JP2015221560A - 画像記録方法および画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間転写体101上に反応液を付与する工程と、中間転写体上の反応液上にインクを付与する工程と、中間転写体上の反応液およびインク上に水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像を形成する工程と、中間転写体上の中間画像を記録媒体108に接触させ、記録媒体との接触状態を維持しつつ中間転写体から剥離して転写する。記録媒体と接触させる中間画像の温度Tcは水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度であり、中間転写体から剥離する中間画像の温度Trは水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度である。
【選択図】図1
Description
中間転写体上に、反応液を付与する工程と、
前記中間転写体上の前記反応液上にインクを付与する工程と、
前記中間転写体上の前記反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像を形成する工程と、
前記中間転写体上の中間画像を、記録媒体に接触させ、前記記録媒体との接触状態を維持しつつ前記中間転写体から剥離して転写する転写工程と、
を有し、
前記記録媒体と接触させる中間画像の温度Tcが前記水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度であり、前記中間転写体から剥離する中間画像の温度Trが前記水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度であることを特徴とする画像記録方法に関する。
中間転写体上に、反応液を付与可能な反応液付与手段と、
前記中間転写体上の前記反応液上に、インクを付与可能なインク付与手段と、
前記中間転写体上の前記反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与可能な補助液付与手段と、
前記中間転写体上の中間画像を、記録媒体に接触させ、前記記録媒体との接触状態を維持しつつ前記中間転写体から剥離して転写する転写手段と、
前記記録媒体と接触させる中間画像の温度Tcを前記水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度とし、前記中間転写体から剥離する中間画像の温度Trを前記水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度とするための中間画像の温度調整手段と、
を有することを特徴とする画像記録装置に関する。
本実施形態の画像記録装置は、反応液付与手段、インク付与手段、補助液付与手段、温度調整手段、および転写手段を有する。反応液付与手段によって、中間転写体上に、反応液を付与可能となっている。インク付与手段によって、中間転写体上に付与され反応液上にインクを付与可能となっている。補助液付与手段によって、中間転写体上に付与された反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与可能となっている。転写手段によって、中間画像を記録媒体に転写することが可能となっている。更に、温度調整手段によって、中間画像の温度を以下のように調整することが可能となっている。
・中間画像の温度を、記録媒体との接触時において、補助液に含まれる水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度(Tc)とする。
・記録媒体との接触状態を維持しつつ中間転写体から剥離する際の中間画像の温度を、補助液に含まれる水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度(Tr)とする。
なお、温度調整手段は、Tc≧水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)>Trとなるように,中間転写体、記録媒体及び/または転写手段の温度を調整できるものであれば良い。水溶性樹脂のガラス転移温度に応じて、例えば、中間転写体側および/または記録媒体側からの中間画像の加熱と、中間転写体側および/または記録媒体側からの中間画像の冷却と、を適宜組み合わせて中間画像の温度調整を行うことができる。
図3、他の実施形態の画像記録装置を表す図である。図3の画像記録装置では、ベルト形状の中間転写体101および搬送ベルト(または定着ベルト)120を設け、複数の加圧ローラ113を設けた点が、図1の画像記録装置とは異なる。
図2および3の画像記録装置において、上記以外の構成は図1の装置と同様となるため、その説明は省略する。
以下では、本実施形態の画像記録装置を構成する各部について詳細に説明する。
中間転写体は、反応液、インクおよび補助液を保持し、中間画像を形成する基材となる。中間転写体は、中間転写体をハンドリングし、必要な力を伝達するための支持部材と、支持部材上に設けられ、中間画像を形成するための表層部材とからなる。支持部材と表層部材は均一の部材からなっていても良いし、各々独立した複数の部材からなっていても良い。
反応液は、インク高粘度化成分を含有する。ここで、「インクの高粘度化」とは、インクの一部である色材や樹脂等がインク高粘度化成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインク全体の粘度上昇が認められる場合を表す。また、これ以外にも、色材などインクの一部が凝集することにより、局所的に粘度上昇を生じる場合も含む。インク高粘度化成分は、中間転写体上でのインクおよび/又はインクの一部の流動性を低下させて、画像形成時のブリーディング、ビーディングを抑制する効果がある。インク高粘度化成分の反応液中の濃度は、インク高粘度化成分の種類、中間転写体への付与条件、インクの種類等に応じて選択すればよい。本実施形態では、インク高粘度化成分として、多価の金属イオン、有機酸、カチオンポリマー、多孔質性微粒子など、旧来から公知の物を特に制限無く用いることができる。これらの中でも、特に多価の金属イオンおよび有機酸が好適である。また、複数の種類のインク高粘度化成分を含有することも好適である。
以下では、本実施形態のインクに用いることのできる各成分について説明する。
インクは、色材として顔料を含有することができる。顔料は液媒体に分散させて用いることができる。インク中の顔料は特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーで表される顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
顔料を分散させる顔料分散剤としては例えば、従来から公知のインクジェット技術に用いるものであれば、何れも使用することができる。これらの中でも、分子構造中に親水性部と疎水性部を併せ持つ水溶性の顔料分散剤を用いることが好ましい。特に、親水性モノマーと疎水性モノマーを共重合させた樹脂からなる顔料分散剤を好ましく用いることができる。ここで、用いる各モノマーについて特に制限はなく、旧来から公知の物を好適に用いることができる。具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を挙げることができる。
なお、インク中に顔料分散剤を用いずに、顔料自体を表面改質して分散可能とした、いわゆる自己分散性顔料を用いることも好適である。
インクは、色材を有しない各種樹脂粒子を含有することができる。これらの中でも、樹脂粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり、好適である。樹脂粒子の材質としては特に限定されず、公知の樹脂を適宜、用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸およびその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物、もしくはこれらを複数、組み合わせた共重合物を挙げることができる。樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。また、インク中における樹脂粒子の含量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
インクは、界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等を挙げることができる。インク中の界面活性剤の含量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
インクは、溶剤として水および/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオン化した水であることが好ましい。また、インク中の水の含量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等を挙げることができる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
インクは、上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有しても良い。
中間転写体上には、画像中においてバインダーとなる水溶性樹脂を含有する補助液を付与する。これによって、記録媒体への中間画像の接着性が向上し、記録媒体へ中間画像を転写後の最終画像の耐擦過性(定着性)を向上させることができる。補助液は水性、非水性のいずれでも良いが、水溶性樹脂を含有する。ここで「水溶性」とは100gの水に対して0gよりも大きな溶解度を有する化合物をさす。
本実施形態の画像記録方法では、中間転写体上に反応液を付与した後、中間転写体上の反応液上にインクを付与する。次に、中間転写体上の反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像を形成する。次いで、中間転写体の温度を水溶性樹脂のガラス転移温度以上の第1の温度、記録媒体の温度を水溶性樹脂のガラス転移温度未満の第2の温度とした状態で、中間画像を記録媒体に転写する。
「第1の温度」は、中間画像の転写時(中間画像が記録媒体に接触してから中間画像が中間転写体から剥離する前までの間)の、中間転写体の温度を表す。
「第2の温度」は、中間画像の転写時(中間画像が記録媒体との接触状態を維持しつつ中間転写体から剥離する際)の、記録媒体の温度を表す。
これら第1および第2の温度はそれぞれ、加圧ローラによる加圧前後の中間転写体と記録媒体の表面を赤外線放射温度計により測定することによって確認することができる。あるいは、図1の装置における加熱ヒータ112での加熱から加圧ローラ113での加圧までの搬送時間における中間転写体表面の温度変化を予め予測する。また、加圧ローラ113の中間転写体表面への記録媒体108を介した圧接状態における、これらの表面の温度変化を予め測定する。これらの温度変化に基づく温度履歴が、目的とする第1及び第2の温度を達成できるように、図1に示す装置の各構成及び操作条件を選択する。このことによって、目的とする第1及び第2の温度の調整を行うことができる。
なお、TcおよびTrについても、加圧ローラによる加圧前後の中間画像の表面を赤外線放射温度計により測定することによって確認することができる。このTcおよびTrも、図1に示す装置の各構成及び操作条件を好適なものに選択することにより、達成できる。
また、水溶性樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(メトラートレド社製、DSC822e)により測定する。ガラス転移温度は、アルミニウムるつぼに水溶性樹脂を10mg分取し、窒素ガス雰囲気下(20ml/min)、30℃から120℃までの温度サイクル(昇温速度2℃/min)を2回行うことで求める。
第1の温度は、第2の温度よりも高く、水溶性樹脂のガラス転移温度以上であれば特に限定されないが、第1の温度と、第2の温度の差が10℃以上35℃以下であることが好ましい。
以下では、本実施形態の方法の各工程について詳細に説明する。
中間転写体の表面へ反応液を付与する方法は、従来から知られている各種手法を適宜、用いることができる。この例としては、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアローラーを用いる手法、オフセットローラーを用いる手法、スプレーコーティング等を挙げることができる。また、インクジェットデバイスを用いて反応液を付与する方法も好適である。さらに、上記の複数の方法を組み合わせることも好適である。
続いて、反応液が付与された中間転写体の表面にインクを付与する。インクを付与する方法は特に限定されないが、好ましくはインクジェットデバイスを用いてインクを付与する。本実施形態に適用されるインクジェットデバイスとしては例えば、下記の形態のものを使用できる。
・電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ、気泡を形成することでインクを吐出する形態
・電気−機械変換体によってインクを吐出する形態
・静電気を利用してインクを吐出する形態。
また、上記以外にも、インクジェット液体吐出技術で提案される各種インクジェットデバイスを何れも用いることができる。これらの中でも、特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものを好適に用いることができる。
本発明の効果を損なわない限り、インクの特性は特に限定されないが、インクの表面張力は、20mN/m以上50mN/m以下が好ましい。
次に、反応液およびインクが付与された中間転写体の表面に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与する。補助液を付与する方法は特に限定されないが、好ましくは、インクの付与と同様にインクジェットデバイスを用いて補助液を付与する。これにより、中間転写体上では、反応液、インク、および補助液から中間画像が形成される。
本発明の効果を損なわない限り、補助液の特性は特に限定されないが、補助液の表面張力は、20mN/m以上50mN/m以下が好ましい。
本実施形態では、中間転写体上に形成された中間画像から液体分を減少させる工程を設けることが好ましい。この液体分の除去工程では、中間画像中の過剰な液体分を除去することにより、転写工程における過剰な液体分のはみ出しを防止して良好な最終画像を得ることができる。液体分除去の手法としては、旧来から用いられている各種の手法を何れも好適に適用できる。例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、吸収体を接触させる方法、または、これらを組み合わせた手法を何れも好適に用いることができる。また、自然乾燥により、液体分の除去を行うことも可能である。なお、加熱により液体分の除去を行う場合、この加熱により中間転写体が加熱されて結果的に中間転写体が、水溶性樹脂のガラス転移温度以上になる場合がある。この場合、液体分の除去を行う加熱手段が、温度調整手段を兼ねる場合もある。
転写工程では、中間転写体の温度を水溶性樹脂のガラス転移温度以上の第1の温度、記録媒体の温度を水溶性樹脂のガラス転移温度未満の第2の温度とした状態で、中間転写体上から記録媒体上へ中間画像を転写させる。中間画像を転写させる方法は特に限定されないが、例えば、中間転写体と記録媒体を圧着させることで、中間転写体上の中間画像を記録媒体に転写する。中間転写体と記録媒体の圧着の手法については特に制限はないが、中間転写体の外周面と接するように加圧ローラを配置し、中間転写体と加圧ローラの間に記録媒体を通すのが好ましい。このように、中間転写体と記録媒体の両側から中間画像を加圧すると、効率良く中間画像が転写形成される。また、図3に示すように、転写工程では転写不良の軽減に効果が有るため、多段階に加圧することも好適である。その際、最終段において中間画像を中間転写体から剥離する際の温度がTrとなる多段配置を採用する。
追加工程として、転写後の画像記録が行われた記録媒体をローラで加圧して、記録媒体への最終画像の定着性を高めるようにしても良い。また、最終画像の定着性が向上する場合があるため、記録媒体を加熱することも好適である。更に、加熱ローラを用いて、加圧と加熱を同時に行っても良い。
図1の画像記録装置を用いて画像記録を行った。なお、本実施例では、支持部材102として、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度の他、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するため等の要求される特性から、アルミニウム合金からなる円筒形のドラムを用いた。表層部材104の材料としては、厚さ0.5mmのPETシートにゴム硬度40°のシリコーンゴム(信越化学製 KE12)を0.2mmの厚さにコーティングしたものを用いた。そして、この表面に、常圧プラズマ処理装置(キーエンス社製 ST−7000)を用いて、処理距離:5mm、プラズマモード:High、処理速度:100mm/secの条件でプラズマ表面処理を施した。更に、この表面をアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる市販の中性洗剤が3%となるように純水で希釈した界面活性剤水溶液に10秒間、浸漬させて界面活性剤処理を行った。この後、この表面を乾燥させることで表層部材104とした。このようにして形成した表層部材104を、両面粘着テープにより支持部材102に固定して用いた。本実施例では、記録媒体として、OKプリンス上質紙(王子製紙製、127.9g/m2)を用いた。
図1の装置で用いた反応液、インク、および補助液は以下のようにして調製した。
グルタル酸30部、グリセリン7部、界面活性剤(アセチレノールE100)5部、イオン交換水58部を混合し、十分、攪拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過した。これにより、反応液を調製した。
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット社製)10部、顔料分散剤水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体<酸価150、重量平均分子量8,000>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み)15部、純水75部を混合した。この混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ5時間、分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去し、顔料濃度が約10%のブラック顔料分散液を得た。
ブチルメタクリレート18部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)2部、n−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間、攪拌した。この混合物を、乳化剤であるNIKKOL BC15(日光ケミカルズ製)の6%水溶液78部に滴下して、0.5時間、攪拌した。次に、超音波照射機で超音波を3時間、照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間、重合反応を行い、室温冷却後にろ過して濃度約20%の樹脂粒子分散体を得た。
上記のブラック顔料分散液5部、樹脂粒子分散体30部、グリセリン5部、ジエチレングリコール4部、界面活性剤(アセチレノールEH)1部、イオン交換水55部を混合し、十分撹拌した。この後、この混合物をポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することにより、インク(表面張力35mN/m)を調製した。インクの表面張力は、自動表面張力計(DY−300、協和界面株式会社製)により測定した。
樹脂粒子分散体30部、水溶性樹脂(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体<酸価132、重量平均分子量7,700、ガラス転移温度78℃>;固形分20%;水酸化カリウムにて中和済み)3部、グリセリン5部、ジエチレングリコール4部、界面活性剤(アセチレノールEH)1部、イオン交換水57部を混合し、十分撹拌した。この後、この混合物をポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過することにより補助液(表面張力35mN/m)を調製した。補助液の表面張力は、自動表面張力計(DY−300、協和界面株式会社製)により測定した。また、水溶性樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置(メトラートレド製)により測定した。
ガラス転移温度が44℃である水溶性樹脂(メタクリル酸ベンジル―メタクリル酸ブチル―アクリル酸共重合体)<酸価84、重量平均分子量7,100、ガラス転移温度44℃>を含有する補助液を用いた以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
ガラス転移温度が60℃である水溶性樹脂(スチレン―メタクリル酸ブチル―アクリル酸共重合体)<酸価87、重量平均分子量9,300、ガラス転移温度60℃>を含有する補助液を用い、転写時における中間転写体101の第1の温度を70℃、記録媒体108の第2の温度を40℃とした以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
反応液に含まれるグルタル酸(30部)をクエン酸(30部)とした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。
反応液に含まれるグルタル酸(30部)をレブリン酸(30部)とした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。
樹脂粒子を含まないインクを用いた以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。
図1の記録装置を用い、中間転写体101の温度を80℃、記録媒体108の温度を75℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
図1の記録装置を用い、中間転写体101の温度を80℃、記録媒体108の温度を70℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
図1の記録装置を用い、中間転写体101の温度を110℃、記録媒体108の温度を75℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
図1の記録装置を用い、中間転写体101の温度を80℃、記録媒体108の温度を25℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
樹脂粒子を含まない補助液を用いた以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。
補助剤に含まれる界面活性剤(アセチレノールEH)を5部、イオン交換水を53部とし、補助剤の表面張力を30mN/mとした以外は、実施例1と同様にして画像形成を行った。
補助液吐出用のインクジェットデバイス107を有しない記録装置を使用し、中間転写体101上に補助液を付与しなかった。また、中間転写体101の温度を80℃、記録媒体108の温度を25℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
図1の記録装置を用い、中間転写体101の温度を、水溶性樹脂のガラス転移温度未満である50℃とし、記録媒体108の温度を25℃とした。これ以外は、実施例1と同様にして画像記録を行った。
上記実施例1〜12はTc≧補助液中の水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)>Trの関係を満たし、比較例1〜2はTc≧補助液中の水溶性樹脂のガラス転移温度(Tg)>Trの関係を満たしていなかった。
上記のようにして画像記録を行った各例の中間画像の転写率を測定した。転写率は、転写前の中間転写体上の中間画像の面積と、転写後に中間転写体に残った中間画像の面積の比から、記録媒体へ転写された中間画像の転写率を算出した。すなわち、転写工程後の中間転写体を光学顕微鏡にて観察し、中間画像の残存面積を算出し、[1−(中間画像の残存面積)/(中間画像の面積)]×100を算出することにより、記録媒体への転写率を測定した。
102 支持部材
103 インク用インクジェットデバイス
104 表層部材
105 ローラ式塗布装置
106 軸
107 補助液用インクジェットデバイス
108 記録媒体
109 記録用紙搬送ガイド
110 送風装置
112 加熱ヒータ
113 加圧ローラ
114 搬送ローラ
115 冷却部
131 画像転写部
Claims (6)
- 中間転写体上に、反応液を付与する工程と、
前記中間転写体上の前記反応液上にインクを付与する工程と、
前記中間転写体上の前記反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与して中間画像を形成する工程と、
前記中間転写体上の中間画像を、記録媒体に接触させ、前記記録媒体との接触状態を維持しつつ前記中間転写体から剥離して転写する転写工程と、
を有し、
前記記録媒体と接触させる中間画像の温度Tcが前記水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度であり、前記中間転写体から剥離する中間画像の温度Trが前記水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度であることを特徴とする画像記録方法。 - Tcと、Trとの差が、10℃以上35℃以下である請求項1に記載の画像記録方法。
- 前記補助液の表面張力が、前記インクの表面張力よりも低い請求項1または2に記載の画像記録方法。
- 前記補助液が、樹脂粒子を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 前記水溶性樹脂の重量平均分子量が、5000以上10000以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の画像記録方法。
- 中間転写体上に、反応液を付与可能な反応液付与手段と、
前記中間転写体上の前記反応液上に、インクを付与可能なインク付与手段と、
前記中間転写体上の前記反応液およびインク上に、水溶性樹脂を含有する補助液を付与可能な補助液付与手段と、
前記中間転写体上の中間画像を、記録媒体に接触させ、前記記録媒体との接触状態を維持しつつ前記中間転写体から剥離して転写する転写手段と、
前記記録媒体と接触させる中間画像の温度Tcを前記水溶性樹脂のガラス転移温度以上の温度とし、前記中間転写体から剥離する中間画像の温度Trを前記水溶性樹脂のガラス転移温度未満の温度とするための中間画像の温度調整手段と、
を有することを特徴とする画像記録装置。
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