模式図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係るトランスミッションの正面図である。 図4は、図3に示すトランスミッションの平面図である。 図5は、図3及び図4に示すトランスミッションの斜視図である。 図6は、図3〜図5に示すトランスミッションの分解斜視図である。 図7は、図3〜図6に示すトランスミッションにおけるミッションケースの縦断側面図である。 図8は、図7に示すミッションケースの分解縦断斜視図である。 図9は、図7及び図8に示すミッションケースの後方斜視図である。 図10は、前記作業車輌の油圧回路図である。 図11は、前記トランスミッションの正面図であり、前記ミッションケースに第1カバー部材を外した状態を示している。 図12は、図11に示す状態の前記トランスミッションの平面図である。 図13は、前記ミッションケース内に収容される伝動ユニット及び伝動軸を含む伝動機構の平面図である。 図14は、図13に示す伝動機構を車輌幅方向一方側且つ車輌前後方向一方側から視た斜視図である。 図15は、前記伝動機構を車輌幅方向他方側且つ車輌前後方向一方側から視た斜視図である。 図16は、前記伝動機構の正面図である。 図17は、前記ミッションケースにおける第1中間壁の車輌幅方向他方側の端面から車輌幅方向他方側を視た前記伝動機構の縦断正面図である。 図18は、前記伝動機構の底面図である。 図19は、前記トランスミッションのうちの前部分だけを車輌幅方向他方側から視た前方斜視図である。 図20は、図19に示す前記トランスミッションの前部分を車輌幅方向一方側から視た前方斜視図である。 図21は、図19及び図20に示す前記トランスミッションの前部分の正面図である。 図22は、図19〜図21に示す前記トランスミッションの前部分を車輌幅方向他方側且つ前方から視た分解斜視図である。 図23は、図19〜図22に示す前記トランスミッションの前部分を車輌幅方向一方側且つ後方から視た分解斜視図である。 図24は、図19〜図23に示す前記トランスミッションの前部分を車輌幅方向他方側且つ後方から視た分解斜視図である。 図25は、前記ミッションケースの第1端壁に連結される油路ブロックを車輌幅方向他方側且つ前方から視た分解斜視図である。 図26は、前記油路ブロックを車輌幅方向他方側且つ後方から視た分解斜視図である。 図27は、前記油路ブロックにおけるブロック本体の正面図である。 図28は、図27に示す前記ブロック本体の背面図である。 図29は、前記トランスミッションに備えられたHSTにおけるポートブロックの縦断背面図である。
符号の説明
1 作業車輌
10 駆動源
30 後輪(主駆動輪)
35 前輪(副駆動輪)
100 トランスミッション
110 HST
111 HST入力軸
112 HSTポンプ本体
113 HST出力軸
114 HSTモータ本体
115 HSTケース
200 ミッションケース
200a 第1端壁
240a 第1凹部
240b 第2凹部
245a 第1蓋部材
245b 第2蓋部材
246a 第1ドレンライン
246b 第2ドレンライン
260 PTO軸
300 走行系油圧式切換ユニット
420 走行系油圧式ブレーキユニット
410 油圧式副駆動輪切換ユニット
450 走行系副出力軸
500 油圧式PTOクラッチユニット
640F 前進側切換バルブ(走行系切換バルブ)
640R 後進側切換バルブ(走行系切換バルブ)
655 PTO切換バルブ
670(L)左側ブレーキ切換バルブ
670(R)前記右側ブレーキ切換バルブ
685(L)等速側切換バルブ(副駆動輪切換バルブ)
685(H)増速側切換バルブ(副駆動輪切換バルブ)
750 油路ブロック
760 供給油溝
761 走行用供給端部
762 PTO用供給端部
763 ブレーキ用供給端部
764 副駆動輪用供給端部
765 走行系給排油溝
770 PTO給排油溝
775 副駆動輪給排油溝

Claims (4)

  1. 車輌前後方向一方側に配置された駆動源から車輌前後方向他方側に離間配置されるミッションケースと、主駆動輪への動力伝達状態を切り換える得るように前記ミッションケースに収容された走行系油圧式切換ユニットと、前記駆動源からPTO軸への動力伝達を係合又は遮断させ得るように前記ミッションケースに収容された油圧式PTOクラッチユニットとを備えたトランスミッションであって、
    前記ミッションケースは、前記駆動源から副駆動輪への動力伝達状態を切り換える為に任意的に備えられる油圧式副駆動輪用切換ユニットを収容可能とされており、
    さらに、前記ミッションケースは、前記駆動源と対向する車輌前後方向一方側の第1端壁に、前記副駆動輪へ向けて回転動力を出力する走行系副出力軸が挿通可能な開口と、前記開口を挟んだ車輌幅方向両側において車輌前後方向一方側に開くように直接又は間接的に設けられた一対の第1及び第2凹部であって、対応する蓋部材と共働して液密な第1及び第2閉塞空間を形成する一対の第1及び第2凹部とを有し、
    前記1閉塞空間は、前記走行系油圧式切換ユニットに対する作動油の給排制御を司る走行系切換バルブ及び前記PTOクラッチユニットに対する作動油の給排制御を司るPTO切換バルブを収容し、
    前記第2閉塞空間は、前記副駆動輪用切換ユニットに対する作動油の給排制御を司る副駆動輪切換バルブを収容し得るように構成されていることを特徴とするトランスミッション。
  2. 前記ミッションケースの前記第1端壁に着脱可能に装着される油路ブロックであって、前記走行系副出力軸が車輌前後方向一方側へ突出することを許容するような形状とされた油路ブロックを備え、
    前記油路ブロックには、前記第1及び第2凹部と、油圧源に流体接続された供給油路であって、前記走行系切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口された走行用供給端部、前記PTO切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口されたPTO用供給端部及び前記副駆動輪切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口された副駆動輪用供給端部を有する供給油路と、一端部が前記走行系切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口された走行用給排油路と、一端部が前記PTO切換バルブに流体接続されるように前記第1閉塞空間内に開口されたPTO用給排油路と、一端部が前記副駆動輪切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口可能とされた副駆動輪用給排油路と、一端部が前記第1閉塞空間内に開口された第1ドレン油路と、一端部が前記第2閉塞空間内に開口された第2ドレン油路とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトランスミッション。
  3. 前記ミッションケースは、任意的に備えられる油圧式走行系ブレーキユニットを収容可能とされており、
    前記第2閉塞空間は、前記油圧式走行系ブレーキユニットに対する作動油の給排制御を司るブレーキ切換バルブを収容し得るように構成され、
    前記供給油路は、前記ブレーキ切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口されたブレーキ用供給端部をさらに有し、
    前記油路ブロックには、さらに、前記ブレーキ切換バルブに流体接続されるように前記第2閉塞空間内に開口されたブレーキ用供給油路が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のトランスミッション。
  4. 前記駆動源に作動的に連結されるHST入力軸と、前記HST入力軸によって回転駆動されるHSTポンプ本体と、前記HSTポンプ本体に流体接続されるHSTモータ本体と、前記HSTモータ本体によって回転駆動されるHST出力軸と、前記HSTポンプ本体及び前記HSTモータ本体を収容するHSTケースとを有するHSTをさらに備え、
    前記HSTケースは、前記HST入力軸及び前記HST出力軸が車輌前後方向に沿った状態で車輌幅方向に並列されるように前記ミッションケースの前記第1端壁に直接又は間接的に支持されており、
    前記油路ブロックは、前記第1及び第2凹部が前記HSTより下方に位置するように前記ミッションケースの前記第1端壁に装着されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のトランスミッション。
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