JP2007260984A - 画像記録方法及び画像記録装置 - Google Patents

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    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
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Abstract

【課題】高速で高画質な画像を得るために、インクのにじみが小さいだけでなく、ゾルからゲルへ転移するインク特有のパイルハイトを小さくすることで画質劣化を防ぐことができる画像記録方法及び画像記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体16上に、刺激によりゾルからゲルに転移する刺激応答性インク120を付着させて画像を形成する際に、インク120の1ドッドの液滴量が、0.5ないし2.5pL(ピコリットル)であるようにする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、高速記録が可能で、且つ高画質な画像を提供するプリンターや印刷機に用いられる画像記録方法及び画像記録装置に関するものである。
近年、デジタルカメタを初めとするデジタル画像技術とインクジェット技術の急速な発展により、銀塩写真を凌駕する高画質写真プリントを一般家庭でも手軽に得ることができるようになった。一方、工業・印刷分野を初めさまざまな分野でもインクジェット技術の応用・適用が始まっている。しかしながら、工業印刷の分野では生産性の観点から高速化が必須であるが、銀塩プリントのような高画質を高速で印刷できるような画像記録方法は未だない。そこで、高速高画質な画像を提供するさまざまな記録方法が検討され始めており、その1つとして、例えば、ゾルからゲルへ転移する刺激応答性インクがある(特許文献1)。このようなゾルからゲルへ転移する刺激応答性インクは、インクのにじみを低減することができる。
特開2004−210940号公報
しかしながら、特許文献1のようなゾルからゲルへ転移する刺激応答性インクは、インクのにじみは低減されるものの、インク液滴自体が液体から固体に転移するため、ゲル化したインクの凸凹が目立ち易く、印刷用の塗工紙であるアート紙などの液体成分の浸透の遅い紙の上ではインク液滴自体の凸凹(以下、パイルハイトと呼ぶ)により、光が乱反射し、それが視認されることによる画質の劣化を引き起こすという新たな問題が生した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高速で高画質な画像を得るために、インクのにじみが小さいだけでなく、ゾルからゲルへ転移するインク特有のパイルハイトを小さくすることで画質劣化を防ぐことができる画像記録方法及び画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の発明は、前記目的を達成するために、記録媒体上に、刺激によりゾルからゲルに転移する刺激応答性インクを付着させて画像を形成する画像記録方法であって、前記インクの1ドッドの液滴量が、0.5ないし2.5pL(ピコリットル)であることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記1ドッドの液滴量が、0.5ないし1.5pLであることを特徴とする。
本発明者は、刺激によりゾルからゲルへ転移するインク特有のパイルハイト起因による画質劣化を解決する方法について鋭意研究し、以下のことを見出した。即ち、記録媒体上に、刺激によりゾルからゲルに転移するインクを付着させて画像を形成する画像記録方法であって、インクの1ドッドの液滴量を0.5ないし2.5pLであるようにすることによって、パイルハイト起因の画質劣化を防ぐことができる。
ここで、1ドッドの液滴量が0.5pL未満の時には、打滴サイズが小さいことにより、打滴の運動エネルギーに対して相対的に空気抵抗が大きくなり、静電エネルギー等のエネルギー供給がないと、正確に媒体(記録媒体)に着弾させることができず、着弾精度の低下から画質の劣化を起こしてしまう。よって、1ドッドの液滴量は0.5pL以上であることが省エネルギーの観点から好ましい。また、2.5pLより大きな液滴サイズであると、ゲル化インクはインク溶媒も液体から固体に転移させるため、浸透性のインクとは大きく異なり、インクの凹凸に起因するパイルハイトによる画質劣化が視認できるようになるため、2.5pL以下であることが好ましく、更に、1.5pL以下であればほとんど視認できないため、より好ましい。
従って、請求項1によれば、記録媒体上に、刺激によりゾルからゲルに転移するインクを付着させて画像を形成する画像記録方法であって、インクの1ドッドの液滴量が、0.5ないし2.5pLであることで、パイルハイト起因の画質劣化を防ぐことができる。
更に、請求項2によれば、1ドッドの液滴量が、0.5ないし1.5pLであることで、よりパイルハイト起因の画質劣化を防ぐことができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記画像記録方法は、前記記録媒体上の前記インクの打滴部において、処理液を前記インクに接触させて画像を形成するとともに、前記インクは、該処理液の化学的刺激により、ゾルからゲルに転移することを特徴とする。
請求項3によれば、インクの打滴部において、化学的刺激によりインクをゾルからゲルに転移させる処理液を用いて画像を形成するので、インクを好適にゲル化することができ、にじみを抑制することができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記化学的刺激は、pH変化であることを特徴とする。
請求項4によれば、pH変化によってインクをゲル化することができるので、容易に高速で高画質な画像を得ることができる。
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、前記記録媒体上の前記インクの非打滴部において、色材を含有しないと共に、刺激によりゾルからゲルに転移する液体組成物と、ゾルからゲルに転移させる前記処理液と、を接触させることを特徴とする。
請求項5によれば、記録媒体上のインクを打滴しない部分には、色材を含有しないと共に、刺激によりゾルからゲルに転移する液体組成物を打滴し、処理液によって液体組成物をゲル化するので、記録媒体上のインク非打滴部についてもインク打滴部と同様に画質劣化を防ぐことができる。従って、記録媒体上の画像全体を、凹凸のない高画質な画像にすることができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1の発明において、前記インクは、少なくとも、水不溶性色材、水溶性有機溶剤、高分子分散剤、及び水を含有するとともに、前記高分子分散剤は、疎水性ブロックの少なくとも1種と、親水性ブロックの少なくとも1種と、をそれぞれ有するブロック共重合体からなることを特徴とする。
請求項6によれば、高分子分散剤として、疎水性ブロックと親水性ブロックとから構成されるブロック共重合体を使用することで、高分子分散剤の疎水性ブロック部が水不溶性色材表面に均一に付着することが可能となり、水不溶性色材が露出することなく高分子分散剤が水不溶性色材を均一に被覆し、カプセル化ができるようになる。これにより、分散性が不安定になりやすいインクジェット記録の吐出時においてもこのカプセル状態が安定に維持され、吐出安定性が向上する。更に、高分子分散剤の親水性部がブロック化されているため、インク媒体との親和性が良好になり、色材分散体の分散安定性が大きく向上する。これにより、インク中での色材分散体の凝集や沈降が起こりにくくなり、吐出安定性だけでなくインクの長期保存時の安定性も良好になる。
請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記液体組成物は、前記インクから水不溶性色材を取り除いたものであることを特徴とする。
請求項7によれば、インクから水不溶性色材を取り除いた液体組成物を、インク非打滴部に打滴し処理液と接触させるので、記録媒体上の画像全体を、凹凸のない高画質な画像にすることができる。
請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項6の発明において、前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
そして、請求項10の発明は、請求項6の発明において、前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
更に、請求項11の発明は、請求項6の発明において、前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項6の発明において、前記水不溶性色材が、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントブルー15:3からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項8〜12によれば、このような水不溶性色材を含有するインクを用いることで本発明は特に有効である。
請求項13の発明は前記請求項6〜12において、水不溶性色材の粒子径が80nm以下であることを特徴とする。
請求項13の発明によれば、水不溶性色材の粒子径が80nm以下であることで、色再現性の観点から好ましい。
請求項14の発明は、請求項1〜13の何れか1の発明において、中間体を介して前記インクの液滴を、前記記録媒体上へ転写することを特徴とする。
請求項14によれば、中間体を介してインクの液滴を記録媒体上へ転写する画像記録方法においても本発明は有効である。尚、中間体は、ベルト又はドラムの形状で、インク像を剥離し易い良離型性材料でかつ耐熱性、耐久性を有する材質であることが望ましい。
請求項15の発明は、請求項1〜14の何れか1に記載の画像記録方法により画像を形成することを特徴とする画像記録装置である。
請求項15は、請求項1〜14に記載の画像記録方法の発明を、画像記録装置の発明にしたものである。
本発明により、にじみを低減するだけでなく、刺激によりゾルからゲルへ転移するインク特有のパイルハイトを小さくすることができるので、印刷物の高速高画質化が可能になる。
本発明者は、刺激によりゾルからゲルへ転移するインク特有のパイルハイト起因による画質劣化を以下の方法で解決できることを見出した。以下、本発明を詳細に説明する。
すなわち、刺激によりゾルからゲルに転移するインクを媒体に付着させて画像を形成する画像記録方法において、インクの1ドッドの液滴量が0.5ないし2.5pLにすることによって、パイルハイト起因の画質劣化を防ぐことができる。
1ドッドの液滴量が0.5pL未満の時には、打滴サイズが小さいことにより、打滴の運動エネルギーに対して相対的に空気抵抗が大きくなり、静電エネルギー等のエネルギー供給がないと、正確に媒体に着弾させることができず、着弾精度の低下から画質の劣化を起こしてしまう。よって、1ドッドの液滴量は0.5pL以上であることが省エネルギーの観点から好ましい。また、2.5pLより大きな液滴サイズであると、ゲル化インクはインク溶媒も液体から固体に転移させるため、浸透性のインクとは大きく異なり、インクの凹凸に起因するパイルハイトによる画質劣化が視認できるようになるため、好ましくは2.5pL以下であることが好ましく、1.5pL以下であればほとんど視認できないため、より好ましい。また、パイルハイトはインクの凹凸に起因した現象であるため、凹凸を小さくする方法として、インクの非打滴部に色材を含有せずに刺激によりゾルからゲルに転移する液体組成物と、液体をゾルからゲルに転移させる処理液と、を媒体上で接触させることなども効果的である。
本発明の刺激とは、化学的刺激、物理的刺激などが挙げられる。化学的刺激とは温度変化、pH変化、組成物の濃度変化などがあり、物理的刺激とは電磁場の印加などが挙げられ、本発明ではこれら刺激が少なくとも2種以上組合わさってもよい。本発明の刺激のうち好ましくは、化学的刺激であり、例えば、刺激が温度変化の場合、温度変化の範囲が、組成物の相転移温度の前後に渡る範囲であることを特徴とする。刺激が組成物のpH変化である場合、pH変化の範囲がpH3からpH12の範囲であることを特徴とする。刺激が組成物の濃度変化の場合、濃度の変化は、前記組成物が相転移起こす濃度の前後に渡る範囲であることを特徴とする。刺激が、電磁波への暴露に対する場合、電磁波の波長範囲が100から800nm(紫外光、可視光、赤外光)であることを特徴とする。
〔化学的刺激によりインクをゾルからゲルへ転移させる処理液〕
本実施の形態に用いられる処理液は、主に、インクをゾルからゲルへ転移させることでインクの滲みを抑制して、高速プリントを可能にする目的で用いられる。
本実施の形態に用いられる処理液は、インクを化学的刺激によりゾルからゲルへ転移させるものであれば、特に制限されない。処理液の具体的な例としては、インクのpHを変化させることによりゲルへ転移させる処理液、インクに無機塩を添加しゲルへ転移させる処理液、荷電を持つインクの色材と逆の荷電を持つ化合物とアニオン・カチオンとで反応させゲルへ転移させる処理液、インクの溶剤組成を変化させることによりゲルへ転移させる処理液などが挙げられる。
本実施の形態に用いられる処理液は、インクのpHを変化させることによりインクをゲルへ転移させる処理液が好ましい。より好ましくはpHを低下させることにより、インクをゲルへ転移させる処理液である。このとき、処理液のpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることがさらに好ましい。また、処理液を酸性にするために、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリドン、ピロン、ピロール、チオフェン、インドール、ピリジン、キノリン構造を有し、更に官能基としてカルボキシル基を有する化合物等、例えば、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等が、処理液に添加される。
また、上記の化合物としては、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、フランカルボン酸、クマリン酸、若しくはこれらの化合物誘導体、又は、これらの塩であることが好ましい。なお、これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
また、上記の化合物に代えて、無機塩が処理液に添加されてもよい。無機塩としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、および、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
また処理液は、本発明の効果を害しない範囲内で、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、定着剤(ポリマー化合物、ポリマー微粒子)等の公知の添加剤が挙げられる。
〔インク〕
インクとは色材を含む液体組成物であればなんでもよいが、好ましくは少なくとも色材(好ましくは、水不溶性の色材が好ましい。)、水溶性有機溶媒、ゲル化剤(刺激によりインクをゾルからゲルに転移させることが出来るものであればなんでもよいが、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤が好ましい。)および水を含むことが好ましい。
(高分子分散剤)
本発明に係るインクに使用する高分子分散剤としては、親水性ブロックの少なくとも1種と、疎水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでも使用することができ、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の形態は直鎖型、グラフト型等が挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
また、この高分子分散剤が、ビニルエーテルモノマーを重合してなるポリビニルエーテル構造を有するものであると、色材と安定な分散体を形成するため好ましい。より具体的には、高分子分散剤の親水性ブロックがアニオン性のポリビニルエーテル又は非イオン性のポリビニルエーテル、或いは、非イオン性のポリビニルエーテルのブロックとアニオン性のポリビニルエーテルのブロックから構成されたジブロック体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性が更に向上するためより好ましい。高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のポリビニルエーテルのブロックとアニオン性のポリビニルエーテルのブロックから構成されたジブロック体である場合においては、疎水性を有するポリビニルエーテルのブロック、非イオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロック、アニオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロックの順番で構成されたブロック共重合体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性がよりいっそう向上するため更に好ましい。
上記高分子分散剤を形成する、疎水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH−CH(OR))− (1)
上記の一般式(1)において、Rは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表わす。また、芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい。R1の炭素数は1〜18が好ましい。
またRは、−(CH(R)−CH(R)−O)−R若しくは−(CH)m−(O)−Rで表される基でもよい。この場合、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表わし、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、−CH−CH=CH、−CH−C(CH)=CH等を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲でフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。Rの炭素数は1〜18が好ましい。pは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0又は1であるのが好ましい。
及びRにおいて、アルキル基又はアルケニル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、オレイル等であり、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロオクチル等である。
次に、親水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(2)で選ばれる繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH−CH(OR))− (2)
上記の一般式(1)において、Rは、−(CH−CH−O)−R、−(CH−(O)−R、−R−X、−(CH−CH−O)−R−X、−(CH−(O)−Xで表わされる基である。この場合、Rは、水素原子、炭素数1から4までの直鎖または分枝状のアルキル基、及び−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、−CH−CH=CH、−CH−C(CH)=CH等を表わし、Rはアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基のような脂肪族炭化水素基、フェニレン基、ピリジレン基、ベンジレン基、トルイレン基、キシリレン基、アルキルフェニレン基、フェニレンアルキレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジレン基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲で、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。Xはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれるアニオン性を有する基を表わす。Rの炭素数は1〜18が好ましい。kは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0または1であるのが好ましい。
本発明において、インクのpHが低下することにより高分子分散剤の高分子鎖が会合を起こし得るpH刺激応答性を有し、且つ、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより+0.1〜+3.0のpHの範囲内に緩衝領域を有するpH緩衝剤を含有することが好ましい例として挙げることができる。
本発明に係るインクに使用する高分子分散剤の有するpH刺激応答性とは、インクのpHが低下することで高分子分散剤の高分子鎖同士が会合し、インクの粘度を増大させる性能である。pH刺激応答性は、pH刺激応答後のインク粘度が、pH刺激応答前のインク粘度に対して、好ましくは50倍以上、より好ましくは100倍以上に増大させるように分子設計すると、印字画像の定着性が良好になる。
また、本発明に係るインクに使用する高分子分散剤としては、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるもので、少なくとも1種類以上の疎水性ブロックと、少なくとも1種類以上の親水性ブロックをそれぞれ有するブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでもよく、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の重合形態は、直鎖型、グラフト型等が挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
また、高分子分散剤の親水性ブロックは、アニオン性のビニルエーテル類又は非イオン性のビニルエーテル類から構成されていることが好ましい。或いは、アニオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックと、非イオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックの2種のブロックを有しているジブロック体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性がより向上するため好ましい。
高分子分散剤の親水性ブロックが上記のようなジブロック体である場合は、疎水性を有するポリビニルエーテルのブロック、非イオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロック、アニオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロックの順番で構成されたブロック共重合体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性が更に向上するためより望ましい。また、高分子分散剤と併用して低分子の分散剤を用いてもよい。
(低分子分散剤)
低分子の分散剤は分子量2000以下の分散剤を示し、好ましくは分子量100〜2000であり、より好ましくは200〜2000である。低分子分散剤はいわゆる疎水性部と親水性部を有する構造を有しており、親水性部はアニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはそれらを組み合わせたベタイン型などがある。
また、親水性部と疎水性部はそれぞれ独立に1分子に1つ以上であれば、いくつ有していてもよく、また、複数種類の親水性部、疎水性部を有していてもよい。また、該親水性部と疎水性部を連結するための連結基も適宜有することができる。
アニオン性基としては、マイナスの電荷をもっているものであればいずれでもよいが、好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であり、より好ましくはリン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくはカルボン酸基である。カチオン性基としてはプラスの荷電を持っていればいずれでもよいが、好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素または燐のカチオン性基である。さらに好ましくはピリジニウムカチオンまたはアンモニウムカチオンである。
ノニオン性基としてはポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部などが挙げられる。
親水性基として好ましくは、アニオン性基であり、好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基またはカルボン酸基であり、より好ましくはリン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくはカルボン酸基である。
また、アニオン性の親水性基を有する場合は、酸性処理液との反応性を観点からはpKaが3以上であることが好ましい。分散剤のpKaが3以上であれば、理論上、pH3程度の処理液と接したときにアニオン性基の50%以上が非解離状態になり、水溶性が著しく低下し凝集反応が起こる。つまり、凝集反応性が向上することがわかる。その点からもカルボン酸基を有していることが好ましい。
疎水性部は炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系なのがあり、好ましくは炭化水素系であり、これらは直鎖であっても、分岐やがあってもよく。2重結合や3重結合を含んでもよい。また、1本鎖でもそれ以上でもよく、2本鎖以上の時は、複数種の疎水性部を有していてもよい。疎水性部としては、炭化水素系であることが好ましく、より好ましくは炭素数2〜24の炭化水素であり、更に好ましくは炭素数4〜24の炭化水素であり、特に好ましくは炭素数6〜20の炭化水素である。
低分子分散剤の好ましい添加量は顔料に対して0.01〜100質量%であり、より好ましくは、0.01〜50質量%であり、更に好ましくは0.1〜20質量%である。
(水不溶性色材)
本発明に係るインクは、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク等を用いることができる。
本発明に係るインクに使用する水不溶性色材としては、水にほとんど溶解しない色材であれば使用することができる。具体的には、水に対する溶解度が、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下の色材である。このような色材としては、油溶性染料、建染染料、分散染料、顔料等が挙げられ、なかでも油溶性染料が上記高分子分散剤と安定な色材分散体を形成するためより好ましい。
以下に、水不溶性色材の例を示すが、これらに限定されるものではない。
(油溶性染料)
C.I.ソルベントイエロー1、2、3、13、14、19、21、22、29、36、37、38、39、40、42、43、44、45、47、62、63、71、76、79、81、82、83、85、86、88、151;C.I.ソルベントレッド8、27、35、36、37、38、39、40、49、58、60、65、69、81、83:1、86、89、91、92、97、99、100、109、118、119、122、127、218;C.I.ソルベントブルー14、24、25、26、34、37、38、39、42、43、44、45、48、52、53、55、59,67,70;C.I.ソルベントブラック3、5、7、8、14、17、19、20、22、24、26、27、28、29、43、45等が挙げられる。
イエローの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151を好ましい例として挙げることができる。
マゼンタの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218を好ましい例として挙げることができる。
シアンの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70を好ましい例として挙げることができる。
ブラックの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45を好ましい例として挙げることができる。
(水不溶性色材がアニオン性染料とカチオン性界面活性剤のイオンコンプレックスを作る場合)
アニオン性染料としては、色素骨格にスルホン酸基やカルボン酸基等の酸性基を有する染料であり、カチオン性界面活性剤とイオン的に反応してイオンコンプレックスを形成できるものであればよい。なかでも、直接染料、酸性染料、反応性染料、及び食用染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の染料を使用すると、カチオン性界面活性剤と容易にイオンコンプレックスを形成できるので好ましい。
このようなアニオン性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、62、71、108、146、154;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、87、98、100、130、142;C.I.ダイレクトレッド1、4、13、17、23、28、31、62、79、81、83、89、227、240、242、243;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、78、86、90、106、199;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59等の直接染料;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118、168、172、208;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71;C.I.アシッドレッド1、6、8、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、254、256、289、315、317;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49等の酸性染料;C.I.リアクティブブラック1、5、8、13、14、23、31、34、39;C.I.リアクティブイエロー2、3、13、15、17、18、23、24、37、42、57、58、64、75、76、77、79、81、84、85、87、88、91、92、93、95、102、111、115、116、130、131、132、133、135、137、139、140、142、143、144、145、146、147、148、151、162、163;C.I.リアクティブレッド3、13、16、21、22、23、24、29、31、33、35、45、49、55、63、85、106、109、111、112、113、114、118、126、128、130、131、141、151、170、171、174、176、177、183、184、186、187、188、190、193、194、195、196、200、201、202、204、206、218、221;C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、18、19、21、25、27、28、38、39、40、41、49、52、63、71、72、74、75、77、78、79、89、100、101、104、105、119、122、147、158、160、162、166、169、170、171、172、173、174、176、179、184、190、191、194、195、198、204、211、216、217;C.I.リアクティブオレンジ5、7、11、12、13、15、16、35、45、46、56、62、70、72、74、82、84、87、91、92、93、95、97、99;C.I.リアクティブバイオレット1、4、5、6、22、24、33、36、38;C.I.リアクティブグリーン5、8、12、15、19、23;C.I.リアクティブブラウン2、7、8、9、11、16、17、18、21、24、26、31、32、33等の反応性染料;C.I.フードブラック1、2;C.I.フードイエロー3;C.I.フードレッド87、92、94等の食用染料等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、疎水基を有する1級、2級及び3級アミン塩や第4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物であれば使用することができる。なかでも、高分子分散剤の疎水性ブロックとの親和性をより向上させるためには、好ましくは炭素数10以上の直鎖状のアルキル基、より好ましくは炭素数12〜18の直鎖状のアルキル基を有する第4級アンモニウム塩がよい。
このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジドデシルジメチルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジパルミチルアンモニウム、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、ベンザルコニウム等の塩化物や臭化物が挙げられる。このようなカチオン性界面活性剤のインク中での含有量は、上記アニオン性染料に対して、モル比で好ましくは0.5〜5.0倍、より好ましくは1.0〜3.0倍であるのがよい。
(建染染料)
C.I.バットイエロー2、4、10、20、33;C.I.バットオレンジ1、2、3、5、7、9、13、15;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、16、61;C.I.バットブルー1、3、4、5、6、8、12、14、18、19、20、29、35、41;C.I.バットブラック1、8、9、13、14、20、25、27、29、36、56、57、59、60等。
(分散染料)
C.I.ディスパーズイエロー5、42、83、93、99、198、224;C.I.ディスパーズオレンジ29、49、73;C.I.ディスパーズレッド92、126、145、152、159、177、181、206、283;C.I.ディスパーズブルー60、87、128、154、201、214、224、257、287、368等。
(顔料)
本発明において、自己分散顔料を使用することが好ましい例として挙げることができる。自己分散顔料に使用される顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよい。インクに用いられる顔料の色調としては、好ましくは、黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いる。尚、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示した。
黒色の顔料としては、Raven760Ultra、Raven1060Ultra、Raven1080、Raven1100Ultra、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500Ultra、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000ULTRAII、Raven1190ULTRA II(以上、コロンビアン・カーボン社製)、BlackPearlsL、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1300、Monarch1400(以上、キャボット社製)、ColorBlackFW1、ColorBlackFW2、ColorBlackFW200、ColorBlack18、ColorBlackS160、ColorBlackS170、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack6、SpecialBlack550、Printex35、Printex45、Printex55、Printex85、Printex95、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.45、No.47、No.52、No.900、No.970、No.2200B、No.2300、No.2400B、MCF−88、MA600、MA77、MA8、MA100、MA230、MA220(以上、三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.PigmentBlue−1、C.I.PigmentBlue−2、C.I.PigmentBlue−3、C.I.PigmentBlue−15、C.I.PigmentBlue−15:2、C.I.PigmentBlue−15:3(C.I.ピグメントブルー15:3)、C.I.PigmentBlue−15:4、C.I.PigmentBlue−16、C.I.PigmentBlue−22、C.I.PigmentBlue−60、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン、等が挙げられるが、これらに限定されない。上記のうち、好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3である。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.PigmentRed−5、C.I.PigmentRed−7、C.I.PigmentRed−12、C.I.PigmentRed−48、C.I.PigmentRed−48:1、C.I.PigmentRed−57、C.I.PigmentRed−112、C.I.PigmentRed−122(C.I.ピグメントレッド122)、C.I.PigmentRed−123、C.I.PigmentRed−146、C.I.PigmentRed−168、C.I.PigmentRed−184、C.I.PigmentRed−202、C.I.PigmentRed−207、C.I.PigmentRed−254等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記のうち、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントレッド254である。
黄色の顔料としては、C.I.PigmentYellow−3(C.I.ピグメントイエロー3)、C.I.PigmentYellow−12、C.I.PigmentYellow−13、C.I.PigmentYellow−14、C.I.PigmentYellow−16、C.I.PigmentYellow−17、C.I.PigmentYellow−74、C.I.PigmentYellow−83、C.I.PigmentYellow−93、C.I.PigmentYellow−95、C.I.PigmentYellow−97、C.I.PigmentYellow−98、C.I.PigmentYellow−109、C.I.PigmentYellow−114、C.I.PigmentYellow−120、C.I.PigmentYellow−128、C.I.PigmentYellow−129、C.I.PigmentYellow−138、C.I.PigmentYellow−151、C.I.PigmentYellow−154、C.I.PigmentYellow−155、C.I.PigmentYellow−175、C.I.PigmentYellow−183、C.I.PigmentYellow−184等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記のうち、好ましくは、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184である。
その他、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントグリーン36も好ましく用いられる。
尚、これらの水不溶性色材の粒子径は色再現性の観点から、10〜80nmが好ましく、より好ましくは20〜80nm以下である。これらの粒径は日機装製マイクロトラックUPA EX-150にて、インクを100〜200倍にイオン交換水で希釈した時の体積平均粒径である。
本発明のインク中における水不溶性色材の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは1.0〜15質量%の範囲である。水不溶性色材の量が0.1質量%未満では十分な画像濃度が得にくい場合があり、25質量%を超えると、ノズルにおける目詰り等による吐出安定性の低下が起こりやすくなる。また、水不溶性色材と上記高分子分散剤とのインク中における含有比率は、固形分質量比で100:1〜1:2であると、インクの吐出安定性や保存安定性の面から望ましい。尚、これらの水不溶性色材は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。
また本発明のインクには本発明の効果を害しない範囲内で、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤・緩衝剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、定着剤(ポリマー化合物、ポリマー微粒子)等の公知の添加剤が挙げられる。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチ・ディスクロージャー、No.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチ・ディスクロージャー、No.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤・緩衝剤としては上記高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより、+0.1〜+3.0のpHの範囲内、好ましくは+0.5〜+2.5のpHの範囲内にpHの緩衝領域を有するものであればよい。また、pHの緩衝領域の範囲が、これらの範囲より広いものでも狭いものでも使用することができる。pH緩衝剤の緩衝性能を発揮するpHの範囲が、上記高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHに対して、+0.1より低いpHの範囲にしかないと、インクの保存中にインクが増粘したり、色材分散体の凝集が発生しやすくなる。また、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHに対して、+3.0より高いpHの範囲にしかないと、印字画像の定着性が低下しやすくなってしまう。
このようなpH緩衝剤としては、例えば、リン酸、ほう酸、ケイ酸、酢酸、炭酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、乳酸、塩酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩及びこれらと水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとの混合物、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2,4,6−トリメチルピリジン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチルバルビツル酸ナトリウムと塩酸の混合物等が挙げられる。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、本発明のインクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
また本発明のインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用インクに使用する水溶性有機溶剤は、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して−4.0〜+16.0(J/cm1/2、好ましくは0.0〜+16.0(J/cm1/2、より好ましくは0.0〜+10.0(J/cm1/2の範囲にある溶解性パラメータを有する水溶性の有機溶剤である。水溶性有機溶剤の溶解性パラメータが、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して−4.0(J/cm1/2より低いと、インク中の水分が多量に蒸発するようなインクジェットプリンターの印字プロセス時において、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりが発生してインクが吐出できなくなり、+16.0(J/cm1/2より高いと、インク吐出が不安定になってしまう。また、水溶性有機溶剤の溶解性パラメータが、高分子分散剤の疎水性ブロック部の溶解性パラメータに対して+4.0(J/cm1/2より高いとインク吐出がより安定するため好ましい。
本発明の水溶性有機溶剤は、2種以上の水溶性有機溶剤の混合溶剤としても使用でき、その際は各水溶性有機溶剤単独の溶解性パラメータと混合比率を考慮して算出した混合溶剤全体での溶解性パラメータとして使用する。すなわち、混合溶剤の溶解性パラメータは、各水溶性有機溶剤の溶解性パラメータに、その水溶性有機溶剤の全水溶性有機溶剤に対する含有質量比率を掛けた値の総和として表わす。またこのような混合溶剤して使用する際は、混合溶剤として液体であれば固体の水溶性有機化合物が含有されていてもよい。
このような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1.4−シクロヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール等のトリオール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシキド、グリセリンモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等である。
水溶性有機溶剤として環状エーテルを少なくとも含有する化合物を好ましい例 として挙げることができる。上記環状エーテルが、ジメチルフラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシテトラヒドロフランおよびジオキサンから選ばれる少なくとも1種であること;特に上記環状エーテルがテトラヒドロフランであることが好ましい。
水溶性有機溶剤として多価アルコールのモノアルキルエーテルを少なくとも含有する化合物を好ましい例として挙げることができる。上記の多価アルコールのモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはトリプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
これらの中でも、沸点が120℃以上の水溶性有機溶剤を使用すると、ノズル先端部でのインク濃縮が抑制されるため好ましい。これらの水溶性有機溶剤のインク中に占める割合は、インク全質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
〔媒体・記録媒体〕
本発明の媒体とは、インクを固定するものであれば何でもよく、画像を記録するための記録用紙、フィルムなどの他に、転写方式の場合には転写ドラム、転写ベルト、転写シートなどの一時的に記録するための媒体も含まれる。
以下に、本発明に係るインクセットを用いて、画像を形成する場合に用いられる媒体、具体的には液体に対して浸透、または非浸透の記録紙及び記録フィルムについて説明する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本実施の形態では、支持体としては、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望ましい。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独又は2種以上併用して用いることができる。本実施の形態においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に、媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15重量%が好ましく、特に3〜10重量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載がある。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
また、記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬べーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
中間体(転写媒体)としての転写ベルト・ドラムはインク像を剥離し易い良離型性材料でかつ耐熱性、耐久性を有する材質が望ましく、シリコーンゴム、フッ素樹脂、フルオロシリコーンゴム等、またはそれらの変性品が好ましい。またその他の材料としてクロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンポリマー、ニトリルブタジエンゴム等も用いることができる。
さらには、前記各種ゴム材の表層(インク層担持面)に各種良離型性のコーテイング材を塗工して弾性層を形成してもよい。コーテイング材としては、シリコーン系コーテイング、フッ素系コーテイングが好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明に係る画像記録方法及び画像記録装置は、インクジェットの記録方式に制限されることはなく、公知の方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は画像形成装置の一形態としてのインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、処理液を吐出するための処理液用ヘッド(処理液付着手段に相当)11と、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色のインクを吐出するために各色に対応して設けられた複数の印字ヘッド(インク液吐出手段に相当)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、処理液用ヘッド11に供給する処理液を貯蔵しておく処理液貯蔵/装填部13と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給する色インクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、印字部12の後段に配置される溶媒吸収ローラ(溶媒吸収手段に相当)15と、記録媒体16を供給するメディア供給部18と、記録媒体16のカールを除去するデカール処理部20と、前記処理液用ヘッド11及び印字部12のノズル面(液吐出面)に対向して配置され、記録媒体16の平面性を保持しながら記録媒体16を搬送する吸着ベルト搬送部(搬送手段に相当)22と、記録済みの記録媒体16(プリント物)を外部に排出する排出部26と、を備えている。
記録媒体16の供給系に関して図1では、メディア供給部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン19が示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録媒体を利用可能な構成にした場合、記録媒体の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切な処理液及びインクの吐出を実現するように吐出制御を行うことが好ましい。
メディア供給部18から送り出される記録媒体16はマガジン19に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録媒体16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録媒体16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録媒体16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録媒体16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図7中符号88)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の反時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録媒体16は図1の右から左へと搬送される。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。吸着の方式は、上記した吸引吸着(真空吸着)に限らず、静電吸着によるものでもよい。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
処理液用ヘッド11及び印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録媒体16の最大紙幅に対応する長さを有し(図2参照)、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズル又は処理液吐出用のノズルが配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
図1に示したように、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録媒体16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、印字部12の更に上流側に処理液用ヘッド11が配置されている。各ヘッド11,12K,12C,12M,12Yは、記録媒体16の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
かかるヘッド配置により、印字部12で各色のインクを打滴する前に、処理液用ヘッド11によって記録媒体16の記録面(被印字面)に処理液を付着させることができる。また、吸着ベルト搬送部22により記録媒体16を搬送しつつ、処理液を付着させた記録媒体16に向けて印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録媒体16上にカラー画像を形成することができる。このとき、記録媒体16上にあらかじめ打滴された処理液と、その後、記録媒体16上に打滴されたインクと、が記録媒体16上で反応し、凝集物を生成する。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型の処理液用ヘッド11及び印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録媒体16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録媒体16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本実施の形態では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについてはこれに限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
処理液貯蔵/装填部13は、処理液を貯蔵する処理液タンクを有し、該タンクは適宜の管路を介して処理液用ヘッド11と連通されている。処理液タンクから供給された処理液は処理液用ヘッド11から液滴として吐出される。処理液貯蔵/装填部13は、処理液の残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備える。
インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク14K,14C,14M,14Yを有し、各タンクは不図示の管路を介して印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
溶媒吸収ローラ15は、その表面が多孔質部材15Aで構成されており、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録媒体16の最大幅に対応する長さを有している。当該溶媒吸収ローラ15の回転軸15Bは、記録媒体16の搬送方向と直交する方向(主走査方向)に沿って配置されている。回転軸15Bを中心に回動自在に支持された溶媒吸収ローラ15は、記録媒体16の搬送速度に合わせて、記録媒体16との相対速度が0となるように回動することができ、インクの擦れによる画像の乱れを防いでいる。
なお、溶媒吸収ローラ15は、1本の(単一の)長尺ローラ部材によって記録媒体16の全幅に対応する長さを実現してもよいし、記録媒体16の搬送方向と略直交する方向(主走査方向)に沿って複数個のローラモジュールに分割し、これらを並べて所要の長さを実現してもよい。また、記録媒体16の搬送方向に沿って複数列の溶媒吸収ローラを配置する構成も可能である。
図1には示されていないが、記録媒体16に対して溶媒吸収ローラ15を上下させるための上下機構が設けられている。後述するシステム制御系の指令に応じて上下機構を制御し、溶媒吸収ローラ15の位置(記録媒体16の記録面に直交する方向の相対位置)を調整することによって、記録媒体16との接触圧力や記録媒体16とのクリアランスを可変させることができる。複数個のローラモジュールを有する構成の場合は、各ローラモジュールについて上下位置を制御するための機構を設ける態様が好ましい。
溶媒吸収ローラ15を記録媒体16上のインクに接触させながら記録媒体16を搬送方向に移動させることで、多孔質部材15Aの毛細管力により、記録媒体16上の溶媒(色材と分離された溶媒)が溶媒吸収ローラ15に吸収される。こうして、溶媒吸収ローラ15によって余分な溶媒が除去されたインクは、色材同士の結合力が増し、記録媒体16に定着される。
本実施の形態では、溶媒を吸収除去するための手段として、多孔質部材15Aから成る溶媒吸収ローラ15を用いたが、溶媒吸収手段の形状は、ローラ状に限定されるものでなく、ベルト状であってもよい。また、主な溶媒を吸収除去する溶媒吸収ローラ15の下流側に、加熱部17が設けられている。この加熱部17は、約30℃以上の所定温度に加熱した熱風を、記録媒体16に直接あてて、記録媒体16上の凝集物中の残溶媒をさらに蒸発させる。これにより、凝集物中のポリマー微粒子が乾燥硬化する。したがって、色材が、記録媒体16上に膜状に定着し、耐擦性、耐水性、定着性に優れた印字ができる。
本実施の形態では、凝集物の加熱方法として、記録媒体16上の凝集物に直接熱風をあてる方法により色材を定着させる例を示したが、これに限定されることはない。例えば、加熱ヒータで熱をあてる方法等でもよい。また、加熱部17の配置は、本実施の形態では溶媒吸収ローラ15の下流側としたが、これに限定されることはなく、凝集物の生成後に加熱できる構成であれば、溶媒吸収ローラ15の上流側に配されてもよい。
こうして、生成されたプリント物(印字によって生成された結果物)は排出部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。
なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)38によってテスト印字の部分を切り離す。このカッター38は、排出部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッドの構造について説明する。色別の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2(a)は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b)は、その一部の拡大図である。また、図3は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4は1つの液滴吐出素子(1つのノズル51に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図2中の4−4線に沿う断面図)である。
記録媒体16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図2(a)、(b)に示したように、インク滴の吐出口であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなるインク室ユニット(液滴吐出素子)53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体16の送り方向(矢印S方向;副走査方向)と略直交する方向(矢印M方向;主走査方向)に記録媒体16の全幅Wmに対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図2(a)の構成に代えて、図3に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール50'を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成することが好ましい。ラインヘッドであると高速印字を可能とするからである。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており(図2(a)、(b)参照)、対角線上の両隅部にノズル51への流出口と供給インクの流入口(供給口)54が設けられている。なお、圧力室52の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図4に示したように、各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインクタンク(図4中不図示、図6中符号60として記載)と連通しており、インクタンク60から供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の一部(図4において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。個別電極57と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。なお、アクチュエータ58には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ58の変位が元に戻る際に、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図5に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、高密度のノズル列を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)、記録媒体16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録媒体16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。すなわち、本実施形態では、記録媒体16の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
処理液用ヘッド11の構造は、図示しないが、上述した印字ヘッド50と概略共通している。ただし、処理液は、記録媒体16上においてインクが打滴される領域に略一様(略均一)に付着させればよいため、インクに比べると高密度ドット形成は要求されない。したがって、処理液用ヘッド11はインク吐出用のヘッド50に比べて、ノズル数を少なく(ノズル密度を低く)した構成も可能である。また、処理液用ヘッド11のノズル径をインク吐出用の印字ヘッド50のノズル径よりも大きくする構成も可能である。
〔インク供給系の構成〕
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。すなわち、図6のインクタンク60は、図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図6に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下とすることが好ましい。図6には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニット(回復手段)は、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aをキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構により印字ヘッド50のノズル面50A(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板表面にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取る。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64(インク受けとして兼用)に向かって予備吐出が行われる。
印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
その一方で、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに吸引手段たるキャップ64を当接させて、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク又は増粘インク)を吸引する。かかる吸引動作によって吸引除去されたインクは回収タンク68へ送られる。回収タンク68に集められたインクは、再利用してもよいし、再利用不能な場合は廃棄してもよい。
上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きいため、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、上記の吸引動作は、印字ヘッド50へのインク初期装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われる。
処理液の供給系については、図示しないが、図6で説明したインク供給系の構成と略同様である。
〔制御系の説明〕
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、ROM75、モータドライバ76、ヒータドライバ78、溶媒吸収ローラ駆動部79、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、処理液用ヘッドドライバ83、インク用ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
ROM75には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、ROM75は、書き換え不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって、乾燥部、加熱部17等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)を処理液用ヘッドドライバ83及びインク用ヘッドドライバ84に供給する制御部である。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、画像メモリ74に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ74に記憶される。
インクジェット記録装置10では、インク(色材)による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、画像メモリ74に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてディザ法や誤差拡散法などのハーフトーン化技術によってインク色ごとのドットデータに変換される。
すなわち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。また、プリント制御部80は、各色のドットデータを基に処理液の打滴領域(処理液の打滴が必要な記録面の領域)を判別し、処理液打滴用のドットデータを生成する。こうして、プリント制御部80で生成されたドットデータ(処理液用及び各色用)は、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
処理液用ヘッドドライバ83は、画像バッファメモリ82に記憶された処理液打滴用のドットデータに基づき、処理液用ヘッド11の駆動制御信号を生成する。処理液用ヘッドドライバ83で生成された駆動制御信号が処理液用ヘッド11に加えられることによって、処理液用ヘッド11から処理液が吐出される。
同様に、インク用ヘッドドライバ84は、画像バッファメモリ82に記憶されたインク打滴用のドットデータに基づき、印字ヘッド50の駆動制御信号を生成する。インク用ヘッドドライバ84で生成された駆動制御信号が印字ヘッド50に加えられることによって、印字ヘッド50からインクが吐出される。なお、処理液用ヘッドドライバ83及びインク用ヘッドドライバ84には、それぞれヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
記録媒体16の搬送速度に同期して処理液用ヘッド11からの処理液の吐出、及び印字ヘッド50からのインクの吐出を制御することにより、記録媒体16に画像が形成される。
上記のように、プリント制御部80における所要の信号処理を経て生成されたドットデータに基づき、処理液用ヘッドドライバ83及びインク用ヘッドドライバ84を介して各ノズルからの液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
本例のインクジェット記録装置10は、更に、インク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94を備えている。インク情報読取部90は、インク種の情報を取得する手段である。具体的には、例えば、インクタンク60(図6参照)のカートリッジの形状(インク種を識別可能な特定の形状)、或いはカートリッジに組み込まれたバーコードやICチップなどからインクの識別情報や物性情報を読み取る手段を用いることができる。その他、ユーザインターフェースを利用してオペレータが必要な情報を入力してもよい。
同様に、処理液情報読取部92は、処理液の種類に関する情報を取得する手段である。具体的には、例えば、処理液タンクのカートリッジの形状(液種を識別可能な特定の形状)、或いはカートリッジに組み込まれたバーコードやICチップなどから処理液の識別情報や物性情報を読み取る手段を用いることができる。その他、ユーザインターフェースを利用してオペレータが必要な情報を入力してもよい。
メディア種検出部94は、記録媒体の種類(紙種)やサイズを検出する手段である。例えば、メディア供給部18のマガジン19に付されたバーコード等の情報(識別情報やメディア種情報など)を読み込む手段、メディア搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(メディア幅検出センサ、メディアの厚みを検出するセンサ、メディアの反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種やサイズ等の情報を指定する構成も可能である。
インク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94の各手段から得られた情報はシステムコントローラ72に送られ、処理液及びインクの吐出制御(吐出量や吐出タイミングの制御)等に利用され、条件に応じた適切な打滴が実行される。すなわち、システムコントローラ72は、インク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94の各手段から得られた情報に基づいて、記録媒体16の浸透速度特性を判別し、処理液を用いるか否かの判断、並びに、処理液を用いる場合にはその吐出量の制御を行う。
例えば、インクジェット記録装置10は、メディア種と浸透速度特性とを対応付けたメディア種テーブルのデータを格納した情報記憶手段(例えば、図7に示したROM75、或いは、不図示の内部メモリ又は外部メモリ)を備えており、システムコントローラ72は、このメディア種テーブルを参照して、使用する記録媒体16の浸透速度特性を判断する。
記録媒体16の浸透速度特性を把握する手段としては、メディア種検出部94からメディアのID(識別情報)を取得し、メディア種テーブルを参照して、当該メディアの浸透速度特性を把握してもよいし、マガジンに付したバーコード等の情報記録体にメディアの浸透速度特性を示す情報を記録しておき、メディア種検出部94から直接的にメディアの浸透速度特性の情報を読み込んでもよい。
或いはまた、記録媒体16の浸透速度を実際に測定する手段を用いることも可能である。例えば、記録媒体16上にインク又は処理液、若しくはこれら両方を打滴し、そのテスト打滴によって形成されるドットの様子を撮像素子などの検出手段(不図示)によって読み込み、得られた情報に基づいて浸透速度を計算することができる。
図1で説明したとおり、本例のインクジェット記録装置10では、印字部12の上流に処理液用ヘッド11を備え、印字部12によるインクの打滴前に、先行する(上流の)処理液用ヘッド11によって予め記録媒体16の印字面に処理液を1回だけ付着させる構成としている。かかる構成の場合、印字部12によるインクの打滴量の増加に伴って、次第に記録媒体16上の処理液量は減少するため、印字部12の下流側へ行くほど、記録媒体16上の処理液量は少なくなる。印字部12における最終段(最下流)の印字ヘッド(図1においてイエローのヘッド12Y)による打滴が終了するまで、記録媒体16の表面近傍に処理液が残存していることが必要となるため、記録媒体16の種類や処理液の物性、インクの吐出量、記録媒体16の搬送速度などから、所要の処理液量を確保できるように処理液用ヘッド11による処理液の打滴量が決定される。
また、図7に示したシステムコントローラ72は、記録媒体16の厚みや浸透速度特性などに応じて溶媒吸収ローラ駆動部79を制御して、溶媒吸収ローラ15の上下位置(記録媒体16への当接圧又は記録媒体16とのクリアランス量)並びに回転速度を適切に制御する。溶媒吸収ローラ駆動部79は、記録媒体16の記録面に対する溶媒吸収ローラ15の位置並びに回転速度を調節するための手段であり、溶媒吸収ローラ15を上下移動させる上下機構と、その機構を電動で駆動するための動力源となるモータ(アクチュエータ)及びドライバ、モータの駆動力を上下機構に伝達する動力伝達機構(ベルト、プーリー又はギア、若しくはこれらの適宜の組み合わせなど)、溶媒吸収ローラ15を回転させるための動力源となるモータ及びドライバ、動力伝達機構、記録媒体16上に生成した凝集物を加熱乾燥する加熱部17のヒータドライバ等を含んで構成される。
〔画像形成プロセスの説明〕
次に、本例のインクジェット記録装置10における画像形成プロセスについて説明する。図8はインクジェット記録装置10の印字部12周辺の要部構成を模式的に描いた拡大図である。同図では、図示を簡略化するために、処理液用ヘッド11の後段にインク用ヘッド(印字ヘッド50)を1つのみ描いているが、実際の印字部12は、図1で説明したように、4色の色別に印字ヘッド12K,12C, 12M, 12Yを備えている。
図8において、記録媒体16は右から左へと搬送される。画像形成のプロセスは、以下のとおりである。
(工程1)記録媒体搬送方向(図8中矢印A方向)の上流に配置された処理液用ヘッド11から処理液110を液滴として吐出し、予め記録媒体16の記録面16Aに処理液110を付着させておく。
(工程2)処理液用ヘッド11の下流に配置された印字ヘッド50からインク120を液滴として吐出し、表面に処理液110の液体分が残存している状態に、記録媒体16上にインク120の1ドッドの液滴量が、0.5〜2.5pLの範囲で着弾させる。
(工程3)記録媒体16表面上で処理液110とインク120が混合されることにより、インク120中に、色材とともに分散している低分子分散剤中のアニオン性基が、処理液110との接触によるpHの変化を受けて、凝集反応を生じる。これにより、インク120中の色材等が凝集して、色材凝集物126が生成される。
(工程4)そして、図8に示したように、色材凝集物126は、記録媒体16側(下方)に沈降する。こうして、記録媒体16上のインク120の液滴(ドット)130は、沈降した色材凝集物126から成る色材層132と、溶媒134の層とに分離される。
(工程5)記録媒体16の搬送(図8中矢印A方向への搬送)に伴い、色材層132と溶媒134に分離された液滴130が溶媒吸収ローラ15の位置まで移動される。当該液滴130の溶媒134が溶媒吸収ローラ15に接触すると、多孔質部材15Aの毛細管力によって溶媒134が溶媒吸収ローラ15に吸収される。溶媒吸収ローラ15は、記録媒体16の搬送速度に合わせて、記録媒体16との相対速度が0となるように図8中矢印B方向に回転し、インクの擦れによる画像の乱れを防いでいる。また、このとき、各ドット130の周りにはポリマーの膜124が形成されているため、記録媒体16表面上で色材の移動が抑制され、溶媒吸収ローラ15への色材の付着も抑止されるため、画像の乱れなども発生しない。すなわち、溶媒吸収ローラ15による溶媒吸収時にもドット間に膜124が存在するため、この膜124がインクの移動を抑制し、溶媒吸収ローラ15とインクの接触時の画像の乱れを防ぐ役割を果たす。
なお、印字ヘッド50から吐出されたインク120の着弾時(すなわち、2液の混合時)から溶媒134が溶媒吸収ローラ15に接触するまでの時間は、2液反応による色材/溶媒の分離が完了するまでの時間よりも長くなるように、印字ヘッド50と溶媒吸収ローラ15との位置関係(着弾位置から溶媒接触位置までの距離L)及び記録媒体16の搬送速度が設定される。
(工程6)こうして、溶媒吸収ローラ15によって溶媒が除去されたインク(図8において符号138)は、色材同士の結合力が増し、記録媒体16に定着される。これにより、滲みの発生が防止されるとともに、色間ブリーディング防止、乾燥、定着の促進、コックリングの防止等の効果が得られる。
(工程7)さらにその後、加熱部17により約30℃に加熱された熱風が記録媒体16に当てられ、色材凝集物126に含まれる溶媒成分が、さらに蒸発、乾燥される。そして、色材とともに分散したポリマー微粒子が乾燥硬化されて製膜され、色材が記録媒体16に強固に定着される(符号139)。また、ポリマー微粒子は疎水性であることから、耐水性も向上する。これにより、耐擦性、耐水性、及び定着性に優れた印字が形成される。
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、文中、「%」とあるものは、特に断りがない限り質量基準である。
(実施例1)
1−1 イエローインクY−1の調整
C.I.ソルベントイエロー14を1.0部と、アセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に溶解するようによく攪拌した。この混合溶液を、テトラヒドロフラン99.0部に重量平均分子量35000の下記高分子分散剤BP−1 1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンとテトラヒドロフランを完全に除去し、C.I.ソルベントイエロー14の色材分散体を得た。
C.I.ソルベントイエロー14の色材分散体400g、トリプロピレングリコール150g、トリエチレングリコール50g、1%トリスヒドロキシアミノメタン−塩酸緩衝液を50g、日信化学工業製オルフィンE1010を10gイオン交換水340gに攪拌混合し、イエローインクY−1を得た。得られたインク中の色材の体積平均粒径を日機装製マイクロトラックUPA EX−150で測定したところ55nmであった。高分子分散剤BP−1は2−デカノキシエチルビニルエーテル−Block−{4−(2−ビニルオキシエトキシ)安息香酸}よりなるAB型ブロックポリマーで特開2004−210940と同様の方法で合成できる。
1−2 画質評価1
インクジェット記録装置として、市販のインクジェット記録プリンターBJF−850(商品名:キヤノン(株)製、液滴量4pL)、PX−V630(商品名:セイコーエプソン(株)製、液滴量3pL)、PX−G920(商品名:セイコーエプソン(株)製、液滴量1.5pL、2pL、2.5pL)を用いて、インクをゲルへ転移させることができる処理液(0.3mol/L 塩酸89mL、グリセリン10mL、オルフィンE1010:1gを混合した液)、インクY−1の順に印字率80%になるように三菱製紙製特菱アート両面Nに印字を行った。尚、2pL、2.5pLはPX−G920に対して適当な駆動波形にすることで調整した。インクサンプルの評価結果を表1に示す。
Figure 2007260984
*1:にじみ:
広がり率=印字したドッド直径/液滴サイズから計算した液滴のドッド直径とし、4pLの時の広がり率を100と規格化したときの相対値。値が小さいほどよい。
*2:パイルハイト
◎:目視でインクの凹凸が視認できず。
△:目視でインクの凹凸がわずかに認められる。
×:目視でインクの凹凸がはっきりと認められる。
上記の用に、液滴サイズは3pLの時にはドッドの凹凸が視認できるが、1.5pLの時には視認できなくなり、本発明の液滴サイズで打滴するとパイルハイトが低減することが分かる。
(実施例2)
2−1 マゼンタインクM−1の調整
C.I.ソルベントイエロー14をC.I.ソルベントレッド27に変更以外はまったく同様の方法で調整し、マゼンタインクM−1を得た。得られたインク中の色材の体積平均粒径は45nmであった。
2−2 画質評価
実施例1と同様の方法で画質評価を行った結果を表2に示すが、実施例1の結果同様、本発明の液滴サイズで打滴するとパイルハイトが低減することが分かる。
Figure 2007260984
(実施例3)
3−1 シアンインクC−1の調整
C.I.ソルベントブルー44を1.0gと、アセトン99.0gを混合し、40℃に加温して均一に溶解するようによく攪拌した。この混合溶液を、テトラヒドロフラン99.0gに高分子分散剤BP−1 1.0gを溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0gを添加した。その後、ロータリーエバポレーターで、アセトンとテトラヒドロフランを完全に除去し、色材分散体を得た。得られた色材分散体 50.0g、ジエチレングリコール 10.0g、チオジグリコール 10.0g、日信化学工業製オルフィンE1010 :1g、イオン交換水 29.0gを混合し、充分攪拌して、シアンインクC−1を得た。得られたインク中の色材の体積平均粒径は50nmであった。
3−2 画質評価
実施例1と同様の方法で画質評価を行った結果を表3に示すが、実施例1の結果同様、本発明の液滴サイズで打滴するとパイルハイトが低減することが分かる。
Figure 2007260984
(実施例4)
4−1 シアンインクC−2
上記シアンインクC−1の調整において、C.I.ソルベントブルー44をC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外はまったく同様の方法でシアンインクC−2を調整した。得られたインク中の色材の体積平均粒径は60nmであった。
4−2 画質評価
実施例1と同様の方法で画質評価を行った結果、にじみとパイルハイトに関して実施例1と同様の傾向であった。
(実施例5)
5−1 マゼンタインクM−2
C.I.ピグメントレッド122(チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)の1部とアセトン99部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99部に前記高分子分散剤BP−1の1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体を得た。この色材分散体をビーズミルで分散処理し、ジエチレングリコール2部、グリセリン2部、トリエタノールアミン1部、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)0.5部およびトリエチレングリコールモノブチルエーテル1部、全量が50部になる量のイオン交換水を添加しマゼンタインクC−2を得た。得られたインク中の色材の体積平均粒径は75nmであった。
5−2 画質評価
実施例1と同様の方法で画質評価を行った結果、にじみとパイルハイトに関して実施例1と同様の傾向であった。
以上の実施例1〜5の結果より、刺激によりゾルからゲルに転移するインク特有のパイルハイトによる画質劣化は打滴サイズを3pL以下にすることで視認できなくなり、非常に大きな画質向上効果があることがわかる。
画像形成装置の一形態としてのインクジェット記録装置の全体構成図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 フルライン型印字ヘッドの他の構成例を示す平面透視図 図2中の4−4線に沿う断面図 図2に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 インクジェット記録装置のインク供給系の構成を示した概要図 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本例のインクジェット記録装置における画像形成プロセスを説明するために用いた模式図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、11…処理液用ヘッド、12K,12M,12C,12Y…印字ヘッド、15…溶媒吸収ローラ、15A,15E…多孔質部材、16…記録媒体、33…搬送ベルト、110…処理液、120…(刺激応答性)インク、124…膜、126…色材凝集物、134…溶媒

Claims (15)

  1. 記録媒体上に、刺激によりゾルからゲルに転移する刺激応答性インクを付着させて画像を形成する画像記録方法であって、
    前記インクの1ドッドの液滴量が、0.5ないし2.5pLであることを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記1ドッドの液滴量が、0.5ないし1.5pLであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記画像記録方法は、前記記録媒体上の前記インクの打滴部において、処理液を前記インクに接触させて画像を形成するとともに、
    前記インクは、該処理液の化学的刺激により、ゾルからゲルに転移することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記化学的刺激は、pH変化であることを特徴とする請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 前記記録媒体上の前記インクの非打滴部において、
    色材を含有しないと共に、刺激によりゾルからゲルに転移する液体組成物と、
    前記処理液と、を接触させることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像記録方法。
  6. 前記インクは、少なくとも、水不溶性色材、水溶性有機溶剤、高分子分散剤、及び水を含有するとともに、
    前記高分子分散剤は、疎水性ブロックの少なくとも1種と、親水性ブロックの少なくとも1種と、をそれぞれ有するブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の画像記録方法。
  7. 前記液体組成物は、前記インクから水不溶性色材を取り除いたものであることを特徴とする請求項5に記載の画像記録方法。
  8. 前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  9. 前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  10. 前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  11. 前記水不溶性色材が、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  12. 前記水不溶性色材が、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントブルー15:3からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
  13. 水不溶性色材の粒子径が80nm以下であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1に記載の画像記録方法。
  14. 中間体を介して前記インクの液滴を、前記記録媒体上へ転写することを特徴とする請求項1〜13の何れか1に記載の画像記録方法。
  15. 請求項1〜14の何れか1に記載の画像記録方法により画像を形成することを特徴とする画像記録装置。
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