JP2009096187A - 画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理液とインクとを反応させてインクを凝集させる方式において、ドットサイズの異常を回避するとともに溶媒除去時のドットのはがれを防止し、高品位かつ定着性に優れた画像の形成を可能とする画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体10に第1の処理液12を打滴し、画像データに基づいてインク液滴14を打滴する。第1の処理液12はインク液滴14の凝集を緩やかに進行させるのでインク液滴は所定の大きさに広がることができる。また、インク液滴14の一部は凝集するので着弾干渉が防止される。その後、第2の処理液20が打滴すると、第2の処理液20は未反応のインク液滴14を急速に凝集させるので、吸収ローラ24による溶媒22の除去において吸収ローラ24にインク液滴14(着色剤)が付着せず(記録媒体10上のドットの剥がれが生じることなく)、記録媒体10上の溶媒22が除去される。
【選択図】図1
【解決手段】記録媒体10に第1の処理液12を打滴し、画像データに基づいてインク液滴14を打滴する。第1の処理液12はインク液滴14の凝集を緩やかに進行させるのでインク液滴は所定の大きさに広がることができる。また、インク液滴14の一部は凝集するので着弾干渉が防止される。その後、第2の処理液20が打滴すると、第2の処理液20は未反応のインク液滴14を急速に凝集させるので、吸収ローラ24による溶媒22の除去において吸収ローラ24にインク液滴14(着色剤)が付着せず(記録媒体10上のドットの剥がれが生じることなく)、記録媒体10上の溶媒22が除去される。
【選択図】図1
Description
本発明は画像形成方法及びインクジェット記録装置に係り、特に画像形成体上でインク液滴と処理液とを反応させてドットを形成する画像形成技術に関する。
現在、デジタルカメラにより撮影された画像や印刷物の複製画像などを出力する汎用の画像形成装置としてインクジェット記録装置が好適に用いられている。インクジェット記録装置は、紙のみならず樹脂シートや金属シートなど多種多様な記録媒体を用いることが可能であり、最近の動向として、記録媒体の種類によらず高品位画像を出力したいという要望が高くなっている。
普通紙などの浸透性を有する媒体に対して、インク液滴を連続的に打滴して隣接するドットが互いに重なるようにドットを形成すると、隣接するドットを形成するインク液滴同士がその表面張力の作用によって合一し、所望の形状、サイズを有するドットを形成することができなくなるブリード(着弾干渉)と呼ばれる現象が発生してしまう。ブリードが発生すると、同一色のドットの間ではドットの形状が崩れてしまい、異色のドットの間ではドットの形状が崩れてしまう現象に加えて混色の問題も発生する。
このような着弾干渉による合一、滲み、混色を解決するために、インクを凝集させる機能を有する処理液を記録媒体に付与して、記録媒体上でインクの凝集反応を発現させる2液凝集方式の画像形成方法(2液方式)が提案されている。
特許文献1に記載された発明は、液体組成物(処理液)及びインクの何れか一方を酸性、他方をアルカリ性として、顔料(着色剤)を記録媒体表面近傍で凝集させることで、記録媒体表面近傍に高密度で存在させ、光学濃度、滲み、色間滲みが優れたインク画像を得ている。
また、特許文献2に記載された発明は、インク打滴と処理液打滴の間に所定の打滴時間差を設け、インクが記録媒体内の所定範囲の深さ方向に浸透した状態で処理液をインクに対して吐出させ、インク中の着色剤を紙(記録媒体)内部で反応させて不溶化させ、擦過性のよい、画像品位の良好な画像を得ている。
特開2004−10633号公報
特開平11−129461号公報
ここで、図14(a)〜(f)を用いて、従来技術に係る2液凝集方式の画像形成方法について説明する。2液凝集方式の画像形成方法では、先ず、記録媒体1に処理液2が付与される(図14(a))。図14(a)には、微細液滴化された処理液2を記録媒体1に付与する態様を示したが、記録媒体1の全面にわたって処理液を付与(塗布)してもよい。
次に、記録媒体1に付与された処理液2によって形成される処理液膜2Aにインク液滴3が打滴される(図14(b))。インク液滴3が処理液膜2Aに接触すると(処理液2とインク液滴3が混合されると)、インク液滴3に凝集反応が発現し、凝集体5が生成される。図14(c)には、記録媒体1上で処理液膜2Aとインク液滴3との凝集反応が発現して凝集体5が形成された直後の状態を示す。
記録媒体1上でインク液滴3が所定の大きさに広がる速さに比べて、インク液滴3が完全に凝集するまでに要する時間は短時間であるので、インク液滴3の凝集反応が終わるまでにインク液滴3は十分に広がることができない。即ち、所望のサイズよりも小さいサイズの凝集体5が形成される。
図14(d)には、インク液滴3の凝集反応が終了して、凝集体5と溶媒に分離した状態を示す。このようにして、インク液滴が十分に広がる前に凝集反応が終了してしまうと、十分な接着力を得られない状態で凝集体5は記録媒体1に付着することになる。
次に、記録媒体1上の余分な溶媒(液体)を除去する溶媒除去工程が行われる(図14(e))。溶媒除去工程には、吸収ローラ7を記録媒体1上の溶媒に接触させて、記録媒体1上の溶媒を吸収除去する方式が好適に用いられる。
記録媒体1と凝集体5との接着力が十分に得られていない状態で溶媒除去を行うと、図14(f)に示すように、吸収ローラ7の表面に凝集体(ドット)の一部5Aが付着し、記録媒体1から凝集体の一部5Aがはがれてしまい、ドットの欠損が発生してしまうことが本願出願人の検証により明らかになった。
特許文献1及び特許文献2に記載された発明では、潜在的に上述した課題を有しているにもかかわらず当該技術課題を認識していないので、特許文献1、2には本願における課題を解決する技術は開示されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、処理液とインクとを反応させてインクを凝集させる画像形成方式において、画像形成体上におけるドットサイズの異常を回避するとともに溶媒除去時のドットのはがれを防止し、高品位かつ定着性に優れた画像の形成を可能とする画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成方法は、画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記インク液の凝集開始pH値未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与工程と、前記第1の処理液付与工程の後に、前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインク液打滴工程と、前記インク液打滴工程の後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であり前記第1の処理液のpH値未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与工程と、前記第2の処理液付与工程の後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1の処理液が付与された画像形成体にインク液を打滴すると、インク液は凝集反応を開始するが凝集反応の進行(凝集速度)が遅く、画像形成媒体上でインク液が広がることができる。したがって、凝集反応によって形成された凝集体(ドット)は画像形成体との間に所定の接触面積及び所定の接着力を得ることができる。
また、インク打滴の後に、第1の処理液よりも凝集速度の速い第2の処理液を付与してインク液滴の凝集反応を急速に進行させる(瞬時にインクを凝集させる)ので、第2の処理液付与後に画像形成体上の溶媒を除去するときにはインクの凝集が完了しており、溶媒除去時に画像形成体から凝集体(ドット)がはがれることが防止される。
インク液には、溶媒中に着色剤として顔料微粒子を分散させた顔料系インクが好適に用いられる。また、インク液には、顔料微粒子の他にポリマー微粒子や樹脂微粒子などの分散粒子を含有していてもよい。また、溶媒中に染料系の着色剤を溶解させた染料系インクを用いることも可能である。
インク液のpH値は6.0以上13.0未満とする態様が好ましい。また、インク液の凝集開始pH値は6.0以上8.0以下とする態様が好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成方法は、画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記インク液の凝集開始pH値未満であり、5.0以上7.0未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与工程と、前記第1の処理液付与工程の後に、前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインク液打滴工程と、前記インク液打滴工程の後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満であり、3.0以上5.0未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与工程と、前記第2の処理液付与工程の後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第1の処理液のpH値は5.0以上7.0以下であることが好ましい。また、第2の処理液のpH値は3.0以上5.0未満であることが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成方法の一態様に係り、前記第2の処理液は、多価カチオン反応基を含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、単価カチオンによって凝集作用が発現しない分散粒子を含有するインクを用いる場合にも、第2の処理液を付与することによってインク液の凝集を確実に発現することができ、第2の処理液が付与された後の画像形成体上の溶媒除去時に、画像形成体から凝集体がはがれることを確実に防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3記載の画像形成方法の一態様に係り、前記インク液は、前記第1の処理液と反応して凝集を開始するpH値を有する第1の分散粒子と、前記第2の処理液と反応して凝集を開始するpH値を有する第2の分散粒子と、を含有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第1の分散粒子は第1の処理液と反応して凝集作用を発現し、第2の分散粒子は第1の処理液と反応しても凝集作用を発現しないので、第1の処理液によってインク液の凝集反応が緩やかに進行し、インク液は画像形成体上で所定の大きさに広がることができる。また、第2の処理液を付与すると第2の分散粒子は凝集反応を発現し、インク液の凝集反応が急速に進行するので、第2の処理液付与の後に行われる画像形成体上の溶媒除去においてインク凝集体が画像形成体からはがれることが防止される。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成方法の一態様に係り、前記溶媒除去工程の後に、前記画像形成体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写工程を含むことを特徴とする。
転写工程において、画像形成体及び記録媒体の温度が第1の処理液、インク液、第2の処理液のうち少なくとも何れかに含有する微粒子の軟化点温度(例えば、ガラス転移点温度)となるように、画像形成体及び記録媒体を加熱する加熱工程を備える態様が好ましい。
転写工程の後に、画像形成体及び記録媒体を冷却する冷却工程と、画像形成体から記録媒体を剥離する剥離工程と、剥離工程後に画像形成体を清掃する清掃工程と、画像形成体から剥離された記録媒体に画像を定着させるために記録媒体を加熱する定着工程と、を含む態様が好ましい。
また、上記目的を達成するための装置発明を提供する。即ち、請求項6に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記インク液の凝集開始pH値未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与手段と、前記第1の処理液付与手段により前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドにより前記インク液が打滴された後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与手段と、前記第2の処理液付与手段により前記画像形成体上に前記第2の処理液が付与された後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去手段と、を含むことを特徴とする。
溶媒除去手段は、画像形成体に接触して画像形成体上の溶媒成分を吸収除去する接触式の吸収部材を適用してもよいし、画像形成体に非接触で画像形成体上の溶媒成分を除去する非接触式の部材を適用してもよい。
また、上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記インク液の凝集開始pH値未満であり、5.0以上7.0未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与手段と、前記第1の処理液付与手段により前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドにより前記インク液が打滴された後に、前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満であり、3.0以上5.0未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与手段と、前記第2の処理液付与手段により前記画像形成体上に前記第2の処理液が付与された後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記溶媒除去手段により前記画像形成体上の溶媒が除去された後に、前記画像形成体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段を備えたことを特徴とする。
転写手段を備える転写方式では、画像形成体に形成される1次画像は、記録媒体に形成される画像の鏡像画像となる。
転写手段による転写時に、画像形成体及び記録媒体の温度が下塗液に含有する微粒子の軟化点温度(例えば、ガラス転移点温度)となるように、画像形成体及び記録媒体を加熱する加熱手段を備える態様が好ましい。
また、溶媒除去手段により画像形成体上の溶媒が除去された後、転写手段による転写前に、画像形成体を予備加熱する予備加熱手段を備える態様が好ましい。予備加熱手段により画像形成体及び記録媒体の温度を微粒子の軟化点温度未満とする態様が好ましい。
また、転写後に画像形成体及び記録媒体を冷却する冷却手段と、画像形成体から記録媒体を剥離する剥離手段と、画像形成体から記録媒体を剥離した後に画像形成体を清掃する清掃手段と、画像形成体から剥離された記録媒体に画像を定着させるために記録媒体を加熱する定着手段と、を含む態様が好ましい。
本発明によれば、第1の処理液が付与された画像形成体にインク液を打滴すると、インク液は凝集反応を開始するが凝集反応の進行(凝集速度)が遅く、画像形成媒体上でインク液が広がることができる。したがって、凝集反応によって形成された凝集体(ドット)は画像形成体との間に所定の接触面積及び所定の接着力を得ることができる。
また、インク打滴の後に、第1の処理液よりも凝集速度の速い第2の処理液を付与してインク液滴の凝集反応を急速に進行させる(瞬時にインクを凝集させる)ので、第2の処理液付与後に画像形成体上の溶媒を除去するときにはインクの凝集が完了しており、溶媒除去時に画像形成体から凝集体(ドット)がはがれることが防止される。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔画像形成方法の説明〕
まず、図1(a)〜(h)を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成方法について説明する。図1(a)〜(h)には、本発明に係る画像形成方法における各工程を模式的に図示する。
まず、図1(a)〜(h)を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成方法について説明する。図1(a)〜(h)には、本発明に係る画像形成方法における各工程を模式的に図示する。
図1(a)〜(h)に示す画像形成方法は、記録媒体10(画像形成体)の所定の領域にインクと反応してインクを凝集させる成分を含有する第1の処理液12を付与する第1の処理液付与工程と(図1(a))、記録媒体10上に付与された第1の処理液12(第1の処理液膜12A)に対して、画像データに応じてインク液滴14を打滴するインク打滴工程と(図1(b))、第1の処理液膜12Aの上に着弾したインク液滴14が記録媒体10上において所定の大きさに広がるとともに、第1の処理液12とインク液滴14との混合液において、インク液滴14(インク液滴14に含有される分散粒子)の一部が凝集して凝集体18が形成される第1の凝集工程と(図1(c),(d))、記録媒体10上の未反応のインク液滴14に対して、第1の処理液12よりもインク液滴14を凝集させる速度が速い第2の処理液20を付与する第2の処理液付与工程と(図1(e))、第2の処理液20と未反応のインク液滴14が反応してインク液滴14の凝集反応が発現し、凝集体(ドット)18と溶媒成分に分離される第2の凝集工程と(図1(f))、溶媒除去部材(吸収ローラ24)を用いて記録媒体10上の溶媒成分を除去する溶媒除去工程と(図1(g),(h))、を含んで構成されている。
本例に示す画像形成方法に適用される第1の処理液12は、第2の処理液20の凝集速度に対して凝集速度が遅いものであり、(第1の処理液の凝集速度)<(第2の処理液の凝集速度)の関係を有している。なお、「凝集速度が速い(大きい)」場合には、インク液滴14に含有するすべての着色剤(分散粒子)を凝集させるために要する時間が相対的に短くなり、「凝集速度が遅い(小さい)」場合には、インク液滴14に含有するすべての着色剤(分散粒子)を凝集させるために要する時間が相対的に長くなる。
したがって、第1の処理液12に対してインク液滴14を打滴し、第1の処理液12とインク液滴14が混合されると、インク液滴14は凝集反応を発現して凝集体18(図1(c)参照)が生成されるものの、インク液滴14のすべてについて瞬時に凝集反応が完了することはなくインク液滴14の凝集反応は緩やかに進行するので、インク液滴14は記録媒体10上で所定のサイズに広がるとともに、凝集体18が生成される(図1(d)参照)。
また、インク液滴14の一部は凝集しているので、隣接する着弾位置に他のインク液滴が連続的に打滴されて、隣接する着弾位置に着弾したインク液滴同士が接触したとしても、これらのインク液滴は合一せず(着弾干渉が発生せず)、それぞれのインク液滴によって所望のドットが形成される。
なお、ここでいう「所定のサイズに広がる」とは、吐出時(吐出から着弾までの飛翔時)のインク液滴14を真球と仮定し、インク液滴14の吐出体積(理論値)から算出した直径をd1としたときに、広がった後のインク液滴14の直径(ドットの直径に対応する値)d2がd2≧d1×1.5を満たすことをいう。以下、上記d1はインク液滴14の直径、または、吐出時のインク液滴の直径と記載する。
例えば、インク液滴14の吐出体積が2(pl)以上10(pl)以下、粘度が5(Pa・s)以上30(Pa・s)以下、表面張力が20(mN/m)以上40(mN/m)以下の条件において、第1の処理液膜12Aに凝集しないインク液滴14を付与すると、着弾(第1の処理液膜12Aにインク液滴14が接すること)から最大の広がり率に達するまでの時間tは、5μsecから10μsecである。インク液滴14が最大広がりに達した後はインク液滴14と記録媒体10の濡れ性で決定されるドット直径で安定化する。ドット広がりを確保するには、この最大広がりに達する以後のタイミングで凝集することが好ましい。凝集速度がそれより短いと(インク液滴14が最大広がりに達す前に凝集すると)、凝集体18が広がらないままに形成され、記録媒体10上に十分な付着面積を確保できず、凝集体18が第1の処理液膜12Aの中で移動する現象がみられる。最大広がりに達する時間tはインク液滴14の体積が小さい程、またインク粘度が低い程、短くなる傾向にある。
なお、図1(c)で示すように、インク液滴14の着弾直後は第1の処理液膜12Aとインク液滴14との接触部分において凝集反応が発現するので、当該混合液中に分散している微小サイズの凝集体が時間経過とともに集まってサイズの大きな凝集体となり、混合液内で記録媒体10に付着する。
インク液滴14(凝集体18)が所定のサイズに広がった状態、かつ、混合液内に未反応のインク液滴14が残っている状態で、混合液(未反応のインク液滴14)に対して第2の処理液20が打滴されると(図1(e)参照)、混合液中の未反応のインク液滴14(混合液中の分散粒子)は瞬間的に凝集し、図1(f)に示すように、凝集体18と溶媒成分22に分離される。インク液滴14は十分に広がった状態で凝集反応を完了するので、凝集体18は当該記録媒体10との間に十分な接触面積が得られ、記録媒体10と凝集体18との間に十分な接着力が確保される。
本例では、第2の処理液20の凝集速度は第1の処理液12の凝集速度に比べて早くなっており、第1の処理液12で凝集しきれなかった未反応分が第2の処理液20で凝集反応し、反応が完全に終焉する。例えば、2plのインク液滴14と5plの第2の処理液20が混合されると、1secの時間にインク液滴14はすべて凝集し、凝集体18と溶媒成分に分離されればよい(図1(f)参照)。描画位置から溶媒除去までの時間は、シス
テム構成を考えると、距離にして500mm以上、また、搬送速度500mm/s相当と考えると、1secと試算できる。
テム構成を考えると、距離にして500mm以上、また、搬送速度500mm/s相当と考えると、1secと試算できる。
記録媒体10上にインク凝集体18が形成されると、記録媒体10上に存在する不要な溶媒が除去される(図1(g)参照)。図1(g)に示す溶媒除去工程では、多孔質部材などの吸収体26を表面に具備し、記録媒体10上の溶媒に吸収体26を接触させて溶媒を記録媒体10から除去する吸収ローラ24を用いて溶媒除去処理が行われる。図1(h)には、記録媒体10上の溶媒が除去された状態を図示する。
図1(g)に示すように、凝集体(ドット)18は十分に広がった状態で記録媒体10に定着しているので、記録媒体10と凝集体18との間には十分な接着力が得られている。したがって、溶媒除去工程において、吸収ローラ24が凝集体18に接触しても、凝集体18が記録媒体10からはがれて吸収ローラ24に付着する可能性は極めて低いといえる。
なお、吸収ローラ24に代わり表面に多数の吸引口を備え、該吸引口を介して記録媒体10上の溶媒を吸引除去する溶媒除去部材を備えてもよいし、吸収ローラ24を用いた接触除去方式に代わり、加熱ヒータを用いて記録媒体10上の溶媒を乾燥させる方式を適用してもよい。
本例に示す画像形成方法では、第1の処理液12とインク液滴14とを反応させたときには、記録媒体10上でインク液滴14の凝集反応が緩やかに進行するので、インク液滴14は記録媒体10上で所定のサイズに広がることができる。したがって、インク液滴14の凝集によって生成された凝集体18と記録媒体10との間には十分な接着力(接触面積)が確保され、ドットサイズの異常が回避されるとともに、溶媒除去時に吸収ローラ24が記録媒体10上の凝集体18に接触することで、凝集体18が記録媒体10からはがれてしまうことが防止される。
また、記録媒体10に着弾したインク液滴14は緩やかながらも凝集反応が進行するので、隣接するドットとなるインク液滴14が連続的に打滴されて記録媒体10上で接触しても、当該インク液滴同士は合一することなく、所定のサイズ及び形状を有するドットを形成することができる。
本例では、顔料微粒子を溶媒に分散させた顔料系インクを用いる態様を例示したが、溶媒中に染料系の着色剤を溶解させた染料系インクにも適用可能である。
〔評価実験の説明〕
次に、本願発明の有効性(作用効果)を検証した評価実験について説明する。当該評価実験では、記録媒体に記録密度(ドット密度)300×300dpiの孤立ドットを形成し、溶媒除去前の当該ベタ画像の画像形成性の評価を行うとともに、溶媒除去後に溶媒除去部材(図1(g),(h)の吸収ローラ24)への色材(着色剤)の付着の有無を評価した。
次に、本願発明の有効性(作用効果)を検証した評価実験について説明する。当該評価実験では、記録媒体に記録密度(ドット密度)300×300dpiの孤立ドットを形成し、溶媒除去前の当該ベタ画像の画像形成性の評価を行うとともに、溶媒除去後に溶媒除去部材(図1(g),(h)の吸収ローラ24)への色材(着色剤)の付着の有無を評価した。
なお、第1の処理液、第2の処理液及びインクを打滴するヘッドには、Geljet(リコー社製)を用いた。第1の処理液及び第2の処理液の打滴条件は、1回(1滴)の吐出量5pl、ドット密度1200×1200dpiとし、インクの打滴条件は、1回(1滴)の吐出量2pl、ドット密度300×300dpiとした。
画像形成性の評価では、第2の処理液(図1(e)の符号20)を打滴してから60秒経過したときの記録媒体に定着したドット(図1(f)の符号18)の直径d2を測定した。
なお、第2の処理液を打滴した直後からドットの直径d2を観測したが、第2の処理液を打滴してから5秒を経過した後はドットの直径d2の変化は見られなかった。
なお、第2の処理液を打滴した直後からドットの直径d2を観測したが、第2の処理液を打滴してから5秒を経過した後はドットの直径d2の変化は見られなかった。
画像形成性の評価では、吐出時のインク液滴の直径d1に対する記録媒体に定着したドットの直径d2の割合d2/d1で定義されるドット広がり率を求め、ドット広がり率が1.5以上の場合に所定のドットサイズを有する画像が形成された(評価○)とした。
例えば、インク液滴の吐出量を2plとすると、吐出時のインク液滴の直径d1は15.6μmとなる。ドット密度が1200×1200dpiの場合にはドット間ピッチは最短で略21μmとなり、ドット広がり率が1.5以上の場合には、ドットの直径d2は23.4μmとなるので、隣接するドットが結合し(接触し)好ましいベタ画像を形成することができるといえる。一方、ドット広がり率が1.5未満の場合には、本来接触するはずの隣接ドットの間に隙間が生じてしまい、画像欠陥として視認され得る。
また、溶媒除去における着色剤の付着(溶媒除去後のドットはがれ)の評価では、溶媒除去後の記録媒体上のドットを顕微鏡で観察し、残存しているドットの数を計測しいてドット残存率を求めた。なお、本評価実験におけるドット残存率は、「10ドットのうちの記録媒体に残存しているドット数の割合」で表され、90%以上(記録媒体に残存するドットが10ドット中9ドットまたは10ドット)の場合には評価○、90%未満(記録媒体に残存するドットが10ドット中8ドット以下)の場合には評価×とした。
当該評価実験に用いた第1処理液、第2の処理液の組成及び物性条件は、以下のとおりである。
<第1の処理液>
(1)pH値:5以上7未満(弱酸性でインク液滴を緩慢凝集させる)
(2)単価カチオン性(カルボン酸)を含有
(3)表面張力:20mN/n以上40mN/n以下
(4)粘度 :5Pa・s以上30Pa・s以下
<第2の処理液>
(1)pH値:3以上5未満(強酸性でインク液滴を急速凝集させる)
(2)単価カチオン性(カルボン酸)または多価金属性(Mg2 +、Ca2 +)を含有
(3)表面張力:20mN/n以上40mN/n以下
(4)粘度 :5Pa・s以上30Pa・s以下
また、インクの組成及び物性は、以下のとおりである。
(1)pH値:5以上7未満(弱酸性でインク液滴を緩慢凝集させる)
(2)単価カチオン性(カルボン酸)を含有
(3)表面張力:20mN/n以上40mN/n以下
(4)粘度 :5Pa・s以上30Pa・s以下
<第2の処理液>
(1)pH値:3以上5未満(強酸性でインク液滴を急速凝集させる)
(2)単価カチオン性(カルボン酸)または多価金属性(Mg2 +、Ca2 +)を含有
(3)表面張力:20mN/n以上40mN/n以下
(4)粘度 :5Pa・s以上30Pa・s以下
また、インクの組成及び物性は、以下のとおりである。
<インク>
インク1:顔料インク
インク2:顔料インク+ラテックス(ジュリマーET410、日本純薬製)
インク3:顔料インク+ラテックス(ジョンクリル537、ジョンソンポリマー製)
インク1〜3に共通の条件
(1)pH値:7以上13未満
(2)表面張力(好ましい条件):20mN/n以上40mN/n以下
(3)粘度(好ましい条件):5Pa・s以上30Pa・s以下
(4)着色剤量(粘度から想定したもの):4重量%以上20重量%以下
なお、インク1〜3の凝集開始pH値は、以下のように求めた。
インク1:顔料インク
インク2:顔料インク+ラテックス(ジュリマーET410、日本純薬製)
インク3:顔料インク+ラテックス(ジョンクリル537、ジョンソンポリマー製)
インク1〜3に共通の条件
(1)pH値:7以上13未満
(2)表面張力(好ましい条件):20mN/n以上40mN/n以下
(3)粘度(好ましい条件):5Pa・s以上30Pa・s以下
(4)着色剤量(粘度から想定したもの):4重量%以上20重量%以下
なお、インク1〜3の凝集開始pH値は、以下のように求めた。
インク1〜3は、顔料インクをイオン交換水で1000倍に希釈し、顔料/ピロリドカルボン酸水溶液を1対1の比率で混合し、混ぜる酸水溶液の濃度を0〜10%まで変えてpH値を順次変化させ、動的光散乱式粒径分布測定装置(LB550、堀場製)で凝集粒径を測定した。図2には、インク1〜3のpH値と着色剤粒子の粒径の関係を図示する。
インク中に分散している着色剤粒子は凝集反応によりその粒径が大きくなるので、急激に粒径が変化しているpH値を各インクの凝集開始pH値と定義した。即ち、インク1(◆)の凝集開始pH値は8.0であり、インク2(■)の凝集開始pH値は6.5、インク3(▲)の凝集開始pH値は7.0である。
また、本評価実験に用いる顔料はシアン顔料を適用した。当該シアン顔料粒子は、ビーズミル分散で適切な粒子径に設定している。
インク1はインク全量に対して顔料が4重量%となるように分散媒に顔料を分散したものであり、インク2は、顔料4重量%にラテックス(ジュリマーET410、日本純薬製)を8重量%で分散したものである。更に、インク3は、顔料4重量%にラテックス(ジョンクリル537、ジョンソンポリマー製)を8重量%で分散したものである。
<実験1:第1処理液pH値>
次に、実験1について説明する。実験1では、第1の処理液のpH値を変えて、画像形成性及び溶媒除去における着色剤の付着の評価を行った。pH値を変えた処理液の作製は、次のように行った。
次に、実験1について説明する。実験1では、第1の処理液のpH値を変えて、画像形成性及び溶媒除去における着色剤の付着の評価を行った。pH値を変えた処理液の作製は、次のように行った。
水45gを攪拌しながら水酸化リチウム5gを少しずつ添加し、LiOH・H2Oの10%水溶液を作製し、以下に示す混合比でPCA(有機カルボン酸)、グリセリン、DEG(ジエチレングリコール)、LiOH・H2O、オルフィン(E1010)、水を攪拌し、pH値3.6の処理液を作製した。
また、LiOH・H2Oの10%水溶液の滴定量を変えて、pH値5.0、6.5、6.9の処理液を作製した。上述した製法により作製されたpH値3.6の処理液を第2の処理液とし、pH値5.0、6.5、6.9の処理液を第1の処理液とした。図3に実験1の評価結果を示す。
図3の実施例1〜3に示すように、インク1(凝集開始pH値8.0)を用いた場合には、第1の処理液のpH値が5.0、6.0、6.9の何れの場合にもドット広がり率は1.5以上であり、画像形成性の評価は○である。また、溶媒除去における着色剤の付着の評価もすべて○である。
また、図3の実施例4〜6に示すように、インク2(凝集開始pH値6.5)を用いた場合にも、第1の処理液のpH値が5.0、6.0、6.9の何れの場合にもドット広がり率は1.5以上であり、画像形成性の評価は○であり、溶媒除去における着色剤の付着の評価も○である。
なお、インクの凝集反応は凝集開始pHを境に低pH側では急激に凝集が進み、高pH側でも塩の影響もあり遅いながらも多少凝集が進行する。
更に、図3の実施例7に示すように、インク3(凝集開始pH値7.0)を用いた場合には、第1の処理液のpH値が5.0の場合にドット広がり率は2.1であり、画像形成性の評価は○である。また、溶媒除去における着色剤の付着の評価も○である。
即ち、図3に示す実験1の評価結果から、第1の処理液のpH値は5.0以上7.0未満(6.9以下)の範囲で1.5以上のドット広がり率が確保された良好な画像が形成されることが検証された。なお、本評価実験では酸塩基凝集のインクセットを使用しており、処理液側を酸、インク側を塩基としている。したがって、処理液のpH値は7.0未満となる。
<実験2:第2の処理液のpH値>
次に、実験2について説明する。実験2では、実験1の実施例1〜7における第2の処理液のpH値を3.6から4.0、5.0に変えて画像形成性の評価及び溶媒除去における着色剤の付着の評価を行った。
次に、実験2について説明する。実験2では、実験1の実施例1〜7における第2の処理液のpH値を3.6から4.0、5.0に変えて画像形成性の評価及び溶媒除去における着色剤の付着の評価を行った。
図3の実施例8は、図3の実施例3における第2の処理液のpH値を4.0とした場合である。実施例8では、ドット広がり率は1.9であり画像形成性の評価は○であり、溶媒除去における着色剤の付着の評価も○であった。一方、図3の比較例1は、図3の実施例3における第2の処理液のpH値を5.0とした場合である。比較例1では、ドット広がり率は2.0であるので画像形成性の評価は○であるものの、溶媒除去における着色剤の付着の評価は×(ドットの残存数が10ドット中8ドット以下)である。即ち、溶媒除去時の着色剤の付着の観点から、第2の処理液のpH値は5.0未満が好ましいといえる。
図4に示す実施例9〜15は、図3に示す実施例1〜7における第2の処理液のpH値を4.0としたときの評価結果であり、実施例16、17は、インク3を用いて第1の処理液のpH値を6.0、6.9とした場合の評価結果を示す。
図4に示す実施例9〜17は、何れもドット広がり率は1.5以上であり画像形成性の評価は○となる。また、実施例9〜17は溶媒除去時の着色剤の付着の評価も○である。したがって、第2の処理液の好ましいpH値は3.6以上5.0未満であるといえる。
なお、第2の処理液にリン酸等を用いるとpH値を2.0程度にすることができる。例えば、第2の処理液のpH値を2.0とした場合には、画像形成性の評価及び溶媒除去時の着色剤の付着の評価は○となるが(評価結果の図示は省略)、装置部品の耐薬品性を考慮すると(第2の処理液の付与手段や記録媒体を搬送する手段などに強酸性の液体に対する耐久性を確保するための構成が必要となるので)、第2の処理液のpH値は3.0以上とすることが好ましい。
第2の処理液にMg2 +やCa2 +などの多価カチオン(多価金属)を含有する態様も好ましい。多価カチオンはカルボン酸などの単価カチオンと反応しても凝集しにくい粒子を凝集させる機能を有しており、単価カチオンと反応しても凝集しにくい粒子が含有されているインクを用いる場合には、特に効果を発揮する。
多価カチオンを含有する処理液の酸としては、硝酸カルシウム4水和物、硝酸アルミニウム9水和物、硫酸アルミニウムなどを用いることができ、本評価実験では、硝酸アルミニウム9水和物を7.5重量%、グリセリン12.5重量%、DEG10.0重量%、オルフィン(E1010)1.5重量%、水残部の処方に、更に、水酸化リチウムの10水溶液を滴下して、pHの厳密な調整を行った。
評価結果の図示は省略するが、上記処方により作製した第2の処理液を用いた場合にも、上記評価結果と同様の結果を得ることができた。
<実験3:第1の処理液のみを使用した場合>
次に、実験3について説明する。実験3では、第1の処理液のみを使用した場合の画像形成性の評価及び溶媒除去における着色剤の付着を評価した。図5には、実験3の評価結果を示す。
次に、実験3について説明する。実験3では、第1の処理液のみを使用した場合の画像形成性の評価及び溶媒除去における着色剤の付着を評価した。図5には、実験3の評価結果を示す。
図5に示す比較例2〜14は、何れも溶媒除去における着色剤の付着の評価は×であり、第1の処理液のみを使用して第2の処理液を使用しない場合には、所定の時間内(本評価実験では60秒)の間にインクの凝集反応が完了しないために、記録媒体とドットとの間の所定の接着力を確保することができず、溶媒除去時にドットの剥離が発生してしまい、画像品質の劣化が発生するといえる。
また、インク1を用いる場合において、第1の処理液のpH値が3.6のときには(比較例2)、ドット広がり率は0.9であって、1.5以上のインク広がり率を得ることができない(画像形成性の評価×)。同様に、インク2を用いる場合にも、第1の処理液のpH値が3.6(比較例9)、4.0(比較例8)の場合にドット広がり率はそれぞれ1.1、1.3であって、1.5以上のインク広がり率を得ることができない(画像形成性の評価×)。
即ち、画像形成性(ドット広がり率)の観点から、第1の処理液のpH値は4.0を超えることが好ましく、5.0以上がより好ましい。
上述した実験1〜3の評価結果をまとめると、凝集開始pH値が6.5、7.0、8.0のインク(インクのpH値は5.0以上13.0未満)を用いた画像形成において、第1の処理液のpH値は4.0を超え7.0未満とすると1.5以上のドット広がり率を得ることができる。第1の処理液のpH値は5.0以上7.0未満とするとより確実に1.5以上のドット広がり率を得ることができ好ましい。
また、第2の処理液のpH値は、5.0未満とすると溶媒除去時のドットの剥離が防止され好ましく、第2の処理液のpH値を4.0以下とすると第2の処理液によるインクの凝集反応がより短時間に完了するので好ましい。一方、装置部品の耐薬品性の観点から、第2の処理液のpH値は3.0以上とする態様が好ましく、より好ましくは第2の処理液のpH値を3.6以上とする態様である。
即ち、第2の処理液の好ましいpH値は、3.0以上5.0未満であり、より好ましい第2の処理液のpH値は3.6以上4.0以下である。
なお、インクに含有する好ましい顔料粒子として、自己分散型顔料を挙げることができる。自己分散型顔料とは、顔料の表面に多数の親水性官能基及び/またはその塩(以降、分散性付与基という。)を、直接アルキル基、アルキルエーテル基、アリール基を介して間接的に結合させたものであり、分散剤なしに水性溶媒中に分散及び/または溶解することが可能な顔料である。
このような自己分散型顔料を着色剤として含有するインクは、通常の顔料を分散させるために含有させる分散剤を含む必要がなく、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんどなく、吐出安定性に優れたインクを調製しやすい。
自己分散性顔料の表面に結合される分散性付与基としては、−COOH、−CO、−OH、−SO3H、−PO3H2及び4級アンモニウム並びにこれらの塩が例示される。これらは原料となる顔料に、物理的処理または化学的処理を施すことで、分散性付与基または分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。
ここでいう物理的処理には、例えば、真空プラズマ処理などが挙げられる。また、化学的処理には、例えば、水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させる方法などが挙げられる。
なお、上述した実験1〜3では顔料系インクを用いたが、ポリマー粒子を含む溶媒不溶性分散物に総じて同様の結果を得ることができる。
〔応用例〕
次に、図6(a)〜(h)を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成方法の応用例について説明する。本応用例では、第1の処理液と反応して凝集作用を発現する成分と、第2の処理液と反応して凝集作用を発現する成分と、を含有するインクが用いられる。
次に、図6(a)〜(h)を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成方法の応用例について説明する。本応用例では、第1の処理液と反応して凝集作用を発現する成分と、第2の処理液と反応して凝集作用を発現する成分と、を含有するインクが用いられる。
即ち、図6(b)に示すインク液滴34には、第1の処理液12のpH値に対応する凝集開始pH値を有する第1の分散粒子35Aと、第2の処理液20のpH値に対応する凝集開始pH値を有する第2の分散粒子35Bと、を含有し、第1の処理液12が付与された記録媒体10(図6(a))にインク液滴34が打滴されると(図6(b))、第1の処理液12のpH値に対応する凝集開始pH値を有する第1の分散粒子35Aの凝集作用が発現して凝集体18を生成し(図6(c))、インク液滴34の1.5以上のインク広がり率を確保するとともに着弾干渉が防止される(図6(d))。
更に、第2の処理液20を付与すると(図6(e))、第2の分散粒子35Bの凝集作用が発現して、インク液滴14(インク液滴中の分散粒子35A,35B)のすべてを凝集させる(図6(f))。その後、吸収ローラ24を記録媒体10上の溶媒に接触させて溶媒の除去を行っても(図6(g))、吸収ローラ24の表面の吸収体26に着色剤が付着することなく、記録媒体上の溶媒が除去される(図6(h))。
例えば、上述したインク1に用いられる顔料粒子(第1の分散粒子、凝集開始pH値8.0)と、インク2に用いられる顔料粒子及びラテックス(第2の分散粒子、凝集開始pH値6.5)と、を1:1の割合で溶媒中に分散させたインクを用い、第1の処理液のpH値を6.9、第2の処理液のpH値を5.0とする。
第1の処理液とインクが混合されると、凝集開始pH値が8.0の第1の分散粒子の凝集作用が発現してインク中に含有される分散粒子の略1/2が凝集する。一方、凝集開始pH値が6.5の第2の分散粒子には凝集作用が発現せず、未反応のまま分散状態が維持される。
ここで第2の処理液を付与すると、分散状態にある第2の分散粒子の凝集作用が発現してインク中に含有されるすべての分散粒子が凝集する。
本応用例によれば、インク中に第1の処理液のpH値に対応する凝集開始pH値を有する第1の分散粒子と、第2の処理液のpH値に対応する凝集開始pH値を有する第2の分散粒子を含有するので、記録媒体に第1の処理液が付与された状態でインクを打滴すると、第1の分散粒子のみの凝集反応が発現するので、インク液滴は所定の大きさに広がる(所定のドット広がり率を確保する)とともに、インクの一部が凝集することで着弾干渉が防止される。また、第1の分散粒子が凝集し、第2の分散粒子が凝集せずに分散しているインク液滴に第2の処理液を付与することで、第2の分散粒子の凝集作用が発現し、インクに含有するすべての分散粒子が凝集するので、溶媒除去時に溶媒除去部材への着色剤の付着が防止される。
なお、第1の分散粒子と第2の分散粒子との混合比は1:1(重量比)に限定されない。例えば、着弾干渉が起こらない程度に第1の分散粒子を凝集させればよく、第2の分散粒子よりも含有比率を下げることも可能であり、第1の分散粒子と第2の分散粒子との混合比は1:5程度であれば、着弾干渉防止効果を得ることができる。
また、第1の分散粒子を定着用のラテックス(凝集性あり)、第2の分散粒子を顔料(凝集性なし)とした場合、定着性能として十分となるのは、第1の分散粒子と第2の分散粒子の混合比が2:1〜10:1(重量比)であることが好ましい。顔料濃度としては、画像の光学濃度を得るためには4重量%以上あることが必要である。即ち、凝集性を示さない顔料の濃度を4重量%と設定した場合、定着用のラテックスは0.8重量%以上あることが好ましく、より好ましくは8重量%以上である。
〔装置例〕
次に、本発明に係る画像形成方法を適用した画像形成装置(インクジェット記録装置)について説明する。図7に示すインクジェット記録装置100は、転写記録方式が適用されている。
次に、本発明に係る画像形成方法を適用した画像形成装置(インクジェット記録装置)について説明する。図7に示すインクジェット記録装置100は、転写記録方式が適用されている。
図7に示すインクジェット記録装置100は、印字部112からのインク打滴に先立ち、中間転写媒体116の画像形成領域(不図示)に、画像データに対応するドットデータに基づいて第1の処理液を打滴する第1の処理液ヘッド112S1と、第1の処理液ヘッド112Sの後段側に設けられ、黒(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色の着色剤を含むインクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cを有する印字部112と、印字部112の各インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、各印字部112の後段側(中間転写媒体の移動方向下流側)に設けられ、画像データに対応するドットデータに基づいて第2の処理液を打滴する第2の処理液ヘッド112S2と、1次画像が形成された中間転写媒体116の画像形成面116Aに残留する溶媒を吸収除去する吸収ローラ118Aを含む溶媒除去部118と、溶媒が除去された中間転写媒体116に形成された1次画像を中間転写媒体116の画像形成面116Aの反対面116B側から加熱する加熱ヒータ120と、中間転写媒体116に形成された1次画像が転写記録される記録媒体122を収容するとともに、記録媒体122を転写記録部126へ供給する給紙部124と、加熱ヒータ120の後段側に設けられ、給紙部124から供給された記録媒体122の画像記録面(画像記録領域)を中間転写媒体116の画像形成領域に接触させた状態で中間転写媒体116と記録媒体122とを押圧して、中間転写媒体に形成された1次画像を記録媒体122に転写記録する転写記録部126と、転写記録部126の後段側に設けられ、中間転写媒体116から記録媒体122を剥離させる剥離部128と、中間転写媒体から剥離された後に、転写記録された画像を記録媒体に定着させる定着部130と、定着部130によって定着処理が施された記録媒体を装置外部へ排出する排紙部132と、剥離部128の後段側に設けられ、転写記録後の中間転写媒体116の画像形成領域をクリーニングするクリーニング部134と、を備えて構成されている。
インク貯蔵/装填部114は、各ヘッドに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンク(図7中不図示、図11に符号160で図示)を有し、各色のインクは所要のインク流路を介してヘッドと連通されている。
また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有する部材が用いられる。
中間転写媒体116は、複数の張架ローラ140A〜140Gに巻きかけられた無端状のベルトであり、複数の張架ローラ140A〜140Gのうち少なくとも1つの張架ローラ(駆動ローラ)を回動させると、該駆動ローラの回動に同期して中間転写媒体116が所定の方向に移動する。例えば、張架ローラ140Aを駆動ローラとして時計と反対回り方向に回動させると、中間転写媒体116は、印字部112の直下の印字領域において、図7の右から左へ移動する。
本例のインクジェット記録装置100では、中間転写媒体116の移動速度は、一連の画像形成プロセスを通じて一定であり、その値は10mm/sである。
また、中間転写媒体116は、印字部112と対向する表面(画像形成面112A)の少なくとも1次画像が形成される画像形成領域は、樹脂、金属やゴムなどのインク液滴が浸透しない非浸透性を有している。即ち、中間転写媒体116の画像形成領域に付与された凝集処理液は、中間転写媒体116の内部に浸透することなく中間転写媒体116の表面に保持される。また、中間転写媒体116の少なくとも画像形成領域は、所定の平坦性を有する水平面(フラット面)をなすように構成されている。
なお、中間転写媒体116の画像形成領域を凝集処理液に対する浸透速度が遅い媒体(凝集処理液が付与されてから印字部112の直下に移動するまでに、凝集処理液の量(厚み)の減少が10%以下の低浸透性を有する媒体)を適用してもよい。即ち、中間転写媒体116には、凝集処理液が付与されてから印字部112直下の印字領域に移動するまでに、凝集処理液の量(厚み)の減少が1%以下の難浸透性を有する媒体や、凝集処理液の減少量が10%以下の低浸透性を有する媒体を含む非浸透性を有する媒体が適用される。
図7には、中間転写媒体116の一態様として無端状のベルトを示したが、本発明に適用される中間転写媒体はドラム形状でもよいし、平板形状でもよい。
中間転写媒体116の画像形成面を含む表面層に用いられる好ましい材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等の公知の材料が挙げられる。
また、中間転写媒体116の表面層の表面エネルギーは10mN/m以上40mN/m以下とする態様が好ましい。中間転写媒体116の表面層の表面エネルギーを40mN/m以上とすると、1次画像が転写記録される記録媒体122との表面張力差がなくなり(または、極めて小さくなり)、インク凝集体の転写性が悪化する。更に、中間転写媒体116の表面層の表面エネルギーが10mN/m以下であると、凝集処理液のぬれ性を考慮した場合に、凝集処理液の表面張力を中間転写媒体116の表面層の表面エネルギーよりも小さくする必要があり、凝集処理液の表面張力を10mN/m以下とすることが困難となり、中間転写媒体116及び凝集処理液の設計自由度(選択範囲)が狭くなる。
なお、中間転写媒体116の表面層に表面粗さRa0.3μm程度の凹凸があると、インク液滴やインク凝集体の移動が抑制される効果があり、より好ましい。
クリーニング部134による洗浄工程を終えた中間転写媒体116には、第1の処理液ヘッド112S1によって第1の処理液が打滴される(第1の処理液付与工程)。本例に示すインクジェット記録装置100の第1の処理液の最小打滴量は5pl、最高出力解像度は主走査方向(中間転媒体移動方向と直交する方向)、副走査方向(中間転媒体移動方向)とも1200×1200dpiであり、第1の処理液は中間転写媒体116の画像形成領域の全面に打滴される。
なお、第1の処理液によって形成されるドットは、インクのドットと同一のサイズでもよいし、インクのドットよりも大きいサイズとしてもよい。また、第1の処理液の1ドットに対して、複数のインクのドットが対応してもよい。
また、第1の処理液は、塗布ローラやスプレー方式によって中間転写媒体116の画像形成領域の全面にわたって塗布してもよい。塗布ローラによって第1の処理液を塗布する態様では、当該塗布ローラには多孔質材料や表面に凹凸がある材料が望ましく、例えば、グラビアロール状のもの等を用いることができる。
中間転写媒体116に第1の処理液が打滴されると、画像データ(ドットデータ)に応じて、印字部112直下の印字領域において、インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112CからKCMY各色に対応したカラーインクが打滴される(印字工程、インク打滴工程)。
本例に示すインクジェット記録装置100のインクの最小打滴量は2plであり、最高出力解像度は主走査方向(中間転媒体移動方向と直交する方向)、副走査方向(中間転媒体移動方向)とも300dpiである。
インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cから打滴されると、中間転写媒体116上でインクの凝集反応が発現して凝集体(図1(d)の符号18)が形成
される。一方、第1の処理液による凝集反応は弱い凝集反応であるので、インク液滴は所定のサイズに広がることができる。
される。一方、第1の処理液による凝集反応は弱い凝集反応であるので、インク液滴は所定のサイズに広がることができる。
更に、第2の処理ヘッドから第2の処理液が打滴される。本例に示すインクジェット記録装置100の第2の処理液の最小打滴量は5plであり、最高出力解像度は主走査方向(中間転媒体移動方向と直交する方向)、副走査方向(中間転媒体移動方向)とも1200dpiである。第2の処理液は中間転写媒体116の画像形成領域の全面に打滴される。
第2の処理液が打滴されると、未反応のインクに凝集作用が発現し、中間転写媒体116上で凝集体(ドット)と溶媒に分離される。
中間転写媒体116上でインクが凝集体と溶媒に分離されると、溶媒除去部118では、中間転写媒体116上の溶媒が除去される。本例に示すインクジェット記録装置100では、第2の処理液の打滴から溶媒除去までに要する標準時間は50秒に設定されている。
なお、画像の内容に応じて第2の処理液の打滴から溶媒除去までに要する時間の設定を変更する態様も好ましい。例えば、テキストなどの記録密度が低い画像を印字する場合(インクの総打滴量が所定の量よりも小さい場合)には、第2の処理液とインクとの反応時間を短縮可能であり、中間転写媒体116の搬送速度を早くして第2の処理液の打滴から溶媒除去までに要する時間を短縮する態様が好ましい。
図7に示す溶媒除去部118は、表面が多孔質部材から成る吸収ローラ118Aを備え、中間転写媒体116の移動に応じて従動回転する吸収ローラ118Aを中間転写媒体116上の溶媒に接触させて、当該溶媒を吸収除去する。吸収ローラ118Aは図7における上下方向に移動可能に構成され、中間転写媒体116の画像形成面に当接及び離間可能となっている。また、吸収ローラ118Aの表面積(中間転写媒体116に接触する面の面積)は、最大画像サイズに対応している。
吸収ローラ118Aの表面(中間転写媒体の画像形成面と接触する面)の表面エネルギーγcは中間転写媒体116の画像形成面の表面エネルギーγa2よりも小さいこと(γc<γa2)が好ましく、本例では、吸収ローラ118Aはその表面の表面エネルギーγcが30mN/m以下の部材が適用される。
上述した吸収ローラ118Aを用いて溶媒除去を行うことで、吸収ローラ118Aにインク凝集体が付着することを防止し、中間転写媒体116上の溶媒のみ除去が可能となる。なお、溶媒除去部118の他の態様として、吸収ローラ118Aに代わりエアナイフで余剰な溶媒を中間転写媒体116から取り除く方式や、中間転写媒体116を加熱して溶媒を蒸発させ除去する方式などを適用してもよい。
吸収ローラ118Aによって中間転写媒体116の画像形成面上の溶媒を除去する態様では、中間転写媒体116の画像形成面に凝集処理液が多く(過剰に)に付与されるような場合でも、中間転写媒体116上の溶媒が確実に除去されるため、転写記録時に記録媒体122に多量の溶媒(分散媒)が転写されることはない。したがって、記録媒体122として紙類(特に、浸透性を有する普通紙などの紙媒体)が用いられるような場合でも、カール、カックルといった水系溶媒に特徴的な問題が発生しない。
また、溶媒除去部118を用いてインク凝集体から余分な溶媒を除去することによって、凝集体を濃縮し、より内部凝集力を高めることができる。これにより転写記録部126による転写記録工程までにより強い内部凝集力をインク凝集体に付与することができる。更に、溶媒除去によるインク凝集体の効果的な濃縮により、記録媒体122に画像を転写した後も良好な定着性や光沢性を画像に付与することができる。
なお、溶媒除去部118によって、中間転写媒体116上の溶媒すべてを除去する必要は必ずしもない。過剰に除去しすぎてインク凝集体を濃縮しすぎるとインク凝集体の転写体の付着力が強くなりすぎて、転写に過大な圧力を必要とするため好ましくない。むしろ転写性に好適な粘弾性を保つためには、少量残留させることが好ましい。
中間転写媒体116上の溶媒を少量残留させることで得られる効果として、次のことが挙げられる。即ち、インク凝集体は疎水性であり、揮発しにくい溶媒成分(主にグリセリンなどの有機溶剤)は親水性であるので、インク凝集体と残留溶媒成分は溶媒除去実施後に分離し、残留溶媒成分からなる薄い液層がインク凝集体と中間転写媒体との間に形成される。したがって、インク凝集体の中間転写媒体116への付着力は弱くなり、転写性向上に有利である。
上述した溶媒除去の制御は、吸収ローラ118Aの中間転写媒体116への押圧を変えることで可能となる。溶媒除去量を相対的に多くする場合には、吸収ローラ118Aの中間転写媒体116への押圧を大きくし、溶媒除去量を相対的に少なくする場合には、吸収ローラ118Aの中間転写媒体116への押圧を小さくすればよい。
また、吸収特性の異なる複数の吸収ローラを備え、溶媒除去量に応じて使用する吸収ローラを選択的に切り換える態様も可能である。
溶媒除去工程を終えると、加熱ヒータ120によって中間転写媒体116に予備加熱処理が施される。加熱ヒータ120には平板ヒータが好適に用いられる。図7には、中間転写媒体116の外部に加熱ヒータ120を備える態様を例示したが、加熱ヒータ120を中間転写媒体116に内蔵してもよい。
溶媒除去部118による溶媒除去工程が終わると、中間転写媒体116の画像形成領域の表面温度が50℃以上150℃以下となるように加熱ヒータ120を動作させる。
本例に示すインクジェット記録装置100に適用される第1の処理液、第2の処理液及びインクのうち少なくとも何れか1つには、樹脂微粒子やポリマー微粒子が含有されているので、加熱ヒータ120による加熱温度を樹脂微粒子やポリマー微粒子の軟化温度(ガラス転移点温度)に設定することで、中間転写媒体116を加熱して中間転写媒体116に形成された画像を軟化させることができ、当該画像は転写記録に適した粘度となるので、転写記録時の画像劣化を防止するとともに、転写記録工程が効率化される。
加熱ヒータ120よって中間転写媒体116が所定の温度に予備加熱されると、転写ローラ126Aと転写ローラ126Bの間に中間転写媒体116と記録媒体122を挟み込んだ状態で所定の圧力によって押圧し、中間転写媒体116上の1次画像が記録媒体122に転写記録される(転写記録工程)。
即ち、転写記録部126は、中間転写媒体116をはさんで配置される2つの転写ローラ126A及び転写ローラ126Bを備え、中間転写媒体116の画像形成面側に転写ローラ126Aが配置され、画像形成面の反対側に転写ローラ126Bが配置される構造を有している。
給紙部124から供給された記録媒体122は、中間転写媒体116と転写ローラ126Aとの間に挟みこまれ、この状態を維持したまま転写ローラ126Aを介して所定のニップ圧力(押圧)が印加される。
本例に示す転写工程では、所定のニップ圧力を0.5MPa〜3.0MPaとする態様が好ましい。転写記録部126における転写記録時のニップ圧を調整するための手段としては、例えば、転写ローラ126A、126Bを図7の上下方向に移動させる機構(駆動手段)が挙げられる。即ち、転写ローラ126Aと転写ローラ126Bとのクリアランスを広げる方向に転写ローラ126A、126Bを移動させるとニップ圧は小さくなり、転写ローラ126Aと転写ローラ126Bとのクリアランスを狭くする方向に転写ローラ126A、126Bを移動させるとニップ圧は大きくなる。
図7では、給紙部124の一例としてカット紙が積層装填されたカセットが示されているが、紙幅や紙質等が異なる記録媒体に対応して複数のカセットを併設してもよい。また、カット紙が積層装填されたカセット代えて、又はこれと併用して、ロール紙(連続用紙)のマガジンによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をカセットに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、裁断用のカッターが設けられており、該カッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッターは、記録媒体の搬送路幅以上の長さを有する固定刃と、該固定刃に沿って移動する丸刃とから構成されており、印字裏面側に固定刃が設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃が配置される。
また、本例に適用される記録媒体122の具体例を挙げると、普通紙、インクジェット専用紙などの浸透性媒体、コート紙などの非浸透性又は低浸透性の媒体、裏面に粘着剤と剥離ラベルの付いたシール用紙、OHPシートなどの樹脂フィルム、金属シート、布、木など様々な媒体がある。
転写記録部126において記録媒体122への転写記録が終了すると、剥離部128において中間転写媒体116から画像記録済みの記録媒体122が剥離され、記録媒体122は定着部130へ送られる。
剥離部128は、中間転写媒体116の剥離ローラの巻き付け曲率によって、記録媒体122自身の剛性(腰の強さ)で中間転写媒体116から記録媒体122を剥離するように構成されている。剥離部128には、剥離爪等の剥離を促進させる手段を併用してもよい。なお、剥離部128と定着部130との間に記録媒体122を冷却する冷却装置を備える態様も好ましい。
冷却装置の一例を挙げると、記録媒体122に冷風をあてるファンを備える構成や、ペルチェ素子、ヒートシンクなどの冷却部材を備える構成などが挙げられる。
定着部130では、記録媒体122と加熱及び加圧して、記録媒体122に記録された画像を定着させる(定着処理工程)。
定着部130は、50℃〜200℃の範囲で温度調整可能な加熱ローラ対を含んで構成される。定着部130の加熱温度は130℃、加圧力は0.5MPa〜3.0MPaとする態様が好ましい。なお、定着部130の加熱温度は、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度などに応じて設定するとよい。
本例では、第1の処理液、第2の処理液及びインクのうち何れか1つに樹脂微粒子やポリマー微粒子を含有しており、これらの微粒子を造膜させる(画像の最表面に微粒子が溶解した薄膜が形成される)ことで、定着性・耐擦過性を向上させることができる。転写記録部126にて転写性と造膜化が両立することができれば、定着部130を省略する態様も可能である。
定着処理工程が終了すると、画像記録済みの記録媒体122は装置外部に排出される(排出方向を矢印線Bで図示)。なお、図示は省略するが、装置外部に排出された記録媒体122を収容する収容トレイを備える態様が好ましい。
記録媒体122への転写記録工程の終了後、中間転写媒体116はクリーニング部134によってクリーニング処理が施される。クリーニング部134は、中間転写媒体116の画像形成面に当接しながら残インク凝集体を払拭除去するブレード(不図示)と、除去された残インク凝集体を回収する回収部(不図示)を有している。なお、中間転写媒体116から残インクを除去するクリーニング手段の構成は、上記の例に限らず、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、粘着ロール方式或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
〔印字部の説明〕
次に図7に示す印字部112について詳説する。印字部112の各インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cは、中間転写媒体116における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し(図8参照)、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたりインク吐出用のノズル(図8中不図示、図9に符号151で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
次に図7に示す印字部112について詳説する。印字部112の各インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cは、中間転写媒体116における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し(図8参照)、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたりインク吐出用のノズル(図8中不図示、図9に符号151で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cは、中間転写媒体116の移動方向(白抜き矢印線で図示)に沿って上流側から黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのインクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cが中間転写媒体116の移動方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
中間転写媒体116の幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドを各色インク及び処理液に対してそれぞれ設ける構成によれば、中間転写媒体116の移動方向(副走査方向、図9参照)について、中間転写媒体116と印字部112とを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、中間転写媒体116の画像形成領域に1次画像を記録することができる。これにより、インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cが中間転写媒体116の移動方向と直交する主走査方向(図9参照)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、KYMCの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。また、粘度等の条件を変えた複数種類の凝集処理液を用いる場合には、処理液の種類ごとに処理液付与部(塗布ローラ136)を複数備える態様も可能である。
〔ヘッドの構造〕
次に、図8に示すインクジェットヘッド112K,112Y,112M,112C及び第1の処理液ヘッド112S1、第2の処理液ヘッド112S2の構造について詳説する。インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112C、第1の処理液ヘッド112S1、第2の処理液ヘッド112S2の構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示す。
次に、図8に示すインクジェットヘッド112K,112Y,112M,112C及び第1の処理液ヘッド112S1、第2の処理液ヘッド112S2の構造について詳説する。インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112C、第1の処理液ヘッド112S1、第2の処理液ヘッド112S2の構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号150によってヘッドを示す。
図9(a)はヘッド150の構造例を示す平面透視図であり、図9(b)はその一部の拡大図である。また、図9(c)はヘッド150の他の構造例を示す平面透視図、図10はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図9(a),(b)中のX−X線に沿う断面図)である。
中間転写媒体116上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド150におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド150は、図9(a),(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット153を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する副走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
中間転写媒体116の移動方向と略直交する方向に中間転写媒体116の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図9(a)の構成に代えて、図9(c)に示すように、複数のノズル151が2次元に配列された短尺のヘッドブロック150’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで中間転写媒体116の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル151と供給口154が設けられている。各圧力室152は供給口154を介して共通流路155と連通されている。共通流路155はインク供給源たるインク供給タンク(図9中不図示、図11に符号160で図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図10の共通流路155を介して各圧力室152に分配供給される。
圧力室152の天面を構成し共通電極と兼用される振動板156には個別電極157を備えた圧電素子158が接合されており、個別電極157に駆動電圧を印加することによって圧電素子158が変形してノズル151からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路155から供給口154を通って新しいインクが圧力室152に供給される。
本例では、ヘッド150に設けられたノズル151から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子158を適用したが、圧力室152内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット153を図9(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、中間転写媒体116の幅方向の長さに満たない短尺のヘッドを中間転写媒体116の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると中間転写媒体116を幅方向と直交する方向に所定量だけ移動させて、次の印字領域の中間転写媒体116の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して中間転写媒体116の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
〔供給系の構成〕
図11はインクジェット記録装置100におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
図11はインクジェット記録装置100におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク160はヘッド150にインクを供給する基タンクであり、図7で説明したインク貯蔵/装填部114に含まれる。インク供給タンク160の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図11に示したように、インク供給タンク160とヘッド150の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ162が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図11には示さないが、ヘッド150の近傍又はヘッド150と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置100には、ノズル151の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ164と、ヘッド150のインク吐出面の清掃手段としてクリーニングブレード166が設けられている。
これらキャップ164及びクリーニングブレード166を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド150に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド150下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ164は、図示せぬ昇降機構によってヘッド150に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ164を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド150に密着させることにより、ノズル面をキャップ164で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル151の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子158が動作してもノズル151からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子158の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子158を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ164(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
なお、中間転写媒体116に向けてインクを打滴して予備吐出を行う態様も可能である。例えば、複数の画像を連続的に形成する場合には、画像間で予備吐出を実行することが可能である。特に、同一画像を複数枚形成する場合には、特定のノズルにおいてインク(処理液)吐出の頻度が低くなり、吐出異常の発生する可能性が高くなり、当該特定のノズルについて画像間で予備吐出を行うことが好ましい。
中間転写媒体116に予備吐出を行う場合には、吸収ローラ118Aや転写ローラ126Aに予備吐出によるインク(処理液)が付着しないように、吸収ローラ118A及び転写ローラ126Aを移動させて、吸収ローラ118A及び転写ローラ126Aと中間転写媒体116との間に所定のクリアランス(例えば、10mm程度)を設けるとよい。
また、ヘッド150内のインク(圧力室152内)に気泡が混入した場合、圧電素子158が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド150にキャップ164を当て、吸引ポンプ167で圧力室152内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク168へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室152内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード166はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド150のインク吐出面に摺動可能である。インク吐出面にインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード166をインク吐出面に摺動させることでインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清掃する。
なお、転写記録方式が適用されるインクジェット記録装置では、中間転写媒体116(図7参照)上に予備吐出を行うことも可能である。例えば、画像間で予備吐出を行う場合には、中間転写媒体116をインク受けとすることで、キャップ164を印字部112(図7参照)の直下に移動させる時間や、中間転写媒体116を印字部112の直下から退避させる時間を省略できるので、予備吐出にかかる時間を短縮することができる。また、予備吐出によって中間転写媒体116に付着したインクはクリーニング部134を用いて清掃することができる。中間転写媒体116に予備吐出を行う場合には、転写ローラ126Bがインクで汚れてしまわないように、転写ローラ126Bを中間転写媒体116から離しておくとよい。
〔制御系の説明〕
図12はインクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置100は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、インクヘッドドライバ184等を備えている。
図12はインクジェット記録装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置100は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、インクヘッドドライバ184等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置100に取り込まれ、一旦メモリ174に記憶される。
メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置100の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、メモリ174の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
メモリ174には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ174は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示にしたがってモータ188を駆動するドライバである。図12には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号188で図示されている。例えば、図12に示すモータ188には、図7の張架ローラ140A〜140Gの中の駆動ローラを駆動するモータや、吸収ローラ118Aの移動機構のモータ、転写ローラ126A、126Bの移動機構のモータなどが含まれている。
ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示にしたがって、ヒータ189を駆動するドライバである。図12には、インクジェット記録装置100に備えられる複数のヒータを代表して符号89で図示されている。例えば、図12に示すヒータ189には、図7に示す加熱ヒータ120や、定着部49の加熱ローラ対に含まれるヒータなどが含まれている。
転写制御部179は、図7に示す転写記録部126の転写ローラ126A、126Bの押圧制御を行う。記録媒体122の種類やインクの種類ごとに、転写ローラ126A、126Bの押圧最適値が予め求められ、データテーブル化されて所定のメモリ(例えば、メモリ174)に記憶されている。記録媒体122の情報や使用インクの情報を取得すると、当該メモリを参照して転写ローラ126A、126Bの押圧が制御される。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、メモリ174内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をインクヘッドドライバ184に供給する制御部である。プリント制御部180において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、インクヘッドドライバ184を介してヘッド150のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
また、プリント制御部180は、画像データから第1の処理液ヘッド及び第2の処理液ヘッドの制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した打滴データ(ドットデータ)は第1の処理液ヘッドドライバ181及び第2の処理液ヘッドドライバ185に送られ、第1の処理液ヘッドドライバ181及び第2の処理液ヘッドドライバ185を介して第1の処理液ヘッド112S1の吐出量や吐出タイミングの制御及び第2の処理液ヘッド112S2の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。また、プリント制御部180とシステムコントローラ172とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
インクヘッドドライバ184は、プリント制御部180から与えられる画像データに基づいてヘッド150(インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112C)の圧電素子158に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子158に印加して圧電素子158を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図12に示すインクヘッドドライバ184には、ヘッド150の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、第1の処理液ヘッドドライバ181は、プリント制御部180から与えられる処理液データに基づいて第1の処理液ヘッド112S1の圧電素子158に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子158に印加して圧電素子158を駆動する駆動回路を含んで構成される。同様に、第2の処理液ヘッドドライバ185は、プリント制御部180から与えられる処理液データに基づいて第2の処理液ヘッド112S2の圧電素子158に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子158に印加して圧電素子158を駆動する駆動回路を含んで構成される。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、メモリ174に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ174に記憶される。
メモリ174に蓄えられた画像データは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180においてインク色ごとのドットデータ及び第2処理液のドットデータに変換される。即ち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをKYMCの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。
なお、中間転写媒体116上に形成される1次画像は、転写の際に反転することを考慮して、最終的に記録媒体122に形成される2次画像(記録画像)の鏡面画像としなければならない。即ち、インクジェットヘッド112K,112Y,112M,112Cに供給される駆動信号は鏡面画像に対応した駆動信号であり、プリント制御部180にて入力画像に対して反転処理を施す必要がある。
プログラム格納部190には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ172の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部190はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部190は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
〔他の装置例〕
次に、本発明に適用される他の装置例について説明する。図13は、インクジェット記録装置200の概略構成図である。図13に示すインクジェット記録装置200
は、記録媒体222に直接画像を形成する直接記録方式が適用される。
次に、本発明に適用される他の装置例について説明する。図13は、インクジェット記録装置200の概略構成図である。図13に示すインクジェット記録装置200
は、記録媒体222に直接画像を形成する直接記録方式が適用される。
インクジェット記録装置200は、記録媒体222に第1の処理液を打滴(付与)する第1の処理液ヘッド212S1と、第1の処理液が打滴された記録媒体222にKYMCの各色インクを記録媒体222に打滴するヘッド212K,212Y,212M,212Cを含む印字部212と、KYMCの各色インクが打滴された後に、第2の処理液を打滴する第2の処理液ヘッド212S2と、記録媒体222上に残留する溶媒成分を除去する吸収ローラ218Aを含む溶媒除去部218と、を備えている。
給紙部(不図示)から送り出される記録媒体222は、吸着ベルト搬送部240に送られる。吸着ベルト搬送部240は、ローラ242、244間に無端状のベルト246が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも第1の処理液ヘッド212S1及び印字部212、第2の処理液ヘッド212S2、溶媒除去部218に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト246は、記録媒体222の幅よりも広い幅を有しており、ベルト面には多数の吸引口(不図示)が形成されている。図13(a)に図示したとおり、ローラ242、24
4(ローラ244は扁平化処理部223の支持ローラと兼用)に掛け渡されたベルト246の内側において、処理液付与部238及び印字部212、溶媒除去部218、扁平化処理部223に対向する位置には吸着チャンバー(不図示)が設けられており、この吸着チャンバーをポンプ(不図示)で吸引して負圧にすることによってベルト246上の記録媒体222が吸着保持される。
4(ローラ244は扁平化処理部223の支持ローラと兼用)に掛け渡されたベルト246の内側において、処理液付与部238及び印字部212、溶媒除去部218、扁平化処理部223に対向する位置には吸着チャンバー(不図示)が設けられており、この吸着チャンバーをポンプ(不図示)で吸引して負圧にすることによってベルト246上の記録媒体222が吸着保持される。
ベルト246が巻かれているローラ242、244の少なくとも一方にモータ(図13中不図示、図12に符号188で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト24
6は図13における反時計回り方向に駆動され、ベルト246上に保持された記録媒体222は図13の右から左へと搬送される。
6は図13における反時計回り方向に駆動され、ベルト246上に保持された記録媒体222は図13の右から左へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト246上にもインクが付着するので、ベルト246の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部(不図示)が設けられている。ベルト清掃部(不図示)の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部240に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が染み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
第1の処理液ヘッド212S1に代わり塗布ローラやブレードを含む構成を適用してもよい。なお、図13に示すインクジェット記録装置200のインクの供給系、ヘッド
212K,212Y,212M,212Cのメンテナンス機構、制御系については、図11及び図12に示した構成が適用される。
212K,212Y,212M,212Cのメンテナンス機構、制御系については、図11及び図12に示した構成が適用される。
なお、図13に図示を省略した構成としては、給紙部から送り出された記録媒体222のカールを除去するデカール処理部、長尺の記録媒体(ロール状の記録媒体)を用いる場合に、記録媒体を所定のサイズにカットするカッター、記録媒体222を加熱するヒータなどがある。
図13に示すインクジェット記録装置200は、記録媒体222に凝集処理液及びインクに対して非浸透性を有する媒体(非浸透媒体)を適用するときに、特に効果を発揮する。非浸透性媒体の一例を挙げると、コート紙、OHPフィルムなどの樹脂フィルム、金属シートなどが挙げられる。なお、記録媒体222の適用範囲は非浸透性を有する媒体に限定されず、普通紙などの浸透性を有する媒体に比べて浸透速度が遅い低浸透性を有する媒体を適用してもよい。
本発明の装置例として、インク液滴を用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されない。例えば、基板上に樹脂液(レジスト液)によってマスクパターンを形成する画像形成装置や、水、薬液等の液体を吐出し、当該液体を所定の形状にパターンニングして基板上に付着させる液体吐出装置などに広く適用することができる。
10,122,222…記録媒体、12…第1の処理液、14、34…インク液滴、16…凝集体、20…第2の処理液、24,118A,218A…吸収ローラ、100,200…インクジェット記録装置、112K,112Y,112M,112C,212K,212Y,212M,212C…インクジェットヘッド、112S1,212S1…第1の処理液ヘッド、112S2,212S2…第2の処理液ヘッド、116…中間転写媒体
Claims (8)
- 画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
前記インク液の凝集開始pH値未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与工程と、
前記第1の処理液付与工程の後に、前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインク液打滴工程と、
前記インク液打滴工程の後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であり前記第1の処理液のpH値未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与工程と、
前記第2の処理液付与工程の後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
前記インク液の凝集開始pH値未満であり、5.0以上7.0未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与工程と、
前記第1の処理液付与工程の後に、前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインク液打滴工程と、
前記インク液打滴工程の後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満であり、3.0以上5.0未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与工程と、
前記第2の処理液付与工程の後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 前記第2の処理液は、多価カチオン反応基を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
- 前記インク液は、前記第1の処理液と反応して凝集を開始するpH値を有する第1の分散粒子と、
前記第2の処理液と反応して凝集を開始するpH値を有する第2の分散粒子と、
を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成方法。 - 前記溶媒除去工程の後に、前記画像形成体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成方法。
- 画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記インク液の凝集開始pH値未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与手段と、
前記第1の処理液付与手段により前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにより前記インク液が打滴された後に、前記インク液が打滴された前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与手段と、
前記第2の処理液付与手段により前記画像形成体上に前記第2の処理液が付与された後
に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去手段と、
を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 画像形成体上に着色材を含有するインク液を用いて画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記インク液の凝集開始pH値未満であり、5.0以上7.0未満のpH値を有する第1の処理液を前記画像形成体に付与する第1の処理液付与手段と、
前記第1の処理液付与手段により前記第1の処理液が付与された前記画像形成体に対して画像データに基づいて前記インク液を打滴するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにより前記インク液が打滴された後に、前記画像形成体に対して前記インク液の凝集開始pH値未満であるとともに前記第1の処理液のpH値未満であり、3.0以上5.0未満のpH値を有する第2の処理液を付与する第2の処理液付与手段と、
前記第2の処理液付与手段により前記画像形成体上に前記第2の処理液が付与された後に、前記画像形成体上の溶媒を除去する溶媒除去手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記溶媒除去手段により前記画像形成体上の溶媒が除去された後に、前記画像形成体上に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載のインクジェット記録装置。
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