JP2009072927A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体から迅速なかつ安定した溶媒除去を行うことができる画像形成装置および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置において、中間転写体上に処理液を付与する処理液付与手段と、前記中間転写体上にインクを打滴するインク吐出手段と、回転駆動されながら前記中間転写体に当接され前記処理液と前記インクとが反応した後の溶媒を外周面に備わる凹部に回収するローラ部材と、前記中間転写体との当接位置から前記ローラ部材の回転方向下流側に設けられ、前記ローラ部材の外周面に対して気体を噴射し回収した前記溶媒を除去する気体噴射手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】図17

Description

本発明は画像形成装置および画像形成方法に係り、特に中間転写型画像形成装置の中間転写体における処理液とインクとが反応した後の溶媒の除去に関する。
特許文献1は、中間転写体上に微細な撥水構造を設け、撥水箇所以外の部分に仮固定したインク像を被記録媒体に転写することで、中間転写体上でのインクの移動を抑制し高精細な画像形成を可能にする、としている。
特許文献2,3は、フッ素ゴムやシリコーンゴムを使用した離型性を有する中間転写体に対し、プラズマ処理による表面改質を行うとしている。そして、画像形成から転写までの間に温風乾燥したり、中間転写体を裏面から加熱したりして、水分除去を促進させている。
特開2004−50449号公報 特開2005−14255号公報 特開2005−14256号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、親水部に仮固定されるインク滴から余剰溶媒成分の除去をすることなく、そのまま被記録媒体に転写している。そのため、転写時に液流れや被記録媒体のカールが生じたり、画像の定着性が低下するおそれがある。仮に、吸引エアーパイプに接続されたクリーニング用の吸引除去ローラを画像転写前の中間転写体に適用したとしても、吸引の力で色材剥離を生じたり、広幅画像を形成する中間転写体では幅方向における吸引力の不均一により全体的に均一な余剰溶媒成分の除去が図れないおそれがある。特に、絵柄によってインク液が幅方向に不均質に存在すると、より一層均一な余剰溶媒成分の除去が図れないおそれがある。
特許文献2に開示された発明は、加熱により水分を蒸発させるまでの時間が必要であり、安定した水分除去も図れないおそれがある。また、中間転写体を高温にすることにより画像変形などの不具合も生じるおそれがあるため、画像形成の高速処理に十分に対応できない。
また、インクの余剰溶媒を転写前に中間転写体上から除去するため、多孔質材の吸引ローラを中間転写体に当接させること、が考えられる。しかしながら、吸引の力で色材剥離を生じたり、広幅画像を形成する中間転写体では幅方向における吸引力の不均一により全体的に均一な余剰溶媒成分の除去が図れないおそれがある。特に、絵柄によってインク液が幅方向に不均質に存在すると、より一層均一な余剰溶媒成分の除去が図れないおそれがある。
また、画像を形成するインクを打滴する前に予め凝集処理剤を中間転写体上に増粘固定しておく方法(固体酸方式)においては、インクが打滴されない部分では凝集処理剤が増粘固定されたままである。そのため、インクが打滴されない部分では多孔質材の吸引ローラによって凝集処理剤を除去できない。したがって、その後の転写により凝集処理剤が被記録媒体に付着して画像の保存性を低下させたり、その後の中間転写体のクリーニング工程におけるクリーニング性が低下して連続処理での画像の品質低下を生じやすい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、中間転写体から迅速なかつ安定した溶媒除去を行うことができ、また、色材剥離を防止し、凝集処理剤を中間転写体上に増粘固定しておく場合においても、画像の保存性の維持や連続処理での品質維持を図ることができる画像形成装置及び画像形成方法、を提供すること、を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に処理液を付与する処理液付与手段と、前記中間転写体上にインクを打滴するインク吐出手段と、回転駆動されながら前記中間転写体に当接され前記処理液と前記インクとが反応した後の溶媒を外周面に備わる凹部に回収するローラ部材と、前記中間転写体との当接位置から前記ローラ部材の回転方向下流側に設けられ、前記ローラ部材の外周面に対して気体を噴射し回収した前記溶媒を除去する気体噴射手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体から迅速なかつ安定した溶媒除去を行うことができる。また、色材剥離を防止しつつ溶媒除去を図ることができ、広幅画像を形成する中間転写体であっても全体的に均一な溶媒除去を図ることができる。
例えば、前記ローラ部材としては、所定の凹形状を有する細密なセルがローラ表面に所定の密度で多数形成されているグラビアローラが好適に用いられる。
本発明の一態様として、前記インク吐出手段は、前記処理液付与手段によって処理液が付与された前記中間転写体上にインクを打滴し、前記中間転写体における前記溶媒の量に応じて前記気体噴射手段から噴射される気体の量を制御する制御手段を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、中間転写体における溶媒の量に関らず、安定した溶媒除去を行うことができる。
本発明の一態様として、前記ローラ部材の外周面にミスト状の流体を噴射するミスト噴射手段を有し、前記制御手段は、前記中間転写体における前記溶媒の量に応じて前記ミスト状の流体の液比率を制御すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、中間転写体における溶媒の量に関らず、安定した溶媒除去を行うことができる。
本発明の一態様として、前記ローラ部材の軸方向における前記凹部の線数は100〜200線/インチであること、を特徴とする。
かかる態様によれば、被転写媒体において中間転写体にローラ部材が接触した時の凹部の痕の視認性が低くなり、画質を良好に保つことができる。また、凹部の形状を格子型とすれば三角形状型などに比べ、溶媒除去量を多くすることができる。なお、凹部の形状としては、らせん状の溝(図8(c)参照)でもよい。
本発明の一態様として、前記ローラ部材を前記溶媒の沸点以下で、かつ、前記インクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲内の温度に加熱するローラ加熱手段を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、加熱により処理液中の凝集処理剤の溶解やローラ部材の離型性の向上を促進させ、溶媒除去力を向上させることができる。
本発明の一態様として、前記気体噴射手段から噴射される気体を前記溶媒の沸点以下で、かつ前記インクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲内の温度に加熱する気体温調手段を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、加熱により処理液中の凝集処理剤の溶解やローラ部材の離型性の向上を促進させ、溶媒除去力を向上させることができる。
本発明の一態様として、前記ミスト噴射手段から噴射されるミスト状の流体を前記溶媒の沸点以下で、かつ、前記インクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲内の温度に加熱するミスト温調手段を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、加熱により処理液中の凝集処理剤の溶解やローラ部材の離型性の向上を促進させ、溶媒除去力を向上させることができる。
本発明の一態様として、前記ミスト噴射手段から噴射されるミスト状の流体には、前記処理液または前記インクに含有される高沸点溶媒と前記インクに含有されるポリマー微粒子のうち少なくとも一方が含まれること、を特徴とする。
本発明の一態様として、中間転写体上に処理液を付与する処理液付与工程と、前記中間転写体上にインクを打滴するインク吐出工程と、外周面に凹部を備え回転駆動されるロール部材が前記中間転写体に当接され前記処理液と前記インクとが反応した後の溶媒を前記凹部に回収する溶媒回収工程と、前記中間転写体との当接位置から前記ローラ部材の回転方向下流側に設けられる気体噴射手段が前記ローラ部材の外周面に対して気体を噴射することにより前記溶媒回収工程において回収した前記溶媒を除去する溶媒除去工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、中間転写体から迅速なかつ安定した溶媒除去を行うことができ、また、色材剥離を防止し、凝集処理剤を中間転写体上に増粘固定しておく場合においても、画像の保存性の維持や連続処理での品質維持を図ることができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。ここではインクジェット記録装置への適用を例に説明する。
〔第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成〕
まず、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置について説明する。図1は第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置10は、非浸透媒体たる中間転写体12上に画像(一次画像)を記録した後に、普通紙等の記録媒体14に転写を行って本画像(二次画像)を形成する転写方式が適用された記録装置であり、主な構成要素として、中間転写体12に対して凝集処理剤(画像形成用液体、以後、本実施形態において、単に「処理液」という場合もある)を付与する処理液塗布部16(本発明による「液体塗布装置」が適用される部分に相当)と、中間転写体12上に付与された処理液の乾燥及び冷却を行うための加熱部18及び冷却器20と、中間転写体12に対して複数色のインク(画像形成用液体)を付与する印字部(インク打滴部)22と、インク打滴後に中間転写体12上の液体溶媒(余剰溶媒)を除去する溶媒除去部24と、中間転写体12上に形成されたインク画像を記録媒体14に対して転写を行う転写部26と、転写部26に対して記録媒体14を供給する給紙部28と、転写後の中間転写体12を清掃するクリーニング部(第1クリーニング部30、第2クリーニング部32)とを備えて構成される。
本例に用いる処理液及びインクの組成については後で詳説するが、処理液はインクに含有される着色材を凝集させる作用を有する酸性液である。インクはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の着色材(顔料)を含有する着色インクである。
中間転写体12には無端状ベルトが適用される。この中間転写体(無端状ベルト)12は複数のローラ(図1では3つの張架ローラ34A〜34Cと転写ローラ36を図示したが、ベルトの巻き掛け形態は本例に限定されない)に巻き掛けられた構造を有し、張架ローラ34A〜34C及び転写ローラ36の少なくとも1つにモータ(図1中不図示、図31に符号288として図示)の動力が伝達されることにより、中間転写体12は、図1において反時計回り方向(矢印Aで示す方向)に駆動される。なお、符号34Cで示した張架ローラは、ベルトの蛇行補正と張力付与を行うテンショナーである。
中間転写体12は、印字部22と対向する表面(画像形成面)12Aの少なくとも一次次画像が形成される画像形成領域(不図示)について、樹脂、金属やゴムなどのインク液滴が浸透しない非浸透性を有している。また、中間転写体12の少なくとも画像形成領域は、所定の平坦性を有する水平面(フラット面)をなすように構成されている。
中間転写体12の画像形成面12Aを含む表面層に用いられる好ましい材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等の公知の材料が挙げられる。
また、中間転写体12の表面層の表面張力は10mN/m以上40mN/m以下とする態様が好ましい。中間転写体12の表面層の表面張力を40mN/m以上とすると、一次画像が転写される記録媒体14との表面張力差がなくなり(または、極めて小さくなり)、インク凝集体の転写性が悪化する。更に、中間転写体12の表面層の表面張力が10mN/m以下であると、処理液のぬれ性を考慮した場合に、処理液の表面張力を中間転写体12の表面層の表面張力よりも小さくする必要があり、処理液の表面張力を10mN/m以下とすることが困難となり、中間転写体12及び処理液の設計自由度(選択範囲)が狭くなる。
本実施形態における中間転写体12としては、耐久性と普通紙転写性の観点からポリイミドなどの基材に表面エネルギー15〜30mN/m(=mJ/m)程度の弾性材料を30〜150μm程度の厚みで付与したものが望ましく、シリコンゴムやフッ素ゴム、フッ素系エラストマーなどのコーティングが好適である。
処理液塗布部16は、後述の第1クリーニング部30によるクリーニング工程後の中間転写体12に下塗液となる処理液(凝集処理剤)を付与するものであり、印字部22よりも中間転写体搬送方向上流側に配置される。処理液塗布部16に適用される液体塗布装置の詳細な構造は後述するが、中間転写体12に対する処理液の塗布はグラビアローラ38のリバースコートによる画像形成部への選択的な付与が望ましい。
即ち、本例の処理液塗布部16は、塗布用ローラとしてのグラビアローラ(「ローラ部材に相当」)38と、処理液容器40を含んで構成される。処理液を付着させたグラビアローラ38を中間転写体12に接触させながら、中間転写体12の搬送方向と逆方向にグラビアローラ38を回転させることにより、処理液が中間転写体12の画像形成面12Aに塗布される。
また、処理液にはインク打滴時の色材固定性と転写性の向上を目的に1〜5重量%のポリマー樹脂(微粒子)を含有しておく態様が好ましい。
処理液塗布部16の下流側かつ印字部22よりも上流側に加熱部18が配置される。本例の加熱部18は、50〜100℃の範囲で温度制御されるヒータが用いられている。処理液塗布部16によって中間転写体12上に付与された処理液は、この加熱部18を通過することで加熱され、溶媒成分が蒸発し、乾燥する。これにより、中間転写体12の表面に固体状または半固溶状の凝集処理剤層(処理液が乾燥した薄膜層)が形成される。
ここでいう「固体状または半固溶状の凝集処理剤層」とは、以下に定義する含水率が0〜70%の範囲のものを言うものとする。
Figure 2009072927
加熱部18の中間転写体搬送方向下流側かつ印字部22よりも上流側には、冷却器20が配設されている。この冷却器20は中間転写体12の裏面側に配置されている。冷却器20は、所定の温度範囲に制御可能であり、本実施形態では例えば、40℃に制御される。加熱部18の加熱乾燥により凝集処理剤層が形成された中間転写体12を冷却器20にて40℃程度に低温化することで、中間転写体12からの輻射熱を低減し、印字部22におけるヘッドのノズル内インクの乾燥を抑制する。
冷却器20の後段に配置された印字部22は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各インク色に対応したインクジェット方式の液体吐出ヘッド(以下「ヘッド」という。)22Y、22M、22C、22Kを備える。
冷却器20を通過した中間転写体12上の凝集処理剤層に対し、印字部22の各ヘッド22Y、22M、22C、22Kから画像信号に応じて各色(CMYK)の顔料インクを吐出して凝集処理剤層の上に打滴を行う。本例の場合、各ヘッド22Y、22M、22C、22Kによるインク吐出体積は約2plであり、記録密度は主走査方向(中間転写体12の幅方向)及び副走査方向(中間転写体12の搬送方向)ともに1200dpiで記録される。インクには成膜性を有するポリマー樹脂(微粒子)を含有しておくことも可能であり、かかる態様の場合、転写工程や定着工程により、耐擦性や保存安定性が向上する。
凝集処理剤層上にインク液滴を着弾させると、飛翔エネルギーと表面エネルギーとのバランスにより、インクと凝集処理剤層との接触面が所定の面積にて着弾する。インクが凝集処理剤上に着弾した直後に凝集反応が始まるが、凝集反応はインクと凝集処理剤層との接触面から始まる。凝集反応は接触面近傍のみで起こり、インク着弾時における所定の接触面積で付着力を得た状態でインク内の色材が凝集されるため、色材移動が抑止される。
このインク液滴に隣接して他のインク液滴が着弾しても先に着弾したインクの色材は既に凝集化しているので後から着弾するインクとの間で色材同士が混合せず、ブリードが抑止される。なお、色材の凝集後には、分離されたインク溶媒が広がり、凝集処理剤が溶解した液体層が中間転写体12上に形成される。
上記のように、凝集処理剤層上に着弾したインクは凝集反応により、顔料の凝集体が形成され、溶媒と分離する。顔料の凝集体と分離した溶媒(残溶媒)成分は、印字部22の後段に配置されている溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42によって中間転写体12上から除去される。
ここで用いる溶媒除去ローラ42は、塗布用のグラビアローラと同様の原理で表面の溝(セル)に液体をトラップするものが好適である。溶媒除去ローラ42に捕獲された液はエア噴射や液体噴射等によって溶媒除去ローラ42から除去される。
このように、溶媒除去ローラ42によって中間転写体12の画像形成面12A上の溶媒を除去する態様では、中間転写体12上の溶媒が好適に除去されるため、転写部26で記録媒体14に多量の溶媒(分散媒)が転写されることはない。したがって、記録媒体14として普通紙等の紙類が用いられるような場合でも、カール、カックルといった水系溶媒に特徴的な問題が防止できる。
また、溶媒除去部24により、インク凝集体から余分な溶媒を除去することによって、インク凝集体を濃縮し、より内部凝集力を高めることができる。これによりインク凝集体に含まれる樹脂粒子の融着が効果的に促進され、転写部26による転写工程までにより強い内部凝集力をインク凝集体に付与することができる。更に、溶媒除去によるインク凝集体の効果的な濃縮により、記録媒体14に画像を転写した後も良好な定着性や光沢性を画像に付与することができる。
この溶媒除去部24によって、中間転写体12上の溶媒すべてを除去する必要は必ずしもない。過剰に除去しすぎてインク凝集体を濃縮しすぎるとインク凝集体の転写体の付着力が強くなりすぎて、転写に過大な圧力を必要とするため好ましくない。むしろ転写性に好適な粘弾性を保つためには、少量残留させることが好ましい。
中間転写体12上の溶媒を少量残留させることで得られる効果として、次のことが挙げられる。即ち、インク凝集体は疎水性であり、揮発しにくい溶媒成分(主にグリセリンなどの有機溶剤)は親水性であるので、インク凝集体と残留溶媒成分は溶媒除去実施後に分離し、残留溶媒成分からなる薄い液層がインク凝集体と中間転写体との間に形成される。したがって、インク凝集体の中間転写体12への付着力は弱くなり、転写性向上に有利である。
なお、画像内容によって中間転写体12上に打滴されるインク量が異なるため、白地の多い画像(インク量が少ない画像)に対しては、それを補うためにミスト噴射ノズル43からミスト噴射を行い、中間転写体12上の水分量を所定の許容範囲内で安定化させるようになっている。
溶媒除去部24の中間転写体搬送方向下流側、かつ転写部26の手前には、中間転写体12の汚れを検出するための汚れ検出部44と、予備加熱手段としてのプレヒータ46が配置されている。本例のプレヒータ46は、中間転写体12の裏面12B側に配設されており、一次画像が形成された中間転写体12を裏面12B側から加熱する構成となっている。
プレヒータ46の加熱温度範囲は90〜130℃であり、転写部26における転写時の加熱温度(本例では90℃)以上に設定されている。中間転写体12の画像形成領域を予備加熱してから、転写部26にて中間転写体12から記録媒体14上に形成画像を転写することにより、予備加熱を行わない場合に比べて転写部26の加熱温度を低く設定することが可能となり、更に、転写部26の転写時間を短くすることができる。
転写部26は、ヒータ(図1中不図示、図31に複数のヒータを代表して符号289で図示)を有した転写ローラ36と、これに対向して配置される加熱加圧ニップ用の加圧ローラ48とを含んで構成される。これら転写ローラ36と加圧ローラ48の間に中間転写体12と記録媒体14とを挟み込み、所定の温度に加熱しながら、所定の圧力(ニップ圧)で加圧することにより、中間転写体12上に形成された一次画像を記録媒体14に転写する構成となっている。
転写部26における転写時のニップ圧を調整するための手段としては、例えば、転写ローラ36又は加圧ローラ48、若しくはその両方を図1の上下方向に移動させる機構(駆動手段)が挙げられる。
転写時の好ましいニップ圧力は1.5〜2.0MPaであり、好ましい加熱温度(ローラ温度)は80〜120℃である。本例では、転写ローラ36及び加圧ローラ48はともに90℃に設定される。なお、転写ローラ転写時の加熱温度を高くしすぎると、中間転写体12の変形等の問題があり、その一方、加熱温度が低すぎると転写性が悪化するという問題がある。
また、転写前に予め記録媒体14を給紙部28にて70〜100℃に予備(プレ)加熱しておくと転写性が一層向上して好適である。本例の場合、記録媒体14の予備加熱手段として、給紙部28にヒータ50を備えている。ヒータ50によって予備加熱された記録媒体14は、粘着ローラ52、53の対からなる給紙ローラによってニップ搬送され、転写部26へと送られる。
給紙部28の構成としては、ロール紙(連続用紙)のマガジンを備える態様、或いは、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給する態様がある。ロール紙を使用する装置構成の場合、裁断用のカッターが設けられており、該カッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンやカセットを併設してもよい。
複数種類の記録媒体を利用可能な構成にした場合、メディアの種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
本例に適用される記録媒体14の具体例を挙げると、普通紙(上質紙、再生紙を含む)、インクジェット専用紙などの浸透性媒体、コート紙などの非浸透性又は低浸透性の媒体、裏面に粘着剤と剥離ラベルの付いたシール用紙、OHPシートなどの樹脂フィルム、金属シート、布、木など様々な媒体がある。
転写部26に送られた記録媒体14は、転写ローラ36と加圧ローラ48によって所定の温度及び所定のニップ圧で加熱加圧され、中間転写体12上の一次画像が記録媒体14上に転写される。転写部26を通過した記録媒体14(印刷物)は、剥離爪56によって中間転写体12から分離され、図示せぬ搬送手段によって機外へと排出される。図1には示さないが、印刷物の排出部には、プリントオーダー別に印刷物を集積するソーターが設けられる。
なお、中間転写体12から剥離した記録媒体14(印刷物)は機外排出前に図示せぬ定着工程を通してもよい。定着部は、例えば、温度及び加圧力の調整可能な加熱ローラ対を含んで構成される。このような定着工程を付加することにより、インクに含有されるポリマー微粒子を造膜させる(画像の最表面にポリマー微粒子が溶解した薄膜が形成される)ことで、耐擦性や保管性が一段と向上する。定着工程における加熱温度は100〜130℃、加圧力は2.5〜3.0MPaが好ましく、添加したポリマー樹脂の温度特性(成膜温度:MFT)などに応じて最適化される。もちろん、転写部26における転写工程において、転写性と造膜化が両立することができれば、定着部を省略する態様も可能である。
転写部26による転写工程後、剥離爪56による剥離部を通過した中間転写体12は、第1クリーニング部30に到達する。
第1クリーニング部30は、蒸留水や精製水などの水や前記溶媒除去部24で回収した溶媒、又はこれら液体に海面活性剤などを添加した洗浄液を用いて中間転写体12の洗浄を行う手段であり、洗浄液を噴射する洗浄液噴射部60、中間転写体12の画像形成面12Aに接触させて中間転写体搬送方向に対して逆回転する回転ブラシ62、及び中間転写体12面を摺動払拭するブレード64を含んで構成される。また、第1クリーニング部30における中間転写体12の裏面側にはヒータ65が配設されている。この第1クリーニング部30は、主に、記録媒体14への画像転写終了後の中間転写体12をクリーニングする手段として機能する。
第1クリーニング部30で実施される洗浄液による液体クリーニング工程は、高速連続処理に好適だが、僅かな残留物が中間転写体12上に残留しやすく、中間転写体12のエッジ部分を安定にクリーニングするのも限界がある。このため長時間の稼動による残留物の堆積で転写性や質感の低下、装置の汚染や動作不良などの不具合を生じる場合がある。
或いはまた、機内冷却用の外気の取り込みや機内発塵、メンテナンス作業などで中間転写体に砂塵などの硬質の塵埃が付着すると第1クリーニング部30での液体クリーニング時に拭払部材(回転ブラシ62やブレード64)との間に挟まり、中間転写体12に擦り傷などの損傷を生じる場合がある。
このような問題に対処する観点から、本実施形態では、粘着手段(塵埃除去用の粘着ローラ66,68)を利用する第2クリーニング部32を備えている。第2クリーニング部32は、中間転写体12の表面(12A)に対して接触及び離間の移動制御が可能な粘着ローラ66,68と、これら粘着ローラ66,68が接触し得るクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70を含んで構成される。この第2クリーニング部32は、図示のように、張架ローラ34Aと対向する位置に配置される。なお、図1中、符号72,73は押さえローラである。
インクジェット記録装置の立ち上げ時、待機時、バッチ処理間時などの非画像形成時、或いは、画像形成時の液体クリーニング前に、粘着ローラ66,68を中間転写体12に接触させて回転させることにより、中間転写体12上の異物を粘着ローラ66,68に付着させて、中間転写体上から異物(塵埃)を除去し、中間転写体表面を清掃する。
粘着ローラ66,68の表面に付着した異物は、粘着ローラ66,68を中間転写体12から離間させた際に、粘着ローラ66,68をクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70に接触させて回転させることにより、粘着ローラ66,68上の異物をクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70に移動させることができる。これにより、粘着ローラ66,68の表面をクリーニングできる。
次に、インクジェット記録装置10の要部の構成について更に詳説する。
〔印字部の構成〕
図1に示したように、印字部22は、中間転写体搬送方向に沿って上流側から、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、各色に対応したヘッド22Y、22M、22C、22Kが並んで設けられている。
インク貯蔵/装填部74は、各ヘッド22Y、22M、22C、22Kにそれぞれ供給するインク液を各々貯蔵するインクタンクを含んで構成される。各インクタンクは所要の流路を介してそれぞれ対応するヘッドと連通されており、各ヘッドに対してそれぞれ対応するインク液を供給する。インク貯蔵/装填部74は、タンク内の液体残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、液体間の誤装填を防止するための機構を有している。
インク貯蔵/装填部74の各インクタンクから各ヘッド22Y、22M、22C、22Kにインクが供給され、各ヘッド22Y、22M、22C、22Kから中間転写体12の画像形成面12Aに対してそれぞれ対応する色インクが打滴される。
図2は、印字部22の平面図である。同図に示すように、各ヘッド22Y、22M、22C、22Kは、それぞれ中間転写体12における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズル(図1中不図示、図3に符号81で図示)が複数配列されたノズル列を有するフルライン型のヘッドとなっている。各ヘッド22Y、22M、22C、22Kは、中間転写体搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
中間転写体12の幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドを吐出液別に設ける構成によれば、中間転写体12の搬送方向(副走査方向)について、中間転写体12と印字部22を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、中間転写体12の画像形成領域に画像(一次画像)を形成することができる。これにより、中間転写体搬送方向と直交する方向(主走査方向;図2参照)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドが適用される場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
〔ヘッドの構造〕
次に、各ヘッドの構造について説明する。色別のヘッド22Y、22M、22C、22Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号80によってヘッドを示すものとする。
図3(a)はヘッド80の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。記録媒体14上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド80におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド80は、図3(a)、(b) に示したように、インク吐出口であるノズル81と、各ノズル81に対応する圧力室82等からなる複数のインク室ユニット(記録素子単位としての液滴吐出素子)83を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(中間転写体12の搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
中間転写体12の搬送方向(図3中矢印S)と略直交する方向(図3中矢印M)に中間転写体12の画像形成領域の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は図示の例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図4 に示すように、複数のノズル81が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール80’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで長尺化することにより、全体として中間転写体12の画像形成領域の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル81に対応して設けられている圧力室82は、その平面形状が概略正方形となっており(図3(a)、(b) 参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル81への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)84が設けられている。なお、圧力室82の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図5は、ヘッド80における記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル81に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の5−5線に沿う断面図)である。
図5に示したように、各圧力室82は供給口84を介して共通流路85と連通されている。共通流路85はインク供給源たるインクタンク(図5中不図示;図1の符号74と等価なもの)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路85を介して各圧力室82に供給される。
圧力室82の一部の面(図3において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)86には個別電極87を備えたアクチュエータ88が接合されている。個別電極87と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ88が変形して圧力室82の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル81からインクが吐出される。なお、アクチュエータ88には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ88の変位が元に戻る際に、共通流路85から供給口84を通って新しいインクが圧力室82に再充填される。
入力画像からデジタルハーフトーニング処理によって生成されるドットデータに応じて各ノズル81に対応したアクチュエータ88の駆動を制御することにより、ノズル81からインク滴を吐出させることができる。中間転写体12を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル81のインク吐出タイミングを制御することによって、中間転写体12上に所望の画像(ここでは、転写前の一次画像)を記録することができる。
上述した構造を有するインク室ユニット83を図6に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット83を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影(正射影)されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル81が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影される実質的なノズル列の高密度化を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、中間転写体12の幅方向(中間転写体12の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図6に示すようなマトリクス状に配置されたノズル81を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル81-11 、81-12 、81-13 、81-14 、81-15 、81-16 を1つのブロックとし(他にはノズル81-21 、…、81-26 を1つのブロック、ノズル81-31 、…、81-36 を1つのブロック、…として)、中間転写体12の搬送速度に応じてノズル81-11 、81-12 、…、81-16 を順次駆動することで中間転写体12の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと中間転写体12とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。即ち、本実施形態では、中間転写体12の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ88の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔凝集処理剤の調整〕
(処理液の例1)
[表1]に示す組成にて処理液(例1)を調整した。この調整により得られた処理液(例1)の物性値を測定した結果、pH3.6、表面張力28.0mN/m、粘度3.1mPa・sであった。
Figure 2009072927
(処理液の例2)
更に[表2]に示す組成にて界面活性剤を添加した処理液(例2)を調整した。この調整により得られた処理液(例2)の物性値を測定した結果、pH3.5、表面張力18.0mN/m、粘度10.1mPa・sであった。
Figure 2009072927
[表2]で用いたフッ素系界面活性剤1の化学式を[化1]に示す。
Figure 2009072927
〔インクの調整〕
本実施形態で用いるインクの調整例を以下に示す。
(ポリマー分散)シアンインクの調液
反応容器に、スチレン6質量部、ステアリルメタクリレート11質量部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4質量部、プレンマーPP−500(日本油脂製)5質量部、メタクリル酸5質量部、2−メルカプトエタノール0.05質量部、メチルエチルケトン24質量部を調液した。
一方、滴下ロートにスチレン14質量部、ステアリルメタクリレート24質量部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)9質量部、プレンマーPP−500(日本油脂製)9質量部、メタクリル酸10質量部、2−メルカプトエタノール0.13質量部、メチルエチルケトン56重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2 重量部を入れ、混合溶液を調整した。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2 重量部をメチルエチルケトン12重量部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤溶液を得た。
得られたポリマー分散剤溶液の一部を、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC-8220GPCにて、TSKgel SuperHZM-H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000を3本直列につなぎ測定し、ポリスチレン換算で質量平均分子量25,000であった。
得られたポリマー分散剤を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L水酸化ナトリウム8.0g、イオン交換水82.0g、0.1mmジルコニアビーズ300gをベッセルに添加し、レディーミル分散機(アイメックス製)で1000rpm6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが十分留去できるまで減圧濃縮し、顔料濃度が10%になるまで濃縮した。得られたシアン分散液の顔料粒径は77nmであった。
シアン分散を用いて[表3]に示す組成になるようにインクを調液し、調液後5μmフィルターで粗大粒子を除去し、シアンインク(C1−1)を調整した。得られたシアンインクC1−1の物性値を測定した結果、pH9.0、表面張力32.9mN/m、粘度3.9mPa・sであった。
Figure 2009072927
上記と同様にして、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクも調液した。
〔添加ポリマーについて〕
前述した処理液(凝集処理剤)やインクには、適宜ポリマー樹脂などの粒子が添加される。処理液には色材固定や転写改善用として粒径1〜5μm、融点60〜120℃の粒子を入れるのが望ましく、インクには画像定着用として粒径1μm以下、ガラス点移転点40〜60℃の粒子を1〜5%入れるのが好ましい。表4に例を示す。
Figure 2009072927
〔処理液塗布部の構成〕
(液体塗布装置の第1例)
図7は、処理液塗布部16に適用される液体塗布装置の第1例を示す構成図である。なお、同図において、中間転写体12は左から右へと搬送されるものとする。図7に示す液体塗布装置100は、搬送される中間転写体12に対して、グラビアローラ38を押し当て、該グラビアローラ38を中間転写体12の搬送方向と逆方向(同図において反時計回り方向)に所定の一定速度で回転駆動することにより、中間転写体12の所望領域に対して選択的に処理液を付与する装置(ここでは、中間転写体搬送方向についての塗布領域の制御を行うもの)である。
本例の液体塗布装置100は、処理液を貯留した処理液供給タンク102から送液ポンプ104によって処理液が汲み上げられ、処理液容器40に処理液が導入される。処理液容器40の底面から所定の高さ位置にドレイン流路106が設けられており、オーバーフローした液はドレイン流路106を介して処理液供給タンク102に戻るため、処理液容器40内における処理液108の液面高さが一定に保たれる。
グラビアローラ38は、その表面にピラミッド型や格子型(角錐台型)などに彫られた精密なセル(図8(a),(b)参照)が所定の密度で多数形成された塗布用ローラであり、中間転写体12の被塗布面の幅寸法と同等以上の長さ(幅寸法)を有する。ローラ面上におけるセルの配列形態は特に限定されないが、回転方向に対して直交しない斜め方向の線に沿ってセルが並ぶ形態が好ましい。セルの形状、深さ、セル容積、密度等は、塗布すべき液量(塗布後の液膜の厚さ)に応じて適宜選択される。なお、グラビアローラは、別名アニロックスローラ、プレシジョンローラとも呼ばれる。
このグラビアローラ38の一部(図7において下側の部分)を図7に示すように、処理液容器40内の処理液108に浸すことで、セル内に処理液が入り込み、ローラ表面に処理液が付着する。
処理液容器40内には、グラビアローラ38の表面から処理液の余剰分を掻き落とす手段としてのスキージブレード110が立設されている。このスキージブレード110は、その先端部がグラビアローラ38に接するように配設され、該先端部はグラビアローラ38の周面を押す方向に付勢されている。当該付勢力はスキージブレード110自体の弾性変形によるものであってもよいし、バネその他の付勢部材(図示せず)を用いて外部から付与するものでもよい。
処理液108に浸漬させたグラビアローラ38を回転させながら、スキージブレード110で余剰液を掻き落とすことにより、セル内に保持された処理液のみがスキージブレード110を抜けてくる。
また、本実施形態では、中間転写体12の搬送方向について処理液の塗布範囲を制御する観点から、液体塗布装置100において、グラビアローラ38の回転方向に対して、スキージブレード110の下流側に、グラビアローラ38表面の開口範囲を回転方向に絞る(制限する)ように遮蔽部材112が配置され、この遮蔽部材112とスキージブレード110との間(上記の開口範囲)に露出するグラビアローラ38の表面に対して、図示のように斜め上方から水などの液体や空気などの気体(以下これらを包括して「置換流体」という。)を噴射する置換流体噴射部114が配設される。
置換流体噴射部114は、グラビアローラ38の全幅に対して置換流体を吹き付ける噴射範囲を有する。置換流体噴射部114から置換流体を噴射することにより、グラビアローラ38のセルから処理液が除去される。即ち、置換流体として液体を用いる場合には、セル内の処理液が置換流体の液体に置換される。その一方、エア噴射など気体を用いた場合には、セル内から処理液が吹き飛ばされる(空気により置換される)。
置換流体の噴射によるグラビアローラ38上からの処理液の除去範囲を制御することにより、中間転写体12への処理液の塗布範囲(中間転写体搬送方向についての領域)を制御できる。中間転写体12上の非画像形成部に相当する領域に対して、選択的に置換流体を噴射することで、中間転写体12上の非画像形成部への処理液の塗布は行われず、画像形成部のみについて処理液を塗布することができる(図16(a)参照)。
かかる態様によれば、不要な領域への処理液の塗布を抑制でき、カット紙に画像を転写形成する場合でも加圧ローラ48への凝集処理液の付着が防止できる。このため、装置の動作が安定し、経時での汚れや腐食などの信頼性も向上する。
なお、グラビアローラ38の表面(特に凹部)に無電解PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)共析メッキやPFA(パラホルムアルデヒド)コーティングなどの撥液処理を施し表面エネルギーを25〜40mN/m(=mJ/m)程度にしておけば凝集処理剤の離型性が向上して好ましく、凝集処理剤の表面張力は18〜28mN/m(=mJ/m)(表1、表2準拠)と低いため塗布性の確保も可能である。
グラビアローラ38の回転駆動手段(図示せず)は、インバータモータによるダイレクト駆動(軸直結)が好ましい態様であるが、かかる構成に限らず、各種モータと減速機(ギア等)との組み合わせや、各種モータとタイミングベルト等の巻き掛け伝動手段との組み合わせなどであってもよい。
また、グラビアローラ38は、図示せぬ移動機構(当接/離間機構)によって図7の上下方向に移動自在に支持されており、中間転写体12に対してグラビアローラ38を押し当てた状態(図7に示したニップ状態)と、中間転写体12から離間(退避)させた状態とに切り替える制御を行うことができる。
中間転写体12を挟んでグラビアローラ38の反対側(図7における上側)には、押さえローラ116,117が配置されている。2本の押さえローラ116,118は、中間転写体12の搬送方向に所定の間隔で平行に並んで配置されており、グラビアローラ38は、中間転写体12搬送方向に関して2本の押さえローラ116,118の略中間に位置する。
塗布時には図示のように、グラビアローラ38を中間転写体12に押し当て、押さえローラ116,118の間に中間転写体12を押し上げる。押さえローラ116,118とグラビアローラ38の間に挟まれた中間転写体12はグラビアローラ38の上部周面に沿って湾曲し、グラビアローラ38との密着性が高まり、接触面積も確保される。中間転写体12に対するグラビアローラ38の押し付け量を制御することにより、グラビアローラ38に対する中間転写体12の巻き付け角を調整できる。
このニップ状態で中間転写体12を一定速度で搬送し、かつ中間転写体搬送方向に対してグラビアローラ38を逆回転させることにより、被塗布部材たる中間転写体12の画像形成面12Aに均質な膜厚による薄膜塗布が可能である。なお、このとき、押さえローラ116,118は中間転写体12の搬送に伴い、搬送方向に追従した回転方向に回転する。また、待機中などの非塗布時にはグラビアローラ38を離間させておくことで第1クリーニング部30や第2クリーニング部32でのクリーニングが安定して行え、中間転写体12のダメージも軽減できる。
本例の液体塗布装置100において、特に、グラビアローラ38のセルの密度を100〜250線/インチにすれば塗布パターンの視認性が低く、塗布厚も1〜25μm程度の均質な薄膜塗布が可能である。更に、セルの密度を150〜200線/インチにすれば2〜10μm程度の均質な液膜が形成でき、中間転写体上での液流れを生じず、インク打滴時の色材固定性も良好となる点で一層好ましい。
なお、塗布用のローラ部材としては、グラビアローラ38に限定されず、図8(c)に示すように、表面にらせん状の溝が形成されたスパイラルローラ39(例えば、オーエスジー株式会社製の「D−Bar」(商品名)のような塗工用バーや公知のワイヤーバーなど)を用いることも可能である。スパイラルローラ39の溝の形状、ピッチa、溝深さb等は、塗布すべき液量(塗布後の液膜の厚さ)に応じて適宜選択される。例えば、本実施形態の液体塗布装置100の場合、ピッチa=0.08〜0.2mm、溝深さb=5〜20μmのスパイラルローラが好適である。
更に、本例の液体塗布装置100では、置換流体の噴射により除去された処理液が噴射位置からスキージブレード110に沿って略下方向に流れ落ちるようにスキージブレード110及び置換流体噴射部120が配設されている。即ち、スキージブレード110の先端部は図7において、概ねグラビアローラ38の3時の位置に当接し、該スキージブレード110と遮蔽部材112との間の領域に噴射された置換流体によってグラビアローラ38から除去された液(置換流体が液体の場合、この置換流体も含む)は、スキージブレード110の斜面110Aを伝って略重力方向に流下する。これにより、スキージブレード110先端部への液溜まりを防止し、除去の制御性を向上させながら除去液の飛散も防止している。
また、本例のスキージブレード110は、処理液容器40の内部を区画する仕切り部材(隔壁部材)として兼用されている。図7においてスキージブレード110を境にその左側が処理液108を貯める領域(塗布液皿として機能する部分)であり、右側は置換流体によって除去された除去液を回収するための回収領域となる。処理液容器40の処理液108を貯める領域の底部には、処理液を加熱するためのヒータ122が設けられるとともに、処理液排出口124が形成されている。該処理液排出口124は処理液排出弁126を介して処理液回収タンク128に接続されている。
処理液排出弁126を開放すれば、処理液容器40から処理液108を抜くことができ、処理液排出弁126を閉じて送液ポンプ104を駆動することにより、処理液容器40内に処理液108を貯めることができる。
一方、スキージブレード110で区画された除去液の回収領域の底部には、除去液排出口130が形成されており、該除去液排出口130は除去液排出弁132を介して除去液回収タンク134に接続されている。
このように、スキージブレード110自体で隔壁を形成することで凝集処理液と除去液との分離が可能であり、除去液の独立回収が可能となる。なお、置換流体として空気を用いれば簡単な構成での除去が可能であり、また、第1クリーニング部30(図1参照)を通過した中間転写体12に僅かに残存した界面活性剤や高沸点溶媒が潤滑剤の役目を果たすので、空気を用いてローラ表面の塗布液を除去した場合でも中間転写体12の損傷を防止できる。更に、除去液として回収した液を塗布用の処理液として再利用することも可能である。
その一方で、置換流体として液体や液体ミストを用いれば潤滑効果が向上し、特に、精製水などの水を用いれば凝集処理剤が効果的に希釈洗浄され15〜30mN/m(=mJ/m)程度の前述の低表面エネルギーの中間転写体12では凝集処理剤の付着量も少なく、凝集処理剤加熱部での乾燥も可能なため、一層安定な除去が可能となる。
置換流体噴射部114に適用される噴射部材の一例として、空気噴射の場合は図9のように、噴射面にφ0.5〜1mm程度のノズル140が1〜3mmピッチで幅方向に並んだラインスプレー142を用いることができる。このようなラインスプレー142を図10のように複数並べることで所要の噴射幅を実現し、圧力0.1〜0.5MPaの範囲で、吹き付け面の全域に概ね均等な衝撃力(インパクト)500〜1500mNを与えることができる。
また、液体噴射の場合は、例えば、オリフィス径0.2〜0.6mm程度で噴射角60〜100°の一流体フラットスプレーノズルを用いることができる。図11のように、フラットスプレーノズルは、噴射角αで流体が噴射されるため、ノズルボディ144の吐出面と吹き付け面146との距離Lによって、噴射範囲148の実質的な噴射幅Wspが規定される。なお、フラットスプレーノズルは、単数で用いる態様に限らず、複数をグラビアローラ38の幅方向に並べて用いてもよい。この場合は、搬送方向の他、幅方向の除去制御も可能となる。
本例の液体塗布装置100を備えたインクジェット記録装置10によれば、装置の待機中や停止時には、処理液排出弁126を開けて処理液容器40から処理液108を抜き、グラビアローラ38の浸漬状態を解消した状態で、置換流体を一定時間噴射しながらグラビアローラ38を回転させることにより、ローラ表面の処理液が確実に除去され、残留処理液の固着や酸性の残留処理液によるローラ表面の変質も防止でき、装置の安定稼動が可能となる。
(液体塗布装置の第2例)
次に、処理液塗布部16に適用される液体塗布装置の第2例を説明する。上記に例示した一流体フラットスプレーノズルは、噴射圧力を調整することにより、噴射角(スプレー角度)を制御することができる。また、エアと液の混合により微粒子化した状態で噴射を行う加圧式二流体フラットスプレーノズル(二流体エアーアトマイジングノズル)を用いても、エア圧と液流量の組み合わせを制御することにより、噴射角を制御できる。
したがって、このような噴射角可変の噴射ノズルを用いてグラビアローラ38への処理液の付与を行うことにより、幅方向に複数の除去ノズルを並べなくとも中間転写体搬送方向の塗布液付与領域のみならず、これと直交する幅方向の付与幅の変更も可能である。
図12に示す液体塗布装置の第2例は、中間転写体12の幅方向及び搬送方向について塗布範囲を制御できる装置である。図12において、図7で説明した構成と同一又は類似する部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12に示した第2例に係る液体塗布装置150は、グラビアローラ38に処理液を付与する手段として、処理液噴射部152を備える。この処理液噴射部152の噴射部材として、噴射角を制御できる一流体フラットスプレーノズル、或いは加圧式二流体フラットスプレーノズルが適用される。具体的には、例えば、オリフィス径0.2〜0.4mm程度で噴射角60〜100°が実現される一流体フラットスプレーや、これと同等サイズの加圧式二流体フラットスプレーが挙げられる。
処理液噴射部152は、図12のように、グラビアローラ38の下方からスキージブレード110の先端付近に向けて処理液の噴射を行う。その際、画像形成領域の幅に合わせた付与幅となる噴射角となるように、噴射圧力が制御される。
フラットスプレーによる液体の噴射パターンは、図13に示すように、幅方向について液量分布が生じる。また、噴射圧力によっても噴射量(流量)が変化する。しかし、本例の場合、有効画像エリアの幅よりも広い用紙幅の範囲が塗布できるよう、スキージブレード110で余分な処理液を除去するため、結果的にグラビアローラ38に対する処理液の付与量を安定に保つことができ、塗布幅を制御した均一な塗布が可能である。
置換流体噴射部114からの流体噴射によってグラビアローラ38の周方向に関して処理液を選択的に除去する構成は第1例で説明したとおりである。
また、図12におけるスキージブレード110が処理液容器40の隔壁として兼用され、グラビアローラ38から掻き落とされた処理液と、置換流体によって除去された除去液とを分離する部材として機能する点も第1例と同様である。
上記構成からなる第2例の液体塗布装置によれば、処理液噴射部152によって幅方向の処理液付与幅が制御され、置換流体噴射部114によって、中間転写体搬送方向(グラビアローラ38における円周方向)の処理液付与範囲が制御される。
図14は、処理液噴射部152と置換流体噴射部114との関係を模式的に示した説明図である。図示のように、処理液噴射部152のノズルは、少なくとも2種類の噴射幅(幅方向の噴射範囲)の切り替えが可能である。図14では噴射圧力の強弱によって2種類の噴射幅を実現する例を示しているが、記録媒体14の用紙サイズの種類に対応して、3種以上の噴射幅を実現する態様も可能である。記録媒体14の情報は、センサ等によって自動的に取得してもよいし、オペレータによって入力されることにより取得してもよい。
置換流体噴射部114のノズルは、処理液噴射部152による最大の噴射幅(図示の場合、噴射圧強のときの噴射幅)よりも大きい噴射幅を有する。この置換流体噴射部114については噴射幅の制御は不要であるため噴射圧は一定とし、置換流体の噴射(オン)/非噴射(オフ)のみが制御される。本実施形態で、装置構成の簡略化の観点から置換流体噴射部114の噴射幅は固定としているが、処理液噴射部152の噴射幅の切り替えに応じて、置換流体噴射部114の噴射幅を切り替える構成を採用してもよい。
図15は置換流体として気体(エア)を用いる場合の液体供給系の構成例である。置換流体噴射部114のノズルボディ160は、電磁弁162、手動バルブ164、及び精密レギュレータ168を介してコンプレッサー170に接続されている。コンプレッサー170からの圧縮エアを精密レギュレータ168によって所定の圧力に保ち、電磁弁162のオン/オフ制御によってノズルボディ160からのエア噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御される。これにより、ノズルボディ160からのエア噴射圧は一定となり、所定の噴射幅が実現される。
処理液噴射部152のノズルボディ180は、電磁弁182、温調器183、手動バルブ184を介して圧力容器185内の液体層186に接続される。密閉された圧力容器185内には、噴射用の液体(本例の場合、処理液)が貯留されており、該圧力容器185の気体層187は、圧力の変更制御が可能な可変精密レギュレータ188を介してコンプレッサー170に接続されている。
可変精密レギュレータ188を制御して、圧力容器185内の圧力を変えることにより、圧力容器185から送出される液体の圧力が調整される。圧力容器185から送り出された液体は温調器183によって所定の温度に加温され、電磁弁182を介してノズルボディ180に送られる。電磁弁182のオン/オフ制御によってノズルボディ180からの液の噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御され、可変精密レギュレータ188の圧力制御により、噴射圧、即ち、ノズルボディ180からの噴射幅が変更される。なお、処理液噴射部152のノズルボディ180として、二流体エアーアトマイジングノズルを用いる場合には、ノズルボディ180のエア供給部189に対し、レギュレータ(図示せず)を介して圧縮エアが供給される構成となる。
置換流体として液体を用いる場合の供給系について詳細は図示しないが、図15に示したノズルボディ160へのエア供給系に代えて、処理液と類似の液供給系(ただし、圧力制御は不要)が適用される。
上記した第1例及び第2例の構成による中間転写体12への処理液塗布の制御例について図16を用いて説明する。図16(a)は第1例を適用して中間転写体12の搬送方向について塗布範囲(塗布面積)を制御したものである。図16(b)は第2例を適用して中間転写体12の幅方向及び搬送方向について塗布範囲を制御したものである。
中間転写体12は、転写対象となる一次画像が形成される有効画像部192の領域よりも大きい幅を有し、有効画像部192よりも広い領域(符号194で示す記録媒体サイズに相当する塗布部の領域)に対して処理液が塗布される。
図16(c)は、第1例及び第2例における置換流体の噴射制御のタイミング(図15に示した電磁弁162のオン/オフ制御のタイミングに相当)を表している。図16(d)は、第1例及び第2例におけるグラビアローラへの塗布液(処理液)の付与制御を表している。
図16(d)が示すとおり、グラビアローラ38自体には塗布液(処理液)を一定に付与し続けており、(c)に示す置換流体の制御によって、搬送方向についての塗布範囲が制御される(図16(a)、(b)参照)。
また、第2例に係る液体塗布装置150の構成では、記録媒体14の用紙サイズの変更に対応して、処理液噴射部152の噴射圧を制御し、幅方向の塗布範囲を変更する。
本実施形態による液体塗布装置100,150によれば、次のような作用効果が得られる。
(1)塗布液(本例では処理液)を付与したグラビアローラ38の一部領域(非画像形成部に対応する領域)に対して置換流体を噴射して、当該領域に付着した塗布液を除去(置換)する構成にしたので、非画像形成領域に付着した塗布液(「処理液)を選択的に除去できる。
また、置換流体の噴射は、中間転写体12の非画像形成領域に相当する部分に対して、処理液の塗布幅よりも広い噴射幅で行うため、確実な除去が可能である。
(2)置換流体の噴射によって除去された余剰塗布液と噴射流体がスキージブレード110に沿って流下するようにスキージブレード110の形態と配置、並びに、置換流体噴射部の配置が工夫されているため、グラビアローラ38に当接するスキージブレード110の先端部における塗布液の溜まりが生じにくく、増粘が防止され、回転方向の液切れの良い制御を実現できる。
(3)スキージブレード110自体で処理液容器40の隔壁を形成し、該隔壁で区画された空間ごとに独立の排出口(符号124、130で示した液の回収口)を設けたので、スキージブレード110で掻き落とされた塗布液と、置換流体によって除去された液(置換流体が液体の場合は、除去された塗布液と置換液体の混合液)との分離が可能であり、それぞれの液の独立回収が可能である。
(4)置換流体として噴射する液体の表面張力が60~80mN/m(蒸留水など界面活性剤を含まない水)、中間転写体の表面エネルギーが15~30mN/m(=mJ/m)である条件を選択することにより、置換流体の表面張力が中間転写体の表面エネルギーに比べて大きいため、置換流体の中間転写体への付着が低減でき、塗布液成分の効果的な希釈除去も可能である。また、低表面エネルギーの中間転写体では液体の付着量が少なく、加熱による除去も可能である。
(5)第2例で説明したように、グラビアローラ38への塗布液の付与をフラットスプレー(フラット型のラインスプレー)による液体の噴射で行う構成により、スキージブレード110と遮蔽部材112による開口スリット制御の他、噴射圧力制御によって塗布幅の制御が可能である。
特に、第1クリーニング部30による液体クリーニング工程後の中間転写体12に対して、フラットスプレーによる液体噴射を行う態様では、液体クリーニング工程で残留する薄膜が潤滑層になるためグラビアローラ38の塗布液非付着部においても中間転写体12との磨耗防止が可能となる。
(6)装置待機中や停止時などの非画像形成時において、グラビアローラに塗布液を付与せず(第1例においては処理液容器40から排液、第2例においては処理液噴射部152から噴射停止)、更に、所定時間の間、置換流体(気体や液体)を連続付与することにより、グラビアローラ表面がクリーニングされ、塗布液の固着や塗布液成分(本例では酸)によるアタックも低減できる。特に、置換流体として、蒸留水などの不純物の少ない液体を使えば、清浄も一層効果的である。
〔溶媒除去部の構成〕
図17は、溶媒除去部24の拡大図である。なお、同図において、中間転写体12は右から左へと搬送されるものとする。図17に示す溶媒除去部24は、搬送される中間転写体12に対して、溶媒除去ローラ42(ローラ部材)を当接させて中間転写体12の搬送方向(同図において時計回り方向)に所定の一定速度で回転駆動する手段である。
溶媒除去ローラ42は、処理液塗布部16のグラビアローラ38と同様の溝構造により、毛細管力などによって表面の溝(セル)に液体をトラップするものである。より詳しくは、溶媒除去ローラ42は、その表面にピラミッド型や格子型(角錐台型)などの凹凸に彫られた精密なセル(図8(a),(b)参照)が所定の密度で多数形成されたグラビアローラであり、中間転写体12の被塗布面の幅寸法と同等以上の長さ(幅寸法)を有する。ローラ面上におけるセルの配列形態は特に限定されないが、回転方向に対して直交しない斜め方向の線に沿ってセルが並ぶ形態が好ましい。セルの形状、深さ、セル容積、密度などは、除去すべき液量に応じて適宜選択される。
ここで、図18に視認性曲線600を示す。視認性曲線600は横軸を空間周波数、縦軸を空間周波数周期の濃度差(ΔD)としたときの濃度むらとして視認される境界を示す曲線である。視認性曲線600より上の領域では濃度むらとして視認され易く、視認性曲線600より下の領域では濃度むらとして視認され難いことを示している。この視認性曲線600によれば、特に、30線〜50線(本/インチ)は濃度むらとして視認性が高く、中間濃度領域では顕著となる。上述した溶媒除去ローラ42のセル(凹部)の線数を100〜200線/インチとすれば、セルの痕は人間の視認周波数を越えており視認性が低くなる。そのため、記録媒体14における画像の画質を良好に保つことができる。
また、特に、セルの形状を格子型とすれば、溶媒の回収量を多くでき、溶媒除去量を多くすることができる。なお、凹部の形状としては、らせん状の溝(図8(c)参照)を形成してもよい。らせん状の溝の場合には、簡単な形状であり多くの溶媒が回収可能となる。
なお、溶媒の表面張力は凝集処理剤やインクに含まれる界面活性剤により20〜30mN/mと低く、濡れ性は良好である。そのため、溶媒除去ローラ42の表面(特に凹部)に無電解PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)共析メッキやPFA(パラホルムアルデヒド)コーティングなどの撥液処理を施し表面エネルギーを25〜40mN/m(=mJ/m)程度にしておけば、溶媒はセルによる保持効果と毛細管現象により効率的にトラップできる。
搬送される中間転写体12に対して、この溶媒除去ローラ42を当接させると、セル内に顔料の凝集体から分離した溶媒(残溶媒)成分が入り込んで回収される。これによって、中間転写体12上に存在する顔料の凝集体から分離した溶媒(残溶媒)が除去される。
また、中間転写体12との当接位置から溶媒除去ローラ42の回転方向下流側に、溶媒除去ローラ42の表面から溶媒を掻き落とす手段としての第1スキージブレード200が立設されている。この第1スキージブレード200は、その先端部が溶媒除去ローラ42に接するように配設され、該先端部は溶媒除去ローラ42の周面を押す方向に付勢されている。当該付勢力は第1スキージブレード200自体の弾性変形によるものであってもよいし、バネその他の付勢部材(図示せず)を用いて外部から付与するものでもよい。
また、中間転写体12との当接位置から溶媒除去ローラ42の回転方向下流側であって、溶媒除去ローラ42の回転方向に対して第1スキージブレード200の上流側に、溶媒除去ローラ42表面の開口範囲を回転方向に絞る(制限する)ように遮蔽部材202が配置されている。そして、この遮蔽部材202と第1スキージブレード200との間(上記の開口範囲)に露出する溶媒除去ローラ42の外周面に対して、図17のように上方から空気などの気体を噴射する気体噴射ノズル45(気体噴射手段)が配設される。
気体噴射ノズル45は、溶媒除去ローラ42の全幅に対して気体を吹き付ける噴射範囲を有する。気体噴射ノズル45から気体を噴射することにより、溶媒除去ローラ42の外周面に形成されるセルから溶媒が吹き飛ばされて除去される。
また、溶媒除去ローラ42の回転方向に対して、第1スキージブレード200の下流側に、溶媒除去ローラ42の表面から溶媒を掻き落とす手段としての第2スキージブレード204が立設されている。そして、この第2スキージブレード204と第1スキージブレード200との間に露出する溶媒除去ローラ42の表面に対して、図17のように略右上方から気体(空気など)と液体とからなるミスト状の流体(以下、ミストという)を噴射するミスト噴射ノズル43(ミスト噴射手段)が配設される。なお、ミスト噴射ノズル43は噴射するミスト状の流体の液比率を変えることにより、溶媒除去ローラ42の表面に付与する液体量を変えることができる。そのため、ミスト状の流体の液比率を0として、気体のみを噴射することもできる。
ミスト噴射ノズル43は、溶媒除去ローラ42の全幅に対してミストや気体を吹き付ける噴射範囲を有する。ミスト噴射ノズル43からミストを溶媒除去ローラ42に噴射することにより、ミストが噴射された部分の溶媒除去ローラ42に接した中間転写体12上の凝集処理剤層が溶解希釈され、特にインク量が少ない(白地の多い)画像に対して溶媒除去ローラ42による溶媒回収が促進される。
また、ミスト中に処理液またはインクに含有される高沸点溶媒を添加すれば転写部26における転写工程や、第1クリーニング部30におけるクリーニング工程での乾燥防止に効果的である。また、インクに含有されるポリマー微粒子をミスト中に含有すれば用紙全体にポリマーが付与できるので、転写対象となる用紙の質感も均一化して安定化する。なお、ミスト中に含有する液体の一例を[表5]に示す。
また、前記のようにミスト噴射ノズル43からは気体のみを噴射することもでき、この場合は溶媒除去ローラ42のセルから溶媒が吹き飛ばされて除去される。
Figure 2009072927
溶媒除去ローラ42の回転駆動手段(図示せず)は、インバータモータによるダイレクト駆動(軸直結)が好ましい態様であるが、かかる構成に限らず、各種モータと減速機(ギア等)との組み合わせや、各種モータとタイミングベルト等の巻き掛け伝動手段との組み合わせなどであってもよい。
また、溶媒除去ローラ42は、図示せぬ移動機構(当接/離間機構)によって図17の上下方向に移動自在に支持されており、中間転写体12に対して溶媒除去ローラ42を押し当てた状態(図17に示したニップ状態)と、中間転写体12から離間(退避)させた状態とに切り替える制御を行うことができる。
中間転写体12を挟んで溶媒除去ローラ42の反対側には、張架ローラ34Bが配置されている。
なお、溶媒除去ローラ42のセルの密度を100〜200線/インチにすれば、前述の通り被転写媒体における溶媒除去ローラ42のセルのパターンの視認性が低く、液層厚みも均質にできる。
また、気体の噴射により除去された溶媒が、噴射位置から第1スキージブレード200に沿って略右下方向の排出口206に流れ落ちるように、第1スキージブレード200及び気体噴射ノズル45が配設されている。即ち、第1スキージブレード200の先端部は図17において、概ね溶媒除去ローラ42の2時の位置に当接し、該第1スキージブレード200と遮蔽部材202との間の領域に噴射された気体によって溶媒除去ローラ42から除去された溶媒は、第1スキージブレード200の斜面200Aを伝って略右下方向の排出口206に流下する。これにより、第1スキージブレード200先端部への液溜まりを防止し、除去の制御性を向上させながら溶媒の飛散も防止している。
また、ミスト噴射ノズル43から噴射された余剰液体が、噴射位置から第2スキージブレード204に沿って略右下方向の排出口208に流れ落ちるように、第2スキージブレード204が配設されている。即ち、第2スキージブレード204の先端部は図17において、概ね溶媒除去ローラ42の4時の位置に当接し、ミスト噴射ノズル43から噴射された余剰液体は、第2スキージブレード204の斜面204Aを伝って略右下方向の排出口208に流下する。これにより、第2スキージブレード204の先端部への液溜まりを防止し、除去の制御性を向上させながら溶媒の飛散も防止している。
気体噴射ノズル45に適用される噴射部材の一例として、図9のように、噴射面にφ0.5〜1mm程度のノズル140が1〜3mmピッチで幅方向に並んだラインスプレー142を用いることができる。このようなラインスプレー142を図10のように複数並べることで所要の噴射幅を実現し、圧力0.1〜0.5MPaの範囲で、吹き付け面の全域に概ね均等な衝撃力(インパクト)500〜1500mNを与えることができる。
ミスト噴射ノズル43に適用される噴射部材の一例として、エア圧0.2〜0.6MPa、液圧0〜0.3MPaでエア流量40〜80l/min、液流量0〜10l/h、噴射角90°〜130°を実現することができる二流体フラットスプレーノズルを用いることができる。図11のように、フラットスプレーノズルは、噴射角αで流体が噴射されるため、ノズルボディ220の吐出面と吹き付け面146との距離Lによって、噴射範囲148の実質的な噴射幅Wspが規定される。なお、フラットスプレーノズルは、単数で用いる態様に限らず、複数を溶媒除去ローラ42の幅方向に並べて用いてもよい。この場合は、搬送方向の他、幅方向の除去制御も可能となる。
図19は溶媒除去部24の気体液体供給系の構成例を示す説明図である。気体噴射ノズル45のノズルボディ210は、電磁弁212、温調器213、手動バルブ214、及び圧力の変更制御が可能な可変精密レギュレータ216を介してコンプレッサー218に接続されている。コンプレッサー218からの圧縮気体(圧縮空気など)は可変精密レギュレータ216によって圧力が調整される。そして、電磁弁212のオン/オフ制御によってノズルボディ210からの気体噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御される。以上により、ノズルボディ210からの気体噴射圧を調整しつつ、任意の噴射幅が実現される。
また、圧縮気体は温調器213によって所定の温度に加温される。そこで、圧縮気体を温調器213によって加温して、ノズルボディ210から噴射される気体の温度を処理液とインクとが反応した後の溶媒の沸点、具体的には主成分である水の沸点以下であって、かつ凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲で加熱することにより、凝集処理剤層の溶解や溶媒除去ローラ42の離型性が向上して、溶媒除去の効果が一層増大する。
具体的には、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が非結晶性ポリマーの微粒子の場合には、ガラス転移点以下(一例として、アクリル系では50℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。また、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が結晶性ポリマーの微粒子の場合には、融点以下(一例として、エチレン系で110℃以下、WAX系で70℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。
ミスト噴射ノズル43のノズルボディ220は、電磁弁222、温調器224、手動バルブ226を介して圧力容器228内の液体層230に接続される。密閉された圧力容器228内には、噴射用の液体が貯留されており、該圧力容器228の気体層232は、圧力の変更制御が可能な可変精密レギュレータ234を介してコンプレッサー218に接続されている。
可変精密レギュレータ234を制御して、圧力容器228内の圧力を変えることにより、圧力容器228から送出される液体の圧力が調整される。圧力容器228から送り出された液体は温調器224によって所定の温度に加温され、電磁弁222を介してノズルボディ220に送られる。また、ノズルボディ220の気体供給部236に対し、気体噴射ノズル45のノズルボディ210への気体の供給経路から分離して精密レギュレータ238を介して圧縮気体が供給される構成となる。
そして、圧力容器228から送出される液体と精密レギュレータ238を介して供給される圧縮気体とにより、ノズルボディ220からはミストを噴射することができる。なお、電磁弁222のオン/オフ制御によって圧力容器228から送出される液体の供給を止めれば、精密レギュレータ238を介して供給される圧縮気体のみとなり、ノズルボディ220からは気体のみを噴射することができる。
このように、電磁弁222のオン/オフ制御によってノズルボディ220からのミストまたは気体のみの噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御される。
また、圧力容器228から送り出された液体を温調器224によって加温して、ノズルボディ220から噴射されるミストの温度を処理液とインクとが反応した後の溶媒の沸点、具体的には主成分である水の沸点以下であって、かつ凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲で加熱することにより、凝集処理剤層の溶解や溶媒除去ローラ42の離型性が向上して、溶媒除去の効果が一層増大する。
具体的には、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が非結晶性ポリマーの微粒子の場合には、ガラス転移点以下(一例として、アクリル系では50℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。また、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が結晶性ポリマーの微粒子の場合には、融点以下(一例として、エチレン系で110℃以下、WAX系で70℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。
なお、ミスト噴射ノズル43では、ノズルボディ220において、コンプレッサー218からの圧縮気体(圧縮空気など)を精密レギュレータ238によって所定の圧力に保っている。その一方、可変精密レギュレータ234を制御して圧力容器228から送出される液体の圧力を調整することにより、ノズルボディ220からの噴射幅(噴射圧)が変更される。
具体例として、ノズルボディ220において、コンプレッサー218からの圧縮気体の圧力を0.4MPaに保ち、圧力容器228から送出される液体の圧力を0〜0.3MPaの間で調整する。このとき、ノズルボディ220の吐出面と吹き付け面146との距離L(図11)を15cmとすると、ノズルボディ220からの気体流量を60l/min、噴射幅Wsp(図11)を60cm、液体流量を0〜10l/hに制御することができる。
更に、気体噴射ノズル45の噴射量や、ミスト噴射ノズル43の噴射量を中間転写体12上の液体量(凝集処理剤とインクとが反応した後の溶媒の量)に応じて制御すれば、ベタに近い画像でも白地に近い画像でも溶媒の残留量を安定に保つことが可能となり、転写性や中間転写体クリーニング性が向上する。
具体例として、中間転写体12上の液体(溶媒)層の厚みは白地画像の場合で約1μm(凝集処理剤の溶媒)、ベタ画像の場合で約9〜13μm(凝集処理剤と2〜3色分のインクとが反応した後の溶媒)である。そこで、溶媒除去ローラ42を制御することにより、中間転写体12上の液体層の厚みを約3〜7μmに安定化することが可能となる。なお、更に中間転写体12上の液体層の厚みを薄くする場合には、溶媒除去ローラ42を複数設けても良い。
ここで、図20は、気体噴射ノズル45とミスト噴射ノズル43からの噴射に関する制御の例を表す図である。なお、中間転写体12上に形成された画像として、ベタ画像などを80%以上100%以下の濃度の画像、中間調画像を20%以上80%未満の濃度の画像、白地画像などを0%以上20%未満の画像としている。また、図20の制御は、システムコントローラ(図31,図37の符号272)により、印字すべき画像データに基いて中間転写体12上の液体(溶媒)量を判断して行われる。
図20に示すように、中間転写体12上に中間調画像よりも濃度の高い画像(ベタ画像含む)が形成される場合(図20における「80%以上〜100%以下」の画像濃度(溶媒量)の場合)には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を大量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43から気体のみの噴射を行うように制御する。このように、濃度の高い画像(ベタ画像含む)が形成される場合には、中間転写体12上の液体量が多いため、気体噴射ノズル45およびミスト噴射ノズル43により2段階で大量の気体を噴射させている。
また、中間調画像を形成する場合(図20における「20%以上〜80%未満」の画像濃度(溶媒量)の場合)には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を中量または少量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43からは適宜、気体のみの噴射あるいはミスト噴射のいずれかの選択を行うように制御する。より具体的には、図20における「60%以上〜80%未満」の画像濃度(溶媒量)の場合には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を中量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43から気体のみの噴射を行うように制御する。図20における「40%以上〜60%未満」の画像濃度(溶媒量)の場合には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を少量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43から気体のみの噴射を行うように制御する。図20における「20%以上〜40%未満」の画像濃度(溶媒量)の場合には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を少量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43からミスト噴射を行うように制御する。
また、中間転写体12上に中間調画像よりも濃度の低い画像(白地画像含む)が形成される場合(図20における「0%以上〜20%未満」の画像濃度(溶媒量)の場合)には、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量を少量とし、かつ、ミスト噴射ノズル43からミスト噴射を行うように制御する。このように、濃度の低い画像(白地画像含む)が形成される場合には、中間転写体12上の液体量が少ないため、気体噴射ノズル45からは少量の気体を噴射させて溶媒除去量を少なくし、ミスト噴射ノズル43からはミスト噴射を行って液体を供給している。
以上のように、中間転写体12上の液体量に応じて、気体噴射ノズル45からの気体の噴射量や、ミスト噴射ノズル43からの気体の噴射量またはミストの噴射量を制御することにより、中間転写体12上の液体量に関らず、安定した溶媒除去を行うことができる。
溶媒除去ローラ42の駆動は中間転写体12への付勢による連れ回りでもよいが、減速比を調整したギアなどで対向ローラなどと連結すれば、中間転写体12への追従性が向上して好ましい。
更に、溶媒除去ローラ42(特に、その外周面)をヒーターなどのローラ加熱部(図33の符号354)により、処理液とインクとが反応した後の溶媒の沸点、具体的には主成分である水の沸点以下であって、凝集処理剤やインクに含有したポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲で加熱温調すれば、凝集処理剤層の溶解や溶媒除去ローラ42の離型性が向上して、溶媒除去の効果が一層増大する。
具体的には、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が非結晶性ポリマーの微粒子の場合には、ガラス転移点以下(一例として、アクリル系では50℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。また、凝集処理剤やインクに含有されるポリマー微粒子が結晶性ポリマーの微粒子の場合には、融点以下(一例として、エチレン系で110℃以下、WAX系で70℃以下)の範囲で加熱温調するのが好ましい。
なお、図21に示すように、張架ローラ34Bを溶媒除去ローラ42の回転方向に移動させて配置してもよい。これにより、溶媒除去ローラ42に対する中間転写体12の巻き付け量(接触長さ)を巻き付け角θ分だけ増加させることができ、より確実に溶媒除去の効果を得ることができる。
〔第1クリーニング部の構成〕
前記の図1に示すように、第1クリーニング部30は、洗浄液を用いて中間転写体12の洗浄を行う手段であり、洗浄液を噴射する洗浄液噴射部60、中間転写体12の画像形成面12Aに接触させて中間転写体搬送方向に対して逆回転する回転ブラシ62、及び中間転写体12面を摺動払拭するブレード64を含んで構成される。
また、第1クリーニング部30における中間転写体12の裏面側にはヒータ65が配設されている。このヒータ65により、中間転写体12における残留物への界面活性剤の浸透性を上げると共にポリマー微粒子などの残留物を溶融する。具体的な一例として、このとき、ヒータ65により中間転写体12を90〜120°Cに加熱する。
ここで、中間転写体12における残留物は、前記の処理液やインクに由来するものである。
そして、中間転写体12上の残留物は、中間転写体搬送方向に対して逆回転する回転ブラシ62により剥離される。回転ブラシ62として、ナイロンやフッ素樹脂などを植毛したものが考えられる。
さらに、中間転写体12上の残留物は、EPT(エチレン・プロピレンゴム)やNBR(ニトリルゴム)、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどのゴム製のブレード64により除去される。
以上のように第1クリーニング部30は、主に、記録媒体14への画像転写終了後の中間転写体12をクリーニングする手段として機能する。
また、回転ブラシ62とブレード64は、移動機構(当接/離間機構駆動部、図28における符号327)によって移動自在に支持されており、中間転写体12に対して回転ブラシ62とブレード64を押し当てた状態と、中間転写体12から離間(退避)させた状態とに切り替える制御を行うことができる。
図22は、1液を噴射する場合の液体供給系の構成例である。洗浄液噴射部60のノズルボディ400は、電磁弁402、温調器404、手動バルブ406、送液ポンプ408を介して保管容器410内に接続される。また、噴射の検出を行うため、ノズルボディ400から噴射した液体を検出するための噴射検出センサ(不図示、抵抗値検出型センサ、光透過検出型センサ、噴射圧検出型センサなど)が、ノズルボディ400と中間転写体12との間に配置されている。
更に、噴射用の液体(本例の場合、洗浄液)の噴射幅を確保するため、ノズルボディ400と電磁弁402の間の流路を分岐させてノズルボディ414に接続させている。保管容器410内には、噴射用の液体(本例の場合、洗浄液)が貯留されており、該保管容器410は、ノズルボディ400やノズルボディ414から噴射された洗浄液を再利用するための回収容器412やフィルタ416に接続されている。
このような構成のもと、送液ポンプ408を制御することにより保管容器410から送出された液体は、温調器404によって所定の温度(一例として、50〜90°C)に加温され、電磁弁402を介してノズルボディ400やノズルボディ414に送られる。そして、電磁弁402のオン/オフ制御によってノズルボディ400やノズルボディ414からの液の噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御される。
図23は、2液を噴射する場合の液体供給系の構成例である。洗浄液噴射部60のノズルボディ420は、電磁弁422、切替弁424、温調器426、手動バルブ428を介して圧力容器430内の液体層432に接続される。密閉された圧力容器430内には、噴射用の液体(本例の場合、洗浄液)が貯留されており、該圧力容器430の気体層434は、圧力の変更制御が可能な可変精密レギュレータ436を介してコンプレッサー438に接続されている。
また、切替弁424から別経路で、温調器440、手動バルブ442を介して圧力容器444内の液体層446に接続される。密閉された圧力容器444内には、噴射用の液体(本例の場合、精製水や蒸留水など)が貯留されており、該圧力容器444の気体層448は、圧力の変更制御が可能な精密レギュレータ450を介してコンプレッサー438に接続されている。
さらに、噴射の検出を行うため、ノズルボディ420から噴射した液体を検出するための噴射検出センサ(不図示、抵抗値検出型センサ、光透過検出型センサ、噴射圧検出型センサなど)が、ノズルボディ420と中間転写体12との間に配置されている。
更に、噴射用の液体(本例の場合、洗浄液、精製水や蒸留水など)の噴射幅を確保するため、ノズルボディ420と電磁弁422の間の流路を分岐させてノズルボディ452に接続させている。
このような構成のもと、可変精密レギュレータ436を制御して、圧力容器430内の圧力を変えることにより、圧力容器430から送出される液体(本例の場合、洗浄液)の圧力が調整される。圧力容器430から送り出された液体は温調器426によって所定の温度に加温され、切替弁424と電磁弁422を介してノズルボディ420やノズルボディ452に送られる。電磁弁422のオン/オフ制御によってノズルボディ420やノズルボディ452からの液の噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御され、可変精密レギュレータ436の圧力制御により、噴射圧、即ち、ノズルボディ420やノズルボディ452からの噴射量や噴射幅が変更される。
また、精密レギュレータ450を制御して、圧力容器444内の圧力を変えることにより、圧力容器444から送出される液体の圧力が調整される。圧力容器444から送り出された液体(本例の場合、精製水や蒸留水など)は温調器440によって所定の温度に加温され、切替弁424と電磁弁422を介してノズルボディ420やノズルボディ452に送られる。電磁弁422のオン/オフ制御によってノズルボディ420やノズルボディ452からの液の噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御され、精密レギュレータ450の圧力制御により、噴射圧、即ち、ノズルボディ420やノズルボディ452からの噴射量や噴射幅が変更される。
なお、洗浄液としては凝集処理剤やインクの含有成分と同様の界面活性剤を含んだ高沸点溶媒入り水性液が好ましく、前記の溶媒除去部24で回収した液体を用いても良い。また、回収容器412に回収した洗浄液は、フィルタ416でろ過して再利用するのが好ましく、精製水などで濃度調整しても良い。調液した洗浄液の一例を[表6]に示す。
Figure 2009072927
また、洗浄液噴射部60に適用される噴射部材の一例として、前記の図9のような、噴射面にノズルが幅方向に並んだラインスプレーを用いることができる。さらに、前記の図10のように、ラインスプレーを複数並べることで所要の噴射幅を実現してもよい。
また、より一層のクリーニング性能の向上を図るため、回転ブラシ62やブレード64を複数配置してもよい。
〔第2クリーニング部の構成〕
図24は、第2クリーニング部32の部分の拡大図である。図24に示すように、第2クリーニング部32は、中間転写体12の表面(12A)に対して接触及び離間の移動制御が可能な粘着ローラ66,68と、これら粘着ローラ66,68が接触し得るクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70を含んで構成される。この第2クリーニング部32は、図示のように、張架ローラ34Aと対向する位置に配置される。
このように、第2クリーニング部32を張架ローラ34Aと対向する位置に配置されることにより、中間転写体12の搬送方向が変化する変極点の前後の部分に各々粘着ローラ66,68が配置されることになる。そのため、中間転写体12の搬送方向の変極点の付近で張力が発生して、中間転写体12上の残留物の剥離が生じやすくなる。なお、図24中、符号72,73は押さえローラであり、必要に応じて配置される。
粘着ローラ66,68は、中間転写体12より粘着力が高く、具体例として、粘着力が20〜200hpa(測定方法はJIS−K−6256準拠)のブチルゴムやウレタンゴムなどで形成することが望ましい。また、粘着ローラ66,68は、中間転写体12より広幅に設定することが望ましい。
清掃方法については後述するが、インクジェット記録装置の立ち上げ時、待機時、バッチ処理間時、画像形成時に移行する直前のプリント初期化などの非画像形成時に、粘着ローラ66,68を中間転写体12に接触させて回転させることにより、中間転写体12上の異物を粘着ローラ66,68に付着させて、中間転写体12の表面12Aから異物(塵埃)を除去して清掃する。
粘着ローラ66,68の表面に付着した異物は、粘着ローラ66,68を中間転写体12から離間させた際に、粘着ローラ66,68をクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70に接触させて回転させることにより、粘着ローラ66,68上の異物をクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70に移動させることができる。これにより、粘着ローラ66,68の表面をクリーニングできる。
図25は、粘着ローラ66,68を櫛型に2段分割した例であって粘着ローラ66,68の軸方向に対し垂直な方向から見た図である。図25に示すように、粘着ローラ66,68を櫛型に2段分割することにより、粘着ローラ66,68の粘着力が分割され中間転写体12への貼り付きを防止できる。
なお、粘着ローラ66,68は定期的に取り外して表面を研磨リフレッシュすることが望ましい。また、クリーニングウエブ70は、粘着ローラ66,68に常に接触させておいてもよい。
また、粘着ローラ66,68の代わりに、粘着剤を付与したウェブを多層巻きにして適宜表面を剥離しながら使用する構成のものを使用してもよい。
〔汚れ検出部の構成〕
図26は、汚れ検出部44の拡大図である。図26に示すように、汚れ検出部44はレーザ変位センサを構成している。より具体的には、汚れ検出部44は、半導体レーザ光源460、投光レンズ系462、駆動回路464、光位置検出素子466、受光レンズ系468、信号増幅回路470などを構成している。
半導体レーザ光源460は、駆動回路464により駆動され、投光レンズ系462を介して測定対象物に対しレーザ光を照射する。測定対象物に対し照射され反射されたレーザ光は、受光レンズ系468を介して光位置検出素子466に取り込まれ検出信号を生成し、信号増幅回路470により当該検出信号が増幅される。そして、増幅された検出信号をもとに後述するシステムコントローラ272(図31)にて、測定対象物までの距離、測定対象物の基準位置からの変位量を演算する。
具体例として、半導体レーザ光源460から照射される半導体レーザとしては、波長が410nmや670nmのものを使用することが考えられる。また、測定対象物までの距離の演算としては、三角測量の原理を使用することが考えられる。
前述の通り中間転写体12はポリイミドなどの基材にシリコンゴムやフッ素ゴム、フッ素系エラストマーなどを30〜150μm程度の厚みに付与して、コーティング部を形成したものである。そして、コーティング部は通常は光透過性を有しレーザ光を透過しやすいが、残留物が付着すると表面反射を生じ反射距離の変化を生じる。そのため、測定対象物の基準位置からの変位量を演算することにより、高沸点溶媒や酸、ポリマー粒子などが全体に薄く(例えば、0.5〜5μm)残留した場合でも、反射光量測定に比べて確実で安定な汚れ検出が可能となる。
これを図21を用いて説明すると、測定対象物が中間転写体12であり、ポリイミドなどの基材面の上にシリコンゴムやフッ素ゴム、フッ素系エラストマーなどのコーティング部が形成されコート面を形成している。そして、このコート面の位置を基準位置とする。
ここで、コート面の上に残留物が存在しない場合には、投光レンズ系462を介して中間転写体12に照射されたレーザ光は、コート面やコーティング部を透過して、基材面で反射される。そして、反射されたレーザ光は、受光レンズ系468を介して光位置検出素子466に取り込まれる。
一方、図21ではコート面の上にさらに残留物が存在し、残留物面を形成している。そのため、投光レンズ系462を介して中間転写体12に照射されたレーザ光は、残留物内を透過できず残留物面で反射されてしまう。そして、反射されたレーザ光は、受光レンズ系468を介して光位置検出素子466に取り込まれる。
そこで、基材面からコート面(基準位置)までの変位と、基材面から残留物面までの変位との違いから、汚れ検出を行う。
〔中間転写体の清掃〕
図27〜図30は、中間転写体の清掃に関する動作シーケンスを示すフローチャート図である。
図27は、インクジェット記録装置の立ち上げ時、待機時、バッチ処理間時などの非画像形成時において、第2クリーニング部32により清掃を行う動作シーケンスを示すフローチャート図である。図27に示すように、中間転写体12に接触させている全部材を中間転写体12から離間させる(ステップS1)。ここで中間転写体12に接触させている全部材とは、処理液塗布部16のグラビアローラ38、溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42、転写部26の加圧ローラ48など、中間転写体12の画像形成面に接触している全部材である。
次に、汚れ検出部44により中間転写体12の汚れを測定する(汚れ検出工程、ステップS2)。そして、測定結果より清掃が必要か否かを判断する(ステップS3)。具体的には、図26において、基材面からコート面(基準位置)までの変位と基材面から残留物面までの変位との差が所定値以上の場合には、第2クリーニング部32により清掃が必要と判断する。判断の結果、清掃が必要とされた場合(YES)には、第2クリーニング部32により清掃(第2クリーニング工程)を行い(ステップS4)、その後終了する。一方、判断の結果、清掃が不要とされた場合(NO)には、そのまま動作シーケンスを終了する。
なお、汚れ検出部44により中間転写体12の汚れを測定することなく、インクジェット記録装置の立ち上げ時、待機時、バッチ処理間時などの非画像形成時には、必ず第2クリーニング部32により清掃を行うこととしてもよい。
また、残留物が多い場合は粘着ローラ66,68のクリーニングを繰り返してもよく、また、第1クリーニング部30による清掃と併用してもよい。なお、第1クリーニング部30による清掃を行わない場合には、回転ブラシ62とブレード64は、移動機構(当接/離間機構駆動部、図28における符号327)によって中間転写体12から離間(退避)させた状態に制御されている。
以上のように、粘着ローラ66,68を用いれば中間転写体12に付着した僅かな色材や紙粉などの付着物を、液体洗浄に比べて中間転写体12の全幅にわたって確実に除去することが可能である。
図28は、非画像形成時において画像形成時に移行する直前に、例えば、インクジェット記録装置の立ち上げの後の待機状態から画像形成状態に入る前に、プリントの初期化として中間転写体12の表面の安定化を図る動作シーケンスを示すフローチャート図である。図28に示すように、中間転写体12に接触させている全部材を中間転写体12から離間させる(ステップS11)。次に、第2クリーニング部32により清掃を行う(ステップS12)。次に、第1クリーニング部30により清掃(第1クリーニング工程)を行い(ステップS13)、動作シーケンスを終了する。
このように、非画像形成時において画像形成時に移行する直前に、第2クリーニング部32による清掃後、第1クリーニング部30による清掃を行う。これにより、インクジェット記録装置の機内冷却用の外気の取り込みや機内発塵、メンテナンス作業などで中間転写体12に砂塵などの硬質の塵埃が付着した場合であっても、第1クリーニング部30による清掃時に回転ブラシ62やブレード64との間に硬質の塵埃が挟まって中間転写体12に擦り傷などの損傷を生じること、を防止できる。
なお、ステップS12において、中間転写体12の温度を残留物のポリマー成分の溶融温度未満とすることにより、中間転写体12に僅かなポリマー成分が残留していても中間転写体12への塵埃の溶着を防止でき、より確実な中間転写体12の清掃が可能となる。
図29は、第1クリーニング部30により連続して清掃を行いながら画像形成を行う動作シーケンスを示すフローチャート図である。図29に示すように、処理液塗布部16により中間転写体12に下塗液となる処理液(凝集処理剤)を塗布する(液体付与工程、ステップS21)。次に、塗布された処理液が加熱部18を通過することで加熱され、溶媒成分が蒸発し、乾燥する(ステップS22)。これにより、中間転写体12の表面に固体状または半固溶状の凝集処理剤層(処理液が乾燥した薄膜層)が形成される。
次に、印字部22の各ヘッド22Y、22M、22C、22Kから画像信号に応じて各色(CMYK)の顔料インクを吐出して凝集処理剤層の上に打滴を行う(液体付与工程、ステップS23)。次に、顔料の凝集体と分離した溶媒(残溶媒)成分を溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42によって中間転写体12上から除去する(ステップS24)。次に、中間転写体12上に形成された一次画像を記録媒体14に転写する(ステップS25)。
次に、第1クリーニング部30により中間転写体12を清掃する(ステップS26)。次に、画像形成を継続するか否かを判断して(ステップS27)、画像形成を継続する場合(YES)には再びステップS21に戻り、画像形成を継続しない場合(NO)には動作シーケンスを終了する。
なお、画像形成時においては、第2クリーニング部32の粘着ローラ66,68は中間転写体12から離間させ、水系や石油系などの洗浄液を含浸させた不織布などを用いた低速巻き取りウェブ、もしくは粘着ローラ66,68より粘着力の強い粘着ベルトに付勢させて、粘着ローラ66,68をクリーニングしてもよい。
図30は、画像形成後(バッチ処理後)の非画像形成時に、プリント後処理として中間転写体12のクリーニングを行う動作シーケンスを示すフローチャート図である。図30に示すように、中間転写体12に接触させている全部材を中間転写体12から離間させる(ステップS31)。
次に、第1クリーニング部30により清掃を行う(ステップS32)。この時、洗浄液(第1液体)より水分比率の高い(高沸点溶媒や界面活性剤の含有成分の少ない)液体(第2液体)により清掃を行う。より具体的には、第2クリーニング部32により清掃を行う前に、第1クリーニング部30において切替弁424(図23)を調節して洗浄液噴射部60から精製水や蒸留水などの水を噴射させて清掃を行う。これにより、中間転写体12上に残留物として存在する凝集処理剤やインクに含まれるグリセリンやジエチレングリコールなどの高沸点溶媒や界面活性剤、酸が希釈除去されるので、第2クリーニング部32による清掃がより一層効果的に行うことができる。
なお、第1クリーニング部30により清掃を行う際には、中間転写体12の温度を下げて噴射させた水分比率の高い液体の蒸発を抑えたり、精密レギュレータ450により圧力容器444内の気体層448の圧を調整して洗浄液噴射部60から噴射させる水の中間転写体12上への塗布量を上げてもよい。これにより、中間転写体12の残留物が低減するので、第2クリーニング部32による清掃がさらにより一層効果的に行うことができる。
次に、第2クリーニング部32により加熱溶融による清掃を行う(ステップS33)。ここで、加熱溶融による清掃について以下に説明する。
まず、第1クリーニング部30のヒータ65または加熱部18のいずれか一方、あるいは、第1クリーニング部30のヒータ65と加熱部18の両方により中間転写体12を加熱しながら1〜3分間回動させて(中間転写体温度調整工程)から、温度が上昇している中間転写体12に粘着ローラ66,68を接触させる。このとき、ヒータ65や加熱部18の温度は、中間転写体12について残留物内の水分が蒸発する温度かポリマー微粒子が溶融する温度の一方の温度のいずれか、または、中間転写体12について残留物内の水分が蒸発しかつポリマー微粒子が溶融する温度となるように設定することが望ましい。より詳細には、ポリマー微粒子が非結晶性ポリマーの微粒子の場合にはガラス転移点以上(一例として、アクリル系では50°C以上)となるように設定することが望ましい。また、ポリマー微粒子が結晶性ポリマーの場合には融点以上(一例として、エチレン系では110°C以上、WAX系では70°C以上)となるように設定することが望ましい。なお、中間転写体12の搬送速度を画像形成時よりも小さくして昇温させてもよい。
このように温度を設定して加熱乾燥させると残留物は半固化状態になる。このとき第1クリーニング部30のブレード64で除去しようとするとスティックスリップを生じるおそれや、摩擦により中間転写体12に損傷を与えるおそれがあるが、粘着ローラ66,68により除去することにより、中間転写体12に損傷を与えるおそれがなく幅全体にわたって確実に清掃することができる。
なお、ヒータ65を制御しながら中間転写体12を回動する際に第1クリーニング部30の回転ブラシ62を付勢すれば、溶融したポリマーなどの微粒子成分が中間転写体12から剥離して効果的である。ブラシの毛材として、ナイロン66のほか、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などの耐熱耐液性材料を用いれば耐久性も向上する。
また、加熱部18で中間転写体12を加熱しながら回動させる場合は、中間転写体12の温度がポリマー成分の溶融温度未満で上下するように凝集処理剤の乾燥工程に配置した冷却器20も制御して(中間転写体温度調整工程)、中間転写体12に熱サイクルを繰り返して与えれば、熱歪や回動屈曲によって残留物が中間転写体12から剥離しやすくなり好適である。
以上のように、中間転写体12上の残留物を加熱溶融させて増粘させることにより、第2クリーニング部32による清掃がより効率化される。
次に、第2クリーニング部32により常温せん断による清掃を行う(ステップS34)。ここで、常温せん断による清掃について以下に説明する。
まず、粘着ローラ66,68に電磁クラッチなどを介してトルクリミッタ(不図示)などを設けて、粘着ローラ66,68に回動負荷を与えることができるようにしておく。そして、中間転写体12を残留物のポリマー粒子の溶融温度以下にして、中間転写体12との間にせん断力を生ずるように粘着ローラ66,68を接触させて駆動させる。これにより、剥離力が発生し僅かな残留物でも除去することが可能となる。このとき、中間転写体12の搬送速度を画像形成時より下げれば、残留物をより効率的に除去できる。具体例として、粘着ローラ66,68に与える回動負荷を3〜15N/300mmとし、中間転写体12の搬送速度を50〜300mm/sとすることが望ましい。
なお、粘着ローラ66,68の粘着力が強すぎると中間転写体12への貼り付きを生じる場合がある。そこで、粘着ローラ66,68の粘着力を分散させる手法として、例えば、図25に示すように粘着ローラ66,68を櫛型に2段分割することが考えられる。これにより、粘着ローラ66,68の各々についてその一部を中間転写体12に接させないので、粘着ローラ66,68の粘着力を中間転写体12の搬送方向に分散ことができる。図25は、粘着ローラ66,68を櫛型に2段分割した例であって粘着ローラ66,68の軸方向に対し垂直な方向から見た図である。なお、図24に示すように押さえローラ72,73を配置することにより、中間転写体12への貼り付きを防止する手法も考えられる。
次に、中間転写体接触部材(中間転写体接触手段)をクリーニングする(第3クリーニング工程、ステップS35)。ここで、中間転写体接触部材とは、処理液塗布部16のグラビアローラ38、溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42、転写部26の加圧ローラ48など、中間転写体12の画像形成面に接触することのある部材である。
ここで、粘着力を(粘着ローラ66,68)>(中間転写体12)>(中間転写体接触部材)の順に設定しておく。このように、各部材の粘着力を設定することにより、第2クリーニング部32による清掃後に、処理液塗布部16のグラビアローラ38、溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42、転写部26の加圧ローラ48などの中間転写体接触部材を中間転写体12に接触させることにより、これらの中間転写体接触部材のクリーニングも可能となる。
なお、処理液塗布部16のグラビアローラ38、溶媒除去部24の溶媒除去ローラ42、転写部26の加圧ローラ48などの中間転写体接触部材の粘着力について、必ずしも全て前記の不等式を満たすように設定する必要はない。必要に応じて、特に清掃が必要な中間転写体接触部材のみ前記の不等式を満たすように設定してもよい。
なお、中間転写体接触部材は、金属表面にPFAコートや無電解PTFE共析メッキなどを施し、表面エネルギーを25〜40mN/m程度の撥液性を有することが望ましい。また、粘着力としてはJIS−K−6256準拠の測定方法で、粘着ローラ66,68が20hpa以上、中間転写体12が5〜20hpa、中間転写体接触部材が5hpa未満に設定することが望ましい。特に、中間転写体12としてフッ素系エラストマー(信越化学工業SIFEL600シリーズなど)等を用いれば、弱粘着性を有しており好適である。
また、粘着ローラ66,68を用いれば中間転写体12に付着した僅かな色材や紙粉などの付着物を液体洗浄に比べて確実に除去することが可能であり、付着物が多い場合は粘着ローラ66,68のクリーニングを繰り返しても、第1クリーニング部30による清掃と併用してもよい。
〔制御系の説明〕
図31は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース270、システムコントローラ272、メモリ274、モータドライバ276、ヒータドライバ278、冷却器制御部279、プリント制御部280、画像バッファメモリ282、ヘッドドライバ284等を備えている。
通信インターフェース270は、ホストコンピュータ286から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース270にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ286から送出された画像データは通信インターフェース270を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ274に記憶される。
メモリ274は、通信インターフェース270を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ272を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ274は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ272は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ272は、通信インターフェース270、メモリ274、モータドライバ276、ヒータドライバ278、冷却器制御部279等の各部を制御し、ホストコンピュータ286との間の通信制御、メモリ274の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ288やヒータ289を制御する制御信号を生成する。
ROM275には、システムコントローラ272のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、ROM275は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ274は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ276は、システムコントローラ272からの指示にしたがってモータ288を駆動するドライバである。図31には、装置内の各部に配置されるモータを代表して符号288で図示されている。例えば、図31に示すモータ288には、図1の張架ローラ34A〜34Cの中の駆動ローラを駆動するモータや、溶媒除去ローラ42の移動機構のモータ、転写ローラ36や加圧ローラ48の移動機構のモータなどが含まれている。
図31に示したヒータドライバ278は、システムコントローラ272からの指示にしたがって、ヒータ289を駆動するドライバである。図31には、インクジェット記録装置10に備えられる複数のヒータを代表して符号289で図示されている。例えば、図31に示すヒータ289には、図1に示す加熱部18のヒータや、プレヒータ46、第1クリーニング部30のヒータ65などが含まれている。
図31の冷却器制御部279は、システムコントローラ272からの指示にしたがって冷却器20(図1参照)の温度制御を行う制御部である。
プリント制御部280は、システムコントローラ272の制御にしたがい、メモリ274内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ284に供給する制御部である。プリント制御部280において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ284を介してヘッド80のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部280には画像バッファメモリ282が備えられており、プリント制御部280における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ282に一時的に格納される。なお、図31において画像バッファメモリ282はプリント制御部280に付随する態様で示されているが、メモリ274と兼用することも可能である。また、プリント制御部280とシステムコントローラ272とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース270を介して外部から入力され、メモリ274に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データがメモリ274に記憶される。
インクジェット記録装置10では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、メモリ274に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ272を介してプリント制御部280に送られ、該プリント制御部280において閾値マトリクスや誤差拡散法などを用いたハーフトーニング処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
即ち、プリント制御部280は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部280で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ282に蓄えられる。なお、中間転写体12上に形成される一次画像は、転写の際に反転することを考慮して、最終的に記録媒体14に形成される二次画像の鏡面画像としなければならない。即ち、ヘッド22Y、22M、22C、22Kに供給される駆動信号は鏡面画像に対応した駆動信号であり、プリント制御部280にて入力画像に対して反転処理を施す必要がある。
ヘッドドライバ284は、プリント制御部280から与えられる印字データ(即ち、画像バッファメモリ282に記憶されたドットデータ)に基づき、ヘッド80の各ノズル81に対応するアクチュエータ88を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ284にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ284から出力された駆動信号がヘッド80に加えられることによって、該当するノズル81からインクが吐出される。中間転写体12を所定の速度で搬送しながらヘッド80からのインク吐出を制御することにより、中間転写体12上に画像(一次画像)が形成される。
また、システムコントローラ272は、転写制御部292、処理液塗布制御部294を制御するともに、図1で説明した溶媒除去部24、第1クリーニング部30及び第2クリーニング部32の動作を制御する。
図31に示した転写制御部292は、転写部26の転写ローラ36及び加圧ローラ48(図1参照)の温度制御やニップ圧制御を行う。記録媒体14の種類やインクの種類ごとに、ニップ圧や転写温度の最適値(制御目標値)が予め求められ、データテーブル化されて所定のメモリ(例えば、ROM275)に記憶されている。システムコントローラ272は、使用する記録媒体14の情報や使用インクの情報をオペレータによる入力、又は所定のセンサからの自動読取等により取得すると、当該データテーブルを参照して転写ローラ36及び加圧ローラ48の温度及びニップ圧を制御する。
図31に示した処理液塗布制御部294は、システムコントローラ272からの指示にしたがい処理液塗布部16の動作を制御する。処理液塗布部16に図7で説明した液体塗布装置100が適用される場合、図31のように、排液バルブ302、送液ポンプ104、グラビアローラの当接/離間機構駆動部304、グラビアローラ回転駆動部306、置換流体噴射バルブ308等が処理液塗布制御部294により制御される。
排液バルブ302には、図7で説明した処理液排出弁126及び除去液排出弁132が含まれる。また、図31における置換流体噴射バルブ308は、図7で説明した置換流体噴射部114の噴射(オン)/非噴射(オフ)を行う電磁弁等が該当する。
システムコントローラ272は、印字すべき画像データに基づき、中間転写体12上における画像形成領域と、非画像形成領域とを判断し、非画像形成領域に対応する部分に対して処理液を付与しないように、置換流体噴射バルブ308のオン/オフを制御する。その結果、中間転写体12の画像形成領域に対応する部分に対して選択的に処理液が塗布されることになる。本例の場合、システムコントローラ272と処理液塗布制御部294の組み合わせが「置換流体噴射制御手段」として機能している。
処理液塗布部16において、図12で説明した液体塗布装置150が適用される場合には、図31の排液バルブ302、送液ポンプ104の構成に代えて、図32に示すように、可変精密レギュレータ310と処理液噴射バルブ312の制御が行われる。ここに示した可変精密レギュレータ310は、図12における処理液噴射部152からの噴射圧を可変する手段であり、図15の例で符号188として示したものに相当している。
また、図32に示した処理液噴射バルブ312は、図12における処理液噴射部152からの噴射(オン)/非噴射(オフ)を切り替えるための手段であり、図15の例で符号182として示した電磁弁が該当する。
図33は、溶媒除去制御部340の構成を示すブロック図である。図33に示した溶媒除去制御部340は、システムコントローラ272からの指示にしたがい溶媒除去部24の動作を制御する。図33のように、可変精密レギュレータ342、温調器343、ミスト噴射バルブ344、溶媒除去ローラ42の当接/離間機構駆動部346、溶媒除去ローラ回転駆動部348、気体噴射バルブ350、温調器351、可変精密レギュレータ352等が溶媒除去制御部340により制御される。
図33におけるミスト噴射バルブ344は、図19で説明したノズルボディ220の噴射(オン)/非噴射(オフ)を行う電磁弁222等が該当する。
システムコントローラ272は、印字すべき画像データに基づき、溶媒除去ローラ42に噴射する液体量を調整するため、ミスト噴射バルブ344のオン/オフを制御する。その結果、中間転写体12上の液体量が調整されることになる。
可変精密レギュレータ342は、図17におけるミスト噴射ノズル43からの噴射圧を可変する手段であり、図19の例で符号234として示したものに相当している。
また、気体噴射バルブ350は、図17における気体噴射ノズル45からの噴射(オン)/非噴射(オフ)を切り替えるための手段であり、図19の例で符号212として示した電磁弁が該当する。
また、可変精密レギュレータ352は、図17における気体噴射ノズル45からの噴射圧を可変する手段であり、図19の例で符号216として示したものに相当している。
また、温調器343は、ミスト噴射バルブ344から噴射するミストを構成する液体を加温するための手段であり、図19の例で符号224として示したものに相当している。また、温調器351は、気体噴射バルブ350から噴射する気体を加温するための手段であり、図19の例で符号213として示したものに相当している。
また、ローラ加熱部354は、溶媒除去ローラ42(特にその外周面)を加熱するための手段である。
図34は、第1クリーニング部制御部320の構成を示すブロック図である。図34に示した第1クリーニング部制御部320は、図31に示すシステムコントローラ272からの指示にしたがい第1クリーニング部30の動作を制御する。図34のように、流体制御機器322、液体噴射バルブ324,回転ブラシ回転駆動部326、当接/離間機構駆動部327等が第1クリーニング部制御部320により制御される。また、図34における流体制御機器322は、図22に示す送液ポンプ408や図23に示すコンプレッサー438が該当する。また、図34における液体噴射バルブ324は、図22に示す電磁弁402や、図23に示す電磁弁422と切替弁424等が該当する。
図35は、第2クリーニング部制御部328の構成を示すブロック図である。図35に示した第2クリーニング部制御部328は、図31に示すシステムコントローラ272からの指示にしたがい第2クリーニング部32の動作を制御する。図35のように、粘着ローラの当接/離間機構駆動部330、粘着ローラ回転駆動部332、粘着ローラクリーニング駆動部334等が第2クリーニング部制御部328により制御される。前記のクリーニングウエブ(又は粘着ベルト)70は、粘着ローラクリーニング駆動部334により駆動させる。
前記の汚れ検出部44から検出信号がシステムコントローラ272に入力される。
上述した第1の実施形態では、凝集処理剤(処理液)を塗布した後に、これを乾燥させて固体状又は半固溶状の凝集処理剤層を形成し、この上にインクを打滴する例を示したが、インク打滴後に凝集処理剤を付与する態様も可能である。以下、かかる態様について、第2の実施形態として説明する。
〔第2の実施形態〕
図36は、第2の実施形態に係るインクジェット記録装置700の構成図である。図36において、図1で説明した例と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図36に示すインクジェット記録装置700は、処理液塗布部16にて塗布する下塗液が図1の例とは異なるものであり、かつ、図1における加熱部18及び冷却器20に代えて、印字部22の後段に凝集処理液(画像形成用液体)を付与する液体吐出ヘッド(以下「凝集液ヘッド」という。)702が配設された構成から成る。
即ち、本例に示すインクジェット記録装置700は、中間転写体12に下塗液(以下「第1処理液」ともいう。)による第1処理液層を形成し、この第1処理液層内にインク液滴を打滴し、その後、第1処理液層内のインク液滴に対応して、インク液滴を凝集させる機能を有する凝集処理液(以下「第2処理液」ともいう。)を打滴することにより、インク中の着色材(顔料)を凝集させて、インク凝集体を形成する3液系画像形成方式が適用される。
このインクジェット記録装置700の処理液塗布部16にて塗布する第1処理液は、インク液滴と接触してもインク液滴を凝集させる機能を有していない液体であって、例えば、印字部22に用いられるインク液から着色材(顔料)を取り除いた液体を用いることができる。[表7]に第1処理液の調整例を示す。
Figure 2009072927
凝集液ヘッド702から吐出される凝集処理液(第2処理液)は、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料(着色材)およびポリマー微粒子を凝集させ、インク凝集物を生じさせる機能を持つ処理液が好ましい。
図36に示した凝集処理液貯蔵/装填部704は、凝集液ヘッド702に供給する第2処理液を貯蔵するタンクを含んで構成される。当該タンクは所要の流路を介して凝集液ヘッド702と連通されている。
本例の凝集液ヘッド702は、印字部22に配置されるヘッドと同一構成のものが適用される。なお、凝集液ヘッド702は、中間転写体12に対して非接触で凝集処理液を付与可能なものであればよく、インク用のヘッド22Y、22M、22C、22Kよりも打滴密度(解像度)を落とした構造のヘッドを適用してもよいし、スプレー方式など他のインクジェット方式以外の方式を適用してもよい。
第2処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、第2処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
第2処理液は、インクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
第2処理液中におけるインクの顔料およびポリマー微粒子を凝集させる成分の添加量としては、液体の全重量に対し、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.01重量%以下の場合は第2処理液とインクが接触時に、濃度拡散が十分に進まずpH変化による凝集作用が十分に発生しないことがある。また20重量%以上であると、インクジェットヘッドからの吐出性能の悪化(例えば、吐出異常の発生)が懸念される。
第2処理液は、乾燥によって吐出ヘッド(702)のノズルが詰まるのを防止する目的から、水、その他添加剤溶性有機溶媒を含有することが好ましい。このような水、その他添加剤溶性有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。これらの溶媒は、水、その他添加剤と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
水、その他添加剤溶性有機溶媒の含有量は第2処理液の全重量に対し、60重量%以下であることが好ましい。60重量%以上よりも多い場合は処理液の粘度が増加し、インクジェットヘッドからの吐出性が悪化することがある。
第2処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分をさらに含有してもよい。樹脂成分は、処理液をインクジェット方式によって打滴する場合ヘッドからの吐出性を損なわないもの、保存安定性があるものであればよく、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンなどを自由に用いることができる。
樹脂成分としては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ビニル系、スチレン系等が考えられる。定着性向上といった機能を充分に発現させるには、比較的高分子のポリマーを高濃度1重量%〜20重量%に添加することが必要である。しかし、上記材料を液体に溶解させて添加しようとすると高粘度化し、吐出性が低下する。適切な材料を高濃度に添加し、かつ粘度上昇を抑えるには、ラテックスとして添加する手段が有効である。ラテックス材料としては、アクリル酸アルキル共重合体、カルボキシ変性SBR(スチレン−ブタジエンラテックス)、SIR(スチレン−イソプレン)ラテックス、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンラテックス)、等が考えられる。
ラテックスのガラス転移点温度Tgはプロセス上、定着時に影響の強い値で、常温保存時の安定性と加熱後の転写性を両立するために、50℃以上120℃以下であることが好ましい。さらに最低造膜温度MFTはプロセス上、定着時に影響の強い値で、低温で充分な定着を得る為に100℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
第2処理液にインクと逆極性のポリマー微粒子を含有し、インク中の顔料及びポリマー微粒子と凝集させることによってさらに凝集性を高める態様も好ましい。また、第2処理液に、インクに含まれるポリマー微粒子成分に対応した硬化剤を含有し、インクと第2処理液が接触した後に、インク成分中の樹脂エマルジョンが凝集するとともに架橋又は重合するようにして、凝集性を高めてもよい。
第2処理液は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。
また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁に界面活性剤として挙げられたものや、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものを第2処理液の界面活性剤として使うことができる。
更に、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコン系の界面活性剤を用いることも可能である。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
第2処理液に上述した界面活性剤を含有すると、第2処理液の表面張力を下げて中間転写体上でのぬれ性を高めるのに効果がある。第2処理液の表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、インクジェット方式による付与において、液滴の微液滴化および吐出性能の観点からは、第2処理液の表面張力は15〜45mN/mであることがより好ましい。
第2処理液の粘度は、インクジェット方式による付与の観点から1.0〜20.0cPであることが好ましい。なお、第2処理液にpH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線、吸収剤、等も添加してもよい。
図37は、図36に示したインクジェット記録装置700のブロック図である。図37中、図31に示した例と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図37に示したインクジェット記録装置700では、凝集処理液(第2処理液)を付与する手段としての、凝集液ヘッド702と、これを駆動するヘッドドライバ708を備えている。ヘッドドライバ708は、プリント制御部280から与えられる画像データに基づいて凝集液ヘッド702のアクチュエータ88に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号をアクチュエータ88に印加してアクチュエータ58駆動する駆動回路を含んで構成される。このように、画像データに応じて凝集液を打滴する構成とし、印字部22によってインクが打滴される位置に対して、凝集処理液を選択的に打滴する態様が好ましい態様であるが、スプレーノズルを用いて一様に付与する態様も可能である。
なお、図37に示した処理液塗布部16に代えて、図32で説明した構成を採用することも可能である。
また、上述した各実施形態では、中間転写体として無端状ベルトを用いたが、ドラム状の中間転写体を用いる態様も可能である。この場合はリブで補強したアルミ薄肉管などの表面にフッ素系エラストマーなどをコートして用いるのが、加工性や熱制御性の観点でから望ましい。
以上、本発明の画像形成装置および画像形成方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 印字部周辺の要部平面図 ヘッドの内部構造を示す要部平面透視図 ヘッドの他の構成例を示す平面図 図4中の5−5線に沿う断面図 ヘッドのノズル配置例を示す平面図 処理液塗布部に適用される液体塗布装置の第1例を示す構成図 グラビアローラの表面に形成されるセル形状の例を示す図 置換流体噴射部に適用される噴射部材の一例を示すラインスプレーの構成図 ラインスプレーの利用例を示した図 フラットスプレーノズルの説明図 処理液塗布部に適用される液体塗布装置の第2例を示す構成図 フラットスプレーによる液体の噴射パターンの液量分布を示すグラフ 処理液噴射部と置換流体噴射部との関係を模式的に示した説明図 置換流体として気体(エア)を用いる場合の液体供給系の構成例を示す図 中間転写体に対する処理液の塗布範囲の制御例を示す説明図 溶媒除去部の拡大図 セル(凹部)の線数と濃度差ΔDの関係から視認性について表した図 溶媒除去部の液体供給系の構成例を示す説明図 気体噴射ノズルとミスト噴射ノズルの噴射に関する制御の例を示す図 張架ローラを溶媒除去ローラの回転方向に移動させて配置した例を示す図 第1クリーニング部において、1液を噴射する場合の液体供給系の構成例を示す説明図 第1クリーニング部において、2液を噴射する場合の液体供給系の構成例を示す説明図 第2クリーニング部の部分の拡大図 粘着ローラを櫛型に2段分割した例であって粘着ローラの軸方向に対し垂直な方向から見た図 汚れ検出部の拡大図 インクジェット記録装置の立ち上げ時、待機時、バッチ処理間時などの非画像形成時に、第2クリーニング部により清掃を行う動作シーケンスを示すフローチャート図 非画像形成時において画像形成時に移行する直前に、プリントの初期化として中間転写体の表面の安定化を図る動作シーケンスを示すフローチャート図 第1クリーニング部により連続して清掃を行いながら画像形成を行う動作シーケンスを示すフローチャート図 画像形成後(バッチ処理後)の非画像形成時に、プリント後処理として中間転写体のクリーニングを行う動作シーケンスを示すフローチャート図 第1の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図 図12で説明した液体塗布装置を適用した場合のシステム構成を示す要部ブロック図 溶媒除去制御部の構成を示すブロック図 第1クリーニング部制御部の構成を示すブロック図 第2クリーニング部制御部の構成を示すブロック図 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 第2の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図
符号の説明
10、700…インクジェット記録装置、12…中間転写体、14…記録媒体、16…処理液付与部、18…加熱部、20…冷却器、22…印字部、22K,22C,22M,22Y…ヘッド、26…転写部、30…第1クリーニング部、32…第2クリーニング部、36…転写ローラ、38…グラビアローラ、42…溶媒除去ローラ、43…ミスト噴射ノズル、44…汚れ検出部、45…気体噴射ノズル、48…加圧ローラ、60…洗浄液噴射部、62…回転ブラシ、64…ブレード、66…粘着ローラ、68…粘着ローラ、70…クリーニングウエブ(又は粘着ベルト)、81…ノズル、82…圧力室、88…アクチュエータ、100,150…液体塗布装置、110…スキージブレード、112…遮蔽部材、114…置換流体噴射部、152…処理液噴射部、272…システムコントローラ、294…処理液塗布制御部、702…凝集液ヘッド

Claims (9)

  1. 中間転写体上に処理液を付与する処理液付与手段と、
    前記中間転写体上にインクを打滴するインク吐出手段と、
    回転駆動されながら前記中間転写体に当接され前記処理液と前記インクとが反応した後の溶媒を外周面に備わる凹部に回収するローラ部材と、
    前記中間転写体との当接位置から前記ローラ部材の回転方向下流側に設けられ、前記ローラ部材の外周面に対して気体を噴射し回収した前記溶媒を除去する気体噴射手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記インク吐出手段は、前記処理液付与手段によって処理液が付与された前記中間転写体上にインクを打滴し、
    前記中間転写体における前記溶媒の量に応じて前記気体噴射手段から噴射される気体の量を制御する制御手段を有すること、
    を特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記ローラ部材の外周面にミスト状の流体を噴射するミスト噴射手段を有し、
    前記制御手段は、前記中間転写体における前記溶媒の量に応じて前記ミスト状の流体の液比率を制御すること、
    を特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つの画像形成装置において、
    前記ローラ部材の軸方向における前記凹部の線数は100〜200線/インチであること、
    を特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの画像形成装置において、
    前記ローラ部材を前記溶媒の沸点以下で、かつ、前記インクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲内の温度に加熱するローラ加熱手段を有すること、
    を特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つの画像形成装置において、
    前記気体噴射手段から噴射される気体を前記溶媒の沸点以下で、かつ前記インクに含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の範囲内の温度に加熱する気体温調手段を有すること、
    を特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つの画像形成装置において、
    前記ミスト噴射手段から噴射されるミスト状の流体を前記溶媒の沸点以下で、かつ、前記処理液または前記インクの少なくとも一方に含有されるポリマー微粒子の溶融温度以下の温度の範囲内に加熱するミスト温調手段を有すること、
    を特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つの画像形成装置において、
    前記ミスト噴射手段から噴射されるミスト状の流体には、前記処理液または前記インクに含有される高沸点溶媒と前記インクに含有されるポリマー微粒子のうち少なくとも一方が含まれること、
    を特徴とする画像形成装置。
  9. 中間転写体上に処理液を付与する処理液付与工程と、
    前記中間転写体上にインクを打滴するインク吐出工程と、
    外周面に凹部を備え回転駆動されるロール部材が前記中間転写体に当接され前記処理液と前記インクとが反応した後の溶媒を前記凹部に回収する溶媒回収工程と、
    前記中間転写体との当接位置から前記ローラ部材の回転方向下流側に設けられる気体噴射手段が前記ローラ部材の外周面に対して気体を噴射することにより前記溶媒回収工程において回収した前記溶媒を除去する溶媒除去工程と、
    を有することを特徴とする画像形成方法。
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