JPH10264367A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

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JPH10264367A
JPH10264367A JP9073277A JP7327797A JPH10264367A JP H10264367 A JPH10264367 A JP H10264367A JP 9073277 A JP9073277 A JP 9073277A JP 7327797 A JP7327797 A JP 7327797A JP H10264367 A JPH10264367 A JP H10264367A
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ink
processing liquid
head
recording
ejected
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JP9073277A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sato
真一 佐藤
Makoto Shiotani
真 塩谷
Mikifumi Ogasawara
幹史 小笠原
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
Katsuhiko Takahashi
勝彦 高橋
Shinya Mishina
伸也 三品
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録画像における部分的な記録濃度のムラを
なくして、高精細な画像を記録することができるインク
ジェット記録方法および記録装置に提供すること。 【解決手段】 画像の記録動作中に所定時間以上に亙っ
てインクを吐出しない休止状態にあったインクヘッドの
吐出口から最初に吐出されるインクが付着する被記録媒
体106上の位置を少なくとも除き、インクヘッドから
吐出されるインクが付着する被記録媒体106上の位置
に、そのインクの付着に前後して、インク中の色素材を
不溶化または凝集させる処理液を処理液ヘッドから吐出
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体上に高
品位の画像を記録することができるインクジェット記録
方法および記録装置に関する。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等の被記録媒体を用いる機器のすべてに適用可能であ
る。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、フ
ァクシミリ等の事務機器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録方法は、
低騒音、低ランニングコスト、装置の小型化、およびカ
ラー化が容易である等の理由から、プリンタや複写機等
に広く利用されている。
【0004】しかしながら、インクジェット記録方法を
応用したこれらの記録装置を用いて、いわゆる普通紙と
呼ばれる被記録媒体上に画像を記録する場合、画像の耐
水性が不十分であったり、また、カラー画像を記録する
場合には、フェザリングの生じない高濃度の画像と色間
のにじみの生じない画像であることの条件を同時に満た
すような記録を実現することが難しく、良好な画像堅牢
性でかつ良好な品位のカラー画像の記録はきわめて難し
かった。
【0005】現在、インクジェットプリンターは、より
高品位な画像を記録するため、高解像度他、インクの小
液滴化が進んでいる。また、記録画像の耐水性を向上さ
せる方法として、インク中に含まれる色材に耐水性を持
たせたインクも近年では実用化されてきている。しかし
ながら、その耐水性はまだまだ不十分であるとともに、
原理的には、乾燥後は水に溶解しにくいインクであるた
めに、記録ヘッドの吐出口が詰まる、いわゆるノズル詰
まりが生じやすく、これを防止するためには装置構成が
複雑になってしまうという問題があった。
【0006】また、従来より被記録物の堅牢性を向上さ
せる技術が多数知られている。例えば、特開昭53−2
4486号公報には、染色物の湿潤堅牢度を増進させる
ために、染色物を後処理することによって、染料をレー
キ化し固着させる技術が開示されている。また、特開昭
54−43733号公報には、インクジェット記録方式
により、相互に接触すると常温または加熱時に被膜形成
能が増大する2以上の成分を用いて記録する方法が開示
されており、被記録媒体上で各成分が接触することによ
って、強固に密着した被膜を形成した印刷物を得てい
る。また、特開昭55−150396公表には、水性染
料インクをインクジェット記録方式によって被記録媒体
に付着させた後に、染料とレーキを形成する耐水化剤を
付与する方法が開示されている。さらに、特開昭58−
128862号公報には、被記録媒体上における画像の
記録位置をあらかじめ識別し、その記録位置に、記録イ
ンクと処理液とを重ねて付着させるインクジェット記録
方法が開示されている。この記録方法においては、記録
インクに先立って処理液を吐出させたり、先に吐出され
た記録インク上に処理液を重ねるように吐出させたり、
先に吐出された処理液上に記録インクを重ねた上、さら
に処理液を重ねるように吐出させたりする方法が開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、記録ヘ
ッドを高解像度対応とし、さらにインクの吐出量を小さ
くした上、処理液を用いることによって、高品位、高耐
水性のカラー画像の形成を実現すべく検討した中におい
て、以下のような課題を認識した。
【0008】すなわち、インクの吐出量を小さくするた
めに、記録ヘッドにおいて、インクを吐出する各インク
吐出口に連通するインク流路中のインク量を少量にした
ところ、ある期間に亙ってインク吐出口からインクが吐
出されなかった場合、その休止中のインク吐出口からイ
ンク中の水分が蒸発して、インク吐出口付近のインク中
の色材濃度が局所的に上昇してしまう。そのため、その
休止していたインク吐出口から、その後にインクが吐出
されて最初に記録される記録部分は、その後の記録部分
よりも画像濃度が高くなってしまう。その結果、記録画
像に、縁取りのような部分的な濃度ムラが生じるという
問題があった。特に、記録ヘッドが記録媒体上を走査し
つつインクを吐出するインクジェット記録方式の場合、
記録画像の書き出し端部は、その他の部分よりも画像濃
度が高くなってしまう。
【0009】インク吐出口からインク中の水分が蒸発す
ることは既知の現象であるが、本発明に帰結する検討時
に起きたこの問題は、本発明者の予想を遥かに越えたも
のであった。
【0010】一般に、このような問題を防止するために
は、記録動作中において、一定のタイミングで全てのイ
ンク吐出口、または休止中のインク吐出口から、画像の
記録に寄与しないインクを吐出(予備吐出)させてイン
ク吐出口を良好な状態に回復させるような回復動作を行
う。このような回復動作を記録動作中に頻繁に行うこと
は、記録速度の低下、インク消費量の増加を伴うため極
力避けることが必要である。しかも、このようなインク
中の水分の蒸発現象に起因する問題は、このような予備
吐出動作だけでは完全には解消できない場合があった。
このような課題は、本発明者らが新たに認識した課題で
あり、カラー画像などの高精細な記録のためには克服し
なければならない課題である。
【0011】本発明の目的は、このような課題を解消
し、記録画像における部分的な濃度むらをなくして、高
品質の画像を記録することができるインクジェット記録
方法および記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明のインクジェッ
ト記録方法は、複数の吐出口からインクを吐出可能なイ
ンクヘッドと、前記インク中の色素材を不溶化または擬
集させる処理液を複数の吐出口から吐出可能な処理液ヘ
ッドとを用いて、被記録媒体上に画像を記録するインク
ジェット記録方法において、前記画像の記録動作中に所
定時間以上に亙ってインクを吐出しない休止状態にあっ
た前記インクヘッドの吐出口から最初に吐出されるイン
クが付着する前記被記録媒体上の位置を少なくとも除
き、前記インクヘッドから吐出されるインクが付着する
前記被記録媒体上の位置に、そのインクの付着に前後し
て前記処理液ヘッドから前記処理液を吐出させることを
特徴とする。
【0013】また、この発明のインクジェット記録方法
は、複数の吐出口からインクを吐出可能なインクヘッド
と、前記インク中の色素材を不溶化または擬集させる処
理液を複数の吐出口から吐出可能な処理液ヘッドとを用
いて、被記録媒体上に画像を記録するインクジェット記
録装置において、前記画像の記録動作中に所定時間以上
に亙ってインクを吐出しない休止状態にあった前記イン
クヘッドの吐出口から最初に吐出されるインクが付着す
る前記被記録媒体上の位置を少なくとも除き、前記イン
クヘッドから吐出されるインクが付着する前記被記録媒
体上の位置に、そのインクの付着に前後して前記処理液
ヘッドから前記処理液を吐出させる制御手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明に適用可能なインク
ジェット記録装置の斜視図である。
【0015】記録装置100の給紙位置に挿入された被
記録媒体106は、送りローラ109によって記録ヘッ
ドユニット103の記録可能領域へ搬送される。その記
録可能領域における被記録媒体106の下部位置には、
プラテン108が設けられている。キャリッジ101
は、2つのガイド軸104,105によって、それらの
延在方向(主走査方向)に沿って移動可能にガイドされ
ており、記録領域を往復走査する。キャリッジ101の
走査方向が主走査方向であり、被記録媒体106の搬送
方向が副走査方向となる。キャリッジ101には、複数
色のインクと処理液を吐出するため記録ヘッドと、それ
ぞれの記録ヘッドにインクや処理液を供給するためのイ
ンクタンクとを含む記録ヘッドユニット103が搭載さ
れている。記録ヘッドにおいて、インクを吐出するもの
を「インクヘッド」といい、また処理液を吐出するもの
を「処理液ヘッド」という。この例のインクジェット記
録装置における複数色のインクは、ブラック(Bk)、
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色
である。
【0016】キャリッジ101が移動可能な領域の左端
の下部には、回復系ユニット110が配備されており、
非記録動作時に記録ヘッドの吐出口部をキャッピングし
たりする。この左端位置を記録ヘッドのホームポジショ
ンという。107はスイッチ部と表示素子部であり、ス
イッチ部は記録装置の電源のオン/オフや各種記録モー
ドの設定時等に使用され、スイッチ部は記録装置の状態
を表示する役割をする。
【0017】図2は、記録ヘッドユニット103の斜視
図である。本例の場合、ブラック、シアン、マゼンタ、
イエローの各色インク(Bk,C,M,Y)と、処理液
のタンクが全て独立に交換可能な構成となっている。キ
ャリッジ101には、Bk,C,M,Yのインクと処理
液を吐出する記録ヘッド102と、Bk用タンク20
K、C用タンク20C、M用タンク20M、Y用タンク
20Y、および処理液S用タンク20Sが搭載される。
各タンクは記録ヘッド102と接続され、記録ヘッド1
02の吐出口に連通する液路内にインクや処理液を供給
する。この例以外にも、例えば、処理液用とBk用のタ
ンクを一体構造としてもよく、また、CとMとYのイン
ク用のタンクを一体構造としてもよい。記録ヘッド10
2において、Bk,C,M,Yのインクを吐出するイン
クヘッドの吐出口を「インク吐出口」ともいい、また処
理液Sを吐出する処理液ヘッドの吐出口を「処理液吐出
口」ともいう。
【0018】図3は、記録ヘッド102(Bk,C,
M,Yのインクヘッド30K,30C,30M,30
Y,処理液ヘッド30S)の発熱体付近の拡大断面図で
ある。
【0019】この例のインクジェット記録装置は、記録
ヘッド102の各吐出口37に対応して電気熱交換体と
しての発熱体31を配置し、その発熱体31に、記録情
報に対応する駆動信号を印加することによって、吐出口
37からインクや処理液を吐出させる記録方式を採用し
ている。吐出口37のそれぞれに対応する発熱体31
は、それぞれ独立に発熱可能な構成となっている。
【0020】発熱体31の発熱により急速に加熱された
ノズル内のインクや処理液、つまり吐出口37に連通す
るインクや処理液の液路内のインクや処理液は、膜沸騰
により気泡を発生し、この気泡生成の圧力により図3に
示すようにインクや処理液の液滴35が被記録媒体10
6に向かって吐出され、被記録媒体106上に文字や画
像を形成する。この時、吐出される各色のインク滴の体
積は1〜40ngである。吐出口37の各々には、吐出
口37に連通するインクや処理液の液路が設けられてお
り、この液路が形成される部位の後方には、これら液路
にインクや処理液を供給するための共通液室32が形成
されている。吐出口37の各々に対応する液路には、前
述したように、これら吐出口37からインクや処理液の
液滴を吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る電気熱変換体としての発熱体31や、これに電力を供
給するための電極配線が設けられている。これら、発熱
体31や電極配線は、シリコン等からなる基板33上に
成膜技術によって形成される。発熱体31の上には、イ
ンクや処理液と発熱体31とが直接接触しないように保
護膜36が形成されている。さらに、この基板33上に
樹脂やガラス材よりなる隔壁34を積層することによっ
て上記吐出口37、液路、共通液室32等が構成され
る。
【0021】ところで、処理液は、被記録媒体106に
対するインクの吐出に前後して、その被記録媒体106
上に吐出されるものであり、その機能としては、次のよ
うな機能を挙げることができる。
【0022】1.記録画像の耐水性を向上させる。
【0023】2.記録画像の印字品位を向上させる。
【0024】3.さらに、カラー記録においては、記録
画像の異なる色間の異色境界にじみを低減させる。
【0025】このような機能を持つものであれば制限は
ないが、少なくとも1種のカチオン成物質が含有されて
いると、上記効果を発揮させることが可能になり好まし
い。カチオン成物質は、分子中にカチオン性基を持つも
のであれば、特に制限はないが、その中でもポリアリル
アミンが化合物として好ましく、ポリアリルアミンと低
分子カチオン性界面活性剤とを併用するとさらに好まし
い。特に、ポリアリルアミンと低分子カチオン性界面活
性剤とを併用すると、カラー記録時には、異色境界にじ
みを低減することができるため好適である。低分子カチ
オン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム型の化
合物、具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベ
ンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザ
ルコニウム等が挙げられるが、もちろんこれらに限定さ
れるものではない。
【0026】また、本発明においては、被記録媒体10
6として、処理液の効果が大きい普通紙が好ましい。さ
らに、インクの吐出量としては、高精細な画像を得るた
め、高解像度に合った吐出量にすることが望ましく、具
体的には、記録信号に応じた1パルス当たりのインクの
吐出量が1ng〜40ngであることが好ましく、1n
g〜20ngがさらに好ましい。これ以上の吐出量では
効果がそれほど大きくないからである。
【0027】本例では、インクおよび処理液として、次
のような組成のものを用いた。各インクは、下記成分を
混合し、十分撹拌した後、孔径0.22μmのフロロポ
アフィルター(住友電気工業株式会社製:商品名)で加
圧濾過することによって得た。使用したインクと処理液
の組成は以下の通りである。
【0028】 「イエローインク」 グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 79.0重量% 「マゼンタ」 グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 78.5重量% 「シアンインク」 グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.ダイレクトブルー199 2.8重量% 水 78.2重量% 「ブラックインク」 グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料C.I.フードブラック2 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトブラック195 2.0重量% 水 78.5重量% 「処理液」 ポリアリルアミン塩酸塩 5.0重量% 塩化ベンザルコニウム(カチオンG50,三洋化成) 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% 水 83.5重量% 図4に本例で使用したカラーヘッドユニットを示す。こ
のユニットの構成は、S(処理液)チップ2301と、
Bkチップ2302と、Cチップ2303と、Mチップ
2304と、Yチップ2305をフレーム2306に固
定した構成である。それぞれのチップ2301,230
2,2303,2304,2305は、図3の処理液ヘ
ッド30S,プリントヘッド30K,30C,30M,
30Yと同様の構成となっている。各チップ2301〜
2305の間隔は1/2インチとされ、図4中左右方向
の主走査方向に等間隔に配置されている。各チップ23
01〜2305の吐出口37(図3参照)の数、つまり
ノズル数はそれぞれ64個であり、それらのノズル列は
主走査方向に対しほぼ直交するように配置されている。
【0029】各ノズルのピッチは約42μmであり、イ
ンクや処理液の吐出周波数6kHz、600dpiの解
像度で一度の主走査で64ノズル分のバンドを600d
piの解像度で記録できる。Bkチップ2302のノズ
ル列の各吐出口37からは約30ngのBkインクが吐
出され、また、YMCS各チップ2301,2303〜
2305のノズル列の各吐出口37からは約20ngの
処理液やY,M,Cのインクが吐出される。
【0030】図6は、このような構成の記録ヘッド10
2を用いて、ブラックの文字「X」,「Y」をカラー
(イエロー,ブルー)の塗りつぶしベタで囲むような画
像の記録動作の説明図である。図中Xが主走査方向、Y
が副走査方向である。
【0031】このような画像の形成に際し、矢印Xの主
走査方向におけるブラックの文字の書き出し部P11
と、少なくとも約2000画素の休止の後再記録を行う
文字の書き出し部P12に限り、その最初の1画素に対
しては処理液を吐出させない。書き出し部P11,P1
2は、文字「X」の輪郭の左側に沿って逆く字状を成す
部分、つまり図6中の二点鎖線L1,L2に沿う文字
「X」の左側部分である。また、記録ヘッド102の2
000画素分の移動にはおよそ0.3秒を要する。一
方、イエローのカラー部分を形成するイエローインク、
およびブルーの部分を形成するマゼンタ、シアンインク
については、図6中の書き出し部分P1,P2の1画素
について処理液を吐出させない。このように、ブラック
インクに関しては書き出し分P11,P12の1画素に
限り、またイエロー,マゼンタ,シアンインクに関して
は書き出し分P1,P2の1画素に限り、処理液を吐出
させないように制御する。それらのインクによる他の記
録部分の画素に対しては、その画素をインクによって形
成する前、または後に処理液を吐出する。
【0032】その結果、画像濃度に縁取りやムラのな
い、良好な画像が得られた。画像の耐水性も問題ないレ
ベルだった。比較例として、本例と同様のインクを用い
て同様の画像を形成する際に、全ての画素に対して処理
液を吐出させた。その結果、記録ヘッドが副走査方向に
改行を行ったとき、図中のP1,P11の書き出し部に
若干縁取りのような濃い記録部分が認められた。
【0033】ところで、本発明のように、休止後のイン
ク吐出口からインクが吐出される際、処理液を吐出させ
ない画素数については、インクの蒸発量がノズルの形状
等によって変化することを考慮し、ヘッド構造に応じて
決定する。ただし、その画素数の決定範囲は、1画素か
ら2画素程度までが好ましい。特に、1画素目は最もイ
ンクが濃縮されているため、本発明のように処理液を吐
出させない処理が有効である。また、主走査方向におけ
る最初の画像の書き出し部は、被記録媒体106を副走
査方向に搬送した後の記録になるため、時間の経過が大
きく、処理液を吐出させない処理を行うことがきわめて
有効となる。
【0034】以上のような処理は、記録ヘッドの一走査
分のデータを解析し、各インク吐出口毎のインク吐出デ
ータから処理液の吐出の休止タイミングを求める。また
は、記録ヘッドの走査時における画像の最初の書き出し
部を検知して、処理液の吐出を行わないかを決定する処
理を行えばよい。
【0035】本発明における色を記録するインクの色材
は、水溶性染料と顔料を併用する。水溶性染料について
は、可溶化基としてアニオン性基を有するものを用い
る。本発明で使用されるインクには、さらに、これに
水、水溶性有機溶媒、及びその他の成分、例えば粘度調
整剤、PH調整剤、防かび剤、中性、アニオン性の界面
活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。本発明
で使用されるアニオン性基を有する水溶性染料として
は、カラーインデックス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性
染料であれば特に限定はない。また、カラーインデック
スに記載のない染料であっても、アニオン性基、例えば
スルホン基およびカルボキシル基等を有するものであれ
ば特に制限はない。ここでいう水溶性染料の中には、溶
解度のPH依存性があるものも当然に含まれる。これら
の染料はインク中に1〜10重量%、好ましくは1〜5
重量%の範囲で用いる。
【0036】さらに、本発明にかかる画像の記録方法
は、インクによる被記録媒体上の画像形成領域に処理液
を吐出して付着させる工程(A)と、色材として水溶性
染料または顔料とを使用し、これを溶解または分散する
液体組成物とからなるインクを被記録媒体上に吐出して
付着させる工程(B)とを含む。また、複数の異なるイ
ンク吐出口から吐出されるインクによって1画素を形成
する方法も好ましい。この場合には、まず工程(B)を
行った後に工程(A)を行い、さらにその後に工程
(B)を行うこともできる。
【0037】(第2の実施形態)図5に、本例で使用し
たカラーヘッドユニットを示す。本例のユニットの構成
は、S(処理液)チップ2301と、第1のBkチップ
2302と、第2のBkチップ2302′と、Cチップ
2303と、Mチップ2304と、Yチップ2305を
フレーム2307に固定した構成である。各チップは主
走査方向である矢印Xの方向に1/2インチの等間隔に
配置されている。各チップの吐出口数つまりノズル数は
それぞれ64個であり、それらのノズル列は矢印X方向
に対しほぼ直交するように配置されている。
【0038】各ノズルのピッチは約42μmであり、イ
ンクや処理液の吐出周波数10kHz、1200dpi
の解像度で一度の主走査で64ノズル分のバンドを12
00dpiの解像度で記録できる。各チップの各吐出口
からは約9ngのインクや処理液が吐出される。
【0039】このような構成の記録ヘッド102を用い
て、前述した図6の画像を形成した。その場合、前述し
た実施形態と同様に、ブラックインクに関しては、書き
出し部P11,P12の1画素に限り、またイエロー,
マゼンタ,シアンインクに関しては書き出し部P1,P
2の1画素に限り、処理液を吐出させないように制御し
た。それらのインクによる他の記録部分の画素に対して
は、その画素をインクによって形成する前、または後に
処理液を吐出させる。記録ヘッド102の2000画素
分の移動にはおよそ0.2秒を要する。
【0040】その結果、画像濃度に縁取りやムラのな
い、良好な画像が得られた。画像の耐水性も問題ないレ
ベルだった。書き出し部P2,P12は、ルーペでみれ
ば若干のムラはあるが、目視ではほとんどわからないレ
ベルの良好な画素が得られた。画像の耐水性も問題ない
レベルだった。
【0041】(第3の実施形態)画像の書き出し部P
1,P2,P11,12の2画素に処理液を吐出させな
いことを除いて、第2の実施形態と同様にして記録を行
った。その結果、第1の実施形態の場合よりも画像の濃
度ムラは減少した。水中に画像を浸すとほんのわずか流
れ出しが認められたが、実用上問題ないレベルだった。
【0042】(第4の実施形態)約3000画素の休止
の後再記録を行う書き出し部の2画素に処理液を吐出さ
せないことを除いて、第2の実施形態と同様にして記録
を行った。記録ヘッド102の3000画素分の移動に
はおよそ0.3秒を要する。
【0043】その結果、前述した実施形態の場合と同様
に、画像の濃度ムラは減少した。水中に画像を浸すとほ
んのわずか流れ出しが認められたが、実用上問題ないレ
ベルだった。
【0044】(制御系の構成例について)図7は、図1
に示したインクジェット記録装置の制御系の構成例を示
すブロック図である。
【0045】図7において、CPU100はこの装置各
部動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM1
00Aには、その処理手順等が格納され、また、RAM
100Bは上記処理実行のワークエリアとして用いられ
る。
【0046】記録ヘッド103におけるインク吐出は、
CPU100が電気熱交換体の駆動データおよび駆動制
御信号をヘッドドライバ103Aに供給することにより
行われる。また、CPU100は、前述したように処理
液の吐出タイミングを制御する。さらにCPU100
は、上記キャリッジ101を移動させるためのキャリッ
ジモータ20や搬送ローラを回転させるための紙送り
(P.F)モータ50の回転を、それぞれモータドライ
バ20Aおよび50Aを介して制御する。
【0047】(インクについて)以下、本発明において
用いることができるインクの組成について説明する。
【0048】まず、アニオン性基を含有する水溶性染料
としては、例えば、下記のものが挙げられる。
【0049】ブラックインクに用いられる染料として
は、例えば、C.I.ダイレトクブラック17、C.
I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラ
ック22、C.I.ダイレクトブラック31、C.I.
ダイレクトブラック32、C.I.ダイレクトブラック
51、C.I.ダイレクトブラック62、C.I.ダイ
レクトブラック71、C.I.ダイレクトブラック7
4、C.I.ダイレクトブラック112、C.I.ダイ
レクトブラック113、C.I.ダイレクトブラック1
54、C.I.ダイレクトブラック168、C.I.ア
シッドブラック2、C.I.アシッドブラック48、
C.I.アシッドブラック51、C.I.アシッドブラ
ック52、C.I.アシッドブラック110、C.I.
アシッドブラック115、C.I.アシッドブラック1
56、C.I.リアクティブブラック1、C.I.リア
クティブブラック8、C.I.リアクティブブラック1
2、C.I.リアクティブブラック13、C.I.フー
ドブラック1、C.I.フードブラック2等が挙げられ
る。
【0050】イエローインクに用いられる染料として
は、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.
アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー2
3、C.I.アシッドイエロー25、C.I.アシッド
イエロー29、C.I.アシッドイエロー42、C.
I.アシッドイエロー49、C.I.アシッドイエロー
61、C.I.アシッドイエロー71、C.I.ダイレ
クトイエロー12、C.I.ダイレクトイエロー24、
C.I.ダイレクトイエロー26、C.I.ダイレクト
イエロー44、C.I.ダイレクトイエロー86、C.
I.ダイレクトイエロー87、C.I.ダイレクトイエ
ロー98、C.I.ダイレクトイエロー100、C.
I.ダイレクトイエロー130、C.I.ダイレクトイ
エロー142等が挙げられる。
【0051】マゼンタインクに用いられる染料として
は、C.I.アシッドレッド1、C.I.アシッドレッ
ド6、C.I.アシッドレッド8、C.I.アシッドレ
ッド32、C.I.アシッドレッド35、C.I.アシ
ッドレッド37、C.I.アシッドレッド51、C.
I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド8
0、C.I.アシッドレッド85、C.I.アシッドレ
ッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシ
ッドレッド94、C.I.アシッドレッド115、C.
I.アシッドレッド180、C.I.アシッドレッド2
54、C.I.アシッドレッド256、C.I.アシッ
ドレッド289、C.I.アシッドレッド315、C.
I.アシッドレッド317、C.I.ダイレクトレッド
1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.ダイレクト
レッド13、C.I.ダイレクトレッド17、C.I.
ダイレクトレッド23、C.I.ダイレクトレッド2
8、C.I.ダイレクトレッド31、C.I.ダイレク
トレッド62、C.I.ダイレクトレッド79、C.
I.ダイレクトレッド81、C.I.ダイレクトレッド
83、C.I.ダイレクトレッド89、C.I.ダイレ
クトレッド227、C.I.ダイレクトレッド240、
C.I.ダイレクトレッド242、C.I.ダイレクト
レッド243等が挙げられる。
【0052】シアンインクに用いられる染料としては、
C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー2
2、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブ
ルー59、C.I.アシッドブルー93、C.I.アシ
ッドブルー102、C.I.アシッドブルー104、
C.I.アシッドブルー113、C.I.アシッドブル
ー117、C.I.アシッドブルー120、C.I.ア
シッドブルー167、C.I.アシッドブルー229、
C.I.アシッドブルー234、C.I.アシッドブル
ー254、C.I.ダイレクトブルー6、C.I.ダイ
レクトブルー22、C.I.ダイレクトブルー25、
C.I.ダイレクトブルー71、C.I.ダイレクトブ
ルー78、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダ
イレクトブルー90、C.I.ダイレクトブルー10
6、C.I.ダイレクトブルー199等が挙げられる。
【0053】上記のような水溶性染料を色材として使用
するインク中に含有される水溶性有機溶剤としては、処
理液に使用される水溶性有機溶剤を同様に用いることが
できる。また、これらの水溶性有機溶剤のインク中にお
ける含有量の好適な範囲についても処理液の場合と同様
とする。さらに、インクの好適な物性範囲についても処
理液の場合と全く同様である。ただし、インクの表面張
力については、インクの表面張力を処理液の表面張力よ
りも高くした方が、本発明の画像形成方法を実施するに
あたって有効な場合がある。これは、このように両者の
表面張力を調整すれば、例えば、印字プロセス上、先に
被記録媒体上に打ち込まれた処理液が、後から打ち込ま
れるインクの被記録媒体上での濡れ性を均一にする効果
を発揮するためであろうと考えられる。
【0054】本発明で使用されるインクの色剤として顔
料が用いられている場合には、その顔料の量は、インク
全重量に対して重量比で1から20重量%、好ましくは
2から12重量%の範囲で用いる。
【0055】本発明において使用される顔料としては、
具体的には、黒色のインクに使用されるものとしてカー
ボンブラックが挙げられる。カーボンブラックとして
は、例えば、フォーネス法、チャネル法で製造されたカ
ーボンブラックであって、一次粒子径が15から40m
μ、BET法による比表面積が50から300m2
g、DBP吸油量が40から150ml/100g、揮
発分か0.5から10%、pH値が2から9等の特性を
有するものが好ましく用いられる。このような特性を有
する市販品としては、例えば、No.2300、No.
900、MCF88、No.33、No.40、No.
45、No.52、MA7、MA8、No.2200B
(以上三菱化成製)、RAVEN 1255(以上コロ
ンビア製)、REGAL 400R、REGAL 33
0R、REGAL 660R、MOGUL L(以上キ
ャボット製)、Color Black FWl、CO
LORBlack FW18、Color Black
S170、Color Black S150、Pr
intex 35、Printex U(以上デグッサ
製)等があり、いずれも好ましく使用することができ
る。
【0056】また、イエローインクに使用される顔料と
しては、例えば、C.I.Pigment Yello
w 1、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pig
ment Yellow 16、C.I.Pigmen
t Yellow 83等が挙げられる。また、マゼン
タインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.
Pigment Red 5、C.I.Pigment
Red 7、C.I.Pigment Red 1
2、C.I.Pigment Red 48(Ca)、
C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.
I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.
Pigment Red 112、C.I.Pigme
nt Red 122等が挙げられる。また、シアンイ
ンクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pi
gment Blue 1、C.I.Pigment
Blue 2、C.I.Pigment Blue
3、C.I.Pigment Blue 15:3、
C.I.Pigment Blue 16、C.I.P
igment Blue22、C.I.Vat Blu
e 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられ
る。しかし、これらの顔料に限られるものではない。ま
た、以上の他、本発明のために新たに製造された顔料も
勿論、使用することが可能である。
【0057】また、顔料を使用する場合に、顔料をイン
ク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂であれば
どのようなものでも使用することができるが、重量平均
分子量が1,000から30,000の範囲のものが好
ましく、更には、3,000から15,000の範囲の
ものが好ましい。このような分散剤として、具体的に
は、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビ
ニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、ア
クリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタ
コン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘
導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミ
ド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上
の単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)か
らなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グ
ラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或い
は、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ま
しく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶
解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂であ
る。なお、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性
樹脂は、インク全重量に対して0.1から5重量%の範
囲で含有させるのが好ましい。
【0058】特に、上記したような顔料が含有されてい
るインクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性
に調整されていることが好ましい。このようなものとす
れば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性
を向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすること
ができるので好ましい。但し、この場合、インクジェッ
ト記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因とな
る場合があるため、好ましくは7から10のpH範囲と
するのが望ましい。
【0059】この際に使用されるpH調整剤としては、
例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機
アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記したよ
うな顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中
に分散又は溶解される。
【0060】本発明で使用される顔料が含有されたイン
クにおいて好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤
の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する
一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用
するのが好ましい。
【0061】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−プチルアルコール、sec−プチルアルコー
ル、tert−プチルアルコール等の炭素数1から4の
アルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンア
ルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、プチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチ
ル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチ
ル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの
低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶
剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、
トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ま
しい。
【0062】上記したような水溶性有機溶剤のインク中
における含有量は、一般的にはインク全重量の3から5
0重量%の範囲とし、好ましくは3から40重量%の範
囲とする。また、使用される水の含有量としては、イン
ク全重量の10から90重量%、好ましくは30から8
0重量%の範囲とする。
【0063】また、本発明で使用される顔料が含有され
たインクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物
性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、
防腐剤等を適宜に添加することができる。また、色材と
して上記顔料の他に前記したような水溶性染料等を適宜
添加することもできる。また、前記と同様に、顔料が含
有されているインクを用いる場合も、インクの表面張力
が処理液の表面張力よりも大きい方が好ましいため、イ
ンク中に含有させる界面活性剤等によりインクの表面張
力をそのように調整することが好ましい。
【0064】上記したような顔料が含有されたインクの
作成方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂
及び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加
し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、
必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得
る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた
ような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本
発明で使用するインクとする。
【0065】なお、分散剤として前記したようなアルカ
リ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるた
めに塩基を添加することが必要であるが、この際に使用
する塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロ
パノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましい。
【0066】また、顔料が含有されているインクの作成
方法においては、顔料を含む水性媒体を撹拌し分散処理
する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果
的である。すなわち、このようなプレミキシング操作
は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の
吸着を促進することができるため好ましい。
【0067】上記した顔料の分散処理の際に使用される
分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるもので
もよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンド
ミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミル
が好ましく使用され、このようなものとしては、例え
ば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、
アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミ
ル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0068】また、顔料が含有されているインクをイン
クジェット記録方法に使用する場合には、吐出口におけ
る耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔
料を用いる。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法と
しては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくするこ
と、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間
を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィ
ルターや遠心分離機等で分級すること及びこれらの手法
の組合せ等の手法が挙げられる。
【0069】本発明において、顔料を含有するインクを
使用する場合には、インク中に上記で説明した各種成分
の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高
分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好まし
い。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられて
いない場合には、このようなアニオン性物質を添加する
ことが必須である。この際の添加量としては、0.05
から10重量%、好ましくは0.2から5重量%とす
る。
【0070】また、両性界面活性剤をその等電点以下の
pHに調整して含有させるのも好ましい態様である。こ
の際に使用されるアニオン性界面活性剤の例としては、
カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐
酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも
好ましく使用することができる。また、アニオン性高分
子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的には、
ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にアクリル
酸を共重合したもの等を挙げることができるが、勿論、
これらに限定されない。
【0071】(処理液とインクの関係について)次に、
本発明において用いることができる処理液とインクの関
係について説明する。
【0072】インク染料を不溶化する処理液は、一例と
して以下のようにして得ることができる。
【0073】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ
(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社
製)にて加圧濾過した後、NaOHでpHを4.8に調
整し、処理液A1を得ることができる。
【0074】 [A1の成分] カチオン性化合物の低分子成分 ステアリルトリメチルアンモニウム塩 2.0部 (商品名;エレクトロストリッパQE、花王株式会社製) または、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド (商品名;ユータミン86P、花王株式会社製) カチオン性化合物の高分子成分 ジアリルアミン塩酸塩と二酸化イオウとの共重合体 3.0部 (平均分子量;5000) (商品名;ポリアミンスルホンPAS−92、 日東紡績株式会社製) チオジグリコール 10部 水 残部 また、上記処理液と混合し不溶化するインクの好適な例
として以下のものを挙げることができる。
【0075】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品
名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)に
て加圧濾過してイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
のインクY1,M1,C1,K1を得ることができる。
【0076】 Y1 C.I.ダイレクトイエロー142 2部 チオジグリコール 10部 商品名;アセチレノールEH 0.05部 (川研ファインケミカル株式会社製) 水 残部 M1 染料をC.I.アシッドレッド289;2.5部に代え
た以外はY1と同じ組成 C1 染料をC.I.アシッドブルー9;2.5部に代えた以
外はY1と同じ組成 K1 染料をC.I.フードブラック2;3部に代えた以外は
Y1と同じ組成 以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの
混合において、本発明では、上述した処理液とインクが
被プリント材上あるいは被プリント材に浸透した位置で
混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチ
オン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基
を有する水溶性染料とがイオン的相互作用により会合を
起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。
【0077】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着
されるために、会合で生じた染料の凝集体のサイズがさ
らに大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込
みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分の
みが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定
着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカ
ニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分または
カチオン性オリゴマーとアニオン性染料で形成される凝
集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動す
ることがないので、フルカラーの画像形成時のように隣
接したインクドットが異色のインクで形成されていたと
しても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイ
ングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶
性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。
また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光
堅牢性も向上するという効果も有する。
【0078】本明細書において使用される「不溶化」ま
たは「凝集」の用語は、前記第1段階のみの現象また
は、第1段階と第2段階の両方を含んだ現象を意味す
る。
【0079】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0080】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0081】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0082】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス株式会社製)に仕込み、1
mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷し
つつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cp
s、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機
にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカ
ーボンブラック分散体を作製した。
【0083】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック 24部 (商品名;Mogul L、キャブラック株式会社製) ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0084】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0085】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (商品名;ノバパームイエロー PH−G、 Hoechst Aktiengesellschaft製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0086】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0087】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (商品名;ファストゲンブル−FGF、 大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0088】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0089】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122 24部 (大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0090】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0091】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0092】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0093】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0094】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0095】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0096】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0097】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0098】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定時間以上に亙って休止状態にあったインクの吐出口
からインクが吐出される際、その吐出口から最初に吐出
されるインクが付着する被記録媒体上の位置に限って、
インクの定着性や耐水性も向上させるための処理液を吐
出させないことにより、記録画像における部分的な記録
濃度のムラをなくして、高精細な画像を記録することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用可能なインクジェット記録装置の
概略斜視図である。
【図2】本発明に適用可能なインクジェット記録ヘッド
の概略斜視図である。
【図3】本発明に適用可能なインクジェット記録ヘッド
の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に適用したインクジェ
ットヘッドユニットの模式的上面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に適用したインクジェ
ットヘッドユニットの模式的上面図である。
【図6】本発明の実施形態の記録動作を説明するための
画像の平面図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置の制御系の構
成例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
20K,20C,20N,20Y インクタンク 20S 処理液タンク 30 記録ヘッド 30K,30C,30M,30Y インクヘッド 30S 処理液ヘッド 31 発熱体 32 共通液室 33 基板 34 隔壁 35 インク滴 36 保護膜 37 吐出口 100 記録装置 101 キャリッジ 102 ヘッドケース 103 記録ヘッドユニット 104 ガイド軸 105 ガイド軸 106 被記録媒体 107 スイッチ部および表示部 108 プラテン 109 送りローラ 110 回復系ユニット
フロントページの続き (72)発明者 倉林 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 勝彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出口からインクを吐出可能なイ
    ンクヘッドと、前記インク中の色素材を不溶化または擬
    集させる処理液を複数の吐出口から吐出可能な処理液ヘ
    ッドとを用いて、被記録媒体上に画像を記録するインク
    ジェット記録方法において、 前記画像の記録動作中に所定時間以上に亙ってインクを
    吐出しない休止状態にあった前記インクヘッドの吐出口
    から最初に吐出されるインクが付着する前記被記録媒体
    上の位置を少なくとも除き、前記インクヘッドから吐出
    されるインクが付着する前記被記録媒体上の位置に、そ
    のインクの付着に前後して前記処理液ヘッドから前記処
    理液を吐出させることを特徴とするインクジェット記録
    方法。
  2. 【請求項2】 前記休止状態にあった前記インクヘッド
    の吐出口がインクを吐出する際、最初から複数番目に亙
    って吐出されるインクのそれぞれが付着する前記被記録
    媒体上の位置には、前記処理液ヘッドから前記処理液を
    吐出させないことを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 前記休止状態にあった前記インクヘッド
    の吐出口は、所定の記録画素の形成数に相当する時間に
    亙って継続してインクを吐出しなかった吐出口であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  4. 【請求項4】 前記インクヘッドの吐出口から吐出され
    るインク滴の吐出量は、1から40ng/ドットである
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記インクヘッドの吐出口から吐出され
    るインク滴の吐出量は、1から20ng/ドットである
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記処理液は、少なくとも1種のカチオ
    ン性物質を含むことを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記処理液に含まれるカチオン性物質
    は、ポリアリルアミンであることを特徴とする請求項6
    に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記処理液に含まれるカチオン性物質
    は、カチオン性界面活性剤とポリアリルアミンであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方
    法。
  9. 【請求項9】 前記インクと前記処理液を付着させる前
    記被記録媒体上の位置に、前記処理液を付着させてから
    前記インクを付着させ、その後さらに前記処理液を付着
    させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記
    載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 複数の吐出口からインクを吐出可能な
    インクヘッドと、前記インク中の色素材を不溶化または
    擬集させる処理液を複数の吐出口から吐出可能な処理液
    ヘッドとを用いて、被記録媒体上に画像を記録するイン
    クジェット記録装置において、 前記画像の記録動作中に所定時間以上に亙ってインクを
    吐出しない休止状態にあった前記インクヘッドの吐出口
    から最初に吐出されるインクが付着する前記被記録媒体
    上の位置を少なくとも除き、前記インクヘッドから吐出
    されるインクが付着する前記被記録媒体上の位置に、そ
    のインクの付着に前後して前記処理液ヘッドから前記処
    理液を吐出させる制御手段を備えたことを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、前記休止状態にあっ
    た前記インクヘッドの吐出口がインクを吐出する際、最
    初から複数番目に亙って吐出されるインクのそれぞれが
    付着する前記被記録媒体上の位置には、前記処理液ヘッ
    ドから前記処理液を吐出させないことを特徴とする請求
    項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、所定の記録画素の形
    成数に相当する時間に亙って継続してインクを吐出しな
    かった前記インクヘッドの吐出口を前記休止状態にあっ
    た吐出口とすることを特徴とする請求項10または11
    に記載のインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、前記インクヘッドの
    吐出口から吐出させるインク滴の吐出量を1から40n
    g/ドットとすることを特徴とする請求項10から12
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、前記インクヘッドの
    吐出口から吐出させるインク滴の吐出量を1から20n
    g/ドットとすることを特徴とする請求項10から12
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 前記処理液は、少なくとも1種のカチ
    オン性物質を含むことを特徴とする請求項10から14
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 前記処理液に含まれるカチオン性物質
    は、ポリアリルアミンであることを特徴とする請求項1
    5に記載のインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記処理液に含まれるカチオン性物質
    は、カチオン性界面活性剤とポリアリルアミンであるこ
    とを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録
    装置。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、前記インクと前記処
    理液を付着させる前記被記録媒体上の位置に、前記処理
    液を付着させてから前記インクを付着させ、その後さら
    に前記処理液を付着させることを特徴とする請求項10
    から17のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記インクヘッドと前記処理液ヘッド
    を主走査方向に往復移動させる移動手段と、前記被記録
    媒体を前記主走査方向と略直交する副走査方向に沿って
    搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする請求項1
    0から18のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  20. 【請求項20】 前記インクヘッドおよび前記処理液ヘ
    ッドは、インクおよび処理液を吐出するためのエネルギ
    ーを発生する吐出エネルギー発生部を有することを特徴
    とする請求項10から19のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
  21. 【請求項21】 前記吐出エネルギー発生部は、熱エネ
    ルギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とす
    る請求項20に記載のインクジェット記録装置。
JP9073277A 1997-03-26 1997-03-26 インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Pending JPH10264367A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6601945B2 (en) 2000-12-28 2003-08-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and apparatus
JP2007260984A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Fujifilm Corp 画像記録方法及び画像記録装置

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